JP5732891B2 - 電界プローブ及び電界測定装置 - Google Patents
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Description
近傍界の電界を把握するための手法としては、電界プローブ及び測定器(スペクトラムアナライザやオシロスコープ等)を用いた手法が知られている。すなわち、同軸型の探針を用いて電磁波の放射源に対して非接触の状態で電界の変動を検出し、これを測定器で分析するものである(例えば、特許文献1参照)。電界の強度分布を測定することで、電磁波の放射状態を観察することが容易となり、例えばプリント回路基板の回路設計や電子部品の選定にこれを役立てることができる。
しかし、電界プローブの先端にはz軸方向の成分だけでなくx軸,y軸方向の電界成分が作用し、三軸の電界成分が反映された電界が検出されることになる。つまり、電界のx軸成分やy軸成分の存在によって正確なz軸成分の値が不明確となり、このことが放射源の位置の特定を困難にしているという実情がある。
また、前記目的に限らず、後述する「発明を実施するための形態」に示す各構成により導かれる作用効果であって、従来の技術によっては得られない作用効果を奏することも本件の他の目的として位置づけることができる。
図1は、実施形態に係る電界測定装置10の構成を例示する斜視図である。この電界測定装置10は、例えば電子部品を実装したプリント回路基板12や、電子回路を内蔵した家電機器,コンピュータ,無線送受信装置,携帯電話機といった電子機器類の近傍における電界を測定するものであり、スペクトラムアナライザ6(計測装置)及び電界プローブ1を備える。
電界プローブ1は、探査対象と非接触状態で電界を検出する同軸型のプローブであり、電界プローブ1の先端部近傍に作用した電界強度の変化に対応する信号を出力するものである。この電界プローブ1は、図2(a),(b)に示すように、中心導体2,誘電体3,外導体4及び損失性材料部5を有する。
外導体4は、円筒状の導体として形成され、中心導体2と同軸に配置された部位である。外導体4は、その中心軸が中心導体2の中心軸Cに一致するように配置され、内部に中心導体2を挿通した状態で誘電体3を介して中心導体2と一体に固定される。外導体4は、中心導体2に入力される電界の基準電位(グランド)を規定する機能を持つ。なお、中心導体2と同様に、導体損失の低い物質で外導体4を形成することが好ましい。
誘電体3は、中心導体2及び外導体4間に充填された絶縁物からなる層である。誘電体3の比誘電率は、電界プローブ1に要求される特性インピーダンスに応じて設定される。なお、特性インピーダンスは、外導体4の内径と中心導体2の外径との比、及び、誘電体3の比誘電率によって定められる。
外導体4と損失性材料部5との接触状態は、密嵌状態としてもよいし、着脱自在に摺接させてもよい。この損失性材料部5は、電磁波を吸収して熱エネルギーに変換する機能を持った損失性材料を含む層とする。損失性材料は、エネルギーの変換メカニズムの相違により、おもに磁性損失材料と誘電性損失材料との二種類に分類される。
[2−1.理論値]
上記の電界プローブ1による電界測定の数値解析モデルとして用意されたマイクロストリップライン9(電磁波伝送路)を図3に例示する。このマイクロストリップライン9は、誘電体からなる基板8の上面に直線状の導体線路7を設けたものである。また、基板8の下面は全面グランドである。この数値解析に際し、マイクロストリップライン9の基板幅を200[mm],厚さを1[mm] ,導体線路7の幅を2[mm]に設定し、基板端部で導体線路7を終端させた。なお、基板の比誘電率は4とした。
図4に太実線で示すように、数値解析による電界強度の理論値は、距離x=0で最大値をとり、距離xが増大するに連れて減少する。また、x=x1で極小値,x=x2で極大値をとり、距離x2よりも遠方では大きく減衰する。
次に、上記の数値解析モデルに対し、従来の同軸型プローブに相当する比較用プローブ11を適用した場合に検出される電界強度の推定値を数値解析し、比較用プローブ11の侵襲性を確認した。この解析で想定した比較用プローブ11は、前述の電界プローブ1から損失性材料部5を取り除いたものに相当する。すなわち、比較用プローブ11は、上述の中心導体2,誘電体3及び外導体4を有するプローブとした。また、比較用プローブ11の諸元は、外径1[mm],長さ48[mm],中心導体の直径を0.27[mm],誘電体の比誘電率を2.2とした。比較用プローブ11による走査方向は、図3に示すように、導体線路7の直上方(x=0)を始点とするx軸方向とした。なお、比較用プローブ11の配置方向は、z軸方向(板面に垂直)とした。
続いて、上記の数値解析モデルに対し、上述の電界プローブ1を適用した場合に検出される電界強度の推定値を数値解析し、電界プローブ1の非侵襲性を確認した。ここで想定した電界プローブ1は、上記の比較用プローブ11の先端に損失性材料部5を装荷したものである。ここでは損失性材料部5の外径を11[mm]とし、長さを25[mm]とした。また、損失性材料部5の化学的組成は磁性損失材料とし、比透磁率を次式で与えた。また、比誘電率は15とし、導電率を0.002[S/m]とした。なお、数式中の各パラメータは、μS=500,t0=8[ns]とした。
電界測定時におけるマイクロストリップライン9の近傍界におけるxz平面内での電界分布の解析結果を図5に示す。図5(a)は、導体線路7の直上部に比較用プローブ11が位置する状態での電界分布であり、図5(b)は、電界プローブ1の場合のものである。なお、図5(a),(b)中の矢印の向きが電界の向きを表し、矢印の大きさが電界強度を表す。
上記の数値解析モデルに基づき、上述の電界測定装置10を用いた電界の実測結果を図6に示す。実測に際し、図3のモデルと同様のマイクロストリップライン構造の高周波回路を作成し、導体線路7に高周波信号発生器を接続して電界を形成した。また、実測用の電界プローブ1の損失性材料部5には、解析時のものと同等寸法のゴムフェライトを使用した。実測用の比較用プローブ11には、実測用の電界プローブ1からゴムフェライトを取り除いたものを使用した。なお、図6中の太実線は、図4中の太実線と同一のものを示し、細実線が実測用の電界プローブ1で実測された電界強度を示し、破線が比較用プローブ11で実測された電界強度を示す。
図4及び図6に示すグラフが類似していることから、上記の数値解析モデルに基づくコンピュータ解析が妥当であることが確認される。さらに、図6中に細実線で示す実測結果を踏まえると、ゴムフェライトを外導体4の外周に装荷することによって中心導体2に作用する電界のEx成分が減少し、Ez成分の検出精度が向上していることがわかる。
開示の電界プローブ1によれば、外導体4の外周面4bを損失性材料部5で被覆することにより、外導体4の外表面4bへの電気力線の回り込みを抑制することができ、測定対象の電界に対する電界プローブ1の非侵襲性を向上させることができる。
また、損失性材料部5に含まれる損失性材料により、外導体4の外周面4bよりも外側での電界変動を抑制することができる。これにより、中心導体2に作用する電界のEx成分を減衰させることができ、電界プローブ1による電界の測定精度を向上させることができる。
開示の実施形態の一例に関わらず、本実施形態の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。本実施形態の各構成及び各処理は、必要に応じて取捨選択することができ、あるいは適宜組み合わせてもよい。以下の変形例において、上述の実施形態と同一の要素については同一の符号を用いて説明を省略する。
また、図7(b)に示すように、外導体4の先端4a側ほど外径が拡径した形状としてもよい。すなわち、検出対象に近い(電界から受ける影響が大きい)損失性材料部5の先端の厚みを大きくすることにより、中心導体2に作用しうる電界のEx成分への減衰効果を向上させることができ、電界プローブ1の非侵襲性をさらに向上させることができる。
なお、図7(d)に示すように、損失性材料部5の縮径部53を他の部位よりも電磁波の吸収率が高い材料で形成してもよい。これにより、電界プローブ1の利便性を向上させつつ非侵襲性を向上させることができる。
また、上述の実施形態では、図2(b)に示すように、中心導体2,誘電体3,外導体4及び損失性材料部5が同心円状に配置されたものを例示したが、これらの各要素の断面形状や外形状はこれに限定されない。例えば、各要素の断面形状を多角形状にしてもよいし、あるいは電波吸収性を考慮して、損失性材料部5の外表面に凹凸を設けてもよい。
2 中心導体
3 誘電体
4 外導体
5 損失性材料部
6 スペクトラムアナライザ(計測装置)
10 電界測定装置
Claims (5)
- 中心導体と、
前記中心導体の外周に設けられた誘電体と、
前記誘電体の外周に設けられた外導体と、
前記外導体の外周面を被覆し電磁波を吸収する損失性材料部とを備え、
前記外導体の先端と前記損失性材料部の先端とが同一平面上に位置するとともに、
前記損失性材料部が、前記外導体の端部側ほど前記電磁波の吸収率が高く設定されている
ことを特徴とする、電界プローブ。 - 前記損失性材料部が、磁性損失材料を含有する
ことを特徴とする、請求項1記載の電界プローブ。 - 前記損失性材料部が、誘電性損失材料を含有する
ことを特徴とする、請求項1又は2記載の電界プローブ。 - 前記損失性材料部が、前記外導体の端部側ほど細い形状である
ことを特徴とする、請求項1〜3の何れか1項に記載の電界プローブ。 - 電界強度に応じた信号を出力する電界プローブと、前記電界プローブから出力された信号の強度を表示する計測装置とを備えた電界測定装置において、
前記電界プローブが、
軸状の中心導体と、
前記中心導体の外周に設けられた誘電体と、
前記誘電体の外周に設けられた外導体と、
前記外導体の端部における外周面を被覆し電磁波を吸収する損失性材料部と、を有し、
前記外導体の先端と前記損失性材料部の先端とが同一平面上に位置するとともに、
前記損失性材料部が、前記外導体の端部側ほど前記電磁波の吸収率が高く設定されている
ことを特徴とする、電界測定装置。
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