JP5972623B2 - 光重合開始剤、及びそれを用いたインク組成物 - Google Patents
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Description
光硬化型インクジェット記録用インクは、通常、重合性化合物と重合開始剤とを含有する水性インクによって画像を形成し、光を照射することで画像を硬化させて定着させる。光源としては紫外(UV)領域の光を用いるのが一般的である。光照射によりインク成分の大部分が硬化するため、溶剤系インクと比べて乾燥性に優れ、また、画像がにじみにくいことから、種々の記録媒体に印字できる点で優れた方式である。
さらに近年、省エネ・省スペースの観点から、従来の水銀灯等にかえて、UV光源のLED化が望まれている。しかし、前述のα−ヒドロキシアセトフェノン系光重合開始剤は吸収波長が短波長(280nm付近)であり、UV−LED光源(365nm付近)で重合を開始することができない。これに対し、365nm付近の光感度が高い光重合開始剤として、ベンジルケタール系の化合物が報告されている(例えば、特許文献2〜4)。しかし、これらの化合物も水等の水溶性溶媒への溶解性が未だ十分とは言えない。
また、本発明は、当該化合物を光重合開始剤として配合した、光硬化性に優れたインク組成物を提供することを課題とする。さらに、本発明は、当該インク組成物を用いたインクセット、及び画像記録方法を提供することを課題とする。
<1> 下記一般式(1)で表される化合物。
<2> 前記R12が、アルキル基、又は−Y1−Z1で表される基(Y1は炭素原子数1〜10の、アルキレン基又は−R 13 OR 14 −で表される基を表す。ここで、R 13 及びR 14 は、それぞれ独立にアルキレン基を表す。Z1は水酸基、カルボン酸(塩)基、スルホン酸(塩)基、4級アンモニウム(塩)基又はアンモニウム(塩)基を表す。)である、<1>項記載の化合物。
<3> 前記一般式(1)で表される化合物が、下記一般式(3)で表される化合物である<1>又は<2>項記載の化合物。
<4> 前記R3が前記一般式(2)で表される基である<1>〜<3>項のいずれか1項に記載の化合物。
<5> 前記R6〜R10の少なくとも1つが、前記一般式(2)で表される基である<1>〜<4>項のいずれか1項に記載の化合物。
<6> <1>〜<5>項のいずれか1項に記載の化合物からなる光重合開始剤。
<7> <6>項記載の光重合開始剤、及び重合性化合物を含有するインク組成物。
<8> 前記重合性化合物が、(メタ)アクリルアミド化合物、(メタ)アクリレート化合物、及びビニル化合物から選ばれる少なくとも1種である<7>項に記載のインク組成物。
<9> 前記重合性化合物が、2官能以上の(メタ)アクリルアミド化合物である<7>又は<8>項に記載のインク組成物。
<10> 水系媒体を含有する<7>〜<9>項のいずれか1項に記載のインク組成物。
<11> 着色剤を含有する<7>〜<10>項のいずれか1項に記載のインク組成物。
<12> <7>〜<11>項のいずれか1項に記載のインク組成物と、該水性インク組成物を凝集する処理液とからなるインクセット。
<13> 前記処理液が、酸、多価金属塩、及びカチオン性ポリマーから選ばれる少なくとも1種を含有する<12>項記載のインクセット。
<14> <12>又は<13>項記載の処理液を、記録媒体上に付与する処理液付与工程と、<7>〜<11>項のいずれか1項に記載のインク組成物を、記録媒体上に付与して画像を形成するインク付与工程と、を含む画像形成方法。
<15> 前記記録媒体が塗工紙である<14>項記載の画像形成方法。
<16> 前記処理液付与工程がインク付与工程よりも先に行われる<14>又は<15>項記載の画像形成方法。
<17> 前記インク付与工程が、インクジェット記録方式によりインクを付与するものである<14>〜<16>項のいずれか1項に記載の画像形成方法。
本発明において、「(メタ)アクリレート」はアクリレート及びメタクリレートの双方又はいずれかを表し、「(メタ)アクリルアミド」はアクリルアミド及びメタクリルアミドの双方又はいずれかを表す。
また、本発明において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
なお、本発明において置換基に関してxxx基というときには、そのxxx基に任意の置換基を有していてもよい。また、同一の符合で示された基が複数ある場合は、互いに同じであっても異なっていてもよい。
R1〜R10の下記一般式(2)で表される基以外の置換基としては、ハロゲン原子、アルキル基(直鎖、分岐、環状(シクロアルキル基、ビシクロアルキル基、トリシクロアルキル基等)を含む)、アルケニル基(直鎖、分岐、環状(シクロアルケニル基、ビシクロアルケニル基等)を含む)、アルキニル基、アリール基、複素環基(ヘテロ環基)、シアノ基、ヒドロキシ基、ニトロ基、カルボキシ基(又はその塩)、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アミノ基(アニリノ基を含む)、アンモニオ基、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキル及びアリールスルホニルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、スルファモイル基、スルホ基、アルキル及びアリールスルフィニル基、アルキル及びアリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アリール及びヘテロ環アゾ基、イミド基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、ホスホノ基、シリル基、ヒドラジノ基、ウレイド基、ボロン酸基(−B(OH)2)、ホスファト基(−OPO(OH)2、又はその塩)、スルファト基(−OSO3H、又はその塩)、その他の公知の置換基が挙げられる。以下、これらの置換基をまとめて「置換基R」という。
中でも、R1〜R10として好ましくは、水素原子、脂肪族炭化水素基(より好ましくは置換されてよいアルキル基、アルケニル基)、アリール基(より好ましくは置換されてよいフェニル基)、又はヘテロ環基である。さらに好ましくは、水素原子、アルキル基であり、特に好ましくは水素原子、無置換のアルキル基(好ましくは炭素原子数1〜10であり、より好ましくは炭素原子数1〜5、特に好ましくは炭素原子数1〜3)である。
R12の置換基としては、前述の置換基Rが挙げられる。好ましくは、脂肪族炭化水素基(より好ましくは置換されてよいアルキル基、アルケニル基)、アリール基(より好ましくは置換されてよいフェニル基)、又はヘテロ環基である。より好ましくは、置換されてよいアルキル基又はアルケニル基である。R12として特に好ましくは、アルキル基(無置換のアルキル基が好ましく、炭素原子数は好ましくは1〜10、より好ましくは1〜5、特に好ましくは1〜3である)、又は−Y1−Z1で表される基である。ここで、Y1は、炭素原子数1〜10の2価の連結基を表し、Z1は、水溶性基を表す。
Y1は、好ましくは炭素原子数1〜6、より好ましくは炭素原子数1〜3の2価の連結基である。当該連結基は、アルキレン基、又は−R13OR14−で表される基が好ましい。ここで、R13及びR14は、それぞれ独立にアルキレン基を表す。
Z1の水溶性基としては、水酸基、カルボン酸(塩)基、スルホン酸(塩)基、4級アンモニウム(塩)基、アンモニウム(塩)基などが挙げられる。これらの水溶性基は塩の状態であってもよく、水酸基、カルボン酸基、スルホン酸基等と塩を形成する対イオンの例としては、アルカリ金属イオン(例、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン)が、4級アンモニウム基やアンモニウム基等と塩を形成する対イオンの例としては、ハロゲン化物イオン(フッ化物イオン、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン等)が、それぞれ挙げられる。以下、これらの水溶性基及びその塩を「水溶性基W」という。これらの中でも、Z1は、水酸基、カルボン酸(塩)基、スルホン酸(塩)基、又はアンモニウム(塩)基であることが好ましい。
R11の置換基として、具体的には前述の置換基Rからアリール基及びヘテロ環基を除いた基が挙げられる。好ましくは、脂肪族炭化水素基であり、より好ましくは置換されてよいアルキル基又はアルケニル基である。R11として特に好ましくは、アルキル基(無置換のアルキル基が好ましく、炭素原子数は好ましくは1〜10、より好ましくは1〜5、特に好ましくは1〜3である)、又は下記一般式(3)の−Y2−Z2で表される基である。
一般式(1)中の複数のR11は、同じであっても異なってもよく、同じであることが好ましい。
Y2は前記Y1と同義で、炭素原子数1〜10の2価の連結基を表す。また、好ましい範囲も前記Y1と同様で、好ましくは炭素原子数1〜6、より好ましくは炭素原子数1〜3の2価の連結基である。当該連結基は、アルキレン基、又は−R15OR16−(R15及びR16は、それぞれ独立にアルキレン基を表す)で表される基が好ましい。
Z2は前記Z1と同義で、水溶性基を表し、水溶性基としては前述の「水溶性基W」が挙げられる。また、好ましい範囲も前記Z1と同様で、水酸基、カルボン酸(塩)基、スルホン酸(塩)基、又はアンモニウム(塩)基が好ましい。
また、Y2とZ2との好ましい組み合わせも、前記Y1とZ1との組み合わせと同様である。
一般式(3)中、複数のY2、Z2は、同じであっても異なってもよく、同じであることが好ましい。
一般式(1)又は(3)中に、一般式(2)で表される基が複数含まれる場合、複数のX1、R12はそれぞれ同じであっても異なってもよく、同じであることが好ましい。
ジアリールジケトン化合物及びメルカプト化合物は、目的とする化合物の構造に応じて、対応する置換基(例えば、上述のR1〜R11、一般式(2)で表される基等)で置換されているものを適宜用いることができる。このようなジアリールジケトン化合物は、市販品を入手、又は通常の合成方法により合成できる。ジアリールジケトン化合物の合成方法としては、例えば、特開2008−247940号公報等に記載の方法又はこれに準じた方法が例示できる。メルカプト化合物も市販品を入手、又は通常の合成方法により合成できる。
また、本発明の化合物は、紫外領域の光、特に365nm付近の光に対して高い感度を示し、ラジカルを発生する。発生したラジカルは、重合性化合物の重合反応を促進する。これらの特性により、本発明の化合物は水溶性の光重合開始剤として好適に用いることができる。本発明の化合物の光重合開始剤としての使用態様として、下記に説明する光硬化型の水溶性インク組成物が例示できる。
本発明のインク組成物は、光重合開始剤として少なくとも前記一般式(1)又は(3)で表される本発明の化合物を含有し、さらに重合性化合物を含有してなる。本発明の化合物からなる光重合開始剤と重合性化合物とを含むことにより、硬化感度に優れたインク組成物が得られ、当該インク組成物を用いて記録媒体上に画像を形成した後、光等の活性エネルギー線を照射することで、耐ブロッキング性に優れた画像を形成することができる。
また、本発明の化合物からなる光重合開始剤は水溶性であるため、水や水溶性溶媒を媒体として用いた水性インク組成物に適している。この観点から、本発明のインク組成物は、上記の成分に加えて、水系媒体を含有することが好ましい。また、本発明のインク組成物は、着色剤(色材)を含有しないクリアインク(無色インク)組成物とすることも、着色剤を含有するインク組成物とすることもできるが、着色剤を含有することが好ましい。
また、本発明のインク組成物は、特にインクジェット用のインク組成物に適している。
以下、本発明のインク組成物の各成分について説明する。
本発明のインク組成物に用いる光重合開始剤は、前記一般式(1)又は(3)で表される本発明の化合物(以下、「本発明の光重合開始剤」ともいう)である。光重合開始剤は、本発明の化合物を1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。インク組成物中の光重合開始剤の含有量は、固形成分の総量に対して、0.1〜40質量%であることが好ましく、1〜30質量%であることがより好ましく、5〜20質量%であることがさらに好ましい。
なお、本明細書において、「固形成分の総量」又は「全固形分」とは、組成物の全組成から溶剤成分を除いた成分の総質量をいう。
また、重合性化合物100質量部に対して、光重合開始剤を0.1〜30質量部用いることが好ましく、1〜20質量部用いることがより好ましく、5〜15質量部用いることがさらに好ましい。
本発明のインク組成物に用いる重合性化合物は、本発明の光重合開始剤によって重合反応を開始しうる化合物であれば特に限定されず、分子内にラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を少なくとも1つ有する化合物等を利用できる。重合性化合物は、モノマー、オリゴマー、ポリマー等のいずれであってもよい。
重合性化合物は、インク組成物の吐出安定性の観点から、水溶性の化合物であることが好ましい。重合性化合物の溶解度は、特に限定されないが、25℃における水への溶解度が2質量%以上であることが好ましく、5質量%以上であることがより好ましく、10質量%以上であることがさらに好ましく、20質量%以上であることが特に好ましく、任意の割合で水と均一に混合するものが最も好ましい。
このような重合性化合物として、具体的には、(メタ)アクリルアミド化合物、(メタ)アクリレート化合物、ビニル化合物、マレイミド化合物、ビニルスルホン化合物、N−ビニルアミド化合物、それらの誘導体等が例示できる。これらの化合物は2官能以上であることがより好ましい。さらに好ましくは、(メタ)アクリルアミド化合物、(メタ)アクリレート化合物、ビニル化合物であり、特に好ましくは、2官能以上の(メタ)アクリルアミド化合物である。また、本発明のインク組成物には、これらの重合性化合物を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。2種以上を併用する場合は、(メタ)アクリルアミド化合物、(メタ)アクリレート化合物、ビニル化合物、マレイミド化合物、ビニルスルホン化合物、及びN−ビニルアミド化合物から選択される2種以上を混合して用いることが好ましく、その内、少なくとも1種が(メタ)アクリルアミド化合物であることがより好ましい。
また、上記重合性化合物は、水溶性向上の観点から、分子内にポリ(エチレンオキシ)鎖、ポリ(プロピレンオキシ)鎖、イオン性基(例えばカルボキシル基、スルホ基など)、水酸基等を有していてもよい。
これらの(メタ)アクリルアミド化合物は、通常のアクリルアミド化合物の合成方法(例えば、参考文献としてJournal of the American Chemical Society, 1979, 101, 5383)を用いて合成することができる。
具体的には、単官能(メタ)アクリレート化合物として、イソアミル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソアミルスチル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシルジグリコール(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシプロピレングリコール(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイキシエチルコハク酸、2−(メタ)アクリロイキシエチル−2−ヒドロキシエチルフタル酸、ラクトン変性可とう性(メタ)アクリレート、t−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−(2−エトキシエトキシ)エチルアクリレート、シクロペンテニルアクリレート、シクロペンテニルオキシエチルアクリレート、ジシクロペンタニルアクリレート等が挙げられる。
多官能(メタ)アクリレート化合物としては、ビス(4−アクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化(2)ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート(ネオペンチルグリコールエチレンオキサイド2モル付加物をジアクリレート化した化合物)、プロポキシ化(2)ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート(ネオペンチルグリコールプロピレンオキサイド2モル付加物をジアクリレート化した化合物)、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、ジメチロールトリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、変性グリセリントリ(メタ)アクリレート、変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのプロピレンオキシド(PO)付加物ジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのエチレンオキシド(EO)付加物ジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
本発明のインク組成物は媒体を含有してもよく、水系媒体を含有することが好ましい。水系媒体は少なくとも水を含み、必要に応じて有機溶剤の少なくとも1種を含んでなる。
水系媒体に用いられる水は、イオン交換水、蒸留水などのイオン性不純物を含まない水が好ましい。
また、インク組成物中の水の含有量は、目的に応じて適宜選択されうるが、通常、インク組成物の全質量に対して、10〜95質量%であることが好ましく、30〜90質量%であることがより好ましい。
水系媒体は、水溶性有機溶剤を含むことが好ましい。水溶性有機溶剤を含有することで、乾燥防止、湿潤あるいは浸透促進の効果を得ることができる。乾燥防止には、噴射ノズルのインク吐出口においてインクが付着乾燥して凝集体ができ、目詰まりするのを防止する乾燥防止剤として用いられ、乾燥防止や湿潤には、水より蒸気圧の低い水溶性有機溶剤が好ましい。また、浸透促進には、紙へのインク浸透性を高める浸透促進剤として用いることができる。
水溶性有機溶剤は、1種単独で使用しても、2種類以上混合して使用してもよい。
インク組成物中の水溶性有機溶剤の含有量は、インク組成物の全質量に対して、1〜60質量%が好ましく、より好ましくは5〜40質量%である。
・n−C4H9O(AO)4−H(AO=EO又はPOで、比率はEO:PO=1:1)
・n−C4H9O(AO)10−H AO=EO又はPOで、比率はEO:PO=1:1)
・HO(AO)40−H(AO=EO又はPOで、比率はEO:PO=1:3)
・HO(AO)55−H(AO=EO又はPOで、比率はEO:PO=5:6)
・HO(PO)3−H
・HO(PO)7−H
・1,2−ヘキサンジオール
本発明のインク組成物は着色剤を含有することが好ましい。
本発明のインク組成物(以下、単に「インク」ということがある)は、単色画像の形成のみならず、多色画像(例えばフルカラー画像)の形成にも用いることができ、所望の1色又は2色以上を選択して画像形成することができる。フルカラー画像を形成する場合、インク組成物は、例えば、マゼンタ色調インク、シアン色調インク、およびイエロー色調インクとして用いることができる。また、色調を整えるために、更にブラック色調インクとして用いてもよい。
上記の各色調のインク組成物は、着色材(例えば顔料)の色相を所望により変更することにより調製できる。
前記有機顔料としては、例えば、アゾ顔料、多環式顔料、染料キレート、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラック、などが挙げられる。これらの中でも、アゾ顔料、多環式顔料などがより好ましい。前記アゾ顔料としては、例えば、アゾレーキ、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料、などが挙げられる。前記多環式顔料としては、例えば、フタロシアニン顔料、ぺリレン顔料、ぺリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、インジゴ顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフタロン顔料、などが挙げられる。前記染料キレートとしては、例えば、塩基性染料型キレート、酸性染料型キレート、などが挙げられる。
染料を保持した担体(着色剤)はそのまま、あるいは必要に応じて分散剤を併用して用いることができる。分散剤としては後述する分散剤を好適に用いることができる。
インク組成物中の着色剤(特に顔料)の含有量は、色濃度、粒状性、インク安定性、吐出信頼性の観点から、インク組成物の全質量に対して、1〜25質量%が好ましく、5〜20質量%がより好ましい。
本発明のインク組成物に用いる着色剤が顔料である場合、分散剤によって水系溶媒に分散された着色粒子(以下、単に「着色粒子」という)を構成していることが好ましい。
前記分散剤としては、ポリマー分散剤でも低分子の界面活性剤型分散剤でもよい。また、ポリマー分散剤としては水溶性ポリマー分散剤でも水不溶性ポリマー分散剤の何れでもよい。本発明においては、分散安定性とインクジェット方式に適用した場合の吐出性の観点から、水不溶性ポリマー分散剤であることが好ましい。
本発明における水不溶性ポリマー分散剤(以下、単に「分散剤」ということがある)としては、水不溶性のポリマーであって、顔料を分散可能であれば特に制限は無く、従来公知の水不溶性ポリマー分散剤を用いることができる。水不溶性ポリマー分散剤は、例えば、疎水性の構成単位と親水性の構成単位の両方を含んで構成することができる。
また前記親水性構成単位を構成するモノマーとしては、親水性基を含むモノマーであれば特に制限はない。前記親水性基としては、ノニオン性基、カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基等を挙げることができる。尚、ノニオン性基としては、水酸基、(窒素原子が無置換の)アミド基、アルキレンオキシド重合体(例えば、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド等)に由来する基、糖アルコールに由来する基等が挙げられる。
本発明における親水性構成単位は、分散安定性の観点から、少なくともカルボキシル基を含むことが好ましく、ノニオン性基とカルボキシル基を共に含む形態であることもまた好ましい。
ここで「(メタ)アクリル酸」は、アクリル酸またはメタクリル酸を意味する。
着色粒子中の分散剤の含有量が、上記範囲であることにより、顔料が適量の分散剤で被覆され、粒径が小さく経時安定に優れた着色粒子を得やすい傾向となり好ましい。
工程(1):顔料、分散剤、および該分散剤を溶解または分散する有機溶剤と共に、塩基性物質を含み、水を主成分とする溶液を含有する混合物を分散処理する工程
工程(2):分散処理後の混合物から、前記有機溶剤の少なくとも一部を除去する工程
また、必要に応じて、縦型もしくは横型のサンドグラインダー、ピンミル、スリットミル、超音波分散機等を用い、0.01〜1mmの粒径のガラス、ジルコニア等でできたビーズを用いた微分散処理を行うことにより得ることができる。
本発明のインク組成物において、上記着色粒子は、1種単独で、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
また、着色剤(または着色粒子)の粒径分布に関しては、特に制限は無く、広い粒径分布又は単分散性の粒径分布のいずれであってもよい。また、単分散性の粒径分布を持つ着色剤を、2種以上混合して使用してもよい。
尚、着色剤(または着色粒子)の体積平均粒径および粒径分布は、例えば、光散乱法を用いて測定することができる。
本発明のインク組成物は、本発明の化合物以外の重合開始剤(以下、「他の重合開始剤」という)を任意量、含有してもよい。
他の重合開始剤としては、ラジカル重合開始剤が好ましい。このラジカル重合開始剤として具体的には、(a)芳香族ケトン類、(b)アシルホスフィン化合物、(c)芳香族オニウム塩化合物、(d)有機化酸化物、(e)チオ化合物、(f)ヘキサアリールビイミダゾール化合物、(g)ケトオキシムエステル化合物、(h)ボレート化合物、(i)アジニウム化合物、(j)メタロセン化合物、(k)活性エステル化合物、(l)炭素ハロゲン結合を有する化合物、並びに(m)アルキルアミン化合物等が挙げられる。より具体的には、加藤清視著「紫外線硬化システム」(株式会社総合技術センター発行:平成元年)の第65〜148頁に記載されている重合開始剤などを挙げることができる。
他の重合開始剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明のインク組成物は、樹脂粒子を含有することが好ましい。樹脂粒子を含むことにより、インク組成物の記録媒体への定着性、画像の耐擦性、耐ブロッキング性を効果的に向上させることができる。
また、樹脂粒子は、後述の処理液又はこれを乾燥させた紙領域と接触した際に凝集、又は分散不安定化してインクを増粘させることにより、インク組成物、すなわち画像を固定化させる機能を有することが好ましい。このような樹脂粒子は、水および有機溶剤の少なくとも1種に分散されているものが好ましい。
樹脂粒子の重量平均分子量は1万以上、20万以下が好ましく、より好ましくは10万以上、20万以下である。
また樹脂粒子の平均粒径は、10nm〜1μmの範囲が好ましく、10〜200nmの範囲がより好ましく、20〜100nmの範囲が更に好ましく、20〜50nmの範囲が特に好ましい。
樹脂粒子のガラス転移温度Tgは30℃以上であることが好ましく、40℃以上がより好ましく、50℃以上がさらに好ましい。
また、樹脂微子の粒径分布に関しては、特に制限は無く、広い粒径分布を持つもの、又は単分散の粒径分布を持つもの、いずれでもよい。また、単分散の粒径分布を持つ樹脂粒子を、2種以上混合して使用してもよい。
本発明のインク組成物は、必要に応じて、界面活性剤を含有してもよい。界面活性剤は、表面張力調整剤として用いることができる。
表面張力調整剤として、分子内に親水部と疎水部を合わせ持つ構造を有する化合物等が有効に使用することができ、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、ベタイン系界面活性剤のいずれも使用することができる。更に、上記の分散剤(高分子分散剤)を界面活性剤としても用いてもよい。
本発明においては、インクの打滴干渉抑制の観点から、ノニオン性界面活性剤が好ましく、中でもアセチレングリコール誘導体がより好ましい。
インク組成物中の界面活性剤の含有量は、前記表面張力となる範囲が好ましいこと以外は特に制限はなく、インク組成物の全質量に対して、1質量%以上が好ましく、より好ましくは1〜10質量%であり、更に好ましくは1〜3質量%である。
インク組成物は、上記の成分に加え、必要に応じて更にその他成分として各種の添加剤を含むことができる。
前記各種の添加剤としては、例えば、紫外線吸収剤、褪色防止剤、防黴剤、pH調整剤、防錆剤、酸化防止剤、乳化安定剤、防腐剤、消泡剤、粘度調整剤、分散安定剤、キレート剤、固体湿潤剤等の公知の添加剤が挙げられる。
インク組成物中の防黴剤の含有量は、インク組成物の全質量に対して、0.02〜1.00質量%の範囲とするのが好ましい。
本発明のインク組成物の表面張力(25℃)としては、20mN/m以上60mN/m以下であることが好ましい。より好ましくは、20mN以上45mN/m以下であり、更に好ましくは、25mN/m以上40mN/m以下である。
表面張力は、Automatic Surface Tensiometer CBVP-Z(協和界面科学株式会社製)を用い、インク組成物を25℃の条件下で測定される。
粘度は、VISCOMETER TV−22(TOKI SANGYO CO.LTD製)を用い、インク組成物を25℃の条件下で測定される。
本発明のインクセットは、上述した本発明のインク組成物と、当該インク組成物と接触して凝集体を形成可能な凝集剤を含有する処理液と、を含む。
重合性化合物及び本発明の重合開始剤を含むインク組成物と、凝集剤を含む処理液とを用いて画像を形成することにより、良好な画像品質で、硬化感度が高く、耐ブロッキング性に優れた画像が形成できる。
以下、インクセットの処理液について説明する。
インクセットの処理液は、インク組成物中の成分を凝集させる凝集剤を少なくとも含み、必要に応じてその他の成分を含んで構成される。
処理液に用いる凝集剤は、記録媒体上においてインク組成物と接触することにより、インク組成物を凝集(固定化)することができるものであり、固定化剤として機能する。例えば、処理液を記録媒体(好ましくは、塗工紙)に付与することにより記録媒体上に凝集剤が存在している状態で、インク組成物がさらに着滴して凝集剤に接触することにより、インク組成物中の成分を凝集させて、インク組成物を記録媒体上に固定化することができる。
凝集剤としては、酸性化合物、多価金属塩、カチオン性ポリマーを挙げることができる。これらは1種単独でも、2種以上を併用することができる。
酸性化合物としては、例えば、硫酸、塩酸、硝酸、リン酸、ポリアクリル酸、酢酸、グリコール酸、マロン酸、リンゴ酸、マレイン酸、アスコルビン酸、コハク酸、グルタル酸、フマル酸、クエン酸、酒石酸、乳酸、スルホン酸、オルトリン酸、メタリン酸、ピロリドンカルボン酸、ピロンカルボン酸、ピロールカルボン酸、フランカルボン酸、ピリジンカルボン酸、クマリン酸、チオフェンカルボン酸、ニコチン酸、およびこれらの化合物の誘導体、ならびにこれらの塩等が好適に挙げられる。
酸性化合物は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
多価金属塩は、アルカリ土類金属、亜鉛族金属等の2価以上の金属を含む化合物であり、Ca2+、Cu2+、Al3+等の金属イオンの酢酸塩、酸化物等を挙げることができる。
本発明において、前記多価金属塩を含む処理液が付与された記録媒体(好ましくは、塗工紙)にインク組成物を吐出したときのインク組成物の凝集反応は、インク組成物中に分散した粒子、例えば、顔料に代表される着色剤や、樹脂粒子等の粒子の分散安定性を減じ、インク組成物全体の粘度を上昇させることで達成することができる。例えば、インク組成物中の顔料や、樹脂粒子などの粒子がカルボキシル基等の弱酸性の官能基を有するとき、当該粒子は前記弱酸性の官能基の働きにより分散安定化しているが、当該粒子の表面電荷を、多価金属塩と相互作用させることにより減じ、分散安定性を低下することができる。したがって、処理液に含まれる固定化剤としての多価金属塩は、凝集反応の観点で、価数が2価以上、すなわち多価であることが必要であり、凝集反応性の観点で、3価以上の多価金属イオンからなる多価金属塩であることが好ましい。
多価金属イオンと陰イオンとは、それぞれ単独種または複数種を用いて多価金属イオンと陰イオンとの塩を形成することができる。
また、陰イオンとしては、溶解性などの観点から、NO3 −が特に好ましい。
前記多価金属塩は、1種単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
カチオン性ポリマーとしては、ポリ(ビニルピリジン)塩、ポリアルキルアミノエチルアクリレート、ポリアルキルアミノエチルメタクリレート、ポリ(ビニルイミダゾール)、ポリエチレンイミン、ポリビグアニド、及びポリグアニドから選ばれる少なくとも1種のカチオン性ポリマーである。
カチオン性ポリマーは、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記カチオン性ポリマーの中でも、凝集速度の観点で有利な、ポリグアニド(好ましくは、ポリ(ヘキサメチレングアニジン)アセテート、ポリモノグアニド、ポリメリックビグアニド)、ポリエチレンイミン、ポリ(ビニルピリジン)が好ましい。
カチオン性ポリマーの塗工紙への付与量としては、インク組成物を安定化させるに足る量であれば特に制限はないが、インク組成物を固定化し易いとの観点から、0.5g/m2〜4.0g/m2であることが好ましく、0.9g/m2〜3.75g/m2であることがより好ましい。
本発明の画像形成方法は、前記インクセットに含まれる処理液を、記録媒体上に付与する処理液付与工程と、前記インクセットに含まれるインク組成物を、記録媒体上に付与して画像を形成するインク付与工程と、を少なくとも含み、必要に応じてその他の工程をさらに含んで構成される。
本発明の画像形成方法に用いる記録媒体には、特に制限はないが、一般のオフセット印刷などに用いられる、いわゆる上質紙、コート紙、アート紙などのセルロースを主体とする一般印刷用紙を用いることができる。セルロースを主体とする一般印刷用紙は、水性インクを用いた一般のインクジェット法による画像記録においては比較的インクの吸収、乾燥が遅く、打滴後に色材移動が起こりやすく、画像品質が低下しやすいが、本発明のインクジェット記録方法によると、色材移動を抑制して色濃度、色相に優れた高品位の画像の記録が可能である。
処理液付与工程では、前記インクセットに含まれる凝集剤を含む処理液が記録媒体上に付与される。処理液の記録媒体への付与は、公知の液体付与方法を特に制限なく用いることができ、スプレー塗布、塗布ローラー等の塗布、インクジェット方式による付与、浸漬などの任意の方法を選択することができる。
インク付与工程では、前記インクセットに含まれるインク組成物が記録媒体上に付与される。インク組成物の付与方法としては、所望の画像様にインク組成物を付与可能な方法であれば、特に制限はなく公知のインク付与方法を用いることができる。例えば、インクジェット方式、謄写方式、捺転方式等の手段により、記録媒体上にインク組成物を付与する方法を挙げることができる。中でも、記録装置のコンパクト化と高速記録性の観点から、インク組成物をインクジェット方式によって付与する工程であることが好ましい。
インクジェット方式による画像形成では、エネルギーを供与することにより、記録媒体上にインク組成物を吐出し、着色画像を形成する。なお、本発明に好ましいインクジェット記録方法として、特開2003−306623号公報の段落番号0093〜0105に記載の方法が適用できる。
また、インクジェット方式で用いるインクジェットヘッドは、オンデマンド方式でもコンティニュアス方式でも構わない。さらに前記インクジェット方式により記録を行う際に使用するインクノズル等についても特に制限はなく、目的に応じて、適宜選択することができる。
尚、前記インクジェット方式には、フォトインクと称する濃度の低いインクを小さい体積で多数射出する方式、実質的に同じ色相で濃度の異なる複数のインクを用いて画質を改良する方式や無色透明のインクを用いる方式が含まれる。
本発明の画像形成方法は、記録媒体上に付与されたインク組成物に活性エネルギー線を照射する工程を含むことが好ましい。活性エネルギー線を照射することでインク組成物に含まれる重合性化合物が重合して、着色剤を含む硬化膜を形成する。これにより画像の耐擦性、耐ブロッキング性がより効果的に向上する。
処理液中に酸性化合物が含まれる場合は、この活性エネルギー線照射の際、当該化合物から供給される酸によりインク組成物がさらに凝集(固定化)し、画像部品質(耐擦性・耐ブロッキング性等)が向上する。
活性エネルギー線の出力としては、5000mJ/cm2以下であることが好ましく、10〜4000mJ/cm2であることがより好ましく、20〜3000mJ/cm2であることがさらに好ましい。
本発明においては、発光ダイオード(LED)およびレーザーダイオード(LD)を活性エネルギー線源として用いることが可能である。特に、紫外線源として、紫外LED(UV−LED)および紫外LD(UV−LD)を使用することができる。例えば、日亜化学(株)は、主放出スペクトルが365nmと420nmとの間の波長を有する紫色LEDを上市している。
本発明で特に好ましい活性エネルギー線源は、UV−LEDであり、特に好ましくは、350〜420nmにピーク波長を有するUV−LEDである。
本発明の画像形成方法においては、必要に応じて、記録媒体上に付与されたインク組成物中の溶媒(例えば、水、前述の水系媒体など)を乾燥除去するインク乾燥工程を備えていてもよい。インク乾燥工程は、インク溶媒の少なくとも一部を除去できれば特に制限はなく、通常用いられる方法を適用することができる。
一般式(1)で表される光重合開始剤の具体例として、下記化合物A−4、A−7、A−11、A−16、A−18、A−19、A−26を下記の方法で合成した。
下記スキーム1に示すように、Chemische Berichte,1935,68,1588.;Tetrahedron,1970,26,1747記載の方法を参考にして化合物A−4を合成した。
p−アニシル1.0g(3.70mmol)、チオグリコール酸1.5ml(22.20mmol)をトルエン6ml中で攪拌し、p−トルエンスルホン酸一水和物0.42g(2.22mmol)を添加し、内温90℃で5時間加熱した。室温まで放冷し、析出物を吸引ろ過し、純水で洗浄した。これを真空乾燥することで、カルボン酸体を0.83g(1.90mmol、収率51%)得た。このカルボン酸体を純水6ml中で攪拌し、水酸化ナトリウム76mg(1.90mmol)添加した。室温中15分攪拌した後、純水をエバポレーターによって留去することで化合物A−4を0.91g得た。
1H NMR(400MHz,D2O):7.69(d,2H),7.32(d,2H),6.85(d,2H),6.68(d,2H),3.72(s,3H),3.69(s,3H),3.19(m,4H)
化合物A−4の合成におけるチオグリコール酸を、等モルの2−メルカプトエタンスルホン酸ナトリウムに変更すること以外は同様にして化合物A−7を合成した。
得られた化合物は1H NMRを用いて同定を行った。下記の結果から、化合物A−7であることを確認した。
1H NMR(400MHz,D2O):7.69(d,2H),7.31(d,2H),6.85(d,2H),6.68(d,2H),3.72(s,3H),3.69(s,3H),3.14−3.05(m,4H),2.80(m,4H)
下記スキーム2に示すように、Journal of Medicinal Chemistry, 1996, 39, 3418、及び特開2008−247940号公報に記載の方法を参考にしてジアリールジケトンを合成した後、2−メルカプトエタノールを用いて化合物A−11を合成した。
下記スキーム3に示すように化合物A−16を合成した。まず、特開2008−247940号公報に記載の方法を参考にして、下記スキーム3の出発物質であるジアリールジケトンを合成した。次に、これを用いて、化合物A−4の合成において、チオグリコール酸を等モルのメチルメルカプタンナトリウムに、トルエンを同量のテトラヒドロフランに、それぞれ変更した以外は同様にして化合物A−16を合成した。
得られた化合物は1H NMRを用いて同定を行い、化合物A−16であることを確認した。
下記スキーム4に示すように、2−(フェニルチオ)エタノールと塩化オキサリルから、特開2008−247940号公報記載の方法によりジアリールジケトンを合成し、これを用いて化合物A−4の合成と同様に化合物A−18を合成した。
1H NMR(400MHz,D2O):7.87(d,2H),7.59(d,2H),7.39(d,2H),7.28(d,2H),6.80(br,2H),4.24(m,4H),3.26(m,4H),3.20(m,4H)
化合物A−18と同様にジアリールジケトンを合成し、これを用いて化合物A−7の合成と同様にして化合物A−19を合成した。
得られた化合物は1H NMRを用いて同定を行った。下記の結果から、化合物A−19であることを確認した。
1H NMR(400MHz,D2O):7.88(d,2H),7.60(d,2H),7.39(d,2H),7.28(d,2H),6.80(br,2H),4.24(m,4H),3.26(m,4H),3.10(m,4H),2.81(m,4H)
下記スキーム5に示すように、2,6−ジメチルフェノールと2−ブロモエタノールからJournal of Medicinal Chemistry, 1996, 39, 3418記載の方法を参考に、ジメチルフェノキシエタノールを合成し、これを用いて化合物A−18と同様の方法でジアリールジケトンを合成した。得られたジアリールジケトンを出発物質とし、A−4の合成におけるチオグリコール酸を、等モルの3−メルカプトプロピオン酸に変更する以外はA−4の合成と同様にしてA−26を合成した。
得られた化合物は1H NMRを用いて同定を行い、化合物A−26であることを確認した。
上記で合成した化合物A−4、A−7、A−11、A−16、A−18、A−19、A−26を、水溶性光重合開始剤として用いて、下記のモノマー溶液(クリアインク組成物)を調製した。
下記に示す重合性化合物M−1〜M−6を合成した。
攪拌機を備えた1L容の三口フラスコにエチレンジアミン40.0g(666mmol)、水酸化ナトリウム90.0g(2250mmol)、水200g、アセトニトリル600mLを加えて、氷浴下、アクリル酸クロリド132.6g(1470mmol)を1時間かけて滴下した。滴下後、室温で5時間攪拌した後、得られた反応混合物から減圧下でアセトニトリルを留去した。次に水層をクロロホルム400mlで3回抽出し、得られた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後、ろ過を行い、減圧下溶媒留去することにより目的の重合性化合物M−1の白色固体を45.0g(266mmol、収率40%)得た。
攪拌機を備えた1L容の三口フラスコに4,7,10−トリオキサ−1,13−トリデカンジアミン40.0g(182mmol)、炭酸水素ナトリウム37.8g(450mmol)、水100g、テトラヒドロフラン200gを加えて、氷浴下、アクリル酸クロリド35.2g(389mmol)を20分かけて滴下した。滴下後、室温で5時間攪拌した後、得られた反応混合物から減圧下でテトラヒドロフランを留去した。次に水層を酢酸エチル200mlで4回抽出し、得られた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後、ろ過を行い、減圧下溶媒留去することにより目的の重合性化合物M−2の固体を35.0g(107mmol、収率59%)得た。
重合性化合物3の合成において、エチレンジアミンの代わりにジエチレントリアミンを等モル用いたこと以外は、重合性化合物M−1の合成と同様にして重合性化合物M−3を合成した。
重合性化合物M−4及びM−5は東京化成工業株式会社より購入したものを、重合性化合物M−6は和光純薬工業株式会社より購入したものをそれぞれ使用した。
重合性化合物M−1(500mg)、水溶性光重合開始剤A−4(50mg)をメタノール(2ml)に溶解させ、モノマー溶液1を調製した。
モノマー溶液1において、重合開始剤A−4又は重合性化合物M−1に代えて、表1に示す重合開始剤又は重合性化合物を同質量用いたこと以外は同様にして、比較用モノマー溶液15〜20を調製した。
なお、比較用化合物B−1〜B−5として、下記の化合物を用いた。
前述の化合物A−4の合成において、出発物質としてアニシルを等モルのベンジルに変更する以外は同様にして、比較用化合物B−2を合成した。
化合物B−2の合成において、チオグリコール酸を等モルの3−メルカプトプロピオン酸に変更する以外は同様にして比較用化合物B−3を合成した。
比較用化合物B−5:特開2008−247940号公報に記載の方法により合成して使用した。
上記で調製した重合開始剤及びモノマー溶液について、下記の性質を評価した。
[開始剤の水への溶解度]
モノマー溶液1〜20に用いた各重合開始剤について、20℃における水への溶解度を求めた。結果を表1に示す。
モノマー溶液1〜20(10μl)をそれぞれマイクロシリンジで銅薄膜上へ滴下し、これに紫外線照射装置として高圧水銀灯(EX250、HOYA−SCHOTT社製)を用いて60秒間露光した後、FT−IR(VARIAN社製、Varian 3100 FT−IR)によって重合率を求め、この値から相対感度(モル換算)を導いた(重合開始剤B−1を用いたモノマー溶液15を基準1.0とした)。結果を表1に示す。
先に調製したモノマー溶液1、2、5、10及び比較用モノマー溶液15、16、19(10μl)をそれぞれマイクロシリンジで銅薄膜上へ滴下し、これに365nmの光のみを透過するバンドパスフィルターを装着した紫外線照射装置(HOYA−SCHOTT社製、EX250)を用いて150秒間露光した後、FT−IR(VARIAN社製、Varian 3100 FT−IR)によって重合率を求め、この値から相対感度(モル換算)を導いた(比較例7(開始剤B−1)を基準1.0とした)。その結果を表2に示す。
[ポリマー分散剤P−1の合成]
攪拌機、冷却管を備えた1000ml容の三口フラスコにメチルエチルケトン88gを加えて窒素雰囲気下で72℃に加熱し、ここにメチルエチルケトン50gにジメチル2,2’−アゾビスイソブチレート0.85g、ベンジルメタクリレート60g、メタクリル酸10g、及びメチルメタクリレート30gを溶解した溶液を3時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに1時間反応した後、メチルエチルケトン2gにジメチル2,2’−アゾビスイソブチレート0.42gを溶解した溶液を加え、78℃に昇温して4時間加熱した。得られた反応溶液は大過剰量のヘキサンに2回再沈殿し、析出した樹脂を乾燥し、ポリマー分散剤P−1を96g得た。
得られた樹脂の組成は、1H−NMRで確認し、GPCより求めた重量平均分子量(Mw)は44,600であった。さらに、JIS規格(JISK0070:1992)に記載の方法により酸価を求めたところ、65.2mgKOH/gであった。
−樹脂被覆シアン顔料分散物−
ピグメント・ブルー15:3(フタロシアニンブルーA220、大日精化(株)製)10部と、上記ポリマー分散剤P−1を5部と、メチルエチルケトン42部と、1mol/L NaOH水溶液5.5部と、イオン交換水87.2部とを混合し、ビーズミルにより0.1mmφジルコニアビーズを用いて2〜6時間分散した。
得られた分散物を減圧下、55℃でメチルエチルケトンを除去し、更に一部の水を除去することにより、顔料濃度が10.2質量%の樹脂被覆シアン顔料の分散物(着色粒子)を得た。
上記樹脂被覆シアン顔料分散物の調製において、顔料として用いたフタロシアニンブルーA220の代わりに、Chromophthal Jet Magenta DMQ(ピグメント・レッド122、BASF・ジャパン社製)を用いた以外は上記と同様にして樹脂被覆マゼンタ顔料の分散物(着色粒子)を得た。
上記樹脂被覆シアン顔料分散物の調製において、顔料として用いたフタロシアニンブルーA220の代わりに、Irgalite Yellow GS(ピグメント・イエロー74、BASF・ジャパン社製)を用いた以外は上記と同様にして樹脂被覆イエロー顔料の分散物(着色粒子)を得た。
上記樹脂被覆シアン顔料分散物の調製において、顔料として用いたフタロシアニンブルーA220の代わりに、顔料分散体CAB−O−JETTM 200(カーボンブラック、CABOT社製)を用いた以外は上記と同様にして樹脂被覆ブラック顔料の分散物(着色粒子)を得た。
[インクセット1の調製]
以下のようにして、インク処方1のシアンインク(C1)、マゼンタインク(M1)、イエローインク(Y1)、ブラックインク(K1)、および、処理液1をそれぞれ調製し、これらのインク組成物と処理液1とからなるインクセット1を得た。
(シアンインクC1の調製)
上記の樹脂被覆シアン顔料の分散物を用い、下記インク処方1となるように、樹脂被覆シアン顔料分散物、イオン交換水、重合開始剤、重合性化合物、及び界面活性剤を混合し、その後、5μmメンブランフィルタでろ過してインク処方1のシアンインクC1を調製した。
・樹脂被覆シアン顔料分散物 ・・・ 6%
・化合物A−4(水溶性光重合開始剤) ・・・ 3%
・重合性化合物M−2 ・・・ 10%
・オルフィンE1010 ・・・ 1%
(日信化学(株)製;界面活性剤)
・イオン交換水 ・・・ 全体で100%となるように添加。
上記シアンインク(C1)の調製において、樹脂被覆シアン顔料の分散物の代わりに、樹脂被覆マゼンタ顔料の分散物を用いた以外は上記と同様にして、インク処方1のマゼンタインク(M1)を調製した。pH値は8.5であった。
上記シアンインク(C1)の調製において、樹脂被覆シアン顔料の分散物の代わりに、樹脂被覆イエロー顔料の分散物を用いた以外は上記と同様にして、インク処方1のイエローインク(Y1)を調製した。pH値は8.5であった。
上記シアンインク(C1)の調製において、樹脂被覆シアン顔料の分散物の代わりに、顔料分散物CAB−O−JETTM200(カーボンブラック分散物、CABOT社製)を用いた以外は上記と同様にして、インク処方1のブラックインク(K1)を調製した。pH値は8.5であった。
以下の材料を混合して、処理液1を作製した。東亜DKK(株)製のpHメーターWM−50EGにて、処理液1のpH(25℃)を測定したところ、1.0であった。
−処理液組成−
・マロン酸 25.0%
・トリプロピレングリコールモノメチルエーテル(水溶性有機溶媒)
5.0%
・イオン交換水 70.0%
インクセット1において、水溶性光重合開始剤A−4の代わりに、A−7、A−11、A−16、A−18、A−26を同質量用いたこと以外は同様にして、インク組成物C2〜C6、インク組成物M2〜M6、インク組成物Y2〜Y6、インク組成物K2〜K6をそれぞれ調製した。ここで、インク組成物C1、M1、Y1、K1からなるインクセットをインクセット1として、これと同様に、インク組成物C2〜C6、M2〜M6、Y2〜Y6、K2〜K6からなるインクセットをそれぞれインクセット2〜6とした。
インクセット1又は5において、それぞれ重合性化合物M−2の代わりにM−3を同質量用いたこと以外は同様にして、インクセット7、8を得た。
インクセット1において、光重合開始剤A−4の代わりにB−1、B−2、B−5を同質量用いたこと以外は同様にして、それぞれインクセット9〜11を得た。
記録媒体(塗工紙)として、特菱アート両面N(三菱製紙製)(坪量104.7g/m2)を用意して、以下に示すようにして画像を形成し、形成された画像について以下の評価を行なった。
このとき、ライン画像は、1200dpiの1ドット幅のライン、2ドット幅のライン、4ドット幅のラインをシングルパスで主走査方向に吐出することによりライン画像を形成した。
またベタ画像は、記録媒体をA5サイズにカットしたサンプルの全面にインク組成物を吐出することによりベタ画像を形成した。なお、記録する際の諸条件は下記の通りである。
記録媒体の全面に、アニロックスローラー(線数100〜300/インチ)で塗布量が制御されたロールコーターにて付与量が、1.4g/m2となるように処理液1を塗布した。
次いで、下記条件にて処理液1が塗布された記録媒体について乾燥処理及び浸透処理を施した。
・風速:10m/s
・温度:記録媒体の記録面側の表面温度が60℃となるように、記録媒体の記録面の反対側(背面側)から接触型平面ヒーターで加熱した。
その後、処理液が塗布された記録媒体の塗布面に、下記条件にてインク組成物をインクジェット方式で吐出し、ライン画像、ベタ画像をそれぞれ形成した。
・ヘッド:1,200dpi/20inch幅のピエゾフルラインヘッドを4色分配置
・吐出液滴量:2.0pL
・駆動周波数:30kHz
次いで、インク組成物が付与された記録媒体を下記条件で乾燥した。
・乾燥方法:送風乾燥
・風速:15m/s
・温度:記録媒体の記録面側の表面温度が60℃となるように、記録媒体の記録面の反対側(背面側)から接触型平面ヒーターで加熱した。
次に、高圧水銀ランプを用いて、記録画像に1000mJ/cm2のエネルギーとなる条件で、活性エネルギー線としての紫外線を照射し、画像記録物を得た。
得られた画像サンプルについて、以下のようにしてインクの硬化性試験、画像の耐ブロッキング試験を行った。結果を表3に示す。
未印字の特菱アート両面N(三菱製紙製)を文鎮(重量470g、サイズ15mm×30mm×120mm)に巻きつけ(未印字の特菱アートと評価サンプルが接触する面積は150mm2)、上記印画サンプルを3往復擦った(荷重260kg/m2に相当)。擦った後の印画面を目視により観察し、下記の評価基準にしたがって評価した。
(評価基準)
A … 印字面に画像(色材)のはがれが視認できなかった。
B … 印字面に画像(色材)のはがれがわずかに認められた。
C … 印字面に画像(色材)のはがれが視認でき、実用上問題になるレベルであった。
ベタ画像が記録された記録媒体の2cm四方のベタ部を印字直後、記録していない記録媒体(特菱アート両面N(三菱製紙製)(以下、本評価において未使用サンプルという。)を重ねて荷重350kg/m2をかけて、60℃、30%RHの環境条件下に、24時間放置した。未使用サンプルの白地部分へのインクの転写度合いを目視で観察し、下記の評価基準にしたがって評価した。
(評価基準)
A:インクの転写は全くなかった。
B:インクの転写はほとんど目立たなかった。
C:インクの転写が多少見られ、実用上の許容限界レベルであった。
D:インクの転写が顕著であった。
処理液1の代わりに下記組成の処理液2又は処理液3を用いる以外は、上記実施例2−1と同様にしてインクセットを調製し、画像形成を行った。
以下の材料を混合して、処理液2を作製した。東亜DKK(株)製のpHメーターWM−50EGにて、pH調整後の処理液2のpH(25℃)を測定したところ、4.0であった。
−処理液組成−
・ポリエチレンイミン(カチオン性ポリマー) 13.0%
・イオン交換水 87.0%
以下の材料を混合して、処理液3を作製した。東亜DKK(株)製のpHメーターWM−50EGにて、処理液3のpH(25℃)を測定したところ、4.0であった。
−処理液組成−
・硝酸マグネシウム :15%
・ジエチレングリコールモノエチルエーテル : 4%
・オルフィンE1010(日信化学工業株式会社製) : 1%
・イオン交換水 :80%
Claims (17)
- 前記R12が、アルキル基、又は−Y1−Z1で表される基(Y1は炭素原子数1〜10の、アルキレン基又は−R13OR14−で表される基を表す。ここで、R13及びR14は、それぞれ独立にアルキレン基を表す。Z1は水酸基、カルボン酸(塩)基、スルホン酸(塩)基、4級アンモニウム(塩)基又はアンモニウム(塩)基を表す。)である、請求項1記載の化合物。
- 前記R3が前記一般式(2)で表される基である請求項1〜3のいずれか1項に記載の化合物。
- 前記R6〜R10の少なくとも1つが、前記一般式(2)で表される基である請求項1〜4のいずれか1項に記載の化合物。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載の化合物からなる光重合開始剤。
- 請求項6記載の光重合開始剤、及び重合性化合物を含有するインク組成物。
- 前記重合性化合物が、(メタ)アクリルアミド化合物、(メタ)アクリレート化合物、及びビニル化合物から選ばれる少なくとも1種である請求項7記載のインク組成物。
- 前記重合性化合物が、2官能以上の(メタ)アクリルアミド化合物である請求項7又は8記載のインク組成物。
- 水系媒体を含有する請求項7〜9のいずれか1項に記載のインク組成物。
- 着色剤を含有する請求項7〜10のいずれか1項に記載のインク組成物。
- 請求項7〜11のいずれか1項に記載のインク組成物と、該水性インク組成物を凝集する処理液とからなるインクセット。
- 前記処理液が、酸、多価金属塩、及びカチオン性ポリマーから選ばれる少なくとも1種を含有する請求項12記載のインクセット。
- 請求項12又は13記載の処理液を、記録媒体上に付与する処理液付与工程と、請求項7〜11のいずれか1項に記載のインク組成物を、記録媒体上に付与して画像を形成するインク付与工程と、を含む画像形成方法。
- 前記記録媒体が塗工紙である請求項14記載の画像形成方法。
- 前記処理液付与工程がインク付与工程よりも先に行われる請求項14又は15記載の画像形成方法。
- 前記インク付与工程が、インクジェット記録方式によりインクを付与するものである請求項14〜16のいずれか1項に記載の画像形成方法。
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