JP5734761B2 - インサート成形方法および装置 - Google Patents

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Description

本発明は、固定側金型と可動側金型との間に構成されるキャビティに部品、装置等のインサート物を挿入し、そして前記キャビティに溶融樹脂を射出して、インサート物と樹脂とを一体化するインサート成形方法および装置に関し、限定するものではないが、特に柔軟なインサート物、あるいは柔軟な要素を一部に有するインサート物の成形に適したインサート成形方法およびインサート成形装置に関するものである。
金型の凹部により構成されるキャビティ内にボルト・ナットのようなインサート物を挿入し、そしてキャビティに溶融樹脂を射出して、インサート物と樹脂とを一体化するインサート成形法は、文献名を挙げるまでもなく従来周知である。このインサート成形には、インサート物をキャビティの所定位置に搬入・保持するために保持治具が使用されるが、このような保持治具あるいはハンドリング装置も特許文献1等により提案されているように従来周知である。インサート物を保持治具で搬入.保持すると、一般には正確な位置に保持されている筈であるが、正確な位置に保持されているか否かを検知する検知装置も特許文献2により提案されている。
特開平7−241874号 特開平6−122123号 特開平5−305630号
特に、布、コード等の柔軟なインサート物はハンドリングも、所定位置に保持することも一般に困難であるが、特許文献3により柔軟な布をインサート物とするインサート成形法が提案されている。すなわち、インサート物である布に磁気吸着部を成形し、これを強磁性材料からなる金型のキャビティに磁気吸着させて位置決めし、そして溶融樹脂を射出してインサート成形品を得る成形法が提案されている。
上記のように、インサート成形法も、保持治具も共に従来周知で、検知装置も特許文献2により知られているので、これらを使用すると、インサート物はキャビティの所定位置に正確に保持することができ、品質の高い一体成形品を得ることはできる。しかしながら、保持治具は成形品を成形するためのキャビティを構成する部品ではないので、キャビティ内に露出しないように設ける必要があり、また成形サイクルに合わせて保持治具を駆動する必要もあり、構造は複雑になり、高価になっている。さらには、柔軟なインサート物の成形には、磁性粉末混合材料により磁気吸着部を形成する工程を別に必要とし、また金型は強磁性材料から構成する必要があり高価になっている。
図6には、一般的なセンサ例えば完成された製品になる前の温度センサ50が示されている。この温度センサ50は、検出部51と取付固定部52とからなり、検出部51と取付固定部52は柔軟な被覆線あるいはワイヤーハーネス53により接続され、そして取付固定部52からは同様に柔軟な導線54が出ている。このような温度センサ50は略全体が、一点鎖線で示されているように、耐熱樹脂57により封止あるいは被覆されて完成された製品となる。被覆成形は色々な方法により実施することはできるが、射出成形により被覆することが望まれる。なぜならば、射出成形法によると、離型あるいは脱型が可能な範囲で3次元の成形品が容易に成形できること、形状あるいは寸法精度が高いこと、形状の自由度が高いこと、自動成形が容易であること等の利点が得られるからである。
ところで、図7の(ウ)は、上記の製品化される前の温度センサ50を模式化して示す斜視図であるが、図示されているように、検出部51、取付固定部52、被複線53等を2つ割り構造の上下の製作治具55、56を利用して、半田付けなどの製作工程終了後に、製作治具55、56から取り出すと、被複線53の部分で形状が崩れてしまう。前述もしたように、射出成形により被覆するときは、インサート成形をすることになるが、柔軟な被複線53の部分で形が崩れるので、簡単なハンドリング装置では正確な位置にインサートできないし、寸法精度の高い製品は得られない。このような理由により、柔軟な部分あるいは要素を有するインサート物の成形には、射出成形法は適用されていないのが実情である。
したがって、本発明は、インサート物がたとえ柔軟な部分を含んでいてもインサート物と樹脂とが一体化された高品位の製品を安価に得ることができるインサート成形方法およびインサート成形装置を提供することを目的としている。
一般に、柔軟な部分を有する半製品50は、図7にも示されているように、剛体で2つ割り構造の金属製の製作治具55、56により形を一定に保持した状態で製作されている。あるいは、下側の金属製の製作治具55にセットした状態で製作されている。本発明は、半製品の製作に使用された製作治具を、そのままインサート成形に利用することにより、前記目的を達成しようとするものである。
すなわち、請求項1に記載の発明は、上記目的を達成するために、金属製の製作治具により製作された半製品の外周面を、射出成形により樹脂層で被覆して製品化するインサート成形法であって、半製品の実質的半分が露出する状態で保持されている前記製作治具を一対の金型の一方の金型のパーティング面に形成されている治具用凹部にセットする工程と、前記一方の金型を前記一対の金型の他方の金型に対して型締めすることにより、セットした半製品の露出している実質的半分と前記他方の金型の凹部とにより構成されるキャビティに溶融樹脂を射出して半製品の露出している実質的半分を被覆する1次成形工程と、前記1次成形工程で成形された半製品の、その実質的半分が前記他方の金型の凹部に保持されるように型を開き、そして前記一方の金型のパーティング面の他の位置に形成されている凹部に整合させる2次成形準備工程と、その後、前記一方の金型を前記他方の金型に対して型締めすることにより、前記他方の金型に保持されている半製品の露出している残りの実質的半分と、前記一方の金型の凹部とに構成されるキャビティに溶融樹脂を射出して半製品の残りの実質的半分を被覆して製品化する2次成形工程とから構成される。
請求項2に記載の発明は、金属製の製作治具により製作された半製品の外周面を、射出成形により樹脂層で被覆して製品化するインサート成形法であって、半製品の実質的半分が露出する状態で保持されている前記製作治具を可動側金型のパーティング面に形成されている治具用凹部にセットする工程と、セットされた前記可動側金型を固定側金型に対して型締めすることにより、セットした半製品の露出している実質的半分と、前記固定側金型の凹部とにより構成されるキャビティに溶融樹脂を射出して半製品の露出している実質的半分を被覆する1次成形工程と、前記1次成形工程で成形された半製品の、その実質的半分が前記固定側金型の凹部に保持されるように型を開き、そして前記一方の金型のパーティング面の他の位置に形成されている凹部に整合させる2次成形準備工程と、その後、前記可動側金型を前記固定側金型に対して型締めすることにより、前記固定側金型に保持されている半製品の露出している残りの実質的半分と、前記可動側金型の凹部とにより構成されるキャビティに溶融樹脂を射出して半製品の露出している残りの実質的半分を被覆して製品化する2次成形工程とから構成される。
請求項3に記載の発明は、金属製の製作治具により製作された半製品の外周面を、射出成形により樹脂層で被覆して製品化するインサート成形法であって、半製品の実質的半分が露出する状態で保持されている前記製作治具を可動側金型のパーティング面に形成されている治具用凹部にセットする工程と、第1の成形位置において、前記可動側金型を固定側金型に対して型締めすることにより、セットした半製品の露出している実質的半分と、前記固定側金型の一方の凹部とにより構成されるキャビティに溶融樹脂を射出して半製品の露出している実質的半分を被覆する1次成形工程と、1次成形工程で成形された半製品の、その実質的半分が前記固定側金型の一方の凹部に保持されると共に前記製作治具が前記可動側金型に残るように型を開き、前記製作治具を前記可動側金型の治具用凹部から外し、そして前記治具用凹部に次に成形する半製品の実質的半分が露出する状態で保持されている製作治具をセットする、2次成形準備工程と、第2の成形位置において、前記可動側金型を前記固定側金型に対して型締めすることにより、前記固定側金型に保持されている半製品の露出している残りの実質的半分と、前記可動側金型の一方の凹部とにより構成されるキャビティに溶融樹脂を射出して半製品の露出している残りの実質的半分を被覆して製品化する2次成形工程とから構成される。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の方法において、前記1次成形と2次成形とを実質的に同時に実施するように、そして請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれかの項に記載の方法において、柔軟な部分を含んだ半製品を被覆するように構成される。
請求項6に記載の発明は、製作治具に保持されている半製品の外周面を、1、2次成形により樹脂層で被覆する成形装置であって、前記装置は、固定側金型と、該固定側金型に対して型開閉されると共に1次成形位置と2次成形位置とにスライド的に駆動される可動側金型とからなり、前記可動側金型のパーティング面側には、半製品の実質的半分が露出した状態で保持されている前記製作治具が着脱自在に嵌る治具用凹部と、該治具用凹部と所定の間隔をおいた両側に形成されている同じ形状で同じ大きさの第1、2の2次成形用凹部とが設けられ、前記固定側金型のパーティング面側には、所定の間隔をおいて同じ形状で同じ大きさの第1、2の1次成形用凹部が設けられ、これらの1次および2次形成用凹部の大きさは、半製品の大きさよりも樹脂層の厚さ分だけ大きいように構成され、請求項7に記載の発明は、製作治具に保持されている半製品の外周面を、1、2次成形により樹脂層で被覆する成形装置であって、前記装置は、固定側金型と、該固定側金型に対して型開閉されると共に1次成形位置と2次成形位置とにスライド的に駆動される可動側金型とからなり、前記可動側金型のパーティング面側には、半製品の実質的半分が露出した状態で保持されている前記製作治具が着脱自在に嵌る2個の治具用凹部と、これらの治具用凹部と所定の間隔をおいた両側に形成されている同じ形状で同じ大きさの第1〜3の2次成形用凹部とが設けられ、前記固定側金型のパーティング面側には、所定の間隔をおいて同じ形状で同じ大きさの4個の第1、2の1次成形用凹部が設けられ、これらの1次および2次形成用凹部の大きさは、半製品の大きさよりも樹脂層の厚さ分だけ大きいように構成される。
以上のように、本発明によると、半製品の外周面を射出成形により樹脂層で被覆して製品化するとき、半製品の製作に使用された金属製の製作治具を利用してインサート成形するので、すなわち半製品の実質的半分が露出する状態で保持されている製作治具を一対の金型の一方の金型のパーティング面に形成されている治具用凹部にセットする工程と、前記一方の金型を前記一対の金型の他方の金型に対して型締めすることにより、セットした半製品の露出している実質的半分と前記他方の金型の凹部とにより構成されるキャビティに溶融樹脂を射出して半製品の露出している実質的半分を被覆する1次成形工程と、前記1次成形工程で成形された半製品の、その実質的半分が前記他方の金型の凹部に保持されるように型を開き、そして前記一方の金型のパーティング面の他の位置に形成されている凹部に整合させる2次成形準備工程と、その後、前記一方の金型を前記他方の金型に対して型締めすることにより、前記他方の金型に保持されている半製品の露出している残りの実質的半分と、前記一方の金型の凹部とに構成されるキャビティに溶融樹脂を射出して半製品の残りの実質的半分を被覆して製品化するので、剛体なインサート物は勿論のこと、柔軟なインサート物あるいは柔軟な部分を有するインサート物も、簡単なハンドリング装置により正確な位置にインサートすることができ、したがって高品位な製品を安価に製造できるという、本発明に特有の効果が得られる。
また、他の発明によると、1次成形と2次成形とを実質的に同時に実施するので、1成形サイクル当たり1個の製品が得られる。さらに他の発明によると、固定側金型と、該固定側金型に対して型開閉されると共に1次成形位置と2次成形位置とにスライド的に駆動される可動側金型とからなり、前記可動側金型のパーティング面側には、半製品の実質的半分が露出した状態で保持されている前記製作治具が着脱自在に嵌る2個の治具用凹部と、これらの治具用凹部と所定の間隔をおいた両側に形成されている同じ形状で同じ大きさの第1〜3の2次成形用凹部とが設けられ、前記固定側金型のパーティング面側には、所定の間隔をおいて同じ形状で同じ大きさの4個の第1、2の1次成形用凹部が設けられているので、この装置を使用すると、前記のような効果に加えて、1成形サイクル当たり2個の製品を効率的に成形することができる。
本発明の第1の実施の形態に係るインサート成形装置を、可動側金型を開いた状態で示す斜視図である。 本発明の第1の実施の形態に係るインサート成形装置を使用した成形状態を示す図で、その(ア)〜(エ)は、それぞれ異なる成形段階を模式化して示す断面図である。 本発明の第1の実施の形態に係るインサート成形装置を使用した成形状態を示す図で、その(ア)〜(エ)は、それぞれ次の異なる成形段階を模式化して示す断面図である。 本発明の第1の実施の形態に係るインサート成形装置を使用した成形状態を示す図で、それぞれさらに次の異なる成形段階を模式化して示す断面図である。 本発明の第2の実施の形態に係るインサート成形装置を模式化して示す図で、その(ア)は可動側金型を開いた状態を、その(イ)は1次成形状態を、その(ウ)は1、2次成形状態をそれぞれ示す断面図である。 従来の半製品の温度センサを示す正面図である。 従来の半製品の温度センサと製作治具とを示す図で、その(ア)は上側の製作治具を裏側から見た斜視図、その(イ)は半製品の温度センサが装着された状態の下側の製作治具を表側から見た斜視図、その(ウ)は半製品の温度センサを取り出した状態を示す斜視図である。
以下、上記した温度センサ50が、図7に模式化して示されているように、小径の第1の要素51と、大径の第2の要素52と、これらを接続している柔軟な部分53とからなる半製品50が、2つ割り構造の金属製の上下の製作治具56、55により保持されて製作され、あるいは下側の製作治具55により約半分が保持されて製作され、これをインサート成形により樹脂で被覆あるいは封止する例について説明する。本実施の形態に適用される製作治具は、上側の製作治具56と下側の製作治具55とからなっている。これらの製作治具56、55の合わせ面56a、55aには、第1、2の要素51、52と柔軟な部分53とがそれぞれ嵌る窪み51”、52”、53”が形成されている。なお、下側の製作治具55の合わせ面55aに形成されている半製品50が嵌る窪みを指す参照数字は図7には示されていない。本実施の形態によると、下側の製作治具55の合わせ面55aは、型締時には後述する可動側金型のパーティング面と同一面になる。
第1の実施の形態に係るインサート成形装置Mは、図1において上方に示されている固定側金型1と、この固定側金型1に対して型開閉されると共に、図1において左右方向にスライド的に駆動される可動側金型20とからなっている。固定側金型1は、図には示されていないが固定盤に固定的に取り付けられ、可動側金型20は同様に図には示されていないが固定盤に対して型開閉方向に駆動される可動盤にスライド機構を介してスライド可能に取り付けられている。
可動側金型20のパーティング面26の略中央部には、前述した下側の製作治具55が着脱自在に嵌る治具用凹部25が形成されている。この治具用凹部25に、下側の製作治具55が嵌ると、可動側金型20のパーティング面26と下側の製作治具55の合わせ面55aは同一面になり、該製作治具55に保持されている半製品50の第1、2の要素51、52と柔軟な部分53の実質的な上半分すなわち離型できる部分は、可動側金型20のパーティング面26より上方へ突き出る大きさになっている。
治具用凹部25の左方の、可動側金型20のパーティング面26には、第1の要素51に対応した小径凹部21と、第2の要素52に対応した大径凹部22と、柔軟な部分53に対応した軸方向の凹部23とからなる第1の2次成形用凹部30Lが形成されている。この2次成形用凹部30Lは、半製品50より被覆層あるいは樹脂層の肉厚分だけ大きい。治具用凹部25の右方の可動側金型20のパーティング面26にも同じ形状で同じ大きさの第2の2次成形用凹部30Rが形成されている。
固定側金型1のパーティング面6の左方寄りには、可動側金型20の治具用凹部25に対応した、第1の1次成形用凹部5Lが形成されている。この第1の1次成形用凹部5Lは、半製品50の第1の要素51に対応した小径凹部11と、第2の要素52に対応した大径凹部12と、柔軟な部分53に対応した軸方向の凹部13とからなる。この1次成形用凹部5Lは、半製品50よりも樹脂層の肉厚分だけ大きい。固定側金型1のパーティング面6の右方寄りには、上記第1の1次成形用凹部5Lと同じ形状で同じ大きさの第2の1次成形用凹部5Rが形成されている。
固定側金型1には、ホットスプル16と、このスプル16から分岐したホットランナ17、18が設けられ、これらのホットランナ17、18には適宜開閉弁等が介装され、そしてゲートを介して1次成形時には、固定側金型1の第1の1次成形用凹部5L、5Rの小径凹部11に開口し、2次成形時には可動側金型20の第1、2の2次成形用凹部30L、30Rの小径凹部21、21に開口するようになっている。
次に、主として図2〜4によって、第1の実施の形態に係る前記金型1、20を使用したインサート成形例を説明する。図2の(ア)、(イ)に示されているように、可動側金型20をスライドさせて固定側金型1の第1の1次成形用凹部5Lに、可動側金型20の治具用凹部25を整合させる。半製品50がセットされている下側の製作治具55を可動側金型20の治具用凹部25に嵌め込む。そうして、可動側金型20を固定側金型1に対して型締めする。そうすると、小径凹部11と大径凹部12と軸方向の凹部13とからなる第1の1次成形用凹部5Lと、半製品50の上半分とにより1次成形用のキャビティC1が構成される。可塑化された、例えば耐熱樹脂を射出ユニットSUからスプル16およびランナ17を通して射出する。この1次成形により、半製品50の上半分が1次の樹脂層J1により被覆される。1次成形の途中の段階が図2の(ウ)に示されている。
冷却固化を待って、可動側金型20を開く。このとき、形状、吸着力の大小等により、図2の(エ)に示されているように、1次の樹脂層J1が固定側金型1に残った状態で、すなわち半製品50が固定側金型1に残った状態で開かれる。半製品50の上半分は1次の樹脂層J1で被覆され、下半分は下側の製作治具55から露出している。可動側金型20をスライドさせて、第1の2次成形用凹部30Lを固定側金型1に保持されている半製品50に整合させる。また、治具用凹部25から下側の製作治具55を取り出す。整合させ、取り出している状態が図3の(ア)に示されている。
半製品50が保持されている、次に成形する下側の製作治具55を治具用凹部25に嵌め込む。そうして、型締めする。この型締により、半製品50の上半分と、固定側金型1の第2の1次成形用凹部5Rとにより1次成形用のキャビティC1が構成される。同時に半製品50の下半分と、可動側金型20の第1の2次成形用凹部30Lとにより2次成形用のキャビティC2が構成される。このような状態が図3の(イ)、(ウ)に示されている。
射出ユニットSUからホットスプル16およびホットランナ17、18を介して、1、2次成形用のキャビティC1、C2に実質的に同時に射出する。射出・充填している途中の段階が図3の(エ)に示されている。冷却固化を待って可動側金型20を開く。開いた状態が図4の(ア)に示されている。可動側金型20の第1の2次成形用凹部30Lでは、半製品50は1、2次の樹脂層J1、J2で被覆されて製品50Pとなり、固定側金型1の第2の1次成形用凹部5Rには1次の樹脂層J1が形成された半製品50が保持されている。
図4の(イ)に示されているように、製品50Pを突き出し、空になった下側の製作治具55を治具用凹部25から取り出し、そして半製品50が保持されている次に成形する下側の製作治具55を治具用凹部25に嵌め込む。可動側金型20にセットされた下側の製作治具55を固定側金型の第1の1次成形用凹部5Lと整合させる。そうすると、可動側金型20の第2の2次成形用凹部30Rは、固定側金型1に保持されている1次の樹脂層J1で被覆されている半製品50に整合する。
可動側金型20を型締めする。この型締により、半製品50の上半分と、固定側金型1の第1の1次成形用凹部5Lとにより1次成形用のキャビティC1が構成される。同時に半製品50の下半分と、可動側金型20の第2の2次成形用凹部30Rとにより2次成形用のキャビティC2が構成される。この型締状態が図4の(ウ)に示されている。
図4の(エ)に示されているように、射出ユニットSUからホットスプル16およびホットランナ17、18を介して、1、2次成形用のキャビティC1、C2に実質的に同時に射出する。冷却固化を待って可動側金型20を開く。可動側金型20の第2の2次成形用凹部30Rでは、半製品50は2次の樹脂層J2で被覆されて製品50Pとなり、固定側金型1の第1の1次成形用凹部5Lでは1次の樹脂層J1が形成された半製品50となる。以下、同様にして成形する。
上記第1の実施の形態によると、1成形サイクル当たり1個の製品50Pが得られるが、図5に、2個当たりの製品が同時に得られる第2の実施の形態が模式的に示されている。第1の実施の形態と同じ要素には同じ参照数字を付け、同じような要素には同じ参照数字にダッシュ「’」を付けて詳しい説明はしないが、第2の実施の形態によると、図5の(ア)に示されているように、可動側金型20’のパーティング面側には2個の治具用凹部25、25と、第1、2および3の3個の2次成形用凹部30L、30L’、30Rが形成されている。一方、固定側金型1’のパーティング面には第1〜4の4個の1次成形用凹部5L、5L’、5R’、5Rが形成されている。
したがって、2個の治具用凹部25、25のそれぞれに、半製品50が保持されている下側の製作治具55を嵌め込み、可動側金型20’を固定側金型1’に対して型締めすると、半製品50、50の上半分と、固定側金型1’の第1、3の1次成形用凹部5L、5Rとにより1次成形用のキャビティC1、C1が2個構成される。2個の1次成形用のキャビティC1、C1に溶融樹脂を射出充填している途中の段階が図5の(イ)に示されている。
1次の樹脂層J1、J1が固化したら、可動側金型20’を開く。このとき、第1の実施の形態の作用の項で述べたように、1次の樹脂層J1で被覆された半製品50、50は固定側金型1’の方に残って開かれる。下側の製作治具55、55を取り出し、半製品50が保持されている次の下側の製作治具55、55を嵌め込む。可動側金型20’を移動させて型締めする。型締めすると、可動側金型20’に保持されている半製品50、50の上半分と、固定側金型1’の第2、4の1次成形用凹部5L’、5R’とにより1次成形用のキャビティC1、C1が構成される。同時に、固定側金型1’に残っている半製品50、50の下半分と、可動側金型20’の第1、2の2次成形用凹部30L、30L’とにより2次成形用のキャビティC2、C2が構成される。このように1、2次成形用のキャビティC1、C1、C2、C2が構成され、これらのキャビティに実質的に同時に射出・充填している状態が、図5の(ウ)に示されている。以下、同様にして第1の実施の形態に準じて成形する。第2の実施の形態によると1成形サイクル当たり2個の製品が得られる。なお、インサート成形装置が複雑になり、成形サイクルが長くなることをいとわなければ、1成形サイクル当たり3個以上の製品を同時に得るように実施することもできる。
上記実施の形態は変形可能である。例えば、固定側金型と可動側金型は相対的であるので、スプル、ランナ等の樹脂通路の構造は多少複雑になるが、固定盤にスライド機構を介して可動金型すなわちスライド金型を設けることもできる。このように実施すると、前述した可動側金型の構造は簡単になる。また、上記実施の形態では、インサート物は、柔軟な要素を含んでいるが、全体が柔軟の要素からなるインサート物も、あるいは全体がハンドリングに適した剛体からなるインサート物にも同様にして成形できることは明らかである。さらには、上記第1、2の実施の形態では1、2次成形を実質的に同時に実施するようになっているが、時間差をもって別々に実施できることは明らかである。
また、半製品は1次成形で上半分、2次成形で残りの下半分を成形する旨説明され、特許請求の範囲においてもそのように記載されているが、離型できる形状あるいは構造であれば、上下半分に限定されないことは明らかである。
M インサート成形装置
1、1’ 固定側金型
5L、5L’、5R、5R’ 第1〜4の1次成形用凹部
20、20’ 可動側金型
25 治具用凹部
30L、30L’、30R 第1〜3の2次成形用凹部
50 半製品
50P 製品
J1 1次の樹脂層
J2 2次の樹脂層

Claims (7)

  1. 金属製の製作治具により製作された半製品の外周面を、射出成形により樹脂層で被覆して製品化するインサート成形法であって、
    半製品の実質的半分が露出する状態で保持されている前記製作治具を一対の金型の一方の金型のパーティング面に形成されている治具用凹部にセットする工程と、
    前記一方の金型を前記一対の金型の他方の金型に対して型締めすることにより、セットした半製品の露出している実質的半分と前記他方の金型の凹部とにより構成されるキャビティに溶融樹脂を射出して半製品の露出している実質的半分を被覆する1次成形工程と、
    前記1次成形工程で成形された半製品の、その実質的半分が前記他方の金型の凹部に保持されるように型を開き、そして前記一方の金型のパーティング面の他の位置に形成されている凹部に整合させる2次成形準備工程と、
    その後、前記一方の金型を前記他方の金型に対して型締めすることにより、前記他方の金型に保持されている半製品の露出している残りの実質的半分と、前記一方の金型の凹部とに構成されるキャビティに溶融樹脂を射出して半製品の残りの実質的半分を被覆して製品化する2次成形工程とからなることを特徴とするインサート成形方法。
  2. 金属製の製作治具(55)により製作された半製品(50)の外周面を、射出成形により樹脂層(J1,J2)で被覆して製品化(50P)するインサート成形法であって、
    半製品(50)の実質的半分が露出する状態で保持されている前記製作治具(55)を可動側金型(20)のパーティング面に形成されている治具用凹部(25)にセットする工程と、
    セットされた前記可動側金型(20)を固定側金型(1)に対して型締めすることにより、セットした半製品の露出している実質的半分と、前記固定側金型(1)の凹部(5L、5R)とにより構成されるキャビティ(C1)に溶融樹脂を射出して半製品(50)の露出している実質的半分を被覆する1次成形工程と、 前記1次成形工程で成形された半製品の、その実質的半分が前記固定側金型(1)の凹部(5L、5R)に保持されるように型を開き、そして前記一方の金型のパーティング面の他の位置に形成されている凹部に整合させる2次成形準備工程と、
    その後、前記可動側金型(20)を前記固定側金型(1)に対して型締めすることにより、前記固定側金型(1)に保持されている半製品(50)の露出している残りの実質的半分と、前記可動側金型(20)の凹部(30L、30L’)とにより構成されるキャビティ(C2)に溶融樹脂を射出して半製品の露出している残りの実質的半分を被覆して製品化(50P)する2次成形工程とからなることを特徴とするインサート成形方法。
  3. 金属製の製作治具(55)により製作された半製品(50)の外周面を、射出成形により樹脂層(J1,J2)で被覆して製品化(50P)するインサート成形法であって、
    半製品(50)の実質的半分が露出する状態で保持されている前記製作治具(55)を可動側金型(20)のパーティング面に形成されている治具用凹部(25)にセットする工程と、
    第1の成形位置において、前記可動側金型(20)を固定側金型(1)に対して型締めすることにより、セットした半製品の露出している実質的半分と、前記固定側金型(1)の一方の凹部(5L)とにより構成されるキャビティ(C1)に溶融樹脂を射出して半製品の露出している実質的半分を被覆(J1)する1次成形工程と、
    1次成形工程で成形された半製品(50)の、その実質的半分が前記固定側金型(1)の一方の凹部(5L)に保持されると共に前記製作治具(55)が前記可動側金型(20)に残るように型を開き、前記製作治具(55)を前記可動側金型(20)の治具用凹部から外し、そして前記治具用凹部に次に成形する半製品の実質的半分が露出する状態で保持されている製作治具(55)をセットする、2次成形準備工程と、
    第2の成形位置において、前記可動側金型(20)を前記固定側金型(1)に対して型締めすることにより、前記固定側金型(1)に保持されている半製品(50)の露出している残りの実質的半分と、前記可動側金型(20)の一方の凹部(30L)とにより構成されるキャビティ(C2)に溶融樹脂を射出して半製品の露出している残りの実質的半分を被覆(J2)して製品化(50P)する2次成形工程とからなることを特徴とするインサート成形方法。
  4. 請求項3に記載の方法において、前記1次成形と2次成形とを実質的に同時に実施することを特徴とするインサート成形方法。
  5. 請求項1〜4のいずれかの項に記載の方法において、柔軟な部分を含んだ半製品を被覆する、インサート成形方法。
  6. 製作治具(55)に保持されている半製品(50)の外周面を、1、2次成形により樹脂層(J1、J2)で被覆する成形装置であって、
    前記装置は、固定側金型(1)と、該固定側金型に対して型開閉されると共に1次成形位置と2次成形位置とにスライド的に駆動される可動側金型(20)とからなり、
    前記可動側金型(20)のパーティング面側には、半製品(50)の実質的半分が露出した状態で保持されている前記製作治具(55)が着脱自在に嵌る治具用凹部(25)と、該治具用凹部(25)と所定の間隔をおいた両側に形成されている同じ形状で同じ大きさの第1、2の2次成形用凹部(30L、30R)とが設けられ、
    前記固定側金型(1)のパーティング面側には、所定の間隔をおいて同じ形状で同じ大きさの第1、2の1次成形用凹部(5L、5R)が設けられ、
    これらの1次および2次形成用凹部(5L、5R、30L、30R)の大きさは、半製品(50)の大きさよりも樹脂層(J1、J2)の厚さ分だけ大きい、インサート成形装置。
  7. 製作治具(55)に保持されている半製品(50)の外周面を、1、2次成形により樹脂層(J1、J2)で被覆する成形装置であって、
    前記装置は、固定側金型(1)と、該固定側金型に対して型開閉されると共に1次成形位置と2次成形位置とにスライド的に駆動される可動側金型(20)とからなり、
    前記可動側金型(20)のパーティング面側には、半製品(50)の実質的半分が露出した状態で保持されている前記製作治具(55)が着脱自在に嵌る2個の治具用凹部(25)と、これらの治具用凹部(25)と所定の間隔をおいた両側に形成されている同じ形状で同じ大きさの第1〜3の2次成形用凹部(30L、30L’、30R)とが設けられ、
    前記固定側金型(1)のパーティング面側には、所定の間隔をおいて同じ形状で同じ大きさの4個の第1、2の1次成形用凹部(5L、5L’、5R、5R’)が設けられ、
    これらの1次および2次形成用凹部(5L、5L’、5R、5R’、30L、30L’、30R)の大きさは、半製品(50)の大きさよりも樹脂層(J1、J2)の厚さ分だけ大きい、インサート成形装置。
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