JP5290189B2 - 6−アルコキシアルキルエストラジオール誘導体およびその使用 - Google Patents

6−アルコキシアルキルエストラジオール誘導体およびその使用 Download PDF

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Description

関連出願のクロスリファレンス
本出願は2006年11月30日に出願された、米国仮特許出願第60/867,980号の利益を主張する。本出願はまた、2006年10月2日に出願された米国仮特許出願第11/541,987号の一部継続出願である。当該出願は現在2005年9月30日に出願された、米国仮特許出願第60号/722,04号からの優先権を主張している。以上の出願の教示はすべて全体として本出願に組み込まれている。
発明の分野
本発明は、一般式(1)で示される6−アルコキシアルキルエストラジオール化合物、特に(RまたはS)−6−ヒドロキシメチル−または(RまたはS)−6−メチロキシメチル−(8RまたはS,9S,13RまたはS,14S,17RまたはS)−13−メチル−7,8,9,11,12,14,15,16,17−デセヒドロシクロペンタ[a]フェナントレン−3,17ジオールとそれらの薬学上許容されうる塩、またはそれらのプロドラッグの組成物および製造方法に関するものである。本発明はインビトロとインビボの両方で癌のような増殖状態の診断と治療の両方を可能にする化合物からなる医薬組成物に関連している。
発明の背景
特に腫瘍や初期の悪性腫瘍(ここでは癌)のような増殖細胞疾患は周囲の細胞を侵し体内の遠位組織に転移することで問題を起こす。現時点で、腫瘍の治療、特に固形腫瘍形成の治療は外科手術、放射線治療、投薬治療、また前述治療の組み合わせでしばしば行われている。
米国では毎年100万以上の癌検診で、50万以上の癌患者が見つかっている。そこでそのような状況に対して新たな治療法の需要が増加している。男性では前立腺癌、肺癌、結腸癌がもっとも多い癌であり、一方、女性では乳癌、結腸癌、肺癌がもっとも多い癌である。
近年、これらの症状の管理において重要な進展が見られている。癌治療における少なくともひとつの成功例として、初期乳癌の早期診断や治療選択肢が現在では利用可能である。効果的で無毒な抗エストロゲン剤はエストロゲン作用を抑える薬剤として効果的であることが示されている。
タモキシフェンは主に初期のエストロゲン受容体モジュレーターの一つであり、乳癌の初期のホルモン治療療法で施される。また転移性疾患の補助治療や療法のためにも施される。タモキシフェンは、DNAのエストロゲン結合部位へのエストロゲン結合を阻害するエストロゲン受容体へのエストロジオール結合に対する拮抗阻害剤である。さらに、乳癌のようなホルモン応答性症に十分に寄与するエストロゲンの増加を特に妨げるアロマターゼ阻害剤の使用に対する関心も増加している。
アロマターゼ(CYP19)は更年期前や更年期女性のアンドロゲンをエストロゲンへ変化する主な酵素であると言われている。アロマターゼ阻害によるエストロゲン欠乏は乳癌である更年期患者の効果的で選択的な治療であると言われている。エキセメスタン(アロマシンとして市販されている、6−メチレンアンドロスタ−1,4−ジエン−3,17−ジオン)は不可逆なステロイドアロマターゼ不活性剤として作用する。これはアロマターゼ酵素の偽基質として作用すると考えられており、不活性の原因として酵素の活性サイトに不可逆に結合する中間体へとプロセシングを受ける。米国特許第4,808,616号および第4,904,650(これらの教示は全体として本出願に組み込まれる)はエキセメスタンのような6−メチレンアンドロスタ−1,4−ジエン−3,17−ジオン誘導体およびその製造方法について開示している。米国特許第4,876,045号は米国特許第4,990,635はアンドロスタ−1,4−ジエン−3,17−ジオンの6−メチレン誘導体の合成法を開示している。米国特許第4,990,635はアンドロスタ−1,4−ジエン−3,17−ジオンの6−メチレン誘導体の合成法を開示している。
エキセメスタンの調製に有用でありうる中間体の合成法は、米国特許第3,274,176号に開示されている。ドイツ国特許第DD258820号にはアンドロスタ−1,4−ジエン−3,17−ジオンから1,3−ジピロリジノアンドロスタ−3,5−ジエン−17−オンを経る6−ヒドロキシメチル−アンドロスタ−1,4−ジエン−3,17−ジオンの合成法が示されている。
審査中の2005年1月14日に出願された国際出願第PCT/US2005/001248号(PCT公開第WO2005/070951号)にはエキセメスタンの調製に有用な中間体の合成法が示されており、参照により本出願に組み込まれる。エキセメスタンの構造を以下に示す。
SchneiderらはHelvetica Chimica Acta (1973),56(7),2396−2404の“Course of the reaction of steroidal 3,5−dienamines with formaldehyde”に次の化合物を示している。
式中、符号:
が二重結合を示すとき、ケト基が存在し、Rは存在しないことを意味し、符号:
が単結合を示すとき、Rは水素である(すなわち、アルコール基)。本発明の化合物とは異なり、Schneiderの化合物にはエストロジアール、テスタストロン、ジヒドロテスタストロン誘導体は含まれていない。
エストランの3つのヒドロキシ置換体は米国特許第3,377,363号にTadanierらにより開示されているが、本発明の化合物の芳香環の3−ヒドロキシ置換体は開示されていない。
米国特許第5,914,324号にDe Funariらは高血圧や心不全治療薬として6−ヒドロキシとオキシアンドロスタンを開示している。米国特許第6,384,250号にGobbiniらは(E,Z)−3−(2−アミノエトキシイミノ)−アンドロスタン−6,17−ジオンの合成中間体として6位のヒドロキシ置換体とケトン置換体を開示している。これらの化合物は心不全治療薬として用いられた。6位にアルキルヒドロキシル置換基を有する置換体の効果は示されていない。
TanenbaumらはProc.Natl.Acad.Sci.USA,Biochemistry,Vol.95,pp5998−6003の“Crystallographic comparison of the estrogen and progestone receptor‘s ligand binding domains”においてERレセプターのメカニズムとERリガンド結合領域を有する3−ヒドロキシ置換した芳香環を含むエストラジオールを開示している。19メチル置換のない平面芳香族基が有効であることも開示されている。以上のように、癌治療のための新しく効果的な治療薬は未だに求められている。
発明の概要
上述の点を踏まえ、本発明は化学療法用の化合物や組成物、それらの製造方法や用途を提供するものであり、それに関して、上記に示されたものを含み以前の技術の様々な欠点や欠陥を補うものである。
本発明の特徴は化学式IとIIの化合物に関するものである。
式中、R、R、R、R、R、R,R、およびRは、それぞれ独立して水素、C−Cアルキルまたは置換アルキル、ハロゲン、硫酸エステルまたはグルクロニド部分であり、符号:
は単結合または二重結合を表し、符号:
が二重結合であって3位または17位にケト基を形成する場合、それぞれRまたはRは存在せず、符号:
は、10位に結合が存在する、または存在しないことを示しており、符号:
は、立体化学にかかわらず任意の種類の結合を示す。化合物はエナンチオマーや他の立体異性体、水和物、溶液和物、互変異性体、それらの薬学上許容されうる塩を含む。
本発明は哺乳類の被検体における癌の治療方法を提供する。本発明の本形態では、哺乳類の被検体の腫瘍や癌細胞増殖を阻害する方法を提供する。当該方法により、癌細胞は式(I)や式(II)の化合物、または本願に示す薬学上許容されうるエナンチオマーや他の立体異性体、水和物、溶媒和物、互変異性体、またはそれらの塩に曝露されまたは接触される。特に本発明の方法や式(I)、式(II)の化合物は本願記載の特定癌の治療法への使用に限定するものでもない。また本発明の方法では、式(I)や式(II)の化合物からなる成分を本願記載の特定癌の治療への使用に限定するものでもない。
本発明の化合物は、以下に制限されないが、乳房、膵臓、肺、結腸、前立腺、卵巣に関する固体癌のほか、脳、肝臓、脾臓、腎臓、リンパ節、小腸、血液細胞、骨、胃、子宮内膜、精巣、卵巣、中枢神経系、肌、頭、首、食道、骨髄癌;さらに白血病、急性前骨髄球性白血病、リンパ腫、多発性骨髄腫、骨髄異形成、骨髄増殖性疾患、不応性貧血のような血液の癌などの、ホルモンやエストロゲンの活性に直接または間接的に効果をもつ任意の癌の治療に用いられうる。
本発明の化合物は哺乳類の被検体の併用的癌治療に用いられてもよい。さらに式(I)や式(II)の化合物を化学治療、放射線治療、遺伝子治療、ホルモン療法や本技術分野において公知の癌療法のような他の補助的な癌療法と併用して投与してもよい。
本発明の化合物は薬形、プロドラッグ、活性代謝物としてでも哺乳類の検体に投与されてもよい。本発明の治療方法で、「投与」は具体的に開示された化合物または具体的には開示されていないが患者に投与された後に体内で治療効果を示す所定の化合物へと変化する化合物の、さまざまな状況での治療を含む。
本発明の他の形態は、式(III)でRがメチルまたは水素であるプロドラッグを患者に投与すること、並びに、式IIの対応するR、R、R、R、Rのいずれかがメチルか水素である、式(IV)、(V)、(VI)、(VII)、および(VIII)の代謝物を形成することを含む、癌細胞の増殖を阻害する方法を提供する。
そのような代謝物は、例えば以下に示す構造を含む。
本発明の他の目的、特徴、利益、利点は本概要と以下に記載の実施形態により明らかにされ、さまざまな化学療法の化合物、方法、および/または実施の形態の知識を有する当業者に明らかである。
図1はエストラジオールの生合成経路を示す。 図2はエストラジオールの予想代謝経路を示す。 図3はルシフェラーゼ発現(RLU=相対照度単位)で測定されたエストロゲンレセプターベータ(ER−β)活性におけるNDC−1011、NDC−1022、NDC−1033、NDC−1044、NDC−1055,NDC−1066の効果を示す。CV−1細胞は2つのプラスミド構造に導入され、レセプターはERE−tk−ルシフェラーゼとCMV−ER−β構造を構成する。導入されたコントロール(Ctrl)CV−I細胞は未処理で、一方、処理済みのエストラジオール(E2)は10−9M(1nM)でのみ加えられた。NDCの場合はそれぞれの化合物は10−8M(10nM)(それぞれの試験化合物で左柱に)または10−8M(10nM)に10−9Mのエストラジオール(E2)を加えたもの(それぞれの試験化合物で右柱に)として示す。 図4はエストロゲンレセプターアルファ(ER−QC)上でのNDC−1011、NDC−1033、NDC−1055、NDC−1066の効果をルシフェラーゼ発現(RLU=相対照度単位)で測定した効果を示す。CV−1細胞は2つのプラスミド構造に導入され、レセプターはERE−tk−ルシフェラーゼとCMV−ER−β構造を構成する。導入されたコントロール(Ctrl)CV−I細胞は未処理で、一方、処理済みのエストラジオール(E2)は10−9M(1nM)でのみ加えられた。NDCの場合はそれぞれの化合物は10−8M(10nM)(それぞれの試験化合物で左柱に)または10−8M(10nM)に10−9Mのエストラジオール(E2)を加えたもの(それぞれの試験化合物で右柱に)として示す。 図5はそれぞれの細胞株HT−29,SK−OV−3,NCl−H23,MCF−7,MDA−MB−231,OVCAR−3,CAPAN−1,CAPAN−2,SH−SY5Y,A−549,PC−3で決定したNDC−1022(左欄)、NDC−1033(中欄)、NDC−1044(右欄)のIC50成長阻害データ(μM)を示す。 図6はそれぞれの細胞株HT−29,SK−OV−3,NCl−H23,MCF−7,MDA−MB−231,OVCAR−3,CAPAN−1,CAPAN−2,SH−SY−5Y,A−549,PC−3で決定したNDC−1022(左欄)、NDC−1033(中欄)、NDC−1044(右欄)のIC50成長阻害データ(μM)を数値で示す。
発明の詳細な説明
定義にかかわらず、以下に記載のすべての技術と科学的な用語は本発明の属する当業者に共通に同じ意味で理解される。本願に参照されているすべての出版物や特許にある参考文献は参照により全体として本出願に組み込まれる。特段の定めがなければ、化合物はそのラセミ体や他の混合物などすべての異性体を含む。特段の定めがなければ、特定の化合物への言及は、例えば本願に議論されているような、当該化合物のイオン、塩、溶媒和物(例えば水和物)をも含む。
合成法や精製法、例えば薬学上許容されうる塩のような活性化合物の取り扱い方は都合のよい、または望まれる方法である。薬剤許容塩の例は1977年、J.Pharm.Sci.,66巻,1−19ページの”Pharmaceutically Acceptable Salts“にBergeらにより議論され、本願でも議論されている。
本発明の抗細胞増殖化合物は癌の治療で利用され、さらに本発明は抗癌剤を提供する。ここで「抗癌剤」とは、癌を治療する化合物(例えば、癌の治療に有益な化合物)に関連する。抗癌効果はひとつ以上のメカニズムを経ており、細胞増殖の調節、欠陥形成(新たな血管の形成)、癌の転移阻害(癌の広がり)、侵食の阻害(がん細胞の近隣の正常な細胞への広がり)、プログラム細胞死の阻害に限られない。
本発明は治療により人体や動物の体内の治療で利用される活性な化合物を提供する。そのような方法は療法に効果的な活性化合物の量、好ましくは本願でさらに議論されている医薬組成物の形状での投与を含む。
本願の「治療」または「療法」は、一般的な哺乳類の検体の治療や療法を示しており、ヒトまたはヒト以外の動物(例えは、獣医学的に)の治療や療法を示しており、例えば、状態の進行の阻害、進行の減速や進行速度の停止、状態の改善および/または回復などの望まれる治療効果を示すものである。疾病予防としての治療も含まれており、経時的または同時に併用される2種またはそれ以上の治療と療法の併用も含む。以下のような治療や療法には限らないが、例えば化学療法(薬や活性薬剤、抗体(例えば免疫治療で用いるもの)、プロドラッグ(例えば3位や17位のような適当な位置にリン酸誘導体やリン酸エステルを保護基に有するものや光力学療法、GDEPT,ADEPTなどに用いる他の化合物)の投与)と外科手術、放射線治療、遺伝子治療の併用である。
本願で用いられる場合、「立体異性体」は、空間で結合の向きが異なる異性体を意味する。本発明において特に重要な二つの立体異性体はお互いに鏡像関係であるかどうかに依存するエナンチオマーとジアステレオマーである。具体的には、単離され分離された化合物からなる特許請求される製剤は「実質的に他の異性体を含まない」。
本願で用いられる場合、「治療有効量」は、活性化合物または材料、構成成分、活性化合物からなる投与剤の量に関係し、妥当な利益/リスク比率を比較したうえで望む治療効果を与える量である。
本願で用いられる場合、「患者」は哺乳類を含む動物をいい、好ましくはヒトである。
「患者の領域」は具体的な領域または例えば増殖性疾患、癌や腫瘍に苦しむ患者の領域をいい、時には全患者の領域をいう。典型的な領域は肺領域、胃腸領域、胸部領域、腎臓領域であり、他の体の領域、細胞、リンパ球、感覚器、血管と循環系を含む器官などと癌細胞であり、「患者の領域」は例えば開示された化合物や成分を処置された領域を含む。「患者の領域」は外部であることもあるが、好ましくは内部である。
「組織」は一般的に特殊な機能を構成する特別な細胞をいう。「組織」は個々または複数の細胞か例えば細胞膜や血液、器官のような集合細胞をいう。「組織」は個々の異常細胞や複数の異常細胞も含んでいう。例えば、典型的な組織は胸部細胞を含む胸部組織、内皮、上皮を含む細胞組織、薄膜組織、結合組織、間質組織、腫瘍組織を含んでいる。
本発明は式(I)−(II)で表される化学療法化合物についてのものである。
式中、R、R、R、R、R、R,R、およびRは、それぞれ独立して水素、C−Cアルキルまたは置換アルキル、ハロゲン、硫酸エステルまたはグルクロニド部分であり、符号:
は単結合または二重結合を表し、符号:
が二重結合であって3位または17位にケト基を形成する場合、それぞれRまたはRは存在せず、符号:
は、10位に結合が存在する、または存在しないことを示しており、符号:
は、立体化学にかかわらず任意の種類の結合を示す。化合物はエナンチオマーや他の立体異性体、水和物、溶液和物、互変異性体、それらの薬学上許容されうる塩を含む。
式(I)の一実施形態において、R、R、R、Rは水素原子、メチル、またはClであり、R、Rは水素またはメチルであり、R、RはC−Cぐらいのアルキル基または置換アルキル基、ハロゲンであり、符号:
はアルコール基に対応して単結合である。さらに他の実施形態において、C6炭素の立体化学はSまたはRのエナンチオマーかジアステレオマーを含む。
本発明の具体的な化合物は医薬組成物に用いられる。当該組成物は上記で議論された、または以下に記載の、さらには本願で暗示されている化合物から選ばれた一つまたはそれ以上の化合物またはその混合物を含む。ある実施形態では、そのような組成物は薬学上許容されうる担体成分を含む。これに制限されないが、当該組成物は化合物のラセミ混合物を含んでもよい。ある実施形態では、当該化合物はSまたはRのエナンチオマーであってもよく、好ましくは、実質的に他の異性体を含まないそれらの単離され精製された形態であり、RまたはRは水素またはC6アルキル基、置換アルキル基、ハロゲンであってもよい。
本発明の化合物は不斉中心を持っていてもよく、ラセミ体でもよい。ここでいうラセミ体は(S)‐6‐メチロキシメチル‐(8S,9S,13S,14S,17S)‐13‐メチル‐7,8,9,11,12,14,15,16,17‐デセヒドロシロペンタ‐[a]‐フェナントレン‐3,17‐ジオール、または(R)‐6‐メチロキシメチル‐(8S,9S,13S,14S,17R)‐13‐メチル‐7,8,9,11,12,14,15,16,17‐デセヒドロシロペンタ‐[a]‐フェナントレン‐3,17‐ジオール、(R)‐6‐メチロキシメチル‐(8R,9S,13R,14S,17R)‐13‐メチル‐7,8,9,11,12,14,15,16,17‐デセヒドロシロペンタ‐[a]‐フェナントレン‐3,17‐ジオール(NDC‐1022)、(S)‐6‐メチロキシメチル‐(8R,9S,13R,14S,17R)‐13‐メチル‐7,8,9,11,12,14,15,16,17‐デセヒドロシロペンタ‐[a]‐フェナントレン‐3,17‐ジオール(NDC‐1033)である。
本発明の一実施形態は、6置換エストラジオールのRまたはSのエナンチオマー、またはRまたはSのジアステレオマーの合成法に関する。合成の方法(例えば不斉合成)や異性体の精製(例えば分別再結晶やクロマトグラフィー法)は一般的に本技術分野において公知であるかまたは、ここで示す方法により容易に得られる。その方法の1つは審査中の米国特許出願SN11/541,987に記載されており、その教示は全体として本出願に組み込まれる。
本発明の他の実施形態は、エストラジオールの6−ヒドロキシメチルまたは6−メチロキシメチル誘導体の調製に関する。エストラジオール誘導体の調製の反応式を以下のスキーム1に示す。本方法はエストラジオールのt−ブチルジメチルシリル誘導体とLIDAKOR/THF/ホルムアルデヒドの反応であり、6−ヒドロキシル化物を次のように得る。(i)加水分解を行い、エストラジオールの6−ヒドロキシメチル誘導体NDC−1066を、および/または(ii)硫酸ジメチルとの処理後に加水分解を行いエストラジオールの6−メチロキシメチル誘導体,NDC−1033を得る。NDC−1088はNDC−1033のC−17位のヒドロキシル基を酸化することで得られる。
代替方法として、本発明の化合物は次のように調製可能である。つまり(i)エストラジオールを保護し、(ii)6位にベンジル保護したエストラジオール化合物をLIDAKOR/ブチルリチウム/ジイソプロピルアミン/ポタシウムターシャリーアミレートでアシル化し、(iii)6位のアルデヒドをリチウムアルミニウムヒドリドで還元し、(iv)エストロジアールの保護を脱保護する。エストラジオール誘導体を調製する反応式を以下のスキーム2に示す。
本発明の化合物は以下の式に示す方法で合成可能である。
本発明に基づき、様々なメチロキシアルキル誘導体は、アルキル化試薬の選択によってのみ制限される。かような誘導体は、本発明を認識した当業者によれば理解され、本願記載の合成法、これを単純に変更した方法により入手可能であり、かような変更は同様に当業者によって理解される。よって、特に制限されないが、C−Cアルキルと置換アルキル試薬(例えば当業者に理解されるC−C直鎖、置換直鎖、分枝または置換分枝アルキル)が対応するメチロキシアルキル誘導体を調製するために使用可能である。
本発明は哺乳類の検体(例えばヒト患者)の癌の治療方法に関する。本発明の本形態では、腫瘍や癌細胞の増殖を阻害する方法が提供される。当該方法では、式(I)の化合物、またはその薬学上許容されうる塩や水和物に細胞を曝露し、またはこれに接触させる。
式中、R、R、R、R、R、R,R、およびRは、それぞれ独立して水素、C−Cアルキルまたは置換アルキル、ハロゲン、硫酸エステルまたはグルクロニド部分であり、符号:
は単結合または二重結合を表し、符号:
が二重結合であって3位または17位にケト基を形成する場合、それぞれRまたはRは存在せず、符号:
は、10位に結合が存在する、または存在しないことを示しており、符号:
は、立体化学にかかわらず任意の種類の結合を示す。化合物はエナンチオマーや他の立体異性体、水和物、溶液和物、互変異性体、それらの薬学上許容されうる塩を含む。
これらの方法は、以下に制限されないが、乳房、膵臓、肺、結腸、前立腺、子宮に関する固体癌のほか、脳、肝臓、脾臓、腎臓、リンパ節、小腸、血液細胞、骨、胃、子宮内膜、精巣、卵巣、中枢神経系、肌、頭、首、食道、骨髄癌;さらに白血病、急性前骨髄球性白血病、リンパ腫、多発性骨髄腫、骨髄異形成、骨髄増殖性疾患、不応性貧血のような血液の癌などの、ホルモンやエストロゲンの活性に直接または間接的に効果をもつ任意の癌の治療に用いられうる。
さらに、様々な癌の状態の治療へ本発明の化合物は、式(I)の化合物を化学療法、放射線療法、遺伝子療法、ホルモン療法や技術的に知られている癌療法のような他の補助的な癌療法と併用して投与してもよい。現在開示されている化合物を他の抗癌剤または化学療法試薬と併用することは本発明の範囲内である。そのような試薬はV.T.DevitaとS.HellmanのCancer Principles and Practice of Oncology,第6版(2001年2月15日),Lippincott Williams & Wilkins Publishersに示されている。普通の技術をもつ内科医、獣医、臨床医は、試薬の併用は薬の特徴に基づいていることを認識している。そのような抗癌剤は次のようなものである:エストロゲン受容体調整薬、アンドロゲン受容体調整薬、レチノイド受容体調整薬、細胞障害剤、抗増殖剤、プレニル転移酵素阻害剤、HMG−Coa還元酵素阻害剤、EHVプロテアーゼ阻害剤、逆転写酵素阻害剤、アロマターゼ阻害剤、血管新生阻害剤。
本発明の少なくとも1つの形態において、本発明者らは以下の表1に示す本発明の化合物を例示している。
表1における好適な化合物は化合物15および化合物20である。本発明の少なくとも1つの形態はこれらの好適な化合物、その使用および製造方法に関する。
本発明の他の少なくとも1つの形態では、本発明者らは以下の表2に示す本発明の化合物を例示ている。
表2における好適な化合物は化合物80、化合物90、化合物98、および化合物128である。本発明の少なくとも1つの形態はこれらの好適な化合物、その使用および製造方法に関する。
本明細書に記載の所定の癌状態の治療に関する1つの具体的かつ非制限的な例としては、以下の式(IX)を有する式(I)の化合物の使用が挙げられる。
本明細書に記載の所定の癌状態の治療に関する他の具体的かつ非制限的な例としては、以下の式(X)を有する式(I)の化合物の使用が挙げられる。
上記の活性化合物は、ある候補宿主が当該化合物を用いた治療により利益を受けられそうか否かを決定するためのインビトロアッセイにも使用されうる。本発明の活性化合物は、例えば、分析で他の活性化合物、他の抗増殖剤、他の抗炎症剤などを識別するためにも標準試薬として使用される。
少なくとも1つの本発明の他の形態では、候補化合物はエストロゲン受容体拮抗活性を示すと評価された。化合物がエストロゲン受容体拮抗活性を示す評価は本技術分野において公知の様々な方法により行われうる。本出願では、その能力は本願記載の選別法によりルシフェラーゼ結合分析を行うことで決定される。
本発明の本形態のより好適な実施形態具体例では、エストロゲン受容体結合能をCV−I細胞とER(α)やER(β) プラスERE−tk−ルシフェラーゼ受容体構造を一過的に導入することで評価した。その後、その細胞は実験対照とエストラジオールのみ(1nM)または未処理の候補群、またはエンデセ化合物を異なった濃度でエストラジオールに加えた候補群に分けた。16〜24時間後にその細胞を採取し、市販のアッセイキットを使ってルシフェラーゼ活性を試験した。
さらに本発明の他の形態では、候補化合物のIC50すなわち50%最大阻害濃度を、薬剤効力や体内使用の効果的な投与法を調べるために決定した。当業者であれば、一般に知られる方法でかような情報を確認することができる。本技術分野においてよく開示されているように、IC50は生化学的過程の50%を阻害するのにどれくらいの量を要するかの尺度を示す。本発明の場合には、候補化合物のIC50はビヒクル対照細胞に比較して50%の応答を示す濃度である。
本願記載のように、本発明の化合物の塩は無毒の「薬学上許容されうる塩」である。しかしながら、他の塩もまた、本発明の化合物の調製や薬学上許容されうる塩の調整に有益である。本発明の化合物が塩基性の官能基を含むとき、「薬学上許容されうる塩」に含まれる塩は一般的に遊離塩基と適当な有機酸または無機酸との反応で調製された無毒な塩をいう。代表的な塩は本技術分野で知られた塩である。本発明の化合物は酸性部位を有しており、適当な薬学上許容されうる塩はナトリウム塩やカリウム塩のようなアルカリ金属塩であり、カルシウム塩やマグネシウム塩のようなアルカリ土類金属塩であり、さらには4級アンモニウム塩のような適当な有機配位子を持つ塩である。
ヒト患者のような哺乳類検体を治療する癌細胞または標的腫瘍細胞への曝露またはその接触を促進させるために、本発明の一つまたはそれ以上の化合物、または薬剤許容塩の有効量を哺乳類に投与する。効果的な投与形態や投与方式、投与量は経験的に決定され、その決定は当該分野の知識により決定される。その投与量は特別な化合物を当該分野で普通の知識をもつ内科医、獣医、臨床医により理解され、病症の経過および/または進行、投与方法、効果成分の排泄速度、患者の腎機能や肝機能、治療の持続期間、同じ患者に投与されている他の薬や年齢、大きさ、医術で知られた類似ファクターとの影響により変えられる。ここで議論されているように、本発明の化合物はタブレットやカプセル(それぞれ持続性放出や時間放出製剤)、ピル、粉末、微粉化された成分、顆粒剤、エリキシル剤、チンク剤、懸濁剤、シロップ、エマルジョンとして経口投与される。同じく、それらは静脈(大量静注、点滴)や、服膣内、局所(例えば点眼剤)、皮下、筋肉内、経皮的に(例えば、パッチ)、薬剤分野でよく知られたすべての形状で投与される。さらに、普通の知識を持つ内科医、獣医、臨床医は症状の進行を予防し、対応し、停止するための効果的な量をすぐに決め、処方することができる。
必要とする効果のために、本発明の経口投薬量は体重に対しておよそ0.01mg/kg/dayから100mg/kg/day の範囲であり、好ましくは0.01mg/kg/dayから10mg/kg/dayであり、もっと好ましくは0.01mg/kg/dayから5.0mg/kg/dayである。治療される患者の症状により投与量を調整するために、活性な成分を0.01、0.05、0.1、0.5、1.0、2.5、5.0、10.0、15.0、25.0、50.0、100、500ミリグラム含むタブレット状で分けておくのが好ましい。医薬は一般的には活性成分をおよそ0.01mgからおよそ500mg含み、好ましくは活性成分をおよそ1mgから100mg含むのが好ましい。静脈投与の場合には、0.1から10mg/kg/分の範囲で一定速度の投与がもっとも好ましい。本発明の化合物は毎日1度で投与、または合計日用量を毎日2回、3回、または4回の投与に分けるのが好ましい。上述のように、本発明の化合物は他の抗癌剤や哺乳類の治療計画を促進する薬剤と併用で利用可能である。そのような併用の個々の成分は治療中の異なった時または同時に、その治療の必要な患者や患者の部位に単独にまたは併用して投与される。従って本発明はすべてそのような同時の治療計画または代替の治療を含んで理解され、「投与」という言葉は解釈される。本発明の化合物と対応する癌症状の治療に有益な他の薬剤の併用の適用範囲は原則としてエストロゲン機能の障害を治療するどのような有効成分を含んだ成分とのどのような併用も含む。
本明細書で用いられル場合、「組成物」とは、特定の量で特定の成分を含む生成物を含むことを意味し、ここで特定の成分とは特定の量で特定の成分の併用の結果、直接または間接的な生成物である。
プロドラッグの形で活性な化合物を調製、精製および/または取り扱うことが都合が良く、または望ましい。本明細書で用いられる場合、「プロドラッグ」は、活性な化合物へと代謝され、望みの活性な化合物を生成し、またはそのものである化合物である。これは、例えば3,6,10,17位のような適当な位置にリン酸エステル部位を加えることを含む。一般的に、プロドラッグは不活性であり、有利な取り扱いや、投与、代謝特性により供給する活性化合物に比べ反応しにくい。例えばあるプロドラッグは活性化合物のエーテルであり、代謝によりエーテル基は分解し活性な薬を生成する。また、あるプロドラッグは酵素作用により活性な化合物を生み出し、または更なる化学反応により活性な化合物を生成するような化合物である。このように、本発明が開示する治療方法で、「投与」とは、具体的に開示された、または具体的に開示されていないが、患者への投与後に体内で特定の化合物に変わる化合物を用いた様々な状態の治療を含む。これらの化合物の代謝産物は、本発明の化合物を哺乳類に導入することで生成する活性種を含む。
本発明の化合物は効果的な抗増殖剤のプロドラッグである。低いまたは穏和な固有活性を示す化合物はプロドラッグとなる可能性があり、代謝により(体内で)より効果的な化合物になる可能性がある。特に代謝活性化は腫瘍内の酵素により起こりうるため癌療法で有効である。基質として活性なプロドラッグはCYP19または17β‐HSD,HS−デメチラーゼ、ステロイドの結合した酵素により代謝され、抗癌剤を生み出す。エキセメスタンの(R)または(S)−6−メチロキソアルキル誘導体は乳癌を含む多くの癌に対して活性を示す。胸、肺、結腸、前立腺、子宮内膜、卵巣癌などに由来する細胞株の中での癌細胞成長阻害活性はNDC−1011のエナンチオマーに観測される。例えば、体外での癌細胞成長はCYP19陽性型(MDA−MB−213とSK−OV−3)である細胞株で最も高く、CYP19陰性型(MCF−7とNIH:OVCAR−3)である細胞株は減少し、NDC−1011はプロドラッグとして作用しうる。以下にNDC−1077とNDC−1011の構造を示す。
どんな理論にも拘束されないが、例えば、NDC−1011がプロドラッグである場合、生体中のいかなる通常のステロイド産生酵素がNDC−1011化合物に活性で、NDC−1011を活性な代謝物に変化させてもよい。本発明の本形態は(S)と(R)ジアステレオマーの両方に対して同様にあてはまる。
本発明のプロドラッグ化合物は内因性のアンドロステンジオンと同様に作用し、NDC−1011はCYP19によりC−3炭素をヒドロキシル化することにより芳香族環へと変換され、代謝産物NDC−1099を与える。図1に、アンドロステンジオンはCYP19によりエストロンを生成するエストラジオールの生合成経路を示す。NDC−1099は17β‐ヒドロキシステロイド脱水酵素(17β―HSD)の可逆反応により、C−17炭素で更にヒドロキシル化され、ジオール体NDC−1022を与える。
エストラジオールと同様にジオール化合物NDC−1022は芳香環を有するが、C−6炭素にメチロキシアルキル置換基が結合している点でエストラジオールとは異なる。NDC−1011は図2に示すように代謝され、ジオール体NDC−1022を生成する。例えば17β―HSDにより生成したNDC−1044はCYP19の芳香族化活性によりNDC−1022ジオールを生成する。
どんな理論にも拘束されることなく、エストラジオールはC17−OH(His524を介し)および、C3−OH(Arg394とGlu353)に介しエストロゲン受容体(ERαとERβの両方)のレセプターリガンドポケットに結合すると報告されている。エストラジオールと同様に、NDC−1022ジオールは類似のアミノ酸結合によりERαとERβの同じリガンドポケットに結合する。さらに、NDC−1022のC−6炭素のメチロキシアルキル置換基は普通のリガンド結合レセプターの配座を変え抗腫瘍活性を有するようになる。
さらにデメチラーゼ酵素活性はNDC−1011(またはNDC−1011の代謝産物の一つ)のC−6メチル基に作用し、トリオール体の代謝産物NDC−1055を与える。NDC−1055トリオール代謝産物のようなC−3,C−6,C−17炭素のアルコール基はC−3,C−6,C−17アルコールと様々な結合をする組織とステロイドレセプターの幅広いスペクトルに結合する。そのような代謝産物の一例は以下に示す式(VII)Bのような化合物である:
本発明の医薬製剤は、経口投与、経鼻投与、(トローチ剤や舌下を含む)局所投与、経肛門投与、経膣投与、および/または非経口投与を含む。投与経路にかかわらず、活性成分は本技術分野において公知の慣用法より薬学上許容されうる形態に製剤化される。
単回用量の剤形を作製する媒体材料と結び付けられる活性成分の量は治療される受容者や投与方法、上記のような他のすべてのファクターによって変わる。単回用量の剤形を作成する媒体材料と結び付けられる活性成分の量は一般的に治療効果をもたらす最小の投与量である。
医薬製剤や医薬組成物を調製する方法は、活性成分を媒体や別の1や2の補助成分と混ぜる段階を含む。一般的に製剤は活性成分を液体媒体と混ぜることで均一で密接に調製され、または精密に固体媒体と分離し、必要であれば成型し、合成する。
経口投与に適した本発明の製剤は溶液や水または水以外の液体の懸濁液、さらには水中油系、油中水系エマルジョン、またはエリキシルやシロップ、さらにはトローチ(ゼラチンやグリセリン、スクロース、アカシアのような不活性基質に使用している)および/または口洗浄剤として、それぞれあらかじめ決定した量の活性成分を含むカプセルやカシェ剤、ピル、錠剤、ロゼンジ剤(普通スクロースやアカシア、トラガカントなど矯味ベース)、粉末剤、顆粒剤である。活性成分はボーラス、舐剤、糊剤としても投与される。
固形物投与において、経口投与(カプセル、錠剤、ピル、糖衣剤、粉末剤、顆粒剤など)、プロドラッグ、活性成分(微小形状で)のため発明の形状はクエン酸ナトリウムやリン酸ジカルシウム及び/または以下に示すような一つ又はそれ以上の薬剤許容媒体を混ぜている。(1)デンプン及び/またはラクトース、スクロース、グルコース、マンニトールサリチル酸のような充填剤またはエクステンダー;(2)カルボキシメチルセルロース、アルギン酸エステル、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、スクロース、アカシアのような成型剤;(3)グリセロールのような保湿剤;(4)寒天や炭酸カルシウム、芋デンプン、タピオカデンプン、アルギニン酸、ある種の珪酸塩、炭酸ナトリウムのような粉砕剤;(5)パラフィンのような液体リターディング試薬;(6)4級アンモニウム化合物のような吸収加速剤;(7)セチルアルコールやモノステアリン酸グリセリンのような界面活性剤;(8)カオリンやベントナイト粘度のような吸収剤;(9)タルクやステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固化ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム、それらの混合物のような吸収剤:(10)着色剤。カプセルや錠剤、ピルの場合、医薬成分は緩衝剤からなる。同様のタイプの固体成分は高分子量のポリエチレングリコールなどと同じくラクトースや乳糖のような添加剤を使用する軟質と硬質の充填ゼラチンカプセル剤として用いられる。
錠剤は一つまたはそれ以上の添加成分との圧縮成型や鋳型成型により作成される。圧縮錠剤はゼラチンやヒドロキシプロピルメチルセルロースを例とする接着剤や潤滑財、不活性希釈剤、保護皮膜、錠剤分解剤(例えば、グルコース酸ナトリウムデンプンや類似のカルボキシメチルセルロースナトリウム)、表面活性剤、分散剤を用いて成型される。鋳型錠剤は、不活性な希薄液体に湿らせた粉末状の活性成分を適当な機械で鋳型することで成型される。
錠剤や、糖衣剤、カプセル、ピル、顆粒剤のような本発明の医薬組成物の固体投薬形態は医薬調合技術でよく知られている腸浴コーティングや他のコーティングといったコーティングやシェルでスコアや作成することができる。それらは活性成分の緩やかにまたは制御された放出をするため、目的の放出プロフィールを提供するために、種々の比率でヒドロキシプロピルメチルセルロース、他のポリマーマトリックス、リポソーム、および/またはミクロ球状物を用いて製剤化されている。例えば、それらは細菌保持フィルターでの濾過により殺菌されている。これらの成分は不透明剤を含み、腸管のある部分で除放様式により、活性成分のみを、または活性成分を優先的に放出する組成である。使用される埋封組成物の例は高分子物質とワックスを含んでいる。活性成分はマイクロカプセル化され形態であってもよい。
活性成分の経口投与のための液体投薬形状は薬剤許容エマルジョンやマイクロエマルジョン、溶液、サスペンション、シロップ、エリキシル液を含む。活性製剤に加えて、液体投薬形状は、例えば水や他の溶液、溶解剤のような一般的に用いられる不活性希釈剤を含んでおり、エチルアルコールやイソプロピルアルコール、酢酸エチル、ブチルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、グリコール、オイル(特に、綿実油や落花生油、とうもろこし油、胚芽油、オリーブ油、ヒマシ油、ごま油)、グリセロール、アミルアルコール、テトラヒドロフリルポリエチレングリコール、ソルビタンの脂肪酸エステル、それらの混合物のような乳化剤を含んでいる。
不活性希釈剤に加えて、経口成分は湿潤剤や乳化剤、懸濁剤、甘味剤、矯味剤、着色剤、芳香剤、防腐剤のような補助物質を含んでいてもよい。活性成分に加えて、エトキシル化アルコール、ポリオキシエチレンソルビトール、ソルビタンエステル、微結晶セルロース、メタ水酸化アルミニウム、ベントナイト、寒天、トラガカント、それらの混合物のような懸濁剤を含んでいてもよい。経肛門や膣経路投与のための発明の薬剤成分の形状は座薬であり、活性成分と一つまたはそれ以上の適当な非刺激性賦形剤やココアバターやポリエチレングリコール、ワックス、サリチル酸エステルのような媒体成分であり、室温で固体であるが体温では液体であるようなものであり、つまり直腸または膣腔で融解するものである。経膣投与に適した本発明の形状はペッサリーやタンポン、クリーム、ゲル、ペースト、フォームであり、そのような担体は当業者によく知られているスプレー形状であってもよい。
活性成分の局所的または経皮投与の投与形状はパウダースプレーや軟膏剤、ペースト、クリーム、ローション、ゲル、溶液、パッチ、吸引剤であってもよい。活性成分は薬学上許容されうる担体と共にでも、どんな緩衝剤を用いても、必要な推進剤を用いて無菌状態で混合されたものでもよい。
活性成分に加えて軟膏剤やペースト、クリーム、ゲルは動物脂肪や植物脂肪、オイル、ワックス、パラフィン、デンプン、トラガカント、セルロース誘導体、ポリエチレングリコール、シリコン、ベントナイト、珪酸、タルク、酸化亜鉛やそれらの混合物の賦形剤を含んでいてもよい。粉末やスプレーは、活性成分に加えて、ラクトースやタルク、珪酸、水酸化アルミニウム、珪酸カルシウム、ポリアミドパウダーやこれらの混合物の賦形剤を含んでいてもよい。さらにスプレーはクロロフルオロヒドロカーボンのような一般的な推進剤やブタンやプロパンのような揮発性の無置換炭化水素を含んでいてもよい。
本発明の化合物は適当な鼻腔用ビヒクルを使用した鼻腔投与形状で投与されてもよいし、または当該技術分野で通常の技術範囲で知られている経皮用皮膚パッチの径庭で投与されてもよい。経皮送達系はその調剤処方により連続的な投与を提供する。経皮パッチは体に活性成分を制御して供給する付加的な利点がある。エラストマーマトリックス材料のような適当な媒体に含まれる活性成分は、そのような投与形式により、溶解、または分散、さらには含浸により供与される。吸収強化剤は活性成分の皮膚への流量を増加するために使用される。そのような流量はポリマーマトリックスやゲルに速度制御膜や活性成分の分散させることで制御可能である。
本発明の化合物は小型単層小胞や大型単層小胞、多層小胞のようなリポソーム送達系の形態で投与される。リポソームは、コレステロールやステアリルアミン、フォスファチジルコリンのような様々なリン脂質から形成されている。
本発明の化合物の他の送達モードはその化合物の分子が結合する個々の担体のようなモノクローナル抗体の利用によるものである。本発明の化合物は標的指向性薬物担体のような可溶性ポリマーと結合する。そのようなポリマーはポリビニルピロリドンやピランコポリマー、ポリヒドロキシプロピルメタクリルアミド‐フェノール、ポリヒドロキシ−エチルアスパートアミド‐フェノール、パルミトイル残基のあるポリエチレンオキシド−ポリリシンを含む。さらに本発明の化合物は薬剤の放出を制御するときに有益な生分解性ポリマーの一群に結合する。生分解性ポリマーとは例えば、ポリ乳酸やポリグリコール酸、ポリ乳酸やポリグリコール酸の共重合体、ポリイプシロンカプロラクトン、ポリヒドロキシブチル酸、ポリオルトエステル、ポリアセタール、ポリジヒドロピラン、ポリシアノアクリレート、およびヒドロゲルの交叉結合したまたは両親媒性ブロック共重合体である。経口的投与に適した本発明の医薬組成物は無菌の等張水溶液や非水溶液、サスペンション、エマルジョン、使用前に無菌注射溶液や分散液を再構成する無菌粉末、または抗酸化剤を含むもの、緩衝液、指定受信者の血を処方剤と等張するための溶質や懸濁または増粘剤を含む。
発明の医薬組成物に使用される、適した水性または非水性担体の例は水やエタノール、ポリオール(グリセロールやプロピレングリコール、ポリエチレングリコールのようなもの)、及びそれらの適当な混合物、オリーブ油のような植物油、エチルオレエートのような注射可能な有機エステルを含む。適当な流動性は、例えばレシチンのようなコーティング剤の使用や、必要な粒子サイズの維持により、および、界面活性剤の使用により維持されうる。
本発明は湿潤剤や乳化剤、分散剤のような補助剤を含んでいてもよい。またその成分の中に砂糖や、塩化ナトリウムなどのような等張剤を含んでいてもよい。さらに注射可能な薬理形態の遅延型吸収はモノステアリン酸アルミニウムやゼラチンのような吸収を遅らせる試薬の含有によりもたらされる。
ある場合には、活性成分の効果を遅延させるために、皮下、または筋肉注射により薬剤の吸収を遅らせることが望ましい。これは水に溶解しにくい結晶質のまたは非晶質の液体サスペンションを使用することで達成されてもいい。活性成分の吸収速度は結晶サイズや結晶形に順番に依存する結晶質や非晶質の溶解速度に依存する。代わりに、活性成分の非経口的投与の遅延はオイルビヒクルに活性成分を溶解または懸濁させることで達成される。
注射可能な持続型はポリラクチド−ポリグリコリドのような生分解性ポリマー内に活性成分のマイクロカプセルマトリックスを形成することにより作製される。ポリマーに対する活性成分の割合や使用されるポリマーの性質に依存して、活性成分の放出速度は制御されうる。他の生分解性ポリマーの例はポリ(オルトエステル)やポリ(アンヒドリド)を含んでいる。注射可能なデポ剤は、体組織に適合性するリポソームやマイクロエマルジョンに活性成分を封じ込めて調製される。注射可能な材料は細菌補足フィルターを用いた濾過で滅菌することも可能である。
その製剤は、例えばアンプルやバイアルのような単位用量または多用量密封容器に入れて供給でき、注射のために使用直前に、例えば水のような滅菌液体担体の添加を必要とするだけである。即席注射用液体や懸濁液は前記された種類の滅菌粉末やグラニュール、タブレットから調製されてもよい。
本発明の医薬組成物は以下での選択を含む動物用製剤の形で使用してもよい。(1)例えば飲薬方(水や非水溶液、懸濁液)やタブレット、丸薬、粉末、グラニュール、飼料と混ぜたペレット飼料経口投与、(2)例えば無菌溶液または懸濁液を経皮的または筋肉内、静脈注射による、または適切な場合には、乳頭から動物の乳房に懸濁液を導入する乳房注射によるアンプルの非経口的投与、(3)例えば、クリームまたは軟膏剤による局所使用、または皮膚への吹着け使用、(4)例えば膣座薬またはクリーム、泡のような膣内投与、またはそれらの従来の投与技術による関心領域への投与である。
本発明は所定の実施例を参考に述べられているが、本技術分野の当業者は、本発明は実施例以外によっても実施され、これらは説明のための目的で示され限定の目的で示されていないことを理解するだろう。したがって、請求の範囲はここに含まれている実施例の記述に限定されるものではない。式1と式2に示されている本発明で表1と表2に例示される化合物の一般的な調製方法は以下の例によってもさらに説明される。特に6−アルコキシアルキルエストラジオール化合物の調製のために式1と式2に示された方法は以下に示される実施例1〜5によって示されている。エストロゲン受容体結合能力の評価例は実施例4に述べられ、最終的に本発明の好ましい化合物のIC50の評価とそれらの比較効力は実施例5に示されている。特に規定されない限り、すべての出発原料や試薬は標準の一般グレードのものであり、さらに精製されることなく使われているか、または通常の方法でそのような材料から容易に調整されている。有機合成分野の当業者は出発原料や反応条件は希望の最終生成物を得るために変更することを認識するだろう。
実施例1
6−ヒドロキシメチル−アンドロスタ−1,4−ジエン−3,17−ジオンの調製方法
反応系において、十分な量の(+)アンドロスタ−1,4−ジエン−3,17−ジオン(ADD)と12.2当量のピロリジン、触媒の酢酸、変性エタノール(95/5 エタノール/メタノール)、67%のテトラヒドロフラン(THF)を30℃〜40℃にて16時間加熱し、1,3−ジピロリジノアンドロスタ−3,5−ジエン−17−オンを生成した。一度ADD成分はHPLC面積により3%以下になり、または安定化しまたはジピロリジノアンドロスタジエンがADDに戻り始めたら、反応混合物は5±5℃に冷やした。得られた化合物を集め、冷変性エタノールで洗浄する。収率は通常乾燥後で70〜80%であり、純度はHPLC面積パーセントにより概して90〜95%である。得られた1,3−ジピロリジノアンドロスタ−3,5−ジエン−17−オン1当量を室温にて10ml/1gのジクロロメタン中の2.6当量のホルマリン(ホルムアルデヒド)と混ぜる。反応混合物を2%硫酸水溶液でpH約2に酸性化する。その後、有機層を2%濃硫酸と1:1の混合比の水/飽和食塩水で洗浄する。溶媒をトルエン(およそ10ml/g)に変え生成物をトルエン中で結晶化させる。前記生成物を集め、洗浄し、乾燥して6−ヒドロキシメチル−アンドロスタ−1,4−ジエン−3,17−ジオンを得る。もし望めば当業者は6位の立体化学を当該技術分野の既知技術によりさらに改良できる。
実施例2
化合物NDC−1022および化合物NDC−1033の調製方法
式2に示されるように、エストラジオール誘導体のNDC−1022,NDC−1033を以下の方法で合成した。エストラジオールの保護体2を、触媒としてトルエンスルホン酸またはカンファースルホン酸を用いて、化合物1とジヒドロピランのTHF中での反応により調製される。当業者であれば、本反応は平衡反応であり、そのような条件では完了しないと評価できる。2つの置換基のうち1つが保護されたエストラジオールが反応混合物中に確認できる。そのような未精製の反応混合物は目的のビス‐THPエストラジオールを収率約70%で結晶化するアセトニトリルを用いた粉砕工程を経る。式2に示されているように、鍵中間体3は、ベンジル位の6位をLiDAKOR:ブチルリチウムやジイソプロピルアミン、ターシャリーアミルカリウムのような強塩基の混合物でアクリル化することで得られる。当業者であれば、−70℃のもとでベンジル位のプロトンを引き抜くことを評価できる。中間体3をカラムクロマトグラフィーで精製し、まだ少量の不純物とカラム溶媒をふくんでいる、収率約50%のシロップを得る。過剰の水素化リチウムアルミニウムによるアルデヒドの還元により、ガラス状のラセミ体のヒドロキシメチルエストラジオール4を高収率で得る。
NDC−1022およびNDC−1033を調製するために、化合物4を水素化ナトリウムとヨウ化メチルでメチル化することにより、メトキシメチル中間体7を調製する。化合物7をカラムクロマトグラフィーで精製し、ガラス状で得る。保護基の脱保護により、ラセミ体の6−メトキシメチルエストラジオール8を得る。キラルプレパラティブHPLCによるエナンチオマーの分割により、NDC−1022およびNDC−1033が得られる。NDC−1022は、キラル純度>95:5(R/S)が実現された。NDC−1033はキラル純度86:14(S:R)が実現された。当業者のレベルでは4位と6位の診断で、6位の絶対立体配置の決定にNMRを用いる。
実施例3
NDC−1055とNDC−1066の調製方法
実施例2に記載の方法と同じ方法を用いて、化合物4を合成する。化合物4の脱保護はメタノール中触媒量の塩酸を用いて達成され、ラセミ体5はキラルプレパラティブHPLCにより、一つはNDC−1055を多く含み、もう一つはNDC−1066を多く含む二つの成分に分けられる。それぞれの化合物は、>95:5(R:S)と(S:R)の純度が実現された。NMRにより4位と6位のプロトンの診断で6−位の絶対配置は決定される。
実施例4
ルシフェラーゼ活性を利用したエストロゲン受容体結合能の決定方法
エストロゲン受容体−ネガティブCV‐1腎細胞は湿潤5%CO雰囲気下、37℃で、10%の牛血清と100単位/mlのペニシリン−ストレプトマイシンが添加された、4.5g/Lグルコースを含有するダルベッコ改変イーグル培地に維持する。
上記細胞を、10%木炭−デキストラン−ストリップ牛血清を含むフェノールレッドフリーのダルベッコ改変イーグル培地中でウェルあたり2×10の密度で6−ウェルシャーレに培養した。1.5μgのレポータープラスミド(チミジンキナーゼプロモーターのシングルEREクローン部位とルシフェラーゼ遺伝子を含むERE−tk−ルシフェラーゼを含んでいる)と0.5μgのERα発現ベクターか、またはERβ発現ベクター(それぞれ完全な長さのコード配列であるCMV−ERαかCMV−ERβを含む)を含むトランスフェクション。翌日、細胞を未処理のまま(コントロール)、またはエストラジオールのみ(1nM)か、またはエンデン化合物を(濃度を変えながら)加えたエストラジオールの処理により処理した。16〜24時間後、細胞を採取し、ルシフェラーゼ活性の分析を行った。
開始時に、細胞単層を2度、氷冷下のリン酸塩緩衝剤食塩水で洗浄し、250μlの1×細胞培養溶解試薬(プロメガ、マディソン、WI)中で15分間インキュベートした。細胞抽出液を新しい試験管に移し、ルシフェラーゼ分析システム(プロメガ)を使用して分析した。それぞれの分析では10μlの抽出液を90μlの1×細胞溶媒溶解試薬で薄めた。蛍光をオートルマットLB953発光計を使って測定した。
本明細書に記載される結合試験により確認される化合物またはそれに関する塩は、エストロゲン受容体のリガンド結合サイトでエストラジオールの結合を阻害する化合物である。特に、細胞増殖停止の原因であり、従って薬理活性を示すと想定されている化合物である。図3や図4に示されるように、リード化合物NDC−1022やNDC−1033はエストラジオールかまたはエストロゲン受容体に対して強い競合作用を示し、細胞増殖活性停止の原因となる。
実施例5
候補化合物のIC50値の決定方法。細胞株を、当該細胞株に適した培地に約5%CO、37℃、95%相対湿度で維持した。細胞は2、3日毎に下部培養し、きれいな96ウェル平面プレートに1×10細胞/ウェルあたりの密度で培養し、分析の開始前一晩、約5%CO2雰囲気下、37℃で培養する。細胞の生死判別法を開始するとき、細胞プレート(100μL)中の培地を新しい培地(100μL)に置き換える。試験物質を新たな培地に連続的に1:2に薄めて複製し、0.46、1.37、4.12、12.35、37.04、111.1、333.3、1000μM(<1%DMSO)の最終サンプル濃度でセル(100μL)に加える。0.1%トリトン−Xを溶解した細胞を含んでいないウェルと細胞を含むウェルをベースライン対照として用いる。タモキシフェンを各分析の既知対照として用い、DMSOをビヒクル対照とするであろう。サンプルを、湿潤5%C雰囲気下において約37℃で72時間培養した。プレートを培養期間中1日1回モニターし、集密状態に注意を払った。もし細胞が72時間の培養時間経過前に集密したときは、実験をその時点で終了し、細胞の生存能を以下に記載するように測定した。
細胞の生存能を、蛍光によりATPレベルを決定するための市販キットを用いて決定した。つまり、細胞プレートから培地を除去し、100μLの新しい培地で置き換え、緩衝液と凍結乾燥した担体を室温で平衡化した。細胞プレートのウェルへの添加前に、緩衝液を用いて基質を再構成した(ウェルあたり100μL)。プレートをインフィニットM200プレートリーダー中で10分間振動させた後10分間静置し、プレートを5秒の積分時間で減衰なく読んだ。
平均的なベースライン制御(トリトンX−100または細胞のないウェル)を、そのウェルの正味の発光を与えるため全発光から引く。この全体をDMSOのコントロールのみと比較する。IC50はビヒクルコントロール細胞の50%の応答をもたらす濃度として計算される。図5と図6は試験の結果を示す。従って、当業者は本請求項のR配座は他の立体異性体よりも優れていると評価することができる。

Claims (13)

  1. 下記の構造を有する化合物:
    式中、R、R、R、およびRは、それぞれ独立して水素、C−Cアルキル、置換アルキル、およびハロゲンからなる群から選択され、
    、R、およびRは、それぞれ独立して水素、C−Cアルキル、置換アルキル、−SO 、およびグルクロニドからなる群から選択され
  2. 、水素、−Cアルキルまたは置換アルキルである、請求項に記載の化合物。
  3. が、水素またはメチルである、請求項2に記載の化合物。
  4. が、メチルである、請求項3に記載の化合物。
  5. およびRが、それぞれ独立してメチル、水素、またはHSO 基である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の化合物。
  6. 、R、R、およびRが水素である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の化合物。
  7. 、R 、R 、R 、R 、R 、およびR が、それぞれ独立して水素、メチル、またはエチルである、請求項1に記載の化合物。
  8. 前記化合物のC6位が、R体またはS体である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の化合物。
  9. 下記の構造を有する、請求項1に記載の化合物。
  10. 下記の構造を有する、請求項1に記載の化合物
    式中、R 、R 、R 、R はそれぞれ独立して、水素、C −C アルキル、置換アルキル、およびハロゲンからなる群から選択され、
    、R は、それぞれ独立して、水素、C −C アルキル、置換アルキル、−SO H、およびグルクロニドからなる群から選択される。
  11. 下記の構造:
    からなる群から選択される、請求項1に記載の化合物。
  12. 請求項1〜11のいずれか1項に記載の化合物を含む、癌細胞の増殖の阻害剤
  13. 癌細胞の増殖の阻害剤の製造における、下記の構造:
    からなる群から選択される化合物の使用。
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