JP5727370B2 - 6−置換エストラジオール誘導体および使用方法 - Google Patents

6−置換エストラジオール誘導体および使用方法 Download PDF

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Description

関連出願のクロスリファレンス
本出願は2008年6月4日に出願された米国特許出願第12/132,857号の利益を主張する。米国特許出願第12/132,857号は、2007年11月29日に出願された係属中の米国特許出願第11/947,645号の一部継続出願であり、それは2006年11月30日に出願された米国仮出願第60/867,980号の利益を主張している。米国特許出願第11/947,645号は、2006年10月2日に出願された係属中の米国特許出願第11/541,987号の一部継続出願であり、これは、2005年9月30日に出願された米国仮出願第60/722,204号の優先権を主張する。以上の出願の教示はすべて全体として本出願に組み込まれている。
発明の分野
本発明は、これには限定されないが6−アルコキシアルキルエストラジオール化合物を含む6−置換エストラジオール化合物の使用、製造の方法および組成物に関する。特に本発明は、ここに明記され説明される、(RもしくはS)−6−ヒドロキシメチル、(RもしくはS)−6−メチロキシメチル−、(RもしくはS)−6−メチロキシアミン、または、(8RもしくはS,9S,13RまたはS,14S,17RもしくはS)−13−メチル−7,8,9,11,12,14,15,16,17−デセヒドロシクロペンタ[a]フェナントレン−3,17ジオールの6−アミノアルキル誘導体および、それらの製薬上許容されうる塩、またはそれらのプロドラッグに関する。本発明はインビトロとインビボの両方で癌のような増殖状態の診断と治療の両方を可能にするそれらの化合物を含む医薬組成物に関連している。
発明の分野
特に腫瘍や初期の悪性腫瘍(ここでは癌)のような増殖細胞疾患は周囲の細胞を侵し体内の遠位組織に転移することで問題を起こす。現時点で、新生物の治療、特に新生物の固形癌形成の治療は外科手術、放射線治療、投薬治療、また前述治療の組み合わせでしばしば行われている。
米国では毎年100万以上の癌検診で、50万以上の癌患者が見つかっている。そこでそのような状況に対して新たな治療法の需要が増加している。男性では前立腺癌、肺癌、結腸癌がもっとも多い癌であり、一方、女性では乳癌、結腸癌、肺癌がもっとも多い癌である。
近年、これらの症状の管理において重要な進展が見られている。癌治療における少なくともひとつの成功例として、初期乳癌の早期診断や治療選択肢が現在では利用可能である。他の一つは、受容体部位または合成点のいずれかでエストロゲンの作用を妨害する効果的なかつ無毒な抗エストロゲン剤の使用である。
明らかに、エストロゲン受容体の機能および作用、構造およびそれらの機能における研究が多くの最近の調査の対象であった。エストロゲン受容体は、構造的に関連するリガンド誘導の(ligand−inducible)転写因子の大きなファミリーに属し、それらは、ステロイド受容体、甲状腺/レチノイド受容体、不明な受容体として知られるビタミンD受容体を含む。不明な受容体の真のリガンドは解明されていないが、そのような受容体に結合し細胞反応を引き起こし得る、区別できる小さい分子が存在する。
エストロゲンおよびエストロゲン受容体モジュレータはエストロゲン受容体に結合し、以下の二種類に分類される;αおよびβ、狙いとする遺伝子発現のモジュレートにより多面的な組織特異性の効果を発現する個別の分子錯体を形成する。リガンド結合エストロゲン受容体は、様々な分子経路において重要な転写因子として働き、ER表現量のモジュレーションは細胞増殖の潜在力を決定するのに重要である。
これらの種類の受容体は双方が、他のアゴニストおよびアンタゴニストと同様にエストロゲンに結合する一方で、二つの受容体は、体内で際立って異なる局在化濃度を有している。αおよびβ型のいくらかの構造的な相違を別にしても、エストロゲンとの錯体となると、二者は、エストロゲンによりエストロゲン受容体α(ERa)の存在下での転写の活性化、および、エストロゲン受容体β(ERβ)の存在下での転写の阻害、という反対方向のシグナルを示す。
タモキシフェンは第一にエストロゲン受容体モジュレータの一つであり、乳癌の初期のホルモン治療療法で施される。また転移性疾患の補助治療や療法のためにも施される。タモキシフェンは、DNAのエストロゲン結合部位へのエストロゲン結合を阻害する、エストロゲン受容体へのエストロジオール結合に対する拮抗阻害剤である。エストロゲン受容体へのタモキシフェンの結合は、エストロゲン受容体の構造的配置を大幅に変化させ、結合部位を内因性エストロゲンに対して機能不全にするとの説が提唱されてきた。このような受容体の構造的変形は、タモキシフェン使用に伴う深刻な副作用プロフィールを説明し得る。
少なくともタモキシフェンの他の問題点は、非エストロゲン依存性の腫瘍に対して効果がないことおよび閉経期前の女性における効果が低いことである。加えて、タモキシフェンは、生理学的条件によっては、治療上有用な抗エストロゲン化合物からエストロゲン依存性腫瘍細胞の増殖を誘発し得るエストロゲン異性体へ異性化し、特にエストロゲン依存性腫瘍によって苦しむ患者の間に望ましくない臨床上の結果をもたらす。
米国特許第4,732,904号明細書は、ヒドラゾン化合物として従来公知の他の種類のエストロゲン受容体アンタゴニストを開示している。これらの抗エストロゲンヒドラゾン化合物は生理学的条件によってエストロゲン物質への異性化が起こらず、タモキシフェンについて観察されるエストロゲンの副作用はないと考えられる。これらヒドラゾン化合物エストロゲン依存性乳癌の代替療法として提案されてきた。これらのうち、4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン−2,4−ジニトロフェニル、ヒドラゾン等の置換ベンゾフェノンニトロフェニルヒドラゾンは特に優れていることが記載されている。
受容体およびヒドラゾン系化合物またはタモキシフェン等の抗エストロゲンの錯体(complex)は、核クロマチンに通常のホルモン受容体錯体よりも非定型で長時間結合し得る。抗エストロゲンは自由な受容体の細胞質を枯渇させ得る。これらの効果の双方または一方は、エストロゲン依存性腫瘍の連続的な増殖を大幅に弱めることができる。
さらに、乳癌のようなホルモン応答性疾患に本質的に寄与する局部的なエストロゲンの増加を特に妨げるアロマターゼ阻害剤の使用に対する関心も増加している。アロマターゼ(CYP19)は更年期前や更年期女性のアンドロゲンをエストロゲンへ変換する基本的な酵素であると言われている。アロマターゼ阻害によるエストロゲン欠乏はホルモン依存性乳癌である更年期患者の効果的で選択的な治療であると言われている。
エキセメスタン(アロマシンとして市販されている、6−メチレンアンドロスタ−1,4−ジエン−3,17−ジオン)は不可逆なステロイドアロマターゼ不活性剤として作用する。これはアロマターゼ酵素の偽基質として作用すると考えられており、不活性の原因として酵素の活性部位に不可逆に結合する中間体へとプロセシングを受ける。米国特許第4,808,616号および第4,904,650(これらの教示は全体として本出願に組み込まれる)はエキセメスタンのような6−アルキリデンアンドロスタ−1,4−ジエン−3,17−ジオン誘導体およびその製造方法について開示している。米国特許第4,876,045号はアンドロスタ−1,4−ジエン−3,17−ジオンの6−メチレン誘導体の合成法を開示している。米国特許第4,990,635はアンドロスタ−1,4−ジエン−3,17−ジオンの6−メチレン誘導体の合成法を開示している。
エキセメスタンの調製に有用でありうる中間体の合成法は、米国特許第3,274,176号に開示されている。ドイツ国特許第DD258820号にはアンドロスタ−1,4−ジエン−3,17−ジオンから1,3−ジピロリジノアンドロスタ−3,5−ジエン−17−オンを経る6−ヒドロキシメチル−アンドロスタ−1,4−ジエン−3,17−ジオンの合成法が示されている。
同時に継続する2005年1月14日に出願された国際出願第PCT/US2005/001248号(PCT公開第WO2005/070951号)にはエキセメスタンの調製に有用な中間体の合成法が示されており、この出願は参照により本出願に全体が組み込まれる。エキセメスタンの構造を以下に示す。
SchneiderらはHelvetica Chimica Acta (1973),56(7),2396−2404の“Course of the reaction of steroidal 3,5−dienamines with formadehyde”に次の化合物を示している:
式中、符号:
が二重結合を示すとき、ケト基が存在し、Rは存在しないことを意味し、符号:
が単結合を示すとき、Rは水素である(すなわち、アルコール基)。本発明の化合物とは異なり、Schneiderの化合物にはエストロジオール、テストストロン、ジヒドロテストストロン変異体は含まれていない。
エストランの3つのヒドロキシ置換誘導体は米国特許第3,377,363号にTadanierらにより開示されているが、本発明の化合物の芳香環上の3−ヒドロキシ置換基は開示されていない。
米国特許第5,914,324号にDe Funariらは高血圧や心不全治療薬として6−ヒドロキシおよびオキシアンドロスタンを開示している。米国特許第6,384,250号にGobbiniらは(E,Z)−3−(2−アミノエトキシイミノ)−アンドロスタン−6,17−ジオンの合成において6位のヒドロキシ置換基とケトン置換基を開示している。これらの化合物は心不全治療薬として用いられた。6位にアルキルヒドロキシル置換基を有する置換体の効果は示されていない。
TanenbaumらはProc.Natl.Acad.Sci.USA,Biochemistry,Vol.95,pp5998−6003の“Crystallographic comparison of the estrogen and progestone receptor’s ligand binding domains”においてER受容体のメカニズムを開示し、3−ヒドロキシ置換した芳香環を含むエストラジオールはERリガンド結合領域との結合が良好であることを記載している。19メチル置換基のない平面芳香族基が望ましいことも開示されている。
D’Amatoの米国特許第5,892,069号は、エストラジオール誘導体が細胞有糸分裂の間にチューブリン重合を阻害すると記載している。上記のように、癌を治療するための新規で効果的な薬剤を発見する必要性がいまだ存在している。
この技術分野における他の関心時は、いくつかのエストロゲン依存性癌、例えば乳癌、がエストロゲン非依存性型に最終的に変換されることである。これは、腫瘍細胞の分化の自然損失により説明され得る。エストロゲン依存性癌細胞はしばしば、エストロゲン結合タンパク受容体を生成する能力を最終的に損ない、より悪性のエストロゲン非依存性の生命を脅かす癌に悪化することが観察されてきた。実際、エストロゲン依存性腫瘍を治療するための抗エストロゲンの使用は、エストロゲン非依存性腫瘍細胞のクローンを選択することにつながり、したがって、エストロゲン依存性癌の非エストロゲン依存性癌への変換を促進する恐れがある。
肺および結腸等の他の臓器の癌はエストロゲン結合タンパク受容体に関連はないと考えられ、細胞複製はエストロゲンと独立していると考えられる。このようなエストロゲン非依存性腫瘍は、タモキシフェン、アロマターゼ阻害剤等の薬剤の抗エストロゲン特性には敏感ではない。したがって、他の化学療法の薬剤がそのような腫瘍を治療するために使用されなければならない。多数の化合物がエストロゲン非依存性腫瘍の段階を変化させるのに効果的であることが報告されてきた。
これらの化合物は多数の文献を参照でき、典型的には、患者に実質的な副作用を引き起こす、化学療法の治療計画と組み合わせて投与される。一般的な細胞毒性薬化学療法を使用する際の原理は、悪性腫瘍細胞は正常体細胞よりも速い速度で複製されるとの観察に基づいており、したがって、それに対応してこれらの化合物により敏感である。同様に、急速に増殖する正常組織(例えば骨髄および腸上皮)は、これら有効な細胞毒性薬にさらされると、実質的な損傷を被るため、そのような毒性はしばしば有用性を制限することになる。
一方、小さい増殖分画で緩やかに増殖する腫瘍、例えば結腸または肺の細胞癌(carcinomas)、はしばしば細胞毒性薬に反応しない。エストロゲン依存性およびエストロゲン非依存性腫瘍の治療は別にしても、多数の細胞毒性薬は、現状では、非癌性のまたは非悪性の過剰増殖性条件を含む、急速に増殖する細胞を伴う他の増殖性疾患に使用されている。
特に免疫抑制患者の間で、AIDS、ヘルペス、多種の肝炎、細菌感染症等のウイルス性疾患の効果的な治療管理の重要性が増しており、好ましい副作用プロフィールの代替治療方法が求められている。
したがって、エストロゲン依存性およびエストロゲン非依存性腫瘍を、虚弱な患者の生活の質を損なう恐れのある全身毒性を、最小のリスクで、共に治療し得る新規な向上された癌化学治療法の必要性のみならず、エストラジオール誘導体の効果的な投与から利益を得ることのできる非癌性の過剰増殖性条件を狙いとする治療上の救済の必要性がある。過剰増殖性の細胞は、正常で急速に増殖する細胞または異常細胞であり得、急速に増殖する内因性細胞、もしくはそれらの異常亜種を有する組織、または患者にとって一般的に外因性の他の組織を含み得る。
従来技術の教示はいずれも、これらの種類の条件で使用される、望ましい副作用プロフィールを有する治療用エストラジオール誘導体を提供していない。
発明の概要
上記のように、本発明は化学療法の化合物、組成物並びにそれらの使用および製造方法に関し、それにより、上述した内容を含む従来技術の様々な問題点を解消する。したがって、本発明の一つの目的は、より良好な患者の許容量(torelance)、予後およびコンプライアンスをもたらす、エストロゲン依存性条件および腫瘍の治療に有用な化合物を提供することである。
本発明の他の目的は、化合物および、患者に現在入手可能なものよりも実質的に副作用の少ない化合物でエストロゲン非依存性腫瘍を治療する方法を提供することである。
さらに本発明の他の目的は、化合物、並びに、ウイルスおよび細菌感染症を含む、過剰増殖性条件に苦しむ組織の代替の治療の方式を提供することである。
本発明は、式I〜XXで表わされる以下の化合物群のいずれか1種を含む。本発明の一態様は、式(I)および(II)の化合物に関する。
、R、R、R、R、R、R、RおよびRは独立して、水素、C〜Cアルキルもしくは置換アルキル、ハロゲン、硫酸塩、またはグルクロニド部分からなる群から選択される;
記号
は単結合または二重結合を表わす、ただし、前記記号
が二重結合であり3位または17位にケト基を形成するときは、RまたはRはそれぞれ存在しないものとする;
記号
は10位に結合が存在するかまたは存在しないことを表し;
記号
は立体化学に関わらず任意の種類の結合を表わす。前記化合物は、それらの、エナンチオマー、他の立体化学的異性体、水和物、溶媒和物、互変異性体および製薬上許容され得る塩を含む。
本発明は、対象哺乳類(例えばヒトの患者)の癌を治療する治療方法に関する。本発明のこの態様においては、対象哺乳類の腫瘍または癌細胞増殖を阻害する方法が提供される。この方法では、細胞はここに示される、式(I)もしくは(II)の化合物、もしくは製薬上許容され得る、エナンチオマー、他の立体化学的異性体、水和物、溶媒和物、互変異性体、またはそれらの塩に曝すか接触させる。具体的に、本発明の方法の制限のない実施形態では、本明細書に記載されるように、式(I)または(II)の化合物を識別された癌状態の治療のために用いる。本発明の方法の別の具体的な制限のない実施形態では、本明細書に記載されるように、式(I)または(II)の化合物を含む組成物を、識別された癌状態の治療のために用いる。
本発明の他の態様では、式(III)および(VIII)を有する化合物が説明される。本発明のこの態様では、発明者は癌細胞の増殖を阻害する方法を記載するが、この方法は、患者に式(III)のプロドラッグを提供すること、ここで、Rはメチルまたは水素であり;
、並びに、式(IV)、(V)、(VI)、(VII)および(VIII)を有する代謝産物を形成すること、ここで、それらに対応する式IIのR、R、R、R、Rのいずれかはメチルまたは水素であり得る、を含む。そのような代謝産物は、例えば以下に示される構造を含み得る:
本発明の他の態様は、式(I)〜(VIII)の化合物のアミン誘導体に関する。少なくとも本発明のこの態様では、アミン部分は、物理的および臨床上の特性を改善するため、分子コアの適切な位置に配置される。式(IX)は本発明のための一般的なコア構造を表わす。式(IX)は、下記構造を有する化合物:
式中、R、R、RおよびRは上記説明と同様であり;
11はH、C〜Cアルキル、置換アルキル、ハロゲン、ハロゲン化アルキル、硫酸塩、グルコロニド、−SONH、−COOH、−CN、−CHCN−、−NHCN−、−CHO、=CHOCH、−COO塩、−OSOアルキル、−NH、および−NHCO(CHからなる群から選択され;
12は、H、C〜Cアルキル、置換アルキル、硫酸塩グルコロニド、嵩高い基、フェニルもしくは置換フェニル基、シクロもしくはヘテロシクロ基からなる群から選択され、Xは以下からなる群から選択される:C〜Cアルキル、置換アルキル、ハロゲン、ハロゲン化アルキル、グルコロニド、−NH、−SONH、−COOH、−CN、−CHCN、−NHCN、−CHO、−COO塩、−OSOアルキル、−SH、−SCH−CH(CHCOOCH、−(CH−O−CH、(CH−S−CH、−CHOH、−(CH−O−NH,−(CH−S−NH、−NH(CHCH、NH(CHOCH、−NH(CHCHOH−COOH、−N(CH、−(CH(NH)CHOH、−NHCOOH、−(CHNHCOOH、−NO、−SCN、−S0アルキル、−B(OH)、−(CHN(CH)−SO−NH、−(CHNH−SO−NH、−NHC(=S)CH、および−NHNH;式中、nは整数であり0〜7の間のいずれの数でもよく、記号
は3位または17位にケト基を形成し得る単結合または二重結合いずれかを表わし;記号
は立体化学に関わらず任意の種類の結合を表わし;並びに、前記化合物の各エナンチオマー、立体化学的異性体、水和物、溶媒和物、互変異性体および製薬上許容され得る塩、として表わされる。
本発明の他の態様は、式(X)〜(XVI)で表わされる以下の化合物の製造および使用に関する:
本発明のこの態様では、本発明の化合物は、薬剤、プロドラッグまたはなお活性な代謝産物の形態で対象哺乳類に投与することを考慮してもよい。しかしながら、このような化合物は、ナノ粒子、リポソームもしくは重合性マトリックスシステム、または適当な標的薬剤を介して、固体塊に直接搬送しうるか対象組織を標的とする他のデリバリーシステムに組み込まれたときに最も効果的であることが予想される。
少なくとも本発明の他の態様は、患者に投与した後、治療の効力を発揮させるためにインビボでの特定の活性化合物に変換し得る適当な類似物質を変換させるデリバリーシステムに関連する。
本発明の化合物は、ホルモンおよび/またはエストロゲン関連活性に直接または間接に影響され得る任意の腫瘍を治療することに使用され得る。それら腫瘍には、これらに限定はされないが、乳房、膵臓、肺、結腸、前立腺、卵巣の癌に伴う固形癌、同様に、脳、肝臓、脾臓、腎臓、リンパ節、小腸、血液細胞、骨、胃、子宮内膜、精巣、卵巣、中枢神経、肌、頭、首、食道または骨髄癌、さらに、白血病、急性前骨髄球性白血病、リンパ腫、多発性骨髄腫、骨髄異形成、骨髄増殖性疾患または不応性貧血等の血液癌が同様に含まれる。
本発明の化合物は、対象哺乳類に対し組み合わせに基づく癌治療に用いられてもよい。このような方法は、式(I)、(II)、(X)または(XI)の化合物を、化学療法、放射線治療、遺伝子治療、ホルモン治療および他の公知の癌治療等の補助的な癌治療法と組み合わせて投与することを含む。
本発明のいずれの化合物も、薬剤、プロドラッグまたはなお活性な代謝産物の形態で対象哺乳類に投与することを考慮してもよい。本発明の治療方法では、「投与(administering)」の語は、具体的に開示された化合物、または、具体的に開示されていないが、患者に投与された後インビボで具体的な化合物に変換され治療効果を示す化合物、と共に記載される多様な状態の治療を包含するものである。
本発明の他の目的、特徴、効果および優位点は、この概要および以下の実施形態の説明から明らかとなり、多様な化学療法の化合物、方法および/または実施方法の知識を有する当業者には、容易に明らかとなるであろう。
図1はエストラジオールの生合成経路を示す。 図2は本発明の化合物の予想代謝経路を示す。 図3はルシフェラーゼ発現(RLU=相対照度単位)で測定されたエストロゲン受容体ベータ(ER−β)活性におけるNDC−1011、NDC−1022、NDC−1033、NDC−1044、NDC−1055,NDC−1066の効果を示す。2つのプラスミド構造はCV−1細胞に導入され、受容体はERE−tk−ルシフェラーゼとCMV−ER−β構造を構成する。導入された対照(Ctrl)CV−I細胞は未処理で、一方、処理済みのエストラジオール(E2)は10−9M(1nM)でのみ加えられた。NDCの場合はそれぞれの化合物は10−8M(10nM)(それぞれの試験化合物で左柱に)または10−8M(10nM)に10−9Mのエストラジオール(E2)を加えたもの(それぞれの試験化合物で右柱に)として示す。 図4はエストロゲン受容体アルファ(ER−α)上でのNDC−1011、NDC−1033、NDC−1055、NDC−1066の効果をルシフェラーゼ発現(RLU=相対照度単位)で測定した効果を示す。2つのプラスミド構造はCV−1細胞に導入され、受容体はERE−tk−ルシフェラーゼとCMV−ER−α構造を構成する。導入された対照(Ctrl)CV−I細胞は未処理で、一方、処理済みのエストラジオール(E2)は10−9M(1nM)でのみ加えられた。NDCの場合はそれぞれの化合物は10−8M(10nM)(それぞれの試験化合物で左柱に)または10−8M(10nM)に10−9Mのエストラジオール(E2)を加えたもの(それぞれの試験化合物で右柱に)として示す。 図5はそれぞれの細胞株HT−29、SK−OV−3、NCl−H23、MCF−7、MDA−MB−231、OVCAR−3、CAPAN−1、CAPAN−2、SH−SY5Y、A−549、PC−3で決定したNDC−1022(左欄)、NDC−1033(中欄)、NDC−1044(右欄)のIC50成長阻害データ(μM)を示す。 図6はそれぞれの細胞株HT−29、SK−OV−3、NCl−H23、MCF−7、MDA−MB−231、OVCAR−3、CAPAN−1、CAPAN−2、SH−SY−5Y、A−549、PC−3で決定したNDC−1022、NDC−1033、NDC−1044のIC50成長阻害データ(μM)を数値で示す。 図7は各細胞株HT−29、SK−OV−3、NCI−H23、MCF−7、MDA−MB−231、OVCAR−3、CAPAN−I、CAPAN−2、SH−SY5Y、A−549、PC−3、U−87−MGおよびU−118−MGで決定した化合物1(NDC−1022)、化合物2(NDC−1165)および化合物3(NDC−1187)のIC50の成長阻害データ(μM)を数値で示す。 図8は、各細胞株HT−29、SK−OV−3、NCI−H23、MCF−7、MDA−MB−231、OVCAR−3、CAPAN−I、CAPAN−2、SH−SY5Y、A−549、PC−3、T98G、U−87−MGおよびU−118−MGで決定されたNDC−1022(左から欄3つ)、NDC−1187(左から4番目の欄)、NDC−1165(左から5番目の欄)、およびタモキシフェンの対照(右欄3つ)のIC50成長阻害データ(μM)を示す。
発明の詳細な説明
特に別途定義しない限り、本明細書で使用するすべての技術的および科学的な用語は本発明の属する技術分野の通常の知識を有する者に共通に同じ意味で理解され、以下に記載された意味を有すると理解される。本願に参照されているすべての出版物や特許にある参考文献は参照により全体として本出願に組み込まれる。特に指定されていなければ、化合物はそのラセミ体などすべての異性体、およびそれらの混合物を含む。特に指定されなければ、特定の化合物を参照するときは、例えば、ここで議論されているような、当該化合物のイオン、塩、溶媒和物(例えば水和物)、保護された形態、プロドラッグおよび他のそれらの立体異性体をも含む。
例えば製薬上許容されうる塩のような、活性化合物に相当する塩の合成、精製、および/または取り扱い方法は、便利なまたは望まれる方法であり得る。製薬上許容され得る塩の例は、1977年、J.Pharm.Sci.,66巻,1−19ページの”Pharmaceutically Acceptable salts“にBergeらにより議論され、ここでも議論される。
本発明の抗増殖性化合物は、癌の治療に応用でき、したがって本発明は さらに抗癌剤を提供する。ここで用いる「抗癌剤」とは、癌を治療し、進行を遅らせ、再発までの期間を延ばし、症状の制御をする化合物(すなわち、癌の治療に有益な化合物)に関連する。抗癌効果はひとつ以上のメカニズムを経ており、これに限定はされないが、細胞増殖の制御、血管形成(新たな血管の形成)阻害、癌の転(癌の源からの広がり)移阻害、侵食(癌細胞の近隣の正常な細胞への広がり)の阻害、アポトーシス(プログラム細胞死)の促進、腫瘍の壊死もしくは自食作用、またはこれらの組み合わせを含む。
本発明はさらに、治療によるヒトまたは動物身体の治療方法に使用するための活性化合物を提供する。このような方法は、治療上有効な量の活性化合物、好ましくは、本明細書でさらに議論するように、薬剤組成物の形態を対象に投与することを含み得る。
本明細書で使用する「エストロゲン」の語は、自然に生成され、細胞膜を透過しエストロゲン受容体と結合することにより細胞内で活性を示すことのできる、ステロイド様のホルモンを包含する。そのような化合物の例としては、これらに限定されないが、エストラジオール、エストロールおよびエステレン(esterene)が挙げられる。
本明細書で使用する「治療(treatment)」または「療法(therapy)」の語は、疾患の治療に照らして、ヒトまたはヒト以外の動物(例えは、獣医学的に)のいずれでも、対象哺乳類の一般的な治療や療法に関連し、例えば、病気の進行の阻害、進行の減速や進行速度の停止、状態の改善および/または回復などの望まれる治療効果を示すものである。疾病予防としての治療も含まれており、経時的または同時に併用される2種またはそれ以上の治療と療法の併用も含む。以下のような治療や療法には限らないが、治療および療法としては、例えば化学療法(例えば、薬剤、抗体(例えば免疫治療で用いるもの)、プロドラッグ(例えば3位や17位の適当な位置にリン酸誘導体やリン酸エステルを保護基に有するものや光力学療法、GDEPT、ADEPTなどに用いる他の化合物)等の活性薬剤の投与);外科手術;放射線治療;および遺伝子治療が含まれる。
本明細書で使用する「立体異性体」の語は、空間で原子の配向のしかたのみが互いに異なる異性体を意味する。本発明において特に重要な二つの立体異性体は、互いに鏡像関係であるかどうかによって決まるエナンチオマーとジアステレオマーである。好ましい実施形態では、単離され光学分割されたそのような化合物を含み、特許請求される製剤は「実質的に他の異性体を含まない」。
本明細書で使用する「治療上有効な量」の語は、活性化合物の量、または、活性化合物を含む材料、組成物もしくは薬剤の形態の量に関し、妥当な利益/リスク比率に見合う何らかの所望の治療効果を与えるのに効果的である。
本明細書で使用する「患者」の語は哺乳類を含む動物をいい、好ましくはヒトである。
「患者の領域」は特定の領域または例えば増殖性疾患、癌や腫瘍に苦しむ患者の部分を参照し、時には患者の全体の領域をいう。そのような領域は、例えば、肺領域、胃腸領域、胸部領域、腎臓領域であり、同様に他の体の領域、細胞、リンパ球、感覚器、血管および循環系を含む器官など、並びに癌組織である。「患者の領域」は例えば開示された化合物および組成物で治療される領域を含む。「患者の領域」は外部であることもあるが、好ましくは内部である。
「組織」の語は一般的に特定の機能を果たす分化した細胞をいう。「組織」の語は個々の細胞または複数の細胞もしくは、例えば細胞膜や血液、器官のような集合体の細胞をいう。「組織」は個々の異常細胞や複数の異常細胞も含む。例えば、組織は胸部細胞を含む胸部組織、内皮、上皮を含む細胞組織、薄膜組織、結合組織、間質組織、腫瘍組織を含む。
本明細書で使用する「アミノアルキル」の語は、その上にアミノ基を有するアルキル基を参照し、例えば、HN−CH−、HN−CHCH−、MeNCH−等であり、結合点はアルキル鎖上の炭素であり;本明細書で使用する「アルキルアミノ」の語は、窒素原子に結合するアルキル基を有するアミノ基を参照し、例えば、CHNH−、EtNH−、iPr−NH−等であり、結合点はアミノ基の窒素原子を介している。
本明細書で使用する「増殖性細胞疾患」の語は、腫瘍、初期悪性腫瘍および他の過剰増殖性の状態等の疾患を参照する。「初期悪性腫瘍」および「癌」は同様の意味で使用される。
化合物
とりわけ本発明は、エストラジオールのB環の6位に特定の修飾があるエストラジオール誘導体に関する。少なくとも、本発明の一態様は、下記式(IX)に示される一般構造を有するそのような化合物:
式中、R、RおよびZは独立して、以下からなる群から選択される:H、C〜Cアルキル、置換アルキル、ハロゲン、ハロゲン化アルキル、硫酸塩、グルコロニド、−SONH、−COOH、−CN、−CHCN、−NHCN、−CHO、−COO塩、−OSOアルキル、−NH、−SH、−SCH、−NHCO(CHCH、−NO、−SCN、−SOアルキル、−B(OH)、−NHC(=S)CH、および−NHNH;Xは以下からなる群から選択される:C〜Cアルキル、置換アルキル、ハロゲン、ハロゲン化アルキル、グルコロニド、−NH、−SONH、−COOH、−CN、−CHCN、−NHCN、−CHO、−COO塩、−OSOアルキル、−SH、−SCH−CH(CHCOOCH、−(CH−O−CH、−(CH−S−CH、−CHOH、−(CH−O−NH、−(CH−S−NH、−NH(CHCH、−NH(CHOCH、−NH(CHSCH−NH(CHCHOH−COOH、−N(CH、−(CH(NH)CHOH、−NHCOOH、−(CHNH−COOH、−NO、−SCN、−SOアルキル、−B(OH)、−(CHN(CH)−SO−NH、−(CHNH−SO−NH、−NHC(=S)CH、および−NHNH;Rは以下からなる群から選択される:H、C〜Cアルキル、置換アルキル、ハロゲンおよびハロゲン化アルキル;RおよびYは独立して、以下からなる群から選択される:=O、−OH、−H、−C〜Cアルキル、置換アルキル、ハロゲン、ハロゲン化アルキル、硫酸塩、グルコロニド、嵩高い基、フェニルもしくは置換フェニル基、シクロもしくはヘテロシクロ基、ピペリジン、ピピリジン(pypirizine)、モルフォリン、ピリミジン、−N(CH;リン酸基、ホスフィン酸基、式中さらに、nは独立の整数で、0〜7の任意の数であり、記号
は、3位または17位にケト基を形成しうる、単結合または二重結合のいずれかを表わし;記号
は立体化学に関わらず任意の結合を表わし;前記化合物の、各エナンチオマー、他の立体化学的異性体、水和物、溶媒和物、互変異性体および製薬上許容され得る塩を対象とする。他の実施形態では、C−6炭素の立体化学は、SまたはRエナンチオマーまたはジアステレオマーを含む。
少なくとも本発明の他の態様では、下記式(XIX)で表わされる一般構造を有する好ましい化合物:
式中:R、R、R、Rは独立して、H、C〜Cアルキル、置換アルキルおよびハロゲンからなる群から選択され;Rは、H、C〜Cアルキル、置換アルキル、硫酸塩、グルクロニド、−CHOH、−CHOCH、−NH(CH0H、−NH(CH−COO塩、−N(CH、−−CHONH、−(NH)CHOHCH、(CHNHCOOH−(CHNHCOO塩、−NHCHOH、−NHCOOHおよび−NHからなる群から選択され、Rは、H、C〜Cアルキル、置換アルキル、硫酸塩、グルコロニド、嵩高い基、フェニルもしくは置換フェニル基、シクロもしくはヘテロシクロ基からなる群から選択され、Rは、H、C〜Cアルキル、置換アルキル、ハロゲン、ハロゲン化アルキル、硫酸塩、グルコロニド、−SONH、−COOH、−CN、−CHCN−、−NHCN、−CHO、−COO塩および−NHからなる群から選択される。他の実施形態では、C−6炭素の立体化学は、SまたはRエナンチオマーまたはジアステレオマーを含み、記号
は、単結合または二重結合を表わし、ただし、前記記号
が二重結合であり、3位または17位にケト基を形成するときは、RまたはRはそれぞれ存在しないものとする。
少なくとも本発明の他の態様は、化学療法の式(I)−(II)の化合物を対象とする:
式中、R、R、R、R、R、R、R、RおよびRは独立して、水素、C〜Cアルキルもしくは置換アルキル、ハロゲン、硫酸塩またはグルクロニド部分;および記号
単結合または二重結合のいずれかを表わし、 記号
が二重結合であり3位または17位にケト基を形成するとき、RまたはRはそれぞれ存在せず;記号
は10位に結合があるかまたはないことを表わし; 記号
は立体化学に関わらず任意の結合を表わす。 前記化合物は、エナンチオマー、他の立体化学的異性体、水和物、溶媒和物、互変異性体および製薬上許容され得るそれらの塩をも含む。
式Iの実施形態において、R、R、R、Rは水素原子、メチルまたはC;R、Rは水素またはメチル;R、RはC〜Cアルキルまたは置換アルキル、ハロゲン、
はアルコール基に対応する単結合である。他の実施形態では、C−6炭素の立体化学は、SまたはRエナンチオマーまたはジアステレオマーを含む。
本発明の化合物の実施形態は、薬剤組成物中に使用され得る。そのような組成物は、下記に説明されるか本明細書から推測される、上記で議論した1以上の化合物およびそれらの組み合わせを含むことができる。ある実施形態では、そのような組成物は、製薬上許容され得る担体成分を含み得る。特に制限なく、そのような組成物は化合物のラセミ混合物を含み得る。ある実施形態では、そのような化合物はSおよびRエナンチオマーで存在することができ、好ましくは実質的に他の異性体を含まない、それらの単離されかつ精製された形態であり、RまたはRは、H、C〜Cアルキルもしくは置換アルキル、およびハロゲンから選択され得る。
本発明の化合物は非対称中心を有していてもよく、ラセミ化合物、ラセミ混合物であってもよく、以下のような個別の精製されたジアステレオマーまたはエナンチオマーであってもよく、例えば、(S)6−メチロキシメチル(8S,9S,13S,14S,17S)−13−メチル−7,8,9,11,12,14,15,16,17−デセヒドロシクロペンタ[a]フェナントレン−3、17−ジオール;(R)6−メチロキシメチル(8S,9S,13S,14S,17R)−13−メチル−7,8,9,11,12,14,15,16,17デセヒドロシクロペンタ[a]フェナントレン−3,17−ジオール;(R)6−メチロキシメチル(8R,9S,13R,14S,17R)−13−メチル−7,8,9,11,12,14,15,16,17−デセヒドロシクロペンタ[a]フェナントレン−3,17−ジオール(NDC−1022);(S)6−メチロキシメチル(8R,9S,13R,14S,17R)−13−メチル−7,8,9,11,12,14,15,16,17−デセヒドロシクロペンタ[a]フェナントレン−3,17−ジオール(NDC−1033)。(6R,8R,9S,10R,13S,14S)−6−(メトキシメチル)−10,13−ジメチル−7,8,9,10,11,12,13,14,15,16−デカヒドロ−3H−シクロペンタ[a]フェナントレン−3,17(6H)ジオン(NDC−1011);(6R,8R,9S,10R,13S,14S)−17−ヒドロキシ−6−(メトキシメチル)−10,13−ジメチル−6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17−ドデカヒドロ−3H−シクロペンタ[a]フェナントレン−3−オン(NDC−1044);(6R,8R,9S,13S,14S)−6−(ヒドロキシメチル)−13−メチル−7,8,9,11,12,13,14,15,16,17−デカヒドロ−6H−シクロペンタ[a]フェナントレン−3,17−ジオール(NDC−1055);(6S,8R,9S,13S,14S)−6−(ヒドロキシメチル)−13−メチル−7,8,9,11,12,13,14,15,16,17−デカヒドロ−6H−シクロペンタ[a]フェナントレン−3,17−ジオール(NDC−I066);(6S,8R,9S,10R,13S,14S)−6−(メトキシメチル)−10,13−ジメチル−7,8,9,10,11,12,13,14,15,16−デカヒドロ−3Hシクロペンタ[a]フェナントレン−3,17(6H)−ジオン(NDC−1077);(6S,8R,9S,13S,14S)−3−ヒドロキシ−6−(メトキシメチル)−13−メチル−7,8,9,11,12,13,15,16−オクタヒドロ−6H−シクロペンタ[a]フェナントレン−17(14H)−オン(NDC−1088);(6R,8R,9S,13S,14S)−3−ヒドロキシ−6−(メトキシメチル)−13−メチル−7,8,9,11,12,13,15,16−オクタヒドロ−6H−シクロペンタ[a]フェナントレン−17(14H)−オン(NDC−1099);(6S,8R,9S,10R,13S,14S)−17−ヒドロキシ−6−(メトキシメチル)−10,13−ジメチル−6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17−ドデカヒドロ−3H−シクロペンタ[a]フェナントレン−3,17−ジオール(NDC−1110);(6R,8R,9S,10R,13S,14S)−6−(メトキシメチル)−10,13,ジメチル−4,5,6,7,8,9,11,12,13,14,15,16,17−テトラデカヒドロ−3H−シクロペンタ[a]フェナントレン−3,17−ジオール(NDC−1121);(6S,8R,9S,10R,13S,14S)−β−(メトキシメチル)−10,13−ジメチル−4,5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17−テトラデカヒドロ−3H−シクロペンタ[a]フェナントレン−3,17−ジオール(NDC−1132);(6R,8R,9S,10R,13S,14S)−6−(メトキシメチル)10,13ジメチルヘキサデカヒドロ−lH−シクロペンタ[a]フェナントレン−3,17−ジオール(NDC−1165);(6R,8R,9S,13S,14S)−3−ヒドロキシ−6−(メトキシメチル)−13−メチル−7,8,9,11,12,13,14,15,16,17,−デカヒドロ−H−シクロペンタ[a]−17−イルステアレート(NDC−1176);(6R,8R,9S,13S,14S)−6−(アミノキシメチル)−13−メチル−7,8,9,11,12,13,14,15,16,17−デカヒドロ−6H−シクロペンタ[a]フェナントレン−3,17,−ジオール(NDC−1187);(6R,8R,9S,13S,14S)−6−メトキシ−13−メチル−7,8,9,11,12,13,14,15,16,17−デカヒドロ−6H−シクロペンタ[a]フェナントレン−3,17−ジオール(NDC−1198)。
本発明の一実施形態は、6−置換エストラジオールのRまたはSエナンチオマー、RまたはSジアステレオマーの製造に関する。それら異性体の製造(例えば非対称合成)および分離(例えば、分別結晶およびクロマトグラフィー手段)の方法は、いずれも一般的にこの技術分野で公知であり、本明細書に教示される方法を適用することにより容易に得ることができる。そのような方法の一つは、同時に係属する米国特許出願第11/541,987号に記載され、その教示は全体として本明細書に組み入れる。
本発明の他の実施形態は、エストラジオールの6−ヒドロキシメチル、6−メチロキシメチル、6−アミノメトキシ、6−メチルアミノメトキシまたは6−メトキシアミン誘導体の製造方法に関する。エストラジオール誘導体を製造するための反応スキームは、スキーム1〜3として以下に示される。このような方法は、6−ヒドロキシル化された化合物を得るために、以下のステップにより、エストラジオールのt−ブチルジメチルシリル誘導体のLIDAKOR/THF/ホルムアルデヒドとの反応を含み得る:(i)エストラジオールの6−ヒドロキシメチル誘導体、NDC−1066を得るための加水分解;および/または(ii)ジメチル硫酸塩での処理、続いてエストラジオールの6−メチロキシメチル誘導体、NDC−1033を得るための加水分解。NDC−1088はNDC−1033のC−17ヒドロキシル位置でのさらなる酸化によって得られる。
選択的な他のアプローチでは、本発明の化合物は、以下のようなステップを含む方法で製造できる:(i)エストラジオール化合物を保護する、(ii)保護したエストラジオール化合物の6−ベンジル位でのLIDAKOR/ブチル−リチウム/ジイソプロピルアミン/カリウム tert−アミレートを用いたアシル化、(iii)リチウムアルミニウムハイドレートを用いた6位のアルデヒドの還元、(iv)エストラジオール化合物の保護領域の解除。エストラジオール誘導体の製造のための反応スキームは以下のスキーム2に示す。
本発明の化合物は以下のスキームに記載された方法で製造できる:
スキーム1−本発明の化合物の製造
スキーム2−本発明の化合物を製造するための選択的な方法
本発明による多様なメチロキシアルキル誘導体には、アルキル化剤の選択が含まれる。このような誘導体は、当業者に理解され、本明細書に記載された種類の合成の手順によって入手可能である。したがって、特に制限なく、多様なC〜Cアルキルおよび置換アルキル(すなわち、C〜C直鎖型、置換直鎖型、分岐型および置換分岐型アルキル、このような置換体は当該技術分野で理解される)試薬が、本明細書に記載するように、対応するメチロキシアルキル誘導体を製造するために使用できる。
本発明の他の態様では、エストラジオールの6−アミノ誘導体を製造する方法が以下の反応スキームに記載される。したがって、スキーム1〜2に記載された6−メトキシ化エストラジオールが使用され、それらの各アミノ誘導体に転換される。
スキーム3−エストラジオールの6−アミノ誘導体の製造方法:
使用方法
本発明は、対象哺乳類(例えば、ヒトの患者)中の癌を治療する方法に関する。本発明のこの態様では、腫瘍または癌細胞増殖を抑制する方法が提供される。このような方法では、細胞は、式(IX)の化合物または以下の式(IX)で表わされる一般構造を有する化合物の製薬上許容され得る塩もしくは水和物に曝されるかまたは接触させる:
式中、R、R、R、R、Y、XおよびZは上記のとおりであり、さらに、nおよびmは独立した整数で、0〜7の数であり、記号
は3位または17位にケト基を形成し得る単結合または二重結合いずれかを表わし;記号
は、立体化学に関わらず任意の結合を表わし;および、各エナンチオマー、他の立体化学的異性体、水和物、溶媒和物、互変異性体および前記化合物の製薬上許容され得る塩。
本発明の他の態様は、以下の式(XIX)で表わされる一般構造を有する化合物の使用方法である:
式中:R、R、R、R、R、R、Rは上記のとおりであり、記号
は単結合または二重結合を表わし、ただし、記号
が二重結合であり、3位または17位にケト基を形成する場合には、RまたはRはそれぞれ存在しないものとする。
本発明の少なくとも他の態様では、式(I)−(II)を有する化合物の有効な量がそのような治療を必要とする患者に投与される:
式中、R、R、R、R、R、R、R、RおよびRは上記のとおりであり;記号
は単結合または二重結合のいずれかを表わし、記号
が二重結合であり、3位または17位にケト基を形成するときは、RまたはRはそれぞれ存在せず;記号
は10位に結合が存在するかまたは存在しないことを表わし;記号
は立体化学に関わらず任意の結合を表わす。
これらの方法は、ホルモンおよび/またはエストロゲンが関連する活性により直接または直接に影響を受ける任意の腫瘍の治療に用いることができ、それら腫瘍には、これらに限定はされないが、乳房、膵臓、肺、結腸、前立腺、卵巣の癌に伴う固形癌、同様に、脳、肝臓、脾臓、腎臓、リンパ節、小腸、血液細胞、骨、胃、子宮内膜、精巣、卵巣、中枢神経、肌、頭、首、食道、または骨髄癌;さらに、白血病、急性前骨髄球性白血病、リンパ腫、多発性骨髄腫、骨髄異形成、骨髄増殖性疾患または不応性貧血等の血液癌が同様に含まれる。
とりわけ本発明者は、エストロゲン依存性または非依存性の腫瘍の治療のための新規な作用様式を提供する。従来のアプローチは、一度結合するとそれらを破壊する程度までER配置を変化させる、ERに結合する薬剤を使用した。したがって、結合したERのそのような破壊は、細胞の生命力に不可欠な外部および内部の全ての信号伝達を中断させることになり;細胞増殖を停止させる。
ここに開示した化合物は、エストロゲン、テストステロンおよびアンドロゲン受容体を含む多数の受容体に結合できることは確実である。発明者は予期せず、本発明の化合物は、結合によって、経路を信号する細胞の第一または第二メッセンジャーを調節(modulate)することができ、さらに遺伝子依存性または遺伝子非依存性のメカニズムによって、それらの臨床上効果が向上することを観察した。メカニズムとしては例えば、遺伝子依存性のエストロゲン活性はこの技術分野で十分に説明され、当業者はエストロゲン依存性遺伝子の不活性化が関与する経路を確認できる。
しかしながら、本発明では、発明者はクレームした発明の化合物が、予想外に、従来の遺伝子による制御メカニズムとは独立したレベルで細胞活動を調節することができることを見出した。本発明のこの態様では、本発明の化合物は細胞膜における多数のステロイド受容体に直接結合する能力があり、内部の細胞が介在する小胞体での小胞体ストレス応答(「UPR」)が関与するストレス機構を引き起こす。UPRストレス応答は、続いて増殖抑制、GADD153、TRIB3等と同様に公知のCHOP等の、ストレス応答遺伝子の調節による細胞死をもたらす。
加えて、多様な癌の状態の治療のための本発明の化合物の投与は、式(I)の化合物を化学療法、放射線治療、遺伝子治療、ホルモン治療および他の公知の癌治療等の補助的な癌治療法と組み合わせてもよい。本明細書で開示した化合物を他の抗癌または化学療法の薬剤と組み合わせることは、本発明の範囲内である。そのような薬剤の例は、V.T.DevitaおよびS.Hellman(編集者)による、Cancer Principles and Practice of Oncology、 6th edition (2001年2月15日)、Lippincott Williams&Wilkins Publishers、に見出すことができる。当業者である医師、獣医師または臨床医師には、どのような薬剤の組み合わせが、薬剤の特有の特性および関与する癌に基づいて有用であるか識別することができる。そのような抗癌剤は以下を含む:エストロゲン受容体モジュレータ、アンドロゲン受容体モジュレータ、レチノイド受容体モジュレータ、細胞毒性薬、抗増殖剤、プレニル−タンパク転移酵素阻害剤、HMG−CoA還元酵素阻害剤、EHVプロテアーゼ阻害剤、逆転写酵素阻害剤、アロマターゼ阻害剤および血管形成阻害剤。
化合物の例示
発明の少なくとも一態様において、発明者は以下の表Iの本発明の化合物を説明する:
表I
、R、R、R:独立してH、C〜Cアルキル、置換アルキルまたはハロゲン、R、R:H、C〜Cアルキル、置換アルキル、硫酸塩またはグルクロニド、
が単結合であるときは、H、C〜Cアルキルもしくは置換アルキル、硫酸塩、またはグルクロニド;
が二重結合であるときは存在しない。
表I続き
、R、R、R:独立してH、C〜Cアルキル、置換アルキルまたはハロゲン、R、R:H、C〜Cアルキル、置換アルキル、硫酸塩、またはグルクロニド、
が単結合であるときはH、C〜Cアルキルもしくは置換アルキル、硫酸塩またはグルクロニド;
が二重結合であるときは存在しない。
表I−続き
、R、R、R:独立してH、C〜Cアルキル、置換アルキル、またはハロゲン、R、R:H、C〜Cアルキル、置換アルキル、硫酸塩、またはグルクロニド、
が単結合であるときはH、C〜Cアルキルもしくは置換アルキル、硫酸塩、またはグルクロニド;
が二重結合であるときは存在しない。
表I中好ましい化合物としては、化合物15および20が挙げられる。本発明の少なくとも一態様は、これらの好ましい化合物、それらの使用および製造方法を対象とする。
本発明の少なくとも他の態様において、発明者は、下記表II中の本発明の化合物について説明する:
表II
、R、R、R:独立して、H、C〜Cアルキル、置換アルキル、またはハロゲン、R:H、C〜Cアルキル、置換アルキル、硫酸塩、またはグルクロニド、
:H、C〜Cアルキルもしくは置換アルキル、硫酸塩、またはグルクロニド、
が単結合であるときは、H、C〜Cアルキルもしくは置換アルキル;
が二重結合であるときは存在しない。
表II
、R、R、R:独立してH、C〜Cアルキル、置換アルキル、またはハロゲン、R:H、C〜Cアルキル、置換アルキル、硫酸塩、またはグルクロニド、
:H、C〜Cアルキルもしくは置換アルキル、硫酸塩、またはグルクロニド、
が単結合であるときはH、C〜Cアルキルもしくは置換アルキル;
が二重結合であるときは存在しない。
表II−続き
、R、R、R:独立してH、C〜Cアルキル、置換アルキル、またはハロゲン、R:H、C〜Cアルキル、置換アルキル、硫酸塩、またはグルクロニド、
:H、C〜Cアルキルもしくは置換アルキル、硫酸塩、またはグルクロニド、
が単結合であるときは、H、C〜Cアルキルもしくは置換アルキル;
が二重結合であるときは存在しない。
表II中好ましい化合物としては、化合物89、90、98および128が挙げられる。本発明の少なくとも一態様は、これら好ましい化合物、これらの使用および製造方法を対象とする。
本明細書に記載する、特定された癌状態の治療のための、非制限的な具体的な例示の一は、以下の式(IX)を有する式(I)の化合物を含む:
本明細書に記載する、特定された癌状態の治療のための、非制限的な他の具体的な例示の一は、以下の式(X)を有する式(I)の化合物を含む:
本発明の少なくとも他の態様において、発明者は下記表II中の本発明の化合物を説明する:
表III
、R、R、R:独立して、H、C〜Cアルキル、置換アルキル、またはハロゲン、および
は単結合または二重結合;存在しない。
表III
、R、R、R:独立してH、C〜Cアルキル、置換アルキル、またはハロゲン、および
は単結合または二重結合;存在しない。
上記の活性化合物は、インビトロアッセイの一部として使用してもよい、例えば、あるホスト候補が対象の化合物を用いた治療から利益を得られそうかどうかを決定するためにである。任意の本発明の活性化合物は、標準として使用してもよい、 例えば、分析において、他の活性化合物、他の抗増殖剤、他の抗炎症薬等を識別するためにである。
本発明の少なくとも一態様では、 候補化合物はエストロゲン受容体拮抗作用を評価した。ある化合物がエストロゲン受容体アンタゴニストであるかどうかについての評価は、この技術分野で公知の多様な方法で実施され得る。ここでの応用では、そのような可能性は、本明細書に記載するスクリーニングによるルシフェラーゼ結合分析を実施して決定した。
本発明の本態様のより好適な実施形態では、エストロゲン受容体結合能を、ER(α)またはER(β)プラスERE−tk−ルシフェラーゼレポーター構造のために、CV−I細胞を一過的に導入することで評価した。その後、その細胞は対照群と候補群に分け、対照群は未処理、候補群はエストラジオールのみ(1nM)で処理するか、またはエンデセ化合物を異なった濃度でエストラジオールに加えて使用した。16〜24時間後にその細胞を採取し、市販のアッセイキットを使ってルシフェラーゼ活性を試験した。
さらに本発明の他の態様では、候補化合物のIC50すなわち最大阻害濃度の半分の濃度を、薬剤効力およびインビボ使用の効果的な投与法を調べるために決定した。当業者であれば、一般に知られる方法でかような情報を確認することができる。本技術分野においてよく開示されているように、IC50は何らかの生化学的プロセスの50%を阻害するのにどれくらいの量を要するかを測定し示す。本発明の場合には、候補化合物のIC50はビヒクル対照細胞に比較して50%の応答を示す濃度として決定した。
本明細書で記載するように、本発明の化合物の塩は無毒の「製薬上許容されうる塩」である。しかしながら、他の塩もまた、本発明の化合物の調製や製薬上許容されうる塩の調製に有益である。本発明の化合物が塩基性の官能基を含むとき、「製薬上許容されうる塩」に含まれる塩は一般的に遊離塩基と適当な有機酸または無機酸との反応で製造される無毒な塩をいう。代表的な塩は本技術分野で知られる任意の塩を含む。本発明の化合物は酸性部位を有しており、適当な製薬上許容されうる塩はナトリウム塩やカリウム塩のようなアルカリ金属塩;カルシウム塩やマグネシウム塩のようなアルカリ土類金属塩;さらには4級アンモニウム塩のような適当な有機配位子を持つ塩を含み得る。
ヒト患者等の対象哺乳類を治療するため、癌細胞または標的腫瘍細胞への曝露またはその接触を促進させるように、本発明の一以上の化合物、または製薬上許容され得る塩の有効量を哺乳類に投与する。効果的な投与形態や投与方式、投与量は経験的に決定され、その決定は当該分野の技術的常識の範囲内である。その投与量は、当業者である医師、獣医師、臨床医師により、使用する特定の化合物の活性、病症の経過および/または進行、投与方法、化合物の排泄速度、患者の腎機能や肝機能、治療の持続期間、同じ患者に投与されている他の薬の種類、年齢、大きさ等の医学上知られたファクターによって変化することが理解される。ここで議論するように、本発明の化合物は、錠剤、カプセル(それぞれ持続性放出や時間放出製剤)、ピル、粉末、微粉化された組成物、顆粒剤、エリキシル剤、チンク剤、懸濁剤、シロップ、エマルジョンとして経口投与形態で投与される。同様に、それらは静脈(大量静注、点滴)や、服膣内、局所(例えば点眼剤)、皮下、筋肉内、経皮的(例えば、パッチ)形態、医薬分野の当業者に周知のすべての形態で投与され得る。さらに、通常の技術的知識を有する医師、獣医師、臨床医師は、症状の進行を予防し、処置し、停止するのに必要とされる効果的な量を容易に決定し、処方することができる。
本発明の経口投薬量は、示された効果を得るために使用するには、日あたり体重kgあたり約0.01mg(mg/kg/day)〜約100mg/kg/dayの範囲であり、好ましくは0.01〜10mg/kg/dayであり、もっと好ましくは0.1〜5.0mg/kg/dayである。経口投与では、組成物は好ましくは、治療される患者に応じて症状の調整をするために、活性成分を0.01、0.05、0.1、0.5、1.0、2.5、5.0、10.0、15.0、25.0、50.0、100および500ミリグラム含む錠剤の形態で提供される。薬剤は典型的には活性成分を約0.01mgから約500mg含み、好ましくは活性成分を約1mgから100mg含む。静脈投与では、一定速度の点滴で、約0.1〜約10mg/kg/分の範囲の投与がもっとも好ましい。本発明の化合物は毎日1回で投与してもよく、合計日用量を毎日2回、3回、または4回の投与に分けてもよい。上述のように、本発明の化合物は他の抗癌剤や対象哺乳類の治療計画を向上する薬剤と組み合わせて利用可能である。そのような組み合わせの個々の成分は、治療過程の異なった時に別個に、または、患者や患者のその治療の必要な部位に同時に別個に、または組み合わせた単一の形態で投与され得る。したがって、本発明はそのような同時のまた交互の治療の計画をすべて含むものと理解され、「投与」の語はそのように解釈される。標的とする癌症状を治療するのに有用な他の薬剤と本発明の化合物の組み合わせの範囲は、原則としてエストロゲン機能に関連する病気の治療に有効な任意の薬剤組成物との任意の組み合わせを含む。
プロドラッグの形態で活性化合物を調製、精製および/または取り扱うことが都合が良く、または望ましい。本明細書で用いる「プロドラッグ」の語は、代謝されたときに、所望の活性化合物を生成し、またはそのものの内部に活性化合物が存在する、化合物を参照する。これは、例えば3、6、10または17位等の適当な位置にリン酸エステル部位を追加することを含む。典型的には、プロドラッグは不活性であるか活性化合物よりも不活性であるが、取り扱いや、投与、代謝特性が有利であり得る。例えば、あるプロドラッグは活性化合物のエーテルであり、代謝によりエーテル基は分解し活性薬を生成する。また、あるプロドラッグは酵素作用により活性化され活性化合物を生成し、またはさらなる化学反応により活性化合物を生成する化合物である。このように、本明細書が開示する本発明の治療方法において、「投与」は、具体的に開示された、または具体的に開示されていないが、患者への投与後にインビボで特定の化合物に変換する化合物を用いた様々な状態の治療を含む。これらの化合物の代謝産物は、本発明の化合物を哺乳類に導入することで生成する活性種を含む。
本発明の化合物は効果的な抗増殖剤のプロドラッグであり得る。低いまたは穏和な固有活性を示す化合物はプロドラッグとして作用する可能性があり、代謝により(例えばインビボで)活性化され、より効果的な化合物を生成し得る。これは、腫瘍内で発現する酵素によって実現される代謝による活性化は、癌治療に特に有用である。基質として作用するプロドラッグは、CYP19または17β−HSD、HS−デメチラーゼ、他のステロイドの結合した酵素により代謝され、有効な抗癌剤を生成し得る。エキセメスタンの(R)または(S)−6−メチロキソアルキル誘導体は、乳癌以外にも多くの癌の形態に対して活性を示し得る。胸、肺、結腸、前立腺、子宮内膜、卵巣癌などに由来する細胞株の中での癌細胞増殖阻害活性は、NDC−1011のエナンチオマーで観察された。例えば、インビトロでの癌細胞増殖は、CYP19陽性型(MDA−MB−213およびSK−OV−3)である細胞株で最も高く、CYP19陰性型(MCF−7およびNIH:OVCAR−3)である細胞株は減少し、このことは、NDC−1011はプロドラッグとして作用しうることを示している。以下にNDC−1077およびNDC−1011の構造である、式(XI)および(XII)を示す。
どんな理論にも拘束されないが、例えば、NDC−1011がプロドラッグである場合、いくつもの生体中の通常のステロイド産生酵素がNDC−1011化合物に対して活性なはずであり、それにより、NDC−1011を活性な代謝物に変換させる。本発明のこの態様は、(S)と(R)ジアステレオマーの両方に対して同様に適用し得る。
本発明のプロドラッグ化合物は、内因性のアンドロステンジオンで観察されるのと類似の方式で作用し、NDC−1011は、CYP19を介してC−3炭素をヒドロキシル化することにより芳香族環へと変換され、代謝産物NDC−1099を与える。図1に、アンドロステンジオンがCYP19を介してエストロンを生成する、エストラジオールの生合成経路を示す。NDC−1099は17β−ヒドロキシステロイド脱水酵素(17β―HSD)の可逆的な作用により、C−17炭素がさらにヒドロキシル化され、ジオール体NDC−1022を与える。
エストラジオールと同様にジオール化合物NDC−1022は芳香環を有するが、C−6炭素にメチロキシアルキル置換基が結合している点でエストラジオールとは異なる。図2に示すように、NDC−1011は、ジオール体NDC−1022にどのような程度であっても代謝され得る。例えば17β―HSDにより形成されたNDC−1044はCYP19の芳香族化活性によりNDC−1022ジオールに変換される。
どんな理論にも拘束されることなく、エストラジオールは、C17−OH(His524を介し)およびC3−OH(Arg394およびGlu353を介し)を介してエストロゲン受容体(ERαとERβの両方)の受容体リガンドポケットに結合すると報告されている。エストラジオールと同様に、NDC−1022ジオールは類似のアミノ酸結合を介してERαおよびERβの同じリガンドポケットに結合し得る。さらに、NDC−1022のC−6炭素のメチロキシアルキル置換基は普通のリガンド結合受容体の配座を変え、観察される抗腫瘍活性の原因となる改変された活性をもたらし得る。
さらに、NDC−1011(またはNDC−1011の代謝産物の一つ)のC−6メチル基に作用するデメチラーゼ酵素活性は、トリオール体の代謝産物NDC−1055の構造を示し得る。C−3、C−6、C−17炭素のアルコール基によって、NDC−1055トリオール代謝産物は、C−3、C−6、C−17アルコールの様々な組み合わせを含む組織領域内のステロイド受容体の幅広いスペクトルに結合し得る。そのような代謝産物の一例は、以下に示す式(VII)Bの化合物である:
組成物
本明細書で使用するように、「組成物」の語は、特定の量の特定の成分の組み合わせから直接または間接に結果として得られる任意の製品と同様に、特定の量で特定の成分を含む製品を包含することを意図する。
本発明の医薬製剤は、経口投与、経鼻投与、局所投与(口腔および舌下を含む)、経肛門投与、経膣投与、および/または非経口投与を含む。投与経路にかかわらず、活性成分は本技術分野において公知の慣用法により製薬上許容されうる薬剤形態に製剤化される。
担体材料と結合される活性成分の量は、単一の薬剤形態に製造するには、治療されるホスト、特定の投与方式および上記した他の全てのファクターに応じて変化させる。一般的に、活性成分の量は、治療効果をもたらすのに有効な最も低い投与量である。
医薬製剤または組成物を調製する方法は、担体および選択的に一以上の補助的な成分の組み合わせに活性成分を導入するステップを含む。一般的に、製剤は均一かつ密接に活性成分を液体担体の組み合わせ、微細に分割した固体担体またはその両方に導入して調製され、必要に応じて製品に成型する。
経口投与に適した本発明の製剤は、カプセルやカシェ剤、ピル、錠剤、ロゼンジ剤(普通スクロースやアカシア、トラガカントなど矯味ベースを使用する)、粉末剤、顆粒剤の形態で、または、水もしくは水以外の液体の溶液もしくは懸濁液、または水中油系、油中水系エマルジョンとして、またはエリキシルやシロップとして、またはさらにはトローチ(ゼラチンやグリセリン、スクロース、アカシアのような不活性ベースを使用する)として、および/または口腔洗浄剤として、提供され得、それぞれ所定量の活性成分を含む。活性成分はボーラス、舐剤または糊剤としても投与される。
経口投与(カプセル、錠剤、ピル、糖衣剤、粉末剤、顆粒剤など)のための本発明の固体薬剤形態においては、プロドラッグ、活性成分(微小な形態で)クエン酸ナトリウムやリン酸ジカルシウムおよび/または以下に示すような一つ以上の製薬上許容される担体と混合され得る:(1)デンプン、ラクトース、スクロース、グルコース、および/またはマンニトールサリチル酸等の充填剤またはエクステンダー;(2)カルボキシメチルセルロース、アルギン酸エステル、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、スクロース、および/またはアカシア等の結合剤;(3)グリセロール等の保湿剤;(4)寒天、炭酸カルシウム、芋デンプン、タピオカデンプン、アルギニン酸、ある種の珪酸塩、炭酸ナトリウム等の崩壊剤;(5)パラフィン等の溶液遅延剤(solution retarding agent);(6)4級アンモニウム化合物等の吸収促進剤;(7)セチルアルコール、モノステアリン酸グリセリン等の湿潤剤;(8)カオリン、ベントナイト粘度等の吸収剤;(9)タルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固化ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム、それらの混合物のような潤滑剤:(10)着色剤。カプセルや錠剤、ピルの場合、医薬成分は緩衝剤をも含む。同様のタイプの固体組成物は、高分子量のポリエチレングリコール等と同様に、ラクトースや乳糖等の賦形剤を使用する軟質および硬質充填ゼラチンカプセル内で、充填物として用いられ得る。
錠剤は、選択的に一以上の補助的な成分と共に圧縮成型や鋳型成型により製造され得る。圧縮錠剤は、結合剤(例えばゼラチン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース)、潤滑剤、不活性希釈剤、防腐剤、崩壊剤(例えば、グルコース酸ナトリウムデンプンや類似のカルボキシメチルセルロースナトリウム)、界面活性または分散剤を用いて製造され得る。鋳型錠剤は、不活性な液体希釈剤に湿らせた粉末状の活性成分の混合物を適当な機械内で成型することで製造し得る。
錠剤や、糖衣剤、カプセル、ピル、顆粒剤等の本発明の他の固体投薬形態の医薬組成物は、選択的に分割できるようにしてもよく、また、医薬調合技術において周知の腸溶コーティングおよび他のコーティング等のコーティングや外殻と共に製造してもよい。それらは、内部の活性成分が緩やかにまたは制御されて放出するように、例えば、所望の放出プロフィールを提供するために種々の比率で、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、他のポリマーマトリックス、リポソーム、および/またはミクロ球状物を用いて製剤化されてもよい。それらは、例えば細菌捕捉フィルターでの濾過により殺菌されてもよい。それら組成物は、選択的に乳白剤を含んでもよく、活性成分を消化管の特定の部分でのみ、または優先して、選択的に、遅延して放出する組成物であってもよい。使用し得る包埋組成物の例は、高分子物質とワックスを含んでいる。活性成分はマイクロカプセル化された形態であってもよい。
活性成分の経口投与のための液体薬剤形態は、製薬上許容し得るエマルジョンやマイクロエマルジョン、溶液、懸濁液、シロップ、エリキシル液を含む。活性成分に加えて、液体薬剤形態は、例えば水または他の溶媒、溶解剤、および、エチルアルコールやイソプロピルアルコール、酢酸エチル、ブチルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、グリコール、オイル(特に、綿実油や落花生油、とうもろこし油、胚芽油、オリーブ油、ヒマシ油、ごま油)、グリセロール、アミルアルコール、テトラヒドロフリルポリエチレングリコール、ソルビタンの脂肪酸エステル等の乳化剤、並びにそれらの混合物等の不活性希釈剤を含み得る。
不活性希釈剤に加えて、経口組成物は、湿潤剤、乳化および懸濁剤、甘味、矯味、着色、芳香および防腐剤等の補助物質をも含むことができる。懸濁液は、活性成分に加えて、エトキシル化アルコール、ポリオキシエチレンソルビトール、ソルビタンエステル、微結晶セルロース、メタ水酸化アルミニウム、ベントナイト、寒天、トラガカント、およびそれらの混合物等の懸濁剤を含んでもよい。
経肛門や経膣投与のための発明の薬剤組成物の剤形は、活性成分と一以上の適当な非刺激性賦形剤、またはココアバター、ポリエチレングリコール、ワックス、サリチル酸エステル等の担体とを混合して調製され得、室温で固体であるが体温では液体であり、したがって、直腸または膣腔で融解し活性成分を放出する、座薬として提供され得る。経膣投与に適した本発明の剤形は、適当な技術分野で公知の担体を含む、ペッサリーやタンポン、クリーム、ゲル、ペースト、フォーム、スプレー剤形であってもよい。
活性成分の局所的または経皮投与のための薬剤形態は、パウダースプレー、軟膏剤、ペースト、クリーム、ローション、ゲル、溶液、パッチ、吸引剤を含む。活性成分は、製薬上許容されうる担体、および任意の緩衝剤、または必要な噴射剤と共に、無菌状態で混合さ得る。
活性成分に加えて、軟膏剤、ペースト、クリームおよびゲルは、動物脂肪や植物脂肪、オイル、ワックス、パラフィン、デンプン、トラガカント、セルロース誘導体、ポリエチレングリコール、シリコン、ベントナイト、珪酸、タルク、酸化亜鉛またはそれらの混合物等の賦形剤を含んでいてもよい。粉末やスプレーは、活性成分に加えて、ラクトースやタルク、珪酸、水酸化アルミニウム、珪酸カルシウム、ポリアミドパウダーおよびこれらの混合物等の賦形剤を含んでいてもよい。スプレーは、さらに、クロロフルオロヒドロカーボン等の一般的な噴射剤、ブタンおよびプロパン等の揮発性の無置換炭化水素を含む。
本発明の化合物は、適当な鼻腔用ビヒクルの局所的使用を介して、鼻腔投与形態で投与されてもよいし、または当該技術分野の技術者に周知の経皮用皮膚パッチの形態を使用し、経皮経路で投与されてもよい。経皮のデリバリーシステムは、その薬剤処方の連続的な投与を提供する。経皮パッチは活性成分を制御して体に供給する付加的な利点がある。そのような薬剤形態は、エラストマーマトリックス材料等の適当な媒体中に、溶解させるか、分散させるか、または、組み込むことで製造できる。吸収促進剤は皮膚を透過した活性成分の流れを増加するために使用される。そのような流れの速度は、速度制御膜を供給することまたは高分子マトリックスやゲルに活性成分を分散させることのいずれかで制御可能である。
本発明の化合物は、小型単層ベシクルや大型単層ベシクル、多層ベシクル等のリポソームデリバリーシステムの形態で投与され得る。リポソームは、コレステロールやステアリルアミンまたはフォスファチジルコリン等の様々なリン脂質から形成され得る。
本発明の化合物の他のデリバリー方式は、その化合物の分子が結合する個々の担体としてのモノクローナル抗体の利用によるデリバリーであり得る。本発明の化合物は標的指向性の薬剤担体としての可溶性ポリマーとも結合し得る。そのようなポリマーとしては、ポリビニルピロリドン、ピランコポリマー、ポリヒドロキシプロピルメタクリルアミド−フェノール、ポリヒドロキシ−エチルアスパートアミド‐フェノール、パルミトイル残基のあるポリエチレンオキシド−ポリリシンが含まれる。さらに本発明の化合物は、薬剤の放出を制御するときに有用な生分解性ポリマーの一群に結合する。生分解性ポリマーは例えば、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリ乳酸およびポリグリコール酸の共重合体、ポリイプシロンカプロラクトン、ポリヒドロキシブチル酸、ポリオルトエステル、ポリアセタール、ポリジヒドロピラン、ポリシアノアクリレート、およびヒドロゲルの架橋または両親媒性ブロック共重合体である。
非経口的投与に適した本発明の薬剤組成物は、一以上の製薬上許容され得る無菌等張水性もしくは非水性溶液、懸濁液もしくはエマルジョン、または、抗酸化剤、緩衝液、患者の血液と等張にするための処方の溶質、懸濁もしくは増粘剤を含む、使用前に無菌注射溶液や分散液を再構成する無菌粉末と活性成分とを組み合わせて含む。
発明の医薬組成物に使用される、適した水性もしくは非水性担体の例は、水、エタノール、ポリオール(グリセロールやプロピレングリコール、ポリエチレングリコール等)、およびそれらの適当な混合物、オリーブ油等の植物油、エチルオレエート等のな注射可能な有機エステルを含む。適正な流動性が、例えば、レシチン等のコーティング剤の使用や、要求される粒子サイズの維持、界面活性剤の使用により維持され得る。
これらの組成物は湿潤剤や乳化剤、分散剤のような補助剤をも含んでいてもよい。またその成分の中に砂糖や、塩化ナトリウムなどのような等張剤を含むことが好ましい場合がある。さらに、注射可能な薬理形態の遅延型吸収はモノステアリン酸アルミニウムやゼラチンのような吸収を遅らせる試薬の含有によりもたらされ得る。
ある場合には、活性成分の効果を持続させるために、皮下、または筋肉注射から、薬剤の吸収を遅らせることが望ましい。これは水に溶解しにくい結晶質のまたは非晶質の懸濁液を使用することで達成され得る。活性成分の吸収速度は、むしろ、結晶サイズや結晶形に依存し得る、結晶質や非晶質の溶解速度に依存する。代わりに、活性成分の非経口的投与の吸収遅延はオイルビヒクルに活性成分を溶解または懸濁させることで達成される。
注射可能な蓄積形態(injectable depot form)は、持続型はポリラクチド−ポリグリコリドのような生分解性ポリマー内に活性成分のマイクロカプセルマトリックスを形成することにより作製される。ポリマーに対する活性成分の割合や使用されるポリマーの性質に依存して、活性成分の放出速度は制御されうる。他の生分解性ポリマーの例には、ポリ(オルトエステル)およびポリ(アンヒドリド)が含まれる。注射可能な蓄積処方は、生体組織に適合するリポソームまたはマイクロエマルジョンに活性成分を封じ込めて調製される。注射可能な材料は細菌捕捉フィルターを用いた濾過によって滅菌することも可能である。
好ましくは、注射可能な薬剤形態でデリバリーされる組成物は、生体適合性高分子、ここで開示した化合物および生体適合性高分子を溶解させる生体適合性溶媒との適合形態を含み、生体適合性高分子、前記化合物(the instant)および生体適合性溶媒の重量%は完成した組成物の全重量に基づき;さらに、十分な量の前記高分子を前記組成物内で使用し、血管部位への運搬により、高分子は沈殿でき、腫瘍増殖を停止するのに十分な量の活性化合物を放出することができる。
本実施形態の他の態様では、前記組成物の適当な粘度が、好ましくは、40℃で10〜200cStの範囲で観察される。
より好ましくは、固形癌へ局所的にデリバリーされる組成物は、生体適合性高分子を約1〜95重量%の濃度で、活性化合物を約5〜約75重量%の濃度で、および、生体適合性溶媒を約5〜約95重量%で含み、全成分の重量パーセントは、完成した組成物の全重量に基づいており、さらに、組成物は少なくとも10〜約200およびより好ましくは、40℃で少なくとも約200cStの粘度を有する。
生分解性高分子は、本技術分野で知られている。例えば、Dunnらの米国特許第4,938,663号明細書は、以下の生分解性高分子の例を開示している:ポリ乳酸、ポリグリコリド、ポリカプロラクトン、ポリアンヒドリド、ポリアミド、ポリウレタン、ポリエステルアミド、ポリオルトエステル、ポリジオキサノン、ポリアセタール、ポリケタール、ポリカーボネート、ポリオルトカーボネート、ポリフォスファゼン、ポリヒドロキシブチレート、ポリヒドロキシバレレート、ポリアルキレンオキサレート、ポリアルキレンサクシネート、ポリ(マレイン酸)、ポリ(アミノ酸)、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、ポリヒドロキシセルロース、キチン、キトサンおよびコポリマー、ターポリマーおよびこれらの組み合わせ等の直鎖高分子。他の生分解性高分子は、例えば、ゼラチン、コラーゲンなどを含む。
適当な非生分解性生体適合性高分子は、例示として、セルロースアセテート、エチレンビニルアルコールコポリマー、ヒドロゲル(例えば、アクリル)、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアセテート、セルロースアセテートブチレート、ニトロセルロース、ウレタン/カーボネートのコポリマー、スチレン/マレイン酸のコポリマー、およびそれらの組み合わせを含む。
好ましい生体適合性高分子は、アクリル系高分子、セルロースジアセテートおよびエチレンビニルアルコールコポリマー、ポリエチレングリコール、キトサン、コラーゲン並びにゼラチンを含み得る。そのような高分子は、市販品を入手するかこの分野で認められている手順で製造できる。好ましい実施形態では、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ組成で決定した数平均分子量が、約5、000〜約200、000、より好ましくは約25,000〜約180,000、さらに好ましくは約50,000〜100,000である。
組成物中に生体適合性造影剤を使用する本発明の他の態様は、関心のある局所的な部位の臨床上の進行を観察しモニターすることである。これらの造影剤は、水溶性造影剤および非水溶性造影剤を含む。好ましくは、非水溶性造影剤は、硫酸バリウム、タンタル粉末および酸化タンタルからなる群から選択される生体適合性材料である。さらに好ましい実施形態では、生体適合性溶媒は水、ジメチルスルホキサイド(DMSO)、エタノール、乳酸エチルまたはアセトンである。
製剤は、例えばアンプルおよびバイアル等の単位用量または多用量密封容器に入れて提供でき、注射のために使用直前に滅菌液体担体、例えば水、の添加のみを必要とする、凍結乾燥した状態で貯蔵することもできる。即席注射用液体や懸濁液は、前記の種類の滅菌粉末、顆粒剤、ナノ粒子および錠剤から調製されてもよい。
本発明の医薬組成物は、以下の適合を含む動物用製剤の形態で使用してもよい:(1)例えば、飲薬方(水性または非水性溶液、懸濁液)、錠剤、丸薬、粉末、顆粒剤、飼料と混ぜるペレット、舌に適用するペースト等の経口投与、(2)「アンプル」として、例えば無菌溶液もしくは懸濁液を経皮もしくは筋肉内、静脈注射による、または適当な場合には、乳頭から動物の乳房に懸濁液または溶液を導入する乳房注射による、非経口的投与、(3)例えば、クリーム、軟膏剤もしくはスプレーとして皮膚に塗布する局所適用、(4)例えば膣座薬、クリーム、泡、または当業者による関心のある領域に適した他の方法として、膣内投与。
本発明は特定の実施例を参照して記載しているが、本技術分野の当業者は、本発明は記載した実施例以外によっても実施され、これらは説明のための目的で示され限定の目的で示されていないことを理解するだろう。したがって、請求の範囲はここに含まれている実施例の記述に限定されるものではない。
上記表I、IIおよびIIIで例示される本発明の化合物の製造について、スキーム1、2および3で与えられる一般的な方法を以下の実施例によってさらに説明する。具体的には、6−アルコキシアルキルエストラジオール化合物の製造について、スキーム1および2に示された方法が、以下に示される実施例1〜5によって説明され、スキーム3はエストラジオールの6−アミノ誘導体の合成のためのものである。エストロゲン受容体結合能力の評価例は実施例4にまとめられ、最終的に本発明の好ましい化合物のIC50の評価およびそれらの比較効力は実施例5に示されている。特に規定されない限り、すべての原料および試薬は標準的な市販グレードのものであり、さらに精製することなく使われているか、通常の方法でそのような材料から容易に調製されている。有機合成分野の当業者は出発原料や反応条件は所望の最終生成物を得るために変更し得ることを理解するであろう。
実施例1
6−ヒドロキシメチル−アンドロスタ−1,4−ジエン−3,17−ジオンの製造方法
反応系において、十分な量の(+)アンドロスタ−1,4−ジエン−3,17−ジオン(ADD)と12.2当量のピロリジン、触媒の酢酸、変性エタノール(95/5 エタノール/メタノール)、6〜7%のテトラヒドロフラン(THF)を30℃〜40℃にて少なくとも16時間加熱し、1,3−ジピロリジノアンドロスタ−3,5−ジエン−17−オンを生成した。一旦、ADD含有量がHPLC面積によれば3%未満になる、または定常的になる、または最終的なジピロリジノアンドロスタジエンがADDに戻り始めたら、反応混合物は5±5℃に冷やす。得られた化合物を集め、冷変性エタノールで洗浄する。収率は通常乾燥後で70〜80%であり、純度はHPLCの面積パーセントによれば通常90〜95%である。得られた1,3−ジピロリジノアンドロスタ−3,5−ジエン−17−オン1当量を、室温にて10ml/gのジクロロメタン中の2.6当量のホルマリン(ホルムアルデヒド)と混合する。反応混合物を2%硫酸溶液でpH約2に酸性化する。その後、有機層が形成され、それを2%硫酸および1:1の水/食飽和食塩水で洗浄する。溶媒をトルエン(約10ml/g)に変え、トルエン交換が進むにつれ、生成物が結晶化する。前記生成物を集め、洗浄し、乾燥して6−ヒドロキシメチル−アンドロスタ−1,4−ジエン−3,17−ジオンを得る。もし望めば当業者は6位の立体化学を当該技術分野の既知技術によりさらに変更できる。
実施例2
化合物NDC−1022および化合物NDC−1033の製造方法
式2に示されるように、エストラジオール誘導体NDC−1022、NDC−1033を以下の方法で合成した。保護したエストラジオール化合物2を、触媒としてトルエンスルホン酸またはカンファースルホン酸を用いて、化合物1とジヒドロピランとのTHF中での反応により合成する。当業者であれば、この反応は平衡反応であり、そのような条件では完了しないことが理解できる。反応混合物中に、1置換基が保護された両方の(both the mono−protected)エストラジオールが確認できる。当業者であれば、−70℃の条件下で、ベンジル位のプロトンが引き抜かれることを理解できる。中間体3をカラムクロマトグラフィーで精製し、少量の不純物とカラム溶媒を依然含んでいる、収率約50%のシロップを得る。過剰の水素化リチウムアルミニウムによるアルデヒドの還元により、ガラス状の泡であるラセミ体のヒドロキシメチルエストラジオール化合物4を高収率で得る。
NDC−1022およびNDC−1033を製造する目的で、化合物4を水素化ナトリウムおよびヨウ化メチルでメチル化することにより、メトキシメチル中間体7を製造した。化合物7はカラムクロマトグラフィーで精製し、ガラス状の泡を得た。保護基の脱保護により、ラセミ体の6−メトキシメチルエストラジオール8を得た。キラル分離(chiral preparative)HPLCによるエナンチオマーの分離により、NDC−1022およびNDC−1033が得られた。NDC−1022は、キラル純度>95:5(R/S)が実現された。NDC−1033はキラル純度86:14 S:Rが実現された。当業者であれば、4位と6位のプロトンを診断する、6位の絶対立体配置の決定にNMRを用いるのが好適である。
実施例3
NDC−1055およびNDC−1066の製造方法
実施例2に記載の方法と同様の方法を用いて、化合物4を合成する。化合物4の脱保護はメタノール中触媒の塩化水素を用いて達成され、ラセミ化合物5は、キラル分離HPLCにより2つの留分に分け、一つはNDC−1055を多く含み、もう一つはNDC−1066を多く含んでいた。それぞれの化合物は、キラル純度>95:5 R:SおよびS:Rがそれぞれ実現された。6位の絶対立体配置は、4位と6位のプロトンを診断しうる、NMRにより決定された。
実施例4
ルシフェラーゼ活性を利用したエストロゲン受容体結合能の決定方法
エストロゲン受容体−ネガティブCV−1腎細胞は湿潤5%CO雰囲気下、37℃で、10%の牛血清と100単位/mlのペニシリン−ストレプトマイシンが添加された、4.5g/Lグルコースを含有するダルベッコ改変イーグル培地に維持した。上記細胞を、10%木炭−デキストラン−ストリップ牛血清を含むフェノールレッドフリーのダルベッコ改変イーグル培地中でウェルあたり2×10の密度で6−ウェルシャーレに培養した。製造者のプロトコルに従って、LipofectAMINE試薬を使用してCV−1細胞に核酸を導入した。核酸導入は、1.5μgのレポータープラスミド(チミジンキナーゼプロモーター上流をクローンしたシングルERE並びにルシフェラーゼ遺伝子を含むERE−tk−ルシフェラーゼを含んでいる)および0.5μgのERαまたはERβ発現ベクター(それぞれ完全な長さのコード配列であるCMV−ERαまたはCMV−ERβを含む)を含む。翌日、細胞を未処理のまま(対照)、エストラジオールのみ(1nM)、またはエストラジオールにエンデン化合物を(濃度を変えながら)加えたものにより処理した。16〜24時間後、細胞を採取し、ルシフェラーゼ活性を分析した。
開始時に、細胞単層を、氷冷下のリン酸緩衝生理食飽和食塩水で2度洗浄し、250μlの1X細胞培養溶解試薬(プロメガ、マディソン、WI)中で15分間培養した。細胞抽出液を新しい試験管に移し、ルシフェラーゼ分析システム(プロメガ)を使用して分析した。それぞれの分析では10μlの抽出液を90μlの1X細胞溶媒溶解試薬で希釈した。蛍光はAutoLumat LB953発光光度計を使って測定した。
本明細書に記載する分析の組み合わせにより同定される化合物またはその塩は、エストロゲン受容体のリガンド結合部位でエストラジオールの結合を阻害する化合物である。具体的には、細胞増殖停止を引き起こし、したがって薬理活性を示すと想定されている化合物またはその塩である。図3および図4に示されるように、リード(lead)化合物NDC−1022およびNDC−1033は、エストロゲン受容体との結合において、エストラジオールに対して強い競合作用を示し、それにより細胞増殖活性の停止を引き起こす。
実施例5
候補化合物のIC50値の決定方法
細胞株を、当該細胞株に適した培地に約5%CO、37℃、95%相対湿度で維持した。細胞は2、3日毎に継代培養し、きれいな96ウェル平面プレートに1×10細胞/ウェルの密度で植え、分析の開始前、約5%CO雰囲気下、37℃で一晩培養した。細胞の生存能力分析を開始するとき、細胞プレート(100μL)中の培地を新しい培地(100μL)に置き換えた。試験物質を新たな培地に連続的に1:2に希釈し、複製し、最終の試験物質濃度が0.46、1.37、4.12、12.35、37.04、111.1、333.3、1000μM(≦1%DMSO)となるように、セル(100μL)に加えた。細胞を含んでいないウェルと、0.1%トリトン−Xで溶解させた細胞を含むウェルとを、ベースライン対照として使用した。タモキシフェンを各分析の既知対照として用い、DMSOのみをビヒクル対照として用いた。試料は、湿潤5%CO雰囲気下で、約37℃で72時間培養した。培養期間中、プレートを1日1回モニターし、集密状態に特に注意を払った。もし細胞が72時間の培養時間経過前に集密したときは、実験をその時点で終了し、細胞の生存能力を以下に記載するように測定した。
細胞の生存能を、蛍光によりATPレベルを決定するための市販キットを用いて決定した。つまり、細胞プレートから培地を除去し、100μLの新しい培地で置き換え、緩衝液および凍結乾燥した基質を室温で平衡にした。細胞プレートのウェルへの添加前に、緩衝液を用いて基質を再構成した(ウェルあたり100μL)。プレートをInfinite M200プレートリーダー中に載置し、10分間振動させた後10分間静置し、プレートを0.5秒の積分時間で減衰なしで読み取った。
そのウェルの正味の発光を得るため、対照の平均ベースライン(トリトンX−100または細胞のないウェル)を、全発光から差し引いた。この全体をDMSOのみの対照と比較した。IC50は、ビヒクル対照細胞と比較して、50%の応答をもたらす濃度として計算した。図5および図6は試験の結果を示す。したがって、当業者はクレームした組成物のR配置は他の立体異性体よりも優れていることが理解できる。
実施例6
NDC−1187の製造方法
実施例1−2と同様の方法を用いて、NDC−1022を製造する。DCM(30ml)中NDC−1022(0.32g、1mmol)の溶液に、無水酢酸(0.6ml、6mmol、3eq)、TEA(0.5ml、3.6mmol、1.8eq)およびDMAP(50mg)を添加する。反応溶液は室温で3時間攪拌した。反応後薄層クロマトグラフィー(「TLC」)を行った。
反応溶液は1M HCl(20ml)、飽和NaHCO(20ml)および飽和食塩水(20ml)でそれぞれ洗浄した。DCM相はMgSOで乾燥しろ過した。ろ液は、高真空中60℃3時間で溶媒を留去し、乾燥し、室温で一晩放置し、スキーム3の純粋な目的化合物1(0.4g、白色、定量的)を得た。
実施例7
スキーム3の化合物2のDCM溶液(0.35g、0.87mmol)に、室温でヨードトリメチルシラン(6ml、44mmol、50eq)を加えた。黄色溶液は、アルゴン雰囲気下、38℃で一晩攪拌した。
反応溶液は氷浴で冷却した。そこに、過剰の飽和NaHCO(10ml)を反応を停止させるためにゆっくり加えた。混合物の分離後、有機相は、飽和食塩水で洗浄し、濃縮し、移動相としてDCM中3%MeOHを用いたシリカゲル精製を行った。スキーム3の純粋な化合物2は収率270mg(80%)であった。
THF(20ml)中、スキーム3の化合物2の溶液(250mg、0.65mmol)、トリフェニルホスフィン(222mg、0.85mmol、1.3eq)、N−ヒドロキシフタルイミド(140mg、0.85mmol、1.3eq)を氷浴中で冷却した。冷却した溶液に、ジエチルアゾジカルボキシレート(0.6ml、1mmol、1.5eq)を加えた。反応混合物は室温まで温め、一晩攪拌した。
反応混合液は溶媒を留去し、得られた残渣をDCM(50ml)で希釈した。これを、飽和食塩水で洗浄し、濃縮し、移動相として3%MeOH/DCMを用いたシリカゲル精製を行い、スキーム3の目的の白色化合物3を収率260mg(75%)で得た。ステップ1〜3の合成は、スキーム3の化合物3(580mg)の他のバッチを合成するために繰り返してもよい。
実施例8
無水DCM(30ml)中のスキーム3の化合物3の溶液(580mg、1.1mmol)を氷浴で冷却した。メチルヒドラジン(0.22ml、2.2mmol、4eq)を添加した。混合物は、室温まで温め、3時間攪拌した。反応後LC−MSを実施した。
反応溶液は、飽和食塩水および飽和NaHCO(1:1、10ml)の溶液で洗浄した。水相は、DCM(10ml)で洗浄した。混合したDCM相を、高真空中で溶媒を留去し、乾燥した。LC−MSにより、粗生成物がスキーム3の化合物4および化合物4aである2つの主要な生成物を含んでいることを確認した。粗混合物は、さらに精製することなく直接次の反応に使用した。
実施例9
MeOH(60ml)中、スキーム3の化合物4および4aの粗混合物(〜0.7mmol)は、氷浴中で冷却した。そこに、炭酸ナトリウム(0.5g、4.7mmol)の水(10ml)溶液を加え、次いで別のNaOH(0.8g、20mmol)の水(10ml)溶液を加えた。これを室温まで温め、一晩攪拌した。
最終的な反応溶液のpHは約14であった。飽和炭酸水素ナトリウム溶液(〜10ml)を、pHを10に調整するために添加した。混合液はメタノールの大部分を除去するために蒸発させた。得られた混合物は、抽出のために、DCM(100ml)および飽和炭酸水素ナトリウム(30ml)を加えた。水相は、DCM(2x50ml)で洗浄した。混合したDCM相は、乾燥のため留去し、粗混合物400mgを得た。
粗混合物は、移動相として5%MeOH/DCMを用いてシリカゲルカラムにより生成し、目的の最終生成物NDC−1187(135mg、オフホワイト、収率60%、HPLC純度98%、NMRおよびLC−MSによって確認)を得た。

Claims (10)

  1. 下記構造を有する化合物:
    式中、R、R 、R は独立して、H、C〜Cアルキル、置換アルキルおよびハロゲンからなる群から選択され;
    は、−NH、−NH(CHOH、−NH(CH−COO塩、−(NH)CHOHCH、−NHCOOH、および−CHNHCOOHからなる群から選択され;
    nは0〜7の整数であり;
    は、H、C〜Cアルキル、C−C置換アルキル、硫酸塩、グルコロニド、フェニルまたは置換フェニル基、および、シクロまたはヘテロシクロ基、からなる群から選択され;
    はH、C〜Cアルキル、C〜C置換アルキル、ハロゲン、ハロゲン化アルキル、硫酸塩、グルコロニド、−SONH、−COOH、−CN、−CHO、−COO塩、−NH、−NHCO(CHおよびアセチルからなる群から選択され;記号
    は単結合または二重結合を表わす、ただし、前記記号
    が二重結合でありケト基を形成するときは、Rは存在しないものとする。
  2. 下記構造を有する化合物:
    式中:
    、R、R、R、は独立して、H、C〜Cアルキル、置換アルキルおよびハロゲンからなる群から選択され、
    は以下からなる群から選択される:−NH、−NH(CHOH、−NH(CH−COO塩、−(NH)CHOHCH、−NHCOOH、CHNHCOOH、
    nは0〜7の整数であり;
    はH、C〜Cアルキル、置換アルキル、硫酸塩、アミン、グルクロニドおよびアセチルからなる群から選択され、
    は単結合または二重結合であり;
    はメチルである。
  3. 以下からなる群から選択される、請求項1に記載の化合物:
  4. 請求項1または2に記載の化合物および製薬上許容され得る担体を含み、前記化合物は少なくとも1のSエナンチオマー、Rエナンチオマー、SジアステレオマーまたはRジアステレオマーを含む、薬剤組成物。
  5. 癌の増殖を阻害するための薬剤の製造における請求項1または2に記載の化合物の使用。
  6. 前記癌の増殖が、乳房、膵臓、肺、結腸、前立腺、卵巣、脳、肝臓、脾臓、腎臓、リンパ節、小腸、血液細胞、骨、胃、子宮内膜、精巣、卵巣、中枢神経、肌、頭、首、食道、および骨髄癌からなる固形癌の群から選ばれる固形癌を含む、請求項5に記載の使用。
  7. 前記化合物は製薬上適した担体中に存在する、請求項6に記載の使用。
  8. 前記固形癌はエストロゲン依存性およびエストロゲン非依存性腫瘍からなる群から選択される、請求項6または7に記載の使用。
  9. 前記固形癌はエストロゲン非依存性腫瘍である請求項8に記載の使用。
  10. 癌の増殖を阻害するための薬剤の製造に用いる化合物の使用であり、前記化合物は以下からなる群から選択される式を有する:
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