JP5724861B2 - 鉄スクラップからの銅の硫化除去方法 - Google Patents

鉄スクラップからの銅の硫化除去方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5724861B2
JP5724861B2 JP2011269728A JP2011269728A JP5724861B2 JP 5724861 B2 JP5724861 B2 JP 5724861B2 JP 2011269728 A JP2011269728 A JP 2011269728A JP 2011269728 A JP2011269728 A JP 2011269728A JP 5724861 B2 JP5724861 B2 JP 5724861B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
molten
iron scrap
phase
melt
iron
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2011269728A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2013119666A (ja
Inventor
英樹 小野
英樹 小野
高郁 山本
高郁 山本
将嗣 中本
将嗣 中本
山口 勝弘
勝弘 山口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Steel Corp filed Critical Nippon Steel Corp
Priority to JP2011269728A priority Critical patent/JP5724861B2/ja
Publication of JP2013119666A publication Critical patent/JP2013119666A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5724861B2 publication Critical patent/JP5724861B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P10/00Technologies related to metal processing
    • Y02P10/20Recycling

Landscapes

  • Manufacture And Refinement Of Metals (AREA)

Description

本発明は、鉄スクラップにおいて鉄と共存する元素、特に銅で代表されるトランプエレメントなどの金属元素の除去方法に関する。
日本国内での鉄スクラップの蓄積は年々増加しており、2020年には約18億トンに達し、年5,000万トンの鉄スクラップが発生すると予想されている。市中鉄スクラップ中には、鋼材の品質あるいは製造過程に悪影響を及ぼすトランプエレメントと称される鉄以外の不純物成分(Cu,Sn,Sb,As,Znなど)が含まれるものが多く、我が国製鉄業が得意とする高級鋼材の原料としての使用が制約されている。
鉄スクラップのリサイクルで混入するトランプエレメントは、電炉や転炉といった鉄鋼精錬においては除去が困難である。特に、溶鉄の脱Cuに関しては、確立している実用的技術はないのが現状である。現在、電炉では、回収された鉄スクラップのCu濃度が高いため、鋼種によっては銑鉄でCu濃度を希釈している。また、このようなCu濃度が高いスクラップは転炉での使用量に制限があり、十分に活用できていない。
鉄スクラップより銅を除去する方法として、鉄−アルカリ金属およびアルカリ土類金属系の硫化物と炭素飽和鉄間の銅の分配を利用して、溶鉄から銅を除去する技術が知られている(非特許文献1および特許文献1)。この方法では100kg/t−metalのフラックス原単位で65〜75%の脱銅率を達成できるが、脱銅効率は十分ではない。さらに脱銅率を向上するためにはフラックスの量を増加させる必要があり、経済的観点から問題がある。また、多量のアルカリ金属を含む硫化物フラックスを利用することからフラックスの処理も問題となる。
特許文献2には、塩素ガスを用いて、鉄に対して銅を選択的に反応させ、これを気体として除去する方法が開示されている。この方法は、塩素ガスを用いるので反応容器を完全密閉型にする必要があるとともに、反応容器の材質が問題となる。
非特許文献2には、真空下で銅を選択的に蒸発させる蒸発精錬法も提案されている。しかし、蒸発速度から試算した実用化に足る反応界面積は多大であるので、実プロセスへの展開は困難である。
特許文献3には、鉄スクラップ中の銅を一旦鉛合金へ移行した後、鉛合金中の銅を、アルミニウムを含む金属融体へ移行させることにより銅を除去する技術が開示されている。しかし、この従来技術では溶融鉄に対して鉄スクラップ中から鉛合金への銅の移行と鉛合金中からアルミニウムを含む金属融体への銅の移行を別々に実施する必要があり、連続的に進行させることができない。また、鉄スクラップから鉛合金への銅の移行において、鉄に対する鉛合金への銅の分配比(銅の平衡分配比=[mass%Cu]in Pb/[mass%Cu]in Fe-C、[mass%Cu]in Pb:鉛中の銅濃度、[mass%Cu]in Fe-C:鉄中の銅濃度)が2程度と小さく、鉄中から銅を除去するためには多量の鉛合金が必要になるという問題がある。
特許文献4では、鉄と相互溶解度を持たない銀を用いて鉄-銀間に銅を分配させ、銀相のみを酸化することによって銅を除去する技術が開示されている。この技術では、溶鉄中銅濃度を0.2質量%まで低減可能であると見込まれる。しかし、鉄スクラップを有効利用するためには、さらに銅濃度を低減する技術が求められている。
王潮、長坂徹也、日野光、萬谷志郎:鉄と鋼、77(1991)、644-651 H. Ono-Nakazato, K. Taguchi, Y. Seike and T. Usui: ISIJ International, 43 (2003), 1691-1697
特開2010−163650号公報 特開平6−248364号公報 特開平10−110224号公報 特開2011−6749号公報
本発明は、鉄スクラップの利用を拡大するために求められている、鉄スクラップ中の銅を効率的にかつ経済的に除去する方法を提供することを目的とする。より具体的な目的は、特許文献4に記載されている技術で可能な銅濃度(0.2質量%)よりさらに銅濃度を低減させることができる方法を提供することである。
本発明者らが検討した結果、鉄スクラップに共存する元素のうち、従来の精錬方法では溶鉄から除去することが困難な元素であっても、鉄スクラップの溶融物に対する溶解度が特に低い溶融Agを媒体として間接的に硫化して、硫化物フラックス中に除去することにより、上記課題を解決することが可能であるとの知見を得た。
特許文献4に開示されている従来の酸化製錬では溶鉄から分離することが困難な元素(トランプエレメント)の例としてCuを用いて、この知見を具体的に説明する。ただし、除去するトランプエレメントはCuに限られない。また、媒体として溶融Agの代わりにPb又はBiの溶融物を用いることも可能である。これらの元素はFeと相互溶解度を持たない元素であるため、これらの2種以上の元素を混在して使用することも可能であり、どれか1種の元素だけを選択して使用することも可能である。つまり、使用できる媒体は、Ag、PbおよびBiから選ばれた少なくとも1種の金属の溶融物であり、本明細書ではこの溶融物を「溶融Ag等」と略記する。しかし、説明を簡略化するために、以下では特に断らない限り、Agを例にとって説明を行う。
非特許文献1で報告された、鉄スクラップの溶融物に硫化物フラックスを直接溶鉄に接触させる方法は、下記式(2)により脱銅反応は進むのであるが、同時に並行する下記式(3)によって溶鉄を硫化してしまうことが懸念事項である。
Cu(in Fe) + 1/2S = 1/2Cu2S ・・・(2)
Fe + S = FeS ・・・(3)
そこで、本発明では、鉄スクラップの溶融物と溶解度をもたないAgを用いて、鉄スクラップの溶融物と硫化物フラックスとがAg相の存在により非接触状態となるようにする。この方法により、高い硫黄ポテンシャルでも溶鉄の硫化を最小限に抑えることができる。そして、硫化物フラックスのもつ高いCu吸収能がFeSで希釈されることなく、高い硫黄ポテンシャル条件で脱Cuできるため、高いCu分配比が得られる点において革新的である。
すなわち、鉄スクラップの溶融物と溶融Ag間のCuの分配(下記式(4))と溶融Ag中のCuの硫化(下記式(5))を連続的に進めることにより、式(4)+式(5)=式(2)の反応、つまり、鉄スクラップの溶融物中のCuの硫化精錬を実現可能とする。
Cu(in Fe) = Cu(in Ag) ・・・(4)
Cu(in Ag) + 1/2S = 1/2Cu2S ・・・(5)
CuはAgよりも硫化しやすいので、Ag相と硫化物フラックスとを接触させることで、式(5)によりCuを硫化できる。ここでCuはFeよりも硫化しやすい性質があるため、Cuの硫化除去は、特許文献4に記載された方法おけるCuの酸化除去よりも、鉄スクラップの溶融物中のCuの低減限界を下げることが可能である。
硫化物フラックスを溶鉄と接触させる方法と比較して、Feが硫化されないため、硫化物フラックスのもつ高いCu吸収能を低下させずに高い硫黄ポテンシャル条件で、溶鉄中Cuの高度硫化除去が可能となる。
この方法は、連続プロセスであるため、媒体として用いる「溶融Ag等」を交換する必要がなく、大量の鉄スクラップの処理が可能である。
また、鉄スクラップの高度な解体や分別回収が不要となるため、スクラップのリサイクル処理に必要なコストを削減できる。鉄スクラップを利用した製鉄により、炭酸ガスの排出抑制につながる。
さらに、鉄スクラップの溶融物がCを含有していると、より効率的に上記の元素を除去することが可能となる。以上の知見に基づき完成された本発明は次のとおりである。
(1)鉄スクラップに含まれる元素の除去方法であって、
鉄スクラップを溶融させ、
得られた鉄スクラップの溶融物と「溶融Ag等」(すなわち、Ag、PbおよびBiから選ばれた少なくとも1種の金属の溶融物)とを接触させて前記鉄スクラップに共存する元素を「溶融Ag等」に移行させ、
「溶融Ag等」に移行した元素を「溶融Ag等」から硫化除去すること、
を特徴とする方法。
ここで、鉄スクラップを溶融させ、得られた鉄スクラップの溶融物と溶融Ag(より正確には「溶融Ag等」)とを接触させると、鉄スクラップ中で鉄と共存する元素(以下、「共存元素」ともいう)が、鉄スクラップの溶融物と溶融Agとの間における分配平衡に基づいて、鉄スクラップの溶融物から溶融Agへと移行する。
「硫化除去」とは、硫化物フラックスを接触させるなどの手段により、溶融Agに含まれる元素のうちAgよりも硫化されやすい元素を硫化し、溶融Agに不溶な硫化物として溶融Ag相から除去することをいう。
(2)前記鉄スクラップを炭素源とともに溶融させ、それにより前記鉄スクラップの溶融物がCを含有する上記(1)に記載の方法。
(3)Cを含有する鉄スクラップの溶融物の温度T(単位:K)が、
1426<T<1873をみたし、かつ
該溶融物中のCのモル分率Nが下記式(1)を満たす上記(1)に記載の方法:
0.9×NC S ≦ NC ≦ 1.1×NC S ・・・(1)
ここで、NC S=1012.728/T+0.7271×logT−3.049である。
(4)前記鉄スクラップの溶融および鉄スクラップの溶融物と「溶融Ag等」との接触を黒鉛坩堝内で行い、鉄スクラップの溶融物にCが飽和溶解している上記(3)に記載の方法。
(5)除去される元素がトランプエレメントを含む上記(1)から(4)のいずれかに記載の方法。
(6)硫化除去を、Cuを含む「溶融Ag等」にNa2Sからなる硫化物フラックスの溶融物を接触させて、Cuを該フラックス中に移行させることにより行う上記(1)から(5)のいずれかに記載の方法。
本発明では、鉄スクラップに共存する元素を、鉄スクラップの溶融物との相互溶解度の小さい「溶融Ag等」を媒体として硫化除去する。このため、鉄スクラップからトランプエレメントや有用な希少元素を効率的に回収することが実現される。具体的には、鉄スクラップ中のCu濃度を0.2質量%未満、好ましくは0.1質量%以下まで低減できる。したがって、本発明に係る方法を採用することで鉄スクラップの利用拡大を実現できる。
実施例において使用した共存元素の除去装置を概念的に示す図である。 本発明に係る共存元素の除去方法を実施するための反応容器の一例の構造を概念的に示す図である。 Na、Ag、Cuのポテンシャルを示す図である。
以下に、本発明に係る鉄スクラップにおいて鉄と共存する元素(共存元素)の除去方法について詳しく説明する。
1.除去原理
本発明における、溶融Ag媒体を利用した鉄スクラップ中のトランプエレメントの除去は、Fe相とAg相が2液に相分離し、互いにほとんど溶解度をもたず、溶け合わない性質、および媒体相である溶融Agは硫化しにくい性質を利用する。ここでは、トランプエレメントの例としてCuを用い、媒体としてAgを例にとって説明を行う。しかし、次項(対象元素)で述べるように、トランプエレメントはCuに限らない。
FeとAgはお互いに溶解度をほとんどもたない。また、FeにFeと熱力学的親和力が働くCやBなどが添加された場合、Fe中のCuの活量係数が大きくなるため、CuのFe相とAg相との間の分配において、熱力学的にAg中への高い分配が期待できる。つまり、CuのFe中からAg中への移動が促進されるため、効率的にCuを除去することが可能である。
鉄スクラップ中のCuは2液相分離したFe相とAg相とに分配されるが、Agは硫化しにくいため、Ag相中のCuを硫化によりフラックス中に除去する。
Ag相中のCuが硫化除去され、Ag相中のCu濃度が低下すると、Fe相とAg相間のCuの分配平衡の関係から、Fe相中からAg相へCuが移動し、Ag相中へ移動したCuは再び硫化除去されるため、連続的にFe相中のCu濃度が減少する。
Agは貴金属であり高価ではあるが、Fe相と硫化物フラックスとが直接反応しないように仲介する役割を果たせば良いため、鉄スクラップ処理量に相当するような多量には必要としない。また、一部硫化したAg、Cuを含むフラックスは、酸化処理によって容易に回収できる。
図2は、本発明に係る除去方法を実施するための反応容器の一例の構造を概念的に示す図である。
溶融Ag相は溶融Fe相よりも比重が大きいため、溶融Ag相が下層に存在し、一部溶融Ag相に浸入するかたちで仕切りがあり、仕切りで区切られた一方の領域において溶融Fe相と溶融Ag相とが接触し、他方の領域において溶融Agの表面に硫化物フラックスを配置する構造が考えられる。以下、Fe相が存在する上記の一方の領域を「分離領域」、硫化物フラックスが存在する上記の他方の領域を「回収領域」という。
FeとAgとはお互いに溶解度をほとんどもたないため、分離領域において溶融Fe相と溶融Ag相とが2液相分離する。このため、鉄スクラップ中のCuは2液相分離した溶融Fe相と溶融Ag相とに、分配平衡の関係によって分配される。
溶融Ag相内に分配されたCuは、仕切りを越えて回収領域へと拡散し、この領域の溶融Agの表面近傍に到達する。回収領域の溶融Agの表面には硫化物フラックスが配置されているため、回収領域は硫化性雰囲気となっている。このため、回収領域の溶融Agの表面近傍に到達したCuは速やかに硫化される。ここで、媒体である溶融Agは硫化されにくい。したがって、Cuは優先的に硫化され、硫化物となって溶融Ag相から除去され、硫化物フラックス中にとりこまれる。
こうして溶融Ag相中のCuが硫化除去されると、溶融Ag相の回収領域におけるCuの濃度が低下し、この影響により分離領域から回収領域へとCuの拡散が促進される。このため、分離領域におけるCuの濃度も低下する。すると、溶融Fe相と溶融Ag相との間のCuの分配平衡に基づき、分離領域において溶融Fe相から溶融Ag相へCuが移動する。このCuの移動が生じている間も、回収領域ではCuの濃度低下が生じているため、分離領域において溶融Ag相中へ移動したCuは拡散により回収領域へとさらに移動し、回収領域の硫化性雰囲気で硫化除去される。
このような原理で、鉄スクラップの溶融物からなる溶融Fe相に含まれるCuが連続的に減少し、このCuは溶融Ag相側において硫化物として回収される。
実プロセスのイメージでは、Cuを含む老廃鉄スクラップを溶融Ag相の一方から装入し、他方に硫化物フラックスを装入し、溶融する。溶鉄中Cu濃度が低減したのを確認後、溶鉄(またはC含有合金)を容器の下方の排出口(図2の白矢印)から取り出し、新たなCuを含む老廃鉄スクラップを装入する。硫化物フラックスはCu濃度が高くなったときに排出口(図示せず)から取り出す。これにより、連続脱Cuプロセスが実現する。取り出された硫化物フラックスは別容器で酸化処理を行い、Ag、Cu及び硫化物フラックスに分離することができる。Agと硫化物フラックスは炉内に戻すことができ、Cuは銅資源としてリサイクル可能である。
2.対象元素
以上の原理(以下、「本原理」という)に基づき元素の除去を行うため、本発明において除去される元素は、媒体であるAgよりも硫化されやすい元素となる。これらの元素には、Cu,Sn,Sb,As,Znなどどのいわゆるトランプエレメントが含まれる。つまり、鉄スクラップに含有される非鉄金属元素のうち、Agよりも硫化されやすくFeよりも硫化されにくい元素を対象とする場合に、本発明の除去方法による利益を最も享受できる。
なお、C,Si,BなどのようなFeに対して熱力学的親和力が働く元素は、鉄スクラップの溶融物から溶融Agに移動しにくいため、本原理によって効率的に分離することは困難である。
3.分離領域と回収領域の雰囲気
前述したように、回収領域はAg相の上部に硫化物フラックスが存在しているため硫化雰囲気であり、かつ非酸化性雰囲気であることが好ましい。しかし、酸化性雰囲気(例、大気雰囲気)であっても処理を行うことができる。
分離領域の雰囲気は、溶融状態にある鉄スクラップの酸化を防止するために非酸化性雰囲気とすることが好ましい。非酸化性雰囲気は、例えば、アルゴンなどの不活性ガス雰囲気とすることで達成してもよいが、後述するように鉄スクラップの溶融物を収容する容器を黒鉛坩堝とすることで達成することもできる。
4.鉄スクラップの溶融物の組成
上記のように、鉄スクラップの溶融物が溶融Fe相である場合には、溶融Ag相と2液相分離させることが実現されるが、次に説明するように、鉄スクラップの溶融物は、溶融Fe−C相であることが好ましく、この溶融Fe−C相に含有されるCは飽和溶解していることが特に好ましい。
炭素を含まないFe−Ag系で2液相に分離する場合には、共存元素の種類や濃度にも依存するが、鉄の融点近傍の温度、すなわち1800K程度は必要とされる。しかし、系全体の温度を高めると、溶融Fe相に対するAgの溶解度が増加する。このため本発明に係る除去方法を実施したあとの鉄スクラップにおけるAg濃度が、系全体の温度を高めない場合に比べて相対的に高くなりやすい。このことは、本発明の実施後における媒体であるAgが相対的に多く減少することを意味し、プロセスロスの増加を招く。
これに対し、鉄スクラップを溶融させるにあたり炭素源を存在させると、CはFeと熱力学的親和力が働くため、鉄スクラップの溶融物は溶融Fe相から溶融Fe−C相になる。このため、溶融物の融点は、共存元素の種類や濃度にも依存するが1500K以下程度に低下し、相対的に低温での2液相分離が可能となる。このことがプロセス後の鉄スクラップの品質向上およびプロセスロスの低下をもたらすことは上記のとおりである。また、Cが含まれていることにより、鉄スクラップの溶融物中へのAgの溶解度がさらに減少する。このため、単に融点が低下したこと以上に、プロセス後の鉄スクラップの品質向上およびプロセスロスの低下がもたらされる。さらに、溶融Fe−C相中の共存元素の活量係数が大きくなるため、共存元素の溶融Fe−C相および溶融Ag相間の分配において、溶融Ag相へと分配される共存元素の濃度が高くなることが熱力学的に期待される、つまり、溶融Fe−C相中から融Ag相中への共存元素の移動が促進される。そのうえ、Cが含まれていることで、鉄スクラップの溶融物におけるFeと酸素との反応が抑制される。
鉄スクラップの溶融物を溶融Fe−C相とした場合における上記式(2)、(4)、(5)に対応する反応は、それぞれ次の式(2)'、(4)'、(5)'に示されるとおりである。
Cu(in Fe-C) + 1/2S =1/2Cu2S ・・・ (2)'
Cu(in Fe-C) = Cu(in Ag) ・・・ (4)'
Cu(in Ag) + 1/2S = 1/2Cu2S ・・・ (5)'
特許文献4においては、Cuの酸化反応式は(6)式で表され、溶融Fe相中Cu濃度は(7)式で表される。
Cu(l) + 1/4O2(g) = 1/2Cu2O(l) ・・・(6)
ここで1523Kにおいて、ΔGoに文献値を、aCu2O、PO2およびγo Cu(in Fe-C)にそれぞれ1、1および50.2を代入し、Fe中Cu濃度を求め、質量%で表示すると約0.2質量%となり、この値が溶融Fe相中Cu濃度の低減限界値となる。これ以上に低減するためには、何らの方法でaCu2Oを下げない限り、Cu濃度を下げることはできないが、実際上は困難である。
本発明における硫化脱銅は(8)式で表され、溶融Fe相中Cu濃度は(9)式で表される。
Cu(l) + S(in flux) = 1/2Cu2S(l) ・・・(8)
本発明は(9)式より、Na2Sを用いてaCu2Sを下げることが可能になるため、Cu濃度は原理上0質量%に近づく。この値は、特許文献4により示された溶融Fe相中Cu濃度の低減限界値よりも低い値であり、原理上、より優れたCuの除去方法である。
溶融Fe−C相中のC濃度NC(NC:炭素モル分率)は特に限定されないが、溶融Fe−C相の温度によって、炭素の飽和溶解モル分率NC Sが下記式(10)のように決定される。
C S=1012.728/T+0.7271×logT−3.049 ・・・ (10)
ここで、Tは鉄スクラップの溶融物の温度であり、1426K<T<1873Kを満たす。鉄スクラップ溶融物の温度Tが1426K以下の場合には、Fe−C相は液相として存在することが困難となるため、本原理に基づく除去方法を実施することが実質的に不可能となる。鉄スクラップ溶融物の温度Tが1873K以上の場合には、本原理に基づく除去方法を実施するために投入するエネルギーが過大となり、この方法を実施する利益が実質的になくなってしまう。
Fe−C相のC濃度NCが高いほど溶融Fe−C相にAgは移動しにくくなり、共存元素は溶融Ag相側に移動しやすくなるため、溶融Fe−C相においてCは飽和していることが好ましい。また、C濃度NCが高いと、回収領域から溶融Ag相に供給された酸素が拡散などの理由により分離領域に到達しても、溶融Ag相と接触する溶融Fe−C相に含有されるCによって速やかに系外に除去される。このCの飽和溶解モル分率NC Sは、Fe−C2元系における値であるため、溶融Fe相に共存元素が存在する本発明においては、下記式(1)の範囲が好ましい。
0.9×NC S ≦ NC ≦ 1.1×NC S ・・・(1)
鉄スクラップの溶融物へのCの供給方法は特に限定されない。図2に示されるように、石炭などの炭素源を鉄スクラップと共存させた状態で溶融させてもよい。鉄スクラップを溶融させる坩堝を黒鉛坩堝とすれば、黒鉛坩堝から炭素が供給されるとともに、鉄スクラップの溶融物の近傍の雰囲気を非酸化性雰囲気とすることが容易に実現されるため、好ましい。
以上に鉄スクラップの溶融物にCを好ましくは飽和濃度で含有させることの利点について説明したが、Cと同様にFeと熱力学的親和力が働く元素、例えばBやSiを鉄スクラップの溶融物に含有させた場合も、Cの場合と同様の効果が得られる。このことを別の観点から説明すれば、共存元素としてBやSiが鉄スクラップに含まれている場合には、これらの元素を本原理によって分離・回収することは困難である。
5.媒体相の材料
本発明においては、鉄スクラップに含まれる共存元素の移動媒体相として、溶融Ag相(より広義には「溶融Ag等」)使用する。溶融Ag相は、鉄スクラップの溶融物と硫化物フラックスとの間に介在する媒体相である。このように溶融Ag相を介在させることで、鉄スクラップの溶融物における溶鉄が直接硫化反応を起こすことが抑制される。また、Cuなどの共存元素を媒体である溶融Ag相を通じて鉄スクラップの溶融物から硫化物フラックスに移動させることにより、溶融Ag相は継続的に使用することができる。なお、Ag以外に、Pbおよび/またはBiを用いることも原理的には可能である。
6.硫化物フラックスおよびAgとCuの回収
本発明では、鉄スクラップの溶融物と溶融Agとの間における分配平衡に基づいて鉄スクラップの溶融物から溶融Agへと移行したCuを、硫化物として除去する。それにより、前述したように、酸化物として除去する特許文献4よりさらにCuの除去効率が高まる。この硫化除去のために、図2に示すように、回収領域のAg相の上部に硫化物フラックスを配置することができる。この硫化物フラックスは、好ましくは硫化ナトリウム(Na2S,融点1453K)から構成される。CuはAgより硫化され易いため、溶融Ag相に移行したCuは、硫化物フラックスと接触すると速やかに硫化されて、硫化物フラックスに取り込まれる。その結果、溶融Ag相中のCu濃度が低下して、溶融Fe相から溶融Ag相へのCuの移行が連続的に進行する。
Cuを硫化物フラックス中に硫化除去すると、硫化物フラックスはAg相との接触で生じたAg硫化物(Ag2S)に加えて、Cu硫化物(Cu2S)を含有するようになる。この硫化物フラックスを別容器に移して酸化処理を行うことにより、まずAgが金属として回収され、次にCuが同じく金属として回収される。この酸化処理は、溶融した硫化物フラックスに空気などの酸素含有ガスを吹き込むことにより実施することができる。この原理を次に説明する。
図3にAg,Cu,Naの硫黄−酸素ポテンシャル図を示す。図3のポテンシャル図より、Ag2SおよびCu2Sを含むNa2S(硫化物フラックス)を酸化すると、先にAg2Sが脱硫されて金属Agとなり、これが容器の底に溜まって回収可能になる。その後、同様にCu2Sが脱硫されて容器の底に溜まるので金属Cuが回収される。こうして、最終的にNa2Sからなる硫化物フラックスが得られる。回収されたAgと得られた硫化物フラックスは鉄スクラップの脱銅処理装置に戻すことができる。従って、高価なAgは循環使用でき、廃棄処理が面倒な硫化物フラックスも循環使用できるので、Cuのみが回収されることになる。回収された金属Cuは、資源として利用可能である。
以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により制限されるものではない。
Feに共存元素として含有させたCuを、Agを媒体として硫化除去する場合を例にとって実施例を示す。
使用した実験装置図を図1に示す。一方の端部の側壁に開口部を設けたアルミナ管(直径:21mm,内径:17mm、長さ:55mm)をアルミナ坩堝(直径:38mm,内径:32mm,高さ:50mm)内に、前記開口部とは反対側の管壁面が坩堝壁面と接するように設置した。このアルミナ管内にAg約60g,Cu約1gを入れて流量150cm3/min(s.t.p.)(純度99.99%)Arガス気流の雰囲気で1時間予備溶解し、アルミナ坩堝、アルミナ管内をAg−Cu合金で満たして冷却した。開口部は、Cuが溶融Fe相から硫化物フラックス相へ連通しつつ、溶融Agよりも比重の小さい溶鉄と硫化物フラックスが接触しないようにするために設けた。この開口部の大きさは幅15mm、高さ2mmであった。
その後、予備溶解しておいたFe−4質量%Cu−C(飽和)合金約8gをアルミナ管内のAg−Cu合金上に配し、Fe−Cu−C合金の周囲を黒鉛管と黒鉛蓋とで覆い、アルミナ管をアルミナ蓋で密閉した(蓋と管を耐熱接着剤スミセラムで接着)。さらに、アルミナ管外のアルミナ坩堝内に硫化物フラックスとしてNa2Sを約5g添加した。なお、各材料の正確な添加量は表1に示した。
この状態で、装置全体を流量150cm3/min(s.t.p.)のArガス気流の雰囲気中で1473Kに加熱し、この温度に0.5〜4時間保持した後、フラックス相にアルゴンガスを吹きつけつつ空冷した。
空冷後に固化した試料全体を回収し、物理的手段で各相から分析用試料を採取し、上部のFe合金中のCu濃度および底部のAg中のCu濃度について分析を行った。また、硫化物フラックス中Cu,Ag,Na,S濃度についても分析した。ここで、S濃度は熱分解−ヨウ素酸カリウム滴定法、その他の元素の濃度はICP発光分光分析法で測定した。
表1にFe、Ag、フラックス中の濃度分析結果を示す。表1にはまた、Fe合金およびAg中の硫化除去前のCu濃度の計算値も示した。これは、上述した溶融Fe相、溶融Ag相、Cuの量を前提として、濃度については、特許文献4で定めたAg,Fe−C(飽和)合金間のCu分配比(質量%比)を本実験温度に変換すると7.82であることから、添加したCu(g)をFe−C、Ag間に分配比7.82となるように分配する計算を行って推算した結果である。この計算値は、特許文献4に記載された方法で低減可能なCu濃度を示す。
本発明の方法では、上記硫化除去前のCu濃度の計算値と比べて、実験後のFeおよびAg中のCu濃度がいずれも低減しており、Ag相からCuを硫化除去することにより、新たにFe相からCuが分配され、結果的にFe中からCuを選択的に硫化除去できることがわかる。
本発明におけるNa2S/Fe間のCu分配比は最大で42であり、非特許文献1では約20である。これはAg相を介することで硫黄ポテンシャルが上昇したため、脱硫能が向上したと考えられる。また、特許文献4での脱銅限界は0.2質量%であったのに対し、本発明は0.06質量%まで低減できることを実証している。なお、本発明の方法では、Na2Sを用いてCu2Sの活量を下げることにより脱銅していることから、Na2Sの添加量を増やせばさらなる脱銅が期待できる。

Claims (6)

  1. 鉄スクラップに含まれる元素の除去方法であって、
    鉄スクラップを溶融させ、
    得られた鉄スクラップの溶融物とAg、PbおよびBiから選ばれた少なくとも1種の金属の溶融物(以下、この金属溶融物「溶融Ag等」と略記する)とを接触させて前記鉄スクラップに共存する元素を「溶融Ag等」に移行させ、
    「溶融Ag等」に移行した元素を「溶融Ag等」から硫化除去すること、
    を特徴とする方法。
  2. 前記鉄スクラップを炭素源とともに溶融させ、それにより前記鉄スクラップの溶融物がCを含有する、請求項1記載の方法。
  3. Cを含有する鉄スクラップの溶融物の温度T(単位:K)が1426<T<1873をみたし、かつ該溶融物中のCのモル分率Nが下記式(1)を満たす、請求項2に記載の方法:
    0.9×NC S ≦ NC ≦ 1.1×NC S ・・・(1)
    ここで、NC S=1012.728/T+0.7271×logT−3.049である。
  4. 前記鉄スクラップの溶融および鉄スクラップの溶融物と「溶融Ag等」との接触を黒鉛坩堝内で行い、鉄スクラップの溶融物にCが飽和溶解している請求項3に記載の方法。
  5. 除去される元素がトランプエレメントを含む請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
  6. 硫化除去を、Cuを含む「溶融Ag等」にNa2Sからなる硫化物フラックスの溶融物を接触させて、Cuを該フラックス中に移行させることにより行う、請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
JP2011269728A 2011-12-09 2011-12-09 鉄スクラップからの銅の硫化除去方法 Active JP5724861B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011269728A JP5724861B2 (ja) 2011-12-09 2011-12-09 鉄スクラップからの銅の硫化除去方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011269728A JP5724861B2 (ja) 2011-12-09 2011-12-09 鉄スクラップからの銅の硫化除去方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013119666A JP2013119666A (ja) 2013-06-17
JP5724861B2 true JP5724861B2 (ja) 2015-05-27

Family

ID=48772463

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2011269728A Active JP5724861B2 (ja) 2011-12-09 2011-12-09 鉄スクラップからの銅の硫化除去方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5724861B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101683167B1 (ko) 2015-11-09 2016-12-07 한국생산기술연구원 구리 함유 주석계 스크랩으로부터 구리 제거 방법

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09263848A (ja) * 1996-03-26 1997-10-07 Shin Kobe Electric Mach Co Ltd 乾式精錬方法
JPH10110224A (ja) * 1996-10-08 1998-04-28 Ryokichi Shinpo 鉄スクラップ中の銅の除去方法
JP3827547B2 (ja) * 2001-09-28 2006-09-27 独立行政法人科学技術振興機構 鉄スクラップからの銅の分離、除去方法
JP5402005B2 (ja) * 2008-03-05 2014-01-29 Jfeスチール株式会社 鋼屑中の銅の除去方法
JP5481966B2 (ja) * 2009-06-26 2014-04-23 新日鐵住金株式会社 鉄スクラップに共存する元素の分離・回収方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2013119666A (ja) 2013-06-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN101903543B (zh) 用于精炼铜精矿的方法
JP7466446B2 (ja) 銅/スズ/鉛製造の改善
JP7273819B2 (ja) 改善された乾式精錬工程
JP7273818B2 (ja) 改善された乾式冶金工程
JP7319273B2 (ja) 改善されたはんだ製造工程
Hils et al. Conventional and tailored Mn‐bearing alloying agents for the production of high manganese steels
KR102613147B1 (ko) 크루드 솔더의 제조를 위한 개선된 방법
JP5724861B2 (ja) 鉄スクラップからの銅の硫化除去方法
Yamaguchi et al. Oxidative removal of Cu from carbon-saturated iron via Ag phase into B2O3 flux
WO2011014716A2 (en) Process for refining lead bullion
JP2022519174A (ja) 高純度鉛を製造する改善された方法
JP5707668B2 (ja) 溶銑の脱銅処理方法
JP2017201048A (ja) 銅精錬スラグの処理方法
JP5481966B2 (ja) 鉄スクラップに共存する元素の分離・回収方法
JP6542560B2 (ja) 非鉄製錬スラグの処理方法
KR102566654B1 (ko) 코발트 함유 재료로부터 금속을 회수하는 방법
JP5726618B2 (ja) 錫含有銅の処理方法
RU2261929C2 (ru) Способ комбинированной переработки медно-никелевых кобальтсодержащих сульфидных материалов с различным отношением меди к никелю
KR102147695B1 (ko) 구리 제련로의 운전 방법
RU2307874C2 (ru) Способ рафинирования меди и медных сплавов (варианты)
Kamimura et al. Refining of Zinc Chloride by the Combination of Cementation Reaction and Vacuum Distillation
JP4274069B2 (ja) スラグフューミング法で得られる銅合金とマットの再利用方法
RU2784865C2 (ru) Улучшенный способ производства припоя
JP5518775B2 (ja) 鉄・錫含有銅の処理方法
RU2224034C1 (ru) Способ извлечения металлов платиновой группы

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20140212

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20140411

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20150213

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20150303

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20150316

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5724861

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350