JP5732887B2 - フレームメモリ制御装置 - Google Patents
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Description
また、投影時の歪み補正について、MEMSミラーを用いたレーザー照射型の小型プロジェクターによる歪み補正方式が提案されている。また、共振型MEMSミラーを用いたレーザープロジェクターにおける歪み補正方式において、フリースキャン方式でも安価なメモリをフレームバッファとして使用する技術が提案されている。
図6(b)は特許文献1の説明図である。共振型光スキャナを使うため、X(横)方向の走査が若干斜めになり、Y(縦)方向のスキャン動作を遅くすることによって複数ラインを跨がない構成としている。しかし、次のような問題が有る。
1)Y(縦)方向のスキャンを遅くすることは共振型光スキャナでは不可能で、電磁型等構造的に大きな光スキャナを選ばなければならないため、共振型の小型という特徴が失われる。
2)画角を大きく取るために拡大光学系を導入すると、走査線が湾曲することになり、1方向の走査では対応出来ない。
図6(d)はフリースキャンの場合の走査線の説明図である。X・Y両方とも共振型の光スキャナではY(縦)方向の走査周波数を物理的に小さくできないため、X(横)方向への走査中にもY(縦)方向の変化が発生する。
この状態をフリースキャンと言う。拡大光学系を用いた歪みが大きい場合や、主走査/副走査共に共振型光スキャナを用いたなフリースキャンの様なアドレス変化の激しいメモリアクセスの場合、単純なバーストアクセスではパフォーマンスが出ない。これを解決する技術として同一出願人より、メモリアクセスで単純なバーストアクセスではなく、入力画像、出力画像の状況に合わせた効率的なメモリアクセスについて提案している。
このメモリコントローラは、1ラインの数画素ずつを連続アクセスすることを想定しており、複数ラインの同時読出しはできない。複数ライン分を読み出す場合、相応の読出し時間が必要になる。例えば3ライン分なら、3倍であるが、この読出し時間はプロジェクターシステムとしては致命的に遅い時間である。複数ラインを使用する画像補整の場合、画像補整で参照するためのデータを複数ライン分どこかに持つ必要がある。
図8は複数ラインの画像補整回路44へ3ラインのデータを渡す出力側バッファの例を示す図である。各構成については後述するので説明を省略する。
しかし、光学系の歪みが大きい場合や、共振型光スキャナがフリースキャンである場合には、画像データをライン順次で読み出さないため、図9のラインバッファをカスケード結合する方法では実現できない。その理由は、X(横)方向のスキャンはY(縦)方向に移動しながら行われるため、直前のライン(N−1ライン目)のデータが読み出されていない場合が多く、順送りに保存しても意味をなさないためである。
また、従来技術として特許文献1には、走査線の間隔偏りによる解像度低下を抑止する目的で、共振型光スキャナを用いたレーザープロジェクター装置について開示されている。この発明によると、往復走査による描画において、共振型光スキャナの特性である斜めの描画による画像劣化に対応するために、奇数フレームと偶数フレームの走査開始位置を逆位相とする構成と、前後のラインデータから実際に描画する位置のデータを係数テーブルで計算して描画することにより、画像を補整する構成について開示されている。
また、特許文献1に開示されている従来技術は、複数ラインのデータを用いて画像補整する点では本発明と類似しているが、共振型光スキャナのフリースキャン動作における複数ラインのデータを保持できないという問題は解消できていない。
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、共振型MEMSミラーを用いたレーザープロジェクターにおける歪み補正方式において、フレームバッファ読出しデータに対して複数ラインの画像補整処理を実現することが可能なフレームメモリ制御装置を提供することを目的とする。
本発明のフレームメモリ制御装置は、従来の回路に入力側バッファに記憶され、且つX座標が共通する複数ラインの画像データをフレームメモリの同一ラインに組み込むパッキング回路と、アンパッキング回路により復元された画像データを読出しアドレス生成回路から受け取った画像補整の係数に基づいて補整する画像補整回路とを更に備えている。これにより、フレームメモリへ画像を書き込む際に、現在ラインを含む複数ラインを同時に書き込むことによって、フレームメモリから画像を読み出す際に少ないアクセスで現在ラインを含む複数ラインを同時に読み出すことができる。
現在ラインに対して前後のラインが最も現在ラインに影響を与えるラインといえる。従って、現在ラインとその前後のラインを同時に書き込むことによって、フレームメモリから画像を読み出す際に少ないアクセスで処理することができる。
請求項3は、前記パッキング回路を前記入力側バッファ内に備え、前記アンパッキング回路を前記出力側バッファ内に備えたことを特徴とする。
入力側バッファには、現在ラインを含む複数ラインのバッファがあり、それらのバッファから、同時に読み出してデータを1ラインにパッキングしてアービタに出力する。また、出力側バッファには、アービタからパッキングされたデータを入力するので、そのデータを複数のラインデータに復元する必要がある。これにより、従来の構成を大きく変更することなしに、フレームメモリ制御装置を構成することができる。
アドレス演算は、入力として、X、Yそれぞれのクロックカウント値、MEMS振動周期でラップする。現在の実装では100MHzでカウントしている。中間値としては、出力するべき入力画像内の画素位置であり、出力としては、DDRメモリアドレスとなる。演算式は下記のような4次の多項式を用いて計算する。
入力座標(x,y)→出力座標(x’,y’)
x’=(dx1*y^2+dx2*y+dx3)*x+(dx4*y^2+dx5*y+dx6)
y’=(dy1*x^2+dy2*x+dy3)*y^2+(dy4*x^2+dy5*x+dy6)*y+(dy7*x^2+dy8*x+dy9)
入力パラメータdx1〜dx6、dy1〜dy6として、64bit値(整数12bit/小数48bit)を用いて演算するが、演算結果となる(x’,y’)も整数値になるわけではなく、小数点以下を含んだ値になる。
本発明では、手段1として、フレームメモリ12にデータを書き込む際に必要な複数ラインを一緒に書き込む。手段2として、フレームメモリ12からデータを読み出す際に必要な複数ラインを一緒に読み出すことで解決する。以下、手段1について説明する。
1)Video入力2から入力されたデータは、“N+1ライン目のデータ“がラインバッファ15に保存される。
2)ライン同期信号が入力されると、Video入力2から入力されたデータは、“N+1ライン目のデータ“がラインバッファ15に保存される。“N+1ライン目のデータ”のラインバッファ15から読み出されたデータは“Nライン目のデータ”のラインバッファ16へ保存される。
3)次のライン同期信号が入力されると、Video入力2から入力されたデータは”N+1ライン目のデータ”のラインバッファ15へ保存される。“N+1ライン目のデータ”のラインバッファ15から読み出されたデータは“Nライン目のデータ”のラインバッファ16へ保存され、“Nライン目のデータ”のラインバッファ16から読み出されたデータは“N−1ライン目のデータ”のラインバッファ17へ保存される。
このパッキングを用いると保存するデータ量2倍から2.7倍程度に増えるが、現在主流のDRAMである、DDR2、DDR3メモリを使用する場合には容量単価が十分に安く、問題にならない。
尚、SVGA表示に必要なメモリ容量:800x600x24bit=11.52Mbit、XGA表示に必要なメモリ容量:1024x768x24bit=18.88Mbitとなり、書込みにともなうデータ転送量も2倍(32bit時の例)から2.7倍(64bit時の例)程度に増えるが、連続アドレスであるためバーストアクセスが可能であり、書込みライン変更によるDRAMアクセスオーバーヘッドが無いため問題にはならない。
ここで、MはX座標、NはY座標になり、これを一般化して表記している。例えば、100ライン目でライン開始点から150画素目であれば(150、100)であるので、M=150、N=100となる。
つまり、図2、3は、X座標値が同じ(M)で、Y座標値が現在ライン(N)と、現在ラインから±1(N±1)のデータを1ワードにパッキングして保存することを示している。
アービタ5からの入力データ14は手段1で説明した書込み時のパッキングデータであるので、前後のラインのデータと合わせて読み出される。これを数画素以上蓄積した上で、画像補整回路9に入力する。
現在の実装では100MHzでカウントしている。中間値としては、出力するべき入力画像内の画素位置であり、出力としては、DDRメモリアドレスとなる。
演算式は下記のような4次の多項式を用いて計算する。
入力座標(x,y)→出力座標(x’,y’)
x’=(dx1*y^2+dx2*y+dx3)*x+(dx4*y^2+dx5*y+dx6)
y’=(dy1*x^2+dy2*x+dy3)*y^2+(dy4*x^2+dy5*x+dy6)*y+(dy7*x^2+dy8*x+dy9)
入力パラメータdx1〜dx6、dy1〜dy6として、64bit値(整数12bit/小数48bit)を用いて演算するが、演算結果となる(x’,y’)も整数値になるわけではなく、小数点以下を含んだ値になる。
尚、Video入力2は入力側バッファ4に入力され、画像補整回路9により補整された画像データはVideo出力10から出力される。また、本発明では、入力側バッファ4、出力側バッファ7、アービタ5、及びメモリコントローラ6をメモリ制御ブロック3と呼び、その他に、読出しアドレス生成回路8、及び画像補整回路9を1チップのASIC1として構成している。
Claims (4)
- 複数ラインの入力画像データを一時的に記憶する入力側バッファと、メモリへの読み書きを調停するアービタと、該アービタから入力された複数ラインの画像データを一時的に記憶して出力する出力側バッファと、前記アービタにより調停された前記画像データを保存するフレームメモリと、前記出力側バッファ内に記憶された画像データの読み出しアドレスを生成する読出しアドレス生成回路と、を備えた共振型光スキャナを用いたレーザープロジェクター装置のフレームメモリ制御装置であって、
前記入力側バッファに記憶され、且つX座標が共通する前記複数ラインの画像データを前記フレームメモリの同一ラインに組み込むパッキング回路と、
前記パッキング回路によりパッキングされた画像データを前記フレームメモリより読み出して現在ラインを含む複数ラインの画像データに復元するアンパッキング回路と、
該アンパッキング回路により復元された画像データを前記読出しアドレス生成回路から受け取った画像補整の係数と、前記現在ラインの画像データおよび前記現在ラインに前後する画像データと、に基づいて補整する画像補整回路と、
を備えたことを特徴とするフレームメモリ制御装置。 - 前記複数ラインは、前記現在ラインをNラインとした場合、該Nライン、N−1ライン、及びN+1ラインの少なくとも3ラインであることを特徴とする請求項1に記載のフレームメモリ制御装置。
- 前記パッキング回路を前記入力側バッファ内に備え、前記アンパッキング回路を前記出力側バッファ内に備えたことを特徴とする請求項1に記載のフレームメモリ制御装置。
- 前記画像補整の係数は、前記アドレス生成回路により生成するアドレス値の演算結果から得られる小数点以下の値であることを特徴とする請求項1に記載のフレームメモリ制御装置。
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