JPH0354467A - ウイルス濃度の測定方法および測定装置 - Google Patents

ウイルス濃度の測定方法および測定装置

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JPH0354467A
JPH0354467A JP18893789A JP18893789A JPH0354467A JP H0354467 A JPH0354467 A JP H0354467A JP 18893789 A JP18893789 A JP 18893789A JP 18893789 A JP18893789 A JP 18893789A JP H0354467 A JPH0354467 A JP H0354467A
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virus
frequency
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measuring
virus concentration
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JP18893789A
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Shigeo Okahata
恵雄 岡畑
Naoki Yamamoto
直樹 山本
Yasuhiro Hayashida
康宏 林田
Shun Yamashiki
山敷 駿
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は溶液中に存在するウィルスを測定する方法およ
び測定装置に関し、特にウィルスを短時間内にかつ高精
度で測定し得る新規な方法およびかかる方法を実施する
ための新規な装置に関するものである。
〔従来技術〕
一般に、血漿分画剤あるいは血液製剤のような、人間あ
るいは動物に由来する物質を出発原料とする薬品には、
常に人感染性のウィルスの混入のおそれがある。また生
化学,遺伝子工学,農学,食品発酵学等の研究分野ある
いはそれらに関連する工業分野でも、従事者に対するウ
ィルス汚染のおそれがある。これらの分野では、研究対
象=:; 「lるいは原料,中間製品および最終製品へ
のウィルス混入の有無を迅速に測定し、ウィルスが除去
された状態での製品の製造活動が要求される。
一方、ワクチン製造、あるいは生化学,医化学および微
生物学等の基礎科学あるいは臨床検査の諸分野では、ウ
ィルスの濃度を高精度で、かつ短時間に、さらには手軽
に測定する必要がある。いずれの分野においても、溶液
中に存在するウィルスの濃度を短時間に、高精度で、か
つ簡単に測定できる技術の出現が望まれている。
従来、ウィルスの濃度の測定方法として採用されている
方法は、その測定原理によって2種類に分類される.そ
の一つはウィルス粒子としての測定、いわばワイルス濃
度の直接測定法であり、他の一つはウィルスを構成する
成分のうちの一部の成分の存在量を測定する間接測定法
である。直接測定法としては、感染性のウィルスの濃度
を測定する方法と、ウィルスの感染性,非感染性を区別
なく測定する方法とが提案されている。前者の方法とし
ては、細胞のウィルス感染性、より詳しくは特定種の細
胞の特定ウィルスC対する感染性の有無を利用して、感
染による細胞からのウィルス抗原の増加量あるいは生存
細胞数の経時的変化を測定する方法、あるいはウィルス
感染細胞変性効果(CPE)を利用するプラーク法や(
:IO.。法が知られている。後者の方法としては、電
子顕微鏡によるウィルス像の観察法のみが用いられてい
る。
一方間接測定法は近年急速に進歩しつつある.間接測定
法としては、例えば被測定試料中のウィルス抗原性の有
無から試料中の濃度を推定する免疫抗体法および核酸濃
度測定法が知られており、前者には放射線免疫検定法(
RIE) ,酵素結合免疫吸着法(ELISA) ,逆
受身赤血球凝集法(RPH^)などが含まれ、後者には
スポットハイプリダイゼーション法,ポリメラーゼチェ
インリアクション法などが含まれる。
[発明が解決しようとする課題] 上述した従来の測定法は、通常3時間以上の測定時間を
要し、かつ肉眼測定に頼るなど高度の熟練が要求されて
いる。一般に測定精度を高めようとすると長時間の測定
時間と高度の熟練を必要とし、一方短時間内の測定では
測定精度を犠牲にし、あるいは定性的な測定にとどまら
ざるを止ず、さらに短時間に測定を完了するためにも熟
練を必要とする。しかも短時間といっても、3時間以上
を要するのが一般的であり、従来の方法じよっては、ウ
ィルス濃度の測定をオンラインでの品質管理のために用
いることは不可能であった。
さらに、従来の間接測定法による抗原量の測定は、いわ
ばウィルスを構成する成分のうちのある成分の量を測定
し、その測定量からウィルス量を算出していた.このよ
うな方法では、ウィルス粒子とは別に抗原分子が存在す
る系では、ウィルス粒子の量を定量的に評価することが
できない。しかし、一般には、被測定系中には、抗原分
子が分子状あるいは粒子状として、独立状態でウィルス
粒子と混在しているのが実状である。そのため、抗原量
をそのままウィルス粒子として換算することはできない
.例えば、抗原量が零であればウィルス粒子量が零であ
ると結論づけることはできるが、逆にウィルス量が零で
あっても、抗原量が零であるとは限らないのである.す
なわち、従来の間接測定法によれば、ウィルス量と測定
された抗原量とは1対1の関係が期待できない。
本発明の目的は、習熟を必要とせずに、短時間でかつ高
精度にウィルス粒子の濃度を測定する方法を提供するこ
とである。
本発明の他の目的は、感染性の有無に関係なくウィルス
粒子の濃度を高精度で測定する方法を提供することであ
る。
本発明のさらに他の目的は、ウィルス粒子の濃度を自動
的に測定する方法を提供することである。
本発明さらにまた他の目的はかかる方法を実施するため
の測定装置を提供することにある。
[課題を解決するための手段] 本発明方法は、ウィルスの表面を構成する物質を吸着し
、あるいは構成物質と結合する物質をそれぞれの電極表
面に有する少なくとも1個の圧電振動子の固有振動数を
測定し、少なくとも1個の圧電振動子の電極表面をウィ
ルス含有溶液に接触させた後に少なくとも1個の圧電振
動子の振動数を測定し、振動数と固有振動数の差からウ
ィルスの濃度を測定することを特徴とする。
本発明装置は、溶液中のウィルス濃度を測定する装置に
おいて、ウィルスの表面を構成する物質を吸着し、ある
いは構成物質と結合する物質をそれぞれの電極表面に有
する少なくとも1個の圧電振動子を含むウィルス検出手
段と、少なくとも1個の圧電振動子を励振する励振手段
と、少なくとも1個の圧電振動子の振動数を測定する手
段とを有することを特徴とする。
本発明に用いる圧電振動子としては、水晶振動子が特に
望ましい。水晶振動子は多量に同一品質のものが安価C
入手出来、しかもその固有振動数は安定で、かつ非常に
大きい。例えばATカットの水晶振動子であればI M
Hz以上の固有振動数の振動子が安価に市販されている
.水晶振動子の固有振動数が高ければ高いほどウィルス
粒子の結合による振動数の変化が大きいので、固有振動
数はIMHZ以上、さらには5 MHz以上であること
が望ましい.水晶振動子としては、^Tカット板, G
Tカット板が特に好ましく、固有振動数として5 MH
z以上、たとえば1 0MHzのものの人手が容易であ
る。
これらの水晶振動子を用いると高精度でウィルスの質量
が測定出来る。さらに目的に応じて100MHzの水晶
振動子も使用出来る。
水晶振動子上の電極としては、金.銀,白金属(ルテニ
ウム,白金.パラジウム,イリジウム等)の貴金属、あ
るいはこれらの貴金属を利用した合金が好ましい。これ
らの内、金および銀がそれらの安定品質のものの人手の
容易さ、およびたん白質との結合性に関する多くの知見
の蓄積がある点でより好ましい。
電極表面を被覆する物質としては、目的とするウィルス
のみと特異的に結合するものが特に望ましい。例えば複
数種類のウィルスが共存する場合に特定ウィルスの質量
を測定する際には、その特定ウィルスと特異的に結合す
る物質であることが不可欠である。ただし、ウィルス種
が一種である場合には、この特異性についての要求は必
ずしも高くない。たとえば水溶液中に存在するウィルス
種が既に特定され、しかも一種であることが確認された
場合に、ウィルス濃度を測定するためには、ウィルスと
の非特異的な結合でも目的を達することが出来る。この
ような目的には、電極表面を被覆する物質は目的とする
ウィルスの抗体、特にウィルス表面の抗原と結合する抗
体が望ましい。たとえばこの性質を持つ免疫グロブリン
(Ig)の精製物がその例である.例えば、HIVを測
定する場合には、HIVの表面抗原のGPl2あるいは
GP4 1に対する抗体の免疫グロブリンがその例であ
り、HIVの核たん白抗原であるP24に対する抗体の
免疫グロブリンでは目的を達することができない。
ウィルスの質量の測定精度は、この抗体の電極面上の存
在量と存在状態に依存して変化する。一般には抗体量が
多ければ多いほど良く、抗体量として10ng以上が好
ましい.抗体の振動子表面(あるいは電極表面)での存
在状態も測定感度あるいは測定所要時間に影響を及ぼす
.電極表面に被覆した抗体が水中へ溶出しないことが必
要であるが、抗体としては分枝状に複数個が連続的に結
合し、かつ抗体分子間の距離は、ウィルス粒子が侵入可
能な程度の空間部が存在するのが望ましい。このような
分校状態での結合は例えば以下のような方法で実現され
る。まず電極表面にエボキシ系モノマとアくン系のモノ
マとを反応させ、電極表面にアミノ基末端が多数存在す
る状態にする。次にウッドワード試薬とイムノグロプリ
ンとを同時に電極表面上に塗布すれば良い。抗体として
イムノグロプリンを採用した場合、イムノグロプリンの
N末端が自由端となり、電極表面より、より遠ざかる形
式での結合様式が特に好ましい。
本発明装置を用いて一点を測定するのに必要な時間は数
秒以内である.従って少数点を測定する場合には測定時
間内での振動子の温度変化による振動数変化は無視出来
る.ただし測定が多数点である場合、あるいは長期間に
わたる経時的変化を測定するためには振動子近傍の温度
変化を防ぐため、0.01tl:内に温度を制御出来る
恒温装置内に被検体および振動子を納めるのが望ましい
。水晶振動子は直径5■〜3 0mmの大きさのものが
一般的に使いやすい。測定精度を高めるために水晶振動
子の質量は小さい方が好ましい.振動子の電極と外部回
路を結ぶリード線が水中に浸漬されても絶縁性が保たれ
るために、リード線をシリコン系樹脂などでコーティン
グすることが好ましい。ウィルス粒子の結合に伴う振動
数の変化を測定するための周波数カウンタは±IHzの
測定精度があれば電極表面に結合したウィルスの質量と
して±IB〜10nHの測定精度が容易に達成可能であ
る.もちろん振動数の測定精度が高ければ高いほど望ま
しいが、測定周波数の測定精度の上昇に見合う外乱の除
去の工夫がなされなければならない。ウィルス濃度が低
い場合、振動子に接触可能な液体量を増加させるのが好
ましい。この場合振動子を含むウィルス検出部を一定の
温度に保つために密閉状態で振動子が装着された測定室
を設け、撹拌装置によって被検液を一定時間撹拌後、振
動数の減少量を測定する。すなわち、検出部が液体の撹
拌可能な測定容器内に密閉状態で装着されること、さら
には検出部が常に一定状態で多量の液体と接触するよう
に被検溶液に層流を形成すると良い.そのためには、液
体流出入口を設けた密閉測定室を含む液体流路を構成し
、密rA測定室内で測定を行うことが望ましい.水晶振
動子の一方の面が直接水に接触しないように、その面を
ゴム系のカバーで密封することによって、多くの外乱を
防止することができる。
[作 用] 本発明方法は、ウィルスの表面を構成する物質を吸着し
、またはそれと反応する物質を電極表面に有する振動子
をウィルスが混入している溶液と接触させた時、振動子
の振動数が変化することを利用して、溶液中のウィルス
粒子の濃度を測定する.すなわち、本発明では、一定量
の溶液中のウィルス粒子の質量を直接測定して、ウィル
ス濃度を算出する.従って、本発明によれば、上述した
従来の間接測定法と異なり、ウィルス量と1対1で対応
する測定値が得られ、ウィルス粒子の数を直接観察する
電子顕微鏡法の測定結果に対応する情報を提供すること
ができる. 第1図に本発明の原理を模式的に示す.振動子(例えば
水晶振動子)1の電′M12の表面を例えばエボキシ樹
脂などの改質材3によって改質し、その上にウィルスの
表面を構戒する物質(表面抗原)を吸着し、あるいはそ
れと結合する物質4、例えばイムノグロプリン(IgG
)抗体を塗布する。
このような振動子をウィルス5が混入している溶液に浸
漬すると、IgG抗体とウィルスの表面抗原6が結合し
、その結果、水晶振動子の振動数はその固有振動数より
減少する. 体積aの溶液中に全質量mのウィルスが存在していると
する。この溶液中に固有振動数FOの振動子を浸漬し、
振動子の電極表面に質量Δmのウィルスが結合した時の
振動数の減少ΔFは次式で表わされる. ΔF− kΔts        (1)ここで、^T
カットの水晶振動子のようにずれ振動する振動子では、
kは振動子の固有振動数F。,振動子の電極表面積A,
振動子の密度ρ1およびそのずれ弾性係数μ1によって
定まる定数であって、次式で表わされる。
k−2F0’/A郭フコフ   (2)さらに、電極表
面物質へのウィルスの分配係数をPとすると、Δmはウ
ィルスの総質fmに対して次の関係を有する。
Δm−PIIl(3) 従って、(1)〜(3)式から、 ΔF CC I         (4)の関係が得ら
れ、振動数の減少量ΔFを測定することによって、溶液
中のウィルスの総質量mを求めることができ、さらにI
I/aの値からウィルスの濃度を算出することができる
本発明方法は、溶液中に共存するウィルス粒子以外の抗
原の影響を原理的に受けにくいという特徴をもっている
。すなわち、ウィルス粒子以外の抗原分子の質量はウィ
ルス粒子の質量と比較して極端に小さい。例えばエイズ
ウィルス(}!IV)の場合には、ウィルス1個の質量
は1個の抗原分子の質量のほぼ1 ,000倍である.
本発明方法の上述した原理上の優位性は、■ウィルス粒
子以外の共存する抗原分子の存在量が数としてウィルス
粒子数のO−1,000倍の範囲である場合、および■
ウィルス粒子の分子量が共存する抗原分子の主成分の分
子量の1,000倍以上の場合、確実に期待することが
できる. 現在までウィルス粒子の質量を直接測定する試みがなさ
れていなかったのは、おそらくはその粒子1個の質量が
8i端に小さい(約1 x 10”g)ので、測定可能
範囲内にないと一般に考えられていたためと思われる。
本発明者らは、上述した(1)式が水溶液系でも成立す
ることを発見し、さらに、上述した優位性が発揮される
ための二つの条件のいずれもが、多種のウィルスで成立
していることを見出し、これらの発見を基礎にして木発
明に到達した. 本発明は振動子の振動数の変化によってウィルス濃度を
測定するので、振動数を正確に読み取る必要がある.一
方、振動子の振動数は温度一定の条件下では、水中でも
一定であるので、その変化量を精密に計測することがで
きる。そのため振動子表面へのウィルスの付着または結
合に伴う振動数のわずかな変化を電気信号として取出し
て読み取り、あるいはさらに必要な処理を加えることが
できる。すなわち市販の周波数カウンタによって1}1
zの変化を0.1秒以内という短時間で測定可能であり
、振動数の変化量を既知のデータと比較・演算して、そ
の値からウィルス濃度を算出し、表示させることも可能
である。
さらに複数個の振動子を用いて、同時に多種類のウィル
ス濃度を短時間で正確に測定することも可能である. 測定対象ウィルスには、ポリオウィルス,エイズウイ7
1/ス([V) ,肝炎ウィルス(HBv,Hhv,H
cvrtと),サイト,,IガO ’7 イルス(CM
V) . HTLV−1,パルボウィルス.日本脳炎ウ
ィルス,ヘルペスウィルス,インフルエンザウィルス.
バラミクソウィルス等の人感染性ウィルスおよびクロイ
ツフエルトヤコブ病原因物質等のたん白質凝集体が含ま
れる。
振動子の電極表面にあって、ウィルス粒子と結合する物
質としては、先に説明したように好ましくはウィルス表
面の抗原と結合する抗体が用いられる。抗体量として1
0ng以上が電極表面に存在すれば、振動子上に結合で
きるウィルス量として10ng以上が保証される。先に
示したように、ウィルスの結合による振動数の減少ΔF
は定数kに比例し、kは振動子の固有振動数FQの自乗
に比例し、電極面積に反比例する。従って、振動子の固
有振動数F。または電極表面積Aの値を選ぶことによっ
て、10ngのウィルスの結合によって生じる振動数の
減少量を1〜1,000Hzの範囲で任意に設定するこ
とができる。
水溶液中のウィルス濃度が10’個/tail以下(通
常の動物性ウィルスの場合、CIOS。表示で10” 
CIDs。/in)程と低く、十分な測定精度が得られ
ない場合には、以下のようにして測定精度を改善するこ
とができる.すなわち、電極表面に抗体を結合させた振
動子を上述の低ウィルス濃度水溶液に浸漬した時の振動
数の減少は一般にIOHZ以下である.これに対し電極
表面に設けた抗体と同一の抗体を表面に結合させた直径
0.1μm以上の粒子(例えば赤血球)を分散させた水
溶液をあらかじめ準備しておき、第1回の測定に用いた
同一の振動子を、この分散液中に浸漬して2回目の測定
を行う。第2回目の測定における振動数の変化は最初の
測定における振動数変化の10倍以上となる。このよう
にして、ウィルスの質量測定の感度は大幅に増大し、そ
の結果測定精度も改善される。ただし、この方法におい
ては、粒子の分散状態を均一に、単分散状態にしておく
ことが必要である。測定所要時間が1回の測定の2倍以
上となるのは当然である。
(実施例] 以下辷図面を参照して本発明の実施例を説明する。
第1図は本発明測定装置の一実施例のブロック図である
。本実施例は、測定室7,試料系8,温度制御系9およ
び計測系10を含む。試料系8には、製造ラインなどか
らの試料供給路8A,標¥7夜供給路8Bおよび洗浄液
供給路8Cを含み測定室7の流入口と接続する液体流入
路8Dおよび測定室7の流出口と接続し、滅菌部8Eを
経由する排出路8Fおよび製造ラインへ被検液をもどす
ための排出路8Gを含む流出路8Hが含まれている。温
度制御系9には、測定室7の温度を一定に保つための循
環水径路9Aおよび水を循環させるためのボンブ9Bが
含まれる。計測系10には測定室内の振動子を励振する
ための発振回路10A ,振動子の振動数を測定する周
波数カウンタ部10B ,既知のデータを記憶している
記憶部10C,測定された振動数に演算処理を行ってウ
ィルス濃度を算出する制御・演算部10Dおよび測定結
果を記録し、表示する記録表示部10Eが含まれる。計
測系10のうち発振回路および周波数カウンタを除く部
分はマイクロコンピュータを用いることができる。
第3図に測定室の概略断面図を示す。測定室7は、温度
制御のための水などの液体が循環可能な槽7Aおよび槽
7Aを密封し得るi7Bからなっている。糟内の溶液7
Cに水晶発振子7Dが浸漬される6振動子7Dの一面の
電極上には抗体7Eが設けられ、他の面はゴム系樹脂カ
バー7Fで密封されている。
水晶振動子7Dを計測系10と接続するリード線7Gは
シリコン樹脂7Hでコーティングされている.水溶液7
Cは図示を省略した流入口から測定室内に注入され、や
はり図示を省略した流出口から排出される。測定室内の
水溶液は層流を形成することができ、また図示を省略し
た撹拌器によって撹拌されることができる。
固有振動数9 MHzの市販の水晶振動子(九州電通社
製ATカット水晶振動子、寸法8 wax 8 ■)の
金電極(直径5 ffim)上に、エポキシ樹脂にア主
ン系の硬化剤を混入したものを塗布後、80℃で1時間
重合させた。重合後電極面の表面にあらかじめ精製した
ポリオウィルスの表面抗原に対する免疫グロプリン抗体
とウッドワード試薬を同時に塗布し、35℃で2時間反
応させた。塗布された抗体量は約150ngである。得
られたポリオウィルス抗体を結合させた水晶振動子に発
振回路を接続し(発振電圧5v)、周波数カウンタ(岩
通電子■製SL7201を接続し、さらにこれにマイク
ロコンピュータシステム(日本電子■製PC9801)
を接続した。
上記水晶振動子を内容積2mJ1の測定用容器に挿入し
た。容器内にリン酸緩衝液2nj2を加えた。この時の
37℃における固有振動数は9.01386MHzであ
った。この液にCIOs。表示で107・’/mllの
濃度のポリオウィルスを含む試料液を一定量注いだ際の
振動数の減少量を表1にまとめて示す。なお各点におけ
る測定所要時間は5秒以内であった。
表1 振動数の減少量ΔFと注入液量との関係第4図は
表1 に示した結果を図示したものであ る。
第4図から明らかなように、 注入Fi量の増加 (すなわちウィルス濃度の増加)量に比例して振動数減
少量ΔFが増加する。すなわち100μ℃(0.IX1
0’・7/2のCIDsoウィルス濃度に対応)の増加
に伴なう振動数の減少量は約150Hzであり、第4図
に示した直線は検量線として使用可能である。この系で
は(0.IX10’・’/(2x 150)謬10’・
2CIDS。/IIll.)のウィルス濃度まで測定可
能である. 上述した既知の値を用いて、ウィルス濃度を測定した。
未知量のポリオウィルスを含む溶液100μ1を上記容
器内のリン酸!!衝液2IIItに混入した。その結果
振動数の減少ΔFは621HZであった。したがって第
4図に示した比例関係から、この溶液中のウィルス濃度
は621 x10’゛’ x(2/0.1) =10’
・” CIDs。/IIftと算出される。一方公知の
CID5。法で求めたこの溶液のウィルス濃度iま10
I′・’ CIDso/ I℃であり、両方法による値
は良く一致している.測定に要した時間は本方法では約
0.5秒であり、一方公知の方法では約6日間を要した
未知のウィルス濃度を求めるには、あらかじめ求めてお
いた検量線を利用して測定者が濃度を算出することもで
きるし、既知のデータをコンピュータシステムの記憶装
置にあらかじめ記憶させておき、測定された振動数の減
少量と既知のデータ(例えばウィルス濃度の振動数減少
量に対する比例定数)とから、コンピュータにウィルス
濃度を演算させることができる. 第5図は演算プロセスの一例を示すフローチャートであ
る。ステップS1において、周波数カウンタによって測
定された水晶振動子の固有振動数FOを読みこみ記憶す
る.次に52において、ウィルス含有溶液中での振動子
の振動数Fを読みこみ、S3において振動数の減少ΔF
=FO−Fを計算する。
ついでS4において記憶装置に記憶された比例定数Kを
読み出して、ウィルス濃度=ΔFXKの演算を行い、S
5においてプリンタに記憶し、またはディスプレイ上に
表示する。この操作が、測定終了まで繰返される。
以上の実施例では、水晶振動子の固有振動数を緩衝液中
で測定したが、固有振動数を空気中で測定した後、振動
子をウィルス含有溶液中に浸漬してウィルス濃度の測定
を行うことも可能である. また、上述した実施例ではポリオウィルスを例として説
明したが、例えば、HIVにはHIVの表面抗原のGP
12あるいはGP4 1に対する抗体の免疫グロブリン
が、HBVには抗原P22,GP27,GP31.GP
35,GP39およびGP43(7)抗体が、HAVに
は抗原P30(VP−1) , P24(VP−2)お
よびP22 (VP−3)ニ対する抗体が、インフルエ
ンザウィルスには、抗原H^ボリベブチド(アミノ酸結
合数568 ) , N^ボリベプチド(アミノ酸結合
数454)の抗体が、バラミクソウィルスにはFたん白
質またはHNたん白質の抗体が、それぞれ特異的に反応
するので、電極表面にそれぞれ異なる抗体を設けた複数
の水晶振動子を用いることによって、複数のウィルスの
混合溶液中の個々のウィルスの濃度を個別に測定できる
[発明の効果コ 以上説明したように、本発明によはれば、■従来方法の
1/10以下の所要時間で、■ウィルス粒子の質量(し
たがってウィルス粒子濃度)が共存する抗原分子の影響
をほとんど受けず直接測定可能となり、■高精度で、か
つ■広い範囲にわたる濃度域にわたって、■習熟を必要
とせずほぼオンライン下で自動測定が可能となる。さら
に、■複数本の検出端を用いて複数種類のウィルスも同
時測定が可能となる.したがって、本発明方法あるいは
装置が医薬品工業等の工業的製造設備内に装着されれば
、品質管理上の測定装置としてオンラインでのウィルス
濃度測定も可能である。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の原理を説明する模式図、第2図は測定
装置の実施例のブロック図、第3図は測定室の概略断面
図、 第4図は振動数の減少量とウィルス含有液注入量との関
係を示す線図、 第5図はウィルス濃度算出プロセスの一例を示すフロー
チャートである。 1・・・水晶振動子、 2・・・電極、 3・・・電極表面改質材、 4・・・抗体、 5・・・ウィルス、 6・・・表面抗原、 7・・・測定室、 8・・・試料系、 9・・・温度制御系、 10・・・計測系。 4IgG$N イ黍 冫 i−発朗の席3里邑書尤明1ろ才莫式圀第1図 10ft+t・源 一 1 st式タ−1爪 1・1足装置,の尖杷イ列の7ロック圀\ ヱ渕完1 ピ刻足寛のJ既絡酎面0 第3図 (日2) 0 200 400   600 プ主入液{ 800 (,uL) !辰責力a f)At+tウイノレス含廟;r(の住入
i乙の関イ釆jtネ1緘I9 第4図 ウィルス譲度算エフ゛ロ七ス乏ガ、1フロー十イー1第
5図

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1)ウィルスの表面を構成する物質を吸着し、あるいは
    該構成物質と結合する物質をそれぞれの電極表面に有す
    る少なくとも1個の圧電振動子の固有振動数を測定し、
    該少なくとも1個の圧電振動子の電極表面をウィルス含
    有溶液に接触させた後に前記少なくとも1個の圧電振動
    子の振動数を測定し、該振動数と前記固有振動数の差か
    らウィルスの濃度を測定することを特徴とするウィルス
    濃度の測定方法。 2)前記ウィルスの表面を構成する物質を吸着し、ある
    いは該構成物質と結合する物質が、ウィルス表面を構成
    する抗原物質と結合する抗体であるイムノグロプリンG
    であることを特徴とする請求項1に記載のウィルス濃度
    の測定方法。 3)前記固有振動数の測定を被測定対象ウィルスを含ま
    ない溶液中で行った後、該溶液中に被測定対象物を注入
    して前記振動数を測定することを特徴とする請求項1ま
    たは2に記載のウィルス濃度の測定方法。 4)前記固有振動数の測定を被測定対象溶液外で行った
    後、前記少なくとも1個の圧電振動子を該被測定対象溶
    液中に浸漬して前記振動数の測定を行うことを特徴とす
    る請求項1または2に記載のウィルス濃度の測定方法。 5)前記ウィルス含有溶液との接触後の振動数の測定後
    、さらにウィルスの表面抗原と結合する物質を表面に有
    する直径0.1μm以上の粒子を含む溶液中に前記少な
    くとも1個の圧電振動子を浸漬して振動数を再測定し、
    該再測定された振動数と前記固有振動数との差からウィ
    ルスの濃度を求めることを特徴とする請求項1ないし4
    のいずれかに記載のウィルス濃度の測定方法。 6)既知のウィルス濃度に対する前記圧電振動子の振動
    数の変化量をあらかじめ計測し、未知のウィルス濃度に
    対する前記圧電振動子の振動数の変化量を、前記既知の
    濃度に対する変化量と比較することによってウィルスの
    濃度を測定することを特徴とする請求項1ないし5のい
    ずれかに記載のウィルス濃度の測定方法。 7)溶液中のウィルス濃度を測定する装置において、ウ
    ィルスの表面を構成する物質を吸着し、あるいは該構成
    物質と結合する物質をそれぞれの電極表面に有する少な
    くとも1個の圧電振動子を含むウィルス検出手段と、 前記少なくとも1個の圧電振動子を励振する励振手段と
    、 前記少なくとも1個の圧電振動子の振動数を測定する手
    段とを有することを特徴とするウィルス濃度測定装置。 8)前記ウィルスの表面を構成する物質を吸着し、ある
    いは該構成物質と結合する物質は分枝状に結合されたイ
    ムノグロブリンGであることを特徴とする請求項7に記
    載のウィルス濃度測定装置。 9)前記イムノグロブリンGの前記圧電振動子1個当り
    の量が10ng以上であることを特徴とする請求項8に
    記載のウィルス濃度測定装置。 10)前記圧電振動子が水晶振動子であることを特徴と
    する請求項7ないし9のいずれかに記載のウィルス濃度
    測定装置。 11)前記水晶振動子の固有振動数が1MHz以上であ
    ることを特徴とする請求項10に記載のウィルス濃度測
    定装置。 12)前記水晶振動子の固有振動数が5MHz以上であ
    ることを特徴とする請求項11に記載のウィルス濃度測
    定装置。 13)前記電極が貴金属であることを特徴とする請求項
    7ないし12のいずれかに記載のウィルス濃度測定装置
    。 14)前記電極が金または銀であることを特徴とする請
    求項13に記載のウィルス濃度測定装置。 15)前記溶液および前記ウィルス検出手段が密閉容器
    内に納められ、かつ該密閉容器の内部の温度は制御可能
    であることを特徴とする請求項7ないし14のいずれか
    に記載のウィルス濃度測定装置。 16)前記密閉容器には層流を形成するための液体流入
    口および流出口がそれぞれ少なくとも1個設けられてい
    ることを特徴とする請求項15に記載のウィルス濃度測
    定装置。 17)前記圧電振動子のウィルス含有溶液接触前後のそ
    れぞれの振動数を比較して振動数差を算出する比較手段
    と、既知のウィルス濃度に対する圧電振動子の振動数差
    を記憶する記憶手段と、前記比較手段によって算出され
    た未知のウィルス濃度に対する振動数差を記憶された既
    知の濃度に対する振動数差と比較演算してウィルス濃度
    を求める演算手段とをさらに有することを特徴とする請
    求項7ないし16のいずれかに記載のウィルス濃度測定
    装置。
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