図面を参照すると、図1〜図2Dは、体の管腔内に流体を注入する、及び/又は、例えば血管、大動静脈瘻孔、管状移植片など(図示せず)の体の管腔の内部から血栓、物体及び/又は閉塞物質を除去する、体の管腔を処置する装置10の例示の第1実施形態を示している。概して、装置10は、カテーテル、さや型ケース、又は、他の管状の外側部材20と、心線、シャフト、又は、他の細長の内側部材30と、内側及び/又は外側部材20、30によって運ばれる拡張可能なバルーン50と、を有している。装置10は、例えば体の管腔内の処置中に複数の装置を交換する必要性を低減する又は排除するためなどの例えば体の管腔内の様々な処置又は他の機能を実行するため、複数のモードで作動可能であってよい。例えば、装置10は、以下にさらに説明するように、例えば患者の体内への導入を容易にするために装置10の輪郭を最小化する第1モード(図2A)、体の管腔内に流体を注入する第2モード(図2B)、及び、体の管腔内の物質を除去する第3モード(図2C及び図2D)で作動可能であってよい。
図1で最もよく見えるように、外側部材20は、近位端22と、体の管腔内への導入のためのサイズを有する遠位端24と、近位端22及び遠位端24の間で延びる第1内腔26と、を有している。外側部材20は、その長さに沿ってほぼ均一な構造を有していてよく、又は、代替的に、構造は変更されてよい。例えば、外側部材20の近位部分は、近位端22からの装置10の前進を容易にするために実質的に剛体又は半剛体であってよく、及び/又は、外側部材20の遠位部分は、例えば、よじれ又は座屈の実質的な危険がないように蛇行した構造を通じた曲げ及び/又は前進を容易にするために、可撓性を有してよい。例示の実施形態では、外側部材20は、例えば金属、PEEKやGrilamed L25などのプラスチックなどの材料、又は、複合材料などの材料から形成されてよい。外側部材20は約30〜130cmの長さ及び約1.2〜2.0mmの外径を有してよく、また、第1内腔26は約1.0〜1.8mmの径を有してよい。
内側部材30は、近位端32と、遠位端34と、任意選択的に、近位端32及び遠位端34の間で延びる第2内腔36と、を有してもよく、第2内腔36は、そこを通って例えば約0.3〜1.0mmの径を有する案内ワイヤ又は他のレール(図示せず)をスライド移動可能に受け入れるサイズを有してよい。内側部材30は、以下にさらに説明するように、例えばそこを通って1以上の流体を通過させるために外側部材20及び内側部材30の間に環状空間が画定されるように、外側部材20の第1内腔26内にスライド移動可能に受け入れられるサイズを有する。内側部材30は、内側部材の近位端32が外側部材の近位端22内に受け入れられるように又は近位端22を越えて近位に延びるように外側部材20に対して所定の長さを有してよく、及び、内側部材の遠位端34は、例えばバルーン50を通って外側部材の遠位端24を越えて遠位に延びる。
バルーン50は、外側部材の遠位端24に結合される近位端52と、出口58を画定する遠位端54と、第1内腔26及び出口58と連通する内部56と、を有している。バルーン50の近位端52は、例えば、接着剤による接合、締まり嵌め、超音波溶接、融解、周囲スリーブ又は他のコネクタ(図示せず)との係合、などの1以上によって流体気密接続を提供するために、外側部材20の遠位端24に取り付けられてよい又は固定されてよい。
内側部材30の遠位端34は、例えば、出口58がバルーン50の遠位端54及び内側部材30の遠位端34の間に環状通路を画定するように、バルーン50の遠位端54を通って延びてよい。出口58のサイズは、第1内腔26のサイズとほぼ同じであってよく、又は代替的に、出口58は、所望通りに、出口58を通る流体の流れに対する摩擦又は抵抗の所望の度合いに応じて、第1内腔26よりも大きくてよく又は小さくてよい。例えば、流体の流れを許容するために出口58が開放した状態では、出口58を通って流れる流体に対する抵抗は、以下にさらに説明するように、バルーン50を拡張させることに代えて、出口58を通って流体が優先的に流れるように、バルーン50を拡張させる抵抗よりも実質的に小さくてよい。
代替的に、図27A及び図27Bに示すように、複数の内腔を有する外側部材20’及び/又は内側部材30’を有する装置10’が提供されてよい。例えば、図27Bで最もよく見えるように、外側部材20’は、内側部材30’をスライド移動可能に受け入れる第1内腔26a’と、バルーン50’の内部56’内に流体を運搬する別個の膨張内腔26b’と、を有してよい。この代替例は、第1内腔26a’内で内側部材30’周りに必要とされ得るクリアランスを小さくするので、外側部材20’の輪郭を減少させることを可能にし得る。追加として又は代替として、内側部材30’は、案内ワイヤ99’又は他の器具を受け入れる第1器具内腔36a’と、内側部材30’の遠位端34’を越えて流体を運搬する及び/又は吸引する第2流体内腔36b’と、を有してよい。
図1を参照すると、バルーン50の遠位端54は、(内部56を画定する)バルーン50の主壁に、及び任意選択的に、バルーン50の近位端52に、一体的に形成されてよい。例えば、バルーン50並びにその近位端52及び遠位端54は、成形されてよく、ブロー成形されてよく、又は、材料の単一の管状区画から形成されてよい。任意選択的に、バルーン50の主壁は、例えばバルーン50が拡張される時にバルーン50の遠位端54がその原形のサイズ及び/又は形状を維持するように、遠位端54に比較して相対的に薄くてよい。
例えば、バルーン50の遠位端54は、遠位端54上にシールリングを提供するために十分に厚く及び/又は剛体であってよい。任意選択的に、バルーン50の遠位端54は、例えば出口58を取り囲む又は出口58を画定する及び/又は遠位端54を補強する1以上の特徴部を有してよい。例えば、遠位端54は、例えば接着剤による接合、締まり嵌め、超音波溶接、融解などによって、例えば遠位端54に取り付けられる又は固定される、遠位端54内の又は遠位端54周りのカラー又はスリーブ(図示せず、例えば図7に示すスリーブ155を参照)を有してよい。
バルーン50は、以下にさらに説明するように、例えばバルーン50の内部54内及び/又は内側部材30の相対位置内の流体及び/又は圧力の量に基づき、例えば様々なサイズ及び/又は形状に拡張され得る柔軟な又は半柔軟なバルーンを提供するために、弾性材料から形成されてよい。代替的に、バルーン50は、(既定のサイズを実現するために最小の容積及び/又は圧力が導入されると)圧力とは無関係に膨張する時に、例えば既定のサイズに拡張する非柔軟なバルーンを提供するために、実質的に非弾性材料から形成されてよい。こうした非柔軟なバルーン50は、例えば少なくとも10気圧、20気圧、30気圧などの圧力でバルーン50が破裂する又は裂けるまで、たとえ比較的に高い圧力まで膨張しても、既定のサイズまで拡張し得る。
以下にさらに説明するように、例えば弁を提供するためにバルーン50の出口58を選択的に開放する及び閉鎖するため、例えば内側部材30が移動する際にシール部材38がバルーン50に対して移動可能であるように、1以上のシール部材38が内側部材の遠位端34上に運ばれる。シール部材38は、例えばシリコーン又は例えばPEBAXといったプラスチックなどのエラストマー材料などの、バルーンの遠位端54との係合を容易にし得る可撓性材料から形成されてよい。
図1で最もよく見えるように、第1シール部材38aが、第2シール部材38bの近位に又は第2シール部材38bに隣接して内側部材30上に設けられてよい。シール部材38は、内側部材30の遠位先端35に隣接して配置されてよく、又は、遠位先端35を越えて延びてよい。遠位先端35(又は遠位先端35を越えて延びるシール部材)は、遠位先端35が通る体の管腔の壁を遠位先端35が穿孔する又は損傷させる危険がほとんどなく患者の体内での装置10の前進を容易にするために、例えば丸くしてよく、軟化させてよく、「J」字形の先端など(図示せず)の実質的に非外傷性であってよい。
シール部材38は、例えば出口58の内径よりも大きいバルーン50の遠位端54よりも大きいサイズ、例えば外径を有してよい。図1に示すように、シール部材38は、バルーン50の遠位端54がシール部材38同士の間で自由に浮遊するように、相互に十分に間隔を空けて配置される。内側部材30が軸線方向に案内される時、シール部材38の1つがバルーン50の遠位端54に係合してよく又は接触してよい。シール部材38は、シール部材38による遠位端54との着座又は他の係合を容易にするために、テーパ形状を有してよい。
例えば、図2Aをさらに参照すると、内側部材30は、第1シール部材38aが遠位端54を押す又は遠位端54に接触するとともに第2シール部材38bがバルーンの出口58から間隔を空けて配置される第1又は遠位位置に遠位に案内され得る。図示するように、内側部材30は、第1シール部材38aが遠位端54を押すようにするために遠位に前進させられ得る。第1シール部材38aの外径が遠位端54の内径よりも大きいので、第1シール部材38aは、近位端52から離れるようにバルーン50の遠位端54を押し、それによって、バルーン50を広げる。この構造は、例えば患者の体内への導入を容易にするためにバルーン50の輪郭を最小化し得る又は減少させ得る。この第1位置では、第1シール部材38aが出口58を実質的にシールし得るものの、代替的に、第1シール部材38aは、第1シール部材38aが遠位端54に対して着座する又は遠位端54を押している時でさえも、少なくともいくらかの流体が出口58を通ることを可能にする1以上の軸方向溝又は他の特徴部を有してよい。
図2Bを参照すると、内側部材30は、バルーン50の遠位端54がシール部材38a、38bの間に配置されて出口58が実質的に開放するように、例えば第1位置の近位で第2位置に軸線方向に案内され得る。従って、外側部材20の第1内腔26を通って導入された流体は、バルーンの内部56を通って、例えば体の管腔内へバルーンの遠位端54及び内側部材の遠位端24の間で遠位先端35を越えて出口58から流出する。
図2Cに示すように、内側部材30は、第2シール部材38bがバルーン50の遠位端54に係合する例えば第2位置に近接した第3位置に近位に案内されてもよく、それによって、そこを通る流体の流れから出口58を実質的にシールする。従って、第1内腔26を通って導入されたいくらかの流体がバルーンの内部56に流入してバルーン50を拡張させる。任意選択的に、図2Dに示すように、バルーン50がひとたび拡張させられると、内側部材30は、例えば第2シール部材38bが出口58をシールし続ける、不特定の数の位置までさらに近位に案内されてよいし、バルーン50のサイズ及び/又は形状は変化してもよい。例えば、図2Cに示すように、内側部材30が第3位置にある状態では、バルーン50は、例えばバルーン50の内部56内への既定の容積の流体を運搬することによって、楕円形の又はほぼ球形の形状まで膨張させられてよい。バルーン50が柔軟である場合、所望の範囲のうちのいずれかの容積が、所望の径までバルーン50を拡張させるために内部56内に運搬されてよい。
図2Dをさらに参照すると、その後、内側部材30がさらに近位に案内されると、(シール部材38同士の間で捕らえられた)バルーン50の遠位端54が、近位に、すなわちバルーン50の近位端52に向かって案内され、それによって、バルーン50を軸線方向に圧縮し、バルーン50をさらに拡張させる。
図6Aに示すように、バルーン50の壁は、近位端52及び遠位端54の間のほぼ均一な壁厚を有してよい。従って、バルーンが圧縮される時、図2Dに示すように、バルーン50の近位端52及び/又は遠位端54は、バルーン50の内部56内に少なくとも部分的に裏返されてよい。従って、バルーン50の壁は、内側部材30が第3位置から近位に案内される際に近位端52及び/又は遠位端54の外側上に折り返されてよい。
代替的に、図6Bに示すように、バルーン50aの厚さは、その長さに沿って減少してよく、例えば、近位端52a及び遠位端54aからバルーン50aの中心領域55aに向かって薄くなる。従って、近位端52a及び遠位端54aにすぐ隣接したバルーン50aの領域は、中心領域55aに比較して相対的に剛体であってよい。バルーン50aが拡張後に圧縮される時、近位端52a及び遠位端54aにすぐ隣接する領域はバルーン50aのめくり返しに抵抗し、より薄い中心領域55aは、図6Aのバルーン50に比べて大きな径まで拡張し得る。
図6C及び図6Dに示すさらなる代替例では、近位端52b若しくは54b及び/又は遠位端52c若しくは54cにすぐ隣接するバルーン50b、50cの領域は、めくり返しを低減するために、及び/又は、バルーン50b、50cの拡張を優先的に制御するために、バルーン50b、50cの基部を補強するため、例えば追加の材料をさらに有することによって補強されてよい。例えば、図6Cでは、近位端52b及び遠位端54bに隣接するバルーン材料に複合材料53bが埋め込まれてよく又は設けられてよい一方で、図6Dでは、バルーン50cの残りの部分と同一の材料又は異なる材料であってよい材料53cの追加の層が追加されている。層は、例えば外側部材20にバルーン50cを取り付ける本願明細書の他の箇所で説明する材料及び方法と同様に、バルーン50cに取り付けられてよい。
図1を参照すると、例えば外側部材20及び/又は装置10全体を操作するために外側部材20の近位端22上にハンドル又はハブ60が結合されてよく又は設けられてよい。ハンドル60は、例えばハンドル60を保持する及び/又は操作することを容易にするために人間工学の形状を有してよく、及び、装置10の構成要素を作動させる1以上の制御部又はアクチュエータを有する。例えば、図示するように、プルハンドル62が、内側部材30に結合されたメインハンドル60に隣接して設けられてよい。従って、上述した様々な位置に内側部材30を移動させるために、プルハンドル62は、押されてよく又は引かれてよく、例えば図2Aに示す第1位置に内側部材30を案内するために遠位に押されてよく、及び、図2B〜図2Dに示す第2及び第3(又はさらに近位の)位置に内側部材30を案内するために近位に引かれてよい。代替的に、図11及び図14に図示する実施形態と同様に、スライドアクチュエータ(図示せず)が、ハンドル60及び外側部材20に対して軸線方向に内側部材30を案内するために内側部材30に結合されるハンドル60上に設けられてよい。さらなる代替例では、ホイール又は他のアクチュエータが、外側部材20に対して軸線方向に内側部材30を案内するために設けられてよい。
プルハンドル62及び/又は内側部材30は、例えばハンドル60内に1以上のばね又は他の付勢機構(図示せず)によって、図2A〜図2Dに示す位置の1つに付勢されてよい。例えば、内側部材30は第2(注入)位置に付勢されてよいものの、付勢力に打ち勝つことによって他の位置に案内されてよい。代替的に、ハンドル60は、触覚のフィードバックを提供する及び/又は位置の1つに内側部材30を解除可能に固定するために、例えばポケット、切り欠きなど(図示せず)の1以上の特徴部を有してよい。追加として又は代替として、ハンドル60は、例えば様々な位置が実現される時をユーザに知らせるために、1以上の視覚マーカー(図示せず)を有してよい。さらなる代替例では、例えば、導入中の装置10の輪郭に問題がなければ及び/又は装置10の作動を単純化するために、第1シール部材38aは取り除かれてよく、及び、第1位置が取り除かれてよい。
引き続き図1を参照すると、ハンドル60は、例えば注入媒体源、真空源及び/又は診断剤源及び/又は治療剤源(図示せず)などの装置10への1以上の流体源を連結するための1以上のポートを有してもよい。例えば、図示するように、サイドポート64が第1内腔26に連通してよい。サイドポート64は、例えばルアー(Luer)ロックコネクタといったサイドポート64への1以上の流体源の結合を容易にするための1以上のコネクタ(図示せず)、及び/又は、サイドポート64から流体が漏れ出すことを防止する例えば止血シールなどの1以上のシール、を有してよい。
注射器又は他の流体源(図示せず)が、内側部材の位置に応じて第1内腔26を通ってバルーン50の内部56内への流体の運搬及び/又は出口58を通る流体の運搬を可能にするためにサイドポート64に結合されてよい。例えば、内側部材30が第2(注入)位置にある場合に、例えば、放射線不透過性の造影剤、音響発生の造影剤、又は、蛍光透視、超音波、又は他の外部画像化を使用する観察を容易にする他の流体が、第1内腔26及び出口58を通って体の管腔内に運搬されてよい。こうした材料は、以下にさらに説明するように、標的の体の管腔内に患者の体を通る前進中に装置10をモニタすることを容易にしてよく、及び/又は、体の管腔の処置の状態を識別することを容易にしてよい。内側部材30が第3位置にある状態では、同じ流体が、バルーン50を拡張するために第1内腔26を通って運搬されてよく、又は、造影剤源が、バルーン50の拡張及び/又は折り畳みを容易にするために、例えば塩水の注射器などの異なる流体源と交換されてよい。
代替的に、例えば様々な流体が所望の機能に応じて第1内腔26を通って選択的に運搬され得るように、第1内腔26と連通する複数のポートが設けられてよい。例えば、造影剤源及び塩水源は、源を交換せずに内側部材30の位置に応じて各流体が独立して運搬されるように、異なるポートに結合され得る。代替的に、1以上の治療剤源が、例えば必要とされる場合に、標的の体の管腔内に薬品を運搬するために、サイドポート64(又は別個のポート)に結合されてよい。
任意選択的に、ハンドル60は、外側部材20及び内側部材30の相対的に動作を容易にするため、及び/又は、第1内腔26をシールするため、1以上のシール、ブッシングなどを有してよい。例えば、図1に示すように、外側部材20及びハンドル60に対して軸線方向に移動する際に内側部材30を案内し得るoリング66が外側部材20及び内側部材30の間に設けられてよい。oリング66は、サイドポート64の近位に配置されてもよく、それによって、ハンドル60からサイドポート64内に導入される流体の漏れ出しを防止するために外側部材20及び内側部材30の間に実質的に流体気密シールを提供する。
図示するように、プルハンドル62は、そこを通る案内ワイヤ及び他のレール(図示せず)を受け入れるポート63を有している。例えば、案内ワイヤは、例えばポート63から又は内側部材の遠位端34内に積み込むことによって、内側部材30の第2内腔36内に導入されてよい。ポート63は、第2内腔36からの血液又は他の体液の漏れ出しの実質的な危険を生じさせずに案内ワイヤの通過に適応する1以上のシール、例えば止血シール(図示せず)を有してよい。
任意選択的に、外側部材20は、例えば案内ワイヤ又は他のレール(図示せず)を受け入れる案内ワイヤ内腔、例えば内側部材30が第2内腔36を有しない場合に、遠位端24上の別のバルーン(図示せず)に膨張媒体を運搬する膨張内腔などの、近位端22及び遠位端24の間で延びる1以上の追加の内腔(図示せず)を有してよい。
追加として又は代替として、必要であれば、装置10は、使用時に装置10の位置決め及び/又は前進を容易にする1以上のマーカーを有してよい。例えば、外側部材の遠位端24上に、バルーン50又は遠位先端35内の内側部材30上に、バルーン50上に、例えば近位端52及び/又は遠位端54上に、及び/又は、シール部材38上に、1以上の放射線不透過性マーカーが設けられてよい。代替的に、装置10の1以上の構成要素が、使用時に装置10の画像化を容易にし得る放射線不透過性材料又は他の材料から形成されてよい。例えば、放射線不透過性マーカー及び/又は材料は、例えば、(膨張前又は膨張後のいずれかの)バルーン50を位置決めする時、及び/又は、出口48を介して流体を注入する時、蛍光透視法又は他のX線画像化を使用して装置10を位置決めする又は画像化することを容易にし得る。代替的に、音波発生マーカー及び/又は材料が、超音波又は同様の画像化技術を使用した画像化を容易にするために設けられてよい。
継続して図2A〜図2Dを参照すると、例えば、本願明細書で説明するいずれかの実施形態であって、図1を参照して以下に図示して説明する実施形態に必ずしも限定されない装置10を使用して、体の管腔(図示せず)を処置する例示の方法をここで説明する。標的の体の管腔は、例えば静脈又は動脈といった血管、例えば大動静脈瘻孔、管状異種移植片、又は、複合管状移植片などの移植片であってよい。例えば、体の管腔は、例えば、透析の患者の腕又は他の領域において、隣接する動脈及び静脈(図示せず)の間を連通する通路であってよい。代替的に、体の管腔は、例えば患者の脚の末梢血管、大脳血管などの患者の脈管構造内の血管であってよい。さらなる代替例では、材料は、患者の尿路内の石であってよく、又は、患者の体から除去されるべき他の異物であってよい。
任意選択的に、体の管腔は、システムの一部であり得る又は装置10を含むキットの一部であり得る1以上の追加の器具(図示せず)を使用してアクセスされてよい。例えば、導入器さや型ケース、案内カテーテル、又は、他の管状部材(図示せず)が、物質が除去されるべき標的部位に隣接して導入されてよく、又は、患者の脈管構造若しくは体の管腔に連通する他の通路にアクセスするために患者の体のどこにでも導入されてよい。体の管腔が患者の末梢血管に配置される場合、経皮の穿刺又は切断が、例えば大腿動脈、頸動脈、又は、他の侵入部位(図示せず)などの末梢位置で針又は他の器具(図示せず)を使用して形成されてよく、導入器さや型ケースは、アクセスを提供するために末梢位置の穿刺を通じて配置されてよい。装置10は、例えば、単独で、又は、案内カテーテル、案内ワイヤなど(図示せず)の助けによって、侵入部位から患者の穿刺を通って前進してよい。
例えば、侵入部位から標的の体の管腔まで装置10を案内することを容易にするために、案内カテーテル、マイクロカテーテル又は他の管状体が、従来の方法を使用して侵入部位から体の管腔まで配置されてよい。追加として又は代替として、案内ワイヤ(図示せず)が、必要であれば、例えば、内側部材30が第2内腔36を有する場合に、侵入部位から体の管腔まで配置されてよい。管状体は、例えば、装置10によって除去される物質を捕らえるために真空源に結合されて、吸引のために使用されてもよい。
最初に、図2Aを参照すると、装置10は、例えばバルーン50がその輪郭を減少させるために伸展するように、第2又は遠位位置の内側部材30とともに体の管腔内に前進させられてよい。任意選択的に、第1シール部材38aが出口58をシールしない場合、1以上の流体が、例えば装置10の画像化及び/又は位置決めを容易にするために、体の管腔内に運搬されてよい。代替的に、内側部材30は、図2Bに示すように、第1位置に案内されてよく、及び、画像化を容易にするために流体が運搬されてよい。
例えば、蛍光透視法を使用して物質92の位置を突き止めること及び/又は物質92のサイズを測定することを容易にするために、外側部材20及び内側部材30の間で第1内腔26によって画定される環状通路を介して体の管腔内に放射線不透過性造影剤又は他の流体が運搬されてよい。装置10上のマーカー(図示せず)が、例えば、バルーン50が物質の遠位に又は物質を越えて位置決めされることの検証を容易にするために、バルーン50が拡張される前に除去されることが意図される物質に対してバルーン50を位置決めすることを容易にする。必要であれば、内側部材30は、例えば除去の標的にされる閉塞物質を越えてバルーン50が配置されるまで、例えば造影剤の注入を可能にして、さらなる前進を容易にするように装置10の輪郭を減少させるために、第1位置及び第2位置の間で前後に案内されてよい。
任意選択的に、装置10は、真空源と連通する内腔を有する案内カテーテル又は他の環状部材(図示せず)を通じて導入されてよい。バルーン50が案内カテーテルを越えて配置されるもののまだ拡張していない状態で、真空源が、その後の処置中に体の管腔内の物質を吸引するために始動されてよい。
図2Cを参照すると、内側部材30は、第3位置に案内されてよく、それによって出口58をシールし、及び、バルーン50は、例えばバルーン50が体の管腔を実質的に完全に横切って延びるように、体の管腔内で膨張させられてよい。装置10全体が、その後、例えば案内カテーテル内に吸引されるべき又は体の管腔から除去されるべき閉塞物質を体の管腔から引き寄せるために後退させられてよい。図2Dに示すように、必要であれば、内側部材30は、例えば体の管腔の壁に実質的に係合するために、バルーン50をさらに拡張させるために引き寄せられてよい。バルーン50からの追加の圧力が、体の管腔の壁から付着物質を切り離すことを容易にしてその除去を可能にしてよい。
物質が除去されると、内側部材30は、第2位置に向かって戻され、除去された及び/又は体の管腔内に残っている物質の量を観察するために流体が導入されてよい。さらなる物質が除去されるべき場合には、内側部材は、例えば除去されるべきさらなる物質を通じて装置10を前進させる必要がある場合に、第1位置に案内されて戻される。ひとたびバルーン50が物質を越えて配置されると、必要とされるたびに処理が繰り返されてよい。
必要であれば、閉塞物質は、引き抜き前、引き抜き中、又は、引き抜き後に、処置されてよく、例えば少なくとも部分的に溶解されてよく、浸軟されてよい。例えば、バルーン50によって除去される前に血栓又は他の比較的に柔軟な物質を少なくとも部分的に溶解させる又は切り離すために、及び/又は、体の管腔の壁を処置するために、治療剤が外側部材20の第1内腔26を介して体の管腔内に運搬されてよい。
単一の内腔すなわち第1内腔26が、バルーン50の膨張と体の管腔内への流体の運搬との両方のために使用されるため、外側部材20及び従って装置10全体の輪郭が、別個の膨張内腔及び注入内腔を有する装置よりも小さくてよい。さらに、内側部材30の第2内腔36が流体の注入のために使用され得るにも拘わらず、このことは、案内ワイヤが第2内腔36をほぼ充填するので、それを越えて装置10が導入される案内ワイヤを概して除去する必要がある。第1内腔26が注入のために使用され得るので、案内ワイヤは、処置中に第2内腔36内に残ったままであってよく、それによって、案内ワイヤの数又は他の装置の交換の回数を潜在的に減少させる。さらに、装置10は、案内ワイヤ上に残ったままであってよく、処置が意図される他の標的の体の管腔への装置10の前進を容易にし得る。
様々な代替例では、シール部材38及びバルーン50の出口58によって形成された弁が、必要であれば、装置10上の他の位置に設けられてよい。例えば、出口58及びシール部材38がバルーン50に近接して配置され得るような構造が反転されてよい。例えば、シール部材(図示せず)が外側部材20の遠位端24上に設けられてよく、バルーン50の遠位端54が内側部材30の遠位端34に固定され得る(同様に図示せず)状態で、バルーン50の近位端52がシール部材に隣接して浮遊し得る。従って、外側部材20に対する内側部材30の移動が、バルーンの近位端をシール部材に選択的に係合させてよく又はバルーンの近位端とシール部材との係合を解除させてよく、そのことが、バルーンの近位端がシール部材と係合しない場合に第1内腔24からの注入を可能にし、及び、バルーンの近位端がシール部材と係合する場合にバルーンの膨張を可能にする。代替として、図36〜図37Cに示すように、出口1027が、以下にさらに説明するように、バルーン1050の近位で内側部材1030上のシール部材1038に選択的に係合され得る外側部材1020の遠位端1024上に設けられてよい。
別の代替例では、バルーン(図示せず)は、必要であれば、本願明細書で説明した他の実施形態と同様に、バルーン50の近位で外側部材20の遠位端24上に及び/又はバルーン50の遠位で内側部材30の遠位端34上に設けられてよい。こうしたバルーンは、例えば体の管腔を膨張させるための非柔軟な高圧バルーン、又は、その中への流体の注入前に体の管腔の1以上の領域を隔離するために体の管腔を実質的にシールするために弾性を有する柔軟なバルーンであってよい。
図3〜図4Bを参照すると、外側管状部材20”、内側部材30”、及び、内側及び外側部材20”、30”によって運ばれる拡張可能なバルーン50”、を有する、図1の装置10と同様に構成され得る体の管腔を処置する装置10”の別の実施形態が示されている。前の実施形態と同様に、装置10”は、以下にさらに説明するように、例えば、物質を除去するため、体の管腔を広げるため、又は、体の管腔を処置するためにバルーン50”を拡張させる第1モード(図4A)、及び、体の管腔内に流体を運搬する第2モード(図4B)の複数のモードで作動可能であってよい。
図3で最もよく見えるように、外側部材20”は、近位端22”と、体の管腔内への導入のためのサイズを有する遠位端24”と、近位端22”及び遠位端24”の間で延びる第1内腔26”と、を有している。内側部材30”はまた、近位端32”と、遠位端34”と、を有しており、及び、任意選択的に、近位端32”及び遠位端34”の間で延びて、案内ワイヤ又は他の器具(図示せず)をそこを通ってスライド移動可能に受け入れるサイズを有し得る第2内腔36”を有してよい。
バルーン50”は、外側部材の遠位端24”に結合された近位端52”と、出口58”を有する遠位端54”と、第1内腔26”及び出口58”と連通する内部56”と、を有している。バルーン50”の遠位端54”は、(内部56”を規定する)バルーン50”の主壁に、及び、任意選択的に、バルーン50”の近位端52”に、一体的に形成されてよい。バルーン50”は、本願明細書の他の実施形態と同様に、例えば柔軟な又は半柔軟なバルーンを提供するために弾性材料から形成されてよく、又は、例えば半柔軟なバルーンを提供するために実質的に非弾性材料から形成されてよい。
図4A及び図4Bで最もよく見えるように、例えば出口58”を取り囲む又は画定するために及び/又は遠位端54”を補強するためにバルーン50”の遠位端54”上にスリーブ70”が取り付けられてよく又は設けられてよい。例えば、スリーブ70”は、遠位端54”の内面に取り付けられた実質的に剛体の管状又は他の管状体の長さであってよい。内側部材30”の遠位端34”は、例えば出口58”がスリーブ70”と内側部材30”の遠位端34”との間に環状通路を画定するように、スリーブ70”を通って延びてよい。
図示するように、スリーブ70”は、スリーブ70”の第1端72”が遠位端54”からバルーン50”の内部56”内に近位に延びるとともに、出口58”を画定するためにスリーブ70”の第2端74”が遠位端54”から遠位に延びるように、遠位端54”よりも長い。スリーブ70”の第1端72”は、以下にさらに説明するように、例えば、スリーブ70”内に流体通路を提供するために、その側壁に1以上の孔又は他の開口部73”(2つ図示する)を有してよい。
シール部材38”が内側部材の遠位端34”上に支持されてよく、以下にさらに説明するように、弁を提供するために内側部材30”が例えば出口58”を選択的に開放する及び閉鎖するために移動する際にシール部材38”はバルーン50”に対して移動可能である。例えば、シール部材38”は、スリーブ70”の内径及び/又は出口58”よりも大きいサイズ、例えば外径を有してよい。任意選択的に、シール部材38”は、シール部材38”による出口58”との着座又は他の係合を容易にするために、テーパ形状を有してよい。追加として又は代替として、スリーブ70”の第2端74”は、例えば、シール部材38”による出口58”の着座及び/又はシールを容易にするために及び/又は向上させ得るために、テーパ形状を有してよい。
シール部材38”は、本願明細書の他の実施形態と同様に、例えば、スリーブ70”の第2端74”との係合を向上させ得る可撓性材料から形成されてよい。任意選択的に、シール部材38”(又は内側部材30”)が、例えば、本願明細書の他の実施形態と同様に、丸い、軟化した、傾斜した、又は、「J」字形の、又は他の湾曲した先端など(図示せず)のほぼ非外傷性の遠位先端35”を有してよい。
さらに、バルーン50”の遠位端54”に対する内側部材30”の遠位の移動を制限するために内側部材の遠位端34”上に止め78”が設けられてよい。図4A及び図4Bで最もよく見えるように、止め78”は、止め78”及びシール部材38”の間の距離がスリーブ70”の長さよりも大きいようにシール部材38”から間隔を空けて配置される位置で内側部材の遠位端34”に取り付けられてよい。従って、バルーン50”の遠位端54”は、本願明細書の他の実施形態と同様に、出口58”を選択的に開放する及び閉鎖する弁を提供するためにシール部材38”及び止め78”の間で自由に浮遊し得る。
例えば、図4Aに示すように、内側部材30”は、出口58”を実質的にシールするためにスリーブ70”の第2端74”と係合するようにシール部材38”を案内するために近位に案内されてよい。シール部材38”及び/又はスリーブ74”は、例えば、実質的に流体気密シールを提供するために、シール部材38”及び/又はスリーブ74”のいずれか一方又は両方の変形によって、比較的に高い接触圧で相互に接触するために十分な可撓性を有してよい。従って、この位置では、外側部材20”の第1内腔26”内に運搬された流体は、バルーン40”を拡張させるためにバルーン内部56”内に残ってよい。
図4Bを参照すると、内側部材30”は、例えば止め78”がスリーブ70”に接触するまで遠位に案内されてよく、それによって出口58”を開放する。従って、第1内腔26”内に運搬された流体は、バルーン内部56”、スリーブ70”及び出口58”を通って装置10”を越えて体の管腔内に流入する。図示するように、止め78”及びスリーブ70”は、例えば止め78”及びスリーブ70”の間に比較的に低い接触圧を提供するために、相互に接触する実質的に平坦な及び/又は尖っていない端面を有してよい。孔73”は、例えば止め78”の接触端面とスリーブ70”との間に制約又はシールが生じる場合に、バルーンの内部56”を通って運搬された流体がスリーブ70”に流入して出口58”から流出する。
一実施形態では、流体は、バルーン50”の最小の拡張によって又は拡張なしで出口58”から運搬されてよい。代替的に、孔73”のサイズは、少なくとも部分的にバルーン50”が拡張する一方で出口58”を通って流体を体の管腔内に運搬するように流体がそこを通って運搬される時にいくらかの摩擦が生じるように選択されてよい。
任意選択的に、内側部材30”は、スリーブ70”に対して止め78”を押し込むために、及び、近位端からバルーン50”の遠位端54”を押しやるために、前進してよく、それによってバルーン50”を伸展させる。この構造は、例えば、患者の体内への注入を容易にするために、バルーン50”の輪郭を最小化し得る又は減少させ得る。代替的に、内側部材30”の遠位の前進は、バルーン50”を過度に伸展させずに出口58”が開放されるように、例えば装置10”の近位端上のアクチュエータ(図示せず)によって、制限されてよい。例えば、装置10”は、外側部材20”の近位端上のハンドル又はハブ(図示せず)を有してよく、ハンドル上のアクチュエータ(同様に図示せず)は開放位置及び閉鎖位置の間で装置10”を案内するために移動可能であってよい。任意選択的に、アクチュエータは、本願明細書の他の実施形態と同様に、位置のいずれか1つに付勢されてよい。
図5A〜図5Cを参照すると、例えば装置10”(又は本願明細書の他の装置のいずれか)を使用して、体の管腔90を処置する例示の方法が示されている。標的の体の管腔90は、例えば静脈又は動脈といった血管、例えば大動静脈瘻孔、管状異種移植片、又は複合管状移植片といった移植片などであってよい。例えば、体の管腔90は、例えば透析患者の腕又は他の領域の隣接する動脈及び静脈の間をつなぐ管であってよい(図示せず)。代替的に、体の管腔90は、例えば、患者の脚の末梢血管、大脳血管などの患者の脈管構造内の血管であってよい。
任意選択的に、体の管腔90は、装置10”を有するシステム又はキットの一部であり得る1以上の追加の器具(図示せず)を使用してアクセスされてよい。例えば、導入器さや型ケース、案内カテーテル、又は他の管状部材(図示せず)が、標的部位に隣接して導入されてよく、又は、体の管腔と連通する患者の脈管構造又は他の管へのアクセスを提供するために患者の体のどこかに導入されてよい。体の管腔90が、患者の末梢血管内に配置される場合、経皮の穿刺又は切開が、例えば大腿部の静脈、頸動脈、又は他の侵入部位など(図示せず)の末梢位置で針又は他の器具(図示せず)を使用して形成されてよく、導入器さや型ケースが、アクセスを提供するために末梢位置で穿刺を通じて配置されてよい。装置10”は、例えば単独で又は案内カテーテル、案内ワイヤなど(図示せず)の助けを借りて、侵入部位から患者の脈管構造を通って前進させられてよい。
例えば、侵入部位から標的の体の管腔90内への装置10”を案内することを容易にするため、案内カテーテル、マイクロカテーテル又は他の管状体(図示せず)が、従来の方法を使用して侵入部位から体の管腔90に配置されてよい。追加として又は代替として、案内ワイヤ99”は、例えば内側部材30”が第2内腔36”(図示せず、図3〜図4B参照)を有する場合、図示するように、侵入部位から体の管腔90まで配置されてよい。
図5Aを参照すると、例示の第1の方法では、体の管腔90は、例えば血管内の慢性の完全閉塞などの閉塞94を含み、案内ワイヤ99”は、例えば公知の方法を使用して侵入部位から体の管腔90まで閉塞94を通って追跡されてよい。こうした障害は、体の管腔90を通る流れがないため、画像化を容易にするために従来の色素注入を実行する機会が少ないので、処置が特に困難であり得る。さらに、色素注入を使用せずに体の管腔90内で案内ワイヤ99”及び/又は装置10”を追跡する及び/又は位置決めすることは困難であり得る。
最初に、装置10”は、折り畳み状態のバルーン50”とともに体の管腔90内に前進させられてよい。例えば、装置10”は、例えばバルーン50”の遠位端54”が、図示するように、閉塞94を越えて体の管腔90の領域に進入するまで、閉塞94を通って予め配置された案内ワイヤ99”を越えて前進させられてよい。
バルーン50”の遠位端54”が閉塞94を越えて弁が開放した状態では、95で表される放射線不透過性造影剤、色素、又は他の流体が、例えば蛍光透視法を使用して閉塞94及び/又は体の管腔90の物質を配置すること及び/又は物質のサイズを測定することを容易にするために、外側及び内側部材20”、30”の間の第1内腔によって画定される環状通路を介して体の管腔90内に運搬されてよい。装置10”上のマーカー(図示せず)は、例えばバルーン50”が閉塞94を通って及び/又は横切って位置決めされているかを確認することを容易にするために、バルーン50が拡張される前に閉塞94に対してバルーン50”を位置決めすることを容易にし得る。必要であれば、内側部材30”は、例えば閉塞94を越えてバルーン50”が配置されるまで、さらなる前進を容易にするために造影剤の注入が装置10”の輪郭を減少させることを可能にするために、第1及び第2位置の間で前後方向に案内されてよい。
従って、装置10”は、案内ワイヤ99”を所定の位置に維持する一方で閉塞94を越えて色素注入を容易にし得る。装置10”とは異なり、従来の装置は、閉塞94を越えて色素注入及び画像化を可能にするため、閉塞94を通じて前進する案内ワイヤ又は他の装置を除去することを必要とし得る。こうした処置では、閉塞94を通って形成された小さな管を通じて戻った案内ワイヤ又は他の装置を再び導入することは困難であり得る。
引き続き図5Aを参照すると、装置10”が閉塞94を横切ってバルーン50”によって位置決めされると、弁は閉鎖されて、バルーン50”は、例えば閉塞94を広げる又は処置するために、体の管腔90内で膨張させられてよい。任意選択的に、図5Bに示すように、ステント96”がバルーン50”によって運ばれてよく、バルーン50”を膨張させることによって拡張されてよい。例えば、装置10”の弁が開放した状態では、色素95は、装置10”を画像化して位置決めすることを容易にするために体の管腔90内に注入されてよい。ステント96”が閉塞94を横切って位置決めされると、弁が閉鎖され、バルーン50”が、ステント96”を拡張して閉塞94を拡張するために膨張させられてよい(図示せず)。ステント96”が拡張すると、バルーン50”は折り畳まれ、装置10”は体の管腔90及び患者の体から除去される。
必要であれば、閉塞物質は、引き抜き前、引き抜き中又は引き抜き後に、処置され、例えば少なくとも部分的に溶解され、軟化させられてよい。例えば、治療剤が、例えば、バルーン50”及び/又はステント96”によって広げられる前に血栓又は他の比較的に柔軟な物質を少なくとも部分的に溶解させる又は切り離すために、外側部材20”の第1内腔を介して体の管腔90内に運搬されてよい。
図5Cを参照すると、別の方法では、装置10”は、閉塞94を処置するための薬物運搬プラットホームとして使用されてよい。例えば、用途によっては、ステントなしで非再狭窄薬物を運搬するために必要とされることがある。図示するように、装置10”は、体の管腔90内に及び/又は閉塞94”を通って運搬され得るバルーン50”を越えて設けられたキャリア98”を有する。例えば、上述したように、装置10”は、例えば案内ワイヤ99”上で、折り畳み状態でバルーン50”及びキャリア98”とともに体の管腔90内に前進してよい。
バルーン50”の遠位端54”が閉塞94を越えて弁が開放した状態では、造影剤、色素又は他の流体95が、例えば蛍光透視法を使用して閉塞94及び/又は体の管腔90を配置すること及び/又はサイズを測定することを容易にするために体の管腔90内に運搬されてよい。装置10”が閉塞94を横切ってバルーン50”とともに位置決めされると、弁が閉鎖されて閉塞94を広げてキャリア98”を運搬するために体の管腔90内で膨張させられる。キャリア98”が運搬されると、バルーン50”は折り畳まれて、装置10”が体の管腔90及び患者の体から除去される。1以上の治療剤が、キャリア98”内に位置決めされる又はキャリア98”によって運ばれてよく、従って、体の管腔90を処置するために、広げられた閉塞94内に残ったままでよい。
代替的に、薬剤は、バルーン50”の壁から直接的に運搬されてよい。例えば、薬剤は、例えばその中に薬剤が埋め込まれ得る又は配置され得るバルーン50”上に多孔質層を設けることによって、バルーン50”の壁を通じて注入されてよい。
別の代替例では、体の管腔90内に運搬された薬剤は、体の管腔90内に共に運搬されるとそのままで反応し得る又は相互に作用し得る複数の成分から提供されてよい。例えば、第1成分(又は薬剤のすべての成分よりも少ない1以上の追加の成分)が、例えば、上述したように、バルーン50”周りに配置された多孔質層内で又はキャリア98”上で、バルーン50”の壁上に運ばれてよい。第2成分(又は薬剤に必要な複数の残余成分)は装置10”上の出口58”を介して運搬されてよい。例えば、1以上の成分が、弁を閉鎖して閉塞94内でバルーン50”を膨張させることによって運搬された後、弁が開放されて、1以上の残余成分を運ぶ流体が体の管腔90内に運搬されてよい。成分は、その後、閉塞94の物質を処置し得る及び/又は体の管腔90を処置し得る反応性の薬品又は薬剤を形成するために化合されてよい。
図7を参照すると、本願明細書の他の実施形態と同様に、外側環状部材120と、内側部材130と、内側部材120及び/又は外側部材130によって運ばれる拡張可能なバルーン150と、を概して有する、体の管腔を処置する装置110の別の実施形態が示されている。装置110は、以下にさらに説明するように、体の管腔内に流体を注入する第1モード、体の管腔内の閉塞を広げる第2モード、及び/又は、体の管腔内の閉塞物質を除去する第3モードで作動可能であってよい。
図示するように、外側部材120は、本願明細書の他の実施形態と同様に構成されてよく、近位端122と、体の管腔内への導入のためのサイズを有する遠位端124と、近位端122及び遠位端124の間で延びる第1内腔126と、を有している。内側部材130は、近位端132と、遠位端134と、任意選択的に、例えばそこを通って案内ワイヤ又は他のレール(図示せず)をスライド移動可能に受け入れるサイズを有する、近位端132及び遠位端134の間で延びる第2内腔136と、を有している。内側部材130は、例えば、本願明細書の他の実施形態と同様に、そこを通る1以上の流体のために外側部材120及び内側部材130の間に環状空間が画定されるように、外側部材120の第1内腔126内にスライド移動可能に受け入れられるサイズを有する。
バルーン150は、外側部材の遠位端124に結合された近位端152と、出口158を画定する遠位端154と、第1内腔126及び出口158に連通する内部156と、を有している。内側部材130の遠位端134は、例えば、バルーン150の遠位端154と内側部材130の遠位端134との間に環状通路を出口158が画定するように、バルーン150の遠位端154を通って延びてよい。図示するように、バルーン150の遠位端154は、例えば、接着剤による接合、締まり嵌め、超音波溶接、融解などによって、遠位端154に取り付けられる又は固定されるカラー又はスリーブ155を有してよい。任意選択的に、カラー155は、バルーン150の内部156内に近位に延びてよく(図示せず)、カラー155の内側区画は、例えば、バルーンの内部156から出口158を通じた流体の通過を容易にするために、1以上のサイドポート又は他の開口部を有してよい(図示せず)。代替的に、バルーン150の遠位端154は、例えば本願明細書の他の実施形態と同様に、バルーン150の主要部分と同様の又は異なる材料からバルーン150と一体的に形成されてよく、及び/又は、他の特徴部を有してよい(図示せず)。
バルーン150は、例えば、(既定のサイズを達成するために最小の容積が導入されると)圧力とは無関係に膨張する際に既定のサイズに拡張する非柔軟のバルーンを提供するために、実質的に非弾性材料から形成されてよい。こうした非柔軟なバルーン150は、例えば、少なくとも10気圧、20気圧、30気圧などの圧力で、例えば、バルーン150が破裂する又は断裂するまで、比較的に高い圧力で膨張させられても既定のサイズまで拡張し得る。代替的に、バルーン150は、本願明細書の他の箇所で説明する他の実施形態と同様に、弾性材料から形成されてよい。
1以上のシール部材138は、例えば、バルーン150の出口158を選択的に開放する及び閉鎖する弁を提供するために、例えば内側部材130が移動する際にシール部材138がバルーン150に対して移動可能であるように、内側部材の遠位端134上に運ばれてよい。図示するように、バルーンの遠位端154及びカラー155の遠位で内側部材130上に第1シール部材138が設けられる。シール部材138は、シール部材138が、出口158を実質的にシールするためにカラー155及び/又はバルーン150の遠位端154に実質的に係合し得るように、カラー155及び/又はバルーン150の遠位端154より大きなサイズ、例えば外径を有してよい。
図示する例示の実施形態では、シール部材138は、内側部材130上に円錐頭を提供するために例えばその近位端及び遠位端の一方又は両方上にテーパ形状を有してよい。例えば、シール部材138の近位端上のテーパ形状は、例えばその間の流体気密シールを向上させるために、バルーン150の出口158に着座するようにシール部材138を自動的に案内してよい。シール部材138の遠位端上のテーパ形状は、丸い、又は、実質的に非外傷性の先端を装置110に提供してよい。追加として又は代替として、他の実質的に非外傷性の遠位先端(図示せず)は、本願明細書の他の実施形態と同様に、第1シール部材138を越えて内側部材130上に設けられてよく、例えば図33A及び図33Bに示すように「J」字形状の先端、図32に示すように傾斜先端、ねじ山を切った先端(図示せず)などであってよい。
図7を参照すると、本願明細書の他の実施形態と概して同様に、例えば外側部材120及び/又は装置110全体を操作するために、外側部材120の近位端122上にハンドル又はハブ160が結合されてよく又は設けられてよい。ハンドル160は、以下に説明する様々な位置に内側部材130を移動させるために内側部材130に結合されるプルハンドル162又は他のアクチュエータを有してよい。ハンドル160は、例えば装置110に1以上の流体源を結合するためのサイドポート164などの1以上のポートと、例えば内側部材130の位置に応じて、第1内腔126を通ってバルーン150の内部156内に及び/又は出口158を通って、流体を運搬するための注射器又は他の流体源と、を有してもよい。
任意選択的に、ハンドル160は、外側部材130及びハンドル160に対して軸線方向に移動する際に、外側及び内側部材120、130の間に、内側部材130を案内し得る例えばoリング166といった1以上のシール、ブッシングなどを有してよい。本実施形態では、内側部材130は、内側部材130の近位端132に取り付けられる又は結合されるハイポチューブの区画又は他の実質的に剛体のチューブ131を有する。チューブ131は、例えば内側部材130が軸線方向に案内される時に座屈又はねじれを防止するために、内側部材130のための軸線支持体を設けてよい。チューブ131は、例えばチューブ131が、oリング166を通って容易にスライドする一方でその間の流体気密シールを維持するほぼ平滑な又は潤滑な外面を有する場合に、内側部材130を軸線方向に容易に移動させることも可能である。
追加として又は代替として、必要であれば、装置110は、使用時に装置110の位置決め及び/又は前進を容易にする1以上のマーカーを有してよい。例えば、図7に示すように、放射線不透過性のマーカーバンド137が、例えばバルーンの内部56内で内側部材130の遠位端134周りに取り付けられてよい。図示するように、マーカー137は、バルーン150の近位端152及び遠位端154の両方に隣接して取り付けられてよく、マーカー137は、体の管腔内の閉塞を広げる前にバルーン150の位置をモニタすることを容易にし得る。追加として又は代替として、螺旋部材170の心線が、放射線不透過性材料から形成されてよく、及び/又は、放射線不透過性充填材料、BAS04、が、必要であれば、螺旋部材170を形成するために使用されるプラスチック材料内に分散されてよい。
前の実施形態と異なり、装置110は、バルーンの内部156内に外側部材120及び内側部材130の間に結合される螺旋部材170を有している。螺旋部材170は、以下にさらに説明するように、例えば図7に示すもののように、比較的に小さい輪郭から拡張螺旋形状に移動可能であってよい。図示するように、螺旋部材170は、外側部材120の遠位端124に結合される第1端172と、内側部材130の遠位端134に結合される第2端174と、を有するワイヤ、管又は他のフィラメントである。例えば、螺旋部材170は、ワイヤ周りに形成された又は取り付けられた管又はスリーブを有する心線から形成されてよい。代替的に、螺旋部材170は、相互に周りに巻き付けられた複数のフィラメント(図示せず)から形成されてよく、又は、一体構造として作用するようにともに結合されてよい。例示の実施形態では、螺旋部材170は、熱可塑性、熱硬化性、及び/又は、他のプラスチック、ガラス、金属、又は複合材料から形成されてよい。
第1端172及び第2端174の間で、螺旋部材170は、内側部材130周りに螺旋状に1回以上巻き付いてよい。図示するように、螺旋部材170は、内側部材130周りにおよそ1回転半にわたって延びているものの、螺旋部材170はさらに多くの又はさらに少ない巻きを有してよいことが理解されよう。
図示するように、螺旋部材170の第1端172は、例えば、接着剤による接合、超音波溶接、はんだ付け、締まり嵌めの1以上によって(例えば、遠位端124周りに1回以上第1端172を巻き付けることによって)、遠位端124の環状溝、孔、又はポケット(図示せず)内に第1端172を挿入して、例えば重なったバンド又はカラー(同様に図示せず)などによって融解することによって、外側部材120の遠位端124に取り付けられてよく又は直接的に固定されてよい。螺旋部材170の第2端174は、内側部材130の遠位端134に固定されたスリーブ178又は遠位端134に同様に取り付けられてよく又は直接的に固定されてよい。
スリーブ178は、例えば、接着剤による接合、超音波溶接、締まり嵌め、融解などによって、バルーンの遠位端154に隣接して内側部材の遠位端134に取り付けられた比較的に短い管であってよい。スリーブ178は、カラー155及び/又はバルーン150の遠位端154の内径よりも大きな外径を有してよく、それによって、内側部材130に対するカラー155及び遠位端154の移動を制限する止めを提供する。スリーブ178がカラー155及び/又は遠位端154に接触する時、スリーブ178は、例えばバルーンの内部156に導入される時に出口158を通って流体が依然として流れるように、出口158と連通する環状通路を実質的に塞がない。代替的に、スリーブ178は、本願明細書の他の箇所で説明した他のシール部材と同様に、スリーブ178がカラー155及び/又はバルーン150の遠位端154と係合する時に出口158を実質的にシールする形状であってよい。任意選択的に、製造時又は組立時、カラー155は、カラー及びスリーブ178が内側部材の遠位端134に取り付けられる時、すなわち、バルーンの遠位端154にカラー155を取り付ける前に、シール部材138とスリーブ178との間に位置決めされてよい。バルーンの遠位端154は、その後、バルーン154が外側部材の遠位端124に取り付けられる時にカラー155上に取り付けられてよい。必要であれば、バルーンの遠位端154は、カラー155の近位区画がバルーン150の内部156内に配置されるようにカラー155に取り付けられてよい。その場合、カラー155の近位区画は、以下にさらに説明するように、バルーンの内部156からカラー155を通って出口158から流出する流体の通過を容易にするために、すなわち、出口158がシール部材138によってシールされない時に、1以上の開口部(図示せず)を有してよい。
内側部材130は、例えば、第1又は遠位位置、第2又は中間位置(図7に示す)、及び/又は、第3又は近位位置(図示せず)の間で外側部材120に対して軸線方向に移動可能であってよく、それによって、体の管腔を処置する異なる機能を装置110が提供することを可能にする。例えば、第1位置では、内側部材130は、シール部材138がバルーンの出口158から間隔を空けて配置されるようにシール部材138を遠位に案内してよい。従って、外側部材120の第1内腔126を通って導入された流体は、前の実施形態と同様に、バルーンの内部156を通って出口158から流出し、例えば、遠位先端35を越えて体の管腔内に流入してよい。
必要であれば、内側部材130は、図7に示すもののように、第2位置まで近位に案内されてよく、シール部材138は、カラー155及び/又はバルーン150の遠位端154に係合し、それによって、そこを通る流体の流れから出口158を実質的にシールする。従って、第1内腔126を通って導入された流体のいずれかは、バルーンの内部156に流入し、バルーン150を拡張させ得る。このモードでは、バルーン150は、例えばテーパ形状の端部同士の間のほぼ均一の経の主要部を有する細長いほぼ円筒形状に拡張されてよい。拡張状態では、バルーン150の主要部は、約20〜80mmの長さ、約3〜12mmの経を有してよい。バルーン150は、例えば、図9E〜図9Gで示す方法と同様に以下に説明するように、狭窄、障害、又は他の閉塞を広げるために、体の管腔の壁を広げる又は壁にかなりの圧力を作用させるために使用されてよい。
追加として又は代替として、体の管腔を広げるためにバルーン150を膨張させた後、真空源が、サイドポート164に結合されてよく、バルーン150は、螺旋部材170周りに収縮状態に折り畳まれてよい。代替的に、バルーン150が予め膨張させられなかった場合、バルーン150は既に十分に折り畳まれており又は収縮した状態にあるので、真空を使用してバルーン150を折り畳む必要はない。
内側部材130はその後、第3位置に近位に案内されてよく、それによって、螺旋部材170の端部を相互に向かって案内する。このことは、軸線方向に圧縮される際に半径方向に外側に螺旋部材170を拡張させ、それによって、例えば図9C及び図9Dに示すように、軸線方向にバルーン150を圧縮させ、螺旋部材170周りに拡張螺旋形状に半径方向にバルーン150を拡張させる。任意選択的に、内側部材130及び/又はハンドル150は、バルーン150及び螺旋部材170を圧縮して拡張させる時に内側部材130の近位の移動を制限する1以上の止め(図示せず)を有してよい。例えば、止めは、バルーンの長さが約6〜30mmまで減少するまで内側部材130が引き寄せられることを許容し、それによって、バルーン150及び/又は螺旋部材170の過度の圧縮を防止する。
一実施形態では、螺旋部材170は、螺旋部材170が、軸線方向に圧縮される際に小さい輪郭から螺旋形状に向かって弾性的に単純に縮む十分な剛性を有してよい。従って、螺旋部材170は、螺旋部材170がその原形から小さい輪郭形状に復帰する(及び、必要であれば、繰り返し拡張して折り畳まれる)ように、実質的に弾性変形せずに拡張してよい。代替的に、螺旋部材170は、例えば、内側部材130が第1位置又は第2位置にある時に螺旋部材170の端部172、174上の軸線方向のテンションを提供することによって、既定の拡張螺旋形状に付勢されてよいものの、小さい輪郭に制限されてよい。内側部材130が第3位置に向かって案内される際、テンションは解放され、そこで、螺旋部材170は、拡張螺旋形状に向かって弾性的に拡張してよい。
別の代替例では、螺旋部材は、バルーン150に一体的に形成されてよく、又は、例えば近位端152及び遠位端154の間でバルーンの壁(図示せず)に取り付けられる又はバルーン150内に埋め込まれる、又は、固定される、というようにバルーン150に直接的に結合されてよい。例えば、図7B及び図7Dに示すように、1以上の螺旋形状のワイヤ又はファイバ157’(例えば、図7Bに1つ示し、図7Dに2つ示す)が、バルーン150’の壁に成形されてよく、埋め込まれてよく、又は、一体的に形成されてよい。バルーン150’が、第3位置に向かって内側部材130が移動する時に軸線方向に圧縮されるので、ファイバ157’は、拡張螺旋形状に向かってバルーン150’を自動的に付勢してよい。代替的に、図7Cに示すように、ファイバ157”は、例えば放射線不透過性材料、付勢した心線などの心線又は部材159”を有するバルーン150”の壁に成形され、埋め込まれ又は一体的に形成されてよい。さらなる代替例では、図7E〜図7Hは、バルーン150e〜150hの壁に成形され、埋め込まれ、又は、一体的に形成され得るとともにバルーン150e〜150hの近位端及び遠位端の間で螺旋状に延び得る代替形状及び/又はファイバ157e〜157hのための構造又は他の補強特徴部を示している。ファイバ及び/又は補強特徴部は、バルーン150’、150”又は150e〜150hの近位端及び遠位端の間で1以上の例えば1回転半、2回転、3回転、4回転、それ以上の巻きを有してよい。さらに、バルーンに含まれる任意のファイバ及び/又は補強特徴部は、例えばバルーン150’、150”又は150e〜150hが体の管腔の閉塞を広げるために膨張させられる時に体の管腔の壁に少なくとも部分的に埋め込まれ得る切断縁又は要素を提供してよい。
図7を参照すると、バルーン150が拡張螺旋形状にある状態で、装置110の全体が、例えば、図9A〜図9Dに示す方法と同様に以下にさらに説明するように、必要であれば、体の管腔の壁から付着物質を剥離する、洗浄する又は切り離すことを含む閉塞物質を除去するために、体の管腔に沿って案内されてよい。従って、本実施形態では、単一のバルーン150が、例えば比較的に高い圧力を使用した膨張のため、及び、体の管腔から閉塞物質を剥離する、洗浄する又は除去するための両方のために使用されてよい。
図23A及び図23Bを参照すると、装置110’が外側部材120’の近位端122’上にハンドル760の代替の実施形態を含む点を除いて、図7の装置110とほぼ同様な装置110’が示されている。概して、ハンドル760は、外側ハウジング761(図23Aに示す)と、ハウジング761内で軸線方向にスライド移動可能な内側キャリッジ765(図23Bに示す)と、ハウジング761によって運ばれてキャリッジ765に結合された回転ノブ762と、ハウジング761から延びるハブ763と、を有している。ハンドル760(及び、以下と本願明細書の他の箇所で説明する他のハンドル)は、例えば、装置上の弁を開閉する、及び/又は、装置上の螺旋部材を拡張させる及び/又は折り畳むアクチュエータを有する、本願明細書で説明したいずれかの装置上に設けられてよいことが理解されよう。
ハウジング761は、1以上の小片、例えば、嵌め合わせコネクタ、接着剤による接合、超音波溶接、融解などによってともに固定されるハウジング761を提供するために、例えば縦シーム(図示せず)に沿ってともに接続され得る1組以上の嵌め合わせ半部分又はクラムシェル(図示せず)を有してよい。ハウジング761は、キャリッジ765が実質的な横移動なしでハウジング761内で軸線方向にスライド移動することを可能にするスロット、トラック又は他の特徴部(図示せず)を有してよい。ハウジング761及び/又はキャリッジ765は、1以上の協働特徴部、例えば、(出口158’からの注入のための)第1位置と(バルーン150’が拡張した螺旋形状に案内される、図示せず)第3位置との間の内側部材130’の移動を制限するために、ハウジング761に対してキャリッジ765の軸線方向の移動を制限するハウジング761内の止め(図示せず)を有してよい。
ハウジング761は、例えば、装置110’に流体源を接続するために、ルアー(Luer)ロック又は他のコネクタを有するサイドポート764を有してよい。サイドポート764は、前の実施形態と同様に、バルーン150’の内部内に流体を運搬するために外側部材120’を通って延びる内腔と連通してよい。
ノブ762は、例えば使用時にノブ762の回転又は他の操作を容易にするための隆起部又は他の特徴部を有するハウジング761を囲む又はハウジング761から半径方向に延びる外側部分762aと、キャリッジ765内で第1通路765aに沿って軸線方向に延びる内側ステム762bと、を有してよい。内側ステム762b及びキャリッジ765は、例えば、キャリッジ765の軸線方向の移動にノブ762の回転を置換する螺旋ねじ762cといった協働特徴部を有してよい。従って、ノブ762は、ハウジング761に対して軸線方向に実質的に固定されてよく、装置110’の縦軸線周りに自由に回転可能であってよい。
内側部材130’の近位端132’は、内側ステム762bを自由に通ってよく、キャリッジ765に対して固定されてよい。例えば、内側部材の近位端132’は、例えば接着剤による接合、超音波溶接、融解、締まり嵌め、嵌め合わせコネクタ(図示せず)などによって、第1通路765aに隣接する及び/又は連通する第2通路765b内で近位端132’を固定することによってキャリッジ765に固定されてよい。従って、内側部材130’の軸線方向移動は、キャリッジ765の移動に連結されてよい。
ハブ763は、ハイポチューブ又は他の管状部材763aと、相互に及び/又は外側ハウジング761に固定されたルアーロック又は他のコネクタ763bと、を有してよい。例えば、管状部材763aの近位端及び/又はコネクタ763bは、例えば接着剤による接合、超音波溶接、融解、締まり嵌め、嵌め合わせコネクタ(図示せず)などによって、ハウジング761の近位端に取り付けられてよい。
管状部材763aは、キャリッジ765が軸線方向に案内される際に管状部材763a及びコネクタ763bがハウジング761に対して実質的に不動のままであるように第2通路765b内にスライド移動可能に受け入れられてよい。1以上のシール、例えばoリング766が第2通路765b内に又は第2通路765b周りに設けられてよく、oリング766は、通路765a、765bを通ってハウジング761の外側に流体が漏れ出ることを防止する流体気密シールを提供する一方で、そこを通って管状部材763aがスライド移動することを可能にする。
使用時、ノブ762は、第1方向に回転させられてよく、それによって、出口158’を開放するために内側部材130’を第1位置に遠位に並進させる。従って、外側部材120’を通って運搬される流体は、上述したように、バルーン150’を通って出口158’から流出する。ノブ762は、反対の第2方向に回転させられてよく、それによって、例えばバルーンの拡張を可能にするためにシール部材138’が出口158’をシールするまで、内側部材130’を近位に第2位置に並進させ、及び/又は、例えば、上述したように、拡張螺旋形状にバルーン150’を拡張するためにさらに第3位置まで回転させられてよい。任意選択的に、ノブ762及び/又はハウジング761は、所望の位置を達成するためにノブ762を回転させる方向を識別する、及び/又は、例えば第1、第2及び/又は第3位置を識別するそれぞれのインジケータ(同様に図示せず)をノブ762上の矢印(図示せず)を配列することによって特定の位置が達成された時を示す、視覚の、音響の、又は他のインジケータ(図示せず)を有してよい。また、装置110’は、前の実施形態と同様に作動してよい。
図24A〜図24Cを参照すると、サイドポート864(図24Aに示す)を有する外側ハウジング861と、ハウジング861内で軸線方向にスライド移動可能な内側キャリッジ865(図24Bに示す)と、ハウジング861から延びるハブ863と、を有する、概してハンドル760と同様のハンドル860の別の実施形態が示されている。例えば、ハウジング861は、1以上の小片、例えば、相互に接続されて、実質的な横移動なしでハウジング861内の軸線方向のキャリッジ865のスライドを可能にするスロット、トラック又は他の特徴部(図示せず)を有し得る1組以上の嵌め合わせ半部分又は他の特徴部(図示せず)を有してよい。ハウジング861及び/又はキャリッジ865は、例えば(出口158’からの注入のための)第1位置、(バルーンの膨張のための)第2位置、及び、(バルーン150’が拡張螺旋形状に案内される、図示せず)第3位置の間の内側部材130’の移動を制限するために、ハウジング861に対してキャリッジ865の軸線方向の移動を制限する1以上の特徴部を有してよい。
内側部材130’の近位端132’は、例えば、接着剤による接合、超音波溶接、融解、締まり嵌め、嵌め合わせコネクタ(図示せず)などによって、キャリッジ865の遠位端に隣接する通路865a内に近位端132’を固定することによって、キャリッジ865に対して実質的に固定されてよい。従って、内側部材130’の軸線方向の移動はキャリッジ865の移動に連結されてよい。
ハブ863は、ハイポチューブ又は他の管状部材863aと、相互に及び/又は外側ハウジング861に固定されたルアーロック又は他のコネクタ863bと、を有してよい。例えば、管状部材863aの近位端及び/又はコネクタ863bは、例えば、接着剤による接合、超音波溶接、融解、締まり嵌め、嵌め合わせコネクタ(図示せず)などによって、ハウジング861の近位端に取り付けられてよい。
管状部材863aは、キャリッジ865が軸線方向に案内される際に管状部材863a及びコネクタ863bがハウジング861(及び内側部材の近位端132’)に対して不動のままであるように、例えばキャリッジ865の近位端に隣接して通路865a内にスライド移動可能に受け入れられてよい。管状部材863a及び内側部材の近位端1323’が通路865a内に受け入れられた状態で、内側部材130’を通じて積み込まれた案内ワイヤ又は他の器具は、通路865a、管状部材863aを自由に通ってコネクタ863bを出てよい(又は、コネクタ863bを通って内側部材130’内に挿入される)。そこを通って管状部材863がスライド移動することを可能にする一方で通路865aを通ってハウジング861の外側に流体が漏れ出すことを防止する例えばoリング866といった1以上のシールが、通路865a内に又は周りに設けられてよい。
回転ノブ762に代えて、ハンドル860は、ハウジング861によって運ばれてキャリッジ865に結合されるプッシュボタン862を有する。例えば、ハウジング861は細長のスロット861aを有してよく、プッシュボタン862は、スロット861a内で軸線方向にスライド移動可能であってよい。任意選択的に、図示するように、スロット861aは、例えば、プッシュボタン862を、結果として、1以上の位置に解放可能にキャリッジ865及び内側部材130’を固定するために、プッシュボタン862を捕らえ得る1以上のポケット又は戻り止め861bを有してよい。
任意選択的に、ハウジング861は、例えば、プッシュボタン862が特定のポケット861bに受け入れられる時に内側部材132’の位置を識別するために、1以上の視覚インジケータを有してよい。例えば、図24Cに示すように、ハウジング861は、プッシュボタンが、本実施形態では、レバー862が特定の記号861cと配列された時に、内側部材130’がそれぞれの特定の位置にあることをユーザが確認することができるように、それぞれのポケット(図示せず)に配列される数字又は他の記号861cを有してよい。
図24Bで最もよく見えるように、プッシュボタン862は、キャリッジ865に対して実質的に固定されたベース862aと、ベース862aに対して横方向にスライド移動可能なキャップ862bと、を有してよい。例えば、ベース862aは、キャリッジ865とともに一体的に成形される又は形成され、キャップ862bは、例えばハンドル860の縦軸線に実質的に垂直な横方向にスライド移動させられるようにべース862aに取り付けられてもよい。例えば、キャップ862bは付勢されてよく、その結果、キャップ862bが配列されるポケット861b内に自動的にスライド移動するものの、キャップ862bが別のポケット861b内に軸線方向にスライド移動させられるようにスロット861a内にそれぞれのポケット861bの外側にキャップ862bを移動させるために付勢力が克服され得る。例えば、ばね又は他の付勢機構(図示せず)が、ベース862aから横方向にキャップ862bを押し得るキャップ862b又はハウジング861内に設けられてよい。
代替的に、プッシュボタン862の全体が、キャリッジ865に対して固定されてよく、例えば、相互に一体成形される又は形成されてよく、プッシュボタン862及びキャリッジ865は縦軸線回りに旋回させられて、キャップ862bが、特定のポケット861bの外側に案内されて、スロット861aに沿って軸線方向に案内され、別のポケット861b内に解放される又は配置されることを可能にする。この代替例では、ばね又は他の付勢機構(図示せず)が、プッシュボタン862及びキャリッジ865を付勢して、キャップ862bが解放される時にキャップ862bが配列される任意のポケット861b内にキャップ862bを案内してよい。
例示の実施形態では、ハンドル860は、例えば1つが内側部材130’の第1位置に対応し、1つが第2位置に対応し、1つが第3位置に対応する、3つのポケット861bを有してよい。従って、第1、第2、又は第3位置のいずれかに内側部材130’を配置するために、キャップ862bは、キャップ862bが受け入れられるポケットから外側に案内されてよく、プッシュボタン862は、スロット861aに沿って軸線方向にスライド移動させられ、所望のポケット861b内に解放されてよく又は案内されてよい。代替的に、ハンドル860は、例えばプッシュボタン862が位置の1つに軸線方向に付勢される場合に1つ又は2つのポケット861bのみを有してよい。
使用時、プッシュボタン862は、第1方向に、例えば図24Cのインジケータ「R」に遠位に軸線方向に案内され、対応のポケットに解放される又は捕らえられてよく、それによって、出口158’を開放するために第1位置に遠位に内側部材130’を並進させる。従って、外側部材120’を通じて運搬された流体は、上述したように、バルーン150’を通って出口158’から流出してよい。プッシュボタン862は、ポケットの外側に案内されて軸線方向に案内され、例えば、インジケータ「N」に近位に案内され、それによって、例えばバルーンの拡張を可能にするためにシール部材138’が出口158’をシールするまで第2位置に近位に内側部材130’を並進させる。さらに、必要であれば、プッシュ部材872が、「N」ポケットの外側に案内されてスロット861a内を軸線方向に案内され、インジケータ「D」に対応する第3ポケット内に解放されてよく、それによって、例えば、上述したように、拡張螺旋形状にバルーン150’を拡張させるために第3位置に内側部材130’を並進させる。
図25A及び図25Bを参照すると、前の実施形態とほぼ同様に、サイドポート964(図25Aに示す)を有する外側ハウジング961と、ハウジング961内のキャリッジ(図示せず)と、ハウジング961から延びるハブ963と、を有するハンドル960のさらに別の実施形態が示されている。キャリッジは、ラック965に沿って軸線方向に間隔を空けて配置された複数の歯965aを有するラック965(図25Bに示す)を有してよい。
前の実施形態と同様に、内側部材130’の軸線方向の移動が、キャリッジの移動に、及び結果としてラック965に結合されるように、内側部材130’の近位端(図示せず)がキャリッジ(図示せず)に対して実質的に固定されてよい。
ハブ963は、前の実施形態と同様に、ハイポチューブ又は他の管状部材(図示せず)と、相互に及び/又は外側ハウジング961に固定されるルアーロック又は他のコネクタ963bと、を有してよい。管状部材は、例えば、キャリッジが軸線方向に案内される際にコネクタ963bがハウジング961(及び内側部材130’)に対して実質的に不動のままであるように、キャリッジの通路内にスライド移動可能に受け入れられてよい。
本実施形態では、アクチュエータは、図25Aに示すように、ハウジング961に回転可能に装着された回転ホイール962である。回転ホイール962は、回転ホイール962と係合すること及び/又は回転ホイール962を回転させることを容易にする隆起部又は他の特徴部を有する外側ホイール962aと、ハウジング961内に延びるピニオン962bと、を有する。図25Bで最もよく見えるように、ピニオン962b上の歯は、外側ホイール962aの回転が、ラック965及び結果として内側部材130’をハウジング961及び外側部材120’に対して軸線方向に移動させるようにラック965上の歯965aと連動してよい。任意選択的に、ハウジング961は、前の実施形態と同様に、例えば、ホイール962aが1以上の方向に回転する時に内側部材132’の位置を識別するために、1以上の視覚インジケータを有してよい。
使用時、回転ホイール962は、例えば出口158’を開放する第1位置に遠位に内側部材130’を並進させるために第1位置に回転してよい。必要な時は、回転ホイール962は、例えば、前の実施形態と同様に、バルーン150’の膨張及び/又は拡張螺旋形状にバルーン150’を拡張させることを可能にするために、第2位置及び/又は第3位置に近位に内側部材130’を並進させるために、反対の第2方向に回転させられてよい。回転ホイール962の1つの利点は、外側ホイール962a、ピニオン962b及びラック965上の歯965の比率が、所望の機械的利点及び/又は内側部材130’の移動の精密さを提供するように構成され得ることである。
本願明細書に示すいずれかの装置に含まれ得るハンドル1060の別の実施形態が図26A及び図26Bに示されている。前の実施形態と同様に、ハンドル1060は、ハブ1063及びサイドポート1064を有するハウジング1061を有している。本実施形態では、アクチュエータは、本願明細書の他の箇所で説明した実施形態と同様に、例えば第1位置から第2位置に軸線方向に内側部材130’を案内するために押し下げられ得る押し込みボタン1062である。概して、押し込みボタン1062は、内側に押し込まれる時、ボタン1062を画定するリンク1062a、1062bが平坦にされ、それによって、遠位リンク1062bがハウジング1061に対して軸線方向に固定される場合に近位リンク1062aを近位に案内する。
例えば、遠位リンク1062bの第1端はハウジング1061に旋回可能に結合されてよく、第2端は近位リンク1062の第1端に旋回可能に結合されてよい。近位リンク1062aの第2端は、例えばスロット又はトラック(図示せず)内でハウジング861に沿って軸線方向にスライド移動可能であってよい。例えばケーブル又は他のリンク装置1062cによって、内側部材130’に近位リンク1062aの第2端が結合された状態では、押し込みボタン1062が内側に押されると、近位リンク1062は、例えば(出口158’が開放された状態の)第1位置から(バルーン158’が、膨張させられること、及び/又は、拡張螺旋形状に拡張されること、を可能にする)第2位置に内側部材130’を引き寄せる。
任意選択的に、ユーザがリンク1062a、1062bの間のなにかを捕らえることを防止するために押し込みボタン1062上にカバー(図示せず)が配置されてよい。追加として又は代替として、押し込みボタン1062は、例えばユーザが親指によって押し込みボタン1062を作動させることができるように、ハウジング1061の頂部上に設けられてよく、又は、例えばユーザが人さし指によって押し込みボタン1062を作動させることができるように、ハウジング1061の底部(図示せず)上に設けられてよい。任意選択的に、ハンドル1060は、前の実施形態と同様に、リンク1062a、1062bが完全に平坦になる前に1以上の位置で解放可能に押し込みボタン1062が固定されるように、例えば、異なる位置に、例えば第2位置及び第3位置に上手く内側部材130’が並進して固定されるように、1以上の特徴部(図示せず)を有してよい。
図8を参照すると、体の管腔を処置する装置210のさらなる別の実施形態が示されており、装置210は、前の実施形態と同様に、外側管状部材220と、内側部材230と、拡張可能なバルーン250と、内側部材220及び/又は外側部材230によって保持される螺旋部材270と、を概して有するものの、図7の実施形態と異なり、バルーンの出口を解放する又は閉鎖するための弁を有していない。装置110は、以下にさらに説明するように、体の管腔内の閉塞を広げる第1モード、及び/又は、体の管腔内の閉塞物質を除去する第2モード、で作動可能であってよい。
図示するように、外側部材220は、近位端222及び遠位端224と、近位端222及び遠位端224の間で延びる第1内腔226と、を有しており、内側部材230は、近位端232及び遠位端234と、近位端232及び遠位端234の間で延びる第2内腔236と、を有している。内側部材230は、例えば、前の実施形態と同様に、外側及び内側部材220、230の間にそこを通じて1以上の流体を流通させる環状空間が画定されるように、外側部材220の第1内腔226内にスライド移動可能に受け入れられるサイズを有している。
外側部材220の近位端222にハンドル又はハブ260が結合されてよく又は設けられてよく、ハンドル又はハブ260は、前の実施形態と同様であってよく、例えば、外側部材220に対して内側部材230を移動させるプルハンドル又は他のアクチュエータ262と、装置210に1以上の流体源を結合するサイドポート264と、外側及び内側部材220、230の間のoリング又は他のシール166と、を有している。
バルーン250は、前の実施形態と同様に、例えば接着剤による接合、締まり嵌め、超音波溶接、融解などによって取り付けられる、外側部材の遠位端224に結合された近位端252と、遠位端234に結合された遠位端254と、を有している。バルーン250は、本願明細書の他の箇所で説明した他の実施形態と同様に、圧力とは無関係に膨張する時に既定のサイズに拡張する非柔軟なバルーンを提供するために、実質的に非弾性材料から形成されてよく、又は代替的に、バルーン250は弾性材料から形成されてよい。
図7の実施形態と同様に、螺旋部材270は、外側及び内側部材220、230の間で結合されてよい。従って、螺旋部材270は、例えば図8に示すもののように比較的に小さい輪郭から、図9A〜図9Dを参照して以下にさらに説明するような拡張螺旋形状に移動可能であってよい。図8に示すように、螺旋部材270の第1端272は、外側部材220の遠位端224に直接的に取り付けられてよく又は固定されてよく、螺旋部材270の第2端274は、バルーンの遠位端252に隣接して内側部材230の遠位端234に取り付けられてよく又は固定されてよい。
使用時、図9A〜図9Gに示す例示の方法では、装置210は、例えば図9Aに示すように、例えば閉塞物質92を除去するために及び/又は体の管腔90内の閉塞94を広げるために、体の管腔90を処置するために使用されてよい。前の実施形態と同様に、標的となる体の管腔90は、例えば動脈又は静脈といった血管、例えば大動静脈瘻孔、管状異種移植片、又は複合管状移植片といった移植片などであってよい。
任意選択的に、体の管腔は、例えば1以上の導入器さや型ケース、案内カテーテル及び/又は案内ワイヤ(図示せず)を有する装置210を有するシステム又はキットの一部であり得る1以上の追加の器具(図示せず)を使用してアクセスされてよい。例えば、侵入部位から標的となる体の管腔に装置210を案内することを容易にするために、案内カテーテル、マイクロカテーテル、導入器さや型ケース、又は他の管状体(図示せず)が、従来の方法を使用して侵入部位から体の管腔90に配置されてよい。追加として又は代替として、案内ワイヤ(図示せず)が、必要であれば、侵入部位から体の管腔90に配置されてよい。
最初に、図9Bを参照すると、装置210は、例えばバルーン250が実質的に折り畳まれるように、第1又は遠位位置に内側部材230によって体の管腔90内に前進してよい。任意選択的に、造影剤又は他の流体が、例えば内側部材230の第2内腔236(図示せず、図8参照)を介して、又は、外側部材220の別個の管腔(図示せず)を介して、体の管腔90内に運搬されてよい。装置10上のマーカー(図示せず)は、例えば物質92を越えて又は物質92に隣接してバルーン250を位置決めするために、除去されることが意図される物質92に対してバルーン250を位置決めすることを容易にしてよい。
任意選択的に、装置210は、真空源と連通する内腔を有する案内カテーテル又は他の管状部材(図示せず)を通じて導入されてよい。バルーン250が案内カテーテルを越えて配置された状態では、以下に説明するように、例えば物質92がバルーン250によって取り除かれる又は除去される際に、真空源は、体の管腔90内で物質を吸引するために始動されてよい。
図9Cを参照すると、内側部材230は、外側部材220に対して近位に案内されてよく、それによって、螺旋部材270及び結果としてバルーン250を、上述したように、拡張螺旋形状に向かって拡張させる。図9Dに示すように、装置210全体が、物質92を除去するために引き戻され、例えば、体の管腔90の壁に付着し得る物質をこそぎ取る、洗浄する又は切り離す。例えば、装置210は、体の管腔から、物質92が患者の体から吸引される案内カテーテルの内腔内に物質92を除去するために引かれてよい。代替的に、物質92が患者の体によって自然に新陳代謝させられ得るような方法で解放されてよい。
必要であれば、内側部材230は、バルーン250を折り畳むために第1位置に復帰させられてよく、及び、装置210は、体の管腔90内の別の位置に移動させられてよい。内側部材230は、バルーン250を拡張して十分な物質92を切り離す又は除去することが必要とされるたびに第1位置及び第2位置の間で案内されてよい。
図9Eを参照すると、十分な物質92が除去された状態で、狭窄、障害又は他の閉塞94が体の管腔90内で識別される。装置210は、例えば蛍光透視法又は他の追加の画像化を使用して、バルーン250が閉塞94に隣接して位置決めされるまで、バルーン250が折り畳まれた状態で体の管腔90に再び導入されてよく又は再び位置決めされてよい。適切に位置決めされると、図9Fに示すように、バルーン250は、閉塞94を広げるために又は処置するために膨張させられてよい。任意選択的に、バルーン250は、バルーン2500を使用して閉塞94に対して及び/又は内に運搬され得る1以上の診断剤及び/又は治療剤を運んでよい。十分な処置の後、バルーンは収縮させられてよく、装置10は、図9Gに示すように、体の管腔90から除去されてよい。
任意選択的に、本願明細書で説明したいずれかの実施形態によって、様々なバルーンの構造が提供され得る。例えば、図10Aを参照すると、図8の装置250をさらに参照することによって、バルーン250を通る装置210の例示の断面が示されている。図10Aは、内側部材230周りに巻き付けられて、拡張したバルーン250によって取り囲まれた螺旋部材270を示している。従って、螺旋部材270及び内側部材230の両方がバルーン250の内部256内に配置される。こうしたバルーン250の不都合の1つは、バルーンの壁のどの領域が標的となる体の管腔の壁に接触するか及び壁に沿ってこそぎ取るかを予測することが困難であるので、壁が比較的に厚くなければならないことである。
図10B〜図10Dは、本願明細書で説明した実施形態のいずれかに提供され得るバルーン又は管状構造の代替の実施形態を示している。これらの構造は、膨張が可能なバルーンのために、又は、膨張せずに拡張螺旋形状に拡張が可能な管状部材のために設けられてよい。こうした装置の例示の実施形態は、米国特許第4,762,130号明細書に開示されている。
例えば、図10Bに示すように、内側部材230を受け入れる第1内腔251’及びそこに螺旋部材270を受け入れる第2内腔253’を有するバルーン又は管状部材250’が示されている。管状部材250’及び螺旋部材270が軸線方向に圧縮される時、螺旋部材270は、内側部材230から離れて半径方向外側に拡張してよく、それによって、表面領域280’が第1内腔251’から最も遠いので、内側部材230から半径方向に外側に離れて表面領域280’を案内する。従って、管状部材250’が拡張される時に表面領域280’が体の管腔の壁に接触しそうであるので、管状壁の構造は、閉塞物質のこそぎ取り及び/又は他の除去を向上させるために変更されてよい。例えば、特徴部が、例えば第2内腔253’に隣接して管状部材250’周りに螺旋状に延びる管状部材250’の壁に一体成形される又は形成されてよい。
図10Bに示すように、表面領域280’は、例えば体の管腔の壁との接触圧を集中させることによって、標的となる体の管腔の壁から付着物質をこそぎ取ることを容易にし得る縁282’を提供する複数の溝を有してよい。さらに、表面領域280’に対向する管状壁は、壁のこの領域が体の管腔の壁に接触しそうにないので比較的に薄くてよく、このことは、管状部材250’の全体の断面又は輪郭が減少されることを可能にする。代替として又は追加として、必要であれば、表面領域280’又は管状部材250’上のどこかに比較的に薄い壁厚を有する異なった特性の物質、例えば、より硬いエラストマー材料が使用されてよい。
図10Cを参照すると、管状部材250”が拡張された時に体の管腔の壁に接触する表面領域280”に沿って隆起又は突起282”を有する管状部材250”の別の実施形態が示されている。さらなる代替例では、図10Dに示すように、管状壁内に成形された又は形成された渦巻きを有する第1内腔251’’’を有する管状部材250’’’が設けられてよい。渦巻きは、管状壁の周長を増大させてよく、及び従って、壁がより大きな径寸法まで伸展することを可能にするものの、処置される体の管腔の壁に向かって表面領域280’’’をさらに案内する。
図11を参照すると、前の実施形態と同様に、外側部材320と、内側部材330と、外側及び内側部材320、330の遠位端324、334上で運ばれる拡張可能部材350と、を有する装置310の別の実施形態が示されている。前の実施形態と異なり、拡張可能部材350は、外側部材320を通って延びる管腔に結合された内部を有しておらず、すなわち、拡張可能部材350は膨張可能ではない。しかしながら、代替的に、必要であれば、装置310は、外側部材320を通って延びて、拡張可能部材350を選択的に膨張させる又は折り畳むために拡張可能部材350の内部に連通する管腔(図示せず)を有してよい。さらに、必要であれば、装置310は、前の実施形態と同様に、選択的に流体を注入するために又は拡張可能部材350を膨張させるために開放される又は閉鎖される1以上のシール部材又は他の弁(図示せず)を有してよい。
拡張可能部材350は、例えば接着剤による接合、超音波溶接、融解、締まり嵌め、1以上のバンド又は他のコネクタ(図示せず)などによって、外側部材の遠位端324に結合される近位端352と、内側部材の遠位端334に結合される遠位端354と、を概して有する。さらに、装置310は、前の実施形態と同様に、外側部材及び内側部材の遠位端324、334の間で結合されて、例えば拡張可能部材350の内部内にある又は拡張可能部材350によって保持される、内側部材330周りに螺旋状に延びる螺旋部材(図示せず)を有している。
例えば、螺旋部材は、拡張可能部材350の内部内で隙間があってよい。代替的に、螺旋部材は、拡張可能部材350の壁に、例えば拡張可能部材350の内面に固定されてよく又は取り付けられてよい。
前の実施形態と異なり、螺旋部材は、拡張可能部材350の第1領域350a内に第1コイルと、拡張可能部材350の第2領域350b内に、異なる特性を有する第2領域350bと、を有している。第1及び第2コイルは、例えば単一のワイヤ、フィラメントなどとしてともに一体的に形成されて相互に結合されてよく、又は、相互に取り付けられる別個のワイヤ又はフィラメントとして形成されてよい。各コイルは、例えば拡張可能部材350の近位端352及び遠位端354の間で内側部材330周りに螺旋状に延びる複数の巻きを有している。
コイルは、例えば内側部材330が外側部材320に対して遠位に第1位置まで延ばされる時に、内側部材330周りに比較的に小さい輪郭で設けられてよい。内側部材330が、第1位置から第2位置に向かって近位に後退させられる時、前の実施形態と同様に、コイルは軸線方向に圧縮されてよく、それによって、コイルが半径方向外側に延び、拡張螺旋形状まで半径方向外側に拡張可能部材350を拡張させる。
コイルは、相互に異なる機械的特性を有してよく、それによって、拡張可能部材350の第1及び第2領域350a、350bを、拡張螺旋形状において異なるサイズ及び/又は形状まで拡張させる。例えば、図11に示すように、第1領域350aは、第2領域350bよりも小さな径まで拡張されてよい。このことは、第2コイルよりもより薄い、より狭い又はより可撓性を有する材料から第1コイルを形成することによって実現されてよい。追加として又は代替として、コイルは、内側部材330が遠位又は第1位置にある時にコイルが小さい輪郭に拘束され得るように、及び、内側部材330が第2位置に向かって近位に案内される時、コイルが、コイル材料に設定された径まで半径方向外側に弾性的に拡張し得るように、異なる径に付勢されてよい。
追加として又は代替として、コイルは、例えば拡張可能部材350の第1領域350aが第2領域350bより前に拡張螺旋形状まで拡張し得るように、連続的に拡張可能であってよい。例えば、第1領域350aの第1コイルが、例えば、第2コイルよりもより薄い、より狭い、及び/又は、より可撓性を有する材料から第1コイルを形成することによって、第2領域350bの第2コイルよりも拡張に対して小さい抵抗を有してよい。例えば、第1コイルが内側部材330周りに螺旋状に巻き付けられた裸ワイヤを有してよい一方で、第2コイルは、拡張に対する抵抗を増大させ得る、チューブ、スリーブなどの区画に巻き付けられる同一の又は異なるワイヤを有してよい。従って、内側部材330が第1位置から第2位置に向かって案内される時、圧縮力が最初に第1コイルに作用してよく、それによって、第2コイルが拡張して拡張可能部材350の第2領域350bを拡張させる既定の閾値が実現されるまで、第1コイル及び拡張可能部材350の第1領域350aを拡張させる。
別の代替例では、内側部材330に取り付けられたスリーブ(図示せず)が、第1コイルのみが最初に圧縮される時に自由に拡張するように、第1位置で第2コイルを最初に取り囲んでよい。内側部材330が第2位置に向かって案内される時、第2コイルは、スリーブから露出してよく、その後、拡張螺旋形状に半径方向外側に拡張する。
図12及び図13を参照すると、図11の装置310を使用して、体の管腔、例えば大動静脈透析移植片190を処置するための例示の方法が示されている。図示するように、移植片190は、患者の体内、例えば患者の腕内の静脈193に取り付けられた第1の又は静脈の吻合192と、静脈193に隣接する動脈195に取り付けられた第2の又は動脈の吻合194と、を有している。図示するように、移植片190は、各吻合192、194内に含まれる移植片190内の複数の位置に例えば血栓、血小板などの閉塞物質92を有している。
最初に、導入器又は案内さや型ケース380が、本願明細書の他の箇所で説明するものと同様の方法を使用して、例えば移植片190の中心領域まで患者の皮膚を通って経皮的に移植片190内に配置されてよい。さや型ケース380は、移植片190内に導入されるサイズ及び/又は形状を有する遠位端382と、例えば移植片190に対してさや型ケース380を安定させるため、及び/又は、移植片190の端部192、194の間の流体の流れから移植片190を実質的にシールするため、移植片190の壁に実質的に係合する遠位端384上のバルーン382と、を有してよい。さや型ケース380はまた、遠位端382の開口(図示せず)まで延びる管腔に連通するリザーバ386と、処置中に移植片190内からの物質を吸引するために真空を作用させる真空源388、例えば注射器と、を有していてもよい。
装置310は、最初は収縮状態の拡張可能部材350とともに移植片190内にさや型ケース380を通って導入されてよい。図12に示すように、装置310は、拡張可能部材350が移植片190の静脈側内で閉塞物質92を越えて遠位に配置されるまで前進してよく、そこで、内側部材330(図示せず)が、拡張螺旋形状まで拡張可能部材350を拡張させるために近位に案内されてよい。図示するように、両方のコイルが拡張され、それによって、例えば第2領域350bが移植片190の壁に実質的に係合し得る又は接触し得るように拡張可能部材350の第1及び第2領域350a、350bの両方を拡張させる。
装置310は、その後、移植片190の壁から付着物質92をこそぎ取る又は切り離すために引き戻され、さや型ケース380に向かって物質92を引っ張ってよい。リザーバ386内にさや型ケース380を通って物質92を吸引するために、まだの場合には、真空源388が始動されてよい。必要であれば、内側部材330が、収縮状態に向かって拡張可能部材350を折り畳むために前進させられてよく、そして、例えば、物質92をこそぎ取る又は除去するために拡張可能部材350を拡張させる工程を繰り返すために、移植片190内にさらに前進させられてよい。
任意選択的に、さや型ケース380は、動脈吻合194に向かって移植片190内で再び位置決めされてよく、及び、装置310は、例えば移植片190の動脈側内で物質92を除去するために、収縮状態の拡張可能部材350とともに再び導入される。図13を参照すると、物質が移植片190から除去されたものの、さらなる閉塞物質92が動脈吻合194内に残っている。吻合194は動脈195と連通しているので、動脈195内に物質が解放されないことを保証するための注意が払わなければならず、物質が組織の下地内に流れ、動脈195の下流の組織に虚血又は他の損傷を引き起こし得る。
装置310は、内側部材330の遠位端334が、収縮状態の拡張可能部材350とともに動脈吻合194内で物質92を通るまで前進させられてよい。この時点で、内側部材330は、第2領域350bを実質的に拡張させずに拡張可能部材350の第1領域350aを拡張させるために近位に十分な距離に案内されてよい。装置310は、その後、さや型ケース380に向かって拡張可能部材350を引っ張り戻すために引き戻されてよく、吻合194から除去されたいくらかの物質92が移植片190の外側に吸引され得る。従って、より小さな第1領域350bは、傷つきやすい領域から物質を除去するためにより大きな注意が使われることを可能にする一方で、第2領域350bは、比較的に大きな体の管腔内、又は、より大きな力を作用させること及び/又はより大きな量の物質を除去することが必要とされる時に、拡張させられてよい。
図14を参照すると、図11に示す装置310の代替の実施形態が示されている。図14の装置310’は、装置310とほぼ同一であり、前の実施形態と同様に、例えば、外側部材320’と、内側部材330’と、拡張可能部材350’と、拡張可能部材350’内に螺旋部材を画定する第1及び第2コイルと、を有している。前の実施形態と異なり、装置310’は、外側部材の遠位端324’上に例えば実質的に非柔軟な、高圧バルーンといった膨張バルーン359’を有している。さらに、装置310’は、膨張媒体源及び/又は真空源368’が接続され得るサイドポート364’を有するハンドル360’を有している。
装置310’は、例えば図12及び図13の方法を使用して、図11に示す装置310と同様に使用されてよい。さらに、膨張バルーン359’は、例えば図12及び図13の移植片190内の、又は、他の体の管腔内の狭窄、障害、又は他の閉塞内に位置決めされてよい。バルーン359’は、上述した実施形態と同様に、体の管腔を広げるために膨張させられてよく又は拡張させられてよい。任意選択的に、ステント又はプロテーゼ(図示せず)が、例えば体の管腔から閉塞物質を除去するためにバルーン350’を使用した後に体の管腔内にプロテーゼが注入され得るように、バルーン359’によって運ばれてよい。代替的に、ステント又は他のプロテーゼが、本願明細書で説明した他の実施形態のいずれかを使用して、例えば、図7又は図8に示す装置110又は210のバルーン150又は250上で運ばれてよく又は運搬されてよい。
別の選択肢では、図14Aに示すように、図14の装置310’とほぼ同様の装置310”が提供されてよい。装置310’と異なり、装置310”は、少なくとも部分的に外側部材320”を取り囲む外側さや型ケース380”を有してもよい。例えば、図示するように、外側さや型ケース380”は、ハンドルに取り付けられる又は外側部材320”の近位端322”周りに配置される近位端382”と、例えばバルーン359”の近位で外側部材320”の遠位端324”に隣接する位置まで遠位に延びる遠位端384”と、を有してよい。外側さや型ケース380”は、環状内腔386”が外側さや型ケース380”及び外側部材320”の間に設けられるように外側部材322”よりも大きな径又は他の断面を有してよい。内腔386”は、ルアー取付部品又は他のコネクタを有し得るハンドル360”上のサイドポート365a”と連通してよい。従って、注射器又は真空源(図示せず、注射器368”と同様に)が、サイドポート365a”に結合されてよく、内腔386”を通ってバルーン359”に隣接して物質を吸引するために使用されてよい。追加として又は代替として、細胞の溶解剤源及び/又は1以上の他の薬品源(図示せず)が、サイドポート365a”に結合されてよく、薬品は、吸引に代えて又は吸引に関連して体の管腔内に環状内腔386”を通って運搬されてよい。
さらに、装置310”は、外側さや型ケース380”の遠位端384”上の環状バルーン又は他の拡張可能部材388”を有している。外側さや型ケース380”は、外側さや型ケース380”の壁に沿って近位端382”まで近位に延びるとともに別のサイドポート365b”に連通する膨張内腔(図示せず)を有してよく、サイドポート365b”は、注射器又は他の膨張媒体源(図示せず、例えば注射器368”と同様に)が結合されるサイドポート365a”と同様に、ルアー取付部品又は他のコネクタを有してよい。
使用時、外側さや型ケース380”は、例えば本願明細書の他の実施形態と同様に、装置310”が、体の管腔内に導入される時に外側部材320”周りに設けられてよい。任意選択的に、外側さや型ケース380”の遠位端384”は、装置310”の前進時の遠位端384”の近位の移動を防止するために外側さや型ケース380”に拘束されてよく又は結合されてよい。追加として又は代替として、環状バルーン388”は、外側さや型ケース380”の遠位端384”の移動を防止するために外側部材320”に摩擦によって及び/又は係合する折り畳み構造を有してよい。
装置310”が、例えばバルーン350”及び/又はバルーン359”によって、処置される体の管腔(図示せず)内に位置決めされると、環状バルーン388”は、例えば体の管腔の囲み壁と係合する及び/又は外側さや型ケース380”の遠位端384”を開放するために、拡張されてよい。環状バルーン350”は、例えば、シールを提供するために環状バルーン350”が半径方向に拡張して囲み壁に実質的に係合することを可能にする弾性材料及び/又は非弾性材料から形成されてよく、シールは、体の管腔を通じたほぼすべての流れを停止させ得る、又は、体の管腔内の解放された物質の実質的な移動を単純に防止し得る。どんな時も、真空は、例えば、体の管腔の壁(図示せず)から管腔386”を通って切り離された物質を吸引する又は除去するために、外側さや型ケース380”の環状内腔386”に作用されてよい。
任意選択的に、外側さや型ケース380”は、例えば、装置310”が軸線方向に及び/又は半径方向に移動する一方で環状バルーン380”が体の管腔の壁と係合する場合、外側さや型ケース380”が軸線方向に圧縮される及び/又は拡張されることを可能にするために、実質的に可撓性材料から形成されてよい。従って、体の管腔の壁から切り離された物質は、例えば、バルーン350”又は359”を使用して環状内腔386”に向かって案内され、体の管腔から環状管腔386”を通って吸引されてよい。
代替的に、外側さや型ケース380”が実質的に一定の長さを有する場合、環状バルーン380”は、装置310”が軸線方向に案内された時に体の管腔の壁に沿ってバルーン380”がスライドすることを可能にする一方で体の管腔内の解放された物質が患者の体内の他の位置に逃れる又は移動する危険性を低減するために壁によってシールを維持する潤滑材料を有してよい。この代替例では、吸引真空が、バルーン350”、359”のいずれか一方とともに環状内腔に向かって物質を押し込まずに体の管腔から解放された物質を引き寄せるために十分であり得る。
別の代替例では、外側さや型ケース380”の少なくとも遠位端384”が、外側さや型ケース380”が例えば装置310”の導入時に外側部材320”周りに折り畳み構造で設けられ得るものの、体の管腔から環状内腔386”を通って物質が吸引されることを可能にするために環状内腔386”を開放するために拡張され得るように、半径方向に拡張可能であってよい。この代替例では、環状バルーン380”は省略されてよい。外側さや型ケース及び/又は環状バルーンは、例えば、物質の吸引を容易にするため及び/又は処置中に体の管腔内に解放された物質の移動の危険性を低減するために、本願明細書の他の実施形態で設けられてよいことが理解されよう。
図15A及び図15Bを参照すると、拡張螺旋形状にバルーン又は他の拡張可能部材を拡張させる螺旋部材を有する、本願明細書で説明した装置のいずれかに含まれ得るコイルの例示の実施形態が示されている。例えば、図15Aは、上述した装置のいずれかの螺旋部材のように組み込まれ得るほぼ平滑で均一な巻き372を有するコイル370を示している。代替的に、図15Bに示すように、コイル370’が例えば本願明細書の他の箇所で説明したものといったバルーン又は拡張可能部材(図示せず)内に含まれる時に、体の管腔の壁への接触力を増大させ得る交互の最上点374’及び最下点376’を有する複数の回転372’を有するコイル370’が設けられている。最上点374’及び最下点376’は、例えば少なくともいくつかの最上点374’が、標的となる体の管腔の壁のほぼ全周に沿って接触する及び/又はこそぎ取ることを保証するために、隣接する巻き同士の間で互い違いになってよい。
図16を参照すると、装置410のさらに別の実施形態が示されており、例えば装置410が、例えば体の管腔内の物質を除去する第1モード及び体の管腔内の閉塞を広げる第2モードの複数のモードで作動可能であり得るように、単一のシャフト上に複数の拡張可能な装置を有している。
概して、装置410は、前の実施形態と同様に、外側部材420と、内側部材430と、ハンドル460と、外側及び内側部材420、430によって保持される第1バルーン又は他の拡張可能部材450と、を有している。外側部材420は、近位端422及び遠位端424と、近位端422及び遠位端424の間で延びる第1内腔426と、を有しており、内側部材430は、近位端432及び遠位端434と、近位端432及び遠位端434の間で延びる第2内腔436と、を有している。
第1バルーン450は、外側部材の遠位端424に結合された近位端452と、内側部材の遠位端434に結合された遠位端と、を有しており、及び、第1内腔426と連通する内部を有している。第1バルーン450は、例えば第1バルーン450が、例えば第1バルーン450の内部内に運搬された膨張媒体の容積に応じて及び/又は外側部材420に対する内側部材430の位置に応じて、所定の範囲の径及び/又は形状まで拡張され得るように、弾性材料から形成されてよい。
さらに、第2バルーン459は、例えば第1バルーン450の近位で外側部材420上に設けられてよい。第2バルーン459は、例えば、本願明細書の他の箇所で説明した他の実施形態と同様に、非柔軟な高圧膨張バルーンを提供するために、ほぼ非弾性材料から形成されてよい。外側部材420は、第2バルーン459の内部と連通する第3膨張内腔465を有している。
図示するように、ハンドル460は、第1バルーン450内に膨張媒体を運搬するために第1内腔426と連通する第1サイドポート464aと、第2バルーン459内に膨張媒体を運搬するために第3膨張内腔465と連通する第2サイドポート464bと、を有している。さらに、ハンドル460は、前の実施形態と同様に、外側部材420に対する1以上の軸線方向位置に内側部材430を案内するためのプルハンドル又は他のアクチュエータ462と、第1内腔426をシールするための1以上のシール、例えばoリング466と、を有してよい。
図17A〜図17Dを参照すると、それぞれの位置に内側部材430を有する異なるモードの装置410が示されている。最初に、図17Aに示すように、内側部材430は、収縮状態の第1及び第2バルーン450、459とともに第1又は遠位位置にある。この構造では、装置410は、前の実施形態と同様に、患者の体内に、処置される標的となる体の管腔内に導入されてよい。
図17Bを参照すると、第1バルーン450は、第1位置に残る内側部材とともに拡張状態に膨張させられている。従って、第1バルーン450は、例えば、処置される体の管腔の壁に係合する又は接触するために、1以上の径に膨張させられてよい。装置410は、その後、例えば壁から血栓又は他の付着物質を除去するために、壁に沿って第1バルーン450をこそぐために後退させられ又は軸線方向に案内されてよい。任意選択的に、図17Cに示すように、より大きな圧力が必要な場合、又は、体の管腔のサイズによってより大きなバルーンが必要とされる場合、プルハンドル462が、外側部材420に対して近位に内側部材430を引き寄せるために近位に案内されてよく、それによって、第1バルーン450を軸線方向に圧縮し半径方向に拡張させる。
最後に、図17Dに示すように、狭窄、障害又は他の閉塞を広げることが必要とされる場合、前の実施形態と同様に、第1バルーン450は、収縮状態に折り畳まれてよく、第2バルーン459は、閉塞に隣接して位置決めされて閉塞を拡張させて広げるために膨張させられてよい。従って、装置410は、前の実施形態と同様に、装置410を除去することを必要とせずに、例えば塞栓除去術及び/又は血管形成術などの異なる処置に使用されてよい。装置410は、内側部材430の第2内腔436を通って受け入れられる案内ワイヤ又は他のレール上を辿ってよく、そのことが、処置中に体の管腔内で様々な位置に装置410を案内することを容易にし得る。
図18A〜図18Cを参照すると、前の実施形態とほぼ同様に、外側管状部材620と、内側部材630と、内側及び/又は外側部材620、630によって保持される拡張可能なバルーン650と、を有する、体の管腔を処置する装置610の別の実施形態が示されている。さらに、図19A〜図19Cに示すように、装置610は、前の実施形態とほぼ同様に、例えば外側部材620及び/又は装置610全体を操作するために、外側部材620の近位端622上に結合される又は設けられるハンドル又はハブ660を有してよい。また、前の実施形態と同様に、装置610は、以下にさらに説明するように、例えば体の管腔内の閉塞を広げる第1モード(図18A、図19A)、体の管腔内に流体を注入する第2モード(図18B、図19B)、及び/又は、体の管腔内の閉塞物質を除去する第3モード、といった複数のモードで作動可能であってよい。
図示するように、前の実施形態と同様に構成されてよい外側部材620は、近位端622と、体の管腔内への導入のためのサイズを有する遠位端624と、近位端622及び遠位端624の間の中心縦軸線627に沿って延びる第1内腔626と、を有している。内側部材630はまた、近位端632と、遠位端634と、任意選択的に、そこを通る案内ワイヤ又は他のレール(図示せず)をスライド移動可能に受け入れるサイズを有する、近位端632及び遠位端634の間で延びる第2内腔636と、を有している。内側部材630は、前の実施形態と同様に、例えば、外側部材620及び内側部材630の間にそこ通って1以上の流体を通す環状空間が画定されるように、外側部材620の第1内腔626内にスライド移動可能に受け入れられるサイズを有している。また前の実施形態と同様に、1以上のシール部材、例えば円錐頭638が、内側部材630の遠位端634上に設けられてよい。
図18Aで最もよく見えるように、バルーン650は、外側部材の遠位端624に結合される近位端652と、出口658を画定する遠位端654と、第1内腔626及び出口658と連通する内部656と、を有している。内側部材630の遠位端634は、例えば、出口658がバルーン650の遠位端654及び内側部材630の遠位端634の間に環状通路を画定するように、バルーン650の遠位端654を通って延びてよい。図18Bで最もよく見えるように、バルーン650の遠位端654は、例えば接着剤による接合、締まり嵌め、超音波溶接、融解などによって、遠位端654内に取り付けられる又は固定されるばね止め、例えばカラー又はスリーブ655を有している。ばね止め655は、本願明細書の他の箇所でさらに説明するように、例えば円錐頭638が出口658から離れて案内される時に出口658を通って流れる流体をばね止め655が実質的に干渉しないように、出口658から近位に間隔を空けて配置されてよい。
任意選択的に、バルーン650の遠位端654は、例えばばね止め655に隣接して、被覆又は他のライナー657を有してよい。例えば、ライナー657は、以下にさらに説明するように、例えばバルーン650及び円錐頭638の間の摩擦及び/又は接着剤を減少させるために、円錐頭638に接触し得るバルーン650の遠位端654の内側部分に適用される、潤滑性の及び/又は低表面エネルギーの材料、例えばPTFEを有してよい。代替的に、遠位端654は、例えば図31A〜図32Bに示して説明する実施形態などの本願明細書の他の実施形態と同様に構成されてよい。
バルーン650は、本願明細書で説明する他の実施形態のいずれかと同様の材料及び方法を使用して形成されてよく、例えば、圧力とは無関係に膨張させられる時に既定のサイズまで拡張する非柔軟なバルーンを提供するために、実質的に非弾性材料から形成されてよい。円錐頭638は、内側部材630が例えばバルーン650の出口658を選択的に開放する及び閉鎖するための弁を提供するために移動する際に、バルーン650に対して円錐頭638が移動可能であるように、内側部材の遠位端634上に運ばれてよい。ライナー657は、例えば出口658が開放された時に円錐頭638の切り離しに対する実質的な摩擦又は抵抗なしにほぼ流体気密のシールが形成されるように、例えば図18Aに示す第1位置に装置610がある時に、バルーン650にスライド移動可能に接触してよい。例えば、装置610は、製造及び/又は組立後に第1位置に位置決めされる場合、ライナー657及び円錐頭638は、例えば使用前の包装、輸送、及び/又は、保管中の不確定な時間の間に相互に接触したままであってよい。ライナー657は、例えば、それらが同様の材料から形成される及び/又は上昇した温度で露出させられる場合に生じ得るバルーン638及び円錐頭638の間の接着の危険性を低減させ得る。
図18Aで最もよく見えるように、装置610は、バルーンの内部656内で外側及び内側部材620、630の間で結合される螺旋部材又はコイル670を有してもよい。螺旋部材670は、例えば図18Aに示すもののように比較的に小さい輪郭から、図18Cに示してさらに以下に説明するような拡張螺旋形状に移動可能であってよい。螺旋部材670は、外側部材620の遠位端624に結合された第1端672と、内側部材630に結合された第2端674と、を有するワイヤ、管、又は他のフィラメントであってよい。例えば、本願明細書の他の実施形態と同様に、螺旋部材670は、ワイヤ(図示せず)周りに形成された又は取り付けられた管又はスリーブを有する心線から形成されてよい。代替的に、螺旋部材670は、例えば単一のフィラメントにともに編み込まれた又は形成された複数のワイヤから形成されてよい。第1端672及び第2端674の間で、螺旋部材670は、本願明細書の他の実施形態と同様に、1回以上内側部材630周りに螺旋状に巻き付いてよい。
図示するように、螺旋部材670の第1端672は、例えば接着剤による接合、超音波溶接、はんだ付け、締まり嵌め(例えば遠位端624周りに1回以上第1端672を巻き付けること)、遠位端624内の環状溝、孔、又はポケット内に第1端672に挿入すること、融解、遠位端624周りにスリーブ(図示せず)を提供すること、などの1以上によって、外側部材620の遠位端624に取り付けられてよく又は直接的に固定されてよい。代替的に、螺旋部材670の第1端672は、外側部材622を通って又は外側部材622に沿って近位に延びてよく、又は、例えば図22A〜図22Dに示して以下にさらに説明するように、外側部材622に沿って延びるアクチュエータケーブルに結合されてよい。
前の実施形態と異なり、螺旋部材670の第2端674は、図18Bで最もよく見えるように、例えばばね要素690を介して内側部材630に間接的に結合されてよい。ばね要素690は、例えば第1カラー又は取付要素692によって内側部材630に固定された中間部分と、第2カラー又は取付要素695によって螺旋部材670の第2端674に結合された近位部分694と、第1取付要素692から遠位に延びる遠位部分696と、を有する1以上のばね又は他の付勢装置を有してよい。任意選択的に、膜、さや型ケース、又は他の構造(図示せず)が、例えば、近位部分694及び/又は遠位部分696上でばね要素690の少なくとも一部周りに設けられており、バルーン650又は装置610の他の特徴部が例えばばね要素690の巻き内に捕えられることを防止し得る。
図18Bで最もよく見えるように、第1カラー692は、例えば、接着剤による接合、融解、締まり嵌め、1以上のコネクタ(図示せず)などによって、内側部材630に対して取り付けられてよく又は固定されてよい。ばね要素690の遠位端697及び第2カラー695は、以下にさらに説明するように、例えば装置610に所望の付勢力及び/又はコンプライアンスを提供するために、内側部材630周りに自由に浮遊してよい。代替的に、ばね要素690の遠位端697は、必要であれば、ばね止め655に又はバルーン650の遠位端654に取り付けられてよく又は固定されてよい。
第1カラー692は、ばね要素690上のほぼ中間点に配置されてよく、又は、他端よりも一端により近く配置されてよい。例えば、図18Bに示すように、第1カラー692は、遠位端697よりも第2カラー695により近くでばね要素690に取り付けられてよい。従って、本実施形態では、ばね要素690の遠位部分696は、近位部分694おりも多くの巻きを有しているものの、より少ない又はより多くの巻きが、必要であれば、例えば既定のばね特性を提供するために近位部分694又は遠位部分696のいずれか一方に設けられてよい。
一実施形態では、ばね要素690は、その長さに沿ってほぼ均一なばね定数及び/又は他の機械的特性を有する単一のばねであってよく、又は、特性は例えば近位部分694及び遠位部分696の間で変化してよい。代替の実施形態では、近位部分694及び遠位部分696は、第1カラー692に独立して取り付けられる別個のばねであってよく、各々が、以下にさらに説明するように、装置610を付勢する及び/又は装置610にコンプライアンスを提供するそれらのそれぞれの目的のための所望の特性を有している。ばね要素690は、例えばステンレス鋼などの金属、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、ガラス、又は複合材料といった1以上の材料から形成されてよい。
図18Bで最もよく見えるように、ばね要素690の遠位部分696は、例えばバルーンの遠位端654に対して軸線方向に内側部材630を付勢するために、ばね止め655に接触する遠位端697で終端をなしてよい。任意選択的に、遠位端697は、必要であれば、例えばばね止め655に対して向上した付加を提供するために、縦軸線627にほぼ直角の平面を規定する平面リングを有してよい。ばね要素690の遠位部分696は、以下にさらに説明するように、例えば遠位部分696が、遠位端697及びばね止め655の間の接触によって制限されるバルーン650の遠位端654内で自由に移動し得るように、バルーン650の遠位端654よりも小さな径及びばね止め655の内径よりも大きな径を有してよい。
第1カラー692は、既定の距離だけ円錐頭638から近位にずれてよく、及び/又は、ばね要素690の遠位部分696は、所望の付勢を提供するために既定の長さを有してよい。例えば、遠位部分696のこれらの距離及び/又はばね定数は、以下にさらに説明するように、例えば、出口658を実質的にシールするためであるものの出口658を開放するためにバルーン650から円錐頭638を離れて移動させるように内側部材630が遠位に案内されることを可能にするために、バルーン650の遠位端654に対して円錐頭638をばね要素690が付勢するようであってよい。
図18A及び図18Bに示すように、螺旋部材670の第2端674及びばね要素690の近位端694は、例えば接着剤による接合、融解、締まり嵌め、1以上のコネクタ(図示せず)などによって、第2カラー695に取り付けられる。第2カラー695は、例えば、以下にさらに説明するように、螺旋部材670にコンプライアンスを提供するために、実質的に横方向の移動なしで、内側部材630に対して軸線方向に自由に移動してよい。
任意選択的に、装置610は、例えば、本願明細書の他の実施形態と同様に、内側部材630の遠位端634、バルーン650、及び/又は螺旋部材670上で、使用時に装置610の位置決め及び/又は前進を容易にするために1以上のマーカー(図示せず)を有してよい。
図19A〜図19Cを参照すると、ハンドル660は、前の実施形態と同様に、例えば外側部材620及び/又は装置610全体を操作するために、外側部材620の近位端622上に結合されてよく又は設けられてよい。ハンドル660は、外側部材620に取り付けられたハウジング661を概して有してよく、装置610の内腔にアクセスするための1以上のポート664及び/又は装置610の特徴部を作動させる1以上のアクチュエータ662を有してよい。
例えば、ハンドル660は、外側部材620の環状の第1内腔626と連通する第1サイドポート664aを有してよく、例えば第1内腔626を通ってバルーン650の内部656内に及び/又は(内側部材630の位置に応じて)出口658を通って流体を運搬する例えば注射器又は他の源(図示せず)といった1以上の流体源又は真空源を装置610に結合する例えばルアーロック取付部品といったコネクタを有してよい。さらに、ハンドル660は、内側部材630の第2内腔636と連通する第2ポート664bを有してよい。第2ポート664bは、第2ポート664bを通って案内ワイヤ又は他の器具(図示せず)を受け入れることに適合し得るとともに第2内腔636から近位への実質的な流体の流れを防止するための実質的に流体気密シールを維持することに適し得る例えば止血シール(図示せず)といった1以上のシールを有してよい。
さらに、ハンドル660は、以下にさらに説明するように及び/又は本願明細書の他の実施形態と同様に、例えば出口658を開放する及び/又は閉鎖するため(図18A、図18B参照)及び/又は螺旋部材670を拡張させる及び折り畳むため、内側部材630を移動させるために内側部材630に結合されたスライダ、親指コントロール、プッシュボタン、又は他のアクチュエータ662を有してよい。任意選択的に、ハンドル660は、例えば本願明細書の他の実施形態と同様に、外側部材630及びハンドル660に対して軸線方向に移動する際に内側部材630を案内し得る、外側部材620及び内側部材630の間に1以上のシール、ブッシングなど(図示せず)を有してよい。
図20A〜図20Cは、図19A〜図19Cに示すハンドル660とほぼ同様であり得るハンドル660’の代替の実施形態を示しており、例えば、サイドポート664’と、その内部でプッシュボタン、親指コントロール、又は他のアクチュエータ662’が移動するスロット663’と、を有するハウジング661’を具える。ハンドル660とは異なり、ハウジング661’は、サイドポート664b’に受け入れられた案内ワイヤ又は他の器具699と係合するクリップ又は他のレセプタクル668’を有してよい。例えば、図20Cで最もよく見えるように、凹部688a’が、その内部で1以上の対向する可撓性部材、ゴム成形品又は他の構造668b’などが取り付けられるハウジング661’の底部上に設けられてよい。案内ワイヤ699は、凹部668a’内に案内ワイヤ699を着脱可能に捕らえるために、構造668b’の間及び/又は下で凹部668a’内に押し込まれるように示されている。代替的に、クリップ668’は、ハウジング661’に装着された又は取り付けられた例えば隆起部、クリートなど(図示せず)といった他の対向要素を有してよい。クリップ668’は、ハウジング661’の底部上に示されているものの、クリップ668’は、例えばハンドル660’を保持する及び/又は作動させることによって干渉を最小限に抑制する位置で、ハウジング661’の他の表面又は位置上に設けられてよいことが理解されよう。
使用時、案内ワイヤ699又は他の器具は、案内ワイヤ699の遠位端699aが第2ポート664b’から近位に延びるように、例えば第2ポート664b’内への挿入によって又は内側部材630の遠位端634内への積み込みよって(図示せず)、第2ポート664b’を通って導入されてよい。例えば構造668b’を通って凹部668a’内に近位端699aを押し込むことによって、案内ワイヤ699の露出部分が折り返されて近位端699aがクリップ668’内に捕えられてよい。構造668b’の摩擦は、近位端699aを移動させる又は操作することが必要な場合は、凹部668a’内に近位端699aを解放可能に保持してよく、案内ワイヤ699は、構造668b’を開放してクリップ668’から近位端699aを除去するためにハウジング661’から引き離されてよい。従って、クリップ668’は、長い案内ワイヤ又は他の器具を扱うために有用であり、そうでなければ、処置テーブルから落ちることがあり、又は、処置が実行される無菌フィールドの維持を危険にさらす。
図28A及び図28Bは、上述したものとほぼ同様のハンドル660’’’の別の例示の実施形態を示しており、例えば、第2ポート664’’’と、スロット又はトラック663’’’内で若しくはスロット又はトラック663’’’に対して移動するプッシュボタン、親指コントロール、又は他のアクチュエータ662’’’と、を有するハウジング661’’’を有している。図28Aに示すように、ハウジング661’’’は、スロット663’’’及びハンドル660’’’のための把持面を画定するために、その間の継ぎ目に沿って、例えば接着剤による接合、超音波溶接、融解、嵌め合わせコネクタなどによって、ともに取り付けられ得る嵌め合わせクラムシェル半部分を有してよい。
図28Bは、図28Aに示すハウジング661’’’が明確化のめのために除去された後にハンドル660’’’の内部構成要素の例示の構成を示している。図示するように、ハンドル660’’’は、外側部材620及び/又はハウジング661’’’に結合された静止構成要素、例えばマニホールド680’’’、応力緩和移行部682’’’、及び、近位ハイポチューブ又は他の管状体690a’’’と、内側部材630及びハウジング661’’’内で軸線方向に移動可能な可動構成要素、例えばキャリッジ684’’’及び遠位ハイポチューブ又は他の管状体690b’’’と、を有している。
例えば、マニホールド680’’’及び移行部682’’’は、ハウジング661’’’に対して取り付けられてよく又は実質的に固定されてよく、及び、外側部材620の近位端622は、これらの構成要素がハンドル660’’’に対して実質的に不動のままであるように移行部682’’’及び/又はマニホールド680’’’に受け入れられてよく及び/又は取り付けられてよい。マニホールド680’’’は、外側部材620の第1内腔626と連通する内側チャンバ又は通路681’’’を有している。ルアー取付部品又は他のコネクタが、チャンバ681’’’と連通する及び結果として第1内腔626と連通する第1サイドポート664a’’’を提供するためにマニホールド680’’’に取り付けられてよい。
近位管状体690a’’’は、本願明細書の他の実施形態と同様に、第1サイドポート664b’’’を提供するためにハウジング661’’’から延びる近位端を有するハウジング661’’’に実質的に固定されてもよく又は装着されてよく、及び、例えば案内ワイヤ又は他の器具(図示せず)を受け入れるために、第2サイドポート664b’’’を提供するためのルアー取付部品を有している。近位管状体690a’’’の遠位端は、キャリッジ684’’’が近位管状体690a’’’を越えて少なくとも部分的に軸線方向にスライドし得るように、キャリッジ684’’’内に受け入れられてよい。図示するように、キャリッジ684’’’は、キャリッジ684’’’が移動する間に近位管状体690a’’’及びキャリッジ684’’’の間に実質的に流体気密シールを提供するために、例えば固定器具又は台座内に受け入れられるoリング又は他のシール686a’’’を有してよい。
キャリッジ684’’’が近位位置及び遠位位置の間で横方向に最小の移動で軸線方向に自由に移動するように、ハウジング661’’’内で支持されてよい。アクチュエータ662’’’は、前の実施形態と同様に、当該アクチュエータ662’’’がハウジング661’’’内のスロット663’’’を通って延びるようにキャリッジ684’’’に取り付けられてよく又は結合されてよい。遠位管状体690b’’’は、キャリッジ684’’’内に受け入れられてよい及び/又は固定されてよい近位端と、内側部材630に遠位管状体690b’’’を取り付けることに適合するようにマニホールド680’’’及び/又は移行部682’’’を通って延びる遠位端と、を有してよい。マニホールド680’’’は、遠位管状体690bb’’’の軸線方向の移動に適合する一方で遠位管状体690b’’’及びマニホールド680’’’の間に実質的に流体気密シールを提供するために、例えば固定器具又は台座内に受け入れられるoリング又は他のシール686b’’’を有してもよい。従って、第1サイドポート664a’’’を介してマニホールド680’’’のチャンバ681’’’内に導入される流体は、ほぼ漏れなく外側部材620の内腔626内に流入してよい。
前の実施形態と同様に、アクチュエータ662’’’は、2以上の位置の間で軸線方向に案内されてよく、それによって、ハウジング661’’’内で軸線方向にキャリッジ684’’’をスライド移動させ、及びその結果、外側部材620及びハンドル660’’’に対して遠位管状体690b’’’及び内側部材630を軸線方向に移動させるように案内する。
図19A〜図19Cを参照すると、ハウジング661は細長のスロット663を有してよく、アクチュエータ662は、1以上の作動モードの間で装置610を案内するためにスロット663内でほぼ軸線方向にスライド移動可能であってよい。例えば、スロット663は、装置610の3つの異なる作動モードに対応し得る、斜め領域663d、663eによって接続された3つの区別可能な軸線方向領域663a、663b、663cを有してよい。図19Aに示すようにアクチュエータ662が第2領域663bにある状態では、図18Aに示すように、出口658を実質的にシールするためにバルーン650の遠位端654に円錐頭638が接触するように、内側部材630が軸線方向に位置決めされてよい。
バルーンの膨張が注入中に必要とされる場合、遠位のバルーン区画654が、流れに対する抵抗を提供するサイズを有してよい。この流れに対する抵抗は、出口658から流体を運搬する一方でバルーン650の少なくとも部分的な膨張を引き起こしてよい。代替的に、バルーン区画654は、バルーン650がほぼ折り畳まれたままである一方で出口658から流体が運搬され得る場合に、流れに対する顕著な抵抗を提供しない程度に十分に大きく形成されてよい。
アクチュエータ662が、図19Bに示すように、第1領域663a内に遠位に案内される時、内側部材630は、例えば図18Bに示すように、バルーン650の遠位端654から離れるように円錐頭638を案内して出口658を開放するために遠位に前進させられる。アクチュエータ662が、第3領域663c内に近位に案内される時、内側部材630は、螺旋部材670を拡張させるために近位に後退させられてよい。必要であれば、第3領域663cは、例えば拡張螺旋形状の螺旋部材670のサイズを変化させるために、第3領域663cの長さに沿ってアクチュエータ662が案内されることが可能なように十分な長さを有してよい。例えば、アクチュエータ662は、アクチュエータ662が第3領域663c内で近位に案内される際に、螺旋部材670が連続的に大きな径に伸長することによって第3領域663cに沿って任意の中間位置に配置されてよい。従って、第3領域663内でアクチュエータ662の位置を調整することによって、ユーザは、直面した生体構造のおおよそのサイズに螺旋部材670の径を制御してよい。
任意選択的に、スロット663は、例えば前の実施形態と同様に、例えば1以上の位置でアクチュエータ662を解放可能に固定するために、アクチュエータ662上の特徴部を捕らえ得る1以上のポケット又は戻り止め(図示せず)を有してよい。追加として又は代替として、ハウジング661は、本願明細書の他の実施形態と同様に、アクチュエータ662が特定の領域又はポケットに受け入れられる時に、例えば内側部材630の位置及び/又は装置610のモードを特定するための1以上の視覚インジケータ(図示せず)を有してよい。
装置610は、例えばアクチュエータ662が領域663a〜663cのいずれか内に移動するように付勢されるものの、他のモードのいずれかに装置610を案内するために他の領域663a〜663cのいずれか内に選択的に案内され得るように、3つのモードのいずれかに付勢されてよい。例えば、上述したように、ばね要素690は、図18Bに示すように、出口658を実質的にシールする及び/又はシールを向上させるためにバルーン650の遠位端654に円錐頭638を係合させるように内側部材630を近位に付勢し得る遠位部分696を有してよい。遠位部分696の長さと第1カラー692及びばね止め655の相対位置とが、円錐頭638がバルーン650の遠位端654に係合する時に遠位部分696がわずかな圧縮力を受けるように設定されてよく、そのことが、出口658が実質的にシールされたままであることを保証し得る。その結果として、アクチュエータ662は、図19Bに示すように、第2領域663bに向かって付勢されてよい。
さらに、ばね要素690の近位部分694は、例えば第1及び第2モードの間で案内される際に、螺旋部材670にコンプライアンスを提供してよい。例えば、アクチュエータ662が第2領域663bにある状態で、ばね要素690の近位部分694が、内側部材630周りの近くに螺旋部材670を拘束するために螺旋部材670上に十分なテンションを維持してよい。螺旋部材670の遠位端674が内側部材630に直接的に取り付けられる場合、出口658を開放するように内側部材630の前進に適合するように十分な緩みが設けられることが必要であり、そのことは、螺旋部材670の輪郭を増大させ、及びその結果、装置610全体の輪郭を増大させ得る。
アクチュエータ662が第1領域663aまで前進する時、第1カラー692は遠位に移動し、ばね要素690の近位部分694が、結果として生じる変位の大部分又はほぼすべてを吸収してよい。例えば、螺旋部材670がほぼ軸線方向のテンションを受ける代わりに、近位部分694が軸線方向に延びるために十分な弾性を有しており、そのことが、出口658を開放させた状態で干渉し得る近位力を作用させることが可能である(すなわち、螺旋部材670は、内側部材630の所望の遠位の前進に対するばねとして作動してよい)。ばね要素690の近位部分692は、螺旋部材670の遠位端674を遠位に引き寄せ得る遠位のテンションを減少させ、出口658が開放される時に螺旋部材670を潜在的に伸張させる又は弾性的に変形させる。
図21A〜図21Dをさらに参照すると、使用時、装置610は、図21Aに示すように、すなわち、バルーン650及び螺旋部材670が折り畳まれて、円錐頭638によって設けられた弁がシールされた状態で、すなわち、アクチュエータ662がスロット663の第2領域663bにある状態で、ユーザに提供されてよい。例えば、上述したように、円錐頭638は、バルーン650の遠位端654内で出口658をシールするように付勢されてよく、それによって、第2領域663bに向かってアクチュエータ662を付勢する。
装置610の遠位端は、前の実施形態と同様に、出口658が実質的にシールされた状態で、患者の体内に例えば体の管腔(図示せず)内に導入されてよい。所望の位置では、アクチュエータ662は、図19Bに示すように、第1領域663a内に前進させられてよく、それによって、膨張モードに装置610を案内し、すなわち、出口658を開放するためにバルーン650の遠位端654から離れて円錐頭638を移動させ、例えば図18Bに示すように、(バルーン650を拡張させないものの)ばね要素690の遠位部分696を圧縮する。従って、第1ポート664a内に外側部材620の第1内腔626を通って導入された流体は、前の実施形態と同様に、例えばバルーン650を実質的に拡張させずに、バルーンの内部656を通って出口658から流出し、円錐頭638を越えて体の管腔内に流入してよい。代替的に、上述したように、出口658は、出口658を通って流体が運搬される際にバルーン650が少なくとも部分的に拡張されるところを通る流体に十分な抵抗を提供してよい。注入モードでは、対照的に、診断流体又は治療流体などが、前の実施形態と同様に、装置610が操作される又は実質的に不動に維持される間に体の管腔内に導入されてよい。
十分な流体が運搬された後及び/又は出口658をシールすることが必要である場合、図18A及び図21Bに示すように、アクチュエータ662は第2領域663b内に後退させられてよく、それによって、円錐頭638がバルーン650の遠位端654に係合して、実質的に出口658を実質的にシールするまで、近位に内側部材630を案内する。ばね要素690は、出口658が円錐頭638によって実質的にシールされることを保証するために十分な付勢力を提供するばね定数を有してよい。代替的に、ばね要素690は、アクチュエータ662が解放される時に、ばね要素690の遠位部分696に蓄えられたエネルギーが、円錐頭638がバルーン650の遠位端654に係合して出口658を実質的にシールするまで近位に内側部材630を自動的に案内するように、十分な付勢力を提供し得る。結果として、アクチュエータ662は、スロット663の第2領域663b内に自動的に戻るように案内されてよく、ばね要素690は出口658の確実動作の弁の閉鎖を提供してよい。このことは、出口658を閉鎖する力が装置610の遠位端でばね要素690によって提供されて、内側及び外側部材630、620内で軸線方向のコンプライアンスを受け及び従って信頼性が低い力であって装置610の長さを越えて伝達される力に依存しないので、有用である。
図21Bに示すように、第2モードでは、前の実施形態と同様に、第1内腔626を通って導入される任意の流体は、バルーンの内部656を流入してバルーン650を拡張させる。例えば、このモードでは、バルーン650は、例えばテーパ形状の端部同士の間でほぼ均一径の主部分を有する細長いほぼ円筒形状に拡張されてよい。バルーン650は、図9E〜図9Gに示す方法であって本願明細書の他の箇所で説明した方法と同様に、例えば、狭窄、閉塞又は他の障害を広げるために、体の管腔の壁を膨張させる又は実質的な圧力を作用させるために使用されてよい。代替的に、バルーン650は、本願明細書の他の実施形態と同様に、バルーン650が体の管腔内で拡張されて体の管腔内の物質を除去するために軸線方向に案内され得るように、弾性材料及び/又は実質的に柔軟な材料から形成されてよい。
さらに、図19Cに示すように、アクチュエータ662は、本願明細書の他の実施形態と同様に、例えば体の管腔内の血栓又は他の所望されない物質を除去するために、図18C及び図21Dに示す第3モードに装置610を案内するために第3領域663c内に後退させられてよい。例えば、バルーン650が折り畳まれた状態で、アクチュエータ662は、内側部材630を案内するために近位に後退させられてよく、それによって、螺旋部材670を軸線方向に圧縮し、近位端672に向かって近位に螺旋部材670の遠位端674を案内する。本願明細書の他の実施形態と同様に、このことは、軸線方向に圧縮される際に螺旋部材670を半径方向外側に拡張させ、それによって、図18C及び図21Dに示すように、バルーン650を軸線方向に圧縮させて螺旋部材670周りに拡張螺旋形状に半径方向に拡張させる。
スロット663の第3領域663cの長さは、例えばバルーン650及び/又は螺旋部材670の過度の圧縮を防止するため、バルーン650及び螺旋部材670を圧縮させて拡張させる時に既定の方法で内側部材630の近位の移動を制限してよい。例えば、上述するように、アクチュエータ662は、拡張螺旋形状の螺旋部材670の径を変化させるために、第3領域663cの長さに沿って任意の中間位置に配置されてよい。第3領域663cに沿ってアクチュエータ662の位置を調節することによって、ユーザは、例えば壁から十分な物質を除去するために処置されるべき体の管腔の壁との十分な摩擦及び/又は係合を提供するために、患者の脈管構造に対応するための螺旋部材670の径を制御し得る。
バルーン650が予め膨張している場合、真空源、例えば注射器又は真空ライン(図示せず)が、第3領域663c内にアクチュエータ662を案内する前に、螺旋部材670周りにバルーン650を収縮状態に折り畳むために内部656から流体を排出するようにサイドポート664aに結合されてよい。代替的に、バルーン650が予め膨張していない場合、例えば、体の管腔を広げる前に血栓が除去されるべき場合、バルーン650は既に十分に折り畳まれていてよく又は収縮状態のままであってよいので、真空をさらに使用してバルーン650を折り畳む必要はない。
代替的に、図21C及び図21Dに示すように、アクチュエータ662は、バルーン650が膨張したままで、第2領域663bから第3領域663cに案内されてよい。例えば、図21Bに示すように、バルーン650が膨張させられる一方で(まだ膨張させられていない場合)、螺旋部材670が内側部材630周りにぴったりと巻き付けられたままである。図21Cを参照すると、内側部材630は、上述するように、例えば第3領域663c内に近位にアクチュエータ662を案内することによって、外側部材620に対して近位に案内されてよい。このことは、体の管腔内で部分的に拘束されることに起因して及び/又はバルーン650の内部656内に残っている流体に起因して、軸線方向に圧縮される際にバルーン650を屈服させるもののバルーン650をほぼ円筒形のままに維持してよい。
任意選択的に、装置610は、例えば外側部材620の近位端622上のハンドル660上又は他の位置上に、軸線方向に圧縮される際にバルーン650の過度の拡張を防止するために第1内腔626と連通する1以上の安全弁又は他の特徴部(図示せず)を有してよい。例えば、安全弁は、内側部材630が近位に案内される際にバルーン650の内部656から過度の流体を流出させてよく、それによって、バルーン650の内部656内及び/又は第1内腔626内の流体の容積を自動的に減少させる。代替的に、内側部材630が近位に案内される前又は際にユーザによって開放させられ得る、又は、アクチュエータ662がスロット663に沿って第3領域663c内の又は隣接する既定の位置に案内される時に作動される、手動弁又は他の特徴部(図示せず)がハンドル660上に設けられてよい。
図21Cに示すように、螺旋部材670は、拡張螺旋形状を採用するために内側部材630が近位に案内される際に拡張したバルーン650内で半径方向外側に拡張してよい。螺旋部材670の移動は、バルーン650によって相対的に妨げられず、折り畳まれたバルーン650内で螺旋部材670が拡張される場合よりも一層均一にバルーン650が拡張することを可能にする。さらに、バルーン650がすでに膨張しているので、螺旋部材670の拡張は同様に、螺旋部材670が拡張する際に、バルーン650を損傷させ得るバルーン650上の緊密な畳み又は他の応力を形成する危険を減少させ得る。
図21Dを参照すると、螺旋部材670が十分に拡張されると、バルーン650はすぼんでよく、そのことが、バルーン650が、拡張した螺旋部材670周りで折り畳まれて螺旋部材670の形状を実質的に採用することを可能にする。従って、バルーン650は、螺旋部材670周りに実質的に不浸透性層を提供してよく、不浸透性層は、螺旋部材670内で又は周りで、除去されるべき物質が捕えられることを妨げ得る。拡張した螺旋部材670周りにまとわりついた折り畳まれたバルーン650は、例えば体の管腔内の血栓又は他の物質を除去するためにさらに頑丈な螺旋構造を提供するために、螺旋部材670に対して機械的補強を提供してもよい。
十分な血栓又は他の物質が除去された後、バルーン650は、再び部分的に又は完全に膨張させられてもよく、及び、アクチュエータ662及び内側部材630は、内側部材630周りに小さい輪郭に向かって螺旋部材670を戻すように案内するために遠位に前進してよい。アクチュエータ662及び内側部材630が第2位置に前進すると、バルーン650は、例えば第1ポート664aに真空源を結合することによってすぼまされてよく、及び/又は、アクチュエータ662及び内側部材630は、弁を開放するために遠位位置に前進させられてよい。代替的に、内側部材630は、前の実施形態と同様に、小さい輪郭に向かって螺旋部材670を案内するために折り畳まれたままであるバルーン650とともに遠位に前進してよい。折り畳まれると、装置610は、例えば追加の流体の注入、膨張、及び/又は、血栓除去のために、患者の体内の別の位置に案内されてよく、又は、患者の体から完全に除去されてよい。
図22A〜図22Dを参照すると、外側部材620”と、内側部材630”と、バルーン650”と、円錐頭638”と、ばね要素690”と、ハンドル660”と、を有し、装置610とほぼ同様に構成されて作動する、体の管腔を処置するための装置610”の別の例示の実施形態が示されている。 装置610”は、装置610と異なり、例えばばね要素690”を介して内側部材630”に結合された遠位端674”を有する螺旋部材670’を有しているものの、螺旋部材670”の近位端672”は外側部材620”に結合されていない。代わりに、螺旋部材670”の近位端672”は、外側部材620”を通って近位に延びてハンドル660”上の第1アクチュエータ662a”に結合された、アクチュエータケーブル、ワイヤ、又は他の細長部材673”に結合されてよい。
従って、外側部材620”に対する内側部材630”の軸線方向の移動は、螺旋部材670”の拡張及び/又は折り畳みとはほぼ無関係であってよい。例えば、ハンドル660”上の第2アクチュエータ662b”は、上述した実施形態と同様に、出口658”を開放する及び/又は閉鎖するために内側部材620”及び円錐頭638”を移動させるために案内されてよい。しかしながら、螺旋部材670”の遠位端674”は、前の実施形態と同様に、例えばばね要素690”によって、そうした移動から実質的に切り離されてよい。代わりに、第1アクチュエータ662a”は、図22B及び図22Cに示すように、アクチュエータ部材673”を軸線方向に案内するために軸線方向に案内されてよい。この動作は、螺旋部材670”を拡張させるために遠位端674”に向かって遠位に、又は、螺旋部材670”を折り畳むために遠位端674”から離れて近位に、螺旋部材670”の近位端672”を案内してよい。
使用時、装置610”は、図22Aに示すように、すなわち、バルーン650”及び螺旋部材670”が折り畳まれて円錐頭638”が実質的に出口658”をシールした状態の装置610”がユーザに提供されてよい。例えば、上述したように、内側部材630”、及びその結果、円錐頭638”が、バルーン650の遠位端654”の出口658”を実質的にシールするために、ばね要素690”によって付勢されてよく、第2アクチュエータ662b”は近位位置に付勢されてよい。外側部材620”の第1内腔626”を通って流体を注入することが必要とされる場合、第2アクチュエータ662b”は、遠位位置に案内されてよく、それによって、例えば上述したように、出口658”を開放するためにバルーン650”の遠位端654”から離れるように内側部材630”及び円錐頭638”を前進させる。第2アクチュエータ662b”が後退させられる時、円錐頭638”は、シールを向上させるために十分な付勢力を提供するばね要素690”によって出口658”を実質的にシールしてよい。代替的に、ばね要素690”は、本願明細書の他の実施形態と同様に、第2アクチュエータ662b”が解放される時に、円錐頭638”が出口658”を実質的にシールして第2アクチュエータ662b”がその近位位置に自動的に後退し得るように、十分な付勢力を提供してよい。
図21Bに示すように、前の実施形態と同様に、第2アクチュエータ662bが近位位置にある状態で、第1内腔626”を通って実質的に導入された任意の流体が、バルーンの内部656”に流入してバルーン650”を拡張させる。例えば、このモードでは、バルーン650”は、本願明細書の他の箇所で説明した方法と同様に、例えば狭窄、障害又は他の閉塞を広げるために、体の管腔の壁を広げる又は壁に実質的な圧力を作用させるために使用されてよい。
必要であれば、バルーン650”が拡張した状態で、アクチュエータ662a”が、図22Cに示すように、バルーン650”内で半径方向外側に螺旋部材670”を拡張させるためにその遠位位置に前進させられてよい。螺旋部材670”が拡張する際、バルーン650”は、実質的に短縮されずに完全に拡張されたままであってよく、前の実施形態で発生し得るようにバルーン650”で折り目の形成を低減させ得る。従って、螺旋部材670”は、バルーン650”から実質的な干渉なしで所望の螺旋形状に自由に拡張し得る。図22Dに示すように、螺旋部材670”が十分に拡張されると、バルーン650”は、例えば弁を開放することによって及び/又はバルーン650”からの流体を吸引することによって、すぼまされてよく、そのことが、上述したように、バルーン650”が、拡張した螺旋部材670”周りで折り畳まれて螺旋部材670”の形状を実質的に採用することを可能にする。
十分な血栓又は他の物質が除去された後、バルーン650”は、再び部分的に又は完全に膨張させられ、及び、アクチュエータ662a”は、内側部材630”周りに小さい輪郭に向かって螺旋部材670”を戻すように案内するために近位に後退させられてよい。アクチュエータ662a”がその近位位置に案内されると、バルーン650”はすぼまされてよく、装置610”は、別の位置に案内されてよく、又は、患者の体から除去されてよい。
図29、図30A及び図30bを参照すると、前の実施形態とほぼ同様の、例えば螺旋部材670を除いて図18A〜図19Cに示す装置610とほぼ同様の体の管腔を処置する装置710のさらに別の実施形態が示されている。例えば、装置710は、前の実施形態とほぼ同様に、外側管状部材720と、内側部材730と、内側及び/又は外側部材720、730によって保持される拡張可能なバルーン750と、を有している。さらに、装置710は、前の実施形態とほぼ同様に、例えば外側部材720及び/又は装置710全体を操作するために、外側部材720の近位端722上に結合された及び/又は設けられたハンドル又はハブ760を有している。また前の実施形態と同様に、装置710は、例えば体の管腔内で閉塞を広げる第1モード(図30A)と、体の管腔内に流体を注入する第2モード(図30Bに示すものの、バルーン750は折り畳まれた状態)と、の複数のモードで装置710を作動させるアクチュエータ762をハンドル760上に有してよい。
図示するように、外側部材720は、前の実施形態と同様に構成されてよく、近位端722と、体の管腔内への導入のためのサイズを有する遠位端724と、近位端722及び遠位端724の間で中心縦軸線727に沿って延びる第1内腔726と、を有している。内側部材730は、近位端(図示せず)と、遠位端734と、任意選択的に、例えばそこを通って案内ワイヤ又は他の器具(図示せず)をスライド移動可能に受け入れるサイズを有する第2内腔736と、を有している。内側部材730は、前の実施形態と同様に、例えば外側及び内側部材720、730の間に1以上の流体を流通させる環状空間が画定されるように、外側部材720の第1内腔726内にスライド移動可能に受け入れられるサイズを有している。1以上のシール部材、例えば円錐頭738が、前の実施形態と同様に、弁を提供するために内側部材730の遠位端734上に設けられてよい。
図30Aで最もよく見えるように、バルーン750は、外側部材の遠位端724に結合された近位端752と、出口758を画定する遠位端754と、第1内腔726及び出口758と連通する内部756と、を有している。内側部材730の遠位端734は、例えば開放時にバルーン750の遠位端754と内側部材730の遠位端734との間に出口758が環状通路を画定するように、バルーン750の遠位端754を通って延びてよい。バルーン750の遠位端754は、例えば接着剤による接合、締まり嵌め、超音波溶接、融解などによって遠位端754内に取り付けられる又は固定されるばね止め、例えばカラー又はスリーブ755を有している。ばね止め755は、前の実施形態と同様に、円錐頭738が出口758から離れるように案内される時に出口758を通って流れる流体とばね止め755が実質的に干渉しないように、出口758から近位に間隔を空けて配置されてよい。
ばね要素790は、前の実施形態と同様に、例えば実質的に出口758をシールするために円錐頭738を付勢するように、カラー792及びばね止め755の間でばね要素790が圧縮されるように、例えばカラー又は他の取付要素792によって内側部材730に結合されてよい。例えば、ばね要素790の近位又は第1端790aは、カラー792に取り付けられてよく又は結合されてよく、ばね要素790の遠位又は第2端790bは、ばね止め755に結合されてよく又は単に接触してよい。
カラー792は、例えば接着剤による接合、融解、締まり嵌め、1以上のコネクタ(図示せず)などによって、内側部材730に対して取り付けられてよく又は固定されてよい。ばね要素790の遠位端790bは、前の実施形態と同様に、例えば装置710に所望の付勢力を提供するために、内側部材730周りに自由に浮遊してよい。任意選択的に、遠位端790bは、例えば、必要であれば、ばね止め755に対して向上した並置を提供するために、縦軸線727にほぼ垂直な平面を画定する平面リングを有してよい。ばね要素790は、例えばばね要素790が、遠位端790b及びばね止め755の間の接触によって制限されるバルーン750の遠位端754内で自由に移動し得るように、バルーン750の遠位端754よりも小さな径であってばね止め755の内径よりも大きな径を有してよい。代替的に、ばね要素790の遠位端790bは、必要であれば、ばね止め755に又はバルーン750の遠位端754に取り付けられてよく又は固定されてよい。
カラー792は、例えば図30Bに示すように、出口758が開放する時にカラー792が遠位端754及び出口758を通る流体の流れと実質的に干渉しないように、内側部材730上に配置されてよい。例えば、カラー792は、既定の距離だけ円錐頭738から近位にずれてよく、及び/又は、ばね要素790は、流体の流れと干渉せずに所望の付勢力を提供するために既定の長さを有してよい。前の実施形態と同様に、ばね要素790のこれらの長さ及び/又はばね定数は、例えば出口758を実質的にシールするためであるものの、出口758を開放するためにバルーン750から離れるように円錐頭738を移動させるように内側部材730が遠位に案内されることを可能にするように、バルーン750の遠位端754に対して円錐頭738を付勢する。
任意選択的に、前の実施形態と同様に、バルーン750又は装置710の他の特徴部が例えばばね要素790の巻き内で捕らえられることを防止するために、ばね要素790の少なくとも一部周りに、薄膜、さや型ケース又は他の構造(図示せず)が設けられてよい。追加として又は代替として、装置710は、本願明細書の他の実施形態と同様に、例えば内側部材730の遠位端734及び/又はバルーン750上で、使用時に装置710の位置決め及び/又は前進を容易にするための1以上のマーカー(図示せず)を有してよい。
前の実施形態と異なり、バルーン750の遠位端754は、出口758の開放及び/又は閉鎖を容易にするように形作られる及び/又は構成される遠位延長部又は先端780を有している。例えば、図30Bで最もよく見えるように、バルーン750の遠位端754が、バルーン750から外側に、すなわち、遠位方向に広げられる遠位先端780で終端をなしてよい。遠位先端780は、バルーン750全体と同一の材料から例えば押出成形される又はブロー成形されてバルーン750の遠位端754から一体的に形成されてよく、又は、例えば接着剤による接合、超音波溶接、融解などによって、遠位端754に別個に形成されてよく又は取り付けられてよい。
任意選択的に、バルーン750の遠位端754及び/又は遠位先端780は、例えばばね止め755に隣接して被覆又は他のライナー757を有してよい。例えば、ライナー757は、前の実施形態と同様に、バルーン750及び円錐頭738の間の摩擦及び/又は付着を低減するために、円錐頭738に接触し得る遠位先端780の内側部分及び/又はバルーン750の遠位端754に適用される、潤滑性の及び/又は低表面エネルギーの材料、例えばPTFEを有してよい。
例示の実施形態では、図30Bで最もよく見えるように、遠位端780は、例えば遠位先端780内に円錐頭738を受け入れることを容易にするために、及び/又は、閉鎖された時に出口758を実質的にシールするためにその間の表面接触を最大化するために、円錐頭738と同様の形状で外側に広がってよい。追加として又は代替として、遠位先端780は、開放時に円錐頭738周りで出口758の隙間を増大させてよく、それによって、出口758の開放領域を増大させる。遠位先端780は、外側に広がった形状に偏向させられてよく、及び/又は、出口758を開放するために先端780から離れるように円錐頭738が案内される時に外側に広がった形状をほぼ維持するために十分な構造的な完全性を有してよい。
代替的に、図31A及び図31Bに示すように、遠位先端780’は、例えば遠位端754’と同様のほぼ一定の径に偏向させられてよいものの、バルーン750’の遠位端754’と比べて拡張可能であってよく及び/又は相対的に可撓性を有してよい。例えば、遠位先端780’は、円錐頭738’が出口758’内に受け入れられる時に拡張するために十分に可撓性を有してよく及び/又は弾性を有してよい。そうした拡張を容易にするために、遠位先端780’は、隣接した遠位端754’よりも実質的に小さいものの、遠位先端780’への裂け目又は他の損傷に耐えるために十分な壁厚を有してよい。
従って、図31Aに示すように、円錐頭738’が先端780’内に着座する時に、遠位先端780’は、円錐頭738’及び遠位先端780’の間の実質的な表面接触を提供するために弾性的に拡張してよく、結果としてシールを容易にする。遠位先端780’の可撓性は、円錐頭738’内に打ち込む又は押し込むことに耐えてよく、連続した切り離しを容易にし得る。円錐頭738’は、出口758’を開放するために遠位先端780’から離れるように案内される時、遠位先端780’は、出口758’を画定するために、図31Bに示すように、その原形の径に向かって弾性的に復帰してよい。円錐頭738’が遠位先端780’内に再び着座する時、遠位先端780’が曲がりに対して耐え、代わりに、遠位先端780’周りで実質的に漏れ出させずにシールを向上させるために自由に拡張してよい。
図29を参照すると、前の実施形態と同様に、ハンドル760が、例えば外側部材720及び/又は装置710全体を操作するために、外側部材720の近位端722に結合されてよく又は近位端722上に設けられてよい。ハンドル760は、外側部材720に取り付けられたハウジング761を概して有しており、装置710の内腔にアクセスするための1以上のポート764、及び/又は、注入モード及び拡張モードの間で装置710を案内するための1以上のアクチュエータ762、を有してよい。
例えば、ハンドル760は、外側部材720内の環状の第1内腔726と連通する第1サイドポート764aを有してよく、及び、(内側部材730及び円錐頭738の位置に応じて)バルーン750の内部756内に第1内腔726を通って及び/又は出口758を通って流体を運搬するための例えば注射器又は他の源(図示せず)といった1以上の流体源又は真空源を装置710に結合するための例えばルアーロック取付部品といったコネクタを有してよい。さらに、ハンドル760は、内側部材730の第2内腔736と連通する第2ポート764bを有してよい。第2ポート764bは、実質的に流体気密シールを維持しつつ第2ポート764bを通って第2内腔736内に案内ワイヤ又は他の器具(図示せず)を受け入れることに適合し得る、例えばルアーロック取付部品といったコネクタ、及び/又は、例えば止血シール(図示せず)といった1以上のシールを有してよい。
さらに、ハンドル760は、本願明細書の他の実施形態と同様に、例えば出口758を開放する及び/又は閉鎖するために(図30A、図30B参照)、内側部材730を移動させるために内側部材730に結合されたスライダ、親指コントロール、プッシュボタン、又は他のアクチュエータ762を有してよい。任意選択的に、ハンドル760は、例えば本願明細書の他の実施形態と同様に、外側及び内側部材720、730の間に、外側部材730及びハンドル760に対して軸線方向に移動する際に内側部材730を案内し得る1以上のシール、ブッシング(図示せず)などを有してよい。
アクチュエータ762はスロット763内で、出口758をシールする図29に示す第1又は近位位置と、図30Bに示すように、出口758を開放する第2又は遠位位置(図示せず)と、の間でスライド移動可能であってよい。
図32を参照すると、図29の装置710とほぼ同様の装置710” (同一の特徴部は同一の参照符号を有するもののその後に”を有する)の別の実施形態が示されている。例えば、装置710”は、前の実施形態と同様に、外側部材720”と、内側部材730”と、バルーン750”と、アクチュエータ762”を有するハンドル760”と、カラー792”及びばね止め755”の間で結合されたばね要素790”と、を有している。任意選択的に、バルーン750”の遠位端754”は、前の実施形態と同様に、出口758”の開放及び/又は閉鎖を容易にするように形作られた及び/又は構成された遠位先端780”を有してよい。
前の実施形態と異なり、円錐頭738”は、(本願明細書で説明した実施形態のいずれかに設けられ得る)傾斜先端739”を有しており、傾斜先端739”は、体の管腔(図示せず)内で装置710”の前進及び/又は他の操作を容易にするために実質的に可撓性を有し、半剛体であってよく又は実質的に剛体であってよい。例えば、傾斜先端739”は、体の管腔内に閉塞又は他の特徴部を横切ることを容易にし得る。閉塞が傾斜先端739”に直面する時、装置710”は、その縦軸線727”回りに回転させられてよく及び/又は遠位に前進させられてよく、傾斜先端739”が閉塞上及び/又は閉塞周りに上がることを可能にして装置710”のさらなる前進を可能にする。
図33A及び図33Bを参照すると、(本願明細書の実施形態のいずれかであり得る)装置710’’’上に設けられた別の代替的な遠位先端739’’’が示されている。概して、装置710’’’は、前の実施形態と同様に、外側部材720’’’と、内側部材730’’’と、バルーン750’’’と、アクチュエータ762’’’を有するハンドル760’’’と、カラー792’’’及びばね止め755’’’の間に結合されたばね要素790’’’と、を有している。任意選択的に、バルーン750’’’の遠位端754’’’は、前の実施形態と同様に、出口758’’’の開放及び/又は閉鎖を容易にするように形作られる及び/又は構成される遠位先端780’’’を有してよい。
前の実施形態と異なり、円錐頭738’’’は、円錐頭738’’’から遠位に延びる(本願明細書で説明した実施形態のいずれか上に設けられ得る)伸展した「J」字形状の又は湾曲した遠位先端739’’’を有している。遠位先端739’’’は、円錐頭738’’’を越えて例えば5mm〜40mmの長さを有してよい。遠位先端739’’’は、例えば図33Bに示すように湾曲形状に偏向されてよいものの、案内ワイヤ699又は他の器具が内側部材730’’’を通って挿入される時に遠位先端739’’’が、図33Aに示すように、少なくとも部分的に真っ直ぐにされ得るように、実質的に可撓性を有してよい。遠位先端739’’’は、曲がりくねった血管又は他の体の管腔(図示せず)を通って装置710’’’を辿るために有用であり得る。
例えば、使用時、装置710’’’は、図33Aに示すように、遠位先端739’’’をほぼ真っ直ぐにし得る案内ワイヤ又は他のレール699上で前進させられてよい。遠位先端739’’’の可撓性のために、装置710’’’は、遠位先端739’’’が案内ワイヤ699を屈曲させずに又は実質的に前進を妨げずに容易に前進させられ得る。しかしながら、装置710’’’が主要な管腔から案内されるべき狭い又は角張った枝状の管腔に直面した時、案内ワイヤ699は、遠位先端739’’’がその「J」字形状又は湾曲形状に向かって弾性的に復帰するように、少なくとも部分的に、すなわち、少なくとも遠位先端739’’’から引き戻されてよい。装置710’’’はその後、標的となる枝状の管腔内に遠位先端739’’’を挿入するために軸線方向に回転させられ及び/又は操作され、及び、その後、枝状の管腔内に遠位先端739’’’を十分に案内するために前進させられてよい。案内ワイヤ699は、患者の体内にさらに装置710’’’を案内するために遠位先端739’’’を通って枝状の管腔内に前進させられてよい。
図34A〜図34Cを参照すると、例えば装置710、710’、710”、又は710’’’といった本願明細書の装置のいずれか上に設けられ得るハンドルの別の実施形態が示されている。例えば、図34Aは、(本願明細書の実施形態のいずれかであってよい)外側部材820に取り付けられたハウジング861を有するハンドル860を具え、これは装置の管腔にアクセスするための1以上のポート864、及び/又は、その異なる作動モードの間で装置を案内するための1以上のアクチュエータ862を有してよい。
例えば、ハンドル860は、前の実施形態と同様に、外側部材820内の環状の第1内腔(図示せず)と連通する第1サイドポート864aを有してよく、及び、ハンドル820に1以上の流体源又は真空源を結合するための例えばルアーロック取付部品といったコネクタを有してよい。さらに、ハンドル860は、内側部材(図示せず)の第2内腔と連通する第2ポート864bを有しており、第2ポート864bは、例えばルアーロック取付部品といったコネクタ、及び/又は、実質的に流体気密シールを維持しつつ第2ポート864bを通じて案内ワイヤ又は他の器具(図示せず)を受け入れることに適し得る例えば止血シールといった1以上のシールを有してよい。
さらに、本願明細書の他の実施形態と同様に、ハンドル860は、例えばバルーン(図示せず)の出口を開放する及び/又は閉鎖するために、内側部材を移動させるために内側部材(図示せず)に結合されたスライダ、親指コントロール、プッシュボタン、又は他のアクチュエータ862を有してよい。図示するように、ハウジング861は、前の実施形態と同様に、出口をシールするためにアクチュエータ762を受け入れる第1又は近位領域と、出口を開放するためにアクチュエータ762を受け入れる第2又は遠位領域と、を有するスロット863を有する。
前の実施形態と異なり、ハンドル860は、例えば典型的なユーザの手と同一の長さ又は手より長い長さを有する比較的に長いハウジング861を有してよい。従って、そうした実施形態は、ハンドル860、及び結果として、ハンドル860が組み込まれた装置を把持すること及び/又は操作することを容易にしてよい。
対照的に、図34Bは、比較的に短い及び/又は小さいハンドル861’を有するハンドル860’の別の実施形態を示している。いくつかの処置は、比較的に狭い作動範囲で実行されてよく、及びその結果、例えば図34Aのハンドル860のようなより長いハンドルによって提供される人間工学の利点よりも小型化が重要であり得る。従って、ハンドル860’は、ハンドル860’の実質的な全長にわたって延びるスロット863’を有してよい。またハンドル860と異なり、図34Bのハンドル860’は、ハウジング861’にほぼ垂直であることに代えて、ハウジング861’から斜めに延びる第1サイドポート864a’を有している。
図34Cは、第1サイドポート864a”が可撓性を有するチューブ865”の長さの端部上に配置される点を除いてハンドル860’と同様のハンドル860”のさらに別の実施形態を示している。こうしたチューブ865”は、例えば第1サイドポート864a”に結合された注射器又は他の注入装置(図示せず)といった流体源の相対位置にさらなる可撓性を提供してよい。さらに、第1サイドポート864a”は、標準的なルアー取付部品の代わりに、例えば米国特許第3,192,949号明細書、第5,390,898号明細書、又は第5,775,671号明細書などに開示されたものといったルアー始動弁を有してよい。こうした弁は、ハンドル860”が組み込まれた装置上のバルーンの用意及び使用を容易にし得る。例えば、外側部材820の第1内腔に沿ってバルーンの内部まで(図示せず)第1サイドポート864a”の間のすべての空気を除去するためにバルーンに経路を用意した後、注射器又は他の注入装置が、第1サイドポート864a”から除去されて再び充填され、又は、装置への空気の再導入の危険がほぼなく第1サイドポート864a”に別の装置が取り付けられる。従って、ユーザは、装置に現在取り付けられているすべての膨張装置及び/又は注入装置を有する必要がないものの、処置中に必要とされるように、様々な装置を取り外して取り付けてよい。
図35を参照すると、前の実施形態とほぼ同様に体の管腔を処置する装置910のさらに別の実施形態が示されている。図示するように、装置910は、前の実施形態とほぼ同様に構成されてよく、外側管状部材920と、内側部材930と、拡張可能なバルーン950と、ハンドル960と、を有している。
外側部材920は、前の実施形態と同様に構成されてよく、近位端(図示せず)と、体の管腔内への導入のためのサイズを有する遠位端924と、近位端及び遠位端924の間で中心縦軸線927に沿って延びる第1内腔926と、を有している。内側部材930は、近位端(図示せず)と、遠位端934と、任意選択的に、例えばそこを通って案内ワイヤ又は他の器具(図示せず)をスライド移動可能に受け入れるサイズを有する第2内腔936と、を有している。内側部材930は、前の実施形態と同様に、例えばそこを通って1以上の流体を流通させるために外側及び内側部材920、930の間に環状空間が画定されるように、外側部材920の第1内腔926内にスライド移動可能に受け入れられるサイズを有している。前の実施形態と同様に、1以上のシール部材、例えば円錐頭938が、弁を提供するために内側部材930の遠位端934上に設けられてよい。
前の実施形態とは異なり、バルーン950は、両方が外側部材920に取り付けられた又は結合された近位端952、954を有している。外側部材920は、内部956が開口929を介して第1内腔926と連通するように、遠位端924に1以上の開口929(1つ図示する)を有している。内側部材930の遠位端934は、出口958が外側及び内側部材920、930の間に環状通路を画定するように、例えば外側部材920の出口958を越えて、外側部材920の遠位端924を通って延びてよい。内側部材930は、前の実施形態と同様に、出口958を実質的にシールするために外側部材920の遠位端924に円錐頭938が部分的に受け入れられる又は係合する第1又は近位位置と、出口958を開放するために外側部材920から円錐頭938が間隔を空けて配置される第2又は遠位位置と、の間で外側部材920に対して移動可能であってよい。
ハンドル960は、例えば外側部材920及び/又は装置910全体を操作するために、外側部材920の近位端上に取り付けられてよく又は設けられてよい。前の実施形態と同様に、ハンドル960は、例えば体の管腔内の閉塞を広げる第1モードと、体の管腔内に流体を注入する第2モードと、の複数のモードで装置910を作動させるためのアクチュエータ(図示せず)を有してよい。例えば、アクチュエータは、円錐頭938が出口958を実質的にシールする第1位置と、出口958が開放される第2位置と、から移動可能であってよい。
円錐頭938が出口958をシールしている状態で、第1内腔926内に導入された流体のいくらかがバルーン950の内部956に流入し、それによって、バルーン950を拡張させる。前の実施形態と異なり、バルーン950の近位端及び遠位端の両方が外側部材920に取り付けられており、バルーン950の長さは、拡張及び/又は折り畳み時に実質的に一定のままであってよい。出口958を開放するために外側部材920から円錐頭938が離れるように案内される状態で、バルーン950は折り畳まれたままであってよく、第1内腔926を通って導入されたいくらかの流体は、装置910が導入される体の管腔内に出口958から流出していく。
図示するように、内側部材930は、前の実施形態と同様に、装置910内に一体的に組み込まれてよい。代替的に、内側部材930は、装置910の他の構成要素から切り離されてよく又は独立していてよい。例えば、一実施形態では、内側部材930は、例えば案内ワイヤ上で又は案内ワイヤに代えて、外側部材920から独立して患者の体内に導入可能であってよい。遠位端934が、患者の体内の所望の位置に位置決めされると、装置910の残りの部分、すなわち、折り畳まれたバルーン950を有する外側部材920が、内側部材930を越えて所望の位置に前進させられてよい。
例えば、患者の体から延びる内側部材930の近位端が出口958を通って積み込まれてよく、及び、内側部材930の近位端がハンドル960内に受け入れられる又はハンドル960から延びるまで外側部材920が前進させられてよい。外側及び内側部材920、930の相対的な長さは、内側部材930の近位端がハンドル960に受け入れられる又はハンドル960から延びる時に出口958が円錐頭938に隣接して配置されるようであってよい。
必要であれば、ハンドル960は、外側部材920が内側部材930を越えて十分に前進させられると、ハンドル960上のプッシュボタン、親指コントロール、又は他のアクチュエータ(図示せず)に内側部材930を係合させるために始動され得る結合器(図示せず)を有してよい。従って、結果として、アクチュエータは、出口958をシールする又は開放するために外側部材920に対して軸線方向に内側部材930及び円錐頭938を案内するために始動されてよい。本願明細書の他の箇所で説明した他の実施形態は、例えば装置の外側部材及び/又は他の構成要素から独立した内側部材を備えるような方法で、切り離されてよいことが理解されよう。
任意選択的に、独立した内側部材930は、円錐頭938に隣接して出口958を配置するために外側部材920が十分に前進させられたことの確認をユーザに提供し得る1以上のマーカー又は他の視覚インジケータ(図示せず)を有してよい。例えば、マーカーは、内側部材930の近位端がハンドル960から延びる時に見える内側部材930の近位端上に設けられてよく、それによって、円錐頭938が出口958をシールする又は出口958に隣接することの視覚表示を提供する。追加として又は代替として、外側部材920は、遠位端924が円錐頭938と接触する又は係合するまで前進させられてよく、円錐頭938が出口958をシールする又は開放するために使用されてよいことの触覚のフィードバックを提供し得る。
外側部材920が内側部材930を越えて前進させられた状態で、出口958は開放されてよく、例えば所望の位置を画像化することを容易にするための造影剤又は1以上の診断剤及び/又は治療剤といった流体が所望の位置に運搬されてよい。バルーン950を拡張させることが必要であれば、上述の方法と同様に、例えば所望の位置で狭窄又は他の障害を広げるために、出口958をシールするために円錐頭938が近位に案内されてよく、バルーン950を膨張させるために流体が運搬されてよい。所望の位置を処置した後、装置910は、別の位置に案内されてよく、又は、患者の体から除去されてよい。例えば、外側及び内側部材920、930はともに除去されてよく、又は、(例えば、ともに結合されている場合には内側部材930を越えて外側部材920を前進させた後、内側部材930から外側部材920を切り離した後に)外側部材920が最初に除去されてよい。
図36〜図37Cを参照すると、上述の他の装置とほぼ同様に構成され得る、体の管腔を処置する装置1010のさらに別の実施形態が示されており、外側管状部材1020と、内側部材1030と、内側部材1030によって運ばれる拡張可能なバルーン1050と、を有している。前の実施形態と同様に、装置1010は、本願明細書の他の箇所で説明した他の実施形態と同様に、例えば物質を除去する、体の管腔を広げる又は処置するためにバルーン1050を拡張させる第1モードと、体の管腔内に流体を運搬する第2モードと、の複数のモードで作動可能であってよい。前の実施形態と異なり、装置1010は、バルーン1050に対して遠位であることに代えて、バルーン1050に対して近位の出口及び弁を有している。
概して、外側部材1020は、近位端(図示せず)と、体の管腔内への導入のためのサイズを有する遠位端1024と、近位端及び遠位端1024の出口1027の間で延びる第1内腔1026と、を有している。内側部材1030は、近位端(図示せず)と、遠位端1034と、を有しており、及び、任意選択的に、例えばそこを通って案内ワイヤ又は他の器具(図示せず)をスライド移動可能に受け入れるサイズを有し得る遠位先端1035内に、近位端及び出口(図示せず)の間で延びる第2内腔(図示せず)を備えてよい。本願明細書の他の実施形態と同様に、異なるモードの間で装置1010を案内するために外側部材1020に対して軸線方向に内側部材1030を案内するために内側部材1020に結合されたアクチュエータ(図示せず)を有するハンドル(図示せず)が外側部材1020の近位端上に設けられてよい。
バルーン1050は、例えば遠位先端1035に隣接して内側部材1030に結合された遠位端1052と、遠位先端1035に近位で内側部材1030の遠位端1034に結合された近位端1052と、内部1056と、を有している。バルーン1050は、本願明細書の他の実施形態と同様に、例えば柔軟な又は半柔軟なバルーンを提供するために弾性材料から形成されてよく、又は、非柔軟なバルーンを提供するために、実質的に非弾性材料から形成されてよい。
図37A及び図37Bで最もよく見えるように、バルーン1050の近位端1052に隣接して内側部材1032の遠位端1034上にシール部材1038が設けられてよい。例えば、図示するように、シール部材1038は、内側部材1030の外面に取り付けられてよく、及び、バルーン1050の近位端1052がシール部材1038に取り付けられてよい。図示するように、バルーン1050の近位端1052は、シール部材1038を少なくとも部分的に越えて延び、例えば接着剤による接合、超音波溶接、融解、締まり嵌め、外部カラー(図示せず)などによって、シール部材1038に取り付けられてよい。従って、バルーン1050の近位端1052は、シール部材1038によって実質的に流体気密シールを有してよい。バルーン1050の遠位端1054は、例えば同様の材料及び/又は方法を使用して内側部材1030に直接的に取り付けられてよい。
シール部材1038は、以下にさらに説明するように、例えばシール部材1038が外側部材1020の出口1027を実質的にシールし得るように外側部材1020の内腔1026の内径よりも大きいサイズ、例えば外径を有してよい。任意選択的に、シール部材1038は、外側部材1020の出口1027とのシール部材1038による着座又は他の係合を容易にするために、テーパ形状、例えばテーパ形状の近位端1038aを有してよい。シール部材1038は、本願明細書の他の実施形態と同様に、出口1027を実質的にシールするために、例えば外側部材1020の遠位端1024との係合を向上させ得る可撓性材料から形成されてよい。
図37Cで最もよく見えるように、シール部材1038は、シール部材1038の近位端1038a及び遠位端1038bの間でほぼ縦方向に延びる1以上の通路1039を有してよい。通路1039は、環状通路を有してよく、又は、シール部材1038に形成された複数の通路を有してよい。例えば、シール部材1038は、その内壁に形成された1以上の縦溝を得得するチューブの長さとして設けられてよい。シール部材1038は、内側部材1030に取り付けられており、又は、内側部材1030周りに配置されており、溝は、内側部材1030の外壁に沿って延びてよく、それによって、通路1039をともに画定する。代替的に、通路1039を提供するためにチューブの壁内に、囲い内腔が形成されてよい。
組立時、シール部材1038は、遠位端1034上の所望の位置で内側部材1030周りに配置されてよく、例えば接着剤による接合、超音波溶接、融解などによってそこに取り付けられてよい。バルーン1050の近位端1052は、シール部材1038を部分的に越えて位置決めされてよく、そこに取り付けられてよい。従って、通路1039は、シール部材1038の近位端1038aの外側からバルーン1050の内部1056に連通してよい。バルーン1050の遠位端1054は、内側部材1030の遠位端1034に取り付けられてよい。結果として、バルーン1050の内部1056は、シール部材1038を通じて通路1039以外で実質的にシールされてよい。
外側部材1020は、本願明細書の他の実施形態と同様に、内側部材1030周りに位置決めされてよく、ハンドル及びアクチュエータは外側及び内側部材1020、1030に結合されてよい。装置1010は、装置1010が導入される体の管腔(図示せず)内に流体を運搬する第1モードと、バルーン1050を膨張させる第2モードと、で作動されてよい。例えば、内側部材1030は、シール部材1038が外側部材1020の出口1027から間隔を空けて配置される図37Aに示す第1又は遠位位置と、シール部材1038が出口1027に対して及び/又は出口1027内で部分的に着座する図37Bに示す第2又は近位位置と、の間で移動可能であってよい。第1位置では、外側部材1020の内腔1026を通って運搬された流体が出口1027から流出して、バルーン1050の近位で体の管腔に流入する。第2位置では、内腔1026を通って運搬された流体は、シール部材1038内の通路1039を通ってバルーン1050の内部1056内に流入し、それによってバルーン1050を膨張させる。
使用時、装置1010は、例えば本願明細書の他の実施形態と同様の方法を使用して、体の管腔(図示せず)内に導入されてよい。装置1010は、シール部材1038が出口1027内に着座するように近位位置に内側部材1030を備えてよい。このことは、(出口1027をシールすることに加えて)外側部材1020の遠位端1024のための実質的に平滑な移行を提供してよく、そのことが、例えば装置1010が曲がりくねった生体構造を通って前進する時に、例えば体の管腔の壁を損傷させる危険を最小にして装置1010の前進を容易にし得る。代替的に、装置1010は、遠位位置に内側部材1030とともに導入されてよい。
いつでも、例えば蛍光透視法又は他の外部画像化を容易にする造影剤といった流体を体の管腔内に運搬することが必要とされる場合には、内側部材1030は、外側部材1020の遠位端1024からシール部材1038を間隔を空けて出口1027(図37A)を開放するために遠位又は第1位置に案内されてよい。流体は、外側部材の内腔1026を通って運搬されて体の管腔内へ出口1027から流出していく。出口1027はシール部材1038から間隔を空けて配置されているので、流体の実質的にすべてが、体の管腔内に注入され、通路1039を通ってバルーン1050内に流入しない。
バルーン1050を拡張させることが必要な時、内側部材1030は、外側部材1020の出口1027内に少なくとも部分的にシール部材1038を着座させるために近位又は第2位置に案内されてよい(図37B)。シール部材1038は、その後の流体の運搬がバルーン1050の内部内にシール部材1038の通路1039を通って流体を注入して、それによってバルーン1050を膨張させるように、外側部材1020の遠位端1024への実質的な流体気密シールを提供してよい。バルーン1050が膨張させられた後、例えば物質を除去する、閉塞を広げる、及び/又は、体の管腔を処置するために、内部1056から通路1039及び内腔1026を通って流体が吸引されてよい。代替的に、内側部材1030は、シール部材1038との係合を解除して出口1026を開放するために第1位置に向かって案内されてよい。バルーン1050内の流体は、通路1039を通って体の管腔内に自由に逃げてよく、及び、バルーン1050をすぼませてよい。
任意選択的に、必要であれば、いくらかの流体が通路1039に流入してバルーン1050を拡張する一方で残った流体が体の管腔内に運搬されるように、出口1026から運搬された流体が分割され得る中間位置、すなわち、第1及び第2位置の間の中間位置に内側部材1030が位置決めされてよい。膨張と体の管腔内への流体の運搬との相対量が、出口1027に近くで又は出口1027からさらに遠くにシール部材1038を移動させるために近位に又は遠位に内側部材1030を単に案内することによって、必要に応じて調節されてよい。この処置は、バルーン1050の膨張及び/又は位置をモニタするため、及び/又は、バルーン1050が配置される周囲脈管構造をモニタするため、例えば流体が放射線不透過性造影剤を含む場合に、外部画像化を使用して実現されてよい。
別の選択肢では、装置1010は、出口1027を使用して流体を運搬して吸引するために使用されてよい。例えば、ユーザは、装置1010を使用して、体の管腔内で1以上の診断剤及び/又は治療剤を運搬して除去することを求め得る。一例では、造影染料、又は、画像化を容易にする他の材料が、(遠位位置の内側部材1030及びシール部材1038とともに)出口1027から体の管腔内に運搬されてよく、体の管腔内に残った又は患者の体の他の位置に移行する造影剤の量を減少させるために出口1027内に吸引して戻されてよい。
別の例では、例えば、体の管腔内の凝血塊又は他の物質を破壊するために細胞溶解剤が体の管腔内に運搬されてよく、その後、遊離した物質が、出口1027内へ内腔1026を通って吸引されてよく、そのことが、出血の危険性、又は、患者の体に全身的に細胞溶解剤を露出させる危険性を低減させ得る。出口1027は、溶剤によって溶解しない又は破壊されない及び/又は体の管腔内で遊離している血栓又は他の物質の小片を吸引するために使用されてもよい。こうした処置中、1以上の溶剤が運搬されて吸引される間に体の管腔を流通する流れを止める又は減少させるために、例えば内側部材1030を中間位置に案内することによって、バルーン1050が少なくとも部分的に膨張させられてよく、そのことが、体の管腔内に運搬された溶剤に他の位置が曝されることを減少させ得る。
図38を参照すると、図36〜図37Cの装置1010と同様の装置1010’の代替の実施形態が示されている。装置1010’は、装置1010と同様に、外側部材1020’と、内側部材1030’と、バルーン1050’と、シール部材1038’と、を有している。装置1010’は、装置1010と同様に、第1又は遠位位置及び第2又は近位位置の間で内側部材1030’を案内することによって第1及び第2モードで作動可能であってよい。
さらに、しかしながら、装置1010’は、第1及び第2位置のいずれかに内側部材1030’を付勢するために内側及び外側部材1030’、1020’の間で結合されるばね又は他の付勢機構1090’を有している。例えば、図示するように、ばね1090’は、装置1010’の出口1027’が、通常通り閉鎖されるように及び/又は出口1027’内へのシール部材1038’の着座を容易にするように、近位位置に内側部材1030’に付勢してよい。付勢力は、シール部材1038’を退かせて出口1027’を開放するために内側部材1030’を遠位に案内することによって克服されてよい。
図示するように、ばね1090’は、外側部材1020’の遠位端1024’に取り付けられる又は結合される第1端1092’と、内側部材1030’の遠位端1034’及び/又はシール部材1038’に取り付けられる又は結合される第2端1094’と、を有している。図示するように、ばね1090’の第2端1094’は、シール部材1038’及び内側部材1030’の間に取り付けられてよく、又は、シール部材1038’に取り付けられてよい一方で、シール部材1038’を通って延びる通路1039’を依然として収容する。例示の実施形態では、ばね1090’の端部1092’、1094’は、接着剤による接合、超音波溶接、融解、締まり嵌め、1以上のコネクタ(図示せず)などによって内側及び外側部材1030’、1020’に取り付けられてよい。
ばね1090’及び内側部材1030’の相対径は、ばね1090’の過度の伸展の危険性を低減させるように設定されてよい。例えば、ばね1090’は、内側部材1030’が近位位置にある時にゆるめられ又はわずかなテンションを受け、及び、内側部材1030’が遠位に案内される時に大きなテンションを受けて配置されてよい。ばね1090’がより大きなテンションの下で配置される際、ばね1090’の径は減少し、それによって、ばね1090’及び内側部材1030’の間の摩擦を増大させる。この摩擦の増大は、ばね1090’を過度に伸展させる危険性を減少させ、ばね1090’を弾性的に変形させ得る又は近位位置に向かって近位に内側部材1030’を付勢することをばね1090’が防止し得る。
図39を参照すると、図38の装置1010’と同様の装置1010”のさらに別の代替の実施形態が示されている。装置1010”は、装置1010’と同様に、外側部材1020”と、内側部材1030”と、バルーン1050”と、シール部材1038”と、ばね1090”と、を有している。装置1010”は、装置1010、1010’と同様に、第1又は遠位位置と第2又は近位位置との間で内側部材1030”を案内することによって第1及び第2モードで作動可能であってよい。
さらに、装置1010”は、本願明細書の他の実施形態と同様に、拡張螺旋形状まで拡張され得るバルーン1050”内に螺旋部材1070”を有している。例えば、螺旋部材1070”は、外側部材1020”に結合された第1又は近位端(図示せず)と、バルーン1050”の遠位端1054”に隣接して、内側部材1030”に結合された第2又は遠位端1074”と、を有してよい。従って、装置1010”は、第2位置から、螺旋部材1070”が軸線方向に圧縮されて半径方向に拡張される第3位置に近位に内側部材1030”を案内することによって、第3モードで作動されてもよい。バルーン1050”は、本願明細書の他の実施形態と同様に、螺旋部材1070”が拡張される一方で折り畳まれたままであってよく、又は、螺旋部材1070”が拡張された後に膨張させられてその後に折り畳まれ得てよい。
螺旋部材1070”及びバルーン1050”が、拡張螺旋形状で物質を除去するために使用された後に、内側部材1030”は、内側部材1030”周りにその原形の収縮形状に螺旋部材1070”を復帰させるために遠位に案内されてよい。この動作は、ばね1090”を伸展させて出口1027”を開放する。しかしながら、上述したように、ばね1090”及び内側部材1030”の相対サイズは、ばね1090”が、伸展して内側部材1030”に摩擦によって係合する際に圧縮するようであってよく、それによって、内側部材1030”が遠位に案内される一方でばね1090”の過度の伸展の危険性を低減させる。
本願明細書の任意の実施形態によって示された要素又は構成要素は、具体的な実施形態のための例示であって、本願明細書に開示された他の実施形態で使用されてよく、又は、他の実施形態と組み合わせて使用されてよいことが理解されよう。
本発明は様々な変形を受け入れることが可能である一方で、代替の形態、その具体例が、図面に示されており、本願明細書で詳細に説明されている。しかしながら、本発明は、開示された特定の形態又は方法に限定されないものの、それとは反対に、本発明は、添付の特許請求の範囲内にあるすべての変形物、均等物、及び代替物をカバーすることが理解されるべきである。