JP5720214B2 - 軸置換ホウ素サブフタロシアニン誘導体とそれを用いた光学膜との製造方法 - Google Patents
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R’−MgX2・・・・(II)
(式(II)中、R’は、直鎖または分岐鎖アルキル基、アラルキル基、アリール基から選ばれる基である。X2は、フッ素、塩素、臭素、沃素から選ばれるハロゲン原子である)で表わされる化合物とを反応させることを特徴とする、下記化学式(III)
BX1 3・・・・(V)
(式(V)中、X1は、フッ素、塩素、臭素、沃素から選ばれるハロゲン原子である)で示されるハロゲン化ホウ素との反応により合成されることを特徴とする。
フタロニトリル76.8g、p−キシレン260g、1.0M三塩化ホウ素/p−キシレン溶液270gを窒素気流下還流温度で1時間撹拌することによって、29.3gのSubPcBCl(中間化合物1)を得た。
収率及びクロロホルム中での極大吸収波長、モル吸光係数を表1に示す。また測定した溶解度を表4に示す。
フタロニトリル100.0g、o−ジクロロベンゼン340g、三臭化ホウ素64.0gを窒素気流下還流温度で2時間撹拌することによって、65.4gのSubPcBBr(中間化合物2)を得た。
収率及びクロロホルム中での極大吸収波長、モル吸光係数を表1に示す。また測定した溶解度を表4に示す。
i−ペンチルチオフタロニトリル140g、p−キシレン353g、1.0M三塩化ホウ素/p−キシレン溶液337gを窒素気流下還流温度で2時間撹拌することによって、65.5gの(i−C5H11S)3SubPcBCl(中間化合物7)を得た。
収率及びクロロホルム中での極大吸収波長、モル吸光係数を表1に示す。
i−ペンチルチオフタロニトリル60.0g、o−ジクロロベンゼン235g、三臭化ホウ素21.3gを窒素気流下還流温度で2時間撹拌することによって、5.3gの(i−C5H11S)3SubPcBBr(中間化合物8)を得た。
収率及びクロロホルム中での極大吸収波長、モル吸光係数を表1に示す。
フェニルチオフタロニトリル35.0g、p−キシレン86g、1.0M三塩化ホウ素/p−キシレン溶液82gを窒素気流下還流温度で2時間撹拌することによって、18.2gの(PhS)3SubPcBCl(中間化合物11)を得た。
収率及びクロロホルム中での極大吸収波長、モル吸光係数を表1に示す。
フェニルチオフタロニトリル200g、o−ジクロロベンゼン731g、三臭化ホウ素71gを窒素気流下還流温度で3時間撹拌することによって、27.9gの(PhS)3SubPcBBr(中間化合物12)を得た。
収率及びクロロホルム中での極大吸収波長、モル吸光係数を表1に示す。
4,5−ジクロロフタロニトリル1.0g、o−ジクロロベンゼン6.5g、三臭化ホウ素0.5gを窒素気流下還流温度で2時間撹拌することによって、0.7gの(2Cl)3SubPcBBr(中間化合物15)を得た。
収率及びクロロホルム中での極大吸収波長、モル吸光係数を表1に示す。
テトラフルオロフタロニトリル50g、キシレン108g、1.0M三塩化ホウ素/p−キシレン溶液113gを窒素気流下還流温度で2時間撹拌することによって、17.7gの(4F)3SubPcBCl(中間化合物16)を得た。
収率及びクロロホルム中での極大吸収波長、モル吸光係数を表1に示す。
メシチレン86gに、合成例2で得られた中間化合物2を10.0g投入し、この懸濁液を5℃以下に冷却、窒素置換を行い、1.0M−PhMgBr/THF溶液46.6gを滴下した。5℃以下にて1時間、室温にて4時間攪拌を行った。反応終了後ろ過を行い、ろ液を濃縮し、シリカゲルラムクロマトグラフィー(トルエン:酢酸エチル=50:1)にて精製を行うことにより、2.1g(中間化合物2からの収率21.0%)のSubPcBPhを得た。
元素分析値(C30H17N6B)
計算値 C=76.29%、H=3.63%、N=17.79%
実測値 C=75.29%、H=3.28%、N=17.07%
NMR(300MHz)
1H−NMR(CDCl3):δ5.42(d,2H)、5.57(t,2H)、6.70(t,2H)、7.87(m,6H)、8.84(m,6H)ppm
13C−NMR(CDCl3):δ125.3、127.0、127.5、128.3、129.0、129.5、130.8、150.8ppm
IR(KBr):ν3413、3062、3002、1614、1567、1456、1427、1394、1284、1130、734、692、570cm−1
実施例1−1の中間化合物2を合成例1で合成した中間化合物1に替えて、同様の合成法を行うことにより、0.54g(中間化合物1からの収率5.4%)のSubPcBPh(化合物1)を得た。
収率及びクロロホルム中での極大吸収波長、モル吸光係数を表2に示す。
メシチレン86.4gに、合成例2で得られた中間化合物2を10.0g投入し、この懸濁液を5℃以下に冷却、窒素置換を行い、1.0M−n−C6H13MgBr/THF溶液41.3gを滴下した。5℃以下にて1時間、室温にて4時間攪拌を行った。反応終了後ろ過を行い、ろ液を濃縮し、シリカゲルラムクロマトグラフィー(トルエン)にて精製を行うことにより、3.2g(中間化合物2からの収率31.6%)のSubPcB(n−C6H13)を得た。
元素分析値(C30H25N6B)
計算値 C=75.01%、H=5.25%、N=17.49%
実測値 C=71.59%、H=5.03%、N=16.04%
NMR(300MHz)
1H−NMR(CDCl3):δ−2.13(t,2H)、−0.66(m,2H)、0.31(m,2H)、0.56(t,3H)、0.60(m,2H)、0.82(m,2H)、7.85(m,6H)、8.81(m,6H)ppm
13C−NMR(CDCl3):δ13.8、21.2、21.4、22.3、31.2、31.6、121.8、129.0、130.7、151.0ppm
IR(KBr):ν740、1130、1286、1427、1456、1614、2852、2919、2952、3058、3434cm−1
メシチレン86.4gに、合成例2で得られた中間化合物2を10.0g投入し、この懸濁液を5℃以下に冷却、窒素置換を行い、1.0M−BnMgBr/THF溶液41.3gを滴下した。5℃以下にて1時間、室温にて4時間攪拌を行った。反応終了後ろ過を行い、ろ液を濃縮し、シリカゲルラムクロマトグラフィー(トルエン:酢酸エチル=100:1)にて精製を行うことにより、0.3g(中間化合物2からの収率3.2%)のSubPcBBnを得た。
元素分析値(C31H19N6B)
計算値 C=76.56%、H=3.94%、N=17.28%
実測値 C=71.80%、H=3.47%、N=15.12%
NMR(300MHz)
1H−NMR(CDCl3):δ−0.65(s,2H)、5.65(d,2H)、6.77(t,2H)、6.88(t,1H)、7.85(m,6H)、8.77(m,6H)ppm
13C−NMR(CDCl3):δ121.9、124.1、126.8、127.6、129.5、130.6、138.1、150.9ppm
IR(KBr):ν3417、3056、3020、2993、1456、1286、1130、1033、765、732、701cm−1
メシチレン86.4gに、合成例2で得られた中間化合物2を10.0g投入し、この懸濁液を5℃以下に冷却、窒素置換を行い、1.0M−i−BuMgBr/THF溶液43.7gを滴下した。5℃以下にて1時間、室温にて4時間攪拌を行った。反応終了後ろ過を行い、ろ液を濃縮し、シリカゲルラムクロマトグラフィー(トルエン:酢酸エチル=100:1)にて精製を行うことにより、0.8g(中間化合物2からの収率8.2%)のSubPcB(i−Bu)を得た。
元素分析値(C28H21N6B)
計算値 C=74.35%、H=4.68%、N=18.58%
実測値 C=72.11%、H=4.58%、N=17.83%
NMR(300MHz)
1H−NMR(CDCl3):δ−2.15(d,2H)、−0.28(m,1H)、−0.14(d,6H)、7.81(m,6H)、8.80(m,6H)ppm
13C−NMR(CDCl3):δ22.4、25.0、121.9、129.4、130.6、151.1ppm
IR(KBr):ν3432、3058、2948、2865、1614、1457、1429、1288、1132、1045、761、740、720cm−1
メシチレン25.9gに、合成例4で得られた中間化合物8を5.0g投入し、この懸濁液を5℃以下に冷却、窒素置換を行い、1.0M−PhMgBr/THF溶液15.1gを滴下した。5℃以下にて1時間、室温にて4時間攪拌を行った。反応終了後ろ過を行い、ろ液を濃縮し、シリカゲルラムクロマトグラフィー(トルエン:酢酸エチル=50:1)にて精製を行うことにより、0.5g(中間化合物8からの収率9.4%)の(i−C5H11S)3SubPcBPhを得た。
元素分析値(C45H47N6BS3)
計算値 C=69.39%、H=6.08%、N=10.79%、S=12.35%
実測値 C=68.59%、H=6.08%、N=10.24%、S=12.33%
NMR(300MHz)
1H−NMR(CDCl3):δ0.97(d,18H)、1.66(q,6H)、1.81(m,3H)、3.18(m,6H)、5.44(d,2H)、6.59(t,2H)、6.72(t,1H)、7.74(d,3H)、8.68(m,6H)ppm
13C−NMR(CDCl3):δ22.3、27.6、31.4、37.7、120.0、120.1、122.1、122.2、125.3、127.1、127.6、128.2、128.4、129.3、131.5、141.1、150.7ppm
IR(KBr):ν3440、3047、3006、2954、2925、2867、1604、1465、1446、1425、1384、1218、1205、1182、1058、979、817、752、698cm−1
メシチレン25.9gに、合成例4で得られた中間化合物8を5.0g投入し、この懸濁液を5℃以下に冷却、窒素置換を行い、1.0M−n−C6H13MgBr/THF溶液13.4gを滴下した。5℃以下にて1時間、室温にて4時間攪拌を行った。反応終了後ろ過を行い、ろ液を濃縮し、シリカゲルラムクロマトグラフィー(トルエン:酢酸エチル=50:1)にて精製を行うことにより、0.7g(中間化合物8からの収率13.1%)の(i−C5H11S)3SubPcB(n−C6H13)を得た。
元素分析値(C45H55N6BS3)
計算値 C=68.68%、H=7.04%、N=10.68%、S=12.22%
実測値 C=67.17%、H=7.01%、N=10.20%、S=11.43%
NMR(300MHz)
1H−NMR(CDCl3):δ−2.10(dd,2H)、−0.65(m,2H)、0.32(m,2H)、0.57(t,3H)、0.61(m,2H)、0.87(m,2H)、0.95(d,18H)、1.64(q,6H)、1.79(m,3H)、3.16(m,6H)、7.71(d,3H)、8.63(m,6H)ppm
13C−NMR(CDCl3):δ13.8、21.3、22.2、22.3、22.3、27.6、31.2、31.4、31.6、37.7、120.0、121.8、127.8、129.0、131.3、131.4、131.6、140.4、140.5、140.6、140.7、149.9、150.4、150.5、150.9、151.1、151.5ppm
IR(KBr):ν3434、3058、2954、2921、2867、1606、1465、1448、1427、1384、1184、1047、817、757、701cm−1
メシチレン24.1gに、合成例6で得られた中間化合物12を5.0g投入し、この懸濁液を5℃以下に冷却、窒素置換を行い、1.0M−PhMgBr/THF溶液13.9gを滴下した。5℃以下にて1時間、室温にて4時間攪拌を行った。反応終了後ろ過を行い、ろ液を濃縮し、シリカゲルラムクロマトグラフィー(トルエン:酢酸エチル=50:1)にて精製を行うことにより、0.5g(中間化合物12からの収率10.3%)の(PhS)3SubPcBPhを得た。
元素分析値(C48H29N6BS3)
計算値 C=72.35%、H=3.67%、N=10.55%、S=12.07%
実測値 C=67.75%、H=3.34%、N=9.03%、S=10.80%
NMR(300MHz)
1H−NMR(CDCl3):δ5.38(d,2H)、6.56(t,2H)、6.70(t,1H)、7.38(m,10H)、7.48(m,5H)、7.71(m,3H)、8.57(d,6H)ppm
13C−NMR(CDCl3):δ122.5、122.8、125.3、127.1、128.2、128.3、129.0、129.6、130.0、130.9、132.4、132.5、134.3ppm
IR(KBr):ν3432、3050、3006、1604、1581、1456、1438、1423、1216、1205、1181、1085、1056、821、750、736、696cm−1
メシチレン24.1gに、合成例6で得られた中間化合物12を5.0g投入し、この懸濁液を5℃以下に冷却、窒素置換を行い、1.0M−i−BuMgBr/THF溶液12.3gを滴下した。5℃以下にて1時間、室温にて4時間攪拌を行った。反応終了後ろ過を行い、ろ液を濃縮し、シリカゲルラムクロマトグラフィー(トルエン:酢酸エチル=50:1)にて精製を行うことにより、0.4g(中間化合物12からの収率8.4%)の(PhS)3SubPcB(i−Bu)を得た。
元素分析値(C46H33N6BS3)
計算値 C=71.12%、H=4.28%、N=10.82%、S=12.38%
実測値 C=66.88%、H=4.29%、N=9.13%、S=10.42%
NMR(300MHz)
1H−NMR(CDCl3):δ−2.16(d,2H)、−0.32(m,1H)、−0.15(d,6H)、7.37(m,10H)、7.48(m,5H)、7.70(m,3H)、8.62(d,6H)ppm
13C−NMR(CDCl3):δ22.4、25.0、29.7、122.3、127.2、128.1、128.7、129.5、130.6、131.4、132.5、134.2、139.6、139.7、139.7、139.8、150.4、150.5、150.8、151.0、151.2ppm
IR(KBr):ν3434、3056、2948、2921、2863、1604、1463、1438、1423、1180、1024、746、690cm−1
実施例1−8で用いた中間化合物12を合成例5で得られた中間化合物11に替えて同様の合成法を行うことにより、1.3g(中間化合物11からの収率26.5%)の(PhS)3SubPcBPh(化合物12)を得た。
収率及びクロロホルム中での極大吸収波長、モル吸光係数を表2に示す。
実施例1−8の1.0M−PhMgBr/THF溶液を1.0M−PhMgCl/THF溶液に替えて同様の合成法を行うことにより、0.96g(中間化合物12からの収率19.2%)の(PhS)3SubPcBPh(化合物12)を得た。
収率及びクロロホルム中での極大吸収波長、モル吸光係数を表2に示す。
メシチレン4.3gに、合成例8で得られた中間化合物16を0.5g投入し、この懸濁液を5℃以下に冷却、窒素置換を行い、1.0M−PhMgBr/THF溶液0.5gを滴下した。5℃以下にて1時間、室温にて4時間攪拌を行った。反応終了後ろ過を行い、ろ液を濃縮し、シリカゲルラムクロマトグラフィー(トルエン:ヘキサン=1:2)にて精製を行うことにより、0.26g(中間化合物16からの収率49.1%)の(4F)3SubPcBPhを得た。
元素分析値(C30H5N6BF12)
計算値 C=52.36%、H=0.73%、N=12.21%
実測値 C=51.98%、H=0.66%、N=11.96%
NMR(300MHz)
1H−NMR(CDCl3):δ5.43(d,2H)、6.57(t,2H)、6.69(t,1H)ppm
13C−NMR(CDCl3):δ114.7、114.9、115.0、115.1、125.2、127.5、128.0、128.2、128.7、129.0、137.8、141.1、144.6、147.0、148.0ppm
19F−NMR(TFA):δ−61.2(q,6F)、−71.7(q,6F)ppm
IR(KBr):ν1650、1531、1483、1265、1224、1116、964、815、711、592、566cm−1
キシレン21.5gに、合成例1で合成した中間化合物1の1.0gと、フェノールの5.4gとを、投入し、2時間還流攪拌を行った。反応終了後エバポレーターにて濃縮し、ヘキサン、メタノールで洗浄することにより、0.6g(化合物1からの収率32.9%)のSubPcBOPh(比較化合物1)を得た。
元素分析値(C30H17N6BO)
計算値 C=73.79%、H=3.51%、N=17.21%
実測値 C=73.45%、H=3.28%、N=16.75%
NMR(300MHz)
1H−NMR(CDCl3):δ5.36(d,2H)、6.60(t,1H)、6.74(t,2H)、7.89(m,6H)、8.83(m,6H)ppm
13C−NMR(CDCl3):δ119.0、121.4、122.2、128.8、129.8、130.9、151.3ppm
IR(KBr):ν3426、3056、1614、1594、1583、1459、1430、1286、1232、1130、1052、736、696cm−1
合成例1で合成した中間化合物1の1.0gとオクタノール8.3gをo−ジクロロベンゼン104gに投入し、12時間還流攪拌を行った。反応終了後エバポレーターにて濃縮し、ヘキサン、メタノールで洗浄することにより、0.5g(化合物1からの収率37.8%)のSubPcBOC8H17(比較化合物2)を得た。
元素分析値(C32H29N6BO)
計算値 C=73.29%、H=5.57%、N=16.03%
実測値 C=73.21%、H=5.31%、N=16.18%
NMR(300MHz)
1H−NMR(CDCl3):δ0.48(m,4H)、0.77(t,5H)、0.93(m,4H)、1.09(m,2H)、1.43(t,2H)、7.90(m,6H)、8.87(m,6H)ppm
13C−NMR(CDCl3):δ14.0、22.5、25.1、28.8、29.0、30.7、31.6、59.0、122.0、129.5、130.9、151.4ppm
IR(KBr):ν3444、3058、2925、2852、1614、1456、1430、1286、1130、761、738、696、570cm−1
特願2008−206016に従って比較化合物3を合成した。
合成例1で得られた中間化合物1の1.0g、ジフェニルホスフィン酸1.0gをオルトジクロロベンゼン52g中に投入し、還流撹拌を6時間行った。反応終了後ろ過を行い、ろ液を濃縮し、シリカゲルラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:クロロホルム=1:1)にて精製を行うことにより、1.0g(中間化合物1からの収率67.4%)のSubPcBOPOPh2(比較化合物3)を得た。
元素分析値(C36H22N6BO2P)
計算値 C=70.61%、H=3.62%、N=13.72%
実測値 C=69.07%、H=3.47%、N=13.04%
NMR(300MHz)
1H−NMR(CDCl3):δ6.84(m,4H)、6.97(m,4H)、7.08(m,2H)、7.77(m,6H)、8.71(m,6H)ppm
13C−NMR(CDCl3):δ122.2、127.6、127.8、129.7、130.3、130.5、130.9、130.9、131.0、131.6、133.5、150.6ppm
IR(KBr):ν1731、1456、1434(P−Ph)、1226、1132、1041(P−O)、734、698、532cm−1
特願2008−206016に従って比較化合物4を合成した。
合成例5で合成した中間化合物11の2.0g、ジフェニルホスフィン酸1.2gをオルトジクロロベンゼン104g中に投入し、還流撹拌を8時間行った。反応終了後ろ過を行い、ろ液を濃縮し、シリカゲルラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=2:1)にて精製を行うことにより、1.4g(中間化合物11からの収率56.0%)の(PhS)3SubPcBOPOPh2(比較化合物4)を得た。
元素分析値(C54H34N6BO2PS3)
計算値 C=69.23%、H=3.66%、N=8.97%、S=10.27%
実測値 C=66.99%、H=3.49%、N=8.29%、S=9.41%
NMR(300MHz)
1H−NMR(CDCl3):δ6.87(m,4H)、7.02(m,4H)、7.15(m,2H)、7.38(m,9H)、7.48(m,6H)、7.71(m,3H)、8.58(m,6H)ppm
13C−NMR(CDCl3):δ122.6、122.8、127.7、127.9、128.2、129.6、130.3、130.5、130.9、131.1、132.5、132.6、140.4、140.5、150.3、150.5、150.8ppm
IR(KBr):ν1606、1436(P−Ph)、1037(P−O)、1024、748、690、532cm−1
特許文献3に従って比較化合物5を合成した。
合成例1で合成した中間化合物1の20.0gを5℃以下の濃硫酸1.1kg中に、5℃を超えないように入れ、5℃以下で5時間撹拌した。氷水3kg中に投入してスラリー化、ろ取、更に水道水3kg中に分散し還流下で1時間撹拌、ろ取することにより、12.6gのSubPcBOHを得た。
得られたSubPcBOHである化合物13.4gをオルトジクロロベンゼン653g中に投入し、還流撹拌を22時間行った。反応終了後ろ過を行い、ろ液を濃縮し、ジメチルホルムアミド378gで洗浄することにより、4.5gの(SubPcB)2O(比較化合物5)を得た。
元素分析値(C48H24N12B2O)
計算値 C=71.49%、H=3.00%、N=20.84%
実測値 C=69.37%、H=3.08%、N=19.95%
NMR(300MHz)
1H−NMR(CDCl3):δ7.77(dd,J=3,6Hz,6H)、8.61(dd,J=3,6Hz,6H)ppm
13C−NMR(CDCl3):δ122.0、129.5、130.5、150.4ppm
IR(KBr):ν1456、1288、1191、1130、740、574cm−1
特許文献3に従って比較化合物6を合成した。
合成例5で合成した中間化合物11の20.0gをアセトニトリル393g、水100g中に投入し、還流攪拌を36時間行った。水400g投入し、ろ取、風乾した後に、カラムクロマトグラフィーにて精製することにより、11.6gの(PhS)3SubPcBOHを得た。
得られた(PhS)3SubPcBOHである化合物11.6gをオルトジクロロベンゼン209g中に投入し、還流撹拌を24時間行った。反応終了後ろ液を濃縮し、カラムクロマトグラフィーにて精製することにより、1.3gの{(PhS)3SubPcB}2O(比較化合物6)を得た。
元素分析値(C84H48N12B2OS6)
計算値 C=69.32%、H=3.32%、N=11.55%、S=13.22%
実測値 C=69.25%、H=3.23%、N=11.07%、S=12.76%
NMR(300MHz)
1H−NMR(CDCl3):δ7.29(m,18H)、7.40(m,12H)、7.58(m,6H)、8.39(m,12H)ppm
13C−NMR(CDCl3):δ122.2、122.7、125.2、127.9、128.0、129.5、132.2、132.3、149.8、150.2ppm
IR(KBr):ν3052、1604、1438、1180、1135、767、738、707、6887cm−1
実施例1−1で合成した化合物1について、各種溶剤中での耐光性を測定した。この時、比較色素として、比較例1−1で合成した比較化合物1、当該市場で光学薄膜色素組成として利用されているシアニン色素(3,3’−Diethylthiacarbocyanine iodide)(特開2009−139893など)比較化合物7を用いた。色素5mg/各溶剤50mlの溶液をディスミックフィルター(PTFE、0.5μm)でろ過して試験溶液を調製した。この試験溶液を太陽光に晒して1週間後の吸光度を測定し、吸光度の変化率を求め、これを耐光性として評価した。耐光性向上を目指して、ラジカル補足剤としての機能を有するアミン系の酸化防止剤(Bis(4−tert−butylphenyl)amine)を添加した実験の耐光性試験結果についても示した。耐光性は1週間試験した時の吸光度変化率が−20%以下を◎、−50%以下を○、−90%以下を△、−90%以上を×とした。溶剤中での耐光性測定結果を表5に示した。
(実施例2−1)
実施例1−1で得られた薄膜用色材となる化合物1を含む光学膜である機能性光学薄膜を以下の工程で形成した。
実施例1−1で得られた化合物1の0.5部、トルエン98.5部、及びポリスチレン(A&Mスチレン株式会社製 HF77)1.0部を撹拌により溶解混合させて塗布液を調製し、厚さ1mmのガラス板に自動フィルムアプリケーター(コーティングテスター工業(株)社製)を用いて塗布し、薄膜を作製した。
実施例2−1の化合物1を実施例1−3で得られた化合物2に替えた以外は同じ塗布液を調製し、薄膜を作製した。
実施例2−1の化合物1を実施例1−4で得られた化合物3に替えた以外は同じ塗布液を調製し、薄膜を作製した。
実施例2−1の化合物1を実施例1−5で得られた化合物4に替えた以外は同じ塗布液を調製し、薄膜を作製した。
実施例2−1の化合物1を実施例1−6で得られた化合物8に替えた以外は同じ塗布液を調製し、薄膜を作製した。
実施例2−1の化合物1を実施例1−7で得られた化合物9に替えた以外は同じ塗布液を調製し、薄膜を作製した。
実施例2−1の化合物1を実施例1−8で得られた化合物12に替えた以外は同じ塗布液を調製し、薄膜を作製した。
実施例2−1の化合物1を実施例1−9で得られた化合物15に替えた以外は同じ塗布液を調製し、薄膜を作製した。
実施例2−1の化合物1を実施例1−12で得られた化合物18に替えた以外は同じ塗布液を調製し、薄膜を作製した。
実施例2−1の塗布液にさらに酸化防止剤を0.3部加えた以外は同じ塗布液を調製し、薄膜を作製した。
実施例2−1の化合物1を合成例1で得られた中間化合物1に替えた以外は同じ塗布液を調製し、薄膜を作製した。
実施例2−1の化合物1を合成例2で得られた中間化合物2に替えた以外は同じ塗布液を調製し、薄膜を作製した。
実施例2−1の化合物1を合成例3で得られた中間化合物7に替えた以外は同じ塗布液を調製し、薄膜を作製した。
実施例2−1の化合物1を合成例4で得られた中間化合物8に替えた以外は同じ塗布液を調製し、薄膜を作製した。
実施例2−1の化合物1を比較例1で得られた比較化合物1に替えた以外は同じ塗布液を調製し、薄膜を作製した。
実施例2−1の化合物1を比較例2で得られた比較化合物2に替えた以外は同じ塗布液を調製し、薄膜を作製した。
実施例2−1の化合物1を比較例3で得られた比較化合物3に替えた以外は同じ塗布液を調製し、薄膜を作製した。
実施例2−1の化合物1を比較例4で得られた比較化合物4に替えた以外は同じ塗布液を調製し、薄膜を作製した。
実施例2−1の化合物1を比較例5で得られた比較化合物5に替えた以外は同じ塗布液を調製し、薄膜を作製した。
実施例2−1の化合物1を比較例6で得られた比較化合物6に替えた以外は同じ塗布液を調製し、薄膜を作製した。
得られた光学薄膜を用いて、ヘイズメーター(日本電色工業社製 NDH2000)を用いて薄膜のヘイズ値を測定した。樹脂のみを塗布した薄膜(Blank薄膜)のヘイズ値は1.61であった。ヘイズ値は1.0以下を◎、1.5以下を○、2.0以下を△、2.0以上を×とした。ヘイズ値を表6に示した。
光学薄膜を加熱乾燥機(EYELA社製 WFO−600SD)を用いて薄膜の耐熱性を測定した。光学薄膜作成時の透過率が30%T以上のものは機能性光学薄膜として不適当であり、無とした。薄膜を180℃で30分間加熱し、加熱後の薄膜の透過率を測定し、その透過率が10%T以下を◎、20%T以下を○、30%T以下を△、30%T以上を×とした。耐熱性を表7に示した。
光学薄膜を1日間太陽光に晒し、薄膜の耐光性を測定した。光学薄膜作成時の透過率が30%T以上のものは機能性光学薄膜として不適当であり、NGとした。試験後に測定した透過率が20%T以下を◎、30%T以下を○、40%T以下を△、40%T以上を×とした。薄膜の耐光性測定結果を表8に示した。
Claims (5)
- 下記化学式(I)
下記化学式(II)
R’−MgX2・・・・(II)
(式(II)中、R’は、直鎖または分岐鎖アルキル基、アラルキル基、アリール基から選ばれる基である。X2は、フッ素、塩素、臭素、沃素から選ばれるハロゲン原子である)で表わされる化合物とを反応させることを特徴とする、
下記化学式(III)
- 前記式(I)中のX1と、前記式(II)中のX2とが同一のハロゲン原子であることを特徴とする、請求項1に記載の軸置換ホウ素サブフタロシアニン誘導体の製造方法。
- 前記式(I)中のX1と、前記式(II)中のX2とが同一であって、塩素原子または臭素原子であることを特徴とする請求項1又は2に記載の軸置換ホウ素サブフタロシアニン誘導体の製造方法。
- 前記ハロゲン化ホウ素サブフタロシアニンが、下記化学式(IV)
BX1 3・・・・(V)
(式(V)中、X1は、フッ素、塩素、臭素、沃素から選ばれるハロゲン原子である)で示されるハロゲン化ホウ素との反応により合成されることを特徴とする請求項1に記載の軸置換ホウ素サブフタロシアニン誘導体の製造方法。 - 下記化学式(I)
R’−MgX 2 ・・・・(II)
(式(II)中、R’は、直鎖または分岐鎖アルキル基、アラルキル基、アリール基から選ばれる基である。X 2 は、フッ素、塩素、臭素、沃素から選ばれるハロゲン原子である)で表わされる化合物とを反応させることにより得られた下記化学式(III)
前記塗布剤を基板上に塗布して被着させる工程とを、
少なくとも有していることを特徴とする光学膜の製造方法。
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