JP5725322B2 - 充填材製造装置 - Google Patents

充填材製造装置 Download PDF

Info

Publication number
JP5725322B2
JP5725322B2 JP2009160883A JP2009160883A JP5725322B2 JP 5725322 B2 JP5725322 B2 JP 5725322B2 JP 2009160883 A JP2009160883 A JP 2009160883A JP 2009160883 A JP2009160883 A JP 2009160883A JP 5725322 B2 JP5725322 B2 JP 5725322B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
filler
plastic mesh
fabric
mesh
wave
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2009160883A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2011016043A (ja
Inventor
鈴木 良延
良延 鈴木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shimizu Corp
Original Assignee
Shimizu Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Shimizu Corp filed Critical Shimizu Corp
Priority to JP2009160883A priority Critical patent/JP5725322B2/ja
Publication of JP2011016043A publication Critical patent/JP2011016043A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5725322B2 publication Critical patent/JP5725322B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Disinfection, Sterilisation Or Deodorisation Of Air (AREA)
  • Gas Separation By Absorption (AREA)

Description

本発明は、湿式の空気浄化装置において、浄化対象空気中に含まれる汚染物質を吸収させる水又は薬液を保持するための充填材製造装置に関する。
従来、クリーンルーム内の汚染空気を浄化して循環利用する方法として、空気浄化装置が用いられている。このような空気浄化装置では、クリーンルーム内の汚染空気中に存在する汚染物質を液剤に接触させて除去する湿式浄化法によるものがあり、浄化した空気はクリーンルームで循環している。
ところで、上述した湿式浄化法による空気浄化装置では、汚染空気や浄化に用いる水又は薬液から装置内に微生物が侵入し、さらには繁殖するといった不具合が生じていた。そこで、このような微生物の装置内への侵入、繁殖を防止することを目的とした空気浄化装置が、例えば特許文献1に開示されている。
特許文献1は、親水性の布とステンレス金網とを縫製により一体化させるとともに、波形に形成させた充填材を空気浄化装置の洗浄部に備えたものであって、充填材によって水又は薬液と汚染空気との接触効率を向上させた構造について開示したものである。
特開2004−305919号公報
しかしながら、従来の空気浄化装置に設けられる充填材においては、以下のような問題があった。
すなわち、特許文献1では、ステンレス金網と布から製造される充填材が縫製であるので、その作業に手間がかかるという問題があった。
また、ステンレス金網の部材が高価であるうえ、ステンレス製であるので充填材自体の重量が大きく、充填材を保持するための容器などを堅固に製造する必要があり、コストが増大するといった問題があった。
本発明は、上述する問題点に鑑みてなされたもので、手間のかからない簡単な作業により製造することができ、しかもコストの低減が図れる充填材製造装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る充填材製造装置では、クリーンルーム内の汚染空気中に存在する汚染物質を液剤に接触させて除去するための空気浄化装置の洗浄部に積層させた状態で配置され、親水性を有する布地とプラスチックメッシュとからなる充填材の製造装置であって、周面に周方向に沿って波形が形成され、それぞれが中心軸線中心にして回転可能に設けられるとともに、互いの波形どうしを噛合させた一対の波目ロールと、一対の波目ロールのそれぞれの波形どうしが噛合する圧着部に、布地およびプラスチックメッシュを重ね合わせた状態で送り込む送出部と、一対の波目ロールを加熱するためのヒータと、布地とプラスチックメッシュとの送出方向の圧着部の下流位置で、布地に融着したプラスチックメッシュを冷却する第1冷却部と、プラスチックメッシュに接する側の波目ロールを冷却する第2冷却部と、一対の波目ロールの温度を調整する温度コントローラと、を備え、布地に接する側の波目ロールの温度は、圧着部において、プラスチックメッシュの溶融温度より高く、且つプラスチックメッシュに接する側の波目ロールの温度より高く設定されていることを特徴としている。
本発明では、波形が形成された充填材の表面どうしを重ねて積層させることで、比表面積の大きな充填材ユニットを形成することができる。この充填材ユニットを空気浄化装置の洗浄部に備えることで、洗浄部内で散水された水又は薬液が付着して表面に水膜が形成され、この水膜に充填材を通過する汚染空気が効率よく気液接触することから、汚染空気中の汚染物質を水膜内に移行させて除去することができる。そして、充填材は、布地にプラスチックメッシュを使用しているので、プラスチックメッシュを加熱して布地に対して融着により一体化させることができ、縫製による充填材に比べて容易に製造することができる。
また、布地に融着した直後の加熱されたプラスチックメッシュが冷却され、硬化し始め、これ以上に溶融することが抑えられるので、プラスチックメッシュが波目ロールに付着するといった不具合を防ぐことができる。
また、プラスチックメッシュに接する側の波目ロールを冷却し、布に接する側の波目ロールの加熱温度より低くすることで、布地に融着した直後の加熱されたプラスチックメッシュが波目ロールに付着するといった不具合を防ぐことができる。
さらに、プラスチックメッシュの素材による溶融温度に応じて、任意に波目ロールの温度を調整することができる。
また、布地に接する側の波目ロールから布地を介して熱が伝わり、プラスチックメッシュが溶融して布地に融着する。このとき、プラスチックメッシュに接する側の波目ロールの温度がプラスチックメッシュの加熱温度より低くなっているので、布地に融着した直後の加熱されたプラスチックメッシュが波目ロールに付着するといった不具合を防ぐことができる。
本発明の充填材製造装置によれば、布地に対してプラスチックメッシュを融着により一体化させることで充填材を形成することができ、従来の縫製による充填材に比べて手間のかからない簡単な作業により製造することができる。
また、メッシュの素材がプラスチックであるので、材料コストの低減を図ることができるうえ、例えばステンレス製のメッシュを用いる場合に比べて軽量となることから、複数の充填材を積層させた充填材ユニットの支持構造を簡略化させることができ、その支持構造のコストを抑えることができる。
本発明の実施の形態による充填材の斜視図である。 図1に示す充填材の融着状態を示す側断面図である。 充填材を布側から見た図であって、(a)は垂直波形充填材を示す図、(b)は斜向波形充填材を示す図である。 垂直波形充填材を収容する第1充填材ユニットの組み立て状態を示す斜視図である。 斜向波形充填材を収容する第2充填材ユニットの組み立て状態を示す斜視図である。 図3の充填材を製造するための折曲装置の構成を示す図である。 充填材ユニットを備えた空気浄化装置の構成を示す図である。
以下、本発明の実施の形態による充填材製造装置について、図1乃至図7に基づいて説明する。
図1に示す充填材1は、例えばクリーンルーム等で用いられる空気浄化装置3(図7参照)に用いられ、取り込んだ汚染空気中の汚染物質を除去するための充填材1によって水又は薬液と汚染空気との接触効率を向上させるためのものである。そして、充填材1は、後述する図6に示す折曲装置2(充填材製造装置)により製造され、ユニット化された状態(後述する図3の充填材ユニット10)で前記空気浄化装置3に組み込まれている。
図1および図2に示すように、充填材1は、親水性の布地の11と、布地11の支持材になるプラスチックメッシュ12とを融着により一体化して図3に示すような波形に形成されている。具体的には、プラスチックメッシュ12の表面を溶かすことにより、布地11と接着する方法により布地11とプラスチックメッシュ12とが一体化されている。なお、図1および図2は、波形に形成されていない状態を示している。
布地11に用いる素材としては、加熱によりプラスチックメッシュ12と容易に融着するポリエステル、ビニロン、綿、ポリプロピレン等を採用することができる。なお、布地11の選定条件は、上述したように親水性であり、除去対象物および薬剤などに対する耐薬品性やコスト等に基づいて選定することができる。そして、布地11の耐薬品性については、酸性物質の除去に対してはポリエステル、ポリプロピレンがよく、酸化性物質に対しては、ポリエステル、ポリプロピレンがよく、溶剤などの有機物に対しては、ポリエステル、ビニロン、綿、ポリプロピレンがよい。
支持材をなすプラスチックメッシュ12としては、各繊維の交点が融着されているものが断面視での高低差が小さく且つ布地11との密着性が良く、ほつれることがない材質が好適であり、例えばポリプロピレン(PP)等が採用される。なお、プラスチックメッシュ12は、面体としての強度を有するとともに折り曲げ易さも必要であり、例えば10メッシュ程度がよく繊維径は0.3〜1mm程度がよい。
ここで、布地11とプラスチックメッシュ12の溶融点の温度差が大きい方が一体化しやすく、且つプラスチックメッシュ12の溶融点が低い方が、製造の容易さという観点から好ましい(詳しくは後述する)。つまり、一般的にポリプロピレン(PP)よりポリエチレンの方が溶融点は低いが、実際にプラスチックメッシュ12の上に布地11を当てて、上からアイロンなどで加熱することで融着を行うと、ポリエチレンメッシュの場合はメッシュ表面が溶融しても布地11との接着性が悪く一体化が困難であるため、プラスチックメッシュ12としては、ポリプロピレンが好適である。
図3(a)および(b)に示すように、成型後の波形状の充填材1は、平面視(布面から見た状態)で略矩形状をなしている。そして、充填材1として、表面から見て上下方向或いは左右方向に波形が形成された図3(a)に示す垂直波形充填材1A(第1充填材)と、上下方向(左右方向)に対して斜め方向(略45°の傾斜方向)に波形が形成された図3(b)に示す斜向波形充填材1B(第2充填材)とが製造される。
図4および図5に示すように、充填材ユニット10は、上述した複数の充填材1、1、…をそれぞれの互いの波状の面同士を接触させた状態で積層され、枠状に形成されたユニットケース13に収容された構成となっている。ここで、充填材ユニット10において、複数の充填材1、1、…を積層する方向に直交する充填材1の短辺方向を厚さ方向とする。ユニットケース13は、上面および下面が開口する4側面を有する枠状体であり、その一側面をなす蓋部13aが着脱可能とされ、この蓋部13aを取り外した開口より表面を横に向けて重ね合わせた複数の充填材1、1、…を出し入れできる構成となっている。
なお、本実施の形態において、充填材ユニット10として、垂直波形充填材1Aを充填させて形成された図4に示す第1充填材ユニット10Aと、斜向波形充填材1Bを充填させて形成された図5に示す第2充填材ユニット10Bとの2種類を採用することができる。
図4に示す第1充填材ユニット10Aは、重なり合う垂直波形充填材1A、1Aどうしの間に平面布1Cが介挿されている。つまり、平面布1Cを介すことで、垂直波形充填材1Aの互いの波形の山と山どうし、或いは谷と谷どうしが隙間ない状態で接触することがなくなり、波形によって形成される充填材ユニット10の厚さ方向に連通する多数の隙間(空気の流路)が確保され、また比表面積が増大された構成となっている。
図5に示すように、第2充填材ユニット10Bは、前記平面布1Cを配せずに、重なり合う斜向波形充填材1B、1Bどうしのそれぞれ波形の向きが互い違いになるようにして配置されている。第2充填材ユニット10Bにおいても、互いの波形の山と山どうし、或いは谷と谷どうしが隙間ない状態で接触しないので、厚さ方向に連通する多数の隙間が確保され、また比表面積が増大された構成となっている。
このように構成される充填材ユニット10は、後述する図7に示す空気浄化装置3の洗浄部31内の空気の通路を塞ぐようにして着脱可能に取り付けることで、上述したように液剤と汚染空気との接触効率を向上させることを目的に用いられている。そして、空気浄化装置3には、第1充填材ユニット10Aのみ、第2充填材ユニット10Bのみ、或いは第1充填材ユニット10Aと第2充填材ユニット10Bとの組み合わせであってもよい。
なお、充填材1の波形の高さを6mmとしたとき、第1充填材ユニット10Aの場合で比表面積が720m/m程度となり、第2充填材ユニット10Bの場合で比表面積は500m/m程度となる。
次に、充填材1を製造するための折曲装置2について図面に基づいて説明する。
図6に示すように、折曲装置2は、周面が周方向に沿って波形に形成されるとともに、上下方向に僅かな隙間を開けてそれぞれが中心軸線を中心に回転可能に設けられた一対の波目ロール21、22と、それら波目ロール21、22の間に布地11とプラスチックメッシュ12を重ねた状態で送り込む図示しない送出部と、各波目ロール21、22に設けられたヒータ23、24と、一対の波目ロール21、22間から送出される充填材1を冷却するための第1冷却ノズル25(第1冷却部)と、上側波目ロール21の周面を冷却するための第2冷却ノズル26(第2冷却部)とを備えて概略構成されている。
上側波目ロール21と下側波目ロール22は、互いに回転方向が異なり、その回転によってそれぞれの周面に歯車状に形成された波形部21a、22aどうしが双方の接触部(以下、圧着部Pという)で歯車状に噛合する。上側波目ロール21と下側波目ロール22との間隔は、布地11とプラスチックメッシュ12との厚さに応じて充填材1が適切に形成されるように調整されている。これにより、両波目ロール21、22どうしの間に送り込まれた布地11とプラスチックメッシュ12が重ね合わされた状態で波形が形成される。
上側波目ロール21と下側波目ロール22には、適宜な位置に温度センサー27が設けられている。ヒータ23、24は、波目ロール21、22のそれぞれの周面を加熱するためのものであり、それぞれの波目ロール21、22に複数本が均等配置されている。ヒータ23、24および温度センサー27は、それぞれ温度コントローラ28に接続されており、つまり、上側波目ロール21は、プラスチックメッシュ12の素材による溶融温度に応じて温度コントローラ28によって任意の温度に温度調整可能となっている。
第1冷却ノズル25は、一対の波目ロール21、22から波形が形成されて送出された直後(ロールに対して下流側)の充填材1のプラスチックメッシュ12に対して冷却する。第2冷却ノズル26は、上側波目ロール21の周面21aを冷却する。これら第1、第2冷却ノズル25、26は、第1、第2波目ロール21、22の軸線方向に沿って延びるスリット状の吹出口25a、26aを備えている。
次に、折曲装置2を用いた充填材1の製造方法について説明する。
図6に示すように、親水性の布地11とプラスチックメッシュ12とが重ね合わされた充填材1は、布地11とプラスチックメッシュ12を融着により一体化させる融着工程と、融着された充填材1に波形を形成する折曲げ加工工程とにより製造される。
すなわち、プラスチックメッシュ12上に布地11を重ねた状態で、互いに逆回転するとともにヒータ23、24によって所定温度に加熱された一対の波目ロール21、22間の圧着部Pに送り込む。そうすると、布地11とプラスチックメッシュ12は、各波目ロール21、22の波形部21a、22aの噛合によって波形が形成されるとともに融着される。
布地11側に接する下側波目ロール22は、プラスチックメッシュ12の溶融点以上の高温に設定し、プラスチックメッシュ12側に接する上側波目ロール21は溶融点より低い温度に設定されている。これにより、プラスチックメッシュ12が布地11と接触し、プラスチックメッシュ12の布地11側の面が高温になって溶融すると同時に布地11と圧着され波形に成型される。さらに、布地11とプラスチックメッシュ12とが融着して一体化した充填材1が送出方向の圧着部Pの下流位置に移動した直後に、第1冷却ノズル25でプラスチックメッシュ12の上面が冷却される。このとき、融点まで達しているプラスチックメッシュ12が冷却により硬化し始め、これ以上に溶融されることが抑えられるので、プラスチックメッシュ12が上側波目ロール21に付着することがなく、連続的に充填材1を製造することができる。
なお、長時間連続で製造すると、下側波目ロール22の高温の熱が上側波目ロール21へ伝わり、上側波目ロール21の温度は設定温度より徐々に高くなる。これを防止するために、第2冷却ノズル26より上側波目ロール21を冷却し、上側波目ロール21の温度を温度コントローラ28によって加熱調整するようになっている。これにより上側波目ロール21は長時間、設定温度で維持でき、製造を円滑に行うことができる。
図7に示すように、空気浄化装置3は、図示しない送風ファンより吸込んだ汚染空気E1をダクト31を介して取り込むとともに、その汚染空気E1に含まれる汚染物質を、液剤Tを用いて除去する湿式浄化法に準ずる洗浄部4を備えている。そして、洗浄部4で洗浄された浄化空気E2は、洗浄部4の下流側に設けられる排気ファン32によって排気されるようになっている。
洗浄部4は、一般的に用いられているものと同様の筒型塔形状の外殻体41に覆われており、その外殻体41の下方より取り込んだ汚染空気E1を外殻41の天端の開口部41aに向けて通過させている。その開口部41aは、洗浄部4で浄化された浄化空気E2をクリーンルームに排出する排気ファン32と連通している。
洗浄部4は、外殻体41の中間部の上方にデミスタ42が流路を塞ぐようにして水平に配置されており、そのデミスタ42と、散水ノズル43と、3段からなる充填材ユニット10(101、102、103)と、充填材支持材44とが下方に向かってその順で配置され、さらに外殻体41の底部41bに液槽45が備えられている。
デミスタ42は、一般に微細な液滴の発生を伴う処理ガス中の液滴を除去する部材として用いられるものであり、例えばステンレス繊維やガラス繊維等を網目状に重ねたり、ポリプロピレン繊維等をろ布状に織る等の加工を施すことにより成形されている。
散水ノズル43は、汚染空気E1中に含まれる汚染物質を吸収する液剤Tを、外殻体41の内方に散水するものであり、散水される液剤Tは、汚染空気E1に含まれる汚染物質の種類に応じて、水、アルカリ性液剤、酸性液剤等が用いられている。これらの液剤Tは、散水ノズル43に連結されたポンプ46によって水と混合された後、流量計47を介して外殻体41に供給される。
液槽45は、汚染空気E1に含まれる汚染物質を吸収し、充填材ユニット10に収容されている複数の充填材1、1、…の表裏面に沿って流下した液剤Tを、貯留液剤として一次貯留するものである。液槽45には、貯留液剤を排水する排水管45aが備えられており、排水された貯留液剤は図示しない有機排水処理槽で処理されることとなる。
充填材ユニット101、102、103は、それぞれ外殻体41の内方を水平に塞ぐようにして配置され、微生物が繁殖した際に、洗浄および殺菌が行えるように外殻体41に対して着脱可能に取り付けられている。
このように構成される空気浄化装置3では、図7に示すように、汚染空気E1がダクト31から洗浄部4の外殻体41内に取り込まれ、3段の充填材ユニット10(101、102、103)を通過する。このとき、各充填材ユニット10内の各充填材1の表面には、散水ノズル43より散水された粒状の液剤Tが付着して表面に水膜が形成され、充填材1を通過する汚染空気E1がこの水膜に効率よく気液接触し、汚染空気E1中の汚染物質が水膜を形成している液剤Tに移行する。さらに三段の充填材ユニット101、102、103を下方から上方の順で通過して上昇した汚染空気E1は、再度散水ノズル43より散水された粒状の液剤Tに直に気液接触し、汚染空気E1中に残留する汚染物質が移行し、汚染空気E1が浄化される。
次いで、これらの工程を経て浄化された浄化空気E2は、液剤Tによる液滴がデミスタ42によって捕集され、外殻体41の開口部41aより排気ファン32によって外方へ排気される。そして、散布された薬剤Tは、外殻体41の内壁のみならず、デミスタ42、散水ノズル43、充填材1を流下し、液槽45に一次貯留され、排水管45aを介して排水される。
このように、本実施の形態では、波形が形成された充填材1の表面どうしを重ねて積層させることで、比表面積の大きな充填材ユニット10を形成することができる。そして、この充填材ユニット10を空気浄化装置3の洗浄部に備えることで、洗浄部4内で散水された薬剤Tが付着して表面に水膜が形成され、この水膜に充填材1を通過する汚染空気E1が効率よく気液接触することから、汚染空気E1中の汚染物質を水膜内に移行させて除去することができる。そして、充填材1は、布地11にプラスチックメッシュ12を使用しているので、プラスチックメッシュ12を加熱して布地11に対して融着により一体化させることができ、縫製による充填材に比べて容易に製造することができる。
上述のように本実施の形態による充填材製造装置では、布地11に対してプラスチックメッシュ12を融着により一体化させることで充填材1を形成することができ、従来の縫製による充填材に比べて手間のかからない簡単な作業により製造することができる。
また、メッシュの素材がプラスチックであるので、材料コストの低減を図ることができるうえ、例えばステンレス製のメッシュを用いる場合に比べて軽量となることから、複数の充填材1、1、…を積層させた充填材ユニット10の支持構造(すなわち、ユニットケース13)を簡略化させることができ、その支持構造のコストを抑えることができる。
次に、上述した実施の形態による充填材製造装置の効果を裏付ける試験例について以下説明する。
(実施例1)
ポリエステル布(布地)とポリプロピレンメッシュ(プラスチックメッシュ)を融着させて垂直波形充填材を製造し、これら充填材を多数重ねて充填材ユニットを形成し、この充填材ユニットに図7に示す空気浄化装置を用いて、悪臭物質である酢酸を除去した一例を示す。
先ず、垂直波形充填材の製造について説明する。
図5に示す折曲装置を用いて、ポリエステル布およびポリプロピレンメッシュ(以下、PPメッシュという)の両者の一端をアイロンで融着させ、その融着させた一端を上部波目ロールと下部波目ロールとが噛合する圧着部に向けて送出した。これにより、ポリエステル布とPPメッシュの送出方向で前側のみが揃った状態であり、材質が異なり温度膨張率の異なるポリエステル布とPPメッシュとを融着させて折り曲げても、圧着部より下流側ではポリエステル布とPPメッシュが接着されていないので、両ロールの波形に一致して深く湾曲する波形を形成することができた。つまり、圧着部での融着によりPPメッシュは収縮するが、その影響を受けることなく、連続的に深い波形で折り曲げることができることが確認できた。
また、端部を融着したポリエステル布を台上にセットし、予め上側波目ロールの温度を80℃、下側波目ロールの温度を170℃に設定し、それら両ロール間の圧着部に差し込みつつ両ロールを回転させることで、波形の高さが5〜6mmで均一な充填材を製造することができ、またポリエステル布とPPメッシュとの融着状態(接着状態)も良好であった。このことから、回転による折曲装置は好適であることがわかる。
次に、製造した充填材を空気浄化装置に設けて、汚染物質の除去効果を確認した。
上記製造した充填材は約300mm四方であり、図4に示すように充填材どうしの間に平面布を介挿させて充填材ユニットを作成し、このユニットを図7に示すように三段重ねとして、上下に隣接する充填材ユニットどうしが平面視で90度だけ設置角度をずらして配置した。
図7に示す空気浄化装置の洗浄部の運転条件は、外殻体の内径が300mm角であり、排ガス量が6.3〜7.8m/分、塔内(外殻体内)風速が1.2〜1.5m/秒、薬剤の散水量が1〜4リットル/分、液ガス比が0.1〜0.5リットル/mとした。なお、散水は、清浄な水道水を液ガス比に相当する全量を散水し、循環水の散水は行っていない。また、酢酸の入口濃度を10〜500mg/mとした。
この条件での酢酸の除去率は、90%以上となり、さらに液ガス比が0.3リットル/m以上では99%以上となり、出口空気の臭いがほぼ無くなることが確認できた。そして、充填材の圧力損失は、塔内風速1.2m/秒では100Paとなり、1.5m/秒では200Paとなった。
さらに、比較例として、市販のポリプロピレン製のネットリング(N−1、大日本プラスチックス株式会社社製)を、三段の充填材ユニットと同じ高さとなる900mmで設け、塔内風速1.2〜1.5m/秒、液ガス比が0.57〜0.67リットル/mの条件で除去実験を行った。その結果、酢酸除去率が約90%であり、圧力損失が100〜200Paで実施例と同等となった。
つまり、実施例の充填材では、比較例の充填材に比べて液ガス比が小さいにもかかわらず、高い除去率が得られることがわかった。これは実施例の充填材の比表面積が720m2/mであり、これにより気液接触効率が上がるとともに、空気抵抗は少なく低圧損であった。なお、通常の洗浄部では、液ガス比が2リットル/m以上で運転されるが、本実施例による洗浄部では液ガス比が0.5リットル/mであり、略1/4のポンプ動力で高い除去率が得られることが確認できた。
(実施例2)
次に、実施例2では、布地の材質にビニロンを採用した一例を示す。
ビニロン布とPPメッシュを融着により一体化した充填材を、上述した実施例1と同様の条件(上側波目ロール温度80℃、下側波目ロール温度170℃)により製造した。
この充填材を図5に示す洗浄部に充填高さ300mmだけに充填し、排ガス量6.3〜9.5m/分、塔内風速1.2〜1.9m/秒、散水量1.4〜4リットル/分、液ガス比が0.4〜0.5リットル/m、酢酸の入口濃度を10〜20mg/mの条件で除去実験を行った。その結果、酢酸除去率は、91〜93%であった。
次に、比較例として、実施例1と同様のポリプロピレン製のネットリング(N−1、大日本プラスチックス株式会社社製)を実施例の3倍の高さである900mmとし、塔内風速1.2〜1.5m/秒、液ガス比が0.57〜0.67リットル/mの条件で、酢酸除去率が90%であった。
これにより、実施例2では、充填材の高さが比較例の略1/3でありながら同等の除去率に達していることが確認できることから、充填材の厚さを小さくすることができ、部材のコストを低減することができる。
以上、本発明による充填材製造装置の実施の形態について説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、布地11とプラスチックメッシュ12の材質は上述した実施の形態の条件を満たすものであればとくに限定されることはない。なお、布地11とプラスチックメッシュ12とがポリプロピレン(PP)で同一素材からなる場合には、膨張率と溶融点も同じとなるので、折曲装置を用いた融着が困難になる。この場合、例えば、PPメッシュの上にPP布をおき、はんだコテで例えば30mm間隔で点融着して予め一体化した平面布を作成し、その平面布を折曲装置で加熱させずに折曲げることで十分な深さの充填材を製造することができる。
また、折曲装置2の上側波目ロール21と下側波目ロール22における温度コントロールについては、上述した実施の形態に限定されることはない。例えば、各波目ロール21、22に設けられるヒータ23、24、冷却ノズル25、26の数量、位置などは変更可能であり、省略することも可能である。
さらにまた、上側波目ロール21または下側波目ロール22の片側に自動回転用のモーターをギヤを介して接続することにより、折曲加工を自動化することができる。
1 充填材
1A 垂直波形充填材(第1充填材)
1B 斜向波形充填材(第2充填材)
2 折曲装置(充填材製造装置)
3 空気浄化装置
4 洗浄部
10、101、102、103 充填材ユニット
10A 第1充填材ユニット
10B 第2充填材ユニット
11 布地
12 プラスチックメッシュ
13 ユニットケース
21 上側波目ロール
22 下側波目ロール
23、24 ヒータ
25 第1冷却ノズル(第1冷却部)
26 第2冷却ノズル(第2冷却部)
27 温度センサー
28 温度コントローラ
41 外殻体
43 散水ノズル
E1 汚染空気
E2 浄化空気
P 圧着部
T 薬剤

Claims (1)

  1. クリーンルーム内の汚染空気中に存在する汚染物質を液剤に接触させて除去するための空気浄化装置の洗浄部に積層させた状態で配置され、親水性を有する布地とプラスチックメッシュとからなる充填材の製造装置であって、
    周面に周方向に沿って波形が形成され、それぞれが中心軸線中心にして回転可能に設けられるとともに、互いの波形どうしを噛合させた一対の波目ロールと、
    前記一対の波目ロールのそれぞれの波形どうしが噛合する圧着部に、前記布地およびプラスチックメッシュを重ね合わせた状態で送り込む送出部と、
    一対の前記波目ロールを加熱するためのヒータと、
    前記布地とプラスチックメッシュとの送出方向の前記圧着部の下流位置で、前記布地に融着した前記プラスチックメッシュを冷却する第1冷却部と、
    前記プラスチックメッシュに接する側の波目ロールを冷却する第2冷却部と、
    一対の前記波目ロールの温度を調整する温度コントローラと、
    を備え、
    前記布地に接する側の波目ロールの温度は、前記圧着部において、前記プラスチックメッシュの溶融温度より高く、且つ前記プラスチックメッシュに接する側の波目ロールの温度より高く設定されていることを特徴とする充填材製造装置。
JP2009160883A 2009-07-07 2009-07-07 充填材製造装置 Active JP5725322B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009160883A JP5725322B2 (ja) 2009-07-07 2009-07-07 充填材製造装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009160883A JP5725322B2 (ja) 2009-07-07 2009-07-07 充填材製造装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2011016043A JP2011016043A (ja) 2011-01-27
JP5725322B2 true JP5725322B2 (ja) 2015-05-27

Family

ID=43594260

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009160883A Active JP5725322B2 (ja) 2009-07-07 2009-07-07 充填材製造装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5725322B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5787136B2 (ja) * 2011-04-07 2015-09-30 清水建設株式会社 空気浄化装置
JP5966555B2 (ja) * 2011-04-18 2016-08-10 株式会社Ihi 吸収塔及びそれを用いた生物脱臭装置
JP5747844B2 (ja) * 2012-03-07 2015-07-15 清水建設株式会社 充填材、充填材ユニット、及び空気浄化装置
KR101898890B1 (ko) * 2016-07-25 2018-10-29 (주)중앙플랜트 수평형 습식 스크러버용 클린 필터를 포함하는 조립체 및 그의 구성방법
KR101902411B1 (ko) 2016-12-22 2018-09-28 (주) 세아그린텍 자가 세정 폐가스 처리 장치

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS601401U (ja) * 1983-06-16 1985-01-08 積水樹脂株式会社 物質交換塔、熱交換塔などの充填材
JPS60232223A (ja) * 1984-04-28 1985-11-18 Seibu Giken:Kk フイルタ−素子
JPH03143545A (ja) * 1989-10-26 1991-06-19 Shinwa Sangyo Kk 熱交換用の気液接触型充填材及びその製造方法
JP3013428B2 (ja) * 1990-10-23 2000-02-28 東洋紡績株式会社 キャビンフィルター
JPH07232058A (ja) * 1994-02-22 1995-09-05 Kansai Electric Power Co Inc:The ランダムカラムパッキング
JP2000317248A (ja) * 1999-05-14 2000-11-21 Yamaha Corp ガス不純物の除去システム
JP4145701B2 (ja) * 2003-04-07 2008-09-03 清水建設株式会社 空気浄化装置
JP2005262827A (ja) * 2004-03-22 2005-09-29 Asahi Kasei Fibers Corp 吸放湿性材料
JP4572585B2 (ja) * 2004-06-03 2010-11-04 トヨタ紡織株式会社 積層フィルタの製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2011016043A (ja) 2011-01-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5725322B2 (ja) 充填材製造装置
JP4145701B2 (ja) 空気浄化装置
JP3268229B2 (ja) 排気浄化装置
EP1970111B1 (en) Composite filter media
CN206853353U (zh) 水膜式空气过滤器
JP2016538527A (ja) 空気調和装置
JP5185525B2 (ja) 湿式集塵機
CN205482464U (zh) 自控浴洗清扫除垢多功能空气冷却器
CN210021589U (zh) 一种建筑施工用除尘装置
CN217568181U (zh) 一种废气处理喷淋塔
JP3870375B2 (ja) 空気浄化装置
JP3750800B2 (ja) 空気清浄装置
CN208032212U (zh) 一种废气排放装置
JP2013066832A (ja) 集塵装置及び集塵装置の洗浄方法
KR20140023012A (ko) 나노기공막 포켓이 장착된 정수기용 멤브레인 필터
CN212914978U (zh) 一种利用洗涤剂自动清洗废气处理装置
CN213590055U (zh) 一种工业生产用湿电除尘装置
JP7418045B2 (ja) 脱臭設備および脱臭方法
CN212091499U (zh) 一种化工厂环保空气净化装置
CN220360929U (zh) 一种除尘结构和除尘过滤结构
TWI811086B (zh) 管狀過濾膜製備方法及其成品
CN213266119U (zh) 一种具有自动清洁功能的加湿净水一体机
JP4827828B2 (ja) ガス不純物除去方法及び装置
CN207146865U (zh) 过滤装置和空调器
CN213527730U (zh) 精细过滤器

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20120210

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130215

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130326

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130522

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20140225

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140424

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20141216

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150212

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20150303

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20150318

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5725322

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150