JP2009064647A - 燃料電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】
本発明の目的は、電気化学反応で消費される酸素の量や、生成される水蒸気の量を変化させ、電気化学反応を制御し、入口付近と出口付近における発電の格差を解決するものである。
【解決手段】
本発明の燃料電池は、電解質層を燃料極と酸素極とで挟持し、前記燃料極に沿って燃料ガス流路を形成し、前記燃料極に対し電気を誘電する電気誘導部を有する燃料極セパレータと、前記酸素極に沿って酸化剤ガス流路を形成し、前記酸素極に対し電気を誘電する電気誘導部を有する酸素極セパレータと、を備えたものであって、前記酸素極セパレータの電気誘導部が、酸化剤ガス流路の入口から、酸化剤ガス流路の出口に向かって、電気伝導率の大きくなる部材で構成されていることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、燃料電池に係り、特に、定置用電源および移動体用電源として有用である固体高分子型燃料電池に関する。
燃料電池は、燃料ガスと酸化剤ガスとを電気化学的に反応させ、発電した電気を供給するものである。燃料電池の重要な構成要素にセパレータがある。
セパレータは、燃料ガスと酸化剤ガスを分離し、ガスが均等に拡散層に行き渡るように工夫された流路構造を持ち、膜・電極接合体(MEA)で発電された電気を誘電する電気誘導部をもつものである。
セパレータは、黒鉛材料と金属材料のものが開発されている。金属材料のセパレータは、腐食への対策が必要になるが、金属材料をプレス成形にて流路を形成するので、コスト低減化や薄型化・軽量化が可能であり、体積あたりの出力向上が期待できる。
したがって、高密度出力化や低コスト化のニーズに伴い、金属材料セパレータは広い分野で展開が進められている。
燃料電池は、電流を引くことにより電圧が降下する。電圧降下の原因は、触媒活性に起因する活性化損失,電解質膜のイオン伝導抵抗や電池内部の抵抗による抵抗損失、およびガスの拡散に起因する濃度損失である。
電池性能を向上する上で、これらの損失を小さくすることが重要であるが、特に、高電流密度の出力を実現するには、ガスの拡散に起因する濃度損失が問題となる。
すなわち、多くの電流を得るには、燃料ガスや酸化剤ガスをMEA全体に供給し、反応領域全域に渡り電気化学反応を活性化する必要がある。
燃料ガスや酸化剤ガスをMEA全体に供給し、反応領域全域に渡り電気化学反応を活性化する技術に、流路同士を連結するスリット状の流路を設け、局所的な濃度損失を低減し、安定した発電特性を得られるようにしたものや、セパレータの端方から中央にかけて流路断面積を大きく取るような流路断面積分布を持たせることで、ガスの質量流量の低下を防止し、電流密度分布の不均一性による性能低下を改善するものがある(例えば、特許文献1および特許文献2参照)。
特開2006−351222号公報 特開2005−174648号公報
電気化学反応に必要な燃料ガスおよび酸化剤ガスは、電気化学反応により消費され、燃料ガスに水素ガスを、酸化剤ガスに空気をもちいた場合、電気化学反応は次式のように示される。
アノード側(燃料極):H2 → 2H++2e (1)
カソード側(空気極):4H++O2+4e → 2H2O (2)
上式より、アノード側では、燃料ガスである水素ガスは、水素イオンと電子になり、空気極で消費される。
一方、カソード側では、酸素が消費される一方で、水蒸気が生成される。空気中には、20%程度の酸素が含まれるが、入口から出口に向かって酸素の消費が進みに連れ、水蒸気の占める割合が大きくなり、酸素の占める割合(分圧が)小さくなる。
従って、カソード側では、入口から出口に向かって、電気化学反応に必要な空中の酸素の供給が、難しくなってくる。それ故、電気化学反応でボトルネックとなるのは、酸素の供給であるといえる。酸素供給の問題は、高電流密度条件の運転や高酸素利用率条件時において、特に顕著にあらわれると考える。
これは、カソード側流路の入口付近では、酸素が十分供給できるので電気化学反応は活発に行えるが、出口に向うにつれ、酸素濃度は薄くなると共に、電気化学反応で生成される水蒸気により酸素が発電部にいきにくくなるためと考えられる。
この結果、入口付近と出口付近では、電流密度が異なり、出口に近づくほど発電の効率が悪くなる。
つまり、入口付近と出口付近に発電の格差が生じてしまう。これは、高出力密度の電流を得るためにも、また発電部品の寿命の観点からも解決しなければならない問題である。
従来技術における、スリット状に流路同士を連結する手段や、端方から中央にかけて流路断面積を大きくする手段は、ガスの流れを制御し、ガス拡散に起因する濃度損失を解決しようとするものである。
しかしながら、スリット状に流路同士を連結する手段や、端方から中央にかけて流路断面積を大きくする手段は、消費される酸素の量や生成される水蒸気の量を変化させるものではなく、まして、電気化学反応を制御し、入口付近と出口付近における発電の格差を解決するものでもない。
本発明の目的は、電気化学反応で消費される酸素の量や、生成される水蒸気の量を変化させ、電気化学反応を制御し、入口付近と出口付近における発電の格差を解決するものである。
本発明の燃料電池は、電解質層を燃料極と酸素極とで挟持し、前記燃料極に沿って燃料ガス流路を形成し、前記燃料極に対し電気を誘電する電気誘導部を有する燃料極セパレータと、前記酸素極に沿って酸化剤ガス流路を形成し、前記酸素極に対し電気を誘電する電気誘導部を有する酸素極セパレータと、を備えたものである。
そして、前記酸素極セパレータの電気誘導部が、酸化剤ガス流路の入口から、酸化剤ガス流路の出口に向かって、電気伝導率の大きくなる部材で構成されていることを特徴とする。
また、前記酸素極セパレータの電気誘導部が、酸化剤ガス流路の入口から、酸化剤ガス流路の出口に向かって、酸素極と接する面積が大きくなることを特徴とする。
つまり、本発明は、セパレータのカソード側の空気の入口付近において、電気化学反応を抑制し、かつ、カソード側の空気の出口付近において、電気化学反応を助長する手段を持たせることで、入口付近と出口付近における発電の格差を解決するものである。
電気化学反応を入口付近で抑制し、かつ、カソード側の空気の出口付近で助長する手段は、発電部分が接続されるセパレータの電気誘導部において、電気伝導率が入口付近で小さく、出口付近で大きい値を持つ材料を適用する。
あるいは、セパレータのカソード側入口付近において、電気化学反応を抑制し、かつ、カソード側の空気の出口付近において、電気化学反応を助長する手段に、セパレータと発電部分が接続される電気誘導部において、接触面積が入口付近で小さく、出口付近で大きい値を持つ構造を適用する。
カソード側発電部における電気化学反応には、式(2)に示すように、電解質膜から通ってくる水素イオンとカソード側セパレータ流路を流れる空気中の酸素、それにカソード側セパレータから供給される電子の3要素が必要である。
セパレータと発電部分が接続される電気誘導部において、電気伝導率が入口付近で小さく、出口付近で大きい値を持つ材料を適用すれば、入口付近で反応に必要な電子の供給が抑制され、消費される酸素量が減少し、出口付近で電子の供給が助長され、入口付近で消費されなかった酸素が、出口付近で消費される。
この結果、入口付近では、電気化学反応が抑制され、出口付近では、電気化学反応が助長されるので、入口付近と出口付近における発電の格差を解消することができる。
同様に、セパレータと発電部分が接続される電気誘導部において、接触面積が入口付近で小さく、出口付近で大きい値を持つ構造を適用することで、入口付近で反応面積が小さくなり、電子の供給が減少し、消費される酸素量が減少する。
また、出口付近では、反応する面積が大きいので、電子の供給が増加し、入口付近で消費されなかった酸素が、出口付近で消費される。
この結果、入口付近では、電気化学反応が抑制され、出口付近では、電気化学反応が助長されるので、入口付近と出口付近における発電の格差を解消することができる。
本発明により、電気化学反応で消費される酸素の量や生成される水蒸気の量を変化させ、電気化学反応を制御することにより入口付近と出口付近における発電の格差を低減することができる。
以下に、本発明の実施例を、図面を参照して説明する。
図1は本発明に関する第1の実施の形態を示した燃料電池用セパレータ100の概念図である。
セパレータ100は、ステンレスやチタン,アルミニウムなどの薄い金属材料をプレス加工で形成されたものを基盤としたものであり、燃料ガスと酸化剤ガスを分離し、ガスが均等に拡散層に行き渡るように工夫された流路構造を持ち、後で述べる膜・電極接合体(MEA)で発電された電気を誘電するものである。
セパレータ100は、ガスが注入される入口103と、ガスが流れる流路部102,電気誘導部101,ガスが排出される出口104、およびガスが外に漏れないように設置したシール材121とからなる。
ここでは、セパレータ100の基盤には、長さ120mm,幅18mm,厚さ0.2mmのアルミニウムの金属材料を用いる。
ここで、本発明のセパレータ100は、電気誘導部101に電気伝導率の異なる部材を設置したことを特徴とする。例えば、セパレータ100のガスが注入される入口103からガスが排出される出口104に向って4つの領域106,197,108,109を設け、その領域ごとに電気誘導部101に電気伝導率の異なる部材を適用する。
図2は、4つの領域106,197,108,109毎の電気誘導部101の材質および電気伝導率を示したものである。
図2において、領域106には、カーボンペーパからなる部材を適用し、領域107には、グラファイトからなる部材を、領域108には、チタンからなる部材を、領域109には、アルミニウムからなる部材を、それぞれ適用する。
電気誘導部101は、4つの領域106,197,108,109毎に、長さ20mm,幅2mm,厚さ0.5mmの電気伝導率の異なる部材を用意する。
ただし、領域106,109の両端に位置する部材の長さは30mmとする。
図1において、断面図105は、セパレータ100を線abで切断した時の断面を表すものである。セパレータ100は、断面図105から分るように、アルミニウムの金属材料をプレス加工して幅2mm,高さ0.1mmの溝を形成し、形成された薄板111に、電気誘導部101を構成する電気伝導率の異なる部材112を、はめ込んで作成されている。
こうすることで、セパレータと発電部分が接続される電気誘導部101において、電気伝導率が入口付近で小さく、出口付近で大きくなり、入口付近で電子の供給が抑制され、消費される酸素量が減少し、入口付近で消費されなかった酸素が、出口付近で消費される。この結果、入口付近では、電気化学反応が抑制され、出口付近では、電気化学反応が助長されるので、入口付近と出口付近における発電の格差を解消することができる。
一方、電気誘導部101の厚さをL[m]、MEAと平行な断面積をA[m2]とすると、電気抵抗R[Ω]は以下の式より計算される。ここでρは、電気誘導部101の電気抵抗率[Ωm]であり、電気伝導率[1/Ωm]の逆数をとる。
R=ρ・L/A (3)
(3)式から入口から出口にかけて電気誘導部101の形状を変えることでも、電子の供給を制御し電気化学反応の量を変えることができる。
たとえば、電気誘導部101の形状を入口から出口にかけて、膜・電極接合体(MEA)との接触面を徐々に大きくすることや厚みを薄くすることで、入口から出口にかけて電気伝導を良くし、入口付近と出口付近における発電の格差を解消することができる。
以下に、第2の実施例を説明する。
図3は、本発明に関する第2の実施の形態を示した燃料電池用セパレータ300の概念図である。
セパレータ300は、ステンレスやチタン,アルミニウムなどの、厚さ0.2mmの薄い金属の材料をプレス加工したものであり、燃料ガスと酸化剤ガスを分離し、ガスが均等に拡散層に行き渡るように工夫された流路構造を持ち、後で述べる膜・電極接合体(MEA)で発電された電気を誘電するものである。
セパレータ300は、ガスが注入される入口303と、ガスが流れる流路部302,電気誘導部301,ガスが排出される出口304、およびガスが外に漏れないように設置したシール材306とからなる。
ここでは、セパレータ300の基盤には、長さ120mm,幅18mm,厚さ0.2mmのアルミニウムの金属材料を用い、プレス加工によって形成された電気誘導部301は、セパレータ300の入口303近くでは幅が1mm、出口304近くでは3mmと、入口から出口に向かって、膜・電極接合体(MEA)との接触面が大きくなるように設定されている。
こうすることで、セパレータと発電部分が接続される電気誘導部301において、電気抵抗の違いにより、電気化学反応の強さが入口付近で小さく、出口付近で大きくなる。
この結果、入口付近で電気化学反応が抑制され、出口付近で電気化学反応が助長されるので、入口付近と出口付近における発電の格差を解消することができる。
図4は、本発明のセパレータを用いて作成する燃料電池セル400を説明する図である。
燃料電池セル400は、膜・電極接合体(MEA)402を、アノード側セパレータ401と、カソード側セパレータ403とで両側から挟むようにして構成され、締付け用の板407とボルト408を用いて1メガパスカルの締め圧になるようにトルクレンチ締めて作成される。
図4では、便宜上、締付けは、燃料電池セル400の中央の一箇所で行われているように示してあるが、複数の締付け用の板407とボルト408を用いて締め付けを行い、締め付け圧が均等になるようにする。
アノード側セパレータ401とカソード側セパレータ403には同じ形式のセパレータを2枚用意し、使用するが、ここでは、図1で説明したセパレータ100を用いる。
また、膜・電極接合体(MEA)402は、アノード側のガスがカソード側に漏れないようにセパレータ100の流路よび誘電領域をカバーする広さを持つ必要がある。
ここでは、膜・電極接合体(MEA)402の面積をセパレータ100より若干大きめの面積で、長さ10.5mm,幅18.5mmのものを使用し、シール材に0.25mmかませるようにし、アノード側のガスがカソード側に漏れないようにする。
図5は、燃料電池セル400を中央で切断したときの断面図で、厚さ方向を拡大して示したものである。
図5の断面図において、アノード側セパレータ501と、カソード側セパレータ503とで膜・電極接合体(MEA)502を両側から挟むようにして、締付け用の板510とボルト511,512を用いて締め、膜・電極接合体(MEA)502は、アノード側のガスがカソード側に漏れないようにセパレータ100より若干大きめのサイズで、シール材508,509に0.25mmかませるようにしてある。
ここで、アノード側セパレータ501と、カソード側セパレータ503に図1で説明したセパレータ100を使用したが、図3で説明したセパレータ300を使用する場合も同様にして、燃料電池セル400を構築することができる。
次に、膜・電極接合体(MEA)402について説明する。
MEAは、固体高分子電解質膜の両側にカソード側電極およびアノード側電極が挟み込む形で構成される。固体高分子電解質膜には、プロトン伝導性を有するイオン交換膜、例えば、ナフィオン117(Nafion117、175μm、Du pont社製)等を用いた厚さ0.03mmのフッ素系イオン交換膜が用いる。
カソード側電極およびアノード側電極には、それぞれ触媒反応層と拡散層とで形成され、カソード側拡散層およびアノード側拡散層は、燃料ガスまたは酸化剤ガスの拡散性を高め、発電により発生した反応生成水の排出機能、および電子伝導性を併せ持つ必要があり、例えば、カーボンペーパ,カーボンクロス等の導電性多孔質材料に撥水処理を施したものを適用することができる。
ここでは、導電性多孔質材料に厚さ0.2mmのカーボン不織布(東レ社製TGP−H060)を用い、撥水処理を施すためフッ素系撥水剤のエマルジョン液(ダイキン製D1)に浸し、乾燥後350℃で10分間熱処理し、拡散層を形成した。
触媒反応層は、触媒金属を担持した導電性炭素粒子と高分子電解質を主成分とした厚さ0.01mm程度の薄膜である。
アノードおよびカソード触媒反応層には、平均一次粒子径30nmを持つ導電性炭素粒子であるケッチェンブラック(AKZOChemie社製)に、白金を50重量%担持させた触媒担持粒子をイソプロパノール水溶液に分散させた溶液と、高分子電解質、例えばナフィオン117をエタノールに分散させた溶液とを、触媒担持粒子と高分子電解質との重量比を1:1になるように混合した後、ビーズミルで高分散させることによりスラリーを作製し、先に作成したカソード側拡散層およびアノード側拡散層にスプレークオーターを用いて塗布し、これを大気中常温で6時間乾燥させることで形成させた。
このようにして、それぞれの拡散層上にカソード側触媒反応層およびアノード側触媒反応層を形成させることで、カソード側電極とアノード側電極を作成した。
最後に、カソード用電極とアノード用電極をそれぞれ用意し、高分子電解質膜(デュポン社製、Nafion117、175μm)の両面に、中心を合わせて、ホットプレス(125℃,4MPa,10分間)により一体化し、MEAを作成する。
次に、本発明に関する実施の形態を示した燃料電池セル400について電気誘導部の効果を、シミュレーションを用いて検証する。
ここでは、セパレータに、図1にある、本発明に関する第1の実施の形態を示した燃料電池用セパレータ100を用いた場合を検証する。
図6は、燃料電池セル400における解析対象をモデル化した形状を説明する図である。正面図600は、燃料電池セル400の発電部分を抜き出してモデル化したものであり長さ100mm,幅18mmとし、電気伝導部605と流路606が2mm幅で交互に構成されている。
電気伝導部605は、図1で説明したように、長さ方向に4つの領域が設定され、図2にあるようにそれぞれに電気伝導率の異なる材料が適用される。
また、発電部分を正面図600で見えているこちら側の面は、アノード側セパレータで、601および603で示されている面が、それぞれ、燃料ガスの入口面と出口面である。
正面図600で見えていない向こう側の面が、カソード側セパレータで、604および602で示されている面が、それぞれ、空気(酸化剤ガス)の入口面と出口面である。
ここで、燃料ガスと空気の流れが対交流であることに注意する。すなわち、正面図600の右側が、燃料ガスの出口面603および、空気の入口面604にあたる。
図7は、図6の正面図600で、中央のa−bを結ぶ線で切断したときの断面図である。
図4の燃料電池セル400における解析モデル化の形状で、図7は厚み方向の構造を、図8は各部材の厚さおよび材質を説明する。図7の断面図において、アノード側セパレータは基盤701に0.2mmのアルミニウム材料を、電気伝導部705に0.5mmのアルミニウム材料を用い、燃料ガスの通る0.5mmの流路703を形成している。
また、カソード側セパレータは厚さ0.2mmのアルミニウム材料の基盤702に、図1で説明したように、20mmまたは30mm間隔の領域ごとに厚さ0.5mmのカーボンペーパ,グラファイト,チタン,アルミニウムの電気伝導部706を配置し、空気の通る流路704を形成している。
ここでの解析は、カソード側電気伝導部706の効果を明らかにするため、領域ごとに異なる電気伝率の部材を配置するのはカソード側電気伝導部706のみにし、アノード側電気伝導部705は、アルミニウム単体の材料を用いた。
膜・電極接合体(MEA)は、厚さ0.03mmのナフィオン製電解質膜711を両側から挟むようようにアノード側触媒層709,カソード側触媒層710と、それらを挟むようにアノード側拡散層707,カソード側拡散層708とで構成されている。
ここで、触媒層709,710は白金50重量%担持の導電性炭素粒子層からなり、拡散層707,708は厚さ0.2mmのカーボンペーパで構成されている。
図6,図7,図8に示した形状および材質データをもとに、シミュレーションによる解析を行った。
シミュレーションにはFluent社製燃料電池シミュレータを用いた。Fluent社製燃料電池シミュレータに図6,図7,図8に示した形状および材質データを入力し、図9に示すようなシミュレーションの解析条件を設定し、シミュレーションによる解析を行った。
次に、異なる電気伝導率の部材を用いた電気誘導部をもつセパレータを使用した燃料電池セル400について、シミュレーションを用いた解析結果を示す。
ここで、異なる電気伝導率の部材を用いた電気誘導部の効果を明らかにするために、電気誘導部に同じ電気伝導率の部材を用いた燃料電池セルについてもシミュレーションによる解析を行う。
すなわち、図6,図7,図8,図9で説明した内容について、図8のカソード側電気伝導部に、アルミニウム単体を用いた場合を、従来型燃料電池セルとしてシミュレーションを行い、解析結果を比較する。
図10は、図9の解析条件でシミュレーションを行った結果で、得られた電流密度分布を示したものである。電流密度分布1001は、セパレータの電気誘導部に同一のアルミニウム部材を使用した燃料電池セルについてもので、電流密度分布1002は、セパレータの電気誘導部に異なる電気伝導率の部材を使用した燃料電池セル400のものである。
電流密度分布1001は、電流密度分布1002に比べ、向って右側、すなわち空気の入口付近で、電流密度が大きく、電気化学反応が強く起きていることが分る。
グラフ1003は、セパレータの電気誘導部に同一のアルミニウム部材を使用した燃料電池セルについて、横軸に燃料電池セルの長さ方向の位置を、縦軸に電流密度を取ったものである。グラフ1004は、セパレータの電気誘導部に異なる電気伝導率の部材を使用した燃料電池セル400について、横軸に燃料電池セルの長さ方向の位置を、縦軸に電流密度を取ったものである。
それぞれのグラフ上に線が2本あるのは、上側の線が流路下のカソード触媒層中の電流密度の値を示しており、下側の線が電気誘導部下のカソード触媒層中の電流密度の値を示している。
グラフ1003とグラフ1004の電流密度の値を比較すると、グラフ1003は、グラフ1004よりも、空気の入口付近の位置で値が大きく、空気の出口付近の位置で値が小さくなっており、線の傾きが大きいことが分る。
つまり、セパレータと発電部分が接続される電気誘導部において、電気伝導率が入口付近で小さく、出口付近で大きい値を持つ材料を適用すれば、入口付近で反応に必要な電子の供給が抑制され、消費される酸素量が減少し、出口付近で電子の供給が助長され、入口付近で消費されなかった酸素が、出口付近で消費される。
この結果、入口付近では、電気化学反応が抑制され、出口付近では、電気化学反応が助長されるので、入口付近と出口付近における発電の格差を解消できたことが分る。
図11は、電流密度分布1001,1002の領域を1101のように、それぞれ15分割し、領域ごとに電流密度の代表値を算出し、これらの分割した15領域に対して、平均値,最大値,最小値、および平均値からのズレの大きさを示す標準偏差を求め、1102の表にまとめたものである。
表1102から、セパレータの電気誘導部に異なる電気伝導率の部材を使用した燃料電池セル400の電流密度は、セパレータの電気誘導部に同一のアルミニウム部材を使用した燃料電池セルの電流密度に比べ、平均値では大差ないが、最大値と最小値とからなる、電流密度の値が取りうる範囲が、0.34に対し0.29と狭く、また平均値からのズレの大きさを示す標準偏差も0.095に対し0.083と1割ほど小さくなり、電流密度の値に対する斑が小さくなっていることが分る。
従って、セパレータと発電部分が接続される電気誘導部において、電気伝導率が入口付近で小さく、出口付近で大きい値を持つ材料を適用すれば、入口付近で電気化学反応が抑制され、出口付近で電気化学反応が助長されるので、発電領域全体で発電斑が解消され、MEAの高寿命化に貢献できる。
以上、本発明に関する実施の形態を示した燃料電池セル400について電気誘導部の効果を、シミュレーションを用いて検証した。
ここでは、セパレータに、図1にある、本発明に関する第1の実施の形態を示した燃料電池用セパレータ100を用いた場合について検証したが、同様に、図3にある、本発明に関する第2の実施の形態を示した燃料電池用セパレータ300を用いた場合においても、セパレータと発電部分が接続される電気誘導部において、入口付近で接触面積を小さくしたことで電気伝導が小さく、出口付近で接触面積を大きくしたことで電気伝導が大きい値を持つので、入口付近で反応に必要な電子の供給が抑制され、消費される酸素量が減少し、出口付近で電子の供給が助長され、入口付近で消費されなかった酸素が、出口付近で消費される。
この結果、入口付近では、電気化学反応が抑制され、出口付近では、電気化学反応が助長されるので、入口付近と出口付近における発電の格差を解消できると考えられ、その結果、発電領域全体で発電斑が解消され、MEAの高寿命化に貢献できる。
本発明により、MEAの高寿命化が可能となり、より一層、定置用電源および移動体用電源としての燃料電池に利用可能である。
本発明に関する第1の実施の形態を示した燃料電池用セパレータを示した図。 電気誘導部の領域ごとに材質および電気伝導率を示した表。 本発明に関する第2の実施の形態を示した燃料電池用セパレータを示した図。 本発明の実施形態の燃料電池用セパレータを用いて作成される燃料電池セルを示した図。 燃料電池セルを中央で切断したときの断面図。 解析用に燃料電池セルをモデル化した形状データを説明する図。 モデル化した燃料電池セルの形状データを説明する図。 モデル化した燃料電池セルの形状データおよび材質を説明する表。 シミュレーションの解析条件を説明する表。 シミュレーションの解析結果で電流密度分布を説明する図。 シミュレーションの解析結果で電流密度分布を説明する表。
符号の説明
100 セパレータ
101 電気誘導部
102 ガスが流れる流路部
103 ガスが注入される入口
104 ガスが排出される出口
121 シール材

Claims (2)

  1. 電解質層を燃料極と酸素極とで挟持し、
    前記燃料極に沿って燃料ガス流路を形成し、前記燃料極に対し電気を誘電する電気誘導部を有する燃料極セパレータと、
    前記酸素極に沿って酸化剤ガス流路を形成し、前記酸素極に対し電気を誘電する電気誘導部を有する酸素極セパレータと、を備えた燃料電池において、
    前記酸素極セパレータの電気誘導部が、酸化剤ガス流路の入口から、酸化剤ガス流路の出口に向かって、電気伝導率の大きくなる部材で構成されていることを特徴とする燃料電池。
  2. 前記酸素極セパレータの電気誘導部が、酸化剤ガス流路の入口から、酸化剤ガス流路の出口に向かって、酸素極と接する面積が大きくなることを特徴とする燃料電池。
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