JP5729065B2 - 薄膜圧電体デバイス - Google Patents

薄膜圧電体デバイス Download PDF

Info

Publication number
JP5729065B2
JP5729065B2 JP2011064278A JP2011064278A JP5729065B2 JP 5729065 B2 JP5729065 B2 JP 5729065B2 JP 2011064278 A JP2011064278 A JP 2011064278A JP 2011064278 A JP2011064278 A JP 2011064278A JP 5729065 B2 JP5729065 B2 JP 5729065B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
thin film
film piezoelectric
piezoelectric body
electrode
substrate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2011064278A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2012204352A (ja
Inventor
松田 伸也
伸也 松田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Konica Minolta Inc filed Critical Konica Minolta Inc
Priority to JP2011064278A priority Critical patent/JP5729065B2/ja
Publication of JP2012204352A publication Critical patent/JP2012204352A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5729065B2 publication Critical patent/JP5729065B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Description

本発明は、圧電体を用いたアクチュエータやセンサなどの圧電体デバイスに関し、特に、基板上に成膜される薄膜圧電体を用いた薄膜圧電体デバイスに関するものである。
従来から、圧電体をSi基板上に薄膜形成したカンチレバー構造(片持ち梁)の電気機械変換素子が知られている。この膜状の電気機械変換素子は、薄膜の面に沿う伸縮変形を面に垂直な方向の変位に効率よく変換できるため、感度の高い変換機(センサやアクチュエータ)を構成することができる。
一方、片持ち梁構造であるので、梁の先端が拘束されておらず、剛性が低く、外力による変形や捩れなどが生じやすい。そのために、変位膜の両端を固定した両持ち梁構造や周縁を固定したダイヤフラム(横隔膜)構造にすることにより、膜の剛性を高める工夫が提案されている。
膜の剛性が高くなると、発生圧力を大きくすることができて、外部からの力により安定して変形可能となったり、膜の中心部を基板に平行に移動できたり、密閉構造により気体や液体を輸送するポンプに活用できたりする利点を発揮する。
また、液体インクを吐出する複数のチャネルを備え、用紙や布などの記録メディアに対して相対的に移動しながらインクを吐出することにより、二次元の画像を描画するインクジェットプリンタが知られている。このようなプリンタで画像を高速に描画するには、インクチャネルをメディアの幅全体に並べて、一方向に走査するラインヘッド方式が望ましい。
このラインヘッド方式で、ヘッドの低コスト化、高解像度化を図るためには、チャネルをできるだけ小さくして、ヘッドに小型のチャネルを二次元、高密度に配置することが望ましい。チャネルを小型化して高密度に配置する方法として、円形や正方形など等方的な形状のチャネルを千鳥状に配置する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
例えば、図7Bに示すように、従来型の膜型変換器(薄膜圧電体デバイス2D)は、従動膜B1bと駆動膜(薄膜圧電体2D)とが積層された構成であり、駆動膜が外部からの電圧印加により伸縮して、変位しない従動膜との間で曲率が生じて、膜に垂直な方向に変位する。すなわち、アクチュエータを構成する。
反対に、膜に外部から圧力が加わると、曲率が生じて駆動膜に応力が働き、圧電効果により膜に電界が生じる。この電界の振幅、周期、位相を検出することにより圧力センサを構成することができる。
このような圧電体アクチュエータや圧電体センサなどの膜型変換器(薄膜圧電体デバイス)の変換効率を向上するためには、圧電定数を高める必要がある。圧電定数には、素子の分極方向、電界を印加する方向、力を取り出す方向、の組み合わせにより様々な種類が存在する。膜型変換器では、分極方向と電界の印加方向を基板に対して垂直な方向とし、変位を面内方向に取り出す方法が一般的である。つまり、径方向に変位させている。
この場合は、電界の印加方向と変位方向が直交しているため、このときの圧電定数(d31)は、基板に垂直な方向に変位を取り出すもの(縦方向変位の圧電定数d33)と比較して約半分程度となる。圧電定数は、印加される電界と出力される変位の変換係数であるため、この値が小さいと特性(圧電特性)が低くなってしまう。
そのために、圧電定数の大きい滑り変形(例えば、圧電定数d15の変形モード)を用いてアクチュエータやセンサを構築することが模索されており、例えば、圧電セラミック層と内部電極層の積層方向に対して垂直な方向に分極して、滑り効果を発揮する積層圧電セラミックを製造し、この圧電セラミックを用いた圧電式インクジェットプリンタヘッドが既に提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特開平5−229115号公報 特開平3−49957号公報
圧電体デバイスの小型化や高密度化を図るためには、バルク型の圧電体ではなく、積層構成される薄膜型の圧電体(圧電変換膜)を用いることが好ましい。しかしながら、特許文献2に記載された発明では、ブロック状に形成した圧電セラミックを所定の厚みに切断して圧電セラミック薄板を得ているので、始めから薄膜状に積層した薄膜圧電体が有する、小型化、高密度化が可能な特徴を発揮することは困難である。
本発明は、上記問題点に鑑み、デバイスの小型化や高密度化が可能な薄膜圧電体を用い、高い圧電効果を発揮して、高効率で駆動、検出が可能となる薄膜圧電体デバイスを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明は、基板上にペロブスカイト構造の誘電体材料を成膜した薄膜圧電体を備える薄膜圧電体デバイスであって、前記基板下側に所定形状の凹部として形成される圧力室と、前記圧力室を形成する上面となる薄膜状の従動膜と、この従動膜の上に積層され、所定の部位に電極を備える前記薄膜圧電体と、を備え、当該薄膜圧電体の滑り方向の変形を用いて入力信号を変換して出力信号を出力することを特徴としている。
この構成によると、基板に形成する複数の圧力室の上部にそれぞれ薄膜圧電体を成膜するので、圧電体デバイスの小型化や高密度化を図ることが容易にできる。また、圧電効果が高い滑り変形モードを用いるので、高効率で駆動、検出が可能となる薄膜圧電体デバイスを得ることができる。
また本発明は上記構成の薄膜圧電体デバイスにおいて、前記圧力室が円形であり、前記薄膜圧電体がその積層方向に分極され前記円形と同じか小さい外径の円環状であって、前記電極として、前記円環状の薄膜圧電体の外側面と内側面に、それぞれ外側電極と内側電極を設け、この両電極間に電界を印加して、前記薄膜圧電体への電界印加方向を基板面と平行としたことを特徴としている。この構成によると、断面円形の圧力室を複数備えた構成のダイヤフラム型で、高効率で駆動可能となる薄膜圧電体デバイスを得ることができる。
また本発明は上記構成の薄膜圧電体デバイスにおいて、前記圧力室が円形であり、前記薄膜圧電体がその積層方向に分極され前記円形と同じか小さい外径の円板状であって、前記電極として、前記円板状の薄膜圧電体の外側面に外側電極を設け、前記円板状の薄膜圧電体の上面の中央部領域に中央部上電極を設け、この両電極間に電界を印加して、前記薄膜圧電体の外周領域への電界印加方向を基板面と平行としたことを特徴としている。この構成によると、断面円形の圧力室を複数備えた構成のダイヤフラム型で、高効率で駆動可能となる薄膜圧電体デバイスを得ることができる。
また本発明は上記構成の薄膜圧電体デバイスにおいて、前記電極として、さらに、前記薄膜圧電体の下面の中央部領域に中央部下電極を設け、この中央部下電極と前記中央部上電極間に電界を印加して、前記薄膜圧電体の中央部領域への電界印加方向を基板面と垂直としたことを特徴としている。この構成によると、薄膜圧電体の外周領域を変形させたときに、薄膜圧電体の中央部領域も同時に変形させて、この外周領域の変形を補助することで、薄膜圧電体の駆動を効率よく行うことができる。
また本発明は上記構成の薄膜圧電体デバイスにおいて、前記圧力室が矩形であり、前記薄膜圧電体がその積層方向に分極され前記矩形と同じか小さい外形形状を形成し、中央空隙部を有して対向配置される一対の短冊矩形状であって、前記電極として、前記短冊矩形状の薄膜圧電体の外側面と内側面に、それぞれ外側電極と内側電極を設け、この両電極間に電界を印加して、前記薄膜圧電体への電界印加方向を基板面と平行としたことを特徴としている。この構成によると、断面矩形の圧力室を複数備えた構成のダイヤフラム型で、高効率で駆動可能となる薄膜圧電体デバイスを得ることができる。
また本発明は上記構成の薄膜圧電体デバイスにおいて、前記圧力室が矩形であり、前記薄膜圧電体がその積層方向に分極され前記矩形と同じか小さい矩形状であって、前記電極として、前記矩形状の対向する一対の外側面に外側電極を設け、この一対の外側面に挟まれた前記薄膜圧電体の上面の中央部長手領域に中央部上電極を設け、この両電極間に電界を印加して、前記薄膜圧電体の外側領域への電界印加方向を基板面と平行としたことを特徴としている。この構成によると、断面矩形の圧力室を複数備えた構成のダイヤフラム型で、高効率で駆動可能となる薄膜圧電体デバイスを得ることができる。
また本発明は上記構成の薄膜圧電体デバイスにおいて、前記電極として、さらに、前記中央部上電極に対向する前記薄膜圧電体の下面の中央部長手領域に中央部下電極を設け、この中央部下電極と前記中央部上電極間に電界を印加して、前記薄膜圧電体の中央部領域への電界印加方向を基板面と垂直としたことを特徴としている。この構成によると、薄膜圧電体の外側領域を変形させたときに、矩形状の薄膜圧電体の中央部領域も同時に変形させて、この外側領域の変形を補助することで、薄膜圧電体の駆動を効率よく行うことができる。
また本発明は上記構成の薄膜圧電体デバイスにおいて、前記誘電体材料は、PZTに所定量の添加物を配合した多元素の複合酸化物からなることを特徴としている。この構成によると、PZTのAサイトに配置されるPbの一部、または、Bサイトに配置されるZrもしくはTiの一部を所定の添加物と置換することで、所定の圧電特性を発揮する薄膜圧電体を得ることができる。
また本発明は上記構成の薄膜圧電体デバイスにおいて、前記基板がシリコン基板であり、前記添加物がLaで、前記複合酸化物がPLZTであって、前記Laの配合濃度は、前記薄膜が所定の圧電特性を発揮可能な濃度であることを特徴としている。この構成によると、配合するLa濃度を所定の圧電特性を発揮する所定濃度とすることで、所定の圧電特性を発揮する薄膜圧電体を成膜することができ、所定の圧電特性を発揮する薄膜圧電体デバイスを得ることができる。
また本発明は上記構成の薄膜圧電体デバイスにおいて、前記薄膜圧電体の全厚みを3〜5μmとしたことを特徴としている。この構成によると、駆動素子としての必要な変位発生力を発揮可能な薄膜圧電体となって、MEMS用アクチュエータ用の薄膜圧電体デバイスとなる。
本発明によれば、薄膜圧電体を用いて圧電体デバイスの小型化や高密度化を図ると共に、薄膜圧電体の滑り変形(d15モード)を用いているので、高効率な圧電効果を発揮することができる。そのために、高効率で駆動、検出が可能となる薄膜圧電体デバイスを得ることができる。
本発明に係る薄膜圧電体デバイスの構成例を示す平面図である。 図1の薄膜圧電体の断面構造を示す断面図である。 第一実施形態の薄膜圧電体の分極方向と印加する電界方向を説明する断面図である。 第一実施形態の薄膜圧電体への配線構成を説明する断面図である。 第二実施形態の薄膜圧電体の分極方向と印加する電界方向を説明する断面図である。 第二実施形態の薄膜圧電体への配線構成を説明する断面図である 成膜装置の構成を示す概略説明図である。 矩形状の第三実施形態の薄膜圧電体を備える薄膜圧電体デバイスの一例を示す平面図である。 矩形状の第四実施形態の薄膜圧電体を備える薄膜圧電体デバイスの一例を示す平面図である。 従来構成の圧電体をダイヤフラムに応用したときの構成を示す平面図である。 図7AのVIIB−VIIB断面図である。
以下に本発明の実施形態を図面を参照して説明する。また、同一構成部材については同一の符号を用い、詳細な説明は適宜省略する。
本実施形態に係る薄膜圧電体デバイス1について図1および図2を用いて説明する。図1は、基板B1に複数の薄膜圧電体2を備える薄膜圧電体デバイス1の構成例を示す平面図であり、図2は図1のII−II断面を示し、第一実施形態の薄膜圧電体2を備える圧電変換器の断面構造を示す断面図である。この薄膜圧電体デバイス1は、複数の薄膜圧電体2を備える圧電変換器が基板B1の必要な領域に2次元の千鳥状に配置された構成であって、例えば、ダイヤフラム(振動板)として用いるものである。
基板B1は、薄膜圧電体2の形成領域に対応する領域に、厚さ方向の一部が所定形状(例えば、断面円形)で除去された凹部B1aが形成されている。また、この凹部B1aの上部(凹部の底部側)には、薄い板状の層B1bが残っている。また、層B1bの上には薄膜圧電体2が成膜されている。すなわち、薄い板状の層B1bと凹部B1aとで圧力室3を形成し、薄膜圧電体2が駆動膜となり、層B1bが従動膜B1bとなり、圧力室3を介して入力信号を変換して出力信号を出力する圧電変換器を構築する。
また、圧力室3が円形の場合は、例えば、薄膜圧電体2は円環状とされ、この円環状の薄膜圧電体2の外側面と内側面に電極を設ける構成としている。このように、本実施形態においては、円環状の薄膜圧電体2の内側面に内側電極D1を設け、外側面に外側電極D2を設けて、この内側電極D1と外側電極D2間に電界を印加している。すなわち薄膜圧電体2への電界印加方向を基板面と平行としている。
上記の構成であれば、薄膜圧電体2をその積層方向に分極して、この分極方向に対して直交する方向に電界を印加することで、圧電体のd15モードの変形である滑り方向の変位を利用して圧力室3を駆動可能となる。
すなわち、本実施形態に係る薄膜圧電体デバイス1は、基板下側に所定形状の凹部として形成される圧力室3と、圧力室を形成する上面となる薄膜状の従動膜B1bと、この従動膜の上に積層され、所定の部位に電極を備える薄膜圧電体2と、を備え、当該薄膜圧電体2の滑り方向の変形(d15モード)を用いて入力信号を変換して出力信号を出力する構成である。このような構成であれば、基板B1に形成する複数の圧力室3にそれぞれ薄膜圧電体2を備える圧電変換器を配設するので、圧電体デバイスの小型化や高密度化を図ることが容易にできる。また、圧電効果が高い滑り変形(d15モード)を用いるので、高効率で駆動、および、検出が可能となる薄膜圧電体デバイス1を得ることができる。
ここで、基板B1は、例えば、シリコン基板であって、所定厚みの従動膜B1bを残して一定の深さに除去加工されて千鳥配置される複数の圧力室3が形成される。そして、この圧力室3の上に薄膜圧電体2を成膜する。この圧力室3が円形の場合は、薄膜圧電体2がその積層方向に分極され前記円形と同じか小さい外径の円環状とされる。また、円環状の薄膜圧電体2の外側面と内側面に電極を設け、薄膜圧電体2への電界印加方向を基板面と平行としている。このような構成であれば、断面円形の圧力室3を複数備えた構成のダイヤフラム型で、高効率で入力信号を変換して出力信号を出力可能となる薄膜圧電体デバイス1を得ることができる。
従動膜B1bの厚みは、用途や圧電体の特性により異なるが、概ね1〜10μm程度である。この従動膜B1bの上に薄膜圧電体2を成膜する際には、まず、絶縁層L1と中間層L2を形成する。絶縁層L1は、例えば熱酸化膜であって、基板B1(シリコン基板)を酸素雰囲気中で800〜1300℃程度で加熱することにより形成されるSiO膜からなり、その厚みは例えば0.1μm程度である。
中間層L2は、圧電体の結晶成長を補助するSTOなどペロブスカイト構造の絶縁膜である。この中間層L2の上に、薄膜圧電体2を、円形あるいは図示するような円環状(リング状)に形成する。この薄膜圧電体2は、例えばPZTやPLZTであって、その厚みは、用途によって異なるが、例えば、1〜10μm程度であり、アクチュエータでは3〜5μm程度が好ましい。なお、薄膜圧電体2の成膜方法の詳細については後述する。
薄膜圧電体2は、積層方向、つまり、基板面に垂直方向に分極されていて、内側面に内側電極D1を設け、外側面に外側電極D2を設けていて、図示しない配線により、外部電源や制御回路に接続されている。
次に、薄膜圧電体2と薄膜圧電体デバイス1の動作について図3A、図3Bを用いて詳細に説明する。
薄膜圧電体2は、基板面に対して垂直方向に分極されている。すなわち、図3Aの図中に示す分極方向PZ1に分極されている。また、内側電極D1と外側電極D2を介して、薄膜圧電体2は基板面に平行(図中に示す電界印加方向ED1)に電界が印加される。例えば、図3Bに示すように、外部電源4を内側電極D1と外側電極D2に接続して電界が印加されると、薄膜圧電体2は滑り変形(図中の矢印HD1、HD2方向)を起こし、断面が平行四辺形状になる。これにより、薄膜状の従動膜B1bが上下(例えば、矢印FD1方向)に移動する。この従動膜B1bの中央部分は薄膜圧電体2が存在しないので、略平面のまま移動する。
このように、薄膜圧電体デバイス1は、電界を印加して従動膜B1bを上下に移動する圧電体アクチュエータを構成することができる。この際に、薄膜圧電体2の圧電効果が高い滑り変形モード(d15モード)を用いているので、高効率で駆動可能な圧電体アクチュエータとなって好ましい。逆に、外力を印加して電気信号を出力する構成として圧電体センサを構成することができ、この場合には、高効率で検出可能な圧電体センサを構成する。
円環状の中央部分の大きさは、適用する薄膜圧電体デバイス1が求める駆動力や駆動方式により適宜変化させればよく、例えば、所定大きさの平面を保ったまま上下に変位することが求められる場合には、所定大きさとする。また、平面を保つ必要がなく、大きな駆動力が必要な場合には、内側電極D1を形成できるぎりぎり小さな大きさとする。
次に、図4A、図4Bを用いて第二実施形態の薄膜圧電体2Aを備えた薄膜圧電体デバイス1Aについて説明する。
第二実施形態の薄膜圧電体2Aは、円形の圧力室3に対して、その積層方向に分極され前記円形と同じか小さい外径の円板状とされる。また、該円板状の薄膜圧電体2Aの外側面、および、上面の中央部領域に電極を設け、薄膜圧電体2Aの外周領域への電界印加方向を基板面と平行としている。すなわち、薄膜圧電体2Aの外側面に外側電極D2を設け、上面の中央部領域に中央部上電極D1Aを設けて、これらの両電極間に、つまり、図中に示す矢印ED1B方向に電界を印加する。これにより、この薄膜圧電体2Aは基板B1の面と平行な電界方向ED1Bを実現している。
また、薄膜圧電体2Aの下面の中央部領域に下電極を設け、この中央部領域の上電極と下電極間に電界を印加可能な構成としてもよい。すなわち、薄膜圧電体2Aの下面の中央部領域に中央部下電極D1Bを設け、中央部上電極D1Aとの間に電界を印加する構成とし、薄膜圧電体2Aの中央部領域への電界印加方向(図中の矢印ED1C方向)を基板面と垂直とする。
それぞれの電極の極性は図4Bの配線構成に示すように、外側電極D2と中央部下電極D1Bとが同じ極性であり、中央部上電極D1Aがこれらとは逆の極性とされる。
このような配線構成であれば、外側電極D2と中央部上電極D1Aとの間で、基板の面と平行に、すなわち、圧力室3の径方向に電界が印加され、中央部上電極D1Aと中央部下電極D1Bとの間で、基板と垂直な方向に電界が印加される。そのために、電界が印加されると、薄膜圧電体2Aの外周領域は滑り変形を起こし、断面が平行四辺形なる。一方、薄膜圧電体2Aの中央部領域はd31モードの変形を起こし、径方向に変形する。
滑り変形(d15モード)では、薄膜圧電体2Aの左右方向の長さが若干短くなるため、中央部領域を伸び変形(d31モード)させて、上下方向の変位を容易とし、変形量を拡大することができる。すなわち、薄膜圧電体2Aの外周領域を変形させたときに、薄膜圧電体2Aの中央部領域も同時に変形させて、この外周領域の変形を補助することで、薄膜圧電体2Aの駆動を効率よく行うことができる。
上記したように、圧電体の外周領域はd15モードの滑り変形を起こし、中央部領域はd31モードの伸び変形を起こす構成の薄膜圧電体2Aであれば、断面円形の圧力室3を複数備えた構成のダイヤフラム型で、高効率で駆動可能となる薄膜圧電体デバイス1Aを得ることができて好ましい。
上記の薄膜圧電体2、2Aは、スパッタ方式の成膜装置を用いて成膜することができる。例えば、誘電体材料や圧電効果を向上するために添加する不純物などを焼成したターゲットや、基板B1を成膜装置内に設置して、基板B1(例えば、シリコン基板)の上に所定の材質の層を高周波マグネトロンスパッタリング法により成膜する。
このような成膜装置を用いて、基板B1上に所定厚みの薄膜圧電体2、LBを成膜することができる。また、一旦円形の薄膜圧電体を成膜した後で、残したい部分をマスクし、不要な部分をエッチング処理して除去することで、所定形状の、例えば、円環状の薄膜圧電体を形成することができる。また、薄膜圧電体を作成した後、電極となるチタン、白金層を成膜し、同様なマスク、エッチング処理により所望の形状の電極を成形する。
例えば、円環状の薄膜圧電体2は、図5に示す製造プロセスにより製造することができる。以下、この製造プロセスについて説明する。
ステップS1にて、第一シリコン板Baと第二シリコン板Bbとの間に酸化膜L0(例えば、SiO膜)を介装したサンドイッチ構成(所謂SOI構造)の基板B2を準備する。次いで、ステップS2で、基板B2を加熱炉に入れ、1500℃程度に所定時間保持してシリコン基板の表面に第一の応力膜となる熱酸化膜(SiO)L1a、L1bを形成する。
次に、ステップS3で、基板を常温まで冷却し、中間層L2となるSTO(ストロンチウム酸化チタン膜)をスパッタ法で成膜し、ステップS4で、この中間層L2が成膜された基板B2を600℃程度に再加熱し、圧電膜2a(例えば、チタン酸ジルコン酸鉛:PZT)を成膜する。それから、ステップS5で、基板を常温まで冷却し、感光性樹脂材料をスピンコート法で塗布してマスクM1を形成し、このマスクM1を介して露光、エッチングで不要な部分を除去することにより形状を転写する。
次に、ステップS6で、感光性樹脂をマスクとして、反応性イオンエッチング法を用いて圧電膜2aの形状を加工する。すなわち、所望の形状、例えば、円環状のPZT薄膜圧電体2を形成する。それから、ステップS7で、電極となるチタン、白金層Dをスパッタ法で成膜し、ステップS8で、感光性樹脂材料をスピンコート法で塗布し、マスクM2を介して露光、エッチングで不要な部分を除去することにより形状を転写し、ステップS9で、感光性樹脂をマスクとして、反応性イオンエッチング法を用いて不要な部分の電極を除去して、内側電極D1と外側電極D2を形成する。
次に、ステップ10で、基板の裏面に感光性樹脂材料をスピンコート法で塗布してマスクM3を形成し、このマスクM3を介して露光、エッチングで不要な部分を除去することにより形状を転写し、ステップ11で、感光性樹脂をマスクとして、反応性イオンエッチング法を用いて不要な部分のシリコンの除去加工を行い、所定形状の圧力室3が形成された基板B1を備える圧電変換器を形成する。
次に、基板と平行に電極膜や誘電体膜を積層する一般的な薄膜圧電体の層構成と高い圧電効果を発揮するペロブスカイト構造について説明する。
ペロブスカイト構造は、立方晶系の単位格子を有している。また、立方晶の各頂点に配置される金属A(例えば、Pb)、体心に配置される金属B(例えば、TiやZr)、立方晶の各面心に配置される酸素OとからなるABOと称する3元系の結晶構造となっている。ここで、Aサイトに位置するPbよりも一つ価数の大きい元素であるLa(ランタン)で置換することで得られるPLZTという物質は、高い比誘電率と圧電定数を有することが知られている。
このように、圧電体として用いられるPZTに所定濃度の添加物を配合することで、高い圧電特性を発揮するので、本実施形態では、PZTに所定量の添加物を配合した多元素の複合酸化物からなる誘電体材料を基板上に成膜した構成の強誘電体薄膜(薄膜圧電体)を用いることとしている。
また、下引き層の上に成膜する際に、下引き層の結晶性が良好であれば、その上に成膜される膜の結晶性が向上することが知られているので、添加物を所定濃度配合した強誘電体薄膜を成膜する下引き層は、結晶性が良好な層であることが好ましい。
以上、円環状の薄膜圧電体2や円板状の薄膜圧電体2Aを備えた薄膜圧電体デバイスについて説明してきたが、矩形(矩形容器状)の圧力室と、この圧力室に対応した矩形状の薄膜圧電体を用いた薄膜圧電体デバイスでもよい。矩形状の薄膜圧電体、および、この薄膜圧電体を備えた薄膜圧電体デバイスについて以下説明する。
矩形状の薄膜圧電体としては、図6Bに示すように、前述した円環状の薄膜圧電体2をそのまま矩形状としたものに対応する第四実施形態の薄膜圧電体2Cや、図6Aに示すように、空隙部を挟んで対向して設けられる一対の短冊状の第三実施形態の薄膜圧電体2Bを用いることができる。これらの矩形状の薄膜圧電体を備えた薄膜圧電体デバイス1B、1Cは、いずれも二次元の千鳥状に複数の矩形の圧力室を有し、この圧力室の上に矩形状の薄膜圧電体2B、2Cが成膜される。そのために、これらの薄膜圧電体2B、2Cの断面構造は、先に説明した図2と同様な断面構造となる。また、前述した円板状の薄膜圧電体2Aに対応した矩形状の一枚ものであってもよい。
また、円環状に対応した矩形状や対向配置される一対の短冊矩形状であれば、電極は、前述した内側電極D1と外側電極D2に対応した外側面と内側面に、また、短冊矩形状の薄膜圧電体2Bの外側面と内側面に、それぞれ外側電極と内側電極を設けることができ、この両電極間に電界を印加して、前記薄膜圧電体への電界印加方向を基板面と平行とすることができる。
また、一枚ものの矩形状であれば、電極として、矩形状の対向する一対の外側面に外側電極を設け、この一対の外側面に挟まれた薄膜圧電体の上面の中央部長手領域に中央部上電極を設け、この両電極間に電界を印加して、前記薄膜圧電体の外側領域への電界印加方向を基板面と平行とすることができる。
また、円板状の薄膜圧電体2Aと同様に、電極として、さらに、中央部上電極に対向する薄膜圧電体の下面の中央部長手領域に中央部下電極を設け、この中央部下電極と中央部上電極間に電界を印加して、薄膜圧電体の中央部領域への電界印加方向を基板面と垂直として、薄膜圧電体の外側領域を変形させたときに、薄膜圧電体の中央部領域も同時に変形させて、この外側領域の変形を補助することで、薄膜圧電体の駆動を効率よく行うことができる。
このように、圧力室が矩形であり、薄膜圧電体がその積層方向に分極され、矩形の圧力室と同じか小さい外形形状を形成し、例えば、中央空隙部を有して対向配置される一対の短冊矩形状であって、電極として、短冊矩形状の薄膜圧電体の外側面と内側面に、それぞれ外側電極と内側電極を設け、この両電極間に電界を印加して、薄膜圧電体への電界印加方向を基板面と平行とする。
また、圧力室が矩形であり、薄膜圧電体がその積層方向に分極され、矩形の圧力室と同じか小さい矩形状であって、電極として、矩形状の対向する一対の外側面に外側電極を設け、この一対の外側面に挟まれた薄膜圧電体の上面の中央部長手領域に中央部上電極を設け、この両電極間に電界を印加して、薄膜圧電体の外側領域への電界印加方向を基板面と平行とする。
このような構成であれば、矩形(矩形容器状)の圧力室を複数備えた構成のダイヤフラム型で、高効率で駆動可能となる薄膜圧電体デバイスを得ることができて好ましい。
図7Aは、基板面と平行に上下の電極層を設けて、基板面に垂直な方向に電界を印加させる従来構成の薄膜圧電体2Dを備える薄膜圧電体デバイス1Dをダイヤフラム(振動板)に応用したときの構成を示す平面図であり、図7Bは、図7AのVIIB−VIIB断面図である。
この薄膜圧電体デバイス1Dは、前述した薄膜圧電体デバイス1と同様に、基板B1の必要な領域に、2次元の千鳥状に薄膜圧電体2Dを配置している。基板B1において薄膜圧電体2Dの形成領域に対応する領域は、厚さ方向の一部が断面円形で除去された凹部B1aとなっており、基板B1における凹部B1aの上部(凹部B1aの底部側)には、薄い板状の従動膜B1bが残っている。薄膜圧電体2Dに設ける下部電極層D11および上部電極層D12は、図示しない配線により、外部の制御回路と接続されている。
制御回路から、下部電極層D11と上部電極層D12に電気信号を印加することにより、所定の薄膜圧電体2Dのみを駆動することができる。つまり、薄膜圧電体2Dの上下の電極に所定の電界を加えると、薄膜圧電体2Dが左右方向に伸縮し、バイメタルの効果によって薄膜圧電体2Dおよび基板B1の従動膜B1bが上下に湾曲する。したがって、基板B1の凹部B1aにより形成される圧力室3に気体や液体を充填すると、薄膜圧電体デバイス1Dをポンプとして用いることができる。
また、所定の薄膜圧電体2Dの電荷量を下部電極層D11および上部電極層D12を介して検出することにより、薄膜圧電体2Dの変形量を検出することもできる。つまり、音波や超音波により、薄膜圧電体2Dが振動すると、上記と反対の効果によって上下の電極間に電界が発生するため、このときの電界の大きさや検出信号の周波数を検出することにより、薄膜圧電体デバイス1Dをセンサとして用いることもできる。
しかし、この従来構成の薄膜圧電体2Dは、圧電体を用いて基板を変形させる際に、圧電体の分極方向と電界印加方向を共に基板面に垂直に設定する方法であるので、d33モードの変形により副次的に生じる基板面内方向(d31方向)の変形を利用するために効率がよくない。そのために、薄膜圧電体の滑り変形(d15モード)を利用して高効率で駆動可能となる本実施形態に係る薄膜圧電体デバイス1、1A、1B、1Cと比較すると低出力であり低効率である。このd15モードの変形はd33モードの変形と同等か、それより大きいので効率がよい。
すなわち、本実施形態に係る薄膜圧電体デバイス1、1A、1B、1Cを用いると、基板面に垂直な方向に直接変位させる薄膜圧電体の滑り変形(d15モード)を利用するので、変換効率の向上した膜型変換器を得ることができる。
また、変位が大きく取れるので、センサ感度が良好となる。さらに、振動版を平行移動できるため、湾曲変形する従来技術と比較して、検出できる周波数の帯域が広くなる利点を有する。
本実施形態に係る薄膜圧電体デバイス1、1A、1B、1Cに設ける薄膜圧電体2、2A、2B、2Cを製造する際に用いる誘電体材料は、PZTに所定量の添加物を配合した多元素の複合酸化物からなることが好ましい。これは、不純物を添加することで比誘電率、圧電特性を向上させることができるためであって、本実施形態では、添加物としてLa(ランタン)を用いて、PZTにLaを添加した複合酸化物であるPLZT薄膜からなる薄膜圧電体2、2A、2B、2Cとしている。
しかし、Laに限らず、圧電特性を発揮可能なその他の添加物を用いることができる。例えば、PZTにNb、La、Mnなど様々な不純物を添加したもの、PMN−PTなど特性の高いもの、BaTiOなど非鉛系材料のものなどを利用することができる。
すなわち、PZTのAサイトに配置されるPbの一部、または、Bサイトに配置されるZrもしくはTiの一部を所定の添加物と置換することで、所定の圧電特性を発揮する薄膜圧電体を得ることができる。また、AサイトとBサイトの両方に添加物が含まれていてもよい。すなわち、PZTのAサイトに配置されるPbの一部、または、Bサイトに配置されるZrもしくはTiの一部を所定の添加物と置換することで、所定の圧電特性を発揮する薄膜圧電体を得ることができる。
上記したように、本発明によれば、薄膜圧電体を用いているので、圧電体デバイスの小型化や高密度化を図ることができる。また、薄膜の分極方向を膜の厚み方向(基板面と垂直な方向)とし、薄膜圧電体への電界印加方向を基板面と平行として、薄膜圧電体の滑り変形モード(d15モード)を用いて入力信号を変換して出力信号を出力する構成としたので、高効率な圧電効果を発揮する圧電変換器を構築可能となる。そのために、この圧電変換器を複数設置して、高効率で駆動、検出が可能となる薄膜圧電体デバイスを構築することができる。
また、薄膜の分極方向と薄膜圧電体への電界印加方向を直交させて、薄膜圧電体の滑り変形モード(d15モード)を用いて入力信号を変換して出力信号を出力動する構成であればよいので、薄膜圧電体への電界印加方向を基板面と垂直な方向とする場合は、薄膜の分極方向をこの膜面方向(基板面と平行な方向)とした薄膜圧電体を用いるとよい。
すなわち、薄膜圧電体がその積層方向と直交する膜面方向に分極された所定形状(円環状、円板状、矩形状)で、この薄膜圧電体の上面と下面に電極を設けて、電界印加方向を基板面と垂直とすることで、薄膜圧電体の滑り変形モード(d15モード)を用いて入力信号を変換して出力信号を出力することが可能となる。
このように、所定の外形形状の圧力室の上に、この圧力室の外形形状と同じか小さい外形の所定形状の薄膜圧電体を設置し、薄膜圧電体の滑り変形モード(d15モード)を用いて圧力室の天面にあたる従動膜を上下に変位するダイヤフラム型とすることで、高い圧電効果を発揮して、高効率で入力信号を変換して出力信号を出力可能となる薄膜圧電体デバイスを得ることができる。
また、誘電体材料は、PZTに所定量の添加物を配合した多元素の複合酸化物を用いているので、PZTのAサイトに配置されるPbの一部、または、Bサイトに配置されるZrもしくはTiの一部を所定の添加物と置換することで、さらに高効率な圧電特性を発揮する薄膜圧電体を得ることができる。
また、薄膜圧電体の全厚みは3〜5μm程度が好ましい。この厚みであれば、駆動素子としての必要な変位発生力を発揮可能な薄膜圧電体となって、MEMS用アクチュエータ用の薄膜圧電体デバイスとなる。
本発明は、例えばインクジェットヘッド、超音波センサ、赤外線センサ、周波数フィルタなどの種々のデバイスに利用可能であり、特に、小型化、薄型化が要求されるデバイスに利用可能である。
1、1A、1B、1C 薄膜圧電体デバイス
2、2A、2B、2C 薄膜圧電体
3 圧力室
4 外部電源
B1 基板(シリコン基板)
L1 熱酸化膜
D1 内側電極
D1A 中央部上電極
D1B 中央部下電極
D11 下部電極層
D2 外側電極
D12 上部電極層
ED1 電界印加方向
PZ1 分極方向

Claims (9)

  1. 基板上にペロブスカイト構造の誘電体材料を成膜した薄膜圧電体を備える薄膜圧電体デバイスであって、
    前記基板下側に所定形状の凹部として形成される円形の圧力室と、
    前記圧力室を形成する上面となる薄膜状の従動膜と、
    この従動膜の上に積層され、所定の部位に電極を備える前記薄膜圧電体と、
    を備え、
    前記薄膜圧電体は、その積層方向に分極され前記円形と同じか小さい外径の円環状であって、
    前記電極として、前記円環状の薄膜圧電体の外側面と内側面に、それぞれ外側電極と内側電極を設け、この両電極間に電界を印加したときの前記薄膜圧電体への電界印加方向は基板面と平行であり、
    前記薄膜圧電体の滑り方向の変形を用いて入力信号を変換して出力信号を出力することを特徴とする薄膜圧電体デバイス。
  2. 基板上にペロブスカイト構造の誘電体材料を成膜した薄膜圧電体を備える薄膜圧電体デバイスであって、
    前記基板下側に所定形状の凹部として形成される円形の圧力室と、
    前記圧力室を形成する上面となる薄膜状の従動膜と、
    この従動膜の上に積層され、所定の部位に電極を備える前記薄膜圧電体と、
    を備え、
    前記薄膜圧電体がその積層方向に分極され前記円形と同じか小さい外径の円板状であって、
    前記電極として、前記円板状の薄膜圧電体の外側面に外側電極を設け、前記円板状の薄膜圧電体の上面の中央部領域に中央部上電極を設け、この両電極間に電界を印加したときの前記薄膜圧電体の外周領域への電界印加方向基板面と平行であり、
    前記薄膜圧電体の滑り方向の変形を用いて入力信号を変換して出力信号を出力することを特徴とする薄膜圧電体デバイス。
  3. 前記電極として、さらに、前記薄膜圧電体の下面の中央部領域に中央部下電極を設け、この中央部下電極と前記中央部上電極間に電界を印加して、前記薄膜圧電体の中央部領域への電界印加方向を基板面と垂直としたことを特徴とする請求項に記載の薄膜圧電体デバイス。
  4. 基板上にペロブスカイト構造の誘電体材料を成膜した薄膜圧電体を備える薄膜圧電体デバイスであって、
    前記基板下側に所定形状の凹部として形成される矩形の圧力室と、
    前記圧力室を形成する上面となる薄膜状の従動膜と、
    この従動膜の上に積層され、所定の部位に電極を備える前記薄膜圧電体と、
    を備え、
    前記薄膜圧電体がその積層方向に分極され前記矩形と同じか小さい外形形状を形成し、中央空隙部を有して対向配置される一対の短冊矩形状であって、
    前記電極として、前記短冊矩形状の薄膜圧電体の外側面と内側面に、それぞれ外側電極と内側電極を設け、この両電極間に電界を印加したときの前記薄膜圧電体への電界印加方向基板面と平行であり、
    前記薄膜圧電体の滑り方向の変形を用いて入力信号を変換して出力信号を出力することを特徴とする薄膜圧電体デバイス。
  5. 基板上にペロブスカイト構造の誘電体材料を成膜した薄膜圧電体を備える薄膜圧電体デバイスであって、
    前記基板下側に所定形状の凹部として形成される矩形の圧力室と、
    前記圧力室を形成する上面となる薄膜状の従動膜と、
    この従動膜の上に積層され、所定の部位に電極を備える前記薄膜圧電体と、
    を備え、
    前記薄膜圧電体がその積層方向に分極され前記矩形と同じか小さい矩形状であって、
    前記電極として、前記矩形状の対向する一対の外側面に外側電極を設け、この一対の外側面に挟まれた前記薄膜圧電体の上面の中央部長手領域に中央部上電極を設け、この両電極間に電界を印加したときの前記薄膜圧電体の外側領域への電界印加方向基板面と平行であり、
    前記薄膜圧電体の滑り方向の変形を用いて入力信号を変換して出力信号を出力することを特徴とする薄膜圧電体デバイス。
  6. 前記電極として、さらに、前記中央部上電極に対向する前記薄膜圧電体の下面の中央部長手領域に中央部下電極を設け、この中央部下電極と前記中央部上電極間に電界を印加して、前記薄膜圧電体の中央部領域への電界印加方向を基板面と垂直としたことを特徴とする請求項に記載の薄膜圧電体デバイス。
  7. 前記誘電体材料は、PZTに所定量の添加物を配合した多元素の複合酸化物からなることを特徴とする請求項1からのいずれかに記載の薄膜圧電体デバイス。
  8. 前記基板がシリコン基板であり、前記添加物がLaで、前記複合酸化物がPLZTであって、前記Laの配合濃度は、前記薄膜が所定の圧電特性を発揮可能な濃度であることを特徴とする請求項に記載の薄膜圧電体デバイス。
  9. 前記薄膜圧電体の全厚みを3〜5μmとしたことを特徴とする請求項1からのいずれかに記載の薄膜圧電体デバイス。
JP2011064278A 2011-03-23 2011-03-23 薄膜圧電体デバイス Active JP5729065B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011064278A JP5729065B2 (ja) 2011-03-23 2011-03-23 薄膜圧電体デバイス

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011064278A JP5729065B2 (ja) 2011-03-23 2011-03-23 薄膜圧電体デバイス

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2012204352A JP2012204352A (ja) 2012-10-22
JP5729065B2 true JP5729065B2 (ja) 2015-06-03

Family

ID=47185088

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2011064278A Active JP5729065B2 (ja) 2011-03-23 2011-03-23 薄膜圧電体デバイス

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5729065B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8851637B2 (en) * 2013-02-28 2014-10-07 Fujifilm Corporation Passivation of ring electrodes
CN103896203B (zh) * 2014-03-24 2016-05-11 苏州宏态环保科技有限公司 一种mems红外光源及其制备方法
IT201700010342A1 (it) * 2017-01-31 2018-07-31 St Microelectronics Srl Dispositivo mems includente un attuatore piezoelettrico con un volume ridotto
JP2023042043A (ja) * 2021-09-14 2023-03-27 日清紡ホールディングス株式会社 圧電体デバイス

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2721127B2 (ja) * 1994-03-03 1998-03-04 富士通株式会社 インクジェットヘッド
JP3767131B2 (ja) * 1997-11-11 2006-04-19 ブラザー工業株式会社 インクジェットヘッド
JP4042442B2 (ja) * 2001-03-29 2008-02-06 ブラザー工業株式会社 圧電トランスデューサおよび液滴噴射装置
JP4207228B2 (ja) * 2005-09-29 2009-01-14 ブラザー工業株式会社 インクジェットプリンタ
JP3122888U (ja) * 2006-03-31 2006-06-29 独立行政法人産業技術総合研究所 シェアモードアクチュエータ
JP2008258516A (ja) * 2007-04-09 2008-10-23 Funai Electric Co Ltd 圧電素子及び結晶質セラミックスの成膜方法
JP5532617B2 (ja) * 2009-01-30 2014-06-25 株式会社村田製作所 圧電アクチュエータ
JP2010221420A (ja) * 2009-03-19 2010-10-07 Fujifilm Corp 圧電アクチュエータ、圧電アクチュエータの製造方法、液体吐出ヘッド、液体吐出ヘッドの製造方法及び画像形成装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2012204352A (ja) 2012-10-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Uchino The development of piezoelectric materials and the new perspective
EP3036779B1 (en) Multi-layered thin film piezoelectric devices & methods of making the same
US7874649B2 (en) Piezoelectric element, ink jet head and producing method for piezoelectric element
EP2571156B1 (en) Electromechanical conversion element
JP2000332313A (ja) 薄膜圧電型バイモルフ素子及びその応用
KR20030085538A (ko) 압전소자, 잉크젯헤드, 각속도센서 및 이들의 제조방법,그리고 잉크젯방식 기록장치
JP5311775B2 (ja) 圧電体素子、インクジェットヘッド及び圧電体素子の製造方法
WO2014021440A1 (en) Piezoelectric device, piezoelectric actuator, hard disk drive, ink jet printer apparatus, and piezoelectric sensor
JP5729065B2 (ja) 薄膜圧電体デバイス
JP2014107563A (ja) 圧電素子、圧電アクチュエータ、及び圧電センサ、並びにハードディスクドライブ、及びインクジェットプリンタ装置
US11529649B2 (en) Piezoelectric film, piezoelectric module, and method of manufacturing piezoelectric film
JP2017157691A (ja) 圧電デバイス、memsデバイス、液体噴射ヘッド及び液体噴射装置
JP5728890B2 (ja) 圧電素子およびその製造方法
JP2013102024A (ja) 圧電素子およびその製造方法
JP5435798B2 (ja) 乱流制御装置及び乱流制御用アクチュエータの製造方法
JP5861404B2 (ja) 圧電素子およびその製造方法
Hishinuma et al. Recent progress on development of sputtered PZT film at FUJIFILM
JP2009170631A (ja) 圧電素子とその製造方法およびこれを用いた圧電応用デバイス
JPWO2014024695A1 (ja) 圧電素子、圧電デバイス、インクジェットヘッドおよびインクジェットプリンタ
US20240114797A1 (en) Piezoelectric element and actuator
JP2004221550A (ja) 圧電体積層構造体
Tanaka et al. MEMS Using Epitaxial PZT Family
JP2005252130A (ja) 機能性薄膜の製造方法およびそれを用いた機能素子
US20240114801A1 (en) Piezoelectric element and actuator
US20240114793A1 (en) Piezoelectric element and actuator

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20130924

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20141016

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20141028

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20141224

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20141224

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20150310

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20150323

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5729065

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150