JP5729357B2 - 燃料電池用ガス拡散層の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、膜電極接合体に積層される燃料電池用ガス拡散層に関する。
固体高分子形燃料電池の燃料電池セルは、水素イオン伝導性を有する電解質膜の両面に触媒層を形成してなる膜電極接合体(MEA)と、当該膜電極接合体のそれぞれの触媒層の上に積層されたガス拡散層(燃料電池用ガス拡散層)とを有する構造となっている。それぞれのガス拡散層に対し反応ガス(燃料ガス、酸化剤ガス)が供給されることで、発電が行なわれる。
触媒層は、カーボンに白金を担持させ更に電解質材料(アイオノマー)を含有させたものであり、供給された反応ガスにより発電反応を生じさせる電極層を構成する。膜電極接合体(MEA)のうち一方の面に形成された触媒層はアノード(燃料極)を構成し、他方の面に形成された触媒層はカソード(空気極)を構成する。
ガス拡散層は、反応ガスの拡散性を高めるために形成される層であって、反応ガスが触媒層の全体に均一に供給されるようにそれぞれの触媒層の上に配置されるものである。また、ガス拡散層は、触媒層から生成水及び加湿水を排出するための機能や、触媒層から電流を効率的に取り出すための機能をも担うものである。近年、これらガス拡散層の機能を更に向上させることを目的として、ガス拡散層のうち触媒層と接する側の面に導電性多孔質層を形成することが行われている。
この導電性多孔質層は、撥水性及び導電性を有する材料からなり、微細な孔が無数に形成された多孔質層である。従って、生成水及び加湿水の排水機能が向上することに加え、触媒層との接触面積が増加することにより、触媒層から電流を取り出す機能も向上する。
このような導電性多孔質層を有するガス拡散層は、例えば、カーボンペーパーやカーボンクロスからなる拡散層基材の一方側の面上に、導電性材料と撥水性材料とを混合してなるペースト状の塗布材を塗布し、これを加熱して焼成することにより作成される。加熱された上記塗布材が導電性多孔質層となる。例えば下記特許文献1には、導電性材料としてカーボン粒子を用い、撥水性材料として繊維状のフッ素樹脂(PTFE樹脂)を用いて導電性多孔質層を形成する例が記載されている。
特開2011−175891号公報
導電性材料としてカーボン粒子を用いた導電性多孔質層について、本発明の発明者は鋭意検討を重ねてきた。その結果、カーボン粒子の比表面積等の条件によっては導電性多孔質層の排水性能が十分なものとならず、これによりガス拡散層における反応ガスの拡散性が低下してしまう場合があることが判明した。
排水性能の低い導電性多孔質層においては、低負荷で発電し続けた場合や低温の環境下で発電した場合に、特に液水が発生しやすい。導電性多孔質層で液水が多く発生した場合には、当該液水がガスの拡散を阻害してしまい、反応ガスの利用率が低下してしまうこととなる。更に、要求発電量の増加に対し十分な速さで追従できなくなるという問題も生じ得る。
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、低負荷発電時や低温時においても導電性多孔質層において液水が発生することを抑制し、反応ガスの拡散性を維持することのできる燃料電池用ガス拡散層を提供することにある。
上記課題を解決するために本発明に係る燃料電池用ガス拡散層は、シート状に形成された拡散層基材の一方側の面上に導電性多孔質層を形成してなり、前記導電性多孔質層を膜電極接合体の触媒層に接触させた状態で前記膜電極接合体に対して積層される燃料電池用ガス拡散層において、前記導電性多孔質層は、カーボン粒子に撥水性部材を混合したものを前記拡散層基材に塗布し、これを加熱することにより形成されるものであって、前記加熱を行う前におけるカーボン粒子の比表面積をS1とし、前記加熱を行った後における前記導電性多孔質層の比表面積をS2としたときに、S2/S1≦0.55の関係を満たすことを特徴としている。
本発明に係る燃料電池用ガス拡散層は、シート状に形成された拡散層基材の一方側の面上に導電性多孔質層を形成した構成となっている。導電性多孔質層は、カーボン粒子に撥水性部材を混合したものを前記拡散層基材に塗布し、これを加熱することにより形成される。
本発明の発明者は、加熱を行う前におけるカーボン粒子の比表面積と、加熱を行った後における導電性多孔質層の比表面積との関係に着目し、これらが所定の条件を満たす場合に、導電性多孔質層における液水の発生が著しく抑制されるという知見を得た。換言すれば、導電性多孔質層の排水性の低下が著しく抑制されるという知見を得た。
本発明に係る燃料電池用ガス拡散層は、加熱を行う前におけるカーボン粒子の比表面積をS1とし、加熱を行った後における導電性多孔質層の比表面積をS2としたときに、S2/S1≦0.55の関係を満たすものである。上記のような条件を満たす導電性多孔質層においては、液水の発生が著しく抑制される。この理由としては、以下のようなものが考えられる。
多孔質の骨材を形成するカーボン(カーボン粒子が焼結されたもの)の表面のうち、PTFE樹脂のような撥水性部材で被覆されずに露出している表面(以下、露出部ともいう)では、撥水性が低いために液水が溜まりやすい。液水が溜まった状態が続くと、その近傍における露出部には官能基が付着するため更に液水が溜まりやすくなり、導電性多孔質層の排水性能は時間の経過と共に低下する。従って、導電性多孔質層において排水性能の低下を抑制するためには、官能基が付着するような露出部の表面積はできるだけ小さい方が望ましいと推測される。
上で示した条件における「S2/S1」は、上記露出部が少ないほど小さくなる値である。S2/S1≦0.55を満たすような場合には、多孔質の骨材を形成するカーボンの表面積のうち露出部の表面積が占める割合が、排水性の低下が抑制される程度に小さくなっているものと思われる。その結果、導電性多孔質層における液水の発生を抑制することができる。
本発明によれば、低負荷発電時や低温時においても導電性多孔質層において液水が発生することを抑制し、反応ガスの拡散性を維持することのできる燃料電池用ガス拡散層を提供することができる。
本発明の一実施形態である燃料電池用ガス拡散層を含む燃料電池セルの断面図である。 図1に示した燃料電池セルの製法を説明するための分解図である。 本発明に係る燃料電池用ガス拡散層の性能を説明するためのグラフである。 本発明に係る燃料電池用ガス拡散層の性能を説明するためのグラフである。
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては可能な限り同一の符号を付して、重複する説明は省略する。
図1は、本発明の一実施形態である燃料電池用ガス拡散層を含む燃料電池セルの断面図である。燃料電池セル1は、所謂平板型の高分子電解質型燃料電池(PEFC)であって、平面視矩形に形成されている。図1に示したように、燃料電池セル1は、膜電極接合体10と、一対のガス拡散層20と、一対のセパレータ30とを備えている。
膜電極接合体10は、水素イオン伝導性を有する電解質膜11の両面に、それぞれカソード電極12a、アノード電極12bを有しており、所謂MEAと称されるものである。カソード電極12a及びアノード電極12bはいずれも、カーボン粒子に白金微粒子を担持させ、更に電解質(アイオノマー)を含有させた触媒層(電極層)として、電解質膜11の両面に形成されている。カソード電極12aは酸化剤ガス(例えば空気)と反応する触媒層であり、アノード電極12bは燃料ガス(例えば水素)と反応する触媒層である。
ガス拡散層20は、反応ガスの拡散性を高めるための層であって、膜電極接合体10を両面から挟み込むように配置される。すなわち、燃料電池セル1は、カソード側ガス拡散層20aとアノード側ガス拡散層20bとからなる二つのガス拡散層20を有している。電解質膜11のカソード電極12aにはカソード側ガス拡散層20aが積層され、電解質膜11のアノード電極12bにはアノード側ガス拡散層20bが積層される。
これら二つのガス拡散層20は、いずれも、カーボンペーパーからなる拡散層基材(22a、22b)の一方側の面上に、導電性及び撥水性を有する材料で形成された導電性多孔質層(21a、21b)を備えた構成となっている。ガス拡散層20は、導電性多孔質層(21a、21b)側の面を膜電極接合体10側に向けて配置されている。このため、導電性多孔質層21aがカソード電極12aに接した状態となっており、導電性多孔質層21bがアノード電極12bに接した状態となっている。ガス拡散層20は、反応ガスの拡散性を高める機能の他、膜電極接合体10側から生成水及び加湿水を排出するための機能や、カソード電極12a及びアノード電極12bから電流を効率的に取り出すための機能をも担っている。このガス拡散層20の具体的な構成や製造方法については、後に詳しく説明する。
セパレータ30は、燃料電池セル1の最も外側に配置された導電性の層であり、カーボンにより形成されている。セパレータ30は、カソード側ガス拡散層20aに隣接して配置されるカソード側セパレータ30aと、アノード側ガス拡散層20bに隣接して配置されるアノード側セパレータ30bとからなるが、これらは互いに同一の形状となっている。
カソード側セパレータ30aのうち拡散層基材22aと接する面には、断面が矩形の溝31aが複数本、互いに平行に並ぶように形成されている。これらの溝31aは、拡散層基材22aに対して酸化剤ガスを外部から共有するための流路である。同様に、アノード側セパレータ30bのうち拡散層基材22bと接する面には、断面が矩形の溝31bが複数本、互いに平行に並ぶように形成されている。これらの溝31bは、拡散層基材22bに対して燃料ガスを外部から共有するための流路である。
図1には、一つの燃料電池セル1(単セル)のみを示したが、実際の燃料電池装置においては複数の燃料電池セル1が積層され、セパレータ30を介して互いに電気的に直列接続された状態(セルスタック)となる。一つの燃料電池セル1の発電電圧は約1V程度であるが、上記のように複数の燃料電池セル1を直列接続することにより、数百Vの高電圧を出力することが可能となる。このように、セパレータ30は、複数の燃料電池セル1を電気的に接続する役割と、各燃料電池セル1に対して反応ガスを供給する役割とを担っている。尚、互いに隣接するカソード側セパレータ30aとアノード側セパレータ30bとの間には、燃料電池セル1を冷却するための冷媒流路を形成してもよい。
以上のような構成の燃料電池セル1を製作する方法について、図2を参照しながら簡単に説明する。図2は、燃料電池セル1の製法を説明するための分解図である。図2に示したように、まず、電解質膜11にカソード電極12a及びアノード電極12b形成した状態の膜電極接合体10と、カソード側ガス拡散層20aと、アノード側ガス拡散層20bとがそれぞれ個別に作成される。
その後、膜電極接合体10のカソード電極12aに対して導電性多孔質層21aを当接させ、膜電極接合体10のアノード電極12bに対して導電性多孔質層21bを当接させた状態とする。すなわち、膜電極接合体10をその両面から、カソード側ガス拡散層20aとアノード側ガス拡散層20bとで挟みこんだ状態とする。
この状態でホットプレス処理を行い、カソード側ガス拡散層20a、膜電極接合体10、及びアノード側ガス拡散層20bを接合して一体化する。その後、これをカソード側セパレータ30aとアノード側セパレータ30bとで挟みこむ。尚、燃料電池セル1単体の状態では、セパレータ30とガス拡散層20との接合は特に行われない。これらは、複数の燃料電池セル1を積層してセルスタックを構成した状態で、全体を積層方向に沿って圧縮するように保持することにより固定される。
次に、カソード側ガス拡散層20aの具体的な製造方法について説明する。尚、アノード側ガス拡散層20bについては、その構造及び製造方法はカソード側ガス拡散層20aとほぼ同じであるため、説明を省略する。
まず、導電性多孔質層21aの原料として、導電性材料と撥水性材料とを混合してなるペースト状の塗布材を準備する(準備工程)。本実施例では、導電性材料としてカーボン粒子を用い、撥水性材料として繊維状のPTFE樹脂を用いた。これらに溶媒を加えて十分に混合し、カーボン粒子及びPTFE樹脂が均一に分散した状態の塗布材を得る。尚、カーボン粒子の比表面積、及び、カーボン粒子とPTFE樹脂との混合比率については後述する。
続いて、カーボンペーパーである拡散層基材22aを準備し、その一方の面上に上記塗布材を塗布する(塗布工程)。塗布材は、塗布後の厚さが全体で均一となるように塗布され、拡散層基材22aの面上に被焼成層が形成される。被焼成層は、後の焼成工程において加熱されることにより、導電性多孔質層21aとなる層である。
塗布工程で形成された被焼成層は、上記のように厚さが均一であり、カーボン粒子及びPTFE樹脂が一様に分散した状態となっている。すなわち、被焼成層の表面に沿った方向においても、厚さ方向においても、カーボン粒子及びPTFE樹脂のそれぞれの密度の分布が一様な状態となっている。
その後、片側表面に被焼成層が形成された状態の拡散層基材22aを加熱炉内に投入し、全体を加熱する(焼成工程)。加熱によって被焼成層(塗布材)の溶媒が抜け、カーボン粒子が立体的な網目構造の骨材となり多孔質層を形成する。PTFE樹脂は、上記多孔質層の内部に分散配置された状態となり、分散したそれぞれのPTFE樹脂が骨材(カーボン)の一部を被覆した状態となる。尚、焼成工程における焼成温度については後述する。
本実施形態においては、準備工程において用いられるカーボン粒子の比表面積、準備工程で準備される塗布材におけるカーボン粒子とPTFE樹脂との混合比率、及び、焼成工程における焼成温度、以上の三条件を調整することにより、焼成後における導電性多孔質層21aの比表面積を調整した。比表面積の測定は、窒素ガスを用いたガス吸着法により測定した。
<比較例>カーボン粒子の比表面積を68m2/gとし、カーボン粒子とPTFE樹脂との混合比率を80:20とし、焼成温度を290℃として、導電性多孔質層21aを作成した。これを本実施形態との比較例(すなわち、従来と同条件の例)とした。
<実施例1>準備工程において用いられるカーボン粒子の比表面積を39m2/gとし、他の条件は上記比較例と同じ条件として、カソード側ガス拡散層20aを形成した。
<実施例2>焼成工程における焼成温度を350℃とし、他の条件は上記比較例と同じ条件として、カソード側ガス拡散層20aを作成した。
<実施例3>準備工程で準備される塗布材におけるカーボン粒子とPTFE樹脂との混合比率を60:40とし、他の条件は上記比較例と同じ条件として、カソード側ガス拡散層20aを作成した。
比較例、及び実施例1〜3に係るカソード側ガス拡散層20aを用いてそれぞれ燃料電池セル1を作成し、これら計4個の燃料電池セル1について、それぞれ発電性能の評価を行った。その評価結果を図3及び図4を参照しながら説明する。
図3は、本発明に係る燃料電池用ガス拡散層の性能を説明するためのグラフである。当該グラフにおいては、(準備工程における)カーボン粒子の比表面積をS1とし、(加熱を行った後における)導電性多孔質層21aの比表面積をS2としたときにおける、S2/S1の値を横軸としている。また、燃料電池セル1の発電中において、カソード側セパレータ30aの溝31aを流れる空気の酸素濃度(%)と、カソード電極12aにおける空気の酸素濃度(%)との差を「酸素濃度低下」と定義し、これを縦軸としている。
比較例、及び実施例1〜3に係るカソード側ガス拡散層20aを用いて作成されたそれぞれの燃料電池セル1について、導電性多孔質層21aの比表面積の測定、及び、発電中における上記酸素濃度低下の測定を行い、その結果を図3にプロットした。
図3において先ず横軸に着目すると、比較例におけるS2/S1の値は0.59であって、0.55よりも大きくなっている。これに対し、実施例1〜3におけるS2/S1の値は、最も大きいもので0.52(実施例1)となっており、全て0.55以下となっている。
尚、実施例1においては、カーボン粒子の比表面積(S1)を39m2/gと小さくしたにも関わらず、S2/S1の値が比較例よりも小さくなっている。これは、カーボン粒子の粒子径が比較例よりも大きいことに起因し、導電性多孔質層21aの比表面積(S2)が更に小さくなったためである。
また、縦軸に着目すると、比較例における酸素濃度低下の値は9%と比較的大きい値となっている。これに対し、実施例1〜3における酸素濃度低下の値は、最も大きいもので6.5%(実施例1)となっており、S2/S1が小さくなると共に酸素濃度低下も小さくなっていることがわかる。
このように、カソード側ガス拡散層20aがS2/S1≦0.55の条件を満たすような燃料電池セル1においては、発電中における酸素濃度低下の値が小さくなっている。これは、発電中における液水の発生が抑制され、カソード側ガス拡散層20aにおける反応ガスの拡散性が維持されていることを示している。
図4は、本発明に係る燃料電池用ガス拡散層の性能を説明するためのグラフである。当該グラフにおいては、図3と同じ定義の酸素濃度低下を横軸としている。また、燃料電池セル1の発電中において、負荷に供給する電流の値を所定量増加させた直後における燃料電池セル1の発電性能を「過渡出力」と定義し、これを縦軸としている。
比較例、及び実施例1〜3に係るカソード側ガス拡散層20aを用いて作成されたそれぞれの燃料電池セル1について、発電中における酸素濃度低下及び上記過渡出力の測定を行い、その結果を図4にプロットした。
図4に示したように、比較例においては上記過渡出力が30kWであり、発電性能が大きく低下している。これに対し、実施例1〜3における過渡出力の値は、最も小さいもので約70kW(実施例1)となっており、S2/S1が小さくなると共に過渡出力が大きくなっていることがわかる。
このように、カソード側ガス拡散層20aがS2/S1≦0.55の条件を満たすような燃料電池セル1においては、発電中における過渡出力の値が大きくなっている。これは、カソード側ガス拡散層20aにおける反応ガスの拡散性が維持されているため、出力の変動があった場合においてもカソード電極12aにおける空気の酸素濃度(%)が低下しにくいことを示している。このため、本実施形態に係るカソード側ガス拡散層20aを用いた燃料電池セル1は、要求発電量の増加に対し十分な速さで追従することができる。
以上、具体例を参照しつつ本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明はこれらの具体例に限定されるものではない。すなわち、これら具体例に、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。例えば、前述した各具体例が備える各要素およびその配置、材料、条件、形状、サイズなどは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。また、前述した各実施の形態が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
1:燃料電池セル
10:膜電極接合体
11:電解質膜
12a:カソード電極
12b:アノード電極
20:ガス拡散層
20a:カソード側ガス拡散層
20b:アノード側ガス拡散層
21a,21b:導電性多孔質層
22,22a,22b:拡散層基材
30:セパレータ
30a:カソード側セパレータ
30b:アノード側セパレータ
31a,31b:溝

Claims (1)

  1. シート状に形成された拡散層基材の一方側の面上に導電性多孔質層を形成してなり、前記導電性多孔質層を膜電極接合体の触媒層に接触させた状態で前記膜電極接合体に対して積層される燃料電池用ガス拡散層の製造方法において、
    前記導電性多孔質層として、カーボン粒子に撥水性部材を混合した塗布材を準備する準備工程と、
    前記塗布材を、前記拡散層基材に塗布して被焼成層を形成する塗布工程と、
    前記被焼成層が形成された拡散層基材を加熱する焼成工程と、を備え、
    前記準備工程におけるカーボン粒子の比表面積をS1とし、前記焼成工程後における前記導電性多孔質層の比表面積をS2としたときに、S2/S1≦0.55の関係を満たすことを特徴とする燃料電池用ガス拡散層の製造方法
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