JP5717468B2 - 照明器具 - Google Patents

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この発明は、照明器具に関し、例えば、反射板を2分割した照明装置に関する。
近年、LED(発光ダイオード)を光源とした照明器具が多く商品化されている。多くの照明器具は、LEDから出た光を反射板やレンズによって配光制御しており、反射板やレンズの形状を変えることにより、複数の配光パターンを得ることが出来る。例えば、特許文献1では反射体の内側に照射角調整用反射体を設け、照射角調整用反射体の種類を変えることにより、所望の照射角を得る。また、導電性反射膜が施された照射角調整用反射体は、LEDが実装された基板から絶縁されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2010−73627号公報
しかしながら、特許文献1のように反射体の内側に照射角調整用反射体が取り付く構成の場合、反射体よりも広角な配光を得ることができない。また、LEDの光を効率よく取り出すことができないという課題があった。
本発明は、反射板を2分割した構造においても、LEDの光を効率よく取り出すことができる反射板構造を備えた照明器具の提供を目的とする。
この発明の照明器具は、
実装面となる一方の面に光を発する光源が実装された実装基板と、
前記光源の周囲を囲みながら前記光源の近傍から所定の距離だけ前記実装面の法線方向である上側に起立する反射面である第一反射面を有する第一反射部と、
前記第一反射部の有する前記第一反射面よりも前記上側に配置される第二反射面であって、前記所定の距離の位置において前記第一反射面と略滑らかに接合することにより前記第一反射面と略連続する曲面を構成する反射面である第二反射面を有する第二反射部と
を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、上側反射部(第二反射部)と下側反射部(第一反射部)を組み合わせたとき、ほぼ連続した反射面を形成することができるので、光源の発した光を効率よく取り出すことができる。
実施の形態1のLED照明器具100の斜視図。 図1のLED照明器具100の分解斜視図。 図1のLED照明器具100のA−A断面図。 図2の反射部10の斜視図。 図4の下側反射板11,上側反射板12の断面を示す断面図。 反射板11,12の接合面を示す拡大図。 実施の形態1のLED照明器具100がレンズ90を備えた構成の断面図。 実施の形態1のLED照明器具100がレンズ90を備えた構成における具体的な断面図。
実施の形態1.
図1は、本実施の形態1のLED照明器具100の外観の斜視図である。
図2は、図1に示すLED照明器具100の分解斜視図である。
図3は、図1のA−A断面図である。
(LED照明器具100の構成)
図2に示すように、LED照明器具100は、筐体50と、筐体50に取り付けられるLED実装基板30と、LED実装基板30を覆うように取り付けられる反射部10と、反射部10に取り付けられる透明カバー70と、透明カバー70及び反射部10を筐体50に固定する3本の固定ネジ80aと、透明カバー70が臨むように筐体50に取り付けられる枠体40と、枠体40の外周に取り付けられる2本の取付バネ60と、筐体50を枠体40に固定する筐体固定ネジ80bとを備える。
(LED照明器具100の構成部品)
図2、図3を参照してLED照明器具100の構成部品を説明する。
(1)筐体50は、円形の底板51と、この底板51に略垂直に立設する15枚の放熱フィン52とを備える。底板51は、外周に沿って筐体固定ネジ80bが挿入される4つの筐体固定ネジ挿入穴51aを備える。
(2)LED実装基板30は、略円形状のプリント基板31と、プリント基板31に実装される5つのLED32とを備える。
(3)反射部10は、LED実装基板30を筐体50に押し当てる下側反射板11(第一反射部)と、下側反射板11に取り付けられる上側反射板12(第二反射部)とを備える。反射部10の詳細説明は後述する。なお、LED32の発光面32b(図5に示した)に近い側を「下側」、遠い側を「上側」と名付けた。
(4)透明カバー70は、円形板形状であり、外周に沿って固定ネジ80aが挿入される3つの固定ネジ挿入穴71を備える。
(5)枠体40は、中空の円筒状の枠部41と、枠部41の底面側から外方に向かって突出するツバ部42と、枠部41の外周面に設けられる2つのバネ取付部43(図示しない)を備える。
(6)取付バネ60は、「レ」の字状に屈曲されて形成され、一端側が枠体40のバネ取付部43に取り付けられ、他端側が天井などに設けられる取り付け穴に付勢力を持って接する。
(反射部10の構造)
次に、反射部10の詳細な構造について説明する。LED照明器具100の特徴は、反射部10の構造にある。
図4は、図2のLED照明器具100の反射部10の斜視図である。
図5は、反射部10を含む断面図である。
図4に示すように、反射部10は、下側反射板11と上側反射板12とに、2分割された構造である。下側反射板11及び上側反射板12に使用される材料は、PC(ポリカーボネート)やPBT(ポリエチレンフタレート)等の白色樹脂などが使用される。
下側反射板11の全体の外観は、円板形状をなし、図2、図4、図5に示すように、LED実装基板30に取り付けられたLED32が臨むように、5つのLED挿入穴11aが設けられている。LED挿入穴11aは、すり鉢形状をなし、挿入されるLED32のLED電極32a(図5に示した)を保護する。LED挿入穴11aには、LED32が発する光を反射する第一反射面11aaと、上側反射板12の凸窓12aが挿入される後述の挿入面11abと、を備える。
上側反射板12の全体の外観は、円板形状をなし、図2に示すように下側反射板11のLED挿入穴11aに対応する位置に、下側反射板11側に突出するように5つの凸窓12aが設けられている。凸窓12aはすり鉢形状をなし、図5に示すように、先端部が下側反射板11の挿入面11abを覆い、第一反射面11aaとほぼ面一となる第二反射面12aaを備える。なお、第二反射面12aaの曲率は、第一反射面11aaの曲率とほぼ同一である。
(下側反射板11と上側反射板12との反射面の接合)
図5に示すように、LED実装基板30は、実装面30aとなる一方の面に光を発するLED32(光源)が実装されている。また、下側反射板11(第一反射部)は、LED32の周囲を囲みながらLED32の近傍から所定の距離Hだけ実装面30aの法線方向(X方向)である上側に起立する反射面である第一反射面11aaを有する。上側反射板12(第二反射部)は、下側反射板11(第一反射部)の有する第一反射面11aaよりも上側に配置される第二反射面12aaであって、前記距離Hの位置において第一反射面11aaと略滑らかに接合することにより第一反射面11aaと略連続する曲面を構成する反射面である第二反射面12aaを有する。
(組み立て工程)
次に、図2、図3を参照して、LED照明器具100の組み立て工程について説明する。
(1)まず、筐体50にLED実装基板30を載せ、LED実装基板30を覆うように下側反射板11を取り付ける。
(2)次に、下側反射板11に上側反射板12を取り付ける。このとき、凸窓12aがLED挿入穴11aに挿入されるが、図5に示すように、第一反射面11aaの曲率と第二反射面12aaの曲率がほぼ同一であるので、ひとつの曲面の反射面を形成する。
(3)次に、上側反射板12に透明カバー70を被せ、透明カバー70の固定ネジ挿入穴71に固定ネジ80aを挿入して、透明カバー70、上側反射板12、下側反射板11、LED実装基板30を筐体50に固定する。この状態の筐体50を枠体40に取り付け、図3に示すように、筐体固定ネジ80bによって筐体50を枠体40に固定する。なお、取付バネ60は、予め枠体40に取り付けられている。
(反射部10の具体的な構成)
図6は、下側反射板11と上側反射板12との接合部の様子を示す模式的な断面図である。図6の(a)の丸の破線部に示すように、下側反射板11の第一反射面11aaと上側反射板12の第二反射面12aaとは、略滑らかに接合し、楕円の破線部で示すように滑らかな曲線状に接合している。あるいは、接合面は図6の(b)の様でもよい。すなわち、図6の(b)の丸の破線部に示すように、下側反射板11と上側反射板12との接合部の内径は、下側反射板11の内径D11よりも上側反射板12の内径D12の方がわずかに大きくしてもよい。すなわち(b)の状態では第一反射面11aaは、第二反射面12aaと接合する上側の端部が周形状をなしている。また、第二反射面12aaは、第一反射面11aaの上側の端部と接合する端部が、第一反射面11aaの上側の端部の周形状に応じた周形状をなしている。したがって、(b)の状態では、第二反射面12aaの端部の周形状は、上側(反X方向)から見込んだ場合に、全周にわたって第一反射面11aaの端部の周形状の外側に位置する。このように内径D11よりも内径D12をわずかに大きくすることで、上側反射板12の接合部の端部によってLED32の光が遮られることがないので、光のロスを少なくできる。
(絶縁距離E)
上側反射板12の第二反射面12aaには、LED照明器具100としての仕様に応じて、アルミニウムや銀などの「蒸着やめっきなど」(所定の金属の皮膜を形成する金属コーティング処理)を施し、反射率を変えることがある。このように上側反射板12をアルミニウムや銀などの蒸着やめっきをした第二反射面12aaの端部がLED32のLED電極32aに近づくと絶縁距離Eが短くなり、この蒸着面(またはめっき面)を介して漏電する場合がある。
ここで「絶縁距離」とは、LED電極32aと、下側反射板11あるいは上側反射板12の導電体(例えば金属)との距離をいう。図6の(b)に絶縁距離Eを示した。絶縁距離E1は下側反射板11が金属コーティング処理されている場合の絶縁距離を示し、絶縁距離E2は上側反射板12が金属コーティング処理されている場合の絶縁距離を示す。絶縁距離を確保するため金属コーティング処理された上側反射板12とLED実装基板30との間には、金属コーティング処理されていない下側反射板11を介在させる。このため、絶縁距離EはE1ではなくE2となるので、例えば、蒸着やめっきされた上側反射板12が取り付けられても、上側反射板12の端部がLED32のLED電極32aに近接するのを防止することができ、絶縁距離E2は、一定以上の距離となる。
上側反射板12の第二反射面12aaには、アルミニウムや銀などの金属を蒸着して反射率を変えたり、配光を変えることができる。この場合には、アルミニウムや銀などの金属は導電性であるためLED電極32aから絶縁距離Eを確保することが必要となる。絶縁距離Eの確保に関して、下側反射板11には蒸着をせず、絶縁物のままにすることによって、十分な絶縁距離E2(下側反射板11は絶縁物なので絶縁距離EはE1ではなくE2となる)を確保できる。反射部10を二つに分割しない場合、下側反射板11を用いる代わりに、下側反射板11と一体的な形状の上側反射板12のみ用い、上側反射板12をマスキングして部分的に蒸着しないような処理をすれば絶縁距離Eは確保できるが、コストや手間がかかるため、望ましくない。
なお、絶縁距離Eを確保する見地からは、下側反射板11には金属の皮膜を形成する金属コーティング処理を施さず、あるいは絶縁材料を使用することが好ましい。しかしこれは一例である。配光特性の見地から望ましい場合には、第一反射面11aaと、第二反射面12aaとのいずれかの表面に、所定の金属の皮膜を形成する金属コーティング処理を施してもよいし、下側反射板11と上側反射板12との少なくともいずれかを、所定の金属材料で形成してもよい。
この実施の形態1における構成および効果を纏めると、以下のようになる。
(1)滑らかな連続曲面を構成する2分割構造
LED32などの光源から発光された光を反射させる反射部10(下側反射板11、上側反射板12)が、滑らかな連続曲面の反射面を構成し、上下2分割された構造になっている。下側反射板11は、筐体50に固定されており、材質は絶縁性を有する樹脂、例えばPBTやポリカーボネート等で成形されている。上側反射板12は、下側反射板11と合わせると下側反射板11と一体となって反射板形状になり、光を制御する。上側反射板12は、LED照明器具100の仕様に応じて、材質を樹脂や金属で構成することが可能である。
(2)上側反射板12の曲面形状を変えることにより、配光角度を変えることができる。また樹脂で成形された第二反射面12aaに金属材料を蒸着することで、蒸着なしの場合に対して配光角度を変えることができる。
(3)また、絶縁物とした下側反射板11によって、LED32近傍にあるLED電極32aから十分な絶縁距離Eを確保することができる。
なお、本実施の形態では、反射部10によって、LED32が発する光を制御する光学系の場合を説明したが、図7に示すように、反射部10にレンズ90を挿入して、このレンズ90によってLED32が発する光を制御する光学系としてもよい。このように、反射部10の内面にレンズ90をのせることにより、レンズ90による配光制御が可能となる。また、レンズ90の種類を変えることにより、容易に所望の配光を得ることが出来る。レンズ90の形状に関しては、所望の配光により変化するものであり、レンズ90の形状は限定されない。図8として、LED照明器具100がレンズ90を備えた構成における具体的な断面図を示した。
100 LED照明器具、10 反射部、11 下側反射板、11a LED挿入穴、11aa 第一反射面、11ab 挿入面、12 上側反射板、12a 凸窓、12aa 第二反射面、30 LED実装基板、31 プリント基板、32 LED、32a LED電極、32b 発光面、40 枠体、41 枠部、42 ツバ部、43 バネ取付部、50 筐体、51 底板、51a 筐体固定ネジ挿入穴、52 放熱フィン、60 取付バネ、70 透明カバー、71 固定ネジ挿入穴、80a 固定ネジ、80b 筐体固定ネジ、90 レンズ。

Claims (3)

  1. 実装面となる一方の面に、発光面から光を発するLEDが実装された実装基板と、
    前記LEDの周囲を囲みながら前記LEDの近傍から所定の距離だけ前記実装面の法線方向である上側に起立する反射面である第一反射面を有する第一反射部と、
    前記第一反射部の有する前記第一反射面よりも前記上側に配置される第二反射面であって、前記所定の距離の位置において前記第一反射面と略滑らかに接合することにより前記第一反射面と略連続する曲面を構成する反射面である第二反射面を有する第二反射部と
    を備え、
    前記第一反射部は、
    前記第一反射面の下側の端部に、前記実装面に対向する開口が形成され、
    前記LEDの前記発光面は、
    前記開口から上側の方向に入り込んでおり、
    前記第一反射部の前記下側の端部は、
    前記実装面よりも上側に位置し、
    前記第一反射部は、円板形状をなし、
    前記第一反射面は、
    前記円板形状の上側となる上面に形成された開口である上面開口から下側に向かう方向の途中から、すり鉢形状に窪んだ形状をなし、前記すり鉢形状の底が前記開口として形成され、
    前記第二反射部は、円板形状をなし、
    前記第二反射面は、
    前記円板形状の上側となる上面から下側の方向に向けてすり鉢形状に窪んだ形状をなすと共に前記すり鉢形状の底が前記上面開口に入り込むことによって、前記すり鉢形状の底において前記第一反射面と略滑らかに接合することを特徴とする照明器具。
  2. 前記照明器具は、
    前記第二反射部の前記窪んだ形状の部分に、レンズが配置されたことを特徴とする請求項に記載の照明器具。
  3. 前記LEDは、
    前記実装面に配置される電極を有し、
    前記第一反射部は、
    前記下側の端部に形成された前記開口の周縁で、前記電極の上側から前記電極を覆うことを特徴とする請求項1または請求項に記載の照明器具。
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