JP5710866B2 - リパーゼ活性を有するポリペプチド及びそれをコードするポリヌクレオチド - Google Patents

リパーゼ活性を有するポリペプチド及びそれをコードするポリヌクレオチド Download PDF

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Description

発明の分野:
本発明は、リパーゼ活性を有するポリペプチド及びそれをコードするポリヌクレオチドに関する。
発明の背景:
リパーゼは、例えば布及び他の織布から脂質又は脂肪しみを除去するための洗剤酵素として、パン及び他のベークド製品のための生地への添加物として有用である。従って、サーモミセス・ラヌギノサス(Thermomyces lanuginosus)(別名ヒューミコラ・ラヌギノサ(Humicola lanuginosa)、EP258068号及びEP305216号)に由来するリパーゼは、商品名Lipolase(商標)(NOVO Nordisk A/Sの製品)としての洗剤使用のために市販されている。WO0060063号は、洗剤溶液において特に良好な第一洗浄性能を有するT.ラヌギノサスの変異体を記載する。WO9704079号、WO9707202号及びWO0032758号はまた、T. ラヌギノサスリパーゼの変異体を開示する。WO02062973号は、臭気形成の低められた傾向を伴って、C-末端延長を有するT. ラヌギノサス・リパーゼを開示する。
発明の要約:
本発明は、本明細書に与えられる試験条件下で、少なくとも0.8の平均相対的性能(RP)及び少なくとも1.1のベネフィットリスク(Benefit-Risk)(BR)をさらに有するリパーゼから成る群から選択されたリパーゼ活性を有する単離されたポリペプチドに関する。
本発明はまた、臭気発生についての低められた可能性を有するリパーゼ変異体、及びそれらの調製方法にも関する。本発明は特に、長鎖脂肪酸についての選択性を有し、同時に良好な相対的性能を有する、サーモミセス・ラヌギノサスリパーゼの変異体に関する。
さらなる観点においては、本発明は、前記ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含んで成る単離されたポリヌクレオチド、前記ポリヌクレオチドを含んでなる核酸構造体、前記核酸構造体を含んで成る組み換え発現ベクター、及び前記核酸構造体を含んで成る組換え宿主細胞に関する。
配列表:
配列番号1は、サーモミセス・ラヌギノサスからのリパーゼをコードするDNA配列を示す。
配列番号2は、サーモミセス・ラヌギノサスからのリパーゼのアミノ酸配列を示す。
配列番号3〜16は、図1における一列整列についての配列を示す。
配列番号17及び18は、一列整列の例について使用される配列を示す。
定義
リパーゼ活性:用語“リパーゼ活性”とは、ジアシルグリセロール及びカルボキシレートの形成下でトリアシルグリセロールの加水分解を触媒するカルボン酸エステルヒドロラーゼ活性として、本明細書において定義される。本発明のためには、リパーゼ活性は、“材料及び方法”における“リパーゼ活性”に記載される方法に従って決定される。1単位のリパーゼ活性は、30℃、pH7で、1分当たり1.0μモルの乳酸を開放できる酵素の量として定義される。
本発明のポリペプチドは、置換T231R+N233Rを有する、配列番号2の成熟ポリペプチドとして示されるアミノ酸配列から成るポリペプチドの相対的性能として測定されるリパーゼ活性の少なくとも70%、例えば少なくとも75%、80%、85%又は90%、より好ましくは少なくとも95%、さらにより好ましくは96%又は97%、最も好ましくは98%又は99%、及びさらに最も好ましくは少なくとも100%の活性を有する。
単離されたポリペプチド:用語“単離されたポリペプチド”とは、本明細素において使用される場合、SDS−PAGEにより決定される場合、少なくとも20%の純度、好ましくは40%の純度、より好ましくは少なくとも60%の純度、さらにより好ましくは少なくとも80%の純度、最も好ましくは少なくとも90%の純度、及びさらなる最も好ましくは少なくとも95%の純度であるポリペプチドを言及する。
実質的に純粋なポリペプチド:用語“実質的に純粋なポリペプチド”とは、本明細書において、多くとも10%、好ましくは多くとも8%、より好ましくは多くとも6%、より好ましくは多くとも5%、より好ましくは多くとも4%、多くとも3%、さらにより好ましくは多くとも2%、最も好ましくは多くとも1%及びさらに最も好ましくは多くとも0.5%(重量による)の天然において結合される他のポリペプチド材料を含むポリペプチド調製物を示す。従って、好ましくは、実質的に純粋なポリペプチドは、調製物の存在する合計ポリペプチド材料の少なくとも92%の純度、好ましくは少なくとも94%の純度、好ましくは少なくとも95%の純度、好ましくは少なくとも96%の純度、好ましくは少なくとも97%の純度、好ましくは少なくとも98%の純度、さらに好ましくは少なくとも99%の純度、最も好ましくは少なくとも99.5%の純度、及びさらに最も好ましくは少なくとも100%(重量による)の純度である。
本発明のポリペプチドは好ましくは、実質的に純粋な形で存在する。特に、好ましくはポリペプチドは、“実質的に純粋な形”で存在し、すなわちポリペプチド調製物は、天然において結合される他のポリペプチド材料を実質的に有さない。これは、例えば、良く知られている組換え方法、又は従来の精製方法によりポリペプチドを調製することにより達成され得る。
本明細素においては、用語“実質的に純粋なポリペプチド”とは、用語“単離されたポリペプチド”及び“単離された形でのポリペプチド”と同じ意味である。
同一性:2種のアミノ酸配列間の又は2種のヌクレオチド配列間の関連性が、パラメーター“同一性”により記載される。
本発明のためには、2種のアミノ酸配列は、EMBOSSパッケージ (http://emboss.org)バージョン2.8.0からのNeedleプログラムを用いることにより決定される。このNeedle−プログラムは、Needleman, S. B. and Wunsch, C. D. (1970) J. MoI. Biol. 48, 443-453に記載される世界的一列整列アルゴリズムを実行する。使用される置換マトリックスはBLOSUM62であり、ギャップ開放ペナルティーは10であり、そしてギャップ延長ペナルティーは0.5である。
本発明のアミノ酸配列(“発明の配列”、例えば配列番号2のアミノ酸1−269)と、異なったアミノ酸配列(“外来性配列”)との間の同一性の程度は、“発明の配列”の長さ、又はいずれにせよ、最も短い“外来性配列”の長さにより割り算された、2種の配列一列整列での正確な適合の数として計算される。結果は、%同一性で表される。
正確な適合は、“発明の配列”及び“外来性配列”がオーバーラップの同じ位置において同一のアミノ酸残基を有する場合、発生する(下記一列整列の例においては、これは“|”により表される)。配列の長さは、配列におけるアミノ酸残基の数である(例えば、配列番号2の長さは269である)。
下記一列整列の例においては、オーバーラップは、配列1のアミノ酸配列“HTWGER-NL”又は配列番号2のアミノ酸配列“NGWGEDANL”である。この例においては、ギャップは、“−”により示される。
一列整列の例
Figure 0005710866
ポリペプチドフラグメント:用語“ポリペプチドフラグメント”とは本明細書においては、配列番号2、又はその相同配列のアミノ及び/又はカルボキシル末端から欠失された1又は複数のアミノ酸を有するポリペプチドとして定義され、ここで前記フラグメントはリパーゼ活性を有する。
副配列:用語“副配列”とは本明細書においては、配列番号1、又はその相同配列の5’及び/又は3’末端から欠失される1又は複数のヌクレオチドを有するヌクレオチド配列として定義され、ここで前記副配列はリパーゼ活性を有するポリペプチドフラグメントをコードする。
対立遺伝子変異体:本明細書においては、用語“対立遺伝子変異体”とは、同じ染色体遺伝子座を占める遺伝子の複数の他の形のいずれかを示す。対立遺伝子変動は、天然においては、突然変異を通して発生し、そして集団内の多形現象をもたらすことができる。遺伝子突然変異はサイレントであり得るか(コードされるポリペプチドの変化が存在しない)、又は変更されたアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードすることができる。ポリペプチドの対立遺伝子変異体は、遺伝子の対立遺伝子によりコードされるポリペプチドである。
実質的に純粋にポリヌクレオチド:用語“実質的に純粋なポリペプチド”とは、本明細書において使用される場合、他の外来性の又は所望しないヌクレオチドを有さず、そして遺伝子構築されたタンパク質生成システム内での使用のために適切な形で存在するポリヌクレオチド調製物を言及する。従って、実質的に純粋なポリヌクレオチドは、それが天然において結合される他のポリヌクレオチド材料を、多くとも10重量%、好ましくは多くとも8重量%、より好ましくは多くとも6重量%、より好ましくは多くとも5重量%、より好ましくは多くとも4重量%、より好ましくは多くとも3重量%、さらにより好ましくは多くとも2重量%、最も好ましくは多くとも1重量%、及びさらに最も好ましくは多くとも0.5重量%含む。
しかしながら、実質的に純粋なポリヌクレオチドは、天然に存在する5’及び3’未翻訳領域、例えばプロモーター及びターミネーターを含むことができる。好ましくは、実質的に純粋なポリヌクレオチドは、少なくとも90%の純度、好ましくは少なくとも92%の純度、より好ましくは少なくとも94%の純度、より好ましくは少なくとも95%の純度、より好ましくは少なくとも96%の純度、より好ましくは少なくとも97%の純度、さらにより好ましくは少なくとも98%の純度、最も好ましくは少なくとも99%の純度、及びさらに最も好ましくは少なくとも99.5%(重量による)の純度が好ましい。本発明のポリヌクレオチドは好ましくは、実質的に純粋な形で存在する。
特に、好ましくは、本明細書に開示されるポリヌクレオチドは、“実質的に純粋な形”で存在し、すなわちポリヌクレオチド調製物は、それが天然において結合される他のポリヌクレオチドは、用語“単離されたポリヌクレオチド”及び“単離された形でのポリヌクレオチド”と同じ意味である。ポリヌクレオチドは、ゲノム、cDNA、RNA、半合成、合成起源、又はそれらのいずれかの組合せのものであり得る。
cDNA:用語“cDNA”とは、本発明において使用される場合、真核細胞に由来する成熟のスプライスされたmRNA分子から逆転写により調製され得るDNA分子を包含する。cDNAは、その対応するゲノムDNAに通常存在するイントロン配列を欠いている。初期一次RNA転写体は、mRNAに対する前駆体であり、そしてそれは、成熟のスプライスされたmRNAとして出現する前、一連のプロセッシング現象を通して進行する。この現象は、スプライシングと呼ばれる工程によるイントロン配列の除去を包含する。従って、cDNAがmRNAに由来する場合、それはイントロン配列を欠いている。
核酸構造体:本明細粗において使用される場合、用語“核酸構造体”とは、天然に存在する遺伝子から単離され、又は他方では、天然に存在しない態様で核酸のセグメントを含むように修飾されている、一本鎖又は二本鎖核酸分子として定義される。用語“核酸構造体”とは、核酸構造体が本発明のコード配列の発現のために必要とされるすべての制御配列を含む場合、用語“発現カセット”と同じ意味である。
制御配列:用語“制御配列”とは、本発明のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドの発現のために必要であるか、又はそのために好都合であるすべての成分を包含するよう定義される。個々の制御配列は、ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列に対して生来であっても又は外来性であっても良い。そのような制御配列は、リーダー、ポリアデニル化配列、プロペプチド配列、プロモーター、シグナルペプチド配列、及び転写ターミネーターを包含するが、但しそれらだけには限定されない。最少で、制御配列は、プロモーター、及び転写及び翻訳停止シグナルを包含する。制御配列は、ポリペプチドをコードする核酸配列のコード領域と制御配列との連結を促進する特定の制限部位を導入するためにリンカーを提供され得る。
作用可能に連結される:用語“作用可能に連結される”とは、制御配列が、ポリペプチドのコード配列の発現を指図するようポリヌクレオチド配列のコード配列に対する位置で適切に配置されている配置として本明細書において定義される。
コード配列:本明細書において使用される場合、用語“コード配列”とは、そのタンパク質生成物のアミノ酸配列を直接的に特定するヌクレオチド配列を包含する。コード配列の境界は一般的に、ATG開始コドン又は他の開始コドン、例えばGTG及びTTGにより通常開始する読取枠により決定される。コード配列は、DNA、cDNA、又は組換えヌクレオチド配列であり得る。
発現:用語“発現”とは、ポリペプチドの生成に包含されるいずれかの段階、例えば転写、後−転写修飾、翻訳、後−翻訳修飾及び分泌(但し、それらだけには制限されない)を包含する。
発現ベクター:本明細書においては、用語“発現ベクター”とは、本発明のポリペプチドとコードするポリヌクレオチドを含んで成り、そしてその発現を提供する追加のヌクレオチドに作用可能に連結される線状又は環状DNA分子を包含する。
宿主細胞:用語“宿主細胞”とは、本明細書において使用される場合、本発明のポリヌクレオチドを含んで成る核酸構造体による形質転換、トランスフェクション、トランスダクション及び同様のものに対して感受性であるいずれかの細胞型を包含する。
修飾:用語“修飾”とは本明細書において、配列番号2の成熟ポリペプチドから成るポリペプチドのいずれかの化学的修飾、及びそのようなポリペプチドをコードするDNAの遺伝子操作を意味する。前記修飾は、アミノ酸の置換、欠失及び/又は挿入、及びアミノ酸側鎖の置換であり得る。
人工変異体:本明細書において使用される場合、用語“人工変異体”とは、配列番号1の修飾されたヌクレオチド配列を発現する生物により生成されるリパーゼ活性を有するポリペプチドを意味する。修飾されたヌクレオチド配列は、配列番号1に開示されるヌクレオチド配列の修飾により、ヒト介在を通して得られる。
相対的性能(RP):用語“相対的性能”とは、特定の酵素変異体により洗浄された布サンプルの色の光度として測定される場合、参照酵素に比較しての酵素変異体の性能を言及する。
ベネフィット−リスク因子(Benefit-Risk fector)(BR):ベネフィット−リスク因子は、基質が除去される場合、臭気についての危険性に比較しての洗浄性能を記載する。
変異体の企画のための方法
本発明のリパーゼ変異体の記載においては、次の命名法が参照を容易にするために使用される:
元のアミノ酸:位置:置換されるアミノ酸
この命名法によれば、例えば位置195でグリシンによるグルタミン酸の置換は、G195Eとして示される。同じ位置でのグリシンの欠失は、G195*として示され、そして追加のアミノ酸残基、例えばリシンの挿入は、G195GKとして示される。
特定のリパーゼが、他のリパーゼに比較して、“欠失”を含み、そして挿入がそのような位置で製造される場合、これは、位置36でのアスパラギン酸の挿入のためには*26Dとして示される。
複数の突然変異は+により分けられ、すなわちR170Y+G195Eは、それぞれアルギニン及びグリシンによりチロシン及びグルタミン酸を、位置170及び195で置換する突然変異を表す。
X231は、記載される一列整列方法を適用する場合、位置231に対応する新ポリペプチドにおけるアミノ酸を示す。X231Rは、アミノ酸がRにより置換されることを示す。配列番号2に関しては、XはTであり、そして従って、X231Rは、Rによる位置231でのTの置換を示す。位置(例えば、231)でのアミノ酸がアミノ酸群、例えば“R及びP及びYから成る群から選択されたもう1つのアミノ酸により置換される場合、これはX231R/P/Yにより示されるであろう。
すべての場合、許容されるIUPAC一文字又は三文字アミノ酸略語が使用される。
発明の特定の記載
リパーゼ活性を有するポリペプチド:
本発明は、本明細書に与えられる試験条件下で、少なくとも0.8のRP及び少なくとも1.1のBRを有するリパーゼから成る群から選択されたリパーゼ活性を有する単離されたポリペプチドに関する。
好ましい態様においては、リパーゼは、少なくとも0.9、例えば1.0又は1.1のRPを有する。さらにより好ましい態様においては、リパーゼは少なくとも1.2、1.3又はさらに1.4のRPを有する。
もう1つの好ましい態様においては、リパーゼは、少なくとも1.2、例えば1.3又はさらに1.4のBRを有する。さらにより好ましい態様においては、リパーゼは少なくとも1.5、例えば1.6又はさらに1.7のBRを有する。
さらなる観点においては、本発明のリパーゼはさらに、本明細書に与えられる試験条件下で1以下、例えば0.95以下の相対的LU/A280を有する。好ましい態様においては、相対的LU/A280は、0.90以下、例えば0.85以下又はさらに0.80以下である。
さらなる観点においては、本発明は、配列番号2、又はその対立遺伝子変異体により包含されるか、又はそれを含んで成り、そして少なくとも1.1のBR及び少なくとも0.8のRPをさらに有するアミノ酸配列を有する単離されたポリペプチドに関する。もう1つの観点においては、本発明は、配列番号2の成熟部分、又はその対立遺伝子変異体により包含されるか、又はそれを含んで成り、そして少なくとも1.1のBR及び少なくとも0.8のRPをさらに有するアミノ酸配列を有する単離されたポリペプチドに関する。
さらなる観点においては、本発明は、配列番号2の成熟ポリペプチド(すなわち、成熟ポリペプチド)に対して、少なくとも80%、例えば少なくとも85%又は90%、又は少なくとも95%、好ましくは少なくとも97%、最も好ましくは少なくとも98%、及びさらに最も好ましくは少なくとも99%の程度の同一性を有するアミノ酸配列を含んで成る、リパーゼ活性を有する単離されたポリペプチド(この後、“相同ポリペプチド”)に関する。好ましい観点においては、相同ポリペプチドは、配列番号2の成熟ポリペプチドとは、10個のアミノ酸、9個のアミノ酸、8個のアミノ酸、7個のアミノ酸、6個のアミノ酸、好ましくは5個のアミノ酸、より好ましくは4個のアミノ酸、さらにより好ましくは3個のアミノ酸、最も好ましくは2個のアミノ酸、及びさらに最も好ましくは1個のアミノ酸で異なるアミノ酸配列を有する。
さらなる観点においては、本発明は、(i)配列番号1のヌクレオチド644−732、(ii)配列番号1のヌクレオチド644−732に含まれるcDNA配列、(iii)(i)及び(ii)の副配列、又は(iv)(i), (ii)又は(iii)の相補的鎖と、非常に低い緊縮条件、好ましくは低い緊縮条件、より好ましくは中位の緊縮条件、より好ましくは中くらいの高い緊縮条件、さらにより好ましくは高い緊縮条件、及び最も好ましくは非常に高い緊縮条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドによりコードされるリパーゼ活性を有する単離されたポリペプチドに関する(J. Sambrook, E.F. Fritsch, and T. Maniatus, 1989, Molecular Cloning, A Laboratory Manual, 2d edition, Cold Spring Harbor, New York)。配列番号1の副配列は、少なくとも100個の連続したヌクレオチド、又は好ましくは少なくとも200個の連続したヌクレオチドを含む。さらに、副配列は、リパーゼ活性を有するポリペプチドフラグメントをコードすることができる。
配列番号1又はその副配列、及び配列番号2のアミノ酸配列又はそのフラグメントは、当業界において良く知られている方法に従って、異なった属又は種の株からのリパーゼ活性を有するポリペプチドをコードするDNAを同定し、そしてクローン化するための核酸プローブを企画するために使用され得る。特に、そのようなプローブは、そこにおける対応する遺伝子を同定し、そして単離するために、標準のサザンブロット方法に従って、興味ある属又は種のゲノム又はcDNAとのハイブリダイゼーションのために使用され得る。そのようなプローブは、完全な配列よりも相当に短いが、しかし少なくとも14個、好ましくは少なくとも25個、より好ましくは少なくとも35個、及び最も好ましくは少なくとも70個の長さのヌクレオチドであるべきである。
しかしながら、好ましくは、核酸プローブは少なくとも100個の長さのヌクレオチドである。例えば、核酸プローブは、少なくとも200個、好ましくは少なくとも300個、より好ましくは少なくとも400個、又は最も好ましくは少なくとも500個の長さのヌクレオチドであり得る。さらに長いプローブ、例えば少なくとも600個、好ましくは少なくとも700個、又はより好ましくは少なくとも800個の長さのヌクレオチドである核酸プローブが使用され得る。DNA及びRNAの両プローブが使用され得る。プローブは典型的には、対応する遺伝子を検出するためにラベルされる(例えば、32P, 3H, 35S, ビオチン、又はアビジンにより)。そのようなプローブは、本発明により包含される。
従って、そのような他の生物から調製されたゲノムDNAライブラリーは、上記に記載されるプローブとハイブリダイズし、そしてリパーゼ活性を有するポリペプチドをコードするDNAについてスクリーンされ得る。そのような生物からのゲノム又は他のDNAは、アガロース又はポリアクリルアミドゲル電気泳動、又は他の分離技法により分離され得る。ライブラリーからのDNA又は分離されたDNAが、ニトロセルロース又は他の適切なキャリヤー材料に移行され、そしてその上に固定され得る。配列番号1と相同であるクローン又はDNA、又はその副配列を同定するためには、キャリヤー材料がサザンブロットに使用される。
本発明のためには、ハイブリダイゼーションは、ヌクレオチド配列が、非常に低い〜非常に高い緊縮条件下で、配列番号1で示されるヌクレオチド配列、その相補的鎖、又はその副配列に対応するラベルにされた核酸プローブにハイブリダイズすることを示す。核酸プローブがそれらの条件下でハイブリダイズする分子は、X−線フィルムを用いて検出される。
さらなる観点においては、本発明は、配列番号2又はその成熟ポリペプチドの1又は複数のアミノ酸の保存性置換、欠失及び/又は挿入を含んで成る、少なくとも1.1のBR及び少なくとも0.8のRPを有する人工変異体に関する。好ましくは、アミノ酸変化は、マイナーな性質のもの、すなわち保存性アミノ酸置換又は置換;1〜約30個のアミノ酸の小さな欠失;小さなアミノ−又はカルボキシル−末端、例えばアミノ末端メチオニン残基の延長;約20〜25個までの残基の小さなリンカーペプチド;又は実行電荷又は他の機能、例えばポリ−ヒスチジン路、抗原性エピトープ又は結合ドメインを変えることにより精製を促進する小さな延長のものであり;換言すれば、タンパク質の折りたたみ及び/又は活性に有意に影響を及ぼさない変化である。
保存性置換の例は、塩基性アミノ酸(アルギニン、リシン及びヒスチジン)、酸性アミノ酸(グルタミン酸及びアスパラギン酸)、極性アミノ酸(グルタミン及びアスパラギン)、疎水性アミノ酸(ロイシン、イソロイシン及びバリン)、芳香族アミノ酸(フェニルアラニン、トリプトファン及びチロシン)、及び小さなアミノ酸(グリシン、アラニン、セリン、トレオニン及びメチオニン)のグループ内である。一般的に、比活性を変更しないアミノ酸置換は当業界において知られており、そしてたとえば、H. Neurath and R.L. Hill, 1979, The Proteins, Academic Press, New York により記載されている。最も通常生じる交換は次のものである: Ala/Ser, Val/Ile, Asp/Glu, Thr/Ser, Ala/Gly, Ala/Thr, Ser/Asn, Ala/Val, Ser/Gly, Tyr/Phe, Ala/ Pro, Lys/Arg, Asp/Asn, Leu/Ile, Leu/Val, Ala/Glu及びAsp/Gly。
20の標準アミノ酸の他に、非標準のアミノ酸(例えば、4−ヒドロキシプロリン、6−N−メチルリシン、2−アミノイソ酪酸、イソバリン及びα−メチルセリン)は、野生型ポリペプチドのアミノ酸残基により置換され得る。限定された数の非保存性アミノ酸、すなわち遺伝子コードによりコードされないアミノ酸、及び不自然なアミノ酸は、アミノ酸残基により置換され得る。不自然なアミノ酸は、化学的に合成され得、そして好ましくは、市販されており、そしてピペコリン酸、チアゾリジンカルボン酸、デヒドロプロリン、3−及び4−メチルプロリン及び3,3−ジメチルプロリンを包含する。
他方では、アミノ酸変化は、ポリペプチドの生理化学的性質が変更されるような性質のものである。例えば、アミノ酸変化は、ポリペプチドの熱安定性を改良し、基質変異性を変更し、pH最適性を変え、そして同様のことをする。
親ポリペプチドにおける必須アミノ酸は、当業界において知られている方法、例えば特定部位の突然変異誘発、又はアラニン−走査突然変異誘発に従って同定され得る(Cunningham and Wells, Science 244: 1081-1085, 1989)。後者の技法においては、単一のアラニンの突然変異が分子におけるあらゆる残基に導入され、そして得られる変異体分子は、分子の活性に対して決定的であるアミノ酸残基を同定するために、生物学的活性(すなわち、リパーゼ活性)について試験される。また、Hilton など., J. Biol. Chem. 271: 4699-4708, 1996を参照のこと。
酵素又は他の生物学的相互作用の活性部位はまた、推定上の接触部位アミノ酸の突然変異に関して、核磁気共鳴、結晶学、電子回折、又は光親和性ラベリングのような技法により決定されるように、構造の物理的分析によっても決定され得る。例えば、de Vos など., Science 255: 306-312, 1992; Smith など., J. Mol. Biol. 224: 899-904, 1992; Wlodaver など., FEBS Lett. 309: 59-64, 1992を参照のこと。必須アミノ酸の本体はまた、本発明のポリペプチドに関連するポリペプチドとの同一性の分析からも推定され得る。
単一又は複数のアミノ酸置換は、突然変異誘発、組換え及び/又はシャフリング、続く適切なスクリーニング方法、例えばReidhaar-Olson and Sauer (Science 241: 53-57, 1988), Bowie and Sauer (Proc. Natl. Acad. Sci. USA 86: 2152-2156, 1989), WO95/17413号又はWO95/22625号により開示される既知の方法を用いて、生成され、そして試験され得る。使用され得る他の方法は、エラープロンPCR、ファージ表示(例えば、Lowman など., Biochem. 30: 10832-10837, 1991; Ladner など., アメリカ特許第5,223,409号;Huse, WIPO Publication WO92/06204号)及び特定領域の突然変異誘発(Derbyshire など., Gene 46: 145, 1986; Ner など., DNA 7: 127, 1988)を包含する。
突然変異誘発/シャフリング方法は、宿主細胞においてクローン化され、突然変異誘発されたポリペプチドの活性を検出するために、高い処理量の自動化されたスクリーニング方法と組み合わされ得る(Ness など., 1999, Nature Biotechnology 17: 893-896)。活性ポリペプチドをコードする突然変異誘発されたDNA分子は、宿主細胞から回収され、そして近代装置を用いて急速に配列決定され得る。それらの方法は、興味あるポリペプチドにおける重要な個々のアミノ酸残基の急速な決定を可能にし、そして未知の構造体のポリペプチドに適用され得る。
配列番号2のアミノ酸1〜291のアミノ酸置換、欠失及び/又は挿入の合計数は、10、好ましくは9、より好ましくは8、より好ましくは7、より好ましくは多くとも6、より好ましくは5、より好ましくは4、さらにより好ましくは3、最も好ましくは2、及びさらに最も好ましくは1である。
領域及び置換の同定
本出願により包含される置換は、このセクションに開示されるようにして同定され得る。
下記領域I〜領域IVにおいて言及される位置は、配列番号2におけるアミノ酸残基の位置である。異なったリパーゼにおけるその対応する(又は相同の)位置を見出すためには、“相同性及び一列整列”に記載される方法が使用される。
領域Iにおける置換
領域Iは、N末端残基E1を取り囲むアミノ酸残基から成る。この領域においては、複数の陽性アミノ酸により親リパーゼのアミノ酸を置換することが好ましい。
次の位置に対応するアミノ酸残基が領域Iにより包含される:2〜11及び223〜239。次の位置が特に興味ある対象である: 4、8、11、223、227、229、231、233、234、236。
特に、次の置換が同定されている: X4V,X231R及びX233R。
好ましい態様においては、変異体リパーゼは、配列番号2に対して少なくとも80%、例えば85%又は90%、例えば少なくとも95%又は98又は99%の同一性を有する。
領域IIにおける置換
領域IIは、アシル鎖の片側及びアルコール部分の片側上で基質と接触してのアミノ酸残基から成る。この領域においては、より陽性アミノ酸又は低い疎水性のアミノ酸により親リパーゼのアミノ酸を置換することが好ましい。
次の位置に対応するアミノ酸残基が領域IIにより包含される:202〜211及び249〜269。次の位置が特に興味ある対象である:202、210、211、253、264、255、256。
特に、次の置換が同定されている:X202G、X210K/W/A、X255Y/V 及びX256K/R。
好ましい態様においては、変異体リパーゼは、配列番号2に対して少なくとも80%、例えば85又は90%、例えば少なくとも95%又は98%又は99%の同一性を有する。
領域III における置換
領域III は、柔軟な構造体を形成し、そして従って活性部位中への基質の入手を可能にするアミノ酸残基から成る。この領域においては、より陽性アミノ酸又は低い疎水性のアミノ酸により親リパーゼのアミノ酸を置換することが好ましい。
次の位置に対応するアミノ酸残基が領域III により包含される:82〜102。次の位置が特に興味ある対象である: 86、87、9O、91、95、96、99。
特に、次の置換が同定されている: X86V 及び X90A/R。
好ましい態様においては、変異体リパーゼは、配列番号2に対して少なくとも80%、例えば85又は90%、例えば少なくとも95%又は98%又は99%の同一性を有する。
領域IVにおける置換
領域IVは、表面に静電気的に結合するアミノ酸残基から成る。この領域においては、より陽性アミノ酸により親リパーゼのアミノ酸を置換することが好ましい。
次の位置に対応するアミノ酸残基が領域IVにより包含される:27及び54〜62。次の位置が特に興味ある対象である:27、56、57、58、60。
特に、次の置換が同定されている:X27R、X58N/AG/T/P 及び X60V/S/G/N/R/K/A/L。
好ましい態様においては、変異体リパーゼは、配列番号2に対して少なくとも80%、例えば85又は90%、例えば少なくとも95%又は98%又は99%の同一性を有する。
他の位置でのアミノ酸
親リパーゼは任意には、他のアミノ酸の置換、特に10以下又は5以下の置換を包含する。例は、親リパーゼの位置24,46, 74, 81, 83, 127, 131, 137, 147, 150, 203, 206, 211, 263,264, 265, 267及び269の1又は複数の位置に対する置換である。特定の態様においては、位置81, 147, 150, 227及び249に対応する位置の少なくとも1つにおいて置換が存在する。好ましい態様においては、少なくとも1つの置換が、X81Q/E、X147M/Y、X150G、X227G 及びX249R/I/Lから成る群から選択される。
さらなる置換は例えば、当業界において知られている原理、例えばWO 92/05249号、WO 94/25577号、WO 95/22615号、WO 97/04079号、及びWO 97/07202号に記載される置換に従って製造され得る。
相同性及び一列整列
本発明に関しては、相同性の程度は、当業界において知られているコンピュータープログラム、例えばGCGプログラムパケージ(Program Manual for the Wisconsin Package, Version 8, August 1994, Genetics Computer Group, 575 Science Drive, Madison, Wisconsin, USA 53711) (Needieman, S.B. and Wunsch. CD,, (1970), Journal of Molecular Bioiogy: 4S1443-45)に供給されるGAPにより、ポリペプチド配列比較について次の設定を有するGAPを用いて、適切に決定され得る:3.0のGAP創造ペナルティー及び0.1のGAP延長ペナルティー。
本発明においては、アブシジア・レフレキサ(Absidia reflexa)、アブシジア・コリムベフェラ(Absidia corymbefera)、リズムコル・ミエヘイ(Rhizmucor miehei)、リゾパス・デフェマル(Rhizopus deiemar)、アスペルギラス・ニガー(Aspergillus niger)、アスペルギラス・ツビゲンシス(Aspergillus tubigensis)、フサリウム・オキシスポラム(Fusarium oxysporum)、フサリウム・ヘテロポラム(Fusanum heterosporum)、アスペルギラス・オリザエ(Aspergillus oryzea)、ペニシリウム・カメムベルチ(Penicilliumum camemberill)、アスペルギラス・フォエチダス(Aspergillus foetidus)、サーモミセス・ラヌギサス(類似語:ヒューミコラ・ラヌギノサス)及びランデリナ・ペニサポラ(Landerina penisapora)のリパーゼ配列における対応する(又は相同の)位置が、図1に示される一列整列により定義されている。
一列整列に示されないリパーゼ配列における相同位置を見出すためには、興味ある配列が図1に示される配列と共に一列整列される。新規配列は、GAPプログラムにより見出されるほとんどの相同配列に対するGAP一列整列を用いることにより、図1における本発明の一列整列に一列整列される。GAPは、GCGプログラムパッケージ(Program Manual for the Wisconsin Package, Version B1 August 1994, Genetics Computer 0 Group: 575 Science Drive, Madison, Wisconsin, USA 53711) (Needieman, S.B. and Wunsch, CD,, (1970), Journal of Moiecuiar Biology, 48, 443-45)に供給される。次の設定がポリペプチド配列比較のために使用される:3.0のGAP創造ペナルティー及び0.1のGAP延長ペナルティー。
いずれかの適切な親リパーゼが使用され得る。好ましい態様においては、親リパーゼは、T. ラヌギノサスリパーゼ(配列番号2)と、少なくとも50%、特に少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも75%、少なくとも85%、少なくとも90%、95%、96%、97%以上、又は98%又は99%以上の相同性を有する。特定の態様においては、親リパーゼは、T.ラヌギノサスリパーゼ(配列番号2)に対して同一である。
リパーゼ活性を有するポリペプチド源
本発明のポリペプチドは、いずれかの属の微生物から得られる。本発明のためには、用語“〜から得られる”とは、所定の源に関して本明細書において使用される場合、ヌクレオチド配列によりコードされるポリペプチドが前記源により、又はその源からのヌクレオチド配列が挿入されている細胞により生成されることを意味する。好ましい態様においては、所定の源から得られるポリペプチドは細胞外に分泌される。
本発明のポリペプチドは、細菌性ポリペプチドであり得る。例えば、ポリペプチドは、グラム陽性細菌ポリペプチド、例えばバチルス(bacillus)ポリペプチド、例えばバチルス・アルカロフィラス(Bacillus alkalophilus)、バチルス・アミロリケファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)、バチルス・ブレビス(Bacillus brevis)、バチルス・サーキュランス(Bacillus circulans)、バチルス・コアギュランス(Bacillus coagulans)、バチルス・ラウタス(Bacillus lautus)、バチルス・レンタス(Bacillus lentus)、バチルス・リケニホルミス(Bacillus licheniformis)、バチルス・メガテリウス(Bacillus megaterium)、バチルス・ステアロサーモフィラス(Bacillus stearothermophilus)、バチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)又はバチルス・スリンジエンシス(Bacillus thuringiensis)ポリペプチド;又はストレプトミセス(Streptomyces)ポリペプチド、例えばストレプトミセス・リビダンス(Streptomyces lividans)又はストレプトミセス・ムリナス(Streptomyces murinus)ポリペプチド;又はグラム陰性細菌ポリペプチド、例えばE.コリ(E. coli)又はプソイドモナスsp. (Pseudomonas sp.) ポリペプチドであり得る。
本発明のポリペプチドは、菌類ポリペプチド、及びより好ましくは、酵母ポリペプチド、例えばカンジダ(Candida)、クルイベロミセス(Kluyveromyces)、ピチア(Pichia)、サッカロミセス(Saccharomyces)、シゾサッカロミセス(Schizos accharomyces)、又はヤロウイア(Yarrowia)ポリペプチド;又はより好ましくは、糸状菌ポリペプチド、例えばアクレモニウム(Acremonium)、アスペルギラス(Aspergillus)、アウレオバシジウム(Aureobasidium)、クリプトコーカス(Cryptococcus)、フィリバシジウム(Filibasidium)、フサリウム(Fusarium)、ヒューミコラ(Humicola)、マグナポリス(Magnaporthe)、ムコル(Mucor)、ミセリオプソラ(Myceliophthora)、ネオカノマスチックス(Neocallimastix)、ネウロスポラ(Neurospora)、パエシロミセス(Paecilomyces)、ペニシリウム(Penicillium)、ピロミセス(Piromyces)、シゾフィラム(Schizophyllum)、タラロミセス(Talaromyces)、サーモアスカス(Thermoascus)、チエラビア(Thielavia)、トリポクラジウム(Tolypocladium)又はトリコダーマ(Trichoderma)ポリペプチドであり得る。
好ましい観点においては、ポリペプチドは、リパーゼ活性を有する、サッカロミセス・カルスベルゲンシス(Saccharomyces carlsbergensis)、サッカロミセス・セレビシアエ(Saccharomyces cerevisiae)、サッカロミセス・ジアスタチカス(Saccharomyces diastaticus)、サッカロミセス・ドウグラシ(Saccharomyces douglasii)、サッカロミセス・クルイベリ(Saccharomyces kluyveri)、サッカロミセス・ノルベンシス(Saccharomyces norbensis)又はサッカロミセス・オビホルミス(Saccharomyces oviformis)ポリペプチドである。
好ましい観点においては、ポリペプチドは、アスペルギラス・アキュレアタス(Aspergillus aculeatus)、アスペルギラス・アワモリ(Aspergillus awamori)、アスペルギラス・フミガタス(Aspergillus fumigatus)、アスペルギラス・ホエチダス(Aspergillus foetidus)、アスペルギラス・ジャポニカス(Aspergillus japonicus)、アスペルギラス・ニジュランス(Aspergillus nidulans)、アスペルギラス・ニガー(Aspergillus niger)、アスペルギラス・オリザエ(Aspergillus oryzae)、アスペルギラス・フルビゲンシス(Aspergillus furbigensis)、フサリウム・バクトリジオイデス(Fusarium bactridioides)、フサリウム・セレアリス(Fusarium cerealis)、フサリウム・クロックウェレンズ(Fusarium crookwellense)、フサリウム・クルモラム(Fusarium culmorum)、フサリウム・グラミネアラム(Fusarium graminearium)、フサリウム・グラミナム(Fusarium graminum)、フサリウム・ヘテロスポラム(Fusarium heterosporum)、フサリウム・ネグンジ(Fusarium negundi)、フサリウム・オキシスポラム(Fusarium oxysporum)、フサリウム・レチキュラタム(Fusarium reticulatum)、フサリウム・ロゼウム(Fusariumu roseum)、フサリウム・サムブシウム(Fusarium sambucinum)、フサリウム・サルコクロウム(Fusarium sarcochroum)、フサリウム・スポロトリキオイデス(Fusarium sporotrichioides)、フサリウム・スルフレウム(Fusarium sulphureum)、フサリウム・トルロサム(Fusarium torulosaum)、
フサリウム・トリコセシオイデス(Fusarium trichothecioides)、フサリウム・ベネナタム(Fusarium venenatum)、ヒュミコラ・インソレンス(Humicola insolens)、サーモミセス・ラヌギノサス(Thermomyces lanuginosus)(別名ヒューミコラ・ラヌギノサ(Humicola lanuginosa))、ムコル・ミエヘイ(Mucor miehei)、ミセリオプラソ・サーモフィラ(Myceliophthora thermophila)、ネウロスポラ・クラサ(Neurospora crassa)、ペニシリウム・プルプロゲナム(Penicillium purpurogenum)、トリコダーマ・ハルジアナル(Trichoderma harzianum)、トリコダーマ・コニンギ(Trichoderma koningii)、トリコダーマ・ロンジブラキアタム(Trichoderma longibrachiatum)、トリコダーマ・レセイ(Trichoderma reesei)、又はトリコダーマ・ビリデ(Trichoderma viride)ポリペプチドである。
もう1つの好ましい観点においては、ポリペプチドは、サーモミセス・ラヌギノサスポリペプチドである。
より好ましい観点においては、ポリペプチドは、サーモミセス・ラヌギノサスポリペプチド、例えば本出願に開示されるような突然変異を有する配列番号2のポリペプチドである。
前述の種に関しては、本発明は完全及び不完全状態の両者、及び他の分類学的同等物、例えばアナモルフを、それらが知られている種の名称にかかわらず、包含することが理解されるであろう。当業者は適切な同等物の正体を容易に理解するであろう。
それらの種の株は、次の多くの培養物寄託所から容易に入手できる:American Type Culture Collection (ATCC), Deutsche Sammlung von Mikroorganismen und Zellkulturen GmbH (DSM), Centraalbureau Voor Schimmelcaltures (CBS), 及びAgricultural Research Service Patent Culture Collection, Northern Regional Research Center (NRRL)。
さらに、そのようなポリペプチドは、他の源、例えば天然源(例えば、土壌、培養土、水、等)から単離された微生物から、上記プローブを用いて同定され、そして得られる。天然の生息地から微生物を単離する技法は当業界において良く知られている。次に、ポリヌクレオチドは、そのような微生物のゲノム又はcDNAライブラリーを同様にスクリーニングすることにより得られる。ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列がプローブにより検出されると、ポリヌクレオチドは当業者に知られている技法を用いることによって同定され、又はクローン化され得る(例えば、J. Sambrook,など, 1989,前記を参照のこと)。
本発明のポリペプチドはまた、もう1つのポリペプチドがそのポリペプチド又はそのフラグメントのN−末端又はC−末端で融合されている、融合されたポリペプチド又は分解できる融合ポリペプチドを包含する。融合されたポリペプチドは、もう1つのポリペプチドをコードするヌクレオチド配列(又はその一部)を、本発明のヌクレオチド配列(又はその一部)に融合することによって生成される。融合ポリペプチドを生成するための技法は、当業界において知られており、ポリペプチドをコードするコード配列の連結を包含し、その結果、それらは読み取り枠を整合して存在し、そして融合されたポリペプチドの発現は、同じプロモーター及びターミネーターの制御下にある。
ポリヌクレオチド
本発明はまた、本発明のポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を有する単離されたポリヌクレオチドにも関する。本発明はまた、遺伝子コードの縮重により、コードポリヌクレオチドとは異なる、配列番号2のアミノ酸配列の変異体であるポリペプチド、又はその成熟ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列も包含する。本発明はまた、リパーゼ活性を有し、そして少なくとも1.1のBR及び少なくとも0.8のRPを有する配列番号2のフラグメントをコードする配列番号1の副配列にも関する。
ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを単離し、又はクローン化するために使用される技法は、当業界において知られており、そしてゲノムDNAからの単離、cDNAからの調製、又はそれらの組み合わせを包含する。そのようなゲノムDNAからの本発明のポリヌクレオチドのクローニングは、例えば良く知られているポリメラーゼ鎖反応(PCR)、又は共有する構造特徴を有するクローン化されたDNAフラグメントを検出するために発現ライブラリーの抗体スクリーニングを用いることによってもたらされ得る。例えば、Innisなど., 1990, PCR: A Guide to Methods and Application; Academic Press, New York を参照のこと。他の核酸増幅方法、例えばリガーゼ鎖反応(LCR)、連結された活性化転写(LAT)及び核酸配列に基づく増幅(NASBA)が使用され得る。ポリヌクレオチドは、サーモミセス、又は他の又は関連する生物からクローン化され得、そして従って、ヌクレオチド配列のポリペプチドコード領域の対立遺伝子又は種変異体であり得る。
本発明はまた、配列番号1の成熟ポリペプチドコード配列に対して、少なくとも60%、好ましくは少なくとも65%、より好ましくは少なくとも70%、より好ましくは少なくとも75%、より好ましくは少なくも80%、より好ましくは少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、さらにより好ましくは95%、及び最も好ましくは少なくとも97%の程度の同一性を有する、リパーゼ活性及び少なくとも1.1のBR及び少なくとも0.8のRPを有する活性ポリペプチドをコードするヌクレオチドにも関する。
本発明のポリペプチドをコードするヌクレオチド配列の修飾は、そのポリペプチドに実質的に類似するポリペプチドの合成のために必要である。用語、ポリペプチドに“実質的に類似する”とは、ポリペプチドの天然に存在しない形を言及する。それらのポリペプチドは、その天然源から単離されたポリペプチドとは、いくつかの構築された態様で異なり、例えば非活性、熱安定性、pH最適性又は同様のものにおいて異なる変異体であり得る。変異体配列は、配列番号1のポリペプチドコード部分として提供されるヌクレオチド配列、例えばその副配列に基づいて、及び/又はヌクレオチド配列によりコードされるポリペプチドのもう1つのアミノ酸配列を生ぜしめないが、しかし酵素の生成のために意図された宿主生物のコドン使用法に対応するヌクレオチド置換の導入により、又は異なったアミノ酸配列を生ぜしめることができるヌクレオチド置換の導入により構成され得る。ヌクレオチド置換の一般的記載のためには、Fordなど., 1991, Protein Expression and Purification 2:95-107を参照のこと。
そのような置換は、分子の機能に対して決定的である領域外で行われ、そしてさらに活性ポリペプチドをもたらすことは、当業者に明らかであろう。本発明の単離されたポリヌクレオチドによりコードされるポリペプチドの活性に必須であり、そして従って、好ましくは置換を受けやすくないアミノ酸残基は、当業界において知られている方法、例えば特定部位の突然変異誘発又はアラニン−走査突然変異誘発に従って同定され得る(例えば、Cunningham and Wells, 1989, Science 244: 1081-1085を参照のこと)。後者の技法においては、突然変異は分子における正に荷電された残基ごとに導入され、そしてその得られる変異体分子は、分子の活性に対して決定的であるアミノ酸残基を同定するためにリパーゼ活性について試験される。基質−酵素相互作用の部位はまた、核磁気共鳴分析、クリスタログラフィー又は光親和性ラベリングのような技法により決定されるように、立体構造体の分析により決定され得る(例えば、de Vos など., 1992, 前記; Smith など., 1992,前記; Wlodaver など., 1992, 前記を参照のこと)。
本発明はまた、(i)配列番号1のヌクレオチド、(ii)配列番号1に含まれるcDNA配列、又は(iii)(i)又は(ii)の相補的鎖;又はその対立遺伝子変異体及び副配列に対しいて、非常に低い緊縮条件、好ましくは低い緊縮条件、より好ましくは中位の緊縮条件、より好ましくは中くらいの高い緊縮条件、さらにより好ましくは高い緊縮条件、及び最も好ましくは非常に高い緊縮条件下でハイブリダイズする(Sambrookなど., 1989、前記)、本発明のポリペプチドをコードする単離されたポリヌクレオチドにも関する。
本発明はまた、(a)(i)配列番号1のヌクレオチド、(ii)配列番号1に含まれるcDNA配列、又は(iii)(i)又は(ii)の相補的鎖と、非常に低い、低い、中位、中くらいの高い、高い、又は非常に高い緊縮条件条件下でDNA集団とをハイブリダイズし;そして(b)リパーゼ活性を有するポリペプチドをコードする前記ハイブリダイズするポリヌクレオチドを単離することにより得られる、単離されたポリヌクレオチドにも関する。
核酸構造体
本発明はまた、制御配列と適合できる条件下で、適切な宿主細胞におけるコード配列の発現を指図する1又は複数の制御配列に作用可能に連結される本発明の単離されたポリヌクレオチドを含んで成る核酸構造体にも関する。
本発明のポリペプチドをコードする単離されたポリヌクレオチドは、ポリペプチドの発現を提供するために種々の手段で操作され得る。ベクター中へのその挿入の前、ポリヌクレオチド配列の操作は、発現ベクターに依存して、所望されるか又は必要とされる。組換えDNA方法を用いてポリヌクレオチド配列を修飾するための技法は、当業界において良く知られている。
制御配列は、適切なプロモーター配列、すなわち本発明のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドの発現のために宿主細胞により認識されるヌクレオチド配列であり得る。プロモーター配列は、ポリペプチドの発現を仲介する転写制御配列を含む。プロモーターは、宿主細胞において転写活性を示すいずれかのヌクレオチド配列、例えば変異体の、切断された、及びハイブリッドのプロモーターであり得、そして宿主細胞に対して相同であるか又は異種である細胞外又は細胞内ポリペプチドをコードする遺伝子から得られる。
特に細胞宿主細胞において本発明の核酸構造体の転写を方向づけるための適切なプロモーターの例は、E.コリlacオペロン、ストレプトミセス・コエリカラー(Streptomyces coelicolor)アガラーゼ遺伝子(dagA)、バチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)Lバンスクラーゼ遺伝子(sacB)、バチルス・リケニホルミス(Bacillus licheniformis)α−アミラーゼ遺伝子(amyL)、Bチルス・ステアロサーモフィラス(Bacillus stearothermophilus)マルトゲン性アミラーゼ遺伝子(amyM)、バチルス・アミロリケファシエンス(Bacillus amyloliguefaciens) α−アミラーゼ遺伝子(amyQ)、バチルス・リケニホルミスペニシリナーゼ遺伝子(penP)、バチルス・サブチリスxylA及びzylB遺伝子及び原生動物のβ−ラクタマーゼ遺伝子から得られるプロモーター(Villa−Kamaroffなど., 1978, Proceedings of the National Academy of Sciences USA 75: 3727-3731)、及びtac プロモーター(De Boer など., 1983, Proceedings of the National Academy of Science USA 80: 21-25)である。さらなるプロモーターは、“Useful proteins from recombinant bacteria” in Scientific American, 1980, 242: 74-94; 及びSambrookなど., 1989, 前記に記載される。
糸状菌宿主細胞における本発明の核酸構造体の転写を方向づけるための適切なプロモーターの例は、アスペルギラス・オリザエTAKAアミラーゼ、リゾムコル・ミエヘイ アスパラギン酸プロテイナーゼ、アスペルギラス・ニガー中性α−アミラーゼ、アスペルギラス・ニガー酸安定性α−アミラーゼ、アスペルギラス・ニガー又はアスペルギラス・アワモリグルコアミラーゼ(glaA)、リゾムコル・ミエヘイリパーゼ、アスペルギラス・オリザエ アルカリプロテアーゼ、アスペルギラス・オリザエトリオースリン酸イソメラーゼ、アスペルギラス・ニジュランスアセトアミダーゼ、フサリウム・ベネナタムアミログルコシダーゼ(WO00/56900号)、フサリウム・ベネナタムDaria(WO00/56900号)、フサリウム・ベネナタムQuinm(WO00/56900号)、フサリウム・オキシスポラムトリプシン様プロテアーゼ(WO96/00787号)、トリコダーマ・レセイβ−グルコシダーゼ、トリコダーマ・レセイセロビオヒドロラーゼI、トリコダーマ・レセイエンドグルカナーゼI、トリコダーマ・レセイエンドグルカナーゼII、トリコダーマ・レセイエンドグルカナーゼIII 、トリコダーマ・レセイエンドグルカナーゼIV、トリコダーマ・レセイエンドグルカナーゼV、トリコダーマ・レセイキシラナーゼI、トリコダーマ・レセイキシラナーゼII、トリコダーマ・レセイβ−キシロシダーゼ、並びにNA2-tpiプロモーター(アスペルギラス・ニガー中性α−アミラーゼ及びアスペルギラス・オリザエトリオースリン酸イソメラーゼをコードする遺伝子からのプロモーターのハイブリッ)ド、及びそれらの変異体の切断され、及びハイブリッドのプロモーターである。
酵母宿主においては、有用なプロモーターは、サッカロミセス・セレビシアエ(Saccharomyces cerevisiae)エノラーゼ(ENO−1)、サッカロミセス・セレビシアエガラクトキナーゼ(GAL1)、サッカロミセス・セレビシアエアルコールデヒドロゲナーゼ/グリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼ(ADH1、ADH2/GAP)、サッカロミセス・セレビシアエトリオースホスフェートイソメラーゼ(TPI)、サッカロミセス・セレビシアエ金属チオニン(CUP1)、サッカロミセス・セレビシアエ3−ホスホグリセレートキナーゼ及びピチア・パストリスアルコールオキシダーゼ(AOX1)から得られる。酵母宿主細胞のための他の有用なプロモーターは、Romunosなど., 1992, Yeast8:423−488により記載される。
制御配列はまた、適切な転写ターミネーター配列、すなわち転写を終結するために宿主細胞により認識される配列でもあり得る。ターミネーター配列は、ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列の3’側末端に作用可能に連結される。選択の宿主細胞において機能的であるいずれかのターミネーターが本発明において使用され得る。
糸状菌宿主細胞のための好ましいターミネーターは、アスペルギラス・オリザエTAKAアミラーゼ、アスペルギラス・ニガーグルコアミラーゼ、アスペルギラス・ニジュランスアントラニル酸シンターゼ、アスペルギラス・ニガーα−グルコシダーゼ及びフサリウム・オキシスポラムトリプシン−様プロテアーゼについての遺伝子から得られる。
酵母宿主細胞のための好ましいターミネーターは、サッカロミセス・セレビシアエエノラーゼ、サッカロミセス・セレビシアエチトクロムC(CYC1)、及びサッカロミセス・セレビシアエグリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼについての遺伝子から得られる。酵母宿主細胞のための他の有用なターミネーターは、Romanosなど., 1992, 前記により記載される。
制御配列はまた、適切なリーダー配列、すなわち宿主細胞による翻訳のために重要であるmRNAの非翻訳領域でもあり得る。リーダー配列は、ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列の5’末端に作用可能に連結される。選択の宿主細胞において機能的であるいずれかのリーダー配列が、本発明において使用され得る。
糸状菌宿主細胞のための好ましいリーダーは、アスペルギラス・オリザエTAKAアミラーゼ、アスペルギラス・ニジュランストリオースリン酸イソメラーゼについての遺伝子から得られる。
酵母宿主細胞のための適切なリーダーは、サッカロミセス・セレビシアエエノラーゼ(ENO−1)、サッカロミセル・セレビシアエ3−ホスホグリセレートキナーゼ、サッカロミセス・セレビシアエα−因子及びサッカロミセス・セレビシアエアルコールデヒドロゲナーゼ/グリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼ(ADH2/GAP)についての遺伝子から得られる。
制御配列はまた、ポリアデニル化配列、すなわちヌクレオチド配列の3’末端に操作可能に連結され、そして転写される場合、転写されたmRNAにポリアデノシン残基を付加するためにシグナルとして宿主細胞により認識される配列でもあり得る。選択の宿主細胞において機能的であるいずれかのポリアデニル化配列が,本発明において使用される。
糸状菌宿主細胞のための好ましいポリアデニル化配列は、アスペルギラス・オリザエTAKAアミラーゼ、アスペルギラス・ニガーグルコアミラーゼ、アスペルギキラス・ニジュランスアントラニル酸シンターゼ、フサリウム・オキシスポラムトリプシン−様プロテアーゼ及びアスペルギラス・ニガーα−グルコシダーゼについての遺伝子から得られる。
酵母宿主細胞のための有用なポリアデニル化配列は、Guo and Sherman, 1995, Molecular Cellular Biology 15: 5983-5990により記載されている。
制御配列はまた、ポリペプチドのアミノ末端に連結されるアミノ酸配列をコードし、そしてそのコードされたポリペプチドを細胞の分泌路中に方向づけるシグナルペプチドコード領域でもあり得る。核酸配列のコード配列の5’側末端は、本来、分泌されたポロペプチドをコードするコード領域のセグメントと翻訳読み取り枠を整合して、天然において連結されるシグナルペプチドコード領域を含むことができる。他方では、コード配列の5’側末端は、そのコード配列に対して外来性であるシグナルペプチドコード領域を含むことができる。そのコード配列が天然において、シグナルペプチドコード領域を含まない外来性シグナルペプチドコード領域が必要とされる。他方では、外来性シグナルペプチドコード領域は、ポリペプチドの増強された分泌を得るために、天然のシグナルペプチドコード領域を単純に置換することができる。しかしながら、分泌路中に発現されたポリペプチドを方向づけるいずれかのシグナルペプチドコード領域が、本発明に使用され得る。
細菌宿主細胞のための効果的なシグナルペプチドコード領域は、バチルスNCIB11837マルトゲン性アミラーゼ、バチルス・ステアロサーモフィラスα−アミラーゼ、バチルス・リケニホルミススブチリシン、バチルス・リケニホルミスβ−ラクタマーゼ、バチルス・アステロサーモフィラス中性プロテアーゼ(nprT, nprS, nprM)、及びバチルス・スブチリスprsAについての遺伝子から得られるシグナルペプチド領域である。追加のシグナルペプチドは、Sinomen and Palva, 1993, Microbiological Reviews 57: 109-137 により記載される。
糸状菌宿主細胞のための効果的なシグナルペプチドコード領域は、アスペルギラス・オリザエTAKAアミラーゼ、アスペルギラス・ニガー中性アミラーゼ、アスペルギラス・ニガーグルコアミラーゼ、リゾムコル・ミエヘイアスペラギン酸プロテイナーゼ、ヒューミコラ・インソレンスセルラーゼ、ヒューミコラ・インソレンスエンドグカナーゼV及びヒューミコラ・ラヌギノサリパーゼについての遺伝子から得られたシグナルペプチドコート領域である。
酵母宿主細胞のための有用なシグナルペプチドは、サッカロミセス・セレビシアエα−因子及びサッカロミセル・セレビシアエインバーターゼについての遺伝子から得られる。他の有用なシグナルペプチドコード領域は、Romanos など., 1992, 前記により記載される。
制御配列はまた、ポリペプチドのアミノ末端で位置するアミノ酸配列をコードするプロペプチドコード領域であり得る。得られるポリペプチドは、プロ酵素又はプロポリペプチド(又は多くの場合、チモーゲン)として知られている。プロポリペプチドは一般的に不活性であり、そしてプロポリペプチドからプロペプチドの触媒又は自己触媒分解により成熟した活性ポリペプチドに転換され得る。プロペプチドコード領域は、バチルス・サブチリスアルカリプロテアーゼ(aprE)、バチルス・サブチリス中性プロテアーゼ(nprT)、サッカロミセス・セレビシアエα−因子、リゾムコル・ミエヘイ アスパラギン酸プロテイナーゼ遺伝子、及びミセリオプソラ・サーモフィリア ラッカーゼについての遺伝子から得られる(WO95/33836号)。
シグナルペプチド及びプロペプチド領域の両者がポリペプチドのアミノ末端に存在する場合、そのプロペプチド領域は、ポリペプチドのアミノ末端の次に位置し、そしてシグナルペプチド領域は、プロペプチド領域のアミノ末端の次に位置する。
宿主細胞の増殖に関して、ポリペプチドの発現の調節を可能にする調節配列を付加することがまた所望される。調節システムの例は、調節化合物の存在を包含する、化学的又は物理的刺激に応答して、遺伝子の発現の開始又は停止を引き起こすそれらのシステムである。原核生物系における調節システムは、lac, tac及びtrpオペレーターシステムお包含する。酵母においては、ADH2システム又はGAL1システムが使用され得る。糸状菌においては、TAKAα−アミラーゼプロモーター、アスペルギラス・ニガーグルコアミラーゼプロモーター及びアスペルギラス・オリザエグルコアミラーゼプロモーターが、調節配列として使用さえ得る。調節配列の他の列は、遺伝子増幅を可能にするそれらの配列である。真核システムにおいては、それらはメトトレキセートの存在下で増幅されるジヒドロ葉酸レダクターゼ遺伝子、及び重金属と共に増幅されるメタロチオネイン遺伝子を包含する。それらの場合、ポリペプチドをコードする核酸配列が、調節配列により作用可能に連結される。
発現ベクター
本発明はまた、本発明のポリヌクレオチド、プロモーター、及び転写及び翻訳停止シグナルを含んで成る組換え発現ベクターにも関する。上記の種々の核酸及び制御配列は、1又は複数の便利な制限部位でポリペプチドをコードするヌクレオチド配列の挿入又は置換を可能にするためにそれらの部位を含むことができる組換え発現ベクターを生成するために一緒に連結され得る。他方では、本発明のヌクレオチド配列は、前記ヌクレオチド配列又は前記配列を含んで成る核酸構造体を、発現のための適切なベクター中に挿入することによって発現され得る。発現ベクターを創造する場合、そのコード配列はベクターに位置し、その結果、コード配列は発現のための適切な制御配列により作用可能に連結される。
組換え発現ベクターは、組換えDNA方法に便利にゆだねられ得、そしてヌクレオチド配列の発現をもたらすことができるいずれかのベクター(例えば、プラスミド又はウィルス)であり得る。ベクターの選択は典型的には、ベクターが導入される予定である宿主細胞とベクターとの適合性に依存するであろう。ベクターは、線状又は閉環された環状プラスミドであり得る。
ベクターは自律的に複製するベクター、すなわち染色体存在物として存在するベクター(その複製は染色体複製には無関係である)、例えばプラスミド、染色体外要素、ミニクロモソーム又は人工染色体であり得る。ベクターは自己複製を確かめるためのいずれかの手段を含むことができる。他方では、ベクターは、糸状菌細胞中に導入される場合、ゲノム中に組み込まれ、そしてそれが組み込まれている染色体と一緒に複製されるベクターであり得る。さらに、宿主細胞のゲノム中に導入される全DNA又はトランスポゾンを一緒に含む、単一のベクター又はプラスミド、又は複数のベクター又はプラスミドが使用され得る。
本発明のベクターは好ましくは、形質転換された細胞の容易な選択を可能にする1又は複数の選択マーカーを含む。選択マーカーは、1つの遺伝子であり、その生成物は、殺生物剤又はウィルス耐性、重金属に対する耐性、栄養要求性に対する原栄養要求性、及び同様のものを提供する。
条件付きで必須の遺伝子は、非抗生物質選択マーカーとして機能することができる。条件付きで必須の細菌性選択マーカーの非制限的例は、細菌がD−アラニンの不在下で培養される場合、唯一必須である、バチル・スブチリス、バチルス・リケニホルミス又は他のバチルスからのdal遺伝子である。また、UDP−ガラクトースのターンオーバーに関与する酵素をコードする遺伝子は、細胞がガラクトースの存在下で増殖されるか、ガラクトースの存在下で生じる場合、細胞において条件付きで必須のマーカーとして機能することができる。
そのような遺伝子の非制限的な例は、UTP−依存性ホスホリラーゼ(EC2. 7. 7. 10)、UDP−グルコース−依存性ウリジルイルトランスフェラーゼ(EC2. 7. 7. 12)又はUDP−ガラクトースエピメラーゼ(EC5. 1. 3. 2)をコードするB. スブチリス又はB.リケニホルミスからのそれらの遺伝子である。また、バチルスのキシロースイソメラーゼ遺伝子、例えばxylAが、単一の炭素源としてキシロースを含む最少培地において増殖される細胞において選択マーカーとして使用され得る。グルコネートを利用するために必須な遺伝子、すなわちgntK及びgntPがまた、単一の炭素源としてグルコネートを含む最少培地において増殖される細胞において選択マーカーとして使用され得る。
条件付きで必須の遺伝子の他の例は、当業界において知られている。抗生物質選択マーカーは、アンピシリン、カナマイシン、クロラムフェニコール、エリトロマイシン、テトラサイクリン、ネオマイシン、ヒグロマイシン又はメトトレキセートのような抗生物質に対する抗生物質耐性を付与する。
酵母宿主細胞のための適切なマーカーは、ADE2、HIS3、LEU2、LYS2、MET3、TRP1及びURA3である。糸状菌宿主細胞に使用するための選択マーカーは、次の群から選択されるが、但しそれらだけには限定されない;amdS (アセトアミダーゼ)、argB (オルニチンカルバモイルトランスフェラーゼ)、bar (ホスフィノトリシンアセチルトランスフェラーゼ)、hph (ヒグロマイシンホスホトランスフェラーゼ)、niaD (硝酸レダクターゼ)、pyrG (オロチジン−5’−リン酸デカルボキシラーゼ)、sC (硫酸アデニルトランスフェラーゼ) 及びtrpC (アントラニル酸シンターゼ)、並びにそれらの同等物。アスペルギラス・ニジュランス又はアスペルギラス・オリザエのamdS及びpyrG遺伝子及びストレプトミセス・ヒグロスコピカスのbar遺伝子が、アスペルギラス細胞への使用のために好ましい。
本発明のベクターは好ましくは、宿主細胞ゲノム中へのベクターの安定した組み込み、又は細胞のゲノムに無関係に細胞におけるベクターの自律的複製を可能にする要素を含む。
宿主細胞のゲノム中への組み込みのためには、ベクターは、相同又は非相同組換えによるゲノム中へのベクターの安定した組み込みのためのベクター中のポリペプチド、又はいずれか他の要素をコードするポリヌクレオチド配列に依存する。他方では、ベクターは、染色体における正確な位置で、宿主細胞のゲノム中への相同組換えによる組み込みを方向づけるための追加のヌクレオチド配列を含むことができる。正確な位置での組み込みの可能性を高めるために、組み込み要素は好ましくは、相同組換えの可能性を高めるためにその対応する標的配列と高い程度の同一性を示す十分な数の核酸、例えば100〜10,000個の塩基対、好ましくは400〜10,000個の塩基対、及び最も好ましくは800〜10,000個の塩基対を含むべきである。組み込み要素は、宿主細胞のゲノムにおける標的配合と相同であるいずれかの配列であり得る。さらに、組み込み要素は、非コード又はコードヌクレオチド配列であり得る。他方では、ベクターは非相同組換えにより宿主細胞のゲノム中に組み込まれ得る。
自律複製のためには、ベクターはさらに、問題の宿主細胞においてのベクターの自律的な複製を可能にする複製の起点を含んで成る。複製の起点は、細胞において機能する自律複製を仲介するいずれかのプラスミド複製体であり得る。用語“複製の起点”又は“プラスミド複製体”とは、本明細書においては、プラスミド又はベクターのインビボでの複製を可能にするヌクレオチド配列として定義される。
複製の細菌起点の例は、E.コリにおける複製を可能にするプラスミドpBR322, pUC19, pACYC177及びpACYC184, 及びバチルスにおける複製を可能にするpUB110, pE194, pTA1060及びpAMβ1の複製の起点である。
酵母宿主細胞への使用のための複製の起点の例は、複製の2ミクロン起点、すなわちARS1, ARS4, ARS1及びCEN3の組み合わせ、及びARS4及びCEN6の組み合わせである。
糸状菌細胞において有用な複製の起点の例は、AMA1及びANS1である(Gems など., 1991 , Gene 98:61-67; Cullen et al., 1987, Nucleic Acids Research 15: 9163-9175; WO 00/24883号)。AMA1遺伝子の単離及び前記遺伝子を含んで成るプラスミド又はベクターの構成は、WO00/24883号に開示される方法に従って達成され得る。
本発明のポリヌクレオチドの1以上のコピーが、遺伝子生成物の生成を高めるために宿主細胞中に挿入され得る。ポリヌクレオチドのコピー数の上昇は、宿主細胞ゲノム中に配列の少なくとも1つの追加のコピーを組み込むことによって、又はポリヌクレオチドと共に増幅可能な選択マーカー遺伝子を含むことによって得られ、ここで細胞は選択マーカー遺伝子の増幅されたコピーを含み、そしてそれにより、ポリヌクレオチドの追加のコピーが、適切な選択剤の存在下で前記細胞を培養することによって選択され得る。
本発明の組換え発現ベクターを構成するために上記要素を連結するために使用される方法は、当業者に良く知られている(例えば、Sambrookなど., 1989, 前記を参照のこと)。
宿主細胞
本発明はまた、ポリペプチドの組換え生成において都合良く使用される、本発明のポリヌクレオチドを含んで成る組換え宿主にも関する。本発明のポリヌクレオチドを含んで成るベクターは、そのベクターが染色体組み込み体として、又は前記のような自己複製染色体外ベクターとして維持されるように、宿主細胞中に導入される。用語“宿主細胞”とは、複製の間に生じる突然変異のために、親細胞と同一ではない親細胞のいずれかの子孫を包含する。宿主細胞の選択は、ポリペプチドをコードする遺伝子及びその源に、かなりの程度依存するであろう。
宿主細胞は、単細胞微生物、例えば原核生物、又は単細胞微生物、真核生物であり得る。
有用な単細胞微生物は、細菌細胞、例えば次のグラム陽性細菌バチルス・アルカロフィラス(Bacillus alkalophilus)、バチルス・アミロリクエファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)、バチルス・ブレビス(Bacillus brevis)、バチルス・サーキュランス(Bacillus circulans)、バチルス・クラウシ(Bacillus clausii)、バチルス・コアギランス(Bacillus coagulans)、バチルス・ラウタス(Bacillus lautus)、バチルス・レンタス(Bacillus lentus)、バチルス・リケニホルミス(Bacillus licheniformis)、バチルス・メガテリウム(Bacillus megaterium)、バチルス・ステアロサーモフィラス(Bacillus stearothermophilus)、バチルス・スブチリス(Bacillus subtilis)及びバチルス・スリンギエンシス(Bacillus thuringiensis)、又はストレプトミセス細胞、例えばストレプトミセス・リビダンス(Streptomyces lividans)又はストレプトミセス・ムリナス(Streptomyces murinus)、又は次のグラム陰性細菌:E.コリ及びプソイドモナスsp.(但し、それらだけには限定されない)である。
好ましい態様においては、細菌宿主細胞は、バチルス・レンタス、バチルス・リケニホルミス、バチルス・ステアロサーモフィラス又はバチルス・サブチリス細胞である。もう1つの好ましい態様においては、バチルス細胞は、好アルカリ性バチルスである。
細菌宿主細胞中へのベクターの導入は例えば、コンピテント細胞(例えば、Young and Spizizin, 1961, Journal of Bacteriology 81: 823-829, 又はDubnau and Davidoff-Abelson, 1971, Journal of Molecular Biology 56: 209-221 を参照のこと)を用いてプロトプラスト形質転換(例えば、Changand Cohen, 1979, Molecular General Genetics 168: 111-115)、エレクトロポレーション(例えば、Shigekawa and Dower, 1988, Biotechniques 6: 742-751を参照のこと)又は接合(例えば、Koehler and Thorne, 1987, Journal of Bacteriology 169: 5771-5278を参照のこと)によりもたらされ得る。
宿主細胞は、真核生物、例えば哺乳類、昆虫、植物、又は菌類細胞であり得る。
好ましい態様においては、宿主細胞は菌類細胞である“菌類”とは、本明細書において使用される場合、門アスコミコタ(Ascomycota)、バシジオミコタ(Basidiomycota)、キトリジオミコタ(Chytridiomycota)及びヅイゴミコタ(Zygomycota)(Hawksworth など., Ainsworth and Bisby’s Dictionary of the Fungi, 8th edition, 1995, CAB International, University Press, Cambridge, UKにより定義される)、及びオーミコタ(Oomycota)(Hawksworth など., 1995, 前記、171ページに引用される)、並びに栄養胞子菌(Hawksworh など., 1995, 前記)を包含する。
より好ましい態様においては、菌類宿主細胞は酵母細胞である“酵母”とは、本明細書において使用される場合、子嚢胞子酵母(Endomycetals)、担子胞子酵母、及び不完全菌類(Blastomycetes)に属する酵母を包含する。酵母の分類は未来において変化し得るので、本発明のためには、酵母は、Biology and Activities of Yeast (Skinner, F.A., Passmore, S.M., and Davenport, R.R., eds. Soc. App. Bacteriol. Symposium Series No. 9, 1980) に記載のようにして定義されるであろう。
さらにより好ましい態様においては、酵母宿主細胞は、カンジダ(Candida)、ハンセヌラ(Hunsenula)、クレベロミセス(Kluyveromyces)、ピチア(Pichia)、サッカロミセス(Saccharomyces)、シゾサッカロミセス(Schizosaccharomyces)又はヤロウィア(Yarrowia)である。
最も好ましい態様においては、酵母宿主細胞は、サッカロミセス・カルスベルゲンシス(Saccharomyces carlsbergensis)、サッカロミセス・セレビシアエ(Saccharomyses cerevisiae)、サッカロミセス・ジアスタチカス(Saccharomyces diastaticus)、サッカロミセス・ドウグラシ(Saccharomyces douglasii)、サッカロミセス・クルイビリ(Saccharomyces kluyveri)、サッカロミセス・ノルベンシス(Saccharomyces norbensisi)、又はサッカロミセス・オビホルミス(Saccharomyces oviformis)細胞である。もう1つの最も好ましい態様においては、酵母宿主細胞は、クルベロミセス・ラクチス(Kluyveromyces lactis)である。もう1つの最も好ましい態様においては、酵母宿主細胞は、ヤロウィア・リポリチカ(Yarrowia lipolytica)細胞である。
もう1つのより好ましい態様においては、菌類宿主細胞は糸状菌細胞である。“糸状菌”とは、ユーミコタ(Eumycota)及びオーミコタ(Oomycota)のすべての糸状形を包含する(Hawksworthなど., 1995, 前記により定義されるような)。糸状菌は一般的に、キチン、セルロース、グルカン、キトサン、マンナン及び他の複合多糖類から構成される菌子体壁により特徴づけられる。成長増殖は、菌子拡張によってであり、そして炭素代謝は絶対好気性である。対照的に、酵母、例えばサッカロミセス・セレビシアエによる成長増殖は、単細胞葉状体の発芽によってであり、そして炭素代謝は発酵性である。
さらにより好ましい態様においては、糸状菌宿主細胞は、アクレモニウム(Acremonium)、アスペルギラス(Aspergillus)、アウレオバシジュウム(Aureobasidium)、ベルカンデラ(Bjerkandera)、セリポリオプシス(Ceriporiopsis)、コプリナス(Coprinus)、コリオラス(Coriolus)、クリプトコーカス(Cryptococcus)、フィロバシジウム(Filobasidium)、フサリウム(Fusarium)、ヒューミコラ(Humicola)、マグナポルセ(Magnaporthe)、ムコル(Mucor)、ミセリオプソラ(Myceliophthora)、ネオカリマスチックス(Neocallimastix)、ネウロスポラ(Neurospora)、、パエシロミセス(Paecilomyces)、ペニシリウム(Penicilium)、ファネロカエト(Phanerochaete)、フェビア(Phlebia)、ピロミセス(Piromyces)、プレウロタス(Pleurotus)、シゾフィラム(Schizophyllum)、タラロミセス(Talaromyces)、サーモアスカス(Thermoascus)、チエラビア(Thielavia)、トリポクラジウム(Tolypocladium)、トラメテス(Trametes)又はトリコダーマ(Trichoderma)の種の細胞であるが、但しそれらだけには限定されない。
最も好ましい態様においては、糸状菌宿主細胞は、アスペルギラス・アワモリ、アスペルギラス・フミガタス、アスペルギラス・ホエチダス、アスペルギラス・ジャポニカ、アスペルギラス・ニジュランス、アスペルギラス・ニガー又はアスペルギラス・オリザエ細胞である。もう1つの最も好ましい態様においては、糸状菌宿主細胞は、フサリウム・バクトリジオイデス、フサリウム・クロックウェレンズ 、フサリウム・セレアリス、フサリウム・クルモラム、フサリウム・グラミネアラム、フサリウム・グラミナム、フサリウム・ヘテロスポラム、フサリウム・ネグンジ、フサリウム・オキシスポラム、フサリウム・レチキュラタム、フサリウム・ロゼウム、フサリウム・サムブシウム、フサリウム・サルコクロウム、フサリウム・ソラニ、フサリウム・スポロトリキオイデス、フサリウム・スルフレウム、フサリウム・トルロサム、フサリウム・トリコセシオイデス又はフサリウム・ベネナタム細胞である。
さらに最も好ましい観点においては、糸状菌親宿主細胞は、ベルカンデラ・アダスタ(Bjerkandera adusta)、セリポリオプシス・アネイリナ(Ceriporiopsis aneirina)、セリポリオプシス・カレギエア(Ceriporiopsis caregiea)、セリポリオプシス・ギルベセンス(Ceriporiopsis gilvescens)、セリポリオプシス・パノシンタ(Ceriporiopsis pannocinta)、セリポリオプシス・リブロサ(Ceriporiopsis rivulosa)、セリポリオプシス・スブルファ(Ceriporiopsis subrufa)又はセリポリオプシス・スベルミスポラ(Ceriporiopsis subvermispora)、コプリナス・シネレス(Coprinus cinereus)、コリオラス・ヒルスタス(Coriolus hirsutus)、ヒューミコラ・インソレンス、ヒューミコラ・ラヌギノサ、ムコル・ミエヘイ、ミセリオプソラ・サーモフィリア、ネウロスポラ・クラサ、ペニシリウム・プルプロゲナム、ファネロカエト・キソスポリウム(Phanerochaete chrysosporium)、フェビア・ラジアタ(Phlebia radiata)、プレウロタス・エリンギ(Pleurotus eryngii)、チエラビア・テレストリス、トラメテス・ビロサ(Trametes villosa)、トラメテス・ベルシコロル(Trametes versicolor)、トリコダーマ・ハルジアナム、トリコダーマ・コニンギ、トリコダーマ・ロンジブラキアタム、トリコダーマ・レセイ又はトリコダーマ・ビリデ細胞である。
菌類細胞は、プロトプラスト形質転換、プロトプラストの形質転換、及びそれ自体知られている態様での細胞壁の再生を包含する工程により形質転換され得る。アスペルギラス及びトリコダーマ宿主細胞の形質転換のための適切な方法は、ヨーロッパ特許第238023号及びYeltonなど., 1984, Proceedings of the National Academy of Sciences USA 81; 1474-1874に記載される。フラリウム種を形質転換するための適切な方法は、Malardierなど., 1989, Gene78: 147-156, 及びWO96/00787号により記載される。酵母は、Becker and Guarente. In Abelson, J.N. and Simon, M.I., editors, Guide to Yeast Genetics and Molecular Biology, Methods in Enzymology, Volume 194, pp 182-187, Academic Press, Inc., New York; Ito など, 1983, Journal of Bacteriology 153: 163; 及びHinnen など, 1978, Proceedings of the National Academy of Sciences USA 75; 1920により記載される方法を用いて形質転換され得る。
生成方法
本発明はまた、(a)その野生型において、前記ポリペプチドの生成の助けと成る条件下でポリペプチドを生成することができる細胞を培養し;そして(b)前記ポリペプチドを回収することを含んで成る、本発明のポリペプチドの生成方法にも関する。好ましくは、細胞は、アスペルギラス、及びより好ましくは、アスペルギラス・オリザエのものである。
本発明はまた、(a)ポリペプチドの生成を助ける条件下で宿主細胞を培養し;そして(b)ポリペプチドを回収することを含んで成る、本発明のポリペプチドを生成するための方法にも関する。
本発明はまた、(a)ポリペプチドの生成を助ける条件下で宿主細胞を培養し;そして(b)ポリペプチドを回収することを含んで成る、本発明のポリペプチドを生成するための方法にも関し、ここで前記宿主細胞は配列番号1の成熟ポリペプチドコード領域に少なくとも1つの突然変異を有する変異体ヌクレオチド配列を含んで成り、ここで前記変異体ヌクレオチド配列は配列番号2のポリペプチドにより包含されるか、又はそれを含んで成るリパーゼであるポリペプチドをコードする。好ましい態様においは、ヌクレオチド配列は、配列番号2のポリペプチドの成熟部分により包含されるか、又はその部分を含んで成るポリペプチドをコードする。
本発明の生成方法においては、細胞は、当業界において知られている方法を用いて、ポリペプチドの生成のために適切な栄養培地において培養される。例えば、細胞は、ポリペプチドの発現及び/又は単離を可能にする、適切な培地において、及び条件下で行われる実験室用又は産業用発酵器において、振盪フラスコ培養、小規模又は大規模発酵(連続、バッチ、供給バッチ、又は団体状態発酵を包含する)により培養され得る。培養は、炭素及び窒素源及び無機塩を含んで成る適切な栄養培地において、当業界において知られている方法を用いて行われる。適切な培地は、市販されているか、又は公開されている組成(例えば、American Type Culture Collection のカタログにおける)に従って調製され得る。ポリペプチドが栄養培地に分泌される場合、ポリペプチドは培地から直接的に回収され得る。ポリペプチドが分泌されない場合、それは細胞溶解物から回収され得る。
ポリペプチドは、そのポリペプチドに対して特異的である、当業界において知られている方法を用いて検出され得る。それらの検出方法は、特定の抗体、ポリペプチド生成物の形成、又は酵素基質の消出の使用を包含する。例えば、酵素アッセイは、本明細書に記載されるようなポリペプチドの活性を決定するために使用され得る。
得られるポリペプチドは、当業界において知られている方法により回収され得る。例えば、ポリペプチドは、従来の方法、例えば遠心分離、濾過、抽出、噴霧−乾燥、蒸発又は沈殿(但し、それらだけには限定されない)により、栄養培地から回収され得る。
本発明のポリペプチドは、当業界において知られている種々の方法、例えばクロマトグラフィー(例えば、イオン交換、親和性、疎水性、クロマトフォーカシング及びサイズ排除)、電気泳動方法(例えば、分離用等電点電気泳動)、示差溶解性(例えば、硫酸アンモニウム沈殿)、SDS−PAGE又は抽出(但し、それらだけには限定されない)により精製され得る(例えば、Protein Purification, J.C. Janson and Lars Ryden, editors, VCH Publlishers, New York, 1989を参照のこと)。
組成物
本発明はまた、本発明のポリペプチドを含んで成る組成物にも関する。好ましくは、組成物はそのようなポリペプチドにおいて富化される。用語“富化される”とは、組成物中のリパーゼ活性が、少なくとも1.1の富化因子、高められていることを示す。
組成物は、主要酵素成分、例えば単一成分組成として本発明のポリペプチドを含んで成る。他方では、組成物は、複数の酵素活性、例えばアミノペプチダーゼ、アミラーゼ、カルボヒドラーゼ、カルボキシペプチダーゼ、カタラーゼ、セルラーゼ、キチナーゼ、クチナーゼ、シクロデキストリングリコシルトランスフェラーゼ、デオキシリボヌクレアーゼ、エステラーゼ、α−ガラクトシダーゼ、β−ガラクトシダーゼ、グルコアミラーゼ、α−グルコシダーゼ、β−グルコシダーゼ、ハロペルオキシダーゼ、インバーターゼ、ラッカーゼ、リパーゼ、マンノシダーゼ、オキシダーゼ、ペクチン分解酵素、ペプチドグルタミナーゼ、ペルオキシダーゼ、フィターゼ、ポリフェノールオキシダーゼ、タンパク質分解酵素、リボヌクレアーゼ、トランスグルタミナーゼ又はキシラナーゼを含んで成る。追加の酵素は、例えばアスペルギラス属、好ましくはアスペルギラス・アキュレアタス(Aspergillus aculeatus)、アスペルギラス・アワモリ(Aspergillus awamori)、アスペルギラス・ホエチダス(Aspergillus foetidus)、アスペルギラス・ジャポニカス(Aspergillus japonicus)、アスペルギラス・ニジュランス(Aspergillus nidulans)、アスペルギラス・ニガー(Aspergillus niger)、又はアスペルギラス・オリザエ(Aspergillus oryzae)、
フサリウム属、例えばフサリウム・バクトリジオイデス(Fusarium bactridioides)、フサリウム・セレアリス(Fusarium cerealis)、フサリウム・クロックウェレンズ(Fusarium crookwellense)、フサリウム・クルモラム(Fusarium culmorum)、フサリウム・グラミネアラム(Fusarium graminearium)、フサリウム・グラミナム(Fusarium graminum)、フサリウム・ヘテロスポラム(Fusarium heterosporum)、フサリウム・ネグンジ(Fusarium negundi)、フサリウム・オキシスポラム(Fusarium oxysporum)、フサリウム・レチキュラタム(Fusarium reticulatum)、フサリウム・ロゼウム(Fusariumu roseum)、フサリウム・サムブシウム(Fusarium sambucinum)、フサリウム・サルコクロウム(Fusarium sarcochroum)、フサリウム・スポロトリキオイデス(Fusarium sporotrichioides)、フサリウム・スルフレウム(Fusarium sulphureum)、フサリウム・トルロサム(Fusarium torulosaum)、フサリウム・トリコセシオイデス(Fusarium trichothecioides)、又はフサリウム・ベネナタム(Fusarium venenatum)、ヒュミコラ属、好ましくはヒュミコラ・インソレンス(Humicola insolens)、又はヒュミコラ・ラヌギノサ(Humicola lanuginosa)、トリコダーマ属、好ましくはトリコダーマ・ハルジアナル(Trichoderma harzianum)、トリコダーマ・コニンギ(Trichoderma koningii)、トリコダーマ・ロンジブラキアタム(Trichoderma longibrachiatum)、トリコダーマ・レセイ(Trichoderma reesei)又はトリコダーマ・ビリデ(Trichoderma viride)に属する微生物により生成され得る。
ポリペプチド組成物は、当業界において知られている方法に従って調製され得、そして液体又は乾燥組成物の形で存在することができる。例えば、ポリペプチド組成物は、顆粒又は微粒子の形で存在することができる。組成物に包含されるべきポリペプチドは、当業界において知られている方法に従って安定化され得る。
本発明のポリペプチド組成物の好ましい使用の例は下記に与えられる。本発明のポリペプチド組成物の用量、及び組成物が使用される他の条件は、当業界において知られている方法に基づいて決定され得る。
洗剤用途
本発明の酵素は、洗剤組成物に添加され得、そして従って、洗剤組成物の成分に成ることができる。
本発明の洗剤組成物は、手動又は機械洗濯用洗剤組成物、例えば染色された布の前処理のために適切な洗濯用添加剤組成物及びすすぎ用布ソフトナー組成物として配合され得、又は一般的な家庭用硬質表面洗浄操作における使用のための洗剤組成物として配合され得、又は手動又は機械皿洗い操作のために配合され得る。
酵素
特定の観点においては、本発明は、本発明の酵素を含んで成る洗剤添加剤を提供する。前記洗剤添加剤及び洗剤組成物は、1又は複数の他の酵素、例えばプロテアーゼ、リパーゼ、クチナーゼ、アミラーゼ、カーボヒドラーゼ、セルラーゼ、ペクチナーゼ、マンナナーゼ、アラビナーゼ、ガラクタナーゼ、キシラナーゼ、オキシダーゼ、例えばラッカーゼ及び/又はポロキシダーゼを含んで成ることができる。
一般的に、選択された酵素の性質は、選択された洗剤と適合できるべきであり(すなわち、他の酵素及び非酵素の成分、等とのpH−最適適合性)、そして酵素は効果的な量で存在すべきである。
プロテアーゼ
適切なプロテアーゼは、動物、植物又は微生物起源のものを包含する。微生物起源が好ましい。化学的に修飾された、又はタンパク質構築された変異体が含まれる。プロテアーゼは、セリンプロテアーゼ又は金属プロテアーゼ、好ましくはアルカリ微生物プロテアーゼ又はトリプシン−様プロテアーゼであり得る。アルカリプロテアーゼの例は、スブチリシン、特にバチルスに由来するそれらのもの、例えばスブチリシンNovo、スブチリシンCarlsberg、スブチリシン309、スブチリシン147及びスブチリシン168(WO89/06279号に記載される)である。トリプシン−様プロテアーゼの例は、トリプシン(例えば、ブタ又はウシ起源のもの)、及びWO89/06270号及びWO94/25583号に記載されるフサリウムプロテアーゼである。
有用なプロテアーゼの例は、WO92/19729号、WO98/20115号、WO98/20116号及びWO98/34946号に記載される変異体、特に1又は複数の次の位置での置換を有する変異体であり:27, 35, 57, 76, 87, 97, 101, 104, 120, 123, 167, 170, 194, 206, 218, 222, 224, 235及び274,そして中でも、次の突然変異を有する変異体である:(K27R, V104Y, N123S, T124A)、(N76D, S103A, V104I)又は (S101G, S103A, V1041, G159D,A232V, G236H, G245R, N248D, N252K)。
好ましい市販のプロテアーゼ酵素は、AlcalaseTM, SavinaseTM, PrimaseTM, DuralaseTM, EsperaseTM、CoronaseTM、PolarzymeTM及びKannaseTM (Novo Nordisk A/S), MaxataseTM, MaxacalTM, MaxapemTM, ProperaseTM, PurafectTM, Purafect PrimeTM,Purafect OxPTM, FN2TM,FN3TM 及び FN4(Genencor International Inc.) を包含する。
リパーゼ
適切なリパーゼは、細菌又は菌類起源のそれらのものを包含する。化学的に修飾された又はタンパク質構築された変異体が包含される。有用なリパーゼの例は、ヒューミコラ(別名、サーモミセス)、例えばヨーロッパ特許第258068号及び第305216号に記載のようなヒューミコラ・ラウギノサ(T.ラウギノサ)、又はWO96/13580号に記載のようなヒューミコラ・インソレンス、P.アルカリゲネス又はP.プソイドアルカリゲネス(ヨーロッパ特許第218272号)、P.セパシア(ヨーロッパ特許第331376号)、P.スツゼリ(P.stutzeri)(イギリス特許第1,372,034号)、P.フルオレセンス、プソイドモナスsp. SD705株(WO75/06720号及びWO96/27002号)、P.ウイスコンシネンシス(WO96/12012号)からのリパーゼ、バチルスリーパーゼ、例えばB.スブチリス(Dartoisなど. (1993), Biochemica et Biophysica Acta, 1131, 253-360)、B. ステアロサーモフィラス(日本特許64/744992)又はB.プミラス(WO91/16422号)からのリーパーゼを包含する。
他の例は、リパーゼ変異体、例えばWO92/05249号、WO94/01541号、ヨーロッパ特許第407225号、ヨーロッパ特許第206105号、WO95/35381号、WO96/00292号、WO95/30744号、WO94/25576号、WO95/14783号、WO95/22615号、WO97/04079号及びWO97/0720号に記載されるものを包含する。
他の市販のリパーゼ酵素は、LipolaseTM 、Lipolase UltraTM 及びLipexTM(Novo Nordisk A/S) を包含する。
好ましいリパーゼは、本発明のリパーゼである。
アミラーゼ
適切なアミラーゼ(α−及び/又はβ)は、細菌又は菌類起源のそれらのものを包含する。化学的に修飾された又はタンパク質構築された変異体が包含される。アミラーゼは、バチルス、例えばイギリス特許第1,296,839号により詳細に記載される、B.リケニルホルミスの特許株から得られるα−アミラーゼを包含する。
有用なアミラーゼの例は、WO94/02597号、WO94/18314号、WO96/23873号及びWO/43424号に記載される変異体、特に1又は複数の次の位置での置換を有する変異体である:15, 23, 105, 106, 124, 128, 133, 154, 156, 181, 188, 190, 197, 202, 208, 209, 243, 264, 304, 305, 391, 408及び444。
市販のアミラーゼは、DuramylTM, TermamaylTM, Stainzyme(TM), Stainzyme UltraTM,FungamylTM 及びBAMTM (Novo Nordisk A/S), RapidaseTM 及びPurastarTM (Genencor International Inc.)である。
セルラーゼ
適切なセルラーゼは、細菌又は菌類起源のそれらのものを包含する。化学的に修飾された又はタンパク質構築された変異体が包含される。適切なセルラーゼは、バチルス、ヒューミコラ、フサリウム、チエラビア、アクレモニウム属からのセルラーゼ、例えばアメリカ特許第4,435,307号、アメリカ特許第5,648,263号、アメリカ特許第5,691,178号、アメリカ特許第5,776,757号及びWO89/09259号に開示されるヒューミコラ・インソレンス、マイセリオプソラ・サーモフィラ/オキシスポラムから生成される菌類セルラーゼを包含する。
特に適切なセルラーゼは、色彩保護有益性を有するアルカリ又は中性セルラーゼである。そのようなセルラーゼの例は、ヨーロッパ特許第0495257号、ヨーロッパ特許第0531372号、WO96/11262号、WO96/29397号、WO98/08940号に記載されるセルラーゼである。例の例は、WO94/07998号、ヨーロッパ特許第0531315号、アメリカ特許第5,457,046号、アメリカ特許第5,685,593号、アメリカ特許第5,763,254号、WO95/24471号、WO98/12307号及びPCT/DK98/0299号に記載されるそれらのものである。
市販のセルラーゼは、RenozymeTM, CelluzymeTM 及びCarezymeTM (Novo Nordisk A/S), ClazinaseTM 及びPuradex HATM (Genencor International Inc.) 及びKAC−500 (B)TM (Kao Corporation) を包含する。
ペルオキシダーゼ/オキシダーゼ
適切なペルオキシダーゼ/オキシダーゼは、植物、細菌又は菌類起源のそれらのものを包含する。化学的に修飾された又はタンパク質構築された変異体が包含される。有用なペルオキシダーゼの例は、コプリナス、例えばコプリナス・シネレウス、及びWO93/24618 号、WO95/10602号及びWO98/15257号に記載されるそれらのようなそれらの変異体からのペルオキシダーゼを包含する。
市販のペルオキシダーゼは、GuardzymeTM (Novo Nordisk A/S) を包含する。
洗剤
洗剤酵素は、1又は複数の酵素を含む別々の添加剤を添加することにより、又はそれらの酵素のすべてを含んで成る組合された添加剤を添加することにより洗剤組成物に包含され得る。本発明の洗剤添加剤、すなわち別々の添加剤又は組合された添加剤が、例えば粒質物、液体、スラリー、等として配合され得る。好ましくは洗剤添加剤配合物は、粒質物、特に非−ダスチング粒質物、液体、特に安定された液体又はスラリーである。
非−ダスチング粒質物は、アメリカ特許第4,106,991号及び第4,661,452号に開示のようにして生成され得、そして任意には、当業界において知られている方法により被覆され得る。蝋被覆材料の例は、1000〜20,000の平均モル重量を有するポリ(酸化エチレン)生成物(ポリエチレングリコール、PEG);16〜50の酸化エチレン単位を有する、エトキシル化されたノニルフェノール;12〜20個の炭素原子を有するアルコールを有し、そして15〜80の酸化エチレン単位を有する、エトキシ化された脂肪アルコール;脂肪アルコール、脂肪酸;及び脂肪酸のモノ−、ジ−及びトリグリセリドである。
流動層技法による適用のために適切なフィルム形成被覆材料の例は、イギリス特許第1483591号に与えられている。例えば、液体酵素調製物は、確立された方法に従って、ポリオール、例えばプロピレングリコール、糖又は糖アルコール、硫酸又は硼酸を添加することによって、安定化される。保護された酵素は、ヨーロッパ特許第238,216号に開示される方法に従って調製され得る。
本発明の洗剤組成物は、いずれかの便利な形、例えば棒状、錠剤、粉末、顆粒、ペースト又は液体の形で存在することができる。液体洗剤は、水性であり、典型的には、70%までの水及び0〜30%の有機溶媒を含み、又は非水性であり得る。
洗剤組成物は、非イオン性、例えば半−極性及び/又はアニオン性及び/又はカチオン性及び/又は両性イオンであり得る1又は複数の界面活性剤を含んで成る。界面活性剤は典型的には、0.1〜60重量%のレベルで存在する。
そこに含まれる場合、洗剤は通常、約1%〜約40%のアニオン性界面活性剤、例えば線状アルキルベンゼンスルホネート、α−オレフィンスルホネート、アルキルスルフェート(脂肪酸スルフェート)、アルコールエトキシスルフェート、第二アルカンスルホネート、α−スルホ脂肪酸メチルエステル、アルキル−又はアルケニル琥珀酸又は石鹸を含むであろう。
そこに含まれる場合、界面活性剤は通常、約0.2%〜約40%の非イオン性界面活性剤、例えばアルコールエトキシレート、ノニルフェノールエトキシレート、アルキルポリグリコシド、アルキルジメチルアミンオキシド、エトキシル化された脂肪酸モノエタノールアミド、脂肪酸モノエタノールアミド、ポリヒドロキシアルキル脂肪酸アミド、又はグルコサミンのN−アシルN−アルキル誘導体(“グルコサミド”)を含むであろう。
洗剤は、0〜65%の洗剤ビルダー又は錯生成剤、例えばゼオライト、ジホスフェート、三リン酸、ホスホネート、カーボネート、シトレート、ニトリロ三酢酸、エチレンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン六酢酸、アルキル−又はアルキニル琥珀酸、可溶性シリケート又は層化されたシリケート(例えばHoechstからのSKS−6)を含むことができる。
洗剤は、1又は複数のポリマーを含んで成る。例としては、カルボキシメチルセルロース、ポリ(ビニルピロリドン)、ポリ(エチレングリコール)、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(ビニルピリジン−N−オキシド)、ポリ(ビニルイミダゾール)、ポリカルボキシレート(例えばポリアクリレート、マレイン酸/アクリル酸コポリマー及びラウリルメタクリレート/アクリル酸コポリマーを含んで成る。
洗剤は、H2O2源を含んで成る漂白システム、例えば過酸形成漂白活性化剤、例えばテトラアセチルエチレンジアミン又はノナノイルオキシベンゼンスルホネートと共に組合され得る過硼酸塩又は過炭酸塩を含むことができる。他方では、漂白システムは、例えばアミド、イミド又はスルホン型のペルオキシ酸を含むことができる。
本発明の洗剤組成物の酵素は、従来の安定剤、例えばポリオール、例えばプロピレングリコール又はグリセロール、糖又は糖アルコール、乳酸、硼酸又は硼酸誘導体、例えば芳香族硼酸エステル又はフェニル硼素酸誘導体、例えば4−ホルミルフェニル硼素酸を用いて安定化され得、そして前記組成物は、例えばWO92/19709号及びWO92/19708号に記載のようにして配合され得る。
洗剤はまた、他の従来の洗剤組成物、例えば布コンディショナー、例えばクレー、泡増強剤、石鹸泡抑制剤、抗腐蝕剤、土壌懸濁剤、抗−土壌再沈着剤、染料、殺菌剤、蛍光増白剤、ヒドロトロープ、曇りインヒビター、又は香料を含むことができる。
洗剤組成物においては、いずれかの酵素、特に本発明の酵素は、洗浄液体1L当たり0.01−100mgの酵素タンパク質、好ましくは洗浄液体1L当たり0.05−5mgの酵素タンパク質、特に洗浄液体1L当たり0.1−1mgの酵素タンパク質に対応する量で添加され得ることが、現在企画される。
本発明の酵素はさらに、WO97/07202号、WO 04/041979号、WO 04/074419号(引例として本明細書組み込まれる)に開示される洗剤配合物に導入され得る。
使用
本発明はまた、リパーゼ活性を有するポリペプチドの使用方法にも向けられる。
本発明の変異体は、従来技術に類似して、脂肪分解酵素の既知の用途に使用され得る。
リパーゼ活性を有する変異体は、ピッチを除くためにか、又は使用される紙からインキを除去するために、パルプ及び製紙工業に使用され得る(WO9213130号、WO9207138号、JP 2160984A号、EP374700号)。
ホスホリパーゼ及び/又はガラクトリパーゼ活性を有する変異体は、例えば生地の安定性及び生地の取り扱い性質を高めるために、又はパン又はケーキの弾力性を改良するために、生地、パン及びケーキの調製に使用され得る(WO 94/04035号、WO 00/32758号)。
ホスホリパーゼ活性を有する変異体は、食用油におけるリン脂質の含有率を低めるための方法に使用され得る(アメリカ特許第5,264,367号 (Metallgesellschaft, Rohm); K. Dahike & H. Buchoid, INFORM, 6(12), 1284-91(1995); H. Buchoid, Fat Sci. Technol., 95 (8), 300-304 (1993); JP-A2-153997 (Showa Sangyo);又はEP654,527 号((Metallgesellschaft, Rohm))。
リゾホスホリパーゼ活性を有する変異体は、炭水化物起源、例えば澱粉加水分解物、特に小麦澱粉加水分解物の水溶液又はスラリーの濾過能力を改良するために使用され得る(EP219, 269号)。
ホスホリーパーゼ活性を有する変異体は、リゾリン脂質、例えばリゾ−レシチンの調製(EP 870840号、JP-A 10-42884号、JP-A 4-135456号又はJP-A 2-49593号)、又はマヨネーズの製造(EP 628256号、EP 398666 号又はEP 319064号)のために使用され得る。
ホスホリパーゼ活性を有する変異体はまた、例えばEP 567,862号 (Nestle)、 EP 426,211 号(Unilever)、EP 166,284号 (Nestle)、JP-A57-189638号 (Yakuit) 又はアメリカ特許第4,119,564号 (Unile-ver)に記載されるように、乳製品及びほかの食品の加工にも使用され得る。
ホスホリパーゼ活性を有する変異体は、革産業において使用され得る(GB 2233665号、EP 505920号)。
リパーゼ活性を有する変異体は、織物の仕上げの間、疎水性エステル(例えば、トリグリセリド)を含む脂肪物質を除去するために使用され得る(WO93/13256号)。
本発明はさらに、次の例により記載されるが、それらは本発明の範囲を制限するものではない。
緩衝液及び基質として使用される化学物質は、少なくとも試薬品種の商品であった。
培地及び溶液:
製品 商品名
LAS: Surfac PS
ゼオライトA Wessalith P
材料:
製品 供給者
EMPA221 EMPA St. Galien, Lerchfeldstrasse 5, CH-9014 St. Gallen, Switzerland
例1酵素の生成
リパーゼをコードする遺伝子を含むプラスミドを構成し、そして当業界の標準方法を用いて適切な宿主細胞を形質転換する。
発酵を、34℃の一定の培地温度及び1.2Lの開始体積を用いて、供給バッチ発酵として実施する。培地の初期pHは、6.5に設定される。pHが7.0に高められると、この値は、10%のH3PO4の添加を通して維持される。培地における溶解された酵素のレベルを、撹拌速度を変更し、そして1.0L空気/L培地/分の固定された通気速度を用いることにより調節する。供給物添加速度を、全供給バッチ相の間、一定レベルで維持する。
バッチ培地は、炭素源としてのマルトースシロップ、窒素源としてのウレア及び酵母抽出物、及び微量金属及び塩の混合物を含む。供給バッチ相の間、連続して添加される供給物は、炭素源としてマルトースシロップを含み、ところが酵母抽出物及びウレアは、窒素の十分な供給を確保するために、添加される。
リパーゼの精製を、当業界において知られている標準方法の使用により、例えばEP0851913EP、例3に記載のように、発酵上清液を濾過し、そして続く疎水性クロマトグラフィー及びイオン交換クロマトグラフィーにより、実施することができる。
例2相対的性能(RP)の計算のためのAMSA(自動機械応力アッセイ)
本出願の酵素変異体を、自動機械応力アッセイ(AMSA)を用いて試験する。AMSA試験により、大量の少体積の酵素−洗剤溶液の洗浄性能を試験することができる。AMSAプレートは、試験溶液のための多くのスロット、及びすべてのスロット開口に対して洗浄される布スワッチを強く絞る蓋を有する。洗浄時間の間、プレート、試験溶液、布及び蓋を、激しく振盪し、試験溶液と布とを接触し、そして機械的応力を適用する。
さらなる説明のためには、WO02/42740号(特に“特定方法の態様”、23−24ページ)を参照のこと。洗剤試験溶液を含む容器は、金属プレートにおける円柱状の穴(6mmの直径、10mmの深さ)から成る。汚された布(試験材料)が金属プレートの上部に存在し、そして容器上のフタ及びシールとして使用される。もう1つの金属プレートが汚された布の上部に存在し、個々の容器からのいずれかのこぼれを回避する。汚された布と共に2つの金属プレートを、2mmの振動を伴って30Hzの振動数で上下に震動する。
アッセイを、下記に特定される実験条件下で行なう:
Figure 0005710866
クリーム−うこんスワッチを、100gのクリーム(38%の脂肪、Arla, Denmark)と共に5gのうこん(Santa Maria, Denmark)を、50℃で混合することにより調製し、その混合物をこの温度で約20分間、放置し、そして濾過し(50℃)、いずれかの末溶解粒子を除去する。混合物を20℃に冷却し、織られた綿スワッチEMPA221を、クリーム−うこん混合物に含浸し、そしてその後、室温で一晩、乾燥し、そして使用まで凍結する。クリーム−うこんスワッチの調製は、特許出願WO2006/125437号に開示する。
酵素変異体の性能を、特定酵素変異体により洗浄される布サンプルの色彩の明るさとして測定する。明るさはまた、白色光により照らされる場合、布サンプルから反射される光の強度としても表され得る。布が汚れる場合、反射される光の強度は、きれいな布の強度よりも低い。従って、反射される光の強度が、酵素変異体の洗浄性能を測定するために使用され得る。
色の測定を、洗浄された布サンプルの像を捕獲するために使用される専門平台スキャナー(PFU DL2400 pro)により行う。走査を、200dpiの解像度、及び24ビットの出力カラーデプト(output color depth)により行った。正確な結果を得るために、スキャナーは時折、kodak反射IT8標的物により構成される。
走査された像から光強度についての値を得るために、特別に企画されたソフトフェアを用いる(Novozymes Color Vector Analyzer)。そのプログラムは、像から24ビット画素値を再生し、そして赤、緑及び青(RGB)についての値に、それらを転換する。強度値(Int)を、ベクターとしてRGB値を一緒に加え、そして次に、得られるベクターの長さを計ることにより計算する:
Figure 0005710866
変異体の洗浄性能(P)を、下記式に従って計算する:
P=Int(v)-Int(r)
式中、Int(v)は、酵素により洗浄された布表面の光強度値であり、そして
Int(r)は、酵素なしで洗浄された布表面の光強度値である。
相対的性能の評点を、定義に従ってAMSA洗浄の結果として与える:
相対的性能の評点(RP)は、参照酵素に対する試験される酵素変異体の性能(P)を要約する:
RP=P(試験酵素)/P(参照酵素)
RPavgは、すべての4種の酵素濃度(0.125、0.25、0.5、1.0mg ep/l)で参照酵素に比較しての平均の相対的性能を示す:
RPavg=avg(RP(0.125)、RP(0.25)、RP(0.5)、RP(1.0))
変異体は、それが参照よりも良好に遂行する場合、改良された洗浄性能を示すと見なされる。
本発明においては、参照酵素は、置換T231R+N233Rを有する配列番号2の成熟部分である。
例3危険因子(Risk Factor)の計算のためのGC(ガスクロマトグラフィー)
リパーゼ洗浄されたスワッチからの酪酸開放を、次の方法を用いて、固相マイクロ抽出ガスクロマトグラフィー(SPME-GC)により測定した。1mg/lのリパーゼを含む、表1における特定された溶液により洗浄された4種の布片(直径5mm)をガスクロマトグラフ(GC)バイアルに移した。サンプルを、Stabilwax−DA w/Integra−Guardカラム(30m、0.32mmID及び0.25μmのdf)及びCarboxen PDMS SPME繊維(75μm)を備えたVarian 3800GC上で分析した。個々のサンプルを40℃で10分間プレインキュベートし、続いて、布片上のヘッドスペースにおけるSPME繊維により20分間サンプリングした。続いて、サンプルをカラム上に注入した(インジェクター温度=250℃)。カラム流=2mlのヘリウム/分。カラムオーブン温度グラジエント:0分=40℃、2分=40℃、22分=240℃、32分=240℃。乳酸を、FID検出により検出し、そして酪酸の量を、酪酸標準曲線に基づいて計算した。
リパーゼ変異体の危険性能臭気(Risk Performance Odour)Rは、リパーゼ変異体により洗浄されたスワッチからの開放される酪酸の量と、配列番号2のリパーゼの成熟部分により洗浄されたスワッチからの開放される酪酸の量との間の比であり、ここで両値は、非リパーゼにより洗浄されたスワッチからの開放される酪酸の量について補正されている。変異体の危険性(R)は、下記式に従って計算される:
臭気=ブランクのために補正された1mgの酵素タンパク質/lで発生された、測定されたμgでの酪酸
α試験酵素=臭気試験酵素−ブランク
α参照酵素=臭気参照酵素−ブランク
R=α試験酵素参照酵素
変異体は、R因子が1よりも低い場合、参照に比較して、低められた臭気を示すと見られる。
例4280nmでの吸光度に対する活性(LU)
280nmでの吸光度に対するリパーゼの活性を、次のアッセイにより決定する:
LU/A280
リパーゼのための基質を、乳化剤としてアラビアガムを用いて、トリブチリン(グリセリントリブチレート)を乳化することにより調製する。pH7又は9及び30℃でのトリブチリンの加水分解に続いて、pH−安定滴定実験を行う。1単位のリパーゼ活性(1LU)は、pH7で1分当たり1μモルの酪酸を開放できる酸素の量に等しい。
280nmでのリパーゼの吸光度を測定し(A280)、そして比LU/A280を計算する。相対的LU/A280を、参照酵素のLU/A280により割り算された変異体のLU/A280として計算する。本発明においては、参照酵素は、置換T231R+N233Rを有する、配列番号2の成熟部分である。
例5BR−ベネフィットリスク
したがって、悪臭についての低められた危険性を比較しての性能を説明するベネフィットリスク因子は下記のとおりに定義される:
BR=RPavg/R
変異体は、BR因子が1よりも高い場合、改良された洗浄性能及び低められた臭気を示すと見なされる。
上記方法を適用すると、次の結果が得られた:
Figure 0005710866
表2における参照リパーゼ及び変異体7及び8は、WO2000/060063号に記載される。
本明細書及び請求項に記載される発明は、それらの態様は本発明を単に例示するものであるので、本明細書に開示される特定の態様によりその範囲を制限されない。いずれかの同等の態様は、本発明の範囲内に包含される。実際、本明細書に示され、そして記載されるそれらの他に、本発明の種々の修飾は、前述の記述から当業者に明らかになるであろう。そのような修飾は本発明の範囲内にある。コンフリクトがある場合、定義を含めて本明細書の開示は調整されるであろう。
種々の引例が本明細書に引用され、それらの開示は引用により本明細書に組込まれる。
図1−1は、リパーゼの一列整列を示す。 図1−2は、リパーゼの一列整列を示す。 図1−3は、リパーゼの一列整列を示す。

Claims (15)

  1. 親リパーゼの変異体リパーゼであって、
    当該親リパーゼが、(a)配列番号2に示される位置1〜位置269のアミノ酸配列、または(b)配列番号2に示される位置1〜位置269のアミノ酸配列に対して少なくとも90%のアミノ酸配列の同一性を有するアミノ酸配列であってリパーゼ活性を有するものを含んでなり、
    前記変異体リパーゼは、下記の修飾:
    (1) I202G+T231R+N233R;
    (3) Q4V+S58N+V60S+T231R+N233R;
    (4) S58N+V60S+I90R+T231R+N233R;
    (5) I255Y+T231R+N233R;及び
    (6) I90A+T231R+N233R+I255V;
    のいずれかを含み、そして
    前記変異体リパーゼは、リパーゼ活性を有し、そして配列番号2に示される位置1〜位置269のアミノ酸配列において修飾T231R+N233Rを含むアミノ酸配列から成る参照リパーゼに較べて、少なくとも0.8の平均相対的性能(RPavg)及び少なくとも1.1のベネフィットリスク(Benefit-Risk)(BR)を有する、
    ことを特徴とする変異体リパーゼ。
  2. 前記親リパーゼが、配列番号2に示される位置1〜位置269のアミノ酸配列に対して少なくとも95%のアミノ酸配列の同一性を有するアミノ酸配列を含んでなる、請求項1に記載の変異体リパーゼ。
  3. 前記親リパーゼが、配列番号2に示される位置1〜位置269のアミノ酸配列に対して少なくとも97%のアミノ酸配列の同一性を有するアミノ酸配列を含んでなる、請求項1に記載の変異体リパーゼ。
  4. 前記親リパーゼが、配列番号2に示される位置1〜位置269のアミノ酸配列に対して少なくとも98%のアミノ酸配列の同一性を有するアミノ酸配列を含んでなる、請求項1に記載の変異体リパーゼ。
  5. 前記親リパーゼが、配列番号2に示される位置1〜位置269のアミノ酸配列に対して少なくとも99%のアミノ酸配列の同一性を有するアミノ酸配列を含んでなる、請求項1に記載の変異体リパーゼ。
  6. 前記親リパーゼが、配列番号2に示される位置1〜位置269のアミノ酸配列を有するものを含んでなる、請求項1に記載の変異体リパーゼ。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項記載の変異体リパーゼをコードするヌクレオチド配列を含んで成るポリヌクレオチド。
  8. 発現宿主におけるポリペプチドの生成を指図する1又は複数の制御配列に作用可能に結合される、請求項7に記載のポリヌクレオチドを含んで成る核酸構造体。
  9. 請求項7に記載のポリヌクレオチド又は請求項8記載の核酸構造体を含んで成る組換え発現ベクター。
  10. 請求項8に記載の核酸構造体又は請求項9に記載の発現ベクターを含んで成る組換え宿主細胞。
  11. 請求項1〜6のいずれか1項記載の変異体リパーゼの製造方法であって、
    (a)請求項10に記載の組換え宿主細胞を培養し;そして
    (b)前記変異体リパーゼを回収する;
    ことを含んでなる方法。
  12. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の変異体リパーゼを含んで成る洗剤組成物。
  13. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の変異体リパーゼを含んで成る洗浄組成物。
  14. パルプ工業もしくは製紙工業におけるピッチの除去のため、又は使用済み紙からインクを除去するための、請求項13に記載の洗浄組成物。
  15. 食品生地の安定化のため、食品記事の取り扱い特性の向上のため、又はパンもしくはケーキの弾力性の向上のための、請求項1〜6のいずれか1項に記載の変異体リパーゼの使用。
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