JP5736746B2 - 露光装置 - Google Patents

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Description

本発明は、コヒーレント光を感光媒体の表面に導光する露光装置に関する。
露光装置、例えば半導体素子などの回路パターンの形成に用いられるフォトリソグラフィでは、レチクル(マスク)パターンを半導体ウエハ等の基板上に転写する手法を採用している。この手法では、基板上に感光性のフォトレジストを塗布しておき、このフォトレジストの上にレチクルを配置して、このレチクルの上方に高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ等を配置してレチクルを照明する。これにより、フォトレジスト上には、レチクルパターンに応じた照射光像が形成される。
一般に、投影露光装置(例えばステッパ)では、レチクル上に描画された転写対象のパターンを、投影光学系を介して基板上に投影して結像させる。
しかしながら、高圧水銀ランプなどの高輝度放電ランプは、寿命が比較的短く、頻繁にランプ交換を行う必要がある。また、複数波長を含む上に発散光源であるため、集光や整形、結像のために比較的大型かつ高機能な光学系を利用する必要があり、装置全体が大型化するという難点がある。
このような問題に対処するため、レーザなどのコヒーレント光源を用いる方式も提案されている。例えば、産業上で広く利用されている半導体レーザは、高圧水銀ランプなどの高輝度放電ランプに比べて極めて長寿命である。また、単一波長の直進性が高い光を生成可能な光源であるため、光学系を小型かつ単純にすることが可能である上に、装置全体を小型化でき、光利用効率を向上できるという利点も有する。
その一方で、レーザ光などのコヒーレント光源を用いる方式には、スペックルの発生が問題となってくる。スペックル(speckle)は、レーザ光などのコヒーレント光を散乱面に照射したときに現れる斑点状の模様であり、スクリーン上に発生すると斑点状の輝度ムラ(明るさのムラ)として観察され、観察者に対して生理的な悪影響を及ぼす要因になる。コヒーレント光を用いた場合にスペックルが発生する理由は、スクリーンなどの散乱反射面の各部で反射したコヒーレント光が、その極めて高い可干渉性ゆえに、互いに干渉し合うことによって生じるものとされている。例えば、下記の非特許文献1には、スペックルの発生についての詳細な理論的考察がなされている。
このように、コヒーレント光源を用いる方式では、スペックルの発生という固有の問題が生じるため、スペックルの発生を抑制するための技術が提案されている。例えば、下記の特許文献2には、レーザ光を散乱板に照射し、そこから得られる散乱光を光変調器に導くとともに、散乱板をモータによって回転駆動することにより、スペックルを低減する技術が開示されている。
特開2004−264512号公報 特開平6−208089号公報
Speckle Phenomena in Optics, Joseph W. Goodman, Roberts & Co., 2006
従来よりスペックルを低減する技術がいくつか提案されているが、これまでに提案された手法では、スペックルを効率的かつ十分に抑制することはできていない。例えば、前掲の特許文献2に開示されている方法では、レーザ光を散乱板に照射して散乱させてしまうため、一部のレーザ光は映像表示に全く貢献することなく浪費されてしまう。また、スペックル低減のために散乱板を回転させる必要があるが、そのような機械的な回転機構は比較的大型の装置となり、また、電力消費も大きくなる。更に、散乱板を回転させたとしても、照明光の光軸の位置は変わらないため、スクリーン上での拡散に起因して発生するスペックルを十分に抑制することはできない。
また、スペックルは、投射装置の特有の問題ではなく、被照明領域にコヒーレント光を照明する照明装置を組み込んだ種々の装置において問題となっている。例えば、画像情報の読み取りを行うスキャナにも、読み取り対象となる対象物を照明する照明装置が組み込まれている。読み取り対象となる対象物を照明する光によってスペックルが生じた場合には、画像情報を正確に読み取ることができない。このような不都合を回避するため、コヒーレント光を利用したスキャナでは、画像補正等の特殊な処理を行う必要が生じている。
ところで、コヒーレント光は、レーザ光に代表されるように、優れた直進性を有するとともに、非常にエネルギ密度の高い光として照射され得る。したがって、実際に開発される照明装置としては、このようなコヒーレント光の特性に対応して、コヒーレント光の光路が設計されていることが好ましい。
本件発明者らは、以上の点を踏まえて鋭意研究を重ね、その結果として、コヒーレント光で被照明領域を照明して、この照明光を感光媒体に導光する露光装置であって、感光媒体上でスペックルを目立たなくさせることができる露光装置を発明するにいたった。また、本件発明者らは、さらに研究を進め、コヒーレント光を照明される被照明領域内に明るさが突出して明るくなる領域が生じることを安定して防止し得るように、当該露光装置を改善することができた。すなわち、本発明は、感光媒体上に形成される光像にスペックルが目立たないようにすることができ、且つ被照明領域内の明るさのムラの発生を効果的に抑制できる露光装置を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明の一態様では、各点が少なくとも被照明領域の全域に対してコヒーレント光を拡散可能な光学素子と、
コヒーレント光が前記光学素子の表面を走査するように、前記光学素子に前記コヒーレント光を照射する照射装置と、
前記被照明領域と重なる位置に配置され、前記照射装置によって照明される光変調器と、を備え、
前記照射装置は、コヒーレント光の進行方向を変化させて、該コヒーレント光を前記光学素子の表面上で走査させるものであり、
前記光変調器で変調されたコヒーレント光は、感光媒体の表面に導光されることを特徴とする露光装置が適用される。
本発明によれば、被照明領域および感光媒体の表面上でのスペックルを効果的に目立たなくさせることができるとともに、被照明領域および感光媒体の表面上での明るさのばらつきを抑制できる。
本発明の基本形態に係る露光装置の概略構成を示す図。 図1の照明装置40の動作原理を説明する図。 ホログラム記録媒体55に散乱板の像を干渉縞として形成する様子を説明する図。 図3の露光工程を経て得られたホログラム記録媒体55に形成された干渉縞を用いて散乱板の像を再生する様子を説明する図。 走査デバイス65の走査経路を説明する図。 本発明の一応用形態に係る露光装置の概略構成を示す図。 ホログラム記録媒体55を用いた場合と用いない場合でスペックルコントラストを測定した結果を示す図。 2軸方向に回動可能な走査デバイスを備えた照射装置の一例を示す図。 ホログラム記録媒体55に平行光を入射させる例を示す図。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、本件明細書に添付する図面においては、図示と理解のしやすさの便宜上、縮尺および縦横の寸法比等を、実物のそれらから適宜変更したり、誇張してある。
本発明の一実施の形態に係る露光装置は、基本形態として、スペックルを効果的に防止することが可能な構成を有する。さらに、本発明の一応用形態に係る露光装置は、基本形態の構成に加えて、結像光学系を備えたことを特徴とする。以下の説明では、まず、図1〜図5を参照して、本発明の基本形態について説明する。
(基本形態の構成)
図1は本発明の基本形態に係る露光装置の概略構成を示す図である。図1に示す露光装置10は、光学素子50と、照射装置60と、空間光変調器30とを備えている。空間光変調器30で変調されたコヒーレント光は、感光媒体15の表面に導光される。光学素子50と照射装置60とにより照明装置40が構成される。
光学素子50は、被照明領域LZに散乱板の像を再生し得るホログラム記録媒体55を有する。ホログラム記録媒体55の詳細については、後述する。
照射装置60は、コヒーレント光が光学素子50の表面を走査するように、光学素子50にコヒーレント光を照射する。照射装置60は、コヒーレント光を放射するレーザ光源61と、レーザ光源61から放射されたコヒーレント光を光学素子50の表面上で走査させる走査デバイス65とを有する。
空間光変調器30は、例えば透過型または反射型のレチクル(マスク)である。この場合、レチクルパターンに応じた光像が感光媒体15の表面上に形成され、半導体素子を作製するための露光装置として用いることができる。
あるいは、空間光変調器30は、透過型の液晶マイクロディスプレイでもよい。この場合、照明装置40によって面状に照明される空間光変調器30が、画素毎にコヒーレント光を選択して透過させることにより、微細なパターンからなる変調画像(光像)を感光媒体15上に形成できる。
また、空間光変調器30の入射面は、照明装置40がコヒーレント光を照射する被照明領域LZと同一の形状および大きさであることが好ましい。この場合、照明装置40からのコヒーレント光を、感光媒体15の露光用に高効率で利用することができる。
感光媒体15は、例えばレジストパターンが塗布された半導体ウエハである。ただし、感光媒体15の種類には特に制限はなく、感光剤を塗布したフィルムでもよい。
感光媒体15は、空間光変調器30にできるだけ密接して配置される。以下、この理由を詳細に説明する。空間光変調器30が例えばマスクである場合、マスクのエッジにコヒーレント光が入射すると、このエッジでコヒーレント光が回折され、回折像が得られる。回折像による影響は、空間光変調器30と感光媒体15との間隔が大きくなるほど大きくなり、マスクによる本来の光像がぼやけてしまう。そこで、本基本形態では、回折像による影響を軽減するために、感光媒体15を空間光変調器30にできるだけ密接して配置する。
このように、感光媒体15を空間光変調器30にできるだけ密接して配置しなければならないことから、空間光変調器30は透過型の部材(レチクルや液晶マイクロディスプレイなど)に制限され、反射型の部材は実装が困難である。
図2は図1の照明装置40の動作原理を説明する図である。図2では、説明の簡略化のために、照明装置40内の一部の構成要素のみを図示している。以下、図2を用いて、図1の照明装置40の基本的な動作原理を説明する。
光学素子50を構成するホログラム記録媒体55は、照射装置60から放射されるコヒーレント光を再生照明光Laとして受けて、当該コヒーレント光を高効率で回折することができる。とりわけ、ホログラム記録媒体55は、その各位置、言い換えると、その各点とも呼ばれるべき各微小領域に入射するコヒーレント光を回折することによって、被照明領域LZに散乱板6の像5を再生することができるようになっている。
一方、照射装置60は、ホログラム記録媒体55に照射されるコヒーレント光が、走査デバイス65によりホログラム記録媒体55上を走査するようにしている。したがって、ある瞬間には、照射装置60は、ホログラム記録媒体55の表面上の微小領域にコヒーレント光を照射する。
そして、照射装置60から放射されてホログラム記録媒体55上を走査するコヒーレント光は、ホログラム記録媒体55上の各位置(各微小領域、以下同様)に、当該ホログラム記録媒体55の回折条件を満たすような入射角度で、入射するようになっている。とりわけ、図2に示すように、照射装置60からホログラム記録媒体55の各位置に入射したコヒーレント光が、それぞれ、被照明領域LZに重ねて散乱板6の像5を再生するようになっている。すなわち、照射装置60からホログラム記録媒体55の各位置に入射したコヒーレント光は、それぞれ、光学素子50で拡散されて(拡げられて)、被照明領域LZに入射するようになる。
このようなコヒーレント光の回折作用を可能にするホログラム記録媒体55として、図示する例では、フォトポリマーを用いた透過型の体積型ホログラムが用いられている。図3はホログラム記録媒体55に散乱板の像を干渉縞として形成する様子を説明する図である。
図3に示すように、ホログラム記録媒体55は、実物の散乱板6からの散乱光を物体光Loとして用いて作製されている。図3には、ホログラム記録媒体55をなすようになる感光性を有したホログラム感光材料58に、互いに干渉性を有するコヒーレント光からなる参照光Lrと物体光Loとが露光されている状態が示されている。
参照光Lrとしては、例えば、特定波長域のレーザ光を発振するレーザ光源61からのレーザ光が用いられる。参照光Lrは、レンズからなる集光素子7を透過してホログラム感光材料58に入射する。図3に示す例では、参照光Lrを形成するためのレーザ光が、集光素子7の光軸と平行な平行光束として、集光素子7へ入射する。参照光Lrは、集光素子7を透過することによって、それまでの平行光束から収束光束に整形(変換)され、ホログラム感光材料58へ入射する。この際、収束光束Lrの焦点位置FPは、ホログラム感光材料58を通り過ぎた位置にある。すなわち、ホログラム感光材料58は、集光素子7と、集光素子7によって集光された収束光束Lrの焦点位置FPと、の間に配置される。
次に、物体光Loは、例えばオパールガラスからなる散乱板6からの散乱光として、ホログラム感光材料58に入射する。図3の例では、作製されるべきホログラム記録媒体55が反射型であり、物体光Loは、参照光Lrと反対側の面からホログラム感光材料58へ入射する。物体光Loは、参照光Lrと干渉性を有することが前提である。したがって、例えば、同一のレーザ光源61から発振されたレーザ光を分割させて、分割された一方を上述の参照光Lrとして利用し、他方を物体光Loとして使用することができる。
図3に示す例では、散乱板6の板面への法線方向と平行な平行光束が、散乱板6へ入射して散乱され、そして、散乱板6を透過した散乱光が物体光Loとしてホログラム感光材料58へ入射している。この方法によれば、通常安価に入手可能な等方散乱板を散乱板6として用いた場合に、散乱板6からの物体光Loが、ホログラム感光材料58に概ね均一な光量分布で入射することが可能となる。またこの方法によれば、散乱板6による散乱の度合いにも依存するが、ホログラム感光材料58の各位置に、散乱板6の出射面6aの全域から概ね均一な光量で物体光Loが入射しやすくなる。このような場合には、得られたホログラム記録媒体55の各位置に入射した光が、それぞれ、散乱板6の像5を同様の明るさで再生し、かつ、再生された散乱板6の像5が概ね均一な明るさで観察されることが実現され得る。
以上のようにして、参照光Lrおよび物体光Loがホログラム記録材料58に露光されると、参照光Lrおよび物体光Loが干渉してなる干渉縞が生成され、この光の干渉縞が、何らかのパターン(体積型ホログラムでは、一例として、屈折率変調パターン)として、ホログラム記録材料58に記録される。その後、ホログラム記録材料58の種類に対応した適切な後処理が施され、ホログラム記録材料55が得られる。
図4は図3の露光工程を経て得られたホログラム記録媒体55に形成された干渉縞を用いて散乱板の像を再生する様子を説明する図である。図4に示すように、図3のホログラム感光材料58にて形成されたホログラム記録媒体55は、露光工程で用いられたレーザ光と同一波長の光であって、露光工程における参照光Lrの光路を逆向きに進む光によって、そのブラッグ条件が満たされるようになる。すなわち、図4に示すように、露光工程時におけるホログラム感光材料58に対する焦点FPの相対位置(図3参照)と同一の位置関係をなすようにしてホログラム記録媒体55に対して位置する基準点SPから発散し、露光工程時における参照光Lrと同一の波長を有する発散光束は、再生照明光Laとして、ホログラム記録媒体55にて回折され、露光工程時におけるホログラム感光材料58に対する散乱板6の相対位置(図3参照)と同一の位置関係をなすようになるホログラム記録媒体55に対する特定の位置に、散乱板6の再生像5を生成する。
この際、散乱板6の再生像5を生成する再生光(再生照明光Laをホログラム記録媒体55で回折してなる光)Lbは、露光工程時に散乱板6からホログラム感光材料58へ向かって進んでいた物体光Loの光路を逆向きに進む光として散乱板6の像5の各点を再生する。ここで、図3に示したように、露光工程時に散乱板6の出射面6aの各位置から出射する散乱光Loが、それぞれ、ホログラム感光材料58の概ね全領域に入射するように拡散している(広がっている)。すなわち、ホログラム感光材料58上の各位置には、散乱板6の出射面6aの全領域からの物体光Loが入射し、結果として、出射面6a全体の情報がホログラム記録媒体55の各位置にそれぞれ記録されている。このため、図4に示された、再生照明光Laとして機能する基準点SPからの発散光束をなす各光は、それぞれ単独で、ホログラム記録媒体55の各位置に入射して互いに同一の輪郭を有した散乱板6の像5を、互いに同一の位置(被照明領域LZ)に再生することができる。
ホログラム記録媒体55に入射した光は、被照明領域LZの方向に回折されるため、無駄な散乱光を効果的に抑制できる。したがって、ホログラム記録媒体55に入射される再生照明光Laをすべて、散乱板6の像を形成するために有効利用できる。
次に、このようなホログラム記録媒体55からなる光学素子50にコヒーレント光を照射する照射装置60の構成について説明する。図1および図2に示された例において、照射装置60は、それぞれがコヒーレント光を生成するレーザ光源61と、このレーザ光源61からのコヒーレント光の進行方向を変化させる走査デバイス65と、を有する。
レーザ光源61は、例えば紫外線光を放射するものである。あるいは、それぞれ異なる波長帯域のレーザ光を放射する複数のレーザ光源61を用いてもよい。複数のレーザ光源61を用いる場合は、各レーザ光源61からのレーザ光が走査デバイス65上の同一点を照射するようにする。これにより、ホログラム記録媒体55は、各レーザ光源61の照明色が混ざり合った再生照明光で照明されることになる。
ホログラム記録媒体55には、走査デバイス65で反射されたレーザ光源61からのコヒーレント光が入射され、これにより、レーザ光源61の波長帯域に応じた照明色の散乱板6の像5が被照明領域LZの全域に生成される。
走査デバイス65は、コヒーレント光の進行方向を経時的に変化させ、コヒーレント光の進行方向が一定とはならないよう種々の方向へ向ける。この結果、走査デバイス65で進行方向を変化させられるコヒーレント光が、光学素子50のホログラム記録媒体55の入射面上を走査するようになる。
図2に示された例では、走査デバイス65は、一つの軸線RA1を中心として回動可能な反射面66aを有する反射デバイス66を含んでいる。図5は走査デバイス65の走査経路を説明する図である。図5からわかるように、反射デバイス66は、一つの軸線RA1を中心として回動可能な反射面66aとしてのミラーを有したミラーデバイスを有する。このミラーデバイス66は、ミラー66aの配向を変化させることによって、レーザ光源61からのコヒーレント光の進行方向を変化させるようになっている。この際、図2に示すように、ミラーデバイス66は、概ね、基準点SPにおいてレーザ光源61からコヒーレント光を受けるようになっている。
ミラーデバイス66で進行方向を最終調整されたコヒーレント光は、基準点SPからの発散光束の一光線をなし得る再生照明光La(図4参照)として、光学素子50のホログラム記録媒体55へ入射し得る。結果として、照射装置60からのコヒーレント光がホログラム記録媒体55上を走査するようになり、且つ、ホログラム記録媒体55上の各位置に入射したコヒーレント光が同一の輪郭を有した散乱板6の像5を同一の位置(被照明領域LZ)に再生するようになる。
図5に示すように、反射デバイス66は、一つの軸線RA1に沿ってミラー66aを回動させるように構成されている。図5に示された例では、ミラー66aの回動軸線RA1は、ホログラム記録媒体55の板面上に定義されたXY座標系(つまり、XY平面がホログラム記録媒体55の板面と平行となるXY座標系)のY軸と、平行に延びている。そして、ミラー66aが、ホログラム記録媒体55の板面上に定義されたXY座標系のY軸と平行な軸線RA1を中心として回動するため、照射装置60からのコヒーレント光の光学素子50への入射点IPは、ホログラム記録媒体55の板面上に定義されたXY座標系のX軸と平行な方向に往復動するようになる。すなわち、図5に示された例では、照射装置60は、コヒーレント光がホログラム記録媒体55上を直線経路に沿って走査するように、光学素子50にコヒーレント光を照射する。
ミラーデバイス66等で構成される走査デバイス65は、上述したように、少なくとも軸線A1回りに回動可能な部材であり、例えば、MEMSなどを用いて構成される。走査デバイス65は、周期的に回動運動を行うが、1回の露光時間中に少なくとも1周期以上光学素子50上をコヒーレント光で走査できればその回動周波数には特に制限はない。
なお、実際上の問題として、ホログラム記録媒体55を作成する際、ホログラム記録材料58が収縮する場合がある。このような場合、ホログラム記録材料58の収縮を考慮して、照射装置60から光学素子50に照射されるコヒーレント光の波長が調整されることが好ましい。したがって、コヒーレント光源61で生成するコヒーレント光の波長は、図3の記録工程で用いた光の波長と厳密に一致させる必要はなく、ほぼ同一となっていてもよい。
また、同様の理由から、光学素子50のホログラム記録媒体55へ入射する光の進行方向も、基準点SPからの発散光束に含まれる一光線と厳密に同一の経路を取っていなくとも、被照明領域LZに像5を再生することができる。実際に、図2および図5に示す例では、走査デバイス65をなすミラーデバイス66のミラー(反射面)66aは、必然的に、その回動軸線RA1からずれる。したがって、基準点SPを通過しない回動軸線RA1を中心としてミラー66aを回動させた場合、ホログラム記録媒体55へ入射する光は、基準点SPからの発散光束をなす一光線とはならないことがある。しかしながら、実際には、図示された構成の照射装置60からのコヒーレント光によって、被照明領域LZに重ねて像5を実質的に再生することができる。
ところで、走査デバイス65は、必ずしもコヒーレント光を反射させる部材である必要はなく、反射ではなく、コヒーレント光を屈折や回折等を行わせて、コヒーレント光を光学素子50上で走査させてもよい。
(基本形態の作用効果)
次に、以上の構成からなる露光装置の作用について説明する。
まず、照射装置60は、コヒーレント光が光学素子50のホログラム記録媒体55上を走査するように、光学素子50へコヒーレント光を照射する。具体的には、レーザ光源61で一定方向に沿って進む特定波長のコヒーレント光が生成され、このコヒーレント光が走査デバイス65に照射され、その進行方向は可変される。より具体的には、レーザ光源61からの入射角度に応じた反射角度で各コヒーレント光はホログラム記録媒体55に向かって進行する。
走査デバイス65は、ホログラム記録媒体55上の各位置に、当該位置でのブラッグ条件を満たす入射角度で、対応する特定波長のコヒーレント光を入射させる。この結果、各位置に入射したコヒーレント光は、それぞれ、ホログラム記録媒体55に記録された干渉縞による回折により、被照明領域LZの全域に重ねて散乱板6の像5を再生する。すなわち、照射装置60からホログラム記録媒体55の各位置に入射したコヒーレント光は、それぞれ、光学素子50で拡散されて(拡げられて)、被照明領域LZの全域に入射するようになる。このようにして、照射装置60は、被照明領域LZをコヒーレント光で照明する。例えば、レーザ光源61がそれぞれ異なる色で発光する複数のレーザ光源61を有する場合は、被照明領域LZは、各色で散乱板6の像5が再生される。したがって、これらレーザ光源61が同時に発光する場合は、被照明領域LZは3色が混ざり合った白色で照明されることになる。
走査デバイス65からのコヒーレント光のホログラム記録媒体55上の入射位置は、走査デバイス65の駆動により、各位置内で経時的に移動することなる。
本基本形態では、以下に説明するように、スペックルを目立たせずに感光媒体15上に光像を形成することができる。
前掲の非特許文献1によれば、スペックルを目立たなくさせるには、偏光・位相・角度・時間といったパラメータを多重化し、モードを増やすことが有効であるとされている。ここでいうモードとは、互いに無相関なスペックルパターンのことである。例えば、複数のレーザ光源61から同一のスクリーンに異なる方向からコヒーレント光を投射した場合、レーザ光源61の数だけ、モードが存在することになる。また、同一のレーザ光源61からのコヒーレント光を、単位時間毎に異なる方向からスクリーンに投射した場合、人間の目で分解不可能な時間の間にコヒーレント光の入射方向が変化した回数だけ、モードが存在することになる。そして、このモードが多数存在する場合には、光の干渉パターンが無相関に重ねられて平均化され、結果として、観察者の目によって観察されるスペックルが目立たなくなるものと考えられている。
上述した照射装置60は、コヒーレント光がホログラム記録媒体55上を走査するように、光学素子50にコヒーレント光を照射する。また、照射装置60からホログラム記録媒体55の各位置に入射したコヒーレント光は、それぞれ、同一の被照明領域LZの全域を照明するが、当該被照明領域LZを照明するコヒーレント光の照明方向は互いに異なる。そして、コヒーレント光が入射するホログラム記録媒体55上の位置が経時的に変化するため、被照明領域LZへのコヒーレント光の入射方向も経時的に変化する。
被照明領域LZを基準にして考えると、被照明領域LZ内の各位置には絶えずコヒーレントが入射してくるが、その入射方向は常に変化し続けることになる。結果として、被照明領域LZと重なり合う空間光変調器30に近接配置された感光媒体15上には、空間光変調器30による変調光が経時的に光路を変化させながら入射されることになる。
上述したように、本基本形態では、コヒーレント光は、ホログラム記録媒体55上を連続的に走査する。これに伴って、照射装置60から光学素子50を介して被照明領域LZに入射されるコヒーレント光の入射方向も連続的に変化する。ここで、光学素子50から被照明領域LZへのコヒーレント光の入射方向が僅か(例えば0.数°)だけ変化すれば、被照明領域LZ上に生じるスペックルのパターンも大きく変化し、無相関なスペックルパターンが重畳されることになる。加えて、実際に市販されているMEMSミラーやポリゴンミラー等の走査デバイス65の周波数は通常数百Hz以上であり、数万Hzにも達する走査デバイス65も珍しくない。
以上のことから、本基本形態によれば、被照明領域LZの各位置において時間的にコヒーレント光の入射方向が変化していき、且つ、この変化は、人間の目で分解不可能な速さである。したがって、仮に被照明領域LZにスクリーンを配置したとすると、各散乱パターンに対応して生成されたスペックルが重ねられ平均化されて観察者に観察されることから、スクリーンに表示されている映像を観察する観察者に対して、スペックルを極めて効果的に目立たなくさせることができる。
上記のような理由により、本基本形態では、被照明領域LZに重なる位置に空間光変調器30を配置している。これにより、空間光変調器30上のどの位置においても、スペックルが目立たなくなる。
また、感光媒体15は、空間光変調器30にできるだけ密接して配置されるため、空間光変調器30で変調された光像をできるだけ忠実に感光媒体15の表面に導光することができる。
ところが、空間光変調器30の表面がミラー面である場合は、このミラー面で、ホログラム記録媒体55からのコヒーレント光が反射してしまう。この反射光を人間の目で見たり、あるいは撮像装置で撮像したりすると、ホログラム記録媒体55自体を直接観察することとなるため、スペックルが視認されることになる。スペックルが視認される理由は、ミラー面では、ホログラム記録媒体55からのコヒーレント光を拡散させ新たな複数のスペックルパターンを生成できないため、言い換えれば、各点が常に同じ波面を生成するホログラム記録媒体55からの波面をミラー面で折り返してそのまま観察しているためである。
空間光変調器30からスペックルを含む反射光が照射されるのは、あまり望ましいことではない。レーザ強度によっては、人間の目に悪影響を与える可能性があるためである。
そこで、このような反射光を回避するために、図1に破線で示したように、ホログラム記録媒体55と空間光変調器30の間に、光拡散素子21を配置してもよい。光拡散素子21は、代表例としてはレリーフあるいは体積型ホログラム記録媒体であるが、表面が拡散面であれば、特に材料に制限はない。例えば、ガラスの片面をすりガラス状(不透明)に加工したものでもよい。あるいは、光拡散素子21は、オパールガラス、レリーフ拡散板、またはマイクロレンズアレイなどでもよい。
このような光拡散素子21を設ければ、空間光変調器30には、光拡散素子21で拡散されたコヒーレント光が入射されることになり、空間光変調器30や感光媒体15の表面がミラー面であったとしても、これら表面上でスペックルが目立たなくなる。
ここで、ホログラム記録媒体55上の各点は、常に一定の波面を持つコヒーレント光を照射する。しかしながら、光拡散素子21の各点にはホログラム記録媒体55の各点から経時的に異なる角度でコヒーレント光が入射するため、光拡散素子21の各点の散乱特性は経時的に変化する、すなわち経時的に異なる波面を連続的に生成することができる。これに対して、空間光変調器30上には、光拡散素子21で生成された経時的に波面が変化するコヒーレント光が入射される。したがって、空間光変調器30上では、光拡散素子21からのコヒーレント光の拡散パターンが経時的に変化する結果、たとえ一部がミラーである空間光変調器を直接観察したとしてもスペックルが時間的に重畳されて目立たなくなる。
なお、人間によって観察される従来のスペックルには、感光媒体15上でのコヒーレント光の散乱を原因とする感光媒体15側でのスペックルだけでなく、感光媒体15に投射される前におけるコヒーレント光の散乱を原因とする光学素子50側でのスペックルも発生し得る。この光学素子50側で発生したスペックルパターンは、空間光変調器30を介し感光媒体15上に投影されることによって、観察者に認識され得るようにもなる。しかしながら、上述してきた基本形態によれば、コヒーレント光がホログラム記録媒体55上を連続的に走査し、そしてホログラム記録媒体55の各位置に入射したコヒーレント光が、それぞれ、空間光変調器30が重ねられた被照明領域LZの全域を照明する。すなわち、ホログラム記録媒体55が、スペックルパターンを形成していたそれまでの波面とは別途の新たな波面を形成し、複雑且つ均一に、被照明領域LZ、さらには、空間光変調器30を介してスクリーンを照明する。このようなホログラム記録媒体55での新たな波面の形成により、光学素子50側で発生するスペックルパターンは不可視化されることになる。
上述したように、本発明の基本形態では、走査デバイス65を用いて、コヒーレント光をホログラム記録媒体55上で走査させ、ホログラム記録媒体55から照射されたコヒーレント光を被照明領域LZと重なり合う空間光変調器30に入射する。また、空間光変調器30に近接して感光媒体15を配置するため、きわめて簡易な構成で、感光媒体15上にスペックルを目立たせずにコヒーレント光を導光できる。
また、照射装置60と空間光変調器30の間に光拡散素子21を配置することで、空間光変調器30での反射光に対しても、スペックルを目立たせなくすることができる。
(一応用形態)
図1の露光装置は、空間光変調器30と感光媒体15との間に結像光学系を設けずに、近接露光を行うことを前提としたものである。これに対して、以下に説明する一応用形態では、結像(投影)光学系を設けたことを特徴とする。
図6は本発明の一応用形態に係る露光装置の概略構成を示す図である。図6では、図1と共通する構成部分には同一符号を付しており、以下では相違点を中心に説明する。
図6の露光装置10aは、図1と同様に、光学素子50と、照射装置60と、空間光変調器30とを備えており、これらに加えて、空間光変調器30と感光媒体15の間に配置される結像光学系25と、照射装置60と空間光変調器30の間に配置される光拡散素子21とを備えている。
結像光学系25は、空間光変調器30で変調されたコヒーレント光を感光媒体15上に結像させるものである。結像光学系25を設けることで、拡大露光あるいは縮小露光が可能となる。
図1の露光装置10aでは、光拡散素子21は必ずしも必須ではなかったが、図6の露光装置10aでは、光拡散素子21は必須である。以下、この理由を詳細に説明する。
コヒーレント光はホログラム記録媒体55上を連続的に走査するため、照射装置60から被照明領域LZへのコヒーレント光の入射角度も連続的に変化し、光学素子50から感光媒体15上に入射されるコヒーレント光の入射角度も連続的に変化する。したがって、離れた位置から人間が感光媒体15の表面を視認した場合には、人間の目には、相関の無いコヒーレント光の散乱パターンが多重化されて視認されることになる。したがって、各散乱パターンに対応して生成されたスペックルが重畳して平均化されて観察者に観察されることになり、スペックルは視認されなくなる。
ところが、感光媒体15は、スクリーンとは異なり、空間光変調器30からの光像を記録するためのものである。感光媒体15に光像を記録するということは、感光媒体15からホログラム記録媒体55側を望んだときに人間の目に入る像を記録することと等価である。感光媒体15と空間光変調器30の間には、結像光学系25が存在し、結像された感光媒体15上の各点は、結像光学系25と空間光変調器30を介してホログラム記録媒体55上の各点に対応づけられている。上述したように、ホログラム記録媒体55上の各点は、時間によらず常に一定の波面を持つコヒーレント光を照射するため、感光媒体15上のある点からホログラム記録媒体55側を望むと、常に一定の波面を持つコヒーレント光が見えることになり、無相関なスペックルパターンを発生させる要素がないため、スペックルが目立ってしまう。すなわち、感光媒体15上には、スペックルを含んだ光像が記録されてしまう。
一方、ホログラム記録媒体55と空間光変調器30の間に光拡散素子21を配置すると、光拡散素子21の各点には経時的に入射角度の異なるコヒーレント光が入射し、経時的に異なる散乱特性の光、すなわち異なる波面を出射する。そして、光拡散素子21の各点から照射されるコヒーレント光は経時的に波面が変化する結果、感光媒体15上の各点から光拡散素子21側を望んだ場合には、経時的に波面が変化するコヒーレント光が見えることになり、感光媒体15上で無相関なスペックルパターンが重畳されることになり、スペックルは目立たなくなる。
以上の理由で、本応用形態では、ホログラム記録媒体55と空間光変調器30の間に光拡散素子21を配置している。理想的には、光学素子50で拡散されたコヒーレント光の被照明領域が光拡散素子21上に設けられるようにするのがよい。このようにすれば、自ずと、光学素子50の各点からの拡散光が光拡散素子50上で時間変化する入射光となり、感光媒体15から光学素子50側を望んだときに、スペックルが目立たなくなる。
ところで、光拡散素子21は、照射装置60と空間光変調器30の間のどこに配置してもよいというわけではない。例えば、光拡散素子21が空間光変調器30の近く、より具体的には、光拡散素子21が空間光変調器30から結像光学系25の焦点深度の長さ以内に配置された場合、光拡散素子21の光像が感光媒体15上に写り込んでしまう。一方、光拡散素子21が空間光変調器30から結像光学系25の焦点深度の長さより遠くに配置されている場合には、光拡散素子21の光像は完全にぼやけてしまい、感光媒体15上に結像するおそれはない。したがって、光拡散素子21は、照射装置60と空間光変調器30の間であって、空間光変調器30から結像光学系25の焦点深度の長さより遠くに配置するのが望ましい。
ただし、光拡散素子21がオパールガラスのように表面が平坦で照度が比較的均一な場合は、結像光学系25の焦点深度の長さ以内に配置しても、感光媒体15上に光拡散素子21の像が露光の画質に影響を及ぼさない場合も考えられ、その場合は光拡散素子21を結像光学系25の焦点深度の長さより遠くに配置することは必須ではない。
上述したように、本発明の一応用形態では、走査デバイス65を用いて、コヒーレント光をホログラム記録媒体55上で走査させ、ホログラム記録媒体55から照射されたコヒーレント光を光拡散素子21で拡散させる。これにより、光拡散素子21の各点から照射されるコヒーレント光の干渉パターンを変化させる。光拡散素子21から照射されたコヒーレント光を空間光変調器30に入射するため、空間光変調器30上でスペックルを目立たせなくすることができる。したがって、空間光変調器30と感光媒体15の間に結像光学系25があっても、感光媒体15上でもスペックルが目立たなくなる。
(露光装置10,10aのその他の特徴)
以下は、上述した露光装置10,10aに共通の内容であり、以下では、「本実施形態に係る露光装置」と呼ぶ。
前掲の非特許文献1には、スクリーン上に生じたスペックルの程度を示すパラメータとして、スペックルコントラスト(単位%)という数値を用いる方法が提案されている。このスペックルコントラストは、本来は均一の輝度分布をとるべきテストパターン映像を表示した際に、スクリーン上に実際に生じる輝度のばらつきの標準偏差を、輝度の平均値で除した値として定義される量である。このスペックルコントラストの値が大きければ大きいほど、スクリーン上のスペックル発生程度が大きいことを意味し、観察者に対して、斑点状の輝度ムラ模様がより顕著に提示されていることを示す。
図7は上述したホログラム記録媒体55を用いた場合と用いない場合でスペックルコントラストを測定した結果を示す図である。図7(a)は走査デバイス65と光学素子50を用いずにレーザ光を直接被照明領域LZに照射した場合、図7(b)は光学素子50として拡散角が20°になるように作製した体積型ホログラムを用いた場合、図7(c)は光学素子50としてレリーフ拡散版を用いた場合である。また、図7(d)は照射装置60としてレーザ光源61の代わりに単色LEDを用いて、単色LEDの発光光を直接被照明領域LZに照射した場合を示している。
表示装置等では、スペックルコントラストが5以下であることがスペックルノイズの基準指標が良好であることを示すことを考慮すると、図7(b)に示す本実施形態の構成では、スペックルコントラストが4未満であり、極めて良好な結果を得ることができた。
スペックルの発生という問題は、実用上、レーザ光などのコヒーレント光源を用いた場合に生じる固有の問題であり、LEDなどの非コヒーレント光源を用いた装置では、考慮する必要のない問題である。ところが、図7によれば、本実施形態の方が単色LEDを用いた場合よりもスペックルコントラストが優れているが、単色LEDの照明には光拡散素子21を用いていないためと考えられる。以上から、本実施形態に係る露光装置10,10aでは、スペックル不良に十分に対処することができたと言える。
加えて、上述してきた本実施形態によれば、次の利点を享受することもできる。
上述してきた本実施形態によれば、スペックルを目立たなくさせるための光学素子50が、照射装置60から照射されるコヒーレント光のビーム形態を整形および調整するための光学部材としても機能し得る。したがって、光学系を小型且つ簡易化することができる。
また、上述してきた本実施形態によれば、ホログラム記録媒体55の各記録領域内の特定位置に入射するコヒーレント光が、被照明領域LZの全域に各色で散乱板6の像5を生成するとともに、当該像5に重ねて空間光変調器30が配置されている。このため、ホログラム記録媒体55で回折された光をすべて画像形成のために利用することが可能となり、レーザ光源61からの光の利用効率の面においても優れる。
上述した一応用形態における空間光変調器30は、透過型または反射型のフォトマスクでもよいし、マイクロミラーデバイスまたは反射型LCOS(Liquid Crystal On Silicon)でもよい。
(0次光の回避)
照射装置60からのコヒーレント光の一部は、ホログラム記録媒体55で回折されることなく当該ホログラム記録媒体55を透過する。このような光は0次光と呼ばれる。0次光が被照明領域LZに入射してしまうと、周囲と比較して明るさ(輝度)が急激に上昇する異常領域(点状領域、線状領域、面状領域)が被照明領域LZ内に発生してしまう。
反射型のホログラム記録媒体55(以下、反射型ホロ)を用いる場合は、0次光が進行する方向には空間光変調器30と投射光学系25は配置されないため、0次光を比較的容易に回避できるが、透過型のホログラム記録媒体55(以下、透過型ホロ)を用いる場合は、0次光が進行する方向と近い方向に空間光変調器30と投射光学系25が配置される可能性が高く、注意が必要である。具体的には、0次光が空間光変調器30や投射光学系25を通過しないように、0次光の進行経路に応じて、走査デバイス65、空間光変調器30および投射光学系25の配置場所を設計する必要がある。
(反射型と透過型のホログラム記録媒体)
反射型ホロは、透過型ホロに比べて、波長選択性が高い。すなわち、反射型ホロは、異なる波長に対応した干渉縞を積層させても、所望の層のみで所望の波長のコヒーレント光を回折させることができる。また、0次光の影響を除去しやすい点でも、反射型ホロは優れている。
一方、透過型ホロは、回折可能なスペクトルが広く、レーザ光源61の許容度が広いが、異なる波長に対応した干渉縞を積層させると、所望の層以外の層でも所望の波長のコヒーレント光が回折されてしまう。よって、一般には、透過型ホロは、積層構造にするのが困難である。
(照射装置60)
上述した形態では、照射装置60が、レーザ光源61と走査デバイス65とを有する例を説明した。走査デバイス65は、コヒーレント光の進行方向を反射によって変化させる一軸回動型のミラーデバイス66からなる例を示したが、これに限られない。走査デバイス65は、図8に示すように、ミラーデバイス66のミラー(反射面66a)が、第1の回動軸線RA1だけでなく、第1の回動軸線RA1と交差する第2の回動軸線RA2を中心としても回動可能となっていてもよい。図8に示された例では、ミラー66aの第2の回動軸線RA2は、ホログラム記録媒体55の板面上に定義されたXY座標系のY軸と平行に延びる第1回動軸線RA1と、直交している。そして、ミラー66aが、第1軸線RA1および第2軸線RA2の両方を中心として回動可能なため、照射装置60からのコヒーレント光の光学素子50への入射点IPは、ホログラム記録媒体55の板面上で二次元方向に移動可能となる。このため、一例として図8に示されているように、コヒーレント光の光学素子50への入射点IPが円周上を移動するようにすることもできる。
また、走査デバイス65が、二以上のミラーデバイス66を含んでいてもよい。この場合、ミラーデバイス66のミラー66aが、単一の軸線を中心としてのみ回動可能であっても、照射装置60からのコヒーレント光の光学素子50への入射点IPを、ホログラム記録媒体55の板面上で二次元方向に移動させることができる。
なお、走査デバイス65に含まれるミラーデバイス66aの具体例としては、MEMSミラー、ポリゴンミラー等を挙げることができる。
また、走査デバイス65は、反射によってコヒーレント光の進行方向を変化させる反射デバイス(一例として、上述してきたミラーデバイス66)以外のデバイスを含んで構成されていてもよい。例えば、走査デバイス65が、屈折プリズムやレンズ等を含んでいていてもよい。
そもそも、走査デバイス65は必須ではなく、照射装置60の光源61が、光学素子50に対して変位可能(移動、揺動、回転)に構成され、光源61の光学素子50に対する変位によって、光源61から照射されたコヒーレント光がホログラム記録媒体55上を走査するようにしてもよい。
さらに、照射装置60の光源61が、線状光線として整形されたレーザ光を発振する前提で説明してきたが、これに限られない。とりわけ、上述した形態では、光学素子50の各位置に照射されたコヒーレント光は、光学素子50によって、被照明領域LZの全域に入射するようになる光束に整形される。したがって、照射装置60の光源61から光学素子50に照射されるコヒーレント光は精確に整形されていなくとも不都合は生じない。このため、光源61から発生されるコヒーレント光は、発散光であってもよい。また、光源61から発生されるコヒーレント光の断面形状は、円でなく、楕円等であってもよい。さらには、光源61から発生されるコヒーレント光の横モードがマルチモードであってもよい。
なお、光源61が発散光束を発生させる場合、コヒーレント光は、光学素子50のホログラム記録媒体55に入射する際に、点ではなくある程度の面積を持った領域に入射することになる。この場合、ホログラム記録媒体55で回折されて被照明領域LZの各位置に入射する光は、角度を多重化されることになる。言い換えると、各瞬間において、被照明領域LZの各位置には、或る程度の角度範囲の方向からコヒーレント光が入射する。このような角度の多重化によって、スペックルをさらに効果的に目立たなくさせることができる。
さらに、上述した形態において、照射装置60が、発散光束に含まれる一光線の光路をたどるようにして、コヒーレント光を光学素子50へ入射させる例を示したが、これに限られない。例えば、図9に示すように、上述した形態において、走査デバイス65が、コヒーレント光の光路に沿ってミラーデバイス66の下流側に配置された集光レンズ67を、さらに含むようにしてもよい。この場合、発散光束を構成する光線の光路を進むミラーデバイス66からの光が、集光レンズ67によって、一定の方向に進む光となる。すなわち、照射装置60は、平行光束を構成する光線の光路をたどるようにして、コヒーレント光を光学素子50へ入射させるようになる。このような例では、ホログラム記録媒体55を作製する際の記録工程において、参照光Lrとして、上述した収束光束に代えて、平行光束を用いることになる。このようなホログラム記録媒体55は、より簡単に作製および複製することができる。
(光学素子50)
上述した形態において、光学素子50が、フォトポリマーを用いた反射型の体積型ホログラム55からなる例を示したが、これに限られない。また、光学素子50は、銀塩材料を含む感光媒体を利用して記録するタイプの体積型ホログラムを含んでもよい。さらに、光学素子50は、透過型の体積型ホログラム記録媒体55を含んでいてもよいし、レリーフ型(エンボス型)のホログラム記録媒体55を含んでいてもよい。
ただし、レリーフ(エンボス)型ホログラムは、表面の凹凸構造によってホログラム干渉縞の記録が行われる。しかしながら、このレリーフ型ホログラムの場合、表面の凹凸構造による散乱が、新たなスペックル生成要因となる可能性があり、この点において体積型ホログラムの方が好ましい。体積型ホログラムでは、媒体内部の屈折率変調パターン(屈折率分布)としてホログラム干渉縞の記録が行われるため、表面の凹凸構造による散乱による影響を受けることはない。
もっとも、体積型ホログラムでも、銀塩材料を含む感光媒体を利用して記録するタイプのものは、銀塩粒子による散乱が新たなスペックル生成要因となる可能性がある。この点において、ホログラム記録媒体55としては、フォトポリマーを用いた体積型ホログラムの方が好ましい。
また、図3に示す記録工程では、いわゆるフレネルタイプのホログラム記録媒体55が作成されることになるが、レンズを用いた記録を行うことにより得られるフーリエ変換タイプのホログラム記録媒体55を作成してもかまわない。ただ、フーリエ変換タイプのホログラム記録媒体55を用いる場合には、像再生時にもレンズを使用してもよい。
また、ホログラム記録媒体55に形成されるべき縞状パターン(屈折率変調パターンや凹凸パターン)は、現実の物体光Loおよび参照光Lrを用いることなく、予定した再生照明光Laの波長や入射方向、並びに、再生されるべき像の形状や位置等に基づき計算機を用いて設計されてもよい。このようにして得られたホログラム記録媒体55は、計算機合成ホログラムとも呼ばれる。また上述した変形例のように波長域の互いに異なる複数のコヒーレント光が照射装置60から照射される場合には、計算機合成ホログラムとしてのホログラム記録媒体55は、各波長域のコヒーレント光にそれぞれ対応して設けられた複数の領域に平面的に区分けされ、各波長域のコヒーレント光は対応する領域で回折されて像を再生するようにしてもよい。
さらに、上述した形態において、光学素子50が、各位置に照射されたコヒーレント光を拡げて、当該拡げたコヒーレント光を用いて被照明領域LZの全域を照明するホログラム記録媒体55を有する例を示したが、これに限られない。光学素子50は、ホログラム記録媒体55に代えて、或いはホログラム記録媒体55に加えて、各位置に照射されたコヒーレント光の進行方向を変化させるとともに拡散させて、被照明領域LZの全域をコヒーレント光で照明する光学要素としてのレンズアレイを有するようにしてもよい。このような具体例として、拡散機能を付与された全反射型または屈折型フレネルレンズや、フライアイレンズ等を挙げることができる。このような照明装置40においても、照射装置60が、レンズアレイ上をコヒーレント光が走査するようにして、光学素子50にコヒーレント光を照射するようにし、且つ、照射装置60から光学素子50の各位置に入射したコヒーレント光が、レンズアレイによって進行方向を変化させられて被照明領域LZを照明するよう、照射装置60および光学素子50を構成しておくことにより、スペックルを効果的に目立たなくさせることができる。
(照明方法)
上述した形態において、照射装置60が光学素子50上でコヒーレント光を一次元方向に走査可能とするように構成され、且つ、光学素子50のホログラム記録媒体55(またはレンズアレイ)が各位置に照射されたコヒーレント光を二次元方向に拡散するよう(拡げるように、発散させるように)に構成され、これにより、照明装置40が二次元的な被照明領域LZを照明する例を示した。ただし、既に説明してきたように、このような例に限定されることはなく、例えば、照射装置60が光学素子50上でコヒーレント光を二次元方向に走査可能とするように構成され、且つ、光学素子50のホログラム記録媒体55(またはレンズアレイ)が各位置に照射されたコヒーレント光を二次元方向に拡散するよう(拡げるように、発散させるように)に構成され、これにより、図8に示したように、照明装置40が二次元的な被照明領域LZを照明してもよい。
また、既に言及しているように、照射装置60が光学素子50上でコヒーレント光を一次元方向に走査可能とするように構成され、且つ、光学素子50のホログラム記録媒体55(またはレンズアレイ)が各位置に照射されたコヒーレント光を一次元方向に拡散するよう(拡げるように、発散させるように)に構成され、これにより、照明装置40が一次元的な被照明領域LZを照明するようにしてもよい。この態様において、照射装置60によるコヒーレント光の走査方向と、光学素子50のホログラム記録媒体55(またはレンズアレイ)の拡散方向(拡げる方向)と、が平行となるようにしてもよい。
さらに、照射装置60が光学素子50上でコヒーレント光を一次元方向または二次元方向に走査可能とするように構成され、且つ、光学素子50のホログラム記録媒体55(またはレンズアレイ)が各位置に照射されたコヒーレント光を一次元方向に拡散するよう(拡げるように、発散させるように)に構成されていてもよい。この態様において、既に説明したように、光学素子50が複数のホログラム記録媒体55(またはレンズアレイ)を有し、各ホログラム記録媒体55(またはレンズアレイ)に対応した被照明領域LZを順に照明していくことによって、照明装置40が二次元的な領域を照明するようにしてもよい。この際、各被照明領域LZが、人間の目では同時に照明されているかのような速度で、順に照明されていってもよいし、あるいは、人間の目でも順番に照明していると認識できるような遅い速度で、順に照明されていってもよい。
本発明の態様は、上述した個々の実施形態に限定されるものではなく、当業者が想到しうる種々の変形も含むものであり、本発明の効果も上述した内容に限定されない。すなわち、特許請求の範囲に規定された内容およびその均等物から導き出される本発明の概念的な思想と趣旨を逸脱しない範囲で種々の追加、変更および部分的削除が可能である。
5 像
6 散乱板
10 投射型映像表示装置
15 感光媒体
21 光拡散素子
25 結像光学系
30 空間光変調器
40 照明装置
50 光学素子
55 ホログラム記録媒体
60 照射装置
61 レーザ光源
65 走査デバイス
66 ミラーデバイス(反射デバイス)
66a ミラー(反射面)
67 集光レンズ
LZ 被照明領域

Claims (15)

  1. 各点からのコヒーレント光を拡散可能な光学素子と、
    コヒーレント光が前記光学素子の表面を走査するように、前記光学素子に前記コヒーレント光を照射する照射装置と、
    前記照射装置によって照明される光変調器と、
    前記光学素子と前記光変調器との間に配置され、前記光学素子から経時的に異なる入射角度で入射されたコヒーレント光を拡散させる光拡散素子と、を備え、
    前記照射装置は、コヒーレント光の進行方向を変化させて、該コヒーレント光を前記光学素子の表面上で走査させるものであり、
    前記光変調器で変調されたコヒーレント光は、感光媒体の表面に導光され、
    前記光変調器には、前記光拡散素子で拡散されたコヒーレント光が入射されることを特徴とする露光装置。
  2. 前記光変調器は、前記感光媒体に近接配置されることを特徴とする請求項1に記載の露光装置。
  3. 前記光変調器は、コヒーレント光を部分的に透過させることにより光変調を行うことを特徴とする請求項2に記載の露光装置。
  4. 前記光学素子と前記光変調器との間に配置され、前記光学素子からのコヒーレント光を前記所定の領域に集光する集光光学系を備えることを特徴とする請求項1に記載の露光装置。
  5. 前記光変調器で変調されたコヒーレント光を前記感光媒体の表面に結像させる結像光学系を備えることを特徴とする請求項1に記載の露光装置。
  6. 前記光拡散素子は、前記光変調器から前記結像光学系の焦点深度の長さよりも離れた位置に配置されることを特徴とする請求項5に記載の露光装置。
  7. 前記光変調器は、透過型または反射型のフォトマスクであることを特徴とする請求項5または6に記載の露光装置。
  8. 前記光変調器は、マイクロミラーデバイスまたは反射型LCOS(Liquid Crystal on Slicon)であることを特徴とする請求項5に記載の露光装置。
  9. 前記光拡散素子は、表面上の各点が前記光変調器に重なる領域に参照部材の像を再生するホログラム記録媒体か、またはマイクロレンズアレイであることを特徴とする請求項1に記載の露光装置。
  10. 前記光学素子は、表面上の各点が前記光変調器に重なる領域に参照部材の像を再生するホログラム記録媒体であることを特徴とする請求項1に記載の露光装置。
  11. 前記光学素子は、マイクロレンズアレイであることを特徴とする請求項1に記載の露光装置。
  12. 前記照射装置は、
    コヒーレント光を出射する光源と、
    前記光源から出射されたコヒーレント光を走査する走査デバイスと、
    複数の要素レンズを有し、前記走査デバイスで走査された光を発散させるレンズアレイと、
    前記レンズアレイの各点から出射される発散光の発散角度を抑えるとともに、発散角度の抑えられた発散光が前記光変調器に重なる領域を経時的に重ねて照明するように設定された光路変換系と、を備えることを特徴とする請求項1に記載の露光装置。
  13. 前記照射装置は、
    コヒーレント光を放射する光源と、
    前記光源から放射された前記コヒーレント光の進行方向を変化させて、該コヒーレント光を前記光学素子の表面上で走査させる走査デバイスと、を有し、
    前記走査デバイスは、コヒーレント光が前記光学素子の表面を走査するように、1次元方向に走査可能なミラーデバイスであることを特徴とする請求項1に記載の露光装置。
  14. 前記照射装置は、
    コヒーレント光を放射する光源と、
    前記光源から放射された前記コヒーレント光の進行方向を変化させて、該コヒーレント光を前記光学素子の表面上で走査させる走査デバイスと、を有し、
    前記走査デバイスは、コヒーレント光が前記光学素子の表面を走査するように、2次元方向に走査可能なミラーデバイスであることを特徴とする請求項1に記載の露光装置。
  15. 前記走査デバイスは、それぞれが1次元方向に走査可能な複数の前記ミラーデバイスを有し、これら複数のミラーデバイスにて2次元方向に走査可能としたことを特徴とする請求項14に記載の露光装置。
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