JP5711811B2 - ビタミンd化合物の解離試薬 - Google Patents

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Description

本発明は、ビタミンD結合タンパク質に結合したビタミンD化合物を解離させるための試薬組成物、こうして得たこの試薬組成物および試薬混合物の使用によりビタミンD化合物をビタミンD結合タンパク質から解離させてビタミンD化合物を検出するためのインビトロ方法に関する。本発明はまた、ビタミンD化合物を解離させるための開示した試薬組成物の使用、および一般的な検出試薬のほかにビタミンD化合物を解離させるための試薬組成物を含むビタミンD化合物検出キットに関する。
ビタミンDの適切な供給は、用語“ビタミン(vitamin)”が既に示唆するように生命維持に必要(vital)である。ビタミンDの欠乏は、くる病または骨粗鬆症など重篤な疾患を生じる。前世紀初頭にはまだビタミンDは単一物質であると考えられていたが、この数十年でビタミンD系はビタミンD代謝産物の複雑な多岐にわたるネットワークに変貌した。今日では、40を超える種々のビタミンD代謝産物が知られている(Zerwekh, J.E., Ann. Clin. Biochem. 41(2004) 272-281)。
ヒトは皮膚上でDビタミン類またはカルシフェロール類を太陽光線からの紫外線の作用により形成できるにすぎない。血中でビタミンDはいわゆるビタミンD結合タンパク質に結合し、肝臓へ輸送され、そこで25−ヒドロキシル化により25−ヒドロキシビタミンDに変換される。今日では、既に述べた2つの臓器である皮膚と肝臓のほかに多数の他の組織がビタミンD代謝に関与することが知られている(Schmidt-Gayk, H. et al. (eds.), “Calcium regulating hormones, vitaminD代謝産物s and cyclic AMP”, Springer Verlag, Heidelberg(1990) pp. 24-47)。25−ヒドロキシビタミンD、より具体的には25−ヒドロキシビタミンDおよび25−ヒドロキシビタミンDは、それらの量に関して人類における中心的なビタミンD貯蔵形態である。必要なとき、これらの前駆物質を腎臓で変換して、生物活性1α,25−ジヒドロキシビタミンD、いわゆるDホルモンを形成することができる。この生物活性ビタミンDは特に腸からのカルシウム取込み、骨無機質化を調節し、それは多数の他の代謝経路、たとえばインスリン系などに影響を及ぼす。
ビタミンD(ビタミンDおよびビタミンD)の濃度は食物摂取または太陽光線被曝に応じて大幅に変動するので、患者のビタミンD状態を調べる際にビタミンDレベル自体の測定はほとんど有益性がない。さらに、ビタミンDは循環中で比較的短い生物学的半減期(24時間)をもち、したがってそれはこの理由でも患者のビタミンD状態を調べるのに適したパラメーターではない。同じことが生理活性形態のビタミンD(1,25−ジヒドロキシビタミンD)にもあてはまる。これらの生物活性形態も、25−ヒドロキシビタミンDと比較して相対的に少量かつ変動性の高い濃度で生じる。これらすべての理由で、特に25−ヒドロキシビタミンDの定量は患者の総ビタミンD状態を全体的に分析するための適切な手段である。
25−ヒドロキシビタミンDなどのビタミンD代謝産物は、高い親和性でビタミンD結合タンパク質に結合し、アルブミンおよびある種のリポタンパク質にも限られた範囲で結合する。ビタミンD代謝産物をビタミンD結合タンパク質から解離させるのに適した方法は、普通の状況ではビタミンD代謝産物を他のいずれかのタンパク質から解離させるためにも十分に適するであろう。
ビタミンD結合タンパク質への25−ヒドロキシビタミンDまたは他のビタミンD化合物の結合は、ビタミンD化合物の測定を著しく複雑にする。既知の方法はすべて、分析すべきビタミンD化合物をそれがビタミンD結合タンパク質と共に形成する複合体から解離または脱離させることを必要とする。以下において、簡略化のためにこれをビタミンD結合タンパク質からのビタミンD化合物の解離と呼ぶ;ただし、もちろんそれはビタミンD結合タンパク質単独からではなくビタミンD化合物とビタミンD結合タンパク質の複合体からしか解離させることができない。
ビタミンD結合タンパク質は酸性pHではアンフォールディングするが、pHを中性条件に戻すと適正にリフォールディングして被分析体を再結合する傾向が高い。したがって、まずビタミンD化合物を解離させ、次いで分析すべきビタミンD化合物からビタミンD結合タンパク質を分離することがしばしば必要である。
25−ヒドロキシビタミンDの臨床上の重要性が高いため、25−ヒドロキシビタミンDを多少とも信頼性をもって測定できる多数の方法が文献から知られている。
たとえば、Haddad, J.G. et al, J. Clin. Endocrinol. Metab. 33 (1971) 992-995、およびEisman, J.A. et al, Anal. Biochem. 80 (1977) 298-305には、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いて血液試料中の25−ヒドロキシビタミンD濃度を測定することが記載されている。
25−ヒドロキシビタミンDを測定するための他の方法は、特にビタミンD結合タンパク質、たとえば乳汁中に存在するものの使用に基づく。たとえば、Holick, M.F. and Ray, R. (US 5,981,779)およびDeLuca et al. (EP 0 583 945)には、ヒドロキシビタミンDおよびジヒドロキシビタミンDについてのビタミンDアッセイ法が記載されており、それはこれらの物質をビタミンD結合タンパク質に結合させることに基づき、その際、これらの物質の濃度を競合試験法により測定している。しかし、この方法の前提条件は、測定すべきビタミンD代謝産物をまず元の血液または血清試料から単離しなければならず、たとえばクロマトグラフィーによって精製しなければならないことである。
Armbruster, F.P. et al. (WO 99/67211)は、ビタミンD測定のために血清または血漿試料をエタノール沈殿によって調製すべきであると教示している。この方法では、タンパク質沈殿を遠心により除去すると、エタノール上清が可溶性ビタミンD代謝産物を含有する。これらを競合結合アッセイ法で測定することができる。
あるいは、EP 0 753 743には、過ヨウ素酸塩を用いて血液または血漿試料からタンパク質を分離できると教示されている。この場合、ビタミンD化合物は過ヨウ素酸塩で処理した試料からの、タンパク質を含まない上清中において測定される。ある市販の検査法では、血清または血漿試料の抽出のためにアセトニトリルを推奨している(たとえば、DiaSorinからのラジオイムノアッセイにおいて、または“Immundiagnostik”CompanyからのビタミンD検査法において)。
近年、多数の異なる解離試薬が提唱され、それらは原則としてビタミンD化合物を試料中に存在するいかなる結合タンパク質からも解離するのに適切なはずである。しかし、この解離または脱離を比較的緩和な条件下で実施して、これにより解離試薬で処理した試料を結合検査に直接使用できるようにしなければならない(たとえば、WO 02/57797およびUS 2004/0132104を参照)。近年の多大な努力にもかかわらず、ビタミンDを測定するために利用できるすべての方法が、手間のかかる試料調製、標準化の低さ、検査法間の一致の低さ、または添加したビタミンDの回収不良などの欠点をもつ(これについては特に前掲のZerwekh, J.E.を参照)。
US 7,087,395では、金属水酸化物ならびにシクロデキストリンおよびその誘導体ならびにサリチル酸金属塩がビタミンD化合物をビタミンD結合タンパク質から解離させるために用いられ、その結果、ビタミンD結合タンパク質または他の血清タンパク質は不可逆的に変性する。変性後の試料中の脂質およびタンパク質にビタミンD化合物が非特異的に付着するのを阻止するために、界面活性剤、たとえばTriton X100またはTween−20が用いられている。
ビタミンD化合物の検査法を自動化するのは特に困難である。自動化には、綱渡りを果たすというきわめて困難な問題を解決する必要がある:一方では適切な解離試薬によってビタミンD化合物をビタミンD結合タンパク質から解離させる必要があり、他方では試料をその後に直接分析できるように条件を選択しなければならない。この後続の直接分析の前提条件は、一方では内在性のビタミンD結合タンパク質がこの分析中にビタミンD化合物に結合せず、またはもはや有意なほどには結合せず、したがってこの分析を妨害しないこと、他方では用いた解離試薬が抗体またはビタミンD結合タンパク質など検出試薬の結合を妨害しないことである。さらに、ビタミンD結合タンパク質の種々の対立遺伝子がヒト集団に存在し、それらが生化学的に異なる挙動をすることが知られている。ビタミンD化合物の解離および測定は、多様な対立遺伝子/表現型について同等でなければならない。
US 5,981,779 EP 0 583 945 WO 99/67211 EP 0 753 743 WO 02/57797 US 2004/0132104 US 7,087,395
Zerwekh, J.E., Ann. Clin. Biochem. 41(2004) 272-281 Schmidt-Gayk, H. et al. (eds.), "Calcium regulating hormones, vitamin D metabolites and cyclic AMP", Springer Verlag, Heidelberg(1990) pp. 24-47 Haddad, J.G. et al, J. Clin. Endocrinol. Metab. 33 (1971) 992-995 Eisman, J.A. et al, Anal. Biochem. 80 (1977) 298-305
したがって本発明の目的は、試料中のビタミンD化合物、特にヒドロキシビタミンD化合物をビタミンD結合タンパク質から解離させるための、先行技術の問題を少なくとも部分的に克服できる試薬組成物を開発することであった。ビタミンD化合物を解離させるのに適した試薬組成物、ビタミンD化合物を測定するためのインビトロ方法、その試薬組成物の使用、およびこの試薬組成物を用いてビタミンD化合物を測定するためのキットが以下に記載され、特許請求の範囲に包含される。
本発明は、ビタミンD化合物をビタミンD結合タンパク質から解離させるためのインビトロ方法であって、a)被験試料を調製し、そしてb)工程(a)からの試料をi)0.1M〜2.0Mの濃度の炭酸水素塩または加水分解に際して炭酸水素イオン(HCO )を放出できる物質を含有する試薬、ii)還元剤、およびiii)アルカリ化剤と混合し、これによりビタミンD化合物をビタミンD結合タンパク質から解離させる工程を含む方法に関する。
他の態様において本発明は、ビタミンD化合物を測定するためのインビトロ方法であって、a)被験試料を調製し、b)工程(a)からの試料をi)0.1M〜2.0Mの濃度の炭酸水素塩または加水分解に際して炭酸水素イオン(HCO )を放出できる物質を含有する試薬、ii)還元剤、およびiii)アルカリ化剤と混合し、これによりビタミンD化合物をビタミンD結合タンパク質から解離させ、そしてc)工程(b)で解離したビタミンD化合物を測定する工程を含む方法に関する。
他の態様において本発明は、0.1M〜2.0Mの濃度の炭酸水素塩または加水分解に際して炭酸水素イオン(HCO )を放出できる物質、および還元剤を含む、ビタミンD化合物をビタミンD結合タンパク質から解離させるための試薬組成物に関する。
他の態様において本発明は、被験試料、ビタミンD化合物をビタミンD結合タンパク質から解離させるための試薬組成物、すなわち0.1M〜2.0Mの濃度の炭酸水素塩または加水分解に際して炭酸水素イオン(HCO )を放出できる物質および還元剤、ならびにアルカリ化剤を含む、試薬混合物に関する。
他の態様において本発明は、ビタミンD化合物をビタミンD結合タンパク質から解離させるためのキットであって、0.1M〜2.0Mの濃度の炭酸水素塩または加水分解に際して炭酸水素イオン(HCO )を放出できる物質および還元剤を含む試薬組成物を含むキットに関する。
図1は、前処理工程における試薬混合物のpH変化を示す。このアッセイは実施例1.5に概説したように実施された。試薬組成物(A)は種々の濃度の炭酸エチレン(EC)を含有する:0.00M(●)、0.10M(◆)、0.30M(□)、0.50M(▲)、0.75M(○)、1.00M(■)、1.50M(◇)EC。X軸は時間(分)、Y軸はpHを示す。 図2は、実施例1.5の記載に従った、種々の濃度の炭酸エチレン(EC)を含有する試薬組成物(A)を用いたビタミンDアッセイの検量曲線を示す:1.50M(●)、1.00M(□)、0.75M(◆)、0.50M(○)、0.30M(▲)および0.10M(◇)EC。X軸は濃度をng/mlで示し、Y軸は常法によりRoche Diagnostics companyからのElecsys(登録商標)システムを用いて測定したカウントを示す。 図3は、実施例1.5の記載に従った、種々の濃度の還元剤ジチオトレイトール(DTT)を含有する試薬組成物(A)を用いたビタミンDアッセイの検量曲線を示す:1.0mM(□)、2.0mM(●)、4.0mM(◆)、6.7mM(○)、10.0mM(▲)、15.0mM(◇)。X軸は濃度をng/mlで示し、Y軸は常法によりRoche Diagnostics companyからのElecsys(登録商標)システムを用いて測定したカウントを示す。 図4aは、ビタミンDアッセイ(実施例1)および液体クロマトグラフィー−タンデム質量分析(LC−TMS)の方法の比較を示す;25−ヒドロキシビタミンDをLC−TMSおよび実施例1.5のビタミンDアッセイにより測定し、その際、0.5M炭酸エチレン(EC)を含む試薬組成物(A)をインキュベーションに用いた。多数の血清試料についての結果(ng/ml)を、X軸にLC−TMSについて、Y軸に実施例1.5のビタミンDアッセイについてプロットする。 (- - -) y=x (━━━) 線形回帰 ビタミンDアッセイ=2.0116+0.9036x、ピアソンのr=0.9509。 図4bは、ビタミンDアッセイ(実施例1)およびLC−TMSの方法の比較を示す;25−ヒドロキシビタミンDをLC−TMSおよび実施例1.5のビタミンDアッセイにより測定し、その際、炭酸エチレン(EC)を含まない試薬組成物(A)をインキュベーションに用いた。多数の血清試料についての結果(ng/ml)を、X軸にLC−TMSについて、Y軸に実施例1.5のビタミンDアッセイについてプロットする。 (- - -) y=x (━━━) 線形回帰 ビタミンDアッセイ=0.7496+0.7338x、ピアソンのr=0.7914。 図5は、実施例2に記載したように、0.5M炭酸エチレン(◆)、0.5M NaCO(○)、0.5M NaHPO(▲)、0.5M NaCl(◇)、および対照(□)を含有する試薬組成物(A)を用いたビタミンDアッセイの検量曲線を示す。X軸は濃度をng/mlで示し、Y軸は常法によりRoche Diagnostics companyからのElecsys(登録商標)システムを用いて測定したカウントを示す。 図6は、実施例3に記載したように、下記のものを含有する試薬組成物(A)を用いたビタミンDアッセイの検量曲線を示す: ◆:10mM NaOH、4mM EDTA、6.7mM DTT、0.5M EC、または ▲:10mM NaOH、4mM EDTA、6.7mM DTT、または □:10mM NaOH、4mM EDTA;X軸は濃度をng/mlで示し、Y軸は常法によりRoche Diagnostics companyからのElecsys(登録商標)システムを用いて測定したカウントを示す。 図7は、実施例4に記載したように、下記のものを含有する試薬組成物(A)を用いたビタミンDアッセイの検量曲線を示す: ○:10mM NaOH、4mM EDTA、6.7mM DTT、0.5M EC(実施例1.5を参照)、または ◆:10mM NaOH、4mM EDTA、6.7mM DTT、0.5M炭酸ジメチル;X軸は濃度をng/mlで示し、Y軸は常法によりRoche Diagnostics companyからのElecsys(登録商標)システムを用いて測定したカウントを示す。 図8は、実施例5に記載したように、下記のものを含有する試薬組成物(A)を用いたビタミンDアッセイの検量曲線を示す: ◆:10mM NaOH、4mM EDTA、6.7mM DTT、0.5M EC(実施例1.5を参照)、または ○:10mM NaOH、4mM EDTA、6.7mM DTT、0.5M NaHCO、または ▲:10mM NaOH、4mM EDTA、6.7mM DTT、0.5M NaHCO + 0.5Mエチレングリコール、または □:10mM NaOH、4mM EDTA、6.7mM DTT;X軸は濃度をng/mlで示し、Y軸は常法によりRoche Diagnostics companyからのElecsys(登録商標)システムを用いて測定したカウントを示す。 図9は、実施例4に記載したように、下記のものを含有する試薬組成物(A)を用いたビタミンDアッセイの検量曲線を示す: ◆:10mM NaOH、4mM EDTA、6.7mM DTT、0.5M EC(実施例1.5を参照)、または ○:10mM NaOH、4mM EDTA、6.7mM DTT、0.5M 1,2炭酸グリセロール;X軸は濃度をng/mlで示し、Y軸は常法によりRoche Diagnostics companyからのElecsys(登録商標)システムを用いて測定したカウントを示す。
本発明は、ビタミンD化合物をビタミンD結合タンパク質から解離させるためのインビトロ方法であって、a)被験試料を調製し、そしてb)工程(a)からの試料をi)0.1M〜2.0Mの濃度の炭酸水素塩または加水分解に際して炭酸水素イオン(HCO )を放出できる物質を含有する試薬、ii)還元剤、およびiii)アルカリ化剤と混合し、これによりビタミンD化合物をビタミンD結合タンパク質から解離させる工程を含む方法に関する。
本明細書中で用いる下記の用語はそれぞれ、このセクションに関連する意味をもつ。
冠詞“a”および“an”は、本明細書中で1または1より多い(すなわち、少なくとも1)その冠詞をもつ目的語を表わすために用いられる。
“1以上”という表現は、1〜50、好ましくは1〜20、同様に好ましくは2、3、4、5、6、7、8、9、10、12、または15を表わす。
別に記載しない限り、“ビタミンD化合物”は、下記の構造式IおよびIIに従ったビタミンD2主鎖またはビタミンD3主鎖を含むすべての天然化合物を含むと解釈すべきである。
Figure 0005711811
Figure 0005711811
構造式IおよびIIにおいて、ビタミンDの位置はステロイド命名法に従って記載される。25−ヒドロキシビタミンDは構造式IおよびIIの位置25においてヒドロキシル化されたビタミンD代謝産物、すなわち25−ヒドロキシビタミンDおよび25−ヒドロキシビタミンDを表わす。他の既知のヒドロキシビタミンD化合物は、たとえば1,25−ジヒドロキシビタミンDおよび24,25−ジヒドロキシビタミンDの形態である。
1,25−ジヒドロキシビタミンDは、構造式IおよびIIの位置25のほかに位置1におけるヒドロキシル化をもつ活性形態のビタミンD(いわゆるDホルモン)を表わす。
他の周知のD化合物は、24,25−ジヒドロキシビタミンD、24,25−ジヒドロキシビタミンDおよびC3−エピ 25−ヒドロキシビタミンDである。
意外にも、本発明に開示するインビトロ法で、炭酸水素塩または加水分解に際して炭酸水素イオン(HCO )を放出できる物質の存在により、アルカリ性条件下でビタミンD化合物がビタミンD結合タンパク質から解離することを本発明者らは見出した。
本発明による“炭酸水素イオン(hydrogen carbonate ion)”(bicarbonate ion)は、実験式HCO および分子質量61.01ダルトンをもつ陰イオンである。
本発明による“炭酸水素塩”は、炭酸水素ナトリウム(NaHCO)、炭酸水素カリウム(KHCO)、炭酸水素アンモニウム(NHHCO)、炭酸水素カルシウム(Ca(HCO)および炭酸水素マグネシウム(Mg(HCO)からなる群から選択される化合物である。
本発明による“加水分解に際して炭酸水素イオン(HCO )を放出できる物質”は、炭酸エステルまたはピロカーボネートからなる群から選択される化合物である。
本発明による“炭酸エステル”は、カルボニル基に2つのアルコキシ基が隣接したものである。これらの炭酸エステルの一般式はRO(C=O)ORである。環式炭酸エステル(たとえば炭酸エチレン)または非環式炭酸エステル(たとえば、炭酸ジメチル)、およびそのヒドロキシル化またはハロゲン化誘導体を使用できる。
好ましくは、前記方法の工程i)による炭酸水素塩または加水分解に際して炭酸水素イオン(HCO )を放出できる物質は、それぞれ0.1M〜1.5M、または0.2M〜1.0M、または少なくとも0.1、0.2、0.3もしくは0.4M、または多くとも2.0、1.7、1.5、1.3、1.0もしくは0.75Mの濃度をもつ。
ある態様において本発明は、ビタミンD化合物をビタミンD結合タンパク質から解離させるためのインビトロ方法であって、a)被験試料を調製し、そしてb)工程(a)からの試料をi)0.1M〜2.0Mの濃度の炭酸水素塩を含有する試薬、ii)還元剤、およびiii)アルカリ化剤と混合し、これによりビタミンD化合物をビタミンD結合タンパク質から解離させる工程を含む方法に関する。
好ましくは、前記方法の工程i)による炭酸水素塩は、それぞれ0.1M〜1.5M、または0.2M〜1.0M、または少なくとも0.1、0.2、0.3もしくは0.4M、または多くとも2.0、1.7、1.5、1.3、1.0もしくは0.75Mの濃度をもつ。
好ましい態様において、炭酸水素塩は、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素アンモニウム、炭酸水素カルシウムおよび炭酸水素マグネシウムからなる群から選択される。さらに好ましい態様において、炭酸水素塩は、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムおよび炭酸水素アンモニウムからなる群から選択される。さらに好ましくは、炭酸水素塩は、炭酸水素ナトリウムおよび炭酸水素カリウムからなる群から選択される。
ある態様において本発明は、ビタミンD化合物をビタミンD結合タンパク質から解離させるためのインビトロ方法であって、a)被験試料を調製し、そしてb)工程(a)からの試料をi)0.1M〜2.0Mの濃度の加水分解に際して炭酸水素イオン(HCO )を放出できる物質を含有する試薬、ii)還元剤、およびiii)アルカリ化剤と混合し、これによりビタミンD化合物をビタミンD結合タンパク質から解離させる工程を含む方法に関する。
好ましくは、前記方法の工程i)による、加水分解に際して炭酸水素イオン(HCO )を放出できる物質は、それぞれ0.1M〜1.5M、または0.2M〜1.0M、または少なくとも0.1、0.2、0.3もしくは0.4M、または多くとも2.0、1.7、1.5、1.3、1.0もしくは0.75Mの濃度をもつ。
好ましい態様において、加水分解に際して炭酸水素イオン(HCO )を放出できる物質は、環式もしくは非環式の炭酸エステル、またはそのそれぞれのヒドロキシル化もしくはハロゲン化誘導体である。好ましい態様において、加水分解に際して炭酸水素イオン(HCO )を放出できる物質は、環式もしくは非環式の炭酸エステル、またはそのそれぞれのハロゲン化誘導体である。他の好ましい態様において、環式もしくは非環式の炭酸エステル、またはそのハロゲン化誘導体は、炭酸エチレン、炭酸ジメチル、炭酸プロピレン、炭酸ビニレン、炭酸トリメチレン、二炭酸エリトリトール、1,2−炭酸グリセロール、4−クロロ−1,3−ジオキソラン−2−オン、4,5−ジクロロ−1,3−ジオキソラン−2−オン、2,5−ジオキサヘキサンジ酸ジメチルエステル、ピロカーボネート、炭酸1,2 ブチレン、炭酸シス 2,3 ブチレンおよび炭酸トランス 2,3 ブチレンからなる群から選択される。さらに好ましくは、環式もしくは非環式の炭酸エステル、またはそのハロゲン化誘導体は、炭酸エチレン、炭酸ジメチル、炭酸プロピレン、炭酸ビニレン、炭酸トリメチレン、二炭酸エリトリトール、1,2−炭酸グリセロール、4−クロロ−1,3−ジオキソラン−2−オンおよび4,5−ジクロロ−1,3−ジオキソラン−2−オンからなる群から選択される。
さらに好ましくは、環式もしくは非環式の炭酸エステルは、炭酸エチレン、炭酸ジメチル、1,2−炭酸グリセロール、炭酸プロピレンおよび炭酸ビニレンからなる群から選択される。さらに好ましくは、環式もしくは非環式の炭酸エステルは、炭酸エチレン、炭酸ジメチル、1,2−炭酸グリセロールおよび炭酸プロピレンからなる群から選択される。さらに好ましくは、環式もしくは非環式の炭酸エステルは、炭酸エチレン、炭酸ジメチルおよび1,2−炭酸グリセロールからなる群から選択される。
ある態様において、前記方法の工程i)による環式もしくは非環式の炭酸エステルは0.1M〜2.0Mの濃度をもつ。好ましくは、環式もしくは非環式の炭酸エステルは、それぞれ0.1M〜1.5M、または0.2M〜1.0M、または少なくとも0.1、0.2、0.3もしくは0.4M、または多くとも2.0、1.7、1.5、1.3、1.0もしくは0.75Mの濃度をもつ。
ある態様において、本発明による方法の工程i)の炭酸水素塩または加水分解に際して炭酸水素イオン(HCO )を放出できる物質を含有する試薬は、ビタミンD化合物をビタミンD結合タンパク質から解離させるのに適した条件下で水溶液中に少なくとも2Mまで溶解できる。他の態様において、本発明による方法の工程i)の炭酸水素塩または加水分解に際して炭酸水素イオン(HCO )を放出できる物質を含有する試薬は、ビタミンD化合物をビタミンD結合タンパク質から解離させるのに適した条件下で水溶液中に少なくとも1.5Mまで溶解でき、またはより好ましくは少なくとも1.0Mまで溶解できる。本発明による方法の工程i)の試薬を得るために、炭酸水素塩または加水分解に際して炭酸水素イオン(HCO )を放出できる物質を水に可溶化する方法は当業者に既知である。炭酸水素塩または加水分解に際して炭酸水素イオン(HCO )を放出できる物質は、25℃の水に可溶性でなければならない。水溶液中に可溶化した炭酸水素塩または加水分解に際して炭酸水素イオン(HCO )を放出できる物質は、沈降または結晶化することなく4℃で保存できなければならない。
炭酸水素塩または加水分解に際して炭酸水素イオン(HCO )を放出できる物質それぞれと、アルカリ化剤とのモル比は、好ましくは1:3〜3:1、より好ましくは1:2〜2:1、より好ましくは1:1.5〜1.5:1である。
アルカリ化剤と炭酸水素塩および/または加水分解に際して炭酸水素イオン(HCO )を放出できる物質とのモル比が反応性イオンOHまたはHCO の濃度に基づいて計算されることも、当業者に自明である。
少なくとも2種類の異なる炭酸水素塩および/または加水分解に際して炭酸水素イオン(HCO )を放出できる異なる物質それぞれの混合物を本発明による方法に使用できることは、当業者に分かる。炭酸水素塩および/または加水分解に際して炭酸水素イオン(HCO )を放出できる物質の混合物と、アルカリ化剤とのモル比は、好ましくは1:3〜3:1、より好ましくは1:2〜2:1、より好ましくは1:1.5〜1.5:1である。
この理論に拘束されるのは望まないが、試薬組成物中に炭酸水素塩または加水分解に際して炭酸水素イオン(HCO )を放出できる物質が存在するとpHシフトが誘発される可能性は十分にある。試薬組成物中の炭酸水素塩または加水分解に際して炭酸水素イオン(HCO )を放出できる物質の濃度が低いほど、前処理反応に際しての試薬混合物のpH低下がより遅くなる。試薬組成物中の炭酸水素塩または加水分解に際して炭酸水素イオン(HCO )を放出できる物質の濃度が高いほど、前処理反応に際しての試薬混合物のpH低下がより速やかになる。アルカリ性緩衝条件下での炭酸水素塩または加水分解に際して炭酸水素イオン(HCO )を放出できる物質と還元剤との協奏作用のため、ビタミンD結合タンパク質の不可逆的な変性が達成され、これによりその後のビタミンD化合物の検出が容易になるとも思われる。
ある態様において、前記方法による工程ii)の還元剤は、2−メルカプトエタノール、2−メルカプトエチルアミン−HCl、TCEP、システイン−HCl、ジチオトレイトール(DTT)、N−メチルマレイミド、エルマン試薬(Ellman's Reagent)および1,2−ジチオラン−3−カルボン酸からなる群から選択される。
他の態様において、前記方法による工程ii)の還元剤は、工程ii)の還元剤がチオール基を含むことを特徴とする。
他の態様において、前記方法による工程ii)の還元剤は、2−メルカプトエタノール、2−メルカプトエチルアミン−HCl、TCEP、システイン−HClおよびジチオトレイトール(DTT)からなる群から選択される。
前記方法による工程ii)の還元剤は、ある態様において2mMから30mMまで、他の態様において3mMから20mMまで、他の態様において3.5mMから15mMまで、他の態様において4mMから10mMまでの濃度をもつ。
“アルカリ化剤”は、アルカリ水酸化物またはアルカリ土類金属水酸化物(すなわち水溶液中)であってもよい。アルカリ化剤は、アルカリ水酸化物および/またはアルカリ土類金属水酸化物の混合物、すなわちNaOHとKOH、NaOHとLiOH、NaOHとCa(OH)、KOHとCa(OH)、KOHとLiOH、ならびに他の組合わせも含むことができる。
“アルカリ水酸化物”は、アルカリ金属陽イオンとヒドロキシド陰イオン(OH)から構成される一群の化学物質である。アルカリ水酸化物は、たとえばNaOH、KOH、LiOH、RbOHおよびCsOHである。“アルカリ金属”は、周期表の1族(IUPAC方式)を形成する一連の元素である:リチウム(Li)、ナトリウム(Na)、カリウム(K)、ルビジウム(Rb)、セシウム(Cs)、およびフランシウム(Fr)。
“アルカリ土類金属水酸化物”は、アルカリ土類金属陽イオンと2つのヒドロキシド陰イオン(OH)から構成される一群の化学物質である。“アルカリ土類金属”は、周期表の2族(IUPAC方式)(IIA族)を構成する:ベリリウム(Be)、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)、バリウム(Ba)およびラジウム(Ra)。
ある態様において、前記方法による工程iii)のアルカリ化剤は、NaOH、KOH、Ca(OH)およびLiOHからなる群から選択される。
他の態様において、前記方法による工程iii)のアルカリ化剤は、それぞれ0.1M〜2.0M、または0.1M〜1.5M、または0.2M〜1.75M、または0.2M〜1.0M、または少なくとも0.1、0.2、0.3もしくは0.4M、または多くとも2.0、1.7、1.5、1.3、1.0もしくは0.75Mの濃度をもつ。
他の態様において、前記方法による工程iii)のアルカリ化剤は、NaOHおよびKOHからなる群から選択される。
他の態様において、本発明による方法に用いるアルカリ化剤は、試料 + 試薬i) + 還元剤ii) + アルカリ化剤iii)の混合物中において、それぞれ0.1M〜0.6M、または0.2M〜0.5M、または少なくとも0.1もしくは0.2M、または多くとも0.6もしくは0.5Mの最終濃度をもつ。
前記方法の他の態様において、工程i)、ii)およびiii)それぞれの3種類の試薬と被験試料との混合比は、好ましくは1:3〜3:1である。
ある態様において、前記方法による工程a)の試料、工程i)の炭酸水素塩または加水分解に際して炭酸水素イオン(HCO )を放出できる物質を含む試薬 + 工程ii)の還元剤 + 工程iii)のアルカリ化剤は、いかなるピペッティング順序で添加してもよい。混合した時点で本発明の方法による工程b)は他の態様において少なくとも10、12、15または20秒間、9.5〜14のpHをもつことを特徴とするものであってもよく、さらに好ましくは工程b)は混合した時点で少なくとも10、12、15または20秒間、10.5〜14のpHをもつ。
前記方法のある態様において、工程a)の被験試料を、工程b)で、工程i)の炭酸水素塩または加水分解に際して炭酸水素イオン(HCO )を放出できる物質を含む試薬、工程ii)の還元剤、工程iii)のアルカリ化剤と混合し、インキュベートする。インキュベーション工程b)は必要な長さであってよい。インキュベーション時間は、たとえば15秒から24時間までである。ある態様において、本発明方法による工程b)の混合物を1〜60分間インキュベートし、これによりビタミンD化合物をビタミンD結合タンパク質から解離させる。
前記方法による工程b)の成分の濃度は、被験試料と共にインキュベートする際に、特定したpH範囲、ならびに炭酸水素塩または加水分解に際して炭酸水素イオン(HCO )を放出できる物質、還元剤、およびアルカリ化剤のそれぞれの目的濃度が、ビタミンD化合物をビタミンD結合タンパク質から解離させるのに適切になるように、当業者が容易に選択できる。
アルカリ性条件により、被験試料中に存在するビタミンD結合タンパク質が変性してビタミンDが解離する。アルカリ化剤の濃度は、前処理反応において“試薬混合物”(=被験試料+本発明による試薬組成物+アルカリ化剤)のpHを少なくともpH10.0、好ましくは少なくともpH10.5、好ましくは少なくとも11.0にまで高めるのに十分でなければならない。試薬混合物のpHは、被験試料+本発明による試薬組成物+アルカリ化剤を混合した時点で測定しなければならないことは、当業者に自明である。炭酸水素塩および/または加水分解に際して炭酸水素イオン(HCO )を放出できる物質が加水分解されるため、試薬混合物においてpHは低下するであろう(図1および実施例1.5を参照)。
本明細書中で用いる用語“試料”は、インビトロ評価の目的のために個体から得られる生体試料を表わす。本発明の方法において、被験試料は、ある態様では液体試料である。試料は、本発明の他の態様においてはいずれかの体液を含むことができる。他の態様において、被験試料は血液、血清または血漿であり、血清または血漿が最も好ましい。他の態様において、液体試料を濾紙またはメンブレン上で乾燥させる。ある態様において、本発明に用いる試料は、個体から得られた試料のうちの一定部分を表わす。
本発明は、他の態様において、ビタミンD化合物を測定するためのインビトロ方法であって、(a)ビタミンD化合物をビタミンD結合タンパク質から解離させ、そして(b)工程(a)で解離したビタミンD化合物を測定する工程を含む方法を含む。
他の態様において本発明は、ビタミンD化合物を測定するためのインビトロ方法であって、(a)目的とする試料中のビタミンD結合タンパク質に結合しているビタミンD化合物を解離させ、そして(b)工程(a)で解離したビタミンD化合物を測定する工程を含む方法を含む。
他の態様において本発明は、ビタミンD化合物を測定するためのインビトロ方法であって、a)被験試料を調製し、b)工程(a)からの試料をi)0.1M〜2.0Mの濃度の炭酸水素塩または加水分解に際して炭酸水素イオン(HCO )を放出できる物質を含有する試薬、ii)還元剤、およびiii)アルカリ化剤と混合し、これによりビタミンD化合物をビタミンD結合タンパク質から解離させ、そしてc)工程(b)で解離したビタミンD化合物を測定する工程を含む方法に関する。
他の態様において本発明は、ビタミンD化合物を測定するためのインビトロ方法であって、測定するビタミンD化合物が25−ヒドロキシビタミンD、25−ヒドロキシビタミンD、24,25−ジヒドロキシビタミンD、24,25−ジヒドロキシビタミンD、およびC3−エピ 25−ヒドロキシビタミンDを含む群から選択される方法を含む。
他の態様において本発明は、ビタミンD化合物を測定するためのインビトロ方法であって、測定するビタミンD化合物が25−ヒドロキシビタミンD、25−ヒドロキシビタミンD、24,25−ジヒドロキシビタミンD、および24,25−ジヒドロキシビタミンDを含む群から選択される方法を含む。
他の態様において本発明は、ビタミンD化合物を測定するためのインビトロ方法であって、ビタミンD化合物25−ヒドロキシビタミンDおよび/または25−ヒドロキシビタミンDを測定する方法を含む。
試薬組成物:
1態様において本発明は、被験試料中のビタミンD化合物をビタミンD結合タンパク質から解離させるための試薬組成物であって、0.1M〜2.0Mの濃度の炭酸水素塩または加水分解に際して炭酸水素イオン(HCO )を放出できる物質、および還元剤を含有する、試薬組成物に関する。
1態様において本発明は、被験試料中のビタミンD化合物をビタミンD結合タンパク質から解離させるための試薬組成物であって、0.1M〜1.5Mの濃度の炭酸水素塩または加水分解に際して炭酸水素イオン(HCO )を放出できる物質、および還元剤を含有する、試薬組成物に関する。
他の態様において本発明は、被験試料中のビタミンD化合物をビタミンD結合タンパク質から解離させるための試薬組成物であって、0.2M〜1.0Mの濃度の炭酸水素塩または加水分解に際して炭酸水素イオン(HCO )を放出できる物質、および還元剤を含有する、試薬組成物に関する。
他の態様において本発明は、被験試料中のビタミンD化合物をビタミンD結合タンパク質から解離させるための試薬組成物であって、少なくとも0.1、0.2、0.3もしくは0.4Mの濃度の炭酸水素塩または加水分解に際して炭酸水素イオン(HCO )を放出できる物質、および還元剤を含有する、試薬組成物に関する。
他の態様において本発明は、被験試料中のビタミンD化合物をビタミンD結合タンパク質から解離させるための試薬組成物であって、多くとも2.0、1.7、1.5、1.3、1.0もしくは0.75Mの濃度の炭酸水素塩または加水分解に際して炭酸水素イオン(HCO )を放出できる物質、および還元剤を含有する、試薬組成物に関する。
他の態様において本発明は、被験試料中のビタミンD化合物をビタミンD結合タンパク質から解離させるための試薬組成物であって、0.1M〜2.0Mの濃度の炭酸水素塩、および還元剤を含有する、試薬組成物に関する。好ましくは、試薬組成物はそれぞれ0.1M〜1.5M、または0.2M〜1.0M、または少なくとも0.1、0.2、0.3もしくは0.4M、または多くとも2.0、1.7、1.5、1.3、1.0もしくは0.75Mの濃度の炭酸水素塩、および還元剤を含有する。他の好ましい態様において、試薬組成物中の炭酸水素塩は、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素アンモニウム、炭酸水素カルシウムおよび炭酸水素マグネシウムからなる群から選択される。さらに好ましくは、試薬組成物中の炭酸水素塩は、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムおよび炭酸水素アンモニウムからなる群から選択される。さらに好ましくは、試薬組成物中の炭酸水素塩は、炭酸水素ナトリウムおよび/または炭酸水素カリウムである。
他の態様において本発明は、被験試料中のビタミンD化合物をビタミンD結合タンパク質から解離させるための試薬組成物であって、0.1M〜2.0Mの濃度の加水分解に際して炭酸水素イオン(HCO )を放出できる物質、および還元剤を含有する、試薬組成物に関する。好ましくは、試薬組成物はそれぞれ0.1M〜1.5M、または0.2M〜1.0M、または少なくとも0.1、0.2、0.3もしくは0.4M、または多くとも2.0、1.7、1.5、1.3、1.0もしくは0.75Mの濃度の加水分解に際して炭酸水素イオン(HCO )を放出できる物質、および還元剤を含有する。
他の態様において本発明は、被験試料中のビタミンD化合物をビタミンD結合タンパク質から解離させるための試薬組成物であって、0.1M〜2.0Mの濃度の環式もしくは非環式の炭酸エステル、またはそのそれぞれのヒドロキシル化もしくはハロゲン化誘導体、および還元剤を含有する、試薬組成物に関する。好ましくは、試薬組成物はそれぞれ0.1M〜1.5M、または0.2M〜1.0M、または少なくとも0.1、0.2、0.3もしくは0.4M、または多くとも2.0、1.7、1.5、1.3、1.0もしくは0.75Mの濃度の環式もしくは非環式の炭酸エステル、またはそのそれぞれのヒドロキシル化もしくはハロゲン化誘導体、および還元剤を含有する。
他の態様において本発明は、被験試料中のビタミンD化合物をビタミンD結合タンパク質から解離させるための試薬組成物であって、0.1M〜2.0Mの濃度の環式もしくは非環式の炭酸エステル、またはそのそれぞれのハロゲン化誘導体、および還元剤を含有する、試薬組成物に関する。好ましくは、試薬組成物はそれぞれ0.1M〜1.5M、または0.2M〜1.0M、または少なくとも0.1、0.2、0.3もしくは0.4M、または多くとも2.0、1.7、1.5、1.3、1.0もしくは0.75Mの濃度の環式もしくは非環式の炭酸エステル、またはそのそれぞれのハロゲン化誘導体、および還元剤を含有する。他の好ましい態様において、試薬組成物中の環式もしくは非環式の炭酸エステル、またはそのハロゲン化誘導体は、炭酸エチレン、炭酸ジメチル、炭酸プロピレン、炭酸ビニレン、炭酸トリメチレン、二炭酸エリトリトール、1,2−炭酸グリセロール、4−クロロ−1,3−ジオキソラン−2−オン、4,5−ジクロロ−1,3−ジオキソラン−2−オン、2,5−ジオキサヘキサンジ酸ジメチルエステル、ピロカーボネート、炭酸1,2 ブチレン、炭酸シス 2,3 ブチレンおよび炭酸トランス 2,3 ブチレンからなる群から選択される。さらに好ましくは、試薬組成物中の環式もしくは非環式の炭酸エステル、またはそのハロゲン化誘導体は、炭酸エチレン、炭酸ジメチル、炭酸プロピレン、炭酸ビニレン、炭酸トリメチレン、二炭酸エリトリトール、1,2−炭酸グリセロール、4−クロロ−1,3−ジオキソラン−2−オン、および4,5−ジクロロ−1,3−ジオキソラン−2−オンからなる群から選択される。さらに好ましくは、試薬組成物中の環式もしくは非環式の炭酸エステルは、炭酸エチレン、炭酸ジメチル、1,2−炭酸グリセロール、炭酸プロピレンおよび炭酸ビニレンからなる群から選択される。さらに好ましくは、試薬組成物中の環式もしくは非環式の炭酸エステルは、炭酸エチレン、炭酸ジメチル、1,2−炭酸グリセロールおよび炭酸プロピレンからなる群から選択される。さらに好ましくは、試薬組成物中の環式もしくは非環式の炭酸エステルは、炭酸エチレン、炭酸ジメチルおよび1,2−炭酸グリセロールからなる群から選択される。
本発明は、他の態様において、還元剤が2−メルカプトエタノール、2−メルカプトエチルアミン−HCl、TCEP、システイン−HCl、ジチオトレイトール(DTT)、N−メチルマレイミド、エルマン試薬および1,2−ジチオラン−3−カルボン酸からなる群から選択されることを特徴とする試薬組成物に関する。
他の態様において本発明は、還元剤がチオール基を含むことを特徴とする試薬組成物に関する。
他の態様において本発明は、還元剤が2−メルカプトエタノール、2−メルカプトエチルアミン−HCl、TCEP、システイン−HClおよびジチオトレイトール(DTT)からなる群から選択されることを特徴とする試薬組成物に関する。
還元剤の濃度は、本発明のある態様において2mMから30mMまで、他の態様において3mMから20mMまで、他の態様において3.5mMから15mMまで、他の態様において4mMから10mMまでである。
還元剤の能力が官能基、すなわち還元基の存在に依存することは当業者に既知である。したがって、適切な濃度の還元剤をそれの活性還元基の数を考慮に入れて選択することは当業者に知られている。
ビタミンD結合タンパク質をコードする遺伝子は、ヒト集団において種々の対立遺伝子の形態でみられる。これらの対立遺伝子がコードするポリペプチドは生化学的に異なること、すなわちそれらが異なる表現型を生じることは知られている。これらの生化学的相異はビタミンD化合物の結合および解離にも影響を及ぼす。本発明による試薬組成物は、ビタミンD結合タンパク質の表現型とは独立してビタミンD化合物を解離させるのに適している。したがって、本発明の好ましい態様は、ビタミンD化合物をビタミンD結合タンパク質から解離させるための、本発明による試薬組成物の使用である。
本発明による試薬組成物は、1態様において、ビタミンD結合タンパク質の表現型とは無関係に独立して被験試料中のビタミンD結合タンパク質からビタミンD化合物を解離させるために使用される。
ビタミンD化合物をビタミンD結合タンパク質から解離させる目的のために、本発明による試薬組成物を被験試料、たとえば血清または血漿、およびアルカリ化剤と混合する。
試薬混合物:
本明細書中で以下において用いる用語“試薬混合物”は、被験試料、本発明による試薬組成物、およびアルカリ化剤を含む。
他の態様において試薬混合物は、アルカリ化剤がNaOH、KOH、Ca(OH)およびLiOHからなる群から選択されることを特徴とする。
他の態様において試薬混合物は、用いるアルカリ化剤がそれぞれ0.1M〜2.0M、または0.1M〜1.5M、または0.2M〜1.75M、または0.2M〜1.0M、または少なくとも0.1、0.2、0.3もしくは0.4M、または多くとも2.0、1.7、1.5、1.3、1.0もしくは0.75Mの濃度をもつことを特徴とする。
他の態様において試薬混合物は、アルカリ化剤がNaOHおよびKOHからなる群から選択されることを特徴とする。
他の態様において、本発明による方法に用いるアルカリ化剤は、試薬混合物中においてそれぞれ0.1M〜0.6M、または0.2M〜0.5M、または少なくとも0.1もしくは0.2M、または多くとも0.6もしくは0.5Mの最終濃度をもつ。
試薬組成物およびアルカリ化剤と被験試料との混合比は、ある態様において好ましくは1:3〜3:1である。
被験試料、開示した試薬組成物およびアルカリ化剤をいずれかのピペッティング順序で添加して、試薬混合物を調製することができる。混合した時点で試薬混合物は他の態様においてそれが少なくとも10、12、15または20秒間、9.5〜14のpHをもつことを特徴とし、さらに好ましくは試薬混合物は混合した時点で少なくとも10、12、15または20秒間、10.5〜14のpHをもつ。
被験試料を、本発明による試薬組成物およびアルカリ化剤と混合し、そしてインキュベートする。この工程を前処理工程とも呼ぶことができる。前処理工程は、必要な長さで実施できる。インキュベーション時間は、たとえば15秒〜24時間である。試薬混合物を1態様において1〜60分間インキュベートして、ビタミンD化合物をビタミンD結合タンパク質から解離させる。試薬混合物を他の態様において4〜10分間インキュベートして、ビタミンD化合物をビタミンD結合タンパク質から解離させる。
試薬混合物およびそれの成分の濃度は、被験試料と共にインキュベートする際に、特定したpH範囲、ならびに炭酸水素塩または加水分解に際して炭酸水素イオン(HCO )を放出できる物質、還元剤、およびアルカリ化剤のそれぞれの目的濃度が、ビタミンD化合物をビタミンD結合タンパク質から解離させるのに適切になるように、当業者が容易に選択できる。
試薬混合物は、ある態様において、本発明の試薬組成物について記載した炭酸水素塩または加水分解に際して炭酸水素イオン(HCO )を放出できる物質の、好ましい物質を同様に含む。
ビタミンD化合物の検出は、好ましくは25−ヒドロキシビタミンD、25−ヒドロキシビタミンD、24,25−ジヒドロキシビタミンD、24,25−ジヒドロキシビタミンD、およびC3−エピ 25−ヒドロキシビタミンDを含む群から選択される少なくとも1種類のビタミンD化合物が検出されるように実施される。
ビタミンD化合物の特異的検出において、前処理工程の後にさらにインキュベーション
工程を伴う。試薬混合物中に存在する還元剤の残りは、非特異的タンパク質、好ましくはたとえばヒト血清アルブミン(HSA)の添加により遮蔽することができる。この非特異的タンパク質は別個に添加してもよく、あるいは検出剤をも含む溶液に単純に含有させてもよい。還元剤の残留還元能を遮蔽することにより、ビタミンD化合物に対するタンパク質系の特異的結合剤を用いて支障なくビタミンD化合物を検出することができる。
当業者に認識されるように、特異的結合剤を含む溶液はpH緩衝剤系を含有し、これによって、特異的結合剤を含有する溶液を試薬混合物に添加した後、pHはビタミンD化合物が特異的結合剤へ結合するための前提条件のものであることが保証されるであろう。ビタミンD化合物への特異的結合が行なわれる限り、必ず必要な緩衝剤系も最終pHも決定的ではない。ビタミンD結合タンパク質を特異的結合剤として用いる場合、このインキュベーション工程中のpHは好ましくはpH6.0〜pH9.0に選択される。抗体をビタミンD化合物の特異的結合剤として用いる場合、このインキュベーション工程中のpHは好ましくはpH5.5〜pH7.5であろう。
特異的結合剤を含む溶液は、好ましくは20mM〜400mMの緩衝剤系を含有する。同様に好ましくは、緩衝剤は50mM〜350mMまたは100mM〜300mMのモル濃度をもつ。
ビタミンD化合物を検出するためのインビトロ方法は、−本発明の開示に基づいて−多様な様式で実施できる。
原則として、1種類以上のビタミンD化合物に結合するすべてのタンパク質系結合パートナー、たとえば特異的に結合するポリペプチドを特異的結合剤として使用できる。特異的結合剤は抗体またはビタミンD結合タンパク質そのものであってもよい。
多くの市販検査システムがアビジンまたはストレプトアビジン(SA)でコートした固相、たとえばSA−コートしたマイクロタイタープレートまたはSA−コートしたラテックスの使用に基づく。
被分析体のビオチニル化誘導体を、検査操作の前または途中で、たとえばこのSA固相に結合させる。ビタミンD化合物を検出する場合、被分析体のこのビオチニル化誘導体化合物は、たとえばビオチニル化25−ヒドロキシビタミンDおよび/またはビオチニル化25−ヒドロキシビタミンDであってもよい。
本発明の1態様において、インビトロ検出方法を競合アッセイとして実施する。そのような競合検査法において、一定量で検査に添加したビタミンD化合物誘導体は、特異的結合剤の結合部位に対して、試料に由来する対応するビタミンD化合物と競合する。試料中に多量のビタミンD化合物が存在するほど、検出信号はより小さくなる。
1態様において、ビタミンD化合物の誘導体はビオチニル化ビタミンD化合物である。他の態様において、ビオチニル化ビタミンD化合物はビオチニル化25−ヒドロキシビタミンDおよび/またはビオチニル化25−ヒドロキシビタミンDである。他の態様において、ビオチニル化ビタミンD化合物はビオチニル化25−ヒドロキシビタミンDである。
前記に述べたように、本発明に開示する検出方法に使用するのに好ましい特異的結合剤は、抗体およびビタミンD結合タンパク質である。ビタミンD結合タンパク質を競合アッセイ方式に用いると、それは結合について1種類以上の(ビオチニル化)ビタミンD化合物誘導体と競合するすべてのビタミンD化合物を統合的に測定するであろう。1態様において、ビタミンD結合タンパク質は検出可能に標識化、たとえばルテニウム化されるであろう。
使用:
1態様において本発明は、ビタミンD化合物をビタミンD結合タンパク質から解離させるために、試薬組成物をアルカリ化剤と一緒に使用することに関する。
他の態様において本発明は、被験試料中に存在すると予想されるビタミンD化合物をビタミンD結合タンパク質から解離させるために、試薬組成物をアルカリ化剤と一緒に使用することに関する。
他の態様において本発明は、ビタミンD化合物を検出する方法においてビタミンD化合物を解離させるために、試薬組成物をアルカリ化剤と一緒に使用することに関する。
他の態様において本発明は、ビタミンD化合物を検出する方法において被験試料中に存在すると予想されるビタミンD化合物をビタミンD結合タンパク質から解離させるために、0.1M〜2.0Mの炭酸水素塩または加水分解に際して炭酸水素イオン(HCO )を放出できる物質および2mM〜30mMの還元剤を含有する試薬組成物を、1M〜1.5Mのアルカリ化剤溶液と一緒に使用することに関する。
試薬組成物の使用は、ある態様において、本発明の試薬組成物について記載した炭酸水素塩または加水分解に際して炭酸水素イオン(HCO )を放出できる物質の、好ましい物質を同様に含む。
キット:
1態様において本発明は、ビタミンD化合物をビタミンD結合タンパク質から解離させるためのキットであって、0.1M〜2.0Mの濃度の炭酸水素塩または加水分解に際して炭酸水素イオン(HCO )を放出できる物質および還元剤を含む試薬組成物を含むキットに関する。
1態様において本発明は、ビタミンD化合物をビタミンD結合タンパク質から検出するためのキットであって、0.1M〜2.0Mの炭酸水素塩または加水分解に際して炭酸水素イオン(HCO )を放出できる物質および還元剤を含む試薬組成物、ならびにアルカリ化剤を含むことを特徴とするキットに関する。
他の態様において本発明は、ビタミンD化合物をビタミンD結合タンパク質から検出するためのキットであって、0.1M〜2.0Mの炭酸水素塩または加水分解に際して炭酸水素イオン(HCO )を放出できる物質および2mM〜30mMの還元剤を含む試薬組成物、ならびにアルカリ化剤を含むことを特徴とするキットに関する。
他の態様において本発明は、ビタミンD化合物をビタミンD結合タンパク質から検出するためのキットであって、検出成分のほかに、0.1M〜2.0Mの炭酸水素塩または加水分解に際して炭酸水素イオン(HCO )を放出できる物質および2mM〜30mMの還元剤を含む試薬組成物、ならびにアルカリ化剤の1M〜1.5M溶液を含むことを特徴とするキットに関する。
他の態様において本発明は、ビタミンD化合物を検出するためのキットであって、特異的結合剤を含む溶液のほかに、炭酸水素塩または加水分解に際して炭酸水素イオン(HCO )を放出できる物質および還元剤を含む試薬組成物、ならびにアルカリ化剤を含むキットに関する。
他の態様において本発明は、ビタミンD化合物を検出するためのキットであって、特異的結合剤を含む溶液のほかに、0.1M〜2.0Mの炭酸水素塩または加水分解に際して炭酸水素イオン(HCO )を放出できる物質および2mM〜30mMの還元剤を含む試薬組成物、ならびにアルカリ化剤の1M〜1.5M溶液を含むことを特徴とするキットに関する。
他の態様において本発明は、ビタミンD化合物を検出するためのキットであって、特異的結合剤を含む溶液のほかに、0.1M〜2.0Mの炭酸水素塩または加水分解に際して炭酸水素イオン(HCO )を放出できる物質ならびに2mM〜30mMの2−メルカプトエタノール、2−メルカプトエチルアミン−HCl、TCEP、システイン−HClおよびジチオトレイトール(DTT)からなる群から選択される還元剤を含む試薬組成物、ならびにNaOH、KOH、Ca(OH)およびLiOHからなる群から選択されるアルカリ化剤の1M〜1.5M溶液を含むことを特徴とするキットに関する。
キットは、ある態様において、本発明の試薬組成物について記載した炭酸水素塩または加水分解に際して炭酸水素イオン(HCO )を放出できる物質の、好ましい物質を同様に含む。
本発明による試薬組成物は、ビタミンD化合物の自動検査に使用するのに適切であることが証明された。本発明は好ましくは、特にビタミンD化合物の測定のための検査において、ビタミンD化合物をビタミンD結合タンパク質から解離させるための本発明による試薬組成物の使用に関する。
ビタミンD化合物の検査は、好ましくは完全自動化される。この場合の完全自動化は、実験者は被験試料とビタミンD化合物の測定のための全成分を含有する試薬パックとを自動分析計に乗せるだけでよく、以後のすべての工程が分析計によって自動的に実施されることを意味する。完全自動検査は、Roche DiagnosticsからのElecsys(登録商標)で実施するのが特に好ましい。
本発明による試薬組成物は、他の態様において、25−ヒドロキシビタミンD、25−ヒドロキシビタミンD、24,25−ジヒドロキシビタミンD、24,25−ジヒドロキシビタミンD、およびC3−エピ 25−ヒドロキシビタミンDからなる群から選択されるビタミンD化合物を検出するためのインビトロ方法に使用される。
既に前記に述べたように、25−ヒドロキシビタミンDおよび25−ヒドロキシビタミンDが診断に特に関連する形態のビタミンDである。本発明によるインビトロ方法において、25−ヒドロキシビタミンDもしくは25−ヒドロキシビタミンDまたは両方を25−ヒドロキシビタミンDまたは25−ヒドロキシビタミンDに対する特異的抗体で特異的に検出することも好ましい態様である。
本発明を以下の実施例および図面によってさらに説明する。実際の保護範囲は本発明の特許請求の範囲から生じる。
実施例1
25−ヒドロキシビタミンDの検出のためのアッセイ法
市販のアッセイ法を製造業者の指示に従って使用する。25−ヒドロキシビタミンDの測定を、文献の記載に従って、HPLC(25(OH)ビタミンDの検査、“Immundiagnostik” Company,ベンスハイム,注文No.KC 3400)により、またはLC−MS/MS(Vogeser, M. et al, Clin. Chem. 50 (2004) 1415-1417)により実施する。
新規検査法のための成分および全般的検査法を以下に記載する:
1.1 ヒドロキシビタミンD−3−2’−シアノエチルエーテルの合成
20.6mg(50μmol)の25−ヒドロキシビタミンD(Fluka No.17937)を、内部温度計付き25ml三口丸底フラスコ内で10mlの乾燥アセトニトリルにアルゴン雰囲気下で溶解する。1.5mlのtert.−ブタノール/アセトニトリル(9:1)を溶液に添加し、氷浴内で6℃に冷却する。次いで820μlのアクリロニトリル溶液(1.0mlアセトニトリル中の86μlアクリロニトリル)を添加し、6℃で15分間撹拌する。次いで205μlの水素化カリウム溶液(25mgのKH,0.5mlのtert.−ブタノール/アセトニトリル9:1中)を添加する。短時間の凝集が起きた後に透明な溶液が得られる。反応溶液を6℃でさらに45分間、続いて4℃で60分間、撹拌する。
続いて、反応溶液を10mlのメチル−tert.−ブチルエーテルで希釈し、それぞれ10mlのHOで2回洗浄する。有機相を約1gの無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、G3ガラスフリットでろ過し、ロータリーエバポレーターで蒸発させる。それを高真空下で乾燥させると、約55mgの質量をもつ粘稠な透明残留物が生成する。
1.2 ヒドロキシビタミンD−3−3−アミノプロピルエーテルの合成
上記で得たニトリル全体を15mlのジエチルエーテルに溶解し、水素化リチウム7.5mgのジエチルエーテル7.5ml中における懸濁液と、撹拌しながら混合する。反応混合物を室温で1時間撹拌する。その後、水素化アルミニウムリチウム38.4のジエチルエーテル6.6ml中における懸濁液を添加する。その結果、混合物が強く混濁する。反応混合物を室温でさらに1時間撹拌し、次いで反応混合物を氷浴内で0〜5℃に冷却し、35mlの水を慎重に添加する。6.6mlの10M水酸化カリウム溶液の添加によりpHを強塩基性にする。
それをそれぞれ65mlのメチル−tert.−ブチルエーテルで3回抽出する。有機相を合わせて、約5gの無水硫酸ナトリウムにより乾燥させ、濾過し、室温でロータリーエバポレーターにより蒸発させる。残留物をオイルポンプで一定質量になるまで乾燥させる。粗生成物を5mlのDMSOおよび3.0mlのアセトニトリルに溶解し、分取HPLCにより精製する
溶離剤A = Millipore−HO + 0.1%トリフルオロ酢酸;
溶離剤B = 95%アセトニトリル + 5% Millipore−HO + 0.1% TFA;
勾配:50% Bから100% Bまで100分間で
流速:30ml/分
温度:室温
カラム寸法:直径=5.0cm;長さ=25cm
カラム材料:Vydac C18/300Å/15〜20μm
検出波長:226nm
分析用HPLC(Vydac C18/300Å/5μm;4.6×250mm)によってその生成物含量が85%より多い画分を丸底フラスコにプールし、凍結乾燥させる。13.7mg(収率:58%)が無色の凍結乾燥物として得られる。
1.3 ヒドロキシビタミンD−3−3’−N−(ヘミスベリル)アミノプロピル−エーテル−ビオチン−(ベータ−Ala)−Glu−Glu−Lys(イプシロン)コンジュゲート(= Ag−Bi)の合成
13.7mg(25μmol)のヒドロキシビタミンD−3−3’−アミノプロピルエーテルを3.5mlのDMSOに溶解し、28.7mg(30μmol)のビオチン−(ベータ−Ala)−Glu−Glu−Lys(epison)−ヘミ−スベレート−N−ヒドロキシスクシンイミドエステル(Roche Applied Science、No.11866656)および12.5μlのトリエチルアミンを添加し、それを室温で一夜撹拌する。反応溶液を4.5mlのDMSOで希釈し、0.45μmのマイクロフィルターにより濾過し、続いて分取HPLC(条件は実施例2.3b)を参照)により精製する。分析用HPLCによって85%より多量の生成物を含有する画分をプールし、凍結乾燥させる。9.8(収率:30%)の精製ビオチンコンジュゲートが得られる。
1.4 ビタミンD結合タンパク質のルテニウム化およびゲル濾過クロマトグラフィーによる精製
ビタミンD結合タンパク質を100mMリン酸カリウム/150mM塩化ナトリウム緩衝液(pH8.5)へ移し、タンパク質濃度を5〜10mg/mlに調整する。ルテニウム化試薬(ルテニウム(II)トリス(ビピリジル)−N−ヒドロキシスクシンイミドエステル)をDMSOに溶解し、抗体溶液に3対1のモル比で添加する。45分間の反応時間後、1−リジンの添加により反応を停止し、ルテニウム化ビタミンD結合タンパク質(= DBP−Ru)をSuperdex 200カラムでのゲル濾過によって精製する。
1.5 アッセイに際しての検査法
被験試料をRoche Diagnostics companyからのElecsys(登録商標)システムにより測定する。
被験試料を試薬組成物(A)およびアルカリ化剤(B)と混合することにより、試薬混合物を調製する。
この例では、15μlの試料を15μlの試薬組成物(A)および10μlのアルカリ化剤(B)と混合した試薬混合物を調製する。この試薬混合物を9分間インキュベートする。次の工程で70μlの検出試薬(溶液C)を試薬混合物に添加し、さらに9分間インキュベートする。最終工程で、ビオチニル化wall抗原(溶液D)(60μl)、および30μlのストレプトアビジン(SA)(30μl)コートした磁性ポリスチレン粒子(懸濁液E)を添加する。さらに9分間のインキュベーション後、結合したルテニウム化ビタミンD結合タンパク質の量を常法により測定する(参照:図1、2、3、4a、4b)。
試薬組成物(A)は下記のものを含有する:
10mM NaOH
4mM EDTA
6.7mM ジチオトレイトール(DTT)
0.5M 炭酸エチレン(EC)
pH 5.5
アルカリ化剤(B)は下記のものを含有する:
1.375M NaOH
ルテニウム化ビタミンD結合タンパク質(DBP−Ru)を含む溶液Cは下記のものを含有する:
0.2M ビス−トリス−プロパン(pH7.5)
2.5% ヒト血清アルブミン(HSA)
50mM NaCl
1% マンニット
0.1% オキシピリオン(oxypyrion)
0.12μg/mL DBP−Ru
ビオチニル化wall抗原を含む溶液Dは下記のものを含有する:
0.2M ビス−トリス−プロパン(pH8.6)
0.5% tween−20溶液
0.1% オキシピリオン
30ng/ml ビオチン
0.0108μg/mL Ag−Bi(実施例1.1から)
SA−コートしたラテックス粒子を含む懸濁液Eは下記のものを含有する:
0.72mg/ml SA−コートした磁性ポリスチレン粒子;470ng/mlの結合容量をもつ。
実施例2
炭酸エステルと金属塩、リン酸緩衝液および炭酸塩との比較
被験試料をRoche Diagnostics companyからのElecsys(登録商標)システムにより測定する。全アッセイ操作は実施例1.5に示されている。
実施例1.5と異なり、試薬組成物(A)はそれぞれ0.5M炭酸エチレン(EC)、0.5M NaCO、0.5M NaClまたは0.5M NaHPOを含有する。
試薬組成物(A):
10mM NaOH
4mM EDTA
6.7mM DTT
0.5M EC、NaCO、NaClまたはNaHPOのいずれか。
対照として、10mM NaOH、4mM EDTA、6.7mM DTTを含有する試薬組成物(A)を用いた。結果を図5に示す。アルカリ前処理(試薬混合物)に際して存在する炭酸エステル(0.5M EC(◆))は、競合アッセイにおいて信号増強効果をもたらす。特に、ECを含まない検査(□)と比較して信号動態が改善される。塩(0、5M NaCl、(◇))は効果を示さない。0.5M NaCOの添加(○)または0.5M NaHPOの添加(▲)は信号に対するわずかな効果を示す。
実施例3
炭酸エステルを含む/含まないアルカリ前処理
被験試料をRoche Diagnostics companyからのElecsys(登録商標)システムにより測定する。アッセイ操作は実施例1.5に示されている。
実施例1.5と異なり、下記のいずれかを含有する3種類の異なる試薬組成物を調製した:
◆:10mM NaOH、4mM EDTA、6.7mM DTT、0.5M EC(実施例1.5を参照)または
▲:10mM NaOH、4mM EDTA、6.7mM DTTまたは
□:10mM NaOH、4mM EDTA。
試料 + それぞれ◆(試薬組成物(A) + アルカリ化剤(B);実施例1.5に記載)、▲、または□のいずれか(=試薬混合物)の4分間の前処理インキュベーションの後で溶液Cの添加前に、トリス−プロパンpH6.3の添加により試薬混合物のpHをpH9に調整した(図6)。アルカリ前処理(試薬混合物)に際して存在する炭酸エステルECは、競合アッセイにおいて信号増強効果をもたらす。特に、ECを含まない検査と比較して信号動態が改善される。
実施例4
炭酸エチレン−対−炭酸ジメチル
被験試料をRoche Diagnostics companyからのElecsys(登録商標)システムにより測定する。アッセイ操作は実施例1.5に示されている。
実施例1.5と異なり、下記のいずれかを含有する2種類の異なる試薬組成物(A)を調製した:
○:10mM NaOH、4mM EDTA、6.7mM DTT、0.5M EC(1.5を参照)または
◆:10mM NaOH、4mM EDTA、6.7mM DTT、0.5M炭酸ジメチル
炭酸エチレンまたは炭酸ジメチルの両方の炭酸エステルが、それぞれ同じアッセイ性能を示す(図7)。
実施例5
炭酸エチレンの加水分解生成物の効果
被験試料をRoche Diagnostics companyからのElecsys(登録商標)システムにより測定する。アッセイ操作は実施例1.5に示されている。
実施例1.5と異なり、下記のいずれかを含有する5種類の異なる試薬組成物(A)を調製した:
◆:10mM NaOH、4mM EDTA、6.7mM DTT、0.5M EC(1.5を参照)または
○:10mM NaOH、4mM EDTA、6.7mM DTT、0.5M NaHCOまたは
▲:10mM NaOH、4mM EDTA、6.7mM DTT、0.5M NaHCO + 0.5Mエチレングリコール
□:10mM NaOH、4mM EDTA、6.7mM DTT
ECのアルカリ加水分解生成物はエチレングリコールであり、これはアッセイに対して影響をもたない(▲)。炭酸水素塩(NaHCO)も信号増強効果を示すが、炭酸エステルほど大きくはない(図8)。
実施例6
炭酸エチレン−対−1,2 炭酸グリセロール
被験試料をRoche Diagnostics companyからのElecsys(登録商標)システムにより測定する。アッセイ操作は実施例1.5に示されている。
実施例1.5と異なり、下記のいずれかを含有する2種類の異なる試薬組成物(A)を調製した:
◆:10mM NaOH、4mM EDTA、6.7mM DTT、0.5M EC(1.5を参照)または
○:10mM NaOH、4mM EDTA、6.7mM DTT、0.5M 1,2 炭酸グリセロール
炭酸エチレンまたは1,2 炭酸グリセロールの両方の炭酸エステルが、それぞれ同じアッセイ性能を示す(図9)。

Claims (17)

  1. ビタミンD化合物をビタミンD結合タンパク質から解離させるためのインビトロ方法であって、
    a)被験試料を調製し、そして
    b)工程(a)からの試料を
    i)0.1M〜2.0Mの濃度の炭酸水素塩、または0.1M〜2.0Mの濃度の加水分解に際して炭酸水素イオン(HCO )を放出できる物質を含有する試薬、
    ii)還元剤、および
    iii)アルカリ化剤
    と混合し、これによりビタミンD化合物をビタミンD結合タンパク質から解離させる
    ことを含む方法。
  2. 工程(i)による試薬が、ビタミンD化合物をビタミンD結合タンパク質から解離させるのに適した条件下で水溶液に可溶性である、請求項1に記載の方法。
  3. 工程(i)による試薬が、0.1M〜2.0Mの濃度の炭酸水素塩を含有する、請求項1または2に記載の方法。
  4. 工程(i)による試薬が、0.1M〜2.0Mの濃度の加水分解に際して炭酸水素イオン(HCO )を放出できる物質を含有する、請求項1または2に記載の方法。
  5. 加水分解に際して炭酸水素イオン(HCO )を放出できる物質が、環式もしくは非環式の炭酸エステル、またはそのそれぞれのヒドロキシル化もしくはハロゲン化誘導体である、請求項1、2および4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 試料が液体試料である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
  7. 試料が血液、血清または血漿である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
  8. ビタミンD化合物を測定するためのインビトロ方法であって、
    a)請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法に従ってビタミンD化合物をビタミンD結合タンパク質から解離させ、そして
    b)工程(a)で解離したビタミンD化合物を測定する
    工程を含む方法。
  9. ビタミンD化合物が、25−ヒドロキシビタミンD、25−ヒドロキシビタミンD、24,25−ジヒドロキシビタミンD、24,25−ジヒドロキシビタミンD、およびC3−エピ 25−ヒドロキシビタミンDからなる群から選択される、請求項8に記載の方法。
  10. ビタミンD化合物25−ヒドロキシビタミンDおよび/または25−ヒドロキシビタミンDを測定する、請求項9に記載の方法。
  11. 0.1M〜2.0Mの濃度の炭酸水素塩または加水分解に際して炭酸水素イオン(HCO )を放出できる物質、および還元剤を含有する試薬組成物の、ビタミンD化合物をビタミンD結合タンパク質から解離させるための使用。
  12. 還元剤が、2−メルカプトエタノール、2−メルカプトエチルアミン−HCl、TCEP、システイン−HCl、ジチオトレイトール(DTT)、N−メチルマレイミド、エルマン試薬および1,2−ジチオラン−3−カルボン酸からなる群から選択されることを特徴とする、請求項11に記載の使用。
  13. 還元剤が、2−メルカプトエタノール、2−メルカプトエチルアミン−HCl、TCEP、システイン−HClおよびジチオトレイトール(DTT)からなる群から選択されることを特徴とする、請求項11に記載の使用。
  14. 還元剤が2mM〜30mMの濃度を有する、請求項11〜13のいずれか1項に記載の使用。
  15. 試薬混合物であって、
    被験試料と、0.1M〜2.0Mの濃度の炭酸水素塩および還元剤を含むビタミンD化合物をビタミンD結合タンパク質から解離させるための試薬組成物、および0.1M〜2.0MのNaOH、KOH、Ca(OH)およびLiOHからなる群から選択されるアルカリ化剤とを含み、
    ここで前記試料は血液、血清または血漿であり、
    前記炭酸水素塩は、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素アンモニウム、炭酸水素カルシウム、および炭酸水素マグネシウムからなる群から選択され、そして
    前記還元剤が、2−メルカプトエタノール、2−メルカプトエチルアミン−HCl、TCEP、システイン−HCl、ジチオトレイトール(DTT)、N−メチルマレイミド、エルマン試薬および1,2−ジチオラン−3−カルボン酸からなる群から選択される、
    前記試薬混合物。
  16. 0.1M〜2.0Mの濃度の炭酸水素塩または加水分解に際して炭酸水素イオン(HCO )を放出できる物質からなる群から選択される物質、および還元剤を含む試薬組成物を、NaOH、KOH、Ca(OH)およびLiOHからなる群から選択されるアルカリ化剤とともに用いる、ビタミンD化合物をビタミンD結合タンパク質から解離させるための使用。
  17. ビタミンD化合物をビタミンD結合タンパク質から解離させるためのキットであって、
    a)0.1M〜2.0M濃度の炭酸水素塩または加水分解に際して炭酸水素イオン(HCO )を放出できる物質からなる群から選択される物質、
    b)2mM〜30mMの濃度の還元剤、
    c)1M〜1.5Mの濃度のNaOH、KOH、Ca(OH)およびLiOHからなる群から選択されるアルカリ化剤、および
    d)特異的結合剤を含有する溶液、ここで前記特異的結合剤は1種以上のビタミンD化合物に特異的に結合するポリペプチドである、
    を含む前記キット。
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