JP5713779B2 - ロボットシステムの教示データ作成方法及びロボットシステムでの溶接方法 - Google Patents
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Description
特許文献1は、産業用ロボットのアーム先端手首に取付けたエンドエフェクタにより、該エンドエフェクタの移動軌跡に沿ってワーク上に断続的に加工を施すステッチ加工方法において、ロボット制御装置に断続的加工の加工、非加工を1周期とする加工距離、非加工距離を設定しておき、ステッチ加工を開始してからのエンドエフェクタの移動距離に応じて設定加工距離、非加工距離だけ交互に加工、非加工を行なう産業用ロボットによるステッチ加工方法を開示する。
一方、多関節型の溶接ロボットがスライダ上に載置されている場合においては、溶接ロボットの溶接動作の他に、スライダ位置を設定する必要がある。
溶接区間におけるスライダは溶接速度と略同じ速度で動作しており、非溶接区間におけるスライダは比較的高速(溶接区間の約10倍程度)で移動する。このように、溶接区間での溶接速度を保ちつつ、スライダの動作速度を溶接速度よりも上げて動作させるようにすると、非溶接区間でのスライダ動作時間が減少し、よりタクトタイムを減らすことが可能であると考えられる。
そこで、本発明は、上記問題点を鑑み、断続溶接を確実に行うことができると共に、溶接作業時間を可及的に短くすることのできるロボットシステムの教示データ作成方法及びロボットシステムを用いた溶接方法を提供することを目的とする。
すなわち、本発明に係るロボットシステムのオフライン教示データの作成方法は、多関節型の溶接ロボットと当該溶接ロボットを載置し且つ水平方向に移動可能とするスライダとを有し、且つ前記スライダを動作させながら溶接ロボットによりワークに対して断続溶接を行うロボットシステムのオフライン教示データの作成方法であって、溶接予定線に沿って設定されている溶接区間及び非溶接区間の順番及び区間長さ比を、前記溶接予定線を溶接する際にスライダが移動するスライダ移動線に適用することで、当該スライダ移動線上に、溶接区間に対応する第1スライダ移動区間と、非溶接区間に対応する第2スライダ移動区間とを設定しておき、少なくとも1つ以上の溶接区間での溶接が終わった際に、前記スライダが当該溶接区間に対応する第1スライダ移動区間に隣接する第2スライダ移動区間内に位置するように、教示データを作成することを特徴とする。
本発明に係るロボットシステムのオフライン教示データの他の作成方法は、多関節型の溶接ロボットと当該溶接ロボットを載置し且つ水平方向に移動可能とするスライダとを有し、且つ前記スライダを動作させながら溶接ロボットによりワークに対して断続溶接を行うロボットシステムのオフライン教示データの作成方法であって、溶接予定線に沿って設定されている溶接区間及び非溶接区間の順番及び区間長さ比を、前記溶接予定線を溶接する際にスライダが移動するスライダ移動線に適用することで、当該スライダ移動線上に、溶接区間に対応する第1スライダ移動区間と、非溶接区間に対応する第2スライダ移動区間とを設定しておき、前記溶接区間での溶接が終わると同時に前記スライダが当該溶接区間に対応する第1スライダ移動区間の終点に達するようなスライダ移動速度を算出しておき、少なくとも1つ以上の第1スライダ移動区間における実際のスライダ移動速度が、前記算出されたスライダ移動速度より大となるように教示データを作成することを特徴とする。
本発明に係るロボットシステムでの他の溶接方法は、多関節型の溶接ロボットと当該溶接ロボットを載置し且つ水平方向に移動可能とするスライダとを有し、且つ前記スライダを動作させながら溶接ロボットによりワークに対して断続溶接を行うロボットシステムでの溶接方法であって、溶接予定線に沿って設定されている溶接区間及び非溶接区間の順番及び区間長さ比を、前記溶接予定線を溶接する際にスライダが移動するスライダ移動線に適用することで、当該スライダ移動線上に、溶接区間に対応する第1スライダ移動区間と、非溶接区間に対応する第2スライダ移動区間とを設定しておき、前記溶接区間での溶接が終わると同時に前記スライダが当該溶接区間に対応する第1スライダ移動区間の終点に達するようなスライダ移動速度を算出しておき、少なくとも1つ以上の第1スライダ移動区間における実際のスライダ移動速度が、前記算出されたスライダ移動速度より大となるように、スライダを移動させつつ溶接を行うことを特徴とする。
なお、本発明にかかるロボットシステムのオフライン教示データの作成方法の最も好ましい形態は、多関節型の溶接ロボットと当該溶接ロボットを載置し且つ水平方向に移動可能とするスライダとを有し、且つ前記スライダを動作させながら溶接ロボットによりワークに対して断続溶接を行うロボットシステムのオフライン教示データの作成方法であって、溶接予定線に沿って設定されている溶接区間及び非溶接区間の順番及び区間長さ比を、前記溶接予定線を溶接する際にスライダが移動するスライダ移動線に適用することで、当該スライダ移動線上に、溶接区間に対応する第1スライダ移動区間と、非溶接区間に対応する第2スライダ移動区間とを設定しておき、前記溶接区間での溶接が終わると同時に前記スライダが当該溶接区間に対応する第1スライダ移動区間の終点に達するようなスライダ移動速度を算出しておき、少なくとも1つ以上の第1スライダ移動区間における実際のスライダ移動速度が、前記算出されたスライダ移動速度より大となるように教示データを作成することを特徴とする。
本発明にかかるロボットシステムでの溶接方法の最も好ましい形態は、多関節型の溶接ロボットと当該溶接ロボットを載置し且つ水平方向に移動可能とするスライダとを有し、且つ前記スライダを動作させながら溶接ロボットによりワークに対して断続溶接を行うロボットシステムでの溶接方法であって、溶接予定線に沿って設定されている溶接区間及び非溶接区間の順番及び区間長さ比を、前記溶接予定線を溶接する際にスライダが移動するスライダ移動線に適用することで、当該スライダ移動線上に、溶接区間に対応する第1スライダ移動区間と、非溶接区間に対応する第2スライダ移動区間とを設定しておき、前記溶接区間での溶接が終わると同時に前記スライダが当該溶接区間に対応する第1スライダ移動区間の終点に達するようなスライダ移動速度を算出しておき、少なくとも1つ以上の第1スライダ移動区間における実際のスライダ移動速度が、前記算出されたスライダ移動速度より大となるように、スライダを移動させつつ溶接を行うことを特徴とする。
図1を参照して、本実施形態に係るロボットシステム1の全体構成について説明する。
この図に示すように、ロボットシステム1は、溶接ロボット2と、教示ペンダント3を備えた制御装置4と、教示データ作成装置5とを含む。溶接ロボット2は垂直多関節型の6軸の産業用ロボットであり、その先端に溶接トーチなどから構成される溶接ツール6が設けられている。この溶接ロボット2はそれ自体を水平方向に移動させるスライダ7に搭載されている。なお、本発明における溶接ロボット2の型式又は軸数に関しては、垂直多関節型の6軸ロボットに限定はされない。
本実施形態の場合、この教示データ作成装置5内には、断続溶接を確実に行うことができると共に、溶接作業時間を可及的に短くすることのできる教示データ、特に溶接中におけるスライダ7の位置を与える教示データを作成可能とする処理アルゴリズムがプログラムの形で格納されている。
図4に示すように、この教示データ作成方法は、ステップ1(S1)〜ステップ3(S3)を有している。
まず、ステップ1では、予め設定された溶接開始、終了位置に対応するスライダ位置、ならびに溶接区間の長さ、非溶接区間の長さから、溶接アークを点火する位置(アークON位置)及び溶接アークを消火する位置(アークOFF位置)におけるスライダ位置を計算する。
次に、ステップ2で、第2非溶接区間におけるスライダ7の位置、本願発明に基づいて算出されるスライダ位置(スライダ補間位置)sldMIDiを決定する。
このスライダ補間位置sldMIDiは、断続溶接を確実に行うことができると共に、溶接作業時間を可及的に短くすることのできるスライダ位置であり、オフライン教示データである。
なお、スライダ補間位置を決定する他の方法として、図3(c)に示すように、例えば、溶接区間に対応する第1スライダ移動区間に隣接する第2スライダ移動区間の1/3の位置をスライダ補間位置sldMIDiとし、隣接する第2スライダ移動区間の2/3の位置をスライダ補間位置sldMID(i+1)としてもよい。スライダ補間位置sldMIDi→スライダ補間位置sldMID(i+1)は、高速にスライダ7を移動させるとよい。スライダ7がスライダ補間位置sldMID(i+1)に到達するまでの間に、溶接ツール6も次の溶接区間の始点(アークONの位置)に高速に移動させる。
隣接する第2スライダ移動区間の始点を少し超えた位置(0近傍の位置)をスライダ補間位置sldMIDiとし、このスライダ補間位置sldMIDiより少し進んだ位置をスライダ補間位置sldMID(i+1)としてもよい。逆に、隣接する第2スライダ移動区間の終点近くの位置(1近傍の位置)をスライダ補間位置sldMIDiとし、このスライダ補間位置sldMIDiより少し進んだ位置であって終点の手前位置をスライダ補間位置sldMID(i+1)としてもよい。
このように、図3(b)のようにスライダ補間位置sldMIDiを第2スライダ移動区間の略中央位置とせず、図3(c)のケースのようにする典型的なケースとしては、非溶接区間すなわち第2スライダ移動区間が長く、第2スライダ移動区間の略中央位置に位置するロボットがアームを移動させるだけでは次の溶接区間に届かない場合などが該当する。
最後に、ステップ3ではステップ2で求めた位置を新たなスライダ7の補間位置sldMIDiとして設定する。その後、溶接ツール6が溶接区間の始点から終点まで移動する間に、スライダ7がsldONi→sldMIDiへと移動するようにする。その後、溶接ツール6が非溶接区間の始点から終点まで移動し、さらに、溶接ツール6が非溶接区間に続く溶接区間の始点から終点まで移動する間に、スライダ7がsldMIDi→sldOFF(i+1)へと移動する。
この技術を別の側面で捉えれば、溶接区間での溶接が終わると同時に前記スライダ7が第1スライダ移動区間の終点に達するようなスライダ移動速度(平均速度)を算出しておき、算出されたスライダ移動速度より、第1スライダ移動区間における実際のスライダ移動速度vWsldn(平均速度)が大となるように教示データを作成するものになる。この実際のスライダ移動速度でスライダ7を移動させると、溶接区間での溶接が終わった際には、スライダ7が第2スライダ移動区間内に位置するようになり、例えば、図3(b)(c)の状況となる。
つまり、本実施例は、少なくとも1つ以上の第1スライダ移動区間における実際のスライダ移動速度(88cm/min)が、算出されたスライダ移動速度(30cm/min)より大となるように、スライダ7を移動させつつ溶接を行うことになっている。このようなスライダ7の動き(移動速度)により、タクトタイムを短縮することが可能となる。
ところで、今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
2 溶接ロボット
3 教示ペンダント
4 制御装置
5 教示データ作成装置
6 溶接ツール
7 スライダ
W ワーク
Claims (2)
- 多関節型の溶接ロボットと当該溶接ロボットを載置し且つ水平方向に移動可能とするスライダとを有し、且つ前記スライダを動作させながら溶接ロボットによりワークに対して断続溶接を行うロボットシステムのオフライン教示データの作成方法であって、
溶接予定線に沿って設定されている溶接区間及び非溶接区間の順番及び区間長さ比を、前記溶接予定線を溶接する際にスライダが移動するスライダ移動線に適用することで、当該スライダ移動線上に、溶接区間に対応する第1スライダ移動区間と、非溶接区間に対応する第2スライダ移動区間とを設定しておき、
前記溶接区間での溶接が終わると同時に前記スライダが当該溶接区間に対応する第1スライダ移動区間の終点に達するようなスライダ移動速度を算出しておき、
少なくとも1つ以上の第1スライダ移動区間における実際のスライダ移動速度が、前記算出されたスライダ移動速度より大となるように教示データを作成する
ことを特徴とするロボットシステムのオフライン教示データの作成方法。 - 多関節型の溶接ロボットと当該溶接ロボットを載置し且つ水平方向に移動可能とするスライダとを有し、且つ前記スライダを動作させながら溶接ロボットによりワークに対して断続溶接を行うロボットシステムでの溶接方法であって、
溶接予定線に沿って設定されている溶接区間及び非溶接区間の順番及び区間長さ比を、前記溶接予定線を溶接する際にスライダが移動するスライダ移動線に適用することで、当該スライダ移動線上に、溶接区間に対応する第1スライダ移動区間と、非溶接区間に対応する第2スライダ移動区間とを設定しておき、
前記溶接区間での溶接が終わると同時に前記スライダが当該溶接区間に対応する第1スライダ移動区間の終点に達するようなスライダ移動速度を算出しておき、
少なくとも1つ以上の第1スライダ移動区間における実際のスライダ移動速度が、前記算出されたスライダ移動速度より大となるように、スライダを移動させつつ溶接を行う
ことを特徴とするロボットシステムでの溶接方法。
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