(第1の実施形態)
以下、本発明の制御装置の第1の実施形態である車両用制御装置を、図1〜図8を参照して説明する。
第1の実施形態の車両用制御装置(図中、符号1で示す)は、車両のインスツルメントパネルなどに設けられた、例えば、エアコン操作スイッチ、ドアミラー開閉スイッチ、ハザードランプスイッチ、などの各種操作スイッチが接続されるとともに、それらの開閉状態を検出して、各操作スイッチに対応する負荷部に対して制御信号を送出するものである。
この車両用制御装置1には、車両に搭載されたバッテリの電圧から所定の直流電圧を生成する電源回路(図示なし)の正極である電源端子V(即ち、直流電源の正極側)と負極であるグランド端子G(即ち、直流電源の負極側)とが接続されている。本実施形態において、電源端子Vの電圧は、電源電圧Vcc(例えば、5V)となり、グランド端子Gの電圧は、グランド電圧GND(例えば、0V)となっている。
また、この車両用制御装置1には、ハイサイド操作スイッチ91及びローサイド操作スイッチ92のいずれか一方が接続される。ハイサイド操作スイッチ91は、例えば、ドアミラー開閉スイッチなどとして設けられたラッチ型の押しボタンスイッチであり、その一方の端子91aが、電源端子Vに接続されており、その他方の端子91bが後述の入力端子10に接続される。ローサイド操作スイッチ92は、例えば、ハザードランプスイッチなどとして設けられたラッチ型の押しボタンスイッチであり、その一方の端子92aがグランド端子Gに接続されており、その他方の端子92bが入力端子10に接続される。なお、ラッチ型の押しボタンスイッチとは、開状態においてボタンを押すと閉状態となってその状態を維持し、そして、閉状態においてボタンを押すと開状態となってその状態を維持するように構成されたスイッチである。勿論、ハイサイド操作スイッチ91及びローサイド操作スイッチ92は、上記ラッチ型の押しボタンスイッチに限定するものではなく、例えば、スライドスイッチやトグルスイッチなど、本発明の目的に反しない限り、操作スイッチの種類は任意である。
このような操作スイッチは、閉状態において電源端子V又はグランド端子Gに接続されるので、閉状態では開状態より多くの電流が流れ、そのため、閉状態より開状態にある時間が長くなるようにすることで省電力化できる。例えば、電動ドアミラーでは、走行中などの電動ドアミラーを開いている時間より、駐車中などの電動ドアミラーを閉じている時間の方が長く、そのため、車両用制御装置1は、ドアミラー開閉スイッチが閉状態のときに電動ドアミラーを開き、開状態のときに電動ドアミラーを閉じるように構成されている。また、ハザードランプでは、それが点滅している時間より、消灯している時間の方が長く、そのため、車両用制御装置1は、ハザードランプスイッチが閉状態のときにハザードランプを点滅させ、開状態のときにハザードランプを消灯させるように構成されている。
車両用制御装置1は、図1に示すように、入力端子10と、入力信号線11と、出力端子12と、出力信号線13と、正極側接続回路21と、負極側接続回路31と、制御ユニット(MCU)41と、メモリ51と、を備えている。なお、図1において、説明の便宜上、ハイサイド操作スイッチ91とローサイド操作スイッチ92とを両方記載しているが、実際の構成では、いずれか一方の操作スイッチのみが、車両用制御装置1に接続される。
また、車両用制御装置1は、それぞれ図示しない箱形のケースと、当該ケースに収容された回路基板とを有している。この回路基板には、正極側接続回路21、負極側接続回路31、MCU41、メモリ51などが実装されており、配線パターンによって互いに接続されている。さらに、回路基板には、図示しないコネクタソケットがその嵌合部を上記ケースの外部に露出するように設けられている。また、回路基板において、電源端子Vが直接接続された端子(配線パターン含む)についても電源端子Vと呼び、同様に、グランド端子Gが直接接続された端子についてもグランド端子Gと呼ぶ。
入力端子10は、上記コネクタソケットが備える端子金具である。この入力端子10は、複数の電線からなるワイヤハーネス61に設けられたコネクタプラグが上記コネクタソケットに嵌合されることによって、このワイヤハーネス61を介して、操作スイッチの他方の端子、即ち、ハイサイド操作スイッチ91の他方の端子91b又はローサイド操作スイッチ92の他方の端子92bに接続される。
入力信号線11は、上記回路基板に設けられた配線パターンである。この入力信号線11は、入力端子10と後述するMCU41の入力ポートP1とを接続している。
出力端子12は、入力端子10と同様に、上記コネクタソケットが備える端子金具である。なお、各図において、入力端子10と出力端子12とは離れて記載されているが、これら端子は、実際には1つのコネクタソケットに収容されている。この出力端子12は、ワイヤハーネス61を介して、例えば、電動ドアミラーやハザードランプなどの図示しない負荷部や他の電子制御装置(ECU)に接続される。
出力信号線13は、上記回路基板に設けられた配線パターンである。この出力信号線13は、出力端子12と後述するMCU41の通信インタフェース(I/F)とを接続している。
正極側接続回路21は、正極側定電流手段としての正極側抵抗器21aと、それに直列に接続された正極側開閉手段としてのNPN型の正極側トランジスタ21bと、で構成されている。正極側抵抗器21aは、一方の端子が電源端子Vに接続されており、他方の端子が正極側トランジスタ21bのコレクタ端子に接続されている。正極側トランジスタ21bは、エミッタ端子が入力信号線11に接続されており、ベース端子が図示しない電流制限抵抗を介してMCU41の出力ポートP21に接続されており、コレクタ端子が上述のように正極側抵抗器21aの他方の端子に接続されている。正極側トランジスタ21bは、そのベース端子に入力される電流に応じてコレクタ端子−エミッタ端子間を通電又は断絶する。
即ち、正極側トランジスタ21bは、入力信号線11に正極側抵抗器21aを介して電源端子Vを接続する正極側開閉手段として機能し、正極側トランジスタ21bによって電源端子Vと入力信号線11とが接続されると、電源電圧Vccと正極側抵抗器21aの抵抗値により定まる所定量の電流が通電可能となる。つまり、正極側接続回路21は、電源端子Vと入力信号線11との間にそれらを接続可能に設けられ、それらが接続されたときに所定量の電流を通電可能に構成されている。
負極側接続回路31は、負極側定電流手段としての負極側抵抗器31aと、それに直列に接続された負極側開閉手段としてのNPN型の負極側トランジスタ31bと、で構成されている。負極側抵抗器31aは、一方の端子が入力信号線11に接続されており、他方の端子が負極側トランジスタ31bのコレクタ端子に接続されている。負極側トランジスタ31bは、エミッタ端子がグランド端子Gに接続されており、ベース端子が図示しない電流制限抵抗を介してMCU41の出力ポートP31に接続されており、コレクタ端子が上述のように負極側抵抗器31aの他方の端子に接続されている。負極側トランジスタ31bは、そのベース端子に入力される電流に応じてコレクタ端子−エミッタ端子間を通電又は断絶する。
即ち、負極側トランジスタ31bは、入力信号線11に負極側抵抗器31aを介してグランド端子Gを接続する負極側開閉手段として機能し、負極側トランジスタ31bによってグランド端子Gと入力信号線11とが接続されると、電源電圧Vccと負極側抵抗器31aの抵抗値により定まる所定量の電流が通電可能となる。つまり、負極側接続回路31は、グランド端子Gと入力信号線11との間にそれらを接続可能に設けられ、それらが接続されたときに所定量の電流を通電可能に構成されている。
本実施形態において、正極側抵抗器21aの抵抗値は1kΩ、負極側抵抗器31aの抵抗値は1kΩに設定されている。これにより、電源電圧Vccが5Vの場合、正極側接続回路21には、5mAまでの電流が通電可能となり、負極側接続回路31には、5mAまでの電流が通電可能となる。これら正極側抵抗器21aの抵抗値、及び、負極側抵抗器31aの抵抗値は、車両用制御装置1に接続される操作スイッチの定格電流値に応じた所定量の電流がこれら抵抗器21a、31aに通電されるように設定される。勿論、各抵抗器の抵抗値は、これら以外の値に設定されていてもよい。また、正極側抵抗器21aの抵抗値と負極側抵抗器31aの抵抗値とが互いに異なる値に設定されていてもよい。
MCU41は、周知の組込用途のマイクロコンピュータ等で構成されており、車両用制御装置1全体の制御を司る。このMCU41は、それぞれ図示しない、予め定められたプログラムに従って各種の処理や制御などを行う中央演算処理装置(CPU)、CPUのための処理プログラムや各種情報等を格納した読み出し専用のメモリであるROM、各種のデータを格納するとともにCPUの処理作業に必要なエリアを有する読み出し書き込み自在のメモリであるRAM、経過時間等を計測するためのタイマ等を有している。
また、MCU41には、CPUからアクセス可能なように、外部に設けられた記憶手段としてのメモリが接続されるメモリインタフェースMが設けられている。このメモリインタフェースMには、後述するメモリ51が接続されている。
また、MCU41には、電源端子Vの電圧レベル(即ち、電源電圧Vccであり、以下、Hレベルという)及びグランド端子Gの電圧レベル(即ち、グランド電圧GNDであり、以下、Lレベルという)の信号が入力される入力ポートP1が設けられている。CPUは、この入力ポートP1に入力された電圧レベルを検出する。
また、MCU41には、CPUからの制御によってHレベルの信号及びLレベルの信号が出力可能な6つの出力ポートP21〜P23、P31〜P33が設けられている。なお、第1の実施形態おいては、出力ポートP21、P31のみ使用されており、これら以外の未使用の出力ポートP22、P23、P32、P33の記載は省略している。
CPUは、出力ポートP21からHレベルの信号を出力することにより、正極側トランジスタ21bのベース端子に電流が流れて、コレクタ端子−エミッタ端子間が通電され、Lレベルの信号を出力することにより、ベース端子に電流が流れず、コレクタ端子−エミッタ端子間が断絶される。即ち、CPUは、出力ポートP21から出力する信号によって、正極側トランジスタ21bを開路又は閉路するように制御する。また、同様に、CPUは、出力ポートP31から出力する信号によって、負極側トランジスタ31bを開路又は閉路するように制御する。
また、MCU41には、各負荷部や他ECUとの間で制御信号などの通信を行うための通信インタフェースCが設けられている。CPUは、この通信インタフェースCを通じて、各負荷部や他ECUとの通信を行う。
また、図示はしていないが、MCU41には、車両のイグニッションスイッチの状態を示す信号が入力されている。そして、CPUはこのイグニッションスイッチの状態を検出して、その状態がオン状態のとき車両用制御装置1を通常動作状態とし、オフ状態のとき省電力動作状態とする。
メモリ51は、電気的消去/書き換え可能な読み出し専用のメモリであり、例えば、EEPROM(Electrically Erasable ROM)やフラッシュメモリが用いられている。このメモリ51には、車両用制御装置1の入力端子10に接続される操作スイッチの種別を示す種別情報などの各種情報が格納されている。この種別情報は、操作スイッチの種別が、ハイサイド操作スイッチ及びローサイド操作スイッチのいずれであるかを示している。この種別情報は、例えば、車両用制御装置1の製造時や車両への組み込み時などにおいて、保守用端末などによってメモリ51に書き込まれる。または、通信インタフェースCを介して接続される他ECUからの通信信号によって種別情報を変更可能としてもよい。メモリ51は、請求項中のスイッチ種別記憶手段に相当する。また、メモリ51には、後述する通電周期Tも格納されている。
本実施形態において、上述した正極側接続回路21と、負極側接続回路31と、制御ユニット(MCU)41と、メモリ51と、は、それぞれ別々の電子部品で構成されているが、これに限定されるものではなく、これらの構成を1チップに集積化したASIC(Application Specific Integrated Circuit)などを用いてもよい。
次に、上述したMCU41のCPUが実行する本発明に係る処理(スイッチ状態検出処理)の一例を、図2〜図4のフローチャートを参照して説明する。
この車両用制御装置1は、車両に組み付けられるときに、入力端子10に接続された操作スイッチの種別を示す種別情報がメモリ51に書き込まれる。そして、車両用制御装置1は、車両に組み付けられて電源回路から電源が供給されると、MCU41(CPU)が動作を開始して、スイッチ状態検出処理が繰り返し実行される。
スイッチ状態検出処理において、タイマから経過時間を取得して(S110)、この経過時間が、所定の通電周期T(例えば、0.5秒)に達するまで経過時間取得を繰り返し(S120でN)、通電周期Tに達すると(S120でY)、経過時間をリセットしたのちメモリ51に記憶されている種別情報を読み出して(S130)、入力端子10に接続された操作スイッチの種別を判定する(S140)。
そして、種別情報がハイサイド操作スイッチを示すものであると判定されたとき(S140でY)、正極側接続回路21に接続された出力ポートP21からLレベルの信号を出力し(S150)、負極側接続回路31に接続された出力ポートP31からHレベルの信号を出力する(S160)。これにより、正極側トランジスタ21bのコレクタ端子−エミッタ端子間が断絶されて、電源端子Vと入力信号線11とが切断され、かつ、負極側トランジスタ31bのコレクタ端子−エミッタ端子間が通電されて、入力信号線11が負極側抵抗器31aでプルダウンされてグランド端子Gと接続された状態になる。この状態を、図6に模式的に示す。図6及び図7において、細い点線で記載された部分は、存在していない、又は、存在していないのと同等の状態にあることを表している。
この状態のときに、入力ポートP1に入力されている入力信号線11の電圧レベルを検出する(S170)。そして、負極側接続回路31に接続された出力ポートP31からLレベルの信号を出力する(S180)。これにより、負極側トランジスタ31bのコレクタ端子−エミッタ端子間が断絶される。つまり、負極側トランジスタ31bのコレクタ端子−エミッタ端子間は断続的に通電されるように制御され、換言すると、負極側トランジスタ31bは断続的に閉路されるように制御される。なお、本実施形態において、入力信号線11の電圧レベルが安定した状態で当該電圧レベルを検出するようにするために、ステップS160で出力ポートP31からHレベルの信号を出力したあとにステップS180でLレベルの信号を出力するまで所定期間(例えば、0.1秒)を設けており、即ち、Hレベルの信号を所定期間出力するようにしており、さらに、ステップS180で出力ポートP31からLレベルの信号を出力する直前にステップS170で入力信号線11の電圧レベルを検出するようにしている。
そして、検出した入力ポートP1の電圧レベルがHレベルだったとき(S190でY)、ハイサイド操作スイッチが閉状態(オン状態)であることを検出して、このオン状態に応じた制御信号を生成し、通信インタフェースC、出力信号線13、及び、出力端子12を順次通じて、ワイヤハーネス61に接続された負荷部に送信する(S200)。これにより、負荷部は制御信号に応じた動作を行う。そして、本フローチャートの処理を終了し、再度、始めから上記処理を実行する。
または、検出した入力ポートP1の電圧レベルがLレベルだったとき(S190でN)、ハイサイド操作スイッチが開状態(オフ状態)であることを検出して、このオフ状態に応じた制御信号を生成し、通信インタフェースC、出力信号線13、及び、出力端子12を順次通じて、ワイヤハーネス61に接続された負荷部に送信する(S210)。これにより、負荷部は制御信号に応じた動作を行う。そして、本フローチャートの処理を終了し、再度、始めから上記処理を実行する。
また、種別情報がローサイド操作スイッチを示すものであると判定されたとき(S140でN)、負極側接続回路31に接続された出力ポートP31からLレベルの信号を出力し(S220)、正極側接続回路21に接続された出力ポートP21からHレベルの信号を出力する(S230)。これにより、負極側トランジスタ31bのコレクタ端子−エミッタ端子間が断絶されて、グランド端子Gと入力信号線11とが切断され、かつ、正極側トランジスタ21bのコレクタ端子−エミッタ端子間が通電されて、入力信号線11が正極側抵抗器21aでプルアップされて電源端子Vと接続された状態になる。この状態を、図7に模式的に示す。
この状態のときに、入力ポートP1に入力されている入力信号線11の電圧レベルを検出する(S240)。そして、正極側接続回路21に接続された出力ポートP21からLレベルの信号を出力する(S250)。これにより、正極側トランジスタ21bのコレクタ端子−エミッタ端子間が断絶される。つまり、正極側トランジスタ21bのコレクタ端子−エミッタ端子間は断続的に通電されるように制御され、換言すると、正極側トランジスタ21bは断続的に閉路されるように制御される。なお、本実施形態において、入力信号線11の電圧レベルが安定した状態で当該電圧レベルを検出するようにするために、ステップS230で出力ポートP21からHレベルの信号を出力したあとにステップS250でLレベルの信号を出力するまで所定期間(例えば、0.1秒)を設けており、即ち、Hレベルの信号を所定期間出力するようにしており、さらに、ステップS250で出力ポートP21からLレベルの信号を出力する直前にステップS240で入力信号線11の電圧レベルを検出するようにしている。
そして、検出した入力ポートP1の電圧レベルがLレベルだったとき(S260でY)、ローサイド操作スイッチが閉状態(オン状態)であることを検出して、このオン状態に応じた制御信号を生成し、通信インタフェースC、出力信号線13、及び、出力端子12を順次通じて、ワイヤハーネス61に接続された負荷部に送信する(S270)。これにより、負荷部は制御信号に応じた動作を行う。そして、本フローチャートの処理を終了し、再度、始めから上記処理を実行する。
または、検出した入力ポートP1の電圧レベルがHレベルだったとき(S260でN)、ローサイド操作スイッチが開状態(オフ状態)であることを検出して、このオフ状態に応じた制御信号を生成し、通信インタフェースC、出力信号線13、及び、出力端子12を順次通じて、ワイヤハーネス61に接続された負荷部に送信する(S280)。これにより、負荷部は制御信号に応じた動作を行う。そして、本フローチャートの処理を終了し、再度、始めから上記処理を実行する。
上述したスイッチ状態検出処理を繰り返し実行することにより、種別情報がハイサイド操作スイッチを示すものであるときは、図5(a)に概略イメージを示すように、出力ポートP21からLレベルの信号を連続して出力し、出力ポートP31から通電周期Tのパルス信号を出力する。また、種別情報がローサイド操作スイッチを示すものであるときは、図5(b)に概略イメージを示すように、出力ポートP31からLレベルの信号を連続して出力し、出力ポートP21から通電周期Tのパルス信号を出力する。
上述したステップS190、S260が、請求項中のスイッチ状態検出手段に相当し、ステップS160、S230が、請求項中の接続制御手段に相当する。また、入力端子10、入力信号線11、正極側接続回路21、負極側接続回路31、MCU41、及び、メモリ51、により、請求項中のスイッチ状態検出装置を構成する。
次に、上述した車両用制御装置1における動作の一例を示す。
例えば、車両用制御装置1にドアミラー開閉スイッチとしてのハイサイド操作スイッチ91が接続される場合、車両用制御装置1のメモリ51には、種別情報としてハイサイド操作スイッチを示す情報が記憶される。そして、車両用制御装置1は、この種別情報に基づき、負極側接続回路31によって入力信号線11をグランド端子Gに所定の通電周期Tで断続的に接続するとともに、この接続と同期して入力信号線11の電圧レベルを検出する。そして、入力信号線11がHレベルであることを検出したとき、ドアミラー開閉スイッチがオン状態であるものとして、オン状態に応じた制御信号をドアミラーに送信し、ドアミラーは、この制御信号を受信したときに閉じた状態であれば、それを開くように動作する。また、入力信号線11がLレベルであることを検出したとき、ドアミラー開閉スイッチがオフ状態であるものとして、オフ状態に応じた制御信号をドアミラーに送信し、ドアミラーは、この制御信号を受信したときに開いた状態であれば、それを閉じるように動作する。
または、車両用制御装置1にハザードランプスイッチとしてのローサイド操作スイッチ92が接続される場合、車両用制御装置1のメモリ51には、種別情報としてローサイド操作スイッチを示す情報が記憶される。そして、車両用制御装置1は、この種別情報に基づき、正極側接続回路21によって入力信号線11を電源端子Vに所定の通電周期Tで断続的に接続するとともに、この接続と同期して入力信号線11の電圧レベルを検出する。そして、入力信号線11がLレベルであることを検出したとき、ハザードランプスイッチがオン状態であるものとして、オン状態に応じた制御信号をハザードランプに送信し、ハザードランプは、この制御信号を受信したときに消灯状態であれば、それを点滅するように動作する。また、入力信号線11がHレベルであることを検出したとき、ハザードランプスイッチがオフ状態であるものとして、オフ状態に応じた制御信号をハザードランプに送信し、ハザードランプは、この制御信号を受信したときに点滅状態であれば、それを消灯するように動作する。
以上より、本実施形態によれば、所定量の電流を通電可能な負極側抵抗器31aと、この負極側抵抗器31aと直列に接続されて外部からの制御に基づいて断絶(開路)又は通電(閉路)する負極側トランジスタ31bと、を有する負極側接続回路31が、グランド端子Gと入力信号線11との間に接続されて設けられているので、この負極側接続回路31の負極側トランジスタ31bが開路又は閉路することによって、グランド端子Gと入力信号線11とが負極側抵抗器31aを介して接続され、又は、切断される。また、所定量の電流を通電可能な正極側抵抗器21aと、この正極側抵抗器21aと直列に接続されて外部からの制御に基づいて断絶(開路)又は通電(閉路)する正極側トランジスタ21bと、を有する正極側接続回路21が、電源端子Vと入力信号線11との間に接続されて設けられているので、この正極側接続回路21の正極側トランジスタ21bが開路又は閉路することによって、電源端子Vと入力信号線11とが正極側抵抗器21aを介して接続され、又は、切断される。また、メモリ51に予め記憶された、入力端子10に他方の端子を接続された操作スイッチの種別を示す、種別情報がハイサイド操作スイッチ91を示すものであるとき、負極側トランジスタ31bを閉路するとともに正極側トランジスタ21bを開路するように制御し、且つ、前記種別情報がローサイド操作スイッチ92を示すものであるとき、正極側トランジスタ21bを閉路するとともに負極側トランジスタ31bを開路するように制御する、MCU41(CPU)が設けられている。そのため、入力端子10に接続された操作スイッチの種別に応じて、この入力端子10に接続された入力信号線11を、所定量の電流を通電可能な負極側抵抗器31aを介してグランド端子Gに、又は、所定量の電流を通電可能な正極側抵抗器21aを介して電源端子Vに、排他的に接続する。
これにより、入力端子10にハイサイド操作スイッチ91が接続されたときは、入力信号線11を負極側抵抗器31aを介してグランド端子Gに接続し、入力端子10にローサイド操作スイッチ92が接続されたときは、入力信号線11を正極側抵抗器21aを介して電源端子Vに接続し、そのため、ハイサイド操作スイッチ91及びローサイド操作スイッチ92のいずれが接続された場合でも正常に機能させることができ、ハイサイド操作スイッチ91及びローサイド操作スイッチ92のいずれも接続することができて、装置の共通化が可能となる。また、メモリ51に操作スイッチの種別が予め記憶されているので、例えば、操作スイッチの種別を入力するための種別端子や、この種別端子又は上述した入力端子10などに入力された信号に基づいて操作スイッチの種別を判定する種別判定手段などを設ける必要が無く、そのため、非常に簡易な構成となり、装置を安価に提供することができる。
また、負極側接続回路31が、負極側抵抗器31aと負極側トランジスタ31bとで構成され、正極側接続回路21が、正極側抵抗器21aと正極側トランジスタ21bとで構成されているので、負極側接続回路31及び正極側接続回路21を非常に簡易に構成することができ、製造コストを低減してさらに装置をさらに安価に提供することができる。
また、MCU41(CPU)が、負極側トランジスタ31b又は正極側トランジスタ21bを断続的に閉路するように制御し、MCU41(CPU)が、負極側トランジスタ31b又は正極側トランジスタ21bが閉路するように制御されているときに、つまり、負極側トランジスタ31bが閉路されて負極側抵抗器31bを介して入力信号線11にグランド端子Gが接続されているとき、又は、正極側トランジスタ21bが閉路されて正極側抵抗器21aを介して入力信号線11に電源端子Vが接続されているときに、入力端子に接続された操作スイッチの開閉状態を検出するので、入力信号線11の電源回路(即ち、グランド端子G又は電源端子V)への接続が断続的に行われ、この入力信号線11が電源回路に接続されているときに操作スイッチの開閉状態を検出する。そのため、例えば、入力信号線11を電源回路に連続的に接続すると常に電流が流れ続けて消費電力が大きくなってしまうが、入力信号線11を電源回路に断続的に接続することで、常に電流が流れ続けることを防ぐことができ、消費電力を小さくできる。
上述した本実施形態においては、パルス信号を出力ポートから出力して、入力信号線11をグランド端子G又は電源端子Vに所定の通電周期Tで接続するものであったが、これに限定されるものではない。例えば、図8(a)に示すように、MCU41は、車両の動作状態を判定して(S10)、車両のイグニッションスイッチがオンのときの通常動作状態では(S10でY)、通電周期Tを所定の周期T1(例えば、0.5秒)とし(S20)、車両のイグニッションスイッチがオフのときの省電力動作状態では(S10でN)、通電周期Tを上記周期T1より長い所定の周期T2(例えば、1.0秒)として、上記スイッチ状態検出処理(S110〜S280)を実行するようにしてもよい。このときのMCU41の出力ポートP21、P31から出力される信号の概略イメージを図8(b)、(c)に示す。各パルス信号は、Hレベルの幅が固定で(例えば、0.1秒)、Lレベルの幅が通電周期Tに応じて可変(周期T1のとき0.4秒、周期T2のとき0.9秒)となる。
このように、MCU41が、車両用制御装置1の動作状態に応じて、負極側トランジスタ31b及び正極側トランジスタ21bを閉路するように制御する間隔、即ち、入力信号線11を電源回路(即ち、グランド端子G又は電源端子V)に接続する間隔を変更可能に構成されているので、例えば、操作スイッチの操作が頻繁に行われることが予想される通常動作状態などにおいては、上記間隔を短くし、操作スイッチの操作があまり行われないことが予想される省電力動作状態などにおいては、上記間隔を長くすることができる。そのため、操作スイッチの検出感度などの操作性を犠牲にすることなくさらに消費電力を小さくできる。または、パルス信号に代えて、Hレベルの信号を出力ポートから連続的に出力して、入力信号線11をグランド端子G又は電源端子Vに常時接続(連続的に接続)するようにしてもよい。つまり、少なくともMCU41によって入力信号線11の電圧レベルを検出するときに、当該入力信号線11が、負極側接続回路31又は正極側接続回路21によってグランド端子G又は電源端子Vに接続されていればよい。
(第2の実施形態)
以下、本発明の制御装置の第2の実施形態である車両用制御装置を、図9〜図14を参照して説明する。
第2の実施形態の車両用制御装置(図中、符号2で示す)には、上述した第1の実施形態と同様に、ハイサイド操作スイッチ91及びローサイド操作スイッチ92のいずれか一方が接続される。
この車両用制御装置2は、図9に示すように、入力端子10と、入力信号線11と、出力端子12と、出力信号線13と、複数の正極側接続回路21、22、23と、複数の負極側接続回路31、32、33と、制御ユニット(MCU)41と、メモリ51Aと、を備えている。なお、第2の実施形態において、上述した第1の実施形態と同一の部分には、同一の符号を付して説明を省略する。
正極側接続回路22は、正極側定電流手段としての正極側抵抗器22aと、それに直列に接続された正極側開閉手段としてのNPN型の正極側トランジスタ22bと、で構成されている。正極側接続回路22は、正極側トランジスタ22bのベース端子が図示しない電流制限抵抗を介してMCU41の出力ポートP22に接続されている以外は、正極側接続回路21と同様に構成されている。また、正極側接続回路23は、正極側定電流手段としての正極側抵抗器23aと、それに直列に接続された正極側開閉手段としてのNPN型の正極側トランジスタ23bと、で構成されている。正極側接続回路23は、正極側トランジスタ23bのベース端子が図示しない電流制限抵抗を介してMCU41の出力ポートP23に接続されている以外は、正極側接続回路21と同様に構成されている。
負極側接続回路32は、負極側定電流手段としての負極側抵抗器32aと、それに直列に接続された負極側開閉手段としてのNPN型の負極側トランジスタ32bと、で構成されている。負極側接続回路32は、負極側トランジスタ32bのベース端子が図示しない電流制限抵抗を介してMCU41の出力ポートP32に接続されている以外は、負極側接続回路31と同様に構成されている。また、負極側接続回路33は、負極側定電流手段としての負極側抵抗器33aと、それに直列に接続された負極側開閉手段としてのNPN型の負極側トランジスタ33bと、で構成されている。負極側接続回路33は、負極側トランジスタ33bのベース端子が図示しない電流制限抵抗を介してMCUの出力ポートP33に接続されている以外は、負極側接続回路31と同様に構成されている。
これら正極側接続回路21、22、23は、電源端子Vと入力信号線11との間に互いに並列に設けられており、負極側接続回路31、32、33は、入力信号線11とグランド端子Gとの間に互いに並列に設けられている。
本実施形態において、正極側抵抗器21a、22a、23aの抵抗値は、それぞれ1kΩ、1kΩ、500Ωに設定され、負極側抵抗器31a、32a、33aの抵抗値は、それぞれ1kΩ、1kΩ、500Ωに設定されている。これにより、電源電圧Vccが5Vの場合、正極側接続回路21、22、23には、それぞれ5mA、5mA、10mAまでの電流が通電可能となり、負極側接続回路31、32、33には、それぞれ5mA、5mA、10mAまでの電流が通電可能となる。これら、各接続回路において通電可能な電流値は、MCU41のROMに記憶されている。勿論、これら以外の抵抗値に設定されていてもよい。
メモリ51Aは、第1の実施形態のメモリ51と同様に、電気的消去/書き換え可能な読み出し専用のメモリである。このメモリ51Aには、車両用制御装置1の入力端子10に接続される操作スイッチの種別を示す種別情報が格納されている。また、このメモリ51Aには、車両用制御装置1の入力端子10に接続される操作スイッチの定格電流値を示す定格電流値情報が格納されている。これら種別情報及び定格電流値情報は、例えば、車両用制御装置1の製造時や車両への組み込み時などにおいて、保守用端末などによってメモリ51Aに書き込まれる。または、通信インタフェースCを介して接続される他ECUからの通信信号によって種別情報及び定格電流値情報を変更可能としてもよい。メモリ51Aは、請求項中のスイッチ種別記憶手段及び定格電流値記憶手段に相当する。
次に、第2の実施形態が備えるMCU41のCPUが実行する本発明に係る処理(スイッチ状態検出処理)の一例を、図2〜図4のフローチャートを参照して説明する。なお、第2の実施形態は、上述した第1の実施形態と同様のスイッチ状態検出処理を行うものであるので、同じフローチャートを用いて、第1の実施形態と異なる処理を中心に説明する。
この車両用制御装置2は、車両に組み付けられるときに、入力端子10に接続された操作スイッチの種別を示す種別情報及び定格電流値を示す定格電流値情報がメモリ51Aに書き込まれる。そして、車両用制御装置2は、車両に組み付けられて電源回路から電源が供給されると、MCU41(CPU)が動作を開始して、スイッチ状態検出処理が繰り返し実行される。
スイッチ状態検出処理において、タイマから経過時間を取得して(S110)、この経過時間が、所定の通電周期T(例えば、0.5秒)に達するまで経過時間取得を繰り返し(S120でN)、通電周期Tに達すると(S120でY)、経過時間をリセットしたのちメモリ51Aに記憶されている種別情報及び定格電流値情報を読み出して(S130)、この種別情報に基づいて、入力端子10に接続された操作スイッチの種別を判定する(S120)。
そして、種別情報がハイサイド操作スイッチを示すものであると判定されたとき(S140でY)、正極側接続回路21、22、23に接続された出力ポートP21、P22、P23からLレベルの信号を出力し(S150)、負極側接続回路31、32、33に接続された出力ポートP31、P32、P33のうち、定格電流値情報により選択される負極側接続回路(即ち、負極側トランジスタ)に対応する出力ポートからHレベルの信号を出力する(S160)。
この定格電流値情報による負極側接続回路の選択は次のように行う。CPUは、ROMに記憶されている、各正極側接続回路21、22、23及び各負極側接続回路31、32、33のそれぞれにおける通電可能な電流値から、定格電流値情報に示される定格電流値を満足する接続回路の組み合わせを選択する。
例えば、定格電流値情報として20mAが記憶されていた場合、この20mAを満足する接続回路の組み合わせとして、負極側接続回路31、32、33(即ち、通電可能な電流値:5mA+5mA+10mA)が選択されて、出力ポートP31、P32、P33からHレベルの信号を出力する。また、定格電流値情報として10mAが記憶されていた場合、負極側接続回路31、32(即ち、通電可能な電流値:5mA+5mA)が選択されて、出力ポートP31、P32からHレベルの信号を出力し、出力ポートP33からLレベルの信号を出力する。また、定格電流値情報として5mAが記憶されていた場合、負極側接続回路31(即ち、通電可能な電流値:5mA)が選択されて、出力ポートP31からHレベルの信号を出力し、出力ポートP32、P33からLレベルの信号を出力する。
これにより、正極側トランジスタ21b、22b、23bのコレクタ端子−エミッタ端子間が断絶されて、電源端子Vと入力信号線11とが切断され、かつ、定格電流値情報により選択された負極側トランジスタ31b、32b、33bのいずれかのコレクタ端子−エミッタ端子間が通電されて、入力信号線11が負極側抵抗器31a、32a,33aのいずれかでプルダウンされてグランド端子Gと接続された状態になる。この状態を、図11、図12、図13(それぞれ定格電流値情報が20mA、10mA、5mAの場合)に模式的に示す。図11〜図14において、細い点線で記載された部分は、存在していない、又は、存在していないのと同等の状態にあることを表している。
この状態のときに、入力ポートP1に入力されている入力信号線11の電圧レベルを検出する(S170)。そして、負極側接続回路31、32、33に接続された出力ポートP31、P32、P33からLレベルの信号を出力する(S180)。これにより、負極側トランジスタ31b、32b、33bのコレクタ端子−エミッタ端子間が断絶される。これ以降(S190〜S210)の処理は、上述した第1の実施形態と同様であるため、説明を省略する。
また、種別情報がローサイド操作スイッチを示すものであると判定されたとき(S140でN)、負極側接続回路31、32、33に接続された出力ポートP31、P32、P33からLレベルの信号を出力し(S220)、正極側接続回路21、22、23に接続された出力ポートP21、P22、P23のうち、上記と同様にして定格電流値情報により選択される正極側接続回路(即ち、正極側トランジスタ)に対応する出力ポートからHレベルの信号を出力する(S230)。
これにより、負極側トランジスタ31b、32b、33bのコレクタ端子−エミッタ端子間が断絶されて、グランド端子Gと入力信号線11とが切断され、かつ、定格電流値情報により選択された正極側トランジスタ21b、22b、23bのいずれかのコレクタ端子−エミッタ端子間が通電されて、入力信号線11が正極側抵抗器21a、22a,23aのいずれかでプルアップされて電源端子Vと接続された状態になる。この状態を、図14(定格電流値情報が20mAの場合)に模式的に示す。
この状態のときに、入力ポートP1に入力されている入力信号線11の電圧レベルを検出する(S240)。そして、正極側接続回路21、22、23に接続された出力ポートP21、P22、P23からLレベルの信号を出力する(S250)。これにより、正極側トランジスタ21b、22b、23bのコレクタ端子−エミッタ端子間が断絶される。これ以降(S260〜S280)の処理は、上述した第1の実施形態と同様であるため、説明を省略する。
上述したスイッチ状態検出処理を繰り返し実行することにより、例えば、種別情報がハイサイド操作スイッチを示すものであり、定格電流値情報が20mAであるときは、図10(a)に概略イメージを示すように、出力ポートP21、P22、P23からLレベルの信号を連続して出力し、出力ポートP31、P32、P33から通電周期Tのパルス信号を出力する。また、例えば、種別情報がローサイド操作スイッチを示すものであり、定格電流値情報が20mAであるときは、図10(b)に概略イメージを示すように、出力ポートP31、P32、P33からLレベルの信号を連続して出力し、出力ポートP21、P22、P23から通電周期Tのパルス信号を出力する。
上述ステップS190、S260が、請求項中のスイッチ状態検出手段に相当し、ステップS160、S230が、請求項中の接続制御手段に相当する。また、入力端子10、入力信号線11、正極側接続回路21、22、23、負極側接続回路31、32、33、MCU41、及び、メモリ51A、により、請求項中のスイッチ状態検出装置を構成する。
次に、上述した車両用制御装置2における動作の一例を示す。
例えば、車両用制御装置2に、ドアミラー開閉スイッチとして定格電流値が10mAのハイサイド操作スイッチ91が接続される場合、車両用制御装置1のメモリ51Aには、種別情報としてハイサイド操作スイッチを示す情報が記憶され、定格電流値情報として10mAが記憶される。そして、車両用制御装置2は、この種別情報及び定格電流値情報に基づき、負極側接続回路31、32によって入力信号線11をグランド端子Gに所定の通電周期Tで断続的に接続するとともに、この接続と同期して入力信号線11の電圧レベルを検出する。そして、入力信号線11がHレベルであることを検出したとき、ドアミラー開閉スイッチがオン状態であるものとして、オン状態に応じた制御信号をドアミラーに送信し、ドアミラーは、この制御信号を受信したときに閉じた状態であれば、それを開くように動作する。また、入力信号線11がLレベルであることを検出したとき、ドアミラー開閉スイッチがオフ状態であるものとして、オフ状態に応じた制御信号をドアミラーに送信し、ドアミラーは、この制御信号を受信したときに開いた状態であれば、それを閉じるように動作する。
または、車両用制御装置2に、ハザードランプスイッチとして定格電流値が20mAのローサイド操作スイッチ92が接続される場合、車両用制御装置2のメモリ51Aには、種別情報としてローサイド操作スイッチを示す情報が記憶され、定格電流値情報として20mAが記憶される。そして、車両用制御装置2は、この種別情報及び定格電流値情報に基づき、正極側接続回路21、22、23によって入力信号線11を電源端子Vに所定の通電周期Tで接続するとともに、この接続と同期して入力信号線11の電圧レベルを検出する。そして、入力信号線11がLレベルであることを検出したとき、ハザードランプスイッチがオン状態であるものとして、オン状態に応じた制御信号をハザードランプに送信し、ハザードランプは、この制御信号を受信したときに消灯状態であれば、それを点滅するように動作する。また、入力信号線11がHレベルであることを検出したとき、ハザードランプスイッチがオフ状態であるものとして、オフ状態に応じた制御信号をハザードランプに送信し、ハザードランプは、この制御信号を受信したときに点滅状態であれば、それを消灯するように動作する。
以上より、本実施形態によれば、所定量の電流を通電可能な負極側抵抗器と、この負極側抵抗器と直列に接続されて外部からの制御に基づいて開路又は閉路する負極側トランジスタと、を有する複数の負極側接続回路31、32、33が、グランド端子Gと入力信号線11との間に接続されて互いに並列に設けられているので、これら負極側接続回路31、32、33の負極側トランジスタが開路又は閉路することによって、グランド端子Gと入力信号線11とが負極側抵抗器を介して接続され、又は、切断される。また、所定量の電流を通電可能な正極側抵抗器と、この正極側抵抗器と直列に接続されて外部からの制御に基づいて開路又は閉路する正極側トランジスタと、を有する複数の正極側接続回路21、22、23が、電源端子Vと入力信号線11との間に接続されて互いに並列に設けられているので、これら正極側接続回路21、22、23の正極側トランジスタが開路又は閉路することによって、電源端子Vと入力信号線11とが正極側抵抗器を介して接続され、又は、切断される。また、メモリ51Aに予め記憶された種別情報がハイサイド操作スイッチ91を示すものであるとき、メモリ51Aに予め記憶された定格電流値情報に基づいて選択される1又は複数の負極側接続回路31、32、33の負極側トランジスタを閉路するとともに全ての正極側接続回路21、22、23の正極側トランジスタを開路するように制御し、且つ、前記種別情報がローサイド操作スイッチ92を示すものであるとき、定格電流値情報に基づいて選択される1又は複数の正極側接続回路21、22、23の正極側トランジスタを閉路するとともに全ての負極側接続回路31、32、33の負極側トランジスタを開路するように制御する、MCU41(CPU)が設けられている。そのため、入力端子10に接続された操作スイッチの種別に応じて、この入力端子10に接続された入力信号線を、定格電流値情報に基づいて選択される1又は複数の負極側接続回路31、32、33の負極側抵抗器を介してグランド端子Gに、又は、定格電流値情報に基づいて選択される1又は複数の正極側接続回路21、22、23の正極側トランジスタを介して電源端子Vに、排他的に接続する。
これにより、入力端子10にハイサイド操作スイッチ91が接続されたときは、入力信号線11を負極側抵抗器を介してグランド端子Gに接続し、入力端子10にローサイド操作スイッチ92が接続されたときは、入力信号線11を正極側抵抗器を介して電源端子Vに接続し、そのため、ハイサイド操作スイッチ91及びローサイド操作スイッチ92のいずれが接続された場合でも正常に機能させることができ、ハイサイド操作スイッチ91及びローサイド操作スイッチ92のいずれも接続することができて、装置の共通化が可能となる。また、一般的に、操作スイッチにおいては、操作スイッチの接点に生じる恐れのある酸化皮膜を破壊する観点等からその種類毎に定格電流値が定められているので、入力端子10に接続された操作スイッチの定格電流値に応じた電流を流す必要があるところ、定格電流値情報によって選択された1又は複数の接続回路の抵抗器を介して入力信号線11と電源回路(即ち、グランド端子G又は電源端子V)とを接続することにより、操作スイッチに流れる電流値を定格電流値情報に応じて変更することができ、そのため、定格電流値が異なる操作スイッチが接続された場合でも、操作スイッチに流れる電流値を適切に設定することができ、さらに装置を共通化できる。また、操作スイッチにその定格電流値に応じた電流を流すことによって、その接点に生じる酸化皮膜を適切に破壊できるので、当該酸化皮膜による不具合を防止して、信頼性を向上させることができる。
また、負極側接続回路31、32、33が、負極側抵抗器と負極側トランジスタとで構成され、正極側接続回路21、22、23が、正極側抵抗器と正極側トランジスタとで構成されているので、負極側接続回路31、32、33及び正極側接続回路21、22、23を非常に簡易に構成することができ、製造コストを低減してさらに装置をさらに安価に提供することができる。
上述した第2の実施形態において、第1の実施形態と同様に、車両の動作状態を判定して、車両のイグニッションスイッチがオンのときの通常動作状態では、通電周期Tを所定の周期T1(例えば、0.5秒)とし、車両のイグニッションスイッチがオフのときの省電力動作状態では、通電周期Tを上記周期T1より長い所定の周期T2(例えば、1.0秒)として、上記スイッチ状態検出処理(S110〜S280)を実行するようにしてもよい。または、Hレベルの信号を出力ポートから連続的に出力して、入力信号線11をグランド端子G又は電源端子Vに常時接続(連続的に接続)するようにしてもよい。つまり、少なくともMCU41によって入力信号線11の電圧レベルを検出するときに、当該入力信号線11が、負極側接続回路31、32、33のいずれか又は正極側接続回路21、22、23のいずれかによってグランド端子G又は電源端子Vに接続されていればよい。
上述した各実施形態では、負極側接続回路及び正極側接続回路を、定電流手段としての抵抗器と開閉手段としてのトランジスタとで構成するものであったが、これに限定するものではない。例えば、抵抗器に代えて、トランジスタなどで構成される周知のカレントミラー回路などの定電流回路を定電流手段として用いてもよく、また、開閉手段としてのスイッチ素子であるトランジスタに代えて、FETやアナログスイッチなどのスイッチ素子を用いてもよく、これら接続回路は、入力信号線と電源端子V又はグランド端子Gとを接続可能に設けられるともに、それらが接続されたときに、所定量の電流が通電可能に構成されているものであれば、本発明の目的に反しない限り、回路構成などは任意である。
また、各実施形態では、車両用制御装置を一例として説明するものであったが、これに限定されるものではなく、ハイサイド操作スイッチ又はローサイド操作スイッチが接続され、その開閉状態を検出する制御装置であれば、本発明の目的に反しない限り、その用途などは任意である。
なお、前述した実施形態は本発明の代表的な形態を示したに過ぎず、本発明は、実施形態に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。