JP5116740B2 - 画像処理装置、画像処理方法及び画像表示装置 - Google Patents

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Description

本発明は、光学系を備えた画像投射手段によって投射用画像を投射面に投射する画像表示装置において、表示部に前記投射用画像を出力する画像処理装置に関するものである。
液晶プロジェクタ装置やリアプロジェクションテレビ等の投射型表示装置においては、投射する光源とスクリーンの位置関係、あるいは、光学系が持つ収差などに起因する画像歪(キーストーン歪)が発生する。この歪を補正するため、歪と逆特性の変換を施した画像を投射する方法が知られている。
その方法の一つに、電気的な信号処理によって画像を補正する方法があり、特許文献1に記載された液晶プロジェクタ装置においては、キーストーン歪の補正として、入力映像信号の走査線内の画素の隣接画素間を直線補間処理している。
特開平8−102900号公報(段落0047、図3)
しかしながら、上記のような従来の技術では、補間の際に選択されるフィルタの周波数特性に起因した模様が現れることがあり、画像の品質上問題となることがある。
この発明は、上述のような課題を解消するためになされたもので、本発明の画像処理装置は、
互いに異なる第1の方向及び第2の方向にマトリクス状に配列された画素を持つ入力画像から、前記入力画像の少なくとも一部を拡大又は縮小した出力画像を生成する画像処理装置であって、
記拡大又は縮小のために前記入力画像内で参照する位置に画素が存在すると仮定し求めた画素値を前記出力画像の画素値とることで前記入力画像の少なくとも一部を拡大又は縮小するものであり、
前記入力画像の各画素の画素値を保持する画像データ記憶手段と、
前記入力画像を構成する画素及び前記出力画像を構成する画素の前記第1の方向の間隔を「1」とした単位系とし、前記出力画像の少なくとも一部の画素を代表画素とし、該代表画素の各々について、前記代表画素の前記第1の方向の座標前記代表画素に対応する前記入力画像の位置であって前記拡大又は縮小のために前記入力画像で参照する位置の前記第1の方向の座標との差を補正値として保持する補正値記憶手段と、
前記出力画像の各画素について、その画素の画素値を求めるために、前記出力画像の各画素に対応する前記入力画像で参照する位置を、前記補正値を用いた補間演算によって求め、参照画素位置として出力する参照画素位置計算手段と、
前記出力画像の各画素について、前記補間演算に用いた前記補正値が全てゼロである場合、第1の値を出力し、それ以外の場合、第2の値を出力する判定手段と、
前記出力画像の各画素について、前記参照画素位置の近傍に位置する複数の画素の画素値を、前記画像データ記憶手段から読み出す画像データ読み出し手段と、
前記出力画像の各画素について、第1の補間係数を求める補間係数決定手段と、
前記複数の画素の画素値と前記第1の補間係数から、前記出力画像の画素値を求める補間演算手段とを備え、
前記補間係数決定手段は、前記判定手段の出力が第1の値の場合、前記第1の補間係数によって表される線形フィルタの周波数応答を全ての周波数に対して1とし、前記判定手段の出力が第2の値の場合、前記第1の補間係数によって表される線形フィルタの周波数応答を少なくとも一部の周波数領域において1未満とする
ことを特徴とする。
本発明によれば、補間係数決定手段において、判定手段の出力に基づき補間係数が適宜変更されるので、補間の際に選択されるフィルタの周波数特性に起因した模様が現れず、画像の品質を向上させることができる。
本発明の実施の形態1に係る画像処理装置を示すブロック図である。 プロジェクションテレビの構成例を示すブロック図である。 (A)及び(B)は、光学系による歪みの一例を示す図である。 図3(A)及び(B)に示す歪みと逆の歪みを示す図である。 図4に示す、逆の歪みを与えるための補正を行なう際に参照する画素を示す図である。 補正値記憶手段2Hに保持されるデータを示す図である。 補間係数C6A(i)の一例を示す図である。 異なる条件下で用いられる、補間係数C6A(i)および補間係数C6(i)を示す図である。 異なる周波数応答RES1、RES2を示す図である。 (A)及び(B)は、周波数応答の違いによって生じる不具合を説明する図である。 本発明の実施の形態2に係る画像処理装置を示すブロック図である。 (A)及び(B)は、光学系による歪みの他の例を示す図である。 図12(A)及び(B)に示す歪みと逆の歪みを示す図である。 図13に示す、逆の歪みを与えるために参照する画素を示す図である。 本発明の実施の形態3に係る画像処理方法のフローを示す図である。 本発明の実施の形態4に係る画像処理方法のフローを示す図である。 本発明の実施の形態5に係る画像表示装置を示すブロック図である。 図18は図15に示す画像処理方法を実行することが出来る画像処理装置の一例を示すブロック図である。
実施の形態1.
図1は本発明の実施の形態1による画像処理装置の構成を表す図である。図示の画像処理装置U0は、画像データ記憶手段1、補正値記憶手段2H、参照画素位置算出手段3H、判定手段4H、画像データ読み出し手段5H、補間係数決定手段6H、補間演算手段7H及び制御手段8を備える。制御手段8は、画像データ記憶手段1、補正値記憶手段2H、参照画素位置算出手段3H、判定手段4H、画像データ読み出し手段5H、補間係数決定手段6H、及び補間手段7Hを制御して、これを互いに協調して動作させる。制御手段8から各手段への制御信号線は図示が省略されている。
補間係数決定手段6Hは、補間係数演算手段6HA及び係数切り替え手段6HBを含む。
図1に示す画像処理装置は、例えば図2に示すリアプロジェクションテレビ等の投射型表示装置に代表される画像表示装置の一部として用いることができる。
図2に示すリアプロジェクションテレビは、図1に示す画像処理装置U0と、画像投射手段U1と、投射面U2とを備え、画像投射手段U1は、光源U1A、及び光学系U1Bを有する。光学系U1BはミラーU1B1及びレンズU1B2を含む。
図2に示すリアプロジェクションテレビでは、入力画像DINに対応した映像が以下の手順により投射面U2に投射される。まず、画像処理装置U0から入力画像DINに対して後述の処理を行った画像DU0を出力される。
次に光源U1Aから画像DU0に応じた光が出力され、光源U1Aから出力された光がミラーU1B1及びレンズU1B2を含む光学系U1Bを介して投射面U2に映し出される。
ここで、光学系U1Bは第1の方向例えば水平方向に関して歪みを持っているものとする。図3(A)及び(B)はこの歪みを模式的に表す図である。すなわち、図3(A)に示すような水平、垂直の直線からなる格子状の画像を光学系U1Bによって投射面U1Cに投射すると、投射面U1Cには図3(B)に示すように、格子が台形状に歪んだ画像が表示される。なお、図3(B)中に示される点線PAは、台形状の画像の上辺が投射面の幅に一致するように調整した場合に、投射面U2に表示される画像の範囲を表すものである。
このように、図2に示すリアプロジェクションテレビでは、画像投射手段U1内の光学系U1Bによって歪んだ画像が投射面U2に映し出される。したがってあらかじめ画像処理装置U0において、図4に示すような、光学系U1Bによる歪みと逆の特性で入力画像DINを歪ませた画像DU0(図4にはその範囲を符号PBで示す)を生成し、画像投射手段U1に入力すれば、投射面U2には見かけ上歪みのない状態で入力画像DINが映し出されることになる。
入力画像DINを歪ませることは、入力画像DINの少なくとも一部を水平方向に拡大又は縮小することで実現できる。このような拡大或いは縮小は、入力画像DINに対して座標変換を行って出力画像DU0を得ることで達成される。
上記のように、入力画像DINを光学系U1Bによる歪みと逆の特性で入力画像DINを歪ませた(歪み補正した)画像を生成することができるので、投射面U2には見かけ上、歪みのない状態で入力画像DINが映し出されることになる。
図1に示した画像処理装置の動作についてさらに詳しく説明する。図1に示した画像処理装置では入力画像D0(図2に示す入力画像DINに相当)に対し、補間及び座標変換を行って、出力画像D7(図2に示す画像DU0に相当)が生成され、出力される。
画像データ記憶手段1には入力画像D0の各画素の画素値が保存される。入力画像D0は、互いに異なる第1の方向(例えば水平方向)及び第2の方向(例えば垂直方向)にマトリクス状に配列された画素を持つものであり、画像処理装置で生成される出力画像D7も、入力画像D0と同様に、互いに異なる第1の方向(例えば水平方向)及び第2の方向(例えば垂直方向)にマトリクス状に配列された画素を持つものである。
入力画像及び出力画像における画素の位置は二次元座標で表わされ、そのような座標系において、座標値の差で表わされる前記画素の前記第1の方向の間隔が「1」であり、座標値の差で表わされる前記画素の前記第2の方向の間隔が「1」である。
補正値記憶手段2Hには、光学系U1Bによって生じる歪みを補正するために参照するべき(あるいは存在を仮定する)画素の位置に関するデータが保持されている。
この参照するべき画素の位置に関するデータは、出力画像の画素の少なくとも一部について、画像の拡大、縮小のための座標変換前の座標位置を表すデータであり、例えば、出力画像の画素の位置に対する相対的位置を表すものであり、相対的位置は、具体的には、位置の差分で表される。この差分に応じた拡大、縮小を行うことで、歪みの補正が行われるので、この差分は、「歪み補正値」とも呼ばれる。
図5は参照するべき画素の位置(座標変換前の画素位置)について説明する図であり、最も上側に水平座標が示され、その下に、入力画像D0のある行内の画素位置(座標変換前の画素位置)と、出力画像D7の同じ行内の画素位置(座標変換後の画素位置)が示されている。
図5から、出力画像D7において水平座標が値Ahより左側の画素は、入力画像D0中の自身より左側の画素を参照すればよく、水平座標が値Bhより右側の画素は、入力画像D0中で自身より右側の画素を参照すればよく、水平座標が値Ahから値Bhまでの画素は、入力画像D0中の、自身と同一位置の画素を参照すればよいことがわかる。
補正値記憶手段2Hには出力画像D7内の画素の一部について、画像D0内の参照画素の相対的位置を表すデータ、具体的には、各画素が、画像D0内において同一座標の画素より何画素右あるいは左の画素を参照するべきかが保持されている。例えば3画素右を参照するのが適当な場合は「プラス3」というデータが保持されており、4画素左を参照するのが適当な場合は「マイナス4」というデータが書き込まれており、同一座標の画素を参照するのが適当な場合は「ゼロ」というデータが書き込まれている。要するに、出力画像D7内の各画素の水平座標の値と画像D0内において参照すべき画素の水平座標(座標変換前の画素位置)の値との差分(正負の符号付きの値)が書き込まれている。
ここで出力画像D7内の全ての画素について歪み補正値(を示すデータ)を保持すると保持するデータの数(量)が膨大になるので、データの保持は水平方向、垂直方向ともに所定の画素間隔おきに行う。言い換えると、所定の画素間隔おきの画素を代表画素として、各代表画素についてのみ歪み補正値(を示すデータ)の保持を行うことで、保持するデータの数を削減することが可能である。なお、後述するように、代表画素以外の画素についての、参照するべき画素(座標変換前の位置の画素)の画素値は補間演算によって求められるので、代表画素についての、歪み補正値は整数(画素間隔の整数倍を表すもの)に限定されず、整数部と小数部を含む実数であってもよい。例えば3.5画素右を参照したいのであれば「プラス3.5」という値を設定すればよい。
図6は、出力画像D7において、水平方向及び垂直方向ともに64画素おきの画素が代表画素とされる場合を例に取って、各代表画素について歪み補正値P2を、各代表画素の位置に示す。代表画素の位置は、M、Nを整数としたとき、水平座標が64×M、垂直座標が64×Nで表され、各代表画素についての歪み補正値P2は、P2(M,N)で表されている。
参照画素位置算出手段3Hは出力画像D7内の各画素について、補正値記憶手段2Hに保持された、代表画素についての歪み補正値P2(M,N)をもとに直線補間を行なって、出力画像D7のすべての画素の各々について、入力画像D0内の参照するべき画素の位置(座標変換前の位置)の水平座標U、垂直座標Vを計算する。すなわち、出力画像D7内の、水平座標がX=64×J+A、垂直座標がY=64×K+B(J、Kはゼロ以上の整数、A、Bはゼロ以上63以下の整数)で表される位置の画素について、入力画像D0内の参照画素位置(座標変換前の画素位置)の水平座標U及び垂直座標Vを下記の式による演算で求める。
Figure 0005116740
式(1)によって求められた座標U、Vは、入力画像D0内における絶対的位置を示すものであり、座標U、Vは、参照画素位置データP3として出力される。
式(1)から、Uは実数であるので整数部と小数部に分けられる。Uの整数部(以下、UINTとする)とVとで表される座標(UINT,V)がデータP3INTとして画像読み出し手段5Hに、Uの小数部(以下、UDECとする)がデータP3DECとして補間係数演算手段6HAに入力される。なお、UINTはUを超えない最大の整数、UDECはUからUINTを引いた値と定義することができる。
判定手段4Hは出力画像D7内の各画素について式(1)の計算に用いた歪み補正値P2が全てゼロであったか否かを判断しその結果をフラグF4として出力する。フラグF4の値はP2(J,K)、P2(J+1,K)、P2(J,K+1)、P2(J+1,K+1)の全てがゼロであった場合は第1の値、例えば「1」になり、その他の場合は第2の値、例えば「0」になる。
画像データ読み出し手段5HはデータP3INTに応じて、各画素及びその近傍に位置する画素から成る複数の画素の座標、即ち、後述の補間演算に用いる画素の座標を4点分、データP5として出力する。データP3INTとして(UINT,V)という座標が入力された場合、データP5として、(UINT−1,V)、(UINT,V)、(UINT+1,V)、(UINT+2,V)で表される4点の座標(入力画像D0中の4つの画素の位置を示す座標)を示すデータが出力される。このようにして、画像データ読み出し手段は、データP3INTに応じて、データP3INTで示される位置の画素、及びその近傍の画素、例えばその左右の画素から成る複数の画素を読み出す。
画像データ読出し手段5Hは、データP5で示される(UINT−1,V)、(UINT,V)、(UINT+1,V)、(UINT+2,V)という4点の座標に位置する、入力画像D0内の画素の画素値D0(UINT−1,V)、D0(UINT,V)、D0(UINT+1,V)、D0(UINT+2,V)を、画像データ記憶手段1から画素値D1(−1)、D1(0)、D1(1)、D1(2)として読み出す。即ち、i=−1〜2としたとき、入力画像D0内の画素の画素値D0(UINT+i,V)が画素値D1(i)として読み出される。入力画像D0内の画素値D0(UINT+i,V)と読み出される画素値D1(i)との間は以下の式(2)で表される。
Figure 0005116740
なお上記の座標で表される位置に、入力画像D0内の画素が存在しない場合、画素値として、黒色を表す値(例えばゼロ)を出力するものとする。
補間係数演算手段6HAからはデータP3DECをもとに補間係数C6Aが出力される。図7は補間係数C6Aの求め方を表す図である。補間係数演算手段6HAは所定の関数f(x)とデータP3DECに基づいて補間係数C6Aを求める。データP3DECの値をUDECで表す場合、補間係数C6Aとして
Figure 0005116740
と計算される4つの値C6A(−1)、C6A(0)、C6A(1)、C6A(2)が出力される。なお、関数f(x)は条件
Figure 0005116740
が任意のα(0<α<1)について満足される関数であり、例えばSINC関数に適当な窓関数、例えばハミング窓関数、カイザー窓関数を掛けたもので定義される。
図7には、f(x)、f(x−UDEC)、C6A(−1)、C6A(0)、C6A(1)、C6A(2)の例が示されている。
係数切り替え手段6HBはデータP3DECおよびフラグF4の値に応じて変化する補間係数C6を出力する。補間係数C6は4つの値C6(−1)、C6(0)、C6(1)、C6(2)からなり、
Figure 0005116740
と表される。
ここでC6B(−1)、C6B(0)、C6B(1)、C6B(2)はあらかじめ定められた値であり、条件
Figure 0005116740
を満たすものとする。
補間演算手段7Hは出力画像D7内の座標(X,Y)で表される位置の画素について補間係数C6で表されるフィルタおよび画像データD1を用いた以下の補間演算
Figure 0005116740
を行う。なお式(7)において、D0(g,h)という記号は入力画像D0内の座標(g,h)で表される位置の画素の画素値を表す。
これにより、座標(X,Y)で表される位置の画素の画素値D7(X,Y)が求められる。すべての画素について上記の処理を行なうことで、出力画像D7が得られる。
本発明の実施の形態1による画像処理装置の作用、効果について述べる。
図8に実施の形態1による画像処理装置によって求められる補間係数C6A、C6の値をまとめる。
補間係数C6Aは、P2(J,K)、P2(J+1,K)、P2(J,K+1)、P2(J+1,K+1)の全てが0であるという条件(条件1)、あるいはP2(J,K)、P2(J+1,K)、P2(J,K+1)、P2(J+1,K+1)の少なくとも一つが0でないが、UDEC=0であるという条件(条件2)を満たす場合、
Figure 0005116740
となり、それ以外の場合は
Figure 0005116740
を満たすものとなる。
一方、補間係数C6は上記の条件1を満たす場合のみ
Figure 0005116740
となり、それ以外の場合は
Figure 0005116740
を満たすものとなる。
図9に式(8)、式(10)および式(9)、式(11)によって求められる補間係数で構成されるフィルタの周波数応答を示す。式(8)、式(10)の条件を満たす補間係数で表されるフィルタの周波数特性はRES1で表されるように全ての周波数帯域にわたって1となり、式(9)、式(11)の条件を満たす補間係数で表されるフィルタの周波数特性はRES2で表されるように高周波数成分側で周波数帯域が1未満となる。
したがって入力画像D0としてベタ一色の画像に高周波数で振動するノイズ成分が加算された画像が入力された場合、式(8)、式(10)で示す補間係数によって構成されるフィルタが選択された領域では高周波数で振動するノイズ成分は除去されないが、式(9)、式(11)で示す補間係数によって構成されるフィルタが選択された領域では高周波数帯域の周波数応答が1未満になっている分、高周波数で振動するノイズ成分が除去される。その結果、入力画像DINの信号の一部が失われることになり、該当箇所は画像の輝度も若干弱くなる。
図10(A)及び(B)は上記の条件1を満たさない領域において計算されるUDECの値がゼロとなる画素の分布を示したものであり、UDEC=0となる画素が黒で、そうでない画素が白で表されている。図10(A)はP2(J,K)=0、P2(J,K+1)=0、P2(J+1,K)=4、P2(J+1,K+1)=4である領域を示しており、図10(B)はP2(J,K)=1、P2(J,K+1)=4、P2(J+1,K)=0、P2(J+1,K+1)=2である領域を示している。
図10(A)に示すように条件1を満たさない領域では、その一部にUDEC=0となる領域が現れる。またこの領域は線状に連なって現れる。
これらの領域で仮に係数切り替え手段6HBによる補間係数C6Bを選択する切り替え処理が行われなかったとすると、式(9)で示す補間係数C6Aによって構成されるフィルタが選択された領域中のごく一部に式(8)で示す補間係数C6Aによって構成されるフィルタが選択された領域が現れ、該当箇所のみ画像の輝度が他の点より若干強くなる。このような領域が連なって現れると画像中に一定方向に伸びる筋のような模様が現れ、画像の品質上問題となる。
しかしながら本発明による画像処理装置では条件1を満たさない区間については、条件2を満たされる場合に、係数切り替え手段6HBによって補間係数C6Bを選択する切り替え処理が行なわれ、補間係数が式(11)を満たすものに変更される(その結果、条件1を満たさない区間でも、式(11)を満たす補間係数が維持される)ので、上記のようなフィルタの周波数特性の違いに起因した模様が現れることはない。
一方、条件1を満たす領域では係数切り替え手段6HBによる処理が行われない(第1の補間係数C6Aを選択した状態が維持される)が、そもそも条件1を満たす領域では常にUDECの値が0になるので、上記のように領域の一部のみUDEC=0となることはなく、係数切り替え手段6HBによる切り替え処理を行う必要もない。また条件1を満たす設定をしている場合、式(1)に従って出力画像D7中の座標(X,Y)の画素が参照すべき座標、入力画像D0中の画素の座標(U,V)を計算すると(U,V)=(X,Y)になる。つまり入力画像D0中の同一座標の画素値を参照するよう設定しているということなので、入力画像D0の画素値そのものを出力した方がよい。
実際、条件1のもとで式(1)〜(7)による補間処理を行うと、D7(X,Y)=D0(X,Y)となる。言い換えると入力画像D0の画素値そのものが出力されるので好ましい結果となる。
また、実施の形態1による画像処理装置によれば補間演算によって入力画像D0内の任意の位置の画素値を参照することができるので、水平方向に関して任意の歪みを与えることができる。すなわち水平方向に関して任意の光学系の歪みを補正することができる。
なお、上記の説明では補間演算手段7Hにおける補間は4画素分のデータを用いて行っているが、補間に用いる画素の数は4画素に限られるものではない。補間に用いる画素の数がn+m+1個であった場合、関数f(x)は、デルタ関数δ(x)および整数iによって表される以下の条件
Figure 0005116740
が任意のα(0<α<1)について満足される関数であれば良く、補間係数C6Aは
Figure 0005116740
と計算されるものであればよく、補間係数C6Bはデルタ関数δ(x)および整数iによって表される以下の条件
Figure 0005116740
を満たすものであればよい。
なお、デルタ関数は
Figure 0005116740
で定義される関数である。
また、画像データ読み出し手段5Hは
Figure 0005116740
で表される画像データD1(i)を読み出せばよく、補間演算手段7Hは出力画像D7の画素値を以下の補間演算
Figure 0005116740
によって求めればよい。
また上記の説明では、補正値記憶手段2Hに水平方向、垂直方向ともに64画素おきの画素を代表画素として、各代表画素について参照するべき画素の位置が保存されている場合を例に説明を行ったが代表画素の間隔は64に限定されるものではない。すなわち、代表画素の水平方向及び垂直方向の間隔を表すTx、Tyを正の整数とし、補正値記憶手段2Hに座標(Tx×M,Ty×N)で表される位置の画素を代表画素として、代表画素の各々について歪み補正値P2(M,N)を保存しておき、水平座標がX=Tx×J+A、垂直座標がY=Ty×K+Bで表される位置の画素についてUを
Figure 0005116740
と計算すればよい。
ここでTx、Tyを2のべき乗で表される数にしておけば式(18)に含まれる割り算をシフト演算で行うことができる。すなわち式(18)をハードウェア処理するときの負担が少なくて済む。
また、本発明の画像処理装置においては補正値記憶手段2Hに、光学系U1Bによる歪みと逆の特性で入力画像D0を歪めるために、出力画像D7内の少なくとも一部の画素を代表画素として、各代表画素について各代表画素と各代表画素が入力画像D0内で参照するべき画素の位置の差(補正値)を書き込むことで、光学系U1Bによって生じる歪みを補正することが可能であるが、その際、補正値記憶手段2Hに書き込むデータ(補正値データ)は、出力画像D7の中央付近における画素に対しては、その値をゼロにしておく方がよい。なぜなら画像の中央付近は、画像を見る人が最も注目してみる部分であるので、そのような部分には補間演算による劣化が生じた画像よりも入力画像そのものを表示した方がよいからである。
先に述べたように、本発明の画像処理装置では、補正値記憶手段2Hに書き込まれたデータがゼロである画素で囲まれた領域(あるいは条件1を満たす領域)については入力画像D0の画素値そのものが出力されるため、出力画像D7の中央付近における画素に対しては、補正値記憶手段2Hに書き込むデータの値をゼロにしておくことで、人が最も注目してみる画像の中央付近に補間演算による劣化が生じていない画像を表示することが可能となる。そして補正値記憶手段2Hに書き込むデータのうち、画像の中央付近以外に対応する箇所については、出力画像D7内の少なくとも一部の画素について、その画素の位置と、その画素が光学系U1Bによる歪みと逆の特性で入力画像D0を歪めるために入力画像D0内で参照するべき画素の位置の差を書き込んでおくことで、画像全体として、光学系U1Bによる歪みを補正した画像D7を出力することが可能になる。
実施の形態2.
図11は本発明の実施の形態2による画像処理装置の構成を表す図であり、実施の形態1で説明した画像処理装置と同様の構成をしている。
但し、図1の補正値記憶手段2H、参照画素位置算出手段3H、判定手段4H、画像データ読み出し手段5H、補間係数決定手段6H、及び補間演算手段7Hの代わりに、補正値記憶手段2V、参照画素位置算出手段3V、判定手段4V、画像データ読み出し手段5V、補間係数決定手段6V、及び補間演算手段7Vが設けられている。
補正値記憶手段2V、参照画素位置算出手段3V、判定手段4V、画像データ読み出し手段5V、補間係数決定手段6V、及び補間演算手段7Vは、それぞれ補正値記憶手段2H、参照画素位置算出手段3H、判定手段4H、画像データ読み出し手段5H、補間係数決定手段6H、及び補間演算手段7Hと同様のものであるが、後述のように、拡大、縮小の方向が水平方向ではなく、垂直方向であることによって、処理の内容が異なる。
補間係数決定手段6Vは、補間係数演算手段6VA及び係数切り替え手段6VBを含む。
実施の形態2による画像処理装置も、例えば図2に示すリアプロジェクションテレビ等の投射型表示装置に代表される画像表示装置の一部として用いることができる。
実施の形態1による画像処理装置では、水平方向に関して任意の歪みを与えるものであったが、実施の形態2による画像処理装置では垂直方向に関して任意の歪みを与えることができる。
したがって光学系U1Bが例えば図12(A)及び(B)に示すような垂直方向に関する歪みを持っていたとしても、投射面U2に歪みのない画像を表示することが可能になる。ここで図12(A)及び(B)は光学系U1Bの垂直方向に関する歪みの一例を模式的に表す図であり、図12(A)に示すような水平、垂直の直線からなる格子状の画像には、光学系U1Bによって垂直方向には図12(B)に示すような台形状の歪みが生じる。なお、図12(B)中に示される点線PAは、台形状の画像の左辺が投射面の幅に一致するように調整した場合に、投射面U2に表示される画像の範囲を表すものである。
光学系U1Bが図12(A)及び(B)に示すような歪みを持っている場合、画像処理装置U0において入力画像DINを、図13に示すように垂直方向に関して光学系U1Bによる歪みと逆の特性で歪ませた画像DU0(図13にはその範囲を符号PBで示す)を生成し、画像投射手段U1に入力すれば、投射面U2には見かけ上歪みのない状態で入力画像DINが映し出されることになる。
以下、図11に示した実施の形態2による画像処理装置の動作について説明する。図11に示した画像処理装置では入力画像D0(図2に示す入力画像DINに相当)に対し、補間及び座標変換を行って、画像D7(図2に示す画像DU0に相当)が出力される。
画像処理装置U0vの動作について説明する。
画像データ記憶手段1には入力画像D0の各画素の画素値が保存される。
補正値記憶手段2Vには、光学系U1Bによって生じる歪みを補正するために参照するべき画素の位置(座標変換前の画素位置)を表すデータ(歪み補正値データ)が保持されている。図14は参照するべき画素の位置について説明する図であり、最も左側に垂直座標が示され、その右に、入力画像D0のある列内の画素位置(座標変換前の画素位置)と、出力画像D7の同じ列内の画素位置(座標変換後の画素位置)が示されている。
図12から、出力画像D7において垂直座標がAvより上側の画素は、入力画像D0中の自身より上側の画素を参照すればよく、水平座標がBvより下側の画素は、入力画像D0中で自身より下側の画素を参照すればよく、垂直座標がAvからBvの間の画素は、入力画像D0中で自身と同一の画素を参照すればよいことがわかる。
補正値記憶手段2Vには出力画像D7内の画素の一部について、画像D0内の参照画素の相対的位置を表すデータ(歪み補正値データ)、具体的には、各画素が、画像D0内において同一座標の画素より何画素下あるいは上の画素を参照するべきかが保持されている。例えば3画素下を参照するのが適当な場合は「プラス3」というデータが保持されており、4画素上を参照するのが適当な場合は「マイナス4」というデータが書き込まれており、同一座標の画素を参照するのが適当な場合は「ゼロ」というデータが書き込まれている。要するに、出力画像D7内の各画素の垂直座標の値と画像D0内において参照すべき画素の垂直座標の値との差分(正負の符号付きの値)が書き込まれている。
ここで出力画像D7内の全ての画素について歪み補正値を保持すると保持するデータの数(量)が膨大になるので、データの保持は水平方向、垂直方向ともに所定の画素間隔おきに行う。言い換えると、所定の画素間隔おきの画素を代表画素として、各代表画素についてのみ歪み補正値の保持を行うことで、保持するデータの数を削減することが可能である。なお、後述するように、代表画素以外の画素についての、参照するべき画素(座標変換前の位置の画素)の画素値は補間演算によって求められるので、代表画素についての、歪み補正値は整数(画素間隔の整数倍を表すもの)に限定されず、整数部と小数部を含む実数であってもよい。例えば3.5画素下を参照したいのであれば「プラス3.5」という値を設定すればよい。
以下、補正値記憶手段2Vにおいて、水平方向及び垂直方向ともに64画素おきの画素が代表画素とされる場合を例に、各代表画素についての歪み補正値P2が保持されている場合を例に説明を行う。代表画素の位置は、M、Nを整数としたとき、水平座標が64×M、垂直座標が64×Nで表され、各代表画素についての歪み補正値P2は、図6に示されるように、P2(M,N)で表される。
参照画素位置算出手段3Vは出力画像D7内の各画素について、補正値記憶手段2Vに保持された、代表画素についての歪み補正値P2(M,N)をもとに直線補間を行なって、出力画像D7のすべての画素の各々について、入力画像D0内の参照するべき画素の位置(座標変換前の位置)の水平座標U、垂直座標Vを計算する。すなわち、出力画像D7内の、水平座標がX=64×J+A、垂直座標がY=64×K+B(J、Kはゼロ以上の整数、A、Bはゼロ以上63以下の整数)で表される位置の画素について、入力画像D0内の参照画素位置(座標変換前の位置)の水平座標U及び垂直座標Vを下記の式による演算で求める。
Figure 0005116740
式(19)によって求められる座標U、Vは、入力画像D0内における絶対的位置を示すものであり、座標U、Vは、参照画素位置データP3として出力される。
式(19)からVは実数であるであるので整数部と小数部に分けられる。Vの整数部(以下、VINTとする)とUとで表される座標(U,VINT)がデータP3INTとして画像読み出し手段5Vに、Vの小数部(以下、VDECとする)がデータP3DECとして補間係数演算手段6VAに入力される。なお、VINTはVを超えない最大の整数、VDECはVからVINTを引いた値と定義することができる。
判定手段4Vの動作は実施の形態1における判定手段4Hと同様であるのでその詳細な説明は省略する。
画像データ読み出し手段5VはデータP3INTに応じて、後述の補間演算に用いる画素の座標を4点分、データP5として出力する。データP3INTとして(U,VINT)という座標が入力された場合、データP5としては(U,VINT−1)、(U,VINT)、(U,VINT+1)、(U,VINT+2)という4点の座標(入力画像D0中の4つの画素の位置を示す座標)を示すデータが出力される。このようにして、画像データ読み出し手段5Vは、データP3INTに応じて、データP3INTで示される位置の画素、及びその近傍の画素、例えばその上下の画素から成る複数の画素を読み出す。
画像データ読出し手段5Vは、データP5で示される(U,VINT−1)、(U,VINT)、(U,VINT+1)、(U,VINT+2)という4点の座標に位置する、入力画像D0内の画素の画素値D0(U,VINT−1)、D0(U,VINT)、D0(U,VINT+1)、D0(U,VINT+2)を、画像データ記憶手段1から画素値D1(−1)、D1(0)、D1(1)、D1(2)として読み出す。即ち、i=−1〜2としたとき、入力画像D0内の画素の画素値D0(U,VINT+i)が画素値D1(i)として読み出される。入力画像D0内の画素値D0(U,VINT+i)と読み出される画素値D1(i)との間は以下の式で表される。
Figure 0005116740
なお上記の座標で表される位置に、入力画像D0内の画素が存在しない場合、画素値として、黒色を表す値(例えばゼロ)を出力するものとする。
補間係数演算手段6VAの動作は実施の形態1における補間係数演算手段6HAと同様である。すなわち、補間係数演算手段6VAが出力する補間係数C6Aは式(3)のUDECをVDECに置き換えた4つの値C6A(−1)、C6A(0)、C6A(1)、C6A(2)で表される。
係数切り替え手段6VBの動作は実施の形態1における係数切り替え手段6HBと同様なのでその詳細な説明は省略する。
補間演算手段7Vは出力画像D7内の座標(X,Y)で表される位置の画素について補間係数C6で表されるフィルタおよび画像データD1を用いた以下の補間演算
Figure 0005116740
を行う。
これにより、座標(X,Y)で表される位置の画素の画素値D7(X,Y)が求められる。すべての画素について上記の処理を行なうことで出力画像D7が得られる。
実施の形態2による画像処理装置では垂直方向に関して実施の形態1による画像処理装置と同様の処理が行えるので、実施の形態1による画像処理装置が画像の水平方向に関して持っていた効果と同様の効果を画像の垂直方向に関して得られる。
なお、実施の形態2による画像処理装置においても、実施の形態1で説明した変更を加えることが出来るのは言うまでもない。
実施の形態3.
図15は本発明の実施の形態3による画像処理方法のフローを示す。実施の形態3による画像処理方法は、投射型表示装置に代表される画像表示装置の一部として用いることができる。例えば図2に示すリアプロジェクションテレビの画像処理装置U0内で実施の形態3による画像処理方法による画像処理を実行すればよい。
図18は図15に示す画像処理方法を実行することが出来る画像処理装置の一例であり、画像処理装置U0として用いることができる。図18に示した画像処理装置は入力インターフェース101、プログラム記憶メモリ102、CPU103、データ記憶メモリ104、出力インターフェース105、画像データ記憶手段1、補正値記憶手段2Hおよびそれらを接続するバス106を有する。入力インターフェース101を介して、処理対象となる画像(入力画像D0)が入力される。画像データ記憶手段1、補正値記憶手段2Hの機能は図1に示したものと同等である。CPU103は、プログラム記憶メモリ102に記憶されたプログラムに従って図15に示された画像処理方法を実行する。動作の過程で種々のデータがデータ記憶メモリ104に記憶される。処理の結果生成された画像が出力画像D7として出力インターフェース105を介して出力される。また、動作の過程で必要なデータはバス106上で送受信される。以下、図15に示された画像処理方法の詳細を説明する。
図15に示される画像処理方法は、補正値読み出しステップST2H、参照画素位置算出ステップST3H、判定ステップST4H、画像データ読み出しステップST5H、補間係数決定ステップST6H、及び補間演算ステップST7Hを含む。
補間係数決定ステップST6Hは、補間係数演算ステップST6HA及び係数切り替えステップST6HBを含む。
補正値読み出しステップST2Hは、出力画像D7内の代表画素について、補正値記憶手段2Hに保持された歪み補正値P2を読み出す。
参照画素位置算出ステップST3Hは出力画像D7内の各画素について、ステップST2Hで読み出された歪み補正値P2をもとに式(1)の計算を行いU、Vの値を求める。なお、Uは実数であるのでその整数部分をUINT、小数部分をUDECと表す。
判定ステップST4Hは出力画像D7内の各画素について式(1)の計算に用いた歪み補正値P2(J,K)、P2(J+1,K)、P2(J,K+1)、P2(J+1,K+1)が全てゼロであったか否かを判断しその結果をフラグF4として出力する。フラグF4の値はP2(J,K)、P2(J+1,K)、P2(J,K+1)、P2(J+1,K+1)の全てがゼロであった場合は第1の値、例えば「1」になり、その他の場合は第2の値、例えば「0」になる。
画像データ読み出しステップST5Hは式(1)で計算したU、Vの値を基に入力画像D0から、
座標(UINT,V)で表される位置の画素の画素値D0(UINT,V)、
座標(UINT−1,V)で表される位置の画素の画素値D0(UINT−1,V)、
座標(UINT+1,V)で表される位置の画素の画素値D0(UINT+1,V)、
座標(UINT+2,V)で表される位置の画素の画素値D0(UINT+2,V)
を画像データ記憶手段1から読み出して、出力する。このようにして、画像データ読み出しステップST5Hは、データP3INTに応じて、データP3INTで示される位置の画素、及びその近傍の画素、例えばその左右の画素から成る複数の画素を読み出す。なお上記の座標で表される位置に、入力画像D0内の画素が存在しない場合、画素値として、黒色を表す値(例えばゼロ)を出力するものとする。
また補間係数演算ステップST6HAからはデータUDECをもとに式(3)によって求めた補間係数C6Aが出力される。ここで補間係数C6Aの求め方は実施の形態1における補間係数演算手段6HAと同様であるので詳細な説明は省略する。
係数切り替え手段ステップST6HBはデータUDECおよびフラグF4の値に応じて変化する補間係数C6を出力する。補間係数C6は式(5)に従って求められる。補間係数C6の求め方は実施の形態1における係数切り替え手段6HBと同様であるので詳細な説明は省略する。
補間演算ステップST7Hは出力画像D7内の座標(X,Y)で表される位置の画素について補間係数C6で表されるフィルタおよび入力画像D0の画素値を用いた以下の補間演算
Figure 0005116740
を行う。
これにより、座標(X,Y)で表される位置の画素に対する画素値D7(X,Y)が求められる。すべての画素について上記の処理を行なうことで出力画像D7が得られる。
実施の形態3による画像処理方法では、実施の形態1による画像処理装置と同様の処理が行えるので、実施の形態1による画像処理装置と同様の効果が得られる。また、実施の形態1による画像処理装置と同様の変更を加えることも可能である。また、上記の処理で得られた出力画像D7を、図2に示した画像表示装置において画像DU0として用いることが可能である。
実施の形態4.
図16は本発明の実施の形態3による画像処理方法のフローを示す。実施の形態4による画像処理方法も、投射型表示装置に代表される画像表示装置の一部として用いることができる。例えば図2に示すリアプロジェクションテレビの画像処理装置U0内で実施の形態4による画像処理方法による画像処理を実行すればよい。
図16に示す画像処理方法を実行する画像処理装置は、図18に示した画像処理装置において、補正値記憶手段2Hの代わりに補正値記憶手段2Vを備えることとすればよいので詳細な説明は省略する。なおこの際、補正値記憶手段2Vの機能は図11に示したものと同等とする。以下、図16に示された画像処理方法の詳細を説明する。
図16に示される画像処理方法は、補正値読み出しステップST2V、参照画素位置算出ステップST3V、判定ステップST4V、画像データ読み出しステップST5V、補間係数決定ステップST6V、及び補間演算ステップST7Vを含む。
補間係数決定ステップST6Vは、補間係数演算ステップST6VA及び係数切り替えステップST6VBを含む。
補正値読み出しステップST2V、参照画素位置算出ステップST3V、判定ステップST4V、画像データ読み出しステップST5V、補間係数決定ステップST6V、及び補間演算ステップST7Vは、それぞれ、実施の形態3における補正値読み出しステップST2H、参照画素位置算出ステップST3H、判定ステップST4H、画像データ読み出しステップST5H、補間係数決定ステップST6H、及び補間演算ステップST7Hと同様であるが、拡大、縮小を行う方向が水平方向ではなく垂直方向であることにより、以下のような違いがある。
補正値読み出しステップST2Vは、出力画像D7内の代表画素について、補正値記憶手段2Vに保持された歪み補正値P2を読み出す。
参照画素位置算出ステップST3Vは出力画像D7内の各画素について、ステップST2Vで読み出された歪み補正値P2をもとに式(19)の計算を行いU、Vの値を求める。なお、Vは実数であるのでその整数部分をVINT、小数部分をVDECと表す。
ゼロ判定ステップST4Vは出力画像D7内の各画素について式(19)の計算に用いた歪み補正値P2(J,K)、P2(J+1,K)、P2(J,K+1)、P2(J+1,K+1)が全てゼロであったか否かを判断しその結果をフラグF4として出力する。フラグF4の値はP2(J,K)、P2(J+1,K)、P2(J,K+1)、P2(J+1,K+1)の全てがゼロであった場合は第1の値、例えば「1」になり、その他の場合は第2の値、例えば「0」になる。
画像データ読み出しステップST5Vは式(19)で計算したU、Vの値を基に入力画像D0から、
座標(U,VINT)で表される位置の画素の画素値D0(U,VINT)、
座標(U,VINT−1)で表される位置の画素の画素値D0(U,VINT−1)、
座標(U,VINT+1)で表される位置の画素の画素値D0(U,VINT+1)、
座標(U,VINT+2)で表される位置の画素の画素値D0(U,VINT+2)
を画像データ記憶手段1から読み出して、出力する。このようにして、画像データ読み出しステップST5Vは、データP3INTに応じて、データP3INTで示される位置の画素、及びその近傍の画素、例えばその上下の画素から成る複数の画素を読み出す。なお上記の座標で表される位置に、入力画像D0内の画素が存在しない場合、画素値として、黒色を表す値(例えばゼロ)を出力するものとする。
補間係数演算ステップST6VAからはデータVDECをもとに補間係数C6Aを求める。ここで補間係数C6Aの求め方は実施の形態2における補間係数演算手段6VAと同様であるので詳細な説明は省略する。
係数切り替えステップST6VBはデータVDECおよびフラグF4の値に応じて変化する補間係数C6を出力する。補間係数C6の求め方は実施の形態2における係数切り替え手段6VBと同様であるので詳細な説明は省略する。
補間演算ステップST7Vは出力画像D7内の座標(X,Y)で表される位置の画素について補間係数C6で表されるフィルタおよび入力画像D0の画素値を用いた以下の補間演算
Figure 0005116740
を行う。
これにより、座標(X,Y)で表される位置の画素に対する画素値D7(X,Y)が求められる。すべての画素について上記の処理を行なうことで、出力画像D7が得られる。
実施の形態4による画像処理方法では、実施の形態2による画像処理装置と同様の処理が行えるので、実施の形態2による画像処理装置と同様の効果が得られる。また、実施の形態2による画像処理装置と同様の変更を加えることも可能である。また、上記の処理で得られた出力画像D7を、図2に示した画像表示装置において画像DU0として用いることが可能である。
実施の形態5.
図17は本発明の実施の形態5による画像表示装置を表す図である。図17に示す画像表示装置は、画像処理装置U0Hと、画像処理装置U0Vと、画像投射手段U1と、投射面U2とを備え、画像投射手段U1は光源U1A、及び光学系U1Bを有する。なお、光学系U1BはミラーU1B1及びレンズU1B2を含む。
図17に示すリアプロジェクションテレビでは、入力画像DINに対応した映像が以下の手順により投射面U2に投射される。まず、画像処理装置U0Hから入力画像DINに対して実施の形態1もしくは実施の形態3で説明した手順で生成された画像DU0Hが出力される。次に、画像処理装置U0Vから画像DU0Hに対して実施の形態2もしくは実施の形態4で説明した手順で生成された画像DU0Vが出力される。
そして、光源U1Aから画像DU0Vに応じた光が出力され、光源U1Aから出力された光がミラーU1B1及びレンズU1B2を含む光学系U1Bを介して投射面U2に映し出される。
実施の形態5による画像表示装置では、画像処理装置U0Hにおいて、光学系U1Bが水平方向に関して持つ歪みが補正され、画像処理装置U0Vにおいて、光学系U1Bが垂直方向に関して持つ歪みが補正されるので、光学系U1Bが水平方向及び垂直方向ともに光学的な歪みを持っていたとしても投射面U2に歪みのない画像を表示することができる。
画像処理装置U0Hと画像処理装置U0Vの配置の順序を変更しても良い。即ち、入力画像DINに対して、実施の形態2で説明したのと同様の手順で、拡大または縮小を行うように画像処理装置U0Vを設け、画像処理装置U0Vから出力された画像に対し、実施の形態1で説明したのと同様の手順で、拡大または縮小を行うように画像処理装置U0Hを設けても良い。
また、実施の形態1で説明した画像処理装置と実施の形態2で説明した画像処理装置の組合せの代わりに、実施の形態3で説明した画像処理方法と実施の形態4で説明した画像処理方法の組合せを用いても良い。すなわち、入力画像に対して、実施の形態3で説明した画像処理方法での拡大又は縮小と、実施の形態4で説明した画像処理方法での拡大及び縮小とを相前後して行った後で、画像の表示を行うように画像表示装置を構成しても良い。
上記の実施の形態では、図9を参照して、第3の補間係数で表される線形フィルタの周波数応答RES2が、高周波数領域で1より小さい値となる場合について説明したが、本発明はこれに限定されず、第3の補間係数で表される線形フィルタの周波数応答RES2が、少なくとも一部の周波数領域において1未満となる場合に適用可能である。
以上、実施の形態1及び3では、画像を水平方向に拡大又は縮小する場合について説明し、実施の形態2及び4では、画像を垂直方向に拡大又は縮小する場合について説明したが、本発明は、拡大または縮小する方法が水平方向、垂直方向のいずれかに限定されるものではなく、互いに異なる第1及び第2の方向にマトリクス状に配列された画素を持つ入力画像D0から、入力画像の少なくとも一部を第1の方向に拡大又は縮小した出力画像D7を生成する場合に適用可能である。そのように一般化する場合には、符号の意味についての混同を避けるため、実施の形態1及び3における、水平方向の座標等の値を示す符号U、X、Txなど、及び実施の形態2及び4における、垂直方向の座標等の値を示す符号V、Y、Tyの代わりに、第1の方向の座標等の値を示す符号Q、S、Tsを用い、実施の形態1及び3における、垂直方向の座標等の値を示す符号V、Y、Tyなど、及び実施の形態2及び4における、水平方向の座標等の値を示す符号U、X、Txの代わりに、第2の方向の座標等の値を示す符号R、T、Ttを用いることができる。この場合、各手段の機能、動作は以下のように表わされる。
補正値記憶手段(実施の形態1の補正値記憶手段2H又は実施の形態2の補正値記憶手段2Vに相当するもの)は、出力画像内の座標(Ts×M,Tt×N)で表される位置の画素について(Ts、Ttは正の整数、M、Nはゼロ以上の整数)、補正値P2(M,N)を保持する。
参照画素位置計算手段(実施の形態1の参照画素位置計算手段3H又は実施の形態2の参照画素位置計算手段3Vに相当するもの)3は、出力画像D7の各画素について、その画素の画素値を求めるために、入力画像D0内の、座標変換前の位置(Q,R)を、代表画素についての補正値P2(S,T)を用いた補間演算によって求め、その結果を参照画素位置(QINT,R;QDEC)として出力する。なお、QINTはQを超えない最大の整数、QDECはQからQINTを引いた値と定義することができる。
参照画素位置計算手段(3H,3V)は例えば、出力画像D7内の座標(S,T)で表される位置の画素について、座標変換前の位置をあらわす座標(Q,R)を、以下の計算式
Figure 0005116740
(但し、S,Tは、出力画像D7内の座標、
Jは、SをTsで割った商、
Aは、SをTsで割った余り、
Kは、TをTtで割った商、
Bは、TをTtで割った余り)
で表される補間演算によって求める。
上記の式(24)は、実施の形態1の説明中の式(1)、実施の形態2の説明中の式(19)に対応するものである。
判定手段(実施の形態1の判定手段4H又は実施の形態2の判定手段4Vに相当するもの)は、出力画像D7内の座標(S,T)で表される位置の画素について、補正値P2(J,K)、P2(J+1,K)、P2(J,K+1)、P2(J+1,K+1)の値が全てゼロであった場合に上記条件が満たされたと判定し、そうでない場合に上記条件が満たされなかったと判定する。
画像データ読み出し手段(実施の形態1の画像データ読み出し手段5H又は実施の形態2の画像データ読み出し手段5Vに相当するもの)は、出力画像D7内の各画素について、参照画素位置の値(QINT,R)に応じて、画像データ記憶手段1から、当該各画素及びその近傍に位置する画素から成る複数個の画素の画素値(D0(QINT+i,R)(iは複数の整数値)を読み出す。
例えば、入力画像D0の座標(g,h)で表される位置の画素の画素値をD0(g,h)で、第1の方向の座標Qの整数部をQINTで表し、n、mはゼロ以上の整数としたとき、
画像データ読み出し手段(5H、5V)は、画像データ記憶手段1から以下の式
Figure 0005116740
で表されるn+m+1個の画素値D1(i)を読み出す。
上記の式(25)は、実施の形態1の説明中の式(2)、実施の形態2の説明中の式(20)に対応するものである。
第1の方向の座標Qの小数部をQDECとしたとき、補間係数決定手段(6H、6V)は、QDECの値と判定手段(4H、4V)の出力結果に応じてn+m+1個の係数からなる第1の補間係数C6(i)を求める。
なお、第1の補間係数C6(i)の求め方は式(5)と同様である。
所定の関数をf(x)で表したとき、補間係数決定手段(6H、6V)の補間係数演算手段(6HA、6VA)は、第1の方向の座標Qの小数部QDECの値と前記所定の関数f(x)を用いた以下の補間係数算出式
Figure 0005116740
で表されるn+m+1個の係数C6A(i)を第2の補間係数として求める。
上記の式(26)は、実施の形態1の説明中の式(13)に対応するものである。
この場合、第1の方向の座標Qの小数部QDECの値が「0」のときのみ、上記の補間係数算出式に従って求められる第2の補間係数によって表される線形フィルタの周波数応答が全ての周波数に対して「1」となるものを用いても良い。
また、C6B(i)は、デルタ関数δ(x)および整数iを用いた以下の式
Figure 0005116740
で表されるn+m+1個の係数として定義される。
補間演算手段(実施の形態1の補間演算手段7H又は実施の形態2の補間演算手段7Vに相当するもの)は、複数個の画素値D0(QINT+i,R)と第1の補間係数C6から、出力画像D7の画素値D7(S,T)を求める。
例えば、補間演算手段(7H、7V)は、画素値D7(S,T)を以下の式
Figure 0005116740
によって求める。
上記の式(28)は、実施の形態1の説明中の式(7)、実施の形態2の説明中の式(21)に対応するものである。
「第1の方向」及び「第2の方向」という用語を用いる場合、実施の形態5は以下のように一般化して説明することができる。すなわち、実施の形態1の画像表示装置及び実施の形態2の画像表示装置を用い、2つの画像処理装置のうちの第1のもの(第1の画像処理装置)が、入力画像に対し、第1の方向に拡大又は縮小を行い、2つの画像処理装置のうちの第2のもの(第2の画像処理装置)が、第1の画像処理装置の出力に対し、第2の方向に拡大又は縮小を行うように画像表示装置を構成しても良い。
同様に、実施の形態3の画像表示方法及び実施の形態4の画像表示方法を用い、2つの画像処理方法のうちの第1のもの(第1の画像処理方法)が、入力画像に対し、第1の方向に拡大又は縮小を行い、2つの画像処理方法のうちの第2のもの(第2の画像処理方法)が、第1の画像処理方法の出力に対し、第2の方向に拡大又は縮小を行うように画像表示装置を構成しても良い。
なお、本発明の実施の形態1から5で説明した画像処理装置及び方法の使用用途は、投射型表示装置の一部に限定されない。すなわち、入力画像の少なくとも一部を拡大或いは縮小する用途であれば良い。
1 画像データ記憶手段、 2H、2V 補正値記憶手段、 3H、3V 参照画素位置算出手段、 4H、4V 判定手段、 5H、5V 画像データ読み出し手段、 6H、6V 補間係数決定手段、 6A 補間係数演算手段、 6B 係数切り替え手段、 7H、7V 補間演算手段。

Claims (14)

  1. 互いに異なる第1の方向及び第2の方向にマトリクス状に配列された画素を持つ入力画像から、前記入力画像の少なくとも一部を拡大又は縮小した出力画像を生成する画像処理装置であって、
    記拡大又は縮小のために前記入力画像内で参照する位置に画素が存在すると仮定し求めた画素値を前記出力画像の画素値とることで前記入力画像の少なくとも一部を拡大又は縮小するものであり、
    前記入力画像の各画素の画素値を保持する画像データ記憶手段と、
    前記入力画像を構成する画素及び前記出力画像を構成する画素の前記第1の方向の間隔を「1」とした単位系とし、前記出力画像の少なくとも一部の画素を代表画素とし、該代表画素の各々について、前記代表画素の前記第1の方向の座標前記代表画素に対応する前記入力画像の位置であって前記拡大又は縮小のために前記入力画像で参照する位置の前記第1の方向の座標との差を補正値として保持する補正値記憶手段と、
    前記出力画像の各画素について、その画素の画素値を求めるために、前記出力画像の各画素に対応する前記入力画像で参照する位置を、前記補正値を用いた補間演算によって求め、参照画素位置として出力する参照画素位置計算手段と、
    前記出力画像の各画素について、前記補間演算に用いた前記補正値が全てゼロである場合、第1の値を出力し、それ以外の場合、第2の値を出力する判定手段と、
    前記出力画像の各画素について、前記参照画素位置の近傍に位置する複数の画素の画素値を、前記画像データ記憶手段から読み出す画像データ読み出し手段と、
    前記出力画像の各画素について、第1の補間係数を求める補間係数決定手段と、
    前記複数の画素の画素値と前記第1の補間係数から、前記出力画像の画素値を求める補間演算手段とを備え、
    前記補間係数決定手段は、前記判定手段の出力が第1の値の場合、前記第1の補間係数によって表される線形フィルタの周波数応答を全ての周波数に対して1とし、前記判定手段の出力が第2の値の場合、前記第1の補間係数によって表される線形フィルタの周波数応答を少なくとも一部の周波数領域において1未満とする
    ことを特徴とする画像処理装置。
  2. 前記補間係数決定手段は、
    前記参照画素位置の値と所定の関数から第2の補間係数を求める補間係数演算手段と、
    前記参照画素位置の値と前記判定手段における判定結果に応じて、前記第1の補間係数として前記第2の補間係数あるいは予め定められた第3の補間係数のいずれかを出力する補間係数切り替え手段とを備え、
    前記第2の補間係数は、前記参照画素位置の小数部をQDECで、前記所定の関数をf(x)とした場合、以下の式
    Figure 0005116740
    で表されるn+m+1個の係数C6A(i)であり、
    前記所定の関数f(x)は、
    Figure 0005116740
    と定義されるデルタ関数δ(x)と整数iを用いて表される以下の条件
    Figure 0005116740
    (但し、αは、0<α<1を満たす任意の値)
    を満たし、
    前記第3の補間係数によって表される線形フィルタの周波数応答は、少なくとも一部の周波数領域において1未満となり、
    前記補間係数切り替え手段は、
    前記判定手段の出力が第2の値であって、かつ、前記小数部QDECが0の場合、前記第3の補間係数を前記第1の補間係数として出力し、それ以外の場合、前記第2の補間係数を前記第1の補間係数として出力する
    ことを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
  3. 前記補正値記憶手段は、前記出力画像内の座標(Ts×M,Tt×N)で表される位置の画素について(Ts、Ttは正の整数、M、Nはゼロ以上の整数)、前記補正値保持することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  4. 前記補正値記憶手段が、前記出力画像内の座標(Ts×M,Tt×N)で表される位置の画素について保持した前記補正値をP2(M,N)とした時、
    前記参照画素位置計算手段は、
    前記出力画像内の前記座標(S,T)で表される位置の画素について、前記座標変換前の位置をあらわす座標(Q,R)を、
    以下の計算式
    Figure 0005116740
    (但し、S,Tは、前記出力画像内の座標、
    Jは、SをTsで割った商、
    Aは、SをTsで割った余り、
    Kは、TをTtで割った商、
    Bは、TをTtで割った余り)
    で表される補間演算によって求める
    ことを特徴とする請求項に記載の画像処理装置。
  5. 前記Ts、Ttの少なくとも一つは2のべき乗で表されることを特徴とする請求項に記載の画像処理装置。
  6. 前記第3の補間係数はn+m+1個の係数からなり、前記第3の補間係数を、整数i(i=−n,−n+1,…m)を用いて表したn+m+1個の係数C6B(i)で表すと、前記係数C6B(i)は前記デルタ関数δ(x)を用いて以下のように表される条件
    Figure 0005116740
    を満たすものであることを特徴とする請求項に記載の画像処理装置。
  7. 前記入力画像の座標(g,h)で表される位置の画素の画素値をD0(g,h)で、前記参照画素位置の整数部をQINTで表し、n、mはゼロ以上の整数としたとき、
    前記画像データ読み出し手段は、
    前記画像データ記憶手段から以下の式
    Figure 0005116740
    で表されるn+m+1個の画素値D1(i)を読み出す
    ことを特徴とする請求項に記載の画像処理装置。
  8. 出力画像内の座標(S,T)で表わされる位置に存在する画素の画素値をD7(S,T)で表わし、前記第1の補間係数を、整数i(i=−n,−n+1,…m)を用いて表したn+m+1個の係数C6(i)で表すとき、
    前記補間演算手段は、前記画素値D7(S,T)を以下の式
    Figure 0005116740
    によって求めることを特徴とする請求項に記載の画像処理装置。
  9. 前記第1の方向が水平方向であり、前記第2の方向が垂直方向であることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の画像処理装置。
  10. 前記第1の方向が垂直方向であり、前記第2の方向が水平方向であることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の画像処理装置。
  11. 互いに異なる第1の方向及び第2の方向にマトリクス状に配列された画素を持つ入力画像から、前記入力画像の少なくとも一部を拡大又は縮小した出力画像を生成する画像処理方法であって、
    前記拡大又は縮小のために前記入力画像内で参照する位置に画素が存在すると仮定して求めた画素値を前記出力画像の画素値とすることで前記入力画像の少なくとも一部を拡大又は縮小するものであり、
    前記出力画像の各画素について、その画素の画素値を求めるために、前記入力画像内で参照する位置を、前記出力画像の少なくとも一部の画素を代表画素として、該代表画素の各々について、その画素の前記第1の方向の座標と、前記拡大又は縮小のために前記入力画像内で参照する位置の前記第1の方向の座標との差を前記入力画像及び前記出力画像を構成する画素の前記第1の方向の間隔を「1」とした単位系で表した値を補正値として保持する補正値記憶手段に保持された前記補正値を用いた補間演算によって求め参照画素位置として出力する参照画素位置計算ステップと、
    前記出力画像の各画素について、前記補間演算に用いた前記補正値が全てゼロである場合、第1の値を出力し、それ以外の場合、第2の値を出力する判定ステップと、
    記出力画像の各画素について、前記参照画素位置の近傍に位置する複数の画素の画素値を、前記入力画像の各画素の画素値を保持する画像データ記憶手段から読み出す画像データ読み出しステップと、
    前記出力画像の各画素について第1の補間係数を求める補間係数決定ステップと、
    前記複数の画素の画素値と前記第1の補間係数から、前記出力画像の画素値を求める補間演算ステップとを備え、
    前記補間係数決定ステップは、前記判定ステップの出力が第1の値の場合、前記第1の補間係数によって表される線形フィルタの周波数応答を全ての周波数に対して1とし、前記判定ステップの出力が第2の値の場合、前記第1の補間係数によって表される線形フィルタの周波数応答を少なくとも一部の周波数領域において1未満とする
    ことを特徴とする画像処理方法。
  12. 前記第1の方向が水平方向であり、前記第2の方向が垂直方向であることを特徴とする請求項11記載の画像処理方法。
  13. 前記第1の方向が垂直方向であり、前記第2の方向が水平方向であることを特徴とする請求項11記載の画像処理方法。
  14. 光学系を備えた画像投射手段によって投射面に画像を表示する画像表示装置であって、前記光学系による光学歪みと逆の特性で前記入力画像の少なくとも一部を、請求項1に記載の画像処理装置又は請求項11に記載の画像処理方法によって、拡大又は縮小した出力画像を表示することを特徴とする画像表示装置。
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