JP5422467B2 - 固体高分子形燃料電池 - Google Patents

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Description

本発明は固体高分子形燃料電池に関する。
燃料電池は電気化学反応により燃料のエネルギーを直接電気エネルギーへ変換する電気化学デバイスである。燃料電池は用いる電荷担体等により、リン酸形燃料電池,溶融炭酸塩形燃料電池,固体酸化物形燃料電池,固体高分子形燃料電池(以下PEFCと略する),アルカリ形燃料電池に大別される。
これらの各種燃料電池の中でもPEFCは、高電流密度発電や比較的低温度での運転が可能であるため、移動体電源をはじめ定置型電源やバックアップ電源など広範囲な応用が期待されている。
PEFCの電解質には、膜厚が数十μmから百数十μmのプロトン交換イオン交換膜を用いる。イオン交換膜は、主鎖を構成するフルオロカーボンに、スルホン酸基を有する側鎖が結合した構造が一般的である。
電解質膜は薄いフィルムであるが、電解質膜を中心としてその両側に電極が、さらにその両側にガス拡散層が、さらにその両側にセパレータが配置される。これが発電単位セル(単セル)の構成となる。
電極は粒子径が数nm〜数百nm程度のカーボン粒子を担体として、その表面に直径が数Å〜数十Å程度の白金微粒子を分散させた白金触媒を、電解質と同様のプロトン伝導性を有するポリマーをバインダーとして結着,成形したものである。通常、電極は数μm〜数十μm程度の厚みを有する。触媒の担体としてカーボンが用いられるのは、電子伝導性が良好で化学的安定性が高いためである。また、白金を微粒子化するのは、白金の表面積を増大させ、電気化学反応の反応速度を高めるためである。
さらに電極の表面には、導電性多孔体であるガス拡散層(GDL)を配置する。GDLはセパレータから供給された電気化学反応に寄与する燃料および酸化剤ガスを反応場である電極活性点へ速やかに供給し、また反応後のガスを生成物とともに排出させる役割を担う。GDLにはカーボンの繊維を材料とした織布あるいは不織布状のものが一般的である。
GDLの両側にはセパレータが配置される。セパレータは隣り合うセルに供給されるガスを分離させつつ、GDLを介して反応ガスを電極へ供給する機能を持つ。発電により生じた電流を取り出すためにセパレータ自身に電流を流す必要があるため、良好な導電性と電池内部の腐食雰囲気に対する耐食性を有する材料を用いる。一般的には、カーボン系材料あるいは耐食処理を施した金属材料が用いられる。
PEFCの単セルは発電電圧が1V以下であるため、昇圧するために単セルを直列に積層させて用いる。開発が進められている一般家庭向け燃料電池システムでは数十セルを積層した燃料電池が、自動車用途では数百セルを積層した燃料電池が用いられている。
セパレータはカーボン系材料であれば金型による成型で、金属系材料であればプレス加工等により反応ガスを流通させる溝を形成している。外部から供給された反応ガスはセパレータのガス流通溝を流れた後、GDLを通って電極の反応部へ拡散する。近年、多孔質体そのものをガス流通部として用いる検討が進められている。多孔質体をガス流通部として用いれば、セパレータにガス流通溝を形成する加工が不要になり加工工数が低減される。さらに従来用いていたGDLの機能を多孔質体に兼用させることにより、GDLを省略することができ、構成部品点数および電池厚みの減少を可能とする。また、従来のセパレータで形成されていたガス流通溝の凸部はその構成上、GDLに強く押し付けられるためGDLの当該部を圧縮させ、凸部と接触していないその他の部位との空隙率の変化に基づくガス拡散性低下を招いていた。一方、ガス流通部として多孔質体を用いる場合では、GDLを配置した場合でも、平滑な面で接触するためGDLの空隙率変化は面内でほぼ等しく、均一なガス拡散性を保つことができる。GDLを省略すると、さらにガス拡散性が良好となり、電池の限界電流を増加させ電池性能を向上させることができる。
特許文献1では上記に説明したガス流通部として金属多孔質体を用いて、GDLを省略した構造を提案した上で、金属多孔質体と金属セパレータとの接触抵抗を低減させるため、金属多孔質体と金属セパレータを溶接などにより接合することを提案している。
特開2009−9731号公報
GDLはカーボンペーパ,カーボンクロスをその基材として用いているため、その弾性係数は0.1〜5MPa程度となる。一方、金属多孔質体の弾性係数は少なくともその数倍以上となる。この結果、特許文献1の通りに発電セルにMEAおよび金属多孔質体を用いると、従来のGDLが有していた弾性係数に比較し、極めて大きくなるため、部材厚みのばらつきにより生じた積層厚み方向の凹凸を吸収できなくなる。特許文献1では、金属多孔質体と金属セパレータを溶接により電気的抵抗は低減できるが、積層厚み方向の凹凸は除去することができなかった。高積層スタックとした場合、積層部材の増加に伴い凹凸が累積されるため面内の接触状態が不均一となり、シール性能が低下したり、電池内部に局材的に生じる強い応力によりMEA等の部材を痛め、電池寿命を低減させる懸念があった。
そこで本発明ではガス流通部として金属多孔質体を用いてGDLを省略した発電セル構成をとりながらも、積層部材の接触状態を良好とすることができ、発電セル内部のガス拡散性に優れた固体高分子形燃料電池を提供することを目的とする。
本発明は、電解質膜とこれを挟持する一対の電極と、前記電極の両側に配置された一対の金属多孔質体と、少なくとも一方の前記金属多孔質体に接するように配置された金属板Aと、前記金属板Aに接するように配置され、前記金属多孔質体の弾性係数E2よりも小さい弾性係数E1を有する凹凸吸収構造体とを有する発電セルを単セルとし、前記単セルを複数積層した固体高分子形燃料電池を特徴とする。これにより金属多孔質体が配置された発電セル部で生じた積層厚み方向の凹凸を、金属平板を介して凹凸吸収構造体に吸収させ、発電セル部の面当たりを良好にできる。
本発明によれば、部品点数及びセル厚みを減少でき、発電セルに隣接する凹凸吸収構造セルを配置することにより、電池内部に生じた凹凸を吸収し、セル抵抗を低減した固体高分子形燃料電池を提供することができる。
実施例で用いた本発明の単セル構成を示す図。 単セルを積層したスタックを示す図。 比較例の単セル構成を示す図。
本発明の固体高分子形燃料電池は、電解質膜とこれを挟持する一対の電極とその両側に金属多孔質体を配置し、少なくとも一つの金属多孔質体は金属板Aに接触するように配置された燃料電池発電セルに対し、金属多孔質体の弾性係数E2よりも小さい弾性係数E1を有する凹凸吸収構造体を金属板Aと全面にわたって接触するように配置して形成される凹凸吸収構造セルを有することを特徴とするものである。これにより金属多孔質体が配置された発電セル部で生じた積層厚み方向の凹凸を、金属平板を介して凹凸吸収構造体に吸収させ、発電セル部の面当たりを良好にできる。
凹凸吸収構造体の降伏応力Y1は4MPa以上であることが好ましい。燃料電池の締付け圧力は0.5〜2MPa程度が一般的であるので、本凹凸吸収構造体の降伏圧力を有する部材では、塑性的変形を生じることなく、凹凸の吸収能力を有効に発揮できる。また、凹凸吸収構造体の弾性係数E1は電解質膜の弾性係数E3よりも小さくすることにより、電解質膜が局部的な応力により損傷することなく効果的に凹凸吸収構造体でうねりや歪を吸収することができる。
金属板Aの板厚は0.2mmよりも小さいことが好ましい。これにより発電部に生じた積層厚み方向の凹凸をより効果的に凹凸吸収構造体に吸収させることができる。
無荷重時における凹凸吸収構造体の空隙率P1は60%よりも大きく、かつ金属多孔質体の無荷重時における空隙率P2はP1よりも大きいことが好ましい。金属多孔質体の特徴として、カーボンペーパおよびカーボンクロスを基材とする従来のガス拡散層と比較して、空隙率を大きく設定できることがあげられる。従来のガス拡散層の空隙率は70〜80%程度が一般的であるのに対して、金属多孔質体は90〜95%の空隙率を有する部材を製作可能である。この金属多孔質体はガス流路を兼ねているので、発電時に燃料および酸化剤ガスの拡散性は、空隙率が大きいほど良好となる。また、金属多孔質体は材料が金属であるため、カーボンで構成されるガス拡散層よりも抵抗値が小さく、セル抵抗低減に有利となる。よって請求項3で示される燃料電池は、凹凸の吸収による面当たりの均一性と供給ガスの拡散性向上を両立させた構成が可能となる。
凹凸吸収構造体の厚さ方向の比抵抗が0.2Ω・cmよりも小さいことが好ましい。これにより、凹凸吸収構造体の発電時における抵抗損を抑制でき、高い電池性能を実現できる。また、電解質膜の厚みに対し、凹凸吸収構造体の厚みは3倍以上であることが好ましい。これにより凹凸吸収構造体が吸収できる凹凸の大きさが十分に確保できるため、積層部材厚みの面内ばらつきに伴う局部的な凹凸が生じても電解質膜に損傷を与える可能性を回避できる。
金属多孔質体としては、ステンレス鋼,チタン,チタン基合金,ニッケル,ニッケル基合金を適用することができる。
燃料電池内部は腐食性雰囲気であることから用いられる材料は高耐食性が要求される。
そのため、金属板Aとしては、金属板Aの最外層がタングステン,ニオブ,ステンレス鋼,チタン,チタン基合金,ニッケル,ニッケル基合金,アルミニウム,アルミニウム基合金から選ばれる金属であり、かつ通電面に、炭素層,炭素−樹脂混合物層,メッキ層および導電性セラミックス層の中から選ばれる被覆層が設けられていることが好ましい。これにより、長時間安定した電池性能が期待できる。
以下、本発明の実施の形態を実施例に従って説明する。
〔実施例〕
(実施例1)
以下、実施例1のスタックについて説明する。
白金微粒子をカーボン担体に50wt%担持したアノード触媒に、乾燥重量で電解質量が触媒量の60wt%に相当する5wt%のナフィオン−アルコール溶液を添加し、室温にてペースト状に攪拌・分散させ触媒ペーストを作製した。弾性係数5MPa、膜厚25μm、大きさ150mm×115mmのナフィオン(デュポン社)電解質膜の表面に、上記で得られたアノード触媒ペーストをスクリーン印刷法にて100mm×100mmの大きさに表面塗布した。塗布後、60℃で3時間乾燥させた。得られた電極の白金担持量は約0.35mg/cm2であった。さらに、先に形成したアノードとは反対側の電解質膜上に上記と同様の方法で調製したカソード触媒ペーストをスクリーン印刷により塗布した。印刷の後、60℃で3時間乾燥させた後、電極付き電解質膜1を作製した。
図1に示す単セル10の構成について以下に説明する。
無荷重での空隙率が95%であり、SUS316を材質として用いた、発泡金属である厚さ0.65mmの金属多孔質体2を電極付き電解質膜1の両側に配し、一方の金属多孔質体2に接するように金属板B5を、他方の金属多孔質体2に接するように金属板A4を配置した。金属多孔質体2の弾性係数は1GPaである。金属多孔質体2は他に焼結金属体や細線を織り込んだ多孔質体を用いることもできる。
金属板Aは、金属多孔質体2と接触し、発電した電流が流れる部分は平滑であり、その板厚は0.15mm、同様に金属板Bの板厚は0.25mmである。さらに金属板Aに接するように凹凸吸収構造体3を配置した。凹凸吸収構造体3は無荷重における空隙率が80%、厚さが200μmであり、弾性係数0.5MPa、降伏応力が1.5MPaの電子伝導性を有するカーボン繊維から形成される。その比抵抗は0.1Ω・cmである。凹凸吸収構造体の片面には板厚0.25mmの金属板Bを配置した。単セルの周囲枠および流体流通路周囲には、流体のリークを防止するバイトン製シール材を配置した。
金属板Aおよび金属板Bの材質は耐食性を考慮してチタンを用いた。またその通電面には黒鉛とカーボンブラックを混合した導電材にPVDF(Poly Vinylidene Di-Fluoride)およびNMP(N-Methyl-2-Pyrrolidone)を添加した溶液をスクリーン印刷し140℃で30分間真空乾燥して得た耐食性膜を被覆した。
図1の単セル10を単位として厚さ方向に繰り返し13回積層し、積層型電池、いわゆるスタック100を形成した。スタック100の構成を図2に示す。単セルの両端部には発電した電流を外部に取り出す端子となる集電板102を配置し、絶縁板を介して端板105をその両側に配置した。端板には構成する単セルにガスおよび冷却水を供給するための燃料ガスポート106,冷却水ポート107,酸化剤ガスポート108を設けた。スタックは両端板間を、表面に絶縁処理を施したボルト104および締付け部材103を用いて固定し、流体のシール特性向上と接触抵抗低減のための締付け圧力1MPaを付与した。本実施例では、凹凸吸収構造セルへ冷却水を流通させることにより、冷却セルとして活用している。また、図1に示す構成を複数積層する際には図1に示す凹凸吸収構造セルの左側に発電セルが配置されるため金属板B5は金属板A4に置き換えてもよい。
本スタックを実施例1とした。
(実施例2)
同様の構成にて、降伏応力を5MPa、弾性係数を5MPaに調整した凹凸吸収構造体を用いて単セルを構成し、その他は実施例1と同様としたスタックを実施例2とした。なお、降伏応力の調整は、今回は凹凸吸収構造体を構成するカーボン繊維の材質をより硬いが脆い材料へ変更することで対応した。また、弾性係数の調整は、同様にカーボン繊維の太さおよび単位体積当たり本数を調整することで対応した。
(実施例3)
同様の構成にて、弾性係数を0.5MPaに調整した凹凸吸収構造体を用いて単セルを構成し、その他は実施例2と同様としたスタックを実施例3とした。
(実施例4)
同様の構成にて、板厚を0.25mmとした金属板Aを用いて、その他は実施例3と同様としたスタックを実施例4とした。
(比較例1)
実施例1で使用した電極付き電解質膜1の両面にガス拡散層(CARBEL−CL、ジャパンゴアテックス社製)を配置し、その両脇に、ガス流路を形成してある樹脂モールドカーボン製のセパレータ7を配置した。セパレータ7の少なくとも一方の端部に冷却セル用の冷却セパレータ8を配置した。図3に示す本構造を13セル積層し、スタックを構成した。スタックの構成は図2と同様であり、両端板間を表面に絶縁処理を施したボルト104および締付け部材103を用いて固定し、流体のシール特性向上と接触抵抗低減のための締付け圧力1MPaを付与した。なお図3に示される構造の端部は積層時の状況を考慮し、セパレータ両面に溝を形成する場合がある。
(比較例2)
実施例1と同様の条件で金属多孔質体2を電極付き電解質膜1の両側に配し、一方の金属多孔質体2に接するように金属板B5を、他方の金属多孔質体2に接するように金属板A4を配置した。この金属板A4に接するように冷却媒体を流すための溝流路が形成された冷却セル用のセパレータを配置した。この構成を単セルとして、13セル積層し、スタックを構成した。スタックの構成は図2と同様であり、両端板間を表面に絶縁処理を施したボルト104および締付け部材103を用いて固定し、流体のシール特性向上と接触抵抗低減のための締付け圧力1MPaを付与した。
実施例1−4,比較例1,2で作製したスタックの構成を表1に示す。
Figure 0005422467
実施例1−4,比較例1,2で作製した各スタックについて、アノードに加湿水素,カソードに加湿空気をガス利用率80%、および40%でそれぞれ供給した。冷却水ラインには冷却水をスタック中央温度部で熱電対が示す温度を70℃とするようにその量を制御して供給した。両極の集電端子に電子負荷器の計測線を接続し、電流密度0.25A/cm2で定電流発電試験を行った。また所定時間後に各セル抵抗を測定した。
50時間後および2000時間後のセル電圧平均値とセル抵抗平均値を表2に示す。
表1より初期平均セル電圧は、比較例1よりも実施例4を除いた実施例1〜3が良好となった。これは実施例1〜3で用いたガス流路としての金属多孔質体が、ガス拡散性および集電性を向上させた結果と考えられる。実施例4の初期平均セル電圧が相対的に低いのは凹凸吸収構造体とそれに隣接する発電セルが0.25mmの相対的に厚く強固な金属板を用いたため、凹凸吸収構造体が有する弾性が金属板で遮られ、発電セル構成部材の厚みむら等で発生する凹凸を十分に吸収することができず、接触抵抗が増加したためと考えられる。これは表1の50時間後のセル抵抗平均値を参照しても、実施例4が最も抵抗値が大きいことから理解される。一方、比較例2は、ガス拡散層を省略し、金属多孔質体を触媒層の両側に直接配置したものであるが、凹凸吸収構造体を有していないため、初期からセル抵抗が高く、それに伴いセル電圧も低い傾向にあった。さらに、面内の接触状態にばらつきがあるため、電流分布の偏りが生じ、電圧低下速度も大きい結果となった。実施例1〜4は比較例2よりも平均セル電圧,平均セル抵抗ともに良い結果が得られており、凹凸吸収構造体の効果を確認することができた。
Figure 0005422467
また、2000時間後のセル電圧では実施例1が0.12V程度の低下がみられ、最も低下幅が大きく観測された。これは実施例1に用いた凹凸吸収構造体の降伏応力が小さいためにスタック締付け圧力により塑性変形が生じ、セル構成部材の厚みむら等で発生する凹凸を、測定時間の経過とともに吸収することが困難となり、抵抗が上昇したためと考えられる。また実施例2ではセル電圧低下は見られるもののセル抵抗値の増加が比較的小さい。これは凹凸吸収構造体の弾性係数が電解質膜と同等程度の材料を用いているため、凹凸吸収構造体がつぶれることによりセル構成部材の厚みむら等で発生する凹凸を吸収すると同時に、電解質膜も押しつぶされる状態になる。電解質膜に局部的な応力がかかるとその一部の膜がつぶれ、膜厚が薄い部分が生じる。薄い部分では、ガスの遮断性が悪化するため極間のガスシール性が低下し、電池性能が低下する。実施例2の抵抗では実施例1ほど上昇していないことから、本状況が生じている裏付けとなる。
表1で得られた結果より実施例3の構成は比較例よりも高性能,長寿命化,低抵抗,抵抗増加抑制に有効であり、他の実施例との構成の相違からセル構成部材の厚みむら等で発生する凹凸を効果的に吸収することで、前記性能向上に寄与していると判断される。
1 電極付き電解質膜
2 金属多孔質体
3 凹凸吸収構造体
4 金属板A
5 金属板B
6 ガス拡散層(GDL)
7 セパレータ
8 冷却セパレータ
100 スタック
101 繰り返し単位セル
102 集電板
103 締付け部材
104 ボルト
105 端板
106 燃料ガスポート
107 冷却水ポート
108 酸化剤ガスポート
109 シール材

Claims (8)

  1. 電解質膜とこれを挟持する一対の電極と、前記電極の両側に配置された一対の金属多孔質体と、少なくとも一方の前記金属多孔質体に接するように配置された金属板Aと、前記金属板Aに接するように配置され、前記金属多孔質体の弾性係数E2よりも小さい弾性係数E1を有する凹凸吸収構造体とを有する発電セルを単セルとし、前記単セルを複数積層した固体高分子形燃料電池。
  2. 請求項1において、前記凹凸吸収構造体の降伏応力Y1は4MPa以上であることを特徴とする固体高分子形燃料電池。
  3. 請求項2において、前記凹凸吸収構造体の弾性係数E1は電解質膜の弾性係数E3よりも小さいことを特徴とする固体高分子形燃料電池。
  4. 請求項2において、前記金属板Aの板厚が0.2mmよりも小さいことを特徴とする固体高分子形燃料電池。
  5. 請求項4において、前記凹凸吸収構造体の無荷重時の空隙率P1は60%よりも大きく、前記金属多孔質体の無荷重時の空隙率P2はP1よりも大きいことを特徴とする固体高分子形燃料電池。
  6. 請求項5において、前記凹凸吸収構造体の厚さ方向の比抵抗が0.2Ω・cmよりも小さいことを特徴とする固体高分子形燃料電池。
  7. 請求項3において、前記電解質膜の厚みに対し、前記凹凸吸収構造体の厚みは3倍以上であることを特徴とする固体高分子形燃料電池。
  8. 請求項3において、前記金属多孔質体がステンレス鋼,チタン,チタン基合金,ニッケル,及び,ニッケル基合金のいずれかから構成されていることを特徴とする固体高分子形燃料電池。
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