JP5735086B2 - ハイブリッドチャック - Google Patents
ハイブリッドチャック Download PDFInfo
- Publication number
- JP5735086B2 JP5735086B2 JP2013250866A JP2013250866A JP5735086B2 JP 5735086 B2 JP5735086 B2 JP 5735086B2 JP 2013250866 A JP2013250866 A JP 2013250866A JP 2013250866 A JP2013250866 A JP 2013250866A JP 5735086 B2 JP5735086 B2 JP 5735086B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- chuck
- claws
- claw
- hybrid
- held
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
- 210000000078 claw Anatomy 0.000 claims description 123
- 230000002093 peripheral effect Effects 0.000 claims description 21
- 230000007246 mechanism Effects 0.000 claims description 9
- 238000006243 chemical reaction Methods 0.000 claims description 8
- 239000000696 magnetic material Substances 0.000 claims description 7
- 238000003825 pressing Methods 0.000 description 12
- 238000012545 processing Methods 0.000 description 10
- 239000000463 material Substances 0.000 description 9
- 238000000034 method Methods 0.000 description 9
- 230000008901 benefit Effects 0.000 description 7
- 238000005520 cutting process Methods 0.000 description 6
- 238000010438 heat treatment Methods 0.000 description 5
- 230000008569 process Effects 0.000 description 5
- 230000000694 effects Effects 0.000 description 4
- 238000003754 machining Methods 0.000 description 4
- 229910001018 Cast iron Inorganic materials 0.000 description 3
- 229910000677 High-carbon steel Inorganic materials 0.000 description 3
- 239000011521 glass Substances 0.000 description 3
- 238000010791 quenching Methods 0.000 description 3
- 230000000171 quenching effect Effects 0.000 description 3
- 230000000052 comparative effect Effects 0.000 description 2
- 230000006835 compression Effects 0.000 description 2
- 238000007906 compression Methods 0.000 description 2
- 239000000470 constituent Substances 0.000 description 2
- 238000004519 manufacturing process Methods 0.000 description 2
- 230000008439 repair process Effects 0.000 description 2
- 102220005308 rs33960931 Human genes 0.000 description 2
- 239000000523 sample Substances 0.000 description 2
- 230000007704 transition Effects 0.000 description 2
- 229910000831 Steel Inorganic materials 0.000 description 1
- 238000005255 carburizing Methods 0.000 description 1
- VNTLIPZTSJSULJ-UHFFFAOYSA-N chromium molybdenum Chemical compound [Cr].[Mo] VNTLIPZTSJSULJ-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
- 230000007547 defect Effects 0.000 description 1
- 239000003822 epoxy resin Substances 0.000 description 1
- 230000006872 improvement Effects 0.000 description 1
- WABPQHHGFIMREM-UHFFFAOYSA-N lead(0) Chemical compound [Pb] WABPQHHGFIMREM-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
- 238000012423 maintenance Methods 0.000 description 1
- 238000005259 measurement Methods 0.000 description 1
- 229920000647 polyepoxide Polymers 0.000 description 1
- 238000003672 processing method Methods 0.000 description 1
- 230000000717 retained effect Effects 0.000 description 1
- 102200082816 rs34868397 Human genes 0.000 description 1
- 125000006850 spacer group Chemical group 0.000 description 1
- 239000010959 steel Substances 0.000 description 1
- 238000012360 testing method Methods 0.000 description 1
Images
Landscapes
- Jigs For Machine Tools (AREA)
- Gripping On Spindles (AREA)
Description
一方、電磁石の磁気吸引力により被加工物を保持面に引き付けて保持する電磁チャックも知られており、その一例が下記特許文献1に記載されている。
本発明は、以上の事情を背景として、従来のものより使い勝手の良いチャックを得ることを課題として為されたものである。
チャック本体と一体的に電磁石を備え、その電磁石の磁気吸引力によりチャック本体の前面に磁性材料製の保持対象物を吸着して保持する電磁チャック部と、
前記チャック本体の前記前面に沿って、そのチャック本体の中心軸線に直角な半径方向に移動可能に配設された3つの爪と、それら3つの爪を互いに同期して移動させる爪駆動装置とを含む三つ爪チャック部と、
前記三つ爪チャック部と前記電磁チャック部との作動を制御する制御装置と
を含み、
前記三つ爪チャック部が、
前記チャック本体とは別体で、それぞれにガイド溝が形成され、前記チャック本体に、前記チャック本体の中心軸線に直角な半径方向に延びる姿勢で、取り外し可能に固定された3つの溝形成部材と、
それら溝形成部材の前記ガイド溝にそれぞれ摺動可能に嵌合される嵌合部と、それら嵌合部から前記中心軸線に平行な方向に突出し、保持対象物の外周面と内周面との少なくとも一方に係合する係合部とを備えて、前記3つの爪として機能する3つの爪と、
前記溝形成部材の前記ガイド溝の開口側の端面にそれぞれ取り外し可能に固定され、前記爪の前記嵌合部の前記開口側の面にそれぞれ係合して、それら嵌合部の前記ガイド溝からの浮き上がりを防止する1対ずつ、合計3対の押さえ部材と
を備え、
前記制御装置が、
前記三つ爪チャック部を保持状態として保持対象物の芯出しを行った後、前記電磁チャック部を保持状態とし、かつ、前記三つ爪チャック部を解放状態とする両チャック部順次制御部を含むことを特徴とする。
また、本発明に係るハイブリッドチャックでは、三つ爪チャック部の調芯機能を利用して保持対象物の芯出しを行った後、電磁石を磁化させて電磁チャック部に保持対象物を保持させ、かつ、三つ爪チャック部を解放状態とされる。芯出しを行うためには、三つ爪チャックをそれほど大きな力で作動させる必要がないため、保持対象物を歪ませることが少なく、しかも最終的には三つ爪チャック部を解放状態とするのであるため、ひずみを生じさせることなく保持対象物を保持させることができる。この効果は、保持対象物が環状の被加工物である場合に特に有効である。
ちなみに、電磁チャック部と三つ爪チャック部とを共に保持状態とすることによって、保持対象物を特に強固に保持させることができる。この効果は、保持対象物が剛性の高い被加工物であり、かつ、重切削を行う必要がある場合に、特に有効である。
さらに、保持対象物の特性に応じて電磁チャック部と三つ爪チャック部とを選択的に使用することにより、種々の保持対象物の保持に使用することができる。
なお、本ハイブリッドチャックの適用範囲を広くする観点から、三つ爪チャック部の駆動装置の駆動力を広い範囲で(少なくとも大小2段階に)制御し得るようにすることが望ましい。
そのチャック本体とは別体で、それぞれにガイド溝が形成され、前記チャック本体に、前記中心軸線に直角な半径方向に延びる姿勢で、取り外し可能に固定された3つの溝形成部材と、
それら溝形成部材の前記ガイド溝にそれぞれ摺動可能に嵌合される嵌合部と、それら嵌合部から前記中心軸線に平行な方向に突出し、保持対象物の外周面と内周面との少なくとも一方に係合する係合部とを備えた3つの爪と、
前記溝形成部材の前記ガイド溝の開口側の端面にそれぞれ取り外し可能に固定され、前記爪の前記嵌合部の前記開口側の面にそれぞれ係合して、それら嵌合部の前記ガイド溝からの浮き上がりを防止する1対ずつ、合計3対の押さえ部材と、
前記3つの爪を互いに同期させて前記ガイド溝内を移動させる爪駆動装置と
を含むことを特徴とするチャック。
(2)前記溝形成部材,前記嵌合部および前記押さえ部材が、前記チャック本体の材料より対摩耗性に優れた材料から成るものとされた(1)項に記載のチャック。
本項の特徴を採用すれば、(1)項に係るチャックの保持位置精度を長く良好な状態に保
ち、チャックの耐久性を向上することができる。
(3)前記溝形成部材の前記ガイド溝の前記開口側端面と、前記爪の前記嵌合部の前記開口側の面とが同一平面上に位置させられ、前記押さえ部材の、前記溝形成部材および前記嵌合部側の面が一平面とされた(1)項または(2)項に記載のチャック。
本項の特徴を採用すれば、溝形成部材の開口側端面と、嵌合部の、ガイド溝の開口側の面との少なくとも一方を単純に平面研削加工することにより、爪の嵌合部と、溝形成部材および押さえ部材との、溝深さ方向におけるクリアランスを容易に適正な大きさとすることができる。
(4)前記溝形成部材,前記嵌合部および前記押さえ部材の、前記爪の移動時に互いに摺
動する摺動面が硬化させられるとともに研削加工された(1)項ないし(3)項のいずれかに記載のチャック。
本項の特徴を採用すれば、溝形成部材,嵌合部および押さえ部材の加工精度を向上させるとともに、摺動面の摩耗を抑制することができ、摺動クリアランスを適正な大きさとすることが容易となるとともに、その適正な摺動クリアランスを長期間良好に維持することができる。
(5)前記チャック本体の前面に、前記中心軸線から等角度間隔で放射状に延びる3本の嵌合溝が形成され、それら嵌合溝の各々に前記3つの溝形成部材の各々が嵌合されて固定された(1)項ないし(4)項のいずれかに記載のチャック。
本項の特徴を採用すれば、溝形成部材のチャック本体に対する位置決めが容易となるとともに、チャック本体による溝形成部材の保持剛性を高くすることができ、また、嵌合溝の深さの選定によって、溝形成部材と押さえ部材とがチャック本体の前面から突出しない状態とすることが可能となり、チャックの使い勝手が向上する。
(6)前記3つの爪の各々が、少なくとも前記嵌合部を備えたスライダと、少なくとも前記係合部を備えた爪部材とが、互いに取り外し可能に固定されて成るものである(1)項な
いし(5)項のいずれかに記載のチャック。
爪部材は直接スライダに固定されてもよく、スペーサを介して間接的にスライダに固定されてもよい。また、爪部材は、互いに別体に製造され、取り外し可能に固定された親爪と子爪とを含むものでもよく、スライダに対する固定部と前記係合部とを一体に備えたものでもよい。
本項の特徴を採用すれば、1つのスライダに対し、複数種類の爪部材を準備し、選択的に固定して使用することにより、安価に複数種類の爪を得ることができる。あるいは、爪部材が使用に耐えなくなった場合に爪部材のみを新しいものと交換すればよく、メンテナンスコストを低減し得る。
(7)前記爪部材が、前記スライダに固定された親爪と、その親爪に取り外し可能に固定された子爪とを有し、それら親爪と子爪との一方に前記中心軸線を中心とする部分内周円筒面が形成され、他方に前記部分内周円筒面に対応する部分外周円筒面が形成され、それら両部分円筒面が半径方向において互いに当接させられることにより、親爪に対する子爪の半径方向位置が規定された(6)項に記載のチャック。
本項の特徴を採用すれば、子爪の親爪に対する相対位置決めを容易にし、あるいは、親爪による子爪の保持剛性を高くすることができる。
(8)前記爪駆動装置が、
前記チャック本体の中央に設けられた中央ガイド部と摺動可能に嵌合され、前記中心軸線に平行な軸方向に移動する駆動部材と、
その駆動部材と前記3つの爪の各々との間に設けられ、前記駆動部材の前記軸方向の運動を前記爪の各々の前記半径方向の運動に変換する運動変換機構と
を含み、その運動変換機構を構成する部材の互いに接触する部分が硬化させられるとともに研削加工された(1)項ないし(7)項のいずれかに記載のチャック。
本項の特徴を採用すれば、運動変換機構の寸法精度を高くすることが容易となり、かつ、耐久性を向上させることができる。
(9)前記運動変換機構が、前記駆動部材と前記3つの爪の各々との一方に前記中心軸線に対して傾斜して形成された係合溝と、他方に形成されて前記係合溝と摺動可能に嵌合された係合凸部とを含み、それら係合溝と係合凸部との摺動面が硬化させられるとともに研削加工された(8)項に記載のチャック。
(10)前記中央ガイド部が、チャック本体とは別体に、チャック本体の材料に比較して対摩耗性に優れた材料により製作され、チャック本体に固定された中央ガイド形成部材により形成され、その中央ガイド形成部材と前記駆動部材との摺動面が硬化させられるとともに研削加工された(8)項または(9)項に記載のチャック。
本項の特徴を採用すれば、中央ガイド形成部材と駆動部材との加工精度を向上させて、両者の嵌合クリアランスを適正な大きさにすることが容易になり、かつ、耐久性を向上さ
せることができる。
(11)前記中央ガイド形成部材が前記チャック本体に取り外し可能に固定された(10)項に記載のチャック。
中央ガイド部材の交換あるいは、修理によって、チャックの保持位置精度の維持を容易に行うことができる。
(12)チャック本体と一体的に電磁石を備え、その電磁石の磁気吸引力により前記チャック本体の前面に磁性材料製の保持対象物を吸着して保持する電磁チャック部と、
前記チャック本体の前記前面に沿って、そのチャック本体の中心軸線に直角な半径方向に移動可能に配設された3つの爪と、それら3つの爪を互いに同期して移動させる爪駆動装置とを含む三つ爪チャック部と
を含むことを特徴とするハイブリッドチャック。
電磁チャック部は、チャック本体の前面に直接、あるいは当てがねを介して間接に、保持対象物の平面に密着してその保持対象物を保持するため、保持対象物に歪みを生じさせることがない利点を有する反面、調芯機能を有さず、芯出し作業に長時間を要する欠点がある。また、磁気吸着力に基づく平面間の摩擦力によって保持対象物の移動を防止するものであるため、保持対象物を強固に保持することができない欠点や、保持対象物が磁性材料製のものに限られる欠点がある。
一方、三つ爪チャック部は、調芯機能を有するため、保持対象物の着脱が容易であり、また、保持対象物を強固に保持することができる利点を有している。しかし、保持対象物に歪みを生じさせ、あるいは、保持対象物を保持する際、爪の摺動クリアランスの存在に起因して、保持対象物がチャック本体から離れる方向に移動すること(保持対象物の浮き上がりと称する)を許容する傾向があり、保持位置精度低下の一因となる欠点がある。
それに対し、本項のハイブリッドチャックにおいては、三つ爪チャック部と電磁チャック部との使い分け、あるいは併用によって、両者の欠点に基づく問題を回避しつつ、両者の利点を享受することができる。
(13)前記チャック本体の前記前面側に、前記3つの爪をそれぞれ前記半径方向に案内する3つの案内部が等角度間隔で設けられ、前記電磁石が、それら3つの案内部の間の位置に設けられた(12)項に記載のハイブリッドチャック。
(14)前記爪駆動装置が、
前記チャック本体の中央に設けられた中央ガイド部と摺動可能に嵌合され、軸方向に移動させられる駆動部材と、
その駆動部材と前記3つの爪の各々との間に設けられ、前記駆動部材の前記中心軸線に平行な方向の運動を前記爪の各々の半径方向の運動に変換する運動変換機構と
を含む(12)項または(13)項に記載のハイブリッドチャック。
(15)さらに、前記駆動部材を前記チャック本体に対して前進方向に付勢する付勢装置
を含み、かつ、前記駆動部材が、前記付勢装置の付勢力に抗して駆動部材を後退させる力を前記チャック本体の前記前面に対向する方向から受ける後退操作部を含む(14)項に記載のハイブリッドチャック。
本項の特徴を有するハイブリッドチャックにおいては、三つ爪チャック部の調芯機能を利用する際には、本チャックが取り付けられる装置の可動部を利用して、後退操作部に操作力を加えさせることが望ましい。例えば、工作機械であれば、加工工具を移動させるための移動部材を備えているため、その移動部材自体または移動部材に取り付けた操作部材を、後退操作部に当接させて後退方向の力を加えさせるのである。この力を受け易くするために、後退操作部はチャック本体の前面より前方へ突出させられることが望ましい。
本項のハイブリッドチャックは、駆動部材をチャック本体の後面側から駆動する必要がないため、チャック本体中央部の限られたスペースを電磁チャック部へ電流を供給するための導線の取り回しに利用することができる利点がある。
(16)前記駆動部材が、その駆動部材を前記中心軸線に平行な方向に移動させるための駆動軸を前記チャック本体の後面側から連結可能な連結部を含む(14)項または(15)項に記載のハイブリッドチャック。
本項のハイブリッドチャックにおける三つ爪チャック部は、通常の三つ爪チャックと類似の構成を有することになる。本項に記載の連結部と前項に記載の後退操作部との両方を設けることも可能であり、そのようにすれば汎用性に優れたハイブリッドチャックが得られる。
(17)さらに、前記三つ爪チャック部と前記電磁チャック部との作動を制御する制御装置を含み、その制御装置が、(a)前記三つ爪チャック部と前記電磁チャック部とを選択的
に保持状態とする第1制御部と、(b)前記三つ爪チャック部を保持状態として保持対象物
の芯出しを行った後、前記電磁チャック部を保持状態とし、かつ、三つ爪チャック部を解放状態とする第2制御部と、(c)前記三つ爪チャック部と前記電磁チャック部とを共に保
持状態とする第3制御部との少なくとも1つを含む(12)項ないし(16)項のいずれかに記載のハイブリッドチャック。
第2制御部において、三つ爪チャック部による芯出しの後に行われる電磁チャック部の保持状態への移行と、三つ爪チャック部の解放状態への移行とは、実施形態の項における説明から明らかなように、上記記載の順序に行われることが不可欠なわけではない。
(18)前記三つ爪チャック部が(1)項ないし(11)項のいずれかに記載のチャックの構成
を有する(12)項ないし(17)項のいずれかに記載のハイブリッドチャック。
本項に記載の特徴を採用すれば、三つ爪チャック部の芯出し精度を高めることができるため、高い精度で芯出しされた保持対象物を電磁チャック部に保持させることが可能となり、保持位置精度が高く、しかも保持対象物にひずみを生じさせない理想的なチャックが得られる。また、電磁チャック部と三つ爪チャック部とを共に保持状態とする場合でも、三つ爪チャック部の爪が保持対象物を浮き上がらせることが少ないため、保持位置精度と保持剛性とが共に高い理想的なチャックが得られることとなる。
電磁チャック部12は基本的に従来のものと同じであるため、詳細な説明は省略するが、チャック本体20と一体的に構成され、それぞれN極22とS極24とを有する18個の電磁石26を有している。チャック本体20には、各電磁石のN極22とS極24とを磁気的に分離する非磁性材料製(本実施形態においてはエポキシ樹脂製)のセパレータ28が埋め込まれている。電磁石26は3群(図示の例では1群が6個)に分けられ、これら3群の電磁石26が、チャック本体20の中心軸線Oのまわりに等角度間隔に配置されている。さらに、各群の電磁石26に対応して、複数の当てがね30を取り付けるための複数本(図示の例では7本ずつ合計21本)のT溝32がチャック本体20の前記中心軸線Oに直角な半径方向に延びる姿勢で形成されている。
する部分である一対の腕部84が広幅部80に嵌合され、十の字の上下に延びる棒に相当する部分の下部である脚部86が幅狭部82に嵌合され、上下に延びる棒の上部が前記突出部78とされている。
一方、スライダ60は、熱処理により硬化させることが可能な材料製とされ、表面が硬化させられている。例えば、クロムモリブデン鋼SCM415製とされ、浸炭焼入れにより表面が硬化させられるのである。そして、腕部84の両側面である腕部側面96(脚部86の両側面である脚部側面98でもよい)が研削加工されている。
それに対し、上記溝形成部材46および押さえ部材50と、スライダ60との各面のうち、上記以外の面の間のクリアランスは意図的に大きくされ、高精度加工の必要がないようにされている。
また、ガイド溝を矩形の横断面形状を有するものとする場合には、ガイド溝の底面と開口側端面との間隔と、嵌合部の厚さとの寸法精度を管理することによって、スライダ60の厚さ方向の摺動クリアランスを管理することができる。
が取り付けられて、異物の進入が二重に防止されている。
まず、図6に示すように、円環治具164が3つのスライダ60に支持された状態とされる。一方、スライダ60に、子爪加工用治具162を介して子爪72が固定され、子爪加工用治具162が円環治具164の外周面に当接さられた状態で、スライダ60が固定される。この固定は以下のようにして行われる。工作機械(図示の例では縦型旋盤)の工具台165(図6参照)が、軸部材118の突出部136に上方から当接させられ、駆動部材116が付勢装置132の付勢力に抗して後退位置へ移動させられる。その状態で、図3に示すセットねじ166が、軸部材118のフランジ部に当接させられることにより、駆動部材116を後退位置に保つ状態とされた後、工具台165が突出部136から離間させられる。その後、子爪72の外周側の面が、工具台165に取り付けられたバイト167により、所定の直径の円筒の一部である部分円筒凸面168に切削加工される。以下の他の面の加工時においても同様である。
次に、図7に示すように、親爪70がスライダ60に固定され、前記子爪72の部分円筒凸面168と同一曲率半径の部分円筒凹面172に切削加工される。
続いて、図8に示すように、上記部分円筒凹面172と部分円筒凸面168とが当接する状態で、子爪72が親爪70に固定され、子爪72の内周側面である保持面174が、被加工物152の大径部146と同一またはそれより大きい曲率半径の部分円筒凹面に切削加工される。
以上の加工により、被加工物152の保持時に、保持面174は、チャック本体20の中心軸線と中心とする円の円周上に精度良く位置させられることとなる。
前記当てがね160も、図9に示すように、チャック本体20に固定された状態で、被加工物152を受ける受面176を加工され、被加工物152の軸方向の位置決めを精度良く行い得るようにされる。当てがね160の高さは、タッチプローブ178を使用して管理される。
ック10を回転させれば、爪42の芯出し精度を確認することができるのである。
上記三つ爪チャック部14と電磁チャック部12との制御が、作業者による1つの操作部材の操作に応じて自動で行われるように制御装置184が構成されることが望ましいが、不可欠ではない。作業者が複数の操作部材を順次操作するのに応じて、三つ爪チャック部14と電磁チャック部12との作動が順次行われるように、制御装置184が構成されてもよいのである。
本発明の実施品としては、本実施形態のハイブリッドチャック10のスライダ60に、前記セルフカット法で加工した親爪70および子爪72から成る爪部材を取り付けたものを使用し、直径680mmの被加工物152を三つ爪チャック部14に保持させて、保持位置精度の測定を行った。
一方、比較例として、鋳鉄製のチャック本体に直接形成されたガイド溝にスライダが嵌合された市販の三つ爪チャックに、同一の被加工物152を保持させて、保持位置精度の測定を行った。
その測定結果を表1に示す。
表1から明らかなように、本ハイブリッドチャック10における三つ爪チャック部14の保持位置精度は、比較例の保持位置精度に比較して著しく高くなっている。なお、芯出し精度は、作業者による爪部材の管理状況によって相当なばらつきがあるが、一般的には0.05mmないし0.1mm程度である。
しかも、本ハイブリッドチャック10の製作に要する期間は1.5ヶ月と、前記従来の三つ爪チャックの所要期間の4〜6ヶ月に対して、25%ないし38%に短縮できることも確認された。
まず、ハイブリッドチャック200においては、鋳鉄製のチャック本体20の中央に形成された円孔204の内周側に、円筒状部材である中央ガイド形成部材206が嵌合され、固定されていて、その中央ガイド形成部材206の中央孔208に、駆動部材210が軸方向に摺動可能に嵌合されている。中央ガイド形成部材206と駆動部材210とは、共に高炭素鋼(例えばS50C)製とされるとともに、それぞれの内周面と外周面とが研削により高精度に加工されている。
また、駆動部材210は、工作機械の主軸の中央部に軸方向に移動可能に配設されたドローバー212に連結されており、そのドローバー212により軸方向に前進,後退させられる。
その他の部分は、前記実施形態と実質的に同じであるため、説明を省略する。
20と、電磁チャック12の電磁石26を駆動する電磁石駆動回路190とが、制御装置222により制御されることにより、以下の3通りの方法で使用可能である。
まず、前記ハイブリッドチャック10と同様に、三つ爪チャック部14を被加工物の芯出しにのみ使用することが可能である。
また、三つ爪チャック部14を、加工時における被加工物の保持に使用することも可能であり、その使用の仕方に2通りある。その一つは、電磁チャック部12と三つ爪チャック部14とを選択的に保持状態とする方法である。例えば、まず三つ爪チャック部14に被加工物を保持させて重切削の粗加工を行い、その後、電磁チャック部12に被加工物を保持させて軽切削の仕上げ加工を行うのである。この場合には、粗加工時にはドローバー212に大きな引っ張り力を加えて被加工物を強固に保持させ、仕上げ加工時には、ドローバー212に粗加工時より小さい引っ張り力を加えて被加工物の芯出しを行わせた後、電磁チャック部12に保持させることが望ましい。このようにすれば、三つ爪チャック部14の保持力の強さと、電磁チャック部12の被加工物の浮き上がりを防止し得る利点との両方を享受することができる。
別の1つの使用方法は、電磁チャック部12と三つ爪チャック部14との両方を同時に保持状態とすることにより、被加工物を特に強固に保持させる方法であり、特に重切削が必要な場合に有効である。
46:溝形成部材 48:開口側端面 50:押さえ部材 60:スライダ
62:爪部材 70:親爪 72:子爪 74:嵌合部 76:前面 78:突出部 80:幅広部 82:幅狭部 84:腕部 86:脚部 90:肩面 92:溝側面 94:底面 96:腕部側面 98:腕部端面 110:爪駆動装置 112:中央ガイド形成部材 114:中央孔 116:駆動部材
118:軸部材 120:T溝 122:係合突部 130:圧縮コイルスプリング 132:付勢装置 136:突出部 138:運動変換機構 152:被加工物 160:当てがね 162:子爪加工用治具 164:円環治具 166:セットねじ 168:部分円筒凸面 172:部分円筒凹面 174:保持面
176:受面 200:ハイブリッドチャック 202:爪駆動装置 206:中央ガイド形成部材 208:中央孔 210:駆動部材 212:ドローバー
Claims (5)
- チャック本体と一体的に電磁石を備え、その電磁石の磁気吸引力によりチャック本体の前面に磁性材料製の保持対象物を吸着して保持する電磁チャック部と、
前記チャック本体の前記前面に沿って、そのチャック本体の中心軸線に直角な半径方向に移動可能に配設された3つの爪と、それら3つの爪を互いに同期して移動させる爪駆動装置とを含む三つ爪チャック部と、
前記三つ爪チャック部と前記電磁チャック部との作動を制御する制御装置と
を含み、
前記三つ爪チャック部が、
前記チャック本体とは別体で、それぞれにガイド溝が形成され、前記チャック本体に、前記チャック本体の中心軸線に直角な半径方向に延びる姿勢で、取り外し可能に固定された3つの溝形成部材と、
それら溝形成部材の前記ガイド溝にそれぞれ摺動可能に嵌合される嵌合部と、それら嵌合部から前記中心軸線に平行な方向に突出し、保持対象物の外周面と内周面との少なくとも一方に係合する係合部とを備えて、前記3つの爪として機能する3つの爪と、
前記溝形成部材の前記ガイド溝の開口側の端面にそれぞれ取り外し可能に固定され、前記爪の前記嵌合部の前記開口側の面にそれぞれ係合して、それら嵌合部の前記ガイド溝からの浮き上がりを防止する1対ずつ、合計3対の押さえ部材と
を備え、
前記制御装置が、
前記三つ爪チャック部を保持状態として保持対象物の芯出しを行った後、前記電磁チャック部を保持状態とし、かつ、前記三つ爪チャック部を解放状態とする両チャック部順次制御部を含むことを特徴とするハイブリッドチャック。 - 前記チャック本体の前記前面側に、前記3つの爪をそれぞれ前記半径方向に案内する3つの案内部が等角度間隔で設けられ、前記電磁石が、それら3つの案内部の間の位置に設けられた請求項1に記載のハイブリッドチャック。
- 前記爪駆動装置が、
前記チャック本体の中央に設けられた中央ガイド部と摺動可能に嵌合され、軸方向に移動させられる駆動部材と、
その駆動部材と前記3つの爪の各々との間に設けられ、前記駆動部材の前記中心軸線に平行な方向の運動を前記爪の各々の半径方向の運動に変換する運動変換機構と
を含む請求項1または2に記載のハイブリッドチャック。 - 前記駆動部材が、前記チャック本体の前面から前方へ突出した突出部を有し、前記爪駆動装置が、その突出部への操作によって、前記3つの爪を互いに同期して移動させるように構成された請求項3に記載のハイブリッドチャック。
- 前記制御装置が、さらに、(a)前記三つ爪チャック部と前記電磁チャック部とを選択的に保持状態とする制御部と、(b)前記三つ爪チャック部と前記電磁チャック部とを共に保持状態とする制御部との少なくとも1つを含む請求項1ないし4のいずれかに記載のハイブリッドチャック。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013250866A JP5735086B2 (ja) | 2013-12-04 | 2013-12-04 | ハイブリッドチャック |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013250866A JP5735086B2 (ja) | 2013-12-04 | 2013-12-04 | ハイブリッドチャック |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2009263625A Division JP5431126B2 (ja) | 2009-11-19 | 2009-11-19 | ハイブリッド化可能な調芯機能付き高精度チャック |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2014073574A JP2014073574A (ja) | 2014-04-24 |
JP5735086B2 true JP5735086B2 (ja) | 2015-06-17 |
Family
ID=50748152
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2013250866A Active JP5735086B2 (ja) | 2013-12-04 | 2013-12-04 | ハイブリッドチャック |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5735086B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP6853926B2 (ja) * | 2019-03-14 | 2021-04-07 | 達也 楠橋 | 歯車用材料保持装置および歯車用材料取り付け方法 |
JP6890214B1 (ja) * | 2021-02-01 | 2021-06-18 | Dmg森精機株式会社 | ワーク保持装置およびワーク搬送装置 |
Family Cites Families (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS52109679U (ja) * | 1976-02-18 | 1977-08-20 | ||
JPS61168927U (ja) * | 1985-04-10 | 1986-10-20 | ||
JPH088035Y2 (ja) * | 1990-07-13 | 1996-03-06 | 日立造船株式会社 | 保持装置 |
JP3005603U (ja) * | 1994-03-04 | 1995-01-10 | 株式会社プラスエンジニアリング | チヤツクにおけるライナ付きガイド溝 |
JP2005230946A (ja) * | 2004-02-18 | 2005-09-02 | Suwa Netsukogyo Kk | チャック機構、このチャック機構を用いた加工装置および加工方法 |
DE112007003735A5 (de) * | 2007-10-16 | 2010-09-09 | Röhm Gmbh | Verfahren zum Einspannen verformungsempfinglicher Werkstücke und Spannfutter zur Durchführung des Verfahrens |
-
2013
- 2013-12-04 JP JP2013250866A patent/JP5735086B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2014073574A (ja) | 2014-04-24 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5431126B2 (ja) | ハイブリッド化可能な調芯機能付き高精度チャック | |
JP5863889B2 (ja) | ロボットアームのワークピースチャック | |
CN202984712U (zh) | 车床用浮动夹具 | |
KR101330602B1 (ko) | 클램핑 고정구 | |
US9925632B2 (en) | Alignment device for assembling components and method of use | |
US8371195B2 (en) | Lathe machine | |
JP5735086B2 (ja) | ハイブリッドチャック | |
US10232481B2 (en) | Workpiece holding fixture for machining multiple prismatic parts | |
CN103737406A (zh) | 用于汽车后桥主动齿轮机械加工专用夹具 | |
CN108296507A (zh) | 汽车排气管内撑夹具 | |
CN104669016A (zh) | 一种发动机曲轴箱粗定位夹具及其定位方法 | |
US11331729B2 (en) | Wheel hub special drilling device | |
EP3769884A1 (en) | Chuck claw replacement hand, chuck claw automatic replacement method, and claw automatic replacement system | |
CN114559273A (zh) | 一种重型圆柱工件自动装夹机构 | |
CN202498392U (zh) | 一种快速定位表壳夹具 | |
JP2011083829A (ja) | ワークの芯出し装置 | |
CN105058105A (zh) | 一种具有三角体工件专用夹具的机床加工中心 | |
JP2013248684A (ja) | ワーク加工方法 | |
CN104400634A (zh) | 一种薄壁轴承端面的磨削装置及方法 | |
CN204967562U (zh) | 一种转子永磁体粘接定位工装 | |
CN110976933B (zh) | 一种机械精加工用机床 | |
CN210524537U (zh) | 一种工件内孔自动定位夹紧机构 | |
CN203956248U (zh) | 一种剃齿夹具 | |
CN107671580B (zh) | 一种高尔夫球头夹持治具 | |
KR101544908B1 (ko) | 공작물 장착용 척 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20140918 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20140924 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20141112 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20150407 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20150415 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5735086 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
S533 | Written request for registration of change of name |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |