図1は、本発明の実施の形態に係る照明装置の実施例1を示すブロック図である。実施例1は、保持部2によってキッチン上部の適所に固定されるキッチン用手元照明装置4として構成される。なお、図1のブロック図は、理解の便のため概念化して図示しているが、実際の構成について説明が必要な場合は、以下において適宜補足する。照明装置4は面上に並列された複数の白色発光ダイオード(LED)6、8、10、12、14、16、18および20等を有し、それぞれから比較的広角に発光される白色光を前面に設けられた集光レンズアレイ22の各小レンズ群でそれぞれ集光して下方に照射する。また、各白色LEDは金属からなる放熱板23に熱的に接触しており、放熱板23による冷却により発光効率の低下を防止している。なお、図1では簡単のため白色LEDを8個のみ図示したが、実際には多数(例えば数百個)の白色LED群が全体として円形になるよう配列される。照明装置4の下方にはガスコンロなどのホットプレート24、調理台26、シンク28などの照明を要するキッチン設備が位置している。
LEDドライバ30は電源部32からの給電を受け、PWM制御部34によってそれぞれオンオフされるスイッチ群36を介して定電流源38からの電流をそれぞれ白色LED6、8、10、12、14、16、18および20等に供給することで発光の制御を行う。発光の制御は制御部40がPWM制御部34を制御することによって行われる。まず、照明装置4を点灯させるには下方近接センサ42の下方近傍において手を動かす。下方近接センサ42の出力に何らかの変化があることが制御部40で判断されると点灯信号がPWM制御部34に送られ、これによって手の動きの方向にかかわらず白色LED6、8、10、12、14、16、18および20等が点灯する。このとき点灯状態は前回消灯時のものが再現される。
次に照明装置4の明るさを変更するには下方近接センサ42の下方近傍において手を左右方向に動かす。下方近接センサ42の出力変化に応じて制御部40が左から右への手の動きを検知すると、デューティーサイクルが上限でない限り、PWM制御部34にデューティーサイクルを所定量増加させる信号が送られ、白色LED6、8、10、12、14、16、18および20等の明るさが増加する。一方、下方近接センサ42の出力変化に応じて制御部40が右から左への手の動きを検知すると、デューティーサイクルが下限でない限り、PWM制御部34にデューティーサイクルを所定量減少させる信号が送られ、白色LED6、8、10、12、14、16、18および20等の明るさが減少する。さらに、下方近接センサ42の出力変化に応じて制御部40が下方近接センサ42近傍から急速に離間させられたことを検知すると、PWM制御部34に消灯信号が送られ、白色LED6、8、10、12、14、16、18および20等が消灯する。
なお、上記において、増灯または減光操作した手が下方近接センサ42から離間していくときにこれに伴って意図しない増灯または減光が行われないよう、所望の増灯または減光操作した手をその後所定時間静止させたときは、そこから所定時間の出力変化を無効とする不感時間帯を設ける。従ってこの不感時間帯において手をゆっくり離間させればこの動きに伴って意図しない増灯または減光が生じることはない。また、消灯のため急速離間の前に下方近接センサ42に接近する手の動きを増灯または減光のための操作と混同されないようにするため、下方近接センサが最初に出力変化を検知してから所定時間は急速離間の判断に基づく消灯のみを実行するようにする。そして、この所定時間内に急速離間があったと判断されないときに限り、手の動きに応じた増灯または減光を実行する。従って、消灯が手の急速離間検知後、直ちに実行されるのに対し、増灯または減光等は手の左右の動きの検知後、若干の遅延をもって実行されることになる。
以上のように、制御部40の判断は、照明装置4が消灯中の場合と点灯中の場合で異なったものとなる。つまり、照明装置4が消灯中の場合は手の動きかかわらず点灯制御が行われるとともに、点灯中の場合は手の動の違いを判別して増光または減光または消灯等の違う制御が行われる。
なお、上記において、消灯状態に代えて、白色LED6、8、10、12、14、16、18および20等が微小デューティーサイクルにて点灯し、常夜灯として機能するようにしてもよい。この場合、上記における「消灯」は「常夜灯点灯」と読み替えて理解するものとする。また照明を行わない際に「消灯」または「常夜灯点灯」のいずれとするかを予め設定しておくことも可能である。また、上記の「常夜灯点灯」は、全ての白色LED6、8、10、12、14、16、18および20等を微小デューティーサイクルにて点灯することで寿命に差がでないようにする。しかし寿命の差に重きを置かない場合は、「常夜灯点灯」のために予め設定した白色LED(例えばシンク28の上の白色LED16、18および20)のみを選択的に微小デューティーサイクルにて点灯させるようにしてもよい。
次に照明範囲を変更するときは、左方近接センサ44および右方近接センサ46の一方または両者の近傍で手を動かす。なお、このような操作のため手が影になって照明範囲の設定を阻害しないよう、左方近接センサ44および右方近接センサ46は照明装置4の上部側方に設けられている。なお、図1では、簡単のために照明範囲を変更ための近接センサを、左方近接センサ44および右方近接センサ46の一対としているが、実際には照明装置4の上部側面周囲に複数対設けられ、照明装置4の上下軸まわりのいずれの方向からの手の操作も検知できるようになっている。これにともなって照明範囲も照明装置4の上下軸まわりのいずれの方向へも移動可能となる。以下、照明範囲の変更について簡単のため、一対の左方近接センサ44および右方近接センサ46に基づいて具体的に説明する。
まず、照明範囲の広さを変更する場合について説明する。照明範囲を縮小するには、左方近接センサ44および右方近接センサ46に対しそれぞれ両手をゆっくり接近させる。左方近接センサ44および右方近接センサ46の出力変化に基づいて両手の接近が制御部40で検知されると、照明範囲が下限でない限り、照明装置4の上下軸まわりの外側から所定数の輪帯状の白色LEDを消灯させる。なお、白色LED6、8、10、12、14、16、18および20等がすべて点灯させられているときは放熱板23の放熱能力の限界を考慮してデューティーサイクルに上限が設けられているが、上記のようにして一部が消灯させられて時は放熱能力に余裕が出るため、デューティーサイクルの上限を上げることができる。この事情を活用し、照明範囲を縮小するために外側の輪帯状の白色LEDを消灯させたときは、これに伴って点灯している残りの内側の白色LED群のデューティーサイクルを自動的に増加させる。これによって、照明範囲を縮小するとともに範囲内の明るさを増したスポット照明状態を実現することができる。
一方、照明範囲を拡大するには、左方近接センサ44および右方近接センサ46にそれぞれ両手を急速接近させた後、そこからゆっくり離間させる。なお、このとき両手を近づける動きが上記の照明範囲縮小操作と混同されないようにするため、所定速度以上の急速接近は照明範囲縮小操作とは認識されないよう構成する。左方近接センサ44および右方近接センサ46の出力変化に基づいて両手の離間が制御部40によって検知されたとき、照明範囲が上限(つまり全ての白色LED群が点灯状態)でない限り、消灯状態にある白色LED群のうち照明装置4の上下軸まわりの内側の所定数の輪帯状範囲にあるものから点灯させる。このとき、点灯する白色LED群の数の増加に伴い、放熱板23の放熱能力の限界を考慮して点灯する白色LED群のデューティーサイクルを自動的に低下させる。このとき、個々の白色LEDの発光は抑えるが照明範囲トータルの光量は保たれるようにする。
次に照明範囲を移動させる場合について説明する。例として、上記の照明範囲縮小操作によって、例えば白色LED10、12、14および16が点灯し、白色LED6、8、18および20が消灯することによって調理台26がスポット的に照明されている状態を考える。ここで照明範囲をその右側にあるシンク28に移動させるには、左方近接センサ44に対し左手を接近させる。この動きが制御部40によって検知されると、例えば、白色LED10が消灯されるとともに白色LED16が点灯され照明範囲がシンク28側に移動する。そしてさらに照明範囲をシンク28側に移動させるためには左方近接センサ44に対し左手を一度離間させた後再び接近させる。左方近接センサ44の出力のみが変化するとき、制御部40は離間の動きは無視するので再接近のみが検知され、これに応じて、例えば、白色LED12が消灯されるとともに白色LED20が点灯され照明範囲がシンク28上に来る。以上は線上の動きで説明したが、実際には照明スポットが右側に移動していく。また、スポットの移動段階も多く、よりスムーズなものとなる。
一方、照明範囲をその左側に移動させる場合には、右方近接センサ46に対する右手の接近を繰り返すことにより、上記の左方近接センサ44の場合と同様にして、照明範囲が左側に移動していく。例えば上記の白色LED14、16、18および20が点灯し、白色LED6、8、10および12が消灯することによってシンク28がスポット的に照明されている状態から出発して、右方近接センサ46に対し右手を接近させる。この動きが制御部40によって検知されると、例えば、白色LED20が消灯されるとともに白色LED12が点灯され照明範囲が調理第26に移動する。そしてさらに照明範囲を調理台26側に移動させるためには右方近接センサ46に対し右手を一度離間させた後再び接近させる。左方近接センサ44の場合と同様にして右方近接センサ46の出力のみが変化するとき、制御部40は離間の動きは無視するので再接近のみが検知され、これに応じて、例えば、白色LED18が消灯されるとともに白色LED10が点灯され照明範囲が調理台26上に来る。この動きを繰り返すことで、照明範囲をホットプレート24上まで移動させることができる。
図2は、図1の実施例1の回路ブロック図であり、図1と対応する部分には同一の番号を付し、必要のない限り説明を省略する。電源部32は、電力線48の交流をトランス50で降圧するとともに全波整流器52で整流し、これを電解コンデンサ54で平滑して直流電源回路56に供給する。なお、トランス50を省略して全波整流器52に電力線48から直接給電するよう構成してもよい。直流電源回路56と接地の間には白色LED群6、58、60、スイッチ素子62および定電流源64が直列で接続されている。また、直流電源回路56と接地の間には、これと並列に、白色LED群8、66、68、スイッチ素子70および定電流源72が直列で接続されている。さらに、直流電源回路56と接地の間には、これらと並列に、白色LED群10、74、76、スイッチ素子78および定電流源80が直列で接続されている。そして、スイッチ素子62、70および78等のオンオフをPWM制御部34で制御することによって白色LED群の点灯・消灯および点灯時の明るさ調整が行われる。PWM制御部34によるPWM制御のデューティーサイクルは、制御部40によって制御される。
なお、図2では白色LED群の直列接続は3つしか図示されていないが、実際には多数の白色LED群が直列接続毎に別々に点灯のデューティーが制御可能なよう構成される。また、白色LED群のデューティー制御は直列接続毎ではなく、いくつかの直列接続を並列にまとめた群とし、この群毎に制御するように構成してもよい。ここで、デューティーサイクルゼロは消灯を意味する。
図3は、図1および図2における実施例1の平面配置概念図であり、図1および図2と対応する部分には同一の番号を付して必要のない限り説明を省略する。図3に明らかなように、白色LEDはが全体として円形の面状となるよう配列される。また、同一の制御が行われる直列接続された白色LED6、58、60等は制御単位として互いに近傍に配置される。そして図1および図2との対応で言えば、制御単位としての白色LED8、66、68は全体としてより円の内側に、また制御単位としての白色LED10、74、76は全体としてさらにより円の内側になるよう配置される。なお、白色LED群の平面配置は図3のような円形に限るものではなく、楕円、矩形など他の適宜の形状が可能である。
また、既に述べたように左方近接センサ44および右方近接センサ46の対だけでなく、第3側方近接センサ82およびこれと対向する第4側方センサ84の対などが照明装置4の上下軸周りに複数対設けられており、いずれの方向からの手の接近も検知できるようになっている。これにともなって照明範囲も照明装置4の上下軸まわりのいずれの方向へも移動可能となる。なお、左方近接センサ44、右方近接センサ46、第3側方近接センサ82および第4側方センサ86などは、それぞれ第1赤外線発光部86、第2赤外線発光部88および共通赤外線受光部90を有している。その詳細は後述する。
図4は、図1から図3における実施例1の下方近接センサ42、左方近接センサ44、右方近接センサ46、第3側方近接センサ82および4側方センサ84等の詳細構成を示す概念図であり、図1から図3と対応する部分には同一の番号を付して必要のない限り説明を省略する。第1赤外線発光部86は、所定のタイミングで照射範囲92に赤外線のパルスを照射する。また第2赤外線発光部88は第1赤外線発光部86のパルスとは重ならないタイミングで照射範囲94に赤外線のパルスを照射する。共通赤外線受光部90は、受光範囲96内の赤外線反射光を、第1赤外線発光部86の赤外線パルス照射タイミング、第2赤外線発光部88の赤外線パルス照射タイミング、および両者の赤外線パルスが存在しないタイミングにおいてそれぞれサンプリングし、これらの比較からセンシング領域98内の指等の動きを検知する。
例えば図4で左右方向の動きについては、例えば指等がセンシング領域98内の位置91から位置93に移動するとき、第2赤外線発光部88からのパルスのみの反射光の指からの反射光を受光する状態から両パルスの指からの反射光を受光する状態を経て、第1赤外線発光部86のパルスのみの指からの反射光を受光する状態に遷移する。これにより、図4で見て右から左への指の動きを検知する。これに対し、指等がセンシング領域98内の位置93から位置91に移動するときは、反射光の受光状態の遷移が逆になるので、図4で見て左から右への指の動きを検知する。
これに対し、図4で上下方向の動きについては、例えば指等がセンシング領域98内の位置95から位置97に移動するとき、第1赤外線発光部86からのパルスのみの反射光の指からの反射光を受光する状態から、第1赤外線発光部86のパルスおよび第2赤外線発光部88からのパルスの両方について指からの反射光を受光する状態に遷移する。これにより、図4で見て上から下への指の動きを検知する。これに対し、指等がセンシング領域98内の位置97から位置95に移動するときは、反射光の受光状態の遷移が逆になるので、図4で見て下から上への指の動きを検知する。
以上は、指などの比較的小さい物体がセンシング領域98内を移動する単純な場合で説明したが、手のひらなど比較的大きな物体の場合は、受光出力は手のひらの各部からの反射光の合成となる。この場合、図4で左右方向の移動については、手のひらの端部の動きから比較的容易に動きを検知することができる。これに対し、図4で上下方向の移動の場合は、手のひら全体でみて第1赤外線発光部86のパルスおよび第2赤外線発光部88からのパルスの両方について手のひらからの反射光を受光する状態が継続する。このような場合には、反射光量の増減を検知し、反射光量が増加する場合が接近、減少する場合を離間と判断する。なお、上下方向の移動であっても、手のひらが移動方向に対し平行になるよう動かせば反射面積が小さくなるので図4のような反射状態の遷移を検知することができる。なお、図4では、赤外線発光部が二つの場合を示したが、感度を上げるためには赤外線発光部の数を増やすこと、またその場合、赤外線発光部を二次元的または三次元に配置すること、または赤外線受光部90の数を増やすことが可能である。
図5は、図1から図4における実施例1の下方近接センサ42、左方近接センサ44、右方近接センサ46、第3側方近接センサ82および4側方センサ84等における第1赤外線発光部86および第2赤外線発光部88におけるパルス照射タイミングおよび共通赤外線受光部90の反射光サンプリングタイミングを示すタイミングチャートである。図5(A)は第1赤外線発光部86のパルス照射タイミング、図5(B)は第2赤外線発光部88のパルス照射タイミング、図(C)は共通赤外線受光部90の受光出力サンプリングタイミングを示す。図5(A)および図5(B)のパルスの照射は例えば100Hz程度で繰り返される。図5から明らかなように、第1赤外線発光部86のパルスのみが照射中のタイミングt1、両者のパルス照射がないタイミングt2、第2赤外線発光部88のパルスのみが照射中のタイミングt3および両者のパルス照射がないタイミングt4の順で以下同様に受光出力のサンプリングが行われていく。このように、第1赤外線発光部86のパルスのみが照射中の反射光サンプリングおよび第2赤外線発光部88のパルスのみが照射中の反射光サンプリングのいずれにおいても、その前後においてパルス照射がない状態の受光サンプリングを行うので、反射光以外の受光出力を効果的に除去することができる。
図8は、本発明の実施の形態に係る照明装置の実施例3を示すブロック図である。実施例3も、保持部202によってキッチン上部の適所に固定されるキッチン用手元照明装置204として構成される。また、その構成の大半は実施例1および実施例2と共通するので、共通する部分は十の位と一の位の共通する二百番台の番号を付し、必要のない限り説明を省略する。図8の実施例3が図1の実施例1または図6の実施例2と異なる第1点は、白色LED208、212、216および220等が黄色LED207、209、211および213等と均等に混在配置されていることである。
そして、白色LED208、212、216および220等は、白色電源部232によって給電される白色LEDドライバ230によって制御されるとともに、これと独立に黄色LED207、209、211および213等は、黄色電源部233によって給電される黄色LEDドライバ231によって制御される。これによって、白色LED群のデューティーサイクルと黄色LED群のデューティーサイクルの変化により白色と黄色の混合比を自由に変更し、白色と黄色の間で照明色を変更することができる。このようなキッチンにおける照明色の変更は、例えば料理や食材の色を、配膳時のダイニングにおける昼間の色温度や夜間照明時の色温度と同じ条件にして評価する場合などに有用である。
図8の実施例3が図1の実施例1または図6の実施例2と異なる第2点は、可動反射傘215および217を設け、これを駆動部219によって連動して駆動することによって、照明光の照射方向を変更できるよう構成した点である。図8では、一例として、照明方向がホットプレート24に向くよう調整されている状態を示す。なお、図8の実施例3では、図6の実施例2と同様、図1の実施例1に設けられていた集光レンズアレイ22が省略されている。駆動部219は、制御部240によって制御されており、左方近接センサ244に対し左手を接近させることにより照明範囲がシンク28側に移動し、右方近接センサ246に対し右手を接近させることにより、照明範囲がホットプレート24側に移動するよう、可動反射傘215および217が駆動される。
さらに、左方近接センサ244および右方近接センサ246にそれぞれ両手を接近離間させることにより照明範囲をスポットと広角の間で変更するときは、可動反射傘215および217が全体として閉じる方向または開く方向に連動して動くよう駆動制御がなされる。なお、図8の実施例3においては、実施例1または実施例2と異なり、照明範囲の広がりまたは中心の移動に伴う白色LED群および黄色LED群の点灯および消灯の変更はない。可動反射傘215および217は、図8では簡単のため左右一対しか図示していないが、図3における近接センサ対の場合と同様にして、複数の反射傘対が照明装置4の上下軸周りに設けられており、上下軸周りのいずれの方向についても照明範囲を変更することができる。
なお、実施例3の場合、常夜灯点灯の場合は、白色LED群が全て消灯され、黄色LED群が微小デューティーサイクルにて点灯させられる。また、照明の明るさを変更する場合、全体として照明を暗くする場合は、黄色LED群のデューティーサイクルよりも白色LED群のデューティーサイクルを絞ることによって、全体的に黄色味が勝つようにし、逆に、全体として照明を明るくする場合は、黄色LED群のデューティーサイクルよりも白色LED群のデューティーサイクルをより大きくすることによって、全体的に白色味が強くなるように自動制御する。これによって白熱電球の明るさ変化に伴う色温度変化や日中と夕暮れの色温度変化を真似て感覚的に自然な明るさ変化を行うようにする。
図9は、本発明の実施の形態に係る照明装置の実施例4を示すブロック図である。実施例4も、保持部302によってキッチン上部の適所に固定されるキッチン用手元照明装置として構成される。また、その構成の大半は図8の実施例3と共通するので、共通する部分は十の位と一の位が共通する三百番台の番号を付し、必要のない限り説明を省略する。図9の実施例4が図8の実施例3と異なる点は、キッチン用手元照明装置が、制御固定ユニット305と可動照明ユニット304に分離され、首振機構341によって制御固定ユニット305に対する可動照明ユニット304の角度が可変となっていて、これによって照射方向が変更できるようになっていることである。なお、実施例1と同様にして照明の指向性を高めるため、集光レンズアレイ322が採用されている。これらに伴って、実施例3の可動反射傘215、217は、実施例4では採用されていない。
まず、実施例4における照明方向の変更について説明すると、首不利気候341を制御する駆動部319は制御部340によって制御されており、左方近接センサ344に対し左手を接近させることにより可動照明ユニット304が全体として版時計回りに傾けられ、シンク28側を中心に照明するようになる。逆に、右方近接センサ346に対し右手を接近させることにより、可動照明ユニット304が全体として時計回りに傾けられ、ホットプレート24側を中心に照明するになる。
なお、左方近接センサ244および右方近接センサ246にそれぞれ両手を接近離間させることにより照明範囲をスポットと広角の間で変更するときは、実施例1や実施例2と同様、LED群(この場合、白色LED群および黄色LED群)の点灯と消灯により照明範囲を増減する。またこのとき消灯されるLED群の数の増加に伴い、点灯させられるLED群のデューティーサイクルを増加させることは実施例1や実施例2と同様である。
以上の実施例1から実施例4は、それぞれの特徴をメインに簡単化して説明しているので、各実施例に示された特徴を複合して採用したり、特徴の組合せを変えたりすることは任意である。例えば、実施例6を実施例4のような首振りタイプとして構成したり、実施例1や実施例2を実施例3や実施例4のような白色LED群と黄色LED群の混在タイプとして構成したりするのは任意である。また、実施例2や実施例3において、実施例1や実施例4のような集光レンズアレイを併用することも任意である。さらに、近接センサは、図4および図5に示したようなものに限るものではなく、同様の機能を果たすことができる他のタイプの近接センサを採用することは任意である。
図10は、図8の実施例3における制御部240および図9の実施例4における制御部340の基本機能を示すフローチャートである。但し、後述する読み替え等を行うことにより、図1の実施例1における制御部40および図6の実施例2における制御部140においても採用可能である。フローは照明装置を設置して電源を供給することによりスタートし、ステップS2の初期段階処理を行う。この処理は、基本的には照明装置全体の機能チェックを行うものであるが、所定時間を限って諸設定を行うことも可能となっており、消灯に代えて常夜灯点灯を行うか否か、明るさ変化に伴う色温度自動変化を行うか否か、照明範囲変更に伴う自動明るさ変化を行うか否か等についてカスタム設定を行うことができる。なお所定時間内に何も設定しないときはデフォルト設定(上記各設定をすべて「Yes」とするもの)となって初期設定処理を終了する。以下、デフォルト設定としてフローを説明する。
初期設定処理が終了するとステップS4に進み、常夜灯黄色点灯を指示する。次いでステップS6で下方近接センサにセンサ出力があるかどうかチェックする。そしてセンサ出力があればステップS8に進み、現在照明点灯中か否かチェックする。そして照明点灯中でなければステップS10に移行し、点灯状態記憶を読み出してステップS12に進む。記憶がなければデフォルト点灯としてステップS12に進む。ステップS12では、ステップS10の点灯状態記憶に基づき照明点灯を指示する。このようにして、ステップS8で照明点灯中でないと判断された時は、ステップS6での下方近接センサ出力が何であってもステップS12に進み、照明点灯が指示される。なお、ステップS10の点灯状態記憶とは、前回の消灯直前の明るさ、色温度、照明範囲などの記憶であり、ステップS10を経ることにより、前回消灯直前の照明状態が再現される。
ステップS12で照明点灯が指示されると、ステップS14に進み、その後所定時間の間、近接センサを不感化する。これは、例えば点灯操作のために近接センサに近づけた手を離間させる際の動きを近接センサが感知して意図しない誤動作が生じないようにするためのものである。ステップS14の所定時間が経過するとフローはステップS16に移行し、電源供給が断たれたかどうかチェックして供給が維持されていればステップS6に戻る。
これに対し、ステップS8で照明点灯中であることが検知された時は、ステップS18に進み、近接センサ出力の時間変化履歴により手の動きを判断するための出力記憶比較処理を行う。そしてステップS18の出力記憶比較処理を経てステップS20に進み、下方近接センサによって検知された手の動きが急速離間であったかどうかチェックする。急速離間でなければステップS22に進み、最初に下方近接センサ出力を検知してから所定時間経過したかどうかチェックする。所定時間の経過がなければステップS18に戻り、新たなセンサ出力に基づく出力記憶比較処理を経てステップS20に進む。このようにして、急速離間が検知されずかつ所定時間が経過しないかぎりはステップS18からステップS22を繰り返し、下方近接センサ出力があっても当面何もしない。このようにして、ステップS18からステップS22を繰り返している間は急速離間の検知だけに反応するので、急速離間のために下方近接センサに近づけた手によって予期しない誤操作が生じてしまうのを防止する。
ステップS22で所定時間の経過があれば、ステップS24に進み、ステップS18で検知された動きが左右移動であったかどうかチェックする。そして左右移動であればステップS26に進み、所定光量変更処理を行ってステップS28に移行する。ステップS26の所定光量変更処理は、ステップS24で検知された動きが右への移動であったか左への移動であったかに応じあればその方向に応じ光量を所定量暗くするか明るくする処理であるが、その詳細は後述する。ステップS24で左右移動である旨の検知がなければ直接ステップS28に移行する。
ステップS28では、ステップS18で検知された動きが上下移動であったかどうかチェックする。そして上下移動であればステップS30に進み、所定色変更処理を行ってステップS32に移行する。ステップS30の所定色変更処理は、ステップS28で検知された動きが上への移動であったか下への移動であったかに応じ照明色を所定量だけ黄色方向または白色方向に変更する処理であるが、その詳細は後述する。ステップS28で左右移動である旨の検知がなければ直接ステップS32に移行する。以上のようにして左右移動および上下移動に基づく操作の実行は、ステップS18からステップS22の繰り返しによって手の動きが急速離間でないことが確認されるまでの間、遅延されることになる。
ステップS32では、下方近接センサの出力により所定時間内に出力変化が生じたかどうかチェックする。下方近接センサの出力変化を起こした手がその後も動いていれば所定時間内の出力変化が生じるが、その後手が静止させられれば、所定時間内の出力変化が生じない。そして所定時間内の出力変化がないことが検知されるとステップS34に進み、その後所定時間の間、近接センサを不感化する。これは、光量変化または色変化の操作を行った手が所望の光量または色を実現した後近接センサから離間する際にこれを近接センサが感知して意図しない光量または色の変化をさらに生じさせるような誤動作が生じないようにするためのものである。ステップS34の所定時間が経過するとフローはステップS16に移行する。一方、ステップS32で所定時間内に出力変化があったときは明るさ変更または色変更の操作が続いているものとみなし、直接ステップS16に移行する。
一方、ステップS6で下方近接センサの出力変化が検知されなかったときはステップS36に移行し、左方近接センサおよび右方近接センサの一方または両方におけるセンサ出力変化があったかどうかチェックする。そしてセンサ出力の変化が検知されるとステップS38に進み、照明範囲変更処理を行ってステップS16に移行する。照明範囲変更処理の詳細は後述する。一方、ステップS36で左方近接センサおよび右方近接センサのいずれの出力変化も検出されない場合は直接ステップS16に進む。
一方、ステップS20で急速離間が検知されたときは、ステップS40に進み、現在の点灯状態を記憶するとともに、ステップS42で常夜灯黄色点灯を指示してステップS16に移行する。以上のようにしてステップS6からステップS42が繰り返され、常夜灯黄色点灯または照明点灯の維持またはその間の変更、または明るさや色、ならびに照明範囲変更の各操作に対応する。
図11は、図10のステップS38における照明範囲変更処理の詳細を示すフローチャートである。フローがスターとすると、ステップS52で照明点灯中か否かチェックする。そして照明点灯中でなければ直ちにフローを終了する。このように、照明点灯中でないときは左方近接センサおよび右方近接センサの出力は無効となり、何も行われない。これは照明範囲の変更については照明点灯によって実際に照明されているキッチン設備等を見ながらでないと照明範囲変更の意味がないからである。
ステップS52において照明点灯中であることが検知されるとステップS54に進み、図10のステップS18と同様の出力記憶比較処理を行ってステップS56に移行する。ステップS56では左方近接センサおよび右方近接センサの両方にセンサ出力があったかどうかチェックする。そして両センサ出力があればステップS58に移行し、接近検知かどうかチェックする。そして接近検知であればステップS60に進み、急速接近かどうかチェックする。急速接近でなければステップS62の所定照明範囲縮小処理を実行してステップS64に移行する。一方、ステップS60で急速接近が検知されたときは直接ステップS64に移行する。また、ステップS58で接近検知がなされないときも直接ステップS64に移行する。このようにして、ステップS62の照明範囲縮小操作は、左方近接センサおよび右方近接センサにゆっくりと両手を近づけたときに限り実行される。
ステップS64では左方近接センサおよび右方近接センサの両方のセンサ出力により離間検知がなされたかどうかチェックする。そして離間検知であればステップS66の所定照明範囲拡大処理を実行してステップS68に移行する。一方、ステップS64で離間検知がなされないときは直接ステップS68に移行する。このようにして、ステップS66の照明範囲拡大操作は、左方近接センサおよび右方近接センサから両手を離間させる早さに関係なく実行される。なお、ステップS56で左方近接センサおよび右方近接センサの両方にセンサ出力があったことが検知されない場合も直接ステップS68に移行する。
ステップS68では左方近接センサのセンサ出力により接近検知がなされたかどうかチェックする。そして接近検知があればステップS70の所定照明範囲右方変更処理を実行してステップS72に移行する。一方、ステップS68で左方近接センサのセンサ出力による接近検知がないときは直接ステップS72に移行する。
ステップS72では右方近接センサのセンサ出力により接近検知がなされたかどうかチェックする。そして接近検知があればステップS74の所定照明範囲左方変更処理を実行してステップS76に移行する。一方、ステップS72で右方近接センサのセンサ出力による接近検知がないときは直接ステップS76に移行する。以上のように左方近接センサおよび右方近接センサのいずれか一方のみのセンサ出力しかないときは常に接近検知が行われ、離間検知があっても何も実行されない。これは左方近接センサおよび右方近接センサでそれぞれ左右移動の一方ずつを担当するので双方向の検知をする必要がないからである。また、このような検知方式とすることにより、離間による誤動作が生じる心配もなくなる。なおこのような検知方式は、例えば首振りタイプの照明装置を両手で右に押したり左に押したりする動きを非接触で真似たものであって、照明装置に直接触らないで触った場合と同様の操作間隔による操作を可能とするものである。
ステップS76では、左方近接センサおよび右方近接センサのいずれかにおいて所定時間内に出力変化が生じたかどうかチェックする。これは、図10のステップS32と同様の意味を持つステップである。つまり、左方近接センサおよび右方近接センサの両方の出力変化を起こした両手がその後も動いていれば所定時間内の出力変化が生じるが、その後両手が静止させられれば、出力変化が生じない。そして手の静止が継続して所定時間内の出力変化がないことが検知されるとステップS78に進み、その後所定時間の間、近接センサを不感化する。これによって、照明範囲変更を行った手が所望の照明範囲変更を実現した後近接センサから離間する際にこれを近接センサが感知して意図しない照明範囲拡大を生じさせるような誤動作が生じないようにする。ステップS78の所定時間が経過するとフローは終了する。一方、ステップS76で所定時間内に出力変化があったときは照明範囲変更の操作が続いているものとみなし、直ちにフローを終了する。
上記のように、若干の読み替え修正により、図10、11のフローチャートを実施例1、2にも適用することができる。まず、実施例1、2のように色変化の機能を採用しないときは、図10におけるステップS4およびステップS42の「常夜黄色点灯」を「常夜灯点灯」と読み替える。また、ステップS28およびステップS30は省略する。一方、読み替えではないが、図10のステップS38における「照明範囲変更処理」、および、図11のステップS62、S66、S70およびS74における照明範囲の縮小拡大または左右変更は、実施例3や実施例4におけるメカ的な駆動部によるものに限らず、実施例1や実施例2におけるような点灯対象LED群の変更やその明るさ変更によるものにも適用できるものである。
上記各実施例に例示した本発明の種々の特徴の実施は実施例に限られるものではない。例えば、左方近接センサと右方近接センサなど互いに逆方向の手の動きの検知を担当する一対のセンサ部を設け、これら一対のセンサ部がそれぞれ担当する右手と左手の動きに基づいて光源部の制御を行なう場合、図11のフローチャートのステップS68およびステップ72では、それぞれ手の接近のみの検知を行うようにし、離間については不感として手の動きとその結果として得られる照明範囲変更の間で操作感覚上の混乱が起こらないようにしている。しかしながら、一対のセンサ部に互いに逆方向の手の動きの検知を担当させる場合の実施はこれに限られるものではない。一例として、ステップS68およびステップ72においてそれぞれ左方近接センサと右方近接センサに何らかの手の動きを検知するようにし、手の動きの詳細態様にかかわらず、左手の動きならばステップS70を実行し、右手の動きならばステップS74を実行するよう構成してもよい。この構成によれば、例えば左手の往復運動によって照明範囲の右方変更が生じ、右手の往復運動によって照明範囲の左方変更が生じることになる。この場合でも、操作とその結果を学習することにより、操作者としては左手または右手の接近運動を繰り返している感覚をもって照明範囲の右方変更または左方変更を行うことが可能となる。
図12は、図11のステップS62における所定照明範囲縮小処理および同図ステップS66における所定照明範囲拡大処理の詳細を示すフローチャートである。図12のフローチャートは、図1の実施例1や図6の実施例2のように点灯させるLED群の数の増減によって照明範囲を変化させるタイプの実施例に用いられるものであって、ステップS62およびステップS66いずれにも採用可能に構成されている。フローがスターとするとステップS82に進み、検知されたのが急速接近であるかどうかチェックする。急速接近であればステップS84に進み、現在最小照明範囲に対応するLED群のみが点灯している状態であるか否かチェックする。該当しなければステップS84に進み、点灯継続対象に隣接する輪帯に対応するLED群に消灯を指示して照明範囲を縮小する。
次いでステップS88で照明範囲が狭められた時点灯を継続しているLED群の明るさを自動的に増加させるモードかどうかのチェックを行う。そしてこのような狭範囲自動象モードであることがステップS88で確認されるとステップS90に進み、照明範囲縮小後において許容されるデューティーサイクルのデータを制御部内の記憶部から読み出す。そしてステップS92において点灯継続対象のLED群のデューティーサイクルを、ステップS90で読み出した許容範囲内で増加させる指示を行ってステップS94に移行する。一方、ステップS82で急速接近検知であることが確認できなかったとき、またはステップS84で最小照明範囲対応LED群のみが点灯していてこれ以上照明範囲を縮小できないとき、またはステップS88で狭範囲自動増光モードであることが確認されなかったときは、それぞれ直接ステップS94に移行する。
ステップS94では、検知されたのが離間であるかどうかチェックする。離間検知であればステップS96に進み、現在全LED群のみが点灯している状態であるか否かチェックする。該当しなければステップS98に進み、照明範囲拡大後において許容されるデューティーサイクルのデータを制御部内の記憶部から読み出す。そしてステップS100において点灯中のLED群のデューティーサイクルがステップS98で読み出した許容範囲外となるかどうかチェックする。そして該当すればステップS102に進み、点灯中のLED群のデューティーサイクルを許容範囲内に低下させる指示を行ってステップS104に移行する。また、点灯LEDを増加させても既に点灯中のLED群のデューティーサイクルが許容範囲外とならないことがステップS100で確認できたときは直接ステップS104に移行する。
ステップS104では、点灯継続対象に隣接する輪帯に対応するLED群を許容デューティーサイクル内で点灯させる指示して照明範囲を拡大し、フローを終了する。一方、ステップS94で離間検知であることが確認できなかったとき、またはステップS96で全LED群が点灯していてこれ以上照明範囲を拡大できないときは、それぞれ直ちにフローを終了する。
図13は、図10のステップS26における所定光量変更処理の詳細を示すフローチャートである。図13のフローチャートは、図8の実施例3や図9の実施例4のように白色LEDと黄色LEDを混在させて照明色の色を調節できるタイプの実施例に用いられるものであり、光量が小さくなると自動的に色温度を下げて黄色味の勝った照明職とするためのものである。フローがスタートするとステップS112で、検知されているのが左方移動であるかどうかがチェックされる。左方移動検知であればステップS114に進み、現在の点灯状態における許容デューティーサイクルのデータを制御部内の記憶部から読み出す。そして次のステップS116で許容内のデューティーサイクルで点灯が行われているかどうかチェックし、許容デューティーサイクル内であればさらにデューティーサイクルを増加して光量を明るくする余地があるのでステップS118に進む。
ステップS118では、光量が低レベルで黄色LED群のみが点灯され白色LED群のデューティーサイクルがゼロの領域にあるかどうかチェックする。このような領域でなければステップS120に進み、白色LED群のデューティーサイクルが所定範囲の下限以下であるか否かチェックする。このような範囲にも該当しなければ、ステップS122に進み、白色LED群のデューティーサイクルが所定範囲内にあるかどうかチェックする。そしてこの範囲に該当するときはステップS124で白色LED群および黄色LED群のデューティーサイクルをそれぞれ大きくして照明光量を所定分増加させる指示を行いステップS126に移行する。その際、白色LED群のデューティーサイクル増加率を黄色LED群のそれよりも大きくし、全体としての明るさが増すとともに色味もより白色側にシフトして色温度が高くなるようにする。
これに対し、ステップS112で検知されているのが左方移動であることが確認できないときは直接ステップS126に移行する。また、ステップS116において、現時点のデューティーサイクルがすでに許容限度に達していてこれ以上デューティーサイクルを増加して光量を明るくする余地がないことが確認されると、直接ステップS116に移行する。さらに、ステップS118において、白色LED群のデューティーサイクルがゼロの領域にあることが確認されるとステップS126に移行して黄色LED群のデューティーサイクルを所定量増加させてステップS126に移行する。つまりこの領域では、白色LED群はまだ点灯させられず、黄色LED群の明るさが増加させられる。
また、ステップS120において白色LED群が点灯する領域にあるもののそのデューティーサイクルが所定範囲の下限以下であることが確認されると、ステップS128に進み、黄色LED群のデューティーサイクルを白色LED群点灯領域到達時点の小デューティーサイクルに固定して白色LED群のみのデューティーサイクルを所定量増加させる。これによって全体としての明るさが増すとともに、色味もより白色側にシフトして色温度が高くなる。さらに、ステップS122において、白色LED群のデューティーサイクルが所定範囲内にあることが確認されない場合は所定範囲の上限以上であることを意味するからステップS130に移行し、白色LED群および黄色LED群の両者のデューティーサイクルを同じ増加率で所定量増加させてステップS126に移行する。ステップS130の実行が行われる領域では色温度は既に上限であり、同じ色温度で明るさのみが増加させられる。なお、このステップS130は明るさを許容デューティーサイクル限度まで明るくすることを優先した構成である。しかしながら、明るさの増加に合せてさらに色温度を上げることを優先する場合には、ステップS130において、黄色LED群のデューティーサイクルを白色LED群点灯所定範囲上限到達時点の比較的大きいデューティーサイクルに固定し、白色LED群のみのデューティーサイクルのみを所定量増加させるよう構成してもよい。
ステップS126では、図10のステップS24で検知されているのが右方移動であるかどうかがチェックされる。右方移動検知であればステップS132に進み、現在の点灯状態が最小の明るさである常夜灯点灯デューティーサイクルにて行われているかどうかチェックし、該当しなければさらにデューティーサイクルを小さくして光量を減らす余地があるのでステップS134に進む。
ステップS134では、光量が低レベルで黄色LED群のみが点灯され白色LED群のデューティーサイクルがゼロの領域にあるかどうかチェックする。このような領域でなければステップS136に進み、白色LED群のデューティーサイクルが所定範囲の下限以下であるか否かチェックする。このような範囲にも該当しなければ、ステップS138に進み、白色LED群のデューティーサイクルが所定範囲内にあるかどうかチェックする。そしてこの範囲に該当するときはステップS140で白色LEDおよび黄色LED群のデューティーサイクルをそれぞれ小さくして照明光量を所定分減少させる指示を行い、フローを終了する。その際、白色LED群のデューティーサイクル減少率を黄色LED群のそれよりも大きくし、全体としての明るさが減少するとともに色味もより黄色側にシフトして色温度が低くなるようにする。
これに対し、ステップS126で検知されているのが右方移動であることが確認できないときは直ちにフローを終了する。また、ステップS132において、現時点のデューティーサイクルがすでに常夜灯点灯状態であってこれ以上デューティーサイクルを減少して光量を暗くする余地がないことが確認されると、直ちにフローを終了する。さらに、ステップS134において、白色LED群のデューティーサイクルがゼロの領域にあることが確認されるとステップS142に移行して黄色LED群のデューティーサイクルを所定量減少させてフローを終了する。つまりこの領域では、すでに白色LED群は点灯しておらず、黄色LED群の明るさが減少させられる。
また、ステップS136において白色LED群が点灯する領域にあるもののそのデューティーサイクルが所定範囲の下限以下であることが確認されると、ステップS144に進み、黄色LED群のデューティーサイクルを白色LED点灯領域下限の小デューティーサイクルに固定して白色LED群のみのデューティーサイクルを所定量減少させる。これによって全体としての明るさが低下するとともに、色味もより黄色側にシフトして色温度が低くなる。さらに、ステップS138において、白色LED群のデューティーサイクルが所定範囲内にあることが確認されない場合は所定範囲の上限以上であることを意味するからステップS146に移行し、白色LED群および黄色LED群の両者のデューティーサイクルを同じ増加率で減少させる。この領域の色温度は既に上限であり、同じ色温度で明るさのみが減少させられる。なお、このステップS130の構成はステップS130と同様にして明るさを許容デューティーサイクル限度まで明るくしうることを優先した構成である。しかしながら、ステップS130において述べたのと同様にして、明るさの減少に合せてさらに色温度を低くすることを優先する場合には、ステップS146において、黄色LED群のデューティーサイクルを白色LED点灯所定範囲上限到達時点の比較的大きいデューティーサイクルに固定して白色LED群のみのデューティーサイクルのみを所定量減少させるよう構成してもよい。なお、以上のような制御に用いる明るさと色温度との関係は、制御部40の記憶部にテーブルとして記憶されている。
図14は、図10のステップS30における所定色変更処理の詳細を示すフローチャートである。図14のフローチャートも、図8の実施例3や図9の実施例4のように白色LEDと黄色LEDを混在させて照明色の色を調節できるタイプの実施例に用いられるものである。フローがスターとすると、ステップS152現在の点灯状態における許容デューティーサイクルのデータを制御部内の記憶部から読み出す。次いでステップS154に進み、図10のステップS28で検知されたのが上方移動であるかどうかがチェックされる。上方移動検知であればステップS156に進み、所定色のプリセットモードが設定されているかどうかチェックする。このモード設定は、図10のステップS2で予め行っておくことができる。
プリセットモードでなければステップS158に進み、白色LED群が許容内のデューティーサイクル上限で点灯されているかどうかチェックし、許容デューティーサイクル上限でなければさらに白色LED群のデューティーサイクルを増加して色温度を高くする余地があるのでステップS160に進む。ステップS160では、黄色LED群が許容内のデューティーサイクル下限で点灯されているかどうかチェックし、許容デューティーサイクル下限でなければさらに黄色LED群のデューティーサイクルを減少させることによっても色温度を高くする余地があるのでステップS162に進む。そしてステップS162では、白色LED群のデューティーサイクルを所定量増加させるとともに黄色LED群のデューティーサイクルを所定量増減少させることにより色温度を高くして須164に移行する。
これに対し、ステップS154で上方移動が確認できないときは直接ステップS164に移行する。また、ステップS156でプリセットモード設定が検知された時は、白色LED群および黄色LED群のデューティーサイクルを予めセットした値に変更することにより色温度を白側のプリセット色に一段シフトさせる。なお、プリセット色を二色のみ設定している場合は、白側のプリセット色にセットする。
また、ステップS158において、白色LED群が許容内のデューティーサイクル上限で点灯されていることが検知されたときはステップS168に進み、さらに黄色LED群が許容内のデューティーサイクル下限で点灯されているかどうかチェックする。そして、該当しなければ、ステップS170に進み、白色LED群のデューティーサイクルを上限に維持しながら、黄色LED群のデューティーサイクルを所定量減少することにより色温度を高くしてステップS164に移行する。これに対し、ステップS168で黄色LED群が許容内のデューティーサイクル下限で点灯されていることが検知された場合は、すでに色温度は調節可能な最高値となっていてこれ以上高める余地がないので直接ステップS164に移行する。
また、ステップS160において、黄色LED群が許容内のデューティーサイクル下限で点灯されていることが検知された場合は、ステップS172に進み、黄色LED群のデューティーサイクルを下限に維持しながら、白色LED群のデューティーサイクルを所定量増加することにより色温度を高くしてステップS164に移行する。
ステップS164では、図10のステップS28で検知されたのが下方移動であるかどうかがチェックされる。下方移動検知であればステップS174に進み、所定色のプリセットモードが設定されているかどうかチェックする。プリセットモードでなければステップS176に進み、黄色LED群が許容内のデューティーサイクル上限で点灯されているかどうかチェックし、許容デューティーサイクル上限でなければさらに黄色LED群のデューティーサイクルを増加して色温度を高くする余地があるのでステップS178に進む。ステップS178では、白色LED群が許容内のデューティーサイクル下限で点灯されているかどうかチェックし、許容デューティーサイクル下限でなければさらに白色LED群のデューティーサイクルを減少させることによっても色温度を低くする余地があるのでステップS180に進む。そしてステップS180では、黄色LED群のデューティーサイクルを所定量増加させるとともに白色LED群のデューティーサイクルを所定量増減少させることにより色温度を低くしてフローを終了する。
これに対し、ステップS164において下方移動が確認できないときは直接ステップS164に移行する。また、ステップS174でプリセットモード設定が検知された時は、白色LED群および黄色LED群のデューティーサイクルを予めセットした値に変更することにより色温度を黄色側のプリセット色に一段シフトさせる。なお、プリセット色を二色のみ設定している場合は、黄色側のプリセット色にセットする。
また、ステップS176において、黄色LED群が許容内のデューティーサイクル上限で点灯されていることが検知されたときはステップS184に進み、さらに白色LED群が許容内のデューティーサイクル下限で点灯されているかどうかチェックする。そして、該当しなければ、ステップS186に進み、黄色LED群のデューティーサイクルを上限に維持しながら、白色LED群のデューティーサイクルを所定量減少することにより色温度を低くしてフローを終了する。これに対し、ステップS184で白色LED群が許容内のデューティーサイクル下限で点灯されていることが検知された場合は、すでに色温度は調節可能な最低値となっていてこれ以上低くする余地がないので直ちにフローを終了する。
また、ステップS178において、白色LED群が許容内のデューティーサイクル下限で点灯されていることが検知された場合は、ステップS188に進み、白色LED群のデューティーサイクルを下限に維持しながら、黄色LED群のデューティーサイクルを所定量増加することにより色温度を低くしてフローを終了する。
上記本発明の種々の利点の活用は上記の実施例に限られるものではなく、他の種々の実施において享受することができる。例えば、図6および図7の実施例においては、発光ダイオード群を平面ではなく三次元的に配置するため、球の一部をなす内側に湾曲した面を利用している。しかしながら既に述べたように、LED群の発光中心軸が平行でないように配置するには単純な球面上に配置するものに限らず、照明対象面における照度を考慮してきめ細かに設計することも可能である。また、配置のベースとしては内側に湾曲した面だけでなく、外側に湾曲した面を利用することもかのうである。さらには連続して面上ではなく階段状にずれた三次元配置とすることも可能である。