JP5724254B2 - ガス透過性評価方法およびガス透過性評価装置 - Google Patents
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Description
T=m×(M[Gas]/M[Metal])×(δhαρ/A)/(xt)・・・(1)
上記式(1)において、Tはガス透過度、mは腐食性金属の価数、M[Gas]は透過ガスの分子量、M[Metal]は腐食性金属の分子量、δは腐食性金属の腐食部分の面積、hは腐食性金属の厚み、αは厚み補正係数、ρは腐食性金属の腐食後の密度、Aは腐食性金属の腐食部分と非腐食部分の面積の合計、xは高圧保管時の圧力の大気圧に対する比、tは高圧保管時の保管時間を示す。
請求項2の発明は、前記試験片は、前記フィルムの表面と接するように前記腐食性金属を形成し、前記腐食性金属が前記表面と接する面を除く部分を覆うように前記非腐食性金属を形成することによって前記腐食性金属を前記フィルムと前記非腐食性金属とによって密封している、ことを特徴とする。
式(1) Q=PpAt/l
Pはガス透過係数、pは圧力、Aは透過面積、tは透過時間、lはフィルムの厚さを示す。
図1、図2は本発明の金属腐食法に使用する試験片を説明する2種類の断面図である。
図1では、測定対象であるプラスチックフィルム1に接する形で、平面状の腐食性金属2があり、これを囲む形で密封した非腐食性金属3が設けられている。
また図2では、測定対象であるプラスチックフィルム4との間に空間を作るように腐食性金属5を設けた非腐食性金属6が配置されている。図1、図2ともに、腐食性金属は、プラスチックフィルムを透過したガスとのみ反応するよう配置されている。
ここで非腐食性金属3、非腐食性金属6は、金属だけでなく、ガラスや樹脂等とも組み合わせてもよく、できるだけガスがプラスチックフィルム以外の場所から腐食性金属側に透過しないようにすることが望ましい。
言い換えると、図1の試験片は、フィルム1の表面に、特定のガスと反応して腐食する腐食性金属2を形成し、腐食性金属2が表面と接する面を除く部分を覆うようにガスと反応しない非腐食性金属3を形成することによって腐食性金属2をフィルム1と非腐食性金属3とによって密封したものである。
また、言い換えると、図2の試験片は、特定のガスと反応しない非腐食性金属3によって構成され開口を有するカップの内面に、ガスと反応して腐食する腐食性金属2を形成し、開口をフィルム1で塞ぐことによって腐食性金属2をカップの内部に密封したものである。
請求項5記載の装置の概要を図3を用いて説明する。本装置は、図1あるいは図2の腐食性金属2と非腐食性金属3と測定対象フィルム12(フィルム1)により構成されている試験片をセットすることができる試験片保管チャンバー19、試験片保管チャンバー19内部の温度を調節する温度調節機18、試験片保管チャンバー19内部の透過ガスの濃度を検出する透過ガス濃度センサー16、試験片保管チャンバー19内部の圧力を検出する圧力センサー17、試験片保管チャンバー19内部に透過ガスを供給する透過ガス供給装置13、試験片保管チャンバー19内部に供給する透過ガスと反応しないガスの供給装置14、試験片保管チャンバー19内部のガスを排気するガス排気装置15で構成されている。なお、図3には、図1の試験片が例示されている。
言い換えると、フィルムのガス透過性評価装置は、試験片が保管される内部を有する容器としての試験片保管チャンバー19と、試験片保管チャンバー19の内部の環境を一定のガス濃度、一定の温度、かつ大気圧より高い一定の圧力に維持する環境維持手段とを備えている。
前記環境維持手段は、温度調節機18、透過ガス濃度センサー16、圧力センサー17、透過ガス供給装置13、透過ガスと反応しないガスの供給装置14、ガス排気装置15を含んで構成されている。
この測定装置の例として、腐食性金属の腐食部面積を得るカメラ、腐食性金属部の吸光度を得る吸光光度計、腐食性金属部の電気特性測定装置が挙げられるが、これらに限定するものではない。
言い換えると、フィルムのガス透過性評価装置には、試験片が試験片保管チャンバー19に保管された状態で、腐食性金属の腐食が進行する程度を測定する測定装置が設けられている。
はじめに、図1あるいは図2の試験片を試験片保管チャンバー19にセットし、温度調節機18を用いて、試験片保管チャンバー19を予め定めた温度に調節する。
その後、透過ガス濃度センサー16により、試験片保管チャンバー19内部の透過ガス濃度を検出し、予め定めた値になるように透過ガス供給装置13とガス排気装置15を用いて透過ガスを供給する。
これと同時に、圧力センサー17により、試験片保管チャンバー19内部の圧力を検出し、予め定めた大気圧以上の値になるように透過ガスと反応しないガスの供給装置14とガス排気装置15を用いて、透過ガスと反応しないガスを供給する。
このようにして、試験片保管チャンバー19内部を一定ガス濃度、一定温度、大気圧以上の一定圧力に維持し、試験片を保管することが可能となる。
これにより、保管時間をより短くすることができ、その値は高圧時の圧力が大気圧のx倍(xは1より大きい値)とすると、従来の大気圧環境の1/x倍の保管時間とすることができる。
本発明の評価解析には、どの手法でも用いることができるが、ここでは一例として、腐食性金属を画像処理により腐食面積を求める。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。この時、特許文献1に従うと、ガス透過度Tは、式(2)で示される。
式(2) T=m×(M[Gas]/M[Metal])×(δhαρ/A)/(xt)
mは腐食性金属の価数、M[Gas]は透過ガスの分子量、M[Metal]は腐食性金属の分子量、δは腐食性金属の腐食部分の面積、hは腐食性金属の厚み、αは厚み補正係数、ρは腐食性金属の腐食後の密度、Aは腐食性金属の腐食部分と非腐食部分の面積の合計、xは高圧保管時の圧力の大気圧に対する比、tは高圧保管時の保管時間を示す。
特許文献1では、式(2)はxtではなくtで示されており、tは従来の大気圧での保管時間を示しているが、今回、高圧保管を行い従来の大気圧環境の1/x倍の保管時間で済ませているため、保管時間にxを乗じた。
2・・・腐食性金属
3・・・非腐食性金属
4・・・フィルム
5・・・腐食性金属
6・・・非腐食性金属
12・・・測定対象フィルム
13・・・透過ガス供給装置
14・・・透過ガスと反応しないガスの供給装置
15・・・ガス排気装置
16・・・透過ガス濃度センサー
17・・・圧力センサー
18・・・温度調節機
19・・・試験片保管チャンバー
Claims (6)
- 特定のガスと反応しない非腐食性金属によって構成され開口を有するカップの内面に、前記特定のガスと反応して腐食する腐食性金属を形成し、前記開口をフィルムで塞ぐことによって前記腐食性金属を前記カップの内部に密封した試験片を形成し、当該試験片を前記特定のガスの濃度、温度、及び圧力をそれぞれ一定に維持可能な容器内に配置する工程と、
前記容器内を予め定めた温度に調整する工程と、
前記容器の前記特定のガスの濃度が予め定めた濃度値となるように前記特定のガスを前記容器内に供給または前記容器内から排気する工程と、
前記容器内の前記圧力が予め定めた大気圧よりも高い圧力値となるように、前記特定のガスと反応しない他のガスを前記容器内に供給する工程と、
前記容器内の前記特定のガスの濃度、温度、及び圧力を一定に維持し、前記試験片を所定時間保管する工程と、
下記式(1)を用いて前記特定のガスの前記フィルムに対する透過率を評価する工程と、を含むことを特徴とするガス透過性評価方法。
T=m×(M[Gas]/M[Metal])×(δhαρ/A)/(xt)・・・(1)
上記式(1)において、Tはガス透過度、mは腐食性金属の価数、M[Gas]は透過ガスの分子量、M[Metal]は腐食性金属の分子量、δは腐食性金属の腐食部分の面積、hは腐食性金属の厚み、αは厚み補正係数、ρは腐食性金属の腐食後の密度、Aは腐食性金属の腐食部分と非腐食部分の面積の合計、xは高圧保管時の圧力の大気圧に対する比、tは高圧保管時の保管時間を示す。 - 前記試験片は、前記フィルムの表面と接するように前記腐食性金属を形成し、前記腐食性金属が前記表面と接する面を除く部分を覆うように前記非腐食性金属を形成することによって前記腐食性金属を前記フィルムと前記非腐食性金属とによって密封している、
ことを特徴とする請求項1記載のガス透過性評価方法。 - 請求項1または請求項2に記載のガス透過性評価方法において、前記特定のガスが水蒸気であり、前記腐食性金属が、アルカリ金属、アルカリ土類金属、またはその合金のいずれかを含むことを特徴とするガス透過性評価方法。
- 請求項3に記載のガス透過性評価方法において、前記アルカリ土類金属として、カルシウム、マグネシウムまたはその合金のいずれかを含むことを特徴とするガス透過性評価方法。
- 請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のガス透過性評価方法に用いるフィルムのガス透過性評価装置であって、
前記試験片が保管される内部を有する前記容器と、
前記容器の内部の環境を一定のガス濃度、一定の温度、かつ大気圧より高い一定の圧力に維持する環境維持手段と、
を備えたことを特徴とするガス透過性評価装置。 - 請求項5に記載のガス透過性評価装置において、
前記試験片が前記容器に保管された状態で、前記腐食性金属の腐食が進行する程度を測定する測定装置を設けた、
ことを特徴とするガス透過性評価装置。
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JP2010203434A JP5724254B2 (ja) | 2010-09-10 | 2010-09-10 | ガス透過性評価方法およびガス透過性評価装置 |
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