JP5720467B2 - 燃料電池用電解質膜 - Google Patents

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Description

この発明は、燃料電池に関する。
固体高分子形燃料電池(以下、単に「燃料電池」と呼ぶ)は、電解質膜の両面に電極が配置された膜電極接合体を備える。電解質膜としては、湿潤状態で良好なプロトン伝導性を示す固体高分子の薄膜が用いられる。ここで、燃料電池に用いられる電解質膜は、プロトン伝導性を向上させるために薄型化されることが望ましい。また、電解質膜は、燃料電池内部の湿潤状態に応じて膨潤/収縮するため、そうした膨潤と収縮の繰り返しに対する耐久性(以下、「発電耐久性」または、単に「耐久性」とも呼ぶ)が向上されていることが望ましい。そこで、電解質膜の内部に細孔を有する多孔質の補強部材を包含させ、電解質膜を薄型化するとともに、その耐久性を向上させる技術が提案されている(下記特許文献1等)。
しかし、電解質膜に上記のような補強部材を包含させた場合には、電解質膜中におけるプロトンの移動が補強部材によって阻害されてしまい、電解質膜のプロトン伝導性が低下してしまう可能性があった。そして、そうしたプロトン伝導性の低下を抑制するために、電解質膜において補強部材が占める割合を低減させた場合には、補強部材の強度を十分に確保できず、電解質膜の耐久性が低下してしまう可能性があった。
特開2005−327500号公報 特開2006−059672号公報 特開2007−250452号公報 特開2003−317735号公報 特開2005−310508号公報
本発明は、高いプロトン伝導性と耐久性とを有する電解質膜を提供することを目的とする。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。本発明の第1形態は、燃料電池に用いられる電解質膜であって、プロトン伝導性を有する電解質ポリマーの層であり、前記電解質ポリマーが含浸される細孔を有する多孔質補強膜を包含する電解質補強層と、前記電解質ポリマーの層であり、前記多孔質補強膜を包含しない電解質層と、が積層された多層構造を有し、前記多孔質補強膜は、樹脂材料を延伸した状態で加熱することによって前記細孔を有するように形成されており、前記電解質膜の厚みに対する前記電解質補強層の厚みの比率である補強層膜厚比率が、60%以上、かつ、100%未満の値であり、前記電解質補強層に包含された状態における前記多孔質補強膜の密度が、250mg/cm より大きく、かつ、700mg/cm 以下の値である、電解質膜として提供される。本発明の第2形態は、燃料電池に用いられる電解質膜であって、プロトン伝導性を有する電解質ポリマーの層であり、前記電解質ポリマーが含浸される細孔を有する多孔質補強膜を包含する電解質補強層と、前記電解質ポリマーの層であり、前記多孔質補強膜を包含しない電解質層と、が積層された多層構造を有し、前記多孔質補強膜は、樹脂材料を延伸した状態で加熱することによって前記細孔を有するように形成されており、前記電解質膜の重量に対する前記多孔質補強膜の重量の比率である補強膜重量比率が、13.5wt%以上、かつ、32.0wt%以下の値であり、前記電解質補強層に包含された状態における前記多孔質補強膜の密度が、250mg/cm より大きく、かつ、700mg/cm 以下の値である、電解質膜として提供される。
[適用例1]
燃料電池に用いられる電解質膜であって、プロトン伝導性を有する電解質ポリマーの層であり、前記電解質ポリマーが含浸される細孔を有する多孔質補強膜を包含する電解質補強層と、前記電解質ポリマーの層であり、前記多孔質補強膜を包含しない電解質層と、が積層された多層構造を有し、前記電解質膜の厚みに対する前記電解質補強層の厚みの比率である補強層膜厚比率が、60%以上、かつ、100%未満の値であるときに、前記電解質補強層に包含された状態における前記多孔質補強膜の密度が、250mg/cm3より大きく、かつ、700mg/cm3以下の値である、電解質膜。
この電解質膜であれば、補強部材として機能する多孔質補強膜が適切な体積的割合で膜中に包含されるため、高い耐久性を得ることができる。また、この電解質膜であれば、多孔質補強膜が細孔を適切な割合で有するため、適切な量の電解質ポリマーを多孔質補強膜の内部に含浸させることができ、多孔質補強膜を包含することによるプロトン伝導性の低下を抑制することができる。
[適用例2]
適用例1記載の電解質膜であって、前記電解質補強層は、前記電解質層を狭持する第1と第2の電解質補強層を含み、前記補強層膜厚比率は、前記電解質膜の厚みに対する前記第1と第2の電解質補強層の厚みの合計の比率である、電解質膜。
この電解質膜では、多孔質補強膜が第1と第2の電解質補強層のそれぞれに包含される。そのため、補強層膜厚比率が高い場合であっても、それぞれの多孔質補強膜の厚みは比較的薄く構成することができる。従って、多孔質補強膜への電解質ポリマーの含浸が容易となり、多孔質補強膜への電解質ポリマーの含浸の際に、多孔質補強膜の細孔が潰れてしまい、多孔質補強膜内部の密度が偏ってしまうことを抑制できる。
[適用例3]
適用例1または適用例2記載の電解質膜であって、前記多孔質補強膜の重量に対する前記電解質膜の重量の比率である補強膜重量比率が、27.0wt%以上、かつ、30.0wt%以下である、電解質膜。
この電解質膜であれば、多孔質補強膜が電解質膜中において重量的に適切な割合を占めることができるため、多孔質補強膜の補強部材としての機能をより発揮させることができる。
[適用例4]
適用例1〜3のいずれか一つに記載の電解質膜であって、前記電解質ポリマーのイオン交換容量が、1.20meq/g以上、かつ、1.90meq/g以下である、電解質膜。
電解質ポリマーのイオン交換容量は、その値が高いほど、電解質膜のプロトン伝導性を向上させることができるが、膜内部への含水量が増加してしまうため、電解質膜の強度が低下してしまう可能性がある。しかし、この電解質膜であれば、適切な体積的割合で多孔質補強部材を包含するため、上記範囲の比較的高いイオン交換容量を有する電解質ポリマーを用いてプロトン伝導性を向上させた場合であっても、その強度を確保することができる。
[適用例5]
適用例1〜4のいずれか一つに記載の電解質膜であって、前記電解質膜の厚みが、13μmより小さい、電解質膜。
この電解質膜であれば、その薄型化により、プロトン伝導性がさらに向上するとともに、膜中における水の移動性が向上する。
[適用例6]
プロトン伝導性を有する電解質ポリマーと、前記電解質ポリマーが含浸される細孔を有し、補強部材として機能する多孔質補強膜と、を備える電解質膜であって、前記多孔質補強膜を包含していない前記電解質ポリマーの層である電解質層と、前記多孔質補強膜を包含する前記電解質ポリマーの層である電解質補強層と、が積層された多層構造を有し、前記多孔質補強膜の重量に対する前記電解質膜の重量の比率である補強膜重量比率が、13.5wt%以上、かつ、32.0wt%以下の値であるときに、前記電解質補強層に包含された状態における前記多孔質補強膜の密度が、250mg/cm3より大きく、かつ、700mg/cm3以下の値である、電解質膜。
この電解質膜であれば、電解質膜中に、適切な割合の細孔を有する多孔質補強膜を、適切な体積的な割合および重量的な割合で包含しているため、高いプロトン伝導性と、高い耐久性とを得ることができる。
なお、本発明は、種々の形態で実現することが可能であり、例えば、燃料電池用の電解質膜、その電解質膜を備えた膜電極接合体、その膜電極接合体を備えた燃料電池、その燃料電池を備えた燃料電池システム、その燃料電池システムを搭載した車両等の形態で実現することができる。
燃料電池の構成を示す概略図。 電解質膜の製造工程の手順を示すフローチャート。 電解質膜の製造工程の内容を説明するための模式図。 電解質膜の製造工程の内容を説明するための模式図。 電解質膜の製造工程の内容を説明するための模式図。 本発明の発明者による計測結果をまとめた表を示す説明図。 本発明の発明者による計測結果に基づくグラフを示す説明図。 本発明の発明者による計測結果に基づくグラフを示す説明図。 第2実施形態としての燃料電池の構成を示す概略図。 第2実施形態の電解質膜の製造工程の内の電解質前駆膜と多孔質樹脂膜との一体化工程を説明するための模式図。
A.実施形態:
図1は本発明の一実施形態としての燃料電池100の構成を示す概略図である。この燃料電池100は、反応ガスとして水素と酸素の供給を受けて発電する固体高分子形燃料電池である。燃料電池100は、複数の単セル110が積層されたスタック構造を有する。単セル110は、膜電極接合体120と、膜電極接合体120を狭持する2枚のセパレータ41,42とを備える。
なお、各単セル110の外周には、流体の漏洩を防止するとともに、各セパレータ41,42の間の短絡を防止するための絶縁シール部が形成されるが、便宜上、その図示および説明は省略する。また、各単セル110には、反応ガスや冷媒のためのマニホールドや、冷媒のための流路が形成されるが、その図示および説明は省略する。
膜電極接合体120は、湿潤状態で良好なプロトン伝導性を示す電解質膜10の両面にそれぞれ、第1と第2の電極20,30が配置された発電体である。本実施形態の電解質膜10は、フッ素樹脂系のイオン交換膜であり、電解質層11と、第1と第2の電解質補強層12とが積層された多層構造を有している。
電解質層11は、プロトン伝導性を有する電解質ポリマー1を主材料とする薄膜として構成された層である。第1と第2の電解質補強層12は、電解質ポリマー1の薄膜中に補強部材としての多孔質樹脂膜3を包含させた層である。なお、多孔質樹脂膜3は、複数の微細な貫通孔である細孔を有しており、電解質ポリマー1は、その細孔内に含浸されている。
ここで、電解質膜10の電解質ポリマー1としては、ナフィオン(Nafion:登録商標)など、側鎖末端に−SO3H基を有するパーフルオロスルホン酸ポリマーを用いることができる。また、多孔質樹脂膜3は、膜内において細孔が三次元的に絡み合った三次元網目構造を有するフッ素系樹脂などの樹脂材料により構成することができる。多孔質樹脂膜3を構成する樹脂材料としては、フッ素系樹脂であるポリテトラフルオロエチレン(PTFE)や、ポリエチレン、ポリプロピレンなどを用いることができる。
ところで、一般に、電解質膜中に補強部材を包含させた場合、その補強部材によって、電解質膜中におけるプロトンの移動や水分の移動が阻害されてしまい、電解質膜におけるプロトン伝導性や水の移動性が低下してしまう可能性がある。また、そうした電解質膜のプロトン伝導性や水の移動性の低下を回避するために、補強部材を薄型化したり、補強部材の気孔率を増大させた場合には、補強部材の強度を確保することができず、電解質膜の耐久性が低下してしまう可能性がある。
これに対して、本発明の発明者は、以下のことを見出した。電解質膜10において多孔質樹脂膜3が体積的に好適な割合を占めていれば、電解質膜10の強度を確保することができ、その耐久性を向上させることができる。そして、多孔質樹脂膜3において細孔の占める割合が、多孔質樹脂膜3に含浸される電解質ポリマー1の量が確保されるように適切に調整されていれば、多孔質樹脂膜3によって電解質膜10中におけるプロトンの移動が阻害されてしまうことを抑制できる。
即ち、電解質膜10において多孔質樹脂膜3が占める体積的な割合を調整しつつ、多孔質樹脂膜3において細孔が占める割合を適切に調整すれば、電解質膜10において高いプロトン伝導性と耐久性とが得られることができる。本発明の発明者が実験等により導出した、電解質膜10において多孔質樹脂膜3が体積的に占める好適な割合や、多孔質樹脂膜3における細孔の割合の好適な割合についての詳細は後述する。
膜電極接合体120の第1の電極20は、燃料電池100の運転時には、水素の供給を受けて、アノードとして機能し、第2の電極30は、燃料電池100の運転時には、酸素の供給を受けて、カソードとして機能する。第1と第2の電極20,30はそれぞれ、触媒層21,31と、ガス拡散層22,32とが積層された構成を有する。触媒層21,31は、燃料電池反応を促進するための触媒(例えば白金(Pt)など)が担持された層であり、それぞれ電解質膜10の両外表面に形成されている。
触媒層21,31は、電解質膜10の外表面に触媒インクを塗布・乾燥させることによって形成することができる。ここで、「触媒インク」とは、水溶性溶媒または有機溶媒に、電解質膜10に含まれる電解質ポリマー1と類似又は同じ電解質ポリマーと、触媒担持カーボンとを分散させた混合溶液を意味する。なお、触媒層21,31は、予めフィルム基材の表面に形成された触媒担持膜を電解質膜10の表面に転写することにより形成されるものとしても良い。
ここで、触媒層21,31に含まれる電解質ポリマーのイオン交換容量は、電解質膜10の電解質ポリマー1と同等であるものとしても良いが、以下のような値であることが好ましい。カソード側の触媒層31に含まれる電解質ポリマーのイオン交換容量は、1.45meq/gより大きい方が好ましい。そして、アノード側の触媒層21に含まれる電解質ポリマーのイオン交換容量は、カソード側の触媒層31に含まれる電解質ポリマーのイオン交換容量以下であることがより好ましい。
ガス拡散層22,32は、第1または第2の電極20,30の全体に反応ガスを拡散させて行き渡らせるための層である。ガス拡散層22,32は、炭素繊維や黒鉛繊維など、導電性およびガス透過性・ガス拡散性を有する多孔質の繊維基材を、触媒層21の上に重ねて配置し、ホットプレスすることにより形成することができる。なお、ガス拡散層22,32は省略されるものとしても良い。
第1と第2のセパレータ41,42は、導電性を有するガス不透過の板状部材(例えば金属板)によって構成することができる。第1と第2のセパレータ41,42のそれぞれは、第1と第2の電極20,30の外側に配置される。各セパレータ41,42の電極20,30側の面には、反応ガスのための流路溝45が発電領域全体に渡って形成されている。
なお、各セパレータ41,42の流路溝45は省略されるものとしても良い。また、各セパレータ41,42と、各電極20,30との間には、いわゆる多孔体金属などの導電性を有する流路部材が配置されるものとしても良い。
このように、本実施形態における燃料電池100であれば、上述したように高いプロトン伝導性と耐久性とを有する電解質膜10を用いているため、その発電性能と耐久性とが向上されている。ここで、具体的な電解質膜10の製造工程を以下に説明する。
図2〜図5は、本実施形態における電解質膜10の製造工程を説明するための説明図である。図2は、電解質膜10の製造工程の手順を示すフローチャートである。図3(A),(B)はそれぞれ、図2におけるステップS10,S20の各工程の内容を示す模式図である。図4(A)〜(D)は、ステップS30の工程の内容を示す模式図であり、図5は、ステップS40の工程の内容を示す模式図である。
ステップS10では、加水分解によりプロトン伝導性が付与される前の、電解質ポリマー1の前駆体1f(以後、「電解質ポリマー前駆体1f」と呼ぶ)の薄膜である電解質前駆薄膜1ffを準備する(図3(A))。具体的には、電解質ポリマー前駆体1fをフッ素系の溶媒に分散させ、その溶液を、ダイコータ210によって、シート基材201の外表面に一様に塗布して乾燥させることにより、シート基材201上に電解質前駆薄膜1ffを形成する。
電解質前駆薄膜1ffは、その目付(単位面積あたりの重量)が1.30〜1.50mg/cm2の範囲内となるように形成されることが好ましい。なお、電解質前駆薄膜1ffは、単軸スクリュー押出機を用いた、いわゆるTダイ法(フラットダイ法)によって成形されるものとしても良い。
ステップS20では、三次元網目構造を有する多孔質樹脂膜3を2つ準備する(図3(B))。第1と第2の多孔質樹脂膜3の三次元網目構造は、PTFEなどの樹脂材料を所定の方向(一方向でも良いし、多方向でも良い)に延伸した状態で、結晶融点以上に加熱することにより形成することができる。
なお、第1と第2の多孔質樹脂膜3は、他の方法によって形成されるものとしても良い。また、第1と第2の多孔質樹脂膜3は、3次元網目構造を有していなくとも良く、例えば、その厚み方向に直線的に貫通する細孔群を有するものとしても良い。
ステップS30では、電解質前駆薄膜1ffと、2つの多孔質樹脂膜3とを一体化する。まず、電解質前駆薄膜1ffの一方の面に第1の多孔質樹脂膜3を配置し、ホットプレス機のプレス板211によって狭持する(図4(A))。そして、電解質前駆薄膜1ffと多孔質樹脂膜3とを、例えば200〜230℃程度の温度で、5〜15分程度ホットプレスし、第1の多孔質樹脂膜3の細孔内に電解質ポリマー前駆体1fを溶融・含浸させて一体化させる(図4(B))。
次に、電解質前駆薄膜1ffの他方の面に第2の多孔質樹脂膜3を配置し、前記したのと同様なホットプレス処理を行い、第2の多孔質樹脂膜3の細孔内に電解質ポリマー前駆体1fを溶融・含浸させる(図4(C),(D))。以後、本明細書では、電解質前駆薄膜1ffと多孔質樹脂膜3とが一体化された多層構造の複合膜を「電解質前駆膜10f」と呼ぶ。なお、電解質前駆薄膜1ffと多孔質樹脂膜3との一体化工程は、プレス板211に換えて、熱圧着用のローラーによって実行されるものとしても良い。
ところで、電解質前駆膜10fは、その外表面がより平滑に形成されていることが好ましい。電解質前駆膜10fの外表面の平滑性が高ければ、膜電極接合体120を構成したときに、電解質膜10と触媒層21,31との間の密着性が向上する。そのため、発電の際に電解質膜10が膨潤と湿潤とを繰り返した場合であっても、触媒層21,31にひずみが生じてしまうことが抑制される。また、電解質膜10と触媒層21,31との間の接触抵抗が低減され、膜電極接合体120の発電性能が向上する。具体的に、電解質前駆膜10fは、その外表面に、幅が1μm以上の凹凸を有さない程度の平滑性を有することが好ましい。
ステップS40では、電解質前駆膜10fに対して加水分解処理を行い、プロトン伝導性を付与する(図5)。加水分解処理の具体的な内容は、以下の通りである。
(1)電解質前駆膜10fを、アルカリ溶液に浸漬させ、電解質ポリマー前駆体1fが有する−SO2F基を−SO3Na基に変性させる。
(2)電解質前駆膜10fを水洗した後、酸性溶液に浸漬させて、前段階で変性された−SO3Na基を、さらに、−SO3H基へと変性させる。
このように、ステップS10〜S40の工程によって、多孔質樹脂膜3を包含していない電解質層11と、多孔質樹脂膜3を包含する電解質補強層12とが積層された多層構造を有する電解質膜10を生成することができる。こうして生成された電解質膜10の両面に、電極20,30を形成することにより、膜電極接合体120(図1)を得ることができる。
ここで、上述したとおり、電解質膜10において多孔質樹脂膜3が体積的に占める割合や、多孔質樹脂膜3において細孔が占める割合が適切に調整されることにより、電解質膜10は、高いプロトン伝導性と耐久性とを得ることができる。そこで、本発明の発明者は、それらの割合を規定するための値として、以下の値を定義した。
<補強層膜厚比率>
電解質膜10の厚みに対する電解質補強層12の厚みの比率である。この補強層膜厚比率を規定することにより、電解質膜10における多孔質樹脂膜3の体積的な割合を規定することが可能である。なお、本実施形態では、電解質膜10は、2つの電解質補強層12を有しているため、補強層膜厚比率は、電解質膜10の厚みに対する2つの電解質補強層12の厚みの合計の比率として求めることができる。
<補強膜密度>
電解質膜10に包含された状態における多孔質樹脂膜3の密度であり、多孔質樹脂膜3の重量を、電解質膜10に包含された状態における多孔質樹脂膜3の体積で除した値である。ここで、補強膜密度は、多孔質樹脂膜3の体積中に占める細孔(多孔質樹脂膜3に存在する内部空間)の容積の割合に応じて変動する値である。即ち、補強膜密度は、その値が低いほど、多孔質樹脂膜3の体積中に占める細孔の割合が大きいことを示し、多孔質樹脂膜3に電解質ポリマー1が含浸可能な内部空間が多いことを示す。
<補強膜重量比率>
電解質膜10における多孔質樹脂膜3の重量比率である。この補強膜重量比率と補強膜密度とを組み合わせて規定することにより、電解質膜10において多孔質樹脂膜3が体積的に占める割合を規定できる。なお、本実施形態では、電解質膜10は、2つの電解質補強層12を有しているため、補強膜重量比率は、電解質膜10の重量に対する2つの多孔質樹脂膜3の重量の合計の比率として求めることができる。
本発明の発明者は、電解質膜10では、補強層膜厚比率が、60%以上であり、かつ、100%未満の値であるときに、補強膜密度が、250mg/cm3より大きく、かつ、700mg/cm3以下の値であることが好ましいことを見出した。補強層膜厚比率が上記範囲内であれば、多孔質樹脂膜3は、電解質膜10の厚みに対して、強度が十分に得られる厚みを有することができる。そのため、電解質膜10の膨潤変化を抑制し、耐久性を確保することができる。
そして、補強層膜厚比率が上記範囲内であるときに、補強膜密度が上記範囲内であれば、多孔質樹脂膜3は、その強度が低くなりすぎない程度に内部空間を有することができる。そのため、電解質膜10において多孔質樹脂膜3が体積的に占める割合が高くなった場合であっても、多孔質樹脂膜3の内部に十分な量の電解質ポリマー1を含浸させることができ、多孔質樹脂膜3に起因するプロトン伝導性の低下を抑制することができる。
また、本発明の発明者は、電解質膜10は、補強膜重量比率が、13.5wt%以上、かつ、32.0wt%以下の値であるときに、補強膜密度が、250mg/cm3より大きく、かつ、700mg/cm3以下の値であることが好ましいことを見出した。補強膜重量比率および補強膜密度がそれぞれ上記の範囲内にある場合にも、電解質膜10において多孔質樹脂膜3が体積的に占める割合を確保しつつ、多孔質樹脂膜3の内部に含浸される電解質ポリマー1の量を十分に確保することができる。従って、電解質膜10において、高いプロトン伝導性と、高い耐久性とを得ることができる。
なお、電解質膜10は、補強層膜厚比率や、補強膜密度、補強膜重量比率等が上記の範囲内にある場合に、以下のような構成を有することが、さらに好ましい。電解質膜10は、その厚みが、13μm未満であることが好ましい。電解質膜10は、その厚みを13μmより小さくすることにより、プロトン伝導性や水の移動性がより向上する。なお、電解質膜10は、厚みが9μm以上であれば、十分な強度を得ることが可能である。
電解質膜10は、その電解質ポリマー1のイオン交換容量(IEC:ion exchange capacity)が、約1.20〜1.90meq/gの範囲内であることが好ましく、約1.30〜1.80meq/gの範囲内であることが、より好ましい。電解質ポリマー1のイオン交換容量が上記の範囲から外れて著しく低い場合には、電解質膜10において十分なプロトン伝導性を得られない可能性がある。また、電解質ポリマー1のイオン交換容量が上記の範囲から外れて著しく高い場合には、電解質膜10の強度が十分に得られない可能性がある。なお、電解質ポリマー1のイオン交換容量は、いわゆる比色滴定により測定することが可能である。
また、電解質膜10の多孔質樹脂膜3は、以下のような強度を有していることが好ましい。ここで、本明細書では、多孔質樹脂膜3のような多孔質な膜部材の引っ張り外力に対する強度を表す値を、以下のように定義する。
<補強膜耐久力>
多孔質な膜部材に対して、その外表面に沿った引っ張り外力を加えて、所定のひずみを生じさせたときの、その引っ張り外力の大きさを、その引っ張り方向に垂直な方向における膜幅で除し、さらに、その値を、当該膜部材の目付で除した値。
即ち、この補強膜耐久力は、細孔を有する多孔質な膜部材に所定のひずみを生じさせるのに必要な単位目付あたりの引っ張り外力を表す値であり、当該膜部材の引っ張り外力に対する耐久性を示す値である。補強膜耐久力は、その値が大きいほど、当該膜部材にひずみが生じにくく、引っ張り外力に対する耐久性が高いことを示している。
ここで、多孔質樹脂膜3の補強膜耐久力は、多孔質樹脂膜3に10%のひずみを生じさせる場合に、2.5N/cm/mg/cm2以上であることが好ましく、さらに、3.0N/cm/mg/cm2以上であることがより好ましい。
さらに、多孔質樹脂膜3は、補強膜重量比率が13.5〜32.0wt%の範囲内であり、電解質前駆薄膜1ffの目付が1.30〜1.50mg/cm2の範囲内であるときに、その目付が0.20〜0.60mg/cm2の範囲内であることが好ましい。また、多孔質樹脂膜3は、単位目付あたりの通気抵抗が、25〜140kPa・sec/m/(mg/cm2)の範囲内であることがより好ましい。多孔質樹脂膜3の目付および単位目付あたりの通気抵抗がそれぞれ上記の範囲内であれば、電解質膜10の製造工程において、多孔質樹脂膜3に電解質ポリマー1を適切に含浸させることが可能である。
図6〜図8は、本発明の発明者による実験結果を示す説明図である。本発明の発明者は、本実施形態の電解質膜10のサンプルとして、サンプルM01〜M14を作成し、各サンプルM01〜M14についての性能評価を行った。各サンプルM01〜M14は、図2〜図5で説明したステップS10〜S40の工程によって作成した。具体的な各工程の内容は、以下の通りである。
・ステップS10:
[1]EW値が700以下のフッ素系電解質の前駆体を、フッ素系溶媒であるHFE(ハイドロフルオロエーテル)に、約3%の濃度となるように溶解させた溶液を準備した。
[2]アプリケーターにより、シート基材201上に、電解質前駆薄膜1ffを成膜した。
・ステップS20:
[1]ペースト押出機を用いて、PTFEファインパウダーを高密度に押し固め、さらに、圧延処理することにより、テープ状にした。
[2]上記のテープ状のPTFE材料を二軸延伸機によって、シート状に延伸するとともに焼成することにより、多孔質樹脂膜3を生成した。
・ステップS30:
[1]電解質前駆薄膜1ffの一方の面に、第1の多孔質樹脂膜3を重ねて配置し、ホットプレスした。
[2]電解質前駆薄膜1ffの反対側の面に、第2の多孔質樹脂膜3を重ねて配置し、ホットプレスにより一体化した。
なお、[1],[2]におけるホットプレスの処理条件は共通であり、下記の通りとした。
処理温度: 約200℃
圧力: 約0.5MPa
処理時間: 約10分
・ステップS40:
電解質前駆膜10fに対して、以下のように加水分解処理を行い、電解質膜10の各サンプルM01〜M14を生成した。
[1]電解質前駆膜10fを、以下の条件で、水酸化ナトリウム水溶液に浸漬した。
水酸化ナトリウム溶液の濃度: 約9mol/L
水酸化ナトリウム溶液の温度: 約80℃
浸漬時間 : 約30分
[2]電解質前駆膜10fに付着している水分が中性になるまで、純水で洗浄した。
[3]電解質前駆膜10fを、以下の条件で、硝酸水溶液に浸漬した。
硝酸水溶液の濃度: 約1mol/L
硝酸水溶液の温度: 約80℃
浸漬時間 : 約30分
[4]電解質前駆膜10fに付着している水分が中性になるまで、純水で洗浄した。
発電試験に用いた膜電極接合体120は、各サンプルM01〜M14の両面に、以下のように電極20,30を形成することにより作成した。電極20,30の触媒層21,31は、各サンプルM01〜M14の外表面に、スプレー法によって触媒インクを塗布することにより形成し、ガス拡散層22,32は、触媒層21,31の上に炭素繊維を配置してホットプレスすることにより形成した。なお、触媒層21,31に含まれる電解質ポリマーのイオン交換容量は、1.45〜1.85meq/g程度であった。また、触媒層21,31における電解質ポリマーとカーボンとの質量比(I/C)は、0.5〜1.0程度であった。
図6には、各サンプルM01〜M14についての各種の測定値と性能評価の判定結果とをまとめた表を図示してある。図6の表中の各種の測定値の測定方法および性能評価の判定結果の基準は、以下の通りである。
(1)全膜厚(表示単位:μm):
電解質膜10の乾燥状態における膜厚を、高精度デジタルゲージを用いて計測した。
(2)電解質IEC(表示単位:meq/g):
電解質膜10に含まれる電解質ポリマー1のイオン交換容量である。加水分解処理後に、比色滴定により計測した。
(3)前駆薄膜目付(表示単位:mg/cm2):
電解質前駆薄膜1ffの目付である。電解質前駆薄膜1ffの一部を4cm×5cmのサイズでカットし、精密天秤にて重量を秤量して算出した。
(4)補強膜目付(表示単位:mg/cm2):
多孔質樹脂膜3の目付である。4cm×5cmのサイズでカットした多孔質樹脂膜3を精密天秤にて重量を秤量して算出した。
(5)補強膜耐久力:
多孔質樹脂膜3を1cm幅で切り出し、引張試験機にて、その幅と垂直な方向に10%のひずみを生じさせたときの試験力を計測し、その計測値を上記の膜幅(1cm)で除して算出した値を、さらに、補強膜目付の計測値で除して算出した。
(6)補強膜通気抵抗(表示単位:kPa・sec/m/(mg/cm2)):
多孔質樹脂膜3の単位目付あたりの通気抵抗である。4cm×4cmのサイズでカットした多孔質樹脂膜3の通気抵抗を通気性試験機にて計測し、補強膜目付の計測値で除算した。
(7)補強膜密度(表示単位:mg/cm3):
補強膜目付を、補強層膜厚比率を求める際に計測した電解質補強層12の層厚で除算して算出した。
(8)補強層膜厚比率(表示単位:%):
各サンプルM01〜M14の断面を走査電子顕微鏡(SEM;Scanning Electron Microscope)にて観察し、電解質補強層12の層厚を計測した。そして、その計測値を各サンプルM01〜M14の全膜圧の計測値で除算して算出した。
(9)補強膜重量比率(表示単位:%):
補強膜目付の計測値を、前駆薄膜目付の計測値と補強膜目付の計測値との合計で除して算出した(補強膜目付の計測値/(前駆薄膜目付の計測値+補強膜目付の計測値)×100)。
(10)平面寸法増加率(表示単位:%):
乾燥状態の各サンプルM01〜M14を4cm×4cmのサイズでカットした後、約80℃の熱水に約1時間程度浸漬し、膨潤による各サンプルM01〜M14の面積の増加比率を算出した((膨潤後の面積/膨潤前の面積−1)×100)。この平面寸法増加率は、電解質膜10が膨潤によって変形する度合いを示している。即ち、平面寸法増加率は、その値が小さいほど、電解質膜10が、燃料電池100の発電の際に膨潤によって変形する度合いが小さく、発電の繰り返しに対する耐久性が高いことを示している。
(11)セル電圧(表示単位:V):
各サンプルM01〜M14を用いて膜電極接合体120を構成し、以下の条件で発電させたときの電圧の平均値である。
運転温度:約80℃
各電極における露点温度:約60℃
電流密度:約2.0A/cm2
(12)判定:各サンプルM01〜M14の性能評価を、平面寸法増加率およびセル電圧が基準を満たしているか否かにより、判定した結果を「○」、「×」、「△」で表記した。なお、判定の基準は以下の通りである。
「○」…平面寸法増加率が10.0%以下であり、かつ、セル電圧が0.35V以上
「×」…平面寸法増加率が10.0%を超えており、かつ、セル電圧が0.35Vより低い
「△」…平面寸法増加率、または、セル電圧のいずれか一方が、上記の基準値を満たしていない
図7は、横軸を補強層膜厚比率とし、縦軸を補強膜密度として、各サンプルM01〜M14の計測値をプロットしたグラフである。なお、図7のグラフには、上述した補強層膜厚比率の好適な数値範囲(60%以上、かつ、100%未満)および補強膜密度の好適な数値範囲(250mg/cm3より大きく、かつ、700mg/cm3以下)の境界値を破線で図示してある。即ち、図7のグラフにおいて破線で囲まれた領域が、補強層膜厚比率および補強膜密度の両方が好適な値となる領域である。
図7のグラフにおいて破線で囲まれた領域内にプロットされたサンプルM01〜M09については、いずれもが平面寸法増加率およびセル電圧の基準値を満たし、判定が「○」となった。これに対して、図7のグラフにおいて破線で囲まれた領域外にプロットされたサンプルM10〜M14については、平面寸法増加率またはセル電圧のいずれか、または両方が基準値を満たさず、判定が「×」または「△」となった。
ここで、判定が「○」となったサンプルM01〜M09はいずれも、補強層膜厚比率が、65〜98%の範囲内の値であり、かつ、補強膜密度が、270〜680mg/cm3の範囲内の値であった。この結果から、電解質膜10の補強層膜厚比率については、±5%程度の誤差を考慮して、60%より大きく、かつ、100%未満の値であることが好ましいことがわかった。また、補強膜密度については、±20mg/cm3程度の誤差を考慮して、250mg/cm3より大きく、かつ、700mg/cm3以下の値であることが好ましいことがわかった。
ところで、サンプルM10〜M14において、判定が「○」となる好ましい結果が得られなかった理由は、以下のように推察される。
サンプルM10では、補強層膜厚比率が上記好適範囲に含まれていたが、補強膜密度が上記好適範囲から外れて著しく高かった。そして、サンプルM10は、平面寸法増加率については基準値を満たしたが、セル電圧については基準値を満たさなかった。これは、サンプルM10では、多孔質樹脂膜3が電解質膜10の膨潤変化を抑制できるのに十分な厚みと密度とを有していたが、多孔質樹脂膜3の密度が大きすぎたために、プロトン伝導性が低下してしまったためであると推察される。
サンプルM11では、補強層膜厚比率が上記好適範囲の下限値近傍において、その好適範囲からは外れており、補強膜密度が上記好適範囲の上限値近傍において、その好適範囲からは外れていた。そして、サンプルM11は、平面寸法増加率とセル電圧のいずれについても、それらの基準値を満たさなかった。サンプルM11の平面寸法増加率が基準値を満たさなかったのは、多孔質樹脂膜3の厚みが不足していたために、その密度の高さにかかわらず、多孔質樹脂膜3の十分な強度が確保できず、膨潤変化が適切に抑制されなかったためであると推察される。また、サンプルM11のセル電圧が基準値を満たさなかったのは、多孔質樹脂膜3の密度が高かったために、電解質補強層12における電解質ポリマー1の含浸量が十分に確保されず、プロトン伝導性が低下してしまったためであると推察される。
サンプルM12では、補強層膜厚比率が好適範囲の上限値近傍において好適範囲に含まれており、補強膜密度が好適範囲の下限値近傍において好適範囲から外れていた。そして、サンプルM12は、平面寸法増加率については基準値を満たすことができたが、セル電圧については基準値を満たすことができなかった。ここで、サンプルM12の平面寸法増加率は、多孔質樹脂膜3の厚みによってその強度が十分に確保されていたために、補強膜密度の低さにもかかわらず、基準値を満たすことができたものと推察される。また、サンプルM12のセル電圧は、電解質IECが他のサンプルより低いために、プロトン伝導性が著しく低下してしまったものと推察される。
なお、このサンプルM12の試験結果や、補強層膜厚比率および補強膜密度の計測値が比較的近いサンプルM06の試験結果から、以下のことが推察される。電解質膜10において、電解質IECを高い値(例えば、1.30〜1.80meq/g)とし、補強層膜厚比率を95%以上とすれば、補強膜密度が250mg/cm3よりも小さい場合であっても、高いプロトン伝導性と発電耐久性とが得られる。即ち、電解質膜10では、電解質IECが1.30meq/g以上、かつ、1.80meq/g以下であれば、補強層膜厚比率が、95%以上、かつ、100%未満の値であるときに、補強膜密度が、210mg/cm3以上、かつ、700mg/cm3以下の値であっても良い。
サンプルM13では、補強層膜厚比率が低く、好適範囲から外れており、補強膜密度が高く、好適範囲から外れていた。そして、サンプルM13は、平面寸法増加率については基準値を満たしたが、セル電圧については、基準値を満たすことができなかった。即ち、サンプルM13では、多孔質樹脂膜3の密度が高く、多孔質樹脂膜3の十分な強度が得られていたため、膨潤による変形が抑制されたが、多孔質樹脂膜3への電解質ポリマー1の含浸量を確保できず、プロトン伝導性が低下してしまったものと推察される。
サンプルM14では、補強層膜厚比率が好適範囲に含まれていたが、補強膜密度が低く、好適範囲から外れていた。そして、サンプルM14は、セル電圧については基準値を満たすことができたが、平面寸法増加率については基準値を満たすことができなかった。即ち、このサンプルM14では、多孔質樹脂膜3が、その厚みに対して密度が不足してしまったために、十分な強度を得られず、膨潤による変形を抑制できなかったものと推察される。
なお、電解質膜10の補強層膜厚比率および補強膜密度は、計測値の誤差を考慮しない場合には、以下のような範囲であることが好ましい。補強層膜厚比率は、65%以上、かつ、98%以下の数値であることが好ましく、補強膜密度は、270mg/cm3以上、かつ、680mg/cm3以下の数値であることが好ましい。
また、サンプルM01,M02,M05,M07,M09では、セル電圧が0.42V以上であるとともに、平面寸法増加率が9.5%以下となり、高い発電性能と発電耐久性とを示した。これらのサンプルM01,M02,M05,M07,M09の補強層膜厚比率は、83〜98%であり、補強膜密度は、390〜591mg/cm3であった。さらに、サンプルM01,M02,M07では、平面寸法増加率が8.1%以下となり、より高い発電耐久性を示した。
このことから、電解質膜10の補強層膜厚比率は、上記の好適範囲内においてより高い値であるほど好ましく、補強膜密度は、上記の好適範囲の中央領域の値であることが、より好ましいと考えられる。より具体的には、電解質膜10では、補強層膜厚比率が、80%以上、かつ、99%以下の値であるときに、補強膜密度が、380mg/cm3以上、かつ、600mg/cm3以下の値であることが、より好ましい。
さらに、電解質膜10では、補強層膜厚比率が、95%以上、かつ、99%以下の値であるときに、補強膜密度が380mg/cm3以上、かつ、550mg/cm3以下の値でることが好ましい。また、補強層膜厚比率が、96%以上、かつ、98%以下の値であるときに、補強膜密度が390mg/cm3以上、かつ、520mg/cm3以下の値でることが、より好ましい。なお、これらの数値範囲は、図6の計測値に対して誤差を考慮して規定したものである。
ここで、セル電圧が0.42V以上となり、平面寸法増加率が8.0%以下となったサンプルM02,M07では、補強膜重量比率が、他のサンプルよりも比較的高く、28.8〜29.3wt%であった。このことから、補強層膜厚比率および補強膜密度が、上記のいずれかの好適範囲内にあるときに、補強層重量比率は、27.0wt%以上、かつ、30.0wt%以下の値であれば、電解質膜10は、より高いプロトン伝導性と発電耐久性とを得ることができる。
なお、上記の補強層重量比率の数値範囲は、図6の計測値に対して誤差を考慮して規定したものである。計測値の誤差を考慮しない場合には、上記の補強層重量比率の好適範囲は、28.8wt%以上、かつ、29.3wt%以下の範囲であることが好ましい。
ところで、判定が「○」となったサンプルM01〜M09はいずれも、電解質IECが、1.30〜1.80meq/gの範囲内であった。このことから、電解質膜10の電解質IECは、±10%以内の誤差を考慮して、1.20meq/g以上、かつ、1.90meq/g以下の値であることが好ましく、1.30meq/g以上、かつ、1.80meq/g以内の値であることが、より好ましい。
また、判定が「○」となったサンプルM01〜M09はいずれも、全膜厚は10〜12μmの範囲内であった。このことから、電解質膜10の全膜厚は、上記の計測値の±10%以内の誤差を考慮して、9μm以上、かつ、13μm未満の厚みであることが好ましく、12μm以下の厚みであることが、より好ましいことがわかる。
図8は、横軸を補強膜重量比率とし、縦軸を補強膜密度として、各サンプルM01〜M14の計測値をプロットしたグラフである。なお、図8のグラフにはそれぞれ、上述した補強膜重量比率の好適な数値範囲(13.5wt%以上、かつ、32.0wt%以下)および補強膜密度の好適な数値範囲(250mg/cm3より大きく、かつ、700mg/cm3以下)の境界値を破線で図示してある。
図8のグラフにおいても、図7のグラフと同様に、破線で囲まれた領域内にプロットされたサンプルM01〜M09については、いずれもが平面寸法増加率およびセル電圧の基準値を満たし、判定が「○」となっている。また、破線で囲まれた領域外にプロットされたサンプルM10〜M14については、平面寸法増加率またはセル電圧のいずれか、または両方が基準値を満たさず、判定が「×」または「△」となっている。
サンプルM01〜M09の補強膜重量比率は、14.6〜29.5wt%の範囲内であった。このことから、電解質膜10の補強膜重量比率は、±10%以内の誤差を考慮して、13.5wt%以上、かつ、32.0wt%以下の値であることが好ましい。また、誤差を考慮しない場合には、補強膜重量比率は、14.6wt%以上、かつ、29.5wt%以下の値であることが好ましい。
なお、補強膜密度の好適範囲については、図7で説明したのと同様である。また、図7でも説明したように、電解質膜10の電解質IECは、1.20meq/g以上、かつ、1.90meq/g以下の値であることが好ましく、1.30meq/g以上、かつ、1.80meq/g以内の値であることが、より好ましい。また、電解質膜10の全膜厚は9μm以上、かつ、13μm未満の厚みであることが好ましく、12μm以下の厚みであることが、より好ましい。
ここで、セル電圧が0.42V以上であるとともに、平面寸法増加率が9.5%以下となったサンプルM01,M02,M05,M07,M09の補強膜重量比率はいずれも、23.6〜29.5wt%の範囲内であった。そして、補強膜密度はいずれも、390〜591mg/cm3の範囲内であった。このことから、電解質膜10では、補強膜重量比率および補強膜密度は、以下の範囲内の数値であることが、より好ましいことがわかる。
即ち、±10%以内の計測誤差を考慮した場合には、補強膜重量比率は、22.0wt%以上、かつ、32.0wt%以下の値であることが好ましく、補強膜密度は、370mg/cm3以上、かつ、610mg/cm3以下の値であることが好ましい。また、誤差を考慮しない場合には、補強膜重量比率は、23.6wt%以上、かつ、29.5wt%以下の値であることが好ましく、補強膜密度は、390mg/cm3以上、かつ、591mg/cm3以下の値であることが好ましい。
ところで、サンプルM01,M02,M07はいずれも、平面寸法増加率が8.1%以下となり、かつ、セル電圧が0.42V以上であった。そして、これらのサンプルM01,M02,M07の補強膜重量比率は、23.6〜29.3wt%の範囲内であり、補強膜密度は、390〜520mg/cm3の範囲内であった。
このことから、±10%以内の計測誤差を考慮して、電解質膜10では、補強膜重量比率が、22.0wt%以上、かつ、32.0wt%以下の値であるときに、補強膜密度が、370mg/cm3以上、かつ、540mg/cm3以下の値であることがより好ましいことがわかる。また、誤差を考慮しない場合には、電解質膜10では、補強膜重量比率が、23.6wt%以上、かつ、29.3wt%以下の値であるときに、補強膜密度が、390mg/cm3以上、かつ、520mg/cm3以下の値であることがより好ましいことがわかる。
しかし、サンプルM05については、補強膜重量比率および補強膜密度が上記範囲内の値であるにもかかわらず、平面寸法増加率が9.5%となり、サンプルM01,M02,M07と比較して、著しく高い値となってしまっている。これは、サンプルM05の電解質IECが1.80meq/gと高く、膨潤による変形量が他のサンプルより大きかったためであると推察される。このことから、電解質膜10では、補強膜重量比率および補強膜密度が、前段落に記載された数値範囲であるときに、電解質IECは1.80meq/g未満の値であることが、より好ましいことがわかる。
このように、本実施形態の電解質膜10によれば、好適な割合の細孔を有する多孔質樹脂膜3を、好適な体積的割合で内部に包含するため、燃料電池100に用いられたときに、高いプロトン伝導性と、高い発電耐久性とを発揮することができる。
B.第2実施形態:
図9は本発明の第2実施形態としての燃料電池100Aの構成を示す概略図である。図9は、電解質膜10に換えて、電解質膜10Aが図示されている点以外は、図1とほぼ同じである。この第2実施形態の電解質膜10Aは、電解質層11と電解質補強層12とが一層ずつ積層された二層構造を有している点以外は、第1実施形態の電解質膜10と同様の構成である。
第2実施形態の電解質膜10Aにおいても、補強層膜厚比率や、補強膜密度、補強膜重量比率は、第1実施形態で説明した好適範囲に含まれていることが好ましい。これによって、電解質膜10Aは、高いプロトン伝導性と、高い発電耐久性とを得ることができる。ただし、以下に説明する点において、第2実施形態の電解質膜10Aよりも、第1実施形態の電解質膜10の方が好ましい。
図10(A),(B)は、第2実施形態の電解質膜10Aの製造工程の内の、電解質前駆薄膜1ffと多孔質樹脂膜3との一体化工程を説明するための模式図である。なお、第2実施形態の電解質膜10Aの製造工程は、図10に示した電解質前駆薄膜1ffと多孔質樹脂膜3との一体化工程(ステップS30)以外は、第1実形態において説明した工程とほぼ同じである(図2,図3,図5)。
図10(A)には、電解質前駆薄膜1ffと多孔質樹脂膜3とをプレス板211によって狭持して、ホットプレス処理する様子を模式的に示してある。また、図10(B)には、ホットプレス処理において、多孔質樹脂膜3の細孔内に、電解質前駆薄膜1ffの電解質ポリマー前駆体1fが含浸する様子を模式的に示してある。より具体的には、図10(B)の紙面左側には、多孔質樹脂膜3に電解質ポリマー前駆体1fが含浸する前の様子を図示してあり、紙面右側には、多孔質樹脂膜3に電解質ポリマー前駆体1fが含浸した後の様子を図示してある。
第2実施形態の電解質膜10Aは、単一の電解質層11と単一の電解質補強層12とを有する二層構造であるため、一度のホットプレス処理で、電解質前駆薄膜1ffと多孔質樹脂膜3とが一体化された電解質前駆膜10fを生成することが可能である。しかし、電解質膜10Aでは、電解質前駆薄膜1ffの厚みに対して、多孔質樹脂膜3は、6割以上の厚みを有している。そのため、多孔質樹脂膜3の全体に電解質ポリマー前駆体1fを含浸させるためには、多孔質樹脂膜3は、電解質前駆薄膜1ffとの接触面側が、大きな圧力を受けることになる。従って、電解質前駆薄膜1ffと多孔質樹脂膜3とが一体化されて電解質前駆膜10fが生成されたときには、電解質前駆膜10fの中央部位に、多孔質樹脂膜3の細孔の目が潰れて密度が偏った領域CAが形成されてしまう可能性がある(図10(B))。
これに対して、第1実施形態の電解質膜10では、第2実施形態の場合よりも厚みの薄い2つの多孔質樹脂膜3を電解質前駆薄膜1ffの両側から順に含浸させていく(図4(A)〜(D))。そのため、電解質膜10の全膜厚に対して電解質補強層12の厚みが6割以上を占める場合であっても、第2実施形態のように、密度が偏った領域CAが形成されてしまう可能性が低い。
C.変形例:
なお、この発明は上記の実施形態や実施例に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
C1.変形例1:
上記第1実施形態では、ステップS30において、電解質前駆薄膜1ffの片側の面ごとに多孔質樹脂膜3を一体化させており、ホットプレス処理を二度行っていた(図3(A)〜(D))。しかし、ステップS30では、一度のホットプレス処理によって、電解質前駆薄膜1ffと2つの多孔質樹脂膜3とを一体化させるものとしても良い。即ち、ステップS30において、電解質前駆薄膜1ffを2つの多孔質樹脂膜3によって狭持した状態で、ホットプレス処理を行うものとしても良い。ただし、図3で説明したように、電解質前駆薄膜1ffの片側の面ごとに多孔質樹脂膜3を一体化させる方が、電解質ポリマー前駆体1fを、多孔質樹脂膜3の細孔に、より確実に含浸させることができるため好ましい。
C2.変形例2:
上記第1実施形態では、2つの多孔質樹脂膜3によって1つの電解質前駆薄膜1ffを狭持して一体化させることにより、2つの電解質補強層12に狭持された1つの電解質層11を有する電解質膜10を形成していた。また、上記第2実施形態では、1つの多孔質樹脂膜3と、1つの電解質前駆薄膜1ffとを重ねて狭持して一体化させることにより、電解質層11と電解質補強層12とが一層ずつ積層された電解質膜10Aを形成していた。しかし、電解質膜は、電解質層11と電解質補強層12とが積層された多層構造を有していれば良く、他の構成を有するものとしても良い。例えば、電解質膜は、1つの多孔質樹脂膜3を2つの電解質前駆薄膜1ffで狭持して一体化することにより、1つの電解質補強層12が、2つの電解質層11に狭持された構成を有するように形成されるものとしても良い。
C3.変形例3:
上記実施形態では、多孔質樹脂膜3を包含していない電解質ポリマー1の層である電解質層11と、多孔質樹脂膜3を包含する電解質ポリマー1の層である電解質補強層12とを有する電解質膜10について、その補強膜密度や補強膜重量比率の好適範囲を規定していた。しかし、多孔質樹脂膜3を包含していない電解質層11を有していない単層の電解質膜においも、補強膜密度や補強層重量比率を上記実施形態で説明した好適範囲に規定することにより、当該電解質膜において、高いプロトン伝導性と発電耐久性とを得ることができる。即ち、電解質膜の補強層膜厚比率がほぼ100%のときに、補強膜密度を、250mg/cm3より大きく、かつ、700mg/cm3以下の値となるように規定したり、補強膜重量比率を、13.0wt%以上、かつ、32.0wt%以下に規定するものとしても良い。
1…電解質ポリマー
1f…電解質ポリマー前駆体
1ff…電解質前駆薄膜
3…多孔質樹脂膜
10,10A…電解質膜
10f…電解質前駆膜
11…電解質層
12…電解質補強層
20,30…電極
21,31…触媒層
22,32…ガス拡散層
41,42…セパレータ
45…流路溝
100,100A…燃料電池
110…単セル
120…膜電極接合体
201…シート基材
210…ダイコータ
211…プレス板

Claims (6)

  1. 燃料電池に用いられる電解質膜であって、
    プロトン伝導性を有する電解質ポリマーの層であり、前記電解質ポリマーが含浸される細孔を有する多孔質補強膜を包含する電解質補強層と、
    前記電解質ポリマーの層であり、前記多孔質補強膜を包含しない電解質層と、
    が積層された多層構造を有し、
    前記多孔質補強膜は、樹脂材料を延伸した状態で加熱することによって前記細孔を有するように形成されており、
    前記電解質膜の厚みに対する前記電解質補強層の厚みの比率である補強層膜厚比率が、60%以上、かつ、100%未満の値であり
    前記電解質補強層に包含された状態における前記多孔質補強膜の密度が、250mg/cmより大きく、かつ、700mg/cm以下の値である、電解質膜。
  2. 請求項1記載の電解質膜であって、
    前記電解質補強層は、前記電解質層を狭持する第1と第2の電解質補強層を含み、
    前記補強層膜厚比率は、前記電解質膜の厚みに対する前記第1と第2の電解質補強層の厚みの合計の比率である、電解質膜。
  3. 請求項1または請求項2記載の電解質膜であって、
    前記電解質膜の重量に対する前記多孔質補強膜の重量の比率である補強膜重量比率が、27.0wt%以上、かつ、30.0wt%以下である、電解質膜。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の電解質膜であって、
    前記電解質ポリマーのイオン交換容量が、1.20meq/g以上、かつ、1.90meq/g以下である、電解質膜。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の電解質膜であって、
    前記電解質膜の厚みが13μm未満である、電解質膜。
  6. 燃料電池に用いられる電解質膜であって、
    プロトン伝導性を有する電解質ポリマーの層であり、前記電解質ポリマーが含浸される細孔を有する多孔質補強膜を包含する電解質補強層と、
    前記電解質ポリマーの層であり、前記多孔質補強膜を包含しない電解質層と、
    が積層された多層構造を有し、
    前記多孔質補強膜は、樹脂材料を延伸した状態で加熱することによって前記細孔を有するように形成されており、
    前記電解質膜の重量に対する前記多孔質補強膜の重量の比率である補強膜重量比率が、13.5wt%以上、かつ、32.0wt%以下の値であり
    前記電解質補強層に包含された状態における前記多孔質補強膜の密度が、250mg/cmより大きく、かつ、700mg/cm以下の値である、電解質膜。
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