JP5709822B2 - ゴルフボール - Google Patents

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本発明は、ゴルフボールに関するものである。
一般に、ゴルフボールの表面には、メーカー名、商品名、ロゴ等を表わすブランドネームやプレーナンバー等の使用者がプレー中に自身が使用するゴルフボールを識別するためのマーク(使用者用識別マーク)の他、ゴルフボールの製造日、金型番号等のメーカー向けの情報(製造ロット)を示すマーク(メーカー用識別マーク)が表示されている。
このメーカー用識別マークは、ゴルフボールのカバーを成形する成形金型のキャビティの壁面に刻印を施すことにより、カバー成形時にボールの表面に表示されるのが一般的である。しかし、この方法だと、マークの表示内容を変える際には、刻印が施された金型もしくは金型部品を他の刻印が施された金型もしくは金型部品に代える必要があるので、コストが高くなる。そのうえ、金型を再度セッティングする必要があるが、金型のセッティングは精密性が必要であり、調整に手間が掛かるという問題がある。また、近年、ゴルファーの増加に伴い、様々な世代の人がゴルフを行うようになっているために、ファッション性に優れたゴルフボールが好まれる傾向にある。これに対して、メーカー用識別マークは、使用者にとっては不用な表示であり、ボール表面上の限られたスペースにメーカー用識別マークが目立つように表示されたのでは、ゴルフボールの美的外観を損ね、ゴルフボールの商品価値を損なうことになる。しかし、ゴルフボールを製造するメーカーにとっては、技術上の追跡、品質保証等の面において、製造ロットをゴルフボールに表示する必要がある。そこで、例えば特許文献1のように、メーカー用識別マークを、使用者用識別マークよりも小さく、かつ、ボール表面の所定位置に印刷により表示することで、美的外観や商品価値が損なわれることを防止したゴルフボールが提案されている。
特開平11−89966号公報
しかしながら、特許文献1に記載のゴルフボールでは、その向きによってはメーカー用識別マークが使用者に明確に認識されるため、ゴルフボールの美的外観や商品価値を損ねるおそれがあり、顧客の購買意欲を高めるためにはさらに改良の余地がある。
そこで、本発明は、メーカー用識別マークを使用者に目立つことなくボール表面に表示することができるゴルフボールを提供することを目的とする。
本発明の上記目的は、メーカー向けの情報を示すメーカー用識別マークと、少なくとも1種類の使用者用識別マークとがボール表面に印刷されたゴルフボールであって、前記メーカー用識別マークの色だけが、前記ボール表面の色とのLab方式による色差が2以上5以下であり、前記メーカー用識別マークは、前記ボール表面に印刷された他の前記使用者用識別マークと、その中心位置の距離が2mm〜10mm離れた位置に印刷されているゴルフボールにより達成される。
上記構成のゴルフボールにおいて、前記メーカー用識別マークを印刷するのに用いられるインキ100重量部に対してメジウムが少なくとも400重量部加えられていることが好ましい。
また、前記メーカー用識別マークは、少なくとも1文字で構成されており、前記文字の大きさが2mm〜4mm×2mm〜4mmであり、複数文字を合わせた全体の文字の大きさが4mm〜8mm×4mm〜8mmであることが好ましい。
また、前記ボール表面には、前記各識別マークを覆うように、透明なクリアコート層が形成されていることが好ましい。
本発明に係るゴルフボールによれば、メーカー用識別マークを使用者に目立つことなくボール表面に表示することができる。
本発明の一実施形態に係るゴルフボールの外観を示す正面図である。 本発明の一実施形態に係るゴルフボールの外観を示す側面図である。 メーカー用識別マークを拡大して示す図である。
以下、本発明に係るゴルフボールの実施形態について図面を参照しつつ説明する。本実施形態に係るゴルフボール1は、図1および図2に示すように、最外層をなすカバー層6の表面(ボール表面)に、使用者がプレー中に自身が使用するゴルフボール1を識別するための使用者用識別マーク2〜4と、ゴルフボールの製造日や金型番号等のメーカー向けの情報を示すためのメーカー用識別マーク5とが、インキ(塗料)を用いて印刷されている。なお、以下の記載においては、適宜、使用者用識別マーク2〜4とメーカー用識別マーク5とをあわせて「識別マーク2〜5」と称する。各識別マーク2〜5の印刷方法としては、ゴルフボールのマーキングに通常用いられている方法、例えば、パッドを用いるパッド印刷法、転写フィルムを用いる転写印刷法、インクジェットによる印刷法等を挙げることができるが、パッド印刷によりボール表面に印刷されることが好ましい。
カバー層6は、図示を省略しているが、その表面(ボール表面)に多数のディンプルが形成されている。ディンプルの直径は3mm〜6mm程度である。カバー層6は、例えばアイオノマーやポリウレタンエラストマー等のような合成樹脂材料から形成され、カバー層6の表面(ボール表面)は、白、赤、ピンク、ブルー、グリーン、オレンジ等の様々な色で着色されている。カバー層6の表面(ボール表面)を着色する方法としては、種々の色の顔料等の着色剤を配合した塗料を用いてカバー層6の表面(ボール表面)を塗装してもよいし、カバー層6を形成する合成樹脂材料中に顔料等の着色剤を配合してカバー層6を形成することでカバー層6自体を着色するようにしてもよい。また、カバー層6の表面(ボール表面)には、ウレタン塗料、アクリル塗料、メタクリル塗料等を塗布することにより、表面全体に透明なプライマーコート層(図示せず)が形成されており、プライマーコート層上に各識別マーク2〜5が印刷されている。このプライマーコート層は、カバー層6と後述するクリアコート層(図示せず)との密着性を上げるために設けられている。
使用者用識別マーク2〜4のうち、使用者用識別マーク2,3はブランドマークであり、使用者用識別マーク4はサイドマークである。ブランドマークを構成する使用者用識別マーク2,3は、本実施形態では互いに同じデザインが用いられており、プレーナンバーを示す数字7と、ブランドネームを表わす文字8およびロゴ9とから構成されている。なお、図1および図2においては、この数字7、文字8およびロゴ9をまとめて使用者用識別マーク2,3であることを示すために、これらを点線状の円で囲っているが、実際のゴルフボールにおいてはこの点線状の円は表示されていない。2つの使用者用識別マーク2,3は、ゴルフボール1を2分する大円C1上であって、ゴルフボール1の中心を通る軸線と交わるボール表面上、すなわち、互いに180度離れた両極の位置にそれぞれ設けられている。一方、サイドマークを構成する使用者用識別マーク4は、大円C1に直交する大円C2上であって、両使用者用識別マーク2,3と90度間隔となるボール表面上に設けられている。この使用者用識別マーク4は、大円C2に沿って延びており、ゴルフボール1を側方から見た場合、ゴルフボール1の置かれている向きを確認することができる。
使用者用識別マーク2〜4は、目視で使用者に視認しやすい色でボール表面に表示されていることが好ましく、例えばボール表面の色が白色である場合には、白色とは異系色のインキ、例えば黒色、赤色、青色等のインキで印刷されるのが好ましい。なお、使用者用識別マーク2〜4の種類、マーキング位置、マークの数などについては、特に限定されるものではなく、文字、数字、商品名、ロゴなどを任意の位置に施すことができる。
一方、メーカー用識別マーク5は、通常、使用者にとっては不要な表示であるため、使用者に容易に認識されないよう目立たず目視で視認しにくい態様で表示されるものである。メーカー用識別マーク5の表示方法としては、例えば、上記の情報を記号化し、数字、アルファベット等により1または複数の文字で表示することができる。
本実施形態においては、メーカー用識別マーク5は、ボール表面の色(例えば白色)と同系色の色を有しており、ボール表面の色とのLab方式による色差が2以上5以下の範囲にある色のインキを用いてボール表面に印刷されている。
Lab方式による色の表示とは、JIS Z 8729に規定された色の表示方法であり、L*値は明度(いわゆる「白さ」)、a*値およびb*値は色相と彩度を示す色度(いわゆる「色あい」)を表わす。L*、a*、b*の各値は、JIS Z 8701またはJIS Z 8728に規定された三刺激値X,Y,Zを用いて、下記式(1)〜(3)により求められる。なお、下記式(1)〜(3)において、Xn、Yn、Znは、完全拡散反射面のXYZ系における三刺激値を示す。また、Y/Yn、X/Xn、Z/Znは、いずれも0.008856より大きい。
(1)L*=116×(Y/Yn)1/3−16
(2)a*=500×[(X/Xn)1/3−(Y/Yn)1/3
(3)b*=200×[(Y/Yn)1/3−(Z/Zn)1/3
また、Lab方式による色差とは、L*値、a*値およびb*値を総合的にみた「色差」であり、JIS Z 8730に規定されている。このLab方式による色差ΔEは、L*値、a*値およびb*値を用いて下記式(4)により求められる。なお、下記式(4)において、ΔL*、Δa*、Δb*は、二つの物体色のL*値、a*値、b*値の差を示す。
(4)ΔE=[(ΔL*)+(Δa*)+(Δb*)1/2
本実施形態のゴルフボール1では、メーカー用識別マーク5を、ボール表面の色との色差ΔEが2以上5以下の範囲であるインキを用いてボール表面に印刷し、ボール表面の色とメーカー用識別マーク5の色との色差ΔEを2以上5以下の範囲とすることにより、メーカー用識別マーク5がボール表面と区別できる程度にほぼ同じ色となる。その結果、後述するように、メーカー用識別マーク5の目視による視認性が低下し、使用者がメーカー用識別マーク5を認識しにくくなるため、ボール表面にメーカー向けの情報を表示してもゴルフボール1の美的外観や商品価値が損なわれることを防止できる。なお、色差ΔEが2より小さいと、メーカー用識別マーク5がボール表面と同化し過ぎてしまい、メーカーがメーカー用識別マーク5を認識できなくなるために好ましくなく、また、色差ΔEが5より大きいと、メーカー用識別マーク5がボール表面で目立ち過ぎてしまい、使用者がメーカー用識別マーク5を容易に認識できるようになるために好ましくない。
上記したメーカー用識別マーク5の印刷に用いられるインキは、一般にインキ(塗料)として市販されている、ウレタン樹脂やエポキシ樹脂等の樹脂成分に、有機系または無機系の着色剤(顔料)、硬化剤、フィラー等が含有されたものを使用することができるが、当該インキにメジウムを追加で適当量配合することがより好ましい。メジウムは、樹脂成分を多く含み、通常のインキに含まれている添加剤が最小限で含まれている、印刷に適するように調整された透明のインキ中間体である(例えば、通常のインキから着色剤(顔料)を除いたものである)。
上記したように、メーカー用識別マーク5をボール表面色との色差ΔEが2以上5以下の範囲であるインキを用いてボール表面に印刷することで、メーカー用識別マーク5の認識性を低下させることができる。ここで、メジウムを上記したインキに別途配合することで、インキ内の顔料成分の含有割合(濃度)が減り、色の濃さ(彩度)が低下するために、メーカー用識別マーク5の色が薄くなって輪郭をぼやかすことができる。よって、メーカー用識別マーク5の視認性をより低下させることができるようなり、ボール表面に目立たないように表示することができる。メジウムの配合量としては、インキ100重量部に対してメジウムが少なくとも400重量部加えられることが好ましい。後述するように、メジウムの配合量が400重量部以下であると、メジウム混入による効果はそれ程得られない。一方、メーカー用識別マーク5の色とボール表面色との色差ΔEの値にもよるが、メジウムの配合量が600重量部より多くなると、メーカー用識別マーク5の輪郭がぼやけ過ぎてしまい、メーカーがメーカー用識別マーク5を認識できなくなるおそれがあるため、メジウムの配合量としては、インキ100重量部に対してメジウムが600重量部以下であることがより好ましい。
なお、メジウムは、インキの一種であるので、メーカー用識別マーク5形成用のインキとよくなじみ、特に、メーカー用識別マーク5形成用のインキがウレタン系の樹脂成分を含む場合には、ウレタン系の樹脂成分を含むメジウムを配合することで、また、メーカー用識別マーク5形成用のインキがエポキシ系の樹脂成分を含む場合には、エポキシ系の樹脂成分を含むメジウムを配合すると、インキとメジウムとの相性が良いので、マークの強度が保たれる。また、ゴルフボール1のボール表面のプライマーコート層を形成する樹脂成分と、メーカー用識別マーク5形成用のインキおよびメジウムの樹脂成分とを同種のものとすることで、メーカー用識別マーク5とボール表面との密着性も高められる。
図1及び図2に示すように、メーカー用識別マーク5を構成する文字は、文字の大きさが使用者用識別マーク2〜4を構成する文字等よりも小さく形成されることがメーカー用識別マーク5をボール表面に目立たなく表示する上で好ましいが、文字の大きさが小さくなり過ぎると、メーカーがメーカー用識別マーク5を認識できなくなるおそれがある。また、図3に示すように、メーカー用識別マーク5を構成する文字50が、ボール表面に形成されたディンプル10の周縁に掛かった場合、ディンプル10の周縁により文字50が分断されるので文字50の判別がつきにくくなる。よって、メーカー用識別マーク5を構成する各文字50は、その一部分にディンプル10の周縁が掛かっても、その全体的なシルエット、つまりは、2つに分断された文字のパーツを視認することで文字の判別ができるように、文字の大きさ(文字を完全に内包する矩形の縦の長さd1×横の長さd2)が2mm〜4mm×2mm〜4mm程度であることが好ましく、3mm×3mm程度であるのがより好ましい。なお、メーカー用識別マーク5の全体的な大きさ(D1(文字列が一段の場合にはd1)×D2)としては、4mm〜8mm×4mm〜8mm程度の範囲内に納まることが好ましい。
メーカー用識別マーク5を印刷する位置としては、使用者用識別マーク2〜4からできる限り離れた位置(例えば、全ての使用者用識別マーク2〜4から90度間隔となるボール表面上の位置や使用者識別マーク4(サイドマーク)と対極となるボール表面上の位置)にメーカー用識別マーク5を印刷すれば、メーカー用識別マーク5がさほど目立つことなくボール表面に表示されるので好ましい。しかし、大量生産が可能であり、ゴルフボールにマークを印刷するのに最もよく用いられているパッド印刷法によりマークを印刷する場合は、インキが付着したパッドをボール表面に押し付けることにより、パッドに付着したインキをボール表面に転写させるため、印刷面数や印刷可能範囲を考慮すると、メーカー用識別マーク5を使用者用識別マーク2〜4から大きく離して印刷するのは困難である。また、使用者用識別マーク2,3は大きく表示されることが多く、パッド印刷の印刷可能範囲内で使用者用識別マーク2,3から離して印刷することが難しい。よって、少なくとも、使用者用識別マーク4から約2mm〜10mm程度離れた位置にメーカー用識別マーク5を印刷するのが好ましい。ここで、使用者用識別マーク4とメーカー用識別マーク5との距離は、使用者用識別マーク4の中心位置O1とメーカー用識別マーク5の中心位置O2とを結ぶ水平線の長さである。一般的に、パッド印刷法による印刷可能範囲は、パッドの中心点から半径10mm以内であり、サイドマーク印刷用のパッドでもパッドの中心点から2mmは必要となる。よって、メーカー用識別マーク5を印刷する際には、パッドの印刷可能範囲を考慮して、使用者用識別マーク4の中心位置O1から約2mm〜10mm離れた位置(パッド上最離間位置)に印刷するのが好ましい。
上記した各使用者用識別マーク2〜4及びメーカー用識別マーク5が印刷されたボール表面には、各識別マーク2〜5を被覆するように、表面全体に透明のクリアコート層(図示せず)が形成されている。このクリアコート層は、ウレタン塗料等を塗布することにより形成され、このクリアコート層により、ボール表面全体の光沢性が高められているとともに、各識別マーク2〜5が保護され、ゴルフボール1の打撃時や転動時に、磨耗等により各識別マーク2〜5が剥がれるのが防止される。また、ボール表面にメーカー用識別マーク5を印刷すると、印刷部分にインキによる凹凸ができ、これにより、メーカー用識別マーク5が認識されやすくなるが、クリアコート層によりメーカー用識別マーク5を覆うことで、上記した凹凸を無くすことができるので、メーカー用識別マーク5をボール表面上でより目立たなくすることもできる。
以上のように、本実施形態のゴルフボール1によれば、メーカー向けの情報としてのメーカー用識別マーク5を、ボール表面の色との色差ΔEが2以上5以下の範囲であるインキを用いてボール表面に印刷し、ボール表面の色とメーカー用識別マーク5の色との色差ΔEを2以上5以下の範囲とすることにより、メーカー用識別マーク5の色をボール表面と区別できる程度にほぼ同じ色とした。これにより、メーカー用識別マーク5の目視による視認性を低下させることができ、使用者がメーカー用識別マーク5を認識しにくくなるため、ボール表面にメーカー向けの情報を確実に表示することができ、また、表示してもゴルフボール1の美的外観や商品価値が損なわれることが防止される。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。例えば、上記実施形態では、メーカー用識別マーク5を、ボール表面の色との色差ΔEが2以上5以下の範囲であるインキを用いてボール表面に印刷し、ボール表面の色とメーカー用識別マーク5の色との色差ΔEを約2以上5以下の範囲としているが、メーカー用識別マーク5を、紫外線やブラックライト等の特殊な光線を照射すると発光しまた照射を停止すると速やかに発光が減衰する発光材料(例えば紫外線発光材料)を含有する特殊インクで印刷することで、ボール表面の色とメーカー用識別マーク5の色との色差ΔEをほぼ「0」として、常時は、メーカー用識別マーク5を使用者が全く認識できないようにしてもよい。これにより、ボール表面にメーカー向けの情報を表示しても、使用者に気付かれることがないため、ゴルフボール1の美的外観や商品価値が損なわれることがなく、また、紫外線やブラックライト等の光線をボール表面に照射することで、メーカーはメーカー用識別マーク5を容易に認識することができる。上記した紫外線発光顔料の例としては、アルミン酸バリウム、硫化酸化イットリウム、酸化ゲルマニウム亜鉛、酸化バリウム、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、塩化リン酸ストロンチウムなどの無機化合物;ローダミンB、ローダミン6G、フルオレセイン、エオシンなどの蛍光染料;及びこれらの蛍光染料を基に合成された蛍光顔料などの有機化合物、等が挙げられる。中でも、無機化合物の発光顔料は、熱安定性および耐候性の点で好ましく、希土類元素で付活したアルミン酸バリウム及び硫化酸化イットリウムは、発光輝度に優れるので好ましい。また、市販されている紫外線発光顔料を用いてもよい。市販されている紫外線発光顔料の例としては、ネモトUV蛍光体/D1164、D1180(根本特殊化学株式会社製)およびPhantom Pigments/IPO18、IPO19(デイグロ社製)等が挙げられる。
また、本発明に係るゴルフボールは、メーカー用識別マーク5がボール表面の色とのLab方式による色差が2以上5以下である、あるいは、色差がほぼ「0」であるという条件を満足するものであればよく、ツーピースゴルフボールやスリーピースゴルフボールといったマルチピースゴルフボールの他、ワンピースゴルフボール、糸巻きゴルフボール等の任意のタイプのゴルフボールに適用できる。
以下に実施例および比較例を示し、本発明をより具体的に説明する。但し、本発明は実施例に限定されない。
ボール表面を白色に着色し、また、ボール表面に白色系のメーカー用識別マークが表示されたゴルフボールを製造した。ゴルフボールは、最内層の球状のゴム組成物からなるコアを、中間層およびカバー層で被覆したいわゆるスリーピースのゴルフボールである。カバー層は、白色の顔料を混合したアイオノマー樹脂を用いて射出成形法によってボールの最外層に形成した。カバー層の表面に透明塗料(ウレタン塗料)を塗装してプライマーコート層を形成した後、その上に、十条ケミカル社製の白色系のインキ(商品名:PAD-07)を使ってパッド印刷法により「2K」の2文字からなるメーカー用識別マークを印刷した。なお、各文字の大きさは、2mm×2mmである。最後に、透明塗料(ウレタン塗料)を塗装してクリアコート層を形成した。なお、実施例2〜5,7〜10および比較例2,3,4,5については、白色系のインキに十条ケミカル社製の透明なメジウム(商品名:PAD-00)を別途混合したものを使用してメーカー用識別マークを印刷した。
コニカミノルタ社製のCM-700dを用いて、実施例1〜10および比較例1〜5の各ゴルフボールの測定を行い、各ゴルフボールの表面の色のL*値、a*値およびb*値を得た。また、各ゴルフボールにおけるメーカー用識別マークのL*値、a*値およびb*値については、白色に着色されたポリカーボネートもしくはABSの樹脂板にインキを塗布し、充分に乾燥した後にクリアコート層を形成した状態でインキのL*値、a*値およびb*値を測定した。そして、ゴルフボール、およびメーカー用識別マークのL*値、a*値、b*値をそれぞれ得た後、ボール表面の色とメーカー用識別マークの色との色差ΔEを求めた。
次に、実施例1〜10および比較例1〜5の各ゴルフボールについて、10人のゴルファーを対象に、手にボールを持って目視で眺めてもらい、メーカー用識別マークの視認性について10段階で評価をしてもらうことで、メーカー用識別マークの視認性を調べた。その結果が表1に示されている。なお、10段階評価の内容は、10が最も認識し易く、1が最も認識しにくい。また、4〜7はメーカー用識別マークの印刷場所が分かっていないと認識出来ないレベルであり、8はメーカー用識別マークに気付くが気にならないレベルであり、3は印刷場所が分かっていれば認識出来るが、文字の識別が難しいレベルである。
表1の結果から、ボール表面の色とメーカー用識別マークの色との色差ΔEが2〜5の範囲であるゴルフボールは、メーカー用識別マークの視認性が悪く、表示されているメーカー用識別マークに違和感を感じることがないことが分かった。これに対し、ボール表面の色とメーカー用識別マークの色との色差ΔEが5を超えると、メーカー用識別マークが容易に認識される(視認性を低下させるメジウムを配合しても容易に認識可能なレベルであるので、メジウム含有率が0%の場合もメーカー用識別マークが容易に認識されることが推認できる)一方で、ボール表面の色とメーカー用識別マークの色との色差ΔEが2より小さいと、視認性が低下し過ぎてメーカーでさえメーカー用識別マークを認識できなくなることが分かった。
また、表1の結果から、メーカー用識別マークを印刷するインキ100重量部に対してメジウムが少なくとも400重量部配合された場合には、メーカー用識別マークの視認性が特に悪く、メーカー用識別マークの認識が困難になることが分かった。また、メジウムの配合量がインキ100重量部に対して600重量部以下である場合には、いずれの色差ΔE(2≦ΔE≦5)のメーカー用識別マーク5についても、メーカーがこれを認識できる程度の視認性を確保できることが分かった。
1 ゴルフボール
2〜4 使用者用識別マーク
5 メーカー用識別マーク

Claims (4)

  1. メーカー向けの情報を示すメーカー用識別マークと、少なくとも1種類の使用者用識別マークとがボール表面に印刷されたゴルフボールであって、
    前記メーカー用識別マークの色だけが、前記ボール表面の色とのLab方式による色差が2以上5以下であり、
    前記メーカー用識別マークは、前記ボール表面に印刷された他の前記使用者用識別マークと、その中心位置の距離が2mm〜10mm離れた位置に印刷されているゴルフボール。
  2. 前記メーカー用識別マークを印刷するのに用いられるインキ100重量部に対してメジウムが少なくとも400重量部加えられている請求項1に記載のゴルフボール。
  3. 前記メーカー用識別マークは、少なくとも1文字で構成されており、前記文字の大きさが2mm〜4mm×2mm〜4mmである請求項1または2に記載のゴルフボール。
  4. 前記ボール表面には、前記各識別マークを覆うように、透明なクリアコート層が形成されている請求項1〜3のいずれかに記載のゴルフボール。
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