JP5724270B2 - 生体情報計測装置 - Google Patents
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Description
このニーズに応えるべく、特許文献1には、腕時計状の装置本体と、装置本体を腕に装着するためのリストバンドとを備え、ユーザーの腕に装着されて用いられる脈拍計測装置(以下、生体情報計測装置という)が開示されている。
これにより、上記生体情報計測装置は、ユーザーの手首の動きが殆どない安静時の生体情報計測において、生体情報センサー部と手首との接触状態に変化がないことから、安定した状態で生体情報計測することが可能となり、生体情報を正確に計測することができる。
しかしながら、上記生体情報計測装置は、ユーザーの手首の動きが大きい運動時などの生体情報計測において、手首の動きに起因する装置本体のずれや厚み方向の傾き(以下、単に傾きともいう)などにより、装置本体に固定されている生体情報センサー部と手首との接触状態が頻繁に変化し易いことから、不安定な状態で生体情報計測することになり、生体情報を正確に計測することが困難となる虞がある。
すなわち、生体情報計測装置は、例えば、ユーザーの手首に装着されて使用される場合、生体情報センサー部が装置本体の凹部に入り込むように変位する。
この変位により、生体情報計測装置は、保持部の弾性(可撓性)によって手首に生体情報センサー部が押圧される。
したがって、手首の動きが大きい運動(例えば、歩行、走行、体操、スポーツなど)時などにおいて、手首の動きに起因した装置本体のずれや傾きなどにより生体情報センサー部の変位が変化した場合でも、生体情報センサー部と人体との押圧力を一定にすることができ、安定した状態で生体情報計測ができ、生体情報を正確に計測することが可能となる。
この結果、生体情報計測装置は、例えば、ユーザーの手首に装着されて使用される場合、周囲の気圧などに影響されることなく、内圧調整弁により常に適正一定な押圧力をユーザーの手首に加えることができる。
これによって、生体情報計測装置は、常に安定した状態での生体情報計測が可能となることから、生体情報を常に正確に計測することができる。
図1は、本実施形態の生体情報計測装置としての脈拍計の外観構成を示す模式外観図である。図1(A)は、データ表示窓部側から見た平面図であり、図1(B)は、裏蓋側から見た平面図である。図2は、図1(A)のA−A線での断面図である。なお、図1(A)では、データ表示を省略してある。
脈拍計1は、生体情報としての脈拍を計測する生体情報センサー部としての脈拍センサー部6と、装置本体としてのヘッド部3と、ヘッド部3に取り付けられヘッド部3を手首11に装着するための一対のリストバンド7と、一方が脈拍センサー部6に支持され、他方がヘッド部3に支持された保持部5とを備えている。
ケース30の裏蓋31側には、凹部30bが形成され、この凹部30bにモジュール2が収納され、裏蓋31が凹部30bを覆うようにして、金属製の裏蓋止めねじ31aにより固定されている。
また、データ表示窓部30aには、透明樹脂や透明ガラスなどから形成されたカバー体32が嵌め込まれ、このカバー体32によりモジュール2の表示パネル21が保護されている。カバー体32の外周下部には、後述する操作ボタン8の機能などが印刷された枠状の飾り板33が配置されている。
加えて、ケース30には、脈拍計1の電源となる電池9への充電の際に用いられる一対の充電端子8aが設けられている。
裏蓋31には、厚み方向に貫通する貫通孔31bが形成され、ケース30の凹部30bと共に脈拍センサー部6を収容するヘッド部3の凹部としての機能を果たしている。
なお、ユーザーの手首11に押圧されるセンサー枠34には、皮膚への刺激が少ないチタンなどの金属材料が用いられている。また、センサー枠34は、金属材料を用いることにより人体へのアース機能を備えている。
脈拍センサー部6は、後述する保持部5が取り付けられることにより外部へ露出する部分が防水性を有している。
センサー基板62は、ポリイミド系の樹脂などを用いたフレキシブル基板であって、後述するモジュール2のコネクター24と接続されている。
この際、脈拍センサー60は、血管の拡張時と収縮時とで光の反射率が異なる現象を利用してユーザーの脈拍を計測する。
このことから、脈拍センサー部6は、計測ノイズとなる外光が脈拍センサー60の受光素子で受光されないように、手首11に押圧されていることが好ましく、手首11に密着していることがより好ましい。
保持部5は、一方としての内周側の縁部が略オーリング状に形成され、脈拍センサー部6のセンサー枠34とセンサー押さえ38との間で圧縮されて挟持された状態で支持され、他方としての外周側の縁部が同様に略オーリング状に形成され、裏蓋31と保持部押さえ37との間で圧縮されて挟持された状態で支持されている。
なお、脈拍センサー部6の裏蓋31からの突出量Hとしては、手首11に対する適正な押圧力の確保及び脈拍センサー部6のヘッド部3に追随した動きを抑制するために、例えば、1.5mm程度が好ましい。
これにより、脈拍計1は、手首11に装着されたときに保持部5の弾性力によって、脈拍センサー部6が適正な押圧力で手首11に押圧される。
また、保持部5は、フッ素系の添加剤により低温時における硬度の上昇が抑制され、弾性力の温度依存性が緩和されている。
なお、保持部5には、上記合成ゴム以外のエラストマーを用いてもよい。保持部5の動作などの詳細については、後述する。
一方、脈拍計1は、気密に封止されたヘッド部3の内部と外気との通気を可能とする通気部4が、ケース30に設けられている。
通気部4は、ケース30の径方向に沿って設けられた段付き貫通孔30cに、凹部30b側から金属製の内輪42が挿入されている。そして、通気部4は、ニトリルブタジエンゴムなどを用いてリング状に形成されたガスケット41が組み込まれたねじピン40が、ケース30の外側から段付き貫通孔30cに挿入され、ねじピン40のねじ部40aと内輪42のねじ部42aとが螺合されている。
通気部4は、回転に伴うねじピン40の矢印B方向の進退(移動)により、ガスケット41がねじピン40とケース30との間で圧縮及び復元(圧縮解除)されることで、ヘッド部3の内部と外気との通気及びヘッド部3の内部の封止(外気との遮断)が行われる。
また、ねじピン40を緩める方向の回転に伴う内輪42のケース30内側への移動は、モジュール2がストッパーとなることや、内輪42の段付き貫通孔30cへの締め代による圧入などで回避される。
回路基板23には、一方の面23aに表示パネル21、ELパネル22などを案内するパネル枠25が配置され、他方の面23bに電池9などを案内する回路ケース26が配置されている。
なお、積層されたパネル枠25、回路基板23、回路ケース26、回路押さえ27は、ねじ止めによって一体化されていてもよい。
回路基板23は、一方の面23aに表示パネル21との接続用電極が形成され、表示パネル21の電極と図示しないコネクターを介して導通されている。
表示パネル21には、液晶パネルなどの表示部材が用いられ、各モードに応じて脈拍数などの脈拍計測データや、現在時刻などの時刻情報などが表示される。
ELパネル22は、表示パネル21とパネル枠25との間に配置され、回路基板23と接続されることで、ユーザーの所定の操作ボタン8の操作により点灯し、表示パネル21を照明する。
これにより、センサー基板62は、脈拍センサー60を駆動し脈拍を計測する回路と電気的に接続される。
なお、センサー基板62は、脈拍センサー部6が裏蓋31に取り付けられた状態でもコネクター24への挿抜作業が容易に行える長さで形成され、裏蓋31がケース30に取り付けられる際には、折り畳むようにして収納される。
電源は、この回路で所定の電圧に変換されるなどして各回路へ供給され、脈拍センサー60を駆動し脈拍を検出する回路、表示パネル21を駆動する回路、各回路を制御する回路などを動作させる。
電池9の充電は、コイルばねなどの導通部材により回路基板23と導通された一対の充電端子8aを介して行われる。
なお、電池9には、充電が不要な一次電池を用いてもよい。
図3は、脈拍計1が手首11に装着されている状態を示す模式要部断面図である。図3(A)は、ヘッド部3が手首11に密着している状態を示す断面図であり、図3(B)は、ヘッド部3の一部が手首11から離れている状態を示す断面図である。なお、図中の2点鎖線は、変位前の脈拍センサー部6の要部を示す。
詳述すると、図3(A)に示すように、脈拍計1は、ヘッド部3が手首11の平坦部に位置している場合には、リストバンド7(図1参照)を手首11に巻いて締め付けることで加わる外力により、保持部5が弾性変形し、脈拍センサー部6が、裏蓋31の貫通孔31b内に入り込むように矢印C方向に略平行移動(変位)する。
脈拍計1は、このときの保持部5の弾性力などにより、脈拍センサー部6が手首11に押圧されて密着する。
これにより、脈拍計1は、脈拍センサー部6と手首11との接触状態が安定した状態に保持される。
この場合でも、脈拍計1は、ヘッド部3の動きに応じて保持部5が弾性変形し、脈拍センサー部6がヘッド部3に対して厚み方向の回転を伴って矢印D方向に変位することで、脈拍センサー部6が手首11に押圧されて密着している状態が維持される。
これにより、脈拍計1は、ヘッド部3の一部が手首11から離れた場合でも、脈拍センサー部6と手首11との接触状態が安定した状態に保持される。
なお、脈拍センサー部6の変位量は、センサー押さえ38が保持部押さえ37に当接することで規制され、脈拍センサー部6と他の構成要素との干渉が回避されている。
脈拍センサー部6の押圧力は、脈拍センサー部6の変位量の多寡に関係なく略一定であることが、脈拍をより正確に計測する上で好ましい。
図4は、脈拍センサー部6の変位量と押圧力との関係の一例を示したグラフである。縦軸は押圧力を示し、横軸は厚み方向(図3の矢印C方向)の変位量を示す。
図4の曲線Eは、脈拍センサー部6の押圧力を表し、曲線Fは、保持部5の弾性力を表し、曲線Gは、気密に封止されたヘッド部3の内部の圧力を表す。
保持部5の弾性力は、その形状に起因する特性により、変位量が0mm〜1mm程度までは変位量に略比例して増加し、それ以降は徐々に減少していく。
一方、気密に封止されたヘッド部3の内部の圧力は、脈拍センサー部6が裏蓋31の貫通孔31b内へ入り込む変位量に略比例して内部の空気の圧縮率が高まることにより増加していく。
そして、脈拍計1は、保持部5が脈拍センサー部6に加わる外力に応じて弾性変形することにより、脈拍センサー部6がヘッド部3に対して裏蓋31の貫通孔31b内(ケース30の凹部30b内)に入り込むように変位する。
そして、脈拍計1は、手首11の動きが大きい運動時などにおいても、手首11の動きに起因したヘッド部3のずれや傾きなどにより脈拍センサー部6に加わる外力を、保持部5が弾性変形することで吸収及び緩和する。
この結果、脈拍計1は、脈拍センサー部6のヘッド部3に追随した動きが抑制されることから、脈拍センサー部6の手首11からの浮き上がりを回避できる。
この結果、脈拍計1は、従来正確な脈拍計測が困難であったユーザーの手首11の動きが大きい運動時などにおいても、安定した状態での脈拍計測が可能となることから、脈拍を正確に計測することができる。
加えて、脈拍計1は、脈拍センサー部6が、ユーザーの手首11に装着されて使用される場合、保持部5によって脈拍センサー部6が手首11に押圧され、手首11の動きが大きい運動時などにおいても、脈拍センサー部6と手首11との接触状態が良好である。
このことから、脈拍計1は、光センサー(脈拍センサー60)を備えてなる脈拍センサー部6への計測ノイズの要因となる外光の侵入を抑制でき、光センサーの使用において好適な構成となっている。
加えて、脈拍計1は、上記のように装着に対する抵抗感を緩和できることから、ユーザーに長時間の携帯や常時携帯をさせることも可能となる。
加えて、脈拍計1は、ユーザーの手首11に装着されて使用される場合、装着時に加わる外力により、脈拍センサー部6が押圧され、裏蓋31の貫通孔31b内へ入り込むように変位する。
このとき、脈拍計1は、ヘッド部3の内部の空気が圧縮されることから、内部の圧力が高くなり、この圧力が反力として脈拍センサー部6及び保持部5に働くことで、ユーザーの手首11に保持部5の弾性力以上の押圧力が加わる。
この結果、脈拍計1は、より安定した状態での脈拍計測が可能となることから、脈拍をより正確に計測することができる。
なお、脈拍センサー部6及び保持部5のサイズは、両者の変位によるヘッド部3の内部の空気圧縮率なども考慮して適宜設定される。
この結果、脈拍計1は、通気部4の操作によって、周囲の気圧変化やヘッド部3の内部の温度変化に影響されることなく、常に適正な押圧力をユーザーの手首11に加えることができる。
この際、脈拍計1は、通気部4のねじピン40を緩める方向に回転させることで、ヘッド部3の内部と外部とが通気され、ヘッド部3の内部と外部との圧力差が解消される。
したがって、脈拍計1は、手首11の血流を阻害することなく安定した状態での脈拍計測が可能となることから、脈拍を正確に計測することができる。
これに対しても、脈拍計1は、通気部4によって再度通気して、ヘッド部3の内部と外部との圧力差を解消し、ヘッド部3の内部の圧力を上げることで脈拍センサー部6の押圧力を適正な範囲内に収めることができる。
このことから、脈拍計1は、ねじピン40を回転させるだけでヘッド部3の内部と外気との通気及びヘッド部3の内部の封止を容易に行うことができる。
また、脈拍計1は、ねじピン40の頭部にコインなどを挿入可能なマイナス溝40bが形成されていることから、専用工具などを用いることなく身近にあるコインなどを用いて、ねじピン40を回転させることで手軽に通気部4の操作を行うことができる。
ここで、上記実施形態の変形例について図面に基づいて説明する。
図5は、変形例の脈拍計の模式要部断面図である。なお、断面位置は、図2の断面位置と同じである。また、上記実施形態との共通部分については、同一符号を付して説明を省略し、上記実施形態と異なる部分を中心に説明する。
一方、裏蓋131には、平面視において、このつば部134aと重なり、脈拍センサー部106の裏蓋131から外側への突出量を規制する規制部131cが形成されている。
脈拍センサー部106は、この規制部131cがなければ図5の2点鎖線で示した位置まで突出するように、保持部5によって保持されている。
これにより、脈拍センサー部106は、裏蓋131に取り付けられた時点で保持部5が弾性変形し(たわみ)、2点鎖線で示した位置からケース30側に変位量Jだけ変位しており、この変位量J(以下、初期たわみJともいう)分、すでに押圧力が発生していることになる。
これにより、脈拍計101は、上記実施形態と比較して、より安定した状態での脈拍計測が可能となることから、脈拍をより正確に計測することができる。
これにより、脈拍計101は、ゴミなどの異物の侵入による不具合の発生を回避できる。
なお、脈拍計1,101は、脈拍センサー部6,106の小型化、保持部5の小型化などに伴うヘッド部3の内部の空気圧縮率の低下に対して、例えば、モジュール2に備えたコイルばねなどの弾性部材で脈拍センサー部6,106を手首11側へ押圧することにより、脈拍センサー部6,106の押圧力を増加させることが可能である。
Claims (9)
- 生体に装着して生体情報を計測する生体情報計測装置であって、
前記生体情報を計測する生体情報センサー部と、
前記生体情報センサー部を収容する凹部が設けられた装置本体と、
一方が前記生体情報センサー部に支持され他方が前記装置本体に支持された弾性を有する保持部と、
前記装置本体、前記生体情報センサー部及び前記保持部によって設けられた空間と、
を備え、
前記生体情報センサー部に外力が加わった場合に、前記生体情報センサー部が前記装置本体に対して変位することで前記保持部に生じる弾性力、及び前記生体情報センサー部が前記装置本体に対して変位することで前記空間に生じる内部圧力によって、前記生体に前記生体情報センサー部を密着させる押圧力を所定の範囲内に収めるようにしたことを特徴とする生体情報計測装置。 - 請求項1に記載の生体情報計測装置において、
前記生体に前記生体情報センサー部を密着させる押圧力の所定の範囲内は、1Nから3Nであることを特徴とする生体情報計測装置。 - 請求項1又は2に記載の生体情報計測装置において、
前記保持部は、前記生体情報センサー部の少なくとも一部が前記装置本体から外側に突出することを特徴とする生体情報計測装置。 - 請求項1〜3に記載の生体情報計測装置において、
前記保持部の変位量は、1mm〜3mmであることを特徴とする生体情報計測装置。 - 請求項1〜3のいずれか一項に記載の生体情報計測装置において、
前記装置本体は、前記生体情報センサー部及び前記保持部が防水性を有することを特徴とする生体情報計測装置。 - 請求項1〜4のいずれか一項に記載の生体情報計測装置において、
前記装置本体の一部に内圧調節可能な弁を設けたことを特徴とする生体情報計測装置。 - 請求項1〜5のいずれか一項に記載の生体情報計測装置において、
前記保持部は弾性体であることを特徴とする生体情報計測装置。 - 請求項1〜6のいずれか一項に記載の生体情報計測装置において、
前記凹部は、前記生体情報センサー部の少なくとも一部が前記装置本体から外側に突出する突出量を規制するための規制部をさらに有することを特徴とする生体情報計測装置。 - 請求項8に記載の生体情報計測装置において、前記生体情報センサー部は、前記規制部と接触するつば部を有することを特徴とする生体情報計測装置。
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