JP5720311B2 - Dlc膜の製造方法および製造装置 - Google Patents

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本発明は、DLC膜の製造方法および製造装置に関する。詳細には、本発明は、磁気記録媒体基板用のDLC保護膜の製造方法および製造装置に関する。
近年、ハードディスクドライブ等の磁気記録媒体に関して、構成材料の変更、記録層の粒子微細化、磁気ヘッドの小型化、あるいは垂直磁気記録方式の採用などの種々の施策による記録密度の向上が検討されてきている。これらの施策が施される磁気記録媒体では、スパッタ法を用いて形成された金属磁性層、あるいは、磁性金属に対して非磁性材料を添加したグラニュラー磁性層が用いられている。これらの磁性層を腐食、磁気ヘッドの衝突などから保護するために、磁性層表面にダイヤモンドライクカーボン(DLC)保護膜が形成されている。
磁気記録媒体の記録密度のさらなる向上を達成するためには、磁気記録媒体の磁性層と磁気ヘッドとの距離を短縮する必要がある。このため、DLC保護膜は、本来の磁性層保護の機能を維持しながら、その膜厚を減少させることが要求されている。現状では、2.5nm程度の膜厚を有するDLC保護膜は実現されているが、1Tbits/in以上の記録密度を達成するにはDLC保護膜の膜厚を2nm以下にすることが必要である。
DLC保護膜は、一般に炭化水素ガス(C)を原料としたプラズマ化学気相堆積法(CVD)により形成される。プラズマCVD法においては、原料ガスからプラズマを発生させ、プラズマ中のイオン粒子によって磁性層表面にDLCを堆積させる。その際に、基板に負バイアスを印加してイオン粒子のエネルギーを制御することで、形成されるDLC保護膜の品質を向上させることが提案されている(非特許文献1参照)。別法として、水素を含まないDLC保護膜をフィルタードカソーディックアーク(FCA)法によって形成することが提案されている(特許文献1および2参照)。さらに、オーディオ用およびビデオ用の磁気テープにおける保護膜として、加熱触媒体(タングステンなど)によって原料ガスを接触熱分解して得られる活性な中性粒子(ラジカル)による触媒化学気相堆積法を用いてDLC保護膜を形成することが提案されている(特許文献3参照)。一般的に、CVD法を用いた場合には、水素を含むDLC膜が形成される。
従来技術のDLC保護膜の製造方法では、DLC膜のsp結合性を高めることで、機械的強度を向上させ、耐久性を保持している。そして、DLC膜のsp結合性を高める方法として、被成膜表面におけるイオン粒子のエネルギーを最適化する方式が採用されている。しかし、sp結合性を高めるために必要な炭素イオン粒子1個当たりのエネルギーは100eV前後とされている。このようなエネルギーを有するイオン粒子を用いてDLC膜の形成を行う場合、イオン粒子は磁性層の表層中に打ち込まれるため、磁性層表面における付着粒子の拡散が起こりにくく、均一なDLC膜を形成するためにはある程度の膜厚が必要となる。特に膜厚を2nm以下にする場合に、形成されるDLC膜の粗密が明瞭となって耐食性が著しく劣化し、磁気記録媒体用の保護膜としての仕様を満たすことが困難となる。
DLC保護膜を下層および上層の2層構成とし、プラズマCVD法を用いて下層および上層を形成する際の条件(基板バイアス電圧あるいは成膜雰囲気の圧力)を変化させることによって、耐久性と耐食性とを両立させたDLC保護膜を製造することが提案されている(特許文献4参照)。しかしながら、この提案の方法では、原料ガスのプラズマを発生させた時点でラジカル粒子およびイオン粒子の両方が生成されるため、それら粒子の一方のみでDLC膜の形成を行うことは困難である。このことによって、上記提案の方法で、2nm以下の膜厚を有するDLC保護膜において、耐久性と耐食性とを両立させることは難しい。
別法として、DLC保護膜を下層および上層の2層構成とし、FCA法による形成時におけるイオン導入の有無によって組成の異なる上層および下層を形成することによって、耐久性と耐食性とを両立させたDLC保護膜を製造することが提案されている(特許文献5参照)。この提案においては、下層を水素またはフッ素を含むアモルファスカーボンで形成し、上層をアモルファスカーボンで形成している。しかしながら、この方法においては、下層の形成時に水素またはフッ素を導入するためのイオンガンなどの付帯設備が必要となり、DLC膜製造コストの上昇を招く恐れがある。
また、磁気ヘッド用の保護膜として、水素化アモルファスシリコン膜とFCA法により形成されるta−C(テトラヘドラル・アモルファス・カーボン)膜との積層体を用いることが提案されている(特許文献6参照)。
特開2002−32907号公報 特開2003−160858号公報 特開2004−118973号公報 特開2008−276898号公報 特開2005−353126号公報 特開2004−213824号公報
J. Robertson, Thin Solid Films, 383 (2001), 81-88
上記の問題点に鑑みて、本発明は、小さい膜厚においても耐久性および耐食性を両立することができるDLC保護膜の製造方法を提供することを目的とする。より詳細には、2nm以下の膜厚を有し、1Tbits/in以上の記録密度を有する磁気記録媒体用の保護膜として利用可能なDLC保護膜の製造方法を提供することを目的とする。加えて、特別な付帯装置を含まず、製造コスト上昇の要因となることのないDLC保護膜製造装置を提供することもまた、本発明の目的である。
本発明のDLC膜の製造方法は、炭化水素系原料ガスの熱分解により発生させたラジカル粒子により被成膜基板上に第1層を形成する工程と、該炭化水素系原料ガスのプラズマ中で発生させたイオン粒子により第2層を形成する工程とを含み、第1層および第2層から構成されるDLC膜を提供することを特徴とする。ここで、第1層の形成工程および第2層の形成工程を同一装置内で実施することが望ましい。また、被成膜基板は、非磁性基板および磁気記録層を少なくとも含む磁気記録媒体基板であってもよい。さらに、第1層の形成工程において、前記炭化水素系原料ガスの熱分解を1000〜2000℃で実施してもよい。また、第2層の形成工程において、イオン粒子が200〜500eVのエネルギーを有することが望ましい。
また、本発明のDLC膜の製造装置は、炭化水素系原料ガスの供給口およびプラズマ発生手段を有するプラズマ発生室と、被成膜基板を収容する成膜室と、プラズマ発生室と成膜室との間に配置され、触媒化学気相堆積法における加熱触媒体およびプラズマ化学気相堆積法におけるイオン引き出し電極として機能するグリッド電極とを含むことを特徴とする。ここで、被成膜基板は、非磁性基板および磁気記録層を少なくとも含む磁気記録媒体基板であってもよい。また、グリッド電極が1本の導体で形成されていることが望ましい。さらに、プラズマ発生手段として、誘導結合方式、容量結合方式、およびECR方式からなる群から選択される手段を用いてもよい。
上記の構成を有する本発明の製造方法により、高いsp結合性および高い被覆性を有する第1層62に起因する高い耐食性と、高いsp結合性および大きな機械的強度を有する第2層64に起因する高い耐久性とを有する、膜厚2nm以下のDLC膜の製造が可能となる。よって、本発明の製造方法は、1Tbits/in以上の記録密度を目的とする磁気記録媒体のDLC保護膜を形成するのに有用である。また、本発明のDLC膜の製造装置は、必要な真空チャンバーの数の増加および特別な付帯装置を伴わず、DLC膜の大量生産および製造コストの低減の点において有利である。
本発明の方法で得られる磁気記録媒体の例を示す概略断面図である。 本発明のDLC膜製造装置の一例を示す概略断面図である。 グリッド電極の好ましい形態を示す概略正面図である。 実施例1および比較例1の磁気記録媒体の耐食性試験の結果を示すグラフである。 実施例1および比較例1の磁気記録媒体の耐久性試験の結果を示すグラフである。
本発明のDLC膜の製造方法は、炭化水素系原料ガスの熱分解により発生させたラジカル粒子により被成膜基板上に第1層を形成する工程と、該炭化水素系原料ガスのプラズマ中で発生させたイオン粒子により第2層を形成する工程とを含み、第1層および第2層を有するDLC膜を提供する。本発明の方法において用いることができる被成膜基材は、磁気記録媒体基板、半導体基板、光学部品などを含む。
図1に、本発明の方法で得られる磁気記録媒体を示す。図1の磁気記録媒体は、非磁性基板10の上に、軟磁性裏打ち層20、シード層30、中間層40、磁気記録層50、およびDLC保護膜60をこの順に含む。上記の層のうち、軟磁性裏打ち層20、シード層30および中間層40は、必要に応じて設けてもよい任意選択的な層である。任意選択的に、DLC保護膜60の上に潤滑層(不図示)を設けてもよい。また、DLC保護膜60は、第1層62および第2層64の二層構造を有する。本発明において被成膜基板として用いることができる磁気記録媒体基板は、磁気記録層50以下の層の積層体を意味する。
以下、磁気記録媒体基板を構成する各層の詳細を説明する。非磁性基体10は、表面が平滑である種々の非磁性材料から形成される。たとえば、NiPメッキを施したアルミニウム合金基体、強化ガラス基体、結晶化ガラス基体、シリコン基体などの磁気記録媒体の分野で一般的に用いられる基体を、非磁性基体10として用いることができる。
任意選択的に設けてもよい軟磁性裏打ち層20は、FeTaC合金、センダスト(FeSiAl)合金などの結晶性合金、またはCoZrNb、CoTaZrなどの非晶質Co合金を用いて形成することができる。記録に使用する磁気ヘッドの構造および特性に依存して最適値が変化するが、生産性を向上させる観点からは、軟磁性裏打ち層2は5〜100nmの膜厚を有することが望ましい。
任意選択的に設けてもよいシード層30は、必要に応じて設けてもよい任意選択的な層である。シード層30は、その上に形成される中間層40(存在する場合)、および/または磁気記録層50の結晶配向性、結晶粒径などを制御する機能を有する。シード層30は、軟磁性材料または非磁性材料を用いて形成することができる。用いることができる軟磁性材料は、NiFeAl、NiFeSi、NiFeNb、NiFeB、NiFeNbB、NiFeMo、NiFeCrなどのパーマロイ系材料を含む。用いることができる非磁性材料は、Ta、Za、NiAlなどの材料を含む。シード層は10nm以下の膜厚を有することが望ましい。
任意選択的に設けてもよい中間層40は、その上に形成される磁気記録層50の結晶配向性、結晶粒径、粒界偏析などを制御する機能を有する。中間層40は、Ru、Pt、Ir、Re、Rhなどの非磁性の金属を用いて形成することができる。あるいはまた、Ruと、C、Cu、W、Mo、Cr、Ir、Pt、Re、Rh、Ta、Vからなる群から選択される1種または複数種の材料とからなるRu基合金を用いて中間層40を形成してもよい。中間層40は、一般的には1〜10nmの膜厚を有する。
磁気記録層50は、Co、Ni、およびFeからなる群から選択される少なくとも1種の金属を含む強磁性材料を用いて形成される。強磁性材料は、Cr、Pt、Ta、B、Nb、NおよびCuからなる群から選択される少なくとも1種の金属をさらに含んでもよい。用いることができる強磁性材料は、たとえば、CoPt、CoCrPt、CoCrPtB、CoCrPtTaを含む。あるいはまた、磁気記録層50は、前述の強磁性材料の結晶粒子をSiO、TiO、Al、AlN、Siなどの非磁性酸化物または非磁性窒化物のマトリクス中に分散させたグラニュラー構造を有してもよい。グラニュラー構造は、非磁性酸化物または非磁性窒化物のマトリクスの介在によって、強磁性材料の結晶粒子間の相互作用を抑制できる点において好ましい。
さらに、磁気記録層50は単一の層であってもよいし、複数層の積層構造を有してもよい。積層構造の磁気記録層50は、複数の磁性層と、隣接する磁性層の間に配置される非磁性結合層とを含み、交換結合複合(Exchange-Coupled Composite、ECC)構造を構成する。複数の磁性層のそれぞれは、前述の強磁性材料で形成されていてもよいし、前述のグラニュラー構造を有してもよい。非磁性結合層は、V、Cr、Cu、Nb、Mo、Ru、Rh、Ta、W、ReおよびIrからなる群から選択される非磁性金属、Fe、CoおよびNiからなる群から選択される磁性金属、またはそれらの合金を用いて形成することができる。
上記の軟磁性裏打ち層20、シード層30、中間層40、および磁気記録層50は、スパッタ法などの当該技術において知られている任意の技術を用いて形成することができる。
任意選択的に設けてもよい潤滑層(不図示)は、PFPE(パーフルオロポリエーテル)などの液体潤滑剤をディップ法などの当該技術において知られている任意の手段を用いて塗布することによって形成することができる。任意選択的に、液体潤滑剤の塗布後に加熱処理または紫外線(UV)処理を行ってもよい。あるいはまた、塗布の前に、DLC保護膜60の表面を窒素ガスプラズマによって処理し、DLC保護膜60の表面を窒素原子で終端して、DLC保護膜60と液体潤滑剤との結合率を上昇させてもよい。
図2に、保護膜の製造などに用いることができる本発明のDLC膜製造装置の一例を示す。図2に示すDLC膜製造装置は、炭化水素系原料ガスの供給口およびプラズマ発生手段を有するプラズマ発生室100、被成膜基板330を収容する成膜室300、およびプラズマ発生室100と成膜室300との間に配置されるグリッド電極200を有する。
図2に示したプラズマ発生室100は、真空チャンバー110と、真空チャンバー100内に炭化水素系原料ガスを導入するためのガス供給口150と、放電コイル120とを含む。放電コイル120は、マッチング装置130を介して高周波電源140に接続されている。図2においては誘導結合方式のプラズマ発生手段(放電コイル120、マッチング装置130および高周波電源140)を有するプラズマ発生室100を例示したが、プラズマ発生手段として容量結合方式、ECR方式などの従来技術において知られている任意の手段を用いてもよい。ガス供給口150をシャワー形状として、形成されるDLC膜の膜厚の面内均一性を向上させることができる。
グリッド電極200は、プラズマ発生室100と成膜室300との間、好ましくはプラズマ発生室100と成膜室300との接続口160に配置される。グリッド電極200の一端は、スイッチ210を介して直流電源220に接続されており、他端は、設置されている。グリッド電極200は、後述する第1層62形成時の加熱触媒体としての機能と、第2層64形成時のプラズマ発生室100からイオン粒子(炭素系正イオン粒子)を成膜室300へと移動させる引き出し電極としての機能を有する。グリッド電極200は、タングステンまたはその合金を用いて形成することができる。
グリッド電極200を加熱触媒体として機能させる場合、グリッド電極200全体を均一な温度にすることが好ましい。そのため、グリッド電極200は図3に示すように、1本の導体から形成することが望ましい。図3においては、接続口160の内部に屈曲部が存在しないように形成されたグリッド電極200を示した。また、グリッド電極200の接続口160の内部に位置する部分は同一の断面形状を有して、単位長さ当たりの抵抗率を均一にすることが好ましい。上記の構成を採ることによって、直流電源220から電流が印加される際に、グリッド電極200の全面(特にプラズマ発生室開口部160の内部に位置する部分)は均一の温度まで加熱される。それによって、炭化水素系原料ガスの解離状態もグリッド電極200の面内で均一となり、炭化水素系原料ガスの解離によって生成するラジカル粒子の分布もまた、グリッド電極200の面内で均一となる。上記の均一性を達成することによって、形成される第1層62の膜厚の面内均一性を向上させることができる。
図2に示した成膜室300は、真空チャンバー310と、真空チャンバー内に配置され、被成膜基板330を保持する基板ホルダー320と、基板ホルダー320に接続され、被成膜基板にバイアス電圧を印加するための直流電源340と、ガス排気口350とを有する。ここで、基板ホルダー320は、被成膜基板330を加熱するための加熱手段(不図示)をさらに有してもよい。なお、成膜室の真空チャンバー310は、プラズマ発生室の真空チャンバー110と一体的に形成されていてもよい。
なお、図2においては、成膜室300の一方の側にプラズマ発生室100およびグリッド電極200を有し、被成膜基板330の一方の面上にDLC膜を製造するための装置を示した。しかしながら、成膜室300の他方の側に、第2のプラズマ発生室(不図示)および第2のグリッド電極(不図示)を配置して、被成膜基板330の両面上にDLC膜を製造する装置としてもよい。
また、図2の装置を被成膜基板として磁気記録媒体基板を用いる磁気記録媒体用DLC保護膜製造装置として用いる場合、磁気記録媒体基板を磁気記録層50以下の各層を形成するための装置から成膜室300へ、真空を破ることなしに搬入できるインライン構成とすることが望ましい。
以下、図2の装置を用いた図1に示す磁気記録媒体におけるDLC保護膜の形成を例として、本発明のDLC膜の形成方法を説明する。
第1の工程は、グリッド電極200を加熱触媒体として用いる触媒CVD法によるDLC膜の第1層62の形成である。スイッチ210を閉じて直流電源220からグリッド電極200に直流電流を流して、グリッド電極200をあらかじめ加熱する。グリッド電極の加熱温度は、熱電子が過剰に放出されない温度とすることが望ましく、好ましくは1000〜2000℃、より好ましくは1300〜1600℃の範囲内である。この段階において、成膜室300中の基板ホルダー320に被成膜基板330としての磁気記録媒体基板を配置する。
次いで、グリッド電極200の被成膜基板330とは反対側に配置されたガス供給口150から、炭化水素系原料ガスを導入する。炭化水素系原料ガスは、CH、C、およびCからなる群から選択される少なくとも1種のガスを含む。また、炭化水素系原料ガスはHをさらに含んでもよい。炭化水素系原料ガスに対するHの混合は、形成されるDLC膜中の水素含有量を低減させる。炭化水素系原料ガスの流量は、製造装置(真空チャンバー110および310)内の圧力が、0.1〜10Pa、好ましくは1〜5Paとなるように調整される。炭化水素系原料ガスの流量は、ガス供給口側に取り付けられたマスフローコントローラー(不図示)によって調整してもよい。製造装置内の圧力は、前述のマスフローコントローラー、およびガス排気口350側に取り付けられたバルブ(不図示)の開閉度によって調整してもよい。
ガス供給口150から導入される炭化水素系原料ガスは、プラズマ発生室100(真空チャンバー110)を通過し、グリッド電極200において接触熱分解され、プラズマの発生を伴わずに、反応性に富む中性粒子であるラジカル粒子を発生させる。ラジカル粒子は、成膜室300内の被成膜基板330(磁気記録媒体基板)の表面に付着する。被成膜基板330の表面に付着したラジカル粒子は、当該表面において表面拡散を起こし、被覆性の高い第1層62が形成される。ここで、被成膜基板330を加熱して表面拡散を促進し、第1層62の被覆性を向上させることができる。磁気記録媒体基板を被成膜基板330として用いる場合、既に形成された軟磁性裏打ち層20から磁気記録層50に至る層の特性が変化しない温度範囲にて加熱を行うことが望ましい。
第1の工程で得られる第1層62は、高い被覆性を有するものの、sp結合性が高く低硬度のDLC膜である。第1層62は、通常、0.1〜2.0nmの膜厚を有するように形成される。所定の膜厚の第1層62が形成された時点で、スイッチ210を開放し、グリッド電極200の加熱を停止し、グリッド電極200の電位をグランド電位とする。
第2の工程は、第1の工程で得られた第1層62を形成した積層体を被成膜基板330として用いるプラズマCVD法によるDLC膜の第2層64の形成である。最初に、マスフローコントローラーによる炭化水素系原料ガスの供給量の調整、および/またはガス排出口のバルブの開閉度の調整により、製造装置内圧力を0.01〜1Pa、好ましくは0.05〜0.5Paに調整する。続いて、高周波電源140からマッチング装置130を介してコイル120に高周波電力を供給し、プラズマ発生室100(真空チャンバー110)内に炭化水素系原料ガスを電子とイオン粒子(炭素系正イオン粒子)とに電離させ、プラズマを発生させる。供給する高周波電力は100〜5000W、好ましくは1000〜3000Wの範囲内とする。この際に、電子とイオン粒子の運動速度差から、プラズマ電位は正となる。よって、グランド電位にあるグリッド電極200からは、成膜室300に向かってイオン粒子が優先的に放出される。
第2の工程において、被成膜基板330の表面(被成膜表面)に到達する際のイオン粒子のエネルギーを200〜500eV、好ましくは350〜450eVとすることが望ましい。上記の範囲内のエネルギーを有するイオン粒子を用いることによって、sp結合性の高い第2層64を形成することができる。イオン粒子のエネルギーは、被成膜基板330に対するバイアス電位の印加、またはグリッド電極200を負電位にすることによって制御することが可能である。ここで、グリッド電極200を負電位にした場合、イオン粒子の衝突によるグリッド電極200の劣化が促進されるため、被成膜基板330に対するバイアス電位の印加によってイオン粒子のエネルギーを制御することが好ましい。被成膜基板330へのバイアス電位の印加は、基板ホルダー320を介して接続される直流電源340によって実施することができる。イオン粒子のエネルギーを前述の範囲内に制御するためには、被成膜基板330に対して−500〜−100V(対グランド)のバイアス電位を印加することが望ましい。
イオン粒子による第2層64の成膜は、第1層62との合計膜厚(DLC保護膜60の膜厚)が所望の膜厚となるまで継続される。また、イオン粒子が400〜450eVの高いエネルギーを有する場合、第1層62中へのイオン粒子の打ち込み、イオン粒子の反跳、および/またはイオン粒子による第1層62のエッチングが起こり、膜厚がほとんど変化することなしに、sp結合性の高い第1層62の表層部をsp結合性の高い第2層64へと変換することができる。また、第1層62の表層部の第2層64への変換が行われた後に、イオン粒子による成膜を継続して、所望の膜厚を有する第2層64を得ることもできる。
前述の第1および第2の工程を含む本発明の製造方法により、高いsp結合性および高い被覆性を有する第1層62に起因する高い耐食性と、高いsp結合性および大きな機械的強度を有する第2層64に起因する高い耐久性とを有する、膜厚2nm以下のDLC保護膜を形成することができる。なお、本発明の製造方法における第1および第2の工程のそれぞれを別個の装置において実施することもできる。しかしながら、排気系(不図示)を含む真空チャンバーの必要数が増加するため、DLC保護膜の大量生産および製造コストの低減の観点から、図2に示すような同一の装置内で第1および第2の工程の両方を実施することが有利である。
(実施例1)
非磁性基体10として、平滑な表面を有するガラス基板を準備した。スパッタ法を用いて、非磁性基体10の上に、CoZrNbからなる膜厚45nmの軟磁性裏打ち層20,CoNiFeSiからなる膜厚5nmのシード層30、およびRuからなる膜厚10nmの中間層を、この順に形成した。次いで、スパッタ法を用いて、CoCrPt−SiOからなるグラニュラー構造を有する膜厚8nmの第1磁性層、Ruからなる膜厚0.2nmの非磁性結合層、およびCoCrPtBからなる膜厚8nmの第2磁性層からなる磁気記録層50を形成し、磁気記録媒体基板を得た。
次いで、図2に示す直流電源220からの直流電流印加によりグリッド電極200を1400℃に加熱し、基板ホルダー320に上記で得られた磁気記録媒体基板を配置した。次いで、ガス供給口150から炭化水素系原料ガスとしてCガスを導入し、装置内圧力を4Paに調整して、膜厚1.5nmの第1層62の形成を行った。第1層62の形成が終了した時点で、グリッド電極200への直流電流印加を停止した。
続いて、装置内圧力を0.05Paに調整し、高周波電源140からマッチング装置130を介してコイル120に1500Wの電力を供給して、第2層64の形成を開始した。この際に、直流電源340を用いて磁気記録媒体基板に対して−200Vのバイアス電位を印加した。このバイアス電位の印加により、被成膜表面である第1層62の表面に到達するイオン粒子のエネルギーは390eVとなった。
第2層64の形成を4秒間にわたって行い、膜厚1.5nmのDLC保護膜60を得た。また、第2層64の形成を5.2、6、および6.7秒間にわたって行い、それぞれ膜厚2、2.5nmおよび3.0nmのDLC保護膜60を得た。
最後に、ディップコート法を用いてDLC保護膜60の上にPFPE系の液体潤滑剤(Fomblin Z−Tetraol(SolvaySlexis社製))を塗布し、100℃に維持された炉内で30分間にわたって放置して、膜厚1.2nmの潤滑層を形成し、磁気記録媒体を得た。
(比較例1)
本比較例は、従来技術によるプラズマCVD法のみによるDLC保護膜の形成に関する。最初に、実施例1と同様の手順により、磁気記録媒体基板を得た。
次いで、図2に示す装置の基板ホルダー320に磁気記録媒体を配置し、ガス供給口150から炭化水素系原料ガスとしてCガスを導入し、装置内圧力を0.2Paに調整した。直流電源340を用いて磁気記録媒体基板に対して−120Vのバイアス電位を印加し、および高周波電源140からマッチング装置130を介してコイル120に1500Wの電力を供給して、DLC膜の形成をおこない、それぞれ膜厚1.5、2、2.5nmおよび3.0nmのDLC保護膜を得た。最後に、実施例1と同様の手順を用いてDLC保護膜の上に潤滑層を形成し、磁気記録媒体を得た。
(耐食性の評価)
実施例1および比較例1で得られた種々の膜厚を有するDLC保護膜60を含む磁気記録媒体の耐食性を評価した。磁気記録媒体の表面上に2mlの3%硝酸を滴下した。1時間放置した後に硝酸を回収し、誘導結合プラズマ質量分析装置(ICP−MS)によりCo溶出量を測定した。測定結果を図4に示した。
本発明の製造方法で得られた実施例1の磁気記録媒体および従来法のプラズマCVD法で得られた比較例1の磁気記録媒体の両方において、膜厚3.0nmのDLC保護膜を形成した場合には、Co溶出量は0.01ng/cmであり、良好な耐食性を示した。DLC保護膜の膜厚の原料に伴い、実施例1および比較例1の磁気記録媒体のCo溶出量の差が拡大し、膜厚1.5nmのDLC保護膜を形成した場合には、本発明の製造方法で得られた実施例1の磁気記録媒体のCo溶出量は、従来法のプラズマCVD法で得られた比較例1の磁気記録媒体のCo溶出量の1/50程度に減少した。
本評価から、本発明の製造方法で得られたDLC保護膜が、膜厚が小さくても高い耐食性を有することが分かった。この効果は、高い被覆性を有するDLC保護膜第1層62によって、磁気記録層50以下の層を良好に被覆したことによると考えられる。
(耐久性の評価)
実施例1で得られた膜厚1.5nmのDLC保護膜60を有する磁気記録媒体および比較例1で得られた膜厚2.5nmのDLC保護膜を有する磁気記録媒体について、ピンオンディスク(POD)試験により耐久性を評価した。POD試験は、Al−TiC製の直径2mmの球を0.3Nの力で磁気記録媒体表面に押圧し、磁気記録媒体を回転させることによって前述の球を線速度24.88mm/秒で磁気記録媒体表面に摺動させ、摩擦係数を測定することによって実施した。本評価では、摩擦係数が変化するまでの磁気記録媒体の回転回数を耐久性の基準とした。評価結果を図5に示した。
図5から明らかなように、本発明の製造方法で得られた実施例1の磁気記録媒体は、DLC保護膜60の膜厚が1.5nmであっても、従来技術のプラズマCVD法で得られた膜厚2.5nmのDLC保護膜を有する比較例1の磁気記録媒体とほぼ同等の耐久性を示した。この効果は、優れた機械的強度を有するDLC保護膜第2層64に起因するものと考えられる。
以上の耐食性および耐久性の評価から、本発明の製造方法で得られたDLC保護膜は、その膜厚を2nm以下とした場合であっても優れた耐食性および耐久性を示すことが分かった。
10 非磁性基板
20 軟磁性裏打ち層
30 シード層
40 中間層
50 磁気記録層
60 保護膜
61 第1層
62 第2層
100 プラズマ発生室
110 真空チャンバー
120 放電コイル
130 マッチング装置
140 高周波電源
150 ガス供給口
160 接続口
200 グリッド電極
210 スイッチ
220 直流電源
300 成膜室
310 真空チャンバー
320 基板ホルダー
330 被成膜基板
340 基板バイアス電源
350 ガス排気口

Claims (9)

  1. DLC膜の製造方法であって、該DLC膜は第1層および第2層から構成され、該製造方法は、
    炭化水素系原料ガスの熱分解により発生させたラジカル粒子を付着させて被成膜基板上に第1層を形成する工程と、
    該炭化水素系原料ガスのプラズマ中で発生させたイオン粒子を被成膜基板に到達させて第2層を形成する工程と
    を含むことを特徴とするDLC膜の製造方法。
  2. 第1層の形成工程および第2層の形成工程を同一装置内で実施することを特徴とする請求項1に記載のDLC膜の製造方法。
  3. 前記被成膜基板が、非磁性基板および磁気記録層を少なくとも含む磁気記録媒体基板であることを特徴とする請求項1に記載のDLC膜の製造方法。
  4. 第1層の形成工程において、前記炭化水素系原料ガスの熱分解を1000〜2000℃において実施することを特徴とする請求項1に記載のDLC膜の製造方法。
  5. 第2層の形成工程において、被成膜表面への到達時に前記イオン粒子が200〜500eVのエネルギーを有することを特徴とする請求項1に記載のDLC膜の製造方法。
  6. 炭化水素系原料ガスの供給口およびプラズマ発生手段を有するプラズマ発生室と、被成膜基板を収容する成膜室と、プラズマ発生室と成膜室との間に配置され、触媒化学気相堆積法における加熱触媒体およびプラズマ化学気相堆積法におけるイオン引き出し電極として機能するグリッド電極とを含むことを特徴とするDLC膜の製造装置。
  7. 前記被成膜基板が、非磁性基板および磁気記録層を少なくとも含む磁気記録媒体基板であることを特徴とする請求項6に記載のDLC膜の製造装置。
  8. 前記グリッド電極が1本の導体で形成されていることを特徴とする請求項6に記載のDLC膜の製造装置。
  9. 前記プラズマ発生手段が、誘導結合方式、容量結合方式、およびECR方式からなる群から選択される手段であることを特徴とする請求項6に記載のDLC膜の製造装置。
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