JP2006200909A - リスト機器 - Google Patents

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Abstract

【課題】 手首に装着した際に回転しにくく、また、装着者が表示部を視認できる位置に配置でき、表示部が見やすいリスト機器を提供する。
【解決手段】 リスト機器10は、手首に帯状の装着部材によって巻回して装着するリスト機器であって、装着部材としてのバンド15の長手方向の略中央部に設けられるリスト機器10の駆動制御を行う制御回路25を格納する制御部20と、制御部20とバンド15の長手方向に並列して設けられ、少なくとも時刻を表示する表示部40と、を備え、制御部20が手の甲側に配置されると共に、リスト機器10を手首に装着した際に、表示部40が、装着者の視認方向に配置されている。
【選択図】 図2

Description

本発明は、リスト機器に関し、詳しくは、制御部と表示部の配置構造に関する。
従来、手首等に巻回して装着する環状のリスト機器において、装着部材の表面に沿ってほぼ全周にわたって、液晶表示部が形成されているもの、または、液晶表示部を小さい駒状にユニット化し、このユニットを装着部材のほぼ全周にわたって連結し、時刻、カレンダーやキャラクターを表示するもの、あるいは、装着部材の長手方向中央に指針による時刻表示部を備え、その両側に前述の小さい駒状の液晶表示ユニットを連結したリスト機器というものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
米国特許第6216490号公報
このような特許文献1では、このリスト機器は、装着部材の全周にわたって時刻表示、またはカレンダー表示等を表示する液晶表示部が設けられているが、リスト機器を手首等に装着した際に、装着者の視認方向の反対側(手首の外側方向)にある表示を読み取ることができず、手首を回したり、あるいはリスト機器を手首に沿って回すことが必要になるという課題を有している。
また、このようなリスト機器は、手首等に装着したときに、手首に沿って回転してしまうことが考えられ、読みたい表示部分が視認不可能な位置に移動してまっているというような課題もある。
本発明の目的は、手首に装着した際に回転しにくく、また、表示部を装着者が視認できる位置に配置でき、表示部を見やすいリスト機器を提供することである。
本発明のリスト機器は、手首に帯状の装着部材によって巻回して装着するリスト機器であって、前記装着部材の長手方向の略中央部に設けられる前記リスト機器の駆動制御を行う制御回路を格納する制御部と、前記制御部と前記装着部材の長手方向に並列して設けられ、少なくとも時刻を表示する表示部と、を備え、前記制御部が手の甲側に配置されると共に、前記リスト機器を手首に装着した際に、前記表示部が、装着者の視認方向に配置されていることを特徴とする。
ここで、表示部に表示される内容としては、例えば、時刻、カレンダーの他、リスト機器で測定される種々の測定データがある。
この発明によれば、リスト機器を手首等に装着した際に、表示部が装着者から視認できる範囲に配置されているため、時刻等を読む場合において、手首を回したり、あるいはリスト機器を表示部が視認できる位置まで移動することなく、自然な姿勢で時刻等を読み易いリスト機器を実現することができる。
また、前述の構造のリスト機器は、前記制御部が通常使用状態で変形しない程度の剛性を有し、前記制御部の手首と接触する部位に前記リスト機器の回転止め部が形成されていることが好ましい。
なお、前述の制御部には、詳しくは後述する実施の形態において説明するが、例えば、このリスト機器のシステムを制御する制御回路を含むCPU(Central Processing Unit)及び表示部の駆動制御を行う駆動制御回路(ドライバー)等を含む。
このようにすれば、制御部は、手首に装着する際、または通常使用状態で変形しない程度の剛性を有しているため、前述したCPU、駆動制御回路など構造的強度が小さい回路素子に歪みを与えないよう保護することができ、また、制御部には、回転止め部が設けられているために、手首等に装着した際に、回転することを防止することができるので、表示部を見やすい位置に保持できるという効果がある。
また、本発明では、前記表示部が手首の断面形状に沿って湾曲していることが好ましい。
このような構造にすれば、表示部が手首に沿って湾曲しているため、表示部に表示される時刻等が、表示部のどの位置にあっても読みやすく、また、手首に違和感なく装着することができる。
また、前記表示部を構成する電気化学表示パネルが可撓性を有することが好ましい。
ここで、電気化学表示パネルとしては、例えば、液晶表示パネル、有機ELパネルやLED表示パネル、電気泳動パネル等を採用することができ、それらの基材としては、例えば、合成樹脂の薄板や可撓性を有する程度の厚みに形成されるガラス等がある。
このように、表示部を構成する電気化学表示パネルが可撓性を有しているので、手首等に装着した際に、手首に沿って表示部を湾曲させることができるため、手首に馴染み易いので装着感がよく、また、手首が太い人、細い人にも装着しやすいという効果がある。
また、本発明では、前記制御部の外側表面または側面に前記リスト機器を操作するための外部操作部材が備えられていることが好ましい。
ここで、外部操作部材としては、例えば、操作ボタン、タッチスイッチ等を採用することができる。
このような構造によれば、制御部の外側表面または側面に外部操作部材を備えているために、表示部、あるいは剛性を有する制御部以外の装着部材には、外部操作部材を備える必要がないため構造が簡単になり、また装着部材の厚みを増すことがないので、湾曲し易くなるという効果がある。
また、前記制御部に外部環境測定センサ、または生体測定センサが搭載されていることが好ましい。
ここで、外部環境測定センサとしては、例えば、水圧センサ、大気圧センサ等の圧力センサ、温度センサ等、生体測定センサとしては、体温測定センサや脈拍測定センサ等を採用することができる。
このように、外部環境測定センサ、生体測定センサは、一般的に歪みに対して耐性がなく、剛性を有する制御部に備えられることで歪みが発生しにくいので、精度が高い測定値を得ることができる。また、これらのセンサを制御部に備えることによって、表示部や装着部材の可撓性を低下させることがない。
さらには、制御部内に備えられる制御回路等の近傍に前述のセンサを配置することができるので、配線距離を短くすることができ、耐ノイズ性を向上させることができる。
また、本発明では、前記制御部の外側表面に発光素子を備えることが好ましい。
発光素子としては、例えば、LED(Light Emitting Diode)等を採用することができる。
このように、発光素子を備え、正常駆動をしている際には、発光素子を1秒点滅させれば、リスト機器が正常に駆動していることを知ることができ、また、前述したセンサの測定値が閾値を超えた場合には発光素子を警告点灯させることができるので、使用者の安全性を高めることができる他、リスト機器の機能をより充実させることができる。
さらに、制御部に発光素子を備えることで、装着者以外にも、前述したような警告点灯を認知させることができ、仮に、潜水をしているような場合に、所定の水深を超えたときに水深警告点灯を行うことで、安全性を高めることができるというような効果がある。
また、前記制御部に太陽光発電パネルが備えられていることが好ましい。
制御部は、前述したように手の甲側に設けられており、この位置は、装着した際に影になりにくいので安定した発電量を得ることができる。また、制御部には制御回路等を格納しているので、太陽光発電パネルとの接続が容易で、このことから、制御部内のスペース効率を高めることができる。
さらに、本発明では、前記リスト機器を手首に装着した際に、前記制御部の視認可能な表面に装飾が施装されていることが望ましい。
ここで、装飾としては、例えば、文字、キャラクターや貴石(輝石b)等を施装することができる。
前述したように、制御部は、手の甲側に配置されており、装着者以外の視野に入りやすいこともあるため、制御部の表面に装飾を施すことで、ブレスレット等の装飾品として使用することができる。また、制御部の表面は、面積が広いため、装飾手段も様々に選択することができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1〜図6は本発明に係る実施形態1のリスト機器が示されている。図7には、実施形態2、図8には、実施形態3、図9には、実施形態4が示されている。
(実施形態1)
図1〜図6は実施形態1に係るリスト機器が示されている。
図1は、本実施形態に係るリスト機器10を手首に装着した状態を示す外観図である。本実施形態は、水深計測が可能な外部環境測定センサとしての圧力センサ70を搭載するリスト機器を例示している。図1において、リスト機器10は、手首に装着部材としてのバンド15によって巻回され装着されている。バンド15には、制御部20と表示部40とが図で示すようにバンド15の長手方向に並列して備えられている。
制御部20には、外観視において圧力センサ70と、外部操作部材としての操作ボタン80,81,82が備えられている。また、表示部40には、電気光学表示パネルとしての液晶表示パネル50が備えられており、時刻及び水深が表示されている。
ここで、このリスト機器10を手首に装着した際、手の甲側のバンド15の長手方向の略中部に制御部20が配置され、手首の側面側の装着者が視認できる方向(図中、矢印A方向)に表示部40が配置されている。
本実施形態によるリスト機器10の構造は、図2以降に詳しく説明する。
図2には、本実施形態に係るリスト機器10の斜視図が示されている(図1における矢印B方向)。図2において、バンド15は、可撓性を有する材料から構成され、両端を結合するための中留め17を備えている。
なお、本実施形態では、中留め17を採用しているが、中留めとしては、二つ折れ型、三つ折れ型の中留め、中留め以外の結合部材としては美錠を採用することができる。
中留め17の反対側のバンド15の略中央部に制御部20が備えられている。制御部20は、機枠部16と蓋体18とから形成され、機枠部16の手首に接触する側の底面はほぼ平面に形成された回転止め部16Aが設けられており、機枠部16は、バンド15と連続して形成されている。また、蓋体18は、機枠部16に溶着されている。この機枠部16と蓋体18によって形成される空間19(図3、参照)に、制御回路等を含む回路素子が格納されている。
手首を生体的にみると、撓骨と尺骨とが手の甲に対して略平行に配列しており、これら撓骨と尺骨とから構成される手の甲側の手首表面に回転止め部16Aが当接する位置に配置することによって、手首にリスト機器10を装着した際に回転しにくい形状を形成している。
制御部20の手首に対して外側には、圧力センサ70の一部が露出して備えられ、外部操作部材としての操作ボタン80,81,82の端部が突出して備えられている。本実施形態では1例として、操作ボタン80には表示部40のモード切換え機能、操作ボタン81には時刻修正機能、操作ボタン82にはリセット機能が備えられている。
なお、これら操作ボタン80〜82は、前述した機能及び配列順、数に限定されず、他の機能を有し、また、配列を変えることが可能で、リスト機器10の保有する機能に合わせて選択することができる。
制御部20は、機枠部16と蓋体18とを溶着することで、制御部20以外の部位に比べ厚く形成され、リスト機器10を手首に装着した際、及びバンド15を撓めた際において、変形しない程度の剛性を有するように設計されている。
表示部40は、電気化学表示パネルとしての液晶表示パネル50によって構成され、図2では、上段に時刻61(12:00)、下段に水深62(10.00m)が表示されている。表示部40は、手首に装着した際に、自然な姿勢で表示面の全領域が視認できる範囲に配置されている。
続いて、本実施形態のリスト機器10における制御部20及び表示部40の構造及び製造方法について図面を参照して説明する。
図3は、本実施形態のリスト機器10の構造の主要部を示す断面図である。中留め17は周知の構造を採用しているので、図示及び説明を省略する。図3において、バンド15に連続する機枠部16の上面には、FPC(Flexible Printed Circuit)21が載置固定され、端部には、電池90が格納される凹部が形成されている。
機枠部16の周縁部には溶着面15Cが形成されており、蓋体18の周縁部が溶着されて、空間19が形成されている。機枠部16の手首との接触面は略平面の回転止め部16Aが形成され、その両端部には、溝15Aが穿設されている。一方、溝15Aとは反対側の略同じ位置にも溝15Bが形成されている。これらの溝15A,15Bは、バンド15を撓めたり、手首に装着する場合に、制御部20に歪みが懸からないよう、また、手首の断面形状に沿って違和感なく装着できるように配慮して設けられたものである。
機枠部16の一方側(装着者側の視認方向)には、液晶表示パネル50が装着される凹部15Fが穿設されており、液晶表示パネル50は、制御部側端部がACF51(Anisorotronic Conductive Film)によって前述したFPC21に接続されている。
FPC21は、帯状の基板で、表面には図示しない配線パターンが形成されており、液晶駆動回路(ドライバー)23、CPU22、圧力センサ70が接続されている。また、電池90の+、−端子は、リード板91,92によって、前述の回路素子に配線パターンによって接続されている。
圧力センサ70は、一方の端部がFPC21に接続され、他方の端部が蓋体18から外部に覗くように配置され、圧力センサ70と蓋体18との間にはパッキン66が備えられ、水の浸入を防止している。また、操作ボタン80〜82は、空間19から蓋体18の外側に突出しており、空間側の端部は、ラバースイッチ30の端部に当接し、ラバースイッチ30の弾性力によって、外側方向に付勢されている。操作ボタン80〜82と蓋体18の間にもパッキン65が備えられ、水の浸入を防止している。
ラバースイッチ30は、一方が開口された容器状をしており、導電性粒子が混入された合成ゴムからなり、前述の操作ボタン80〜82を押操作したときに、中央部の凸部がFPC21の配線パターンを接続して所定の入力をする構造である。
このようにして、FPC21に液晶駆動回路23、CPU22、圧力センサ70、電池90、リード板91,92を接続した後に、蓋体18を機枠部16の溶着面15Cに溶着することで制御部20が形成される。
なお、蓋体18と機枠部16との接合は、溶着に限らず接着や、固定螺子による螺合、固定軸による軸止などの手段を選択することができる。
一方の表示部40側において、FPC21の端部をパネル装着部としての凹部15Fに延在させ、ACF51によって、液晶表示パネル50と接続する。ACF51は、バインダと呼ばれるエポキシ系主剤の絶縁樹脂の中に、フィラーと呼ばれる直径数μmの導電性粒子が均等に混入されたもので、熱圧着をすることで、微細ピッチのFPC21と液晶表示パネル50の配線パターン(図示せず)とを高精度で、且つ小スペースで接続することができる。
液晶表示パネル50は、バンド15の外側方向から凹部15F内に載置される。凹部15Fには、液晶表示パネル50の周縁部のみを載置する段部15Gが形成されており、その段部のみが液晶表示パネル50に接触する。
液晶表示パネル50の構造は、上パネルと下パネルの間に液晶を収納したもので、この構造は周知であり説明は省略するが、上パネル及び下パネルはそれぞれ合成樹脂からなる薄板で形成されて可撓性を有し、手首に装着した際に、手首の曲率と概ね同じ曲率まで撓めることを可能としている。
液晶表示パネル50を凹部15F内に装着したのち、透明な風防ガラス52をバンド15の溶着面15Dに溶着する。風防ガラス52は、アクリル系樹脂のような光透過率が高い材料で形成され、液晶表示パネル50に近い可撓性を有し、且つ、液晶表示パネル50を通常の使用状態における外力から保護するだけの構造的強度を有するように設計されている。
なお、風防ガラス52は溶着に限らず接着固定が可能であり、紫外線硬化型接着剤は、取り扱いが容易であり、透明な風防ガラスの固定に適している。
また、風防ガラス52には、液晶表示パネル側に液晶表示パネル50の周縁部(上下パネルの封止部に相当する)を押圧するパネル押え部52Aが突出されている。風防ガラス52を溶着したとき、液晶表示パネル50は、前述したバンド側の段部15Gと風防ガラス側のパネル押え部52Aによって押圧固定される。このように、段部15Gとパネル押え部52Aを設けることによって、液晶パネル50が撓められた際に、液晶表示部が風防ガラス52とバンド15に空間が形成されて接触しないように配慮している。
続いて、制御部20及び表示部40の平面方向の構造について図4、図5を参照して、さらに詳しく説明する。
図4は、本実施形態に係る制御部20の平面図である。図4では、説明を分かりやすくするために、蓋体18を透視した状態を示している。図4において、制御部20は、機枠部16の内部にFPC21が装着されている。ここで、前述した液晶駆動回路23、操作ボタン80〜82、圧力センサ70、CPU22、電池90それぞれが、図示した位置にバランスよく配置されている。
機枠部16の周縁部には同一平面で構成された溶着面15Cが形成されており、溶着面15Cは、FPC21を取り囲んでいるため、空間19(図3、参照)は密閉されている。FPC21の一方の端部は、表示部40側に延在されている。
続いて、表示部40について図5を参照して、さらに詳しく説明する。
図5は、表示部40を示す平面図である。図5では、風防ガラス52を透視した状態を示している。図5において、液晶表示パネル50はバンド15の凹部15F(図3、参照)内に載置され、端部がFPC21の端部とACF51(図中、ハンチングで表す)によって接続されている。
バンド15の凹部15Fの周縁には溶着面15Dが同一平面で形成されている。また、風防ガラス52を溶着した際、風防ガラス52に突出形成されたパネル押え部52Aは、図示したように液晶表示パネル50の周縁全周にわたって形成されており、このパネル押え部52Aの内側に液晶表示部が形成されており、時刻等が表示されている。
なお、風防ガラス52の表面は、バンド15の表面15Eから突出しないように設定される。
次に、本実施形態に係るシステムについて図面を参照して説明する。
図6は、本実施形態によるリスト機器10のシステムの一例を示すブロック図である。図6において、リスト機器10は、基本構成として、システム全体の制御を行うCPU22と、液晶表示パネル50と、液晶表示パネル50の駆動制御を行う液晶駆動回路(ドライバー)23と、圧力センサ70と、操作ボタン80〜82と、前述した各回路に電力を供給する電池90とから構成されている。
ここで、CPU22、液晶駆動回路23、圧力センサ70、操作ボタン80〜82、電池90とは、制御部20に備えられ、液晶表示パネル50は、表示部40に備えられている。
CPU22についてさらに詳しく説明する。CPU22には、発信器を含む時刻制御回路24と、圧力センサ70の圧力値を検出し、制御回路25に検出信号を入力するセンサ制御回路28と、操作ボタン80〜82からの操作信号を制御回路25に入力する操作制御回路27と、電池90からの電力を、前述した時刻制御回路24、センサ制御回路28、操作制御回路27及び制御回路25に所定の電圧に変換して供給する電圧制御回路26とを備えている。制御回路25は、前述した各回路の制御を行うことにより、リスト機器10の全体の駆動制御を行う。また、圧力センサ70からの測定情報から水深等の値に変換する演算回路を含んでいる。センサ制御回路28は、圧力センサ70の検出データをA/D変換し、検出信号として制御回路25に入力する。
時刻制御回路24と制御回路25からの出力される信号はインターフェースI/Oを介して液晶駆動回路23に入力され、液晶駆動回路23は液晶表示パネル50の表示駆動及び制御を行う。
なお、前述した実施形態1では、外部環境測定センサとして水深計測用の圧力センサ70を搭載した例をあげ説明しているが、圧力センサとして大気圧センサを同様な構造、配置で採用することができる。
また、他の外部環境測定センサを採用することができる。例えば、外気の温度を測定する温度センサを採用することができる。この場合には、温度センサは、前述の圧力センサ70とほぼ同じ配置にすることができるが、体温の影響が加わらないように、温度センサと機枠部16との間に断熱材を備えることが好ましい。
さらに、生体測定センサとして体温を測定する温度センサ、脈拍測定センサ等を搭載することができる。このような場合には、これらのセンサは、手首に接触する位置に配置され、脈拍測定センサについては、所定の測定位置に配置することが好ましく、撓骨センサ等が採用される。
また、前述の実施形態1では、表示部40には、時刻表示と水深表示が例示されているが、リスト機器が有する機能にあわせ、カレンダー表示、タイマー表示、時間計測表示など様々な表示を行うことが可能である。
従って、前述の実施形態1によれば、リスト機器10を手首等に装着した際に、表示部40が装着者から視認できる範囲に配置されているため、時刻等を読む場合において、手首を回したり、あるいはリスト機器10を表示部40が視認できる位置まで移動することなく、自然な姿勢で時刻等を読みやすいリスト機器10を実現することができる。
また、制御部20は、手首に装着する際、または通常使用状態で変形しない程度の剛性を有しているため、前述したCPU22、液晶駆動回路23など構造的強度が小さい回路素子に歪みを与えないように保護することができ、また、制御部20には回転止め部16Aが設けられているために、手首等に装着した際に、回転することを防止することができるので、表示部40が見易い位置に保持できるという効果がある。特に、リスト機器10がスキューバウオッチである場合、ウエットスーツ上に装着されるため、表示部40を見る場合に、リスト機器を見やすい位置に回転することができないので、本発明による効果が大きい。
また、表示部40が手首に沿って湾曲しているため、表示部40に表示される時刻等が、表示部40のどの位置に表示されていても読みやすく、また、手首に違和感なく装着することができる。
さらに、液晶表示パネル50が可撓性を有しているので、手首等に装着した際に、手首に沿って表示部40を湾曲させることができるため、手首に馴染み易く、装着感がよく、また、手首が太い人、細い人にも装着しやすいという効果がある。
また、制御部20の外側表面または側面にリスト機器10を操作するための操作ボタン80〜82が備えられているので、表示部40、あるいは剛性を有する制御部20以外のバンド15には、外部操作部材を備える必要がないため構造が簡単になり、またバンド15の厚みを増すことがないので、湾曲しやすくなるという効果がある。
また、剛性を有する制御部20に圧力センサ70を備えているために、歪みに対して耐性が小さい圧力センサ70に歪みが発生しにくいので、精度が高い測定値を得ることができる。さらに、制御部20内に備えられるCPU22の近傍に圧力センサ70を配置することができるので、配線距離を短くすることができ、耐ノイズ性を向上させることができる。
(実施形態2)
続いて、本発明に係る実施形態2について、図面を参照して説明する。実施形態2は、前述した実施形態1に比べ、操作ボタンの位置を機枠部16の側面に配置したことに特徴を有し、他の構造は実施形態1と同じであるため説明を省略し、同じ符号を付して説明する。
図7は実施形態2に係るリスト機器10を示し、図7(a)は、リスト機器10の全体外観を示す斜視図、図7(b)は、操作ボタン82に係る構造を示す部分断面図である。図7(a)において、外部操作部材としての操作ボタン80〜82は、制御部20の機枠部側面16Bに配置されている。従って、実施形態1(図2、参照)とは、操作ボタン80〜82が制御部20の上面から側面に移動していることが相違点である。
図7(b)で、操作ボタンに係る構造について詳しく説明する。
図7(b)は、操作ボタンに係る構造を示す断面図であり、図7(a)で示すD断面を示している。また、操作ボタン80〜82は、それぞれ同じ構造を採用しているので、操作ボタン82を例示し説明する。図7(b)において、操作ボタン82は、機枠部16の機枠部側面16Bに開設された孔に挿通されている。
操作ボタン82は、機枠部側面16Bの内部に鍔を有する軸部材であり、一方の端部が機枠部側面16Bの外側に突出し、他方の端部がスイッチ板35に当接され、スイッチ板35によって機枠部側面16Bの内側の壁に付勢されている。機枠部側面16Bと操作ボタン82の間にはリング状のパッキン65が備えられ、機枠内部に水が浸入することを防止している。
スイッチ板35は、機枠部16の底部に設けられたL字状の導電性材料からなる部材で、操作ボタン82を押すことにより初期状態35Aから35Bの位置まで移動し、FPC21に形成された配線パターン21Aと接触し、スイッチが入力される。配線パターン21Aは、FPC21の端面にまで形成され、スイッチ板35と接触することでスイッチ入力される。
従って、前述した実施形態2によれば、操作ボタン80〜82を、制御部20の側面に配置しているので、手首等に装着して使用する際に、制御部20の上面に配置する構造に比べ誤入力されることを低減することができる。また、機枠部側面16Bに備えているため、同じ機枠部16に備えられるFPC21の配線パターン21Aとの相互位置の精度を高めることができる。
(実施形態3)
続いて、本発明に係る実施形態3について図面を参照して説明する。実施形態3は、前述した実施形態1、実施形態2に比べ、制御部20の上面に発光素子としてのLEDを備えたところに特徴を有しており、共通部位には同じ符合を付して説明する。
図8は、実施形態に係るリスト機器10の構造を示し、図8(a)は、リスト機器10の全体外観を示す斜視図、図8(b)は、LED71に係る構造を示す部分断面図である。図8(a)において、LED71A〜71Cは、制御部20の上面に直列配置して設けられている。
LED71A〜71Cは、前述の実施形態1の操作ボタン80〜82(図2、参照)とほぼ同位置に配置され、本実施形態では、操作ボタン80〜82は、前述の実施形態2(図7(a)、参照)と同じ構造で、同じ位置(図中、機枠側面16B)に配置されている。LED71A,71B,71Cはそれぞれ同じ色で統一しても、別の色にしてもよく、それらの表示したい機能に合わせて自在に選択することができる。
本実施形態では、LED71Aは、リスト機器10が正常駆動をしていることを示すため1秒点滅を繰り返す。この場合、LED71Aの色は緑色が選択される。また、LED71Bは、装着者が潜水をしている状態を告知するために点灯させる。この場合LED71Bの色は黄色が選択される。さらに、LED71Cは、装着者が潜水をしている際に、所定の水深を超えた時に警告を発するために点灯させ、この場合には、LED71Cの色は赤色が選択されることが好ましい。
次に、これらLED71A〜71Cに係る構造について図8(b)を参照して説明する。図8(b)は、図8(a)におけるE断面を示している。LED71A〜71Cは、それぞれ同じ構造でFPC21に取り付けられているので、LED71Aを例示して説明する。図8(b)において、LED71A〜71Cは、FPC21上面に直列に配置され、図示しない配線パターンに接続されている。
LED71Aの周縁には、蓋体18から筒状に突出された光遮蔽壁18Aが形成され、先端部は、FPC21の表面まで延在されている。この光遮蔽壁18Aは、LED71Aから射出される光が漏れないようにして、他の隣接する回路素子への影響をなくすこと、隣接する他のLEDの発光色に影響を与えないことと、光を外側に効率よく射出させるために設けられている。
蓋体18のLED71Aの上部には、導光体18Bが設けられている。導光体18Bは、アクリル系樹脂等の光透過率の高い材料で形成され、蓋体18に圧入されている。
なお、発光素子としてLED71A〜71Cを採用する実施形態3においては、CPU22に発光素子制御回路(図示せず)が設けられる。
また、図8(b)で示す構造以外に、LED71A〜71Cを蓋体18に圧入しておき、図示しないリード線等でFPC21の配線パターンと接続する構造を採用することができる。
従って、前述した実施形態3によれば、LED71A〜71Cを備えているので、リスト機器10が正常に駆動していることを知ることができ、また、前述した圧力センサ70の測定値が閾値を超えた場合には警告点灯させることができるので、リスト機器10の表示機能をより充実させることができると共に、使用者の安全性を高めることができる。
さらに、制御部20に発光素子71を備えることで、装着者以外にも、前述したような警告点灯を認知させることで、仮に、潜水をしているような場合には、水深警告点灯を行うことで、より安全性を高めることができるというような効果がある。
(実施形態4)
続いて、本発明に係る実施形態4について図面を参照して説明する。実施形態4は、前述した実施形態1〜実施形態3に記載した圧力センサ70、LED71A〜71Cをなくし、制御部20に太陽光発電パネルを備えていることに特徴を有している。
図9には、実施形態4に係るリスト機器10が示されている。図9(a)は、リスト機器10の全体外観を示す斜視図、図9(b)は、太陽光発電パネル72に係る構造を示す部分断面図である。図9(a)において、太陽光発電パネル72は、蓋体18の内面に装着されている。詳しくは図9(b)を参照して説明する。
操作ボタン80〜82は、実施形態2(図7(a)、(b)、参照)と同様に機枠部側面16Bに配置されている。構造も実施形態2と同じであるため説明を省略する。
本実施形態では、表示部40には、図で示すように上段に時刻61(12:00)が表示され、下段には、カレンダー63(6.Jun.2005)が表示されている。
なお、これら表示内容も前述したように限定されるものではなく、1例をしめしたものである。
続いて、太陽光発電パネル72の装着構造について、図9(b)を参照して詳しく説明する。
図9(b)は、図9(a)で示す操作ボタン方向から視認した断面図である。図9(b)において、太陽光発電パネル72は、能動面を上方にして蓋体18の内側の面に透明な接着剤等で貼着されている。そして、太陽光発電パネル72の裏面に形成される電極(図示せず)にFPC21に取り付けられたリード板36に接続されている。
蓋体18は、光透過率が高いアクリル系樹脂で形成されており、平面視して太陽光発電パネル72の周縁部まで延在される光遮蔽膜18Cが形成されており、外光が、制御部20の内部まで達しないようにマスキングされている。
なお、光遮蔽膜18Cは、蓋体18の内面に設けることもできる。また、CPU22は、充電制御回路(図示せず)を含んでおり、電池(図示せず)に充電する。電池は充電可能な二次電池等が採用される。
従って、前述した実施形態4によれば、制御部20は、前述したように手の甲側に向けて設けられており、この制御部20に太陽光発電パネル72を備えているために、この位置は、手首等に装着した際に影になりにくいので発電量を高めることができる。また、制御部20にはCPU22等を格納しているので、配線し易く、スペース効率を高めることができる。
さらに、制御部20に装着する太陽光発電パネル72は、面積を大きくすることが可能であり、十分な発電量を得られやすいという効果がある。
(実施形態5)
続いて、本発明に係る実施形態5について説明する。実施形態5は、制御部20の視認可能な表面に装飾を施装したことに特徴を有している。本実施形態は、前述した実施形態1〜実施形態4に応用することができ、リスト機器10の装飾性を高めることを目的としている。
図示しないが、実施形態5は、制御部20の表面(上面及び側面を含む)に、文字やキャラクターを施装し、あるいは宝石等の貴石(輝石)が取り付られる。文字やキャラクターは、蓋体18や機枠部側面16Bに印刷、彫りこみ等によって形成する、または他の部材で形成しておき蓋体18や機枠部側面16Bに取り付けることができる。
従って、この実施形態5によれば、制御部20は、手の甲側に配置されており、装着者以外の視野に入りやすいこともあるため、制御部20の表面に装飾を施すことで、装飾品(ブレスレット)として使用することができる。また、制御部20の表面は、面積が広いため、装飾手段も様々に選択することができる。
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、前述の実施形態1では、制御部20に圧力センサ70を搭載する例、実施形態3では、LED71A〜71Cを搭載する例、実施形態4では、太陽光発電パネル72を搭載した例を示したが、制御部20の通信機能部材を備えることもできる。
通信機能部材の1例としては、時刻標準電波を受信するアンテナや通信制御回路を備え、リスト機器を電波修正時計とすることができる。このような場合、制御部20と表示部40とが分離配置されているために、制御部20内にサイズが大きくなる長波受信アンテナを内蔵することができ、また、表示部40(液晶表示パネル50)に形成される透明電極等による受信性能への影響を排除することができる。
また、前述した実施形態1〜実施形態4では、それぞれ特徴ある構成を単独に設けているが、それぞれを選択的に組み合わせることも可能である。
さらに、前述の実施形態1〜実施形態5では、外部操作部材として操作ボタン80〜82を備えているが、液晶表示パネル50のタッチセンサ用の電極を形成し、このタッチセンサに触れることでリスト機器10の操作を行うことができる。
タッチセンサは、リスト機器の表面に突出する操作ボタンをなくすことが可能で、出っ張りがないすっきりしたデザインのリスト機器を提供することができ、また、制御部20(つまり蓋体18、機枠部16)の構造を簡素化することができる。さらに、操作ボタンを廃することで、制御部の内外を連通する孔が不要であるために、防水性が優れたリスト機器を提供することができる。
従って、前述した実施形態1〜実施形態5によれば、手首に装着した際に回転しにくく、また、表示部を装着者が視認できる位置に配置できることから、表示部を見やすいリスト機器を提供することができる。
本発明の実施形態1に係るリスト機器を手首に装着した状態を示す外観図。 本発明の実施形態1に係るリスト機器を示す斜視図。 本発明の実施形態1に係るリスト機器の構造を示す断面図。 本発明の実施形態1に係る制御部を示す平面図。 本発明の実施形態1に係る表示部を示す平面図。 本発明の実施形態1に係るリスト機器のシステムの一例を示すブロック図。 (a)は、本発明の実施形態2に係るリスト機器の全体外観を示す斜視図、(b)は、操作ボタンに係る構造を示す部分断面図。 (a)は、本発明の実施形態3に係るリスト機器の全体外観を示す斜視図、(b)は、LEDに係る構造を示す部分断面図。 (a)は、本発明の実施形態4に係るリスト機器の全体外観を示す斜視図、(b)は、太陽光発電パネルに係る構造を示す部分断面図。
符号の説明
10…リスト機器、15…バンド(装着部材)、16…機枠部、20…制御部、40…表示部、50…液晶表示パネル、70…圧力センサ、80〜82…操作ボタン(外部操作部材)。

Claims (9)

  1. 手首に帯状の装着部材によって巻回して装着するリスト機器であって、
    前記装着部材の長手方向の略中央部に設けられ、前記リスト機器の駆動制御を行う制御回路を格納する制御部と、
    前記制御部と前記装着部材の長手方向に並列して設けられる少なくとも時刻を表示する表示部と、を備え、
    前記制御部が手の甲側に配置されると共に、
    前記リスト機器を手首に装着した際に、前記表示部が、装着者の視認方向に配置されていることを特徴とするリスト機器。
  2. 請求項1に記載のリスト機器において、
    前記制御部が通常使用状態で変形しない程度の剛性を有し、前記制御部の手首との接触する部位に前記リスト機器の回転止め部が形成されていることを特徴とするリスト機器。
  3. 請求項1または請求項2に記載のリスト機器において、
    前記表示部が手首の断面形状に沿って湾曲していることを特徴とするリスト機器。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載のリスト機器において、
    前記表示部を構成する電気化学表示パネルが可撓性を有することを特徴とするリスト機器。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載のリスト機器において、
    前記制御部の外側表面または側面に前記リスト機器を操作するための外部操作部材が備えられていることを特徴とするリスト機器。
  6. 請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載のリスト機器において、
    前記制御部に外部環境測定センサ、または生体測定センサが搭載されていることを特徴とするリスト機器。
  7. 請求項1ないし請求項6のいずれか一項に記載のリスト機器において、
    前記制御部の外側表面に発光素子を備えることを特徴とするリスト機器。
  8. 請求項1ないし請求項7のいずれか一項に記載のリスト機器において、
    前記制御部に太陽光発電パネルが備えられていることを特徴とするリスト機器。
  9. 請求項1ないし請求項8のいずれか一項に記載のリスト機器において、
    前記リスト機器を手首に装着した際に、前記制御部の視認可能な表面に装飾が施装されていることを特徴とするリスト機器。
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