JP5713144B2 - 先端交換式切削工具 - Google Patents

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Description

本発明は、ねじにより着脱可能である先端交換式の切削工具に関するものである。
切削工具は刃先先端からシャンクまで超硬合金製であるソリッドエンドミルや、ボディは鋼製であり刃先のみを超硬合金製チップの交換式としたインサート工具が一般的である。ソリッドエンドミルは刃先先端からシャンクまで一体で成形されているため、精度が良好で仕上げ加工に使用することが多い。インサート工具は刃先のチップの取り付けなどの作業を行うことから、取り付け誤差によりソリッドエンドミルよりも精度が劣る。このため、インサート工具は荒加工で使用されることが多い。また、インサート工具は刃先のチップのみが超硬合金製であるため、ソリッドエンドミルと比較して低コストで製造可能である。
近年、切れ刃を有する加工ヘッドをホルダーにねじで螺合できる先端交換式切削工具が普及し始めている。先端交換式切削工具はソリッドエンドミルより低コストで製造可能であり、インサート式工具より精度が良好なものが多い。加工ヘッドがインサート式工具であっても、加工ヘッドのみを交換することで様々な工具に変更できるため使い勝手も良好である。このような先端交換式切削工具は、切削中は締まり方向に切削負荷が掛かるように設計されているため、加工ヘッドのねじが緩むことはない。しかし、工具の摩耗により切削負荷が増大した場合にねじ部に膨大な負荷が掛かり欠損や折損するという問題点があった。また、欠損や折損がなくても切削中に締め付けトルクが増大し、加工ヘッドの取り外しが困難になるといった問題が発生している。
これらの問題に対して、特にねじの形状を改善し強度を向上させたものや取り外しを容易にする目的で改善された提案がなされている。さらに先端交換式工具のねじだけでなく一般的なねじにおいても様々な提案がされている。
特許文献1には、雄ねじの進み側フランクの角度と追い側フランクの角度を最適化した先端交換式工具の加工ヘッド部が記載されている。追い側フランクのフランク角を進み側フランクのフランク角よりも小さくしたバットレスねじにて構成することにより、切削熱により膨張したホルダーにおいても取り外しが容易であることが記載されている。
特許文献2には、先端交換式工具において、ねじ山の形状を最適化し、強度を向上させるだけでなく、圧縮力よりも大きな引っ張り力でヘッド部とホルダーを締結することが記載されている。
特許文献3には、高力ボルトにおいて、ねじ山の左右フランクが異なる非対称のねじ形状を有し、圧力側フランク角が40〜60°であり、破壊特性に優れた高力ボルトが記載されている。
特許文献4には、少なくとも締め付け時に荷重が作用する側の片面の傾斜角を、中心軸と直角をなす面に対して60°以上かつ90°より小さい角度に設定した雄ねじ部材が記載されている。
特開2010−284752号公報 特開2007−290120号公報 特開平08−177831号公報 実開平04−77017号公報
近年、部品加工や金型加工においては、高能率加工が望まれている。これは先端交換式切削工具においても同様であり、要求は年々強くなってきている。高能率加工では、送り速度や切り込みを上げて加工を行うが、一般的には切削加工によって切れ刃部に生じる負荷は増大する。先端交換式工具においては、切削加工によって切れ刃部に生じる負荷は、加工ヘッドのねじが締まる方向に掛かる。このため、ねじの強度が不足していると、切削中に増大した切削負荷に耐えられず、ねじ部が破損する問題があった。さらに、加工ヘッド部をホルダーに取り付ける際も、強く締め付ければ、ねじ部が欠損することがある。このため一定のトルクでねじを締め付けるためのトルクレンチなどを使用して締め付けトルクを管理しないといけなかった。
特許文献1に記載の先端交換式工具においては、追い側フランクのフランク角を進み側フランクのフランク角より小さくすることで、対称な輪郭形状を有するねじ山に比べてねじ山は補強されることが提案されている。特許文献2に記載の先端交換式工具においては、進み側フランクの傾き角を最適化して容易に取り外し可能なねじ形状が提案されている。しかし、特許文献1及び特許文献2の先端交換式切削工具では、本発明の目的である切削中の締め付けトルクに対しての強度の確保は不十分であり、高能率加工において、ねじ部の欠損が生じることがあった。特に、追い側フランクの傾き角を小さく設計すると、螺旋状に成形されるねじ山の先端は面取りのみでは強度が不足し、先端部のみ欠損することも多くあった。
特許文献3に記載の高力ボルトにおいて、ねじ山の最適設計を行い、引っ張り強度を改善し、破壊特性に優れたボルトが提案されている。しかし、特許文献3のねじ形状を先端交換式切削工具に適用した場合においては、引っ張りに対しての強度は改善されるものの、切削中はねじが常に締まる方向に負荷が掛かるため、本発明の目的である切削中の締め付けトルクに対しての強度は不十分である。このため、高能率加工において、ねじ部の欠損が生じることがあった。
特許文献4に記載のねじ山において、ねじの圧力面の傾きが60°以上であり90°より小さい角度とすることで芯出し精度が向上される。しかし、切削中に生じた引張り方向の力に対して弱いため、加工ヘッドの抜けやビビリ振動の影響で、ねじ部の欠損が生じることがあった。
本発明は、このような背景と課題認識の下に、先端交換式切削工具において、加工ヘッドの取り付け時及び、切削中の増大した切削負荷に対してもねじ部の折損やねじ山の折損を抑制し、高能率に加工が行える先端交換式切削工具を提供することを目的とする。
本発明者は上記の目的を達成するために、ねじ山の形状を変化させ、切削試験や締め付け時のトルク測定を繰り返して評価し、最適なねじ山の形状について検討を行った。その結果、先端交換式切削工具の切削における上記の課題を解決するためには、追い側フランク面のフランク角と進み側フランク面のフランク角を従来の先端交換式切削工具のねじの形状とは異なる新規なものとすることが重要であることが分かった。
すなわち本発明は、先端側に切れ刃部が設けられ、切れ刃部の軸方向後方側には、ねじ山を形成していないテーパ部と締結用雌ねじ部が設けられたホルダーに螺合するための雄ねじ部とからなる締結用雄ねじ部が設けられ、切れ刃部と締結用雌ねじ部の間に、ホルダーに取り付けるための切欠き部が設けられた加工ヘッドと、ねじ山を形成していないテーパ部と締結用雄ねじ部が設けられた加工ヘッドを螺合するための雌ねじ部とからなる締結用雌ねじ部が設けられたホルダーで構成される先端交換式切削工具であって、加工ヘッドにおける締結用雄ねじ部におけるねじ山は、圧力側フランクのフランク面、遊び側フランクのフランク面、2種類のフランク面を接続するねじ山面及びねじ底面により構成され、圧力側フランクのフランク角が遊び側フランクのフランク角よりも大きく設けられ、ホルダーにおける締結用雌ねじ部が、締結用雄ねじ部に設けられた圧力側フランクのフランク面、遊び側フランクのフランク面、2種類のフランク面を接続するねじ山面及びねじ底面に対応するための、圧力側フランクの螺合面、遊び側フランクの螺合面、2種類の螺合面を接続するねじ山の螺合面及びねじ底の螺合面により構成され、圧力側フランクの螺合面の角度が遊び側フランクの螺合面の角度よりも大きく設けられ、加工ヘッドは超硬合金製であり、先端から締結用雄ねじ部までが一体成形となっており、ホルダーは鋼製であり、前記締結用雄ねじ部の前記切欠き部側に設けられた前記テーパ部は、前記締結用雄ねじ部の先端に行くにつれて外径が小さくなる円筒部分の外周面にテーパ角度が0.1°以上5.0°以下に形成され、前記締結用雌ねじ部の開口部側に設けられた前記テーパ部は、前記締結用雌ねじ部の開口部に行くにつれて内径が大きくなる円筒部分の内周面にテーパ角度が0.1°以上5.0°以下に形成され、前記加工ヘッドのテーパ部と前記ホルダーのテーパ部とが面接触するとともに、前記切欠き部の端面と、前記ホルダーの端面とが面接触することを特徴とする先端交換式切削工具である。
本発明の先端交換式切削工具は、加工ヘッドは、圧力側フランクのフランク角が35°以上60°以下の範囲であり、遊び側フランクのフランク角が0°以上25°以下の範囲であり、ねじ山の1ピッチは締結用雄ねじの呼び径の15%以上30%以下の範囲であり、2種類のフランク面を接続するねじ山面及びねじ底面のそれぞれの幅は、工具軸に対し垂直方向から見たときに、ねじ山の1ピッチの15%以上30%以下の範囲となることが望ましい。
本発明の先端交換式切削工具は、ホルダーは、圧力側フランクの螺合面の角度が35°以上60°以下の範囲であり、遊び側フランクの螺合面の角度が0°以上25°以下の範囲であり、ねじ山の1ピッチは雄ねじの呼び径の15%以上30%以下の範囲であり、2種類の螺合面を接続するねじ山の螺合面及びねじ底の螺合面のそれぞれの幅は、工具軸に対し垂直方向から見たときに、ねじ山の1ピッチの15%以上30%以下の範囲となることが望ましい。
本発明に係る加工ヘッドと該加工ヘッドに螺合される本発明に係るホルダーを用いた本発明の先端交換式切削工具を用いることで、従来の先端交換式切削工具よりも、締結された雄ねじ部の強度が向上し、高能率に切削を行うことが可能となる。さらに、締結用雄ねじ部及び締結用雌ねじ部におけるねじ山の強度が向上し、ビビリ振動が生じてもねじ山の損傷が抑えられるため、高能率な切削加工が可能であり、さらに工具寿命の延長も可能な本発明の先端交換式切削工具を提供することができる。
本発明の先端交換式切削工具によれば、加工ヘッドの締結用雄ねじ部におけるねじ山は、圧力側フランクのフランク角が遊び側フランクのフランク角よりも大きく設けられている。望ましくは、圧力側フランクのフランク角が遊び側フランクのフランク角よりも10°以上60°以下が良い。このことにより、締め付けトルクに対しての締結用雄ねじ部全体の強度が向上できる。よって締まり方向に掛かる切削中の負荷が大きくなっても、締結用雄ねじ部の欠損や折損が生じないため、従来の先端交換式切削工具よりも1.5倍以上の高能率加工が可能となる。
本発明の先端交換式切削工具によれば、加工ヘッドの締結用雄ねじ部におけるねじ山の形状を最適化することにより、締結用雄ねじ部全体の強度だけでなく、締結用雄ねじ部におけるねじ山単体の強度も向上できる。切削中に生じるビビリ振動に対しても、締結用雄ねじ部におけるねじ山が欠損することなく安定した加工が可能となる。特に、加工ヘッドの最後端である締結用雄ねじ部の先端の剛性が向上し、加工ヘッドの取り付け時に掛かる締め付けトルクにおいて欠損が生じることが大幅に抑制される。よって、切削中の掛かる締め付けトルクに対しても締結用雄ねじ部の先端における欠損は大幅に抑制されるため、安定加工が可能となり、従来の先端交換式切削工具よりも1.5倍以上の長寿命な加工が可能な先端交換式切削工具を提供することが出来る。
本発明の先端交換式切削工具によれば、加工ヘッドの締結用雄ねじ部における圧力側フランクのフランク角が35°以上60°以下の範囲であるため、圧力側フランクすなわち圧力面に掛かる面積が広く、加工ヘッドとホルダーを螺合したときの芯だし精度が向上し、より安定した切削加工が可能となる。また、本発明では、加工ヘッドのテーパ部とホルダーのテーパ部とが面接触するとともに、切欠き部の端面と、ホルダーの端面とが面接触する。これにより、加工ヘッドとホルダーとが2面で互いの位置が拘束される。したがって、芯出し精度がさらに向上し、より安定した切削加工が可能となる。
参考例に係る加工ヘッドとホルダーの全体外観図である。 図1に示す加工ヘッドとホルダーの軸心での断面図である。 本発明に係る加工ヘッドとホルダーの全体外観図である。 図3に示す加工ヘッドとホルダーの軸心での断面図である。 図3に示す加工ヘッドをホルダーへ装着した状態の部分拡大図である。 図1に示す参考例に係る加工ヘッドにおける締結用雄ねじ部の拡大図である。 締結用雄ねじ部におけるねじ山に生じる力の大きさを示す図である。 本発明に係る加工ヘッドの後端付近を拡大した図である。 従来の先端交換式切削工具における加工ヘッドの締結用雄ねじ部がメートル並目ねじの場合のねじ山の拡大図である。 メートル並目ねじにおけるねじ山に生じる力の大きさを示す図である。 特許文献1に記載された従来の加工ヘッドにおける締結用雄ねじ部の拡大図である。 特許文献1に記載の締結用雄ねじ部におけるねじ山に生じる力の大きさを示す図である。 従来の先端交換式切削工具における加工ヘッドの後端付近を拡大した図である。 特許文献1に記載の先端交換式切削工具における加工ヘッドの後端付近を拡大した図である。 図2に示す参考例に係るホルダーにおける締結用雌ねじ部の拡大図である。 本発明に係る締結用雌ねじ部におけるねじ山に生ずる力の大きさを示す図である。 従来の先端交換式切削工具における加工ヘッドの締結用雌ねじがメートル並目ねじの場合のねじ山の拡大図である。 メートル並目ねじの締結用雌ねじ部におけるねじ山に生ずる力の大きさを示す図である。 特許文献1に記載の従来の加工ヘッドに螺合するホルダーの締結用雌ねじの拡大図である。 特許文献1に記載の締結用雌ねじ部におけるねじ山に生ずる力の大きさを示す図である。
以下、本発明を実施するための形態を図1〜図20に基づいて説明する。図1は参考例に係る加工ヘッドとホルダーの全体外観図である。加工ヘッド1は、工具径Dで形成され、先端の外周側には切り屑排出用の刃溝3と、刃数が4枚の外周刃4とを有した切れ刃部5と、後端には呼び径dの締結用雄ねじ部6を有し、切れ刃部5と締結用雄ねじ部6の間には、ホルダー2に取り付けるための切欠き部7が設けられた例である。加工ヘッド1の形状は、必要に応じて変えることが可能であり、金型などの3次元形状の加工を行う場合はボールエンドミルの刃型やラジアスエンドミルの刃型などを使用し、部品などの直角が必要な部位の加工においてはスクエアエンドミルの刃型を使用することができる。また、高硬度材等を切削する際には切れ刃の刃数を6枚〜10枚の多刃としたタイプや、重切削を行う際には外周刃が波形状のラフィングエンドミルの刃型を使用することができる。また、加工ヘッド1の素材は、超硬合金であることが必要である。さらに、加工ヘッド1の先端から締結用雄ねじ部までが一体で成形されていることが必要である
図2は図1に示す加工ヘッドとホルダーの軸心での断面図である。図2における斜線は、加工ヘッド1及びホルダー2の軸心での断面であることを示している。ホルダー2の先端には加工ヘッド1に締結するための締結用雌ねじ部8が設けられている。
加工ヘッド1をホルダー2に取り付けるために締め付けると、ねじ山すなわち締結用雄ねじ部6及び締結用雌ねじ部8は螺旋状に成形されているため、加工ヘッド1は後端側すなわち図2における右側へ進み、ホルダー2へと進入していくこととなる。ねじが進入すると、加工ヘッドの座面9はホルダーの端面10で受け止められて加工ヘッド1とホルダー2が締結することになる。このとき、加工ヘッド1の締結用雄ねじ部6は進入するが、加工ヘッドの座面9で受け止めるため、締結用雄ねじ部6におけるねじ山の追い側である圧力側フランクのフランク面11と前記座面9との間に、引っ張りの力が発生して強固に締結されていることになる。従来の先端交換式切削工具の締結用雄ねじ部及び締結用雌ねじ部の形状であれば、加工ヘッドをホルダーに取り付ける際や、切削中に摩耗等により切削方向に生じる締め付け力が高くなり、膨大な締め付けトルクが掛かってしまうと、引っ張りの力が増大し、加工ヘッドの強度不足により、特に締結用雄ねじ部において欠損や折損が発生することがある。
なお、ホルダー2の素材は、テーパ部を有する場合は、鋼(炭素鋼、合金鋼、ニッケルクロム鋼、ニッケルクロムモリブデン鋼、クロム鋼、クロムモリブデン鋼、マンガン鋼またはステンレス鋼等)である。また、ホルダー2の形状においても、加工ヘッド1の形状と同様に必要に応じて変えることが可能であり、深彫り加工を行う際には、全長の長いタイプや首部がテーパとなったタイプを使用することができる。
図3は、加工ヘッド1aとホルダー2aを示す全体外観図であり、図4は、図3に示す加工ヘッド1aとホルダー2aの軸心での断面図である。加工ヘッド1aとホルダー2aは、加工ヘッド1とホルダー2とほぼ同様の構成であるが、それぞれにテーパ部31、33が形成される。なお、以下の説明において、加工ヘッド1とホルダー2と同様の構成については同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
加工ヘッド1aの締結用雄ねじ部6の切欠き部7側には、テーパ部31が設けられる。テーパ部31は、締結用雄ねじ部6の先端に行くにつれて外径が小さくなるように形成される。また、ホルダー2aの締結用雌ねじ部8の開口部側には、テーパ部33が設けられる。テーパ部33は、締結用雌ねじ部8の開口部側に行くにつれて内径が大きくなるように形成される。テーパ部31とテーパ部33のテーパ形状(テーパ角度)は、互いに対応する。
図5は、加工ヘッド1aの締結用雄ねじ部6とホルダー2aの締結用雌ねじ部8とを螺合させて、ホルダー2aの先端に加工ヘッド1aを装着した状態を示す拡大断面図である。加工ヘッド1aの締結用雄ねじ部6をホルダー2aの締結用雌ねじ部8にねじ込むと、まずテーパ部31とテーパ部33とが接触する。この際、テーパ部31とテーパ部33のテーパ形状が互いに対応するため、テーパ部31とテーパ部33とは面接触する。この状態からさらに所定のトルクで締結用雄ねじ部6を締結用雌ねじ部8に締めこむと、ホルダー2aのテーパ部33がテーパ部31によって押し広げられるようにわずかに変形する。したがって、この場合には、ホルダー2aの材質としては、変形可能な高速度工具鋼などを適用することが望ましい。
このように、締結用雄ねじ部6を締結用雌ねじ部8に所定のトルクで締めこむことで、加工ヘッド1aの座面9がホルダー2aの端面10と接触するまで、締結用雄ねじ部6を締めこむことができる。この際、加工ヘッド1aの座面9とホルダー2aの端面10とは面接触する。すなわち、加工ヘッド1aとホルダー2aの装着が完了すると、テーパ部31、33が面接触するとともに、座面9と端面10とが面接触する。このように、異なる方向の2面と面接触させることで、加工ヘッド1aとホルダー2aとが、互いの位置が拘束され、芯出し精度がさらに向上する。
なお、テーパ部31とテーパ部33のテーパ角度(工具軸とのなす角度)は、0.1°〜5.0°である。テーパ角度が0.1°よりも小さいと、テーパ形状としての利点を得ることが困難である。また、テーパ角度が5.0°を超えると、加工ヘッド1aを締めこんだ際の、ホルダー2aの変形が困難となり、2面拘束が困難となるためである。このように、本発明では、所定のテーパ部31、33を有する加工ヘッド1aおよびホルダー2aを適用する。
図6は図1、図3に示す参考例、本発明に係る加工ヘッドにおける締結用雄ねじ部の拡大図である。図6における斜線は、締結用雄ねじ部6の軸心での断面であることを示している。参考例に係る加工ヘッドの締結用雄ねじ部6におけるねじ山は、圧力側フランクのフランク面11、遊び側フランクのフランク面12、2種類の前記フランク面11、12を接続するねじ山面13及びねじ底面14により構成される。本発明における締結用雄ねじ部6の軸心での断面において、圧力側フランクのフランク面11と工具軸Oに対し垂直な線とが成す角度である圧力側フランクのフランク角αは、軸心での断面において、遊び側フランクのフランク面12と工具軸Oに対し垂直な線とが成す角度である遊び側フランクのフランク角βより大きく設計されている。なお、一つのねじ山を工具軸Oに平行となる方向で測定したときの長さは、ねじ山の1ピッチPの長さとなる。
図7は締結用雄ねじ部におけるねじ山に生じる力の大きさを示す図である。図7における斜線は、締結用雄ねじ部6の軸心での断面であることを示している。加工ヘッドとホルダーの締結時に生じる圧力側フランクのフランク面に掛かる力16は圧力側フランクのフランク面11に対し垂直方向に掛かる。圧力側フランクのフランク角αが遊び側フランクのフランク角βより大きいと、圧力側フランクのフランク面に掛かる力16の工具軸Oに対し垂直となる方向に分散される力17が大きくなる。このため、切削中に締め付けトルクが掛かっても工具軸Oの方向に掛かる引張りの力15は小さくなる。このように本発明では引張りの力15を小さくすることができるため、加工ヘッドをホルダーに取り付ける際や切削中に摩耗等で膨大な締め付けトルクが掛かっても、締結用雄ねじ部6の欠損や折損が抑制される。
図8は本発明に係る加工ヘッドの後端付近を拡大した図である。図8における斜線は、締結用雄ねじ部6の軸心での断面であることを示している。加工ヘッドの後端における締結用雄ねじ部6のねじ山は、ねじ山が螺旋状に形成されているため、徐々にねじ山の遊び側フランクのフランク面12から加工ヘッドの端面18に掛かってくる。このように、加工ヘッドの後端における締結用雄ねじ部6のねじ山の形状は、圧力側フランクのフランク面11と加工ヘッドの端面18で形成されるため、ねじ山の剛性が劣る。通常、加工ヘッドの後端は面取りなどを行い、ねじ山の強度を確保する。しかし、本発明は従来の技術とは異なり、圧力側フランクのフランク角αが遊び側フランクのフランク角βより大きい。このため、面取りによって形成された面19と圧力側フランクのフランク面11のなす角度θは大きくなる。この結果、加工ヘッドの最後端である締結用雄ねじ部6の先端の剛性が向上し欠損が抑制できる。
図9は従来の先端交換式切削工具における加工ヘッドの締結用雄ねじ部がメートル並目ねじの場合のねじ山の拡大図である。図9における斜線は、メートル並目ねじにおける締結用雄ねじ部6aの軸心での断面であることを示している。メートル並目ねじはJIS規格(Japanese Industrial Standards)である。締結用雄ねじ部6におけるメートル並目ねじは圧力側フランクのフランク角α及び遊び側フランクのフランク角βは共に30°であり、左右対称のねじ山の形状を有する。メートル並目ねじにおける締結用雄ねじ部6aでのねじ山の形状は、ねじ山の1ピッチPの中において、圧力側フランクのフランク面11、遊び側フランクのフランク面12、2種類の前記フランク面11、12を接続するねじ山面13及びねじ底面14により構成される。
図10はメートル並目ねじにおけるねじ山に生じる力の大きさを示す図である。図10における斜線は、メートル並目ねじにおける締結用雄ねじ部6aの軸心での断面であることを示している。加工ヘッドとホルダーの締結時に生じる圧力側フランクのフランク面に掛かる力16は圧力側フランクのフランク面11に対し垂直な方向に掛かる。メートル並目ねじのように、ねじ山の1ピッチPの値が予め決められた場合(すなわち規定のねじ山の1ピッチP)において、圧力側フランクのフランク角αと遊び側フランクのフランク角βが同じである左右対称のねじ山であれば、圧力側フランクのフランク角αは大きくできない。よって、ねじ締結時に生じる圧力側フランクのフランク面に掛かる力16の工具軸Oに対し垂直となる方向に分散される力17は小さくなる。また、切削中に締め付けトルクが掛かると工具軸Oの方向に掛かる引張りの力15が大きくなる。このため、メートル並目ねじにおける締結用雄ねじ部6aの欠損や折損が生じやすい。圧力側フランクのフランク角αを大きく設計し、工具軸Oに対し垂直となる方向に分散される力17を大きくしても、ねじ山の1ピッチPの長さが長くなるため、製造コストが高くなる問題がある。
図11は特許文献1に記載された従来の加工ヘッドにおける締結用雄ねじ部の拡大図である。図11における斜線は、特許文献1における締結用雄ねじ部6bの軸心での断面であることを示している。締結用雄ねじ部6におけるねじ山は、圧力側フランクのフランク面11、遊び側フランクのフランク面12、2種類の前記フランク面11、12を接続するねじ山面13及びねじ底面14により構成される。特許文献1に記載された従来の加工ヘッドにおける締結用雄ねじ部6bは本発明とは異なり、圧力側フランクのフランク角αは遊び側フランクのフランク角βより小さく設計されている。
図12は特許文献1に記載の締結用雄ねじ部におけるねじ山に生じる力の大きさを示す図である。図12における斜線は、特許文献1における締結用雄ねじ部6bの軸心での断面であることを示している。加工ヘッドとホルダーの締結時に生じる圧力側フランクのフランク面に掛かる力16は圧力側フランクのフランク面11に対し垂直方向に掛かる。特許文献1に記載の従来の締結用雄ねじ部6bにおいては、圧力側フランクのフランク角αが遊び側フランクのフランク角βより小さく設計されている。このため、圧力側フランクのフランク面に掛かる力16の工具軸Oに対し垂直となる方向に分散される力17は小さく、切削中に締め付けトルクが掛かると工具軸Oの方向に掛かる引張りの力15は大きくなる。よって、ねじ部の欠損や折損が生じやすくなる。なお、図7、図10及び図12において圧力側フランクのフランク面に掛かる力16は全て同じ力の値として描いている。
図13は従来の先端交換式切削工具における加工ヘッドの後端付近を拡大した図である。図14は特許文献1に記載の先端交換式切削工具における加工ヘッドの後端付近を拡大した図である。図13及び図14における斜線は、それぞれの締結用雄ねじ部6a、6bの軸心での断面であることを示している。加工ヘッドの後端におけるそれぞれの締結用雄ねじ部6a、6bのねじ山は、ねじ山が螺旋状に形成されているため、徐々にねじ山の遊び側フランクのフランク面12から加工ヘッドの端面18に掛かってくる。このように、加工ヘッドの後端におけるそれぞれの締結用雄ねじ部6a、6bのねじ山の形状は圧力側フランクのフランク面11と加工ヘッドの端面18で形成されるため、ねじ山の剛性が劣る。通常、加工ヘッドの後端は面取りなどを行い、ねじ山の強度を確保する。しかし、従来の先端交換式切削工具における加工ヘッドは、圧力側フランクのフランク角αが遊び側フランクのフランク角βより小さいもしくは圧力側フランクのフランク角αが遊び側フランクのフランク角βと等しい。このため、面取りによって形成された面19と圧力側フランクのフランク面11のなす角度θは小さい。この結果、加工ヘッドの最後端である締結用雄ねじ部6a、6bの先端の剛性不足により欠損が生じることがあった。
本発明に係る加工ヘッドにおいては、圧力側フランクのフランク角αが遊び側フランクのフランク角βよりも10°以上60°以下の範囲で大きいことが望ましい。ねじ山の1ピッチPの値が予め決められた場合(すなわち規定のねじ山の1ピッチP)において、圧力側フランクのフランク角αを遊び側フランクのフランク角βよりも10°以上大きくすることで、締結用雄ねじ部におけるねじ山の強度を高めることができる。また、締め付けトルクに対して生じる圧力側フランクのフランク面に掛かる力を工具軸Oに対し垂直な方向へ多く分散することができる。よって、加工ヘッドをホルダーに取り付ける際や切削中に摩耗等で膨大な締め付けトルクが掛かっても、締結用雄ねじ部の欠損や折損がより一層抑制される。圧力側フランクのフランク角αが遊び側フランクのフランク角βよりも60°より大きくなると、切削時に生じる切れ刃部への負荷が、加工ヘッドが抜ける方向へ掛かり、振動が生じやすくなる傾向がある。このため、圧力側フランクのフランク角αは遊び側フランクのフランク角βよりも60°以下の範囲で大きく設けることが望ましい。また、特に望ましいのは、圧力側フランクのフランク角αが遊び側フランクのフランク角βよりも20°以上50°以下の範囲で大きいことである。
圧力側フランクのフランク角αを35°以上に設定すれば、加工ヘッドとホルダーの締結時に生じる圧力側フランクのフランク面に掛かる力を工具軸Oに対し垂直な方向へ多く分散することが出来る。このため、工具軸Oの方向に掛かる引張りの力は小さくなり、締結用雄ねじ部の欠損や折損を抑制することが出来る。また、通常、加工ヘッドをホルダーに締め付けた際の芯だし精度を向上するため、インロー部などを設けるが、圧力側フランクのフランク角αを35°以上に設定すれば、加工ヘッドを締め付けた際の芯だし精度がさらに向上する。よって、圧力側フランクのフランク角αが35°以上であることが望ましい。また、圧力側フランクのフランク角αを60°よりも大きくすると、切削時に生じる切れ刃部への負荷が、加工ヘッドが抜ける方向へ掛かり、振動が生じやすくなる傾向がある。このため、圧力側フランクのフランク角αは60°以下であることが望ましい。よって、圧力側フランクのフランク角αは35°以上60°以下の範囲に設けることが望ましい。
遊び側フランクのフランク角βを25°より大きく設計すると、ねじ山の1ピッチPが大きくなり、締結用雄ねじ部の長さが長くなるため、製造コストが掛かる問題がある。よって、遊び側フランクのフランク角βは0°以上25°以下の範囲であることが望ましい。
ねじ山の1ピッチPが締結用雄ねじの呼び径dの15%より小さいと締結用雄ねじ部におけるねじ山の剛性が劣る。また、ねじ山の1ピッチPが締結用雄ねじの呼び径dの30%より大きくなると、締結用雄ねじ部の長さが長くなり製造コストが増大する。このため、ねじ山の1ピッチPは締結用雄ねじの呼び径dの15%以上30%以下の範囲であることが望ましい。
図6に示すように、2種類のフランク面11、12を接続するねじ山面13及びねじ底面14のそれぞれの幅であるねじ山面の幅20及びねじ底面の幅21が、いずれも工具軸Oに対し平行な方向で測定したときに、ねじ山の1ピッチPの15%より小さいと、締結用雄ねじ部6におけるねじ山の頂点の強度が劣る。また、ねじ山面の幅20及びねじ底面の幅21が、いずれも工具軸Oに対し平行な方向で測定したときに、ねじ山の1ピッチPの30%より大きくなるとフランク面が小さくなる。このため、切削時に生じる切れ刃部への負荷が、加工ヘッドが抜ける方向へ掛かり、振動が生じやすくなる。よって、2種類のフランク面11、12を接続するねじ山面13及びねじ底面14のそれぞれの幅であるねじ山面の幅20及びねじ底面の幅21は、工具軸Oに対し平行な方向で測定したときに、ねじ山の1ピッチPの15%以上30%以下の範囲となることが望ましい。
図15は図2、図4に示す参考例、本発明に係るホルダーにおける締結用雌ねじ部の拡大図である。図15における斜線は、締結用雌ねじ部8の軸心での断面であることを示している。締結用雌ねじ部8におけるねじ山の1ピッチPは、締結用雄ねじ部に設けられた圧力側フランクのフランク面、遊び側フランクのフランク面、2種類のフランク面を接続するねじ山面及びねじ底面に対応するための、圧力側フランクの螺合面22、遊び側フランクの螺合面23、2種類の前記螺合面22、23を接続するねじ山の螺合面24及びねじ底の螺合面25により構成される。本発明における締結用雌ねじ部8の軸心での断面において、圧力側フランクの螺合面22と工具軸Oに対し垂直な線とが成す角度である圧力側フランクの螺合面の角度γは、軸心での断面において、遊び側フランクの螺合面23と工具軸Oに対し垂直な線とが成す角度である遊び側フランクの螺合面の角度δより大きく設計されている。なお締結用雄ねじ部6と同様に、締結用雌ねじ部8においても、一つのねじ山を工具軸Oに平行となる方向で測定したときの長さは、ねじ山の1ピッチPの長さとなる。
図16は本発明の締結用雌ねじ部におけるねじ山に生じる力の大きさを示す図である。図16における斜線は、締結用雌ねじ部8の軸心での断面であることを示している。加工ヘッドとホルダーの締結時に生じる圧力側フランクの螺合面に掛かる力26は圧力側フランクの螺合面22に対し垂直方向に掛かる。本発明のように圧力側フランクの螺合面の角度γが遊び側フランクの螺合面の角度δより大きいと、圧力側フランクの螺合面に掛かる力26の工具軸Oに対し垂直となる方向に分散される力28が大きくなる。このため、切削中に締め付けトルクが掛かっても工具軸Oの方向に掛かる引張りの力27は小さくなる。よって、加工ヘッドをホルダーに取り付ける際や切削中に摩耗等で膨大な締め付けトルクが掛かっても、締結用雌ねじ部8の欠損や折損が抑制される。
図17は従来の先端交換式切削工具における加工ヘッドの締結用雌ねじ部がメートル並目ねじの場合のねじ山の拡大図である。図17における斜線は、メートル並目ねじにおける締結用雌ねじ部8aの軸心での断面であることを示している。締結用雌ねじ部8の場合も同様に、メートル並目ねじはJIS規格である。メートル並目ねじにおける締結用雌ねじ部8aは、圧力側フランクの螺合面の角度γ及び遊び側フランクの螺合面の角度δは共に30°であり、左右対称のねじ山の形状を有する。メートル並目ねじの場合の締結用雌ねじ部8aにおけるねじ山の形状はねじ山の1ピッチPは、圧力側フランクの螺合面22、遊び側フランクの螺合面23、2種類の前記螺合面を接続するねじ山の螺合面24及びねじ底の螺合面25により構成される。
図18はメートル並目ねじの締結用雌ねじ部におけるねじ山に生じる力の大きさを示す図である。図18における斜線は、メートル並目ねじにおける締結用雌ねじ部8aの軸心での断面であることを示している。加工ヘッドとホルダーの締結時に生じる圧力側フランクの螺合面に掛かる力26は圧力側フランクの螺合面22に対し垂直方向に掛かる。ねじ山の1ピッチPの値が予め決められた場合(すなわち規定のねじ山の1ピッチP)において、圧力側フランクの螺合面の角度γと遊び側フランクの螺合面の角度δが同じである左右対称のねじ山であれば、圧力側フランクの螺合面の角度γは大きくできない。よって、ねじの締結時に生じる圧力側フランクの螺合面に掛かる力26の工具軸Oに対し垂直となる方向に分散される力28は小さくなる。また、切削中に締め付けトルクが掛かると工具軸Oの方向に掛かる引張りの力27が大きくなる。このため、メートル並目ねじにおける締結用雌ねじ部8aの欠損や折損が生じやすい。また、圧力側フランクの螺合面の角度γを大きく設計し、工具軸Oに対し垂直な方向へ分散される力28を大きくしても、ねじ山の1ピッチPの長さが長くなるため、製造コストが高くなる問題がある。
図19は特許文献1に記載の従来の加工ヘッドに螺合するホルダーの締結用雌ねじの拡大図である。図19における斜線は、特許文献1における締結用雌ねじ部8bの軸心での断面であることを示している。ねじ山の1ピッチPにかけて設けられた特許文献1に記載の締結用雌ねじ部8bにおけるねじ山は、圧力側フランクの螺合面22、遊び側フランクの螺合面23、2種類の前記螺合面22、23を接続するねじ山の螺合面24及びねじ底の螺合面25により構成される。圧力側フランクの螺合面の角度γは遊び側フランクの螺合面の角度δより小さく設計されている。
図20は特許文献1に記載の締結用雌ねじ部におけるねじ山に生じる力の大きさを示す図である。図20における斜線は、特許文献1における締結用雌ねじ部8bの軸心での断面であることを示している。加工ヘッドとホルダーの締結時に生じる圧力側フランクの螺合面に掛かる力26は圧力側フランクの螺合面22に対し垂直な方向に掛かる。特許文献1における締結用雌ねじ部8bのように、圧力側フランクの螺合面の角度γが遊び側フランクの螺合面の角度δより小さいと、圧力側フランクの螺合面に掛かる力26の工具軸Oに対し垂直となる方向に分散される力28が小さくなる。また、切削中に締め付けトルクが掛かると工具軸Oの方向に掛かる引張りの力27は大きくなる。よって、加工ヘッドをホルダーに取り付ける際や切削中に摩耗等で膨大な締め付けトルクが掛かると、特許文献1における締結用雌ねじ部8bの欠損や折損が生じる。
本発明に係るホルダーにおいては、圧力側フランクの螺合面の角度γが遊び側フランクの螺合面の角度δよりも10°以上60°以下の範囲で大きいことが望ましい。圧力側フランクの螺合面の角度γを遊び側フランクの螺合面の角度δよりも10°以上大きくすることで、締結用雌ねじ部8におけるねじ山の強度を高めることができる。また、締め付けトルクに対して生じる締結時の圧力側フランクの螺合面に掛かる力26を工具軸Oに対し垂直な方向に多く分散することができる。よって、加工ヘッドをホルダーに取り付ける際や切削中に摩耗等で膨大な締め付けトルクが掛かっても、締結用雌ねじ部8の欠損や折損がより一層抑制される。圧力側フランクの螺合面の角度γが遊び側フランクの螺合面の角度δよりも60°より大きくなると、切削時に生じる切れ刃部への負荷が、加工ヘッドが抜ける方向へ掛かった場合、振動が生じやすくなる傾向がある。このため60°以下の範囲で大きいことが望ましい。また、特に望ましいのは、圧力側フランクの螺合面の角度γが遊び側フランクの螺合面の角度δよりも20°以上50°以下の範囲で大きいことである。
圧力側フランクの螺合面の角度γを35°以上に設定すれば、加工ヘッドとホルダーの締結時に生じる圧力側フランクの螺合面に掛かる力26を工具軸Oに対し垂直な方向に多く分散することが出来る。このため、工具軸Oの方向に掛かる引張りの力27は小さくなり、締結用雌ねじ部8の欠損や折損を抑制することが出来る。また、通常、加工ヘッドとホルダーの締め付けた際の芯だし精度を向上するため、インロー部などを設けるが、圧力側フランクの螺合面の角度γを35°以上に設定すれば、加工ヘッドを締め付けた際の芯だし精度もさらに向上する。よって、圧力側フランクの螺合面の角度γが35°以上であることが望ましい。圧力側フランクの螺合面の角度γを60°よりも大きくすると、切削時に生じる切れ刃部への負荷が、加工ヘッドが抜ける方向へ掛かった場合、振動が生じやすくなる傾向がある。このため、圧力側フランクの螺合面の角度γは60°以下であることが望ましい。よって、圧力側フランクの螺合面の角度γは35°以上60°以下の範囲に設けることが望ましい。
遊び側フランクの螺合面の角度δを25°より大きく設計すると、ねじ山の1ピッチPが過大になり、締結用雌ねじ部8の長さが許容範囲を超えて長くなるため、製造コストが増大する問題がある。よって、遊び側フランクの螺合面の角度δは0°以上25°以下の範囲であることが望ましい。
ねじ山の1ピッチPが締結用雄ねじ部の呼び径dの15%より小さいとねじ山の剛性が劣る。また、ねじ山の1ピッチPが締結用雄ねじ部の呼び径dの30%より大きくなると締結用雌ねじ部8の長さが許容範囲を超えて長くなり製造コストが増大する。このため、ねじ山の1ピッチPは締結用雄ねじ部の呼び径dの15%以上30%以下の範囲であることが望ましい。
図15に示すように、2種類の螺合面22、23を接続するねじ山の螺合面24及びねじ底の螺合面25のそれぞれの幅であるねじ山の螺合面の幅29及びねじ底の螺合面の幅30が、いずれも工具軸Oに対し平行な方向で測定したときに、ねじ山の1ピッチPの15%より小さいとねじ山の頂点の強度が劣る。また、ねじ山の螺合面の幅29及びねじ底の螺合面の幅30が、いずれも工具軸Oに対し平行な方向で測定したときに、ねじ山の1ピッチPの30%より大きくなるとフランク面の螺合面が小さくなる。このため、切削時に生じる切れ刃部への負荷が、加工ヘッドが抜ける方向へ掛かり、振動が生じやすくなる。よって、2種類の螺合面22、23を接続するねじ山の螺合面24及びねじ底面の螺合面25のそれぞれの幅であるねじ山の螺合面の幅29及びねじ底の螺合面の幅30は、工具軸Oに対し平行な方向で測定したときに、ねじ山の1ピッチPの15%以上30%以下の範囲となることが望ましい。
上記の本発明に係る加工ヘッド及び、本発明に係るホルダーをねじにて締め付けることにより、本発明の先端交換式切削工具を作製できる。本発明に係る加工ヘッド及び、本発明に係るホルダーは締結用雄ねじ部及び締結用雌ねじ部の剛性が従来のものより向上しているため、本発明の先端交換式切削工具を作製する際に、ねじにて強く締め付けても締結用雄ねじ部及び締結用雌ねじ部の欠損の抑制が可能である。但し、加工ヘッドをホルダーに螺合するにあたっては、締め付けトルクを一定にするために、トルクレンチを用いることが望ましい。
特に限定されないが、軸心での断面で見たときのねじ山面と工具軸Oとがなす角度から決定されるテーパ角は0°であるときに本発明の効果が最も大きく発揮することができる。しかし、0°を超え1°以下の範囲の微小なテーパ角が設けられた場合にも、ほぼ同様の効果を発揮することが可能である。
以下、本発明を下記の実施例により詳細に説明するが、それらにより本発明が限定されるものではない。
(実施例1)
締結用雄ねじ部及び締結用雌ねじ部の形状の違いによる剛性を比較するため、下記の参考例1、従来例1、比較例1の先端交換式切削工具を準備し、実際に切削評価を実施した。
参考例1として、締結用雄ねじ部における圧力側フランクのフランク角αを50°、締結用雄ねじ部における遊び側フランクのフランク角βを10°とし、ねじ山の1ピッチPを1.5mm、ねじ山面の幅を0.408mm、ねじ底面の幅を0.408mmにした締結用雄ねじ部が設けられた加工ヘッドを作製した。さらに、締結用雌ねじ部における圧力側フランクの螺合面の角度γを50°、締結用雌ねじ部における遊び側フランクの螺合面の角度δを10°とし、ねじ山の1ピッチPを1.5mm、ねじ山の螺合面の幅を0.408mm、ねじ底の螺合面の幅を0.408mmにした締結用雌ねじ部が設けられたホルダーを作製した。この加工ヘッドをホルダーに締め付け、参考例1の先端交換式切削工具を作製した。すなわち、圧力側フランクのフランク角αが遊び側フランクのフランク角βよりも40°大きく設けられた加工ヘッド、及び圧力側フランクの螺合面の角度γが遊び側フランクの螺合面の角度δよりも40°大きく設けられたホルダーを作成し、参考例1の先端交換式切削工具を作製した。
従来例1として、JIS規格に記載の標準メートル並目ねじ形状の締結用雄ねじ部が設けられた加工ヘッド、及びJIS規格に記載の標準メートル並目ねじ形状の締結用雌ねじ部が設けられたホルダーを作製し、この加工ヘッドをホルダーに締め付け、従来例1の先端交換式切削工具を作製した。従来例1の先端交換式切削工具に使用された加工ヘッドにおいては、締結用雄ねじ部における圧力側フランクのフランク角αを30°、締結用雄ねじ部における遊び側フランクのフランク角βを30°とし、ねじ山の1ピッチPを1.0mmとし、ねじ山面の幅を0.211mm、ねじ底面の幅を0.211mmとした。従来例1の先端交換式切削工具に使用されたホルダーにおいては、締結用雌ねじ部における圧力側フランクの螺合面の角度γを30°、締結用雌ねじ部における遊び側フランクの螺合面の角度δを30°とし、ねじ山の1ピッチPを1.0mmとし、ねじ山の螺合面の幅を0.211mm、ねじ底の螺合面の幅を0.211mmとした。すなわち、圧力側フランクのフランク角αと遊び側フランクのフランク角βを等しくした加工ヘッド、及び圧力側フランクの螺合面の角度γと遊び側フランクの螺合面の角度δを等しくしたホルダーを作製し、従来例1の先端交換式切削工具を作製した。
比較例1として、締結用雄ねじ部における圧力側フランクのフランク角αを10°、締結用雄ねじ部における遊び側フランクのフランク角βを50°とし、ねじ山の1ピッチPを1.5mm、ねじ山面の幅を0.408mm、ねじ底面の幅を0.408mmとした締結用雄ねじ部が設けられた加工ヘッドを作製した。さらに、締結用雌ねじ部における圧力側フランクの螺合面の角度γを10°、締結用雌ねじ部における遊び側フランクの螺合面の角度δを50°とし、ねじ山の1ピッチPを1.5mm、ねじ山の螺合面の幅を0.408mm、ねじ底の螺合面の幅を0.408mmにした締結用雌ねじ部が設けられたホルダーを作製した。この加工ヘッドをホルダーに締め付け、比較例1の先端交換式切削工具を作製した。すなわち、圧力側フランクのフランク角αが遊び側フランクのフランク角βよりも40°小さく設けられた加工ヘッド、及び圧力側フランクの螺合面の角度γが遊び側フランクの螺合面の角度δよりも40°小さく設けられたホルダーを作製し、参考例1の先端交換式切削工具を作製した。
参考例1、従来例1、及び比較例1の共通仕様として、加工ヘッドはWC基超硬合金製(日立ツール株式会社製、材質名:NM15、Co含有量:11質量%)であるが、高速度工具鋼(日立金属株式会社製、材質名:HAP72)を用いた場合でも同様の傾向を示した。ホルダーはWC基超硬合金製(日立ツール株式会社製、材質名:NC60、Co含有量16質量%)であるが、高速度工具鋼(日立金属株式会社製、材質名:HAP72)を用いた場合でも同様の傾向を示した。また、加工ヘッドの先端から締結用雄ねじ部までは一体成形で作製され、工具径Dが10mm、外周刃を工具軸Oの方向で測定したときの長さである刃長が10mm、締結用雄ねじ部の呼び径dが6mm、締結用雄ねじ部を工具軸Oの方向で測定したときの長さである締結用雄ねじ部のねじ長が6mm、締結用雌ねじ部の直径が6mm、締結用雌ねじ部を工具軸Oの方向で測定したときの長さである締結用雌ねじ部のねじ長が8mm、刃数が4枚の同一形状のスクエアエンドミルとし、切れ刃部にはTiSiN系の硬質皮膜を施し、切削を実施した。なお、「テーパ角」は、図3〜図5に示した加工ヘッドとホルダーとの接触面のテーパ角度を示す。以下の実施例においては、特に示さない限り、テーパ角は0°の例を示す。
切削に使用した被削材はHRC40のプリハードン鋼にて、先端交換式切削工具の突出し量を40mmで一定とし、切削条件を回転数が3240min−1、軸方向の切込み量を5mm、径方向の切込み量を1mmに固定し、送り速度を700mm/minから100mm/minずつ増加させ、10mの加工距離の切削加工が可能かを確認しながら1200mm/minまで安定加工が可能か否かについて検証した。なお、工具冷却及び切り屑排出のためにエアブローを使用した。
評価基準としては、送り速度を700mm/minから100mm/minずつ増加させ、送り速度が1200mm/minでの切削加工において、加工ヘッドにおける締結用雄ねじ部の折損が発生せずに安定加工が行えた場合、その先端交換式切削工具を良好とした。検証した結果を表1に示す。なお、表1に記載の結果における「○」は、それぞれの送り速度での切削加工において、加工ヘッドにおける締結用雄ねじ部の折損が発生しなかったことを示し、表1に記載の結果における「×」は、それぞれの送り速度での切削加工において、加工ヘッドにおける締結用雄ねじ部の折損が発生したことを示す。また、締結用雄ねじ部の折損とは、締結用雄ねじ部自体が折損し、加工ヘッドの締結用雄ねじ部によるホルダーへの螺合が不可能となった状態を示す。
Figure 0005713144
表1に記載の結果より、参考例1においては送り速度が1200mm/minでの切削加工において、締結用雄ねじ部の折損が発生せず安定した加工が可能であったため、良好であった。しかし、従来例1、比較例1については、従来例1が900mm/min、比較例1が800mm/minの送り速度にて、切削中に締結用雄ねじ部の折損が発生してしまい、高能率な加工が不可能であったため、不良であった。これらのことから、圧力側フランクのフランク角αが遊び側フランクのフランク角βよりも大きく設けられた加工ヘッド、及び圧力側フランクの螺合面の角度γが遊び側フランクの螺合面の角度δよりも大きく設けられたホルダーから構成される参考例1は、従来の先端交換式切削工具と比較し、締結用雄ねじ部の折損を発生させずに、送り速度が1.5倍以上の高能率加工が可能であるといえる。
(実施例2)
圧力側フランクのフランク角αと遊び側フランクのフランク角βとの角度差、及び圧力側フランクの螺合面の角度γと遊び側フランクの螺合面の角度δとの角度差による締結用雄ねじ部におけるねじ山の剛性の変化、加工ヘッドの後端における剛性の変化、及び切削時の工具摩耗を比較するため、下記の参考例2〜参考例9の先端交換式切削工具を準備し、実際に切削評価を実施した。
参考例2として、締結用雄ねじ部における圧力側フランクのフランク角αを50°、締結用雄ねじ部における遊び側フランクのフランク角βを45°とし、ねじ山面の幅を0.452mm、ねじ底面の幅を0.452mmとした締結用雄ねじ部が設けられた加工ヘッドを作製した。さらに、締結用雌ねじ部における圧力側フランクの螺合面の角度γを50°、締結用雌ねじ部における遊び側フランクの螺合面の角度δを45°とし、ねじ山面の螺合面の幅を0.452mm、ねじ底の螺合面の幅を0.452mmとした締結用雌ねじ部が設けられたホルダーを作製した。この加工ヘッドをホルダーに締め付け、参考例2の先端交換式切削工具を作製した。すなわち、圧力側フランクのフランク角αが遊び側フランクのフランク角βよりも5°大きく設けられた加工ヘッド、及び圧力側フランクの螺合面の角度γが遊び側フランクの螺合面の角度δよりも5°大きく設けられたホルダーを作製し、参考例2の先端交換式切削工具を作製した。
参考例3として、締結用雄ねじ部における圧力側フランクのフランク角αを50°、締結用雄ねじ部における遊び側フランクのフランク角βを40°とし、ねじ山面の幅を0.492mm、ねじ底面の幅を0.492mmとした締結用雄ねじ部が設けられた加工ヘッドを作製した。さらに、締結用雌ねじ部における圧力側フランクの螺合面の角度γを50°、締結用雌ねじ部における遊び側フランクの螺合面の角度δを40°とし、ねじ山の螺合面の幅を0.492mm、ねじ底の螺合面の幅を0.492mmとした締結用雌ねじ部が設けられたホルダーを作製した。この加工ヘッドをホルダーに締め付け、参考例3の先端交換式切削工具を作製した。すなわち、圧力側フランクのフランク角αが遊び側フランクのフランク角βよりも10°大きく設けられた加工ヘッド、及び圧力側フランクの螺合面の角度γが遊び側フランクの螺合面の角度δよりも10°大きく設けられたホルダーを作製し、参考例3の先端交換式切削工具を作製した。
参考例4として、締結用雄ねじ部における圧力側フランクのフランク角αを50°、締結用雄ねじ部における遊び側フランクのフランク角βを30°とし、ねじ山面の幅を0.558mm、ねじ底面の幅を0.558mmとした締結用雄ねじ部が設けられた加工ヘッドを作製した。さらに、締結用雌ねじ部における圧力側フランクの螺合面の角度γを50°、締結用雌ねじ部における遊び側フランクの螺合面の角度δを30°とし、ねじ山の螺合面の幅を0.558mm、ねじ底の螺合面の幅を0.558mmとした締結用雌ねじ部が設けられたホルダーを作製した。この加工ヘッドをホルダーに締め付け、参考例4の先端交換式切削工具を作製した。すなわち、圧力側フランクのフランク角αが遊び側フランクのフランク角βよりも20°大きく設けられた加工ヘッド、及び圧力側フランクの螺合面の角度γが遊び側フランクの螺合面の角度δよりも20°大きく設けられたホルダーを作製し、参考例4の先端交換式切削工具を作製した。
参考例5として、締結用雄ねじ部における圧力側フランクのフランク角αを50°、締結用雄ねじ部における遊び側フランクのフランク角βを20°とし、ねじ山面の幅を0.611mm、ねじ底面の幅を0.611mmとした締結用雄ねじ部が設けられた加工ヘッドを作製した。さらに、締結用雌ねじ部における圧力側フランクの螺合面の角度γを50°、締結用雌ねじ部における遊び側フランクの螺合面の角度δを20°とし、ねじ山の螺合面の幅を0.611mm、ねじ底の螺合面の幅を0.611mmとした締結用雌ねじ部が設けられたホルダーを作製した。この加工ヘッドをホルダーに締め付け、参考例5の先端交換式切削工具を作製した。すなわち、圧力側フランクのフランク角αが遊び側フランクのフランク角βよりも30°大きく設けられた加工ヘッド、及び圧力側フランクの螺合面の角度γが遊び側フランクの螺合面の角度δよりも30°大きく設けられたホルダーを作製し、参考例5の先端交換式切削工具を作製した。
参考例6として、締結用雄ねじ部における圧力側フランクのフランク角αを50°、締結用雄ねじ部における遊び側フランクのフランク角βを10°とし、ねじ山面の幅を0.658mm、ねじ底面の幅を0.658mmとした締結用雄ねじ部が設けられた加工ヘッドを作製した。さらに、締結用雌ねじ部における圧力側フランクの螺合面の角度γを50°、締結用雌ねじ部における遊び側フランクの螺合面の角度δを10°とし、ねじ山の螺合面の幅を0.658mm、ねじ底の螺合面の幅を0.658mmとした締結用雌ねじ部が設けられたホルダーを作製した。この加工ヘッドをホルダーに締め付け、参考例6の先端交換式切削工具を作製した。すなわち、圧力側フランクのフランク角αが遊び側フランクのフランク角βよりも40°大きく設けられた加工ヘッド、及び圧力側フランクの螺合面の角度γが遊び側フランクの螺合面の角度δよりも40°大きく設けられたホルダーを作製し、参考例6の先端交換式切削工具を作製した。
参考例7として、締結用雄ねじ部における圧力側フランクのフランク角αを60°、締結用雄ねじ部における遊び側フランクのフランク角βを10°とし、ねじ山面の幅を0.523mm、ねじ底面の幅を0.523mmとした締結用雄ねじ部が設けられた加工ヘッドを作製した。さらに、締結用雌ねじ部における圧力側フランクの螺合面の角度γを60°、締結用雌ねじ部における遊び側フランクの螺合面の角度δを10°とし、ねじ山の螺合面の幅を0.523mm、ねじ底の螺合面の幅を0.523mmとした締結用雌ねじ部が設けられたホルダーを作製した。この加工ヘッドをホルダーに締め付け、参考例7の先端交換式切削工具を作製した。すなわち、圧力側フランクのフランク角αが遊び側フランクのフランク角βよりも50°大きく設けられた加工ヘッド、及び圧力側フランクの螺合面の角度γが遊び側フランクの螺合面の角度δよりも50°大きく設けられたホルダーを作製し、参考例7の先端交換式切削工具を作製した。
参考例8として、締結用雄ねじ部における圧力側フランクのフランク角αを70°、締結用雄ねじ部における遊び側フランクのフランク角βを10°とし、ねじ山面の幅を0.269mm、ねじ底面の幅を0.269mmとした締結用雄ねじ部が設けられた加工ヘッドを作製した。さらに、締結用雌ねじ部における圧力側フランクの螺合面の角度γを70°、締結用雌ねじ部における遊び側フランクの螺合面の角度δを10°とし、ねじ山の螺合面の幅を0.269mm、ねじ底の螺合面の幅を0.269mmとした締結用雌ねじ部が設けられたホルダーを作製した。この加工ヘッドをホルダーに締め付け、参考例8の先端交換式切削工具を作製した。すなわち、圧力側フランクのフランク角αが遊び側フランクのフランク角βよりも60°大きく設けられた加工ヘッド、及び圧力側フランクの螺合面の角度γが遊び側フランクの螺合面の角度δよりも60°大きく設けられたホルダーを作製し、参考例8の先端交換式切削工具を作製した。
参考例9として、締結用雄ねじ部における圧力側フランクのフランク角αを70°、締結用雄ねじ部における遊び側フランクのフランク角βを5°とし、ねじ山面の幅を0.291mm、ねじ底面の幅を0.291mmとした締結用雄ねじ部が設けられた加工ヘッドを作製した。さらに、締結用雌ねじ部における圧力側フランクの螺合面の角度γを70°、締結用雌ねじ部における遊び側フランクの螺合面の角度δを5°とし、ねじ山の螺合面の幅を0.291mm、ねじ底の螺合面の幅を0.291mmとした締結用雌ねじ部が設けられたホルダーを作製した。この加工ヘッドをホルダーに締め付け、参考例9の先端交換式切削工具を作製した。すなわち、圧力側フランクのフランク角αが遊び側フランクのフランク角βよりも65°大きく設けられた加工ヘッド、及び圧力側フランクの螺合面の角度γが遊び側フランクの螺合面の角度δよりも65°大きく設けられたホルダーを作製し、参考例9の先端交換式切削工具を作製した。
参考例2乃至9における共通仕様として、加工ヘッド及びホルダーはWC基超硬合金製(日立ツール株式会社製、材質名:NM15、Co含有量:11質量%)であるが、高速度工具鋼(日立金属株式会社製、材質名:HAP72)を用いた場合でも同様の傾向を示した。ホルダーはWC基超硬合金製(日立ツール株式会社製、材質名:NC60、Co含有量16質量%)であるが、高速度工具鋼(日立金属株式会社製、材質名:HAP72)を用いた場合でも同様の傾向を示した。また、加工ヘッドの先端から締結用雄ねじ部までは一体成形で作製され、工具径Dが10mm、刃長が10mm、締結用雄ねじ部の呼び径dが6mm、締結用雄ねじ部のねじ長が6mm、締結用雌ねじ部の直径が6mm、締結用雌ねじ部のねじ長が8mm、締結用雄ねじ部及び締結用雌ねじ部におけるねじ山の1ピッチPが2mm、締結用雄ねじ部及び締結用雌ねじ部におけるテーパ角が0°、刃数が4枚の同一形状のスクエアエンドミルとし、切れ刃部にはTiSiN系の硬質皮膜を施し、切削を実施した。
切削加工に使用した被削材はHRC40のプリハードン鋼とし、先端交換式切削工具の突出し量を40mmで一定とし、切削条件を回転数が3240min−1、送り速度が1200mm/min、軸方向の切込み量を5mm、径方向の切込み量を1mmに固定し、50mの加工距離の切削加工後の工具摩耗状態を検証した。なお、工具冷却及び切り屑排出のためにエアブローを使用した。
評価方法としては、50m切削加工後に光学式の工具顕微鏡を用いて、スクエアエンドミルの4枚の外周刃に生じた最大逃げ面摩耗幅を測定し、その平均値を算出した。さらに、光学式の工具顕微鏡を用いて、締結用雄ねじ部におけるねじ山及び加工ヘッドの後端すなわち面取りによって形成された面19と圧力側フランクのフランク面11のなす角(ねじ山)に生じた欠損の有無を確認した。
評価基準としては、50m切削加工後の先端交換式切削工具に用いられた加工ヘッドにおいて、締結用雄ねじ部におけるねじ山及び加工ヘッドの後端において欠損が無く、逃げ面摩耗幅の平均値が0.2mm以下であったものを良好とした。検証した結果を表2に示す。
Figure 0005713144
表2に記載の結果より、参考例2乃至9において、50m加工後も締結用雄ねじ部におけるねじ山及び加工ヘッドの後端において欠損が発生せず、逃げ面摩耗幅の平均値が0.2mm以下であったため、良好であった。
特に、圧力側フランクのフランク角αが遊び側フランクのフランク角βよりも10°以上60°以下の範囲で大きく設けられた加工ヘッド、及び圧力側フランクの螺合面の角度γが遊び側フランクの螺合面の角度δよりも10°以上60°以下の範囲で大きく設けられたホルダーから構成される参考例2乃至8においては50mの切削加工後においても外周刃に生じた逃げ面摩耗幅の平均値は0.15mm以下であったため、更に長時間切削可能な状態であった。
(実施例3)
圧力側フランクのフランク角αの角度及び圧力側フランクの螺合面の角度γによる締結用雄ねじ部におけるねじ山の剛性の変化、加工ヘッドとホルダーを螺合したときの芯だし精度の変化及び切削時の工具摩耗を比較するため、下記の参考例10〜参考例14の先端交換式切削工具を準備し、実際に切削評価を実施した。
参考例10として、締結用雄ねじ部における圧力側フランクのフランク角αを30°、締結用雄ねじ部における遊び側フランクのフランク角βを20°とし、ねじ山面の幅を0.764mm、ねじ底面の幅を0.764mmとした締結用雄ねじ部が設けられた加工ヘッドを作製した。さらに、締結用雌ねじ部における圧力側フランクの螺合面の角度γを30°、締結用雌ねじ部における遊び側フランクの螺合面の角度δを20°とし、ねじ山の螺合面の幅を0.764mm、ねじ底の螺合面の幅を0.764mmとした締結用雌ねじ部が設けられたホルダーを作製した。この加工ヘッドをホルダーに締め付け、参考例10の先端交換式切削工具を作製した。すなわち、圧力側フランクのフランク角αを30°とした加工ヘッド、及び圧力側フランクの螺合面の角度γを30°としたホルダーを作製し、参考例10の先端交換式切削工具を作製した。
参考例11として、締結用雄ねじ部における圧力側フランクのフランク角αを35°、締結用雄ねじ部における遊び側フランクのフランク角βを20°とし、ねじ山面の幅を0.734mm、ねじ底面の幅を0.734mmとした締結用雄ねじ部が設けられた加工ヘッドを作製した。さらに、締結用雌ねじ部における圧力側フランクの螺合面の角度γを35°、締結用雌ねじ部における遊び側フランクの螺合面の角度δを20°とし、ねじ山の螺合面の幅を0.734mm、ねじ底の螺合面の幅を0.734mmとした締結用雌ねじ部が設けられたホルダーを作製した。この加工ヘッドをホルダーに締め付け、参考例11の先端交換式切削工具を作製した。すなわち、圧力側フランクのフランク角αを35°とした加工ヘッド、及び圧力側フランクの螺合面の角度γを35°としたホルダーを作製し、参考例11の先端交換式切削工具を作製した。
参考例12として、締結用雄ねじ部における圧力側フランクのフランク角αを45°、締結用雄ねじ部における遊び側フランクのフランク角βを30°とし、ねじ山面の幅を0.605mm、ねじ底面の幅を0.605mmとした締結用雄ねじ部が設けられた加工ヘッドを作製した。さらに、締結用雌ねじ部における圧力側フランクの螺合面の角度γを45°、締結用雌ねじ部における遊び側フランクの螺合面の角度δを30°とし、ねじ山の螺合面の幅を0.605mm、ねじ底の螺合面の幅を0.605mmとした締結用雌ねじ部が設けられたホルダーを作製した。この加工ヘッドをホルダーに締め付け、参考例12の先端交換式切削工具を作製した。すなわち、圧力側フランクのフランク角αを45°とした加工ヘッド、及び圧力側フランクの螺合面の角度γを45°としたホルダーを作製し、参考例12の先端交換式切削工具を作製した。
参考例13として、締結用雄ねじ部における圧力側フランクのフランク角αを60°、締結用雄ねじ部における遊び側フランクのフランク角βを30°とし、ねじ山面の幅を0.423mm、ねじ底面の幅を0.423mmとした締結用雄ねじ部が設けられた加工ヘッドを作製した。さらに、締結用雌ねじ部における圧力側フランクの螺合面の角度γを60°、締結用雌ねじ部における遊び側フランクの螺合面の角度δを30°とし、ねじ山の螺合面の幅を0.423mm、ねじ底の螺合面の幅を0.423mmとした締結用雌ねじ部が設けられたホルダーを作製した。この加工ヘッドをホルダーに締め付け、参考例13の先端交換式切削工具を作製した。すなわち、圧力側フランクのフランク角αを60°とした加工ヘッド、及び圧力側フランクの螺合面の角度γを60°としたホルダーを作製し、参考例13の先端交換式切削工具を作製した。
参考例14として、締結用雄ねじ部における圧力側フランクのフランク角αを65°、締結用雄ねじ部における遊び側フランクのフランク角βを30°とし、ねじ山面の幅を0.319mm、ねじ底面の幅を0.319mmとした締結用雄ねじ部が設けられた加工ヘッドを作製した。さらに、締結用雌ねじ部における圧力側フランクの螺合面の角度γを65°、締結用雌ねじ部における遊び側フランクの螺合面の角度δを30°とし、ねじ山の螺合面の幅を0.319mm、ねじ底の螺合面の幅を0.319mmとした締結用雌ねじ部が設けられたホルダーを作製した。この加工ヘッドをホルダーに締め付け、参考例14の先端交換式切削工具を作製した。すなわち、圧力側フランクのフランク角αを65°とした加工ヘッド、及び圧力側フランクの螺合面の角度γを65°としたホルダーを作製し、参考例14の先端交換式切削工具を作製した。
参考例10乃至14における共通仕様として、加工ヘッド及びホルダーはWC基超硬合金製(日立ツール株式会社製、材質名:NM15、Co含有量:11質量%)であるが、高速度工具鋼(日立金属株式会社製、材質名:HAP72)を用いた場合でも同様の傾向を示した。ホルダーはWC基超硬合金製(日立ツール株式会社製、材質名:NC60、Co含有量16質量%)であるが、高速度工具鋼(日立金属株式会社製、材質名:HAP72)を用いた場合でも同様の傾向を示した。また、加工ヘッドの先端から締結用雄ねじ部までは一体成形で作製され、工具径Dが10mm、刃長が10mm、締結用雄ねじ部の呼び径が6mm、締結用雄ねじ部のねじ長が6mm、締結用雌ねじ部の直径が6mm、締結用雌ねじ部のねじ長が8mm、締結用雄ねじ部及び締結用雌ねじ部におけるねじ山の1ピッチPが2mm、締結用雄ねじ部及び締結用雌ねじ部におけるテーパ角が0°、刃数が4枚の同一形状のスクエアエンドミルとし、切れ刃部にはTiSiN系の硬質皮膜を施し、切削を実施した。
切削加工に使用した被削材はHRC40のプリハードン鋼とし、先端交換式切削工具の突出し量を40mmで一定とし、切削条件を回転数が3240min−1、送り速度が1200mm/min、軸方向の切込み量を5mm、径方向の切込み量を1mmに固定し、50mの加工距離の切削加工後の工具摩耗状態を検証した。なお、工具冷却及び切り屑排出のためにエアブローを使用した。
評価方法としては、切削加工前において、加工ヘッドとホルダーを螺合したときの芯だし精度の変化を確認するために、マシニングセンタの主軸に取り付けたときの外周刃の振れすなわち切れ刃部の振れをダイヤルゲージで測定した。さらに、50m切削加工後に光学式の工具顕微鏡を用いて、スクエアエンドミルの4枚の外周刃に生じた最大逃げ面摩耗幅を測定し、その平均値を算出した。さらに、光学式の工具顕微鏡を用いて、締結用雄ねじ部におけるねじ山に生じた欠損の有無を確認した。
評価基準としては、切削加工前において加工ヘッドとホルダーを螺合したときの切れ刃部の振れが30μm以下であり、50m切削加工後の先端交換式切削工具に用いられた加工ヘッドにおいて、締結用雄ねじ部におけるねじ山において欠損が無く、逃げ面摩耗幅の平均値が0.2mm以下であったものを良好とした。検証した結果を表3に示す。
Figure 0005713144
表3に記載の結果より、参考例10乃至14において、切削加工前に加工ヘッドとホルダーを螺合したときの切れ刃部の振れが30μm以下であり、50m加工後も締結用雄ねじ部におけるねじ山において欠損が発生せず、逃げ面摩耗幅の平均値が0.2mm以下であったため、良好であった。
特に、圧力側フランクのフランク角αが35°以上60°以下の範囲で設けられた加工ヘッド、及び圧力側フランクの螺合面の角度γが35°以上60°以下の範囲で設けられたホルダーから構成される参考例11乃至13においては、切削加工前に加工ヘッドとホルダーを螺合したときの切れ刃部の振れが15μm以下であり、50mの切削加工後においても外周刃に生じた逃げ面摩耗幅の平均値は0.1mm以下であったため、更に長時間切削可能な状態であった。
(実施例4)
遊び側フランクのフランク角βの角度及び遊び側フランクの螺合面の角度δによる締結用雄ねじ部におけるねじ山の剛性の変化及び切削時の工具摩耗を比較するため、下記の参考例15〜参考例18の先端交換式切削工具を準備し、実際に切削評価を実施した。
参考例15として、締結用雄ねじ部における圧力側フランクのフランク角αを40°、締結用雄ねじ部における遊び側フランクのフランク角βを0°とし、ねじ山面の幅を0.790mm、ねじ底面の幅を0.790mmとした締結用雄ねじ部が設けられた加工ヘッドを作製した。さらに、締結用雌ねじ部における圧力側フランクの螺合面の角度γを40°、締結用雌ねじ部における遊び側フランクの螺合面の角度δを0°とし、ねじ山の螺合面の幅を0.790mm、ねじ底の螺合面の幅を0.790mmとした締結用雌ねじ部が設けられたホルダーを作製した。この加工ヘッドをホルダに締め付け、参考例15の先端交換式切削工具を作製した。すなわち、遊び側フランクのフランク角βを0°とした加工ヘッド、及び遊び側フランクの螺合面の角度δを0°としたホルダーを作製し、参考例15の先端交換式切削工具を作製した。
参考例16として、締結用雄ねじ部における圧力側フランクのフランク角αを40°、締結用雄ねじ部における遊び側フランクのフランク角βを10°とし、ねじ山面の幅を0.746mm、ねじ底面の幅を0.746mmとした締結用雄ねじ部が設けられた加工ヘッドを作製した。さらに、締結用雌ねじ部における圧力側フランクの螺合面の角度γを40°、締結用雌ねじ部における遊び側フランクの螺合面の角度δを10°とし、ねじ山の螺合面の幅を0.746mm、ねじ底の螺合面の幅を0.746mmとした締結用雌ねじ部が設けられたホルダーを作製した。この加工ヘッドをホルダーに締め付け、参考例16の先端交換式切削工具を作製した。すなわち、遊び側フランクのフランク角βを10°とした加工ヘッド、及び遊び側フランクの螺合面の角度δを10°としたホルダーを作製し、参考例16の先端交換式切削工具を作製した。
参考例17として、締結用雄ねじ部における圧力側フランクのフランク角αを40°、締結用雄ねじ部における遊び側フランクのフランク角βを25°とし、ねじ山面の幅を0.673mm、ねじ底面の幅を0.673mmとした締結用雄ねじ部が設けられた加工ヘッドを作製した。さらに、締結用雌ねじ部における圧力側フランクの螺合面の角度γを40°、締結用雌ねじ部における遊び側フランクの螺合面の角度δを25°とし、ねじ山の螺合面の幅を0.673mm、ねじ底の螺合面の幅を0.673mmとした締結用雌ねじ部が設けられたホルダーを作製した。この加工ヘッドをホルダーに締め付け、参考例17の先端交換式切削工具を作製した。すなわち、遊び側フランクのフランク角βを25°とした加工ヘッド、及び遊び側フランクの螺合面の角度δを25°としたホルダーを作製し、参考例17の先端交換式切削工具を作製した。
参考例18として、締結用雄ねじ部における圧力側フランクのフランク角αを40°、締結用雄ねじ部における遊び側フランクのフランク角βを30°とし、ねじ山面の幅を0.646mm、ねじ底面の幅を0.646mmとした締結用雄ねじ部が設けられた加工ヘッドを作製した。さらに、締結用雌ねじ部における圧力側フランクの螺合面の角度γを40°、締結用雌ねじ部における遊び側フランクの螺合面の角度δを30°とし、ねじ山の螺合面の幅を0.646mm、ねじ底の螺合面の幅を0.646mmとした締結用雌ねじ部が設けられたホルダーを作製した。この加工ヘッドをホルダーに締め付け、参考例18の先端交換式切削工具を作製した。すなわち、遊び側フランクのフランク角βを30°とした加工ヘッド、及び遊び側フランクの螺合面の角度δを30°としたホルダーを作製し、参考例18の先端交換式切削工具を作製した。
参考例15乃至18における共通仕様として、加工ヘッド及びホルダーはWC基超硬合金製(日立ツール株式会社製、材質名:NM15、Co含有量:11質量%)であるが、高速度工具鋼(日立金属株式会社製、材質名:HAP72)を用いた場合でも同様の傾向を示した。ホルダーはWC基超硬合金製(日立ツール株式会社製、材質名:NC60、Co含有量16質量%)であるが、高速度工具鋼(日立金属株式会社製、材質名:HAP72)を用いた場合でも同様の傾向を示した。また、加工ヘッドの先端から締結用雄ねじ部までは一体成形で作製され、工具径Dが10mm、刃長が10mm、締結用雄ねじ部の呼び径が6mm、締結用雄ねじ部のねじ長が6mm、締結用雌ねじ部の直径が6mm、締結用雌ねじ部のねじ長が8mm、締結用雄ねじ部及び締結用雌ねじ部におけるねじ山の1ピッチPが2mm、締結用雄ねじ部及び締結用雌ねじ部におけるテーパ角が0°、刃数が4枚の同一形状のスクエアエンドミルとし、切れ刃部にはTiSiN系の硬質皮膜を施し、切削を実施した。
切削加工に使用した被削材はHRC40のプリハードン鋼とし、先端交換式切削工具の突出し量を40mmで一定とし、切削条件を回転数が3240min−1、送り速度が1200mm/min、軸方向の切込み量を5mm、径方向の切込み量を1mmに固定し、50mの加工距離の切削加工後の工具摩耗状態を検証した。なお、工具冷却及び切り屑排出のためにエアブローを使用した。
評価方法としては、50m切削加工後に光学式の工具顕微鏡を用いて、スクエアエンドミルの4枚の外周刃に生じた最大逃げ面摩耗幅を測定し、その平均値を算出した。さらに、光学式の工具顕微鏡を用いて、締結用雄ねじ部におけるねじ山に生じた欠損の有無を確認した。
評価基準としては、50m切削加工後の先端交換式切削工具に用いられた加工ヘッドにおいて、締結用雄ねじ部におけるねじ山において欠損が無く、逃げ面摩耗幅の平均値が0.2mm以下であったものを良好とした。検証した結果を表4に示す。
Figure 0005713144
表4に記載の結果より、参考例15乃至18において、50m加工後も締結用雄ねじ部におけるねじ山において欠損が発生せず、逃げ面摩耗幅の平均値が0.2mm以下であったため、良好であった。
特に、遊び側フランクのフランク角βが0°以上25°以下の範囲で設けられた加工ヘッド、及び遊び側フランクの螺合面の角度が0°以上25°以下の範囲で設けられたホルダーから構成される参考例15乃至17においては50mの切削加工後においても外周刃に生じた逃げ面摩耗幅の平均値は0.06mm以下であったため、更に長時間切削可能な状態であった。
(実施例5)
締結用雄ねじ部及び締結用雌ねじ部におけるねじ山の1ピッチPによる締結用雄ねじ部におけるねじ山の剛性の変化及び切削時の工具摩耗を比較するため、下記の参考例19〜参考例23の先端交換式切削工具を準備し、実際に切削評価を実施した。
参考例19として、締結用雄ねじ部における圧力側フランクのフランク角αを40°、締結用雄ねじ部における遊び側フランクのフランク角βを10°とし、ねじ山の1ピッチPを0.6mmにし、ねじ山面の幅を0.046mm、ねじ底面の幅を0.046mmとした締結用雄ねじ部が設けられた加工ヘッドを作製した。さらに、締結用雌ねじ部における圧力側フランクの螺合面の角度γを40°、締結用雌ねじ部における遊び側フランクの螺合面の角度δを10°とし、ねじ山の1ピッチPを0.6mmにし、ねじ山の螺合面の幅を0.046mm、ねじ底の螺合面の幅を0.046mmとした締結用雌ねじ部が設けられたホルダーを作製した。この加工ヘッドをホルダーに締め付け、参考例19の先端交換式切削工具を作製した。すなわち、締結用雄ねじ部におけるねじ山の1ピッチPを締結用雄ねじ部の呼び径dの10%の長さとした加工ヘッド、及び締結用雌ねじ部におけるねじ山の1ピッチPを締結用雄ねじ部の呼び径dの10%の長さとしたホルダーを作製し、参考例19の先端交換式切削工具を作製した。
参考例20として、締結用雄ねじ部における圧力側フランクのフランク角αを40°、締結用雄ねじ部における遊び側フランクのフランク角βを10°とし、ねじ山の1ピッチPを0.9mmにし、ねじ山面の幅を0.196mm、ねじ底面の幅を0.196mmとした締結用雄ねじ部が設けられた加工ヘッドを作製した。さらに、締結用雌ねじ部における圧力側フランクの螺合面の角度γを40°、締結用雌ねじ部における遊び側フランクの螺合面の角度δを10°とし、ねじ山の1ピッチPを0.9mmにし、ねじ山の螺合面の幅を0.196mm、ねじ底の螺合面の幅を0.196mmとした締結用雌ねじ部が設けられたホルダーを作製した。この加工ヘッドをホルダーに締め付け、参考例20の先端交換式切削工具を作製した。すなわち、締結用雄ねじ部におけるねじ山の1ピッチPを締結用雄ねじ部の呼び径dの15%の長さとした加工ヘッド、及び締結用雌ねじ部におけるねじ山の1ピッチPを締結用雄ねじ部の呼び径dの15%の長さとしたホルダーを作製し、参考例20の先端交換式切削工具を作製した。
参考例21として、締結用雄ねじ部における圧力側フランクのフランク角αを40°、締結用雄ねじ部における遊び側フランクのフランク角βを10°とし、ねじ山の1ピッチPを1.4mmにし、ねじ山面の幅を0.446mm、ねじ底面の幅を0.446mmとした締結用雄ねじ部が設けられた加工ヘッドを作製した。さらに、締結用雌ねじ部における圧力側フランクの螺合面の角度γを40°、締結用雌ねじ部における遊び側フランクの螺合面の角度δを10°とし、ねじ山の1ピッチPを1.4mmにし、ねじ山の螺合面の幅を0.446mm、ねじ底の螺合面の幅を0.446mmとした締結用雌ねじ部が設けられたホルダーを作製した。この加工ヘッドをホルダーに締め付け、参考例21の先端交換式切削工具を作製した。すなわち、締結用雄ねじ部におけるねじ山の1ピッチPを締結用雄ねじ部の呼び径dの23%の長さとした加工ヘッド、及び締結用雌ねじ部におけるねじ山の1ピッチPを締結用雄ねじ部の呼び径dの23%の長さとしたホルダーを作製し、参考例21の先端交換式切削工具を作製した。
参考例22として、締結用雄ねじ部における圧力側フランクのフランク角αを40°、締結用雄ねじ部における遊び側フランクのフランク角βを10°とし、ねじ山の1ピッチPを1.8mmにし、ねじ山面の幅を0.646mm、ねじ底面の幅を0.646mmとした締結用雄ねじ部が設けられた加工ヘッドを作製した。さらに、締結用雌ねじ部における圧力側フランクの螺合面の角度γを40°、締結用雌ねじ部における遊び側フランクの螺合面の角度δを10°とし、ねじ山の1ピッチPを1.8mmにし、ねじ山の螺合面の幅を0.646mm、ねじ底の螺合面の幅を0.646mmとした締結用雌ねじ部が設けられたホルダーを作製した。この加工ヘッドをホルダーに締め付け、参考例22の先端交換式切削工具を作製した。すなわち、締結用雄ねじ部におけるねじ山の1ピッチPを締結用雄ねじ部の呼び径dの30%の長さとした加工ヘッド、及び締結用雌ねじ部におけるねじ山の1ピッチPを締結用雄ねじ部の呼び径dの30%の長さとしたホルダーを作製し、参考例22の先端交換式切削工具を作製した。
参考例23として、締結用雄ねじ部における圧力側フランクのフランク角αを40°、締結用雄ねじ部における遊び側フランクのフランク角βを10°とし、ねじ山の1ピッチPを2.1mmにし、ねじ山面の幅を0.796mm、ねじ底面の幅を0.796mmとした締結用雄ねじ部が設けられた加工ヘッドを作製した。さらに、締結用雌ねじ部における圧力側フランクの螺合面の角度γを40°、締結用雌ねじ部における遊び側フランクの螺合面の角度δを10°とし、ねじ山の1ピッチPを2.1mmにし、ねじ山の螺合面の幅を0.796mm、ねじ底の螺合面の幅を0.796mmとした締結用雌ねじ部が設けられたホルダーを作製した。この加工ヘッドをホルダーに締め付け、参考例23の先端交換式切削工具を作製した。すなわち、締結用雄ねじ部におけるねじ山の1ピッチPを締結用雄ねじ部の呼び径dの35%の長さとした加工ヘッド、及び締結用雌ねじ部におけるねじ山の1ピッチPを締結用雄ねじ部の呼び径dの35%の長さとしたホルダーを作製し、参考例23の先端交換式切削工具を作製した。
参考例19乃至23における共通仕様として、加工ヘッド及びホルダーはWC基超硬合金製(日立ツール株式会社製、材質名:NM15、Co含有量:11質量%)であるが、高速度工具鋼(日立金属株式会社製、材質名:HAP72)を用いた場合でも同様の傾向を示した。ホルダーはWC基超硬合金製(日立ツール株式会社製、材質名:NC60、Co含有量16質量%)であるが、高速度工具鋼(日立金属株式会社製、材質名:HAP72)を用いた場合でも同様の傾向を示した。また、加工ヘッドの先端から締結用雄ねじ部までは一体成形で作製され、工具径Dが10mm、刃長が10mm、締結用雄ねじ部の呼び径dが6mm、締結用雄ねじ部のねじ長が6mm、締結用雌ねじ部の直径が6mm、締結用雌ねじ部のねじ長が8mm、締結用雄ねじ部及び締結用雌ねじ部におけるテーパ角が0°、刃数が4枚の同一形状のスクエアエンドミルとし、切れ刃部にはTiSiN系の硬質皮膜を施し、切削を実施した。
切削加工に使用した被削材はHRC40のプリハードン鋼とし、先端交換式切削工具の突出し量を40mmで一定とし、切削条件を回転数が3240min−1、送り速度が1200mm/min、軸方向の切込み量を5mm、径方向の切込み量を1mmに固定し、50mの加工距離の切削加工後の工具摩耗状態を検証した。なお、工具冷却及び切り屑排出のためにエアブローを使用した。
評価方法としては、50m切削加工後に光学式の工具顕微鏡を用いて、スクエアエンドミルの4枚の外周刃に生じた最大逃げ面摩耗幅を測定し、その平均値を算出した。さらに、光学式の工具顕微鏡を用いて、締結用雄ねじ部におけるねじ山に生じた欠損の有無を確認した。
評価基準としては、50m切削加工後の先端交換式切削工具に用いられた加工ヘッドにおいて、締結用雄ねじ部のねじ山において欠損が無く、逃げ面摩耗幅の平均値が0.2mm以下であったものを良好とした。検証した結果を表5に示す。
Figure 0005713144
表5に記載の結果より、参考例19乃至23において、50m加工後も締結用雄ねじ部におけるねじ山において欠損が発生せず、逃げ面摩耗幅の平均値が0.2mm以下であったため、良好であった。
特に、締結用雄ねじ部及び締結用雌ねじ部におけるねじ山の1ピッチPを、締結用雄ねじ部の呼び径dの15%以上30%以下の範囲の長さに設定した参考例20乃至22においては50mの切削加工後においても外周刃に生じた逃げ面摩耗幅の平均値は0.04mm以下であったため、更に長時間切削可能な状態であった。
(実施例6)
締結用雄ねじ部におけるねじ山面の幅及びねじ底面の幅、並びに締結用雌ねじ部におけるねじ山の螺合面の幅とねじ底の螺合面の幅による、締結用雄ねじ部におけるねじ山の剛性の変化及び切削時の工具摩耗を比較するため、下記の参考例24〜参考例28の先端交換式切削工具を準備し、実際に切削評価を実施した。
参考例24として、締結用雄ねじ部における圧力側フランクのフランク角αを50°、締結用雄ねじ部における遊び側フランクのフランク角βを15°とし、ねじ山の1ピッチPを0.9mmにし、ねじ山面の幅を0.085mm、ねじ底面の幅を0.085mmとした締結用雄ねじ部が設けられた加工ヘッドを作製した。さらに、締結用雌ねじ部における圧力側フランクの螺合面の角度γを50°、締結用雌ねじ部における遊び側フランクの螺合面の角度δを15°とし、ねじ山の1ピッチPを0.9mmにし、ねじ山の螺合面の幅を0.085mm、ねじ底の螺合面の幅を0.085mmとした締結用雌ねじ部が設けられたホルダーを作製した。この加工ヘッドをホルダーに締め付け、参考例24の先端交換式切削工具を作製した。すなわち、締結用雄ねじ部におけるねじ山面の幅及びねじ底面の幅を締結用雄ねじ部におけるねじ山の1ピッチPの9%の長さとし、締結用雌ねじ部におけるねじ山の螺合面の幅及びねじ底の螺合面の幅を締結用雌ねじ部におけるねじ山の1ピッチPの9%の長さとしたホルダーを作製し、参考例24の先端交換式切削工具を作製した。
参考例25として、締結用雄ねじ部における圧力側フランクのフランク角αを50°、締結用雄ねじ部における遊び側フランクのフランク角βを10°とし、ねじ山の1ピッチPを1.0mmにし、ねじ山面の幅を0.152mm、ねじ底面の幅を0.152mmとした締結用雄ねじ部が設けられた加工ヘッドを作製した。さらに、締結用雌ねじ部における圧力側フランクの螺合面の角度γを50°、締結用雌ねじ部における遊び側フランクの螺合面の角度δを10°とし、ねじ山の1ピッチPを1.0mmにし、ねじ山の螺合面の幅を0.152mm、ねじ底の螺合面の幅を0.152mmとした締結用雌ねじ部が設けられたホルダーを作製した。この加工ヘッドをホルダーに締め付け、参考例25の先端交換式切削工具を作製した。すなわち、締結用雄ねじ部におけるねじ山面の幅及びねじ底面の幅を締結用雄ねじ部におけるねじ山の1ピッチPの15%の長さとし、締結用雌ねじ部におけるねじ山の螺合面の幅及びねじ底の螺合面の幅を締結用雌ねじ部におけるねじ山の1ピッチPの15%の長さとしたホルダーを作製し、参考例25の先端交換式切削工具を作製した。
参考例26として、締結用雄ねじ部における圧力側フランクのフランク角αを50°、締結用雄ねじ部における遊び側フランクのフランク角βを10°とし、ねじ山の1ピッチPを1.2mmにし、ねじ山面の幅を0.258mm、ねじ底面の幅を0.258mmとした締結用雄ねじ部が設けられた加工ヘッドを作製した。さらに、締結用雌ねじ部における圧力側フランクの螺合面の角度γを50°、締結用雌ねじ部における遊び側フランクの螺合面の角度δを10°とし、ねじ山の1ピッチPを1.2mmにし、ねじ山の螺合面の幅を0.258mm、ねじ底の螺合面の幅を0.258mmとした締結用雌ねじ部が設けられたホルダーを作製した。この加工ヘッドをホルダーに締め付け、参考例26の先端交換式切削工具を作製した。すなわち、締結用雄ねじ部におけるねじ山面の幅及びねじ底面の幅を締結用雄ねじ部におけるねじ山の1ピッチPの22%の長さとし、締結用雌ねじ部におけるねじ山の螺合面の幅及びねじ底の螺合面の幅を締結用雌ねじ部におけるねじ山の1ピッチPの22%の長さとしたホルダーを作製し、参考例26の先端交換式切削工具を作製した。
参考例27として、締結用雄ねじ部における圧力側フランクのフランク角αを50°、締結用雄ねじ部における遊び側フランクのフランク角βを10°とし、ねじ山の1ピッチPを1.7mmにし、ねじ山面の幅を0.508mm、ねじ底面の幅を0.508mmとした締結用雄ねじ部が設けられた加工ヘッドを作製した。さらに、締結用雌ねじ部における圧力側フランクの螺合面の角度γを50°、締結用雌ねじ部における遊び側フランクの螺合面の角度δを10°とし、ねじ山の1ピッチPを1.7mmにし、ねじ山の螺合面の幅を0.508mm、ねじ底の螺合面の幅を0.508mmとした締結用雌ねじ部が設けられたホルダーを作製した。この加工ヘッドをホルダーに締め付け、参考例27の先端交換式切削工具を作製した。すなわち、締結用雄ねじ部におけるねじ山面の幅及びねじ底面の幅を締結用雄ねじ部におけるねじ山の1ピッチPの30%の長さとし、締結用雌ねじ部におけるねじ山の螺合面の幅及びねじ底の螺合面の幅を締結用雌ねじ部におけるねじ山の1ピッチPの30%の長さとしたホルダーを作製し、参考例27の先端交換式切削工具を作製した。
参考例28として、締結用雄ねじ部における圧力側フランクのフランク角αを35°、締結用雄ねじ部における遊び側フランクのフランク角βを10°とし、ねじ山の1ピッチPを1.8mmにし、ねじ山面の幅を0.681mm、ねじ底面の幅を0.681mmとした締結用雄ねじ部が設けられた加工ヘッドを作製した。さらに、締結用雌ねじ部における圧力側フランクの螺合面の角度γを35°、締結用雌ねじ部における遊び側フランクの螺合面の角度δを10°とし、ねじ山の1ピッチPを1.8mmにし、ねじ面の螺合面の幅を0.681mm、ねじ底の螺合面の幅を0.681mmとした締結用雌ねじ部が設けられたホルダーを作製した。この加工ヘッドをホルダーに締め付け、参考例28の先端交換式切削工具を作製した。すなわち、締結用雄ねじ部におけるねじ山面の幅及びねじ底面の幅を締結用雄ねじ部におけるねじ山の1ピッチPの38%の長さとし、締結用雌ねじ部におけるねじ山の螺合面の幅及びねじ底の螺合面の幅を締結用雌ねじ部におけるねじ山の1ピッチPの38%の長さとしたホルダーを作製し、参考例28の先端交換式切削工具を作製した。
参考例24乃至28における共通仕様として、加工ヘッド及びホルダーはWC基超硬合金製(日立ツール株式会社製、材質名:NM15、Co含有量:11質量%)であるが、高速度工具鋼(日立金属株式会社製、材質名:HAP72)を用いた場合でも同様の傾向を示した。ホルダーはWC基超硬合金製(日立ツール株式会社製、材質名:NC60、Co含有量16質量%)であるが、高速度工具鋼(日立金属株式会社製、材質名:HAP72)を用いた場合でも同様の傾向を示した。また、加工ヘッドの先端から締結用雄ねじ部までは一体成形で作製され、工具径Dが10mm、刃長が10mm、締結用雄ねじ部の呼び径dが6mm、締結用雄ねじ部のねじ長が6mm、締結用雌ねじ部の直径が6mm、締結用雌ねじ部のねじ長が8mm、締結用雄ねじ部及び締結用雌ねじ部におけるテーパ角が0°、刃数が4枚の同一形状のスクエアエンドミルとし、切れ刃部にはTiSiN系の硬質皮膜を施し、切削を実施した。
切削加工に使用した被削材はHRC40のプリハードン鋼とし、先端交換式切削工具の突出し量を40mmで一定とし、切削条件を回転数が3240min−1、送り速度が1200mm/min、軸方向の切込み量を5mm、径方向の切込み量を1mmに固定し、50mの加工距離の切削加工後の工具摩耗状態を検証した。なお、工具冷却及び切り屑排出のためにエアブローを使用した。
評価方法としては、50m切削加工後に光学式の工具顕微鏡を用いて、スクエアエンドミルの4枚の外周刃に生じた最大逃げ面摩耗幅を測定し、その平均値を算出した。さらに、光学式の工具顕微鏡を用いて、締結用雄ねじ部におけるねじ山に生じた欠損の有無を確認した。
評価基準としては、50m切削加工後の先端交換式切削工具に用いられた加工ヘッドにおいて、締結用雄ねじ部におけるねじ山において欠損が無く、逃げ面摩耗幅の平均値が0.2mm以下であったものを良好とした。検証した結果を表6に示す。
Figure 0005713144
表6に記載の結果より、参考例24乃至28において、50m加工後も締結用雄ねじ部におけるねじ山において欠損が発生せず、逃げ面摩耗幅の平均値が0.2mm以下であったため、良好であった。
特に、締結用雄ねじ部におけるねじ山面の幅及びねじ底面の幅、並びに締結用雌ねじ部におけるねじ山の螺合面の幅とねじ底の螺合面の幅をねじ山の1ピッチPの15%以上30%以下の範囲の長さに設定した参考例25乃至27においては、50mの切削加工後においても外周刃に生じた逃げ面摩耗幅の平均値は0.03mm以下であったため、更に長時間切削可能な状態であった。
(実施例7)
加工ヘッドとホルダーの接触面のテーパ部(図3〜図5)の効果を評価するため、下記の本発明例29の先端交換式切削工具を準備し、実際に切削評価を実施した。
本発明例29として、締結用雄ねじ部における圧力側フランクのフランク角αを50°、締結用雄ねじ部における遊び側フランクのフランク角βを10°とし、ねじ山の1ピッチPを1.5mm、ねじ山面の幅を0.408mm、ねじ底面の幅を0.408mmにした締結用雄ねじ部が設けられた加工ヘッドを作製した。さらに、締結用雌ねじ部における圧力側フランクの螺合面の角度γを50°、締結用雌ねじ部における遊び側フランクの螺合面の角度δを10°とし、ねじ山の1ピッチPを1.5mm、ねじ山の螺合面の幅を0.408mm、ねじ底の螺合面の幅を0.408mmにした締結用雌ねじ部が設けられたホルダーを作製した。この加工ヘッドをホルダーに締め付け、本発明例29の先端交換式切削工具を作製した。すなわち、圧力側フランクのフランク角αが遊び側フランクのフランク角βよりも40°大きく設けられた加工ヘッド、及び圧力側フランクの螺合面の角度γが遊び側フランクの螺合面の角度δよりも40°大きく設けられたホルダーを作製した。また、加工ヘッドとホルダーの接触面のテーパ部のテーパ角は5°とした。以上の本発明例29の先端交換式切削工具を作製した。
従来例1は、実施例1に示した従来例1と同一ものを用いた。また、比較例2として、締結用雄ねじ部における圧力側フランクのフランク角を10°、締結用雄ねじ部における遊び側フランクのフランク角を50°とし、ねじ山の1ピッチを1.5mm、ねじ山面の幅を0.408mm、ねじ底面の幅を0.408mmとし、ねじの後端から先端に向かうにつれ締結用雄ねじの径が減少するように5°のテーパを設けた締結用雄ねじ部が設けられた加工ヘッドを作製した。さらに、締結用雌ねじ部における圧力側フランクの螺合面の角度γを10°、締結用雌ねじ部における遊び側フランクの螺合面の角度δを50°とし、ねじ山の1ピッチPを1.5mm、ねじ山の螺合面の幅を0.408mm、ねじ底の螺合面の幅を0.408mmにし、ねじの後端から先端に向かうにつれ締結用雌ねじ部の径が減少するように5°のテーパ角を設けた締結用雌ねじ部が設けられたホルダーを作製した。すなわち、圧力側フランクのフランク角αが遊び側フランクのフランク角βよりも40°小さく、5°のテーパ角が設けられた加工ヘッド、及び圧力側フランクの螺合面の角度γが遊び側フランクの螺合面の角度δよりも40°小さく設けられたホルダーを作製した。また、加工ヘッドとホルダーの接触面のテーパ部のテーパ角は5°とした。以上の比較例2の先端交換式切削工具を作製した。
本発明例29、従来例1、比較例2の共通仕様として、加工ヘッドはWC基超硬合金製(日立ツール株式会社製、材質名:NM15、Co含有量:11質量%)であるが、高速度工具鋼(日立金属株式会社製、材質名:HAP72)を用いた場合でも同様の傾向を示した。ホルダーはクロムモリブデン鋼製(JIS規格、材質名:SCM440)とした。また、加工ヘッドの先端から締結用雄ねじ部までは一体成形で作製され、工具径Dが10mm、刃長が10mm、締結用雄ねじ部の呼び径dが6mm、締結用雄ねじ部のねじ長が6mm、締結用雌ねじ部の直径が6mm、締結用雌ねじ部のねじ長が8mm、締結用雄ねじ部及び締結用雌ねじ部におけるテーパ角が5°または0°、刃数が4枚の同一形状のスクエアエンドミルとし、切れ刃部にはTiSiN系の硬質皮膜を施し、切削を実施した。
切削に使用した被削材はHRC40のプリハードン鋼にて、先端交換式切削工具の突出し量を40mmで一定とし、切削条件を回転数が3240min−1、軸方向の切込み量を5mm、径方向の切込み量を1mmに固定し、送り速度を700mm/minから100mm/minずつ増加させ、10mの加工距離の切削加工が可能かを確認しながら1300mm/minまで安定加工が可能かについて検証した。なお、工具冷却及び切り屑排出のためにエアブローを使用した。
評価基準としては、送り速度を700mm/minから100mm/minずつ増加させ、送り速度が1300mm/minでの切削加工において、加工ヘッドにおける締結用雄ねじ部の折損が発生せずに安定加工が行えた場合、その先端交換式切削工具を良好とした。検証した結果を表7に示す。なお、表7に記載の結果における「○」は、それぞれの送り速度での切削加工において、加工ヘッドにおける締結用雄ねじ部の折損が発生しなかったことを示し、表7に記載の結果における「×」は、それぞれの送り速度での切削加工において、加工ヘッドにおける締結用雄ねじ部の折損が発生したことを示す。また、締結用雄ねじ部の折損とは、締結用雄ねじ部自体が折損し、加工ヘッドの締結用雄ねじ部によるホルダーへの螺合が不可能となった状態を示す。
Figure 0005713144
表7に記載の結果より、本発明例29においては送り速度が1300mm/minでの切削加工において、締結用雄ねじ部の折損が発生せず安定した加工が可能であった。これは、テーパ角が0°の参考例1よりもさらに良好な結果であった。しかし、従来例1、比較例2については、従来例1が900mm/min、比較例2が1000mm/minの送り速度にて、切削中に締結用雄ねじ部の折損が発生してしまい、高能率な加工が不可能であったため、不良であった。これらのことから、加工ヘッドとホルダーとの接触面をテーパとし、前述した2面によって位置を拘束することで高能率加工が可能であるといえる。
本発明に係る加工ヘッドと該加工ヘッドに螺合される本発明に係るホルダーを用いた先端交換式切削工具を用いることで、従来の先端交換式切削工具よりも、締結された雄ねじ部の強度が向上し、高能率に切削を行うことが可能となる。また本発明に係る加工ヘッドは、圧力側フランクのフランク角が遊び側フランクのフランク角よりも大きく設けられているため、加工ヘッドの最後端である締結用雄ねじ部の先端の剛性が向上し、加工ヘッドの取り付け時に掛かる締め付けトルクにおいて欠損が生じることが大幅に抑制される。そのため、部品加工や金型加工における高能率加工及び長寿命な加工を行うにあたって、大変好適である。
1、1a 加工ヘッド
2、2a ホルダー
3 刃溝
4 外周刃
5 切れ刃部
6 締結用雄ねじ部
6a メートル並目ねじにおける締結用雄ねじ部
6b 特許文献1における締結用雄ねじ部
7 切欠き部
8 締結用雌ねじ部
8a メートル並目ねじにおける締結用雌ねじ部
8b 特許文献1における締結用雌ねじ部
9 加工ヘッドの座面
10 ホルダーの端面
11 圧力側フランクのフランク面
12 遊び側フランクのフランク面
13 ねじ山面
14 ねじ底面
15 引張りの力
16 圧力側フランクのフランク面に掛かる力
17 工具軸に対し垂直となる方向に分散される力
18 加工ヘッドの端面
19 面取りによって形成された面
20 ねじ山面の幅
21 ねじ底面の幅
22 圧力側フランクの螺合面
23 遊び側フランクの螺合面
24 ねじ山の螺合面
25 ねじ底の螺合面
26 圧力側フランクの螺合面に掛かる力
27 引張りの力
28 工具軸に対し垂直となる方向に分散される力
29 ねじ山の螺合面の幅
30 ねじ底の螺合面の幅
31 テーパ部
33 テーパ部
D 工具径
d 締結用雄ねじ部の呼び径
P ねじ山の1ピッチ
α 圧力側フランクのフランク角
β 遊び側フランクのフランク角
γ 圧力側フランクの螺合面の角度
δ 遊び側フランクの螺合面の角度
θ 面取りによって形成された面と圧力側フランクのフランク面のなす角度
O 工具軸

Claims (2)

  1. 先端側に切れ刃部が設けられ、切れ刃部の軸方向後方側には、ねじ山を形成していないテーパ部と締結用雌ねじ部が設けられたホルダーに螺合するための雄ねじ部とからなる締結用雄ねじ部が設けられ、切れ刃部と締結用雌ねじ部の間に、ホルダーに取り付けるための切欠き部が設けられた加工ヘッドと、
    ねじ山を形成していないテーパ部と前記雄ねじ部が設けられた加工ヘッドを螺合するための雌ねじ部とからなる締結用雌ねじ部が設けられたホルダーで構成される先端交換式切削工具であって、
    加工ヘッドにおける前記雄ねじ部におけるねじ山は、圧力側フランクのフランク面、遊び側フランクのフランク面、2種類のフランク面を接続するねじ山面及びねじ底面により構成され、圧力側フランクのフランク角が遊び側フランクのフランク角よりも大きく設けられ、
    ホルダーにおける前記雌ねじ部が、前記雄ねじ部に設けられた圧力側フランクのフランク面、遊び側フランクのフランク面、2種類のフランク面を接続するねじ山面及びねじ底面に対応するための、圧力側フランクの螺合面、遊び側フランクの螺合面、2種類の螺合面を接続するねじ山の螺合面及びねじ底の螺合面により構成され、圧力側フランクの螺合面の角度が遊び側フランクの螺合面の角度よりも大きく設けられ、
    加工ヘッドは超硬合金製であり、先端から締結用雄ねじ部までが一体成形となっており、
    ホルダーは鋼製であり、
    前記締結用雄ねじ部の前記切欠き部側に設けられた前記テーパ部は、前記締結用雄ねじ部の先端に行くにつれて外径が小さくなる円筒部分の外周面にテーパ角度が0.1°以上5.0°以下に形成され、
    前記締結用雌ねじ部の開口部側に設けられた前記テーパ部は、前記締結用雌ねじ部の開口部に行くにつれて内径が大きくなる円筒部分の内周面にテーパ角度が0.1°以上5.0°以下に形成され、
    前記加工ヘッドのテーパ部と前記ホルダーのテーパ部とが面接触するとともに、前記切欠き部の端面と、前記ホルダーの端面とが面接触することを特徴とする先端交換式切削工具。
  2. 前記加工ヘッドは、圧力側フランクのフランク角が35°以上60°以下の範囲であり、遊び側フランクのフランク角が0°以上25°以下の範囲であり、ねじ山の1ピッチは締結用雄ねじの呼び径の15%以上30%以下の範囲であり、2種類のフランク面を接続するねじ山面及びねじ底面のそれぞれの幅は、工具軸に対し垂直方向から見たときに、ねじ山の1ピッチの15%以上30%以下の範囲となり、
    前記ホルダーは、圧力側フランクの螺合面の角度が35°以上60°以下の範囲であり、遊び側フランクの螺合面の角度が0°以上25°以下の範囲であり、ねじ山の1ピッチは雄ねじの呼び径の15%以上30%以下の範囲であり、2種類の螺合面を接続するねじ山の螺合面及びねじ底の螺合面のそれぞれの幅は、工具軸に対し垂直方向から見たときに、ねじ山の1ピッチの15%以上30%以下の範囲となることを特徴とする請求項1記載の先端交換式切削工具。
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