JP5722673B2 - 多段遠心圧縮機およびこれを用いたターボ冷凍機 - Google Patents

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Description

本発明は、回転シャフトの軸方向に並んで少なくとも2つの遠心インペラが設けられ、前段のインペラによって圧縮した気体を後段のインペラによってさらに圧縮するようにした多段圧縮機に関する。
従来より知られているように遠心式のターボ圧縮機は、回転する遠心インペラ(以下、単にインペラと呼ぶ)によって気体にエネルギを与え、その圧力を上昇させるようにしたものである。インペラの流路を流れる気体の流量と圧力比との間には一定の制約があるので、より高い圧力比を実現するためには複数のインペラを直列に接続して、多段階に圧縮する多段式のものが用いられる。
ここで一般的に遠心圧縮機では、インペラの回転数が高くなるほど大きな圧力比が得られるので、前記のような多段式のものにおいて各段それぞれの圧力比を大きくすることにより、段数を減らして小型化したり部品点数を削減することが可能になる。このため従来より多段式の遠心圧縮機において高回転化の要請はあるが、構造上の制約から高回転化には限界があった。
すなわち、遠心圧縮機では製作コストなどを考慮して通常、インペラと回転シャフトを別々に加工し、嵌め合わせるようにしている。この場合、インペラの中心孔の内径を回転シャフトの外径よりも小さめにしておき、ここに回転シャフトを圧入したり、或いはインペラを加熱し膨張させてから嵌め合わせたりする(焼き嵌め)、いわゆる締まり嵌めが採用される。
ところが、インペラの回転数が高くなると遠心力が加速度的に増大することから、締め代が不足気味になる。すなわち、高速回転するインペラは遠心力によって膨張し、その中心孔の内周面が回転シャフトの外周面から浮き気味になるため、インペラの重心が回転中心からずれてしまい、不釣り合い振動が発生するおそれがあった。しかも、高速回転するインペラの中心孔の内周面には、円周方向に大きな引っ張り応力が作用するので、高回転化に伴い強度上の問題が発生するおそれもあった。
この点について特許文献1に開示される遠心圧縮機では、回転シャフトの軸方向に並ぶ複数のインペラのそれぞれに、回転シャフトの一部をなすシャフト部を一体に設けることで、前記の不具合が発生しないようにしている。そして、各段のインペラのシャフト部を同一軸線上に並べて、隣り合うシャフト部の端部同士を連結させることにより、複数段のインペラを継ぎ合わせて多段ロータを構成している。
特開2003−293988号公報
しかしながら、前記従来例では隣り合うインペラの間にシャフト部を連結するための嵌合部を設けなくてはならず、作業性を考慮すれば或る程度のスペースが必要なことから、シャフトの軸心の方向(軸方向)にロータの寸法が大きくなるきらいがある。
また、インペラの背面が回転軸心に直交する平面状であるから、シャフト部との境目(ヒール部)において応力集中の問題が生じるおそれがある。すなわち、一般に、高速で回転する円板には、図5に表すように遠心力によって直接的に半径方向への引張応力σrが発生するとともに、これにより円周方向にも引張応力σθが発生する。そして、外径の大きなインペラがある部位では図の右側に示すように応力が大きくなる一方、外径の小さなシャフト部では図の左側に示すように応力が小さくなるから、前記従来例のようにインペラの背面が平面状であると、シャフト部との境目で応力の分布状態が急激に変化することで、応力集中による問題が生じやすいのである。
このような応力集中による問題を回避するためには、例えばインペラの背面を内周側で徐々に隆起させて、なだらかにシャフト部に繋がるような湾曲形状にすることも考えられるが、こうするとロータがますます軸方向に長くなってしまう。
また、前記従来例の多段ロータでは複数段のインペラが全て同じ向きで並んでいることから、前段のインペラの外周側から隣接する後段のインペラの内周側の吸込口に向かって気体の流れを折り返すようにリターンチャンネルを設けなくてはならず、気体の流れがスムーズに折り返されるようにしようとすれば、自ずと隣り合うインペラ同士の間隔が大きくなってしまう。
かかる点に着目して本発明は、多段遠心圧縮機の高回転化を図り、且つその回転軸方向の寸法を可及的に短縮することが目的である。
前記の目的を達成すべく本発明は、回転シャフトの軸方向に並んで少なくとも2つの遠心インペラが設けられ、前段のインペラによって圧縮した気体を後段のインペラによってさらに圧縮するように構成された多段遠心圧縮機が対象である。
そして、前記前段および後段のインペラを互いに背中合わせに配置して前記回転シャフトと一体に形成するとともに、これらを収容するハウジングには、前段のインペラの軸方向に対向する前段の吸込口と、前段のインペラの外周に配置された前段の吐出流路と、後段のインペラの軸方向に対向する後段の吸込口と、後段のインペラの外周に配置された後段の吐出流路とを設けて、前記前段の吐出流路と前記後段の吸込口とを気体導流路によって連通する構成とした。
かかる構成の多段遠心圧縮機では、少なくとも2つのインペラが背中合わせになって、回転シャフトと一体化されているので、従来一般的なもののようにインペラの重心が回転中心からずれることがなく、不釣り合い振動が発生する心配はない。インペラと回転シャフトとの境目に応力集中の生じるヒール部が形成されることもなく、高回転化に有利になる。
また、前記した従来例(特許文献1)の多段ロータのように隣り合うインペラの間で回転シャフトに継ぎ目(嵌合部)が設けられることもないし、前段の吐出流路から気体が流入する気体導流路は、後段のインペラの後方で後段の吸込口に連通されているから、2つのインペラの間に気体導流路を設けるスペースは不要である。よって、多段圧縮機の軸方向の寸法は可及的に短縮可能である。
前記回転シャフトと前段および後段のインペラとは例えば金属材料によって一体に形成してもよく、この場合には2つのインペラの間に外周側に向かって開放された円環状の溝部を形成してもよい。一般的にインペラを金属材料によって形成する場合には熱処理(例えば鉄系材料なら焼き入れ、アルミ合金なら溶体化処理など)が必要になるが、前記のように2つのインペラの間に円環状溝部を形成すれば、大径のインペラを製造する場合でも回転シャフトの中心部まで熱処理を施すことができる。
その場合に前記ハウジングには、前記円環状溝部に対しその外周側から挿入されるようにして、前段および後段のインペラの各収容室を仕切る円環状の仕切壁部を設けて、この仕切壁部の内周側の部分と前記円環状溝部の内周側の部分との間にシールを設けてもよい。すなわち、互いに圧力の異なる前段および後段のインペラ収容室間は気体の漏洩を減らすためにシールを設けなくてはならないが、このシールを円環状溝部の内周側の部位に設ければ、その外周側の部位に設けるのに比べて漏洩隙間面積が小さくて済み、シール性を高める上でも、またコスト面でも有利になる。
前記の熱処理およびシール性の両方の観点から、前記円環状溝部の内周径は小さいほど好ましいが、あまり内周径が小さいと応力集中が問題になりやすいから、円環状溝部の内周径は回転シャフトの外径よりも大きく設定してもよい。また、円環状溝部の内周端部における応力集中を緩和するために、少なくとも円環状溝部の内周側の部分における溝幅が内周側に向かって徐々に小さくなるような形状としてもよい。
以上より、本発明に係る多段遠心圧縮機によると、少なくとも前段および後段の2つのインペラを背中合わせに配置して回転シャフトとも一体に形成し、その前段のインペラの外周の吐出流路から後段のインペラの後方の吸込口まで気体導流路を設けたことで、インペラの高回転化を図りつつ、多段圧縮機の軸方向の寸法を可及的に短縮できる。
本発明の実施の形態に係る多段遠心圧縮機の概略構成を示す断面図である。 インペラおよび回転シャフトの一体化されたロータの斜視図である。 ロータの円環状溝および仕切壁の相互の位置関係をを表した拡大図である。 インペラの間に円環状溝を設けない他の実施形態に係る図1相当図である。 回転する円板の応力分布状態を表した説明図である。
以下、添付の図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。なお、以下では全ての図を通じて同一または相当する要素には同一の参照符号を付し、その重複説明は省略する。
本発明の実施の形態に係る多段遠心式の圧縮機1は、一例として2段の場合を図1に表すと、この図1の左側の圧縮機前段1Fで吸い込んだ気体R1を圧縮した後に、同右側の圧縮機後段1Rでさらに圧縮するように構成されている。圧縮機前段1Fは、前段のインペラ4と、これを収容する前段のハウジング5とを備え、圧縮機後段1Rも同様に後段のインペラ6およびハウジング7を備えている。詳しくは後述するが、本実施形態では前段および後段の2つのインペラ4,6が背中合わせで一体化され、さらに回転シャフト8も一体化されてロータ9を形成している。
前記前段および後段のハウジング5,7は、いずれも金属材料を用いて例えば鋳造などにより成形したもので、前段のハウジング5の後壁と後段のハウジング7の前壁とを重ね合わせて一体化し、その内部にロータ9を収容している。そうして重ね合わされた2枚の壁のほぼ中央に断面円形の開口部50が形成され、その開口部50の内周に嵌め込まれた円環状の仕切壁10によって、前段のインペラ4を収容する前段のインペラ収容室51と、後段のインペラ6を収容する後段のインペラ収容室71とが仕切られている。
また、前段のハウジング5には、前段のインペラ収容室51に連通してインペラ4の前方に開口する断面円形の吸込口52が設けられ、この吸込口52に連通して回転シャフト8の前半部を取り囲むよう前方に向かって吸気通路部53が延びている。一方、インペラ収容室51の外周側に連通して前段のハウジング5には、インペラ4の外周を取り囲むよう同心状にデフューザ54が設けられ、その周りを取り囲むように渦巻き状のボリュート55(スクロール)も設けられている。これらデフューザ54およびボリュート55が、前段のインペラ4の外周を取り囲んで、前段吐出気体R2の吐出流路を構成している。
同様に後段のハウジング7にもインペラ収容室71、吸込口72、吸気通路部73、デフューザ74およびボリュート75が設けられていて、後段のインペラ6の外周を取り囲むボリュート75とデフューザ74とによって、後段吐出気体R3の吐出流路が構成されている。そして、前段のボリュート55の出口から後段の吸気通路部73の入り口73aまで前段吐出気体R2を導く気体導流路としての中間ダクト57が配設されている。なお、図1に表れているデフューザ54,74にはそれぞれベーンが設けられているが、ベーンは設けなくてもよい。
−ロータの構造−
前記の前段および後段のハウジング5,7内に収容されるロータ9は、一例として概ね水平方向(図1の左右方向であり、左側を前方、右側を後方ともいう)に延びる回転シャフト8の軸心8aの方向(軸方向)において、ほぼ中央部から少し後寄りにかけて2つのインペラ4,6を背中合わせに並べて一体化したものである。図2にも表れているように2つのインペラ4,6は、回転シャフト8の中央寄りに向かって、言い換えると互いに近接するほど半径方向外方へ広がるように設けられている。
図2の左手前に表れている前段のインペラ4は、ハブ40の表面が前方から後方へ向かって徐々に拡径する凹曲面からなり、その内外周に放射状に延びる複数のブレード41が互いに周方向に間隔を空けて、ハブ部40の全周に亘って並設されている。軸方向に見るとブレード41は、ハブ40の外周側ほどインペラ4の回転方向後側に位置するよう湾曲している。また、一例として図2のインペラ4ではブレード41は、ハブ40の内外周に亘る相対的に短いものと、内周端が回転シャフト8の外周面にかけて延長され且つインペラ4の回転方向前側に湾曲した相対的に長いものとが交互に並んでいる。
図2の右奥に位置する後段のインペラ6は基本的に前段のインペラ4と同じ構造なので、その説明は省略する。インペラ6のハブには符号60を、ブレードには符号61を付す。それら2つのインペラ4,6と回転シャフト8とからなるロータ9は、金属材料を用いて例えば鋳造により一体成形したワークに切削加工を施したものであり、ハブ40,60の表面を加工する際に、ブレード41、61が削り出される。そして、加工前後もしくは加工工程中にワークには熱処理(鉄系材料ならば焼き入れ、アルミ合金ならば溶体化処理など)が施される。
また、前記ロータ9において2つのインペラ4,6の間には、両者を分離するように外周側に向かって開放された円環状溝90が形成されている。円環状溝90の底面、即ちその最内周面は、回転シャフト8の半径方向について該回転シャフト8の外周面よりもやや外方に位置している。こうして円環状溝90を形成すれば、図1から判るようにその底面から回転シャフト8の中心部までの間隔が短くなるので、2つのインペラ4,6に挟まれた部位であっても回転シャフト8の中心部まで効果的に熱処理を施すことができる。
このことはインペラ4,6の直径が例えば50cm以上など、高回転型としては比較的大きな場合に有効であり、インペラ4,6が小さな場合は円環状溝90がなくても有効な熱処理が行える。また、熱処理の観点からは円環状溝90は深い(内周径が小さい)ことが望ましいが、一方で円環状溝90が深くなれば、その側面と底面との境目において応力集中の問題が生じるおそれがある。
すなわち、図5を参照して上述したように、高速で回転する円板には遠心力によって半径方向および円周方向の双方に引張応力σr、σθが発生し、インペラ4,6のように外径の大きな部位では引張応力σr、σθも大きくなる一方、円環状溝90の底部のように外径の小さな部位では引張応力σr、σθも小さくなる。この応力の差は円環状溝90が深くなるほど大きくなり、その底部では応力の分布状態が急変して応力集中を引き起こすおそれがある。
この点につき本実施形態では円環状溝90の深さ、即ちその内周径を回転シャフト8の外径よりも大きくするとともに、全体としてU字状の断面形状としてその底部における応力の変化を緩和している。すなわち、図3に拡大して表すように円環状溝90は、その外周から内周に向かって徐々に溝幅が狭くなるように側面90aを傾斜させるとともに、その内周端部(図3の下端部)にて底面90bになだらかに繋がるように湾曲させたアール部90cを形成しており、このアール部90cにおいて遠心応力を徐々に変化させることができる。
そして、前記の円環状溝90にはその外周側(図3の上側)から円環状の仕切壁10が挿入されて、前段のインペラ収容室51と後段のインペラ収容室71との間を仕切っている。すなわち、ハウジング5,7中央の二重壁の開口部50には、内周面の全周に亘って輪溝が形成されており、ここに仕切壁10の外周面の凸条10aが嵌め込まれている。なお、図示は省略するが仕切壁10は半割り状の2つの部材からなり、それぞれをロータ9の円環状溝90に挿入して互いに嵌め合わせた状態でハウジング5,7に収容する。
また、前記仕切壁10の側面は近接する円環状溝90の側面90aと同様に傾斜しており、仕切壁10の厚みはその外周端から内周側に向かって徐々に小さくなっている。そして、その仕切壁10の内周端面10bと円環状溝90の底面90bとの間にラビリンスシール11が設けられて、より高圧になる後段のインペラ収容室71から前段のインペラ収容室51への気体の漏洩を抑制している。
ラビリンスシール11は、公知の如く金属や例えば樹脂のような弾性を有する材料で形成された円環状のフィンが、図3の例では固定側である仕切壁10の内周端面10bに軸方向に並んで複数、装着固定されてなる。こうしてラビリンスシール11を仕切壁10の内周端面10bと円環状溝90の底面90cとの間に設ければ、その直径が小さく、シール面積が小さくて済むので、シール性を高める上でも、またコスト面でも有利になる。
前記のように2つのインペラ4,6の一体化されたロータ9は回転シャフト8によって、一例として電動モータ12である駆動源に連結されている。回転シャフト8の前半部は前段のハウジング5の吸気通路部53に沿って延びていて、軸受13によって回転自在に支持されている。この軸受13は、前段の吸気通路部53の内壁から内周側に向かって延びる複数本のステー14によって支持されている。
一方、回転シャフト8の後半部は後段のハウジング7の吸気通路部73に沿って延びていて、軸受15によって回転自在に支持されている。この軸受15も後段の吸気通路部73の内壁から内周側に向かって延びる複数本のステー14によって支持されている。また、軸受15は、インペラ4,6の回転に伴い回転シャフト8の軸方向に作用するスラスト力を受け止めることができる。なお、本実施形態では前段および後段のインペラ4,6が背中合わせになっているので、両者のスラスト力は減殺され、軸受15には大きなスラスト力は負荷されない。
そして、前記前段の軸受13よりも前方に延びる回転シャフト8の前端部が、電動モータ12の出力シャフト120(以下、モータシャフトと呼ぶ)の先端部に連結されている。一例として回転シャフト8の前端部およびモータシャフト120の後端部にはそれぞれフランジが形成され、互いに重ね合わされて締結されている。言い換えると、電動モータ12は比較的低圧で低温の前段側に配置されており、このことは耐久性を確保する上で有利になる。なお、耐久性が問題とならない場合は、電動モータ12を後段側に配置してもよい。
−圧縮機の動作−
かかる構成の多段遠心圧縮機1において電動モータ12が動作するとロータ9、即ち、回転シャフト8と前段および後段のインペラ4,6とが高速で回転する。2つのインペラ4,6は回転シャフト8と一体であるから、回転速度が高くてもインペラ4,6の重心が回転中心からずれることはなく、このずれによって不釣り合い振動が喚起されることもない。また、2つのインペラ4,6は背中合わせになっていて、回転シャフト8との境目にヒール部が形成されることがないので、応力集中による問題が起きる心配も少ない。
そうして前段のインペラ4が高速で回転すると、これにより前段の吸気通路部53内の圧力が低下して気体が吸い込まれる。この吸込気体R1は前段の吸気通路部53を図1の左側から右側に向かって流れ、吸込口52から前段のインペラ収容室51に吸い込まれる。そして、前段のインペラ4の回転によって半径方向外方に押し流され、運動エネルギを与えられた気体が前段のデフューザ54へ流入し、その流速が圧力に変換される。こうして温度および圧力の上昇した気体、即ち前段吐出気体R2が前段のボリュート55を周方向に流れて、その出口から中間ダクト57に吐出される。
中間ダクト57を流れる前段吐出気体R2は、この中間ダクト57に沿って大きく曲げられ、後段の吸気通路部73にその入り口73aから流入する。そしてその吸気通路部73を図1の右側から左側に向かって流れ、吸込口72から後段のインペラ収容室71に吸い込まれた後に、後段のインペラ6の回転によって半径方向外方に押し流される。こうして運動エネルギを与えられて後段のデフューザ74へ流入し、温度および圧力の上昇した気体、即ち後段吐出気体R3が後段のボリュート75を流通して、その出口から吐出ダクト(不図示)に吐出される。
以上、説明したように本実施形態の多段遠心圧縮機1は、前段および後段の2つのインペラ4,6を背中合わせに配置し、回転シャフト8とともに一体のロータ9として形成したので、インペラ4,6の重心のずれに起因する不釣り合い振動が生じず、また、ヒール部の応力集中の問題も回避されて、従来にない高回転化を実現できる。
こうして前段および後段のインペラ4,6の高回転化によって、圧縮機前段1Fおよび圧縮機後段1Rのそれぞれで圧力比を高めることができるので、従来までは3段若しくは4段の段落が必要であった高い圧縮圧を2段で実現することが可能になり、この段数の削減によって圧縮機1の寸法が軸方向について大幅に短縮される。
さらに、圧縮機前段1Fから圧縮機後段1Rへ前段吐出気体R2を導く中間ダクト57は、前段のインペラ4の外周のボリュート55から後段のインペラ6の後方に回り込ませており、2つのインペラ4,6の間には仕切壁10の挿入される円環状溝90があるだけなので、それら2つのインペラ4,6同士の間隔も極小化でき、これにより圧縮機1の軸方向寸法をより一層、短縮できる。
−その他の実施形態−
上述した実施形態の説明はあくまで例示に過ぎず、本発明、その適用物またはその用途を何ら制限するものではない。例えば上述の実施形態では図1、2に表れているように、前段および後段のインペラ4,6の間に比較的深い円環状溝90を形成しているが、この円環状溝90の深さはもっと浅くしてもよいし、一例を図4に表すように円環状溝90は設けなくてもよい。
そうして円環状溝90を設けないことにより、ロータ9の寸法をさらに軸方向に短縮できる可能性があるが、この場合には、図4に表れているようにロータ9の外周に沿って2つのインペラ4,6の間にラビリンスシール11を設けることになる。十分なシール性を確保するためには或る程度以上の幅が必要であるから、寸法短縮の効果は限定的なものとなる。なお、ラビリンスシール11に限定されず、これ以外のシールを用いてもよい。
また、図には表さないが、前段および後段のインペラ4,6の外周全体を取り囲むようにデフューザ54,55およびボリュート74,75を設ける必要もなく、例えばインペラ4,6の外周の一部にのみボリュートを設けてもよいし、ボリュートを設けずに直接、気体をダクトに吐出するように構成してもい。
さらに、図には表さないが、圧縮機1の回転シャフト8の前端部分を電動モータ12の内部に挿入した状態で当該電動モータ12を構成することも、即ち、当該電動モータ12のモータシャフト120と回転シャフト8とを一体化することも可能である。こうすれば、上述した実施形態のように回転シャフト8の前端部をモータシャフト120の先端部に締結するのに比べて、さらに軸方向寸法を短縮できる可能性がある。
また、本発明に係る多段遠心圧縮機の用途は、例えば冷凍機、液化装置、ガスタービン用圧縮機等、種々の装置に適用することが考えられる。
以上の如く本発明に係る多段遠心圧縮機は、高回転化によって圧力比が向上し、軸方向の寸法を可及的に短縮可能なものであり、産業上の利用可能性は高い。
1 多段遠心圧縮機
4 前段のインペラ
5 前段のハウジング
52 前段の吸込口
54 前段のデフューザ(前段の吐出流路)
55 前段のボリュート(前段の吐出流路)
57 中間ダクト(気体導流路)
6 後段のインペラ
7 後段のハウジング
72 後段の吸込口
74 後段のデフューザ(後段の吐出流路)
75 後段のボリュート(後段の吐出流路)
8 回転シャフト
8a 軸心
9 ロータ
90 円環状溝(円環状の溝部)
10 仕切壁(円環状の仕切壁部)
11 ラビリンスシール
12 電動モータ
120 出力シャフト

Claims (6)

  1. 回転シャフトの軸方向に並んで少なくとも2つの遠心インペラが設けられ、前段のインペラによって圧縮した気体を後段のインペラによってさらに圧縮するように構成され、前記回転シャフトの前端部又は後端部に駆動源が連結されている多段遠心圧縮機であって、
    前記前段および後段のインペラが互いに背中合わせに配置されて前記回転シャフトと一体に形成されており、
    ハウジングには、前記前段のインペラの軸方向に対向する前段の吸込口と、当該前段のインペラの外周に配置された前段の吐出流路と、前記後段のインペラの軸方向に対向する後段の吸込口と、当該後段のインペラの外周に配置された後段の吐出流路と、が設けられ、
    前記前段の吐出流路と前記後段の吸込口とが気体導流路によって連通されていることを特徴とする多段遠心圧縮機。
  2. 前記回転シャフトと前段および後段のインペラとが金属材料により一体に形成され、当該前段および後段のインペラの間には外周側に向かって開放された円環状の溝部が形成されている、請求項1の多段遠心圧縮機。
  3. 前記ハウジングには、前記円環状溝部に対しその外周側から挿入されて、前記前段および後段のインペラの各収容室を仕切る円環状の仕切壁部が設けられ、当該仕切壁部の内周側の部分と前記円環状溝部の内周側の部分との間にシールが設けられている、請求項2の多段遠心圧縮機。
  4. 前記円環状溝部の内周径が前記回転シャフトの外径よりも大きい、請求項2または3のいずれかの多段遠心圧縮機。
  5. 前記円環状溝部は、少なくともその内周側の部分における溝幅が内周側に向かって徐々に小さくなる形状とされている、請求項2〜4のいずれか1つの多段遠心圧縮機。
  6. 前記請求項1〜5のいずれか1つに記載の多段遠心圧縮機を用いたことを特徴とするターボ冷凍機。
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