JP5730192B2 - 濃度アッセイ - Google Patents

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Description

本発明は、リガンド保持センサー表面への結合の検出を含む、被検体濃度の決定のためのアッセイに関し、さらに詳しくは、各分析サイクルごとにセンサー表面の再生を行いながら同一のリガンド保持センサー表面を用いて複数の試料を逐次に分析する上記のようなアッセイに関する。
分子の相互作用をリアルタイムでモニターし得る分析センサーシステムは、ますます多くの関心を集めつつある。これらのシステムは光学的バイオセンサーに基づくことが多く、通常は相互作用分析センサー又は生体特異的相互作用分析センサーといわれている。代表的なかかるバイオセンサーシステムは、GE Healthcare Biosciences AB(ウプサラ、スウェーデン)から販売されているBiacore(登録商標)計測器であり、これは試料中の分子と感知表面上に固定化された分子構造との間の相互作用を検出するために表面プラズモン共鳴(SPR)を使用している。Biacore(登録商標)システムによれば、標識を使用しなくても、試料中における特定の分子の存否や濃度ばかりでなく、例えば分子の相互作用に関する会合速度定数及び解離速度定数のような追加の相互作用パラメーターをリアルタイムで測定することが可能となる。
一般に、バイオセンサーアッセイにおいては、アッセイフォーマットに応じて被検体又は被検体結合リガンドがセンサー表面上の固定化リガンドに結合した場合、適当な流体で処理することで結合化学種を遊離させて新しい試料との接触のために表面を準備することが行われるが、このプロセスを再生という。通常、センサー表面はかなり多数の分析サイクルに供することができる。しかし、(例えばウイルス抗原のような)多くのリガンドは低い安定性を有する場合が多く、表面の被検体結合能力はサイクル数と共に減少し、定量目的のためのリガンドの使用を妨げることがある。結合能力のわずかな減少は頻繁な校正によって補償できることが多いが、これはスループットを顕著に減少させると共に、試薬の消費によるコストの増加をもたらす。
本発明の目的は、この問題に対する解決策を提供するもので、表面の結合能力のドリフト中における頻繁な校正の必要性を最小化すると共に定量測定の品質を顕著に向上させるアッセイ方法を提供することにある。
国際公開第2006/041392号パンフレット
上述した目的並びに他の目的及び利点は、特有の仮想校正曲線(即ち、各分析サイクルについて得られる固有の校正曲線)又は特有の校正係数を用いて各分析サイクルを評価する基準化段階を含む方法によって達成される。かくして、その結合能力がセンサー表面で分析された試料の数に応じて顕著なドリフトを示すリガンド保持センサー表面の場合でも、必要な校正作業の数を最小化することができる。
したがって一態様では、本発明は、各試料を逐次に分析サイクルに供することによって複数の試料中の1種以上の被検体の濃度を決定する方法であって、試料又は試料から導かれた溶液を、被検体を特異的に結合し得る化学種又は被検体結合化学種を保持するセンサー表面に接触させる段階を含んでなる方法を提供する。センサー表面への結合量が検出され、次いでセンサー表面を再生して次の分析サイクルのための準備が行われる。検出されたセンサー表面への結合量に基づき、既知濃度の被検体を含む試料にセンサー表面を接触させることで得られた現実の校正データから各分析サイクルに関して計算される仮想校正データを用いて各試料中の被検体の濃度が決定される。
現実の校正データは、複数の試料の分析シーケンス中に2以上、好ましくは3以上の時点(例えば、シーケンスの開始時点、中間時点及び終了時点)で実施される校正サイクルによって得られる。各校正は、2種以上、好ましくは5種以上の濃度(サイクル)を用いて実施される。
一実施形態では、仮想校正データは各サイクルに特有の仮想校正曲線からなる。かかる特有の校正曲線は、現実の校正データから各サイクルに関して予測された仮想濃度から計算できる。仮想濃度の予測は、好ましくは、現実の校正データ又は曲線の既知濃度の各々を、通例はサイクル数をとしかつ応答をとしたセンサー応答に関するモデル関数に当てはめることで行われる。
別の実施形態では、仮想校正データが各サイクルに関する校正係数からなる。かかる校正係数は、現実の校正データから計算された校正式から予測できる。
センサー表面に固定化されるリガンドは、被検体に特異的なリガンド、被検体又は被検体類似体、或いは被検体に特異的なリガンドに結合する捕捉剤であり得る。直接アッセイ、阻害アッセイ、競合タイプアッセイ及びサンドイッチアッセイを含む様々なアッセイフォーマットが使用できる。
本発明並びにその追加の特徴及び利点の一層完全な理解は、以下の詳細な説明及び添付の図面を参照することで得られよう。
図1は、試料中に相異なるウイルス濃度を有する3つの場合(a〜c)に関し、センサー表面上での阻害型ウイルスアッセイを示す模式図である。 図2は、3種のウイルス抗原がセンサー表面上のそれぞれの個別スポットに固定化され、各抗原に対して特異的な3種の抗体が定量のために使用される場合を示す、図1と同様な模式図である。 図3は、センサー表面上に固定化したインフルエンザウイルス抗原を用いる阻害型アッセイにおいて、実測された相対応答/安定度を様々なインフルエンザウイルス/抗血清混合物の濃度に対して示す図である。 図4は、固定化されたインフルエンザウイルス抗原を有するセンサー表面に対する複数の相異なるインフルエンザウイルス抗血清の結合に関し、実測された相対応答を分析サイクル数に対して示す図である。 図5は、固定化ウイルス抗原を有するセンサー表面上で実施される阻害型アッセイ中の4回の通常校正時において、7種の濃度(0.156、0.31、0.625、1.25、2.5、5及び10μg/ml)のウイルス対照試料に関してサイクル数をとしかつ実測応答をとする当てはめ基準化曲線を示す図である。これらの基準化曲線は、各サイクルに関する仮想濃度を予測するために使用される。次いで、これらの仮想濃度は、仮想濃度をとしかつ既知濃度をとするサイクル特有の校正曲線を作成するために使用される。 図6は、固定化ウイルス抗原を有するセンサー表面上で実施される阻害型アッセイにおいて相異なるサイクル数で4回の通常校正を行いながら、2種の対照試料濃度に関して計算濃度を分析サイクル数に対して示す図である。 図7は、2種の対照試料濃度に関し、各サイクルに関する(図5に基づく)仮想校正曲線を図6と同じ生データに適用した場合を示す図である。 図8は、対照試料に関する実測結合データ及び各サイクルに関する仮想校正曲線によって基準化された対応データを示す、図7と同様な図である。 図9Aは、3種のウイルスタイプの同時検出のためのアッセイにおいて作成した第1の校正曲線を示している。 図9Bは、3種のウイルスタイプの同時検出のためのアッセイにおいて作成した第2の校正曲線を示している。 図9Cは、3種のウイルスタイプの同時検出のためのアッセイにおいて作成した第3の校正曲線を示している。 図10は、仮想校正によって評価した被検体濃度のプロットした図を示している。 図11は、4パラメーター式の4つの係数がサイクル数と共に変動することを示している。 図12は、典型的な校正曲線の基礎をなす、ウイルス標準品に関する複数のセンサーグラムを示している。
簡単に述べれば、本発明は、センサー技術(通例はバイオセンサー技術)を用いて複数の試料中の被検体濃度を決定する方法であって、校正作業からのデータを用いて各分析サイクル(即ち、各試料)に関する仮想校正データを計算することで、実施される分析サイクルの数と共にセンサー表面の結合能力が実質的に減少する場合でも頻繁な校正が回避されかつ測定の品質が向上する方法に関する。
まず、バイオセンサー技術について述べれば、バイオセンサーは広義には、固体物理化学的トランスデューサーと直接に結合した状態で、或いはトランスデューサーと結合している可動担体ビーズ/粒子と共に分子認識用の構成成分(例えば、固定化抗体を有する層)を使用する装置として定義される。かかるセンサーは通例は固定化層に関する質量、屈折率又は厚さの変化を検出する無標識技法に基づいているが、何らかの種類の標識に依存するバイオセンサーも存在する。本発明の目的のための典型的なセンサーには、特に限定されないが、光学的方法及び圧電又は弾性波方法(例えば、表面弾性波(SAW)法及び水晶微量てんびん(QCM)法を含む)のような質量検出方法がある。代表的な光学的検出方法には、外部および内部反射法の両方を含む反射光学的方法のような質量表面濃度を検出する方法があり、これらは角分解、波長分解、偏光分解又は位相分解することができる。例えば、エバネセント波偏光解析法及びエバネセント波分光法(EWS又は内部反射分光法)(これらはいすれも表面プラズモン共鳴(SPR)によるエバネセント場の増強を含み得る)、ブルースター角屈折率測定、臨界角屈折率測定、フラストレーテッド全反射(FTR)、散乱全内部反射(STIR)(これは散乱を増強する標識を含み得る)、光導波路センサー、外部反射イメージング、エバネセント波に基づくイメージング(例えば、臨界角分解イメージング、ブルースター角分解イメージング、SPR角分解イメージング)などがある。さらに、例えば表面増強ラマン分光法(SERS)、表面増強共鳴ラマン分光法(SERRS)、エバネセント波蛍光発光法(TIRF)及びリン光発光法に基づく測光方法及びイメージング/顕微鏡検査方法(「それ自体」で又は反射方法と組み合わせて使用される)、並びに導波路干渉計、導波路リーキングモード分光法、反射干渉分光法(RIfS)、透過干渉測定、ホログラフィー分光法及び原子間力顕微鏡検査法(AFR)が挙げられる。
SPRに基づくバイオセンサー装置並びに例えばQCMを含む他の検出技法に基づくバイオセンサー装置は、いずれも1以上のフローセルを有する流通型装置及びキュヘット型装置として商業的に入手できる。複数の感知表面及び流通系を有する例示的なSPRバイオセンサーには、Biacore(商標)システム(GE Healthcare、ウプサラ、スウェーデン)及びProteOn(商標)XPR36システム(Bio−Rad Laboratories社)がある。これらのシステムは、結合リガンドと検査対象の被検体との間の表面結合相互作用をリアルタイムでモニターすることを可能にする。この文脈中では、「リガンド」は所定の被検体に対して既知又は未知の親和性を有する分子であって、表面上に固定化された任意の捕捉剤又はキャッチング剤を含む一方、「被検体」はそれに対する任意の特異的結合パートナーを含む。
SPRバイオセンサーに関して述べれば、SPRの現象は公知である。異なる屈折率を有する2種の媒体間の界面であって、通例は金又は銀の金属フィルムで被覆された界面において光がある条件下で反射された場合にSPRが起こることを述べれば十分であろう。Biacore(商標)システムでは、媒体は試料及びミクロ流体流路系によって試料に接触させるセンサーチップのガラスである。金属フィルムはチップ表面上の金の薄層である。SPRは、特定の反射角における反射光の強度を低下させる。この最小反射光強度の角度は、反射光の反対側(Biacore(商標)システムでは試料側)の表面付近の屈折率に応じて異なる。システムからの出力は、検出器の応答を時間の関数としてプロットした「センサーグラム」である。
Biacore(登録商標)計測器の技術的側面及びSPRの現象の詳細な論議は、米国特許第5,313,264号中に見出すことができる。バイオセンサーの感知表面のマトリックスコーティングに関する一層詳細な情報は、例えば、米国特許第5,242,828号及び同第5,436,161号に示されている。さらに、Biacore(登録商標)計測器に関連して使用されるバイオセンサーチップに関する技術的側面の詳細な議論は、米国特許第5,492,840号中に見出すことができる。上述した米国特許の全開示内容は、援用によって本明細書の内容の一部をなす。
以下の実施例では、本発明はSPR分光法(さらに詳しくはBiacore(商標)システム)に関連して例示されるが、本発明はこの検出方法に限定されないことを理解すべきである。それどころか、固定化リガンドに対する被検体の結合を定量的に表す感知表面での変化を測定できさえすれば、被検体のような結合化学種が感知表面上に固定化されたリガンドに結合する任意の親和性に基づく検出方法が使用できる。
本発明の方法は、センサー表面上でのドリフトを引き起こす顕著な不安定性を示す任意のリガンドに関して有利に使用できる。例示的なかかるリガンドには赤血球凝集素(HA)のようなウイルス抗原があり、したがって本方法はウイルス検出に関連して特別の重要性を有し得る。
以下、もっぱら例示目的のため、ウイルス抗原の検出及び定量のためのアッセイ、特に試料中の1種以上のインフルエンザウイルスの濃度、さらに詳しくは三価インフルエンザワクチン中の3種のウイルスタイプの赤血球凝集素(HA)の濃度を決定するための阻害型アッセイに関して本発明を一層詳しく説明するが、これに限定されるわけではない。
一般に、阻害型アッセイ(溶液競合アッセイともいう)では、既知量の検出分子(ここでは抗体)を試料(ここではウイルス)と混合し、混合物中の遊離検出分子の量を測定する。さらに詳しくは、本発明のバイオセンサーに関連した濃度測定のための阻害型アッセイは、通例、下記の段階を含み得る。
1.リガンドをセンサー表面に結合する。
2.(既知又は未知であってよい)一定濃度の検出分子を様々な濃度の校正物質溶液(被検体)に添加する。
3.混合物をセンサー表面に接触させ(流路系内の表面上に注入し)、応答を測定する。
4.校正曲線を計算する。
5.次いで、試料(被検体)を一定濃度の検出分子と混合することで測定を行う。試料をセンサー表面に接触させ(流路系内の表面上に注入し)、応答を測定する。
6.校正曲線を用いて試料中の被検体濃度を計算する。遊離検出分子の量は、試料中の被検体濃度と逆の関係にある。
7.表面を再生し、新しい試料を注入することができる。
説明すべき方法では、リガンドはウイルス抗原、好ましくは表面抗原(又は任意には全ウイルス)であるのに対し、被検体は抗原(ウイルス粒子、ウイルス粒子の一部又はワクチン)と通例は抗原に対する抗体である検出分子との混合物である。抗体はポリクローナル(例えば血清)又はモノクローナルであり得る。このような特定の場合に阻害型アッセイフォーマットを使用することの利点は、表面への大きいウイルス粒子(抗原)の拡散効果は回避されることである。アッセイが(典型的には)培養ウイルスからワクチンを精製するために使用される場合、抗原は精製プロセスの任意の部分から得られるものであってよく、全ウイルス又は表面抗原のみからなり得る最終ワクチンであってよい。
以下、添付の図面中の図1〜12を参照しながら説明を行う。
図1aに模式的に示される通り、参照番号1で表される精製ウイルスHAをバイオセンサーのセンサー表面2上に固定化する。ウイルス粒子3と抗体4を含む抗血清との混合物をセンサー表面2上に液体流れとして通過させる。図1aに示される通り、抗体4はウイルス粒子又は固定化HA抗原に結合していることもあれば、溶液中に遊離していることもある。センサー表面への結合は、センサー表面からの応答信号を増加させる。
図1bは、試料中にウイルスが存在しない場合を示している。この場合には、最大量の抗体4がセンサー表面上のHA抗原1に結合し、高い応答信号を生じる。
他方、図1cでは、高濃度のウイルス粒子3が少量の遊離抗体4を生み出し、したがって低い応答信号が測定される。このように、試料中のウイルスの濃度が高いほど、表面HAに結合する抗体の量は少なくなり、低い応答レベルを生じる。
センサー表面が複数(例えば、3以上)の個別感知領域又は「スポット」を有するか、或いはそれを提供し得るならば、図2に示すように、例えば3種のHAを固定化することができる。この場合、(現行のインフルエンザワクチン中で通例使用される)ウイルスタイプA/H1N1、A/H3N2及びBに対して特異的なHAがセンサー表面上のそれぞれのスポットに固定化されている。
下記に実証されるように、HAに対する異なるウイルス抗血清の結合は選択性である。即ち、異なるウイルスタイプ又はサブタイプ間の交差反応性は存在しない。このような選択性のため、多価ワクチンのような試料中の2種以上のウイルス成分は同時に測定できる。
次に、上述した3種のウイルスタイプ/サブタイプA/H1N1、A/H3N2及びBを含む試料に適用される本発明方法の例示的な実施形態を説明しよう。
3種のウイルスタイプからのHAを、センサー表面上の3つの異なるスポットに固定化する。
次いで、校正手続きを実施する。各ウイルスタイプに関する一定濃度の標準抗血清からなる校正物質を、測定すべき濃度範囲をカバーする様々な既知濃度のウイルス(又はウイルス抗原)と混合する。次いで、校正物質をセンサー表面のスポット上に(3種のタイプを別々に又は一緒に)注入し、応答を測定する。次いで、測定の結果から校正曲線を計算する。
例示のため、Biacore(商標)システムにより複数のウイルス標準品に関して得られたセンサーグラム(検出器の応答を時間に対してプロットした曲線)の例を図12に示すが、これらをまとめて典型的な校正曲線が得られる。
次いで、各試料を一定濃度の抗血清(一度に1種ずつ又は好ましくは3種の抗血清のすべてを用いる)と混合することで試料中のウイルスHA含有量の測定を実施する。試料をセンサー表面上に注入し、遊離抗血清濃度を測定する。校正曲線を用いて試料中のウイルス抗原濃度を計算する。
次いで、表面を再生し(即ち、表面を適当な再生溶液に接触させることで固定化HAから結合抗体を解離させ)、新しい試料を表面上に流すことができる。
上述したように、固定化抗原は安定でないので、これはセンサー表面の能力を減少させる。したがって、対照品の測定/計算濃度は新しい校正作業が行われるまでに実施される分析サイクルの数(又はサイクル数)の関数として増加する。これは、阻害型アッセイフォーマットでは、校正曲線が結合能力の減少を試料中のHA濃度の増加として解釈するからである。このようなドリフトは分析サイクル数の増加と共に増加し、普通は直線的でなく、通例は指数関数的である。本明細書中で使用される「分析サイクル」という用語は、固定化HAを有するセンサー表面上にウイルスと検出抗体との混合物を流す段階、次いで表面を再生して次の分析サイクルの準備を行う段階を含んでいる。
したがって、本発明に従えば、(例えば、分析シーケンスの開始時点、中間時点及び終了時点で)実施される通常は複数の校正に基づき、各分析サイクルに特有となるように計算された「仮想」校正データを用いて各分析サイクルが評価される。これは、ドリフト中における頻繁な校正の必要性を効果的に最小化すると共に、例えば上述したBiacore(商標)システムのようなバイオセンサーシステムを用いた定量測定の品質を顕著に向上させる。このような新しい校正ルーチンは様々なやり方で設計できる。
1つの変形例では、抗体作業からの生データを用いて各分析サイクルに関する仮想濃度を予測し、次いでサイクル特有の校正曲線の計算並びに試料及び対照品に関する濃度の予測を行う。
さらに詳しくは、適当な数の相異なる濃度を用いて実施された各校正に関し、得られた応答を、サイクル数をとしかつ応答をとするモデル関数に当てはめる。モデル関数又は式は、例えば、指数関数(例えば、二重指数関数)であってもよいし、或いは下記の実施例中に記載される「4パラメーター回帰曲線」(「4パラメーター式」ともいう)のようなリガンド結合に関する標準型回帰曲線モデルであってもよい。次いで、(各濃度に関して1つずつ)生成される式又は曲線を用いて各分析サイクルに関する仮想応答を計算する。次いで、これらの仮想応答データを用いて各サイクルに特有の校正曲線を計算するが、これは例えば上述した4パラメーター回帰曲線を用いて行うことができる。次いで、これらのサイクル特有の校正曲線を用いて試料及び対照品の濃度を予測する。
別の変形例では、現実の校正の各々に関して校正式を計算し、次いで各分析サイクルに特有の校正係数を予測する。次いで、これらの係数を用いて試料及び対照品の濃度を予測する。
さらに詳しくは、分析サイクルシーケンス中に様々な時点で得られた校正データを用いて、各校正に関する回帰曲線モデルの係数を計算する。回帰曲線モデルは、例えば、上述した「4パラメーター回帰曲線」のようなリガンド結合に関する標準型回帰曲線モデルであってよく、この場合には4つの係数が計算される。次いで、各係数に関し、サイクル数に応じたその変動を求めた後、使用した回帰曲線モデルから濃度を計算することができる。
上述した「4パラメーター回帰曲線」の4つの係数(パラメーター)の各々の変動の実例を、図11A(係数A=Rhigh及びD=Rlow)並びに図11B(係数B=A2及びlogC=logA1)に示す。各曲線に関して示した式は、それぞれの係数をサイクル数の関数としてプロットすることで得られた。
必要な校正及び相異なる濃度の数は、一般に使用する回帰曲線モデルに依存する。少なくとも比較的小さい濃度範囲に関しては、2種の分析サイクル数での校正及び2種の濃度で十分であろうが(線形回帰曲線モデル)、3回以上(例えば、3回又は4回)の校正を実施し、かつ5種以上(通例は6〜8種)の濃度を使用することが好ましい(指数関数的又は「4パラメーター回帰曲線」)。
上述した第1の方法変形例は下記の実施例4及び実施例5に一層詳しく記載されるが、これは通例以下の段階を含んでいる。即ち、
分析シーケンス中の様々な時点で様々な濃度を用いて校正を実施して複数の校正曲線を得る段階、
各濃度に関し、サイクル数をとしかつ検出器の応答をとする4パラメーター式又は二重指数関数に校正曲線を当てはめて対応する応答−サイクル数曲線を得る段階、
それぞれの濃度に関する様々な応答−サイクル数曲線から各サイクルに関する仮想応答を計算する段階、
4パラメーター式に当てはめて各サイクルに特有の校正曲線を計算する段階、及び
それぞれのサイクル特有の校正曲線から各試料中の被検体濃度を決定する段階
を含んでいる。
第2の方法変形例は実施例6に一層詳しく記載されるが、これは通例以下の段階を含んでいる。即ち、
分析シーケンス中の様々な時点で様々な濃度を用いて校正を実施して複数の校正曲線を得る段階、
校正曲線を「4パラメーター式」に当てはめて各校正曲線に関する4つの係数の値を決定する段階、
すべての濃度に関し、係数値をサイクル数に対してプロットして各サイクルに関する仮想係数を得る段階、及び
サイクル特有の係数を用いて4パラメーター式から各試料中の被検体濃度を計算する段階
を含んでいる。
以下の実施例には、限定ではなく例示を目的として本発明の様々な態様を一層詳細に開示する。
計測機器
Biacore(商標)T100(GE Healthcare社、ウプサラ、スウェーデン)を使用した。この計測器はセンサーチップ上の金表面での表面プラズモン共鳴(SPR)検出に基づくもので、試料及び操作用緩衝液を4つの個別に検出されるフローセル(Fc1〜Fc4と表示する)に1つずつ又は連続して通過させるための微小流体系(一体化微小流体カートリッジ−IFC)を使用している。IFCは、Biacore(商標)T100計測器内において合体機構によりセンサーチップに圧着されている。
センサーチップとしては、カルボキシメチル修飾デキストランポリマーの共有結合ヒドロゲルマトリックス(約100nm)と共に金被覆(約50nm)表面を有するシリーズCM5(GE Healthcare社、ウプサラ、スウェーデン)を使用した。
計測器からの出力は、(「共鳴単位」(RU)で測定された)検出器の応答を時間の関数としてプロットした「センサーグラム」である。1000RUの増加は、センサー表面上での約1ng/mm2の質量増加に相当している。
実施例1:インフルエンザウイルスA/H3N2/Wyoming、A/H3N2/New York及びB/Jilinのアッセイ
材料
赤血球凝集素(HA)A/H3N2,Wyoming/3/2003、Wisconsin及びNew Yorkは、Protein Sciences Corp.(メリデン、米国)から入手した。
HA A/H1N1,New Caledonia/20/99は、ProsPec社(レホヴォト、イスラエル)から入手した。
HB/Jilinは、GenWay Biotech Inc.(サンディエゴ、米国)から入手した。
血清及びウイルス株は、NIBSC−National Institute for Biological Standards and Control(ポッターズバー、英国ハートフォードシャー州)から入手した。
アッセイ用及び試料用緩衝液HBS−EP+(GE Healthcare社)。
界面活性剤P20(GE Healthcare社)。
方法
下記のように、アミンカップリングを用いて、HA(H3N2、H1N1及びB)をBiacore T100の3つのそれぞれのフローセル内のCM5センサーチップに固定化する。
H3N2/Wyoming及びWisconsin:10mMリン酸緩衝液、pH7.0、0.05%界面活性剤P20中で10μg/ml、7分間。
H3N2/New York:10mMマレイン酸緩衝液、pH6.5、0.05%界面活性剤P20中で10μg/ml、7分間。
B/Jilin:10mMマレイン酸緩衝液、pH6.5、0.05%界面活性剤P20中で5μg/ml、20〜30分間。
固定化レベルは5000〜10000RUである。
それぞれのウイルス株に対する血清を、約500〜1500RUが得られるように希釈する。
血清を用いて3〜10回の開始サイクルを実施する。
最初に供給者によって推奨されるようにMQで希釈され(この場合、HAはアリコートに分けて凍結保存される)、次いでさらに血清で通例0.1〜15μg/mlに希釈されたウイルス抗原(HA)を用いて校正曲線を作成する。
標準品及び試料は400秒の注入時間を有している。
再生は50mM HCl、0.05%界面活性剤P20を用いて30秒間実施し、次いで30秒間の安定化を行う。
実施例2:同一ウイルスサブタイプの様々な株の検出の普遍性
H3N2株Wyoming HAをCM5センサーチップに固定化し、その表面を様々なウイルス/抗血清の組合せに接触させた。かかる組合せは、Wyomingからのウイルス/抗血清(W/W)、New Yorkからのウイルス/抗血清(N.Y./N.Y.)、Wyomingウイルス及びNew Yorkからの血清(W/N.Y.)並びにNew Yorkウイルス及びWyomingからの血清(N.Y./W)であった。それぞれの組合せを用いて校正曲線を作成した。結果を図3に示す。図から明らかな通り、異なるウイルス株間には交差反応性が存在する。したがって、Wyoming HA及びウイルス/抗血清はNew York株の定量のために使用でき、その逆もまた正しい。
実施例3:様々なインフルエンザウイルスタイプ/サブタイプのHAに対する抗血清の結合の選択性
インフルエンザウイルスA/H3N2、A H1N1及びBの様々な株に対する27種の抗血清を固定化H3N2 Wyoming HA上に注入し、その結合を検出した。結果及び使用した株のリストを図4に示す。図から明らかな通り、すべてのH3N2抗血清は100RUより高い信号をもって結合する一方、すべてのH1N1及びB抗血清は50RU未満の信号を有している。これは、数種のウイルス株を同時に定量できること、及びH3N2の測定のためには1種又は若干種のHAのみが必要であることを表している。
実施例4:仮想校正手続き
Biacore T100及びCM5センサーチップ上で複数(約100回)のアッセイサイクルを実施したが、その間に7種の濃度(0.156、0.31、0.625、1.25、2.5、5及び10μg/ml)の対照試料を用いて4回の通常校正を行った。7種の濃度の各々に関し、サイクル数をとし、応答をとし、かつa、b、c、d及びeを当てはめパラメーターとする関数()=a*exp(−b*)+c*exp(−d*)+eを当てはめた。結果を図5に示すが、図中で最上部の曲線は最も低い濃度(0.156μg/ml)の対照品(即ち、阻害アッセイでは最も高い応答)を表し、最下部の曲線は最も高い濃度(10μg/ml)の対照品(即ち、最も低い応答)を表している。次いで、これらの式を用いて各サイクルに関する仮想応答を計算した。次いで、下記実施例6に記載される標準型の「4パラメーター回帰曲線」を使用しながら、これらの応答を用いて各サイクルに関する校正曲線を計算した。これらのサイクル特有の校正曲線から、図6及び図7を参照しながら下記に説明されるようにして、正にそのサイクルで試料及び対照品の予測を行った。
図6は、2種の対照品(1.0μg/ml及び0.5μg/ml)の計算濃度に関するドリフトを示している。多数のアッセイサイクルを実施し、二重波線矢印で表されるサイクル数で4回の中間校正を行った。各校正後に3つ(又は2つ)の対照品の濃度を最も近い先行校正曲線に対して計算した。波線矢印によって表されるように、校正までの距離の増加に伴って計算濃度の系統的な増加が存在している。このような計算濃度の増加は、対照試料からの信号の減少に原因している。これはまた、表面の結合能力がサイクル数の関数として減少し、校正曲線がかかる減少を濃度の増加として解釈することに原因している。このような結合能力の減少はまた、図3及び図4に見ることができる。
上述した仮想校正方法を図6の生データに適用すれば、0.5μg/ml及び1.0μg/mlの対照品に関して図7に示す濃度推定値が得られるが、これは対照試料の濃度の予測における再現性の顕著な向上である。
実施例5:仮想校正手続きによる結合データの基準化
HA組換えタンパク質HB/Jilin、H1N1/New Caledonia及びH3N2/Wyomingを固定化した。校正曲線を得た。試料を希釈し、0.5〜1.5μg/mlの範囲内の濃度を測定して再計算した。応答のドリフトを回避するため、上記実施例4に概述した基準化手続きを用いて結果を基準化し、各サイクルは固有の校正曲線を得た。図8は、250RUの応答及び1.2%のCVを与える対照試料(5μg/mlのB/Jiangsu/10/2003)に関する基準化前及び基準化後の結果を示している。
実施例6:3種のウイルスタイプの同時検出
3つのフローセルに、3種の組換えインフルエンザウイルスHAタンパク質、即ちH1N1/New Caledonia、H3N2/Wisconsin及びB/Jilinを固定化した。
3種のインフルエンザ株H1N1/New Caledonia、H3N2/Wisconsin及びB/Malaysiaからのウイルス標準品を、各標準品の最終濃度が16μg/mlとなるように希釈して混合した。次いで、16μg/mlから0.5μg/mlまでの2倍系列希釈液として校正曲線を作成した。
分析すべき3種のワクチンH1N1、H3N2及びBを8倍、16倍、32倍及び64倍に希釈した。
3種の血清(NIBSCからのH1N1/New Caledonia、H3N2/Wisconsin及びB/Malaysia)を、500〜700RUの応答を与える濃度に希釈して混合した。
ワクチンを分析するためには、標準品及びワクチンの複製物をまず血清溶液と混合し、次いで「Method Builder」で生み出された方法を用いてフローセル中に流した。
「Method Builder」からの一般的方法は下記の通りであった。
開始(血清のみを用いて7サイクル、次いで再生)
校正曲線1(14サイクル)
試料(12サイクル)
校正曲線2(14サイクル)
試料(12サイクル)
校正曲線3(14サイクル)
試料(12サイクル)
各株に関する校正曲線1〜3を図9A〜図9Cに示す。各図中において、校正曲線1は最上部の曲線であり、校正曲線2は中間の曲線であり、校正曲線3は最下部の曲線である。
次いで、3つの校正曲線について結果を基準化した。これは、Biacore(登録商標)システムによる濃度測定のために通常使用される4パラメーター回帰曲線(式1)に校正曲線の4パラメーター当てはめを実施して4つの係数を決定することで行った。
式中、Rhighは低ウイルス濃度での応答であり、Rlowは低ウイルス濃度での応答であり、A1(EC50)及びA2(Hill勾配)は当てはめパラメーターであり、Xはウイルスの濃度である。
次いで、様々な濃度で4つの係数の各々に関して得られた値を分析サイクル数に対してプロットすることで、各係数に関する式を得た。上記の式1によって得られた係数を用いて、基準化濃度を計算した。
結果
製造者によれば、ワクチン中の各株のHA濃度は、SRIDで分析して30μg/mlのはずである。
実施例7:CHO−HCPの測定
5000ng/mlの濃度を有するCHO−HCP(チャイニーズハムスター卵巣宿主細胞タンパク質)の20の試料の濃度を決定するための方法をBiacore(商標)T100計測器に設定した。各標準曲線について6〜8種の濃度を使用しながら、開始時点、中間時点及び終了時点で3つの標準曲線を作成した。抗CHO−HCPを固定化したセンサーチップ表面上に20の試料を300秒間注入した。10mMグリシン−HCl、pH1.5を用いて再生を60秒間実施した。仮想校正によって濃度の評価を行い、比較のために平均曲線及び最も近い先行校正曲線をそれぞれ使用した。結果を下記表及び図10に示す。表中に見られる通り、仮想校正によって評価された濃度は4798ng/mlの平均濃度及び1.45のCV(%)を有していた。平均曲線を用いた濃度の評価は、4795ng/mlの平均濃度及び9.87のCV(%)を与えた。先行校正曲線を用いた試料の評価は、4408の平均濃度及び4.76のCV(%)を与えた。

Claims (14)

  1. 分析シーケンスによって複数の試料中の1種以上の被検体の濃度を決定する方法であって、分析シーケンスが、
    各試料を、逐次、
    (a)試料又は試料から導かれた溶液を、被検体を特異的に結合し得る化学種又は被検体結合化学種を保持するセンサー表面に接触させる段階と、
    (b)センサー表面への結合量を検出する段階と、
    (c)センサー表面を再生して次の分析サイクルのための準備をする段階と
    を含む分析サイクルに供すことを含んでおり、前記分析シーケンスが、
    分析シーケンスの異なる時点で現実の校正データを得るための2以上の校正サイクルであって、各校正サイクルが、既知の異なる濃度の被検体を含む2以上の校正用試料を分析サイクルに供して検出された結合量を現実の校正データとして記録する校正サイクルと、
    現実の校正データをモデル関数に当てはめて、モデル関数から各分析サイクルについて仮想校正データを得ることによってから各分析サイクルについての仮想校正データを計算する段階と、
    検出されたセンサー表面への結合量と、それぞれの分析サイクルに関して計算され仮想校正データとに基づいて、各試料中の被検体の濃度を決定する段階と
    を含む、方法。
  2. 仮想校正データが各サイクルに特有の校正曲線からなる、請求項1記載の方法。
  3. サイクル特有の校正曲線が現実の校正データから各サイクルに関して予測された仮想濃度から計算される、請求項2記載の方法。
  4. 仮想濃度の予測が、既知の校正データをモデル関数に当てはめて各校正濃度に関するセンサー応答−サイクル数関係を求めることを含む、請求項3記載の方法。
  5. モデル関数がリガンド結合に関する標準型回帰曲線である、請求項4記載の方法。
  6. モデル関数が指数関数である、請求項4記載の方法。
  7. 仮想校正データが各サイクルに特有の校正係数からなる、請求項1記載の方法。
  8. 現実の校正データから校正式が計算され、それから各サイクルに関する仮想校正係数が予測される、請求項7記載の方法。
  9. 仮想校正係数の予測が、校正データをモデル関数に当てはめて各サイクルに関するモデル関数の係数の値を求めることを含む、請求項8記載の方法。
  10. 現実の校正データが、複数の試料の分析中に2回以上実施される校正からのデータからなる、請求項1乃至請求項9のいずれか1項記載の方法。
  11. 各校正が2種以上の濃度を用いて実施される、請求項10記載の方法。
  12. 分析サイクルが、直接アッセイ、阻害アッセイ、競合アッセイ及びサンドイッチアッセイから選択されるアッセイフォーマットに基づいている、請求項1乃至請求項11のいずれか1項記載の方法。
  13. 分析サイクルが直接型アッセイに基づいていて、被検体に特異的なリガンドがセンサー表面上に固定化される、請求項12記載の方法。
  14. 分析サイクルが阻害型アッセイに基づいていて、試料が一定量の検出分子と混合され、被検体又は被検体類似体がセンサー表面上に固定化される、請求項12記載の方法。
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