以下、図面を参照して本発明の実施の形態の一例を詳細に説明する。
<受光光学系の感度補正の原理>
まず、受光光学系の感度補正の原理について説明する。図1は本発明の実施の形態に係る距離測定装置における受光光学系の感度補正の原理を説明する概略図である。ここでは、測定対象物(以下、「対象物」という。)で反射された反射光を受光する「受光光学系」の構成だけを図示している。
図1に示すように、受光光学系10は、回転軸Aの周りに回転可能に構成された可動鏡12、可動鏡12で反射された反射光を集光する集光素子14、及び入射端面から入射された光を出射端面まで伝搬する受光用光導波路16を備えている。受光用光導波路16の入射端面16Aは、集光素子14の焦点面18に配置されている。なお、後述する通り、光導波路の入射端面はコア部の端面を意味する。
距離測定装置の受光光学系10には、近距離に在る対象物で反射された高強度の反射光と、遠距離に在る対象物で反射された微弱な反射光とが入射する。ここで、距離測定装置の測定範囲が予め設定されていると仮定すると、測定範囲の下限距離に在る対象物からの反射光強度が最大となり、測定範囲の上限距離に在る対象物からの反射光強度が最小となる。本実施の形態では、受光光学系10の感度補正を行って、微弱な反射光と高強度の反射光の両方を受光できるようにする。
受光光学系10では、可動鏡12が回転軸Aの周りに等速で回転している。測定範囲の上限距離に在る対象物からの反射光を受光した場合には、実線で図示した通り、可動鏡12を第1の位置に移動させる。第1の位置に可動鏡12が在る場合には、実線で図示した通り、可動鏡12で反射され且つ集光素子14で集光された反射光は、受光用光導波路16の入射端面16Aに焦点を結ぶ。
このときの焦点位置を「第1の焦点位置F1」とする。焦点面18での反射光の強度分布は、実線で図示するように略ガウシアン分布となり、第1の焦点位置F1において反射光の強度が最大となる。従って、第1の焦点位置F1において、反射光の受光用光導波路16への結合効率は最大となる。なお、以下では、焦点面での強度分布がガウシアン分布となる光を「ガウシアンビーム」という場合がある。
一方、測定範囲の下限距離に在る対象物からの反射光を受光した場合には、点線で図示した通り、可動鏡12を第2の位置に移動させる。第2の位置に可動鏡12が在る場合には、点線で図示した通り、可動鏡12で反射され且つ集光素子14で集光された反射光は、受光用光導波路16の入射端面16Aから離間した位置に焦点を結ぶ。
このときの焦点位置を「第2の焦点位置F2」とする。受光用光導波路16の入射端面16Aでの反射光の強度は、点線で図示したガウシアン分布の裾野部分に相当する。従って、第1の焦点位置F1に焦点を結んだ場合と比較すると、第2の焦点位置F2での反射光の受光用光導波路16への結合効率は顕著に低下する。例えば、結合効率が最小となるようにしてもよい。
時間経過と関連付けて説明すると、対象物に対し測定光が投光された後に、受光光学系10では、測定範囲の下限距離に在る対象物からの反射光が受光される。この時点で、第2の位置に在る可動鏡12で反射された高強度の反射光は、集光素子14で集光されて第2の焦点位置F2に焦点を結ぶ。可動鏡12が等速回転することにより、焦点位置は時間の経過に従って第1の焦点位置F1の方向(図面左側)に移動する。焦点位置が移動することにより、結合効率が徐々に向上する。
次に、受光光学系10では、測定範囲の上限距離に在る対象物からの反射光が受光される。この時点で、第1の位置に在る可動鏡12で反射された微弱な反射光は、集光素子14で集光されて第1の焦点位置F1(即ち、受光用光導波路16の入射端面16A)に焦点を結ぶ。このとき、反射光の受光用光導波路16への結合効率は最大となる。以上の通り、受光光学系10では、可動鏡12の回転により焦点位置が時間に応じて変化することで、反射光の受光用光導波路16への結合効率が時間に応じて変化する。即ち、反射光の受光用光導波路16への結合効率は、対象物までの距離に応じて変化する。
図示はしていないが、受光用光導波路16に入射した光は、受光用光導波路16を伝搬して出射端面から射出され、出射端面から射出された光は光検出器で検出される。受光用光導波路16内での減衰はないものとすると、下記式に示すように、光検出器に入射する反射光の強度(受光パワー)は、受光光学系10で受光した反射光の強度(戻り光パワー)と結合効率との積になる。
受光パワー=戻り光パワー×結合効率
本実施の形態では、上記式の関係を利用して、戻り光パワーの大きい「近距離」からの反射光の場合は「結合効率」を小さくして光検出器の飽和を回避し、戻り光パワーの小さい「遠距離」からの反射光の場合は「結合効率」を大きくして高感度化を図り、受光光学系10の感度補正を行っている。このように、受光パワーを対象物までの距離に応じて変化させることで、光検出器のダイナミックレンジの範囲で、対象物までの距離に拘らず、対象物までの距離を精度よく測定することができる。
なお、本実施の形態に係る距離測定装置においては、受光光学系が上記構成を備えていればよく、対象物に対し測定光を投光する光投光部の構成は特に限定されない。後述する通り、上記構成を備えた「受光光学系」を、対象物に対し測定光を投光する投光光学系として兼用してもよい(投受光光学系)。また、光投光部は、受光光学系とは別の「投光光学系」を備えていてもよい。光ファイバ等の光導波路から測定光を射出される構成には限定されない。例えば、光投光部を、半導体レーザ等の光源と、当該光源から射出された測定光を走査するポリゴンミラー等の走査光学系とで構成してもよい。
また、上記では受光光学系が受光用光導波路を備えており、反射光の受光用光導波路への結合効率を変化させる例について説明したが、焦点面に配置された予め定めた面積の受光領域に対する反射光の結合効率を変化させることができればよく、光ファイバ等の光導波路に反射光を結合する構成には限定されない。例えば、後述する通り、フォトダイオード等の受光素子は、電極で囲まれた受光領域(受光開口部)を有している。この受光開口部に対する反射光の結合効率を変化させるようにしてもよい。
<投受光光学系への応用>
上記では「受光光学系」の例について説明したが、「投受光光学系」においても同様の原理で感度補正を行うことができる。「投受光光学系」は、対象物に対し測定光を投光する投光光学系と、反射された反射光を受光する受光光学系とを兼用する光学系である。図2は本発明の原理を投受光光学系に適用した場合の投光時の動作を表す図であり、図3は本発明の原理を投受光光学系に適用した場合の受光時の動作を表す図である。
図2及び図3に示す「投受光光学系」は、投光用光導波路を備える以外は、図1に示す「受光光学系」と同じ構成であるため、同じ構成部分には同じ符号を付して説明を省略する。図2及び図3に示すように、投受光光学系10Aは、投光用光導波路20を備えている。投光用光導波路20は、入射端面から入射された光を出射端面20Aまで伝搬する。出射端面20Aは、集光素子14の焦点面18に配置されている。なお、後述する通り、光導波路の出射端面はコア部の端面を意味する。また、投光用光導波路20の入射端面(図示せず)には、光源(図示せず)から射出された測定光が結合される。
投受光光学系10Aでは、第2の位置に可動鏡12が在る場合の焦点位置である「第2の焦点位置F2」に、投光用光導波路20の出射端面20Aが配置されている。測定範囲の下限距離に在る対象物からの反射光が受光された時点では、可動鏡12は第2の位置に在り、その後に第1の位置に向かって移動を開始する。
投受光光学系10Aから測定光を投光する場合には、図2に実線で図示した通り、投光用光導波路20の出射端面20A(第2の焦点位置F2)から射出された測定光は、集光素子14を逆向きに通過して平行光化される。平行光化された測定光は、第2の位置に在る可動鏡12で反射されて、対象物に対し投光される。即ち、対象物からの反射光を受光する光学系(可動鏡12及び集光素子14)を用いて、対象物に対し測定光を投光することができる。
また、投受光光学系10Aでは、対象物に対し測定光が投光された後に、測定範囲の下限距離に在る対象物からの反射光が受光される。図3に点線で図示した通り、この時点で、第2の位置に在る可動鏡12(点線で図示)で反射された高強度の反射光は、第2の焦点位置F2に焦点を結ぶ。その後、可動鏡12が等速回転することにより、焦点位置が第1の焦点位置F1の方向(図面左側)に移動して、結合効率が徐々に向上する。
次に、測定範囲の上限距離に在る対象物からの反射光が受光される。この時点で、第1の位置に在る可動鏡12で反射された微弱な反射光は、第1の焦点位置F1に焦点を結び、受光用光導波路16への結合効率は最大となる。以上の通り、投受光光学系10Aでは、可動鏡12の回転により焦点位置が時間に応じて変化することで、反射光の受光用光導波路16への結合効率が時間に応じて変化する。
本実施の形態では、「受光光学系」の場合と同様にして、戻り光パワーの大きい「近距離」からの反射光の場合は「結合効率」を小さくして光検出器の飽和を回避し、戻り光パワーの小さい「遠距離」からの反射光の場合は「結合効率」を大きくして高感度化を図り、投受光光学系10Aの感度補正を行っている。このように、受光パワーを対象物までの距離に応じて変化させることで、光検出器のダイナミックレンジの範囲で、対象物までの距離に拘らず、対象物までの距離を精度よく測定することができる。
なお、本実施の形態では、投光用光導波路20の出射端面20Aを「第2の焦点位置F2」に配置し、測定範囲の下限距離に在る対象物からの反射光が受光された場合に「第2の焦点位置F2」に焦点を結ぶ例について説明したが、これに限定される訳ではない。測定範囲の下限距離に在る対象物からの反射光が受光された場合に、「第3の焦点位置F3」に焦点を結ぶようにしてもよい。「第3の焦点位置F3」は、第1の焦点位置F1と第2の焦点位置F2との間に位置していてもよい。
<具体的な設計例>
次に、上記の「投受光光学系」の具体的な設計例について説明する。図4は焦点位置の時間変化を結合効率の時間変換に変換する機構を説明するための図である。「投受光光学系」の構成は、図2及び図3に示す「投受光光学系」と同じ構成であるため、同じ構成部分には同じ符号を付して説明を省略する。また、可動鏡12の図示も省略する。
この例では、受光用光導波路16及び投光用光導波路20の各々は、光の基本モードだけ伝搬する単一モード光ファイバであり、断面が円形のコアとクラッドとで構成されている。入射端面16A及び出射端面20Aの各々が、コア端面に相当し、そのコア径を「w(単位:m)」とする。また、焦点位置の移動方向をx軸、x軸と直交する方向をy軸として、焦点面において直交座標系を設定する。焦点位置の座標は(x、y)で表される。x、yの各々の単位は「m」である。受光用光導波路16の入射端面16Aの中心位置が原点であり、(x、y)=(0、0)となる。なお、以下では、y=0で一定として、焦点位置をx座標だけで表す。
出射端面20A(コア)の中心位置は、入射端面16A(コア)の中心位置から、距離「d(単位:m)」だけ離間されている。即ち、出射端面20A(コア)の中心位置に焦点を結ぶ場合には、焦点位置の座標は(x、y)=(d、0)となる。コア径wの光ファイバに対し、距離dだけ離間した位置に集光されたガウシアンビームの結合効率を「η」とする。結合効率ηは下記式(1)で表される。
上記式(1)に示すように、結合効率ηは、光ファイバのコア径wと距離dとの関数として表される。距離dは、受光用光導波路16の入射端面16A(コア)の中心位置からの「(焦点の)位置ずれ」である。基本モード径が10μmの光を集光素子14で集光して、焦点面18に焦点を結ばせる(図4参照)。
基本モード径が10μmの光に対してシミュレーションして得られた、距離dと結合効率ηとの関係を図5に示す。横軸は「距離d(位置ずれ)」を表し、単位はμmである。縦軸は「結合効率η」を表す。図5に示すように、焦点が入射端面16Aの中心位置にある場合には、距離d(位置ずれ)は0μmであり、結合効率ηは1と最大になる。一方、入射端面16Aの中心位置から約40μmだけ離間した位置では、結合効率ηは略ゼロとなる。
次に、図4に示すように、可動鏡12の移動により集光素子14により反射光の光軸が振れる角周波数を「θ(単位:°/秒)」とし、集光素子14の焦点距離を「F(単位:m)」とすると、焦点面18上での焦点の移動速度v(単位:m/秒)は、下記式(2)で表される。
ここで、受光用光導波路16の入射端面16Aの中心位置での焦点位置を「x=0」とし、投光用光導波路20の出射端面20Aの中心位置との距離を「d(単位:m)」とすると、測定光の投光時から時間「t(単位:秒)」だけ経過した後の焦点位置xは、下記式(3)で表される。
従って、測定光の投光時からt秒後の結合効率ηは、下記式(4)で表される。
測定対象物までの距離を「lopt(単位:m)」とし、距離(lopt)に在る対象物からの反射光が、測定光の投光時からτ秒後に受光されるとすると、下記式(5)及び下記式(6)の関係を満たす。c0は光速(=3.0×108m/秒)を表す。
測定光の走査全角を「θfull(単位:°)」とし、可動鏡12の往復周波数を「f(単位:Hz)」とすると、角周波数θは下記式(7)で表される。
従って、可動鏡12の往復周波数fは、下記式(8)で決定される。
例えば、集光素子14の焦点距離Fを18mm、距離dを36μm、測定光の走査全角θfullを45°、測定対象物までの距離loptを100mとすると、上記式(2)〜(8)を用いて、可動鏡12の往復周波数fは、f=1911Hzと求められる。
図6(A)は感度補正を行わない場合の受光感度の距離による変化を示すグラフであり、図6(B)は感度補正を行う場合の受光感度の距離による変化を表すグラフである。横軸は測定対象物までの距離を表し、単位はmである。縦軸は相対受光感度である。測定対象物までの距離を100mとしたときの受光感度を1としている。図6(C)は図6(A)の縦軸を対数軸で記載したグラフである。
図6(A)及び図6(B)に示す関係は、上記の投受光光学系10Aの構成に基づいて、シミュレーション計算することにより得られたものである。ここでは、対象物の反射率は一定と仮定している。また、図6(B)に示す受光感度と距離との関係は、上記式(2)〜(8)を用いて、シミュレーション計算することにより得られたものである。
上記の投受光光学系10Aの構成で、反射光を受光する場合の焦点位置を固定すると、即ち、感度補正を行わない場合には、図6(C)に示すように、測定範囲の上限(100m)での受光感度を1とすると、測定範囲の下限(例えば、1m)での受光感度は10000倍以上であり、4桁以上の感度変化がある。
一方、上記の投受光光学系10Aの構成で、反射光を受光する場合の焦点位置を移動させて、即ち、感度補正を行った場合には、図6(B)に示すように、測定範囲(例えば、1m〜100m)内での相対受光感度は0.4〜3の範囲で変化しており、感度変化の範囲が顕著に狭くなっていることが分かる。この結果から、投受光光学系10Aの感度補正を行うことで、既存の光検出器のダイナミックレンジの範囲で、対象物までの距離に拘らず、対象物までの距離を精度よく測定できることは明らかである。
<距離測定装置(第1の実施の形態)>
次に、上記の「投受光光学系」を備えた距離測定装置の構成の一例について説明する。ここでは、距離測定装置を、レーザ光の直進性を利用して、広い範囲で対象物までの距離を測定できるレーザレーダ装置として構成した例について説明する。図7は本発明の第1の実施の形態に係る距離測定装置の構成の一例を示す概略図である。図8(A)は可動鏡の構成を示す斜視図であり、図8(B)は光導波路の入射端面を示す平面図であり、図8(C)はV字溝による光ファイバとの結合機構を示す斜視図である。また、図9は図7に示す距離測定装置の電気的構成の一例を示すブロック図である。
図7に示すように、距離測定装置30は、可動鏡を有する可動鏡デバイス40、可動鏡で反射された反射光を集光する集光素子50、複数の導波路を有する光導波路素子60、対象物に投光する測定光を出力する光出力部70、対象物で反射された反射光を検出する光検出部80、及び制御部90を備えている。なお、光検出部80は、上述した通り、感度補正された反射光を受光する。可動鏡デバイス40、集光素子50、光導波路素子60、光出力部70、光検出部80、及び制御部90の各々は、筐体32内に収納されている。
また、筐体32は、窓部34を備えている。測定光は、窓部34を通過して対象物に対して投光される。対象物で反射された反射光は、窓部34を通過して受光される。後述する通り、赤外光を射出する半導体レーザ等を光源に使用する場合には、窓部34としては、可視光を遮断する波長フィルタを用いることができる。例えば、窓部34を可視光カットガラスで構成してもよい。
可動鏡デバイス40は、少なくとも1面が反射面とされた平板状の可動鏡42、回転軸Bの周りに回転可能に構成されて可動鏡42を保持する保持台44、及び保持台44を回転駆動するモータ等の駆動部46を備えている。図8(A)に示すように、可動鏡42は、反射面が保持台44の表面と直交するように保持台44に取り付けられている。駆動部46は、制御部90に電気的に接続されている。駆動部46は、制御部90からの制御信号に基づいて、保持台44を回転軸Bの周りに回転駆動する。可動鏡42は、保持台44と共に回転軸Bの周りに回転する。なお、回転方向は、矢印X方向である。
光導波路素子60は、受光用光導波路62及び投光用光導波路64を備えた本体部分と、本体部分に連結された光結合部65とを備えている。光導波路素子60の本体部分は、平面視が矩形状の平板であり、端面60Aと端面60Bとを備えている。光結合部65は、本体部分の端面60Bに連結されている。光導波路は、平板状のクラッド部と、クラッド部内に配置されたコア部とで構成されており、コア部に光を閉じ込めて伝搬させる。以下では、クラッド部内に配置されたコア部を、受光用光導波路62、投光用光導波路64と称する。従って、光導波路の入射端面及び出射端面は、コア部の端面を意味する。後述する光ファイバについても、入射端面及び出射端面はコア部の端面を意味する。
光導波路素子60の端面60Aは、集光素子50の焦点面52に配置されている。図8(B)に示すように、集光素子50側から見ると、受光用光導波路62の入射端面62Aは、焦点面52に配置された端面60Aに露出している。また、投光用光導波路64の出射端面64Aも同様に、焦点面52に配置された端面60Aに露出している。一方、受光用光導波路62の出射端面62Bは、端面60Bに露出している。また、投光用光導波路64の入射端面64Bは、端面60Bに露出している。
光出力部70は、測定光を射出するレーザ光源72、レーザ光源72を駆動する駆動部74、及び測定光を投光用光導波路64に結合する光ファイバ76を備えている。光ファイバ76の入射端面76Aは、レーザ光源72から射出された測定光が入射するように、レーザ光源72に近接して配置されている。光ファイバ76の出射端面76Bは、投光用光導波路64の入射端面64Bに結合されている。結合機構については後述する。
駆動部74は、制御部90に電気的に接続されている。駆動部74は、制御部90からの制御信号に基づいて、レーザ光源72を点灯駆動する。レーザ光源72としては、半導体レーザ(LD)等を使用することができる。例えば、発振波長1.55μmの半導体レーザ等を使用することができる。なお、レーザ光源72には、通常、出力モニタ用の光検出部が内蔵されている。内蔵された光検出部からの検出信号は、測定光の出力信号として駆動部74を介して制御部90に入力される。
光検出部80は、反射光を検出する光検出器82、光検出器82で検出した光信号を電気信号に光電変換する回路部84、及び反射光を光検出器82に結合する光ファイバ86を備えている。光ファイバ86の出射端面86Bは、出射端面86Bから射出された反射光が入射するように、光検出器82に近接して配置されている。光ファイバ86の入射端面86Aは、受光用光導波路62の出射端面62Bに結合されている。
光検出器82としては、フォトダイオード等を使用することができる。例えば、レーザ光源72として発振波長1.55μmの半導体レーザ等を使用する場合には、光検出器82としては、波長1.55μmを含む赤外線に感度を有するフォトダイオード等を使用することができる。回路部84は、制御部90に電気的に接続されている。回路部84で光電変換された電気信号は、検出信号として制御部90に入力される。
ここで、結合機構について説明する。図8(C)に示すように、光導波路素子60の本体部分に連結された光結合部65は、光ファイバ86の入射端部を保持するV字溝66を備えている。光導波路素子60の端面60Bには、受光用光導波路62の出射端面62B(コア端面)が露出している。光ファイバ86の入射端部は、光ファイバ86の入射端面86A(コア端面)の位置が、受光用光導波路62の出射端面62B(コア端面)の位置に合うように、V字溝66により保持されている。
また、光結合部65は、光ファイバ76の出射端部を保持するV字溝68を備えている。光導波路素子60の端面60Bには、投光用光導波路64の入射端面64B(コア端面)が露出している。光ファイバ76の入射端部は、光ファイバ76の出射端面76B(コア端面)の位置が、投光用光導波路64の入射端面64B(コア端面)の位置に合うように、V字溝68により保持されている。
制御部90は、A/D変換器、ROM、RAM等の記憶部、CPU等の中央処理装置を備えている。ROMには、測定対象物までの距離の演算等、種々の処理ルーチンを実行するためのプログラムや各種データ等が記憶されている。RAMは、CPUによって行われる各種演算等を行うメモリ等として使用される。制御部90には、上述した通り、測定光の出力信号、反射光の検出信号が入力される。制御部90に入力されたこれらのアナログ信号は、A/D変換器(図示せず)でデジタル信号に変換され、記憶部(図示せず)に保持される。また、図9に示すように、制御部90には、測定結果等を表示する表示部92が接続されていてもよい。
次に、上記の距離測定装置30の動作について説明する。図10は図7に示す距離測定装置の動作を説明するための概略図である。まず、可動鏡42を第2の位置に移動させる。制御部90は、可動鏡42を第2の位置に移動させるように、可動鏡デバイス40の駆動部46に制御信号を入力する。駆動部46は、制御部90からの制御信号に基づいて、保持台44を回転駆動して、可動鏡42を第2の位置に移動させる。
次に、対象物に対し測定光を投光する。制御部90は、対象物に対し測定光を投光するように、レーザ光源72を駆動する駆動部74に制御信号を入力する。駆動部74は、制御部90からの制御信号に基づいて、レーザ光源72を点灯駆動する。制御部90には、測定光の出力信号が入力される。制御部90は、測定光の出力信号に基づいて、測定光が投光されたタイミングを取得する。
レーザ光源72から射出された測定光は、光ファイバ76及び投光用光導波路64を伝搬して、出射端面64Aから射出される。射出された測定光は、集光素子50で平行光化されて、第2の位置に在る可動鏡42に照射される。照射された測定光は可動鏡42で反射され、窓部34を通過して対象物に対して投光される。
次に、可動鏡42の回転速度等を求める。測定光が投光されたタイミングから、反射光を受光するタイミングを予め求めることができる。反射光を受光するタイミングには、測定範囲の下限距離に在る対象物からの反射光が受光されるタイミングと、測定範囲の上限距離に在る対象物からの反射光が受光されるタイミングとが含まれる。また、各タイミングが分かれば、上記の「具体的な設計例」で説明した通り、距離測定装置の「投受光光学系」の構造に基づいて、可動鏡42の回転を開始するタイミングと、可動鏡42の回転速度とを、予め求めることができる。
本実施の形態では、制御部90は、測定光が投光されたタイミングに基づいて、可動鏡42の回転速度及び可動鏡42の回転開始タイミングを求める。可動鏡42の回転速度等は、各タイミングと回転速度等の関係を予め記憶しておいて、記憶された関係に基づいて求めてもよい。また、可動鏡42の回転速度等は、測定光が投光される度に、演算して求めてもよい。
次に、可動鏡42の第1の位置への移動(即ち、回転)を開始する。制御部90は、測定範囲の上限距離に在る対象物からの反射光が受光されるタイミングに可動鏡42が第1の位置に到達するように、可動鏡デバイス40の駆動部46に制御信号を入力する。駆動部46は、制御部90からの制御信号に基づいて、保持台44を回転駆動して、可動鏡42を一定速度で回転させる。
図10に示すように、第2の位置に在る可動鏡42で反射された高強度の反射光は、集光素子50により集光されて、投光用光導波路64の出射端面64Aの中心位置に在る「第2の焦点位置F2」に焦点を結ぶ。また、第1の位置に在る可動鏡42で反射された微弱な反射光は、集光素子50により集光されて、受光用光導波路62の入射端面62Aの中心位置に在る「第1の焦点位置F1」に焦点を結ぶ。
可動鏡42が一定速度で回転して、第2の位置から第1の位置まで移動することにより、焦点位置が「第2の焦点位置F2」から「第1の焦点位置F1」の方向(図面左側)に移動して、結合効率が徐々に向上する。焦点位置は、「第3の焦点位置F3」を通過して「第1の焦点位置F1」に移動する。そして、測定範囲の上限距離に在る対象物からの反射光が受光されるタイミングで、可動鏡42は第1の位置に到達する。可動鏡42が第1の位置に到達して「第1の焦点位置F1」に焦点を結んだときに、受光用光導波路62への結合効率は最大となる。
対象物で反射された反射光は、窓部34を通過して受光される。受光された反射光は、可動鏡42で反射されて、集光素子50に入射する。集光素子50に入射した反射光は、集光素子50で集光されて、焦点面52に焦点を結ぶ。集光された反射光は、焦点位置に応じた結合効率で、受光用光導波路62の入射端面62Aに結合される。
受光用光導波路62に入射した反射光は、受光用光導波路62及び光ファイバ86を伝搬して、出射端面86Bから射出される。射出された反射光は、光検出器82で検出される。光検出器82で反射光が検出されると、制御部90には、反射光の検出信号が入力される。制御部90は、反射光の検出信号に基づいて、反射光が受光されたタイミングを取得する。
次に、測定対象物までの距離を演算する。制御部90は、取得された測定光の投光タイミングと反射光の受光タイミングとに基づいて、測定光が投光されてから反射光を受光するまでに要した応答時間を計算する。そして、計算された応答時間に基づいて、測定対象物までの距離を演算する。また、演算により得られた測定対象物までの距離を、測定結果として表示部92に表示してもよい。
以上説明した通り、本実施の形態に係る距離測定装置では、可動鏡の回転により焦点位置が「時間」に応じて変化することで、反射光の受光用光導波路への結合効率が「時間」に応じて変化する。換言すれば、可動鏡の回転により焦点位置が「対象物までの距離」に応じて変化することで、反射光の受光用光導波路への結合効率が「対象物までの距離」に応じて変化する。このように、受光パワーを対象物までの距離に応じて変化させることで、対象物までの距離に拘らず、対象物までの距離を精度よく測定することができる。
具体的には、戻り光パワーの大きい「近距離」からの反射光の場合は「結合効率」を小さくして光検出器の飽和を回避し、戻り光パワーの小さい「遠距離」からの反射光の場合は「結合効率」を大きくして高感度化を図り、投受光光学系の感度補正を行っている。投受光光学系の感度補正により、測定範囲(例えば、1m〜100m)内での感度変化の範囲は2桁以下と顕著に狭くなる。従って、投受光光学系の感度補正を行うことで、既存の光検出器のダイナミックレンジの範囲で、対象物までの距離に拘らず、対象物までの距離を精度よく測定できる。
<距離測定装置(第2の実施の形態)>
次に、上記の「投受光光学系」を備えた距離測定装置の構成の他の例について説明する。第1の実施の形態と同様に、ここでは、距離測定装置をレーザレーダ装置として構成した例について説明する。図11は本発明の第2の実施の形態に係る距離測定装置の構成の一例を示す概略図である。図12(A)は投受光モジュールの外観を示す斜視図であり、図12(B)は投受光モジュールの構成を示す模式図であり、図12(C)は反射鏡の構成を示す平面図である。図13(A)〜(C)は投受光モジュールの製造方法を示す工程図である。図15(A)は光検出器の受光開口部を示す概略図であり、図15(B)は受光開口部に対する焦点の位置ずれと結合効率との関係を示す模式図である。
図11に示すように、距離測定装置100は、可動鏡を有する可動鏡デバイス110、測定光を可動鏡に導光すると共に可動鏡で反射された反射光を集光する投受光モジュール120、対象物に投光する測定光を出力する光出力部130、対象物で反射された反射光を検出する光検出部140、及び制御部150を備えている。なお、光検出部140は、上述した通り、感度補正された反射光を受光する。また、ここでの可動鏡は、後述する通り「回転多面鏡」である。可動鏡デバイス110、投受光モジュール120、光出力部130、光検出部140、及び制御部150の各々は、筐体102内に収納されている。
また、筐体102は、窓部104を備えている。測定光は、窓部104を通過して対象物に対して投光される。対象物で反射された反射光は、窓部104を通過して受光される。第1の実施の形態と同様に、赤外光を射出する半導体レーザ等を光源に使用する場合には、窓部104としては、可視光カットガラス等、可視光を遮断する波長フィルタを用いることができる。
可動鏡デバイス110は、ポリゴンミラー等、複数の反射面112を有する回転多面鏡114を備えている。回転多面鏡114は、回転軸Cにより回転軸Cの周りに回転可能に保持されている。また、可動鏡デバイス110は、回転多面鏡114を回転駆動するモータ等の駆動部116を備えている。駆動部116は、制御部150に電気的に接続されている。駆動部116は、制御部150からの制御信号に基づいて、回転多面鏡114を回転軸Cの周りに回転駆動する。なお、回転方向は、矢印Y方向である。
投受光モジュール120は、可動鏡で反射された反射光を集光する機能を有する集光部122、集光部122で集光された反射光を予め定めた方向(図面右側)に反射する反射鏡124、及び集光部122との間に反射鏡124を保持する保持部126を備えている。図12(A)に示すように、投受光モジュール120は、ガラスや光学樹脂等の光学材料で一体に形成された、上面が凸状の角柱形状(例えば、食パンのような形状)の光学素子である。この角柱形状の光学素子を斜めに切断して2つの部材に分けたときに、上面が凸状の一方の部材が集光部122に相当し、底面が平坦な他方の部材が保持部126に相当する。
反射鏡124は、図12(B)に示すように、一方の面が反射面124Aとされた平板状の反射鏡であり、光源(図示せず)から射出された測定光を通過させる開口部124Bを有している。この例では、反射鏡124は平面視が略円形であり、中央部分に開口部124Bが設けられている。反射鏡124は、反射光を予め定めた方向に反射すると共に測定光を通過させる機能を備えていればよく、この形状に限定される訳ではない。
図12(A)及び(B)に示すように、集光部122は上面が凸状の部材である。集光部122は、集光素子(レンズ)としての機能を付与する曲面122A、反射鏡124の反射面124Aに接する斜面122B、及び反射面124Aで反射された反射光を出射する出射面122Cを備えている。集光部122で集光され、反射鏡124の反射面124Aで反射された光は、出射面122C上に焦点を結ぶ。出射面122Cが平面とした場合には、部品が取り付け易く、光検出器142との結合が容易になる。
また、図12(A)及び(B)に示すように、保持部126は底面が平坦な部材である。保持部126は、集光部122の斜面122Bと対向する斜面126A、及び測定光が入射する入射面126Bを備えている。集光部122で集光され、反射鏡124の開口部124Bを通過した光は、入射面126B上に焦点を結ぶ。
後述する通り、光出力部130は、投受光モジュール120の保持部126の入射面126Bに対向するように、入射面126Bの光入射側(図面下側)に配置されている。また、光検出部140(詳しくは、光検出器142の受光側の表面142A)は、投受光モジュール120の集光部122の出射面122Cに対向するように、出射面122Cの側方(図面右側)に配置されている。
ここで、投受光モジュール120の製造方法の一例を簡単に説明する。ここでは、投受光モジュール120を、光学樹脂により一体に形成する場合について説明する。まず、図13(A)に示すように、上面が凸状の部材(集光部122)を射出成形等により形成する。次に、図13(B)に示すように、集光部122の斜面122Bに、反射面124Aが斜面122Bに接するように反射鏡124を装着する。次に、図13(C)に示すように、全体が上述した角柱形状になるように、射出成形等により残りの部分(保持部126)を形成する。
光出力部130は、測定光を射出するレーザ光源132、及びレーザ光源132を駆動する駆動部134を備えている。光出力部130は、投受光モジュール120の保持部126の入射面126Bに対向するように配置されている。駆動部134は、制御部150に電気的に接続されている。駆動部134は、制御部150からの制御信号に基づいて、レーザ光源132を点灯駆動する。レーザ光源132としては、半導体レーザ(LD)等を使用することができる。
光検出部140は、反射光を検出する光検出器142、及び光検出器142で検出した光信号を電気信号に光電変換する回路部144を備えている。光検出器142としては、フォトダイオード(PD)等を使用することができる。回路部144は、制御部150に電気的に接続されている。回路部144で光電変換された電気信号は、検出信号として制御部150に入力される。
図15(A)に示すように、光検出器142の受光側の表面142Aは、電極142Bで囲まれた受光領域(受光開口部)142Cを有している。受光開口部142Cは、予め定めた面積とされている。この例では、平面視が略円形の受光開口部142Cを形成するように、光検出器142の表面142Aに電極142Bが配置されている。図15(B)に示すように、この受光開口部142Cは、第1の実施の形態における受光用光導波路の入射端面(コア)と同様の役割を果たす。例えば、受光開口部142Cの中心位置から距離dだけ離間した位置に集光されたガウシアンビームの結合効率ηは、上記式(1)で表され、図5に示すように距離d(ずれ)に応じて変化する。
光検出器142の表面142Aは、投受光モジュール120の出射面122Cから射出された反射光が入射するように、出射面122Cに近接して配置されている。また、光検出器142の表面142Aは、投受光モジュール120の出射面122Cに対向するように配置されている。なお、制御部150は、第1の実施の形態と同様の構成であるため説明を省略する。また、制御部150には、表示部が接続されていてもよい。
次に、上記の距離測定装置100の動作について説明する。図14は図11に示す距離測定装置の動作を説明するための概略図である。回転多面鏡114は回転軸Cの周りに回転するのであるが、便宜上、ここでは1つの反射面112が回転軸Dの周りに回転するように図示している。
まず、反射面112を第2の位置に移動させる。制御部150は、反射面112を第2の位置に移動させるように、可動鏡デバイス110の駆動部116に制御信号を入力する。駆動部116は、制御部150からの制御信号に基づいて、回転多面鏡114を回転駆動して、反射面112を第2の位置に移動させる。
次に、対象物に対し測定光を投光する。制御部150は、対象物に対し測定光を投光するように、レーザ光源132を駆動する駆動部134に制御信号を入力する。駆動部134は、制御部150からの制御信号に基づいて、レーザ光源132を点灯駆動する。制御部150には、測定光の出力信号が入力される。制御部150は、測定光の出力信号に基づいて、測定光が投光されたタイミングを取得する。
レーザ光源132から射出された測定光は、保持部126の入射面126Bから投受光モジュール120に入射する。入射した測定光は、反射鏡124の開口部124Bを通過して、集光部122で平行光化されて、第2の位置に在る反射面112に照射される。照射された測定光は反射面112で反射され、窓部104を通過して対象物に対して投光される。
次に、回転多面鏡114の回転速度等を求める。本実施の形態では、制御部150は、測定光が投光されたタイミングに基づいて、回転多面鏡114の回転速度及び回転開始タイミングを求める。なお、これらを求める原理は、第1の実施の形態と同様であるため説明は省略する。
次に、反射面112の第1の位置への移動(即ち、回転)を開始する。制御部150は、測定範囲の上限距離に在る対象物からの反射光が受光されるタイミングに反射面112が第1の位置に到達するように、可動鏡デバイス110の駆動部116に制御信号を入力する。駆動部116は、制御部150からの制御信号に基づいて、回転多面鏡114を回転駆動して、回転多面鏡114を一定速度で回転させる。
図14に示すように、第2の位置に在る反射面112で反射された高強度の反射光は、投受光モジュール120の集光部122で集光され、反射鏡124の開口部124Bを通過して、保持部126の入射面126B上に在る「第2の焦点位置F2」に焦点を結ぶ。また、第1の位置に在る反射面112で反射された微弱な反射光は、投受光モジュール120の集光部122で集光され、反射鏡124の反射面124Aで反射されて、出射面122C上に在る「第1の焦点位置F1」に焦点を結ぶ。
回転多面鏡114が一定速度で回転して、反射面112が第2の位置から第1の位置まで移動することにより、焦点位置が移動して結合効率が徐々に向上する。この例では、焦点面が2面あり、反射面112が移動することにより焦点面が切り替わる。具体的には、保持部126の入射面126B上に在る「第2の焦点位置F2」から、集光部122の出射面122C上に在る「第3の焦点位置F3」を通過して、集光部122の出射面122C上に在る「第1の焦点位置F1」まで、焦点位置が移動する。
第1の実施の形態と同様に、測定範囲の上限距離に在る対象物からの反射光が受光されるタイミングで、反射面112は第1の位置に到達する。反射面112が第1の位置に到達して「第1の焦点位置F1」に焦点を結んだときに、受光用光導波路146への結合効率は最大となる。
対象物で反射された反射光は、窓部104を通過して受光される。受光された反射光は、回転多面鏡114の反射面112で反射されて、集光部122の曲面122Aから投受光モジュール120に入射する。投受光モジュール120に入射した反射光は、集光部122で集光され、反射鏡124の反射面124Aで反射されて、集光部122の出射面122Cに焦点を結ぶ。集光された反射光は、焦点位置に応じた結合効率で、光検出器142の受光開口部142Cに結合される。
受光開口部142Cから入射した反射光は、光検出器142で検出される。光検出器142で反射光が検出されると、制御部150には、反射光の検出信号が入力される。制御部150は、反射光の検出信号に基づいて、反射光が受光されたタイミングを取得する。
次に、測定対象物までの距離を演算する。なお、測定対象物までの距離を演算する方法は、第1の実施の形態と同様であるため説明は省略する。
以上説明した通り、本実施の形態に係る距離測定装置では、第1の実施の形態と同様に、回転多面鏡の回転により焦点位置が「対象物までの距離」に応じて変化することで、反射光の受光用光導波路への結合効率が「対象物までの距離」に応じて変化する。このように、投受光光学系の感度補正を行って、受光パワーを対象物までの距離に応じて変化させることで、既存の光検出器のダイナミックレンジの範囲で、対象物までの距離に拘らず、対象物までの距離を精度よく測定することができる。
また、本実施の形態に係る距離測定装置では、測定光を可動鏡に導光すると共に可動鏡で反射された反射光を集光する投受光モジュールを用いている。この投受光モジュールを用いた場合には、光出力部及び光検出部を投受光モジュールに対し異なる方向に配置できるので、距離測定装置の小型化を図ることができる。