JP5417897B2 - 投射型映像表示装置および映像表示方法 - Google Patents

投射型映像表示装置および映像表示方法 Download PDF

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Description

本発明は、投射型映像表示装置および映像表示方法に関し、特に、コヒーレント光源からの光を用いて空間光変調器を照明し、スクリーン上に映像表示を行う技術に関する。
スクリーン上に光を投射して映像表示を行う投射型映像表示装置は、いわゆる「光学式プロジェクタ」と呼ばれている市販品を含めて、様々な方式のものが提案されている。このような投射型映像表示装置の基本原理は、液晶マイクロディスプレイやDMD(Digital Micromirror Device)などの空間光変調器を利用して、元になる二次元画像を生成し、この二次元画像を投射光学系を利用してスクリーン上に拡大投影するものである。
一般的な光学式プロジェクタでは、高圧水銀ランプなどの白色光源を用いて液晶ディスプレイ等の空間光変調器を照明し、得られた変調画像をレンズでスクリーン上に拡大投影する方式を採っている。たとえば、下記の特許文献1には、超高圧水銀ランプで発生させた白色光を、ダイクロイックミラーによってR,G,Bの三原色成分に分け、これらの光を各原色ごとの空間光変調器へ導き、生成された各原色ごとの変調画像をクロスダイクロイックプリズムによって合成してスクリーン上に投影する技術が開示されている。
ただ、高圧水銀ランプなどの高輝度放電ランプは、寿命が比較的短く、光学式プロジェクタなどに利用した場合、頻繁にランプ交換を行う必要がある。また、各原色成分の光を取り出すために、ダイクロイックミラーなどの比較的大型な光学系を利用する必要があるため、装置全体が大型化するという難点がある。そこで、レーザなどのコヒーレント光源を用いる方式も提案されている。たとえば、産業上で広く利用されている半導体レーザは、高圧水銀ランプなどの高輝度放電ランプに比べて極めて長寿命である。また、単一波長の光を生成可能な光源であるため、ダイクロイックミラーなどの分光装置が不要になり、装置全体を小型化できるという利点も有する。
その一方で、レーザなどのコヒーレント光源を用いる方式には、スペックルの発生という新たな問題が生じている。スペックル(speckle)は、レーザ光などのコヒーレント光を拡散面に照射したときに現れる斑点状の模様であり、スクリーン上に発生すると斑点状の輝度ムラとして観察され、観察者に対して生理的な悪影響を及ぼす要因になる。コヒーレント光を用いるとスペックルが発生する理由は、スクリーンなどの拡散反射面の各部で反射したコヒーレント光が、その極めて高い可干渉性ゆえに、互いに干渉し合うことによって生じるものとされている。たとえば、下記の非特許文献1には、このスペックル発生についての詳細な理論的考察がなされている。
このように、コヒーレント光源を用いる方式では、スペックルの発生という固有の問題が生じるため、スペックルの発生を抑制するための技術が提案されている。たとえば、下記の特許文献2には、レーザ光を散乱板に照射し、そこから得られる散乱光を空間光変調器に導くとともに、散乱板をモータによって回転駆動することにより、スペックルを低減する技術が開示されている。
特開2004−264512号公報 特開平6−208089号公報
Speckle Phenomena in Optics, Joseph W. Goodman, Roberts & Co., 2006
上述したとおり、コヒーレント光源を用いた投射型映像表示装置において、スペックルを低減する技術が提案されているが、従来から提案されている手法では、スペックルを効率的かつ十分に抑制することはできない。たとえば、前掲の特許文献2に開示されている方法では、レーザ光を散乱板に照射して散乱させてしまうため、一部のレーザ光は映像表示に全く貢献することなく浪費されてしまう。また、スペックル低減のために散乱板を回転させる必要があるが、そのような機械的な回転機構は比較的大型の装置となり、また、電力消費も大きくなる。更に、散乱板を回転させたとしても、照明光の光軸の位置は変わらないため、スクリーンの拡散面で発生するスペックルを十分に抑制することはできない。
そこで本発明は、コヒーレント光源を用いた投射型映像表示装置において、スペックルの発生を効率的かつ十分に抑制する技術を提供することを目的とする。
(1) 本発明の第1の態様は、スクリーン上に光を投射して映像表示を行う投射型映像表示装置において、
ほぼ平行な光線束からなるコヒーレント光を生成するコヒーレント光生成手段と、
このコヒーレント光を再生照明光として受けることにより、散乱板のホログラム再生実像を生成するホログラム記録媒体と、
上記ホログラム再生実像の生成位置に重畳して配置された空間光変調器と、
この空間光変調器上に得られる変調画像をスクリーン上に投射する投射光学系と、
ホログラム記録媒体を、周期的に運動させる駆動機構と、
を設け、
スクリーン上の任意の1点に対する配光角がいずれも0.4°以上となるように、空間光変調器の特性および配置、ならびに投射光学系の特性および配置を設定し、
スクリーン上を走査する光の線速度が、200mm/秒以上となるように、駆動機構によるホログラム記録媒体の駆動が行われるようにしたものである。
(2) 本発明の第2の態様は、上述した第1の態様に係る投射型映像表示装置において、
コヒーレント光生成手段が、
レーザ光を発生させて射出するレーザ光源と、
このレーザ光源から射出されたレーザ光を所定の断面積をもったほぼ平行な光線束に広げる光束拡大手段と、
を有するようにしたものである。
(3) 本発明の第3の態様は、上述した第1または第2の態様に係る投射型映像表示装置において、
ホログラム記録媒体を、フォトポリマーを用いた体積型ホログラムによって構成したものである。
(4) 本発明の第4の態様は、上述した第1〜第3の態様に係る投射型映像表示装置において、
コヒーレント光生成手段が、ホログラム記録媒体に散乱板の像を記録する際に用いた光の波長とほぼ同一波長のコヒーレント光を生成し、
ホログラム記録媒体が、「当該ホログラム記録媒体に対するコヒーレント光の入射角と、散乱板の像を記録する際に用いた参照光の入射角と、が同一となるような向き」に配置されているようにしたものである。
(5) 本発明の第5の態様は、上述した第1〜第4の態様に係る投射型映像表示装置において、
空間光変調器を、透過型もしくは反射型の液晶ディスプレイまたはデジタルマイクロミラーデバイスによって構成したものである。
(6) 本発明の第6の態様は、上述した第1〜第5の態様に係る投射型映像表示装置において、
投射光学系が、スクリーンの観察面側に変調画像を投射する前方投射を行うようにしたものである。
(7) 本発明の第7の態様は、上述した第1〜第6の態様に係る投射型映像表示装置において、
駆動機構が、ホログラム記録媒体を、その記録面に平行な平面内で周期的に平行移動させるようにしたものである。
(8) 本発明の第8の態様は、上述した第7の態様に係る投射型映像表示装置において、
駆動機構が、ホログラム記録媒体の記録面にXY二次元直交座標系を定義したときに、ホログラム記録媒体をX軸もしくはY軸方向に単振動させるか、または、ホログラム記録媒体をXY平面上で円運動もしくは楕円運動させるようにしたものである。
(9) 本発明の第9の態様は、スクリーン上に光を投射してカラー映像表示を行う投射型映像表示装置において、
平行光線束からなる第1の波長域のコヒーレント光を生成する第1のコヒーレント光生成手段と、
第1の波長域のコヒーレント光を再生照明光として受けることにより、散乱板の第1のホログラム再生実像を生成する第1のホログラム記録媒体と、
第1のホログラム再生実像の形成位置に重畳して配置され、第1の波長域に対応する第1の原色成分をもった画像に基づく変調を行う第1の空間光変調器と、
第1のホログラム記録媒体を、周期的に運動させる第1の駆動機構と、
平行光線束からなる第2の波長域のコヒーレント光を生成する第2のコヒーレント光生成手段と、
第2の波長域のコヒーレント光を再生照明光として受けることにより、散乱板の第2のホログラム再生実像を生成する第2のホログラム記録媒体と、
第2のホログラム再生実像の形成位置に重畳して配置され、第2の波長域に対応する第2の原色成分をもった画像に基づく変調を行う第2の空間光変調器と、
第2のホログラム記録媒体を、周期的に運動させる第2の駆動機構と、
平行光線束からなる第3の波長域のコヒーレント光を生成する第3のコヒーレント光生成手段と、
第3の波長域のコヒーレント光を再生照明光として受けることにより、散乱板の第3のホログラム再生実像を生成する第3のホログラム記録媒体と、
第3のホログラム再生実像の形成位置に重畳して配置され、第3の波長域に対応する第3の原色成分をもった画像に基づく変調を行う第3の空間光変調器と、
第3のホログラム記録媒体を、周期的に運動させる第3の駆動機構と、
第1の空間光変調器上に得られる第1の変調画像、第2の空間光変調器上に得られる第2の変調画像、第3の空間光変調器上に得られる第3の変調画像を合成して、スクリーン上に投射する合成投射光学系と、
を設け、
スクリーン上の任意の1点に対する配光角がいずれも0.4°以上となるように、第1の空間光変調器、第2の空間光変調器、および第3の空間光変調器の特性および配置、ならびに合成投射光学系の特性および配置を設定し、
スクリーン上を走査する光の線速度が、200mm/秒以上となるように、第1の駆動機構による第1のホログラム記録媒体の駆動、第2の駆動機構による第2のホログラム記録媒体の駆動、および第3の駆動機構による第3のホログラム記録媒体の駆動が行われるようにしたものである。
(10) 本発明の第10の態様は、スクリーン上に光を投射して映像表示を行う投射型映像表示方法において、
散乱板のホログラム像を記録したホログラム記録媒体を作成する段階と、
ホログラム記録媒体にコヒーレント光を照射し、散乱板のホログラム再生実像を生成する段階と、
ホログラム再生実像の生成位置に重畳して空間光変調器を配置する段階と、
空間光変調器上に得られる変調画像をスクリーン上に投射する段階と、
を行い、
変調画像をスクリーン上に投射している間、ホログラム記録媒体を、その記録面に平行な平面内で周期的に平行移動させ、
スクリーン上の任意の1点に対する配光角がいずれも0.4°以上となり、スクリーン上を走査する光の線速度が、200mm/秒以上となるようにしたものである。
本発明では、実在の空間光変調器の位置に重畳して、散乱板のホログラム再生実像が形成される。このため、空間光変調器上に得られる変調画像は、散乱板から直接散乱した散乱光と同様の挙動をもってスクリーン上に投影されることになり、スクリーン上でのスペックルの発生を効率的かつ十分に抑制することが可能になる。また、ホログラム記録媒体を周期的に運動させる駆動機構を備えた実施形態では、スクリーン上で光束走査が行われるため、スペックルの発生を更に低減させることが可能になる。
従来提案されている、スペックルの発生を抑制する機能をもったコヒーレント光式の投射型映像表示装置の一例を示す平面図である。 図1に示す投射型映像表示装置の問題点を示すための平面図である。 本発明に係る投射型映像表示装置の基本的実施形態を示す平面図である。 図3に示す装置におけるホログラム記録媒体220の作成方法を示す平面図である。 図3に示す装置におけるホログラム記録媒体220による実像再生の様子を示す平面図である。 図3示す投射型映像表示装置におけるホログラム記録媒体220の駆動態様の一例を示す平面図である。 図3示す投射型映像表示装置におけるホログラム記録媒体220の駆動態様の別な一例を示す平面図である。 図3に示す投射型映像表示装置の利点を示すための平面図である。 様々な条件で実験を行った場合のスペックルの発生度合を示す表である。 配光角θおよび光束走査の線速度をパラメータとした場合のスペックルの発生度合を示す実験結果のグラフである。 本発明をカラー映像表示装置に適用した実施形態を示す平面図である。
以下、本発明を図示する実施形態に基づいて説明する。
<<< §1.従来提案されている投射型映像表示装置 >>>
ここでは、説明の便宜上、たとえば、前掲の特許文献2などで提案されているコヒーレント光式の投射型映像表示装置の基本原理を、図1の平面図を参照しながら述べておく。
図示のとおり、この投射型映像表示装置では、レーザなどのコヒーレント光源110から生成されたコヒーレント光を透過型の散乱板120に照射し、得られる散乱光を集光レンズ130で集め、空間光変調器140に導いている。空間光変調器140として、たとえば、透過型の液晶マイクロディスプレイを用いることにすれば、このディスプレイの画面上に変調画像が得られることになる。こうして得られた変調画像を、投射光学系150によってスクリーン160へ投射すれば、スクリーン160上に、拡大された変調画像が表示されることになる。
なお、空間光変調器140としては、反射型のマイクロディスプレイを用いることも可能である。その場合、コヒーレント光源110、散乱板120、集光レンズ130は、図1における空間光変調器140の斜め上方に配置され、空間光変調器140からの反射光が、投射光学系150によってスクリーン160へ投射されることになる。このような反射光を利用する場合、空間光変調器140としてDMD(Digital Micromirror Device)などのMEMS素子を用いることも可能であり、実際、前掲の特許文献2に開示されている実施例は、DMDを空間光変調器140として利用した反射型の装置である。
また、図示の例は、視点Eをスクリーン160の手前側に置いて観察する前方投影型の装置であるが、視点Eをスクリーン160の向こう側に置いて観察する後方投影型の装置(いわゆる、リアプロジェクタ装置)も広く利用されている。
既に述べたとおり、レーザなどのコヒーレント光源110を利用した装置では、スクリーン160上にスペックルが発生する問題が生じる。スペックルは、コヒーレント光を散乱面に照射したときに現れる斑点状の模様であり、散乱面の各部で反射したコヒーレント光の干渉によって生じるものとされている。そこで、前掲の特許文献2に開示されている実施例では、散乱板120を回転機構125によって、レーザ光の光軸を中心軸として回転駆動させることにより、スペックルの発生を低減させる工夫が施されている。
前掲の非特許文献1によると、スペックルの発生を低減させるためには、偏光・位相・角度・時間といったモードを多重化することが有効であるとされている。散乱板120を回転駆動すれば、散乱板120から発する散乱光のモードが多重化されるため、結果的に、スクリーン160上でのスペックルの発生を低減することができる。
しかしながら、従来提案されているこのタイプの装置では、スペックルの発生を効率的かつ十分に抑制することが困難であることは、既に指摘したとおりである。図2は、図1に示す投射型映像表示装置の問題点を示すための平面図である。図2に示す装置の構成自体は、図1に示す装置の構成と全く同一である。以下、この図2を参照しながら、従来装置のいくつかの問題点を具体的に説明する。
まず、第1に、散乱板120に照射されたレーザ光は、様々な方向に散乱することになるので、たとえば、図2に散乱光Lsとして例示した光のように、集光レンズ130によって集光されない方向に向かう散乱光も存在する。このように、一部のレーザ光は映像表示に全く貢献することなく浪費されてしまうため、エネルギーの利用効率の点で問題がある。
第2に、スペックル低減のために散乱板120を回転機構125によって回転駆動させることは、必ずしも効率的な方法とは言えない。すなわち、散乱板120の質量が大きければ大きいほど、散乱板回転のために大きな電力消費が必要になる。実際、散乱板120に対して常に回転モーメントを与えるために必要な電力は無視できず、また、機械的な回転構造体が必要になるため、装置の小型化を阻む要因にもなる。
そして第3に、散乱板120を回転させたとしても、コヒーレント光源110からスクリーン160に対して供給される照明光の光軸の位置は変わらないため、スクリーン160の散乱面で発生するスペックルを十分に抑制することはできない。図2に示す装置の場合、スペックルの発生に寄与する光の散乱は、散乱板120とスクリーン160との2カ所で生じる。散乱板120を回転させれば、この散乱板120上の散乱に起因して発生するスペックル(いわば、照明光の光源側に起因して生じるスペックル)を低減させることはできる。しかしながら、スクリーン160上の散乱に起因して発生するスペックル(いわば、スクリーン側に起因して生じるスペックル)を低減させることはできない。
ここでは、図示するスクリーン160上の任意の投射点Q1に到達する投射光L1の配光角(後述するように、スクリーン160への入射角の分布範囲)に着目してみよう。図示の装置の場合、空間光変調器140は、集光レンズ130側から入射してきた照明光に対して変調を加えた後、投射光学系150へ向けて透過させる機能を果たす。したがって、映像点P1の画素情報は、そのまま投射光L1によって、スクリーン160上の投射点Q1に投射されることになる。これは、投射点Q1側から投射光学系150を望んだ場合、配光角が極めて狭いことを意味する。散乱板120を回転させても、投射点Q1を照らす投射光L1の光路に変化はなく、その入射角は常に一定になる。このように、スクリーン160の表面に対して、常に同一の方向からコヒーレント光が照射されると、スペックルを発生させる大きな要因になり、このようなスクリーン側に起因して生じるスペックルを低減させる上で、散乱板120の回転駆動は、何ら役に立たない。
本発明は、このような従来装置の問題点を解決するための新たな技術を提案するものである。その基本的な実施形態を以下に述べる。
<<< §2.本発明の基本的実施形態 >>>
図3は、本発明に係る投射型映像表示装置の基本的実施形態を示す平面図である。この投射型映像表示装置でも、コヒーレント光源210から生成されたコヒーレント光が用いられる。この装置の場合、コヒーレント光源210として、レーザ光を発生させて射出するレーザ光源が用いられており、射出されたレーザ光は、拡大レンズ211およびコリメートレンズ212からなる光束拡大手段により、所定の断面積をもった平行光線束に広げられる。なお、実用上は、厳密に平行な光線束でなく、ほぼ平行な光線束を用いても支障は生じない。
このように、図示のコヒーレント光源210(レーザ光源)、拡大レンズ211、コリメートレンズ212は、平行光線束からなるコヒーレント光を生成するコヒーレント光生成手段として機能する。図示のとおり、平行光線束からなるコヒーレント光は、ホログラム記録媒体220に所定の入射角φをもって入射する。後述するように、この平行光線束からなるコヒーレント光は、ホログラム記録媒体220に対する再生照明光として機能する。したがって、拡大レンズ211およびコリメートレンズ212は、ホログラム記録媒体220の記録面全域に平行光線束からなる再生照明光が照射されるように、レーザビームの光束を拡大する。別言すれば、平行光線束の断面は、ホログラム記録媒体220の記録面全域を照射するのに必要十分な面積をもっている。もっとも、ホログラム記録媒体220の各点は、いずれも散乱板の像を再生する機能をもっているので、再生照明光は必ずしも記録面全域を照射するのに必要な断面積をもっている必要はない。
ホログラム記録媒体220には、予め、散乱板(光学的な拡散板)のホログラム像を記録しておくようにし、上記平行光線束からなるコヒーレント光が再生照明光として照射されたときに、当該散乱板のホログラム再生実像が生成されるようにする。
図4は、このホログラム記録媒体220の作成方法を示す平面図である。図に示す散乱板230は、内部に光を散乱するための微小粒子(光の散乱体)が練り込まれた透過型散乱板(たとえば、オパールガラス板)であり、ホログラム感光媒体222は、ホログラム像を記録するために用いる感光性の媒体である。図示の例では、散乱板230の下方から所定波長λをもったレーザ光を照明光Lとして照射し、散乱板230による散乱で生じた散乱光を物体光Loとして、ホログラムの記録を行っている。このとき、照明光Lと同一波長λをもったレーザ光を参照光Lrとして、入射角φでホログラム感光媒体222に照射するようにし、物体光Loと参照光Lrとの干渉縞パターンがホログラム感光媒体222の記録面上に記録されるようにする。
図5は、こうして作成されたホログラム記録媒体220による実像再生の様子を示す平面図である。図5に示すホログラム記録媒体220は、図4に示すホログラム感光媒体222(ホログラムの記録が完了したもの)に対応するものであるが、図における上下の面を逆に配置したものになる。すなわち、図4に示すプロセスで、ホログラムの記録が完了した後、記録済みのホログラム感光媒体222を上下ひっくり返して配置したものが、図5に示すホログラム記録媒体220である。
図5に示すとおり、このホログラム記録媒体220の下方から、波長λ(図4の記録プロセスで用いた照明光Lや参照光Lrの波長と同一波長)をもったレーザ光を再生照明光LLとして入射角φで照射すると、図の上方に、散乱板のホログラム再生実像235が生じることになる。このホログラム再生実像235は、図4に示す散乱板(オパールガラス板)を原画像とした再生像である。
図3に示す装置で用いられているコヒーレント光源(レーザ光源)210は、図5に示す再生照明光LLを生成するための光源であり、図4の記録プロセスで用いた照明光Lや参照光Lrの波長と同一波長λをもったコヒーレント光を発生する。このコヒーレント光は、上述したとおり、ホログラム記録媒体220に対して入射角φで照射される。ここで、入射角φは、図4に示すホログラム記録プロセスにおける参照光Lrの入射角φに等しい。このため、図3において、ホログラム記録媒体220の上方位置に、ホログラム再生実像235が得られることになる。なお、実際には、ホログラム記録媒体220を作成するプロセスで、媒体材料に収縮が生じる場合がある。このような場合、材料の収縮を考慮して、再生照明光LLの波長を調整するのが好ましい。したがって、コヒーレント光源210で生成するコヒーレント光の波長は、図4の記録プロセスで用いた光の波長と厳密に一致させる必要はなく、ほぼ同一となっていればよい。
本発明の重要な特徴は、このホログラム再生実像235の生成位置に重畳して、空間光変調器240が配置される点である。ここで、空間光変調器240は、液晶マイクロディスプレイやDMD(Digital Micromirror Device)などの実在の装置であるのに対して、ホログラム再生実像235は光学的な再生像であり、両者は同一空間上に重複して配置することが可能である。図3には、実在の空間光変調器240のみしか描かれていないが、この同じ空間位置に、ホログラム記録媒体220によって再生された散乱板のホログラム再生実像235が重なることになる。
もっとも、こうして得られたホログラム再生実像235の実体は、ホログラム記録媒体220上に形成された干渉縞によって回折させられたコヒーレント光であり、空間光変調器240は、このようなコヒーレント光による照明を受け、所定の変調画像を生成することになる。たとえば、空間光変調器240として、透過型の液晶マイクロディスプレイを用いた場合、ディスプレイを透過した照明光の濃淡パターンとして、変調画像が得られることになる。
投射光学系250は、こうして空間光変調器240上に得られた変調画像を、スクリーン260上に投射する機能を果たす。空間光変調器240として、透過型の液晶マイクロディスプレイを用いた場合であれば、このディスプレイ上に形成された変調画像が、スクリーン260上に投射され、映像表示が行われることになる。
図3に示す装置では、更に、ホログラム記録媒体220を、周期的に運動させる駆動機構225が設けられている。より具体的には、駆動機構225は、ホログラム記録媒体220を、その記録面に平行な平面内で周期的に平行移動させる機能を果たす。たとえば、図示のように、図の右方向にX軸、図の上方向にZ軸、図の紙面垂直方向にY軸をそれぞれとったXYZ三次元直交座標系を定義し、ホログラム記録媒体220の記録面がXY平面に含まれるように配置されているものとすれば、駆動機構225は、ホログラム記録媒体220を、その記録面がXY平面に含まれている状態を維持したまま、周期的に平行移動させる機能を果たす。ここで、「平行移動」とは、回転ファクターを含まない運動であることを意味し、ホログラム記録媒体220は、同じ姿勢を維持したまま、XY平面上で位置のみを変える運動を行うことになる。
図6および図7は、このようなXY平面上でのホログラム記録媒体220の駆動態様の一例を示す平面図である。図6は、ホログラム記録媒体220を、矢印Mxに示すようにX軸方向に沿って単振動させるか、あるいは、矢印Myに示すようにY軸方向に沿って単振動させる例である。いずれの場合も、ホログラム記録媒体220の運動には回転ファクターは含まれず、矢印Mxもしくは矢印Myに沿った周期的な平行移動となる。図7は、ホログラム記録媒体220をXY平面上で円運動させた例であり、ホログラム記録媒体220は矢印Mcで示す円軌道に沿って移動することになるが、この場合も、ホログラム記録媒体220の運動には回転ファクターは含まれず、あくまでも平行移動しているだけである。円運動の代わりに楕円運動させてもかまわない。
このような周期的運動では、ホログラム記録媒体220の記録面は、常にXY平面上の位置を保つことになるため、コリメートレンズ212を出た平行光線束のホログラム記録媒体220への入射角φには何ら変化は生じない。もちろん、ホログラム記録媒体220をXY平面に沿って移動させれば、得られる再生像の位置も平行移動することになるが、ホログラム記録媒体220から所定距離だけ離れて配置された空間光変調器240の位置に、散乱板のホログラム再生実像235が得られる点は変わらない。
図4に示すホログラム記録プロセスにおいて、原画像として用いる散乱板230の平面サイズを、空間光変調器240の画像形成面の平面サイズより所定量Δだけ大きくしておき、上記単振動Mx,Myの振幅や円運動Mcの直径を、上記所定量Δ以下に抑えるようにしておけば、ホログラム記録媒体220を運動させたとしても、空間光変調器240の画像形成面上には、常に、散乱板230の再生実像235が得られた状態になる。
このように、駆動機構225によって、ホログラム記録媒体220を周期的に運動させるのは、スクリーン260上に生じるスペックルを低減させるためである。その基本原理は、§4で説明する。また、スペックルを効率的に低減させるための運動条件については、§5で詳述する。
<<< §3.個々の要素の具体的構成を示す実施例および変形例 >>>
続いて、本願発明者が実際に試作した実施例に係る装置に基づいて、図3に示す投射型映像表示装置の個々の要素の具体的構成例を述べておく。
まず、コヒーレント光源210としては、波長λ=532nm(緑色)のレーザ光を射出することが可能なDPSS(Diode Pumped Solid State)レーザを用いた。DPSSレーザは、小型でありながら比較的高出力の所望の波長のレーザ光を得ることができるため、本発明のような投射型映像表示装置に用いるコヒーレント光源として最適である。なお、拡大レンズ211およびコリメートレンズ212としては、このDPSSレーザが射出したレーザ光の光束を拡大して平行光線束を生成することができるレンズであれば、どのようなレンズを用いてもかまわない。
一方、ホログラム記録媒体220は、既に述べたように、図4に示すホログラム記録プロセスによって作成されたものである。原画像となる散乱板230としては、空間光変調器240より平面サイズが若干大きなオパールガラス板(光学的拡散板として一般に市販されているもの)を用いた。また、ホログラムの記録プロセスで用いる照明光Lや参照光Lrを生成するためには、上述した波長λ=532nm(緑色)のレーザ光を射出することが可能なDPSSレーザを用いた。
結局、コヒーレント光を生成する手段として機能するコヒーレント光源210は、散乱板230の像を記録する際に用いた光の波長と同一波長のコヒーレント光を生成する光源ということになる。そして、図3に示すホログラム記録媒体220は、「当該ホログラム記録媒体220に対するコヒーレント光の入射角φ(図3の角度φ)と、散乱板230の像を記録する際に用いた参照光Lrの入射角φ(図4の角度φ)と、が同一となるような向き」に配置されていることになる。
ここで、ホログラム記録媒体220としては、フォトポリマーを用いた体積型ホログラムを用いるのが好ましい。一般に、キャッシュカードや金券などに偽造防止用シールとして利用されているホログラムは、レリーフ(エンボス)型ホログラムと呼ばれており、表面の凹凸構造によってホログラム干渉縞の記録が行われる。しかしながら、このレリーフ型ホログラムの場合、表面の凹凸構造による散乱が、新たなスペックル生成要因となる可能性があるため、本発明のような投射型映像表示装置への利用には向いていない。体積型ホログラムでは、媒体内部の屈折率分布としてホログラム干渉縞の記録が行われるため、表面の凹凸構造による散乱による影響を受けることはない。
もっとも、体積型ホログラムでも、銀塩材料を含む感光媒体を利用して記録するタイプのものは、銀塩粒子による散乱が新たなスペックル生成要因となる可能性があるため、避けた方が好ましい。このような理由から、本願発明者は、本発明に利用するホログラム記録媒体220としては、フォトポリマーを用いた体積型ホログラムが最適であると考えている。このようなフォトポリマーを用いた体積型ホログラムの具体的な化学組成は、たとえば、特許第2849021号公報に例示されている。
なお、図3に示す実施形態では、再生照明光を透過してホログラム再生実像を生成する透過タイプのホログラム記録媒体220を用いた例を示したが、再生照明光を反射してホログラム再生実像を生成する反射タイプのホログラム記録媒体を用いてもかまわない。この場合、図3に示すホログラム記録媒体220の斜め上方から、再生照明光が照射されるように、コヒーレント光源210、拡大レンズ211、コリメートレンズ212を配置すればよい。
また、図3に示す実施形態では、ホログラム記録媒体220に対して、斜め下方向に光源210やレンズ211,212を配置しているが、ホログラム記録媒体220に対しての入射角がφとなるような工夫を施すことができれば、これらをホログラム記録媒体220の真下に配置してもかまわない。たとえば、ホログラム記録媒体220の下面側に偏光素子板などを張り付けておけば、この偏光素子板に対しては垂直下方から再生照明光が入射するような配置を採ったとしても、偏光素子板による偏光作用によって、ホログラム記録媒体220に対しての入射角がφとなるのであれば、特に問題は生じない。
なお、図4に示す記録プロセスでは、いわゆるフレネルタイプのホログラム記録媒体が作成されることになるが、レンズを用いた記録を行うことにより得られるフーリエ変換タイプのホログラム記録媒体を作成してもかまわない。ただ、フーリエ変換タイプのホログラム記録媒体を用いる場合には、像再生時にもレンズが必要になる。
一方、空間光変調器240としては、前述したとおり、透過型の液晶マイクロディスプレイを用いた。このディスプレイでは、電気信号に基づく液晶の相変化により個々の画素ごとに光の透過率を制御することができるので、ディスプレイの表示面に、与えられた画像データに応じた変調画像を生成することができる。なお、空間光変調器240として、反射型の液晶マイクロディスプレイを用いることも可能であるが、その場合は、ホログラム記録媒体220からの光が、図の斜め上方から空間光変調器240へ入射するような構成を採る必要がある。
もちろん、本発明に利用可能な空間光変調器240は、液晶マイクロディスプレイに限定されるものではなく、DMD(デジタルマイクロミラーデバイス:Digital Micromirror Device)やLCOS(Liquid Crystal On Silicon)などの素子を用いてもかまわない。
投射光学系250は、空間光変調器240上に得られた変調画像を、スクリーン260上に投射する機能をもった光学系であれば、どのようなものを用いてもかまわない。通常は、焦点距離を調節できるよう、複数枚のレンズによって構成される。なお、図示の例は、視点Eをスクリーン260の手前側に置いて観察する前方投影型の装置であるが、本発明に係る投射型映像表示装置は、視点Eをスクリーン260の向こう側に置いて観察する後方投影型の装置(いわゆる、リアプロジェクタ装置)にも利用することが可能である。
ただ、一般的には、後方投影型の装置では、スクリーンの材質を工夫することによりスペックルの発生を抑制することが可能である。すなわち、後方投影型の装置の場合、観察者が目にする光は、スクリーンを透過した光になるため、スクリーン内部に散乱粒子を埋め込むような措置を施すことにより、スペックルの発生に対処することが可能になる。したがって、実用上、本発明によるスペックルの低減技術は、スクリーンの観察面側に変調画像を投射する前方投射を行う前方投影型の装置において、その真価を発揮することになる。
なお、駆動機構225は、図6および図7に例示したように、ホログラム記録媒体220をXY平面上で運動させることができる機構であれば、どのような仕組を用いてもよいが、本願発明者が実際に試作した装置では、X軸方向およびY軸方向に駆動するためのステッピングモータを設け、デジタル駆動信号により、単振動もしくは円運動を行わせるようにした。この他、圧電素子、ボイスコイル、超音波モータなどを用いて駆動機構225を構成することも可能である。
<<< §4.本発明の利点 >>>
ここでは、図1に例示した従来装置に対する本発明の利点を説明する。図8は、図3に示す実施形態の利点を示すための平面図であり、ここに示されている装置の構成自体は、図3に示されている装置の構成と全く同一である。ここでは、便宜上、図2に示す従来装置と、図8に示す実施形態に係る装置と、を対比して説明する。
§1で述べたとおり、図2に示す従来装置の第1の問題点は、散乱板120に照射されたレーザ光の一部が、散乱光Lsとして例示したように、映像表示に全く寄与せずに無駄になってしまう点である。これに対して、図8に示す装置では、図示のような無駄な散乱光Ldが生じることはない。これは、図5に示すように、ホログラム記録媒体220を通過した光が、ホログラム再生実像235を形成する方向に回折させられるためである。ホログラム記録媒体220自体は、入射した光をランダムに散乱する散乱板ではないので、図示する散乱光Ldのように、再生像が生じない方向に向かう無駄な光は発生しない。このため、ホログラム記録媒体220に照射された光は、すべてホログラム再生実像235を形成するために有効利用されることになる。
図2に示す従来装置の第2の問題点は、散乱板120を回転させるために大がかりな回転機構が必要になり、装置の小型化を阻む点である。これに対して、図8に示す装置の場合、駆動機構225は、ホログラム記録媒体220を回転運動させる必要はなく、図6および図7に示すような単振動、円運動、楕円運動を行えばよい。このように、回転ファクターを含まない運動を行うための機構は、回転運動を行うための機構に比べて小型化することができ、また、電力の消費も少ない。
そして、図2に示す従来装置の第3の問題点は、散乱板120の回転運動により、照明光の光源側に起因して生じるスペックルを低減させることはできるが、スクリーン側に起因して生じるスペックルを低減させることはできない点である。図2で説明したとおり、空間光変調器140は散乱板ではないので、映像点P1の画素情報は、そのまま投射光L1によって、スクリーン160上の投射点Q1に投射されることになり、投射点Q1側から投射光学系150を望んだ場合、投射光L1が投射点Q1に入射する方向は常に一定になる。このように、スクリーン160の表面に対して、常に同一の方向からコヒーレント光が照射されると、スペックルを発生させる大きな要因になる。
これに対して、図8に示す装置では、空間光変調器240の空間的な位置に重畳するように、散乱板のホログラム再生実像235が形成される。このため、空間光変調器240上の各点に入射した光は、既に角度に関する多重化が行われていることになる。すなわち、図5に示すとおり、散乱板のホログラム再生実像235の各点は、ホログラム記録媒体220の様々な点からの光によって構成されることになる。このため、光源側のスペックルは、この段階で解消することになる。
更に、空間光変調器240上に重ねて、散乱板のホログラム再生実像235が形成されるので、空間光変調器240上に形成される変調画像からの光は、あたかも散乱板から発せられる散乱光と同様の振る舞いをすることになる。したがって、図8に示す映像点P1の画素情報は、様々な方向へ向かう散乱光の情報として伝播し、投射光学系250を構成するレンズによって、スクリーン260上の投射点Q1で結像する。ここで、映像点P1から投射点Q1に向かう散乱光の光路は様々であり(図では、破線によって、2通りの光路を例示している)、投射点Q1側から投射光学系250を望んだ場合、投射点Q1に入射する光の入射角は様々である。
結局、ある投射点Q1について、様々な方向から入射してくる入射光の光路を束ねると、当該投射点Q1を頂点とする円錐体が形成されることになる。ここで、当該円錐体を中心軸で切断することにより得られる三角形の頂角θは、一般に「配光角」と呼ばれている。図8に破線で示されている光路のなす角度θは、投射点Q1についての配光角である。配光角θは、個々の投射点ごとに異なる値をとり、一般に、スクリーン260の中央ほど大きくなり、スクリーン260の端部へゆくほど小さくなる。
ある投射点Q1についての配光角θは、当該投射点Q1に入射する光の入射角の多重度を示すパラメータになる。配光角θが大きければ大きいほど、入射角の多重度は大きくなり、それだけ様々な方向から光が入射していることになる。そして、この入射角の多重度は、スペックルの発生要因と密接な関係をもっている。すなわち、前掲の非特許文献1にも記載されているとおり、入射角の多重度を高めれば、スペックルの発生を低減させることができる。したがって、スクリーン260上のいずれの投射点についても、できるだけ配光角θが大きくなるようにすれば、スペックルの発生は低減する。
実際の配光角θの値は、空間光変調器240の特性(特に、変調画像生成面のサイズ)および配置、投射光学系250の特性(特に、レンズの口径や焦点距離)および配置、ならびにホログラム記録媒体220に記録された散乱板230の特性(特に、投射光学系250内の投射レンズの最大取り込み径とライトバルブとの位置関係に応じて決定されるサイズや散乱角などの散乱特性)に依存して定まる量になるが、本発明に係る装置では、従来提案されている装置に比べて、スクリーン260上の任意の投射点についての配光角θを高めることが可能になる。その理由は、図8に示すように、空間光変調器240の空間的な位置に重畳するように、散乱板のホログラム再生実像235が形成されているためである。
上述したように、本発明に係る装置構成を採れば、空間光変調器240上に形成される変調画像からの光は、あたかも散乱板から発せられる散乱光と同様の振る舞いをすることになり、図示の映像点P1の画素情報は、様々な方向へ向かう散乱光の情報として伝播する。図示の例で、投射点Q1について配光角θが得られているのは、映像点P1から様々な方向に向かう散乱光が、投射光学系250によって、投射点Q1に集光されたためである。このように、本発明における「空間光変調器240の位置に重ねて、散乱板のホログラム再生実像235を形成する」という特徴は、スクリーン側に起因して生じるスペックルを低減させる上で極めて重要な機能を果たす。
それに加えて、図8に示す装置では、スクリーン側に起因して生じるスペックルを更に低減させるための工夫が施されている。それは、駆動機構225によって、ホログラム記録媒体220を駆動させる仕組である。上述したとおり、本発明では、散乱板のホログラム再生実像235を空間光変調器240の位置に重畳して形成させることにより、従来装置に比べてより大きな配光角θを確保することが可能になり、スペックルを低減させる効果が得られるが、駆動機構225によって、ホログラム記録媒体220を駆動させることにより、スペックル低減効果を更に向上させることができる。
既に述べたとおり、駆動機構225は、ホログラム記録媒体220を、XY平面上(すなわち、記録面が含まれる平面上)で周期的に平行移動運動させる機能を有している。このようにホログラム記録媒体220を平行移動させれば、散乱板のホログラム再生実像235も平行移動することになる。ただ、空間光変調器240は静止したままであるから、変調画像も移動することはなく、スクリーン260上に投射される映像も移動することはない。したがって、ホログラム記録媒体220のXY平面上での平行移動は、スクリーン260上に投射される本来の映像には、何ら影響を及ぼすものではない。
しかしながら、ホログラム記録媒体220のXY平面上での平行移動は、スクリーン260上に生じるスペックルを低減させる働きをする。このようなスペックル低減効果が生じる理由は、ホログラム記録媒体220の駆動が、図8に示す映像点P1から発せられる光に、どのような影響を及ぼすかを考えれば容易に理解できよう。すなわち、映像点P1の画素(空間光変調器240の画素)は静止したままなので、映像点P1に与えられた変調画像情報には何ら変わりはないが、映像点P1の位置に重畳して再生される散乱板の再生実像235は移動するため、映像点P1における散乱現象は、時間的に変化することになる。よって、映像点P1から投射点Q1へ向かう散乱光の特性も時間的に変化することになり、投射点Q1で生じる散乱現象も時間的に変化し、時間的に多重化されることになる。かくして、投射点Q1で生じる散乱に起因して発生するスペックルは低減する。
なお、ここに示す実施形態では、駆動機構によって、ホログラム記録媒体220を周期的に運動させているが、その代わりに、投射光学系250を構成するレンズを、その光軸に垂直な平面内で周期的に運動させるようにしても、スクリーン260上で生じる散乱に起因して発生するスペックルを低減することができる。但し、投射光学系250を構成するレンズを運動させると、スクリーン260上に投射される映像自体が振動して画像にぼけが生じることになるので、実用上は、ホログラム記録媒体220を駆動するのが好ましい。
また、駆動機構によって、ホログラム記録媒体220を運動させる代わりに、空間光変調器240を、その変調画像形成面に沿って周期的に運動させるようにしても、スクリーン260上で生じる散乱に起因して発生するスペックルを低減することができる。但し、この方法では、空間光変調器240上に形成される変調画像も運動することになるので、スクリーン260上に投射される映像も運動することになる。スクリーン260上での映像の変位(振幅)を微小量に抑えれば、肉眼では、映像が振動していることを認識できないようにすることも可能であるが、やはり実用上は、ホログラム記録媒体220を駆動するのが好ましい。
更に、別な方法として、駆動機構によって、コヒーレント光生成手段として機能するコヒーレント光源210,拡大レンズ211,コリメートレンズ212と、ホログラム記録媒体220と、空間光変調器240と、投射光学系250と、によって構成される装置本体を全体的に、周期的に運動させることによっても、スクリーン260上で生じる散乱に起因して発生するスペックルを低減することができる。但し、この方法では、やはりスクリーン260上に投射される映像も運動することになる上に、駆動機構が大がかりになるため、やはり実用上は、ホログラム記録媒体220のみを駆動するのが好ましい。
<<< §5.最適な数値条件 >>>
続いて、ここでは、§2で述べた基本的実施形態を実施する上での最適な数値条件を示しておく。まず、本発明のような投射型映像表示装置において、スペックルを低減する上で重要なファクターが何であるかを調べるために、本願発明者が行った実験結果を提示しよう。
図9は、様々な条件で実験を行った場合のスペックルの発生度合を示す表である。前掲の非特許文献1には、スクリーン上に生じたスペックルの程度を示すパラメータとして、スペックルコントラスト(単位%)という数値を用いる方法が提案されている。このスペックルコントラストは、本来は均一の輝度分布をとるべきテストパターン映像を表示した際に、スクリーン上に実際に生じる輝度のばらつきの標準偏差を、輝度の平均値で除した値として定義される量である。このスペックルコントラストの値が大きければ大きいほど、スクリーン上のスペックル発生程度が大きいことを意味し、観察者に対して、斑点状の輝度ムラ模様がより顕著に提示されていることを示す。
図9の表は、図3に示す装置構成を利用して、3通りの条件について、スペックルコントラストを測定した結果を示すものである。まず、条件1として示す測定結果は、光源210として、緑色のレーザを用い、この光源210と空間光変調器240との間に、何ら拡散素子が設けなかった場合の測定結果である。要するに、図3に示す装置からホログラム記録媒体220を取り去った測定系で測定を行った結果ということになる。この場合、表に示すとおり、スペックルコントラスト20.7%という結果が得られた。これは、肉眼観察した場合に、斑点状の輝度ムラ模様がかなり顕著に観察できる状態である。
一方、条件2として示す測定結果は、図3に示す装置構成において、駆動機構225を動作させずに測定を行った結果である。すなわち、光源として緑色のレーザを用い、この光源210と空間光変調器240との間に、拡散素子として機能するホログラム記録媒体220を配置するが、これを駆動せずに静止状態においた場合の測定結果である(ホログラム記録媒体220を駆動した場合の測定結果は、後述するように、図10のグラフに示す)。なお、この測定では、スクリーン260上のいずれの点においても、配光角θ=10°以上になるという条件設定を行った。この場合、表に示すとおり、スペックルコントラスト17.9%という結果が得られた。これは、肉眼観察した場合に、依然として斑点状の輝度ムラ模様が観察できる状態である。
これに対して、条件3として示す測定結果は、図3に示す装置において、光源210を緑色のLED(非コヒーレント光源)に交換し、このLEDと空間光変調器240との間に、何ら拡散素子を設けなかった場合(すなわち、ホログラム記録媒体220を取り去った場合)の測定結果である。この場合、表に示すとおり、スペックルコントラスト4.0%という結果が得られた。これは、肉眼観察した場合に、輝度ムラ模様がほとんど観察できない極めて良好な状態である。
条件3の測定結果が、条件1,2の測定結果に比べて、著しく良好な結果を示している理由は、光源として「非コヒーレント光源(LED)」を用いたためである。既に述べたとおり、スペックルの発生という問題は、実用上、レーザなどの「コヒーレント光源」を用いた場合に生じる固有の問題であり、LEDなどの「非コヒーレント光源」を用いた装置では、考慮する必要のない問題である。したがって、理想的には、レーザなどの「コヒーレント光源」を用いた装置においても、「非コヒーレント光源」を用いた装置と同程度のスペックルコントラストが得られるようにするのが好ましい。
実際、HDTV(高精細テレビ)の映像表示用途の場合、観察者が肉眼観察した場合に、輝度ムラ模様がほとんど認識できないレベルとして、スペックルコントラスト6.0%以下という基準が示されている(たとえば、WO/2001/081996号公報参照)。したがって、レーザなどの「コヒーレント光源」を用いた装置において、スペックルコントラストを6.0%以下に抑えることが、1つの技術目標になる。
図9の測定結果によれば、図3に示す装置では、拡散素子として機能するホログラム記録媒体220を設けることにより、スペックルコントラストを2.8ポイントだけ低減させることができた(条件1→条件2)。確かに、ホログラム記録媒体220の介挿により、スペックルをある程度低減させることに成功しているが、スペックルコントラストが17.9%という結果は、実用上、決して満足できる結果ではない。
このように、ホログラム記録媒体220の介挿だけでは、スペックルコントラストを十分に低減できない理由は、照明光の光源側に起因して生じるスペックルを低減させることはできるが、スクリーン側に起因して生じるスペックルを十分に低減させることができないためである。図3に示す本発明の基本的実施形態に係る装置では、スペックルの低減を図るために、次の2通りのアプローチを採っている。
第1のアプローチは、各投射点における配光角θの確保である。従来装置の場合、図2に示す投射点Q1に入射する光の光路は1本のみであり、配光角θ=0°の状態である。このため、スクリーン側に起因して生じるスペックルの低減を図ることはできない。これに対して、本発明に係る装置の場合、図8に示す投射点Q1には、映像点P1からの散乱光が様々な光路を経て集まっており、ある程度の配光角θを確保することが可能になる。
第2のアプローチは、駆動機構225による駆動である。前述したとおり、駆動機構225は、ホログラム記録媒体220をその記録面内(XY平面内)で周期的に移動させる。ここで、ホログラム記録媒体220の特定の点から特定の方向に向かって発せられた1本の光に着目すると、当該光は、空間光変調器240上の所定点を透過してスクリーン260上の所定の投射点まで届くことになる。したがって、ホログラム記録媒体220がXY平面内で移動すると、この1本の光の最終到達点(スクリーン260上の投射点)も移動し、スクリーン260上を走査することになる。図6に示す例のように、ホログラム記録媒体220を所定軸方向に単振動させると、当該光による投射点もスクリーン上で単振動することになり、図7に示す例のように、ホログラム記録媒体220を円運動させると、当該光による投射点もスクリーン上で円運動することになる。このように、スクリーン260上で光を走査させることにより、スクリーン側に起因して生じるスペックルを低減させることができるのは、光束走査により、スペックルパターンが時間的に積分されることになるためである。
そこで、本願発明者は、図3に示す実施形態に係る装置を用いて、上記第1のアプローチ(配光角θの確保)と、上記第2のアプローチ(光束走査)とが、スペックルコントラストの低減にどの程度貢献できるかを調べてみた。その結果を図10のグラフに示す。このグラフは、ホログラム記録媒体220を介挿し、かつ、これを駆動することを前提とし、配光角θおよび光束走査の線速度をパラメータとした場合のスペックルの発生度合(スペックルコントラスト)を示す実験結果である。
グラフの縦軸は、スクリーン260上に表示された映像について求めたスペックルコントラスト値(単位%)である。一方、グラフの横軸に示されている運動速度は、スクリーン260上で走査される光の運動速度である。実験は、図7に示すように、ホログラム記録媒体220を円運動させることにより行った。このとき、光の運動速度としては、当該円運動の接線方向の速度を用いた。なお、「mm/秒」の単位で示される線速度は、あくまでもスクリーン260上での光の走査速度なので、ホログラム記録媒体220の円運動の接線方向の速度に、所定の投影倍率を乗じた値になる。
なお、この実験に用いた測定系では、投射光学系250のレンズの出射光の有効径が50mm、Fナンバーが1.8、このレンズとスクリーン260との距離が約7m、空間光変調器240の中心点からホログラム記録媒体220を望む最大角が15°、投射光学系250のレンズから空間光変調器240を望む最大角が15°となる設定がなされている。このような設定において、空間光変調器240上の変調画像は、スクリーン260上において約80倍に拡大されて表示される。したがって、駆動機構225によりホログラム記録媒体220を駆動する際の運動速度の約80倍の速度で、スクリーン260上で光が走査されることになる。
このグラフには、7通りの配光角θについての測定結果が示されている。すなわち、配光角θ=0°,0.2°,0.4°,0.6°,1°,3°,5°の7通りの結果がプロットされている。前述したとおり、実際の配光角θの値は、空間光変調器240の特性および配置、投射光学系250の特性および配置、ならびに記録された散乱板230の特性に依存して定まる。たとえば、空間光変調器240の平面サイズを小さくし、投射光学系250による投射倍率を大きくすれば、同じスクリーン260上に同じ大きさの映像が得られるが、配光角θはより大きくなる。そこで、空間光変調器240の特性および配置、ならびに投射光学系250の特性および配置といったパラメータを様々に変えることにより、上記7通りの配光角θが得られる設定を行い、各設定ごとにスペックルコントラスト値の測定を行った。
なお、前述したとおり、配光角θは、スクリーン260上の各位置ごとに異なる値をとり、スクリーン260の中央ほど大きくなり、スクリーン260の端部へゆくほど小さくなる。そこで、ここでは、スクリーン260上の各投射点についての配光角θの中の最小値を最小配光角とし(この最小配光角が得られる投射点は、スクリーン260の端部の投射点である)、7通りの配光角θ=0°,0.2°,0.4°,0.6°,1°,3°,5°は、この最小配光角が得られる投射点を基準として設定することにした。したがって、たとえば、図10のグラフにおける配光角θ=0.2°という結果が得られた条件設定は、スクリーン260上において最小配光角が得られる投射点(スクリーン260の端部)において、配光角θ=0.2°が得られた条件設定を意味するものであり(当然、スクリーン260の中央部では、それ以上の配光角θが得られている)、スクリーン260上のいずれの地点においても、最低限、0.2°の配光角θが得られるような設定がなされていることを意味する。
さて、この図10のグラフを見ると、○印でプロットした配光角θ=0.2°の結果と、△印でプロットした配光角θ=0.4°の結果との間に、スペックルコントラスト値に大きな差が生じていることがわかる。これは、配光角θを0.4°以上に設定することにより、スペックルの発生を著しく低減させる効果が得られることを意味している。別言すれば、スクリーン260上の任意の1点に対する配光角がいずれも0.4°以上となるように、空間光変調器240の特性および配置、ならびに投射光学系250の特性および配置を設定すれば、スペックルの発生を著しく低減させる効果が得られることになる。これは、配光角が0.4°以上となるような設定では、1つの投射点において、入射角の多重化が十分に行われる(互いに相関のない角度モードが多数盛り込まれる)ことを意味する。
次に、スクリーン260上の任意の1点に対する配光角がいずれも0.4°以上となるような設定を行うことを前提とした場合に、「非コヒーレント光源」を用いた装置と同程度のスペックルコントラストが得られる理想的な条件を考えてみる。前述したとおり、HDTV(高精細テレビ)の映像表示用途の場合、観察者が肉眼観察した場合に、輝度ムラ模様がほとんど認識できないレベルとして、スペックルコントラスト6.0%以下という基準が示されている。図10に示すグラフからわかるとおり、ホログラム記録媒体220を運動させないと、6.0%以下という理想的なスペックルコントラストを得ることは到底できない(運動速度が1mm/秒の結果では、スペックルコントラストはいずれも10%以上である)。したがって、理想的なスペックルコントラストを得るには、駆動機構225によってホログラム記録媒体220を駆動することが前提となる。グラフに示すとおり、運動速度を高めれば高めるほど、スペックルコントラストは低下してゆくが、配光角を0.4°以上にするという前提において、6.0%以下という理想的なスペックルコントラストを得るためには、運動速度を200mm/秒以上とすればよいことがわかる。
本願発明者は、現在市販されている様々なタイプの前方投射用スクリーンを用いて同様の実験を行ったが、いずれも図10に示すグラフと同等の結果が得られた。また、ホログラム記録媒体220に記録する原画像となる散乱板230についても、複数の異なる散乱板を用いて同様の実験を行ったが、やはりいずれも図10に示すグラフと同等の結果が得られた。したがって、図10のグラフに示す実験結果は、前方投射用スクリーンであれば、用いる散乱板等の特性に依存しない普遍性をもつ結果ということができる(もちろん、用いる散乱板は、発明の実施に必要な十分な散乱特性を有していることが前提となる。)。
結局、図3に示す前方投射型の実施形態の場合、理想的な数値条件として、スクリーン上の任意の1点に対する配光角がいずれも0.4°以上となるように(別言すれば、スクリーン上のいずれの位置においても0.4°以上の配光角が得られるように)、空間光変調器240の特性(特に、変調画像生成面のサイズ)および配置、ならびに投射光学系250の特性(特に、レンズの口径や焦点距離)および配置を設定するようにし、かつ、スクリーン260上を走査する光の線速度が、200mm/秒以上となるように、駆動機構225によるホログラム記録媒体220の駆動を行う、という条件が導出される。たとえば、空間光変調器240上の変調画像が、スクリーン260上において約80倍に拡大される場合であれば、駆動機構225によりホログラム記録媒体220を駆動する際の実際の運動速度を、2.5mm/秒以上に設定すればよい。
なお、ホログラム記録媒体220を、図7に示すように円運動させる場合(あるいは、楕円運動させる場合)は、光の線速度を一定速度に維持することができるので、当該一定速度(スクリーン上での移動速度)が200mm/秒以上となるように設定すればよいが、図6に示すように単振動させる場合は、光の線速度を一定速度に維持することはできない。すなわち、単振動の端点では、一時的に運動速度が零になってしまうため、この時点でスペックルが観察されてしまうことになる。したがって、単振動させる場合には、端点での静止時間を、スペックルが観察されないような短時間に抑えるようにするのが好ましい。具体的には、映像として動画を表示する場合であれば、端点での静止時間を、通常の動画ビットレートである1/30秒以下に抑えるのが望ましい。
<<< §6.カラー映像表示装置への適用 >>>
さて、これまで述べてきた実施形態は、いずれも、単色のレーザ(具体的には、波長λ=532nm(緑色)のDPSSレーザ)をコヒーレント光源210として用いた例であり、スクリーン260上に得られる映像は、このレーザの色に対応するモノクロ映像ということになる。しかしながら、一般的な光学式プロジェクタ装置に利用するには、カラー映像表示装置として利用できることが望ましい。そこで、ここでは、本発明に係る装置をカラー映像表示装置として用いた実施形態を述べておく。
図11は、本発明をカラー映像表示装置に適用した実施形態を示す平面図である。本発明をカラー映像表示装置に適用するには、基本的には、図3に示す構成要素のうち、投射光学系250およびスクリーン260を除いた部分を、三原色R,G,Bのそれぞれについて用意し、三原色R,G,Bのそれぞれについての変調画像を独立して生成し、これらを合成してスクリーン上に投射すればよい。
図11の中央部に示されているクロスダイクロイックプリズム270は、この三原色R,G,Bのそれぞれについての変調画像を合成する機能を有し、こうして合成された画像は、投射光学系250によってスクリーン260上に投射される。
このクロスダイクロイックプリズム270の下方に配置された構成要素は、G色(緑色)の変調画像を生成するための構成要素であり、コヒーレント光源(レーザ)210G、拡大レンズ211G、コリメートレンズ212G、ホログラム記録媒体220G、空間光変調器(たとえば、液晶マイクロディスプレイ)240Gによって構成されている。これらの各構成要素は、図3に示すコヒーレント光源210、拡大レンズ211、コリメートレンズ212、ホログラム記録媒体220、空間光変調器240と全く同一の構成要素であり、表示すべきカラー映像のうちのG色成分画像が、空間光変調器240Gによって変調され、G色の変調画像が生成されることになる。
一方、クロスダイクロイックプリズム270の左方に配置された構成要素は、R色(赤色)の変調画像を生成するための構成要素であり、コヒーレント光源(レーザ)210R、拡大レンズ211R、コリメートレンズ212R、ホログラム記録媒体220R、空間光変調器(たとえば、液晶マイクロディスプレイ)240Rによって構成されている。これらの各構成要素は、図3に示すコヒーレント光源210、拡大レンズ211、コリメートレンズ212、ホログラム記録媒体220、空間光変調器240に対応する構成要素である。ただ、R色の変調画像を生成する必要があるため、コヒーレント光源210Rとしては、R色の波長域をもったレーザ光を射出するレーザ光源が用いられる。また、ホログラム記録媒体220Rに対する散乱板の記録プロセス(図4参照)では、R色の照明光LおよびR色の参照光Lrが用いられ、R色の再生照明光LLを照射することにより、R色の再生実像235が形成されることになる。そして、表示すべきカラー映像のうちのR色成分画像が、空間光変調器240Rによって変調され、R色の変調画像が生成されることになる。
同様に、クロスダイクロイックプリズム270の右方に配置された構成要素は、B色(青色)の変調画像を生成するための構成要素であり、コヒーレント光源(レーザ)210B、拡大レンズ211B、コリメートレンズ212B、ホログラム記録媒体220B、空間光変調器(たとえば、液晶マイクロディスプレイ)240Bによって構成されている。これらの各構成要素は、図3に示すコヒーレント光源210、拡大レンズ211、コリメートレンズ212、ホログラム記録媒体220、空間光変調器240に対応する構成要素である。ただ、B色の変調画像を生成する必要があるため、コヒーレント光源210Bとしては、B色の波長域をもったレーザ光を射出するレーザ光源が用いられる。また、ホログラム記録媒体220Bに対する散乱板の記録プロセス(図4参照)では、B色の照明光LおよびB色の参照光Lrが用いられ、B色の再生照明光LLを照射することにより、B色の再生実像235が形成されることになる。そして、表示すべきカラー映像のうちのB色成分画像が、空間光変調器240Bによって変調され、B色の変調画像が生成されることになる。
空間光変調器240Rによって生成されたR色の変調画像と、空間光変調器240Gによって生成されたG色の変調画像と、空間光変調器240Bによって生成されたB色の変調画像とは、クロスダイクロイックプリズム270によって合成され、こうして合成されたカラー画像が、投射光学系250によってスクリーン260上に投射されることになる。
結局、スクリーン上に光を投射してカラー映像表示を行う投射型映像表示装置に本発明を適用する場合、三原色成分のそれぞれに対応する第1の波長域、第2の波長域、第3の波長域を設定し、個々の波長域ごとに、それぞれ独立した変調画像作成部を設ければよい。
ここで、第1の変調画像作成部は、平行光線束からなる第1の波長域のコヒーレント光を生成する第1のコヒーレント光生成手段と、この第1の波長域のコヒーレント光を再生照明光として受けることにより、散乱板の第1のホログラム再生実像を生成する第1のホログラム記録媒体と、第1のホログラム再生実像の形成位置に重畳して配置され、第1の波長域に対応する第1の原色成分をもった画像に基づく変調を行う第1の空間光変調器と、によって構成される。
また、第2の変調画像作成部は、平行光線束からなる第2の波長域のコヒーレント光を生成する第2のコヒーレント光生成手段と、この第2の波長域のコヒーレント光を再生照明光として受けることにより、散乱板の第2のホログラム再生実像を生成する第2のホログラム記録媒体と、第2のホログラム再生実像の形成位置に重畳して配置され、第2の波長域に対応する第2の原色成分をもった画像に基づく変調を行う第2の空間光変調器と、によって構成される。
一方、第3の変調画像作成部は、平行光線束からなる第3の波長域のコヒーレント光を生成する第3のコヒーレント光生成手段と、この第3の波長域のコヒーレント光を再生照明光として受けることにより、散乱板の第3のホログラム再生実像を生成する第3のホログラム記録媒体と、第3のホログラム再生実像の形成位置に重畳して配置され、第3の波長域に対応する第3の原色成分をもった画像に基づく変調を行う第3の空間光変調器と、によって構成される。
そして、このカラー映像表示を行う投射型映像表示装置には、更に、第1の空間光変調器上に得られる第1の変調画像、第2の空間光変調器上に得られる第2の変調画像、第3の空間光変調器上に得られる第3の変調画像を合成して、スクリーン上に投射する合成投射光学系を設けるようにすればよい。なお、図には駆動機構が描かれていないが、実用上は、個々のホログラム記録媒体220R,220G,220Bを、それぞれ記録面に平行な面内で周期的に平行移動させる駆動機構を設けるのが好ましい。
110:コヒーレント光源
120:散乱板
125:回転機構
130:集光レンズ
140:空間光変調器
150:投射光学系
160:スクリーン
210,210R,210G,210B:コヒーレント光源(レーザ)
211,211R,211G,211B:拡大レンズ
212,212R,212G,212B:コリメートレンズ
220,220R,220G,220B:ホログラム記録媒体
222:ホログラム感光媒体
225:駆動機構
230:散乱板
235:散乱板のホログラム再生実像
240,240R,240G,240B:空間光変調器
250:投射光学系
260:スクリーン
270:クロスダイクロイックプリズム
E:視点
L,LL:照明光
L1:投射光
Ld:散乱光
Lo:物体光
Lr:参照光
Ls:散乱光
Mc:円運動
Mx:X軸方向の単振動
My:Y軸方向の単振動
P1:映像点
Q1:投射点
X,Y,Z:三次元直交座標系の各座標軸
θ:配光角
φ:照明光の入射角

Claims (10)

  1. スクリーン上に光を投射して映像表示を行う投射型映像表示装置であって、
    ほぼ平行な光線束からなるコヒーレント光を生成するコヒーレント光生成手段と、
    前記コヒーレント光を再生照明光として受けることにより、散乱板のホログラム再生実像を生成するホログラム記録媒体と、
    前記ホログラム再生実像の生成位置に重畳して配置された空間光変調器と、
    前記空間光変調器上に得られる変調画像を前記スクリーン上に投射する投射光学系と、
    前記ホログラム記録媒体を、周期的に運動させる駆動機構と、
    を備え、
    前記スクリーン上の任意の1点に対する配光角がいずれも0.4°以上となるように、前記空間光変調器の特性および配置、ならびに前記投射光学系の特性および配置が設定されており、
    前記スクリーン上を走査する光の線速度が、200mm/秒以上となるように、前記駆動機構による前記ホログラム記録媒体の駆動が行われることを特徴とする投射型映像表示装置。
  2. 請求項1に記載の投射型映像表示装置において、
    コヒーレント光生成手段が、
    レーザ光を発生させて射出するレーザ光源と、
    前記レーザ光源から射出されたレーザ光を所定の断面積をもったほぼ平行な光線束に広げる光束拡大手段と、
    を有することを特徴とする投射型映像表示装置。
  3. 請求項1または2に記載の投射型映像表示装置において、
    ホログラム記録媒体が、フォトポリマーを用いた体積型ホログラムによって構成されていることを特徴とする投射型映像表示装置。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の投射型映像表示装置において、
    コヒーレント光生成手段が、ホログラム記録媒体に散乱板の像を記録する際に用いた光の波長とほぼ同一波長のコヒーレント光を生成し、
    ホログラム記録媒体が、「当該ホログラム記録媒体に対するコヒーレント光の入射角と、散乱板の像を記録する際に用いた参照光の入射角と、が同一となるような向き」に配置されていることを特徴とする投射型映像表示装置。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の投射型映像表示装置において、
    空間光変調器が、透過型もしくは反射型の液晶ディスプレイまたはデジタルマイクロミラーデバイスによって構成されていることを特徴とする投射型映像表示装置。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の投射型映像表示装置において、
    投射光学系が、スクリーンの観察面側に変調画像を投射する前方投射を行うことを特徴とする投射型映像表示装置。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の投射型映像表示装置において、
    駆動機構が、ホログラム記録媒体を、その記録面に平行な平面内で周期的に平行移動させることを特徴とする投射型映像表示装置。
  8. 請求項7に記載の投射型映像表示装置において、
    駆動機構が、ホログラム記録媒体の記録面にXY二次元直交座標系を定義したときに、ホログラム記録媒体をX軸もしくはY軸方向に単振動させるか、または、ホログラム記録媒体をXY平面上で円運動もしくは楕円運動させることを特徴とする投射型映像表示装置。
  9. スクリーン上に光を投射してカラー映像表示を行う投射型映像表示装置であって、
    平行光線束からなる第1の波長域のコヒーレント光を生成する第1のコヒーレント光生成手段と、
    前記第1の波長域のコヒーレント光を再生照明光として受けることにより、散乱板の第1のホログラム再生実像を生成する第1のホログラム記録媒体と、
    前記第1のホログラム再生実像の形成位置に重畳して配置され、前記第1の波長域に対応する第1の原色成分をもった画像に基づく変調を行う第1の空間光変調器と、
    前記第1のホログラム記録媒体を、周期的に運動させる第1の駆動機構と、
    平行光線束からなる第2の波長域のコヒーレント光を生成する第2のコヒーレント光生成手段と、
    前記第2の波長域のコヒーレント光を再生照明光として受けることにより、散乱板の第2のホログラム再生実像を生成する第2のホログラム記録媒体と、
    前記第2のホログラム再生実像の形成位置に重畳して配置され、前記第2の波長域に対応する第2の原色成分をもった画像に基づく変調を行う第2の空間光変調器と、
    前記第2のホログラム記録媒体を、周期的に運動させる第2の駆動機構と、
    平行光線束からなる第3の波長域のコヒーレント光を生成する第3のコヒーレント光生成手段と、
    前記第3の波長域のコヒーレント光を再生照明光として受けることにより、散乱板の第3のホログラム再生実像を生成する第3のホログラム記録媒体と、
    前記第3のホログラム再生実像の形成位置に重畳して配置され、前記第3の波長域に対応する第3の原色成分をもった画像に基づく変調を行う第3の空間光変調器と、
    前記第3のホログラム記録媒体を、周期的に運動させる第3の駆動機構と、
    前記第1の空間光変調器上に得られる第1の変調画像、前記第2の空間光変調器上に得られる第2の変調画像、前記第3の空間光変調器上に得られる第3の変調画像を合成して、前記スクリーン上に投射する合成投射光学系と、
    を備え、
    前記スクリーン上の任意の1点に対する配光角がいずれも0.4°以上となるように、前記第1の空間光変調器、前記第2の空間光変調器、および前記第3の空間光変調器の特性および配置、ならびに前記合成投射光学系の特性および配置が設定されており、
    前記スクリーン上を走査する光の線速度が、200mm/秒以上となるように、前記第1の駆動機構による前記第1のホログラム記録媒体の駆動、前記第2の駆動機構による前記第2のホログラム記録媒体の駆動、および前記第3の駆動機構による前記第3のホログラム記録媒体の駆動が行われることを特徴とする投射型映像表示装置。
  10. スクリーン上に光を投射して映像表示を行う投射型映像表示方法であって、
    散乱板のホログラム像を記録したホログラム記録媒体を作成する段階と、
    前記ホログラム記録媒体にコヒーレント光を照射し、前記散乱板のホログラム再生実像を生成する段階と、
    前記ホログラム再生実像の生成位置に重畳して空間光変調器を配置する段階と、
    前記空間光変調器上に得られる変調画像を前記スクリーン上に投射する段階と、
    を有し、
    前記変調画像を前記スクリーン上に投射している間、前記ホログラム記録媒体を、その記録面に平行な平面内で周期的に平行移動させ、
    前記スクリーン上の任意の1点に対する配光角がいずれも0.4°以上となり、前記スクリーン上を走査する光の線速度が、200mm/秒以上となるようにすることを特徴とする投射型映像表示方法。
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