JP5734970B2 - フック用ヘドル - Google Patents

Description

本発明は、延伸布を有する擬似壁あるいは擬似天井用へドル、さらに詳しくは、少なくとも１つのヘドルに固定された延伸布を有する擬似天井を形成するためのフック用へドルに関する。

従来、擬似天井は、部屋の各壁上に留められる一つ又は数個のフック用へドル（固定部材）と該フック用へドルに収容される弾性布からなり、該弾性布は、例えば、塩化ビニル製で、テンションにより変形し、フック手段を備えたその両端部はフック手段によりヘドルに固定される。しかしながら、そのような擬似天井は、しばしば、フック用へドルの少なくとも一部が露出するという欠点がある。かかる欠点を解消するため、フック用へドルを露出しないように意図した擬似天井が開発されてきた。このような擬似天井は、図１に示すように、塩化ビニル製の延伸布１を固定するためのヘドル２を有している。このタイプのへドルは、２枚の隣接するシートを固定することを可能にすることなどから、“中間状態のへドル”、あるいは“中間へドル”として知られている。へドル２は、布を支持するための外側に位置する２つの垂直フランジ４と、スクリューのような固定手段によって壁３の上部に固定される布を収容するための中央に位置する垂直フランジ５とを有する。それらの垂直フランジ４と垂直フランジ５は、共に水平コア８によって連結されている。中央の垂直フランジ５は肩部６を備え、該肩部は、外側の垂直フランジ４と相俟って、布１の取り付けを可能にする。肩部６は、布を収容する垂直フランジ５の底部（基部）からヘドル２の外側方向に水平に延びている。布１は、その外面に設けられた銛状突起７によりへドル２に固定されている。

このような擬似天井は、延伸布を固定するための美観において、紛れもなく進歩してきているものの、単一の配置のためだけ、あるいは、中間状態のへドルとしてだけの利用に留まり、依然、へドルとして十分満足のいくものではなく、壁用へドルとしての利用には至っていない。さらに、布１の２片（ピース）の間の空間は、中央の垂直フランジ５が見えてしまい、特に魅力がない。全体の美観を完全なものにするためには、カバー９を導入することが必要である。

［発明の要約］
本発明は、上記の欠点を解決し得るヘドルを提案する。本発明の目的は、布の周囲に接続されるインナーアームと湾曲したアウターアームを備えたフック形状をした銛状突起７を設けた延伸布を有する擬似壁あるいは擬似天井用へドルを提供することにあり、当該へドルは、少なくとも１つの下方に開口する収納部（凹部）を区画するように下方に延びる少なくとも２つの外側に位置する垂直フランジと、布が延伸されるとき、アウターアームの底部を収容するための少なくとも１つの肩部とからなる。かかるヘドルの注目すべき点は、それが２つの外側に位置する垂直フランジ（以下、「外側垂直フランジ」という）と中央に位置する垂直フランジ（以下、「中央垂直フランジ」という）とを含んでなり、それらのフランジが下方に延び、２つの下方に開口する収納部（凹部）を区画することにあり、また、２つの外側垂直フランジのそれぞれはその内側表面に肩部を備えていることにあり、さらに、中央垂直フランジはその各表面に肩部を備えていることにある。

従って、延伸布は、２つの外側垂直フランジの一方又は他方に容易にフック（固定）することが可能となる。このことは、布の配向如何に関わらず、同一のへドルを用いることができることになり、本発明の実質的な利点の一つでもある。

本発明の好ましい態様によれば、本発明は、前記フランジが、下方に延びる２つの外側垂直フランジと、下方に延びかつ２つの下方に開口する収納部（凹部）を区画する中央垂直フランジとからなることを特徴とする、また、当該中央垂直フランジがその各表面に肩部を有していることを特徴とする、延伸布を有する擬似壁あるいは擬似天井用へドルに関する。かかる態様によれば、延伸布は、２つの外側垂直フランジの一方又は他方に、あるいは、中央垂直フランジに、容易にフック（固定）することができる。従って、このようなヘドルは、布が中央垂直フランジの肩部に固定されるとき、当該布の隣接する２片（ピース）を固定するために用いられ、又は、布が２つの外側垂直フランジの一方に固定されるとき、当該布の１片（ピース）を固定するために用いられる。

本発明の他の態様によれば、複数の垂直フランジは水平コアにより共に結合されている。

各フランジは、互いに平行で、かつコアに垂直であることが好ましい。中央垂直フランジと外側垂直フランジは、同じ高さ（長さ）だけ下方に延びるように構成され、より好ましくは、外側垂直フランジが中央垂直フランジよりも下方に延びるように構成される。当該へドルはどんな材料を用いても製造できるが、特に金属、例えば、アルミニウム、あるいは、プラスチックなどの材料で製造することができ、塩化ビニル（ＰＶＣ）製がより好ましい。

本発明の対象は、擬似壁あるいは擬似天井などであり、上記の少なくとも１つのへドルに固定された延伸布を有するタイプのものである。布はその外表面に銛状突起を備えていることがより好ましく、その結果、へドルの使用形態において、当該布を収容するためのフランジによりヘドル中の布の収容が円滑に行われることになる。

本発明の他の目的、特徴及び利点については、実施例や図面を含む以下の記載によって理解される。

図１は、従来のへドルにフック（固定）された延伸布を有する擬似天井の垂直横断面を示す。 図２は、２つの外側垂直フランジを有する本発明に従うヘドルに固定された延伸布を有する擬似天井の垂直横断面を示す。 図３は、２つの外側垂直フランジと１つの中央垂直フランジを有する本発明に従うヘドルの垂直横断面を示す。 図４は、図３に示すヘドルに固定された延伸布を有する擬似天井の第１の配置（形態）の垂直横断面を示す。 図５は、図３に示すヘドルに固定された延伸布を有する擬似天井の第２の配置（形態）の垂直横断面を示す。

図２に示すように、本発明の中間状態の態様によれば、へドル２２は、２つの外側垂直フランジ２４を有しており、固定手段（図示せず）によって、例えば、天井のような壁２３に固定されている。２つの外側垂直フランジ２４は水平コア２８により共に接続されている。当該２つの外側垂直フランジの長さは、同じでも異なっていてもよい。本発明の好ましい態様によれば、当該２つの外側垂直フランジ２４の長さは同じである。２つの外側垂直フランジ２４の内側表面には、塩化ビニル製の布の収容を可能にする肩部２９が設けられている。該肩部２９は、互いに対向して、あるいは、異なる高さの位置に設けてもよい。２つの外側垂直フランジ２４の底部には、布２１をプレスするための丸みを帯びた湾曲ゾーン２１０が設けられている。布２１は、その外表面に設けられた銛状突起２７により、へドル２２に配置される。銛状突起２７は、半柔軟性（semi-flexible）のプラスチック材料を押し出しにより成形するのが有利であり、下方に開口するフック形状をしている。該銛状突起は、布に固定されるインナーアーム２７ａと、下方に湾曲するアウターアーム２７ｂとからなる。該銛状突起２７は、布が引っ張られたとき、アウターアーム２７ｂの底部をとおして、肩部２９に圧接される。該肩部２９は、布にテンションを負荷するため、外側フランジ２４の底部の上方に設けられている。

本発明のへドル３２は、図３に示すように、２つの外側垂直フランジ３４と、下方に延びかつ固定手段（図示せず）により壁３３に固定される２つの下方に開口する収納部（凹部）を区画する中央垂直フランジ３５とを備えている。２つの外側垂直フランジ３４は、水平コア３８により共に固定されている。２つの外側垂直フランジ３４には、それぞれ、その内側表面上に肩部３９が設けられている。中央垂直フランジ３５にも、その各表面に肩部３６が設けられている。本発明に従うヘドルの好ましい態様によれば、肩部３６、３９は、中央垂直フランジと外側垂直フランジの底部の上方に設けられる。互いに対向する２つのフランジ上に設ける肩部は、互いに対向して、あるいは、異なる高さ（長さ）をもって設けられる。

２つの外側垂直フランジ３４と中央垂直フランジ３５の長さは、同じでも異なっていてもよい。本発明の好ましい態様によれば、２つの外側垂直フランジ３４と中央垂直フランジ３５の長さは、同じに形成される。

図４及び図５は、例えば、擬似天井のような擬似壁の２つの形態を示す。当該擬似壁は、図３に示すように、布３１の外表面に設けられる銛状突起３７により、へドル３２上で水平方向に延伸された柔軟性を有する布３１によって構成されている。銛状突起３７は、半柔軟性（semi-flexible）のプラスチック材料を押し出しにより成形するのが有利であり、下方に開口するフック形状をしている。銛状突起は、布に固定されるインナーアーム３７ａと、下方に湾曲するアウターアーム３７ｂとからなる。銛状突起３７は、擬似壁の配置（形態）に従って、アウターアーム２７ｂの底部をとおして、２つの垂直フランジ３４の一方の肩部３９、又は、中央垂直フランジ３５の肩部３６のいずれかの肩部に圧接される。

該肩部３９、３６は、布にテンションを負荷するため、２つの外側垂直フランジ３４と中央垂直フランジ３５の底部の上方にそれぞれ設けられている。２つの外側垂直フランジ３４の底部には、布３１をプレスするための丸みを帯びた湾曲ゾーン３１０が設けられている。

図５から明らかなように、中央垂直フランジ３５は、布３１のフック方向に従い、全く露出していないことが理解される。このような配置（形態）は、擬似壁の美観に貢献するものである。

さらに、図２、図４及び図５には、延伸布２１、３１をフック（固定）する２つの方法が、一つは“実線”、もう一つは“破線”で示されている。これらから明らかなように、これらのへドル２２、３２の利点の一つは、布２１、３１のフック（固定）が、中央垂直フランジ及び／又は２つの外側垂直フランジ２４、３４、３５の一方又は他方に容易に行えることが理解される。

最後に、本発明は、その技術的範囲が上記の説明にのみ限定されることはなく、種々のニーズあるいは要求に従って、本発明の技術的範囲を逸脱しない限り、種々の態様、変形などが採用可能であることが理解されよう。

１、２１、３１ 布
２、２２、３２ へドル
３、２３、３３ 壁
４、２４、３４ 外側に位置する垂直フランジ
５、３５ 中央に位置する垂直フランジ
６、３６ 肩部
７、２７、３７ 銛状突起
２７ａ、３７ａ インナーアーム
２７ｂ、３７ｂ アウターアーム
３、２８、３８ 水平コア
９ カバー
２１０、３１０ 湾曲ゾーン

Claims (6)

1. 延伸布を有する擬似壁又は擬似天井を形成するために用いられる延伸布フック用へドルであって、
   前記延伸布は、その外面に、該延伸布を固定するためのインナーアームと湾曲したアウターアームとを含んでなるフック形状をした銛状突起が設けられており、
   前記へドルは、少なくとも２つの外側に位置する垂直フランジと、中央に位置する垂直フランジとを備え、さらに、
   前記２つの外側に位置する垂直フランジのそれぞれの内側表面と前記中央に位置する垂直フランジの各表面には肩部が設けられ、
   前記２つの外側に位置する垂直フランジは下方に延びて、少なくとも１つの下方に開口する収納部を区画形成すると共に、
   布が延伸されたとき、前記アウターアームの底部が少なくとも１つの前記肩部により受け止めるように構成されている、
   ことを特徴とするフック用へドル。
2. 前記２つの外側に位置する垂直フランジと中央に位置する垂直フランジがいずれも下方に延びていると共に、それらの長さが等しいことを特徴とする請求項１に記載のフック用へドル。
3. 前記２つの外側に位置する垂直フランジと中央に位置する垂直フランジがいずれも下方に延びていると共に、それらの長さが異なることを特徴とする請求項１に記載のフック用へドル。
4. 前記肩部が、いずれも、２つの外側に位置する垂直フランジと中央に位置する垂直フランジの上方の位置に設けられていることを特徴とする請求項１〜３のいずれか一項に記載のフック用へドル。
5. 互いに対向している外側に位置する垂直フランジと中央に位置する垂直フランジに設けられた前記肩部のそれぞれが、互いに対向して配置されていることを特徴とする請求項１〜４のいずれか一項に記載のフック用へドル。
6. 前記２つの外側に位置する垂直フランジと中央に位置する垂直フランジが、いずれも水平コアに固定されていることを特徴とする請求項１〜５のいずれか一項に記載のフック用へドル。

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