以下、本発明の実施形態を添付図面を参照して詳細に説明する。
≪第1実施形態≫
<構成説明>
図1は、本発明の第1実施形態に係るLED照明装置の構成概略図である。なお、以下の説明において、「LED照明装置」を「照明装置」と称する場合がある。また、本発明およびそれにかかる実施形態は、LEDを備えた照明装置について説明しているが、OLED(Organic LED)を備える照明装置にも適用可能である。
本実施形態に係る照明装置1は、照明光と保安光との点灯を切替制御する照明装置であって、保安光用の発光部として照明用の複数のLED3の全てを用いることで、照明用の点灯回路5を保安光用の点灯回路として兼用可能にしたものである。ここで、「照明光」とは、照明装置1を設置している空間を意図的に明るく照らすことができる程度の光量を有する光である。「保安光」とは、照明光を消灯している夜間に常夜灯として必要な光量を確保するための光である。また、照明装置1が照明光を点灯させている状態を「照明光モード」と称し、照明装置が保安光を点灯させている状態を「保安光モード」と称する。以下、図1に基づいて、照明装置1について詳説する。
照明装置1は、直流電源である電源Bと、複数のLED3(第1発光部、発光部)3と、電源Bを用いて複数のLED3に電流を出力(供給)して複数のLED3を点灯駆動する点灯回路(第1点灯回路)5と、点灯回路5の出力電流Iout1を複数のLED3に供給するための給電路7と、照明装置1に対する操作を入力するための操作入力装置9と、操作入力装置9への入力操作に応じて点灯回路5を制御する制御装置11とを備えている。
ここでは、点灯回路5の出力電流Iout1は、照明光の点灯時は、第1電流範囲(例えば400〜20〔mA〕)(所定電流範囲)内で制御され、保安光の点灯時は、前記第1電流範囲の下限電流値以下または未満の第2電流範囲(例えば2〜0.2〔mA〕)内で制御される。また、照明光の光束範囲は例えば4000〜200〔lm〕内で制御され、保安光の光束範囲は例えば20〜2〔lm〕内で制御される。
各LED3はそれぞれ、例えば互いに同じ光色(例えば2700K(ケルビン)の暖色系の相関色温度)の光を出射可能な発光ダイオード(以後、LEDと呼ぶ)として構成されている。なお、LED3が出射する光は、暖色系に限らず、寒色系(例えば6500K)であってもよい。LED3は、給電路7において互いに順方向に直列接続されている。ここでは、各LED3は、互いに直列接続されて給電路7に接続されるが、互いに順方向に向けて並列接続されて給電路7に接続されてもよく、または、直列接続および並列接続を組み合わせて給電路7に接続されてもよい。
点灯回路5は、出力電流Iout1の電流値が制御可能なスイッチング電源回路(電源回路)51と、スイッチング電源回路51の出力電流Iout1に所要の電流値制御する定電流回路52とを備えている。
スイッチング電源回路51は、スイッチング素子Q11と、スイッチング素子Q11のデューティー比に応じて電圧VBを変圧して出力する変圧器(例えば高周波変圧器)T1と、変圧器T1の出力電流を整流平滑するダイオードD1およびコンデンサC1と、定電流回路52からの制御信号(ここでは光信号)を受光する受光素子PC11と、受光素子PC11が受光した制御信号に応じてスイッチング素子Q11をオンオフ制御する制御部IC11とを備えている。
ダイオードD1およびコンデンサC1により整流平滑された変圧器T1の出力電圧および出力電流がそれぞれ、スイッチング電源回路51(従って点灯回路5)の出力電圧Vout1および出力電流Iout1となる。
変圧器T1は、環状の鉄心(図示省略)と、前記鉄芯に巻回された1次側巻線n1および2次側巻線n2とを備えている。1次側巻線n1の一端は、第1電源線P1を介して電源Bの陽極に接続され、1次側巻線n1の他端は、スイッチング素子Q11と第1基準線N1とを介して電源Bの負極に接続されている。2次側巻線n1の一端は、ダイオードD1を介して第2電源線P2に接続され、2次側巻線n2の他端は、第2基準線N2に接続されている。
なお、第2電源線P2と第2基準線N2とは配線H1と抵抗R12とを介して相互接続されており、配線H1上に複数のLED3が接続されている。なお、第2電源線P2、第2基準線N2および配線Hにより給電路7が構成される。
ダイオードD1は、第2電源線P2に順方向接続されている。コンデンサC1は、ダイオードD1のカソード側において、第2電源線P2と第2基準線N2とに接続されている。
スイッチング素子Q11は、例えばNチャネルMOSFETとして構成される。スイッチング素子Q11は、電源Bと1次側巻線n1とを繋ぐ配線(例えば第1基準線N1)上において、スイッチング素子Q11のドレインが1次側巻線n1に接続されると共にスイッチング素子Q11のソースが電源Bの負極に接続されるように、介装接続されている。スイッチング素子Q11のゲートは、制御部IC11に接続されている。
受光素子PC11は、例えばフォトトランジスタとして構成されている。受光素子PC11のコレクタは、制御部IC11に接続され、受光素子PC11のエミッタは、第1基準線N1に接続されている。受光素子PC11は、光を受光することにより導通状態となり、制御部IC11を通電させる。受光素子PC11は、受光素子PC11の単位時間当たりの受光量が多いほど、制御部IC11を通電させる電流量は大きくなる。なお、受光素子PC11は、定電流回路52の発光素子PC12と共にフォトカプラを構成している。
制御部IC11は、スイッチング素子Q11の制御端子に送るパルスのパルス幅を変調することで、電源Bから1次側巻線n1に入力される電圧VBをPWM制御する。これにより、2次側巻線n2の両端にデューティー比に応じた電圧値の電圧Vout1が発生する。電圧Vout1に応じた電流(即ち、点灯回路5の出力電流)Iout1が、第2電源線P2、配線H1、第2電源線N2および2次側巻線n2の順に流れる。これにより、点灯回路5の出力電流Iout1が、給電路7を通じて各LED3に供給される。
その際、制御部IC11は、受光素子PC11から出力される信号に応じて、スイッチング素子Q11のデューティー比を変化させることで、点灯回路5の出力電流Iout1の電流値を変化させる。ここでは、受光素子PC11から出力される信号レベルが大きくなるほど、制御部IC11は、スイッチング素子Q11のデューティー比を小さくして、点灯回路5の出力電流Iout1を低減させる。また、受光素子PC11から出力される信号レベルが小さくなるほど、制御部IC11は、スイッチング素子Q11のデューティー比を大きくして、点灯回路5の出力電流Iout1を増加させる。
定電流回路52は、給電路7に接続された抵抗R12と、抵抗R12の両端電圧と所定の参照電圧Vref1とを入力しそれらの大小比較を行う比較回路OA12と、比較回路OA12の比較結果に基づいて制御信号(ここでは光信号)を制御部IC11に送るフィードバック回路52aと、比較回路OA12に入力される所定の参照電圧Vref1をPWM制御するためのスイッチング素子Q13とを備えている。
抵抗R12は、例えば配線H1における複数のLED3のカソード側に接続されている。
比較回路OA12は、非反転入力端子t1と、反転入力端子t2と、出力端子t3とを有している。非反転入力端子t1は、抵抗R12の上流側端部に接続されており、抵抗R12の上流側端部の電位(即ち、抵抗R12の両端電圧)が入力される。
反転入力端子t2は、制御装置11に接続されると共にスイッチング素子Q13を介して第2基準線N2に接続される。スイッチング素子Q13のオフ時は、反転入力端子t2には、制御装置11から出力される所定の参照電圧Vref1が入力される。他方、スイッチング素子Q13のオン時は、スイッチング素子Q13を介して反転入力端子t2と第2基準線N2とが短絡するので、反転入力端子t2の電圧はオンとなる。よって、スイッチング素子Q13がPWM制御されることで、反転入力端子t2に入力される所定の参照電圧Vref1がPWM制御される。
出力端子t3からは、比較回路OA12の大小比較の結果を示す信号が出力され、フィードバック回路52aに入力される。
スイッチング素子Q13は、例えばNPNトランジスタとして構成される。スイッチング素子Q13のエミッタ、第2基準線N2(低電位源)に接続され、スイッチング素子Q13のコレクタは、比較回路OA12の反転入力端子t2に接続され、スイッチング素子Q13のベースは、制御装置11に接続されている。
フィードバック回路52aは、第2電源線P2と第2基準線N2との間において、抵抗R11、発光素子(例えばフォトダイオード)PC12およびスイッチング素子Q12が直列接続されて構成される。発光素子PC12のアノードは、抵抗R11に接続され、発光素子PC12のカソードは、スイッチング素子Q12のコレクタに接続されている。スイッチング素子Q12は、例えばNPNトランジスタとして構成される。スイッチング素子Q12のエミッタは、第2基準線N2に接続され、スイッチング素子Q12のコレクタは、発光素子PC12に接続され、スイッチング素子Q12のベースは、比較回路OA12の出力端子t3に接続されている。
フィードバック回路52aでは、スイッチング素子Q12が導通することにより、第2電源線P2からの電流が順に抵抗R11、発光素子PC12およびスイッチング素子Q12を通じて第2基準線N2に流れる。これにより、発光素子PC12から当該電流の通電量に応じた輝度の光信号(制御信号)が受光素子PC11に発信される。
また、点灯回路5では、スイッチング電源回路51の出力電流Iout1が給電路7を通じて各LED3および抵抗R12を順に流れて、抵抗R12の両端に電圧が発生し、抵抗R12の両端に発生した電圧が比較回路OA12の非反転入力端子t1に入力される。スイッチング素子Q13のオフ時は、比較回路OA12の反転入力端子t2には所定の参照電圧Vref1がそのまま入力され、比較回路OA12により各端子t1,t2に入力された電圧の大小比較が行われる。
比較回路OA12は、電圧の大小比較の結果、抵抗R12の両端電圧が所定の参照電圧Vref1以上の場合は、比較回路OA12の出力端子t3からの出力信号がH(ハイ)レベルとなる。これにより、順に、(a1)スイッチング素子Q12の制御端子への入力電流が増加してスイッチング素子Q12を導通する電流が増加し、(a2)発光素子PC12に流れる電流が増加して発光素子PC12の発光量が増加し、(a3)受光素子PC11の受光量が増加して制御部IC11の通電量が増加する。
制御部IC11は、通電量の増加に応じて、スイッチング素子Q11のPWM制御のオン時間を短縮する。これにより、順に、(a4)スイッチング電源回路51の出力電圧(即ち、点灯回路5の出力電圧)Vout1が低下してスイッチング電源回路51の出力電流(即ち、点灯回路5の出力電流)Iout1が減少し、(a5)抵抗R12に流れる電流が減少して抵抗R12の両端電圧が低下する。
他方、比較回路OA12は、電圧の大小比較の結果、抵抗R12の両端電圧が所定の参照電圧Vref1未満の場合は、比較回路OA12の出力端子t3からの出力信号がL(ロー)レベルとなる。これにより、順に、(b1)スイッチング素子Q12の制御端子への入力電流が減少してスイッチング素子Q12を導通する電流が減少し、(b2)発光素子PC12に流れる電流が減少して発光素子PC12の発光量が減少し、(b3)受光素子PC11の受光量が減少して制御部IC11の通電量が減少する。
制御部IC11は、通電量の減少に応じて、スイッチング素子Q11のPWM制御のオン時間を長くする。これにより、順に、(b4)スイッチング電源回路51の出力電圧Voutが上昇してスイッチング電源回路51の出力電流Iout1が増加し、(b5)抵抗R12に流れる電流が増加して抵抗R12の両端電圧が上昇する。
つまり、スイッチング電源回路51の出力電流Iout1が減少して抵抗R12の両端電圧が所定の参照電圧Vref1未満になると、定電流回路52により、抵抗R12の両端電圧が所定の参照電圧Vref1に一致するように、スイッチング電源回路51が制御されてスイッチング電源回路51の出力電流Iout1が増加される。
このように、スイッチング素子Q13のオフ時は、スイッチング電源回路51の出力電流Iout1は、比較回路OA12の反転入力端子t2に入力される所定の参照電圧Vref1に応じた電流(=(所定の参照電圧Vref1)/(抵抗R12の抵抗値))に一致するように制御される。
なお、スイッチング素子Q13のオン時は、比較回路OA12の反転入力端子t2の電圧が0〔V〕となり、出力電流Ioutは0〔A〕となる。
制御装置11は、操作入力装置9の入力操作に応じて、各LED3から照明光および保安光を選択的に発光させるように、点灯回路5を制御する。
より詳細には、制御装置11は、操作入力装置9からの操作信号を受信する受信部11aと、受信部11aにより受信された操作信号に基づいて点灯回路5を制御する制御部11bとを備えている。
操作入力装置9には、照明光の点灯(即ち、照明光モード)または保安光の点灯(即ち、保安灯モード)を選択する選択操作、および、選択した点灯の輝度(光束)を調整する調光操作が入力可能である。操作入力装置9は、選択操作または調光操作が入力されると、それらの操作内容を含む操作信号を例えば無線信号(赤外線等)として受信部11aに送信する。
制御部11bは、受信部11aにより受信された操作信号に基づいて、点灯回路5のスイッチング素子Q13をオンオフ制御すると共に比較回路OA12の反転入力端子t2に入力する所定の参照電圧Vref1を制御する。
より詳細には、制御部11bは、受信部11aにより受信された操作信号に、照明光の点灯を選択する選択操作が含まれる場合は、各LED3から第1輝度(例えば照明光の初期設定輝度)の光が発光されるように点灯回路5を制御する。より詳細には、制御部11bは、点灯回路5のスイッチング素子Q13をオフ制御すると共に、点灯回路5の出力電流Iout1が照明用の前記第1電流範囲内の第1電流値の電流(前記第1輝度に対応した電流)になるように、比較回路OA12の反転入力端子t2に入力する所定の参照電圧Vref1を前記第1電流値の電流に対応する第1電圧(=(前記第1電流値)×(抵抗R12の抵抗値))に制御(DC(直流)制御)する。これにより、点灯回路5の出力電流Iout1が前記第1電流値の電流が制御(DC制御)されて、各LED3から前記第1輝度の光(照明光)が発光される。
照明光の点灯状態で、制御部11bは、受信部11aにより受信された操作信号に、照明光の輝度を調整する調光操作が含まれる場合は、各LED3の輝度が当該調光操作で指定された所望の輝度になるように点灯回路5を制御する。より詳細には、制御部11bは、点灯回路5の出力電流Iout1が前記第1電流範囲内で当該所望の輝度に対応した電流に制御されるように、比較回路OA12の反転入力端子t2に入力する所定の参照電圧Vref1を制御(DC制御)する。これにより、点灯回路5の出力電流(即ち、各LED3に供給される電流)Iout1が当該所望の輝度に対応した電流に制御(DC制御)されて、各LED3の輝度(即ち、照明光の輝度)が当該所望の輝度に制御される。
このように、照明光モードでは、複数のLED3に第1電流範囲内の電流が流されて、全てのLED3が点灯される。
また、制御部11bは、受信部11aにより受信された操作信号に、保安光の点灯を選択する選択操作が含まれる場合は、各LED3から第2輝度(例えば保安光の初期設定輝度)の光が発光されるように点灯回路5を制御する。より詳細には、制御部11bは、比較回路OA12の反転入力端子t2に入力する所定の参照電圧Vref1を前記第2電流範囲内の第2電流値(例えば前記第2電流範囲の上限電流値)に対応する第2電圧(=(抵抗R12の抵抗値)×(前記第2電流値))に制御すると共に、スイッチング素子Q13を第1デューティー比(例えば初期設定デューティー比)でPWM制御する。なお、第2電流範囲の上限電流値は、第1電流範囲の下限電流値以下である。
これにより、点灯回路5の出力電流Iout1は、前記第2電流値の電流に制御されると共に前記第1デューティー比でPWM制御されることで、前記第2電流範囲内の電流であって、前記第2電流値と値0の電流値とを前記第1デューティー比で平均化した平均電流値の電流に制御されて、給電路7を通じて各LED3に供給される。これにより、各LED3は、前記平均電流値に対応した平均輝度(即ち、前記第2輝度)の光(即ち、保安光)で発光される。
保安光の点灯状態で、制御部11bは、受信部11aにより受信された操作信号に、保安光の輝度を調整する調光操作が含まれる場合は、各LED3の輝度が当該調光操作で指定された所望の輝度になるように点灯回路5を制御する。より詳細には、制御部11bは、点灯回路5の出力電流Iout1が前記第2電流範囲内で当該所望の輝度に対応した電流に制御されるように、スイッチング素子Q13のデューティー比を制御する。これにより、点灯回路5の出力電流(即ち、各LED3に供給される前記平均電流)Iout1が当該所望の輝度に対応した電流に制御されて、各LED3の輝度(即ち、保安光の輝度)が当該所望の輝度に制御される。
このように、保安光モードでは、複数のLED3に前記第1電流範囲の下限電流値以下における第2電流範囲内の電流が流されて、全てのLED3が点灯される。
なお、制御部11bBには、例えば、照明光および保安光の各々の輝度と、これら各輝度に必要なLED3の輝度との対応関係が記載されたテーブルが記憶されている。制御部11bBは、前記テーブルを参照して、調光操作で指定された照明光または保安光の所望の輝度に対応する各LED3の輝度を選択して、照明光または保安光の輝度が当該所望の輝度となるように、各LED3の輝度を制御している。
<動作説明>
次に、図2に基づいて照明装置1の動作を説明する。図2は、照明装置1の動作を説明するフローチャートである。
ステップS1で、受信部11aは、操作入力装置9から送信される操作信号を受信可能な状態で待機する。操作入力装置9に照明光の点灯(即ち、照明光モード)を選択する選択操作が入力された場合(YES)は、照明装置1は処理がステップS2に進む。他方、操作入力装置9に照明光の点灯を選択する選択操作が入力されない場合(NO)は、照明装置1は処理がステップS5に進む。
ステップS2では、操作入力装置9に入力された操作(即ち、照明光の点灯を選択する選択操作)の内容を含む操作信号が、操作入力装置9から制御装置11の受信部11aに送信される。受信部11aは、操作信号を受信する。次に、制御部11bは、受信部11aに受信された操作信号に含まれる選択操作に応じて、各LED3から第1輝度(例えば照明光の初期設定輝度)の光が発光されるように点灯回路5を制御する。より詳細には、制御部11bは、スイッチング素子Q13をオフ制御すると共に、点灯回路5の出力電流Iout1が照明用の前記第1電流範囲内の第1電流値の電流(即ち、前記第1輝度に対応した電流)になるように、比較回路OA12の反転入力端子t2に入力される所定の参照電圧Vref1を前記第1電流値の電流に対応する第1電圧(=(前記第1電流値)×(抵抗R12の抵抗値))に制御する。これにより、点灯回路5の出力電流Iout1が、前記第1電流値の電流に制御されて給電路7を通じて各LED3に供給されて、各LED3が前記第1輝度の光(即ち、照明光)を発光して、照明光が点灯される。次に、照明装置1は処理がステップS3に進む。
ステップS3では、受信部11aは、操作入力装置9から送信される操作信号を受信可能な状態で待機する。操作入力装置9に照明光の調光操作が入力された場合(YES)は、照明装置1は処理がステップS4に進む。他方、操作入力装置9に照明光の調光操作が入力されない場合(NO)は、照明装置1は処理がステップS1に戻る。
ステップS4では、操作入力装置9に入力された操作(即ち、照明光の調光操作)の内容を含む操作信号が、操作入力装置9から制御装置11の受信部11aに送信される。受信部11aは操作信号を受信する。次に、制御部11bは、受信部11aにより受信された操作信号に含まれる調光操作に応じて、点灯回路5の出力電流Iout1が当該調光操作で指定された所望の輝度になるように点灯回路5を制御する。より詳細には、制御部11bは、比較回路OA12の反転入力端子t2に入力される所定の参照電圧Vref1が当該所望の輝度に対応した電流になるように、所定の参照電圧Vref1を制御する。これにより、点灯回路5の出力電流Iout1が当該所望の輝度に対応する電流に制御されて、各LED3の輝度(従って照明光の輝度)が当該所望の輝度に制御される。次に、照明装置1は処理がステップS1に戻る。
ステップS5では、受信部11aは、操作入力装置9から送信される操作信号を受信可能な状態で待機する。操作入力装置9に保安光の点灯(即ち、保安光モード)を選択する選択操作が入力された場合(YES)は、照明装置1は処理がステップS6に進む。他方、操作入力装置9に保安光の点灯を選択する選択操作が入力されない場合(NO)は、照明装置1は処理がステップS9に進む。
ステップS6では、操作入力装置9に入力された操作(即ち、保安光の点灯を選択する選択操作)の内容を含む操作信号が、操作入力装置9から制御装置11の受信部11aに送信される。受信部11aは操作信号を受信する。次に、制御部11bは、受信部11aにより受信された操作信号に含まれる選択操作に応じて、各LED3から第2輝度(例えば保安光の初期設定輝度)の光が発光されるように点灯回路5を制御する。より詳細には、制御部11bは、比較回路OA12の反転入力端子t2に入力される所定の参照電圧Vref1を前記第2電流範囲内の第2電流値(例えば前記第2電流範囲の上限電流値)に対応する所定の電圧(=(前記上限電流値)×(抵抗R12の抵抗値))に制御すると共に、スイッチング素子Q13を第1デューティー比(例えば初期設定デューティー比)でPWM制御する。
これにより、点灯回路5の出力電流Iout1が、前記第2電流値と値0の電流値とを前記第1デューティー比で平均化された平均電流値の電流に制御されて、給電路7を通じて各LED3に供給されて、各LED3が、前記平均電流値に対応した平均輝度(即ち前記第2輝度)の光(即ち、保安光)で発光される。次に、照明装置1は処理がステップS7に進む。
ステップS7では、受信部11aは、操作入力装置9から送信される操作信号を受信可能な状態で待機する。操作入力装置9に保安光の調光操作が入力された場合(YES)は、照明装置1は処理がステップS8に進む。他方、操作入力装置9に保安光の調光操作が入力されない場合(NO)は、照明装置1は処理がステップS1に戻る。
ステップS8では、操作入力装置9に入力された操作(即ち、保安光の調光操作)の内容を含む操作信号が、操作入力装置9から制御装置11の受信部11aに送信される。受信部11aは操作信号を受信する。次に、制御部11bは、受信部11aにより受信された操作信号に含まれる調光操作に応じて、保安光の輝度が当該調光操作で指定された所望の輝度になるように点灯回路5を制御する。より詳細には、制御部11bは、点灯回路5の出力電流Ioutが前記第2電流範囲内で当該所望の輝度に対応した電流に制御されるように、スイッチング素子Q13のデューティー比を制御する。これにより、点灯回路5の出力電流Iout1が当該所望の輝度に対応する電流に制御されて、各LED3の前記平均輝度(即ち、保安光の輝度)が当該所望の輝度に制御される。次に、照明装置1は処理がステップS1に戻る。
ステップS9では、受信部11aは、操作入力装置9から送信される操作信号を受信可能な状態で待機する。操作入力装置9に照明光及び保安光の消灯を選択する操作(消灯操作)が入力された場合(YES)は、照明装置1は処理がステップS10に進む。他方、操作入力装置9に照明光及び保安光の消灯を選択する操作が入力されない場合(NO)は、照明装置1は処理がステップS1に戻る。
ステップS10では、制御部11bは、受信部11aに受信された操作信号に含まれる消灯操作に応じて、各LED3が消灯するように点灯回路5を制御する。次に、照明装置1は処理が終了する。
このように、照明装置1では、照明用の各LED3の全てが保安光用の発光部として兼用されると共に、照明用の点灯回路5が保安光用の点灯回路として兼用されて、保安光の点灯および調光が行われる。
<主要な効果>
以上のように構成された照明装置1によれば、照明光の点灯時は、出力電流Iout1が第1電流範囲内の電流に制御されて複数のLED3から照明光が発光されるように点灯回路5が制御され、保安光の点灯時は、出力電流Iout1が第1電流範囲の下限電流値以下における第2電流範囲内の電流に制御され、全てのLED3が点灯される。即ち、照明光用のLED3の全てが保安光用の発光部として用いられる。そのため、保安光用のLED及びその点灯回路を別途備える必要がなくなるので、構成の複雑化および製造コストの増加を抑えることができる。
また、パルス幅変調制御されて複数のLED3から保安光が発光されるように、点灯回路5が制御されるので、保安光(即ち、輝度が小さい光)を高精細に制御して発光させることができる。
また、点灯回路5は、給電路7に接続された抵抗R12の両端電圧が所定の参照電圧Vref1に一致するようにスイッチング電源回路52の出力電流Ioutが制御される構成であるので、所定の参照電圧Vref1を制御することにより、点灯回路5の出力電流Ioutを制御できる。
また、照明光の点灯時は、比較回路OA12に入力される所定の参照電圧Vref1の電圧値を制御するだけで、点灯回路5の出力電流Ioutを第1電流範囲内の電流に制御できる。
また、保安光の点灯時は、比較回路OA12に入力される所定の参照電圧Vref1がパルス幅変調制御されるだけで、点灯回路5の出力電流Ioutを第2電流範囲内の電流に制御すると共にパルス幅変調制御することにより、保安光を調光することができる。
≪第1実施形態の変形例≫
第1実施形態では、保安光の点灯時に、スイッチング素子Q13をPWM制御することで、比較回路OA12に入力される所定の参照電圧Vref1をPWM制御する場合で説明したが、スイッチング素子Q13を省略して、制御部11bにより直接に、比較回路OA12の反転入力端子t2に入力される所定の参照電圧Vref1をPWM制御してもよい(即ち、比較回路OA12に入力される所定の参照電圧Vref1が所定電圧(例えば前記第2電圧)に制御されると共に前記所定電圧がPWM制御されてもよい)。この場合は、スイッチング素子Q13が省略される分、照明装置1の構成を簡素化できる。
≪第2実施形態≫
第1実施形態では、照明光が単色の光により構成される場合で説明したが、本実施形態では、照明光が複数色(例えば暖色と寒色の2色)の光により構成されて、照明光の調色および調光が可能な場合で説明する。以下、図3に基づいて、本実施形態に係る照明装置1Bについて、第1実施形態に係る照明装置1と異なる点を中心に説明する。
<構成説明>
図3は、本実施形態に係る照明装置の構成概略図である。
本実施形態に係る照明装置1Bは、第1実施形態に係る照明装置1において、各LED3の第1光色(例えば2700Kの暖色系の相関色温度の光色)と異なる第2光色(例えば6500Kの寒色系の相関色温度の光色)の光を出射可能な複数のLED3B(第2発光部)と、電源Bを用いて複数のLED3Bに電流を出力(供給)して複数のLED3Bを点灯駆動する点灯回路(第2点灯回路)5Bと、点灯回路15Bから出力された電流Iout2を複数のLED3Bに供給するための給電路7Bとを更に備えたものである。照明装置1Bでは、各LED3が発光する光と各LED3Bが発光する光とが混合することにより照明光が構成される。
各LED3Bはそれぞれ、前記第2光色を有するLEDとして構成されており、給電路7Bにおいて互いに順方向に直列接続されている。ここでは、各LED3Bは、互いに直列接続されて給電路7Bに接続されるが、互いに順方向に向けて並列接続されて給電路7Bに配設されてもよく、または、直列接続および並列接続を組み合わせて給電路7Bに接続されてもよい。
点灯回路15Bは、スイッチング電源回路51Bと、定電流回路52Bとを備えている。
スイッチング電源回路51Bは、第1実施形態のスイッチング電源回路51と同様に構成される。より詳細には、スイッチング電源回路51Bは、電源Bの出力電圧VBをPWM(パルス幅変調)制御するためのスイッチング素子Q21と、スイッチング素子Q21の出力パルスのデューティー比に応じて電源Bの出力電圧VBを変圧して出力する変圧器(例えば高周波変圧器)T2と、変圧器T2の出力電流を整流平滑するダイオードD2およびコンデンサC2と、定電流回路52Bからの制御信号(ここでは光信号)を受光する受光素子PC21と、受光素子PC21が受光した制御信号に応じてスイッチング素子Q21をオンオフ制御する制御部IC21とを備えている。
ダイオードD2およびコンデンサC2により整流平滑された変圧器T2の出力電圧および出力電流がそれぞれ、スイッチング電源回路51B(従って点灯回路5B)の出力電圧Vout2および出力電流Iout2となる。
変圧器T2は、環状の鉄心(図示省略)と、前記鉄芯に巻回された1次側巻線n3および2次側巻線n4とを備えている。1次側巻線n3の一端は、第3電源線P3を介して電源Bの陽極に接続され、1次側巻線n3の他端は、スイッチング素子Q21と第3基準線N3とを介して電源Bの負極に接続されている。2次側巻線n4の一端は、第4電源線P4に接続され、2次側巻線n4の他端は、ダイオードD2を介して第4基準線N4に接続されている。
なお、第4電源線P4と第4基準線N4とは配線H2を介して相互接続されており、配線H2上に複数のLED3Bが接続されている。なお、第4電源線P4、第4基準線N4および配線H2により給電路7Bが構成される。
ダイオードD2は、第4電源線P4に順方向接続されている。平滑コンデンサC2は、整流ダイオードD2のカソード側において、第4電源線P4と第4基準線N4とに接続されている。
スイッチング素子Q21は、例えばNチャネルMOSFETとして構成される。スイッチング素子Q21は、電源Bと1次側巻線n3とを繋ぐ配線(例えば第3基準線N3)上において、スイッチング素子Q21のコレクタが1次側巻線n3に接続されると共にスイッチング素子Q21のエミッタが電源Bの負極に接続されるように、介装接続されている。スイッチング素子Q21のベースは、制御部IC21に接続されている。
受光素子PC21は、例えばフォトトランジスタとして構成されている。受光素子PC21のコレクタは、制御部IC21に接続され、受光素子PC21のエミッタは、第3基準線N3の分岐点Z2(即ち、電源Bの負極とスイッチング素子Q21との間の点)に接続されている。なお、受光素子PC21は、定電流回路52の発光素子PC22と共にフォトカプラを構成している。
制御部IC21は、スイッチング素子Q21の制御端子に送るパルスのパルス幅を変調することで、電源Bから1次側巻線n3に入力される電圧VBをPWM制御する。これにより、2次側巻線n4の両端にパルスのデューティー比に応じた電圧値の電圧Vout2が発生する。電圧Vout2に応じた電流(即ち、点灯回路5Bの出力電流)Iout2が、第4電源線P4、配線H2、第4電源線N4および2次側巻線n4の順に流れる。これにより、点灯回路5Bの出力電流Iout2が、給電路7Bを通じて各LED3Bに供給される。
その際、制御部IC21は、受光素子PC21の受光による制御部IC21での通電量に応じて、スイッチング素子Q21のデューティー比を変化させることで、点灯回路5Bの出力電流Iout2の電流値を変化させる。ここでは、受光素子PC21の受光量が増加すると、制御部IC21は、スイッチング素子Q21のデューティー比を小さくして、点灯回路5Bの出力電流Iout2を低減させる。また、受光素子PC21の受光量が低下すると、制御部IC21は、スイッチング素子Q21のデューティー比を大きくして、点灯回路5Bの出力電流Iout2を増加させる。
また、定電流回路52Bは、第1実施形態の定電流回路52において、スイッチング素子Q13を省略したものである。より詳細には、定電流回路52Bは、抵抗R22と、抵抗R22の両端電圧と所定の参照電圧Vref2とを入力しそれらの大小比較を行う比較回路OA22と、比較回路OA22の比較結果に基づいて制御信号(ここでは光信号)を制御部IC21に送るフィードバック回路52aBとを備えている。
抵抗R22は、例えば配線H2における複数のLED3Bのカソード側に接続されている。
比較回路OA22は、非反転入力端子t4と、反転入力端子t5と、出力端子t6とを有している。非反転入力端子t4は、抵抗R22の上流側端部に接続されており、抵抗R22の上流側端部の電位(即ち、抵抗R22の両端電圧)が入力される。
反転入力端子t5には、制御装置11Bから常時出力される所定の参照電圧Vref2が入力される。
出力端子t6からは、比較回路OA22の大小比較の結果を示す信号が出力され、フィードバック回路52aBに入力される。
フィードバック回路52aBは、第4電源線P4と第4基準線N4との間において、抵抗R21、発光素子(例えばフォトダイオード)PC22およびスイッチング素子Q22が直列接続されて構成される。発光素子PC22のアノードは、抵抗R21に接続され、発光素子PC22のカソードは、スイッチング素子Q22のコレクタに接続されている。スイッチング素子Q22は、例えばNPNトランジスタとして構成される。スイッチング素子Q22のコレクタは、第4基準線N4に接続され、スイッチング素子Q22のエミッタは、発光素子PC22に接続され、スイッチング素子Q22のベースは、比較回路OA22の出力端子t6に接続されている。
フィードバック回路52aBでは、スイッチング素子Q22が導通することにより、第4電源線P4からの電流が、抵抗R21、発光素子PC22およびスイッチング素子Q22を通じて第4基準線N4に流れる。これにより、発光素子PC22から当該電流の通電量に応じた輝度の光信号(制御信号)が受光素子PC21に発信される。
また、点灯回路5Bでは、スイッチング電源回路51Bの出力電流Iout2が給電路7Bを通じて各LED3Bおよび抵抗R22を順に流れて、抵抗R22の両端に電圧が発生する。抵抗R21の両端に発生した電圧が、比較回路OA22の非反転入力端子t4に入力され、比較回路OA22により各端子t4,t5に入力された電圧の大小比較が行われる。
比較回路OA22は、電圧の大小比較の結果、抵抗R22の両端電圧が所定の参照電圧Vref2以上の場合は、比較回路OA22の出力端子t6からの出力信号がH(ハイ)レベルとなる。これにより、順に、(c1)スイッチング素子Q22の制御端子への入力電流が増加してスイッチング素子Q22を導通する電流が増加し、(c2)発光素子PC22に流れる電流が増加して発光素子PC22の発光量が増加し、(c3)受光素子PC21の受光量が増加して制御部IC21の通電量が増加する。
制御部IC21は、通電量の増加に応じて、スイッチング素子Q21のPWM制御のオン時間を短縮する。これにより、順に、(c4)スイッチング電源回路51Bの出力電圧(即ち、点灯回路5Bの出力電圧)Vout2が低下してスイッチング電源回路51Bの出力電流(即ち、点灯回路5Bの出力電流)Iout2が減少し、(c5)抵抗R22に流れる電流が減少して抵抗R22の両端電圧が低下する。
つまり、スイッチング電源回路51Bの出力電流Iout2が増加して抵抗R22の両端電圧が所定の参照電圧Vref2以上になると、定電流回路52Bにより、抵抗R22の両端電圧が所定の参照電圧Vref2に一致するように、スイッチング電源回路51Bが制御されてスイッチング電源回路51Bの出力電流Iout2が減少される。
他方、比較回路OA22は、電圧の大小比較の結果、抵抗R22の両端電圧が所定の参照電圧Vref2未満の場合は、比較回路OA22の出力端子t6からの出力信号がL(ロー)レベルとなる。これにより、順に、(d1)スイッチング素子Q22の制御端子への入力電流が減少してスイッチング素子Q22を導通する電流が減少し、(d2)発光素子PC22に流れる電流が減少して発光素子PC22の発光量が減少し、(d3)受光素子PC21の受光量が減少する。
制御部IC21は、スイッチング素子Q21のオン時間を長くする。これにより、順に、(d4)スイッチング電源回路51Bの出力電圧Vout2が上昇してスイッチング電源回路51Bの出力電流Iout2が増加し、(d5)抵抗R22に流れる電流が増加して抵抗R22の両端電圧が上昇する。
このように、スイッチング電源回路51Bの出力電流Iout2は、比較回路OA22の反転入力端子t5に入力される所定の参照電圧Vref2に応じた電流(=(所定の参照電圧Vref2)/(抵抗R22の抵抗値))に一致するように制御される。
ここでは、LED3用の点灯回路5の出力電流Iout1は、照明光の点灯時は、第1電流範囲(例えば400〜20〔mA〕)内で制御され、保安光の点灯時は、前記第1電流範囲の下限電流値以下または未満の第2電流範囲(例えば2〜0.2〔mA〕)内で制御される。また、LED3B用の点灯回路5Bの出力電流Iout2は、照明光の点灯時は、前記第2電流範囲の上限電流値以上または前記上限電流値よりも大きい電流範囲である第3電流範囲(例えば400〜20〔mA〕)内で制御される。これにより、照明光の光束範囲は例えば4000〜20〔lm〕内で制御される。
本実施形態の操作入力装置9Bは、第1実施形態の操作入力装置9において、更に、照明光の光色を調整する調色操作が入力可能になったものである。
本実施形態の制御装置11Bは、受信部11aと、制御部11bBとを備えている。受信部11aは、第1実施形態の受信部11aと同様に構成される。
制御部11bBは、受信部11aにより受信された操作信号に基づいて、点灯回路5を制御して各LED3を点灯制御すると共に、点灯回路5Bを制御して各LED3Bを点灯制御する。
より詳細には、制御部11bBは、受信部11aにより受信された操作信号に、照明光の点灯(即ち、照明光モード)を選択する選択操作が含まれる場合は、所定の輝度および所定の光色(例えば照明光の初期設定輝度および初期設定光色)の照明光が点灯されるように、各点灯回路5,5Bを制御して各LED3,3Bを発光させる。
即ち、制御部11bBは、点灯回路5のスイッチング素子Q13をオフ制御すると共に、各LED3から第1輝度(即ち、前記所定の光色および前記所定の輝度に対応する各LED3の輝度)の光が発光されるように(即ち、点灯回路5の出力電流Iout1が前記第1電流範囲内の第1電流値(即ち、前記第1輝度に対応する電流値)の電流になるように)、点灯回路5の比較回路OA12の反転入力端子t2に入力する所定の参照電圧Vref1(以後、第1参照電圧Vref1と呼ぶ)を前記第1電流値に対応する第1電圧(=(前記第1電流値)×(抵抗R12の抵抗値))に制御する。更に、制御部11bBは、各LED3Bから第3輝度(即ち、前記所定の光色および前記所定の輝度に対応する各LED3Bの輝度)の光が発光されるように(即ち、点灯回路5Bの出力電流Iout2が前記第3電流範囲内の第3電流値(即ち、前記第3輝度に対応する電流値)の電流になるように)、点灯回路5Bの比較回路OA12の反転入力端子t2に入力する所定の参照電圧Vref2(以後、第2参照電圧Vref2と呼ぶ)を前記第3電流値に対応する第3電圧(=(前記第3電流値)×(抵抗R12の抵抗値))に制御する。
これにより、給電路7を通じて点灯回路5から各LED3に前記第1電流値の電流が供給されて、各LED3から前記第1輝度の光が発光されると共に、給電路7Bを通じて点灯回路5Bから各LED3Bに前記第3電流値の電流が供給されて、各LED3Bから前記第3輝度の光が発光される。これら各LED3、3Bの発光により、前記所定の光色および前記所定の輝度の照明光が点灯される。
また、制御部11bBは、照明光の点灯状態で、受信部11aにより受信された操作信号に、照明光の輝度を調整する調光操作が含まれる場合は、照明光の光色を保って、照明光の輝度が当該調光操作で指定された所望の輝度となるように、点灯回路5の第1参照電圧Vref1を制御して各LED3の輝度を制御すると共に点灯回路5Bの第2参照電圧Vref2を制御して各LED3Bの輝度を制御する。これにより、照明光が当該所望の輝度に調光される。
また、制御部11bBは、照明光の点灯状態で、受信部11aにより受信された操作信号に、照明光の光色を調整する調色操作が含まれる場合は、照明光の輝度を保って、照明光の光色が当該調色操作で指定された所望の光色となるように、点灯回路5の第1参照電圧Vref1を制御して各LED3の輝度を制御すると共に点灯回路5Bの第2参照電圧Vref2を制御して各LED3Bの輝度を制御する。これにより、照明光が当該所望の光色に調色される。
なお、調光可能な範囲は、例えば、各LED3の第1光色(相関色温度)から各LED3Bの第2光色(相関色温度)までの範囲である。即ち、照明光モードでは、複数のLED3への第1電流範囲内の電流の供給と複数のLED3Bへの第3電流範囲内の電流の供給とのうち少なくとも一方が行われて、電流が供給されたLED3,3Bの全てが点灯される。
なお、制御部11bBには、例えば、照明光の輝度および光色と、これら輝度および調色に必要な各LED3,3Bの輝度との対応関係が記載されたテープルが記憶されている。制御部11bBは、前記テーブルを参照して、調光操作または調色操作で指定された照明光の所望の輝度または所望の光色に対応する各LED3,3Bの輝度を選択して、照明光の輝度が当該所望の輝度または当該所望の光色となるように、各LED3,3Bの輝度を制御している。
また、制御部11bBは、受信部11aにより受信された操作信号に、保安光の点灯(即ち、保安光モード)を選択する選択操作が含まれる場合は、点灯回路5Bを制御して各LED3Bを消灯させる。また、この場合は、制御部11bBは、第1実施形態での保安光を点灯させる場合の動作と同様に、点灯回路5の第1参照電圧Vref1を前記第2電流範囲内の第2電流値(例えば、前記第2電流範囲の上限電流値)に対応する第2電圧に制御する。また、この制御と共に、制御部11bBは、点灯回路5のスイッチング素子Q13を第1デューティー比(例えば、初期設定デューティー比)でPWM制御する。これにより、各LED3から前記第2輝度(例えば、保安光の初期設定輝度)の光が発光される。即ち、保安光用の光が点灯される。
また、制御部11bBは、保安光の点灯状態で、受信部11aにより受信された操作信号に、保安光の調光操作に対応する信号が含まれる場合は、第1実施形態での保安光を調光させる場合の動作と同様に、点灯回路5のスイッチング素子Q13のデューティー比を制御して、各LED3の輝度(即ち、保安光の輝度)を制御する。これにより、保安光が当該調光操作で指定される所望の輝度に調光される。
このように、保安光モードでは、複数のLED3に第1電流範囲の下限電流値以下で且つ第3電流範囲の下限電流値以下における第2電流範囲内の電流が流され、全てのLED3が点灯される。
なお、制御部11bBには、例えば、保安光の輝度と、保安光の輝度に必要なLED3の輝度との対応関係が記載されたテーブルが記憶されている。制御部11bBは、前記テーブルを参照して、調光操作で指定された保安光の所望の輝度に対応する各LED3の輝度を選択して、保安光の輝度が当該所望の輝度となるように、各LED3の輝度を制御している。
<動作説明>
次に、図4に基づいて照明装置1Bの動作を説明する。図4は、照明装置1Bの動作を説明するフローチャートである。
ステップU1で、受信部11aは、操作入力装置9Bから送信される操作信号を受信可能な状態で待機する。操作入力装置9Bに照明光の点灯(即ち、照明光モード)を選択する選択操作が入力された場合(YES)は、照明装置1Bは処理がステップU2に進む。他方、操作入力装置9Bに照明光の点灯を選択する選択操作が入力されない場合(NO)は、照明装置1Bは処理がステップU5に進む。
ステップU2では、操作入力装置9Bに入力された操作(即ち、照明光の点灯を選択する選択操作)の内容を含む操作信号が、操作入力装置9Bから制御装置11Bの受信部11aに送信される。受信部11aは、操作信号を受信する。次に、制御部11bBは、受信部11aにより受信された操作信号に含まれる選択操作に応じて、所定の光色および所定の輝度(例えば照明光の初期設定光色および初期設定輝度)の照明光が点灯されるように、各点灯回路5,5Bを制御して各LED3,3Bを発光させる。
より詳細には、制御部11bBは、点灯回路5のスイッチング素子Q13をオフ制御すると共に、各LED3から第1輝度(例えば照明光の点灯時の各LED3の初期設定輝度)の光が発光するように(即ち、点灯回路5の出力電流Iout1が前記第1電流範囲内の第1電流値(即ち、前記第1輝度に対応する電流値)の電流になるように)、点灯回路5の比較回路OA12の反転入力端子t2に入力される第1参照電圧Vref1を前記第1電流値に対応する第1電圧に制御する。更に、制御部11bBは、各LED3Bから第3輝度(例えば照明光の点灯時の各LED3Bの初期設定輝度)の光が発光するように(即ち、点灯回路5Bの出力電流Iout2が前記第3電流範囲内の第3電流値(即ち、前記第3輝度に対応する電流値)の電流になるように)、点灯回路5Bの比較回路OA12の反転入力端子t2に入力される第2参照電圧Vref2を前記第3電流値に対応する第3電圧に制御する。これにより、前記所定の輝度および前記所定の光色の照明光が点灯される。次に、照明装置1Bは処理がステップU3に進む。
ステップU3では、受信部11aは、操作入力装置9Bから送信される操作信号を受信可能な状態で待機する。操作入力装置9Bに照明光の調光操作または調色操作が入力された場合(YES)は、照明装置1Bは処理がステップU4に進む。他方、操作入力装置9Bに照明光の調光操作および調色操作の何れも入力されない場合(NO)は、照明装置1Bは処理がステップU1に戻る。
ステップU4では、操作入力装置9Bに入力された操作(即ち、照明光の調光操作または調色操作)の内容を含む操作信号が、操作入力装置9Bから制御装置11Bの受信部11aに送信される。受信部11aは、操作信号を受信する。次に、制御部11bBは、受信部11aにより受信された制御信号に含まれる当該操作の内容に応じて、照明光の輝度または光色が当該操作で指定された所望の輝度または所望の光色となるように、点灯回路5の第1参照電圧Vref1を制御して各LED3の輝度を制御すると共に点灯回路5Bの第2参照電圧Vref2を制御して各LED3Bの輝度を制御する。これにより、照明光が、当該所望の輝度に調光されまたは当該所望の光色に調色される。次に、照明装置1Bは処理がステップU1に戻る。
ステップU5では、受信部11aは、操作入力装置9Bから送信される操作信号を受信可能な状態で待機する。操作入力装置9Bに保安光の点灯(即ち、保安光モード)を選択する選択操作が入力された場合(YES)は、照明装置1Bは処理がステップU6に進む。他方、操作入力装置9Bに保安光の点灯を選択する選択操作が入力されない場合(NO)は、照明装置1Bは処理がステップU9に進む。
ステップU6では、操作入力装置9Bに入力された操作(即ち、保安光の点灯を選択する選択操作)の内容を含む操作信号が、操作入力装置9Bから制御装置11Bの受信部11aに送信される。受信部11aは操作信号を受信する。次に、制御部11bBは、受信部11aにより受信された制御信号に含まれる選択操作に応じて、点灯回路5Bを制御して各LED3Bを消灯する。更に、制御部11bBは、点灯回路5の第1参照電圧Vref1を前記第2電圧に制御する。また、この制御と共に、制御部11bBは、点灯回路5のスイッチング素子Q13を前記第1デューティー比でPWM制御する。これにより、各LED3から第2輝度(例えば保安光の初期設定輝度)の光が発光する。即ち、保安光が点灯される。次に、照明装置1Bは処理がステップU7に進む。
ステップU7では、受信部11aは、操作入力装置9Bから送信される操作信号を受信可能な状態で待機する。操作入力装置9Bに保安光の調光操作が入力された場合(YES)は、照明装置1Bは処理がステップU8に進む。他方、操作入力装置9Bに保安光の調光操作が入力されない場合(NO)は、照明装置1Bは処理がステップU9に進む。
ステップU8では、操作入力装置9Bに入力された操作(即ち、保安光の調光操作)の内容を含む操作信号が、操作入力装置9Bから制御装置11Bの受信部11aに送信される。受信部11aは操作信号を受信する。次に、制御部11bBは、受信部11aにより受信された操作信号に含まれる調光操作に応じて、点灯回路5Bを制御して各LED3Bを消灯させた状態で、点灯回路5のスイッチング素子Q13のデューティー比を制御して、各LED3の輝度(即ち、保安光の輝度)を制御する。これにより、保安光が当該調光操作で指定された所望の輝度に調光される。次に、照明装置1Bは処理がステップU1に戻る。
ステップU9では、受信部11aは、操作入力装置9Bから送信される操作信号を受信可能な状態で待機する。操作入力装置9Bに照明光及び保安光の消灯を選択する操作(消灯操作)が入力された場合(YES)は、照明装置1Bは処理がステップU10に進む。他方、操作入力装置9Bに照明光及び保安光の消灯を選択する操作が入力されない場合(NO)は、照明装置1Bは処理がステップU1に戻る。
ステップU10では、制御部11bBは、受信部11aに受信された操作信号に含まれる消灯操作に応じて、各LED3,3Bが消灯するように点灯回路5,5Bを制御する。次に、照明装置1Bは処理が終了する。
このように、照明装置1Bでは、照明用の各LED3の全てが保安光用の発光部として兼用されると共に、照明用の点灯回路5が保安光用の点灯回路として兼用されて、保安光の点灯および調光が行われる。
<主要な効果>
以上のように構成された照明装置1Bによれば、LED3と異なる光色が出射可能で且つ照明光を点灯可能なLED3Bと、LED3Bを点灯駆動する点灯回路5Bとを更に備えるので、LED3が出射する第1光色の光とLED3Bが出射する第2光色の光とを組み合わせて照明光を構成することができ、光色が調整可能な照明光を点灯できる。即ち、調色可能な照明装置1Bに対しても、本発明に係る照明装置を適用できる。
具体的には、複数のLED3への第1電流範囲内の電流の供給と複数のLED3Bへの第3電流範囲内の電流の供給とのうち少なくとも一方が行われて、電流が供給されたLED3,3Bの全てが点灯される照明光モードと、複数のLED3に第1電流範囲の下限電流値以下で且つ第3電流範囲の下限電流値以下における第2電流範囲内の電流が流され、全てのLED3が点灯される保安光モードとを有するので、照明光用のLED3の全てが保安光用の発光部として用いられる。そのため、照明光用の点灯回路5を保安光用の点灯回路に兼用でき、保安光専用の点灯回路と、照明用の点灯回路5と保安光専用の点灯回路とを切り替えるための切替部とを別途備える必要がなくなるので、構成の複雑化および製造コストの増加を防止して、保安灯機能を実行することができる。
また、LED3と異なる光色が出射可能で且つ照明光を点灯可能なLED3Bと、LED3Bを点灯駆動する点灯回路5Bとを更に備えるので、LED3が出射する第1光色の光とLED3Bが出射する第2光色の光とを組み合わせて照明光を構成することができ、光色が調整可能な照明光を点灯できる。即ち、調色可能な照明装置1Bに対しても、本発明に係る照明装置を適用できる。
なお、第1実施形態、第1実施形態の変形例および第2実施形態の各々の技術範囲には、照明装置だけでなく、照明装置の点灯制御方法も含まれる。
≪付帯事項≫
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は斯かる例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと解される。
また、第1実施形態、第2実施形態および第1実施形態の変形例のうちの何れか2つ以上を組み合わせた発明についても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと解される。