JP7233880B2 - ウイルスrna単離方法及びウイルス定量方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ウイルスRNA単離方法及びウイルス定量方法に関する。
ウイルス感染症の診断、ウイルスを用いた基礎研究又はウイルス製剤の製造などの分野において、ウイルスを用いる際、安全性の観点から不活性化されたウイルスを使用する場合が多い。特に、体外診断用キットやウイルス定量装置の校正用抗原には不活化ウイルスを用いる。
不活化ウイルスは、ウイルスをホルマリン処理やUV処理することによって製造される。不活化ウイルスは通常、核酸とタンパク質、及びタンパク質同士が架橋されている。上記の分野においては、このような不活化ウイルスを正確に定量することが求められる。しかしながら不活化ウイルスを定量するには核酸とタンパク質との架橋を切断し、核酸を単離する必要がある。架橋された核酸の単離工程は煩雑な手順を必要とし、完全に核酸を単離することが難しい。
不活化ウイルスを定量する方法として、ELISA法、イムノクロマト法など、抗体を用いた方法がある。
しかしながら、ELISA法及びイムノクロマト法は、操作に時間がかかり、かつ操作が煩雑である。また不活化ウイルスを正確に定量することは困難である場合があり、方法によって得られる結果が異なることもあった。このような状況において、不活化ウイルスを正確に定量する方法の開発が求められている。
本発明は、RNAウイルスからウイルスRNAを簡単に単離する方法及びウイルスをより正確に定量する方法を提供することを目的とする。
実施形態に従うウイルス単離方法は、(S1)試料中のRNAウイルスから内包物を放出させること、(S2)試料にプロテイナーゼKを添加すること、及び(S3)得られた混合液からRNAを回収することを含む。
図1は、実施形態のウイルスRNA単離方法を示すフローチャートである。 図2は、実施形態のウイルスRNA単離方法の工程を示す模式図である。 図3は、実施形態のウイルス定量方法を示すフローチャートである。 図4は、例1の実験結果を示すグラフである。 図5は、例1の実験結果を示すグラフである。 図6は、例2の実験結果を示すグラフである。 図7は、例2の実験結果を示すグラフである。 図8は、例3の実験結果を示すグラフである。 図9は、例4の実験結果を示すグラフである。
実施形態によれば、ウイルスRNA単離方法と、当該単離方法によって単離されたRNAを用いたウイルス定量方法とが提供される。以下、各方法について説明する。
・ウイルスRNA単離方法
図1は、実施形態のウイルスRNA単離方法の一例を示すフローチャートである。当該方法は、(S1)試料中のRNAウイルスから内包物を放出させること、(S2)試料にプロテイナーゼKを添加すること、及び(S3)得られた混合液からRNAを回収することを含む。
以上の方法によってRNAウイルスからRNAが単離される原理について図2を用いて説明する。図2は、実施形態のウイルスRNA単離方法の工程を示す模式図である。図2の(a)に示すように、RNAウイルス1は、例えばウイルスエンベロープ2に内包されたゲノムRNA3及びタンパク質4を含む。タンパク質4は、ポリメラーゼ又は核タンパク質などである。
図2では予め不活性化処理されたRNAウイルス1を用いる例を示す。不活性化処理によりRNAウイルス1のRNA3とタンパク質4とが架橋されて複合体を形成している。
RNAウイルス1は、例えば、液体試料5に含まれている。図2には便宜上液体試料5にRNAウイルス1が1つ含まれた例を示すが、通常RNAウイルス1は液体試料5中に複数含まれる。
例えば、RNAウイルス1の内包物、即ちRNA3及びタンパク質4を液体試料5中に放出させるために液体試料5に変性試薬を添加する。変性試薬によりRNAウイルス1のウイルスエンベロープ2が溶解するか或いはウイルスエンベロープ2に穴が開き、RNAウイルス1の内包物が液体試料5中に放出される(図2の(b))。
次に液体試料5にプロテイナーゼKを添加する。プロテイナーゼKは、タンパク質のアミノ酸のカルボキシル基側のペプチド結合を酵素反応により切断することでタンパク質とRNAの架橋を切断すると考えられる。したがって、液体試料5中でRNA3とタンパク質4との架橋を切断することができる。故に、RNA3及びタンパク質4はそれぞれ分離され、RNA3は、他のRNA3やタンパク質4等の結合物のない精製された状態となる(図2の(c))。
その後、図2の(c)に示す得られた混合液からRNA3を回収する(図2の(d))。
以上の方法によれば、プロテイナーゼKによってRNA3とタンパク質4との間の架橋が切断されるため、簡単な操作でタンパク質4が付着していないRNA3を得ることができる。即ち、RNA3を単離することができる。このようにRNAを単離することによって、例えば、この後に行われ得るウイルス定量工程で反応を阻害するタンパク質や架橋を除去できるので非常に高感度にウイルスの定量を行うことができる。
実施形態のウイルスRNA単離方法に用いられるウイルスは、RNAウイルスである。RNAウイルスは、例えば、エンテロウイルス、カルディオウイルス、ライノウイルス、アフトウイルス、カリシウイルス、ヘパトウイルス、オルビウイルス、レオウイルス、ロタウイルス、アビビルナウイルス、ピスチビルナウイルス、エントモビルナウイルス、ルビウイルス、ペスティウイルス、フラヴィウイルス、C型肝炎ウイルス、インフルエンザウイルス、ニューモウイルス、パラミクソウイルス、モルビリウイルス、ベシクロウイルス、リッサウイルス、コロナウイルス、ブンヤウイルス、アレナウイルス又はレンチウイルスに属するRNAウイルスである。
実施形態の方法は、プロテイナーゼKによって架橋を切断するため、RNA及びタンパク質が架橋されている不活性化処理されたRNAウイルス1のRNA3を単離するのに特に有用である。不活性化処理されたウイルスは、例えば、ホルマリン処理、UV照射処理、液状過熱処理、乾燥過熱処理、界面活性剤処理、酸処理、アルカリ処理又はアルキル化剤処理されたウイルスである。
或いは、不活性化処理していないRNAウイルス1を用いても同様にRNA3を単離することができる。
RNAウイルス1を含む液体試料5は、例えば、RNAウイルス1を宿主細胞培養用培地又は検体輸送用培地などの培地、リン酸緩衝液等の緩衝液或いは生理食塩水などの液体媒体に含ませたものである。
工程(S1)における内包物の放出は、例えば、図2に示す液体試料5への変性試薬の添加のような、ウイルスの化学的処理により行うことができる。変性試薬は、例えば、酵素、界面活性剤、カオトロピック試薬、金属器レート剤、還元剤、有機溶媒又はその組合せからなる群から選択される。
或いは、内包物の放出は電気的処理によっても行うことができる。電気的処理とは、例えば、RNAウイルスに電圧を印加することである。例えば、電源と接続された少なくとも2つの電極を試料に接触させ、電極に電圧を印加することによってウイルスへの電圧印加をおこなうことができる。電圧の印加によって、ウイルスエンベロープを部分的又は全て破壊することができる。その結果、内包物が試料中に放出される。
プロテイナーゼK(Proteinase K)は、プロテアーゼK、エンドペプチターゼKとも呼ばれるプロテアーゼの1種であるタンパク質である。プロテイナーゼKは、架橋を切断する活性を有する限りにおいて、そのペプチド配列の一部を含むペプチド断片であってもよい。
工程(S2)においてプロテイナーゼKを添加した後、液体試料5を25~65℃で使用可能であるが、55℃3時間静置することがより好ましい。それによって、架橋を十分に切断することができる。
工程(S3)におけるRNA3の回収は、溶液から核酸を回収する公知の何れかの方法を用いて行われればよい。例えば、回収は次のように行われる。工程(S2)で得られた混合物をフィルターでろ過してRNAをフィルターに吸着させる。次いでフィルターをタンパク質変性剤又はタンパク質可溶化剤などで洗浄してタンパク質を洗い流した後、フィルターを溶出緩衝液などで処理してRNAを溶出させる。
例えば、工程(S1)~(S3)は、公知の核酸抽出方法又は公知の核酸抽出キットを用いて行われてもよい。その場合、これらの方法におけるウイルスの内包物を放出させる工程の後に、プロテイナーゼKを添加する工程を加えればよい。
更なる実施形態において、実施形態のRNA単離方法は、工程(S3)の後、単離されたRNAを含むRNA溶液にプロテアーゼを接触させる工程を含んでもよい。それによって、回収されたRNAに架橋が残留していた場合にそれを切断することができる。その結果、RNAを更に精製することができる。プロテアーゼは、例えば、プロテイナーゼKである。
・ウイルス定量方法
図3は、実施形態のウイルス定量方法を示すフローチャートである。当該方法は、上記ウイルスRNA単離方法において単離されたRNAを定量することによって試料中のウイルスを定量する方法である。
当該方法は、以下の工程を含む。(S11)試料中のRNAウイルスから内包物を放出させること、(S12)試料にプロテイナーゼKを添加すること、(S13)得られた混合液からRNAを回収すること、(S14)前記工程(S13)によって得られたRNA溶液に含まれるRNAの存在量から、試料中のRNAウイルスのコピー数を決定すること。
工程(S11)~(S13)は、上記工程(S1)~(S3)と同様に行うことができる。工程(S11)~(S13)を行うことによって、単離されたRNAを含むRNA溶液が得られる。
工程(S14)においては、例えば、まずRNA溶液に含まれるRNAを定量する。RNAの定量は、例えば、用いるRNAウイルスのゲノムRNAに存在することが知られている特定の配列を定量すればよい。次に、その結果から試料中のウイルスのコピー数を決定する。工程(S14)は、溶液中の核酸の存在量からウイルスのコピー数を決定する公知の方法によって行われればよく、例えばPCR法、RT-PCR法、キャピラリー電気泳動法、RNAシークエンシングなどを用いて行うことができる。
以上に説明した実施形態のウイルス定量方法によれば、プロテイナーゼKを用いてRNAを単離するため、RNAがRNA定量工程を阻害するタンパク質や架橋構造を含まず、非常に高感度にRNAウイルスを定量することが可能である。特に不活性化処理されたRNAウイルスの定量を行う際にも簡単な操作で正確にウイルスを定量することができる。
また、実施形態のウイルス定量方法は、まずRNAを単離するため、ウイルス定量工程にRT-PCR法やキャピラリー電気泳動法などの手順が簡単な方法を選択することができる。したがって、場所を選ばずにウイルスのコピー数評価を行うことができる。
例えば、市販の不活化ウイルスは不活化前のウイルスのプラークアッセイ法などによる大まかなコピー数評価しか行われていない場合が多い。プラークアッセイ法では、手技や実験条件によりプラークの数が変化したり、プラーク数を目視により計数したりするため、精度に偏りがある。このような市販品に掲載されたコピー数と、使用する直前のコピー数には隔たりがある可能性があった。対して、実施形態の方法によれば簡単な操作で正確にコピー数の評価を行うことができるので、市販の不活化ウイルスを使用する際、その都度、実施形態の方法を用いてウイルスのコピー数を評価すれば、その後正確な診断や実験が可能である。例えば、前記工程(S11)~(S14)は1つのウイルス定量装置上で行うことも可能である。
<例>
[例1]
ホルマリンで不活性化処理されたインフルエンザA型ウイルス(H3/N2)溶液(ロットA1及びA2)から、実施形態の単離方法(実施例1)及びQiagenviralRNAminikit(比較例1)を用いてRNAの抽出を行なった。
実施形態の単離方法(実施例1)は、High Pure FFPE RNA micro kit(Roche)を使用して行った。即ち、ウイルス溶液をカオトロピック試薬及び界面活性剤で溶解した溶解液に、プロテイナーゼKを560μg添加した後、55℃で3時間静置し、反応を行った。反応後、キット付属のフィルターにRNAを吸着させ、塩酸グアニジン溶液でフィルターを洗浄後、キット付属のElutionbufferによりフィルターからの溶出を行った。
Qiagen viral RNA mini kitを用いた方法(比較例1)においては、キット付属のプロトコールに従ってRNAを抽出した。
各々の方法で抽出したRNAを用いて、RT-PCR法によるインフルエンザA型ウイルスのコピー数評価を行なった。RT-PCRには以下の表1に示すプライマー、及び表2に示すプローブを使用した。使用したPCR反応条件を表3に示す。
Figure 0007233880000001
Figure 0007233880000002
Figure 0007233880000003

RT-PCRの結果を図4に示す。実施例1(プロテイナーゼK処理あり)では、ロットA1が1.89×10コピー、ロットA2が1.24×10コピーであった。対して、比較例1(プロテイナーゼK処理無し)では、ロットA1が2.7×10コピー、ロットA2が4.2×10であった。この結果から明らかであるように、実施例1の方が、比較例1よりも検出されたウイルスコピー数が多くなった。したがって、実施形態の単離方法を用いた場合、より高感度にウイルスを定量できることが示唆された。
次に、上記ロットA1及びロットA2のウイルスについて、イムノアッセイ(Rapiim(登録商標) Eye10、及びインフルエンザウイルスキットRapiim(登録商標)Flu-ABを使用)によって感度測定を行った(比較例2)。その結果を図5に示す。イムノアッセイにおけるA1及びA2の感度比率(A1/A2)は、1.4であった。
続いて、RT-PCRで得られたコピー数(実施例1、比較例1)についてA1/A2値を算出した。その結果、実施例1のA1/A2値は1.52であり、イムノアッセイ(比較例2)と近い値であった。対して、比較例1では0.64であり、イムノアッセイ(比較例2)とは異なった。以上の結果から、実施形態の単離方法で得られたRNAによるコピー数評価結果はイムノアッセイと同等の感度比率を示すことが明らかとなった。したがって、プロテイナーゼKを用いた方が正確にウイルスを定量できることが示唆された。
[例2]
ホルマリンで不活性化処理を行なったインフルエンザA型ウイルス(H3/N2)溶液を用いて実施例1と同じ方法によりRNA抽出を行なった(実施例2)。また、対照サンプルとしてホルマリン未処理のインフルエンザA型ウイルス(H3/N2)溶液を用いて、実施例1と同じ方法によりRNA抽出を行なった(実施例3)。各々のRNAを用いて、RT-PCR法によるインフルエンザA型(H3/N2)ウイルスのコピー数評価を行なった。
RT-PCRは、市販のプライマーキットHuman influenza A virus subtype(H3)genesigAdvancedKit(Primerdesign)を使用して行った。RT-PCR反応条件を表4に示す。
Figure 0007233880000004

RT-PCRの結果を図6に示す。実施例2(ホルマリン処理)のコピー数は1.24×10コピーであった。対して、実施例3(ホルマリン未処理)では、1.5×10コピーであった。ホルマリン未処理/ホルマリン不活性化処理のコピー数比率は1.2であった。
上記と同様のホルマリン不活性化処理ウイルスサンプル及びホルマリン未処理ウイルスサンプルを用いて、イムノアッセイによる感度測定を行った(それぞれ比較例3、4)。その結果を図7に示す。イムノアッセイによるホルマリン未処理/ホルマリン不活性化処理の感度比率は1.19であった。
実施形態の方法で単離したRNA溶液(実施例2、3)によるウイルコピー数評価は、RT-PCRとイムノアッセイ(比較例3、4)とほぼ同等の感度比率傾向を示した。したがって、実施形態の方法によれば、不活性化処理したウイルスも、不活性化処理していないウイルスと同様の精度で、またイムノアッセイと同様の感度比率でウイルスコピー数を評価できることが明らかとなった。
[例3]
ホルマリンで不活性化処理を行なったインフルエンザA型(H1N1)ウイルス溶液を、各々1/10、1/100、1/200の希釈率で段階希釈を行い実施例1と同じ方法によりRNA抽出を行った(実施例4)。また、対照サンプルとして不活性化処理を行なっていないインフルエンザA型(H1N1)ウイルス溶液を、各々1/10、1/100、1/200の希釈率で段階希釈を行い実施例1と同じ方法によりRNA抽出を行った(実施例5)。
各々抽出されたRNAを用いて、RT-PCR法によりインフルエンザA型(H1N1)ウイルスのコピー数評価を行なった。
RT-PCRには、市販のプライマーキットHuman influenza A(H1N1) virus genesig AdvancedKit(Primerdesign)を使用し、表4に示すPCR反応条件により、RT-PCRを行った。
結果を図8に示す。図8は、上記各々のウイルス溶液の得られたコピー数と希釈率との関係を示す。コピー数と希釈率との関係は実施例4及び実施例5の両方で線形を示し、また両者がほぼ同じ傾きを示した。したがって、実施形態の方法によれば、不活性化処理したウイルスも、不活性化処理していないウイルスと同様の精度でウイルスコピー数を評価できることが明らかとなった。
[例4]
βプロピオラクトンで不活性化処理を行なったRSウイルスA型溶液を段階希釈したウイルス溶液から実施例1と同じ方法によりRNA抽出を行った(実施例6)。
各々の抽出されたRNAを用いて、RT-PCR法によるRSウイルスA型ウイルスのコピー数評価を行なった。RT-PCRには、市販のプライマーキットRespiratorySyncytialvirustypeA(RSV-A)genesigAdvancedKit(Primerdesign)を使用し、表4に示すPCR反応条件により、RT-PCRを行った。各々のRSウイルス溶液におけるタンパク質量と、RT-PCRによって得られたコピー数との関係を図9に示す。タンパク質量とコピー数との関係は線形性を持つことが明らかとなった。このことから、実施形態の方法によれば、感度よくウイルスを定量することが可能であることが示された。
以下に、本願発明の実施態様を付記する。
[1] (S1)試料中のRNAウイルスから内包物を放出させること、
(S2)前記試料にプロテイナーゼKを添加すること、及び
(S3)得られた混合液からRNAを回収すること
を含むウイルスRNA単離方法。
[2] 前記RNAウイルスは、不活性化されたRNAウイルスである[1]に記載の方法。
[3] 前記不活性化されたRNAウイルスは、ホルマリン処理、UV照射処理、液状過熱処理、乾燥過熱処理、界面活性剤処理、酸処理、アルカリ処理及び/又はアルキル化剤処理により不活性化されたRNAウイルスである[2]に記載の方法。
[4] 前記RNAウイルスは、エンテロウイルス、カルディオウイルス、ライノウイルス、アフトウイルス、カリシウイルス、ヘパトウイルス、オルビウイルス、レオウイルス、ロタウイルス、アビビルナウイルス、ピスチビルナウイルス、エントモビルナウイルス、ルビウイルス、ペスティウイルス、フラヴィウイルス、C型肝炎ウイルス、インフルエンザウイルス、ニューモウイルス、パラミクソウイルス、モルビリウイルス、ベシクロウイルス、リッサウイルス、コロナウイルス、ブンヤウイルス、アレナウイルス又はレンチウイルスに属するRNAウイルスである[1]~[3]の何れか1項に記載の方法。
[5] 前記工程(S1)は、RNAウイルスの電気的処理又は化学的処理により行われる[1]~[4]の何れか1項に記載の方法。
[6] 前記電気的処理は、RNAウイルスに電圧を印加することである[5]に記載の方法。
[7] 前記化学的処理は、酵素、界面活性剤、カオトロピック試薬、金属器レート剤、還元剤、有機溶媒又はその組合せからなる群から選択される変性試薬をRNAウイルスに接触させることである[5]に記載の方法。
[8] 前記工程(S3)の後、回収した前記RNAにプロテアーゼを接触させることを更に含む[1]~[7]の何れか1項に記載の方法。
[9] 前記プロテアーゼは、プロテイナーゼKである[8]に記載の方法。
[10] (S11)試料中のRNAウイルスから内包物を放出させること、
(S12)前記試料にプロテイナーゼKを添加すること、
(S13)得られた混合液からRNAを回収すること、及び
(S14)前記工程(S13)によって得られたRNA溶液に含まれる前記RNAの存在量から、前記試料中の前記RNAウイルスのコピー数を決定すること
を含むウイルス定量方法。
[11] 前記RNAウイルスは、不活性化されたRNAウイルスである[10]に記載の方法。
[12] 前記不活性化されたRNAウイルスは、液状過熱処理、乾燥過熱処理、界面活性剤処理、酸処理、アルカリ処理及び/又はアルキル化剤処理により不活性化されたRNAウイルスである[11]に記載の方法。
[13] 前記RNAウイルスは、エンテロウイルス、カルディオウイルス、ライノウイルス、アフトウイルス、カリシウイルス、ヘパトウイルス、オルビウイルス、レオウイルス、ロタウイルス、アビビルナウイルス、ピスチビルナウイルス、エントモビルナウイルス、ルビウイルス、ペスティウイルス、フラヴィウイルス、C型肝炎ウイルス、インフルエンザウイルス、ニューモウイルス、パラミクソウイルス、モルビリウイルス、ベシクロウイルス、リッサウイルス、コロナウイルス、ブンヤウイルス、アレナウイルス又はレンチウイルスに属するRNAウイルスである[10]~[12]の何れか1項に記載の方法。
[14] 前記工程(S11)は、RNAウイルスの電気的処理又は化学的処理により行われる[10]~[13]の何れか1項に記載の方法。
[15] 前記電気的処理は、RNAウイルスに電圧を印加することである[14]に記載の方法。
[16] 前記化学的処理は、酵素、界面活性剤、カオトロピック試薬、金属器レート剤、還元剤、有機溶媒又はその組合せからなる群から選択される変性試薬をRNAウイルスに接触させることである[14]に記載の方法。
[17] 前記工程(S13)の後、回収した前記RNAにプロテアーゼを接触させることを更に含む[10]~[16]の何れか1項に記載の方法。
[18] 前記プロテアーゼは、プロテイナーゼKである[17]に記載の方法。
[19] 前記工程(S11)~(S14)が1つの装置上で行われる[10]~[18]の何れか1項に記載の方法。
1…RNAウイルス
3…RNA
4…タンパク質
5…液体試料

Claims (12)

  1. (S1)試料中の不活性化されたRNAウイルスから内包物を放出させること、
    (S2)前記試料にプロテイナーゼKを添加すること
    (S3)得られた混合液からRNAを回収すること
    (S4)回収された前記RNAにプロテアーゼKを接触させること
    を含み、ウイルス定量装置の校正用抗原を提供するために、前記工程(S1)~(S4)が1つの当該装置上で行われる不活化RNAウイルスのコピー数の評価する方法。
  2. 前記不活性化されたRNAウイルスは、ホルマリン処理、UV照射処理、液状過熱処理、乾燥過熱処理、界面活性剤処理、酸処理、アルカリ処理及び/又はアルキル化剤処理により不活性化されたRNAウイルスである請求項に記載の方法。
  3. 前記RNAウイルスは、エンテロウイルス、カルディオウイルス、ライノウイルス、アフトウイルス、カリシウイルス、ヘパトウイルス、オルビウイルス、レオウイルス、ロタウイルス、アビビルナウイルス、ピスチビルナウイルス、エントモビルナウイルス、ルビウイルス、ペスティウイルス、フラヴィウイルス、C型肝炎ウイルス、インフルエンザウイルス、ニューモウイルス、パラミクソウイルス、モルビリウイルス、ベシクロウイルス、リッサウイルス、コロナウイルス、ブンヤウイルス、アレナウイルス又はレンチウイルスに属するRNAウイルスである請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記工程(S1)は、RNAウイルスの電気的処理又は化学的処理により行われる請求項1~の何れか1項に記載の方法。
  5. 前記電気的処理は、RNAウイルスに電圧を印加することである請求項に記載の方法。
  6. 前記化学的処理は、酵素、界面活性剤、カオトロピック試薬、金属器レート剤、還元剤、有機溶媒又はその組合せからなる群から選択される変性試薬をRNAウイルスに接触させることである請求項に記載の方法。
  7. (S11)試料中の不活性化されたRNAウイルスから内包物を放出させること、
    (S12)前記試料にプロテイナーゼKを添加すること、
    (S13)得られた混合液からRNAを回収すること、
    (S14)前記工程(S13)によって得られたRNA溶液に含まれる前記RNAの存在量から、前記試料中の前記RNAウイルスのコピー数を決定すること、及び
    (S15)回収された前記RNAにプロテアーゼKを接触させること
    含み、ウイルス定量装置の校正用抗原を提供するために、前記工程(S11)~(S14)が1つの当該装置上で行われる不活化RNAウイルスのコピー数を評価する方法
  8. 前記不活性化されたRNAウイルスは、液状過熱処理、乾燥過熱処理、界面活性剤処理、酸処理、アルカリ処理及び/又はアルキル化剤処理により不活性化されたRNAウイルスである請求項に記載の方法。
  9. 前記RNAウイルスは、エンテロウイルス、カルディオウイルス、ライノウイルス、アフトウイルス、カリシウイルス、ヘパトウイルス、オルビウイルス、レオウイルス、ロタウイルス、アビビルナウイルス、ピスチビルナウイルス、エントモビルナウイルス、ルビウイルス、ペスティウイルス、フラヴィウイルス、C型肝炎ウイルス、インフルエンザウイルス、ニューモウイルス、パラミクソウイルス、モルビリウイルス、ベシクロウイルス、リッサウイルス、コロナウイルス、ブンヤウイルス、アレナウイルス又はレンチウイルスに属するRNAウイルスである請求項7又は8に記載の方法。
  10. 前記工程(S11)は、RNAウイルスの電気的処理又は化学的処理により行われる請求項7~9の何れか1項に記載の方法。
  11. 前記電気的処理は、RNAウイルスに電圧を印加することである請求項10に記載の方法。
  12. 前記化学的処理は、酵素、界面活性剤、カオトロピック試薬、金属器レート剤、還元剤、有機溶媒又はその組合せからなる群から選択される変性試薬をRNAウイルスに接触させることである請求項10に記載の方法。
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