JP5726594B2 - インク組成物、インクセットおよび画像形成方法 - Google Patents
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Description
項1.(成分a)下記式(1)で表される繰り返し単位及び後述の式(2)で表される繰り返し単位を含む重合体、(成分b1)(メタ)アクリルアミド構造を有する単官能重合性モノマー、(成分b2)多官能重合性モノマー、(成分c)重合開始剤、(成分d)水、及び(成分e)着色剤を含有するインク組成物。
項2.前記式(1)において、m=3である、項1に記載のインク組成物。
項3.前記式(1)において、m=5である、項1に記載のインク組成物。
項4.前記(成分a)重合体中に、前記式(1)で表される繰り返し単位を50質量%以上含む、項1〜項3のいずれか1項に記載のインク組成物。
項5.インク組成物中の重合性モノマーの合計含有量に対する前記(成分b1)(メタ)アクリルアミド構造を有する単官能重合性モノマーの含有量が、25質量%〜99.5質量%である、項1〜項4のいずれか1項に記載のインク組成物。
項6.前記(成分b1)(メタ)アクリルアミド構造を有する単官能重合性モノマーが下記式(M−1)で表される重合性モノマーである、項1〜項5のいずれか1項に記載のインク組成物。
項7.前記(成分b2)多官能重合性モノマーが、(メタ)アクリルアミド構造を有する多官能重合性モノマーである、項1〜項6のいずれか1項に記載のインク組成物。
項8.前記(成分b2)多官能重合性モノマーが、下記式(M−2)で表される重合性モノマーである、項7に記載のインク組成物。
項9.前記重合開始剤が、光重合開始剤である、項1〜項8のいずれか1項に記載のインク組成物。
項10.前記重合開始剤が、芳香族ケトン類である、項1〜項9のいずれか1項に記載のインク組成物。
項11.前記(成分a)重合体の含有量が、インク組成物の全量に対し、0.5質量%〜30質量%である、項1〜項10のいずれか1項に記載のインク組成物。
項12.インクジェット記録用である、項1〜項11のいずれか1項に記載のインク組成物。
項13.項1〜項12のいずれか1項に記載のインク組成物と、
(成分f)該インク組成物と接触して凝集体を形成しうる凝集剤を含有する処理液とを含むインクセット。
項14.前記処理液が、更に前記(成分a)重合体を含有する、項13に記載のインクセット。
項15.(成分b1)(メタ)アクリルアミド構造を有する単官能重合性モノマー、(成分b2)多官能重合性モノマー、(成分c)重合開始剤、(成分d)水、及び(成分e)着色剤を含むインク組成物と、(成分f)該インク組成物と接触して凝集体を形成しうる凝集剤を含有する処理液とを含み、前記処理液が(成分a)下記式(1)で表される繰り返し単位を含む重合体を含有する、インクセット。
項16.項1〜項12のいずれか1項に記載されたインク組成物を、記録媒体上に付与するインク付与工程と、
前記付与したインク組成物に活性エネルギー線を照射する照射工程と、を含む画像形成方法。
項17.項13〜項15のいずれか1項に記載のインクセットに含まれる処理液を、記録媒体上に付与する処理液付与工程と、該インクセットに含まれるインク組成物を、記録媒体上に付与して画像を形成するインク付与工程と、を有する画像形成方法。
本発明の第一の態様は、(成分a)前記式(1)で表される繰り返し単位を含む重合体、
(成分b1)(メタ)アクリルアミド構造を有する単官能重合性モノマー、
(成分b2)多官能重合性モノマー、
(成分c)重合開始剤、
(成分d)水、
及び(成分e)着色剤を含有するインク組成物である。
(成分b2)多官能重合性モノマー、
(成分c)重合開始剤、
(成分d)水、及び
(成分e)着色剤
を含むインク組成物と、
(成分f)該インク組成物と接触して凝集体を形成しうる凝集剤を含有する処理液とを含み、
前記処理液に(成分a)前記式(1)で表される繰り返し単位を含む重合体を含有する、インクセットである。
以下第一の態様について説明をする。
本発明の第一の態様におけるインク組成物は、(成分a)前記式(1)で表される繰り返し単位を含む重合体、(成分b1)(メタ)アクリルアミド構造を有する単官能重合性モノマー、(成分b2)多官能重合性モノマー、(成分c)重合開始剤、(成分d)水、及び(成分e)着色剤を含有するインク組成物である。
本発明のインク組成物は、必要に応じて、水溶性有機溶剤及びその他の成分をさらに含んで構成される。以下、各成分について詳細に説明をする。
本発明のインク組成物は、(成分a)下記式(1)で表される繰り返し単位を含む重合体(以下、単に「(成分a)」ともいう。)を必須の成分として含む。(成分a)中に複数存在する式(1)で表される繰り返し単位は、互いに同一であっても、異なっていても良い。
前記式(1)におけるR1は水素原子又はメチル基を表し、水素原子が好ましい。
前記式(2)中、R2はアルキル基を表し、該アルキル基としては、炭素数1〜5が好ましく、炭素数1〜3が更に好ましく、炭素数1(メチル基)が特に好ましい。前記アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、ブチル基等が挙げられる。
本発明のインク組成物は、(成分b1)(メタ)アクリルアミド構造を有する単官能重合性モノマー(以下、単に「(成分b1)」ともいう。)の少なくとも1種を含有する。前記(成分b1)は、水不溶性の化合物であっても、水溶性の化合物であってもよいが、水溶性の(成分b1)(メタ)アクリルアミド構造を有する単官能重合性モノマーであることが好ましい。尚、ここでいう水溶性とは、前記(成分b1)が、25℃において蒸留水に少なくとも2質量%溶解することを意味する。前記(メタ)アクリルアミド構造を有する単官能重合性モノマーは、5質量%溶解することが好ましく、10質量%溶解することがより好ましく、20質量%溶解することがさらに好ましく、任意の割合で水と均一に混合することが特に好ましい。
(1)飽和もしくは不飽和の複素環構造を有する化合物
(2)ポリオール類
(3)ポリオールの縮合体
(4)ポリアミン類
エチレングリコール、エジレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,4−ペンタンジオール、1,3−ペンタンジオール、2,4−ペンタンジオール、3−メチル,1,5−ペンタンジオール、2−メチル,2,4−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,5−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール、グリセリン、1,2,4−ブタンジオール、1,2,5−ペンタントリオール、1,2,6−ヘキサントリオール、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ジトリメチロールプロパン、ジトリメチロールエタン、チオジグリコール、ネオペンチルグリコール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、及びこれらの縮合体、糖類などのポリオール類、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ポリエチレンイミン、ポリプロピレンジアミンなどのポリアミン類。
本発明のインク組成物は、(成分b2)多官能重合性モノマー(以下、単に「(成分b2)」ともいう。)を必須の成分として含む。前記(成分b2)は、水不溶性の化合物であっても、水溶性の化合物であってもよいが、水溶性の(成分b2)多官能重合性モノマーであることが好ましい。尚、ここでいう水溶性とは、(成分b2)多官能重合性モノマーが、25℃において蒸留水に少なくとも2質量%溶解することを意味するが、5質量%溶解することが好ましく、10質量%溶解することがより好ましく、20質量%溶解することがさらに好ましく、任意の割合で水と均一に混合することが特に好ましい。
ビス(4−アクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン、トリプロピレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、トリメチロールプロパン(プロピレンオキサイド変性)トリアクリレート、オリゴエステルアクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジアクリレート、テトラメチロールメタントリアクリレート、ジメチロールトリシクロデカンジアクリレート、変性グリセリントリアクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルアクリル酸付加物、変性ビスフェノールAジアクリレート、ビスフェノールAのPO(プロピレンオキシド)付加物ジアクリレート、ビスフェノールAのEO(エチレンオキシド)付加物ジアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、プロピレングリコールジグリシジルエーテルアクリル酸付加物、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、プロポシル変性のネオペンチルグリコールジアクリレート等のアクリルレート化合物;
ポリエチレングリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート2,2−ビス(4−メタクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン等のメタクリレート化合物等が挙げられる。その他、ジアリルフタレート、トリアリルトリメリテート等のアリル化合物も挙げられる。更に具体的には、山下晋三編、「架橋剤ハンドブック」、(1981年大成社);加藤清視編、「UV・EB硬化ハンドブック(原料編)」(1985年、高分子刊行会);ラドテック研究会編、「UV・EB硬化技術の応用と市場」、79頁、(1989年、シーエムシー);滝山栄一郎著、「ポリエステル樹脂ハンドブック」、(1988年、日刊工業新聞社)等に記載の市販品若しくは業界で公知のラジカル重合性乃至架橋性のモノマーを用いることができる。
トリメチロールエタントリビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル、ジトリメチロールプロパンテトラビニルエーテル、グリセリントリビニルエーテル、ペンタエリスリトールテトラビニルエーテル、ジペンタエリスリトールペンタビニルエーテル、ジペンタエリスリトールヘキサビニルエーテル、エチレンオキサイド付加トリメチロールプロパントリビニルエーテル、プロピレンオキサイド付加トリメチロールプロパントリビニルエーテル、エチレンオキサイド付加ジトリメチロールプロパンテトラビニルエーテル、プロピレンオキサイド付加ジトリメチロールプロパンテトラビニルエーテル、エチレンオキサイド付加ペンタエリスリトールテトラビニルエーテル、プロピレンオキサイド付加ペンタエリスリトールテトラビニルエーテル、エチレンオキサイド付加ジペンタエリスリトールヘキサビニルエーテル、プロピレンオキサイド付加ジペンタエリスリトールヘキサビニルエーテルなどの多官能ビニルエーテル類等が挙げられる。又、後述する(メタ)アクリルアミド構造を有する多官能重合性モノマーも挙げられる。
エチレングリコール、エジレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,4−ペンタンジオール、1,3−ペンタンジオール、2,4−ペンタンジオール、3−メチル、1,5−ペンタンジオール、2−メチル,2,4−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,5−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール、グリセリン、1,2,4−ブタンジオール、1,2,5−ペンタントリオール、1,2,6−ヘキサントリオール、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ジトリメチロールプロパン、ジトリメチロールエタン、チオジグリコール、ネオペンチルグリコール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、及びこれらの縮合体、糖類などのポリオール類、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ポリエチレンイミン、ポリプロピレンジアミンなどのポリアミン類。
(B−1)
本発明における重合性モノマーは、(成分b1)以外の単官能重合性モノマーを含んでいてもよい。前記(成分b1)以外の単官能重合性モノマーとは、(メタ)アクリルアミド構造を含まない単官能重合性モノマーであれば、特に限定はなく、例えば、マレイミド基、ビニルスルホンアミド基、およびN−ビニルアミド基を有する単官能重合性モノマー等が挙げられる。
メチルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、アリルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、ジメチルアミノメチルメタクリレート等のメタクリレート化合物;
アリルグリシジルエーテル等のアリル化合物等が挙げられる。
本発明のインク組成物は、(成分c)重合開始剤を必須の成分として含有する。
本発明のインク組成物に使用する光重合開始剤は、外部エネルギー(光)を吸収して重合開始種であるラジカルを生成する化合物である。光には、活性エネルギー線、すなわち、γ線、β線、電子線、X線、紫外線、可視光線、赤外線等が例示できる。
インク組成物における重合開始剤の好ましい含有量としては0.1〜30質量%の範囲であることが好ましく、0.5〜20質量%の範囲であることがより好ましく、1〜15質量%の範囲であることがさらに好ましい。
本発明におけるインク組成物は水を必須の成分として含む。
本発明における水としては、イオン交換水、蒸留水などのイオン性不純物を含まない水を用いることが好ましい。また、インク組成物における水の含有率は、目的に応じて適宜選択されるが、通常、10〜95質量%であることが好ましく、30〜90質量%であることがより好ましい。
本発明におけるインク組成物は、着色剤の少なくとも1種を含む。本発明における着色剤としては、公知の染料、顔料等を特に制限なく用いることができる。中でも、インク着色性の観点から、水に殆ど不溶であるか、又は難溶である着色剤であることが好ましい。具体的には例えば、各種顔料、分散染料、油溶性染料、J会合体を形成する色素等を挙げることができ、更に、耐光性の観点から顔料であることがより好ましい。
前記有機顔料としては、例えば、アゾ顔料、多環式顔料、染料キレート、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラック、などが挙げられる。これらの中でも、アゾ顔料、多環式顔料などがより好ましい。前記アゾ顔料としては、例えば、アゾレーキ、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料、などが挙げられる。前記多環式顔料としては、例えば、フタロシアニン顔料、ぺリレン顔料、ぺリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、インジゴ顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフタロン顔料、などが挙げられる。前記染料キレートとしては、例えば、塩基性染料型キレート、酸性染料型キレート、などが挙げられる。
染料を保持した担体(着色剤)はそのまま、あるいは必要に応じて分散剤を併用して用いることができる。分散剤としては後述する分散剤を好適に用いることができる。
着色剤(特に顔料)のインク組成物中における含有量としては、インク組成物の全質量に対して、1〜25質量%となる量が好ましく、3〜20質量%となる量がより好ましい。
前記着色剤が顔料である場合、分散剤によって水系溶媒に分散された着色粒子を構成していることが好ましい。前記分散剤としては、ポリマー分散剤でも低分子の界面活性剤型分散剤でもよい。また、ポリマー分散剤としては水溶性ポリマー分散剤でも水不溶性ポリマー分散剤の何れでもよい。
本発明における水不溶性ポリマー分散剤(以下、単に「分散剤」ということがある)としては、水不溶性のポリマーであって、顔料を分散可能であれば特に制限は無く、従来公知の水不溶性ポリマー分散剤を用いることができる。水不溶性ポリマー分散剤は、例えば、疎水性の構成単位と親水性の構成単位の両方を含んで構成することができる。
また前記親水性構成単位を構成するモノマーとしては、親水性基を含むモノマーであれば特に制限はない。前記親水性基としては、ノニオン性基、カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基等を挙げることができる。尚、ノニオン性基としては、水酸基、(窒素原子が無置換の)アミド基、アルキレンオキシド重合体(例えば、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド等)に由来する基、糖アルコールに由来する基等が挙げられる。
本発明における親水性構成単位は、分散安定性の観点から、少なくともカルボキシル基を含むことが好ましく、ノニオン性基とカルボキシル基を共に含む形態であることもまた好ましい。
ここで「(メタ)アクリル酸」は、アクリル酸またはメタクリル酸を意味する。
前記着色粒子中の分散剤の含有量が、上記範囲であることにより、顔料が適量の分散剤で被覆され、粒径が小さく経時安定に優れた着色粒子を得やすい傾向となり好ましい。
本発明におけるインク組成物は、水溶性有機溶剤の少なくとも1種を含むことができる。
エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−イソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノ−イソプロピルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、エチレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、1−メチル−1−メトキシブタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノ−イソプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−イソプロピルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテルなどのグリコールエーテル類等が挙げられる。これらは、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
また水溶性有機溶剤のインク組成物中における含有量としては、1質量%以上60質量%以下が好ましく、より好ましくは5質量%以上40質量%以下である。
本発明におけるインク組成物は、樹脂粒子の少なくとも1種を含有することができる。
また樹脂粒子はラテックスの形態で用いることもできる。
また樹脂粒子の体積平均粒径は、10nm〜1μmの範囲が好ましく、10〜200nmの範囲がより好ましく、20〜100nmの範囲が更に好ましく、20〜50nmの範囲が特に好ましい。
樹脂粒子のガラス転移温度Tgは30℃以上であることが好ましく、40℃以上がより好ましく、50℃以上がさらに好ましい。
また、樹脂微子の粒径分布に関しては、特に制限は無く、広い粒径分布を持つもの、又は単分散の粒径分布を持つもの、いずれでもよい。また、単分散の粒径分布を持つ樹脂粒子を、2種以上混合して使用してもよい。
本発明のインク組成物は、必要に応じて、前記成分以外のその他の成分を添加することができる。
その他の成分としては、例えば、特開2008−019408号公報に記載の増感剤、共増感剤(強増感剤)、界面活性剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、褪色防止剤、導電性塩類、溶剤、高分子化合物、塩基性化合物等が挙げられる。
本発明におけるインク組成物の表面張力(25℃)としては、20mN/m以上60mN/m以下であることが好ましい。より好ましくは、20mN以上45mN/m以下であり、更に好ましくは、25mN/m以上40mN/m以下である。
表面張力は、Automatic Surface Tensiometer CBVP−Z(協和界面科学株式会社製)を用い、インク組成物を25℃の条件下で測定される。
粘度は、VISCOMETER TV−22(TOKI SANGYO CO.LTD製)を用い、インク組成物を25℃の条件下で測定される。
本発明のインクセットは、既述のインク組成物の少なくとも1種と、前記インク組成物と接触して凝集体を形成可能な凝集剤(成分f)を含有する処理液の少なくとも1種と、を含む。
本発明における処理液は、インク組成物中の成分を凝集させる凝集剤を含む。
本発明における凝集剤は、記録媒体上においてインク組成物と接触することにより、インク組成物を凝集(固定化)可能なものであり、固定化剤として機能する。例えば、処理液を記録媒体(好ましくは、塗工紙)に付与することにより記録媒体上に凝集剤が存在している状態で、インク組成物がさらに着滴して凝集剤に接触することにより、インク組成物中の成分が凝集し、インク組成物中の成分を記録媒体上に固定化することができる。
前記インク組成物中の成分を固定化させる成分としては、酸性化合物、多価金属塩、カチオン性ポリマー等を挙げることができ、処理液が酸性化合物、多価金属塩、およびカチオン性ポリマーから選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましい。これらは1種単独でも、2種以上を併用することもできる。
酸性化合物としては、例えば、硫酸、塩酸、硝酸、リン酸、ポリアクリル酸、酢酸、グリコール酸、マロン酸、リンゴ酸、マレイン酸、アスコルビン酸、コハク酸、グルタル酸、フマル酸、クエン酸、酒石酸、乳酸、スルホン酸、オルトリン酸、メタリン酸、ピロリドンカルボン酸、ピロンカルボン酸、ピロールカルボン酸、フランカルボン酸、ピリジンカルボン酸、クマリン酸、チオフェンカルボン酸、ニコチン酸、およびこれらの化合物の誘導体が好適に挙げられ、これらの塩を含んでいてもよい。
酸性化合物は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
さらに酸性化合物の含有量は、前記処理液の全質量に対し、15質量%〜35質量%であることが好ましく、20質量%〜30質量%であることがより好ましい。
本発明における多価金属塩は、アルカリ土類金属、亜鉛族金属等の2価以上の金属を含む化合物であり、Ca2+、Cu2+、Al3+等の金属イオンの酢酸塩、酸化物等を挙げることができる。
処理液に含まれる多価金属塩は、凝集反応の観点で、価数が2価以上であることが好ましく、3価以上の多価金属イオンからなる多価金属塩であることが更に好ましい。
塩とは、上記のような多価金属イオンと、これらのイオンに結合する陰イオンとから構成される金属塩のことであるが、溶媒に可溶なものであることが好ましい。ここで、前記溶媒とは、多価金属塩とともに処理液を構成する媒質であり、例えば、水や後述する有機溶剤が挙げられる。
多価金属イオンと陰イオンとは、それぞれ単独種または複数種を用いて多価金属イオンと陰イオンとの塩を形成することができる。
また、陰イオンとしては、溶解性などの観点から、NO3 −が特に好ましい。
前記多価金属塩は、1種単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
多価金属塩の含有量は、前記処理液の全質量に対し、15質量%〜35質量%であることが好ましく、20質量%〜30質量%であることがより好ましい。
カチオン性ポリマーとしては、ポリ(ビニルピリジン)塩、ポリアルキルアミノエチルアクリレート、ポリアルキルアミノエチルメタクリレート、ポリ(ビニルイミダゾール)、ポリエチレンイミン、ポリビグアニド、及びポリグアニドから選ばれる少なくとも1種のカチオン性ポリマーである。
カチオン性ポリマーは、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記カチオン性ポリマーの中でも、凝集速度の観点で有利な、ポリグアニド(好ましくは、ポリ(ヘキサメチレングアニジン)アセテート、ポリモノグアニド、ポリメリックビグアニド)、ポリエチレンイミン、ポリ(ビニルピリジン)が好ましい。
カチオン性ポリマーの塗工紙への付与量としては、インク組成物を安定化させるに足る量であれば特に制限はないが、インク組成物を固定化し易いとの観点から、0.5g/m2〜4.0g/m2であることが好ましく、0.9g/m2〜3.75g/m2であることがより好ましい。
以下、本発明の第二の態様について説明をする。本発明の第二の態様は、(成分b1)(メタ)アクリルアミド構造を有する単官能重合性モノマー、(成分b2)多官能重合性モノマー、(成分c)重合開始剤、(成分d)水、及び(成分e)着色剤を含むインク組成物と、(成分f)該インク組成物と接触して凝集体を形成しうる凝集剤を含有する処理液とを含み、前記処理液に(成分a)下記式(1)で表される高分子化合物を含有する、インクセットである。
第二の態様における(成分b1)(メタ)アクリルアミド構造を有する単官能重合性モノマー、(成分b2)多官能重合性モノマー、(成分c)重合開始剤、(成分d)水、及び(成分e)着色剤は、好ましい範囲も含めて、第一の態様に記載したものと同様である。
第二の態様における、処理液に対する前記(成分a)の含有量は、0.5〜50質量%であることが好ましく、1〜30質量%であることが更に好ましく、1〜15質量%であることが特に好ましい。
本発明の(成分a)は、一般式(1)で表される構造を有するため、(成分b1)(メタ)アクリルアミド構造を有する単官能重合性モノマーと水素結合等の強固な結合を形成する箇所が多くなっていると推察される。そのため、(成分a)と(成分b1)との架橋密度が高くなっていると考えられる。この結果、耐テープ密着性等が向上すると推察される。但し、上記のメカニズムは推察であり、本発明はこれらに限定されない。
本発明の画像形成方法は、前記インク組成物を、記録媒体上に付与するインク付与工程と、前記付与したインク組成物に活性エネルギー線を照射する照射工程と、を含む画像形成方法を含んで構成される。より好ましくは、前記インクセットに含まれる処理液を、記録媒体上に付与する処理液付与工程と、前記インクセットに含まれるインク組成物を、記録媒体上に付与して画像を形成するインク付与工程と、を少なくとも含み、必要に応じてその他の工程をさらに含んで構成される。
処理液付与工程では、前記インクセットに含まれる処理液が記録媒体上に付与される。処理液の記録媒体への付与は、公知の液体付与方法を特に制限なく用いることができ、スプレー塗布、塗布ローラー等による塗布、インクジェット方式による付与、浸漬などの任意の方法を選択することができる。
本発明におけるインク付与工程では、前記インクセットに含まれるインク組成物が記録媒体上に付与される。インク組成物の付与方法としては、所望の画像様にインク組成物を付与可能な方法であれば、特に制限はなく公知のインク付与方法を用いることができる。例えば、インクジェット方式、謄写方式、捺転方式等の手段により、記録媒体上にインク組成物を付与する方法を挙げることができる。中でも、記録装置のコンパクト化と高速記録性の観点から、インク組成物をインクジェット方式によって付与する工程であることが好ましい。
インクジェット方式による画像形成では、エネルギーを供与することにより、記録媒体上にインク組成物を吐出し、着色画像を形成する。なお、本発明に好ましいインクジェット記録方法として、特開2003−306623号公報の段落番号0093〜0105に記載の方法が適用できる。
また、インクジェット方式で用いるインクジェットヘッドは、オンデマンド方式でもコンティニュアス方式でも構わない。さらに前記インクジェット方式により記録を行う際に使用するインクノズル等についても特に制限はなく、目的に応じて、適宜選択することができる。
尚、前記インクジェット方式には、フォトインクと称する濃度の低いインクを小さい体積で多数射出する方式、実質的に同じ色相で濃度の異なる複数のインクを用いて画質を改良する方式や無色透明のインクを用いる方式が含まれる。
本発明の画像形成方法は、記録媒体上に付与されたインク組成物に活性エネルギー線を照射する工程を含むことが好ましい。活性エネルギー線を照射することでインク組成物に含まれる重合性モノマーが重合して、着色剤を含む硬化膜を形成する。
活性エネルギー線の出力としては、5000mJ/cm2以下であることが好ましく、10〜4000mJ/cm2であることがより好ましく、20〜3000mJ/cm2であることがさらに好ましい。
また、発光ダイオード(LED)、レーザーダイオード(LD)は、小型、高寿命、高効率、低コストであり、活性エネルギー線源として期待されている。紫外線源を要する場合は、紫外LED及び紫外LDを使用することができる。例えば、日亜化学(株)は、主放出スペクトルが365nmと420nmとの間の波長を有する紫色LEDを上市している。本発明で好ましい光源は、350〜420nmにピーク波長を有する紫外LEDである。
本発明の画像形成方法においては、必要に応じて、記録媒体上に付与されたインク組成物中のインク溶媒(例えば、水、水溶性有機溶剤等)を乾燥除去するインク乾燥工程を備えていてもよい。インク乾燥工程は、インク溶媒の少なくとも一部を除去できれば特に制限はなく、通常用いられる方法を適用することができる。
本発明の画像形成方法に用いる記録媒体には、特に制限はないが、一般のオフセット印刷などに用いられる、いわゆる上質紙、コート紙、アート紙などのセルロースを主体とする一般印刷用紙を用いることができる。
反応容器に、スチレン6部、ステアリルメタクリレート11部、スチレンマクロマーAS−6(東亜合成(株)製)4部、ブレンマーPP−500(日油(株)製)5部、メタクリル酸5部、2−メルカプトエタノール0.05部、及びメチルエチルケトン24部を加え、混合溶液を調液した。
上記で得られたポリマー分散剤1溶液を固形分換算で5.0g、マゼンタ顔料Pigment Red122(大日精化(株)製)10.0g、メチルエチルケトン40.0g、1mol/L(リットル;以下同様)の水酸化ナトリウム8.0g 及びイオン交換水82.0gを、0.1mmジルコニアビーズ300gと共にベッセルに供給し、レディーミル分散機(アイメックス社製)を用いて1000rpmで6時間分散した。得られた分散液をエバポレーターでメチルエチルケトンが充分に留去できるまで減圧濃縮し、さらに顔料濃度が10%になるまで濃縮して、水分散性顔料が分散した顔料分散液Mを調製した。
得られた顔料分散液Mの体積平均粒子径(二次粒子)を、Micorotrac粒度分布測定装置(商品名Version 10.1.2−211BH、日機装(株)製)を用
いて動的光散乱法により測定したところ、84nmであった。
顔料分散液Mの調製において、顔料として用いたPigment Red122の代わりに、Irgalite Yellow GS(ピグメント・イエロー74、BASF・ジャパン社製)を用いた以外は顔料分散液Mの調製と同様にして樹脂被覆イエロー顔料の顔料分散液Yを得た。
得られた顔料分散液Yの体積平均粒子径(二次粒子)を、顔料分散液Mと同様にして測定したところ、75nmであった。
顔料分散液Mの調製において、顔料として用いたPigment Red122の代わりに、顔料分散体カーボンブラック(三菱化学(株)製MA−100)を用いた以外は顔料分散液Mの調製と同様にして樹脂被覆ブラック顔料の顔料分散液Kを得た。
得られた顔料分散液Kの体積平均粒子径(二次粒子)を、顔料分散液Mと同様にして測定したところ、80nmであった。
顔料分散液Cとして、CABO−JET250C(PB15:4)(CABOT(株)製、シアン顔料の分散液)を用意した。顔料分散液Cの体積平均粒子径(二次粒子)を、顔料分散液Mと同様にして測定したところ、110nmであった。
攪拌機を備えた1Lの三口フラスコに4,7,10−トリオキサ−1,13−トリデカンジアミン40.0g(182mmol)、炭酸水素ナトリウム37.8g(450mmol)、水100g、テトラヒドロフラン300gを加えて、氷浴下、アクリル酸クロリド35.2g(389mmol)を20分かけて滴下した。滴下後、室温で5時間攪拌した後、得られた反応混合物から減圧下でテトラヒドロフランを留去した。次に水層を酢酸エチル200mlで4回抽出し、得られた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後、ろ過を行い、減圧下溶媒留去することにより下記構造の重合性モノマー(B−1)の固体を35.0g(107mmol、収率59%)得た。
(B−1)
下記構造の重合性モノマー(B−2)は前記(B−1)の合成に準じて合成することができる。
(B−2)
攪拌機、温度計、還流冷却管、及び窒素ガス導入管を備えた2リットル三口フラスコに、メチルエチルケトン360.0gを仕込んで、75℃まで昇温した。その後、フラスコ内温度を75℃に保ちながら、フェノキシエチルアクリレート180.0g、メチルメタクリレート162.0g、アクリル酸18.0g、メチルエチルケトン72g、及び「V−601」(和光純薬(株)製)1.44gからなる混合溶液を、2時間で滴下が完了するように等速で滴下した。滴下完了後、これに「V−601」0.72g及びメチルエチルケトン36.0gからなる溶液を加え、75℃で2時間攪拌後、さらに「V−601」0.72g及びイソプロパノール36.0gからなる溶液を加え、75℃で2時間攪拌した。その後、85℃に昇温して、さらに2時間攪拌を続け、フェノキシエチルアクリレート/メチルメタクリレート/アクリル酸(=50/45/5[質量比])共重合体の樹脂溶液を得た。
得られた共重合体の上記ポリマー分散剤1と同様に測定した重量平均分子量(Mw)は、64,000(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によりポリスチレン換算で算出)であり、酸価は38.9mgKOH/gであった。
下記表1に示す成分を混合し、メンブレンフィルタ(孔径5μm)でろ過して、インク組成物1〜15、インク組成物21〜23を調製した。
※※表中、数値は含有量「質量%」を表す。)
(A−1)
(B−1)
(B−2)
n=100(重量%)
(a−1)
n=100(重量%)
(a−2)
n:m=60:40(重量%)
(a−3)
n:m=50:50(重量%)
(a−4)
n:m=30:70(重量%)
(a−5)
下記の(処理液1の組成)に示す成分を混合して、処理液1を調製した。pHメーター(東亜DKK(株)製WM−50EG)にて、処理液1のpH(25℃)を測定したところ、1.02であった。
・マロン酸((成分f)、和光純薬工業(株)製) ・・・25%
・ジエチレングリコールモノメチルエーテル(和光純薬工業(株)製) ・・・20%
・エマルゲンP109(花王(株)製、ノニオン性界面活性剤) ・・・1%
・イオン交換水 ・・・合計で100%となる残量
(処理液2の組成)
・マロン酸((成分f)、和光純薬工業(株)製) ・・・25%
・ジエチレングリコールモノメチルエーテル(和光純薬工業(株)製) ・・・20%
・エマルゲンP109(花王(株)製、ノニオン性界面活性剤) ・・・1%
ポリビニルピロリドン(PVP K15、アイエスピー ジャパン(株)製
(成分a)) ・・・10%
イオン交換水 ・・・合計で100%となる残量
画像の形成は、下記の方法で行った。
上記で得られた処理液を、各々特菱アート両面N(三菱製紙(株)製)上に、ワイヤーバーコーターを用いて、約5μmの膜厚になるように塗布し乾燥させた。
処理液を付与した特菱アート両面Nを500mm/秒で稼動するステージ上に固定した。その後、上記で得られたインク組成物を、リコー社製GELJET GX5000のカートリッジに詰め替え、走査で解像度1200×600dpi(dot per inch)、打滴量3.5pL、ライン方式でシアン色、マゼンタ色、イエロー色、及びブラック色のベタ画像を印画した。
上記画像形成の方法で得られた、印画サンプルに粘着テープ(商標名:セロテープ(登録商標)、ニチバン社製)を、それぞれ印画サンプルにテープが全面に貼り付くように貼った後、直ちに剥がした。剥がしたテープへの色移りおよびテープ剥離部の紙面を観察し、下記評価基準に従って耐テープ密着性を評価した。
5…粘着テープに、色移りが認められず、紙面の画像剥離もなかった。
4…粘着テープに、色移りがわずかに認められたが、紙面の画像剥離は視認できなかった。
3…粘着テープに、色移りがわずかに認められ、紙面の画像剥離もわずかに視認できた。
2…粘着テープに、色移りが少なからず認められ、紙面の画像剥離も容易に視認できた。
1…全面的に粘着テープに色移りし、紙面の画像剥離が起こった。
※ 3〜5が実用に問題がない範囲である。
(株)リコー製GELJET GX5000プリンターヘッドを用意し、96本のノズルが並ぶラインヘッドの方向(主走査方向)を、ステージの移動方向(副走査方向)と直交する方向に合わせ、プリンターヘッドをインクジェット装置に固定した。前記プリンターヘッドに繋がる貯留タンクにインク組成物を充填した。
記録媒体として富士フイルム(株)製「画彩写真仕上げPro」を用意し、ヘッドのノズル配列方向(走査方向)に対して直交方向(主走査方向)に移動するステージに貼り付けた。
ステージを211mm/secで搬送方向(副走査方向)に移動させ、インク滴量3.4pL、吐出周波数10kHz、ノズル配列方向×搬送方向=75×1200dpiにて、1ノズル当り2000発打滴し、96本のラインを搬送方向に対して平行に印画した。このとき、すべてのノズルが吐出されていることを確認した。
インク吐出後、ヘッドをそのままの状態で一定時間(5〜45分まで5分間隔)放置し、新しい記録媒体をステージに貼付し、再び同じ条件で打滴してラインを印画した。2000発打滴で96本のノズルすべてが吐出可能である放置時間の長さにより、以下の評価基準に従って吐出回復性を評価した。放置時間が長いほど吐出回復性が良好である。
5:45分以上
4:30以上45分未満
3:20分以上30分未満
2:10分以上20分未満
1:10分未満
3〜5が実用に問題がない範囲である。
表2に示すように、本発明のインク組成物は、耐テープ密着性を抑制し、吐出回復性に優れた画像が得られた。
Claims (17)
- (成分a)下記式(1)で表される繰り返し単位及び下記式(2)で表される繰り返し単位を含む重合体、
(成分b1)(メタ)アクリルアミド構造を有する単官能重合性モノマー、
(成分b2)多官能重合性モノマー、
(成分c)重合開始剤、
(成分d)水、及び
(成分e)着色剤
を含有するインク組成物。
(式(1)中、mは2〜15の整数を表し、R1は水素原子又はメチル基を表す。)
(式(2)中、R 2 は、アルキル基を表す。R 3 は水素原子又はメチル基を表す。) - 前記式(1)において、m=3である、請求項1に記載のインク組成物。
- 前記式(1)において、m=5である、請求項1に記載のインク組成物。
- 前記(成分a)重合体中に、前記式(1)で表される繰り返し単位を50質量%以上含む、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のインク組成物。
- インク組成物中の重合性モノマーの合計含有量に対する前記(成分b1)(メタ)アクリルアミド構造を有する単官能重合性モノマーの含有量が、25質量%〜99.5質量%である、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のインク組成物。
- 前記(成分b1)(メタ)アクリルアミド構造を有する単官能重合性モノマーが、下記式(M−1)で表される重合性モノマーである、請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載のインク組成物。
(式(M−1)中、Q1はヒドロキシアルキル基、ジメチルアミノアルキル基、並びに、飽和もしくは不飽和の複素環構造を有する化合物およびポリオール類から1つの水素原子または水酸基が除去された残基からなる群より選ばれた基を表し、Rmは水素原子またはメチル基を表す。) - 前記(成分b2)多官能重合性モノマーが、(メタ)アクリルアミド構造を有する多官能重合性モノマーである、請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載のインク組成物。
- 前記(成分b2)多官能重合性モノマーが、下記式(M−2)で表される重合性モノマーである、請求項7に記載のインク組成物。
(式(M−2)中、Q2はオキシアルキレン基を含むポリオール類の残基から選ばれたn価の連結基を表し、R2mは水素原子またはメチル基を表す。また、nは2以上の整数を表す。) - 前記重合開始剤が、光重合開始剤である、請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載のインク組成物。
- 前記重合開始剤が、芳香族ケトン類である、請求項1〜請求項9のいずれか1項に記載のインク組成物。
- 前記(成分a)重合体の含有量が、インク組成物の全量に対し、0.5質量%〜30質量%である、請求項1〜請求項10のいずれか1項に記載のインク組成物。
- インクジェット記録用である、請求項1〜請求項11のいずれか1項に記載のインク組成物。
- 請求項1〜請求項12のいずれか1項に記載のインク組成物と、
(成分f)該インク組成物と接触して凝集体を形成しうる凝集剤を含有する処理液とを含むインクセット。 - 前記処理液が、更に前記(成分a)重合体を含有する、請求項13に記載のインクセット。
- (成分b1)(メタ)アクリルアミド構造を有する単官能重合性モノマー、
(成分b2)多官能重合性モノマー、
(成分c)重合開始剤、
(成分d)水、及び
(成分e)着色剤
を含むインク組成物と、
(成分f)該インク組成物と接触して凝集体を形成しうる凝集剤を含有する処理液とを含み、
前記処理液が(成分a)下記式(1)で表される繰り返し単位を含む重合体を含有する、インクセット。
(式(1)中、mは2〜15の整数を表し、R1は水素原子又はメチル基を表す。) - 請求項1〜請求項12のいずれか1項に記載されたインク組成物を、記録媒体上に付与するインク付与工程と、
前記付与したインク組成物に活性エネルギー線を照射する照射工程と、を含む画像形成方法。 - 請求項13〜請求項15のいずれか1項に記載のインクセットに含まれる処理液を、記録媒体上に付与する処理液付与工程と、
該インクセットに含まれるインク組成物を、記録媒体上に付与して画像を形成するインク付与工程と、を有する画像形成方法。
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