JPH07215992A - 6−又は7−置換アンドロスタ−1,4−ジエン誘導体 - Google Patents
6−又は7−置換アンドロスタ−1,4−ジエン誘導体Info
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- JPH07215992A JPH07215992A JP32395094A JP32395094A JPH07215992A JP H07215992 A JPH07215992 A JP H07215992A JP 32395094 A JP32395094 A JP 32395094A JP 32395094 A JP32395094 A JP 32395094A JP H07215992 A JPH07215992 A JP H07215992A
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Abstract
(57)【要約】
【構成】 式
【化1】
式中、R1は水素原子、低級アルキルチオ基又はアシル
チオ基を表わし;R2は水素原子、メルカプト基、チオ
シアナト基、低級アルコキシ基、低級アルキルチオ基又
はアシルチオ基を表わし;R3は水素原子、メルカプト
基、低級アルキルチオ基又はアシルチオ基を表わし;ス
テロイド骨格の1、2位間の破線は、R1が水素原子を
表わすときには1、2位間は二重結合であることを意味
し、R1が低級アルキルチオ基又はアシルチオ基を表わ
すときには1、2位間は単結合であることを意味する、
ただし、R2及びR3は、どちらか一方は必ず水素原子を
表わし他方は水素原子以外の基を表わすものとする、で
示される6−又は7−置換アンドロスタ−1,4−ジエ
ン誘導体。 【効果】 この化合物は優れたアロマターゼ阻害作用を
有し、乳癌、前立腺肥大症等の治療剤として有用であ
る。
チオ基を表わし;R2は水素原子、メルカプト基、チオ
シアナト基、低級アルコキシ基、低級アルキルチオ基又
はアシルチオ基を表わし;R3は水素原子、メルカプト
基、低級アルキルチオ基又はアシルチオ基を表わし;ス
テロイド骨格の1、2位間の破線は、R1が水素原子を
表わすときには1、2位間は二重結合であることを意味
し、R1が低級アルキルチオ基又はアシルチオ基を表わ
すときには1、2位間は単結合であることを意味する、
ただし、R2及びR3は、どちらか一方は必ず水素原子を
表わし他方は水素原子以外の基を表わすものとする、で
示される6−又は7−置換アンドロスタ−1,4−ジエ
ン誘導体。 【効果】 この化合物は優れたアロマターゼ阻害作用を
有し、乳癌、前立腺肥大症等の治療剤として有用であ
る。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規な6−又は7−置換
アンドロスタ−1,4−ジエン誘導体に関する。本発明
の化合物はアロマターゼ阻害作用を有しており、エスト
ロゲン類の生合成阻害剤として有用である。
アンドロスタ−1,4−ジエン誘導体に関する。本発明
の化合物はアロマターゼ阻害作用を有しており、エスト
ロゲン類の生合成阻害剤として有用である。
【0002】
【従来の技術】エストロゲン類の生合成は、アンドロゲ
ン類がアロマターゼと呼ばれる酵素により酸化及びギ酸
の脱離を受け、芳香化されることにより行われる。従っ
て、アロマターゼの作用を効果的に阻害することができ
れば、エストロゲン類の過剰に起因する疾病の治療に有
用であると考えられ、これに沿って、既に、幾つかのア
ロマターゼ阻害剤が乳癌や前立腺肥大症の治療に有効で
あることが判明している。
ン類がアロマターゼと呼ばれる酵素により酸化及びギ酸
の脱離を受け、芳香化されることにより行われる。従っ
て、アロマターゼの作用を効果的に阻害することができ
れば、エストロゲン類の過剰に起因する疾病の治療に有
用であると考えられ、これに沿って、既に、幾つかのア
ロマターゼ阻害剤が乳癌や前立腺肥大症の治療に有効で
あることが判明している。
【0003】また、アロマターゼ阻害剤は、その他のエ
ストロゲン類の過剰に起因する疾病、例えば子宮癌、卵
巣癌、子宮内膜症、男性の女性化乳房症、乏精液症に関
する男性の不妊症などの治療にも有用である。
ストロゲン類の過剰に起因する疾病、例えば子宮癌、卵
巣癌、子宮内膜症、男性の女性化乳房症、乏精液症に関
する男性の不妊症などの治療にも有用である。
【0004】ステロイド系のアロマターゼ阻害剤として
公知の化合物としては、例えばテストラクトン(メルク
・インデックス、第10版、8999)、4−ヒドロキ
シ−4−アンドロステン−3,17−ジオン及びそのエ
ステル(米国特許第4,235,893号)、1−アルキ
ルアンドロスタ−1,4−ジエン−3,17−ジオン誘導
体(特開昭60−13796号)、6−メチレンアンド
ロスタ−1,4−ジエン−3,17−ジオン誘導体(特開
昭62−12797号)、6−置換アンドロスタ−1,
4−ジエン−3,17−ジオン誘導体(特開昭62−7
0393号)、6−置換−4−アンドロステン−3,1
7−ジオン誘導体(特開昭63−45294号)、7α
−置換チオ−4−アンドロステン−3,17−ジオン誘
導体(ジャーナル・オブ・メディシナル・ケミストリ
ー、21巻、1007頁、1978年)、7−置換アン
ドロスタ−1,4−ジエン−3,17−ジオン誘導体(ジ
ャーナル・オブ・バイオロジカル・ケミストリー、26
2巻、8685頁、1987年)などが知られている。
公知の化合物としては、例えばテストラクトン(メルク
・インデックス、第10版、8999)、4−ヒドロキ
シ−4−アンドロステン−3,17−ジオン及びそのエ
ステル(米国特許第4,235,893号)、1−アルキ
ルアンドロスタ−1,4−ジエン−3,17−ジオン誘導
体(特開昭60−13796号)、6−メチレンアンド
ロスタ−1,4−ジエン−3,17−ジオン誘導体(特開
昭62−12797号)、6−置換アンドロスタ−1,
4−ジエン−3,17−ジオン誘導体(特開昭62−7
0393号)、6−置換−4−アンドロステン−3,1
7−ジオン誘導体(特開昭63−45294号)、7α
−置換チオ−4−アンドロステン−3,17−ジオン誘
導体(ジャーナル・オブ・メディシナル・ケミストリ
ー、21巻、1007頁、1978年)、7−置換アン
ドロスタ−1,4−ジエン−3,17−ジオン誘導体(ジ
ャーナル・オブ・バイオロジカル・ケミストリー、26
2巻、8685頁、1987年)などが知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】これらのステロイド系
アロマターゼ阻害剤は、生体内に投与された場合に代謝
を受けて不活性化されやすく、臨床上使用するためには
未だ満足のいくものとは言えない。
アロマターゼ阻害剤は、生体内に投与された場合に代謝
を受けて不活性化されやすく、臨床上使用するためには
未だ満足のいくものとは言えない。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、6−又は
7−位に上記のような既知化合物の置換基とは異なる特
定の置換基を持つアンドロスタ−1,4−ジエン−3,1
7−ジオン誘導体及びその前駆体と考えられる1,6−
ジチオ置換(又は1,7−ジチオ置換)−アンドロスタ
−4−エン−3,17−ジオン誘導体が、特に経口投与
試験において極めて優れたアロマターゼ阻害作用を示す
ことを見いだした。
7−位に上記のような既知化合物の置換基とは異なる特
定の置換基を持つアンドロスタ−1,4−ジエン−3,1
7−ジオン誘導体及びその前駆体と考えられる1,6−
ジチオ置換(又は1,7−ジチオ置換)−アンドロスタ
−4−エン−3,17−ジオン誘導体が、特に経口投与
試験において極めて優れたアロマターゼ阻害作用を示す
ことを見いだした。
【0007】しかして、本発明によれば一般式(I)
【0008】
【化2】
【0009】式中、R1は水素原子、低級アルキルチオ
基又はアシルチオ基を表わし;R2は水素原子、メルカ
プト基、チオシアナト基、低級アルコキシ基、低級アル
キルチオ基又はアシルチオ基を表わし;R3は水素原
子、メルカプト基、低級アルキルチオ基又はアシルチオ
基を表わし;ステロイド骨格の1、2位間の破線は、R
1が水素原子を表わすときには1、2位間は二重結合で
あることを意味し、R1が低級アルキルチオ基又はアシ
ルチオ基を表わすときには1、2位間は単結合であるこ
とを意味する、ただし、R2及びR3は、どちらか一方は
必ず水素原子を表わし、他方は水素原子以外の基を表わ
すものとする、で示される6−又は7−置換アンドロス
タ−1,4−ジエン誘導体が提供される。
基又はアシルチオ基を表わし;R2は水素原子、メルカ
プト基、チオシアナト基、低級アルコキシ基、低級アル
キルチオ基又はアシルチオ基を表わし;R3は水素原
子、メルカプト基、低級アルキルチオ基又はアシルチオ
基を表わし;ステロイド骨格の1、2位間の破線は、R
1が水素原子を表わすときには1、2位間は二重結合で
あることを意味し、R1が低級アルキルチオ基又はアシ
ルチオ基を表わすときには1、2位間は単結合であるこ
とを意味する、ただし、R2及びR3は、どちらか一方は
必ず水素原子を表わし、他方は水素原子以外の基を表わ
すものとする、で示される6−又は7−置換アンドロス
タ−1,4−ジエン誘導体が提供される。
【0010】本明細書において「低級」なる語は、この
語が付された基又は化合物の炭素原子数が6個以下、好
ましくは4個以下であることを意味する。
語が付された基又は化合物の炭素原子数が6個以下、好
ましくは4個以下であることを意味する。
【0011】しかして、「低級アルキル基」としては、
例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、
n−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−
ヘキシル基等が挙げられ、「低級アルコキシ基」として
は、例えばメトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソ
プロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、n−ヘキシ
ルオキシ基等が挙げられる。また、「低級アルキルチオ
基」としては、具体的には低級アルキル部分が上記の意
味を有する「−S−低級アルキル基」即ちメチルチオ、
エチルチオ、n−プロピルチオ、イソプロピルチオ、n
−ブチルチオ基等を挙げることができる。
例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、
n−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−
ヘキシル基等が挙げられ、「低級アルコキシ基」として
は、例えばメトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソ
プロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、n−ヘキシ
ルオキシ基等が挙げられる。また、「低級アルキルチオ
基」としては、具体的には低級アルキル部分が上記の意
味を有する「−S−低級アルキル基」即ちメチルチオ、
エチルチオ、n−プロピルチオ、イソプロピルチオ、n
−ブチルチオ基等を挙げることができる。
【0012】一方、「アシル基」は、モノ−もしくはポ
リカルボン酸等の有機酸から少なくとも1つのOHを除
いた残基部分であり、具体的には式−COR4等の基が
包含される。ここで、R4は水素原子;ハロゲン原子、
アミノ基、カルボキシル基、低級アルコキシカルボニル
基、低級アルカノイルオキシ基、カルバモイル基もしく
はアリール基で置換されていてもよい低級アルキル基;
アリール基で置換されていてもよい低級アルケニル基;
低級シクロアルキル基;低級アルキル基、低級アルコキ
シ基もしくはハロゲン原子で置換されていてもよいアリ
ール基;又は1もしくは2個の低級アルキル基で置換さ
れていてもよいアミノ基を意味している。
リカルボン酸等の有機酸から少なくとも1つのOHを除
いた残基部分であり、具体的には式−COR4等の基が
包含される。ここで、R4は水素原子;ハロゲン原子、
アミノ基、カルボキシル基、低級アルコキシカルボニル
基、低級アルカノイルオキシ基、カルバモイル基もしく
はアリール基で置換されていてもよい低級アルキル基;
アリール基で置換されていてもよい低級アルケニル基;
低級シクロアルキル基;低級アルキル基、低級アルコキ
シ基もしくはハロゲン原子で置換されていてもよいアリ
ール基;又は1もしくは2個の低級アルキル基で置換さ
れていてもよいアミノ基を意味している。
【0013】しかして、前記式(I)における「アシル
チオ基」の具体例としては、ホルミルチオ、アセチルチ
オ、プロピオニルチオ、ブチリルチオ、トリフルオロア
セチルチオ、グリシルチオ、3−カルボキシプロピオニ
ルチオ、3−エトキシカルボニルプロピオニルチオ、ア
セトキシアセチルチオ、フェニルアセチルチオ、アクリ
ロイルチオ、ベンゾイルチオ、p−メトキシベンゾイル
チオ、p−メチルベンゾイルチオ、p−クロロベンゾイ
ルチオ、カルバモイルチオ、N,N−ジメチルカルバモ
イルチオ、N,N−ジエチルカルバモイルチオ基等を挙
げることができる。
チオ基」の具体例としては、ホルミルチオ、アセチルチ
オ、プロピオニルチオ、ブチリルチオ、トリフルオロア
セチルチオ、グリシルチオ、3−カルボキシプロピオニ
ルチオ、3−エトキシカルボニルプロピオニルチオ、ア
セトキシアセチルチオ、フェニルアセチルチオ、アクリ
ロイルチオ、ベンゾイルチオ、p−メトキシベンゾイル
チオ、p−メチルベンゾイルチオ、p−クロロベンゾイ
ルチオ、カルバモイルチオ、N,N−ジメチルカルバモ
イルチオ、N,N−ジエチルカルバモイルチオ基等を挙
げることができる。
【0014】前記式(I)において好ましい一群の化合
物は、R1が水素原子を表わす場合の式(I)の化合物
である。また、好ましい別の群の化合物は、R1及びR3
がそれぞれ水素原子を表わし且つR2がメルカプト基、
アセチルチオ基又はチオシアナト基を表わす場合の式
(I)の化合物である。更に、好ましい別の群の化合物
はR1及びR2がそれぞれ水素原子を表わし且つR3がメ
ルカプト基又はアセチルチオ基を表わす場合の式(I)
の化合物である。
物は、R1が水素原子を表わす場合の式(I)の化合物
である。また、好ましい別の群の化合物は、R1及びR3
がそれぞれ水素原子を表わし且つR2がメルカプト基、
アセチルチオ基又はチオシアナト基を表わす場合の式
(I)の化合物である。更に、好ましい別の群の化合物
はR1及びR2がそれぞれ水素原子を表わし且つR3がメ
ルカプト基又はアセチルチオ基を表わす場合の式(I)
の化合物である。
【0015】なお、本発明の前記式(I)の化合物にお
いて、ステロイド骨格の1、2位間が単結合である場合
の1位の置換基R1はα−位に結合していることが好ま
しいが、一方、6位の置換基R2又は7位の置換基R3は
α−又はβ−位のいずれに結合していてもよい。
いて、ステロイド骨格の1、2位間が単結合である場合
の1位の置換基R1はα−位に結合していることが好ま
しいが、一方、6位の置換基R2又は7位の置換基R3は
α−又はβ−位のいずれに結合していてもよい。
【0016】本発明により提供される前記式(I)の化
合物の代表例としては、後記実施例に掲げるもの他に次
のものを挙げることができる。
合物の代表例としては、後記実施例に掲げるもの他に次
のものを挙げることができる。
【0017】7α−メチルチオアンドロスタ−1,4−
ジエン−3,17−ジオン、7α−エチルチオアンドロ
スタ−1,4−ジエン−3,17−ジオン、7α−ベンゾ
イルチオアンドロスタ−1,4−ジエン−3,17−ジオ
ン、7α−アセトキシアセチルチオアンドロスタ−1,
4−ジエン−3,17−ジオン、1α,7α−ビス(メチ
ルチオ)アンドロスタ−4−エン−3,17−ジオン、
1α,7α−ビス(エチルチオ)アンドロスタ−4−エ
ン−3,17−ジオン、6β−メルカプトアンドロスタ
−1,4−ジエン−3,17−ジオン、6α−メチルチオ
アンドロスタ−1,4−ジエン−3,17−ジオン、6α
−エチルチオアンドロスタ−1,4−ジエン−3,17−
ジオン、6β−プロピルチオアンドロスタ−1,4−ジ
エン−3,17−ジオン、6β−アセチルチオアンドロ
スタ−1,4−ジエン−3,17−ジオン、6α−プロピ
オニルチオアンドロスタ−1,4−ジエン−3,17−ジ
オン、6α−ベンゾイルチオアンドロスタ−1,4−ジ
エン−3,17−ジオン、6α−(N,N−ジメチルカル
バモイルチオ)アンドロスタ−1,4−ジエン−3,17
−ジオン、1α,6α−ビス(メチルチオ)アンドロス
タ−4−エン−3,17−ジオン、1α,6α−ビス(ベ
ンゾイルチオ)アンドロスタ−4−エン−3,17−ジ
オン。
ジエン−3,17−ジオン、7α−エチルチオアンドロ
スタ−1,4−ジエン−3,17−ジオン、7α−ベンゾ
イルチオアンドロスタ−1,4−ジエン−3,17−ジオ
ン、7α−アセトキシアセチルチオアンドロスタ−1,
4−ジエン−3,17−ジオン、1α,7α−ビス(メチ
ルチオ)アンドロスタ−4−エン−3,17−ジオン、
1α,7α−ビス(エチルチオ)アンドロスタ−4−エ
ン−3,17−ジオン、6β−メルカプトアンドロスタ
−1,4−ジエン−3,17−ジオン、6α−メチルチオ
アンドロスタ−1,4−ジエン−3,17−ジオン、6α
−エチルチオアンドロスタ−1,4−ジエン−3,17−
ジオン、6β−プロピルチオアンドロスタ−1,4−ジ
エン−3,17−ジオン、6β−アセチルチオアンドロ
スタ−1,4−ジエン−3,17−ジオン、6α−プロピ
オニルチオアンドロスタ−1,4−ジエン−3,17−ジ
オン、6α−ベンゾイルチオアンドロスタ−1,4−ジ
エン−3,17−ジオン、6α−(N,N−ジメチルカル
バモイルチオ)アンドロスタ−1,4−ジエン−3,17
−ジオン、1α,6α−ビス(メチルチオ)アンドロス
タ−4−エン−3,17−ジオン、1α,6α−ビス(ベ
ンゾイルチオ)アンドロスタ−4−エン−3,17−ジ
オン。
【0018】本発明によれば、記号R3が水素原子を表
わす場合の前記式(I)の化合物は、(a)式
わす場合の前記式(I)の化合物は、(a)式
【0019】
【化3】
【0020】の化合物を式 H−R21 (III) 式中、R21はチオシアナト基、低級アルコキシ基、低級
アルキルチオ基又はアシルチオ基を表わす、の化合物と
反応させ、得られる式
アルキルチオ基又はアシルチオ基を表わす、の化合物と
反応させ、得られる式
【0021】
【化4】
【0022】式中、R21は前記の意味を有する、の化合
物を、所望により、(i) 6位をメルカプト基に変換
する反応、(ii) 6位をメルカプト基に変換し、さ
らに別の低級アルキルチオ基又はアシルチオ基に変換す
る反応、(iii)1位に低級アルキルチオ基又はアシ
ルチオ基を導入する反応、から選ばれるいずれかの反応
に付すことにより製造することができる。
物を、所望により、(i) 6位をメルカプト基に変換
する反応、(ii) 6位をメルカプト基に変換し、さ
らに別の低級アルキルチオ基又はアシルチオ基に変換す
る反応、(iii)1位に低級アルキルチオ基又はアシ
ルチオ基を導入する反応、から選ばれるいずれかの反応
に付すことにより製造することができる。
【0023】また本発明によれば、記号R2が水素原子
を表わす場合の前記式(I)の化合物は、(b)式
を表わす場合の前記式(I)の化合物は、(b)式
【0024】
【化5】
【0025】の化合物を式 HS−R31 (V) 式中、R31は低級アルキル基又はアシル基を表わす、の
化合物と反応させ、得られる式
化合物と反応させ、得られる式
【0026】
【化6】
【0027】式中、R11はR31と同じ意味を有し、R31
は前記の意味を有するの化合物を、所望により、(i
v) 1位の基−S−R11を脱離させ1、2位間に二重
結合を導入する反応、(v) 1位の基−S−R11を
脱離させた後、7位をメルカプト基に変換する反応、
(vi) 7位をメルカプト基に変換した後、さらに別
の低級アルキルチオ基又はアシルチオ基に変換する反
応、から選ばれるいずれかの反応に付すことにより製造
することができる。
は前記の意味を有するの化合物を、所望により、(i
v) 1位の基−S−R11を脱離させ1、2位間に二重
結合を導入する反応、(v) 1位の基−S−R11を
脱離させた後、7位をメルカプト基に変換する反応、
(vi) 7位をメルカプト基に変換した後、さらに別
の低級アルキルチオ基又はアシルチオ基に変換する反
応、から選ばれるいずれかの反応に付すことにより製造
することができる。
【0028】前記方法(a)において、前記式(II)
の化合物と前記式(III)の化合物との反応は、溶媒
の不在下又は例えばジメチルホルムアミド、ジメチルス
ルホキシド、テトラヒドロフラン等の不活性溶媒中、ナ
トリウムメチラート、水素化ナトリウム、カリウムブト
キシド、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等のアルカ
リの存在下に、−20℃乃至反応混合物の還流温度、好
ましくは室温乃至約60℃の反応温度で行うことができ
る。 式(II)の化合物に対する式(III)の化合
物の使用割合は、一般に式(II)の化合物1モル当た
り式(III)の化合物を少なくとも1モル、好ましく
は1.1〜20モル、さらに好ましくは1.5〜4モル
程度とすることができる。なお、式(III)の化合物
を過剰量用いて、それ自身溶媒の役割を果させることが
もきる。また、上記アルカリは式(III)の化合物1
モル当たり約0.8〜1.2モル用いるのが適当である。
の化合物と前記式(III)の化合物との反応は、溶媒
の不在下又は例えばジメチルホルムアミド、ジメチルス
ルホキシド、テトラヒドロフラン等の不活性溶媒中、ナ
トリウムメチラート、水素化ナトリウム、カリウムブト
キシド、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等のアルカ
リの存在下に、−20℃乃至反応混合物の還流温度、好
ましくは室温乃至約60℃の反応温度で行うことができ
る。 式(II)の化合物に対する式(III)の化合
物の使用割合は、一般に式(II)の化合物1モル当た
り式(III)の化合物を少なくとも1モル、好ましく
は1.1〜20モル、さらに好ましくは1.5〜4モル
程度とすることができる。なお、式(III)の化合物
を過剰量用いて、それ自身溶媒の役割を果させることが
もきる。また、上記アルカリは式(III)の化合物1
モル当たり約0.8〜1.2モル用いるのが適当である。
【0029】なお、本反応において、前記式(III)
の化合物の代わりに式(III)の化合物のアルカリ金
属塩、例えばカリウム塩、ナトリウム塩等を用いること
もでき、この場合には上記アルカリは不要である。
の化合物の代わりに式(III)の化合物のアルカリ金
属塩、例えばカリウム塩、ナトリウム塩等を用いること
もでき、この場合には上記アルカリは不要である。
【0030】かくして、本発明が目的とする前記式(I
−a)の化合物が生成する。
−a)の化合物が生成する。
【0031】得られる式(I−a)の化合物は、所望に
より、前記(i)、(ii)又は(iii)の反応から
選ばれるいずれかの反応に付すことにより、本発明が目
的とする別の化合物に変えることができる。
より、前記(i)、(ii)又は(iii)の反応から
選ばれるいずれかの反応に付すことにより、本発明が目
的とする別の化合物に変えることができる。
【0032】前記(i)の反応において、6位のメルカ
プト基への変換は、6位がアシルチオ基である化合物を
加水分解に付すことにより容易に行うことができる。加
水分解は、それ自体既知の方法、例えばテトラヒドロフ
ラン、メタノール、エタノール等の溶媒中、ナトリウム
メチラート、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のア
ルカリで処理することにより行うことができる。
プト基への変換は、6位がアシルチオ基である化合物を
加水分解に付すことにより容易に行うことができる。加
水分解は、それ自体既知の方法、例えばテトラヒドロフ
ラン、メタノール、エタノール等の溶媒中、ナトリウム
メチラート、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のア
ルカリで処理することにより行うことができる。
【0033】前記(ii)の反応における6位のメルカ
プト基から低級アルキルチオ基への変換は、例えばジメ
チルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、テトラヒド
ロフラン等の不活性溶媒中、水素化ナトリウム、ナトリ
ウムメチラート等のアルカリの存在下、低級アルキルハ
ライド等の低級アルキル化試薬で処理することにより容
易に行うことができる。また、6位のメルカプト基から
アシルチオ基への変換は、例えばクロロホルム、ジクロ
ルメタン、ジオキサン等の不活性溶媒中、ピリジン、水
素化ナトリウム、ナトリウムメチラート等のアルカリの
存在下、酸ハライド、酸無水物等で処理することにより
容易に行うことができる。
プト基から低級アルキルチオ基への変換は、例えばジメ
チルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、テトラヒド
ロフラン等の不活性溶媒中、水素化ナトリウム、ナトリ
ウムメチラート等のアルカリの存在下、低級アルキルハ
ライド等の低級アルキル化試薬で処理することにより容
易に行うことができる。また、6位のメルカプト基から
アシルチオ基への変換は、例えばクロロホルム、ジクロ
ルメタン、ジオキサン等の不活性溶媒中、ピリジン、水
素化ナトリウム、ナトリウムメチラート等のアルカリの
存在下、酸ハライド、酸無水物等で処理することにより
容易に行うことができる。
【0034】前記(iii)の反応における1位に低級
アルキルチオ基又はアシルチオ基を導入する反応は、前
記式(I−a)の化合物と下記式 HS−R11 (VI) 式中、R11は前記の意味を有する、の化合物とを反応さ
せることにより容易に行うことができる。反応は、R11
がアシル基を表す場合には、通常、溶媒の不在下或いは
酢酸等の溶媒中、室温乃至反応混合物の還流温度、好ま
しくは反応混合物の還流温度で行うことができる。一
方、R11が低級アルキル基を表わす場合には、反応は、
通常、ジオキサン、テトラヒドロフラン、メタノール、
エタノール等の不活性溶媒中で、ナトリウムメチラー
ト、ナトリウムエチラート等のアルカリ金属アルコラー
ト類;金属ナトリウム、金属カリウム等のアルカリ金属
類;水素化ナトリウム、水素化カリウム等の水素化アル
カリ金属類等の存在下で行うことができる。この場合の
反応温度は一般に0℃乃至反応混合物の還流温度の範囲
内が適している。
アルキルチオ基又はアシルチオ基を導入する反応は、前
記式(I−a)の化合物と下記式 HS−R11 (VI) 式中、R11は前記の意味を有する、の化合物とを反応さ
せることにより容易に行うことができる。反応は、R11
がアシル基を表す場合には、通常、溶媒の不在下或いは
酢酸等の溶媒中、室温乃至反応混合物の還流温度、好ま
しくは反応混合物の還流温度で行うことができる。一
方、R11が低級アルキル基を表わす場合には、反応は、
通常、ジオキサン、テトラヒドロフラン、メタノール、
エタノール等の不活性溶媒中で、ナトリウムメチラー
ト、ナトリウムエチラート等のアルカリ金属アルコラー
ト類;金属ナトリウム、金属カリウム等のアルカリ金属
類;水素化ナトリウム、水素化カリウム等の水素化アル
カリ金属類等の存在下で行うことができる。この場合の
反応温度は一般に0℃乃至反応混合物の還流温度の範囲
内が適している。
【0035】前記方法(b)において、前記式(IV)
の化合物と前記式(V)の化合物との反応は、上記方法
(iii)における式(I−a)の化合物と式(VI)
の化合物との反応と同様にして行うことができる。
の化合物と前記式(V)の化合物との反応は、上記方法
(iii)における式(I−a)の化合物と式(VI)
の化合物との反応と同様にして行うことができる。
【0036】かくして得られる本発明が目的とする前記
式(I−b)の化合物は、所望により、前記(iv)、
(v)又は(vi)の反応から選ばれるいずれかの反応
に付すことにより、本発明が目的とする別の化合物に変
えることができる。
式(I−b)の化合物は、所望により、前記(iv)、
(v)又は(vi)の反応から選ばれるいずれかの反応
に付すことにより、本発明が目的とする別の化合物に変
えることができる。
【0037】前記(iv)の反応において、1位の基−
S−R11を脱離させ1、2位間に二重結合を導入する反
応は、式(I−b)の化合物を加熱するか或いはアルカ
リで処理することにより行うことができる。
S−R11を脱離させ1、2位間に二重結合を導入する反
応は、式(I−b)の化合物を加熱するか或いはアルカ
リで処理することにより行うことができる。
【0038】加熱による処理は、例えばジメチルホルム
アミド、ジメチルスルホキシド、トルエン等の不活性溶
媒中で、所望により酢酸、p−トルエンスルホン酸等の
酸の存在下に還流させることにより行うことができる。
アミド、ジメチルスルホキシド、トルエン等の不活性溶
媒中で、所望により酢酸、p−トルエンスルホン酸等の
酸の存在下に還流させることにより行うことができる。
【0039】アルカリによる処理は、例えばテトラヒド
ロフラン、ジオキサン、メタノール等の不活性溶媒中
で、ナトリウムメチラート、水酸化ナトリウム等のアル
カリの存在下に行うことができる。なおこの反応におい
て、R31がアシル基を表わす場合の式(I−b)の化合
物を用いると、1位の基−S−R11の脱離のみならず7
位のアシルチオ基もアルカリにより加水分解を受けてメ
ルカプト基に変換される。
ロフラン、ジオキサン、メタノール等の不活性溶媒中
で、ナトリウムメチラート、水酸化ナトリウム等のアル
カリの存在下に行うことができる。なおこの反応におい
て、R31がアシル基を表わす場合の式(I−b)の化合
物を用いると、1位の基−S−R11の脱離のみならず7
位のアシルチオ基もアルカリにより加水分解を受けてメ
ルカプト基に変換される。
【0040】前記(v)の反応における7位のアシルチ
オ基のメルカプト基への変換は、前記(i)の反応にお
ける6位のアシルチオ基のメルカプト基への変換と同様
にして行うことができる。
オ基のメルカプト基への変換は、前記(i)の反応にお
ける6位のアシルチオ基のメルカプト基への変換と同様
にして行うことができる。
【0041】また、前記(vi)の反応における7位の
メルカプト基から別の低級アルキルチオ基又はアシルチ
オ基への変換は、前記(ii)の反応における6位のメ
ルカプト基の低級アルキルチオ基又はアシルチオ基への
変換と同様にして行うことができる。
メルカプト基から別の低級アルキルチオ基又はアシルチ
オ基への変換は、前記(ii)の反応における6位のメ
ルカプト基の低級アルキルチオ基又はアシルチオ基への
変換と同様にして行うことができる。
【0042】かくして、本発明の方法に従い製造される
前記式(I)の化合物は、それ自体既知の手段、例えば
再結晶、蒸留、カラムクロマトグラフィー、薄層クロマ
トグラフィー等の方法により、反応混合物から単離、精
製することができる。
前記式(I)の化合物は、それ自体既知の手段、例えば
再結晶、蒸留、カラムクロマトグラフィー、薄層クロマ
トグラフィー等の方法により、反応混合物から単離、精
製することができる。
【0043】
【発明の効果】以上に説明した本発明の式(I)で表わ
される6−又は7−置換アンドロスタ−1,4−ジエン
誘導体は、以下の試験例から明らかなように、優れたア
ロマターゼ阻害作用を有しており、エストロゲン類の過
剰に起因する疾病、例えば、乳癌、子宮癌、卵巣癌、子
宮内膜症、男性の女性化乳房症、前立腺肥大症、乏精液
症に関する男性の不妊症などの治療に有効である。
される6−又は7−置換アンドロスタ−1,4−ジエン
誘導体は、以下の試験例から明らかなように、優れたア
ロマターゼ阻害作用を有しており、エストロゲン類の過
剰に起因する疾病、例えば、乳癌、子宮癌、卵巣癌、子
宮内膜症、男性の女性化乳房症、前立腺肥大症、乏精液
症に関する男性の不妊症などの治療に有効である。
【0044】(1) アロマターゼ阻害作用(インビト
ロ)の測定 ライアン(Ryan)の方法(ザ・ジャーナル・オブ・
バイオロジカル・ケミストリー、234巻、268−2
72頁、1959年)に従い、ヒト胎盤ミクロゾーム
(105,000Xgで60分遠心分離させたもの)を
調製した。ミクロゾームは0.5mMジチオトレイトー
ル溶液で2回洗浄後凍結乾燥し、−20℃で保管したも
のを用いた。
ロ)の測定 ライアン(Ryan)の方法(ザ・ジャーナル・オブ・
バイオロジカル・ケミストリー、234巻、268−2
72頁、1959年)に従い、ヒト胎盤ミクロゾーム
(105,000Xgで60分遠心分離させたもの)を
調製した。ミクロゾームは0.5mMジチオトレイトー
ル溶液で2回洗浄後凍結乾燥し、−20℃で保管したも
のを用いた。
【0045】アロマターゼ阻害作用は、トンプソンとシ
ートリー(Tompson andSiiteri)の
開発した方法(ザ・ジャーナル・オブ・バイオロジカル
・ケミストリー、249巻、5373−5378頁、1
974年)に従って測定した。すなわち、その方法は
[1,2−3H]アンドロステンジオンが芳香化すること
により放出される3H2Oを定量することである。酵素を
用いた実験は、pH7.5の67mMリン酸緩衝液中
で、最後のインキュベート液の量が0.5mlとなるよ
うにして行った。インキュベート液は、180μMのN
ADPH、2μMの[1,2−3H]アンドロステンジオ
ン、150μgの凍乾したヒト胎盤ミクロゾーム、25
μlのメタノール及び種々の濃度の被験化合物が含まれ
ている。インキュベーションは空気中で、37℃20分
間行い、クロロホルム3mlを加えて反応を終了させた
後、40秒撹拌する。ついで、700×gで10分間遠
心分離し、上清から0.3mlの水溶液をとり、シンチ
レーション・ミクスチャーを加え、3H2Oの生成量の測
定を行った。
ートリー(Tompson andSiiteri)の
開発した方法(ザ・ジャーナル・オブ・バイオロジカル
・ケミストリー、249巻、5373−5378頁、1
974年)に従って測定した。すなわち、その方法は
[1,2−3H]アンドロステンジオンが芳香化すること
により放出される3H2Oを定量することである。酵素を
用いた実験は、pH7.5の67mMリン酸緩衝液中
で、最後のインキュベート液の量が0.5mlとなるよ
うにして行った。インキュベート液は、180μMのN
ADPH、2μMの[1,2−3H]アンドロステンジオ
ン、150μgの凍乾したヒト胎盤ミクロゾーム、25
μlのメタノール及び種々の濃度の被験化合物が含まれ
ている。インキュベーションは空気中で、37℃20分
間行い、クロロホルム3mlを加えて反応を終了させた
後、40秒撹拌する。ついで、700×gで10分間遠
心分離し、上清から0.3mlの水溶液をとり、シンチ
レーション・ミクスチャーを加え、3H2Oの生成量の測
定を行った。
【0046】その結果を下記表1に示す。
【0047】表 1 化合物 IC50(μM) 実施例2 0.3 実施例4 1.3 実施例6 0.4 (2) アロマターゼ阻害作用(インビボ)の測定 アロマターゼ阻害作用はジー・エイチ・デッカーズとエ
イ・エイチ・ダブリュー・エム・シューアズ(G.H.
Deckers and A.H.W.M.Schuu
rs)の開発した方法(ジャーナル・オブ・ステロイド
・バイオケミストリー、32巻、625〜631頁、1
989年)に従って測定した。
イ・エイチ・ダブリュー・エム・シューアズ(G.H.
Deckers and A.H.W.M.Schuu
rs)の開発した方法(ジャーナル・オブ・ステロイド
・バイオケミストリー、32巻、625〜631頁、1
989年)に従って測定した。
【0048】すなわち、下垂体摘除1週間を経た成熟雌
ラットを1群8〜10匹として用い、デヒドロエピアン
ドロステロン硫酸塩(DHEAS)16mg/kgと溶
媒(2%ポリソルベイト80を含む生理食塩液)5ml
/kg又はDHEASと溶媒に懸濁された被検化合物
を、4日間連続して1日1回経口投与した。投与開始翌
日より6日間膣スメアを採取してギムザ染色液で染色後
鏡見した。DHEASによる膣スメア角質化は初回投与
3日後から観察され、6日後にはその作用が消失した。
従って角質化スメア数は投与開始3日目より5日目まで
の3日間の合計とした。被検化合物による角質化抑制作
用は溶媒投与群の角質化に対する割合で表した。
ラットを1群8〜10匹として用い、デヒドロエピアン
ドロステロン硫酸塩(DHEAS)16mg/kgと溶
媒(2%ポリソルベイト80を含む生理食塩液)5ml
/kg又はDHEASと溶媒に懸濁された被検化合物
を、4日間連続して1日1回経口投与した。投与開始翌
日より6日間膣スメアを採取してギムザ染色液で染色後
鏡見した。DHEASによる膣スメア角質化は初回投与
3日後から観察され、6日後にはその作用が消失した。
従って角質化スメア数は投与開始3日目より5日目まで
の3日間の合計とした。被検化合物による角質化抑制作
用は溶媒投与群の角質化に対する割合で表した。
【0049】なお膣スメア角質化は、アロマターゼによ
りDHEASから生合成されたエストロゲン類により起
こるので、アロマターゼが阻害されると角質化抑制が観
察される。
りDHEASから生合成されたエストロゲン類により起
こるので、アロマターゼが阻害されると角質化抑制が観
察される。
【0050】その結果を下記表2に示す。
【0051】 表 2 投与量 化合物 (mg/kg/day) 抑制率(%) 実施例2 10 88.2±7.8 実施例4 5 93.8±6.2 実施例7(6β) 10 84.2±7.9 実施例7(6α) 5 93.8±6.2 かくして、本発明の式(I)で示される化合物は、エス
トロゲン類の生合成阻害剤として、人間又はその他の哺
乳動物に対する治療、処置のために経口投与又は非経口
投与(例えば筋注、静注、直腸投与、経皮投与など)す
ることができる。
トロゲン類の生合成阻害剤として、人間又はその他の哺
乳動物に対する治療、処置のために経口投与又は非経口
投与(例えば筋注、静注、直腸投与、経皮投与など)す
ることができる。
【0052】本発明の化合物は、薬剤として用いる場
合、その用途に応じて、製薬学的に許容しうる無毒性の
添加剤と共に、固体形態(例えば錠剤、硬カプセル剤、
軟カプセル剤、顆粒剤、散剤、細粒剤、丸剤、トローチ
錠など)、半固体形態(例えば坐剤、軟膏など)又は液
体形態(注射剤、、乳剤、懸濁液、ローション、スプレ
ーなど)のいずれかの製剤形態に製剤化して用いること
ができる。
合、その用途に応じて、製薬学的に許容しうる無毒性の
添加剤と共に、固体形態(例えば錠剤、硬カプセル剤、
軟カプセル剤、顆粒剤、散剤、細粒剤、丸剤、トローチ
錠など)、半固体形態(例えば坐剤、軟膏など)又は液
体形態(注射剤、、乳剤、懸濁液、ローション、スプレ
ーなど)のいずれかの製剤形態に製剤化して用いること
ができる。
【0053】しかして、上記製剤化に使用し得る無毒性
の添加剤としては、例えばでん粉、ゼラチン、ブドウ
糖、乳糖、果糖、マルトース、炭酸マグネシウム、タル
ク、ステアリン酸マグネシウム、メチルセルロース、カ
ルボキシメチルセルロース又はその塩、アラビアゴム、
ポリエチレングリコール、p−ヒドロキシ安息香酸アル
キルエステル、シロップ、エタノール、プロピレングリ
コール、ワセリン、カーボワックス、グリセリン、塩化
ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、ク
エン酸等が挙げられる。該薬剤はまた、治療学的に有用
な他の薬剤を含有することもできる。
の添加剤としては、例えばでん粉、ゼラチン、ブドウ
糖、乳糖、果糖、マルトース、炭酸マグネシウム、タル
ク、ステアリン酸マグネシウム、メチルセルロース、カ
ルボキシメチルセルロース又はその塩、アラビアゴム、
ポリエチレングリコール、p−ヒドロキシ安息香酸アル
キルエステル、シロップ、エタノール、プロピレングリ
コール、ワセリン、カーボワックス、グリセリン、塩化
ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、ク
エン酸等が挙げられる。該薬剤はまた、治療学的に有用
な他の薬剤を含有することもできる。
【0054】該薬剤中における本発明の化合物の含有量
はその剤形に応じて異なるが、一般に固体及び半固体形
態の場合には0.1〜50重量%の濃度で、そして液体
形態の場合には0.05〜10重量%の濃度で含有して
いることが望ましい。
はその剤形に応じて異なるが、一般に固体及び半固体形
態の場合には0.1〜50重量%の濃度で、そして液体
形態の場合には0.05〜10重量%の濃度で含有して
いることが望ましい。
【0055】本発明の化合物の投与量は、対象とする人
間をはじめとする温血動物の種類、投与経路、症状の軽
重、医者の診断等により広範に変えることができるが、
一般に1日当たり、0.1〜100mg/kg、好適に
は1〜50mg/kgとすることができる。しかし、上
記の如く患者の症状の軽重、医者の診断に応じて上記範
囲の下限よりも少ない量又は上限よりも多い量を投与す
ることはもちろん可能である。上記投与量は1日1回又
は数回に分けて投与することができる。
間をはじめとする温血動物の種類、投与経路、症状の軽
重、医者の診断等により広範に変えることができるが、
一般に1日当たり、0.1〜100mg/kg、好適に
は1〜50mg/kgとすることができる。しかし、上
記の如く患者の症状の軽重、医者の診断に応じて上記範
囲の下限よりも少ない量又は上限よりも多い量を投与す
ることはもちろん可能である。上記投与量は1日1回又
は数回に分けて投与することができる。
【0056】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに説明す
る。
る。
【0057】実施例1 アンドロスタ−1,4,6−トリエン−3,17−ジオン
1.57gおよびチオ酢酸6mlの混合物を5時間還流
した。反応混合物を放冷したのち、3.6gの水酸化ナ
トリウムを溶解した氷水にあけ、生成物を酢酸エチルで
抽出した。抽出液を5%炭酸水素ナトリウム水溶液およ
び飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し
た。溶媒を留去して得られた粗生成物をシリカゲルカラ
ムクロマトグラフィー[溶出溶媒、ベンゼン:酢酸エチ
ル(9:1)]で精製して、1α,7α−ビス(アセチ
ルチオ)アンドロスタ−4−エン−3,17−ジオンを
得た。
1.57gおよびチオ酢酸6mlの混合物を5時間還流
した。反応混合物を放冷したのち、3.6gの水酸化ナ
トリウムを溶解した氷水にあけ、生成物を酢酸エチルで
抽出した。抽出液を5%炭酸水素ナトリウム水溶液およ
び飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し
た。溶媒を留去して得られた粗生成物をシリカゲルカラ
ムクロマトグラフィー[溶出溶媒、ベンゼン:酢酸エチ
ル(9:1)]で精製して、1α,7α−ビス(アセチ
ルチオ)アンドロスタ−4−エン−3,17−ジオンを
得た。
【0058】1H-NMR(CDCl3,δ):0.91(3H,s)、1.43(3H,
s)、2.35(3H,s)、2.39(3H,s)、3.9〜4.2(2H,m)、5.74(1
H,br s) MS(m/z):434(M+)、391、359 実施例2 1α,7α−ビス(アセチルチオ)アンドロスタ−4−
エン−3,17−ジオン105mg、28%ナトリウム
メチラートメタノール溶液0.4mlおよびメタノール
1mlの混合物を窒素雰囲気下0℃で30分間撹拌し
た。反応混合物を3.6%塩酸水溶液にあけ、生成物を
酢酸エチルで抽出した。抽出液を5%炭酸水素ナトリウ
ム水溶液および飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシ
ウムで乾燥した。溶媒を留去して得られた粗生成物をT
LC[展開溶媒、ヘキサン:酢酸エチル(1:1)]で
精製して、7α−メルカプトアンドロスタ−1,4−ジ
エン−3,17−ジオン53mgを得た。
s)、2.35(3H,s)、2.39(3H,s)、3.9〜4.2(2H,m)、5.74(1
H,br s) MS(m/z):434(M+)、391、359 実施例2 1α,7α−ビス(アセチルチオ)アンドロスタ−4−
エン−3,17−ジオン105mg、28%ナトリウム
メチラートメタノール溶液0.4mlおよびメタノール
1mlの混合物を窒素雰囲気下0℃で30分間撹拌し
た。反応混合物を3.6%塩酸水溶液にあけ、生成物を
酢酸エチルで抽出した。抽出液を5%炭酸水素ナトリウ
ム水溶液および飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシ
ウムで乾燥した。溶媒を留去して得られた粗生成物をT
LC[展開溶媒、ヘキサン:酢酸エチル(1:1)]で
精製して、7α−メルカプトアンドロスタ−1,4−ジ
エン−3,17−ジオン53mgを得た。
【0059】1H-NMR(CDCl3,δ):0.96(3H,s)、1.26(3H,
s)、3.2〜3.6(1H,m)、6.1〜6.2(1H,m)、6.28(1H,dd,J=
1.8,10Hz)、7.04(1H,d,J=10Hz) MS(m/z):316(M+)、301、282 実施例3 1α,7α−ビス(アセチルチオ)アンドロスタ−4−
エン−3,17−ジオン20mgおよびピリジン0.2m
lの混合物を蒸気浴上8時間反応させた。室温で一晩放
置した後氷および3.6%塩酸水溶液を加え、生成物を
酢酸エチルで抽出した。抽出液を5%炭酸水素ナトリウ
ム水溶液および飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシ
ウムで乾燥した。溶媒を留去して得られた粗生成物をT
LC[展開溶媒、ベンゼン:酢酸エチル(9:1)]で
精製して、7α−(アセチルチオ)アンドロスタ−1,
4−ジエン−3,17−ジオン9mgを得た。
s)、3.2〜3.6(1H,m)、6.1〜6.2(1H,m)、6.28(1H,dd,J=
1.8,10Hz)、7.04(1H,d,J=10Hz) MS(m/z):316(M+)、301、282 実施例3 1α,7α−ビス(アセチルチオ)アンドロスタ−4−
エン−3,17−ジオン20mgおよびピリジン0.2m
lの混合物を蒸気浴上8時間反応させた。室温で一晩放
置した後氷および3.6%塩酸水溶液を加え、生成物を
酢酸エチルで抽出した。抽出液を5%炭酸水素ナトリウ
ム水溶液および飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシ
ウムで乾燥した。溶媒を留去して得られた粗生成物をT
LC[展開溶媒、ベンゼン:酢酸エチル(9:1)]で
精製して、7α−(アセチルチオ)アンドロスタ−1,
4−ジエン−3,17−ジオン9mgを得た。
【0060】1H-NMR(CDCl3,δ):0.95(3H,s)、1.28(3H,
s)、2.34(3H,s)、4.1〜4.3(1H,m)、6.0〜6.1(1H,m)、6.
26(1H,dd,J=2,10Hz)、7.01(1H,d,J=10Hz) MS(m/z):358(M+)、316、282 実施例4 チオ酢酸12.5μl、28%ナトリウムメチラートメ
タノール溶液31.25μlおよびN,N−ジメチルホル
ムアミド2.5mlの混合物を窒素雰囲気下室温で30
分間撹拌した。この混合物に6β−ブロモアンドロスタ
−1,4−ジエン−3,17−ジオン50mgを加え、同
じ条件で4時間撹拌した。反応混合物に水を加え、生成
物を酢酸エチルで抽出した。抽出液を5%炭酸水素ナト
リウム水溶液および飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグ
ネシウムで乾燥した。溶媒を留去して得られた粗生成物
をTLC[展開溶媒、ヘキサン:酢酸エチル(1:
1)]で精製して、6α−(アセチルチオ)アンドロス
タ−1,4−ジエン−3,17−ジオン10mgを得た。
s)、2.34(3H,s)、4.1〜4.3(1H,m)、6.0〜6.1(1H,m)、6.
26(1H,dd,J=2,10Hz)、7.01(1H,d,J=10Hz) MS(m/z):358(M+)、316、282 実施例4 チオ酢酸12.5μl、28%ナトリウムメチラートメ
タノール溶液31.25μlおよびN,N−ジメチルホル
ムアミド2.5mlの混合物を窒素雰囲気下室温で30
分間撹拌した。この混合物に6β−ブロモアンドロスタ
−1,4−ジエン−3,17−ジオン50mgを加え、同
じ条件で4時間撹拌した。反応混合物に水を加え、生成
物を酢酸エチルで抽出した。抽出液を5%炭酸水素ナト
リウム水溶液および飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグ
ネシウムで乾燥した。溶媒を留去して得られた粗生成物
をTLC[展開溶媒、ヘキサン:酢酸エチル(1:
1)]で精製して、6α−(アセチルチオ)アンドロス
タ−1,4−ジエン−3,17−ジオン10mgを得た。
【0061】1H-NMR(CDCl3,δ):0.96(3H,s)、1.39(3H,
s)、2.38(3H,s)、4.3〜4.6(1H,m)、6.26(1H,dd,J=1.8,1
0Hz)、6.4(1H,m)、7.04(1H,d,J=10Hz) MS(m/z):358(M+)、343、316、301、282 実施例5 実施例1において、アンドロスタ−1,4,6−トリエン
−3,17−ジオンのかわりに6α−(アセチルチオ)
アンドロスタ−1,4−ジエン−3,17−ジオン20m
gを用いて同様に操作し、得られた粗生成物をTLC
[展開溶媒、ヘキサン:酢酸エチル(1:1)]で精製
して、1α,6α−ビス(アセチルチオ)アンドロスタ
−4−エン−3,17−ジオン17mgを得た。
s)、2.38(3H,s)、4.3〜4.6(1H,m)、6.26(1H,dd,J=1.8,1
0Hz)、6.4(1H,m)、7.04(1H,d,J=10Hz) MS(m/z):358(M+)、343、316、301、282 実施例5 実施例1において、アンドロスタ−1,4,6−トリエン
−3,17−ジオンのかわりに6α−(アセチルチオ)
アンドロスタ−1,4−ジエン−3,17−ジオン20m
gを用いて同様に操作し、得られた粗生成物をTLC
[展開溶媒、ヘキサン:酢酸エチル(1:1)]で精製
して、1α,6α−ビス(アセチルチオ)アンドロスタ
−4−エン−3,17−ジオン17mgを得た。
【0062】1H-NMR(CDCl3,δ):0.92(3H,s)、1.51(3H,
s)、2.32(3H,s)、2.38(3H,s)、2.4〜3.1(2H,m)、4.0〜
4.2(1H,m)、4.2〜4.5(1H,m)、6.1〜6.2(1H,m) MS(m/z):434(M+)、416、392、358 実施例6 実施例2において、1α,7α−ビス(アセチルチオ)
アンドロスタ−4−エン−3,17−ジオンのかわりに
6α−(アセチルチオ)アンドロスタ−1,4−ジエン
−3,17−ジオン20mgを用いて同様に操作して、
6α−メルカプトアンドロスタ−1,4−ジエン−3,1
7−ジオン15mgを得た。
s)、2.32(3H,s)、2.38(3H,s)、2.4〜3.1(2H,m)、4.0〜
4.2(1H,m)、4.2〜4.5(1H,m)、6.1〜6.2(1H,m) MS(m/z):434(M+)、416、392、358 実施例6 実施例2において、1α,7α−ビス(アセチルチオ)
アンドロスタ−4−エン−3,17−ジオンのかわりに
6α−(アセチルチオ)アンドロスタ−1,4−ジエン
−3,17−ジオン20mgを用いて同様に操作して、
6α−メルカプトアンドロスタ−1,4−ジエン−3,1
7−ジオン15mgを得た。
【0063】1H-NMR(CDCl3,δ):0.94(3H,s)、1.29(3H,
s)、3.6〜4.1(1H,m)、6.28(1H,dd,J=2,10Hz)、6.74(1H,
m)、7.02(1H,d,J=10Hz) MS(m/z):316(M+)、301、298、282 実施例7 6β−ブロモアンドロスタ−1,4−ジエン−3,17−
ジオン700mg、チオシアン酸カリウム600mgお
よびN,N−ジメチルホルムアミド15mlの混合物を
60℃で3時間撹拌した。反応混合物に水を加え、析出
した結晶を濾取した。得られた粗結晶をTLC[展開溶
媒、ベンゼン:酢酸エチル(6:1)]で精製し、低極
性化合物として、6β−チオシアナトアンドロスタ−
1,4−ジエン−3,17−ジオン258mgを得た。
s)、3.6〜4.1(1H,m)、6.28(1H,dd,J=2,10Hz)、6.74(1H,
m)、7.02(1H,d,J=10Hz) MS(m/z):316(M+)、301、298、282 実施例7 6β−ブロモアンドロスタ−1,4−ジエン−3,17−
ジオン700mg、チオシアン酸カリウム600mgお
よびN,N−ジメチルホルムアミド15mlの混合物を
60℃で3時間撹拌した。反応混合物に水を加え、析出
した結晶を濾取した。得られた粗結晶をTLC[展開溶
媒、ベンゼン:酢酸エチル(6:1)]で精製し、低極
性化合物として、6β−チオシアナトアンドロスタ−
1,4−ジエン−3,17−ジオン258mgを得た。
【0064】1H-NMR(CDCl3,δ):1.00(3H,s)、1.48(3H,
s)、4.76(1H,m)、6.20〜6.33(2H,m)、7.02(1H,d,J=10.5
Hz) MS(m/z):341(M+)、326、308、283 さらに、高極性化合物として、6α−チオシアナトアン
ドロスタ−1,4−ジエン−3,17−ジオン103mg
を得た。
s)、4.76(1H,m)、6.20〜6.33(2H,m)、7.02(1H,d,J=10.5
Hz) MS(m/z):341(M+)、326、308、283 さらに、高極性化合物として、6α−チオシアナトアン
ドロスタ−1,4−ジエン−3,17−ジオン103mg
を得た。
【0065】1H-NMR(CDCl3,δ):0.96(3H,s)、1.32(3H,
s)、4.20(1H,ddd,J=1.5,4.5,12.5Hz)、6.29(1H,dd,J=1.
8,10Hz)、6.43(1H,t,J=1.5Hz)、7.04(1H,d,J=10Hz) MS(m/z):341(M+)、326、308、283 実施例8 実施例7において、チオシアン酸カリウムのかわりに1
5%メチルメルカプタンナトリウム水溶液1.84ml
を用いて同様に操作して、6β−(メチルチオ)アンド
ロスタ−1,4−ジエン−3,17−ジオン123mgを
得た。
s)、4.20(1H,ddd,J=1.5,4.5,12.5Hz)、6.29(1H,dd,J=1.
8,10Hz)、6.43(1H,t,J=1.5Hz)、7.04(1H,d,J=10Hz) MS(m/z):341(M+)、326、308、283 実施例8 実施例7において、チオシアン酸カリウムのかわりに1
5%メチルメルカプタンナトリウム水溶液1.84ml
を用いて同様に操作して、6β−(メチルチオ)アンド
ロスタ−1,4−ジエン−3,17−ジオン123mgを
得た。
【0066】1H-NMR(CDCl3,δ):0.97(3H,s)、1.55(3H,
s)、2.08(3H,s)、3.69(1H,m)、6.08(1H,d,J=2Hz)、6.29
(1H,dd,J=2,10Hz)、7.02(1H,d,J=10Hz) MS(m/z):330(M+)、315、283、282 実施例9 6β−ブロモアンドロスタ−1,4−ジエン−3,17
−ジオン100mg、1N水酸化ナトリウム1mlおよ
びメタノール5mlの混合物を室温で30分間撹拌し
た。反応混合物に水を加え、生成物を酢酸エチルで抽出
した。抽出液を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシ
ウムで乾燥した。溶媒を留去して得られた粗生成物をT
LC[展開溶媒、クロロホルム:アセトン(19:
1)]で精製し、高極性化合物として、6α−メトキシ
アンドロスタ−1,4−ジエン−3,17−ジオン3m
gを得た。
s)、2.08(3H,s)、3.69(1H,m)、6.08(1H,d,J=2Hz)、6.29
(1H,dd,J=2,10Hz)、7.02(1H,d,J=10Hz) MS(m/z):330(M+)、315、283、282 実施例9 6β−ブロモアンドロスタ−1,4−ジエン−3,17
−ジオン100mg、1N水酸化ナトリウム1mlおよ
びメタノール5mlの混合物を室温で30分間撹拌し
た。反応混合物に水を加え、生成物を酢酸エチルで抽出
した。抽出液を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシ
ウムで乾燥した。溶媒を留去して得られた粗生成物をT
LC[展開溶媒、クロロホルム:アセトン(19:
1)]で精製し、高極性化合物として、6α−メトキシ
アンドロスタ−1,4−ジエン−3,17−ジオン3m
gを得た。
【0067】1H-NMR(CDCl3,δ):0.94(3H,s)、1.25(3H,
s)、3.45(3H,s)、3.95(1H,ddd,J=2,5,12Hz)、6.28(1H,d
d,J=2,10Hz)、6.41(1H,t,J=2Hz)、7.01(1H,d,J=10Hz) MS(m/z):314(M+)、299、282、255 また、低極性混合物をTLC[展開溶媒、ヘキサン:酢
酸エチル(2:1)]で精製して、6β−メトキシアン
ドロスタ−1,4−ジエン−3,17−ジオン30mg
を得た。
s)、3.45(3H,s)、3.95(1H,ddd,J=2,5,12Hz)、6.28(1H,d
d,J=2,10Hz)、6.41(1H,t,J=2Hz)、7.01(1H,d,J=10Hz) MS(m/z):314(M+)、299、282、255 また、低極性混合物をTLC[展開溶媒、ヘキサン:酢
酸エチル(2:1)]で精製して、6β−メトキシアン
ドロスタ−1,4−ジエン−3,17−ジオン30mg
を得た。
【0068】1H-NMR(CDCl3,δ):0.96(3H,s)、1.40(3H,
s)、3.27(3H,s)、3.93(1H,m)、6.1〜6.4(2H,m)、7.04(1
H,d,J=11Hz) MS(m/z):314(M+)、299、282、255 実施例10 実施例9において、メタノールのかわりにエタノールを
用いて同様に操作し、得られた粗生成物をTLC[展開
溶媒、ヘキサン:酢酸エチル(2:1)]で精製して、
6β−エトキシアンドロスタ−1,4−ジエン−3,1
7−ジオン21mgを得た。
s)、3.27(3H,s)、3.93(1H,m)、6.1〜6.4(2H,m)、7.04(1
H,d,J=11Hz) MS(m/z):314(M+)、299、282、255 実施例10 実施例9において、メタノールのかわりにエタノールを
用いて同様に操作し、得られた粗生成物をTLC[展開
溶媒、ヘキサン:酢酸エチル(2:1)]で精製して、
6β−エトキシアンドロスタ−1,4−ジエン−3,1
7−ジオン21mgを得た。
【0069】1H-NMR(CDCl3,δ):0.97(3H,s)、1.19(3H,
t,J=7Hz)、1,40(3H,s)、3.2〜3.6(2H,m)、4.03(1H,m)、
6.1〜6.4(2H,m)、7.04(1H,d,J=11Hz) MS(m/z):328(M+)、313、300、283、255
t,J=7Hz)、1,40(3H,s)、3.2〜3.6(2H,m)、4.03(1H,m)、
6.1〜6.4(2H,m)、7.04(1H,d,J=11Hz) MS(m/z):328(M+)、313、300、283、255
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 河内 朋子 東京都稲城市矢野口1829−3グリーンハイ ツ・ユキ10C (72)発明者 本間 誠次郎 神奈川県横浜市緑区たちばな台2−4−19 (72)発明者 三枝 衛 神奈川県海老名市柏ケ谷516 (72)発明者 高橋 洋夫 神奈川県相模原市陽光台4−4−10 (72)発明者 柴田 健雄 東京都稲城市押立998−4
Claims (4)
- 【請求項1】 一般式 【化1】 式中、 R1は水素原子、低級アルキルチオ基又はアシルチオ基
を表わし;R2は水素原子、メルカプト基、チオシアナ
ト基、低級アルコキシ基、低級アルキルチオ基又はアシ
ルチオ基を表わし;R3は水素原子、メルカプト基、低
級アルキルチオ基又はアシルチオ基を表わし;ステロイ
ド骨格の1、2位間の破線は、R1が水素原子を表わす
ときには1、2位間は二重結合であることを意味し、R
1が低級アルキルチオ基又はアシルチオ基を表わすとき
には1、2位間は単結合であることを意味する、ただ
し、 R2及びR3は、どちらか一方は必ず水素原子を表わし、
他方は水素原子以外の基を表わすものとする、で示され
る6−又は7−置換アンドロスタ−1,4−ジエン誘導
体。 - 【請求項2】 R1が水素原子を表わす請求項1の6−
又は7−置換アンドロスタ−1,4−ジエン誘導体。 - 【請求項3】 R3が水素原子を表わし、R2がメルカプ
ト基、アセチルチオ基又はチオシアナト基を表わす請求
項2の6−又は7−置換アンドロスタ−1,4−ジエン
誘導体。 - 【請求項4】 R2が水素原子を表わし、R3がメルカプ
ト基又はアセチルチオ基を表わす請求項2の6−又は7
−置換アンドロスタ−1,4−ジエン誘導体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32395094A JPH07215992A (ja) | 1993-12-07 | 1994-12-02 | 6−又は7−置換アンドロスタ−1,4−ジエン誘導体 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5-339874 | 1993-12-07 | ||
JP33987493 | 1993-12-07 | ||
JP32395094A JPH07215992A (ja) | 1993-12-07 | 1994-12-02 | 6−又は7−置換アンドロスタ−1,4−ジエン誘導体 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07215992A true JPH07215992A (ja) | 1995-08-15 |
Family
ID=26571350
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP32395094A Pending JPH07215992A (ja) | 1993-12-07 | 1994-12-02 | 6−又は7−置換アンドロスタ−1,4−ジエン誘導体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07215992A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2007041564A3 (en) * | 2005-09-30 | 2007-07-05 | Endece Llc | (s)-6-methyloxaalkyl exemestane compounds and related methods of use |
WO2011127232A2 (en) | 2010-04-08 | 2011-10-13 | Emory University | Substituted androst-4-ene diones |
JP4920822B2 (ja) * | 1998-03-18 | 2012-04-18 | エス・ダブリュー・パテントフェルヴェルトゥングス・リミテッド | ステロイド性アロマターゼインヒビターを含有する乳癌の予防および/または治療薬 |
US8168621B2 (en) | 2005-09-30 | 2012-05-01 | Endece, Llc | 6-substituted estradiol derivatives and methods of use |
US10174070B2 (en) | 2005-09-30 | 2019-01-08 | Endece Llc | 6-substituted estradiol derivatives and methods of use |
-
1994
- 1994-12-02 JP JP32395094A patent/JPH07215992A/ja active Pending
Cited By (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4920822B2 (ja) * | 1998-03-18 | 2012-04-18 | エス・ダブリュー・パテントフェルヴェルトゥングス・リミテッド | ステロイド性アロマターゼインヒビターを含有する乳癌の予防および/または治療薬 |
WO2007041564A3 (en) * | 2005-09-30 | 2007-07-05 | Endece Llc | (s)-6-methyloxaalkyl exemestane compounds and related methods of use |
JP2009510125A (ja) * | 2005-09-30 | 2009-03-12 | エンディース エルエルシー | (s)−6−メチルオキサアルキルエキセメスタン化合物および関連する使用方法 |
US7846918B2 (en) | 2005-09-30 | 2010-12-07 | Endece, Llc | Exemestane compounds, compositions and related methods of use |
US8168621B2 (en) | 2005-09-30 | 2012-05-01 | Endece, Llc | 6-substituted estradiol derivatives and methods of use |
US8629130B2 (en) | 2005-09-30 | 2014-01-14 | Endece, Llc | 6-substituted estradiol derivatives and methods of use |
US10174070B2 (en) | 2005-09-30 | 2019-01-08 | Endece Llc | 6-substituted estradiol derivatives and methods of use |
US10723757B2 (en) | 2005-09-30 | 2020-07-28 | Endece Llc | 6-substituted estradiol derivatives and methods of use |
WO2011127232A2 (en) | 2010-04-08 | 2011-10-13 | Emory University | Substituted androst-4-ene diones |
US8969327B2 (en) | 2010-04-08 | 2015-03-03 | Emory University | Substituted androst-4-ene diones |
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