JP5734022B2 - エレクトログラフィ方式の印刷機または複写機において中間像担持体上に形成された電位像を現像する装置および方法 - Google Patents

Description

本発明は、エレクトログラフィ方式の印刷機または複写機において帯電されたトナーと液体キャリアとを備えた液体現像剤を用いて中間像担持体上に形成された印刷しようとする像の電位像を現像する装置および方法に関する。

様々な材料、たとえば紙または薄いプラスチックフィルムまたは金属箔から成る記録担体、たとえば枚葉シートまたは帯状の記録担体を単色または多色で印刷するために、中間像担持体（たとえば光導電体）上に像に従って電位像（静電潜像）を形成することが公知であり、電位像は、着色しようとする領域（画像部）と着色されない領域（非画像部）とから成る、印刷しようとする像に応じて形成される。電位像の着色領域は、現像ステーション（着色ステーション）によってトナーを用いて可視化される。次いでトナー像は、記録担体上に転写される。

電位像を着色するために、トナーと液体キャリアとを含有する液体現像剤が用いられる。液体キャリアは、１０⁸Ω＊ｃｍより大きな固有抵抗を有している。液体キャリアとして、とりわけシリコーン油および炭化水素が考えられる。

デジタル印刷システムにおける電気泳動方式の湿式現像（エレクトログラフィー方式の現像）は、たとえば国際公開第２００５／０１３０１３号パンフレット（＝米国特許第７４６３８５１号明細書）またはドイツ連邦共和国特許第１０２００５０５５１５６号明細書（米国特許第２００８／０２７９５９７号明細書）において公知である。ここでは液体現像剤として、シリコーン油を含有する、着色粒子（トナー）の分散された液体キャリアが用いられる。その詳細は、国際公開第２００５／０１３０１３号パンフレットまたはドイツ連邦共和国特許第１０２００５０５５１５６号明細書から看取することができる。

中間像担持体への液体現像剤の供給は、アプリケータローラによって行うことができ、アプリケータローラに、液体現像剤が、アニロックスローラを通って供給され、アニロックスローラには、チャンバドクタが配置されている。オフセット印刷から、インキ（着色剤）を供給するためにチャンバドクタを用いることが知られている（欧州特許出願公開第１０９７８１３号明細書）。電気泳動方式の印刷にチャンバドクタを用いることは、国際公開第２００５／０１３０１３号パンフレットから看取することができる。公知のチャンバドクタの欠点は、チャンバドクタ内で液体現像剤の流動が所期のようにガイドされないことである。したがって渦流が生じ、気泡が形成されることがある。しかもアニロックスローラのセルの充填が、電位による支援なしに行われるので、アニロックスローラへのトナー粒子の転移が制限されている。したがって面積単位あたりのトナー着け量が制限されており、したがってアニロックスローラに液体現像剤が移動する速度もしくは着色範囲が制限され、ひいては一定の着色量において到達可能な処理速度が制限されている。

ドイツ連邦共和国特許出願公開第４４０８６１５号明細書において、チャンバドクタと協働するアニロックスローラの構造が公知である。アニロックスローラのセル構造を拡大するために、チャンバドクタおよびアニロックスローラに電圧が印加される。アニロックスローラは、セル構造が電圧により可変であるように、構成されている。

電位像を現像したあとにアプリケータローラ上に残留する像（残像）をアプリケータローラから除去することは、欧州特許出願公開第０７２７７２０号明細書（＝米国特許第６０２９０３６号明細書）によれば、アプリケータローラに当接するドクタによって行われる。したがって中間像担持体に対してニップ形成するために必要な、アプリケータローラの弾性被覆が急速に磨耗する。これに対してドクタの押圧力が小さすぎると、クリーニング効率が低くなってしまい、これにより高い印刷パフォーマンス（高い印刷像の面積占有率）の場合に、１周期後にアプリケータローラのあらゆる箇所で同じトナー量／面積を有するとは限らないので、メモリ効果が生じる。アプリケータローラのクリーニングは、ドイツ連邦共和国特許第１０２００５０５５１５６号明細書によれば、ドクタを備えたクリーニングローラによって行うこともできる。

国際公開第２００５／０１３０１３号パンフレット（＝米国特許第７４６３８５１号明細書） ドイツ連邦共和国特許第１０２００５０５５１５６号明細書（米国特許第２００８／０２７９５９７号明細書） 欧州特許出願公開第１０９７８１３号明細書 ドイツ連邦共和国特許出願公開第４４０８６１５号明細書 欧州特許出願公開第０７２７７２０号明細書（＝米国特許第６０２９０３６号明細書）

したがって本発明の課題は、エレクトログラフィ方式の印刷機または複写機において中間像担持体上に形成された電位像を現像する装置および方法を改良して、静電印刷方式において中間像担持体上に電位像を安定して均一に多量に着色することができるものを提供することである。その際に望ましくは高い印刷速度が実現可能である。

別の課題は、
−電位像の安定した均一で多量の着色を達成し、
−高い印刷速度でも安定した着色を達成し、
−大きな面積占有率（０〜１００％）に関する、
大きな処理速度範囲（０．３〜０．５ｍ／ｓｅｃ）に関する、
液体現像剤の最小負荷における、
高い処理安定性（長期安定性）を達成し、
−中間像担持体上にトナーを最適に堆積することによる高い印刷品質を達成し、
−着けられたキャリア液体の調整によって記録担体の多様性を達成することである。

この課題を解決するために本発明の構成では、エレクトログラフィ方式の印刷機または複写機において帯電されたトナーと液体キャリアとを備えた液体現像剤を用いて中間像担持体上に形成された印刷しようとする像の電位像を現像する装置において、中間像担持体に隣接して、電位像を現像するためのアプリケータ装置が設けられており、該アプリケータ装置は、中間像担持体に沿って液体現像剤をガイドするようになっており、供給装置が設けられており、該供給装置は、液体現像剤をアプリケータ装置に供給するようになっており、該供給装置は、溢流路を備えており、該溢流路は、アプリケータ装置に渡されない、トナーの僅かな余剰の液体現像剤を導出するように配置されており、アプリケータ装置に隣接してコンディショナ装置が設けられており、該コンディショナ装置は、アプリケータ装置から液体キャリアを受取り、流出路を介して導出するようになっており、アプリケータ装置に隣接してクリーニング装置が設けられており、該クリーニング装置は、アプリケータ装置から、電位像を現像したあとに残留する残留液体現像剤を除去して、クリーニング装置に配置されたハーフチャンバに供給するようになっており、供給装置の溢流路およびコンディショナ装置の流出路は、クリーニング装置のハーフチャンバと接続されている。

好適には、中間像担持体に隣接して戻しガイド装置が配置されており、該戻しガイド装置は、中間像担持体から液体キャリアを除去して、除去した液体キャリアをクリーニング装置のハーフチャンバに供給するようになっている。

好適には、供給装置としてチャンバドクタおよびアニロックスローラが設けられており、該チャンバドクタは、混合装置から液体現像剤を受取るようになっており、アプリケータ装置は、アプリケータローラを備えており、該アプリケータローラとアニロックスローラとの間に、アニロックスローラからアプリケータローラに向かうトナー転移を調節する電圧が印加されており、チャンバドクタは、液体現像剤用の流入路と溢流路とを有する、アニロックスローラに向かって開いたチャンバを備えており、流入路は、混合装置と接続されており、流入路には、混合装置から、アニロックスローラに渡される量よりも多くまたはこれと同量の液体現像剤が供給されるようになっており、溢流路を介して、トナーの僅かな液体現像剤の余剰量がクリーニング装置のハーフチャンバに流出するようになっている。

好適には、供給装置は、アニロックスローラに隣接して、チャンバドクタのチャンバ内に配置された少なくとも１つの流動要素を備えており、少なくとも１つの流動要素とアニロックスローラとの間に、アニロックスローラのセルへのトナー転移を調節する電圧が印加されている。

好適には、コンディショナ装置は、コンディショナローラを備えており、該コンディショナローラは、アプリケータローラに隣接して、液体現像剤の運動方向にみて中間像担持体の上流側に配置されており、アプリケータローラとコンディショナローラとの間に電圧が印加されていて、それも、中間像担持体に供給される液体現像剤に、該液体現像剤中のトナーがアプリケータローラの表面に向かって移動するように作用する電圧が印加されている。

好適には、コンディショナローラの直径とアプリケータローラの直径とが、アプリケータローラとコンディショナローラとの間に分離流れが生じるように選択されており、その際に液体キャリアはコンディショナローラ）に移動し、アプリケータローラ上で液体現像剤の表面が平滑化されるようになっている。

好適には、コンディショナローラにコンディショナドクタが当接しており、該コンディショナドクタは、アプリケータローラから受取られた液体キャリアを除去して捕集溝（に供給するようになっており、該捕集溝は、クリーニング装置のハーフチャンバと接続されており、除去された液体キャリアがハーフチャンバに供給されるようになっている。

好適には、クリーニング装置は、クリーニングローラと、該クリーニングローラに当接するクリーニングドクタとを備えており、クリーニングドクタによって除去された残留液体現像剤は、ハーフチャンバに流れるようになっている。

好適には、ハーフチャンバは、側方のシールとクリーニングドクタと槽とを備えており、ハーフチャンバは、常に液体現像剤の液位がクリーニングドクタの上位に位置するように構成されており、クリーニングローラ上に存在するトナーが、ハーフチャンバに分散されるようになっており、ハーフチャンバは、混合装置と接続された流出路を備えている。

好適には、戻しガイド装置は、中間像担持体およびクリーニングローラに隣接する戻しガイドローラを備えており、該戻しガイドローラは、中間像担持体から受取られた液体キャリアを、アプリケータローラとクリーニングローラとの間の接触位置の上流側でクリーニングローラに渡すようになっており、中間像担持体上の非画像部の帯電電位の±３０％の範囲であり、かつクリーニングローラに印加される電位を上回るように調節された電位が、戻しガイドローラに印加されており、クリーニングローラは、中間像担持体から受取られた液体キャリアを残留液体現像剤と共にハーフチャンバに搬出するようになっている。

好適には、少なくともコンディショナローラおよびクリーニングローラに、電流を制限する被覆が設けられており、該被覆は、ローラの直接の接触に際して、電流が流れないか、もしくは最高で＜１００μＡ／ｍの電流が流れるように選択されており、アプリケータローラ、クリーニングローラ、コンディショナローラおよび戻しガイドローラ（５５０）の抵抗は、液体現像剤の固有抵抗よりも小さく調節されている。

好適には、アプリケータローラおよび戻しガイドローラの被覆は、アプリケータローラとクリーニングローラとの間、もしくは中間像担持体と戻しガイドローラとの間、もしくは戻しガイドローラとクリーニングローラとの間、もしくはアプリケータローラとコンディショナローラとの間の接触位置を介する液体現像剤の搬送体積が、流入する液体現像剤の膜厚の体積よりも常に大きくなるように、構成されている。

この課題を解決するために本発明の別の構成では、現像装置を用いて、エレクトログラフィ方式の印刷機において中間像担持体上に形成された電位像を現像する方法において、チャンバドクタとアニロックスローラとを備えた供給装置を用いて、混合装置から、低いトナー濃度の液体現像剤を取出し、液体現像剤をチャンバドクタからアニロックスローラのセルに渡す際にトナー濃度を高め、余剰の液体現像剤を、チャンバドクタの溢流路を介して、クリーニング装置のハーフチャンバに供給し、液体現像剤を、濃度の高められた状態で、アニロックスローラからアプリケータローラに渡し、アプリケータローラ上の液体現像剤を、アプリケータローラ上を転動するコンディショナローラによって液体キャリアを受取ることにより、トナー濃度をさらに高め、受取られた液体キャリアは、クリーニングローラのハーフチャンバに供給し、液体現像剤を、トナー濃度の高められた状態で、アプリケータローラによって、電位像を現像するために中間像担持体に沿ってガイドし、中間像担持体に渡されない、アプリケータローラ上の残留液体現像剤を、クリーニング装置のクリーニングローラによって除去して、ハーフチャンバに供給する。

好適には、中間像担持体に当接する戻しガイドローラによって、電位像を現像したあとで、トナー像が記録担体に転写されるまえに、液体キャリアを中間像担持体から取出し、残留液体現像剤がアプリケータローラから除去されるまえに、戻しガイドローラが、受取られた液体キャリアを、クリーニングローラに供給する。

本発明による現像装置では、
−アプリケータ装置が設けられており、アプリケータ装置は、中間像担持体に隣接して配置されていて、電位像を現像するために、中間像担持体に沿って液体現像剤をガイドするようになっており、
−供給装置が設けられており、供給装置は、液体現像剤をアプリケータ装置に供給するようになっており、供給装置は、溢流路を備えており、溢流路を介して、アプリケータ装置に渡されない余剰の液体現像剤が排出されるようになっており、
−アプリケータ装置に隣接してコンディショナ装置が設けられており、コンディショナ装置は、アプリケータ装置から液体キャリアを受取り、流出路を介して導出するようになっており、
−アプリケータ装置に隣接してクリーニング装置が設けられており、クリーニング装置は、アプリケータ装置から、電位像を現像したあとに残留する残留液体現像剤を除去して、クリーニング装置に配置されたハーフチャンバに供給するようになっており、
−供給装置の溢流路およびコンディショナ装置の流出路は、クリーニング装置のハーフチャンバに通じている。

現像装置は以下のステップで作動する：
−チャンバドクタとアニロックスローラとを備えた供給装置によって、混合装置から、液体現像剤が低いトナー濃度で取出され、
−液体現像剤は、チャンバドクタからアニロックスローラのセルに渡される際にトナー濃度が高められ、余剰の液体現像剤は、チャンバドクタの溢流路を介して、クリーニングローラのハーフチャンバに供給され、
−液体現像剤は、濃度の高められた状態で、アニロックスローラからアプリケータローラに渡され、
−液体現像剤は、アプリケータローラ上で、アプリケータローラ上を転動するコンディショナローラによって液体キャリアが受取られることにより、トナー濃度がさらに高められ、受取られた液体キャリアは、クリーニングローラのハーフチャンバに供給され、
−液体現像剤は、トナー濃度の高められた状態で、アプリケータローラにより、電位像を現像するために中間像担持体に沿ってガイドされ、
−中間像担持体に渡されない、アプリケータローラ上の残留液体現像剤は、クリーニング装置のクリーニングローラから除去され、ハーフチャンバに供給される。

本発明による装置によって、中間像担持体に、トナー濃度の高められた最適な液体現像剤が供給される。その際に余剰の液体現像剤および液体キャリアはクリーニング装置のハーフチャンバに導出され、そこで除去された残留液体現像剤と混合され、その結果、ハーフチャンバ内の液体現像剤のトナー濃度は低く、トナーの運動性は大きいので、混合装置に液体現像剤を戻すと、トナーストレスは低減される。このような利点は、電位像を現像したあとに、戻しガイドローラによって、液体キャリアが中間像担持体から取出されて、この液体キャリアが、クリーニングローラがアプリケータローラから残留液体現像剤を除去するまえに、クリーニングローラに送られると、顕著になる。

次に、図面に基づいて、本発明の実施の形態を詳しく説明する。

ドイツ連邦共和国特許第１０２００５０５５１５６号明細書による電気泳動方式の印刷システムの原理を示す図である。 本発明による現像装置の構造を示す図である。

図１には、ドイツ連邦共和国特許第１０２００５０５５１５６号明細書において公知の印刷システムＤＳの構成要素を示す。援用することにより、前掲ドイツ連邦共和国特許第１０２００５０５５１５６号明細書の開示内容は、本発明に含まれるものとする。中間像担持体１、図１では光導電体ドラム１に沿って、再生露光器２、帯電ステーション３、画像に従って露光するための構成要素４、現像装置５、現像されたトナー像を記録担体７に転写するための転写ユニット６、および光導電体ドラム１をクリーニングするための構成要素８が配置されている。転写ユニット６は、弾性的な転写ローラ６１と押圧ローラ６２とクリーニングユニット６３とを備えている。

図１において形成された、光導電体ドラム１に沿って配置された構成要素のうち、以下に現像装置５について詳説する。残りの構成要素の構造および機能は既知であり、たとえば前掲ドイツ連邦共和国特許第１０２００５０５５１５６号明細書から看取される。

図１に示す公知の現像装置５は、供給装置５１とアプリケータ装置５２とクリーニング装置５３と場合によってはコンディショナ装置５４（図１には示していない）とを備えている。図１において、供給装置５１としてアニロックスローラ５１０を備えたチャンバドクタ（チャンバ方式インキ装置のドクタ）５１１が設けられ、アプリケータ装置５２としてアプリケータローラ５２０が設けられ、クリーニング装置５３としてクリーニングローラ５３０が設けられている。液体現像剤は、混合装置ＭＳからチャンバドクタ５１１の流入路５１３に供給され、そこからアニロックスローラ５１０に送られ、そこからアプリケータローラ５２０に送られる。チャンバ５１２内での余剰の液体現像剤は、溢流路５１４を介して混合装置ＭＳに戻される。アプリケータローラ５２０は、液体現像剤を、電位像を着色するために中間像担持体１に沿って通過させる。電位像を着色したあとでアプリケータローラ５２０に残留する残留液体現像剤は、クリーニングローラ５３０によって除去され、再び混合装置ＭＳに送られる。

本発明の説明は、図１に示す現像装置から出発しており、したがって現像装置の構成要素の符合はできるだけ同一にするが、本発明は、図１の構成に制限されるものではない。

図２に示す実施の形態も同様に、供給装置５１とアプリケータ装置５２とクリーニング装置５３とコンディショナ装置５４とを備えている。付加的に戻しガイド装置５５が設けられている。これらの装置は、中間像担持体１に液体現像剤を搬送するか、もしくは中間像担持体１から液体キャリアを除去する。液体現像剤を搬送するために用いられる構成要素は、ローラまたはベルトであってよい。以下の説明では、ローラに関して述べるが、本発明はローラに制限されるものではない。ローラの代わりに、ベルトを用いてもよい。以下の本発明の説明において、供給装置５１としてアニロックスローラ５１０を備えたチャンバドクタ５１１が採用され、アプリケータ装置５２としてアプリケータローラ５２０が採用され、コンディショナ装置５４としてコンディショナローラ５４が採用され、クリーニング装置５３としてクリーニングローラ５３０が採用され、戻しガイド装置５５として戻しガイドローラ５５０が採用される。液体現像剤は、少なくとも、帯電された着色粒子（トナー）の分散された絶縁性の液体キャリアを含有しており、トナーの電荷はプラスまたはマイナスであってよい。以下の説明は、プラスに帯電されたトナーに基づいている。

現像装置５の基本的な動作は、以下のように行われる：
−液体現像剤は、アニロックスローラ５１０を介してアプリケータローラ５２０に向かって送られ、その際に液体現像剤中のトナー濃度が高められ、それも、中間像担持体１に電位像を着色するために十分であるように高められる。
−その際にトナー濃度は、良好な流動性に最適化される。このことはアニロックスローラ５１０からの良好な排出性を意味し、アプリケータローラ５２０に沿った液体現像剤の膜の十分な均一性を意味する。
−アプリケータローラ５２０に着けられる液体現像剤から成る膜は、コンディショナローラ５４０によって調整される。その際にアプリケータローラ５２０に向かうトナーは、電圧Ｕ_KWによって押付けられる。コンディショナローラ５４０を介して、アプリケータローラ５２０から液体キャリアが除去され、クリーニング装置５３に配置されたハーフチャンバ５３２に供給される。
−次いで調整された液体現像剤の膜は、画像を現像するために、アプリケータローラ５２０と中間像担持体１との間の接触域に達する。アプリケータローラ５２０と中間像担持体１との間の電位は、画像部でトナーが中間像担持体１に転移し、非画像部では、着けられたトナーが中間像担持体１に転移しないように選択されている。さらに液体キャリアも中間像担持体１に渡される。
−現像後にアプリケータローラ５２０に残留する残像の残留液体現像剤は、クリーニングローラ５３０によって、アプリケータローラ５２０から除去される。アプリケータローラ５２０と接触しているクリーニングローラ５３０とこれらのローラの間の電位差（Ｕ_AW/ReW）に基づいて、残像がクリーニングローラ５３０に転移される。そのあとでクリーニングローラ５３０の下流側に配置されたクリーニングドクタ５３１が、残像を除去し、残像をハーフチャンバ５３２にガイドする。掻落されたトナーおよび液体キャリアは、そこから混合装置ＭＳに戻される（図１）。混合装置ＭＳから、供給装置５１に向かって液体現像剤の供給が行われる。
−中間像担持体１上の液体キャリアの減少は、戻しガイドローラ５５０によって行うことができ、その結果、記録担体７への液体キャリアの付着量が減少する。同時に除去された液体キャリアがクリーニングローラ５３０に供給され、これにより残留液体現像剤の吸収が容易になる。このような構造は、特に極端な印刷モードで好都合である。

供給装置５１の詳しい構造は、図２から看取することができる。供給装置５１は、チャンバ５１２を有するチャンバドクタ５１１と、流入路５１３と、溢流路５１４と、セルおよび壁（セル画成部）を有するアニロックスローラ５１０とを備えている。アニロックスローラ５１０に向いて開いた、チャンバドクタ５１１のチャンバ５１２の内側で、少なくとも１つの絶縁された流動要素５１８が、アニロックスローラ５１０に隣接して配置されており、流動要素５１８に電位Ｕ_{RW_Pot-element}を印加することができる。流動要素５１８は、アニロックスローラ５１０に対して平行に位置していて、かつチャンバ５１２の幅にわたって延びている。流動要素５１８は、チャンバ５１２の側壁に電気的に絶縁して取付けることができ、導電性の成形要素から形成することができる。チャンバ５１２もまた電位を印加することができ、アニロックスローラ５１０もまた電位Ｕ_RWを印加することができる。

アニロックスローラ５１０のセルに対する液体現像剤中のトナーの十分な供給は、高い印刷速度において中間像担持体１に電位像を高濃度で着色するために必要であり、チャンバドクタ５１１内での液体現像剤の十分な供給および分配ならびにチャンバドクタ５１１内での電界支援によって達成される。アニロックスローラ５１０に沿った液体現像剤の通流量の最適化、ならびにアニロックスローラ５１０と電位Ｕ_{RW_Pot-element}を有する流動要素５１８との間の距離に基づいて得られる電界強さの最適化が必要である。

供給された液体現像剤は、流入路５１３を介してチャンバドクタ５１１内で次のように分配される。

−流入路５１３を介して供給される液体現像剤量は、アニロックスローラ５１０のセルと溢流路５１４とを介して流出し得る量に対して、常にこれよりも多いかまたは同じである。
−トナーが僅かになった余剰量の液体現像剤は、溢流路５１４を介して流出することができ、クリーニング装置５３のハーフチャンバ５３２に供給される。
−チャンバ５１２内に配置された流動要素５１８は、印刷方向に対して横向きの液体現像剤の分配を実現し、支援する。
−流動要素５１８は、アニロックスローラ５１０およびチャンバ５１２の内側輪郭に対して次のように配置され、かつ成形されていて、つまり、流動横断面内で非連続的に液体現像剤が流れることはなく、その結果、流動要素５１８とアニロックスローラ５１０との間のギャップに、アニロックスローラ５１０の表面の運動方向に対して同じ方向に向けられた流れが生じるように配置され、かつ成形されている。

流動要素５１８の配置構造および輪郭によって、電界強度のピーク値が形成されず、流動要素５１８とアニロックスローラ５１０との間の領域が、常に液体現像剤で充填されている。相応に、得られる電界強度は、空気の絶縁破壊電界強度よりも著しく高く、１００〜４００Ｖ／ｃｍ、好適には３０〜１００Ｖ／ｃｍの範囲である。

供給装置５１のこのような構成によって、アニロックスローラ５１０のセルは、流動要素５１８とアニロックスローラ５１０との間の電界により支援され所期のようにトナーで充填される。トナー濃度は、アニロックスローラ５１０のセルを充填する際にはじめて高められ、つまり予め低い濃度にされ、良好な流動性を有するように液体現像剤が調量される。

図２から、コンディショナローラ５４０を備えたコンディショナ装置５４の構造が看取される。コンディショナ装置５４は、アプリケータローラ５２０上の液体現像剤膜に接触している。コンディショナ装置５４は、個別の電位Ｕ_KWを有しており、電位Ｕ_KWは、アプリケータローラの電位Ｕ_AWよりも高い。コンディショナローラ５４０とアプリケータローラ５２０との間に生じる電位差は、１０Ｖ〜２０００Ｖ、好適には２００Ｖ〜１０００Ｖの範囲である。アプリケータローラ５２０とコンディショナローラ５４０とは、相互に転動する。コンディショナローラ５４０の表面速度は、アプリケータローラ５２０に対して０．８：１〜１：０．８、好適には１：１である。トナー粒子は、液体現像剤膜の表面からアプリケータローラ５２０に押のけられる。

コンディショナローラ５４０の直径の適切な選択によって、追加的に、コンディショナローラ５４０とアプリケータローラ５２０との間の分離流れが形成される。このためにコンディショナローラ５４０の直径は、アプリケータローラ５２０の直径の０．１〜０．７倍、好適には０．２〜０．５倍の範囲に選択されている。分離流れは、コンディショナローラ５４０の小さな直径に基づいて、アプリケータローラ５２０の表面に対して垂直の特徴的な速度ベクトルを有している。ローラの接触に基づく膜分離に際して生じる流体層厚の流れ、僅かな周期長（＜１００μｍ）と、同時に僅かな振幅とを有している。これにより液体表面の巨視的な平滑化が及ぼされ、したがってアプリケータローラ５２０上の、ひいては印刷像におけるトナー粒子の均一な分配が及ぼされる。

コンディショナローラ５４０に、コンディショナドクタ５４２を配置してもよい。コンディショナドクタ５４２は、コンディショナローラ５４０上に存在する液体キャリアを除去し、液体キャリアは、印加される電界に基づいて、トナー粒子から分離され、捕集溝５４１に送られる。したがってアプリケータローラ５２０上に残る液体現像剤の膜は、高められたトナー濃度を有し、同時に液体現像剤の小さな層厚を有している。中間像担持体１とアプリケータローラ５２０との間のギャップにおける電界強度は、不変にかけられる電位と、中間像担持体１とアプリケータローラ５２０との間の距離とによって規定される。この距離は、液体現像剤の層厚の低下に応じて減少し、したがって中間像担持体１とアプリケータローラ５２０との間のギャップにおいて、現像過程にとって好適な高い電界強度が及ぼされる。

捕集溝５４１は、クリーニング装置５３のハーフチャンバ５３２と接続された流出路を備えている。これによりハーフチャンバ５３２に液体キャリアが供給され、供給される液体キャリアによって、ハーフチャンバ５３２内のトナー濃度が低下し、その結果、残留液体現像剤の粘性が低下し、残留液体現像剤は簡単に搬送することができる。

図２に示すように、クリーニング装置５３は、クリーニングローラ５３０を備えており、クリーニングローラ５３０は、アプリケータローラ５２０よりも広幅であり、アプリケータローラ５２０に残留する残像をアプリケータローラ５２０から除去する。クリーニングローラ５３０にクリーニングドクタ５３１が当接しており、クリーニングドクタ５３１は、アプリケータローラ５２０から除去された残像をクリーニングローラ５３０から掻取る。クリーニングドクタ５３１は、槽５３３と流出路５３４とを備えたハーフチャンバ５３２の一部であり、流出路５３４は、たとえば混合装置ＭＳと接続することができる。択一的に、充填レベルセンサ５３７を設けてもよく、充填レベルセンサ５３７によって、混合装置ＭＳに向かう残留液体現像剤の流出を制御することができる。

クリーニングローラ５３０に配置されたクリーニングドクタ５３１は、ハーフチャンバ５３２に組込まれている。ハーフチャンバ５３２は、側方のシールとクリーニングドクタ５３１と槽５３３とを備えている。したがってクリーニングドクタ５３１によりクリーニングローラ５３０から掻取られた残留液体現像剤がハーフチャンバ５３２に流動可能である。ハーフチャンバ５３２は、液体現像剤の、クリーニングドクタ５３１の上位に位置する液位が維持されるように構成されており、したがってクリーニングローラ５３０上に存在するトナーが、存在する液体現像剤に分散される。このためにクリーニングドクタ５３１の延在部分の上位に設けられた溢流路５３４または充填レベルセンサ５３７により調節可能な排出ポンプ（図２には示していない）を設けてもよい。

中間像担持体１に隣接して、中間像担持体１の運動方向にみて電位像の着色箇所の下流側に戻しガイドローラ５５０を配置してもよく、戻しガイドローラ５５０は、中間像担持体１から液体キャリアを取出す。戻しガイドローラ５５０は、電位Ｕ_FL-RWを有しており、電位Ｕ_FL-RWは、中間像担持体１（非画像部）の帯電電位の範囲（±３０％）にあり、したがってクリーニングローラ５３０の電位を上回っている。したがって帯電されたトナーが中間像担持体１から戻しガイドローラ５５０に転移されないよう保証される。戻しガイドローラ５５０が付加的にクリーニングローラ５３０に隣接して配置される場合には、異なる電位に基づいて、トナーがクリーニングローラ５３０から戻しローラ５５０に転移されない。戻しローラ５５０の機能は、中間像担持体１からクリーニングローラ５３０に液体キャリアを部分的に渡すことにある。

戻しガイドローラ５５０を用いることは、印刷システムＤＳの以下の運転モードにおいて特に好適である：
−印刷しようとする情報の極めて僅かな面積占有率（＜３％）の場合。使用しない場合には過剰の液体キャリアが記録担体７にもたらされる。
−特に低い印刷速度の場合。なぜならば長い作用時間によりクリーニングにおいて高いトナーストレスが生じ得るからである。
−連続する２回転において強く変動する面積占有率（＞５０％変動）の場合。

現像装置に用いられるローラ（アニロックスローラ５１０、クリーニングローラ５３０、コンディショナローラ５４０、アプリケータローラ５２０、戻しガイドローラ５５０）は、それぞれ表面被覆を有しており、表面被覆は、以下のように選択される：
−直接の接触（たとえばアプリケータローラ５２０に対するアニロックスローラ５１０の壁、アプリケータローラ５２０に対するクリーニングローラ５３０またはコンディショナローラ５４０）を介して、電流が流れないか、または僅かしか流れず、ローラの異なる電位は、接続された回路網部分によって、一定に維持することができる（電流 好適には＜１００μＡ／１ｍローラ幅； 電位差変動 好適には＜±１０Ｖ）、
−電流を制限する被覆は、（好適には）アプリケータローラ５２０および戻しガイドローラ５５０に取付けられておらず、それぞれ当接するローラ（５１０，５３０，５４０）に取付けられており、これによりアプリケータローラ５２０の導電性の被覆が保証される（固有抵抗＜１０⁷Ω＊ｃｍ）
−アニロックスローラ５１０、クリーニングローラ５３０およびコンディショナローラ５４０上の電流を制限する被覆は、１０⁸Ω＊ｃｍ〜１０¹⁰Ω＊ｃｍ、好適には５＊１０⁸Ω＊ｃｍ〜５＊１０⁹Ω＊ｃｍの範囲にあり、その際にこのような被覆を介して生じる電圧降下は＜１００Ｖであり、
−したがってローラの各接触位置に電流制限部が設けられている。

同時にローラ抵抗が次のように選択されていて、つまり、ローラ抵抗は、常に液体現像剤の固有抵抗よりも小さくなるように選択されている。これによってトナー転移を及ぼす電界が最大化される。

弾性的なアプリケータローラ５２０および弾性的な戻しガイドローラ５５０の被覆は、１０⁵Ω＊ｃｍ〜１０⁷Ω＊ｃｍの範囲の固有抵抗を有してよく、抵抗変動は＜±２０％（好適には＜±１０％）であり、層厚は４ｍｍ〜１２ｍｍ、好適には７ｍｍ〜１０ｍｍである。材料として、とりわけＮＢＲ（ニトリルブタジエン）−ゴムまたはＰＵＲ（ポリウレタン）−ゴムを選択することができる。アプリケータローラ５２０および戻しガイドローラ５５０の被覆が２つの層を有している場合、外側の層は、ＰＶＤＦ（ポリ弗化ビニリデン）、ＥＣＯ（エピクロロヒドリン）、フルオロエラストマ、テフロン^（R）から成っていて、＜０．７ｍｍの層厚を有しており、内側の層は、上述の材料の１つから成っている。

アニロックスローラ５１０およびクリーニングローラ５３０の被覆は、１０⁸Ω＊ｃｍ〜１０¹⁰Ω＊ｃｍの抵抗を有してよく、１０μｍ〜４００μｍ、好適には５０μｍ〜２００μｍの層厚を有してよい。材料として、とりわけハードコート、セラミック（酸化アルミニウム、酸化クロム、酸化チタンまたはこれらの混合物）を選択することができる。

本発明による現像装置の説明から判るように、全ての機能要素は、所定の電位を有している。電位の選択は、以下の観点から選択されている：
−全ての電位は、直流電圧成分と交流電圧成分との重畳から生じ、その際に各成分はゼロであってよく、
−全てのローラ（ベルト）、つまりアプリケータローラ５２０、アニロックスローラ５１０、クリーニングローラ５３０、コンディショナローラ５４０および戻しガイドローラ５５０は、個別の電位を有しており、
−チャンバドクタ５１１は、好適にはアニロックスローラ５１０と同じ電位を有しており、任意に、アニロックスローラ５１０よりも高い電位を有してもよく、
−クリーニングドクタ５３１およびハーフチャンバ５３２（側方のシール）は、好適にはクリーニングローラ５３０と同じ電位を有しており、任意に、これより高い電位を有しており、
−流動要素５１８の電位は、前述している。

電位は、ローラ（５１０，５２０，５３０，５４０，５５０）では、ローラ（５１０，５２０，５３０，５４０，５５０）の内側にかけられ、ベルトでは、その内側面にかけられる。

ローラの表面被覆は、相互に適合された固有抵抗ρから成る系を形成する。
ここでは：
−ρ（アニロックスローラ）＞ρ（アプリケータローラ）
−ρ（クリーニングローラ）＞ρ（アプリケータローラ）
−ρ（コンディショナローラ）＞ρ（アプリケータローラ）
−ρ（クリーニングローラ）＞ρ（戻しガイドローラ）
が有効である。

本発明による現像装置の格別な利点をまとめると以下の通りである：
−トナーは、液体現像剤内で、各機能要素（アニロックスローラ、アプリケータローラ、クリーニングローラ）上において所定に堆積されるか、もしくは除去される。これによりトナーの変動（電荷、直径）が補償される。
−ローラ間において液体現像剤を渡す各ステップに関して、最適なトナー濃度が調節され、
１）供給装置５１にトナーを供給する（たとえばチャンバ５１２を充填する）ための液体現像剤の良好な流動性に関して中程度のトナー濃度から出発する。
２）濃度増加は、できるだけ効果的なトナー付着のために、アプリケータローラ５２０への付着において行われる（アニロックスローラ５１０の１態様では電界によって支援された充填）。
３）別の濃度増加は、中間像担持体１上に像を現像する後続のステップのための、液体キャリアから成る薄いカバー層の形成を含む、コンディショナローラ５４０による調整を介して行われる。
４）着けられた液体キャリア量の低減は、中間担持体１上で、良好な定着性のために行われる。
５）トナーの薄められた液体現像剤の直接の戻しガイドは、クリーニング装置５３のハーフチャンバ５３２に向かって、
−チャンバドクタ５１１の溢流路から、
−コンディショナローラ５４０のコンディショナドクタ５４２からクリーニング装置のハーフチャンバ５３２に、
−戻しガイドローラ５５０から全面的にクリーニングローラ５３０に液体キャリアを供給することによって、行われる。

ハーフチャンバ５１２ではできるだけ低く濃縮された液体現像剤により、トナーの良好な運動性が得られ、したがって低減されたトナーストレスが生じ、ひいては良好な安定性が生じる。

さらに現像装置５の内側における戻しガイドにより、中間像担持体１に向かって、また中間像担持体１から離間して搬送する必要のある、液体現像剤の必要体積流量が低減される。様々な印刷パフォーマンスによる変動は、迅速に補償することができる。

アプリケータローラ５２０に接触するコンディショナローラ５４０および印加される電位を用いることによって、以下の利点が得られる：
１）膜が形成され、膜は、コンディショナローラ５４０の表面に主に液体キャリアから形成され、アプリケータローラ５２０の表面ではトナーが濃縮されている。膜分離は、主に液体キャリアから成る部分層で行われる。したがって後続の処理ステップで、液体キャリアから成る薄層が膜表面に設けられ、これにより中間像担持体１上の非画像部における意図しないトナー堆積が回避される。択一的に、これにより割合高い処理速度が達成される。
２）ローラ直径および調節可能な相対速度の適切な選択により、アプリケータローラ５２０とコンディショナローラ５４０との間のニップにおける膜分離が安定化され、したがってアプリケータローラ５２０上の液体現像剤の膜が平滑化され、中間像担持体１上にトナーが均一に堆積される。
３）コンディショナローラ５４０上に存在する液体キャリアを除去することを介して、アプリケータローラ５２０上に残留している液体キャリアの膜のトナー濃度が高まる。アプリケータローラ５２０と中間像担持体１との間の接触に際して、高い濃度の液体現像剤により、膜厚を僅かにすることができ、したがってアプリケータローラ５２０と中間像担持体１との間の電界を高めることができ、したがって特に高い処理速度においてトナー堆積が改善される。
４）戻しガイドローラ５５０から戻される液体キャリアは、クリーニング装置５３に戻され、除去された液体現像剤のトナー濃度が低下される。

戻しガイドローラ５５０および印加される電位を用いることにより、トナーが転移して戻ることなく、着けられた液体キャリア量の制御が実現されるので、
１）不要な液体キャリアが別のニップ位置を介して記録担体７に、つまり印刷システムＤＳから着けられることはなく、
２）戻された液体キャリアはクリーニングローラに送られ、したがって除去しようとする液体現像剤のトナー濃度が低下される。

ＤＳ 印刷システム、 ＭＳ 混合装置、 １ 静電潜像担持体、 ２ 再生露光装置、 ３ 帯電ステーション、 ４ 画像に従った露光、 ５ 現像装置、 ６ 転写ユニット、 ７ 記録担体、 ８ クリーニングユニット、 ６１ 転写ローラ、 ６２ 押圧ローラ、 ６３ クリーニングユニット、 ５１ 供給装置、 ５２ アプリケータ装置、 ５３ クリーニング装置、 ５４ コンディショナ装置、 ５５ 戻しガイド装置、 ５１０ アニロックスローラ、５１１ チャンバドクタ、 ５１２ チャンバドクタのチャンバ、 ５１３ 流入路、 ５１４ 溢流路、 ５１８ 流動要素、 ５２０ アプリケータローラ、 ５３０ クリーニングローラ、 ５３１ クリーニングドクタ、 ５３２ ハーフチャンバ、 ５３３ ハーフチャンバの槽、 ５３４ ハーフチャンバの流出路、 ５４０ コンディショナローラ、 ５４１ コンディショナドクタ、 ５４２ 補集溝、 ５５０ 戻しガイドローラ

Claims (12)

1. エレクトログラフィ方式の印刷機または複写機において帯電されたトナーと液体キャリアとを備えた液体現像剤を用いて中間像担持体上に形成された印刷しようとする像の電位像を現像する装置において、
   中間像担持体（１）に隣接して、電位像を現像するためのアプリケータ装置（５２）が設けられており、該アプリケータ装置（５２）は、中間像担持体（１）に沿って液体現像剤をガイドするようになっており、
   供給装置（５１）が設けられており、該供給装置（５１）は、液体現像剤をアプリケータ装置（５２）に供給するようになっており、該供給装置（５１）は、溢流路（５１４）を備えており、該溢流路（５１４）は、アプリケータ装置（５２）に渡されない、トナーの僅かな余剰の液体現像剤を導出するように配置されており、
   アプリケータ装置（５２）に隣接してコンディショナ装置（５４）が設けられており、該コンディショナ装置（５４）は、アプリケータ装置（５２）から液体キャリアを受取り、流出路を介して導出するようになっており、
   アプリケータ装置（５２）に隣接してクリーニング装置（５３）が設けられており、該クリーニング装置（５３）は、アプリケータ装置（５２）から、電位像を現像したあとに残留する残留液体現像剤を除去して、クリーニング装置（５３）に配置されたハーフチャンバ（５３２）に供給するようになっており、
   供給装置（５１）の溢流路（５１４）およびコンディショナ装置（５４）の流出路は、クリーニング装置（５３）のハーフチャンバ（５３２）と接続されており、
   クリーニング装置（５３）は、クリーニングローラ（５３０）と、該クリーニングローラ（５３０）に当接するクリーニングドクタ（５３１）とを備えており、
   クリーニングドクタ（５３１）によって除去された残留液体現像剤は、ハーフチャンバ（５３２）に流れるようになっており、
   戻しガイド装置（５５）は、中間像担持体（１）およびクリーニングローラ（５３０）に隣接する戻しガイドローラ（５５０）を備えており、該戻しガイドローラ（５５０）は、中間像担持体（１）から受取られた液体キャリアを、アプリケータローラ（５２０）とクリーニングローラ（５３０）との間の接触位置の上流側でクリーニングローラ（５３０）に渡すように配置されており、中間像担持体（１）上の非画像部の帯電電位の±３０％の範囲であり、かつクリーニングローラ（５３０）に印加される電位を上回るように調節された電位が、戻しガイドローラ（５５０）に印加されており、クリーニングローラ（５３０）は、中間像担持体（１）から受取られた液体キャリアを残留液体現像剤と共にハーフチャンバ（５３２）に搬出するようになっている、
   ことを特徴とする、エレクトログラフィ方式の印刷機または複写機において中間像担持体上に形成された電位像を現像する装置。
2. 中間像担持体（１）に隣接して戻しガイド装置（５５）が配置されており、該戻しガイド装置（５５）は、中間像担持体（１）から液体キャリアを除去して、除去した液体キャリアをクリーニング装置（５３）のハーフチャンバ（５３２）に供給するようになっている、請求項１記載の装置。
3. 供給装置（５１）としてチャンバドクタ（５１１）およびアニロックスローラ（５１０）が設けられており、該チャンバドクタ（５１１）は、混合装置（ＭＳ）から液体現像剤を受取るようになっており、
   アプリケータ装置（５２）は、アプリケータローラ（５２０）を備えており、該アプリケータローラ（５２０）とアニロックスローラ（５１０）との間に、アニロックスローラ（５１０）からアプリケータローラ（５２０）に向かうトナー転移を調節する電圧が印加されており、
   チャンバドクタ（５１１）は、液体現像剤用の流入路（５１３）と溢流路（５１４）とを有する、アニロックスローラ（５１０）に向かって開いたチャンバ（５１２）を備えており、流入路（５１３）は、混合装置（ＭＳ）と接続されており、流入路（５１３）には、混合装置（ＭＳ）から、アニロックスローラ（５１０）に渡される量よりも多くまたはこれと同量の液体現像剤が供給されるようになっており、溢流路（５１４）を介して、トナーの僅かな液体現像剤の余剰量がクリーニング装置（５３）のハーフチャンバ（５３２）に流出するようになっている、請求項１または２記載の装置。
4. 供給装置（５１）は、アニロックスローラ（５１０）に隣接して、チャンバドクタ（５１１）のチャンバ（５１２）内に配置された少なくとも１つの流動要素（５１８）を備えており、少なくとも１つの流動要素（５１８）とアニロックスローラ（５１０）との間に、アニロックスローラ（５１０）のセルへのトナー転移を調節する電圧が印加されている、請求項３記載の装置。
5. コンディショナ装置（５４）は、コンディショナローラ（５４０）を備えており、該コンディショナローラ（５４０）は、アプリケータローラ（５２０）に隣接して、液体現像剤の運動方向にみて中間像担持体（１）の上流側に配置されており、アプリケータローラ（５２０）とコンディショナローラ（５４０）との間に電圧が印加されていて、それも、中間像担持体（１）に供給される液体現像剤に、該液体現像剤中のトナーがアプリケータローラ（５２０）の表面に向かって移動するように作用する電圧が印加されている、請求項３または４記載の装置。
6. コンディショナローラ（５４０）の直径とアプリケータローラ（５２０）の直径とが、アプリケータローラ（５２０）とコンディショナローラ（５４０）との間に分離流れが生じるように選択されており、その際に液体キャリアはコンディショナローラ（５４０）に移動し、アプリケータローラ（５２０）上で液体現像剤の表面が平滑化されるようになっている、請求項５記載の装置。
7. コンディショナローラ（５４０）にコンディショナドクタ（５４２）が当接しており、該コンディショナドクタ（５４２）は、アプリケータローラ（５２０）から受取られた液体キャリアを除去して捕集溝（５４１）に供給するようになっており、該捕集溝（５４１）は、クリーニング装置（５３）のハーフチャンバ（５３２）と接続されており、除去された液体キャリアがハーフチャンバ（５３２）に供給されるようになっている、請求項５または６記載の装置。
8. ハーフチャンバ（５３２）は、側方のシールとクリーニングドクタ（５３１）と槽（５３３）とを備えており、ハーフチャンバ（５３２）は、常に液体現像剤の液位がクリーニングドクタ（５３１）の上位に位置するように構成されており、クリーニングローラ（５３０）上に存在するトナーが、ハーフチャンバ（５３２）に分散されるようになっており、ハーフチャンバ（５３２）は、混合装置（ＭＳ）と接続された流出路（５３４）を備えている、請求項１記載の装置。
9. 少なくともコンディショナローラ（５４０）およびクリーニングローラ（５３０）に、電流を制限する被覆が設けられており、該被覆は、ローラ（５３０，５２０，５４０，５５０）の直接の接触に際して、電流が流れないか、もしくは最高で＜１００μＡ／ｍの電流が流れるように選択されており、
   アプリケータローラ（５２０）、クリーニングローラ（５３０）、コンディショナローラ（５４０）および戻しガイドローラ（５５０）の抵抗は、液体現像剤の固有抵抗よりも小さく調節されている、請求項１記載の装置。
10. アプリケータローラ（５２０）および戻しガイドローラ（５５０）の被覆は、アプリケータローラ（５２０）とクリーニングローラ（５３０）との間、もしくは中間像担持体（１）と戻しガイドローラ（５５０）との間、もしくは戻しガイドローラ（５５０）とクリーニングローラ（５３０）との間、もしくはアプリケータローラ（５２０）とコンディショナローラ（５４０）との間の接触位置を介する液体現像剤の搬送体積が、流入する液体現像剤の膜厚の体積よりも常に大きくなるように、構成されている、請求項９記載の装置。
11. 請求項１から１０までのいずれか１項記載の現像装置を用いて、エレクトログラフィ方式の印刷機において中間像担持体上に形成された電位像を現像する方法において、
    チャンバドクタ（５１１）とアニロックスローラ（５１０）とを備えた供給装置（５１）を用いて、混合装置（ＭＳ）から、低いトナー濃度の液体現像剤を取出し、
    液体現像剤をチャンバドクタ（５１１）からアニロックスローラ（５１０）のセルに渡す際にトナー濃度を高め、余剰の液体現像剤を、チャンバドクタ（５１１）の溢流路（５１４）を介して、クリーニング装置（５３）のハーフチャンバ（５３２）に供給し、
    液体現像剤を、濃度の高められた状態で、アニロックスローラ（５１０）からアプリケータローラ（５２０）に渡し、
    アプリケータローラ（５２０）上の液体現像剤を、アプリケータローラ（５２０）上を転動するコンディショナローラ（５４０）によって液体キャリアを受取ることにより、トナー濃度をさらに高め、受取られた液体キャリアを、クリーニングローラ（５３０）のハーフチャンバ（５３２）に供給し、
    液体現像剤を、トナー濃度の高められた状態で、アプリケータローラ（５２０）によって、電位像を現像するために中間像担持体（１）に沿ってガイドし、
    中間像担持体（１）に渡されない、アプリケータローラ（５２０）上の残留液体現像剤を、クリーニング装置（５３）のクリーニングローラ（５３０）によって除去して、ハーフチャンバ（５３２）に供給する、
    ことを特徴とする、エレクトログラフィ方式の印刷機において中間像担持体上に形成された電位像を現像する方法。
12. 中間像担持体（１）に当接する戻しガイドローラ（５５０）によって、電位像を現像したあとで、トナー像が記録担体（７）に転写されるまえに、液体キャリアを中間像担持体（１）から取出し、
    残留液体現像剤がクリーニングローラ（５３０）によってアプリケータローラ（５２０）から除去される手前で、戻しガイドローラ（５５０）が、受取られた液体キャリアを、クリーニングローラ（５３０）に供給する、請求項１１記載の方法。