JP5723099B2 - X線発生装置、及び除電装置 - Google Patents
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Description
ベルでの表面性状の変化(例えば、表面形状の変化)や、ターゲットからスパッタされた物質が電子放出部の表面への付着することなどが挙げられる。このように、従来の電界放出型のX線発生装置は、熱電子放出型のX線発生装置に比べて寿命が短いことから、長寿命化を可能とする技術の開発が望まれている。
される電流値が下限電流値を下回った場合、前記X線管に印加される電圧を昇圧(負電圧側により大きくする)させるようにしてもよい。X線管に印加する電圧を昇圧することで、X線管内に残存するガスのイオンと熱の影響による電子放出部の原子レベルでの表面性状の変化(例えば、表面形状の変化)が改善され、また、ターゲットからスパッタされ電子放出部の表面へ付着した物質が離脱される。表面形状の変化については、電子放出部が真空容器内に封入されていることから外部からの確認は基本的には困難であるが、本発明者らは次のように考えている。すなわち、針状の先端部が消耗することで、鋭角な形状から丸みを帯びた形状となり、昇圧により再び先端が鋭化すると考える。更に、昇圧による容器内部の高温化が不純物の離脱を促進すると考えている。換言すると、時間の経過によって劣化した電子放出部が活性化され、電子放出部の電子の放出能力が回復する。つまり、X線管を流れる電流値を再び高めることができる。
図1は、実施形態に係るX線発生装置1の構成を示す。実施形態に係るX線発生装置1は、X線管2、電流モニタ回路3A、3B、制御部4を備える。実施形態に係るX線発生装置1は、箱型形状を有するが、細長のバー形状としてもよく、また、円筒形としてもよい。
ピュータと、コンピュータ上で実行されるプログラムによって実現される。具体的には、制御部4は、電流値取得部43、判断部44、実行部45を含む機能部を備える。そして、これら機能部の有する機能がコンピュータによって実行されることで、X線管2に印加
される電圧やX線管2を流れる電流が調整される。なお、これらの機能部は、専用のプロセッサとして構成してもよい。
ここで、図2は、X線発生装置1で実行される昇圧制御処理フローを示す。まず、ステップS01では、X線管2を流れる電流の電流値が取得される。具体的には、電流モニタ回路3が、X線管2の上流側、下流側の夫々の電流値を検知する(以下、上流側の電流値を上流側電流値、下流側の電流値を下流側電流値とも称する。)。各電流モニタ回路3で検知された電流値は電気信号として制御部4の電流値取得部43へ送られ、電流値取得部43は、電流値を取得する。電流値が取得されるとステップS02へ進む。
ここで、図3は、X線発生装置1で実行される定電流制御処理フローを示す。まず、ステップS11では、昇圧制御処理におけるステップ01と同じく、X線管2を流れる電流の電流値が取得される。電流値が取得されるとステップS12へ進む。
表面性状の変化が改善され、ターゲットからスパッタされ電子放出部の表面へ付着した物質が離脱される。すなわち、時間の経過によって劣化した電子放出部が活性化され、エミッタ22の電子の放出能力が回復する。つまり、過電圧を印加することで、X線管2を流れる電流の電流が上昇して回復することから、X線発生装置1の寿命を向上することができる。なお、上述した昇圧制御処理では、X線管2を流れる電流の電流値が連続的に低下する傾向を示すが、定電流制御処理によれば、初期電流値を維持する制御であることから、印加する電圧の出力の変動幅を抑えることができる。そして、例えば管電圧が一定の上限に達した後に降圧させることで、エミッタの破損その他の故障を防止し、装置寿命を長く維持することができる。
次に、漏洩電流判断処理について説明する。この漏洩電流判断処理は、上述した昇圧制御処理又は定電流制御処理とともに実行することで、より精度の高い処理を実現することができる。漏洩電流とは、X線管2以外に流れる電流であり、このような漏洩電流の有無を判断することで、より精度の高い処理が実現する。すなわち、漏洩電流が認められる場合における電流の低下は、時間経過による電流の低下とは異なるものであり、漏洩電流が認められる場合において、上述した処理を実行してもエミッタ22の十分な活性化を実現することはできない。そこで、以下に説明する漏洩電流判断処理では、漏洩電流の発生が認められる場合には、これを報知し、漏洩電流の発生が認められない場合のみ上述した昇圧制御処理又は定電流制御処理を行うものである。
次に上述した実施形態に係るX線発生装置1におけるエミッタの活性化について、実施例に基づいて説明する。以下、上述した昇圧制御処理に対応する第一実施例と、上述した
定電流制御処理に対応する第二実施例について説明する。第一実施例と第二実施例では、いずれもX線管2の筐体21の材料には、ガラスを用い、エミッタ22には、グラファイトを用い、ターゲット23には、タングステンを用い、透過窓24には、ベリウムを用いた。
図5は、試作したX線発生装置1のX線管2を流れる電流の時間依存性であって、昇圧制御処理を行った場合を示す。以下、X線管2を流れる電流は、管電流とも称し、また、X線管2に印加される電圧は、管電圧とも称する。図5に示す例では、初期出力は、管電圧−10kV、管電流500μAである。なお、第一実施例では、上流側電流値と下流側電流値の双方の値が下限電流値300μAを下回った場合に昇圧するよう設定した。図5によれば、X線発生装置1の動作時間の経過に伴い、管電流が減少、すなわち、X線管2が劣化していることが確認できる。動作開始から約1000時間経過後、管電流が予め設定した電流下限値に達した時点で、管電圧を−12kに昇圧した。すると、管電流は、増加し、その後しばらくすると急激に増加し、設定した上限電流値(過電流−1000μA)に達した時点で、管電圧を初期電圧である−10kVに戻した。その結果、管電流は、再度500μAとなり、エミッタ22が活性化され、電子放出性能が動作初期と同等の性能に塑性されたことが実証された。すなわち、高電圧の印加によりエミッタ22の先端部分の形状変化が改善され、若しくは、吸着物質の再離脱が生じさせることで、エミッタ22の電子放出能力が改善されることが確認された。すなわち、昇圧制御処理によりエミッタ22の寿命、すなわちX線発生装置1の寿命が向上できることが確認された。
第二実施例では、試作したX線発生装置1において定電流制御処理を行った。図6は、試作したX線発生装置1のX線管2を流れる電流の時間依存性であって、定電流制御処理を行った場合を示す。第二実施例では、管電流が500μAで一定となるよう設定した。その結果、図6に示すように、管電圧は徐々に上昇し(負電圧側に大きくなり)、管電圧が一定の値(−12kV)を超えたときにエミッタ22が活性化されることが確認された。すなわち、定電流制御処理によっても、X線発生装置1の寿命が向上できることが確認された。
上述した実施形態に係るX線発生装置1は、除電装置として好適に用いることができる。例えば、X線発生装置1を備える除電装置をフラットパネルディスプレイ、半導体、フィルム等の製造装置に設置する。除電装置には、上記製造装置に設置されている直流電源から電力が供給され、X線管には、例えば、−9kVから−16kVといった高圧の負電圧が印加される。その結果、軟X線(エネルギーが低くて透過性の弱いX線)が上記製造
装置内に照射される。その結果、空気中の分子がイオン化され、上記製造装置内に存在する半導体集積回路や液晶パネルなどが除電される。
2・・・X線管
3・・・電流モニタ回路
4・・・制御部
5・・・電源部
Claims (6)
- 電子を放出する冷陰極としての電子放出部と、前記電子放出部から放出された電子が照射されることでX線を発生する対極としてのターゲットと、前記ターゲットと接続され、該ターゲットで発生したX線を外部に放出する透過窓とを含むX線管を備えるX線発生装置であって、
前記X線管に対して所定の電圧を印加する電源部と、
前記X線管を流れる電流の電流値を検知する電流検知部と、
前記電子放出部の電子の放出能力の低下を抑制するように、前記電流検知部によって検知される電流値に基づいて、前記電源部を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記X線管に印加される電圧を昇圧させ、前記電流検知部によって検知される電流値が上限電流値に達した場合、前記X線管に印加される電圧を減圧させるX線発生装置。 - 電子を放出する冷陰極としての電子放出部と、前記電子放出部から放出された電子が照射されることでX線を発生する対極としてのターゲットと、前記ターゲットと接続され、該ターゲットで発生したX線を外部に放出する透過窓とを含むX線管を備えるX線発生装置であって、
前記X線管に対して所定の電圧を印加する電源部と、
前記X線管を流れる電流の電流値を検知する電流検知部と、
前記電子放出部の電子の放出能力の低下を抑制するように、前記電流検知部によって検知される電流値に基づいて、前記電源部を制御する制御部と、を備え、
前記電流検知部は、前記X線管を流れる電流の電流値として、前記X線管の上流側と下流側の電流値を検知し、
前記制御部は、前記X線管の上流側と下流側の電流値の差分に基づいて、漏洩電流の有無を判断するX線発生装置。 - 前記制御部は、前記電流検知部によって検知される電流値が下限電流値を下回った場合、前記X線管に印加される電圧を昇圧させる、請求項1又は2に記載のX線発生装置。
- 前記制御部は、前記電流検知部によって検知される電流が一定の電流値となるよう、前記X線管に印加される電圧を繰り返し昇圧させ、前記昇圧に伴って前記検知部によって検知される電流値が上限電流値に達した場合、前記X線管に印加される電圧を減圧させる、請求項1又は2に記載のX線発生装置。
- 前記電源部は、前記X線管に対して、−9kVから−16kVの負電圧を印加し、前記X線管には、0.15mAから1.0mAの電流が流れる、請求項1から4の何れか1項に記載のX線発生装置。
- 請求項1から5の何れか1項に記載のX線発生装置を有する除電装置。
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