JP3387073B2 - 走査型露光装置 - Google Patents

走査型露光装置

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JP3387073B2 JP29047893A JP29047893A JP3387073B2 JP 3387073 B2 JP3387073 B2 JP 3387073B2 JP 29047893 A JP29047893 A JP 29047893A JP 29047893 A JP29047893 A JP 29047893A JP 3387073 B2 JP3387073 B2 JP 3387073B2
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    • G03F7/00Photomechanical, e.g. photolithographic, production of textured or patterned surfaces, e.g. printing surfaces; Materials therefor, e.g. comprising photoresists; Apparatus specially adapted therefor
    • G03F7/70Microphotolithographic exposure; Apparatus therefor
    • G03F7/70058Mask illumination systems
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    • G03F7/70358Scanning exposure, i.e. relative movement of patterned beam and workpiece during imaging

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  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)
  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば露光光で矩形又
は円弧状等の照明領域を照明し、その照明領域に対して
マスク及び感光基板を同期して走査することにより、マ
スク上のパターンを逐次感光基板上の各ショット領域に
露光する所謂ステップ・アンド・スキャン方式又はスリ
ットスキャン方式の露光装置に関し、特に露光光とし
て、レーザ光(KrFエキシマレーザ、ArFエキシマ
レーザ、YAGレーザの高調波等)のように空間コヒー
レンシィの高い光を用いる場合に適用して好適なもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来より、半導体素子、液晶表示素子、
又は薄膜磁気ヘッド等をフォトリソグラフィ技術を用い
て製造する際に、フォトマスク又はレチクル(以下、
「レチクル」と総称する)のパターンを投影光学系を介
してフォトレジスト等が塗布された基板(ウエハ又はガ
ラスプレート等)上に露光する投影露光装置が使用され
ている。斯かる投影露光装置では、露光光を短波長化し
て解像度を向上させるために、KrFエキシマレーザ、
若しくはArFエキシマレーザのようなエキシマレーザ
光、又はYAGレーザ、若しくはアルゴンレーザの高調
波のような紫外域のレーザ光が露光光として使用される
ようになって来ている。
【0003】ところが、レーザ光は一般に空間コヒーレ
ンシィ(可干渉性)が高く、照明光学系を通過する間に
スペックルパターンと呼ばれる干渉縞が生じ、これがレ
チクル及び基板上での照度むらになるという問題があ
る。ここで従来のステッパーのような一括露光方式の投
影露光装置において、レーザ光を露光光として使用する
場合には、スペックルパターンによる照度むらを1ショ
ットの間に十分減少させるために、照明光学系中のフラ
イアイレンズ(オプティカル・インテグレータ)の前段
に、振動ミラーを配置し、1ショットの露光の間に、フ
ライアイレンズに入射するレーザ光を走査することによ
ってレチクル及び基板上に生じる干渉縞の位相を変えな
がら露光を行い、1ショットの露光全体としてショット
領域内全面での露光量が均一になるようにしていた。
【0004】この場合、1ショットの露光の間に、干渉
縞の位相が2πの整数倍変化するように振動ミラーを振
ることにより、基板上の露光量の分布のコントラストが
最小になる。レチクル又は基板上に生じる干渉縞のピッ
チは照明光学系中のフライアイレンズの各レンズエレメ
ントの大きさ(レンズエレメントの配列ピッチ)によっ
て決定される。従って、一括露光方式では振動ミラーの
フルストロークは一定である。実際には設定された露光
量及びインテグレータセンサにて間接的に計測された基
板の露光面(像面)上の平均的なパルスエネルギーによ
って定まる露光パルス数によって、露光が振動ミラーの
振動の半周期の整数倍にて行われるように、露光パルス
間に振動ミラーの振動ピッチを変化させる、というよう
なシーケンスを実行すればよい。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】最近は、半導体素子等
の1個のチップサイズが大型化する傾向にあり、投影露
光装置においては、レチクル上のより大きな面積のパタ
ーンを基板上に露光する大面積化が求められている。と
ころが、大面積のパターンを高い解像度で一括露光でき
るような大型の投影光学系の設計及び製造は困難であ
り、実用的な投影光学系の露光フィールドの大きさには
限界がある。斯かる被転写パターンの大面積化及び投影
光学系の露光フィールドの制限に応えるために、例えば
矩形、円弧状又は6角形等の照明領域(これを「スリッ
ト状の照明領域」という)に対してレチクル及び感光性
の基板を同期して走査することにより、レチクル上のパ
ターンを逐次基板上の各ショット領域に露光する所謂ス
テップ・アンド・スキャン方式又はスリットスキャン方
式(以下、まとめて「スキャン露光方式」という)の投
影露光装置が開発されている。
【0006】このようなスキャン露光方式の投影露光装
置でも、露光光としてレーザ光のような空間コヒーレン
シィの高い光を使用する場合には干渉縞による露光量む
らを低減させる必要がある。しかしながら、スキャン露
光方式では、レチクル及び基板が走査されるため、スキ
ャン方向において、パルス露光間のレチクル及び基板の
走査量(走査ピッチ)とスリット状の照明領域内に形成
される干渉縞のピッチとの関係が、ステージの走査速
度、即ち設定される基板上での積算露光量によって変化
してしまう。そのため、そのスキャン方向について、振
動ミラー等の走査手段を用いてパルス露光毎に干渉縞を
移動させて、スリット状の照明領域を横切る間の露光量
の積算効果によって干渉縞のコントラストを減少させる
ためには、一括露光方式とは異なった制御方法でその走
査手段を制御する必要がある。
【0007】本発明は斯かる点に鑑み、スキャン露光方
式の露光装置において、空間コヒーレンシィの高い光を
露光光として使用する場合に、干渉縞に起因する感光性
の基板上での露光量むらをできるだけ小さくすることを
目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明による走査型露光
装置では、例えば図1及び図2に示すように、所定の空
間コヒーレンシィを有する照明光をパルス的に発生する
パルス光源(1)と、その照明光を入射して複数の光源
像を形成するオプティカル・インテグレータ(5)と、
それら複数の光源像からの照明光で所定形状の照明領域
(13)を重畳的に照明する照明光学系(8〜12)
と、その照明領域(13)に対して相対的に転写用のパ
ターンが形成されたマスク(R)及び感光性の基板
(W)を同期して走査する相対走査手段(27,28)
とを有し、その照明領域(13)に対して相対的にマス
ク(R)及び基板(W)を走査しつつマスク(R)のパ
ターンを逐次基板(W)上に露光する走査型露光装置に
おいて、照明領域(13)上にオプティカル・インテグ
レータ(5)により形成される干渉縞を照明領域(1
3)とマスク(R)との相対走査方向(SR方向)に振
る位相可変手段(4)を設け、パルス光源(1)のパル
ス発光間での照明領域(13)とマスク(R)との相対
的な移動による干渉縞の移動量に、そのパルス発光間で
の位相可変手段(4)によるその干渉縞のその相対走査
方向(SR方向)への振り量を加えた長さでの位相変調
により、複数パルス積算後の露光量分布のコントラスト
が所定の値以下になるようにしたものである。
【0009】この場合、位相可変手段(4)は、その干
渉縞を照明領域(13)とマスク(R)との相対走査方
向(SR方向)に垂直な方向にも振ることが望ましい。
次に、本発明の別の走査型露光装置は、照明光をパルス
的に発生するパルス光源(1)と、そのパルス光源から
の照明光で所定形状の照明領域(13)を照明する照明
光学系(8〜12)と、パターンが形成されたマスク
(R)及び基板(W)を同期して走査する走査手段(2
7,28)とを備え、その照明領域に対してそのマスク
及びその基板を走査しつつそのマスクのパターンを逐次
その基板上に露光する走査型露光装置において、その
領域内に生じる干渉パターンをその照明領域内で移動
させる位相可変手段(4)と、その干渉パターンを移動
させるか否かを判定する判定手段とを備えたものであ
る。また、本発明の更に別の走査型露光装置は、照明光
をパルス的に発生するパルス光源(1)と、そのパルス
光源からの照明光で所定形状の照明領域(13)を照明
する照明光学系(8〜12)と、パターンが形成された
マスク(R)及び基板(W)を同期して走査する走査手
段(27,28)とを備え、その照明領域に対してその
マスク及びその基板を走査しつつそのマスクのパターン
を逐次その基板上に露光する走査型露光装置において、
その照明領域内に生じる干渉パターンをその照明領域内
で、その走査手段による走査方向及び該走査方向に垂直
な非走査方向に振動させる位相可変手段(4)と、その
位相可変手段による、その走査方向へのその干渉パター
ンの振動の制御方式と、その非走査方向へのその干渉パ
ターンの振動の制御方式とを異ならせる制御手段とを備
えたものである。
【0010】
【作用】斯かる本発明によれば、設定された基板(W)
上での積算露光量、即ち基板(W)及びマスク(R)の
走査速度によって、位相可変手段(4)によるパルス露
光毎の相対走査方向への干渉縞の補正量(移動量)を定
める。この際に、「所定形状の照明領域(13)内に形
成される干渉縞のピッチ」と、「その照明領域(13)
とマスク(R)との相対走査速度」との関係に応じて、
複数パルスの積算露光後に基板(W)上での積算露光量
のコントラスト(残留コントラスト)が所定の許容量よ
り小さくなるように、その位相可変手段(4)による干
渉縞の相対走査方向への補正量を定める。
【0011】従って、基板(W)上での積算露光量の設
定値が変更されて、干渉縞のピッチと、照明領域(1
3)とマスク(R)との相対走査速度との位相の揃い具
合が変化しても、残留コントラストがその許容量より大
きくなり、露光量むらが劣化することにはならない。ま
た、走査方向において構造的に簡略な1次元の振動ミラ
ーを位相可変手段(4)として使用する場合には、前述
の干渉縞の相対走査方向への補正量に方向性(符号)を
加味することにより、その振動ミラーの振動制御は単純
な往復運動でもよくなる。
【0012】更に、スキャン露光方式では、走査露光に
より、所定形状の照明領域(13)内の干渉縞とマスク
(R)とが相対的に走査され、実質的に位相可変手段
(4)で干渉縞を振っているのと等価になる。従って、
基板(W)上での設定積算露光量によっては、「所定形
状の照明領域内の干渉縞の周期」と「所定形状の照明領
域とマスクとの相対走査速度」との関係が、複数パルス
の積算露光後の残留コントラストが元々その許容量より
小さくなるものである場合がある。この場合は、スキャ
ン方向については実際の位相可変手段(4)による干渉
縞の制御は不要となる。即ち、スキャン露光方式におい
て、位相可変手段(4)は必要な場合のみ干渉縞を走査
方向に制御するので、制御系は簡便なものとなる。
【0013】また、位相可変手段(4)を例えば2次元
的に振動できる振動ミラーより構成し、所定形状の照明
領域(13)内の干渉縞を照明領域(13)とマスク
(R)との相対走査方向(SR方向)に垂直な非走査方
向に振ることにより、非走査方向での露光量むらも低減
される。
【0014】
【実施例】以下、本発明による走査型露光装置の一実施
例について説明する。本実施例は、露光光の光源として
パルス発振型のレーザ光源を使用したステップ・アンド
・スキャン方式の投影露光装置に本発明を適用したもの
である。図1は本例の投影露光装置の光学系を示し、こ
の図1において、パルス光源としてのエキシマレーザ光
源1から射出された遠紫外域(波長は例えば248n
m)のレーザビームLB0 は、シリンドリカルレンズを
含むビーム整形光学系2に入射する。一般にエキシマレ
ーザ光源1から射出されたレーザビームLB0 の断面形
状は、水平方向(H方向)の幅が垂直方向(V方向)の
幅よりかなり狭い細長い矩形であり、ビーム整形光学系
2では、そのレーザビームLB0 を断面形状が縦横比
1:1の正方形のビームに整形して射出する。
【0015】ビーム整形光学系2から射出されたレーザ
ビームは、ミラーM1及びM2にて折り曲げられてビー
ムエクスパンダ3に入射し、所定の断面寸法にまで断面
形状が拡大される。ビームエクスパンダ3から射出され
た平行なレーザビームLBは、ミラーM3で反射された
後、干渉縞の位相変調器としての振動ミラー4にて光路
が折り曲げられる。振動ミラー4は、直交する2つの回
動軸4a及び4bを軸として独立に振動できるように支
持され、それら2つの回動軸4a及び4bの回りに振動
ミラー4を振動させる2つの駆動モータ(不図示)が設
けられている。そして、回動軸4aを軸としてレチクル
R上の走査方向に、及び回動軸4bを軸としてレチクル
R上の非走査方向に各々独立に振動ミラー4を僅かに振
ることによって、反射されるレーザビームLBの進行方
向を変える。
【0016】その振動ミラー4で反射されたレーザビー
ムは、図2に示すフィールドレンズ21、及びインプッ
トレンズ22(図1では不図示)を介して、図1のオプ
ティカル・インテグレータとしてのフライアイレンズ5
に入射する。フライアイレンズ5は、微小な断面形状が
矩形のレンズエレメントを縦横に密着して配列したもの
であり、フライアイレンズ5の後側(レチクルR側)の
焦点面に多数の光源像(二次光源)が形成される。それ
ら多数の光源像から発散するレーザビームの内の僅かの
光が、分岐ビームスプリッター6によって反射された
後、不図示の集光光学系を介して露光量制御に用いる光
電変換素子よりなるインテグレータセンサ7に入射す
る。
【0017】分岐ビームスプリッター6を通過したレー
ザビームは、第1リレーレンズ8によってレチクルRの
パターン形成面と共役な面上のレチクルブラインド(視
野絞り)9上に集光され、レチクルブラインド9の開口
部の形状によりレチクルR上のスリット状の照明領域1
3(後述)の形状が決定される。本実施例では、その照
明領域13の形状は短辺方向の幅Dの単純な長方形とす
る。そのレチクルブラインド9の開口部を通過したレー
ザビームは、第2リレーレンズ10、光路折り曲げ用の
ミラー11、及びメインコンデンサーレンズ12を経
て、レチクルRのパターン形成面上の照明領域13を照
明する。即ち、フライアイレンズ5の後側(レチクル
側)焦点面の多数の光源像からのレーザビームは、メイ
ンコンデンサーレンズ12を介してレチクルR上の短辺
方向の幅Dの長方形の照明領域13を重畳的に照明す
る。その照明領域13内のパターン像が投影光学系PL
を介してウエハW上の長方形の露光領域14内に結像投
影される。なお、例えば特開平1−259533号公報
に開示されているように、実際にはフライアイレンズ5
を光軸に沿って複数個配列することにより、ウエハW上
での照度むら、ひいては露光量むらをより低減できる
が、図1の例では簡単のため1個のフライアイレンズを
用いる場合を示している。
【0018】ここで、投影光学系PLの光軸に平行にZ
軸を取り、その光軸に垂直なXY平面内のX軸を長方形
の照明領域13の短辺方向に取り、Y軸を照明領域13
の長辺方向に取る。更に本例では、投影光学系PLの投
影倍率をβとして、照明領域13に対して、レチクルR
を+X方向に平行な方向SRに速度Vで走査するのと同
期して、ウエハWを−X方向に平行な方向SWに速度β
Vで走査することにより、レチクルRのパターン領域内
の回路パターン像が逐次ウエハWのショット領域に投影
露光される。なお、レチクルRを−X方向に走査する場
合には、ウエハWは+X方向に走査される。従って、本
例では走査方向とはX軸に平行な方向であり、走査方向
に垂直な非走査方向とはY軸に平行な方向である。ま
た、照明領域13内に形成される干渉縞はフライアイレ
ンズ5の後側焦点面内の光源像の配列に応じたものであ
り、以下ではX、Y方向の各々に沿って干渉縞が発生し
ているものとして説明を行う。
【0019】次に、振動ミラー4の具体的な制御方法を
説明する。考え方の基本となるモデルを図2に示す。図
2は、図1の主要部材のみを示し、図2の紙面に平行な
方向にX軸、即ち走査方向SR及びSWを取り、振動ミ
ラー4を駆動してレチクルR上の干渉縞を走査方向にの
み1次元的に走査する場合を考える。図2において、レ
ンズエレメント3a及び3bよりなるビームエクスパン
ダ3から射出されたレーザビームLBは、図2の紙面に
垂直な軸4aを中心として高速に回動自在な振動ミラー
4に反射された後、フィールドレンズ21により面23
上に集光され、面23上に等価光源PAが形成される。
そして、等価光源PAからのレーザビームが、インプッ
トレンズ22を介して、フライアイレンズ5に入射し、
フライアイレンズ5の後側焦点面に形成された多数の光
源像からのレーザビームが、メインコンデンサーレンズ
12を介して重畳的にレチクルR上の照明領域13を照
明する。
【0020】レチクルRはレチクルステージ28上に保
持され、レチクルステージ28は照明領域13に対して
レチクルRをSR方向又は逆の方向に所定速度で走査す
る。一方、ウエハWはウエハステージ27上に載置さ
れ、ウエハステージ27は、ステッピング動作によりウ
エハWの各ショット領域の端部を順次投影光学系PLの
露光フィールド内に設定した後、レチクルステージ28
の走査動作に同期してウエハWをSW方向又は逆方向に
所定速度で走査する。また、投影光学系PLは前群レン
ズ系24、開口絞り25及び後群レンズ系26より構成
されている。
【0021】本実施例では、振動ミラー4を軸4aを中
心として振る(回動する)、即ち振動させることによ
り、面23上の等価光源PAに時間平均での所定の大き
さを持たせ、照明領域13でのインコヒーレント化を達
成する。エキシマレーザ光源1のようなレーザ光源は一
般に非常に指向性が高いため、等価光源PAの或る時点
での強度分布は、或る1点でのみ鋭いピークを有するδ
関数として扱うことができる。先ず、振動ミラー4が静
止しているとき、レチクルRのパターン形成面にはフラ
イアイレンズ5の多数のレンズエレメント間の干渉によ
り、ピッチPの干渉縞が形成される。ここで、λをパル
ス的なレーザビームLBの波長(露光波長)、Ps をス
キャン方向のフライアイレンズ5のレンズエレメント間
隔、fc を図1の第1リレーレンズ8の焦点距離、αを
図1のレチクルブラインド9のレチクルRの面に対する
倍率とすると、その干渉縞のピッチPは次のようにな
る。
【0022】P=(λfc /Ps)α (1) 次に、スキャン露光方式ではなく、従来のような一括露
光方式(ステッパ方式)の場合に、図3に示すように、
パルス露光間の振動ミラー4の振り角θ0 及び1つのシ
ョット領域への露光パルス数がNパルスなる条件で振動
ミラー4を振動させて露光したとする。ここで、振り角
θ0 はパルス露光間の等価光源PAの大きさを示すが、
振動ミラー4の振り角が微小であるとき、振り角θ0
実際の振り角との間には相関がある。Nパルス積算露光
後の、ウエハW上での積算露光量分布のコントラスト
は、図3の等価光源の分布のフーリエ変換の2乗で表さ
れる。
【0023】図4は、図3に対応するウエハW上での積
算露光量分布のコントラストを示し、図4において、レ
チクルR及びウエハWを静止して1パルスだけ露光した
ときの干渉縞のコントラストを“1”としている。さ
て、本実施例におけるスキャン露光方式での露光量制御
方式として以下の方式を考える。また、以下ではレチク
ルR上での露光量むらを考える。図1のレチクルR上の
長方形の照明領域13の短辺方向(即ち、SR方向)の
長さ(以下、「スリット幅」という)はDであり、スリ
ット幅Dは、予めウエハステージ上の光電変換素子を像
面上で走査して得られた長さに、投影光学系PLの投影
倍率βの逆数(1/β)を乗ずる等の手法で計測されて
いる。
【0024】また、レチクルR上の照明領域13内の任
意の1点に与えるべき露光パルス数をNとする。露光パ
ルス数Nは、設定積算露光量S0 とレーザビームの1パ
ルス当たりのエネルギーとによって求められる。スキャ
ン露光中は、次のパルスが照射されるまでの間にレチク
ルステージ28(図2参照)はSR方向にD/Nだけ移
動する。パルスレーザビームのパルス発光毎のエネルギ
ー(パルスエネルギー)eのばらつき(標準偏差の3倍
(3σ))をδe、そのパルスエネルギーeの平均値を
Eとして、パルスエネルギーのばらつきをδe/Eと規
格化して表す。また、目標としている露光量の再現性を
Aとすると、露光パルス数Nには次のような下限Nmin
が存在する。
【0025】 N≧Nmin ≧{(δe/E)/A}2 (2) レーザビームのパルスエネルギーeが大きく、露光パル
ス数NがNmin 以下になってしまうときは、図1中のレ
ーザビームLB(又はLB0)の光路中に例えばNDフィ
ルタ等の減光手段を挿入することにより、(2)式の条
件が満たされる。このように露光パルス数Nが決定され
ると、レチクルR即ち被照射領域はパルス露光間毎にS
R方向にD/Nだけ移動する。この移動量は、レチクル
R上の干渉縞のピッチP((1)式により決定)を単位
とした場合、D/(NP)(単位は、干渉縞の周期数)
に相当し、振動ミラー4が静止しているときであって
も、スキャン露光の際に、レチクルR上において、干渉
縞をSR方向にD/(NP)(周期)だけ振ったのと等
価である。以下では振動ミラー4の振り角をレチクルR
上での干渉縞の移動量(移動する干渉縞の周期数)を単
位として表す。以下、ミラーの振り角とレチクルR上の
干渉縞の移動量について予め相関がとれているものとす
る。
【0026】図5は、図4に対応させて、本実施例にお
いてレチクルR上で所定のNm パルスの積算露光を行っ
た後の干渉縞のコントラスト(残留コントラスト)を示
し、横軸に干渉縞の周期を単位とした振動ミラー4の振
り角ピッチ(発光間の振り角)、縦軸に残留コントラス
トを取っている。パルス数Nm は振動ミラー4の振動周
期の半周期内の露光パルス数である(後述)。この場
合、横軸の値が整数の位置では、干渉縞を整数周期ずら
して重ね合わせた場合に相当するため、残留コントラス
トはそれぞれ最大値である1となっており、それら最大
のピークの周囲に整数Nm により位置が定まる小さなピ
ークが続いている。なお、本実施例では、スキャン露光
を行う場合のレチクルステージの走査によるレチクルR
上での干渉縞の移動も、等価的に振動ミラー4を振った
結果であるとして扱う。即ち、露光パルス数Nのもとで
は、実際には振動ミラー4が静止している場合でも、図
5において、振り角にはD/(NP)だけの振り角オフ
セットが付加されているものとみなす。
【0027】図5より分かるように、この振り角オフセ
ットD/(NP)が、整数、あるいは整数に極めて近い
数値をとるときは、振動ミラー4を静止したままにして
おくと、Nm パルスの積算露光後に、高いコントラスト
の干渉縞が残ってしまう。その残留コントラストを振動
ミラー4の振動制御により、図5の安全領域S+ A又は
安全領域S- Aに入れるのが、要点である。即ち、安全
領域S+ A及びS- Aは、残留コントラストの値が所定
の値以下になる領域であり、図5では値が最大のピーク
の位置を中心とした5つのピークを除く領域がそれぞれ
安全領域S+ A又はS- Aとなっている。そして、図5
の横軸上で安全領域S+ A及びS- A以外の領域が、残
留コントラストが大きく露光量むらが許容値を超える恐
れのある危険領域DAとなっている。
【0028】実際には、安全領域S+ A及びS- Aの設
定方法は、使用するレーザ光源の特性、ウエハW上に塗
布するフォトレジストの感光特性、及び露光量むらの許
容値等により決定されるが、最悪の条件を想定して設定
すればよい。図5を参照すると、図2の振動ミラー4の
制御方法は次の2つの場合に分かれる。 [振動ミラー4を駆動する場合(条件A)]振り角オフ
セットD/(NP)が危険領域DA内にある場合、振動
ミラー4のパルス露光間での振り角(振動ピッチ)をδ
として、{D/(NP)±δ}が例えば安全領域S+
内に入るように振動ミラー4を制御する。ここで、振り
角δの±の符号は、+符号はレチクルRのスキャン方向
と振動ミラー4による干渉縞の移動方向とが同方向の場
合を示し、−符号は両者が逆方向の場合を示す。即ち、
振動ミラー4が往復運動する場合も含まれている。への
対応も考える。
【0029】図5の例では、振り角オフセットD/(N
P)を中心として、安全領域S- Aまでの間隔をδ-(負
の値)として、安全領域S+ Aまでの間隔をδ+(正の
値)とすると、|δ+|>|δ-|が成立している。従っ
て、数a及びbの内の大きい数をmax(a,b)で表
した場合、振動ミラー4の振り角δは次のようになる。 δ=max(|δ+|,|δ-|)=|δ+| (3)
【0030】[振動ミラー4を静止させておいてよい場
合(条件B)]振り角オフセットD/NPが安全領域S
+ A又はS- Aにある場合、振動ミラー4は振る必要が
ない。次に、本実施例でレチクルRのパターン像をスキ
ャン露光方式でウエハW上に露光する際の4個の条件に
ついて説明する。
【0031】[第1条件]レチクルRの照明領域13内
の任意の点は同一の大きさの等価光源PA(図2参照)
からの光で照明されなければならない。
【0032】[第2条件]照明領域13内の任意の1点
の照明は、振動ミラー4のフルストロークの振動周期を
M とした場合、半周期(TM /2)の整数倍の時間だ
け照射されるように、その半周期中の露光パルス数を決
めなければならない。これにより、振動ミラー4が往復
運動をするような制御を採用する場合でも、レチクルR
上の全ての点への照明を行う場合に、それぞれ振動ミラ
ー4が半周期(TM /2)の整数倍の時間だけ干渉縞を
振ることができる。
【0033】[第3条件]レチクルR上(ウエハW上で
も同じ)でのスキャン露光後の干渉縞の残留コントラス
トを低下させるためには、積分効果を得るため、振動ミ
ラー4の半周期中の露光パルス数はできるだけ多いこと
が望ましい。 [第4条件]振動ミラー4の駆動部としてピエゾ素子等
を使用した場合には、そのパルス露光間の振り角δに所
定の分解能が存在する。例えば図5の場合では、パルス
発光間の振り角の最小値は3/Nm であるため、これが
使用する振動ミラー4の振り角の分解能以上になるよう
に、その半周期中の最大露光パルス数を与える必要があ
る。
【0034】以上の諸条件を考慮して、本実施例におけ
る振動ミラー4の制御シーケンを決定する。図6〜図8
はその制御シーケンスの一例を示し、先ずウエハW上の
ショット領域内のA点では、図1の振動ミラー4から見
ると、As 点から露光が始まり、振り角が振幅θ0 の3
角波状に1周期変化した後、Af 点にて露光が終了す
る。また、A点から走査方向に僅かにずれたB点では、
振動ミラー4から見ると、Bs 点より露光が始まり、振
り角が1周期変化した後のBf 点にて露光が終了する。
即ち、A点、及びB点共に、振動ミラー4の振り角がフ
ルストロークθ0で1周期変化して露光されたことにな
る。
【0035】図7(a)は、図6に対応した図2の等価
光源PAの動きを示し、この図7(a)に示すように、
等価光源PAはX軸に沿ってフルストロークθ0 で周期
的に振動するように移動する。それに対応して、ウエハ
W上のA点に対しては等価光源PAは、図7(b)に示
すようにAs 点からAf 点まで1周期移動し、ウエハW
上のB点に対しては等価光源PAは、図7(c)に示す
ようにBs 点からBf点まで1周期移動する。
【0036】次に、図9を参照して本実施例におけるス
キャン露光動作の一例につき説明する。先ず、(2)式
を満たす最小露光パルス数Nmin の内で偶数となるもの
を改めてNmin とする。上述の第1条件より、振動ミラ
ー4の振動の半周期(TM /2)中の最小露光パルス数
m,min は次のようになる。 Nm,min =Nmin /2 (4)
【0037】また、第4条件より、振動ミラー4の振動
の半周期中の最大露光パルス数をN m,max とする。次
に、図9のステップ101において、ウエハW上の1点
当りの露光パルス数Nを(2)式を満たすように決定す
る。そして、ステップ102において、振動ミラー4の
振動の半周期中の露光パルス数Nm を決定する。この露
光パルス数Nm は次の条件を満たす。
【0038】 Nmin /2≦Nm ≦Nm,max ) (5) 従って、Nmin ≦N≦2Nm,max が成立するとき、in
t(a)が実数aの整数部を表すものとして、露光パル
ス数Nm は次のようになる(ステップ103)。 Nm =int(N/2) (6) 一方、2Nm,max ≦Nのとき、露光パルス数Nm は次の
ようになる(ステップ104)。
【0039】 Nm =int(N/{int(N/Nm,max )+1}) (7) これで第1条件〜第4条件は満たされる。ステップ10
3又は104の実行の後、ステップ105に移行して、
振動ミラー4の駆動制御を実行するか否かの判断を行
う。ここでは、振動ミラー4の振り角の安全領域を、図
5の安全領域S+A及びS- Aとする。そして、CIN
T(a)を実数aに最も近い整数、即ち実数aの小数点
以下第1位を四捨五入した整数として、図5より残留コ
ントラストが最大値となる位置からのずれ量である|D
/(NP)−CINT(D/(NP))|が許容量であ
る3/Nm より小さいときに振動ミラー4の振動制御を
行う。即ち、次式が成立するときに、ステップ107に
移行する。
【0040】 |(D/(NP)−CINT(D/(NP))|<3/Nm (8) また、(8)式が成立しないときには、ステップ106
に移行して、振動ミラー4を静止したままで、スキャン
露光を行う。これは条件Bを用いたものである。そし
て、ステップ107においては、条件Aを用いた次式よ
り、振動ミラー4のパルス露光毎の振り角(振り角ピッ
チ)δを算出する。
【0041】 δ=max(|CINT(D/(NP))−D/(NP)−3/Nm |, |CINT(D/(NP))−D/(NP)+3/Nm |) (9)
【0042】次に、ステップ108において、振り角ピ
ッチδ及び半周期の露光パルス数N m を用いて、振動ミ
ラー4振り角のフルストロークθ0 を次式から算出す
る。 θ0 =δ・Nm (10) 以上より、振動ミラー4の各制御量が求まる。その後、
ステップ109でレーザ発光をさせた後、求められた制
御量に基づいてステップ111で振動ミラー4の振り角
を制御して、ステップ109でレーザ発光を行うという
動作を繰り返し、ステップ110においてウエハWの1
つのショット領域の全面へのスキャン露光が終了した時
点で露光が終了する。また、ウエハW上の他のショット
領域にも、同様のシーケンスでスキャン露光が行われ
る。
【0043】次に、図1に戻り、レチクルR上の非走査
方向(Y方向)に干渉縞を移動させる方法につき説明す
る。上述のように走査方向では、ウエハW上での設定積
算露光量等の条件によっては、振動ミラー4を必ずしも
駆動しなくともよい場合があるが、非走査方向ではレチ
クルRは静止しているため、振動ミラー4又は別の走査
手段を介して干渉縞を非走査方向に振ることが望まし
い。
【0044】非走査方向へは、従来の一括露光方式(ス
テッパ等)の場合と同じように振動ミラー4を振ればよ
い。非走査方向についても、レチクルR上には図5のよ
うな残留コントラストが残るが、走査方向と異なり、設
定露光量によって決まる振動ミラー4の振り角のオフセ
ットは無い。従って、設定積算露光量によって、振動ミ
ラー4の振り角のピッチ及びフルストロークが変わるこ
とはない。また、走査方向のように目標とする安全領域
という考え方でなく、目標点を考えることができる。
【0045】即ち、振り角のオフセットは0なので、図
5では残留コントラストが0となるT点を目標とする振
り角と仮定する。そして、振動ミラー4のパルス露光間
の振り角(振り角ピッチ)が3/Nm 、フルストローク
θ0 がレチクルR上で干渉縞の3ピッチに相当するよう
に、振動ミラー4の振り角の制御を行う。また、振動ミ
ラー4の振動の半周期中の露光パルス数Nm は、次の条
件であればよい。
【0046】 Nm =int(N/int(N/Nmin )) (11) なお、図5中のT点のような目標点は振動ミラー4の制
御精度、非走査方向のレーザビームの空間コヒーレンシ
ィによって決まる。以上のようにスキャン露光型の投影
露光装置においては、走査方向については、ウエハW上
のショット領域内の1点への露光パルス数Nによって、
振動ミラー4の振り角ピッチ、振り角のストローク、及
び半周期中の露光パルス数を変えるが、非走査方向につ
いては振り角ピッチ、及び振り角のストロークは変えな
い。このように、2方向での振動ミラー4の制御方式は
異なっている。
【0047】なお、以上の実施例においては、1ショッ
トの露光中に振動ミラー4を往復運動する場合を考えて
きたが、振動ミラー4を一方向のみに振るような制御方
法もある。図8は、振動ミラー4を一方向に振動させる
場合を示す。即ち、図7では振動ミラー4を往路及び復
路共に同じ角速度で振っているのに対して、図8では、
振動ミラー4を例えば往路で図7と同様に振り、復路で
は高速に初期位置まで戻す動作を繰り返して、常に干渉
縞を一定の方向に振るようにしている。また、図8のよ
うな動作は、振動ミラー4を例えばポリゴンミラーで構
成したような場合には、ポリゴンミラーの回転方向を一
定にして行うことができる。
【0048】このように振動ミラー4を一方向に振る場
合、図5において振り角のオフセットがD/(NP)な
らば、目標領域を安全領域S- Aとする。即ち、この場
合は振り角ピッチδは次のようになる。 δ=δ- =CINT(D/(NP))−D/(NP)−3/Nm (12) そして、振動ミラー4を振る方向は、レチクルステージ
の走査方向SRと逆方向に干渉縞を移動させる方向であ
る。また、この場合には振動ミラー4の振動の半周期中
のパルス数Nm は次のように場合分けされる。
【0049】先ず、Nmin ≦N≦Nm,max のときは、次
のようになる。 Nm =int(N/int(N/Nmin )) (13) また、Nm,max <Nのときは、次のようになる。 Nm =int(N/{int(N/Nm,max )+1}) (14) これにより、振動ミラー4の振り角のフルストロークθ
0 も次のようになる。
【0050】θ0 =δ・Nm (15) この方式では、図9のステップ107における振り角δ
の選択の必要がなく、振動ミラー4に要求される最大フ
ルストロークθ0 は、往復運動する方式の半分で済む。
なお、一般にレーザ光を使用する場合には、方向により
空間コヒーレンシィが異なり、空間コヒーレンシィの高
い方向に干渉縞のコントラストが高くなる。そこで、空
間コヒーレンシィの高い方向をレチクルの走査方向に合
致させることにより、走査方向の露光量むらのコントラ
ストを小さくでき、かつ非走査方向の露光量むらのコン
トラストも小さくできる。
【0051】なお、上述実施例の図1では、フライアイ
レンズ5は1個としているが、フライアイレンズを2個
設け、第1フライアイレンズと第2フライアイレンズと
の間に振動ミラーを設ける場合にも、本発明が適用でき
る。更に、水晶プリズムを設けてフライアイレンズ5に
入射するレーザビームを偏光方向に応じて2個に分け、
フライアイレンズ5により形成される光源像の個数を2
倍にした方式においても、本発明が適用できるのは言う
までもない。
【0052】このように本発明は上述実施例に限定され
ず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の構成を取り
得る。以上のように上述の露光装置によれば、設定され
た露光量によって、位相可変手段によるパルス露光間で
の干渉縞の制御量が決められる。その制御量は、所定形
状の照明領域内に形成される干渉縞のピッチと、パルス
露光間でのマスクと照明領域との相対的な移動量との位
相が或る範囲内で揃った場合には、それを所定量ずらし
て、複数パルスの積算露光後の露光量むらのコントラス
トが所望の残留コントラスト以下になるように決められ
る。よって、設定露光量に関係なく、複数パルス積算露
光後に、高いコントラストの干渉縞がマスク及び感光性
の基板上に形成されることがなくなり、相対走査方向の
露光量むらが小さくなる利点がある。
【0053】
【発明の効果】本発明によれば、複数パルス積算露光後
に、高いコントラストの干渉縞がマスク及び感光性の基
板上に形成されることがなくなり、露光量むらが小さく
なる利点がある。また、本発明によれば、制御系を簡便
なものにすることができる。
【0054】また、位相可変手段が、その干渉縞を照明
領域とマスクとの相対走査方向に垂直な方向にも振る場
合には、非走査方向での露光量むらも小さくなる利点が
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による一実施例の投影露光装置の光学系
を示す斜視図である。
【図2】振動ミラーの制御の原理の説明に供する、図1
を簡略化した概念図である。
【図3】振動ミラーによる干渉縞低減法の原理説明図で
ある。
【図4】図3の場合の残留コントラストを示す図であ
る。
【図5】実施例におけるスキャン露光後の積算露光量の
走査方向についての残留コントラストを示す図である。
【図6】実施例での振動ミラー4の制御方法の一例を示
す図である。
【図7】図6に対応する等価光源の分布状態を示す図で
ある。
【図8】実施例での振動ミラー4の制御方法の他の例を
示す図である。
【図9】実施例でのスキャン露光動作の一例を示すフロ
ーチャートである。
【符号の説明】
R レチクル PL 投影光学系 W ウエハ 1 エキシマレーザ光源 2 ビーム整形光学系 3 ビームエクスパンダ 4 振動ミラー 5 フライアイレンズ 8 第1リレーレンズ 9 レチクルブラインド 10 第2リレーレンズ 12 メインコンデンサーレンズ 13 照明領域 14 露光領域 21 フィールドレンズ 22 インプットレンズ PA 等価光源 27 ウエハステージ 28 レチクルステージ
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−288015(JP,A) 特開 平5−62871(JP,A) 特開 平4−196513(JP,A) 特開 平3−22407(JP,A) 特開 平5−40240(JP,A) 特開 平5−275317(JP,A) 実開 平2−52428(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/027 G03F 7/20

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の空間コヒーレンシィを有する照明
    光をパルス的に発生するパルス光源と、前記照明光を入
    射して複数の光源像を形成するオプティカル・インテグ
    レータと、前記複数の光源像からの照明光で所定形状の
    照明領域を重畳的に照明する照明光学系と、前記照明領
    域に対して相対的に転写用のパターンが形成されたマス
    ク及び感光性の基板を同期して走査する相対走査手段と
    を有し、前記照明領域に対して相対的に前記マスク及び
    前記基板を走査しつつ前記マスクのパターンを逐次前記
    基板上に露光する走査型露光装置において、 前記照明領域上に前記オプティカル・インテグレータに
    より形成される干渉縞を前記照明領域と前記マスクとの
    相対走査方向に振る位相可変手段を設け、前記パルス光
    源のパルス発光間での前記照明領域と前記マスクとの相
    対的な移動による干渉縞の移動量に、前記パルス発光間
    での前記位相可変手段による前記干渉縞の前記相対走査
    方向への振り量を加えた長さでの位相変調により、複数
    パルス積算後の露光量分布のコントラストが所定の値以
    下になるようにしたことを特徴とする走査型露光装置。
  2. 【請求項2】 前記位相可変手段は、前記干渉縞を前記
    照明領域と前記マスクとの相対走査方向に垂直な方向に
    も振ることを特徴とする請求項1に記載の走査型露光装
    置。
  3. 【請求項3】 照明光をパルス的に発生するパルス光源
    と、前記パルス光源からの照明光で所定形状の照明領域
    を照明する照明光学系と、パターンが形成されたマスク
    及び基板を同期して走査する走査手段とを備え、前記照
    明領域に対して前記マスク及び前記基板を走査しつつ前
    記マスクのパターンを逐次前記基板上に露光する走査型
    露光装置において、 前記照明領域内に生じる干渉パターンを前記照明領域内
    で移動させる位相可変手段と、 前記干渉パターンを移動させるか否かを判定する判定手
    段と、 を備えたことを特徴とする走査型露光装置。
  4. 【請求項4】 前記判定手段は、前記照明領域と前記マ
    スクとの相対走査速度に基づいて前記干渉パターンを移
    動させるか否かを判定することを特徴とする請求項3に
    記載の走査型露光装置。
  5. 【請求項5】 前記判定手段は、前記干渉パターンのピ
    ッチに基づいて前記干渉パターンを移動させるか否かを
    判定することを特徴とする請求項3又は4に記載の走査
    型露光装置。
  6. 【請求項6】 前記照明光学系はフライアイレンズを有
    し、 前記干渉パターンのピッチは、前記フライアイレンズの
    レンズエレメント間隔に基づいて決定されることを特徴
    とする請求項5に記載の走査型露光装置。
  7. 【請求項7】 前記位相可変手段は、前記照明領域内で
    前記干渉パターンを前記走査手段による走査方向に動か
    すことを特徴とする請求項3〜6のいずれか一項に記載
    の走査型露光装置。
  8. 【請求項8】 前記位相可変手段は、前記照明領域内で
    前記干渉パターンを前記走査手段による走査方向に垂直
    な非走査方向にも動かすことを特徴とする請求項7に記
    載の走査型露光装置。
  9. 【請求項9】 照明光をパルス的に発生するパルス光源
    と、前記パルス光源からの照明光で所定形状の照明領域
    を照明する照明光学系と、パターンが形成されたマスク
    及び基板を同期して走査する走査手段とを備え、前記照
    明領域に対して前記マスク及び前記基板を走査しつつ前
    記マスクのパターンを逐次前記基板上に露光する走査型
    露光装置において、 前記照明領域内に生じる干渉パターンを前記照明領域内
    で、前記走査手段による走査方向及び該走査方向に垂直
    な非走査方向に振動させる位相可変手段と、 前記位相可変手段による、前記走査方向への前記干渉パ
    ターンの振動の制御方式と、前記非走査方向への前記干
    渉パターンの振動の制御方式とを異ならせる制御手段
    と、 を備えたことを特徴とする走査型露光装置。
  10. 【請求項10】 前記走査方向への前記干渉パターンの
    振動の制御方式は、前記基板上のショット領域内の1点
    への露光パルス数に応じて前記走査方向への前記干渉パ
    ターンの振動のピッチを変更するものであり、 前記非走査方向への前記干渉パターンの振動の制御方式
    は、前記非走査方向への前記干渉パターンの振動のピッ
    チを変更しないものであることを特徴とする請求項9に
    記載の走査型露光装置。
  11. 【請求項11】 前記走査方向への前記干渉パターンの
    振動の制御方式は、前記基板上のショット領域内の1点
    への露光パルス数に応じて前記走査方向への前記干渉パ
    ターンの振動のストロークを変更するものであり、 前記非走査方向への前記干渉パターンの振動の制御方式
    は、前記非走査方向への前記干渉パターンの振動のスト
    ロークを変更しないものであることを特徴とする請求項
    9又は10に記載の走査型露光装置。
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