JP5729464B2 - 位置情報付加装置、位置情報付加方法及び位置情報付加用コンピュータプログラムならびに位置検出装置 - Google Patents

位置情報付加装置、位置情報付加方法及び位置情報付加用コンピュータプログラムならびに位置検出装置 Download PDF

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Description

本発明は、例えば、電子データ化された画像上の所定の基準位置を特定するための位置情報を付加する位置情報付加装置、位置情報付加方法及び位置情報付加用コンピュータプログラムに関する。また本発明は、例えば、そのような位置情報が付加された画像から所定の基準位置を検出する位置検出装置に関する。
近年、インターネットなどを介して、映画あるいは音楽などの電子データ化されたコンテンツを配信するサービスが提供されている。これらのコンテンツは、デジタル著作権管理(Digital Rights Management、DRM)技術によって暗号化された上で配信される。また、DRM技術によって、これらのコンテンツを不正に複製したり、あるいは配布することが禁止されている。
しかし、視聴者がコンピュータのディスプレイまたはテレビジョンモニタに表示された映像コンテンツをビデオカメラなどの撮影機器を用いて撮影することによって映像コンテンツを不正に複製し、複製された映像コンテンツを不正に流通させる事件が発生している。ディスプレイに表示された映像コンテンツは、暗号化されていないため、撮影により複製された映像コンテンツの流通を防ぐことは難しい。
そこで、予め視聴者の識別番号などの情報を電子透かしとしてコンテンツに埋め込む技術が開発されている。電子透かしは、例えば、ディスプレイに表示されたその電子透かしが埋め込まれた映像コンテンツをビデオカメラで撮影して不正に複製したとしても、複製された映像コンテンツの中に依然として残っている。このようなアナログキャプチャによって不正に複製された映像コンテンツの流通後において、その複製された映像コンテンツから電子透かしを検出することにより、映像コンテンツの不正利用を行った視聴者の識別番号が特定可能となっている。したがって、映像コンテンツがアナログキャプチャにより不正に複製されて投稿サイトなどにアップロードされた場合でも、映像コンテンツの管理者は、アップロードされた映像コンテンツに埋め込まれている情報から流出元を特定することができる。
また、電子透かしの技術は、電子広告(デジタルサイネージ)にも応用可能である。例えば、ユーザが、街頭スクリーンまたはテレビに映った電子透かし情報が埋め込まれた広告動画をカメラにより撮影した動画像から電子透かし情報を検出することで、その広告動画で紹介された商品の詳細情報といった付加情報を得ることができる。
ところで、表示装置に表示された映像コンテンツを撮影機器を用いて撮影することによって再度電子化された動画像データでは、その撮影の際に元の映像コンテンツに含まれる画像の領域が拡大または縮小したり、その画像領域の位置がずれることがある。そのため、そのような再電子化された動画像データでは、電子透かし情報が埋め込まれた領域のサイズ及び位置も元のサイズ及び位置と異なることがある。そこで、電子透かし情報を精度良く検出できるようにするために、画像内の矩形画像の縁を検出する技術が提案されている(例えば、特許文献1を参照)。また、動画像データの各画像の所定の位置の画素の輝度値を、時間軸に沿って所定のパターンで変化させる技術が提案されている(例えば、特許文献1または非特許文献1を参照)。
特開2005−277732号公報
鈴木他、「再撮耐性電子透かしの時空間座標特定方法」、第8回情報科学技術フォーラム、2009年、I-033、pp.307-308
しかしながら、再電子化された動画像データに含まれる画像内に元の矩形画像の縁が映っていなかったり、その縁での近傍画素間の輝度変化が不明りょうなこともある。このような場合、電子透かし情報を検出する装置は、その矩形画像の縁を検出できず、その結果として電子透かし情報が埋め込まれた領域を正確に特定できないおそれがあった。また、各画素の輝度値変化を調べてそのような輝度値変化が付与された画素の位置を検出するためには、少なくとも、輝度値変化のパターンの一周期分の画像が必要となる。しかし、不正利用者が映像コンテンツをビデオカメラを用いて撮影する際に、手ブレなどによりビデオカメラの位置が変動すると、画像間で輝度値変化が付与された画素の位置も変動してしまう。その結果、電子透かし情報を検出する装置は、輝度値変化が付与された画素の位置を正確に検出できないおそれがあった。
そこで本明細書は、表示装置に表示された動画像データを撮影することにより得られた再撮影動画像データの各ピクチャ上の基準位置を検出するための位置情報を付加する位置情報付加装置を提供することを目的とする。また本明細書は、動画像データに付加された位置情報を検出してピクチャ上の基準位置を検出する位置検出装置を提供することを他の目的とする。
一つの実施形態によれば、位置情報付加装置が提供される。この位置情報付加装置は、電子データ化された動画像データに含まれる複数のピクチャのそれぞれに対して複数の基準位置を設定する基準位置設定部と、複数のピクチャのそれぞれに対して、複数の基準位置の少なくとも何れかに基づいて定められる第1の位置に第1の位置情報付加領域と、第1の位置と異なる第2の位置に第2の位置情報付加領域とを設定する領域設定部と、第1の位置情報付加領域に、第1の時間周期でピクチャ上を移動する第1の動きパターンを埋め込み、かつ、第2の位置情報付加領域に、第2の時間周期でピクチャ上を移動する第2の動きパターンを埋め込む位置情報埋め込み部とを有する。
また他の実施形態によれば、電子データ化された動画像データに含まれ、基準位置に対して第1の位置関係にある第1の位置情報付加領域に第1の時間周期で移動する第1の動きパターンが埋め込まれ、かつ基準位置に対して第2の位置関係にある第2の位置情報付加領域に第2の時間周期で移動する第2の動きパターンが埋め込まれているピクチャ上の基準位置を検出する位置検出装置が提供される。この位置検出装置は、ピクチャの各画素に対して、その画素を含む領域に映っているパターンの動き及びそのパターンの空間的な特徴の少なくとも何れかを表す特徴量を求める特徴量抽出部と、ピクチャ上の所定の領域について、その所定の領域に対して第1の位置関係にある領域内の画素の特徴量と、その所定の領域に対して第2の位置関係にある領域内の画素の特徴量とに基づいて、その所定の領域についての基準位置の確からしさの度合いを表す評価値を求める評価値算出部と、評価値が最も高くなる所定の領域に基づいて基準位置を検出する基準位置検出部とを有する。
本発明の目的及び利点は、請求項において特に指摘されたエレメント及び組み合わせにより実現され、かつ達成される。
上記の一般的な記述及び下記の詳細な記述の何れも、例示的かつ説明的なものであり、請求項のように、本発明を制限するものではないことを理解されたい。
ここに開示される位置情報付加装置は、再撮影動画像データの各ピクチャ上の基準位置の検出を可能とする位置情報を付加できる。また位置検出装置は、動画像データに付加された位置情報を検出してピクチャ上の基準位置を検出できる。
図1は、第1の実施形態による位置情報付加装置の概略構成図である。 図2は、第1の実施形態による、動画像データに位置情報を付加するために実現される処理部の機能を示すブロック図である。 図3(A)〜図3(C)は、それぞれ、ピクチャ上に設定された基準位置の一例を示す図である。 図4(A)及び図4(B)は、それぞれ、図3(A)に示された基準位置に基づいて設定される位置情報付加領域の一例を表す図である。 図5(A)は、図4(A)に示された位置情報付加領域と動きパターンの移動方向との関係の一例を示す図であり、図5(B)は、図4(B)に示された位置情報付加領域と動きパターンの移動方向との関係の一例を示す図である。また図5(C)は、図5(A)に示された各位置情報付加領域に埋め込まれる動きパターンの一例を表す図であり、図5(D)は、図5(B)に示された各位置情報付加領域に埋め込まれる動きパターンの一例を表す図である。 図6(A)〜図6(D)は、それぞれ、時刻t〜(t+3)における、図5(C)に示された位置情報付加領域の動きパターンの時間変化を表す図である。 図7は、透かしパターンの一周期分の時間変化の一例を示す図である。 図8は、図7に対応する、透かしパターンの面積の時間変化と透かしパターンを含む領域内の画素値の平均値の時間変化との対応関係を表すグラフである。 図9は、透かしパターンの時間経過と埋め込まれるビットの値の関係の一例を示す図である。 図10は、位置情報付加装置の処理部上で実行されるコンピュータプログラムにより制御される、位置情報付加処理の動作フローチャートである。 図11は、第2の実施形態による電子透かし検出装置の概略構成図である。 図12は、第2の実施形態による電子透かし検出装置の処理部の機能を示すブロック図である。 図13(A)は、図4(A)及び図5(A)に示された動きパターンが埋め込まれたピクチャから求められた動きベクトルの概念図である。図13(B)は、図4(A)及び図5(A)に示された一つの基準位置の周囲に設定された4個の位置情報付加領域に埋め込まれた動きパターンに対応する参照パターンの概念図である。図13(C)は、ピクチャの各画素について求められた基準位置評価値を表す図である。そして図13(D)は、図13(C)に対応する、検出された基準位置を表す図である。 図14(A)は、ピクチャ上の動きベクトルの分布の一例を示す図である。図14(B)は、行ごとの、左上から右下へ向かう方向の動きベクトルの数及び右下から左上へ向かう方向の動きベクトルの数の分布を表すグラフを表す。図14(C)は、垂直方向の位置情報付加領域の境界を表す図であり、図14(D)は、水平方向の位置情報付加領域の境界を表す図である。図14(E)は、水平方向の位置情報付加領域の境界及び垂直方向の位置情報付加領域の境界と、基準位置との関係を表す図である。 図15は、ピクチャに対して設定されるブロックの一例を示す図である。 図16は、電子透かし検出処理の動作フローチャートである。 図17は、第3の実施形態による電子透かし検出装置の処理部の機能を示すブロック図である。 図18(A)は、ピクチャに埋め込まれた動きパターンの一例を示す図である。図18(B)は、図18(A)に示されたピクチャに対して左上から右下へ向かう方向の動きパターンのピッチに対応する最も高い周波数成分の分布の一例を表す図である。図18(C)は、図18(A)に示されたピクチャに対して右上から左下へ向かう方向の動きパターンのピッチに対応する最も高い周波数成分の分布の一例を表す図である。 図19は、注目画素とその注目画素のテクスチャ特徴量の算出に用いられる画素との位置関係の一例を示す図である。 図20は、第4の実施形態による電子透かし検出装置の処理部の機能を示すブロック図である。
以下、図を参照しつつ、様々な実施形態による、位置情報付加装置について説明する。この位置情報付加装置は、動画像データに含まれる、電子透かし情報が埋め込まれる所定区間内の各ピクチャに対して設定された領域内で、時間経過に伴って位置が変動する動きパターンを位置情報として付加する。そして位置情報付加装置は、その領域に対する相対的な位置が予め設定された所定の領域に電子透かし情報を埋め込む。
なお、以下では、便宜上、電子透かし情報が埋め込まれる画素及び領域を、それぞれ、透かし画素及び透かし領域と呼ぶ。また、動画像データに含まれるピクチャは、フレームであってもよく、あるいはインターレース方式に従って生成されるフィールドであってもよい。
図1は、第1の実施形態による電子透かし埋め込み装置の概略構成図である。この電子透かし埋め込み装置1は、位置情報付加装置の一例である。電子透かし埋め込み装置1は、インターフェース部11と、記憶部12と、処理部13とを有する。そして電子透かし埋め込み装置1は、インターフェース部11を介して取得した動画像データに対して位置情報及び電子透かし情報を埋め込む。
インターフェース部11は、例えば、電子透かし埋め込み装置1を、ビデオカメラなどの入力装置(図示せず)または液晶ディスプレイなどの表示装置(図示せず)と接続するための信号インターフェース及びその制御回路を有する。あるいは、インターフェース部11は、電子透かし埋め込み装置1を、イーサネット(登録商標)などの通信規格に従った通信ネットワークに接続するための通信インターフェース及びその制御回路を有してもよい。あるいはまた、インターフェース部11は、無線配信される動画像データを受信するためのアンテナと電子透かし埋め込み装置1を接続し、アンテナを介して受信した動画像データを復号するための回路を有する。
インターフェース部11は、入力装置から、または通信ネットワークあるいはアンテナを介して動画像データを取得し、その動画像データを処理部13へ渡す。
さらに、インターフェース部11は、キーボードまたはマウスといったユーザインターフェース装置を電子透かし埋め込み装置1に接続するために、ユニーバーサルシリアルバスなどのバス規格に従ったインターフェース回路を有してもよい。そしてインターフェース部11は、ユーザインターフェース装置または通信ネットワークから、動画像データに電子透かし情報として埋め込むデータを取得し、そのデータを処理部13へ渡す。
電子透かし情報は、例えば、視聴者の識別番号、動画像データの配信元の識別番号、及び電子透かし埋め込み装置1が組み込まれた画像表示装置の識別番号の少なくとも一つを含む。また本明細書において、電子透かし情報に含まれる視聴者の識別番号などを表す複数の数値又は記号は、ビット列で表される。
さらに、インターフェース部11は、電子透かし情報が埋め込まれた動画像データを処理部13から受け取り、その電子透かし情報が埋め込まれた動画像データを液晶ディスプレイといった表示装置へ出力する。または、インターフェース部11は、電子透かし情報が埋め込まれた動画像データを、通信ネットワークを介して電子透かし埋め込み装置1と接続された他の機器へ送信してもよい。
記憶部12は、例えば、半導体メモリ、磁気ディスク装置、または光ディスク装置のうちの少なくとも何れか一つを有する。そして記憶部12は、電子透かし埋め込み装置1で実行されるコンピュータプログラムと、位置情報及び電子透かし情報を埋め込むために使用する各種のパラメータ、例えば、基準位置及び透かし領域の範囲を記憶する。また記憶部12は、電子透かし情報が埋め込まれる前の動画像データの一部及び電子透かし情報を、処理部13により電子透かし情報が埋め込まれた動画像データが作成されるまで一時的に記憶してもよい。さらに記憶部12は、電子透かし情報が埋め込まれた動画像データを記憶してもよい。
処理部13は、1個または複数個のプロセッサと、ランダムアクセスメモリといったメモリ回路と、周辺回路を有する。そして処理部13は電子透かし埋め込み装置1全体を制御する。さらに処理部13は、動画像データに位置情報及び電子透かし情報を埋め込む。
図2は、動画像データに位置情報及び電子透かし情報を埋め込むために実現される処理部13の機能を示すブロック図である。処理部13は、基準位置設定部21と、領域設定部22と、動き設定部23と、位置情報埋め込み部24と、透かし情報埋め込み部25とを有する。処理部13が有するこれらの各部は、処理部13が有するプロセッサ上で実行されるコンピュータプログラムによって実装される機能モジュールである。また処理部13が有するこれらの各部は、それぞれ別個の演算回路として電子透かし埋め込み装置1に実装されてもよく、あるいはそれらの演算回路が集積された一つの集積回路として電子透かし埋め込み装置1に実装されてもよい。
基準位置設定部21は、動画像データのうち、電子透かし情報が埋め込まれる所定の区間に含まれる各ピクチャに対して複数の基準位置を設定する。基準位置と透かし画素または透かし領域との間の位置関係は予め定められており、その位置関係は電子透かし検出装置も既知となっている。そのため、電子透かし検出装置は、電子透かし情報が埋め込まれた動画像データに含まれるピクチャ上で基準位置を検出できると、その基準位置に基づいて透かし画素または透かし領域も特定できる。なお所定区間は、動画像データの先頭のピクチャから終端のピクチャまでとしてもよく、あるいは、動画像データの一部の区間であってもよい。
本実施形態では、基準位置設定部21は、記憶部12に予め記憶されている基準位置の座標に従って各ピクチャに対して基準位置を設定する。あるいは、基準位置設定部21は、インターフェース部11を介して、他の機器から基準位置の座標を表す情報を取得し、その情報に従って各ピクチャに対して基準位置を設定してもよい。あるいは、基準位置設定部21は、図示しないユーザインターフェースを介して基準位置の座標の情報を取得し、その情報に従って各ピクチャに対して基準位置を設定してもよい。そして基準位置設定部21は、領域設定部22に対して基準位置の座標を通知する。
図3(A)〜図3(C)は、それぞれ、ピクチャ上に設定された基準位置の一例を示す図である。図3(A)では、ピクチャ300に対して、左上方、右上方、左下方、右下方の4点に基準位置301〜304が設定されている。これら4個の基準位置は、例えば、長方形の各頂点となるように設定される。また図3(B)では、ピクチャ310に対して、3点の基準位置311〜313が設定されている。この3点の基準位置311〜313は、例えば、それぞれが三角形の頂点となるように配置されている。さらに図3(c)では、ピクチャ320に対して、2点の基準位置321、322が設定されている。この2点の基準位置321、322は、例えば、長方形の対角に位置する二つのコーナーの位置に配置されている。なお、3個以上の基準位置がピクチャ上に設定される場合、それら基準位置は多角形の頂点の位置に限らず、例えば、ピクチャ上の一つの直線に沿って配置されてもよい。
また基準位置は、ピクチャ上の任意の位置に設定可能である。ただし、ビデオカメラなどで電子透かし情報が埋め込まれた動画像データが撮影された際に、その撮影により得られたピクチャ内に少なくとも二つの基準位置が映るように、ピクチャの各辺よりもピクチャの中心に近い位置に基準位置が設定されることが好ましい。
領域設定部22は、基準位置に基づいて位置情報を埋め込むピクチャ上の複数の領域を、それぞれ位置情報付加領域として設定する。
図4(A)及び図4(B)は、それぞれ、図3(A)に示された基準位置に基づいて設定される位置情報付加領域の一例を表す図である。図4(A)では、ピクチャ400上に4個の基準位置401〜404が設定されている。そして各基準位置を中心として、それぞれ4個の矩形領域が位置情報付加領域として設定されている。例えば、ピクチャ400の左上方に設定された基準位置401の左上方に、基準位置401を右下の頂点とする矩形の位置情報付加領域411が設定されている。また、基準位置401の右上方に、基準位置401を左下の頂点とする矩形の位置情報付加領域412が設定されている。同様に、基準位置401の左下方に、基準位置401を右上の頂点とする矩形の位置情報付加領域413が設定され、基準位置401の右下方に、基準位置401を左上の頂点とする矩形の位置情報付加領域414が設定されている。また、図4(B)では、4個の基準位置421〜424をそれぞれ頂点とする矩形領域431と、矩形領域431の外周を囲う領域432とが位置情報付加領域として設定される。
なお、位置情報付加領域は、三角形であってもよく、あるいは、円形であってもよい。例えば、領域設定部22は、図3(B)に示された3個の基準位置をそれぞれ頂点とする三角形の領域と、その三角形の領域を囲う領域とを位置情報付加領域としてもよい。また、領域設定部22は、図3(C)に示された2個の基準位置を結ぶ直線にてピクチャを二つの領域に分割し、その二つの領域をそれぞれ位置情報付加領域としてもよい。さらに、領域設定部22は、図3(C)に示された2個の基準位置を直径の両端とする円形の領域と、その円形の領域を囲うリング状の領域とをそれぞれ位置情報付加領域としてもよい。さらに、位置情報付加領域同士は接していなくてもよい。さらにまた、基準位置が、何れかの位置情報付加領域に含まれているか、何れの位置情報付加領域からも離れて位置するように、各位置情報付加領域は設定されてもよい。
また、位置情報付加領域のサイズは、位置情報付加領域内に位置情報として埋め込まれる動きパターンよりも大きく、かつ、複数の位置情報付加領域同士が重ならないサイズであればよい。そのため、図4(B)に示されるように、ピクチャ上の任意の点が何れかの位置情報付加領域に含まれていてもよく、あるいは、図4(A)に示されるように、ピクチャ上に位置情報付加領域と重ならない領域が含まれていてもよい。
領域設定部22は、位置情報付加領域ごとに、位置情報付加領域の位置及び範囲を表す情報を動き設定部23へ通知する。位置情報付加領域の位置及び範囲を表す情報は、例えば、位置情報付加領域が多角形であれば、位置情報付加領域のそれぞれについての各頂点の座標、あるいは少なくとも一つの頂点と、複数の辺の長さなどを含み、位置情報付加領域が円形であれば、円の中心の座標と半径を含む。
動き設定部23は、複数の位置情報付加領域のそれぞれに対して埋め込まれる動きパターンについての時間経過に応じた移動方向及び移動量を設定する。その際、動き設定部23は、複数の位置情報付加領域のうちの少なくとも二つを一つの組とする。そして動き設定部23は、例えば、その組に含まれる複数の位置情報付加領域に対して、それぞれ異なる移動方向を設定する。なお、同じ組に含まれる複数の位置情報付加領域に対してそれぞれ異なる動きパターンが埋め込まれる場合には、動き設定部23は、その組に含まれる各位置情報付加領域に対して同一の移動方向を設定してもよい。なお、動き設定部23は、各位置情報付加領域に対して、同一の移動量を設定する。あるいは、動き設定部23は、位置情報付加領域ごとに、動きパターンの単位時間当たりの移動量を異ならせてもよい。
動き設定部23は、各位置情報付加領域の動きパターンの移動方向及び移動量を表す情報、例えば、連続する2枚のピクチャ間での動きパターンの移動方向及び移動量を表すベクトルと、対応する位置情報付加領域の重心の座標を位置情報埋め込み部24へ通知する。
位置情報埋め込み部24は、各位置情報付加領域に対して、動き設定部23により設定された移動方向に沿って移動する動きパターンを埋め込む。
図5(A)は、図4(A)に示された位置情報付加領域と動きパターンの移動方向との関係の一例を示す図であり、図5(B)は、図4(B)に示された位置情報付加領域と動きパターンの移動方向との関係の一例を示す図である。
図5(A)では、ピクチャ500には基準位置501〜504をそれぞれ中心として、位置情報付加領域の組が4組設定されている。例えば、ピクチャ500の左上方の基準位置501の周囲には、4個の位置情報付加領域511〜514が設定されている。各位置情報付加領域内に示された矢印は、その位置情報付加領域に埋め込まれる動きパターンの移動方向を表す。例えば、基準位置501の左上方に設定された位置情報付加領域511には、矢印521に示されるように、時間経過に応じて左上から右下へ向けて移動する動きパターンが埋め込まれる。また、基準位置501の右上方に設定された位置情報付加領域512には、矢印522に示されるように、時間経過に応じて左下から右上へ向けて移動する動きパターンが埋め込まれる。さらに、基準位置501の左下方に設定された位置情報付加領域513には、矢印523に示されるように、時間経過に応じて右上から左下へ向けて移動する動きパターンが埋め込まれる。そして基準位置501の右下方に設定された位置情報付加領域514には、矢印524に示されるように、時間経過に応じて右下から左上へ向けて移動する動きパターンが埋め込まれる。
図5(B)では、ピクチャ500に二つの位置情報付加領域531、534が設定されている。そしてピクチャ500の中心付近に設定された位置情報付加領域531には、矢印541に示されるように、時間経過に応じて右下から左上へ向けて移動する動きパターンが埋め込まれる。また位置情報付加領域531の外周に設定された位置情報付加領域532には、矢印542に示されるように、時間経過に応じて左上から右下へ向けて移動する動きパターンが埋め込まれる。
図5(C)は、図5(A)に示された各位置情報付加領域に埋め込まれる動きパターンの一例を表す図であり、図5(D)は、図5(B)に示された各位置情報付加領域に埋め込まれる動きパターンの一例を表す図である。
図5(C)に示されるように、各位置情報付加領域には、動きパターンの移動方向と略平行な方向に沿って画素値が周期的に変化する縞状の動きパターンが埋め込まれる。例えば、位置情報付加領域511及び514には、左上から右下へ向かう方向に沿って画素値が周期的に変化する縞状の動きパターン551が埋め込まれる。また、位置情報付加領域512及び513には、左下から右上へ向かう方向に沿って画素値が周期的に変化する縞状の動きパターン552が埋め込まれる。
また図5(D)に示されるように、位置情報付加領域531、532には、それぞれ、左上から右下へ向かう方向、すなわち、動きパターンが移動する方向に沿って画素値が周期的に変化する縞状の動きパターン561が埋め込まれる。
なお、図5(C)及び図5(D)において、動きパターンに含まれる暗い領域は、動きパターンに含まれる明るい領域よりも、ピクチャの対応する画素の値に加算される画素値が小さいことを表す。例えば、暗い領域に含まれる画素については、'0'が加算され、一方、明るい領域に含まれる画素については、'1'が加算される。
なお、この例では、位置情報付加領域531に埋め込まれる動きパターンは、位置情報付加領域532に埋め込まれる動きパターンと同一である。しかし、位置情報付加領域531に埋め込まれる動きパターンは、位置情報付加領域532に埋め込まれる動きパターンと異なっていてもよい。例えば、位置情報付加領域531に埋め込まれる動きパターンの縞のピッチは、位置情報付加領域532に埋め込まれる動きパターンの縞のピッチよりも大きくてもよい。さらに、各位置情報付加領域に埋め込まれる動きパターンは、縞状のパターンのように、周期性を持つパターンでなくてもよいが、動きパターンは、その動きパターンの移動方向に沿って画素値が変化するパターンであることが好ましい。
図6(A)〜図6(D)は、それぞれ、時刻t〜(t+3)における、図5(C)に示された位置情報付加領域511〜514の動きパターン551及び552を表す図である。図6(A)〜図6(D)に示されるように、動きパターン551は、左上から右下へ向かう軸に沿って移動していることが分かる。また動きパターン552は、左下から右上へ向かう軸に沿って移動していることが分かる。
位置情報埋め込み部24は、例えば、以下の式に従って、動きパターンが埋め込まれた位置情報付加領域内の各画素の値を算出する。
ここでF(x,y,t)は、時刻tにおけるピクチャの水平座標x、垂直座標yの画素値である。なお、画素値は、ピクチャがグレー画像である場合、例えば、画素の輝度値であり、ピクチャがカラー画像である場合、例えば、赤色成分、青色成分あるいは緑色成分のうちの何れか一つの色成分の値である。またW(x,y,t)は、時刻tにおける、動きパターンに含まれる、水平座標x、垂直座標yの画素値である。さらにα(x,y,t)は、信号強度調整パラメータであり、時刻tにおける、水平座標x、垂直座標yについての画素に加算される値を調整するために使用される。
α(x,y,t)は、例えば、動きパターンが埋め込まれた動画像データの画質の劣化を抑制するように、埋め込み対象となる画素及びその周囲の画素の値あるいはそれらの画素の値の時間変化に応じて設定される。例えば、注目するピクチャにおける、位置情報付加領域内に、空のような一様な画素値を持つ像が映っている場合、埋め込まれるパターンの画素値の最大値と最小値の差が小さくても動きパターンが知覚される可能性がある。一方、位置情報付加領域内に、近傍画素間で画素値が大きく変化するような複雑な模様が映っている場合には、埋め込まれるパターンの画素値の最大値と最小値の差を相対的に大きくすることで、電子透かし検出装置による動きパターンの検出精度を向上できる。
そこで、位置情報埋め込み部24は、例えば、位置情報付加領域内の画素値の分散を求め、その分散値が小さいほどα(x,y,t)を小さくする。あるいは、位置情報埋め込み部24は、位置情報付加領域内の画素値の最大値と最小値の差が小さいほどα(x,y,t)を小さくしてもよい。
また、位置情報付加領域内の像が静止している場合のように、時間経過に応じた像の変化が小さい場合、時間経過に応じて移動する動きパターンは知覚され易い。一方、位置情報付加領域内の像が急激に動いていると、埋め込まれるパターンの画素値の最大値と最小値の差を相対的に大きくすることで、電子透かし検出装置による動きパターンの検出精度を向上できる。
そこで、位置情報埋め込み部24は、例えば、位置情報付加領域について、時間的に連続する複数のピクチャ間でブロックマッチングを行って動きベクトルを求め、動きベクトルが小さいほどα(x,y,t)を小さくしてもよい。その際、位置情報埋め込み部24は、位置情報付加領域内に複数のブロックが設定される場合には、ブロックごとに求めた動きベクトルの平均値に基づいてα(x,y,t)を決定してもよい。なお、電子透かし情報が埋め込まれる動画像データが、MPEG-2、MPEG-4といった動き補償を行う動画像符号化方法に従って圧縮された形式で処理部13がその動画像データを受け取ることがある。このような場合、処理部13が動画像データを復号した後に、位置情報埋め込み部24は、動きパターンを埋め込む。その際、位置情報埋め込み部24は、その圧縮された動画像データに含まれる動きベクトルに基づいて、上記のようにα(x,y,t)を決定してもよい。
またα(x,y,t)は、予め定められた固定値、例えば1であってもよい。
なお、画素値が0〜255で表される場合、α(x,y,t)は、その最小値に設定された場合でも、W(x,y,t)が0でない値を持つ場合に、(1)式の右辺の第2項の絶対値が1以上の値となるように決定される。またα(x,y,t)は、その最大値に設定された場合でも、(1)式の右辺の第2項の絶対値が、動きパターンが知覚されない程度の値、例えば、3以下となるように決定される。
また、W(x,y,t)は、例えば、次式に従って決定される。
ここで、Riはi番目の位置情報付加領域の範囲であり、Pi(x,y)は位置情報付加領域Riに埋め込まれる動きパターンに含まれる水平座標x、垂直座標yの画素値である。画素値が0〜255の範囲内の値である場合、Pi(x,y)は、例えば、0〜3程度の値に設定される。そして(vx[i],vy[i])は、それぞれ、動きパターンの移動方向の水平成分及び垂直成分である。
一例として、動きパターンは、水平成分及び垂直成分の周期を(Tx[i],Ty[i])とすると、Pi(x,y)は任意の(x,y)に関して次式を満たすように設定される。
位置情報埋め込み部24は、位置情報が埋め込まれたピクチャを透かし情報埋め込み部25へ渡す。
透かし情報埋め込み部25は、位置情報埋め込み部24から受け取ったピクチャに対して電子透かし情報を埋め込む。透かし情報埋め込み部25は、電子透かし情報を埋め込むために、動画像データに適した様々な電子透かし情報の埋め込み方法の何れかを利用できる。例えば、透かし情報埋め込み部25は、その動画像データに含まれる時系列順に並んだ複数のピクチャに対して、電子透かし情報の先頭のビットから順に、一つのビットずつ埋め込む。例えば、透かし情報埋め込み部25は、各ピクチャのそれぞれの所定位置の透かし画素の画素値を、電子透かし情報の先頭のビットから順に、そのビットの値に応じた画素値にする。なお、透かし画素は、例えば、位置情報付加領域に含まれない何れかの画素とすることができる。あるいは、ピクチャの任意の画素が何れかの位置情報付加領域に含まれる場合、透かし画素は、何れかの位置情報付加領域内に設定されてもよい。ただし、この透かし画素と各基準位置との位置関係は固定である。例えば、透かし画素とそれぞれの基準位置間の水平座標の差及び垂直座標の差が予め設定された値となるように、透かし画素は決定される。
あるいは、透かし情報埋め込み部25は、電子透かし情報が埋め込まれる区間内に、電子透かし情報に含まれるビットごとに複数のピクチャを含むサブ区間を設定してもよい。そして透かし情報埋め込み部25は、そのサブ区間において各ピクチャに設定される透かし領域に重畳される透かしパターンを生成し、その透かしパターンの面積をビットの値に応じて周期的に変化させてもよい。この場合、透かし情報埋め込み部25は、埋め込まれるビットの値に応じて、透かしパターンの面積の周期的な時間変動の位相またはその時間変動の周期を変える。これにより、ピクチャの一部に設定され、透かしパターンが含まれる透かし領域内の平均画素値も周期的に増減するので、透かし領域内の平均画素値の周期的な時間変動の位相またはその時間変動の周期も変動する。
なお、透かし領域は、面積が最大となるときの透かしパターンが含まれ、かつ一定のサイズを持つように設定される。すなわち、透かし領域は、透かしパターンの面積に関わらず、ピクチャ上で透かしパターンが重畳される領域を含む。さらに、透かし領域は、例えば、位置情報付加領域に含まれない何れかの領域とすることができる。あるいは、ピクチャの任意の画素が何れかの位置情報付加領域に含まれる場合、透かし領域は、何れかの位置情報付加領域内に設定されてもよい。透かし領域が位置情報付加領域内に設定される場合、基準位置を検出するための動きパターンが移動することで生じる時間方向の画素値変化の周期と、透かしパターンの周期が一致すると、電子透かし検出装置が透かしパターンを検出できなくなるおそれがある。そこで、透かし情報埋め込み部25は、透かしパターンの時間方向の変動周期を、動きパターンの時間方向の周期と異ならせることが好ましい。
またこの場合も、透かし領域と基準位置との位置関係は固定である。例えば、基準位置が複数設定されている場合、透かし領域の中心とそれぞれの基準位置間の水平座標の差及び垂直座標の差が予め設定された値となるように、透かし領域は決定される。
図7は、透かしパターンの一周期分の時間変化の一例を示す図である。この例では、透かしパターンは複数の透かしブロックを有し、各透かしブロックに含まれる画素は、負の値、例えば、'-2'を持つ。そのため、各透かしブロックは影状となり、その結果、透かしパターンに含まれる画素が重畳されることにより、その重畳された画素の値は元の画素値よりも低くなる。
図7において、時刻tから時刻(t+8)までの時間的に連続する9枚のピクチャが示されている。時刻tのピクチャ701には、矩形状の透かしパターン711が重畳されている。そして時刻tから時刻(t+4)にかけて、透かしブロック712の数が減ることにより、ピクチャに重畳される透かしパターンの面積が減少する。そして時刻(t+4)におけるピクチャ702において透かしパターンは消失する。また、時刻(t+4)以降、透かしパターンの面積は増加し、時刻(t+8)におけるピクチャ703にて、再び透かしパターンの面積が最大となる。
図8は、図7に対応する、透かしパターンの面積の時間変化と透かしパターンを含む領域内の画素値の平均値の時間変化との対応関係を表すグラフである。図8における上側のグラフにおいて、横軸は時間を表し、縦軸は透かしパターンの面積を表す。そしてグラフ801は、各時刻t〜(t+8)における、透かしパターンの面積を表す。一方、下側のグラフにおいて、横軸は時間を表し、縦軸は画素値を表す。そしてグラフ802は、各時刻t〜(t+8)における、透かし領域内の平均画素値を表す。
グラフ801に示されるように、時刻t〜(t+8)において、透かしパターンの面積は、三角波状に変化する。またこの例では、透かしパターンの各画素は負の値を持つ。そのため、グラフ802に示されるように、透かし領域内の平均画素値は透かしパターンの面積が減少するにつれて増加し、逆に透かしパターンの面積が増加するにつれて減少する。そのため、平均画素値も時系列に沿って三角波状に変化し、平均画素値の変化を表す三角波の位相は、透かしパターンの面積の変化を表す三角波の位相に対して反転する。
上述したように、一例として、動画像データに埋め込まれるビットの値は、透かしパターンの面積の変動周期、すなわち、透かし領域内の平均画素値の変動周期によって表される。
図9は、透かしパターンの時間経過と埋め込まれるビットの値の関係の一例を示す図である。図9における上側、中央、下側の各グラフの横軸は時間を表し、縦軸は透かし領域内の平均画素値を表す。そしてグラフ901及び902は、それぞれ、ビットの値が'0'または'1'である場合の時間経過に対する透かし領域内の平均画素値の変動を表す。この例では、ビットの値が'1'である場合の周期T1は、ビットの値が'0'である場合の周期T2の1/2となっている。なお、埋め込まれた値の検出を容易にするために、一つのビットが埋め込まれる区間の長さは、ビットの値によらず、同一であることが好ましい。例えば、図9における、複数のビットに対する透かし領域内の平均画素値の時間変動を表すグラフ903に示されるように、ビットの値が'0'である場合、一つの区間910には2周期の平均画素値の変動が含まれ、一方、ビットの値が'1'である場合、一つの区間911には4周期の平均画素値の変動が含まれる。
あるいは、動画像データに埋め込まれるビットの値は、透かしパターンの面積の時間変動における位相によって表されてもよい。透かし情報埋め込み部25は、例えば、ビットの値が'0'であるときの透かしパターンの面積の時間変動の位相に対して、ビットの値が'1'であるときの透かしパターンの面積の時間変動の位相を反転させてもよい。
透かし情報埋め込み部25は、ピクチャごとに透かし領域を設定する。そして透かし情報埋め込み部25は、透かしパターンに含まれる画素と重なるピクチャ上の画素の値を、その透かしパターンに含まれる画素の値で修正する。例えば、透かしパターンに含まれる各画素が'-2'の値を持つ場合、透かし情報埋め込み部25は、透かしパターンと重なる領域に含まれる各画素の値から'2'減算する。逆に、透かしパターンに含まれる各画素が'2'の値を持つ場合、透かし情報埋め込み部25は、透かしパターンと重なる領域に含まれる各画素の値に'2'加算する。
上記のように、透かし情報埋め込み部25は、動画像データに対して時系列方向に複数のビットを埋め込むことができる。この場合、透かし情報埋め込み部25は、動画像データに埋め込まれる一つのビットに対応する区間が終了する度に、ビットごとの区切りを示す所定のパターンを、次のビットに対応する区間が始まるまでのピクチャに重畳してもよい。
また、透かし情報埋め込み部25は、動画像データ中の各ピクチャに、電子透かし情報に含まれる複数のビットを埋め込んでもよい。例えば、各ピクチャの複数の透かし画素が、電子透かし情報に含まれるビットの値を表すために用いられる。あるいは、動画像データ中の各ピクチャには、複数の透かし領域及び各透かし領域に含まれる透かしパターンが設定される。そして、各透かし領域とその透かし領域内に重畳される透かしパターンが一つのビットに対応する。
透かし情報埋め込み部25は、電子透かし情報を上記のように動画像データに埋め込む。そして透かし情報埋め込み部25は、電子透かし情報が埋め込まれた動画像データを記憶部12に記憶する。あるいは、透かし情報埋め込み部25は、電子透かし情報が埋め込まれた動画像データを、インターフェース部11を介して他の機器へ出力してもよい。
図10は、この実施形態による電子透かし埋め込み装置の処理部上で実行されるコンピュータプログラムにより制御される、電子透かし埋め込み処理の動作フローチャートである。
処理部13の基準位置設定部21は、ピクチャ上に少なくとも一つの基準位置を設定する(ステップS101)。そして基準位置設定部21は、各基準位置を表す情報を領域設定部22へ通知する。領域設定部22は、基準位置に基づいて複数の位置情報付加領域を設定する(ステップS102)。そして領域設定部22は、各位置情報付加領域を表す情報を動き設定部23へ通知する。
動き設定部23は、各位置情報付加領域に埋め込まれる動きパターンの移動方向を設定する(ステップS103)。そして動き設定部23は、位置情報付加領域ごとに、動きパターンの移動方向を表す情報を位置情報埋め込み部24へ通知する。位置情報埋め込み部24は、電子透かし情報が埋め込まれる所定区間内に含まれる複数のピクチャについて、動きパターン及び移動方向に応じて位置情報付加領域内の画素値を修正する(ステップS104)。そして位置情報埋め込み部24は、動きパターンが埋め込まれたピクチャを透かし情報埋め込み部25へ渡す。
透かし情報埋め込み部25は、動きパターンが埋め込まれたピクチャに電子透かし情報を埋め込む(ステップS105)。その後処理部13は、電子透かし埋め込み処理を終了する。
なお、処理部13は、ステップS105の処理を行った後に、ステップS101〜S104の処理を行ってもよい。
以上に説明してきたように、第1の実施形態に係る電子透かし埋め込み装置は、時間経過に応じて位置が変化する動きパターンを、電子透かし情報が埋め込まれる位置の基準となる基準位置を特定するために各ピクチャに埋め込む。そのため、電子透かし検出装置は、この電子透かし埋め込み装置により電子透かし情報が埋め込まれた動画像データをビデオカメラなどにより撮影することにより得られる再撮影動画像データにおいても動きパターンを見つけることで基準位置を特定できる。そのため、基準位置を特定するために、再撮影動画像データの各ピクチャに、元の動画像データのピクチャの外縁が映っていなくてもよい。さらに、電子透かし情報が埋め込まれた動画像データを再撮影する際に、手ブレなどが発生しても、動きパターンを検出することにより基準位置が特定可能である。そして基準位置が特定されれば、電子透かし検出装置は、電子透かし情報が埋め込まれた透かし画素または透かし領域も特定できる。このように、この電子透かし埋め込み装置は、再撮影動画像データにおいても、各ピクチャにおける電子透かし情報が埋め込まれた位置を特定可能な位置情報を付与できる。
以下に、第1の実施形態による電子透かし埋め込み装置により動画像データに埋め込まれた電子透かし情報を検出する電子透かし検出装置について説明する。
図11は、第2の実施形態による電子透かし検出装置の概略構成図である。電子透かし検出装置2は、インターフェース部31と、記憶部32と、処理部33とを有する。そして電子透かし検出装置2は、インターフェース部31を介して取得した動画像データの各ピクチャの基準位置を検出し、その基準位置に基づいて特定される透かし画素または透かし領域の画素の値を解析することにより、埋め込まれた電子透かし情報を検出する。
なお、以下に説明する、各実施形態またはその変形例による電子透かし検出装置は、それぞれ、位置検出装置の一例である。また以下では、電子透かし情報が埋め込まれた動画像データを透かし重畳動画像データと呼ぶ。
インターフェース部31は、例えば、電子透かし検出装置2を、ビデオカメラなどの動画像データ入力装置(図示せず)と接続するための信号インターフェース及びその制御回路を有する。あるいは、インターフェース部31は、電子透かし検出装置2を、イーサネット(登録商標)などの通信規格に従った通信ネットワークに接続するための通信インターフェース及びその制御回路を有してもよい。
インターフェース部31は、動画像データ入力装置または通信ネットワークを介して透かし重畳動画像データを取得し、その動画像データを処理部33へ渡す。
さらに、インターフェース部31は、検出された電子透かし情報を処理部33から受け取り、その電子透かし情報を、通信ネットワークを介して電子透かし検出装置2と接続された他の機器へ送信してもよい。
記憶部32は、例えば、半導体メモリ、磁気ディスク装置、または光ディスク装置のうちの少なくとも何れか一つを有する。そして記憶部32は、電子透かし検出装置2で実行されるコンピュータプログラム、透かし重畳動画像データから電子透かし情報を検出するために使用する各種のパラメータを記憶する。また記憶部32は、検出された電子透かし情報を記憶してもよい。さらに記憶部32は、透かし重畳動画像データを記憶してもよい。
処理部33は、1個または複数個のプロセッサと、ランダムアクセスメモリといったメモリ回路と、周辺回路を有する。そして処理部33は、透かし重畳動画像データの各ピクチャに埋め込まれた動きパターンの移動方向を検出することで基準位置を求め、その基準位置に基づいて透かし画素または透かし領域を特定する。そして処理部33は、電子透かし情報を検出する。さらに処理部33は、電子透かし検出装置2全体を制御する。
図12は、透かし重畳動画像データから基準位置を検出し、かつ電子透かし情報を検出するために実現される処理部の機能を示すブロック図である。
処理部33は、動きベクトル算出部41と、評価値算出部42と、基準位置検出部43と、透かし情報抽出部44とを有する。
動きベクトル算出部41は、透かし重畳動画像データのピクチャを取得する度に、その最新のピクチャである現ピクチャ及び過去のピクチャから、各画素に映っている像の移動量及び移動方向を表す動きベクトルを求める。なお、動きベクトル算出部41は、特徴量抽出部の一例である。
動きベクトル算出部41は、例えば次式に従って、時刻tにおけるピクチャ(現ピクチャ)の各画素と、時刻(t-1)におけるピクチャの動きベクトル候補に相当する画素数だけずらした画素との間で、画素値の差分絶対値d(x,y,vx,vy,t)を求める。
ここでG(a,b,τ)は、時刻τにおけるピクチャの水平座標a、垂直座標bの画素値である。またvx、vyは、それぞれ、動きベクトル候補の水平方向成分及び垂直方向成分である。ここで、(vx、vy)が座標(x,y)の画素に映っている像の動きベクトルを表していれば、差分絶対値d(x,y,vx,vy,t)は理想的には0となる。したがって、動きベクトル算出部41は、差分絶対値に基づいて求める評価値が最小となるような動きベクトル候補(vx、vy)を、座標(x,y)の画素の動きベクトルとして求める。
上述したとおり、(2)式における右辺第2項の絶対値は、動きパターンが知覚されないような小さな値、例えば、3以下に設定されている。したがって、差分値の絶対値d(x,y,vx,vy,t)が(2)式の右辺の第2項の絶対値よりも大きい場合、その差分値は、埋め込まれた動きパターンによるものではなく、元のピクチャに映っている像のエッジに起因する可能性が非常に高い。そのため、そのような大きな差分絶対値d(x,y,vx,vy,t)は、埋め込まれた動きパターンの動きベクトルの算出に関しては考慮しないことが好ましい。そこで動きベクトル算出部41は、(4)式の代わりに、次式に従って差分絶対値d'(x,y, vx,vy,t)を算出してもよい。
ここでWmaxは、動きベクトルを算出するために考慮する差分絶対値の上限値であり、例えば、(2)式の右辺第2項の絶対値の最大値、あるいはその最大値に所定のオフセット値(例えば、1または2)を加算した値に設定される。この例では、動きベクトル算出部41は(5)式に従って算出された差分絶対値を用いて、動きベクトルを算出する。
動きベクトル算出部41は、現ピクチャの画素ごとに、動きベクトル候補(vx, vy)の各成分を動きベクトル候補について予め定められた範囲内で様々に変更しつつ、動きベクトル候補(vx, vy)の評価値D(x,y,vx,vy,t)を次式に従って算出する。
なお、Rは、注目する画素の周囲に設定される、動きベクトルの探索ブロックの大きさを表すパラメータであり、その探索ブロックは、横(2R+1)画素x縦(2R+1)画素となる。例えば、Rは、4、8、または16に設定される。
動きベクトル算出部41は、画素ごとに、動きベクトル候補(vx, vy)の中で評価値D(x,y,vx,vy,t)が最小となる候補を動きベクトルとして求める。すなわち、動きベクトル候補の範囲をVとすると、動きベクトル(Vx(x,y,t),Vy(x,y,t))は次のように求まる。
なお、(7)式の右辺は、範囲Vに含まれる動きベクトル候補(vx,vy)の中で評価値D(x,y,vx,vy,t)が最小となる候補を表す。また、動きベクトル候補の範囲は、例えば、連続する2枚のピクチャ間での、動きパターンの移動量の最大値に相当する範囲に設定される。
動きベクトル算出部41は、現ピクチャの各画素について求めた動きベクトルを評価値算出部42へ渡す。
評価値算出部42は、現ピクチャの画素ごとに、基準位置である確からしさを表す基準位置評価値を算出する。
本実施形態では、基準位置と位置情報付加領域の位置関係、及び位置情報付加領域に埋め込まれた動きパターンの動きベクトルは、電子透かし検出装置2にとって既知である。そのため、基準位置を原点として決定される、位置情報付加領域に含まれる各画素の動きベクトルを表す参照パターンが求められ、その参照パターンは予め記憶部32に記憶される。
そして評価値算出部42は、現ピクチャの画素ごとに、その画素及び周囲の画素の動きパターンと、参照パターンとのパターンマッチングによりその画素の基準位置評価値を算出する。
例えば、評価値算出部42は、次式のように、注目画素及びその周囲の画素の動きベクトルと参照パターン内の各画素の動きベクトルとの正規化相互相関値を、時刻tにおけるピクチャの水平座標x、垂直座標yの画素の基準位置評価値E(x,y,t)として算出する。
ここで、(Rx(x,y),Ry(x,y))は、参照パターンの画素(x,y)が含まれる位置情報付加領域における動きパターンの動きベクトルの水平方向成分及び垂直方向成分を表す。また(Vx(x,y),Vy(x,y))は、現ピクチャの画素(x,y)における動きパターンの水平方向成分及び垂直方向成分を表す。Sは、参照パターンのサイズを表すパラメータであり、この例では、参照パターンは水平方向に(2S+1)画素、垂直方向に(2S+1)画素を持つ。またVabs(x,y,t)及びRabsは、それぞれ、次式で表される。
基準位置に対して所定の位置関係にある位置情報付加領域内の動きパターンの動きベクトルと、現ピクチャの注目画素に対してその所定の位置関係にある領域内の画素の動きベクトルとが一致するほど、その注目画素の基準位置評価値E(x,y,t)は高くなる。そして現ピクチャの注目画素及びその周囲の画素の動きベクトルの分布が、参照パターンの動きベクトルの分布と完全に一致している場合、基準位置評価値E(x,y,t)は1となる。
評価値算出部42は、現ピクチャの各画素の基準位置評価値を基準位置検出部43へ渡す。
基準位置検出部43は、現ピクチャの各画素の基準位置評価値に基づいて基準位置を検出する。本実施形態では、基準位置検出部43は、基準位置評価値E(x,y,t)が最も高くなる画素を一つの基準位置とする。また基準位置検出部43は、現ピクチャから、先に検出された基準位置を中心とする所定範囲を除いた残りの領域で最も基準位置評価値E(x,y,t)が高い画素を別の基準位置として検出する。以後、同様に、基準位置検出部43は、既に検出された基準位置をそれぞれ中心とする所定範囲を除いた残りの領域で、基準位置評価値E(x,y,t)が最も高い画素を基準位置として検出する。そして基準位置検出部43は、一つのピクチャに設定されている基準位置の数だけ、基準位置の検出を繰返し実行する。なお、所定範囲は、例えば、検出された基準位置を中心とし、互いの距離が最短である二つの基準位置間の距離の1/2を半径とする円形領域とすることができる。
また基準位置検出部43は、残りの領域内での基準位置評価値E(x,y,t)の最大値が予め定められた閾値未満となった時点で、基準位置の検出を中止してもよい。例えば、その閾値は、基準位置評価値E(x,y,t)の取り得る最大値の1/2に設定される。
図13(A)は、図4(A)及び図5(A)に示された動きパターンが埋め込まれたピクチャから求められた動きベクトルの概念図である。図13(B)は、図4(A)及び図5(A)に示された一つの基準位置の周囲に設定された4個の位置情報付加領域に埋め込まれた動きパターンの動きベクトルに対応する参照パターンの概念図である。図13(C)は、ピクチャの各画素について求められた基準位置評価値を表す図である。そして図13(D)は、図13(C)に対応する、検出された基準位置を表す図である。なお、図13(A)及び図13(B)に示された矢印は、動きベクトルを表す。また図13(C)において、基準位置評価値が高い画素ほど白く表されている。
図13(A)に示されるように、ピクチャ1300では、埋め込まれた動きパターンによる動きベクトル1301だけでなく、ピクチャ1300に映っている像、あるいは透かしパターンに起因する動きベクトル1302も検出される。しかし、基準位置の周囲の動きベクトルの分布は、図13(B)に示される参照パターン1310に含まれる動きベクトルの分布と類似する。そのため、図13(C)に示されるように、基準位置1321〜1324における基準位置評価値がその他の画素に対する基準位置評価値よりも高くなる。したがって、図13(D)に示されるように、基準位置検出部43は、基準位置評価値が高い4点を検出することにより、正確に各基準位置1321〜1324を検出できる。
なお、変形例によれば、評価値算出部42及び基準位置検出部43は、既知である動きベクトルの分布の統計的性質に基づいて、現ピクチャの行ごと、列ごとに、基準位置評価値を算出し、その基準位置評価値に基づいて基準位置を検出してもよい。
図14(A)〜(E)を参照しつつ、この変形例による基準位置の検出について説明する。図14(A)に示される現ピクチャ1400には、図4(B)及び図5(B)に示された二つの動きパターンが埋め込まれているとする。また図14(A)において、現ピクチャ1400上に示された各矢印は、その矢印の位置における動きベクトルを表す。
この場合、図14(A)に示されるように、中央の位置情報付加領域1411では、動きパターンが右下から左上へ向かって移動するので、右下から左上へ向かう動きベクトルを持つ画素が多数分布する。同様に、その周囲の位置情報付加領域1412では、動きパターンが左上から右下へ向かって移動するので、左上から右下へ向かう動きベクトルを持つ画素が多数分布する。そこで評価値算出部42は、現ピクチャ1400において左上から右下へ向かう動きベクトルを持つ画素の行ごと、列ごとの分布と右下から左上へ向かう動きベクトルを持つ画素の行ごと、列ごとの分布を調べる。
まず評価値算出部42は、行ごとに、左上から右下へ向かう動きベクトルを持つ画素の数、すなわち、左上から右下へ向かう動きベクトルの頻度を求める。同様に、評価値算出部42は、行ごとに、右下から左上へ向かう動きベクトルを持つ画素の数を求める。さらに評価値算出部42は、列ごとに、左上から右下へ向かう動きベクトルを持つ画素の数を求める。同様に、評価値算出部42は、列ごとに、右下から左上へ向かう動きベクトルを持つ画素の数を求める。
図14(B)に示されたグラフ1421は、行ごとの、左上から右下へ向かう動きベクトルを持つ画素の数を表すグラフである。横軸は画素数を表し、縦軸はピクチャ1400の垂直位置を表す。また、グラフ1422は、行ごとの、右下から左上へ向かう動きベクトルを持つ画素の数を表すグラフであり、横軸は画素数を表し、縦軸はピクチャ1400の垂直位置を表す。グラフ1421及びグラフ1422から明らかなように、垂直位置1431及び1432にて、頻度が高い方の動きベクトルが入れ替わる。すなわち、垂直位置1431よりも上側及び垂直位置1432よりも下側では、左上から右下へ向かう動きベクトルの頻度が高い。一方、垂直位置1431と垂直位置1432に挟まれた領域では、右下から左上へ向かう動きベクトルの頻度が高い。このように、垂直位置1431及び1432は、それぞれ、位置情報付加領域1411と1412の境界を表していると推定される。そこで、評価値算出部42は、現ピクチャの各行または各列について、その行または列を境界とする第1の領域と第2の領域を設定する。評価値算出部42は、第1の領域内に含まれる、一方の位置情報付加領域内の動きベクトルと同じ向きの動きベクトルを持つ画素の数と、第2の領域内に含まれる、他方の位置情報付加領域内の動きベクトルと同じ向きの動きベクトルを持つ画素の数とに応じて基準位置評価値を求める。
例えば、評価値算出部42は、上側の位置情報付加領域の境界位置の候補をy1’、下側の位置情報付加領域の境界位置の候補をy2’(ただし、左上端を原点として、y1'<y2')とする。この場合において、二つの境界位置の候補の外側の領域に分布する左上から右下方向の動きベクトルの行ごとの頻度の平均値をA(y1',y2')、二つの境界位置の候補に挟まれた領域に分布する右下から左上方向の動きベクトルの行ごとの頻度の平均値をB(y1',y2')とする。この時、行(y1',y2')に対する基準位置評価値は[A(y1',y2')+ B(y1',y2')]となる。
同様に、評価値算出部42は、左側の位置情報付加領域の境界位置の候補をx1’、右側の位置情報付加領域の境界位置の候補をx2’(ただし、左上端を原点として、x1'<x2')とする。この場合において、二つの境界位置の候補の外側の領域に分布する左上から右下方向の動きベクトルの列ごとの頻度の平均値をC(x1',x2')、二つの境界位置の候補に挟まれた領域に分布する右下から左上方向の動きベクトルの列ごとの頻度の平均値をD(x1',x2')とする。この時、列(x1',x2')に対する基準位置評価値は[C(x1',x2')+ D(x1',x2')]となる。
評価値算出部42は、各行、各列の基準位置評価値を基準位置検出部43へ通知する。
基準位置検出部43は、基準位置評価値が最大となる行及び列を、それぞれ、位置情報付加領域の境界位置として求める。
この例では、位置情報付加領域1411の上側と下側の境界位置(y1,y2)は次式で求められる。
なお、(10)式の右辺は、(y1',y2')の組のうち、[A(y1',y2')+ B(y1',y2')]の最大値に対応する組を出力する関数である。
この結果、図14(C)に示されるように、垂直方向の位置情報付加領域の境界1441及び1442が求められる。
同様に、位置情報付加領域1411の左側と右側の境界位置(x1,x2)は次式で求められる。
なお、(11)式の右辺は、(x1',x2')の組のうち、[C(x1',x2')+ D(x1',x2')]の最大値に対応する組を出力する関数である。
この結果、図14(D)に示されるように、水平方向の位置情報付加領域の境界1451及び1452が求められる。
図14(E)に示されるように、基準位置検出部43は、水平方向の位置情報付加領域の境界1441、1442と、垂直方向の位置情報付加領域の境界の交点1451、1452を、それぞれ基準位置1461〜1464として検出する。
なお、透かし重畳動画像データが再撮影動画像データである場合、再撮影動画像データの各ピクチャには、元のピクチャが傾いて映っていることがある。このような場合には、位置情報付加領域の境界線も、本来の境界線の方向に対して傾く。そこで評価値算出部42は、図15に示されるように、再撮影動画像データに含まれるピクチャを複数のブロックに分割し、ブロックごとに、行または列の特定方向の動き方向ベクトルの頻度を算出してもよい。例えば、図15では、ピクチャ1500は水平方向に沿って6個のブロック1501〜1506に分割されている。そして評価値算出部42は、基準位置評価値として、ブロックごとに、各行の右下から左上方向の動きベクトルの頻度及び左上から右下方向の動きベクトルの頻度を求める。同様に、評価値算出部42は、列ごとの動きベクトルの頻度を算出する際には、ピクチャを垂直方向に沿って複数のブロックに分割し、そのブロックごとに各列の動きベクトルの頻度を算出すればよい。
この場合、基準位置検出部43は、ピクチャを水平方向に沿って分割した複数のブロックのそれぞれについて算出された動きベクトルの行ごとの頻度の分布から、(10)式に基づいて、ブロックごとに、位置情報付加領域の境界位置の垂直方向の座標を求める。また基準位置検出部43は、例えば、各ブロックの境界位置の水平座標を、そのブロックの水平方向の中点の座標とする。そして基準位置検出部43は、各ブロックの境界位置に対して最小二乗法を適用することにより、略水平方向の位置情報付加領域の境界線を求める。同様に、基準位置検出部43は、ピクチャを垂直方向に沿って分割した複数のブロックのそれぞれについて算出された動きベクトルの列ごとの頻度の分布から、(11)式に基づいて、ブロックごとに、位置情報付加領域の境界位置の水平方向の座標を求める。また基準位置検出部43は、例えば、各ブロックの境界位置の垂直座標を、そのブロックの垂直方向の中点の座標とする。そして基準位置検出部43は、各ブロックの境界位置に対して最小二乗法を適用することにより、略垂直方向の位置情報付加領域の境界線を求める。
そして基準位置検出部43は、略水平方向の境界線と略垂直方向の境界線の交点を基準点とする。
あるいは、評価値算出部42は、再撮影動画像データである透かし重畳動画像データに対しても、ピクチャ全体で行ごと及び列ごとの特定方向の動きベクトルの頻度の分布を求めてもよい。この場合、基準位置検出部43は、(10)式または(11)式に基づいて、位置情報付加領域の境界の大まかな位置を求める。
そして基準位置検出部43は、略水平方向の位置情報付加領域の境界線を正確に求めるために、例えば、ピクチャの水平方向の中点近傍の列において、大まかな境界位置近傍に境界候補点を設定する。そして基準位置検出部43は、境界候補点の位置を垂直方向に移動させつつ、各境界候補点について、境界候補点の上側に隣接する画素の動きベクトルと、境界候補点の下側に隣接する画素の動きベクトルの内積を求める。境界候補点が位置情報付加領域の真の境界上に位置する場合、境界候補点の上側と下側とで動きベクトルの向きが異なるので、そのベクトルの内積値は最小となる。そこで基準位置検出部43は、内積値が最小となる境界候補点を、位置情報付加領域の真の境界上の点として検出する。その後、基準位置検出部43は、列を一つずつずらしながら、上記と同様に、上側に隣接する画素の動きベクトルと下側に隣接する画素の動きベクトルとの内積が最小となる境界候補点を位置情報付加領域の真の境界上の点として検出する。これにより、基準位置検出部43は、その境界上の点の集合を略水平方向の位置情報付加領域の境界線として求める。
同様に、基準位置検出部43は、ピクチャの垂直方向の中点近傍の行において、大まかな境界位置近傍に境界候補点を設定する。そして基準位置検出部43は、その境界候補点の位置を水平方向にずらしながら、各境界候補点について、境界候補点の左側に隣接する画素の動きベクトルと、境界候補点の右側に隣接する画素の動きベクトルの内積を求める。そして基準位置検出部43は、内積値が最小となる境界候補点を、位置情報付加領域の真の境界上の点として検出する。基準位置検出部43は、行をずらしながら、左側に隣接する画素の動きベクトルと右側に隣接する画素の動きベクトルとの内積が最小となる境界候補点を位置情報付加領域の真の境界上の点として順次検出することで、略垂直方向の位置情報付加領域の境界線を求める。
そしてこの場合も、基準位置検出部43は、略水平方向の境界線と略垂直方向の境界線の交点を基準点とする。
基準位置検出部43は、各基準位置の座標を透かし情報抽出部44へ通知する。
透かし情報抽出部44は、基準位置に基づいて電子透かし情報が埋め込まれている透かし画素または透かし領域を特定し、透かし画素または透かし領域の画素値を解析することで、埋め込まれている電子透かし情報を抽出する。
透かし情報抽出部44は、例えば、基準位置として検出された複数の画素からの距離の比が、元のピクチャにおける各基準位置から透かし画素または透かし領域までの距離の比と等しくなる現ピクチャ上の画素を、透かし画素または透かし領域の中心として検出する。例えば、透かし画素が二つの基準位置の中点に設定されている場合、透かし情報抽出部44は、基準位置検出部43により基準位置として検出された二つの画素の中点を透かし画素とする。
そして透かし情報抽出部44は、現ピクチャの透かし画素が電子透かし情報に含まれるビット値に応じた値を持っている場合、その透かし画素の値に応じたビット値を検出する。
また、電子透かし情報に含まれる各ビットの値が、透かし重畳動画像データの各ピクチャに重畳された透かしパターンの面積の周期的な変動により表されている場合、透かし情報抽出部44は、各ピクチャの透かし領域内の平均画素値を算出する。なお、一つのピクチャに複数の透かし領域が設定されている場合、透かし情報抽出部44は、透かし領域ごとに平均画素値を算出する。
透かし情報抽出部44は、透かし領域ごとに、透かし領域内の平均画素値を時系列順に並べた1次元ベクトルを作成する。そして透かし情報抽出部44は、その1次元ベクトルを一つのビットの値に相当する区間単位で周波数変換することにより、その区間における平均画素値の時間変動に対するスペクトルを求める。なお、周波数変換として、例えば、高速フーリエ変換または離散コサイン変換が用いられる。また透かし情報抽出部44は、区間の区切りを示す所定のパターンを、例えばパターンマッチングにより検出することで、その区間を特定できる。
透かし情報抽出部44は、各透かし領域についての区間ごとのスペクトルから透かしパターンの面積の周期的な変化による透かし領域内の平均画素値の時間変動に相当する周波数成分のみを抽出する。そして埋め込まれたビットの値が透かし領域内の平均画素値の時間変動の位相により表されている場合、透かし情報抽出部44は、抽出した周波数成分から位相情報を求める。そして透かし情報抽出部44は、例えば、その位相に対応するビットの値を、位相とシンボルの値との関係を表す参照テーブルを参照することにより求める。
また、ビットの値が透かしパターンの面積の時間変動の周期により表されている場合、透かし情報抽出部44は、ビットの取り得るそれぞれの値に相当する周波数成分のうち、最も強い周波数成分を求め、その最も強い周波数成分に対応する周期を求める。そして透かし情報抽出部44は、周期とビットの値との関係を表す参照テーブルを参照して、検出された周期に対応するビットの値を埋め込まれたビットの値とする。これらの参照テーブルは、予め記憶部32に記憶されており、処理部33は、記憶部32からその参照テーブルを読み出して使用する。
透かし情報抽出部44は、所定の順序、例えば、時系列順に抽出したビットの値を並べることにより、電子透かし情報を再生する。また、透かし重畳動画像データの一つのピクチャに複数のビットが埋め込まれている場合には、透かし情報抽出部44は、予め設定された、そのピクチャに埋め込まれたビットの順序に従って各ビットの値を並べることにより、電子透かし情報を再生する。
透かし情報抽出部44は、電子透かし情報を記憶部32に記憶する。あるいは、透かし情報抽出部44は、電子透かし情報を、インターフェース部31を介して他の機器へ出力してもよい。
図16は、電子透かし検出装置2の処理部33上で実行されるコンピュータプログラムにより制御される、電子透かし検出処理の動作フローチャートである。
処理部33の動きベクトル算出部41は、透かし重畳動画像データのピクチャを取得する度に、現ピクチャの各画素について、一つ前のピクチャとの間で動きベクトルを算出する(ステップS201)。そして動きベクトル算出部41は、各画素の動きベクトルを評価値算出部42へ通知する。
評価値算出部42は、基準位置に対して所定の位置関係にある位置情報付加領域内の動きパターンの動きベクトルと、注目画素に対してその所定の位置関係にある領域内の画素の動きベクトルとが一致するほど高くなる基準位置評価値を求める(ステップS202)。評価値算出部42は、基準位置評価値を基準位置検出部43へ通知する。
基準位置検出部43は、基準位置評価値に基づいて、現ピクチャ上の基準位置を検出する(ステップS203)。基準位置検出部43は、検出された基準位置を透かし情報抽出部44へ通知する。
透かし情報抽出部44は、基準位置に基づいて、現ピクチャ上の透かし画素または透かし領域を特定する(ステップS204)。そして透かし情報抽出部44は、特定された透かし画素または透かし領域の画素値を解析することにより電子透かし情報を抽出する(ステップS205)。そして処理部33は、電子透かし検出処理を終了する。
以上に説明してきたように、この実施形態による電子透かし検出装置は、動きパターンの移動方向及び移動量を表す動きベクトルと一致する動きベクトルを持つ画素の分布に基づいて基準位置を検出する。そしてこの電子透かし検出装置は、その基準位置に基づいて電子透かし情報が埋め込まれた透かし画素または透かし領域を特定する。そのため、この電子透かし検出装置は、透かし重畳動画像データのピクチャに、元のピクチャの外縁が映っていなくても、透かし画素または透かし領域を特定できる。また電子透かし情報が埋め込まれた動画像データがビデオカメラなどで再撮影される際に手ブレが生じていても、時間的に連続する2枚のピクチャ間ではその手ブレによる像の移動量は小さい。そのため、手ブレによる動きベクトルへの影響は小さいので、この電子透かし検出装置は、動画像データの再撮影の際に手ブレが生じていても、基準位置を検出できる。
次に、第3の実施形態による電子透かし検出装置について説明する。この第3の実施形態による電子透かし検出装置は、透かし重畳動画像データに含まれる各ピクチャから動きパターンに対応するテクスチャの特徴量を抽出し、その特徴量に基づいてピクチャ上の基準位置を検出する。
この第3の実施形態による電子透かし検出装置は、第2の実施形態による電子透かし検出装置と比較して、処理部による基準位置の検出に関する処理のみが異なる。そこで以下では、基準位置の検出に関する点について説明する。
図17は、第3の実施形態による、透かし重畳動画像データから基準位置を検出し、かつ電子透かし情報を検出するために実現される処理部の機能を示すブロック図である。
処理部33は、テクスチャ特徴量抽出部51と、評価値算出部52と、基準位置検出部53と、透かし情報抽出部54とを有する。
テクスチャ特徴量抽出部51は、透かし情報重畳動画像データのピクチャを取得する度に、最新のピクチャである現ピクチャから位置情報付加領域に埋め込まれた動きパターンの空間的な特徴を表すテクスチャ特徴量を抽出する。このテクスチャ特徴量抽出部51は、特徴量抽出部の一例である。
例えば、図5(A)または図5(B)に示されるように、動きパターンが1次元の縞状のパターンである場合、テクスチャ特徴量は、画素値が変化する方向に沿った、その縞のピッチに対応する周波数成分とすることができる。
以下では、図18(A)〜図18(C)を参照しつつテクスチャ特徴量の抽出について説明する。図18(A)に示されるように、現ピクチャ1800には、4点の基準位置1801〜1804の周囲に設定された各位置情報付加領域に、1次元の縞状の動きパターンが埋め込まれている。例えば、基準位置1801の左上及び右下の位置情報付加領域1811、1814には、左上から右下へ向かう方向に沿って画素値が変化する動きパターンが埋め込まれている。一方、基準位置1801の右上及び左下の位置情報付加領域1812、1813には、右上から左下へ向かう方向に沿って画素値が変化する動きパターンが埋め込まれている。
そこで、テクスチャ特徴量抽出部51は、現ピクチャの画素ごとに、その画素を中心とする左上から右下へ向かう一列の画素を含む窓を設定する。そしてテクスチャ特徴量抽出部51は、その窓内に含まれる画素列に対して1次元のフーリエ変換を行うことで、画素ごとに、左上から右下へ向かう方向の周波数成分を算出する。なお、窓の長さは、例えば、位置情報付加領域の対角方向の長さに設定される。
同様に、テクスチャ特徴量抽出部51は、現ピクチャの画素ごとに、その画素を中心とする右上から左下へ向かう一列の画素を含む窓を設定する。そしてテクスチャ特徴量抽出部51は、その窓内に含まれる画素列に対して1次元のフーリエ変換を行うことで、画素ごとに、右上から左下へ向かう方向の周波数成分を算出する。
なお、テクスチャ特徴量抽出部51は、注目画素を中心とする2次元の窓を設定し、その窓内含まれる画素の配列に対して2次元フーリエ変換を行って、左上から右下へ向かう方向の周波数成分及び右上から左下へ向かう方向の周波数成分を算出してもよい。この場合、2次元の窓のサイズは、例えば、位置情報付加領域のサイズと等しくなるように設定される。
なお、動きパターンの最大画素値と最小画素値の差は、動きパターンが知覚されないように小さい値(例えば、3以下)に設定されている。そのため、現ピクチャ上の注目画素について、近傍画素との画素値の差が動きパターンの最大画素値と最小画素値の差よりも大きい場合には、注目画素及びその周囲には、現ピクチャ上の像のエッジが映っている可能性がある。そこでテクスチャ特徴量抽出部51は、近傍画素間の差分値が動きパターンの最大画素値と最小画素値の差よりも大きい場合には、注目画素の値をその近傍画素の画素値で置換するか、あるいは注目画素及びその近傍画素の平均画素値で置換する前処理を実行してもよい。この前処理により、像のエッジが除去される。その後にテクスチャ特徴量抽出部51は、各画素について設定された窓内の画素列に対してフーリエ変換してもよい。
テクスチャ特徴量抽出部51は、現ピクチャの各画素について算出された、各動きパターンの画素値が変化する方向の周波数成分をテクスチャ特徴量として評価値算出部52へ通知する。
なお、抽出されるテクスチャ特徴量は、上記の例に限定されない。テクスチャ特徴量は、位置情報付加領域に埋め込まれた動きパターンの空間的な特徴を表す特徴量であればよい。例えば、テクスチャ特徴量抽出部51は、動きパターンを表すテンプレートと注目画素を中心とする、そのテンプレートと同じサイズの領域との間での正規化相互相関値をテクスチャ特徴量として求めてもよい。
評価値算出部52は、現ピクチャの各画素について、その画素及び周囲の画素のテクスチャ特徴量に基づいて基準位置評価値を算出する。
図18(B)は、図18(A)に示された動きパターンが埋め込まれたピクチャに対して左上から右下へ向かう方向の動きパターンのピッチに対応する最も高い周波数成分の分布の一例を表す図である。また図18(C)は、図18(A)に示された動きパターンが埋め込まれたピクチャに対して右上から左下へ向かう方向の動きパターンのピッチに対応する最も高い周波数成分の分布の一例を表す図である。図18(B)及び図18(C)では、白い画素ほど動きパターンのピッチに応じた周波数成分が大きいことを表している。
図18(B)では、基準位置1801〜1804の左上及び右下の領域において、左上から右下へ向かう方向の周波数成分が大きくなることが示されている。そして、基準位置1801〜1804のそれぞれの左上または右下に位置する位置情報付加領域の中心に相当する画素において、その周波数成分は最大となる。また図18(C)では、基準位置1801〜1804の右上及び左下の領域において、右上から左下へ向かう方向の周波数成分が大きくなることが示されている。そして、基準位置1801〜1804のそれぞれの右上または左下に位置する位置情報付加領域の中心に相当する画素において、その周波数成分は最大となる。
そこで、評価値算出部52は、現ピクチャの注目画素に対する基準位置評価値を、その注目画素が基準位置であるとした場合に、その周囲の位置情報付加領域の中心に相当する画素の周波数成分に基づいて決定する。
図19は、注目画素とその注目画素のテクスチャ特徴量の算出に用いられる画素との位置関係の一例を示す図である。上記のように、この例では、基準位置の左上及び右下の位置情報付加領域では、左上から右下へ向かう方向に画素値が変化する動きパターンが埋め込まれている。そこで、評価値算出部52は、注目画素1901に対して、左上方向または右下方向へ向かって位置情報付加領域の対角方向長さの1/2だけ離れた点1902、1903を参照点に設定する。そして評価値算出部52は、参照点1902、1903における、左上から右下へ向かう方向の動きパターンのピッチに対応する周波数成分の値fA,fBを参照する。
また、基準位置の右上及び左下の位置情報付加領域では、右上から左下へ向かう方向に画素値が変化する動きパターンが埋め込まれている。そこで、評価値算出部52は、注目画素1901に対して、右上方向または左下方向へ向かって位置情報付加領域の対角方向長さの1/2だけ離れた点1904、1905を参照点に設定する。そして評価値算出部52は、参照点1904、1905における、右上から左下へ向かう方向の動きパターンのピッチに対応する周波数成分の値fC,fDを参照する。
評価値算出部52は、注目画素1901の基準位置評価値Tを次式で算出する。
T=min(fA,fB,fC,fD)
なお、関数min(fA,fB,fC,fD)は、(fA,fB,fC,fD)のうちの最小値を出力する関数である。
この基準位置評価値Tが大きいほど、注目画素が基準位置である確からしさも高くなる。
評価値算出部52は、現ピクチャの各画素について求めた基準位置評価値Tを基準位置検出部53へ渡す。
基準位置検出部53は、現ピクチャの各画素の基準位置評価値Tに基づいて基準位置を検出する。
上述したように、基準位置評価値Tが高いほど、その基準位置評価値Tに対応する画素が基準位置である確からしさも高くなる。
そこで基準位置検出部53は、第2の実施形態による電子透かし検出装置の基準位置検出部43と同様に、基準位置評価値Tが最も高くなる画素から順に、基準位置として検出する。
基準位置検出部53は、検出した基準位置を透かし情報抽出部54へ通知する。透かし情報抽出部54は、第2の実施形態による電子透かし検出装置の透かし情報抽出部44と同様に、基準位置に基づいて透かし画素または透かし領域を特定する。そして透かし情報抽出部54は、透かし画素または透かし領域の画素値を解析することにより、埋め込まれた電子透かし情報を抽出する。
この第3の実施形態による電子透かし検出装置も、図16に示された電子透かし検出処理の動作フローチャートと同様のフローに従って、現ピクチャ上の基準位置を検出し、電子透かし情報を抽出できる。ただし、ステップS201の手順では、テクスチャ特徴量抽出部51が、現ピクチャの画素ごとにテクスチャ特徴量を求め、ステップS202の手順では、評価値算出部52が、テクスチャ特徴量に基づいて基準位置評価値を求める。
この実施形態によれば、電子透かし検出装置は、1枚のピクチャから基準位置を検出できる。そのため、この電子透かし検出装置は、動画像データの再撮影の際に手ブレが生じていても、その手ブレによらず基準位置を正確に検出できる。
次に、第4の実施形態による電子透かし検出装置について説明する。この第4の実施形態による電子透かし検出装置は、透かし重畳動画像データに含まれる各ピクチャから、動きパターンの動きベクトル及び動きパターンのテクスチャに対応するテクスチャ特徴量を検出することで、ピクチャ上の基準位置を検出する。
この第4の実施形態による電子透かし検出装置は、第2の実施形態による電子透かし検出装置と比較して、処理部による基準位置の検出に関する処理のみが異なる。そこで以下では、基準位置の検出に関する点について説明する。
図20は、第4の実施形態による、透かし重畳動画像データから基準位置の検出及び電子透かし情報を検出するために実現される処理部の機能を示すブロック図である。
処理部33は、動きベクトル算出部61と、テクスチャ特徴量抽出部62と、評価値算出部63と、基準位置検出部64と、透かし情報抽出部65とを有する。
動きベクトル算出部61は、第2の実施形態による電子透かし検出装置の動きベクトル算出部41と同様に、透かし重畳動画像データのピクチャを取得する度に、現ピクチャの各画素における動きベクトルを算出する。また、テクスチャ特徴量抽出部62は、第3の実施形態による電子透かし検出装置のテクスチャ特徴量抽出部51と同様に、現ピクチャの各画素についてテクスチャ特徴量を求める。
評価値算出部63は、第2の実施形態による電子透かし検出装置の評価値算出部42と同様に、動きベクトルに基づいて、現ピクチャの各画素の第1の基準位置評価値を算出する。さらに評価値算出部63は、第3の実施形態による電子透かし検出装置の評価値算出部52と同様に、テクスチャ特徴量に基づいて、現ピクチャの各画素の第2の基準位置評価値を算出する。
そして評価値算出部63は、例えば、画素ごとに、第1の基準位置評価値及び第2の基準位置評価値を、それぞれ所定の範囲(例えば、0〜1)内の値となるように正規化する。そして基準位置検出部63は、その正規化された第1及び第2の基準位置評価値の平均値または合計を総合評価値として算出する。
基準位置検出部64は、評価値算出部63により算出された現ピクチャの画素ごとの総合評価値に基づいて基準位置を決定する。
基準位置検出部64は、第2の実施形態による電子透かし検出装置の基準位置検出部43と同様に、総合評価値が最も高い画素から順に、基準位置として検出する。
透かし情報抽出部65は、検出された基準位置に基づいて、現ピクチャ上で電子透かし情報が埋め込まれた透かし画素または透かし領域を特定し、その透かし画素または透かし領域の画素値を解析することにより、埋め込まれた電子透かし情報を抽出する。
この第4の実施形態による電子透かし検出装置も、図16に示された電子透かし検出処理の動作フローチャートと同様のフローに従って、現ピクチャ上の基準位置を検出し、電子透かし情報を抽出できる。ただし、ステップS201の手順では、動きベクトル算出部61が現ピクチャの画素ごとに動きベクトルを求めるとともに、テクスチャ特徴量抽出部62が現ピクチャの画素ごとにテクスチャ特徴量を求める。また、ステップS202の手順では、評価値算出部63が、動きベクトルから求められた第1の基準位置評価値とテクスチャ特徴量から求められた第2の基準位置評価値に基づいて総合評価値を求める。そしてステップS203の手順では、基準位置検出部64は、総合評価値が最も高い画素から順に、基準位置として検出する。
この実施形態による電子透かし検出装置も、時間的に連続する2枚のピクチャに基づいて基準位置を検出できるので、動画像データの再撮影の際に手ブレが生じていても、その手ブレによらず基準位置を正確に検出できる。またこの電子透かし検出装置は、埋め込まれた動きパターンの時間方向の変動に関する特徴量である動きベクトルと、動きパターンの空間的な特徴量であるテクスチャ特徴量の両方を基準位置の検出に用いるので、基準位置の検出精度を向上できる。
上記の各実施形態による電子透かし埋め込み装置は、例えば、セットトップボックス、サーバあるいはパーソナルコンピュータに組み込まれる。そして電子透かし埋め込み装置が組み込まれた装置は、例えば、通信ネットワークあるいはアンテナを介して受信したコンテンツである動画像データに対して、動画像データを再生する際に上記の電子透かし埋め込み処理を実行する。その装置は、動画像データが所定の圧縮方式に従って圧縮されている場合、その動画像データに含まれる各画像をその所定の圧縮方式に従って復号する。そしてその装置は、その動画像データに含まれる各画像を時系列順に、その装置が有するバッファメモリに保存する。そしてその装置は、バッファメモリから時系列順に画像を読み出して、電子透かし埋め込み処理を実行し、電子透かし情報が埋め込まれた画像をディスプレイに表示させる。
さらに、本明細書に開示された位置情報付加装置は、電子透かし埋め込み装置以外の、画像上の任意の位置を特定するための情報を付加することが求められる装置にも適用可能である。この場合、位置情報付加装置において、上記の実施形態における、透かし情報埋め込み部は省略されてもよい。同様に、本明細書に開示された位置検出装置は、電子透かし検出装置以外の、画像上の任意の位置を検出する装置にも適用可能である。この場合、位置検出装置において、上記の実施形態における、透かし情報抽出部は省略されてもよい。
さらに、上記の実施形態による電子透かし埋め込み装置の処理部が有する各機能をコンピュータに実現させるコンピュータプログラムは、磁気記録媒体または光記録媒体など、コンピュータによって読み取り可能な媒体に記録された形で提供されてもよい。同様に、上記の各実施形態による電子透かし検出装置の処理部が有する各機能をコンピュータに実現させるコンピュータプログラムは、コンピュータによって読み取り可能な媒体に記録された形で提供されてもよい。
ここに挙げられた全ての例及び特定の用語は、読者が、本発明及び当該技術の促進に対する本発明者により寄与された概念を理解することを助ける、教示的な目的において意図されたものであり、本発明の優位性及び劣等性を示すことに関する、本明細書の如何なる例の構成、そのような特定の挙げられた例及び条件に限定しないように解釈されるべきものである。本発明の実施形態は詳細に説明されているが、本発明の精神及び範囲から外れることなく、様々な変更、置換及び修正をこれに加えることが可能であることを理解されたい。
1 電子透かし埋め込み装置
11 インターフェース部
12 記憶部
13 処理部
21 基準位置設定部
22 領域設定部
23 動き設定部
24 位置情報埋め込み部
25 透かし情報埋め込み部
2 電子透かし検出装置
31 インターフェース部
32 記憶部
33 処理部
41、61 動きベクトル検出部
51、62 テクスチャ特徴量抽出部
42、52、63 評価値算出部
43、53、64 基準位置検出部
44、54、65 透かし情報抽出部

Claims (8)

  1. 電子データ化された動画像データに含まれる複数のピクチャのそれぞれに対して複数の基準位置を設定する基準位置設定部と、
    前記複数のピクチャのそれぞれに対して、前記複数の基準位置の少なくとも何れかに基づいて定められる第1の位置に第1の位置情報付加領域と、前記第1の位置と異なる第2の位置に第2の位置情報付加領域とを設定する領域設定部と、
    前記第1の位置情報付加領域に、第1の方向に沿って第1のピッチを持ち、かつ、前記第1の方向に沿って第1の移動速度で前記ピクチャ上を移動する第1の動きパターンを埋め込み、かつ、前記第2の位置情報付加領域に、第2の方向に沿って第2のピッチを持ち、かつ、前記第2の方向に沿って第2の移動速度で前記ピクチャ上を移動する第2の動きパターンを埋め込む位置情報埋め込み部と、
    を有する位置情報付加装置。
  2. 前記第2の動きパターンは前記第1の動きパターンと空間的に異なるパターンである、請求項1に記載の位置情報付加装置。
  3. 前記第1の方向前記第の方向と異なる、前記請求項1または2に記載の位置情報付加装置。
  4. 電子データ化された動画像データに含まれる複数のピクチャのそれぞれに対して複数の基準位置を設定し、
    前記複数のピクチャのそれぞれに対して、前記複数の基準位置の少なくとも何れかに基づいて定められる第1の位置に第1の位置情報付加領域と、前記第1の位置と異なる第2の位置に第2の位置情報付加領域とを設定し、
    前記第1の位置情報付加領域に、第1の方向に沿って第1のピッチを持ち、かつ、前記第1の方向に沿って第1の移動速度で前記ピクチャ上を移動する第1の動きパターンを埋め込み、
    前記第2の位置情報付加領域に、第2の方向に沿って第2のピッチを持ち、かつ、前記第2の方向に沿って第2の移動速度で前記ピクチャ上を移動する第2の動きパターンを埋め込む、
    ことを含む位置情報付加方法。
  5. 電子データ化された動画像データに含まれる複数のピクチャのそれぞれに対して複数の基準位置を設定し、
    前記複数のピクチャのそれぞれに対して、前記複数の基準位置の少なくとも何れかに基づいて定められる第1の位置に第1の位置情報付加領域と、前記第1の位置と異なる第2の位置に第2の位置情報付加領域とを設定し、
    前記第1の位置情報付加領域に、第1の方向に沿って第1のピッチを持ち、かつ、前記第1の方向に沿って第1の移動速度で前記ピクチャ上を移動する第1の動きパターンを埋め込み、
    前記第2の位置情報付加領域に、第2の方向に沿って第2のピッチを持ち、かつ、前記第2の方向に沿って第2の移動速度で前記ピクチャ上を移動する第2の動きパターンを埋め込む、
    ことをコンピュータに実行させるコンピュータプログラム。
  6. 電子データ化された動画像データに含まれ、基準位置に対して第1の位置関係にある第1の位置情報付加領域に第1の方向に沿って第1のピッチを持ち、かつ、前記第1の方向に沿って第1の移動速度で移動する第1の動きパターンが埋め込まれ、かつ前記基準位置に対して第2の位置関係にある第2の位置情報付加領域に第2の方向に沿って第2のピッチを持ち、かつ、前記第2の方向に沿って第2の移動速度で移動する第2の動きパターンが埋め込まれているピクチャ上の前記基準位置を検出する位置検出装置であって、
    前記ピクチャの各画素に対して、当該ピクチャの一つ前のピクチャ上で画素値の差が最小となる画素との位置の差に基づいて当該画素を含む領域に映っているパターンの動きベクトルを特徴量として求める特徴量抽出部と、
    前記ピクチャ上の所定の領域について、当該所定の領域に対して前記第1の位置関係にある領域内の画素の前記特徴量と、当該所定の領域に対して前記第2の位置関係にある領域内の画素の前記特徴量とに基づいて、当該所定の領域についての前記基準位置の確からしさの度合いを表す評価値を求める評価値算出部と、
    前記評価値が最も高くなる前記所定の領域に基づいて前記基準位置を検出する基準位置検出部と、
    を有し、
    前記評価値算出部は、前記第1の動きパターンの動きベクトルである第1の基準特徴量と前記ピクチャ上の画素である前記所定の領域に対して前記第1の位置関係にある領域内の画素の前記特徴量との一致度合いが高く、かつ、前記第2の動きパターンの動きベクトルである第2の基準特徴量と前記所定の領域に対して前記第2の位置関係にある領域内の画素の前記特徴量との一致度合いが高いほど、前記評価値を高くし、
    前記基準位置検出部は、前記評価値が最大となる前記所定の領域を前記基準位置として検出する、位置検出装置。
  7. 電子データ化された動画像データに含まれ、基準位置に対して第1の位置関係にある第1の位置情報付加領域に第1の方向に沿って第1のピッチを持ち、かつ、前記第1の方向に沿って第1の移動速度で移動する第1の動きパターンが埋め込まれ、かつ前記基準位置に対して第2の位置関係にある第2の位置情報付加領域に第2の方向に沿って第2のピッチを持ち、かつ、前記第2の方向に沿って第2の移動速度で移動する第2の動きパターンが埋め込まれているピクチャ上の前記基準位置を検出する位置検出装置であって、
    前記ピクチャの各画素に対して、当該画素を含む領域における前記第1の方向の周波数成分及び前記第2の方向の周波数成分とを特徴量として求める特徴量抽出部と、
    前記ピクチャ上の所定の領域について、当該所定の領域に対して前記第1の位置関係にある領域内の画素の前記特徴量と、当該所定の領域に対して前記第2の位置関係にある領域内の画素の前記特徴量とに基づいて、当該所定の領域についての前記基準位置の確からしさの度合いを表す評価値を求める評価値算出部と、
    前記評価値が最も高くなる前記所定の領域に基づいて前記基準位置を検出する基準位置検出部と、
    を有し、
    前記評価値算出部は、前記ピクチャ上の画素である前記所定の領域に対して前記第1の位置関係にある領域内の画素の前記特徴量のうち、前記第1の動きパターンの前記第1の方向の周波数成分に対応する周波数成分が高く、かつ、前記所定の領域に対して前記第2の位置関係にある領域内の画素の前記特徴量のうち、前記第2の動きパターンの前記第2の方向の周波数成分に対応する周波数成分が高いほど、前記評価値を高くし、
    前記基準位置検出部は、前記評価値が最大となる前記所定の領域を前記基準位置として検出する、位置検出装置。
  8. 電子データ化された動画像データに含まれ、基準位置に対して第1の位置関係にある第1の位置情報付加領域に第1の方向に沿って第1のピッチを持ち、かつ、前記第1の方向に沿って第1の移動速度で移動する第1の動きパターンが埋め込まれ、かつ前記基準位置に対して第2の位置関係にある第2の位置情報付加領域に第2の方向に沿って第2のピッチを持ち、かつ、前記第2の方向に沿って第2の移動速度で移動する第2の動きパターンが埋め込まれているピクチャ上の前記基準位置を検出する位置検出装置であって、
    前記ピクチャの各画素に対して、当該ピクチャの一つ前のピクチャ上で画素値の差が最小となる画素との位置の差に基づいて当該画素を含む領域に映っているパターンの動きベクトルを特徴量として求める特徴量抽出部と、
    前記ピクチャ上の所定の領域について、当該所定の領域に対して前記第1の位置関係にある領域内の画素の前記特徴量と、当該所定の領域に対して前記第2の位置関係にある領域内の画素の前記特徴量とに基づいて、当該所定の領域についての前記基準位置の確からしさの度合いを表す評価値を求める評価値算出部と、
    前記評価値が最も高くなる前記所定の領域に基づいて前記基準位置を検出する基準位置検出部と、
    を有し、
    前記基準位置は、前記第1の位置情報付加領域と前記第2の位置情報付加領域の境界上にあり、
    前記評価値算出部は、前記所定の領域である前記ピクチャの行または列について、当該行または列を境界とする第1の領域と第2の領域を設定し、前記第1の領域内に含まれる、前記第1の動きパターンの動きベクトルである第1の基準特徴量と一致する前記特徴量を持つ画素の行または列ごとの平均数と、前記第2の領域内に含まれる、前記第2の動きパターンの動きベクトルである第2の基準特徴量と一致する前記特徴量を持つ画素の行または列ごとの平均数との合計を前記評価値として求め、
    前記基準位置検出部は、前記評価値が最大となる行及び列の交点を前記基準位置として検出する、位置検出装置。
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