JP5732004B2 - 金属材料 - Google Patents

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Description

本発明は、集光型太陽光発電に使用されるフレネルレンズ用金型、光学用マイクロレンズ用金型、液晶用偏光フィルター加工用金型ロールなどの金型や鏡面仕上げ金型などにおいて必要とされる高精密彫刻加工または鏡面加工などの高精度超微細な加工が可能である金属材料であり、主に電気めっき法により作製され、金型ロールや金型表面に対してめっき皮膜としてあるいは皮膜自体のみで金型とする電鋳材料の形で提供される金属材料に関する。
上記の光学レンズ用金型や偏光フィルター加工用金型ロールなどの超精密加工を要する部材では、幅または切り込み量が10μm以下の溝加工や表面粗さが10nm以下の鏡面加工など、極めて精密な彫刻切削加工や鏡面切削加工を必要としている。これらの超精密加工に於いては、加工しようとする金属素材の結晶粒径以下の厳しい加工精度が要求されている。また加工時には、型材端部の欠けや切削加工面に生ずる金属バリは、最終的に成形品の表面に転写されるために全く許容されない。さらに超精密加工した金属材料からなる金型や金型ロール自体は、その加工費から高コストにならざるを得ない為に、形状精度の長寿命(耐久性)も要求される。つまり、上記金属材料から構成される金型や金型ロールは超精密加工性、耐摩耗性および耐腐食性などの特性を全て備えていなければならない。なお、上記金属材料の超精密加工や鏡面加工にはダイヤモンドのバイト工具を利用するのが一般的である。
一般に、超精密加工を行うための金型や金型ロールには、従来からベリリウム銅や無電解ニッケルめっき皮膜を被覆したステンレス鋼や炭素鋼等が使用されていた。しかし、ベリリウム銅は比較的硬度が低く、切削バリの発生やその硬度から加工精度と共に長寿命を期待できない。また、無電解ニッケルめっき皮膜については、材料特性として切削面にバリが発生したり、鏡面加工性に問題を抱えており、近年ますます要求が高くなっている超精密加工性や鏡面加工性の要求を十分に満足することができない。一方、無電解ニッケルめっき皮膜に対応する電気ニッケルめっき皮膜は、無電解ニッケル皮膜よりもさらに低硬度で塑性変形し易く、超精密加工性や鏡面加工性が全くないだけでなく、高価なダイヤモンドバイトの寿命にも問題を生じている。
非特許文献1には、電気ニッケルめっき膜中の水素の挙動に関して、金属塩濃度とpHが異なる3種類のワット浴(NiSO:NiCl=4:1)を用いて電気ニッケルめっき析出時の物質収支を定量的に評価した記載がある。その評価結果によれば、「ワット浴から電気めっきしたニッケル皮膜中に共存する水素の量は電流効率に依存せず、ほとんどの水素は気泡になって大気放出されてしまう。ところがニッケルめっき皮膜中に存在(吸蔵)する水素の含有量は原子比 H/Ni=10−3以下で一見微量のように思えるが、ニッケル金属の室温における水素の固溶度(H/Ni=3×10−5)の10倍以上である。」と記載されている。しかし、水素の含有量が切削加工性に与える影響についての記載は一切見当たらない。
また、非特許文献2には、電気ニッケル−リン合金めっき皮膜の結晶化過程について述べており、皮膜中にリンを約8重量%以上含有すると非晶質になり、優れた耐食性や光沢性を有すること、さらにまた非晶質のものを加熱して結晶化させるとHv1100に達する高い硬さを有することなどが記載されている。しかし、非特許文献2には、電気ニッケル−リン合金めっきにおいて、リンを約8重量%以上含有すると非晶質になるとの記載はあるが、その切削加工性についての記載は一切ない。
技術雑誌「表面技術」Vol.63, No.4, 2012、222-226頁、めっき膜中の水素挙動 技術雑誌「金属表面技術」Vol.31, No.12, 1980、667-672頁、電析Ni−P非晶質合金の結晶化過程
本発明は従来の技術の有するこのような問題点に鑑みてなされたものであって、その目的は、高精密彫刻加工や鏡面加工などの超微細な切削加工を可能とする金属材料を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の金属材料は、ニッケルを主成分とし、10〜20重量%のリンを含有し、且つ0.3〜3.0原子%の水素を含み、その他に不可避的不純物を含む非晶質の金属材料であることを特徴とする。
また、本発明は、上記の特徴を有する金属材料において、X線回折によるニッケルの最大ピーク強度がバックグラウンド強度の2倍以下であることが好ましく、ニッケルの最大ピーク強度がバックグラウンド強度と識別できないレベルであることがより好ましい。また、加えて上記の特徴を有する金属材料において、X線回折におけるニッケルの最大ピーク強度の半値幅が3°以上の非晶質材料であることが好ましい。
本発明の金属材料は、電気めっき法により作成することが好ましい。
高精密彫刻加工または鏡面加工などの超精密微細加工が必要とされる金型や金型ロール表面に本発明の金属材料からなる金属皮膜を被覆すること以外に、本発明の金属材料単体で構成される例えば電鋳材料として提供されることも好ましい。
本発明の金属材料において、発明者等が調査した結果、リン含有量が10重量%未満では、ニッケルの結晶が析出し、X線回折により明確にNiPのピークが観察される。このような金属組織は、超精密彫刻加工や鏡面加工時の加工応力によって結晶粒界が破壊しやすく、破壊した結晶粒の大きさが目的とする微細加工粗さに到達することを阻害すると同時に切削バリとなり、表面粗さが10nm以下の鏡面にすることは出来ない。一方、リン含有量が20重量%を超えるような金属材料は製造することそのものが困難である。また、水素含有量が0.3原子%未満の金属材料は皮膜ないし材料としての強度が低く、同じく切削時にバリや欠けが発生し易く超精密彫刻加工性や鏡面加工性に劣っている。なお、水素含有量が3.0原子%を超える金属材料は電気めっき法でも得られていない。
本発明の金属材料は、ニッケルを主成分として、10〜20重量%のリンを含有し、且つ0.3〜3.0原子%の水素を含んでおり、それがために非晶質であるという特性に加えて高硬度でありながらも強靭で高度な精密彫刻加工性と鏡面加工性のいずれをも具備することを特徴としている。
図1は、本発明の金属材料の一例である金属皮膜を施した物品の切削加工時に生じた切り屑の走査電子顕微鏡写真(300倍)である。 図2は、電気めっき法により得ためっき皮膜(本発明の金属材料の一例である金属皮膜)とそれを熱処理したもののX線回折パターンを示す図である。 図3は、電気めっきにより得ためっき皮膜(本発明の金属材料の一例である金属皮膜)の熱処理前後のX線回折パターンを示す図である。 図4(a)は本発明の金属材料の一例である電気ニッケルーリン合金めっき皮膜を被覆したテストピースの表面切削面の状態を示す写真、図4(b)は無電解ニッケル−リン合金めっき皮膜を被覆したテストピースの表面切削面の状態を示す写真である。 図5(a)は本発明の金属材料の一例である電気ニッケルーリン合金めっき皮膜を被覆したテストピースを切削加工した表面のプロフィルを示す図、図5(b)は無電解ニッケル−リン合金めっき皮膜を被覆したテストピースを切削加工した表面のプロフィルを示す図である。
(1)金属材料の製造方法
本発明の金属材料の製造方法の一つとしてめっき法があり、上記したように、ニッケル−リン合金めっき皮膜は、めっき皮膜中のリン含有量が約8重量%(約15原子%)を超えると、非晶質構造をとるようになる。非晶質構造の合金は、耐食性や耐酸化性や耐変色性などにおいて優れており、耐食性に劣る鉄鋼材料の表面にこれらの性質を付与するための表面処理法の一つとして、ニッケル−リン合金めっき法が広く一般に利用されている。ニッケル−リン合金めっき液として、ニッケル供給源としてニッケル塩と還元剤として次亜リン酸塩を添加した無電解ニッケル−リン合金浴が実用化されている。しかしながら、無電解ニッケル−リン合金めっき皮膜には、「(1)合金めっき皮膜中に多くのピット(欠陥部)を内在している。(2)0.1mmを超える厚いめっき皮膜の場合では外観に問題がある、(3)合金めっき皮膜の成長に伴って次亜リン酸イオンやニッケルイオンの浴中濃度が刻々と変化するので還元速度の制御が難しい、(4)さらに液の老化に伴ってリンの含有量が一定であるめっき皮膜を得にくい」などの多くの問題を抱えている。
(2)本発明の金属材料(皮膜材料および電鋳材料)を得るためのめっき浴
本発明の金属材料を得るための方法としては電気めっき法が最も好ましい。そのためのめっき浴の一例としては、ニッケル塩、亜リン酸および/または亜リン酸塩、カルボン酸および/またはホウ酸などを必要量調合して電気めっき浴とする。ここで、カルボン酸としてはクエン酸、マロン酸、シュウ酸、酢酸、乳酸、リンゴ酸、酪酸、酒石酸、蟻酸、プロピオン酸、吉草酸、コハク酸、マレイン酸のいずれか/またはこれらを混合したものを用いることができる。めっき浴のpHは1.6〜3.5の範囲にするのが好ましく、浴を構成する成分の量に応じて、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウムなどのアルカリ成分や硫酸、塩酸などの鉱酸により適宜調整可能である。
〔本発明の重要な特徴(非晶質であること、適量の水素を含むこと)〕
《非晶質》
本発明の金属材料は、ニッケルを主成分とし、10〜20重量%のリンを含有することによって非晶質となっていることを一つの重要な特徴とする非晶質合金である。当該非晶質合金の別の特徴は、その特有の原子構造からもたらされる特性である電気的性質、磁気的性質、化学的性質、機械的性質に広く現れており、化学的性質に関しては、優れた耐食性を備えている。また機械的性質に関しては、高硬度、高強度でありながらも靭性を備えていることにある。
《適量の水素を含むこと》
本発明の金属材料は非晶質合金であるから、上記のような様々な特性を備えているが、単に非晶質であるというだけでは金属バリを生じない良好な切削加工性とはならない。つまり本発明の金属材料は適量の水素(0.3〜3.0原子%)を含むようにして製造していることを特徴としている。
一般に金属材料が水素を含有(吸蔵)すると、金属材料種によっては、吸蔵水素の影響で脆化するいわゆる水素脆性が知られており、一部のステンレス鋼や高炭素鋼などで水素脆性破壊が問題となることは一般にも良く知られている。水素に起因する脆性破壊の形態は、使用中の構造体に突然破壊を誘発するので遅れ破壊とも呼ばれている。金属材料が脆化するメカニズムとして様々な説が提案されており、例えば、結合力や表面エネルギーの低下、気泡内ガス圧、水素化物形成などがその原因として挙げられている。しかし、水素脆性破壊に関して統一されたメカニズム解明には至っていない。その原因としては、水素は原子番号が一番小さく、金属中へ容易に侵入し、著しく速く拡散して破壊直後に材料から放出されてしまうので、それを実証するのが困難なことが挙げられる。水素が金属材料の中に侵入し、金属材料の強度を著しく弱めることが知られている以上、水素脆性破壊を防止するには水素が金属材料中に侵入しないようにすること、または水素が侵入しても影響が少ない金属材料を開発することが一般の技術常識であると言える。
ところが、本発明者は、この技術常識を覆す驚くべき知見を得たのである。すなわち多量の水素を金属材料中に含有すると材料強度が著しく低下し、破壊し易くなるという一般常識に反して、逆に靭性を保持した状態で優れた切削加工特性を示すことが分かったのである。すなわち、本発明の金属材料は、非晶質且つ高硬度であり、通常想定される以上の異常に多量の水素を含有しているという事実にも関わらず、切削試験では極めて切削加工性に優れた材料で、高強度でありながらも可撓性を示すという特性を備えている。これは本発明の金属材料が、0.3〜3.0原子%の水素を含むようになったことによって、適切な材料強度と切削加工性とを具備していることを示しているのである。図1は、本発明の金属材料をダイヤモンドバイトにより切削加工したときに生じる切削片を走査電子顕微鏡写真(300倍)で観察したものである。図1に示した切削片は、極めて薄い切り屑であるにも関わらず、切削途中で破砕することなく連続しており、柔軟且つ延性の大きい、可撓性のある材料であることを示すものである。
以下に、本発明の実施例について説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものではなく、本発明の技術的範囲を逸脱しない範囲において適宜変更や修正が可能であることは言うまでもない。
(1)実施例
以下の表2に示す組成のニッケル−リン合金めっき浴をそれぞれ調製し、いずれも白金被覆チタン材を陽極として、浴温度50℃、電流密度2.5A/mを固定的な条件として、金型用材料としての使用例の多いスタバックス鋼(クロム合金ステンレス工具鋼、C:Si:Mn:Cr=0.38:0.8:0.5:13.6)からなる基材表面に本発明の実施例に記載している実施例1〜7の浴組成の電気ニッケル−リン合金めっき浴を用いてニッケル−リン合金めっき皮膜を被覆した。また、比較例1〜7として、同じくスタバックス鋼からなる基材表面にニッケル−リン合金めっき皮膜を被覆した。比較例1〜7では、電気めっき浴の組成を変化させることによってリン含有量や水素含有量を変化させたニッケル−リン合金めっき皮膜としている。また、比較例8〜10は、無電解法によって同じくスタバックス鋼からなる基材表面にニッケル−リン合金めっき皮膜を被覆したものである。
ここで、皮膜中のリン含有量は、エネルギー分散型X線分光法により定量分析した。また、水素含有量は、皮膜の一部を不活性ガス中の黒鉛坩堝で通電溶融し、発生したガスから水素を抽出し、熱伝導測定式ガスクロマトグラフにて定量分析した。これら測定した皮膜中のリン含有量(重量%)と水素含有量(原子%)を表2に示す。また、上記実施例1〜7、比較例1〜10に対して、単結晶ダイヤモンドバイトによる切削加工試験を行い、鏡面加工性を表面粗さで評価した。切削加工機は、4軸制御超精密加工機(東芝社製の商品名ULG-100D(SH3))を用い、以下の表1に示すように、単結晶ダイヤモンドの工具形状にて、ワークの回転数は1000rpm、切り込み深さは2μm、送り速度は2.0mm/minの条件で切削試験を行った。そして、切削面の粗さ(Rz)をザイゴ社製のZeGageを用いて、JIS B 0601(1994)に従って測定した。その表面粗度(Rz:nm)測定結果を表2に示す。また、皮膜厚さ(μm)も表2に示す。なお、電気ニッケル−リン合金めっき皮膜の厚さは500μmを目標とした。
表2に示すように、10〜20重量%のリンを含有し、且つ0.3〜3.0原子%の水素を含む実施例1〜7の如く電気ニッケルーリン合金めっき皮膜とすることで、表面粗さが10nm以下の良好な鏡面加工性を示したが、リン量および/または水素量が上記範囲から外れた比較例1〜7の電気ニッケルーリン合金めっき皮膜や比較例8〜10の無電解めっき皮膜の場合には表面粗さが10nmを大幅に超えており、鏡面を得ることはできていない。
図2は、表2の実施例1の「ニッケルーリン合金めっき皮膜」および「それを熱処理しためっき皮膜」のX線回折パターンを示す図である。図2において、線A、B、C、Dはそれぞれ「めっきのままの皮膜」、「250℃で1時間熱処理後のめっき皮膜」、「300℃で1時間熱処理後のめっき皮膜」、「350℃で1時間熱処理後のめっき皮膜」を示す。線A、Bでは回折ピークは見られず、ブロードな回折図形となっており、非晶質であると推定される。しかし、線Cでは、NiPとニッケルの回折ピークが見られ、線Dでは、NiPとニッケルの回折ピークが見られることから、結晶化が進んでいることが推定される。
図3の線E、線Fはそれぞれ、上記電気めっき法により得られた表2の実施例1の「めっきのままの皮膜」と「250℃で24時間熱処理後のめっき皮膜」のX線回折パターンのNiピーク位置部分を拡大した図であるが、いずれも回折ピークは見られず、ブロードな回折図形となっており、非晶質であると推定される。
《切削性》
図4(a)、(b)はそれぞれ、表2に示す実施例1と同じニッケル−リンの電気めっき皮膜を被覆したテストピースと、表2に示す比較例8と同じニッケル−リンの無電解めっき皮膜を被覆したテストピースに5軸超精密切削加工機で切削加工を施した場合の各めっき皮膜の表面形態を示す写真である。5軸超精密切削加工機での切削条件は、切削片は単結晶ダイヤモンド、ノーズ半径は0.8mm、レーキ角度は0.5°、クリアランスは8°、直径は50mmであり、切削深さは5μm、供給速度が3μm/回、回転速度が500回/分である。
図4(a)の下側の写真(300倍)に示すように、本発明のニッケル−リン電気めっき皮膜は極めて精緻な切削軌跡を示していることが分かる。しかし、図4(b)の下側の写真(300倍)に示すように、無電解めっき法によるニッケル−リン合金皮膜の切削軌跡は本発明のものに比べて粗いことが分かる。この点は、図5(a)(b)にも如実に表れている。図5(a)は上記切削加工における本発明の電気ニッケル−リン合金めっき皮膜(実施例1)の表面プロフィルを示し、図5(b)は上記切削加工における無電解ニッケル−リン合金めっき皮膜(比較例8)の表面プロフィルを示す図である。図5(a)(b)の横軸は切削方向に対して直角方向の距離(mm)を示し、縦軸はその表面プロフィル(nm)である。図5(a)と5(b)を比較すると分かるように、本発明の電気めっき法によるニッケル−リン合金めっき皮膜は短いピッチ(3〜4μm)のV溝加工も十分可能である。
本発明の金属材料は、集光型太陽光発電に使用されるフレネルレンズ用金型、光学用マイクロレンズ用金型、液晶用偏光フィルター加工用金型ロールなどを初めとし、諸々の超精密加工金型や鏡面仕上げ金型など、高精密彫刻加工または鏡面加工などの超微細な加工が必要とされる用途に好適である。

Claims (2)

  1. ニッケルを主成分とし、10〜20重量%のリンを含有し、且つ0.3〜3.0原子%の水素を含み、その他に不可避的不純物を含む非晶質であることを特徴とする、金型の製造のための金属皮膜又は電鋳材料
  2. ニッケルを主成分とし、10〜20重量%のリンを含有し、且つ0.3〜3.0原子%の水素を含み、その他に不可避的不純物を含む非晶質であることを特徴とする、金型ロールの製造のための金属皮膜
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