JP2015172763A - 照明装置 - Google Patents
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Abstract
Description
コヒーレント光を用いた場合にスペックルが発生する理由は、スクリーンなどの散乱反射面の各部で反射したコヒーレント光が、その極めて高い可干渉性ゆえに、互いに干渉し合うことによって生じるものとされている。例えば、下記の非特許文献1には、スペックルの発生についての詳細な理論的考察がなされている。
コヒーレント光は、レーザ光に代表されるように、優れた直進性を有するとともに、非常にエネルギー密度の高い光として照射され得る。したがって、実際に開発される照明装置としては、このようなコヒーレント光の特性に対応して、コヒーレント光の光路が設計されていることが好ましい。
すなわち、本発明は、スペックルが目立たないようにすることができ、且つ被照明領域内の明るさのムラの発生を効果的に抑制できる投射装置を提供することを目的とする。
コヒーレント光を拡散して前記拡散面上に選択情報の像を形成する光学素子と、
コヒーレント光が前記光学素子上を走査するように、前記光学素子に前記コヒーレント光を照射する照射装置と、
前記拡散面上に形成された前記選択情報の像を拡大する拡大投射光学系と、
前記拡大投射光学系で拡大された前記選択情報の像を形成するコヒーレント光の一部を反射させて前記選択情報の像の虚像を形成するとともに、該虚像を外光とともに観察者が視認可能とする半透過部材と、を備え、
前記光学素子は、前記選択情報に含めることが可能な情報が予め記録されるか、あるいは前記選択情報に含めることが可能な任意の情報を切り替えて表示可能であり、
前記照射装置は、
コヒーレント光を生成する光源と、
前記光学素子上のコヒーレント光の走査位置に合わせて、前記光源にコヒーレント光を生成させるか否かを制御する光源制御部と、を有することを特徴とする投射装置が提供される。
本実施形態は、一例として、速度表示が可能なヘッドアップディスプレイ装置への適用を想定しており、速度表示に必要な数字「0」〜「9」、またはアルファベット「k」、「m」の情報を各要素ホログラム59に記録している。
次に、以上の構成からなる投射装置20の作用および効果について説明する。
ここでいうモードとは、互いに無相関なスペックルパターンのことである。例えば、複数のレーザ光源61から同一のスクリーンに異なる方向からコヒーレント光を投射した場合、レーザ光源61の数だけ、モードが存在することになる。また、同一のレーザ光源61からのコヒーレント光を、単位時間毎に異なる方向からスクリーンに投射した場合、人間の目で分解不可能な時間の間にコヒーレント光の入射方向が変化した回数だけ、モードが存在することになる。そして、このモードが多数存在する場合には、光の干渉パターンが無相関に重ねられて平均化され、結果として、観察者の目によって観察されるスペックルが目立たなくなるものと考えられている。
前掲の非特許文献1には、スクリーン上に生じたスペックルの程度を示すパラメータとして、スペックルコントラスト(単位%)という数値を用いる方法が提案されている。このスペックルコントラストは、本来は均一の輝度分布をとるべきテストパターン映像を表示した際に、スクリーン上に実際に生じる輝度のばらつきの標準偏差を、輝度の平均値で除した値として定義される量である。このスペックルコントラストの値が大きければ大きいほど、スクリーン上のスペックル発生程度が大きいことを意味し、観察者に対して、斑点状の輝度ムラ模様がより顕著に提示されていることを示す。
照射装置60からのコヒーレント光の一部は、ホログラム記録媒体55で回折されることなく当該ホログラム記録媒体55を透過する。このような光は0次光と呼ばれる。0次光が拡散スクリーン15に入射してしまうと、周囲と比較して明るさ(輝度)が急激に上昇する点状領域、線状領域、面状領域等の異常領域が拡散スクリーン15に発生してしまう。
反射型ホロは、透過型ホロに比べて、波長選択性が高い。すなわち、反射型ホロは、異なる波長に対応した干渉縞を積層させても、所望の層のみで所望の波長のコヒーレント光を回折させることができる。また、0次光の影響を除去しやすい点でも、反射型ホロは優れている。
上述した形態では、照射装置60が、レーザ光源61と走査デバイス65とを有する例を説明した。走査デバイス65は、コヒーレント光の進行方向を反射によって変化させる一軸回動型のミラーデバイス66からなる例を示したが、これに限られない。走査デバイス65は、図6に示すように、ミラーデバイス66のミラー(反射面)66aが、第1の回動軸線RA1だけでなく、第1の回動軸線RA1と交差する第2の回動軸線RA2を中心としても回動可能となっていてもよい。図6に示された例では、ミラー66aの第2の回動軸線RA2は、ホログラム記録媒体55の板面上に定義されたXY座標系のY軸と平行に延びる第1回動軸線RA1と、直交している。そして、ミラー66aが、第1軸線RA1および第2軸線RA2の両方を中心として回動可能なため、照射装置60からのコヒーレント光の光学素子50への入射点IPは、ホログラム記録媒体55の板面上で二次元方向に移動可能となる。このため、一例として図6に示されているように、コヒーレント光の光学素子50への入射点IPが円周上を移動するようにすることもできる。
したがって、照射装置60の光源61から光学素子50に照射されるコヒーレント光は精確に整形されていなくとも不都合は生じない。このため、光源61から発生されるコヒーレント光は、発散光であってもよい。また、光源61から発生されるコヒーレント光の断面形状は、円でなく、楕円等であってもよい。さらには、光源61から発生されるコヒーレント光の横モードがマルチモードであってもよい。
上述した形態において、光学素子50が、フォトポリマーを用いた反射型の体積型ホログラム55からなる例を示したが、これに限られない。また、光学素子50は、銀塩材料を含む感光媒体を利用して記録するタイプの体積型ホログラムを含んでもよい。さらに、光学素子50は、透過型の体積型ホログラム記録媒体55を含んでいてもよいし、レリーフ型(エンボス型)のホログラム記録媒体55を含んでいてもよい。
上述した形態において、照射装置60が光学素子50上でコヒーレント光を一次元方向に走査可能とするように構成され、且つ、光学素子50のホログラム記録媒体55またはレンズアレイが各位置に照射されたコヒーレント光を二次元方向に拡散するように構成される例を示した。ただし、既に説明してきたように、このような例に限定されることはなく、例えば、照射装置60が光学素子50上でコヒーレント光を二次元方向に走査可能とするように構成され、且つ、光学素子50のホログラム記録媒体55またはレンズアレイが各位置に照射されたコヒーレント光を二次元方向に拡散するように構成されてもよい。
ミラー(反射面)、67 集光レンズ、70 リレー光学系、80 拡大投射光学系80
Claims (13)
- 拡散面を有する拡散部材と、
コヒーレント光を拡散して前記拡散面上に選択情報の像を形成する光学素子と、
コヒーレント光が前記光学素子上を走査するように、前記光学素子に前記コヒーレント光を照射する照射装置と、
前記拡散面上に形成された前記選択情報の像を拡大する拡大投射光学系と、
前記拡大投射光学系で拡大された前記選択情報の像を形成するコヒーレント光の一部を反射させて前記選択情報の像の虚像を形成するとともに、該虚像を外光とともに観察者が視認可能とする半透過部材と、を備え、
前記光学素子は、前記選択情報に含めることが可能な情報が予め記録されるか、あるいは前記選択情報に含めることが可能な任意の情報を切り替えて表示可能であり、
前記照射装置は、
コヒーレント光を生成する光源と、
前記光学素子上のコヒーレント光の走査位置に合わせて、前記光源にコヒーレント光を生成させるか否かを制御する光源制御部と、を有することを特徴とする投射装置。 - 前記光学素子は、前記選択情報に含めることが可能な複数の情報が予め記録されたホログラム記録媒体であり、前記ホログラム記録媒体の各点は、コヒーレント光を拡散させて前記拡散面上に2次元像を重ねて形成し、この2次元像の重ね合わせにより前記拡散面上に前記選択情報の像を形成することを特徴とする請求項1に記載の投射装置。
- 前記ホログラム記録媒体は、前記選択情報に含めることが可能な情報がそれぞれ記録された複数の要素ホログラムを近接配置または積層させたものであり、
前記複数の要素ホログラムのそれぞれの各点は、前記拡散面上の前記要素ホログラムに対応する領域に前記2次元像を重ねて形成することを特徴とする請求項2に記載の投射装置。 - 前記ホログラム記録媒体は、反射型または透過型であることを特徴とする請求項2または3に記載の投射装置。
- 前記光学素子は、前記選択情報に含めることが可能な情報の表示更新が可能なマイクロミラーデバイス、または反射型あるいは透過型LCOS、または透過型の液晶パネルであることを特徴とする請求項1に記載の投射装置。
- 前記照射装置は、
コヒーレント光を生成する光源と、
前記光源からのコヒーレント光の進行方向を変化させて、当該コヒーレント光を前記光学素子上で走査させる走査デバイスと、
前記光学素子上のコヒーレント光の走査位置に合わせて、前記光源にコヒーレント光を生成させるか否かを制御する光源制御部と、を有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の投射装置。 - 前記走査デバイスは、前記光学素子上を、予め定めた方向に沿って繰り返し走査し、
前記光源制御部は、前記選択情報に関連のある情報が記録された前記光学素子上の特定の領域を前記走査デバイスが走査している間のみ、前記光源にコヒーレント光を生成させることを特徴とする請求項6に記載の投射装置。 - 前記半透過部材は、前記拡散面で拡散されたコヒーレント光の一部を反射させて前記虚像を形成し、前記虚像を外光とともに観察者の方向に導光するハーフミラーを有することを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の投射装置。
- 前記ハーフミラーは、車両のフロントガラスであることを特徴とする請求項8に記載の投射装置。
- 前記半透過部材は、ホログラム記録媒体またはプリズムを有することを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の投射装置。
- 前記拡大投射光学系は、凹面鏡であることを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載の投射装置。
- 前記拡大投射光学系は、ホログラム記録媒体であることを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載の投射装置。
- 前記光源は、それぞれ異なる波長帯域のコヒーレント光を生成する複数の光源部を有し、
前記光学素子は、前記複数の光源部のそれぞれに対応して設けられ、対応する光源部からのコヒーレント光を拡散可能な複数の光学素子部を有し、
前記複数の光学素子部で拡散されたコヒーレント光は、前記拡散面上で合成されて、複数の色成分を含む前記選択情報の像を形成することを特徴とする請求項1乃至12のいずれかに記載の照射装置。
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