JP2010153158A - 燃料電池用セパレータおよび燃料電池 - Google Patents

燃料電池用セパレータおよび燃料電池 Download PDF

Info

Publication number
JP2010153158A
JP2010153158A JP2008328999A JP2008328999A JP2010153158A JP 2010153158 A JP2010153158 A JP 2010153158A JP 2008328999 A JP2008328999 A JP 2008328999A JP 2008328999 A JP2008328999 A JP 2008328999A JP 2010153158 A JP2010153158 A JP 2010153158A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
flow rate
separator
gas
fuel cell
rate control
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2008328999A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroyuki Satake
弘之 佐竹
Masaya Kosakai
正也 小境
Tsutomu Okuzawa
務 奥澤
Shuichi Takazawa
秀一 高澤
Hiroshi Takahashi
宏 高橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Ltd filed Critical Hitachi Ltd
Priority to JP2008328999A priority Critical patent/JP2010153158A/ja
Publication of JP2010153158A publication Critical patent/JP2010153158A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/50Fuel cells

Landscapes

  • Fuel Cell (AREA)

Abstract

【課題】多孔質部材を用いたセパレータの流量制御において、電気化学反応によりガス組成の変化による流量制御設計の困難性を軽減し、多孔質部材の気孔率の調整によらない流量制御設計手段を用いた燃料電池用セパレータおよび燃料電池を提供する。
【解決手段】金属板をプレス加工してガス流路を形成した燃料電池用セパレータにおいて、ガスが注入されるガス注入口102、又は、ガスが排出されるガス排出口103と前記ガス流路との間にガス流量を振り分ける流量制御部104,105を有し、前記ガス流量制御部が多孔質部材109,110を有することを特徴とする燃料電池用セパレータとする。
【選択図】図1

Description

本発明は多孔質部材を用いたセパレータを有する燃料電池に関する。本発明の燃料電池は定置用電源および移動体用電源として有用である。
燃料電池は、燃料ガスと酸化剤ガスの電気化学反応により発電した電気を供給するものである。燃料電池の重要な構成要素にセパレータがある。セパレータは、燃料ガスと酸化剤ガスを分離し、ガスが均等に拡散層に行き渡るように工夫された流路構造を持ち、膜・電極接合体(MEA)で発電された電気を誘電する電気誘導部をもつものである。セパレータは黒鉛材料と金属材料のものが開発されている。金属材料のセパレータは、腐食への対策が必要になるが、金属材料をプレス成形で流路を形成することができるため、コスト低減や薄型化・軽量化が可能である。金属材料を用いたセパレータは、体積あたりの出力向上が期待でき、高密度出力化や低コスト化のニーズに伴い、広い分野で展開が進められている。
セパレータの流路構造として、ガスを均等に拡散層に行き渡らせるために流路の入口と出口の部分に流量制御部を配置し、ガス流量を流路全体に均一に振り分ける工夫がなされているものがある。流量制御部は、リブをガスの流れに角度をつけるようにして配置することにより、流量を振り分けるが、このとき、ガスの流れに抵抗が生じ、ガスを注入する際の圧力損失が生じる。ガスはエアーブロワーや水素ポンプなどの補機を用いて、自らが発電した電力をもとに流路に送り込こむ。そのため、圧力損失が大きければそれだけ多くの電力を消費してしまい、外部に提供できる電力の比率が小さくなり効率に影響を与える。従って、流量制御部においては圧力損失をできるだけ少なくするために、流れを振り分けるためのリブを少なく配置することがポイントとなる。しかし、その結果、流量制御部において、リブと電極との接触面積が小さくなり、電気誘導性が低下し発電作用が小さくなるという問題を有している。
一方、多孔質部材を用いたセパレータが開発されており、このセパレータにより電気誘導性低下の問題を解決することができる。例えば特許文献1および特許文献2に開示されているように、多孔質部材は、導電性グラファイト発泡媒体又は伝導金属発泡媒体などの伝導発泡媒体から形成されている。導電性グラファイト発泡媒体には黒鉛化熱分解グラファイトが用いられ、伝導金属発泡媒体には高いグレードのステンレス鋼やニッケル鋼など、低い接触抵抗を備えた金属合金が用いられ、これらの表面にメッキなどの耐酸化処理が施される。多孔質部材は、電極との接触性を良好にし、電気誘導性の低下による発電作用の縮小を改善できる。
多孔質部材を用いた場合、ガスの流れを振り分け、セル面内方向にガス流れの均一化を図る手段として、多孔性媒体の多孔率を空間的に変化させる、すなわち多孔質の疎密度の調整によりガス流れに対する抵抗を空間的に変化させ、ガス流れの均一化を実現する手法や、多孔性媒体に溝を設け、溝の配置の調整によりセル面内方向にガス流れの均一化を図る手法、あるいは、多孔性媒体を分割して配置して多孔性媒体間に流路を構成し、ガス流れの均一化を図る手段がある。
特開2002−151107号公報 特開2003−86204号公報
ガスの流れを振り分け、セル面内方向にガス流れの均一化を図る機能は、セパレータの重要な役割である。しかし、従来のガス流れの振り分け手法は、流路全体を通して、多孔性媒体の多孔率の空間的変化を用いてガス流れに対する抵抗を空間的に変化させて行うものであり、これには次の2つの点で問題がある。まず、ガスは電気化学反応に伴い組成が変化する。たとえば、純水素を燃料ガス、空気を酸化剤ガスとする固体高分子型燃料電池を例に取れば、空気極側では、酸化剤ガスは(1)式に示す電気化学反応により電解質膜を通して供給されるH+と反応し、ガスの分子数が2倍になり、流量は増加する。一方、燃料極側では、(2)式に示す電気化学反応により燃料ガスはH+になり電解質膜を通して空気極側に移動するためガスの分子数は減る一方であり、例えば燃料利用率を80%に設定した場合、ガス流量は入口時における流量の20%に減少してしまう。
〔数1〕
2+4H++4e-⇒2H2O (1)
〔数2〕
2H2⇒4H++4e- (2)
このように、電気化学反応によりガスの流量が変化するため、流路全体を通して、多孔性媒体の多孔率の空間的変化を用いてガス状流れに対する抵抗を空間的に変化させて行う手法は、流量の制御が困難であり形状設計が難しい。
次に、多孔性媒体を流れるガスは、多孔性媒体の多孔率により多孔性媒体から受ける流れ抵抗が異なる。流れ抵抗は(3)式で計算される圧力の大きさとして表せる。
(3)式において、Δpは多孔性媒体から受ける圧力、vは流体の速度、αは多孔性媒体の透過係数、μはガス流体の粘度、Cは多孔性媒体の慣性による抵抗係数、ρはガス流体の密度である。この式から、多孔性媒体から受ける圧力Δpは、粘性による損失項(ダルシー数,(3)式右辺第1項)と慣性による損失項((3)式右辺第2項)の2つの部分で構成される。
Figure 2010153158
(3)式から、多孔性媒体から受ける圧力(流れ抵抗)は、流速と多孔性媒体の慣性による抵抗係数Cに比例し、多孔性媒体の透過係数αに反比例する。特に、右辺第2項は、流速の2乗に比例することから、多孔性媒体から受ける圧力(流れ抵抗)は、流速に大きく依存する。つまり、流速の早い場合と遅い場合ではガス流量を振り分ける作用が異なることを意味する。
図6は、カーボンペーパと呼ばれる多孔質部材について、気孔率と多孔質部材の透過係数αの関係および、気孔率と多孔質部材の慣性抵抗係数Cの関係を示したグラフである。図6において、横軸は多孔質部材の気孔率を、縦軸は多孔質部材の透過係数αおよび多孔質部材の慣性抵抗係数Cを示している。縦軸の値が対数で取られていることに注意すると、このグラフから、多孔質部材の気孔率を少しだけ大きくすれば、ガスの通りやすさを示す透過係数αが著しく大きくなる。例えば、気孔率が0.85の多孔質部材と、0.95の多孔質部材とでは、透過係数の値や慣性抵抗係数の値が一桁違うことが分る。従って、小さな気孔率の調整でも、ガスの通り易さや多孔質部材の慣性抵抗が大きく変化してしまう。このことからも、多孔質部材の気孔率を調整してガス流量を制御することは困難である。
本発明の目的は、多孔質部材を用いたセパレータの流量制御において、電気化学反応によりガス組成の変化による流量制御設計の困難性を軽減し、多孔質部材の気孔率の調整によらない流量制御設計手段を用いた燃料電池用セパレータおよび燃料電池を提供することである。
本発明の燃料電池用セパレータは、金属板をプレス加工してガス流路を形成した燃料電池用セパレータにおいて、ガスが注入されるガス注入口、又は、ガスが排出されるガス排出口と前記ガス流路との間にガス流量を振り分ける流量制御部を有し、前記ガス流量制御部が多孔質部材を有することを特徴とする。
また、本発明の燃料電池は、電解質層を燃料極と酸素極とで挟持した膜・電極接合体と、前記燃料極に沿って燃料ガス流路を形成し、前記燃料極に対し電気を誘電する電気誘導部をもつ燃料極セパレータと、前記酸素極に沿って酸化剤ガス流路を形成し、前記酸素極に対し電気を誘電する電気誘導部をもつ酸素極セパレータとを備えた燃料電池において、前記酸素極セパレータおよび前記燃料極セパレータは、ガス流量を振り分ける流量制御部を有し、前記流量制御部が多孔質部材を有することを特徴とする。
また、上記燃料電池セパレータ,燃料電池において、前記ガス流量制御部が複数のリブと、該リブの間に配置された多孔質部材で構成されることを特徴とする。
セパレータをガスの流量を振り分ける流量制御部とガスの流量を振り分けない流路部で構成し、流量制御部は、流量を振り分ける複数のリブと、そのリブの間に多孔質部材を配置する。セパレータをガスの流量を振り分ける流量制御部とガスの流量を振り分けない流路部に分割したことにより、電気化学反応によりガス組成の変化による流量制御への影響を流量制御部に限定することができ、流路全体に占める流量制御部の領域を小さくすればするほど、反応領域が小さくなるので、電気化学反応によりガス組成の変化による流配の影響を低減することができる。
また、流量制御部において、リブで流量の振り分けを行うので、多孔質部材の気孔率の調整によらない流量制御が可能になり、セパレータ内流量均一化の制御が容易になる。さらに、リブの間に多孔質部材を配置するので接触抵抗を良好に保つことができる。
本発明により、電気化学反応によりガス組成の変化による流量制御設計の困難性を軽減し、多孔質部材の気孔率の調整によらない流量制御設計手段を用いた燃料電池用セパレータおよび燃料電池を提供することができる。
以下に、本発明の実施形態を、図面を参照して説明する。
図1は本発明に関する第1の実施の形態を示した燃料電池用セパレータの概念図である。セパレータ100は、燃料ガスと酸化剤ガスを分離し、ガスが均等に拡散層に行き渡るように工夫された流路構造を持ち、後で述べる膜・電極接合体(MEA)で発電された電気を誘電するものである。セパレータ100は、厚さ0.2mmの薄い金属の材料をプレス加工して流路構造を形成している。金属材料としては、ステンレスやチタン,アルミニウムなどを用いることができる。セパレータ100は、ガスが注入される入口102と、ガス流路全域にガスが均等に流れるようにガス流を振り分ける流量制御部104,105と、ガス流を振り分けない流路部101,ガスが排出される出口103、および、ガスが外に漏れないように設置したシール材106とから構成される。
本発明のセパレータ100は、ガス流を振り分ける流量制御部104,105と、ガス流を振り分けない流路部101で構成することで、ガス流を振り分ける領域を限定し、流量制御において、電気化学反応によりガス組成の変化による影響を低減することができる。
ガス流量を振り分けない流路部101は、0.75mm間隔に長さ144mmの凸部(リブ)111が36本、ガスが流れる流路112の面から0.2mmの高さによるようにプレス加工で形成されている。
流量制御部104および105は、それぞれガスが注入される入口102(ガス注入口)とガスが排出される出口103(ガス排出口)に隣接するように配置され、多孔質部材109,110およびガス流量を振り分けるための凸部(リブ)107,108とで構成される。
凸部(リブ)107,108は、0.2mmの高さによるようにセパレータをプレス加工して形成され、流量全域に均等にガスが流れるように、ここでは5つの凸部(リブ)を、ガス流に対し異なる角度で配置することにより流れ抵抗を調整している。
多孔質部材109,110は、導電性グラファイト発泡媒体、又は、伝導金属発泡媒体などの伝導発泡媒体から形成されものである。導電性グラファイト発泡媒体としては黒鉛化熱分解グラファイトを用いることができる。また、伝導金属発泡媒体としては高いグレードのステンレス鋼やニッケル鋼など、低い接触抵抗を備えた金属合金を用いることができる。これらの表面にはメッキなどの耐酸化処理を施したものを用いることができる。ここでは、金属製のニッケル多孔質体をコア部に、耐食用にクロム,チタンなどでコーティングした厚さ0.2mmで気孔率95%の多孔質部材を用いた。この多孔質部材を図8の801に示すような形状に切り抜き、セパレータ100の流量制御部104および105に配置することで、セパレータと電極との電気的接触性を良好にし、発電作用を改善している。
本発明では、流量制御部104,105に、ガス流量を振り分ける凸部(リブ)107,108を設け、リブの間に多孔質部材109,110を配置したことを特徴とする。流量制御部104,105において、ガス流量の振り分けセパレータ100をプレス加工して形成した凸部で行うことにより、多孔質部材の気孔率の調整によらない流量制御が可能になり、セパレータ内流量の均一化の制御が容易になる。また、リブ間に多孔質部材を配置することで、セパレータと電極との電気的接触性を良好にし、発電作用を改善することができる。
図2は、図1のセパレータ100において、線120での断面を拡大した断面図である。断面図202において、リブとリブの間にある多孔質部材110の断面203の様子を示しており、厚さ2mmの形状で、多孔質部材110の端面206とガス流量を振り分ける凸部(リブ)108の端面205が同じ高さに位置している。あとで説明するように、本セパレータ100を用いて作成する燃料電池では、多孔質部材110の端面206とガス流量を振り分ける凸部(リブ)108の端面205に、MEAの電極の部分が接続される。また、断面図202において204は、ガスが外に漏れないように設置したシール材106の断面を示すものである。
図9および図10は本発明に関する第2の実施の形態を示した燃料電池用セパレータの概念図である。図10のセパレータ1000は、図1に示す本発明に関する第1の実施の形態を示した燃料電池用セパレータ100と同様に厚さ0.2mmの薄い金属の材料をプレス加工により形成したものである。燃料電池用セパレータ100と異なる箇所は、ガス流を振り分ける流量制御部1005,1006に対応するセパレータ1000の表面にプレス加工して形成されるガス流量を振り分けるための凸部(リブ)がないところである。すなわち、本実施形態では金属セパレータ本体と凸部とは一体化していない。本発明の第2の実施形態に係る燃料電池用セパレータは、図9に示す多孔質部材901をセパレータ1000に接合し、流量制御部1005,1006としたものである。流量制御部に多孔質部材を接合する方法としては、多孔質部材901の脱着が容易になるように、多孔質部材901に位置決めのための切かき904,905を設け、セパレータ1000の流量制御部1005および1006に、切かき904,905の形状に対応する取り付け部1001,1002および1003,1004を設けてもよい。多孔質部材は、耐食用にクロム,チタンなどで表面をコーティングしたものを用いるが、長い期間、使用していると腐食により電解質膜や触媒層に悪影響を与える懸念がある。そこで定期的に、新しい多孔質部材に取り替えるための脱着の手段があれば便利である。また、燃料電池の運転条件が異なれば、注入するガスの流量が異なり、流量制御部においても、流量を振り分けるリブの形状や多孔質部材を、注入するガスの流量に合せたものを使用する必要がある。図10の流量制御部の部材を自由に選択できるセパレータ1000は、注入するガスの流量に合せて適切なリブ形状をもつ多孔質部材を設置するための手段としても有用である。
図9に示す多孔質部材901は、複数の異なる多孔質材で構成されるか、多孔質材と金属板で構成してもよい。たとえば、多孔質材902は図8にある気孔率95%の多孔質材801を用いてもよく、流量制御部のリブ部108,107の形状に適合するように切り抜かれた部分903に気孔率5%の密な多孔質材を用いてもよく、金属板をはめ込んで成形してもよい。あるいは、気孔率95%の多孔質材に、流量制御部のリブ部108,107の形状に相当する部分903に、多孔質体のコア部であるニッケルなどの金属を溶解して流し込んだ後、耐食用にクロム,チタンなどでコーティングして作成してもよい。
図3は、本発明のセパレータを用いて作成する燃料電池セル300を説明する図である。燃料電池セル300は発電の基本ユニットで、膜・電極接合体(MEA)302を、アノード側セパレータ301と、カソード側セパレータ303とで両側から挟むようにして形成される。アノード側セパレータ301とカソード側セパレータ303とは同じ形式のセパレータを2枚用意し、一方のセパレータを、図3においてMEA302の中央に置いたZ軸を基準に180度回転させた位置に来るように向きを整え、使用する。膜・電極接合体(MEA)302は、セパレータ100の流路領域をカバーする広さを持つ必要がある。例えば、流路の領域を幅170mm,高さ94mmとすると、膜・電極接合体(MEA)302も幅170mm,高さ94mmとなる。
図4は、燃料電池セル300を中央で切断したときの断面図で、一部分を拡大して示したものである。図4の断面図は、セパレータに図1で説明したセパレータ100が使われている。図4において、アノード側セパレータ301とカソード側セパレータ302がMEA303を挟み込むように構成されており、アノード側セパレータ301は、流路の断面405および電気誘電部の断面407がそれぞれ、0.75mm間隔に配置されるようプレス加工されている。誘電部の断面407がMEA403に接続され、MEA403で発電された電気を伝導することができる。同様に、カソード側セパレータ402は、流路の断面406および電気誘電部の断面408がそれぞれ、0.75mm間隔に配置されるようプレス加工されている。誘電部の断面408がMEA403に接続され、MEA403で発電された電気を伝導することができる。
次に、膜・電極接合体(MEA)302について説明する。MEAは、固体高分子電解質膜の両側にカソード側電極およびアノード側電極が挟み込む形で構成され、固体高分子電解質膜には、プロトン伝導性を有するイオン交換膜、例えば、ナフィオン117(Nafion117、175μm、Du pont社製)等を用いたフッ素系イオン交換膜が用いられ、カソード側電極およびアノード側電極は、それぞれ触媒反応層と拡散層とで形成される。カソード側拡散層およびアノード側拡散層は、燃料ガスまたは酸化剤ガスの拡散性を高め、発電により発生した反応生成水の排出機能、および電子伝導性を併せ持つ必要がある。例えば、カーボンペーパ,カーボンクロス等の導電性多孔質材料に撥水処理を施したものを適用することができる。ここでは、導電性多孔質材料に厚さ0.2mmのカーボン不織布(東レ社製TGP−H060)を用い、撥水処理を施すためフッ素系撥水剤のエマルジョン液(ダイキン製D1)に浸し、乾燥後350℃で10分間熱処理し、拡散層を形成した。
触媒反応層は、触媒金属を担持した導電性炭素粒子と高分子電解質を主成分とした厚さ0.005mm程度の薄膜である。アノード側触媒反応層には、平均一次粒子径が30nmの導電性炭素粒子であるケッチェンブラック(AKZOChemie社製)に、白金とルテニウムを、それぞれ25重量%担持させたアノード用触媒担持粒子を使用した。また、カソード側触媒反応層には、ケッチェンブラックに、白金を50重量%担持させたカソード用触媒担持粒子を使用した。カソード側触媒反応層およびアノード側触媒反応層は、それぞれの触媒担持粒子をイソプロパノール水溶液に分散させた溶液と、高分子電解質、例えばナフィオン117をエタノールに分散させた溶液とを、触媒担持粒子と高分子電解質との重量比を1:1になるように混合した後、ビーズミルで高分散させることによりカソード用とアノード用のスラリーを作製し、先に作成したカソード側拡散層およびアノード側拡散層にスプレークオーターを用いて塗布し、これを大気中常温で6時間乾燥させることで形成させた。このようにして、それぞれの拡散層上にカソード側触媒反応層およびアノード側触媒反応層を形成させることで、カソード側電極とアノード側電極を作成した。
次に、本発明に係る実施の形態を示した燃料電池用セル300について流量制御部に多孔質部材を適用した効果を、実験により検証する。ここでは、セパレータとして、第1の実施の形態で示した図1の燃料電池用セパレータ100を用いた。比較のために、図5に示す、流量制御部に多孔質部材を適用しないセパレータ500を用いて、燃料電池用セル300と同様にして作成した燃料電池用セルについても同じ実験を行った。実験方法は、カソード側に空気を、アノード側に純水素をそれぞれポンプを用いて注入し、電子負荷装置を用いて性能特性を計測する方法で行った。酸素利用率が60%、水素利用率が80%になるように、注入する空気および水素の流量を調整し、電子負荷装置の電流密度I[A/cm2]を徐々に増加させ、その時々の燃料電池用セル300の電圧E[V]を測定し、電流密度Iと電圧Eの積を電力W[W/cm2]として算出した。実験結果を図7に示す。図7の上側の曲線701が本発明に関する実施の形態を示した燃料電池用セル300の実験結果であり、下側の曲線702が比較に用いた、図5に示す流量制御部に多孔質部材を適用しないセパレータ500を用いて作成した燃料電池用セルの実験結果である。この実験結果から、本発明に関する実施の形態を示した燃料電池用セル300の方が、流量制御部に多孔質部材を適用しないセパレータ500を用いて作成した燃料電池用セルよりも、高い電力を発生させることができ、流量制御部に多孔質部材を適用した効果が検証できた。
本発明に関する第1の実施の形態を示した燃料電池用セパレータ。 燃料電池用セパレータの流量制御部の断面図。 本発明のセパレータを用いて作成する燃料電池セル。 燃料電池セルを中央で切断したときの断面図。 比較のために本発明のセパレータを用いないで作成した燃料電池セル。 気孔率とガス透過係数,慣性抵抗係数の関係を示したグラフ。 実験による計測結果を説明する図。 本発明のセパレータの流量制御部に適用する多孔質部材を示した図。 本発明のセパレータの流量制御部に適用する多孔質部材を示した図。 本発明に関する第2の実施の形態を示した燃料電池用セパレータ。
符号の説明
100 セパレータ
101 流路部
102 入口
103 出口
104,105 流路制御部
106 シール材
107,108 凸部
109,110 多孔質部材

Claims (9)

  1. 金属板をプレス加工してガス流路を形成した燃料電池用セパレータにおいて、
    ガスが注入されるガス注入口、又は、ガスが排出されるガス排出口と前記ガス流路との間にガス流量を振り分ける流量制御部を有し、前記ガス流量制御部が多孔質部材を有することを特徴とする燃料電池用セパレータ。
  2. 請求項1において、前記ガス流量制御部が複数のリブと、該リブの間に配置された多孔質部材で構成されることを特徴とする燃料電池用セパレータ。
  3. 請求項1において、前記ガス流量制御部が気孔率の異なる複数の多孔質部材で構成されていることを特徴とする燃料電池用セパレータ。
  4. 請求項1において、前記流量制御部は流量を振り分ける部材と多孔質部材とで構成され、流量制御部と金属板とは脱着可能な取り付け部を有することを特徴とする燃料電池用セパレータ。
  5. 電解質層を燃料極と酸素極とで挟持した膜・電極接合体と、
    前記燃料極に沿って燃料ガス流路を形成し、前記燃料極に対し電気を誘電する電気誘導部をもつ燃料極セパレータと、
    前記酸素極に沿って酸化剤ガス流路を形成し、前記酸素極に対し電気を誘電する電気誘導部をもつ酸素極セパレータとを備えた燃料電池において、
    前記酸素極セパレータおよび前記燃料極セパレータは、ガス流量を振り分ける流量制御部を有し、
    前記流量制御部が多孔質部材を有することを特徴とする燃料電池。
  6. 請求項5において、前記ガス流量制御部が複数のリブと、該リブの間に配置された多孔質部材で構成されることを特徴とする燃料電池。
  7. 請求項5において、前記酸素極セパレータおよび前記燃料極セパレータの流量制御部は、気孔率の異なる複数の多孔質部材で構成されていることを特徴とする燃料電池。
  8. 請求項5において、前記酸素極セパレータおよび前記燃料極セパレータの流量制御部は、流量を振り分ける部材と多孔質部材とで構成され、流量制御部とセパレータの金属板とが脱着可能な取り付け部を有することを特徴とする燃料電池。
  9. 請求項5において、前記酸素極セパレータおよび前記燃料極セパレータの流量制御部は、流量を振り分ける部分と多孔質部材とで構成され、前記流量を振り分ける部分が多孔質部材に金属部材がはめ込まれた構造、あるいは、金属部材を溶かし込んで成形された構造を有することを特徴とする燃料電池。
JP2008328999A 2008-12-25 2008-12-25 燃料電池用セパレータおよび燃料電池 Pending JP2010153158A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008328999A JP2010153158A (ja) 2008-12-25 2008-12-25 燃料電池用セパレータおよび燃料電池

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008328999A JP2010153158A (ja) 2008-12-25 2008-12-25 燃料電池用セパレータおよび燃料電池

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2010153158A true JP2010153158A (ja) 2010-07-08

Family

ID=42572036

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008328999A Pending JP2010153158A (ja) 2008-12-25 2008-12-25 燃料電池用セパレータおよび燃料電池

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2010153158A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2017212638A1 (ja) * 2016-06-10 2017-12-14 日産自動車株式会社 燃料電池スタック及び燃料電池スタック用セパレータ
CN114122443A (zh) * 2020-08-28 2022-03-01 未势能源科技有限公司 燃料电池及燃料电池的改进方法
WO2022114947A1 (en) * 2020-11-30 2022-06-02 Petroliam Nasional Berhad (Petronas) Flow-field plate for polymer electrolyte membrane device

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004139827A (ja) * 2002-10-17 2004-05-13 Honda Motor Co Ltd 拡散層セパレータ接合体とその製造方法、および燃料電池、燃料電池スタック
JP2005294121A (ja) * 2004-04-01 2005-10-20 Toyota Motor Corp ガス拡散層およびそれを用いた燃料電池
JP2006505910A (ja) * 2002-11-11 2006-02-16 ヌベラ・フュエル・セルズ・ヨーロッパ・ソチエタ・ア・レスポンサビリタ・リミタータ 電気化学発電装置
JP2007141695A (ja) * 2005-11-21 2007-06-07 Hitachi Ltd 燃料電池用流路板及び燃料電池
JP2007213855A (ja) * 2006-02-07 2007-08-23 Honda Motor Co Ltd 燃料電池

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004139827A (ja) * 2002-10-17 2004-05-13 Honda Motor Co Ltd 拡散層セパレータ接合体とその製造方法、および燃料電池、燃料電池スタック
JP2006505910A (ja) * 2002-11-11 2006-02-16 ヌベラ・フュエル・セルズ・ヨーロッパ・ソチエタ・ア・レスポンサビリタ・リミタータ 電気化学発電装置
JP2005294121A (ja) * 2004-04-01 2005-10-20 Toyota Motor Corp ガス拡散層およびそれを用いた燃料電池
JP2007141695A (ja) * 2005-11-21 2007-06-07 Hitachi Ltd 燃料電池用流路板及び燃料電池
JP2007213855A (ja) * 2006-02-07 2007-08-23 Honda Motor Co Ltd 燃料電池

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2017212638A1 (ja) * 2016-06-10 2017-12-14 日産自動車株式会社 燃料電池スタック及び燃料電池スタック用セパレータ
US11139486B2 (en) 2016-06-10 2021-10-05 Nissan Motor Co., Ltd. Fuel cell stack having separators with protrusions
CN114122443A (zh) * 2020-08-28 2022-03-01 未势能源科技有限公司 燃料电池及燃料电池的改进方法
CN114122443B (zh) * 2020-08-28 2024-03-22 未势能源科技有限公司 燃料电池及燃料电池的改进方法
WO2022114947A1 (en) * 2020-11-30 2022-06-02 Petroliam Nasional Berhad (Petronas) Flow-field plate for polymer electrolyte membrane device

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Xu et al. Effect of anode backing layer on the cell performance of a direct methanol fuel cell
US20220081780A1 (en) Compression apparatus
US8546038B2 (en) Fuel cell separator having reactant gas channels with different cross sections and fuel cell comprising the same
JP5198044B2 (ja) 直接酸化型燃料電池
WO2011036834A1 (ja) 直接酸化型燃料電池
WO2013027501A1 (ja) 制御装置および燃料電池システム
JP2010153158A (ja) 燃料電池用セパレータおよび燃料電池
KR20140020297A (ko) 사용수명이 증가된 양성자교환막을 포함하는 연료전지
US9673467B2 (en) Membrane electrode assembly and fuel cell
JP5354982B2 (ja) 直接酸化型燃料電池
JP4606038B2 (ja) 高分子電解質型燃料電池及びその運転方法
JP2013225398A (ja) 燃料電池スタック
JP5969000B2 (ja) プロトン交換膜を備える高寿命の燃料電池
JP2006049115A (ja) 燃料電池
JP4340417B2 (ja) 高分子電解質型燃料電池
JP5183130B2 (ja) 燃料電池
JP2009037860A (ja) 燃料電池およびそれに用いるセパレータ
EP2325933B1 (en) Fuel cell and fuel cell stack provided with same
JP2022108751A (ja) 電気化学式水素ポンプ
US20240060190A1 (en) Electrochemical cell for hydrogen pump and compression apparatus
WO2023037755A1 (ja) 電気化学式水素ポンプ
JP2004158435A (ja) 燃料電池およびその運転方法
JP2019151917A (ja) 電流密度の均質化のための水電解装置
WO2013080421A1 (ja) 直接酸化型燃料電池およびこれに用いる膜触媒層接合体の製造方法
US20110014538A1 (en) Fuel cell

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110208

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130220

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130226

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20130625