以下、本発明の実施の形態の一つにおける画像形成装置について説明する。
[実施の形態]
本実施の形態において、過電圧保護回路は、画像形成装置の内部に設けられている。画像形成装置には、電源装置から制御基板へ電力供給を行う回路が設けられており、この回路は、過電圧保護回路を構成している。
[画像形成装置の構成]
まず、本実施の形態に係る画像形成装置の大まかな構成について説明する。
図1は、本実施の形態に係る画像形成装置の構成を示すブロック図である。
図1に示すように、画像形成装置500は、電源装置2と、制御部20と、操作部511と、不揮発性メモリ527と、インターフェイス部529と、プリント部530とを備えている。画像形成装置500は、用紙などをローラにより搬送しその用紙などに電子写真方式により印刷(プリント)を行うプリント機能や、文書データなどをHDD(Hard Disk Drive)などに保存するサーバ機能などを有している。
電源装置2は、画像形成装置500の筐体の内部に設けられている。電源装置2は、例えば商用の交流電源100に接続され、交流電源100を基に装置各部に電力を供給する。
操作部511は、画像形成装置500の筐体に、ユーザにより操作可能に配置されている。操作部511には、表示パネル513が配置されている。表示パネル513は、例えば、タッチパネルを備えたLCD(Liquid Crystal Display)である。表示パネル513は、ユーザに案内画面を表示したり、操作ボタンを表示してユーザからのタッチ操作を受け付けたりする。表示パネル513は、制御部20のCPU20aにより制御されて表示を行う。操作部511は、表示パネル513や操作ボタン(図示せず)などがユーザにより操作されると、その操作に応じた操作信号又は所定のコマンドをCPU20aに送信する。すなわち、ユーザは、操作部511に操作を行うことにより、画像形成装置500に種々の動作を実行させることができる。
制御部20は、CPU20aと、ROM(Read Only Memory)20bと、RAM(Random Access Memory)20cなどを有している。制御部20は、操作部511、不揮発性メモリ527、インターフェイス部529、及び電源装置2などとともにシステムバスに接続されている。これにより、制御部20と画像形成装置500の各部とが、信号を送受可能に接続されている。
CPU20aは、不揮発性メモリ527に記憶された制御プログラム527aなどを実行することにより、画像形成装置500の種々の動作を制御する。制御プログラムは、例えば、ROM20bなどに記憶されていてもよい。CPU20aは、操作部511から操作信号が送られたり、クライアントPCなどから操作コマンドが送信されたりすると、それらに応じて所定の制御プログラム527aを実行する。これにより、ユーザによる操作部511の操作などに応じて、画像形成装置500の所定の動作が行われる。
ROM20bは、例えばフラッシュROM(Flash Memory)である。ROM20bには、画像形成装置500の動作を行うために用いられるデータや、画像形成装置500の機能設定データなどが記憶されている。CPU20aは、所定の処理を行うことにより、ROM20bからのデータの読み込みや、ROM20bへのデータの書き込みを行う。なお、ROM20bは、書換え不可能なものであってもよい。
RAM20cは、CPU20aのメインメモリである。RAM20cは、後述のようにCPU20aが制御プログラム527aを実行するときに必要なデータを記憶するのに用いられる。
制御部20は、後述のように、制御基板21(図2に示す。)を用いて構成されている。なお、操作部511、不揮発性メモリ527、又はインターフェイス部529など、他の構成要素も制御基板21に設けられていてもよい。
不揮発性メモリ527は、例えばEEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)やフラッシュROMである。不揮発性メモリ527には、画像形成装置500の種々の動作を行うための制御プログラム(プログラム)527aが記憶されている。不揮発性メモリ527は、例えば、インターフェイス部529を介して外部から送られたジョブ(JOB)のデータなどを記憶する。不揮発性メモリ527は、1つのクライアントPC又は複数のクライアントPCなどから送信された複数のジョブを記憶可能である。また、不揮発性メモリ527は、画像形成装置500の電源オフ後も維持しておく必要がある情報をバックアップする。不揮発性メモリ527は、通算プリント枚数や感光体の駆動時間など、画像形成装置500の動作情報を記憶する。これらの情報は、CPU20aにより書き込まれ、読み出される。なお、不揮発性メモリ527は、画像形成装置500の設定情報などを記憶するように構成されていてもよい。また、不揮発性メモリ527は、例えばHDDなどであってもよい。
インターフェイス部529は、例えば、NIC(Network Interface Card)などのハードウェア部と、所定の通信プロトコルで通信を行うソフトウェア部とが組み合わされて構成されている。インターフェイス部529は、例えば、画像形成装置500をLANなどの外部ネットワークに接続する。これにより、画像形成装置500は、外部ネットワークに接続されているクライアントPCなどの外部装置と通信可能になる。
プリント部530は、大まかに、用紙を搬送する用紙搬送部(図示せず)と、搬送される用紙にトナー像を形成するトナー像形成部(図示せず)と、定着装置540と、駆動部550とを有している。プリント部530は、例えばいわゆるタンデム方式でCMYKの4色の画像を合成し、用紙にカラー画像を形成する。
トナー像形成部は、現像ユニット531と、トナーボトル533と、中間転写ベルト、転写ローラ、及びレーザスキャンユニットなど(図示せず)とで構成されている。トナー像形成部は、現像ユニット531やトナーボトル533などを用いてトナー像を中間転写ベルト上に形成し、それを転写ローラにより用紙に転写する。
なお、現像ユニット531とトナーボトル533とのそれぞれには、CPU20aが情報を読み書き可能な不揮発性メモリ531a,533aが搭載されている。CPU20aにより不揮発性メモリ531a,533aに寿命情報などが読み書きされることで、現像ユニット531やトナーボトル533の寿命管理などが行われる。
定着装置540は、加熱ローラと加圧ローラとでトナー像が形成された用紙を挟みながら搬送し、その用紙に加熱及び加圧を行う。これにより、定着装置540は、用紙に付着したトナーを溶融させて用紙に定着させ、用紙に画像を形成する。定着装置540を経由した用紙は、画像形成装置500の筐体から排紙される。
駆動部550は、例えば、いくつかのモータを有している。駆動部550は、制御部20による制御の下でそれらのモータを駆動させることで、画像形成装置500を動作させる。
[過電圧保護回路の構成]
図2は、本実施の形態に係る過電圧保護回路を示す図である。
過電圧保護回路1は、電源装置2と、画像形成装置の制御部20を構成する制御基板21とで構成されている。すなわち、過電圧保護回路1は、電源装置2から制御部20に電力供給を行う回路を構成する。
図2に示すように、電源装置2は、メインDC/DCコンバータ(第1のDC/DCコンバータの一例;以下、メインコンバータということがある。)3と、サブDC/DCコンバータ(第2のDC/DCコンバータの一例;以下、サブコンバータということがある。)103とを有している。電源装置2には、2つのコネクタ26,29が設けられている。コネクタ26,29は、それぞれ、2つのラインを有している。
メインコンバータ3は、制御基板21に電力供給を行うためのものである。メインコンバータ部3の出力電圧は、例えば24Vである。サブコンバータ103は、制御基板21に電力供給を行うためのものである。サブコンバータ103の出力電圧は、例えば5Vである。メインコンバータ3とサブコンバータ103とは、交流電源100に並列に接続されている。メインコンバータ3とサブコンバータ103とのそれぞれには、交流電源100から交流電力が供給される。
メインコンバータ3には、大まかに、一次側の整流ダイオードD5と、一次側の平滑コンデンサC6と、トランスT7と、二次側の整流ダイオードD10と、二次側の平滑コンデンサC11と、出力電圧監視部14と、電流制御部15と、スイッチ回路(SW)16と、過電圧検出部31と、過電圧検出ツェナーダイオード(以下、単にツェナーダイオードということがある。)Z32などが設けられている。
図2に示すように、メインコンバータ3において、交流電源100のLラインには、整流ダイオードD5のa点が接続されている。また、交流電源100のNラインには、整流ダイオードD5のb点が接続されている。
平滑コンデンサC6は、そのプラス(+)端子が整流ダイオードD5のカソードに接続され、そのマイナス(−)端子が整流ダイオードD5のアノードに接続されて、配置されている。
トランスT7の一次巻線8は、平滑コンデンサC6に並列に接続されている。平滑コンデンサC6のマイナス端子と一次巻線8との間には、スイッチ回路16が挿入されている。トランスT7の二次巻線9は、平滑コンデンサC11に並列に接続されている。二次巻線9と平滑コンデンサC11のプラス端子との間には、整流ダイオードD10が挿入されている。整流ダイオードD10のアノードは二次巻線9に、カソードは整流ダイオードD10に、それぞれ接続されている。
過電圧検出部31は、平滑コンデンサC11に並列に接続されている。過電圧検出部31には、ツェナーダイオードZ32のアノードが接続されている。ツェナーダイオードZ32のカソードは、整流ダイオードD10のカソードに接続されている。過電圧検出部31は、電源制御部15に過電圧信号33を送信可能である。過電圧信号33は、メインコンバータ3における二次側から一次側への過電圧検出信号である。
出力電圧監視部14は、過電圧検出部31に並列に接続されている。出力電圧監視部14には、互いに直列に接続された分圧抵抗R12,R13が並列に接続されている。出力電圧監視部14には、例えば24Vの直流の電圧出力を分圧抵抗R12,R13により分圧した基準電圧が入力される。出力電圧監視部14は、フィードバック信号18を出力可能に、一次側の電源制御部15に接続されている。すなわち、フィードバック信号18は、メインコンバータ3における二次側から一次側へのフィードバック信号である。
電源制御部15には、トランスT7の補助巻線17が接続されている。電源制御部15は、補助巻線17からの電力を駆動電源として動作する。電源制御部15には、出力電圧監視部14から出力されたフィードバック信号18と、過電圧検出部31又は後述のサブコンバータ103の過電圧検出部131から出力された過電圧信号33とが入力される。電源制御部15は、フィードバック信号18及び過電圧信号33に応じて電源制御信号19をスイッチ回路16に出力する。
サブコンバータ103には、大まかに、一次側の整流ダイオードD105と、一次側の平滑コンデンサC106と、トランスT107と、二次側の整流ダイオードD110と、二次側の平滑コンデンサC111と、出力電圧監視部114と、電流制御部115と、スイッチ回路(SW)116と、過電圧検出部131と、過電圧検出ツェナーダイオード(以下、単にツェナーダイオードということがある。)Z132などが設けられている。
図2に示すように、サブコンバータ103において、交流電源100のLラインには、整流ダイオードD105のc点が接続されている。また、交流電源100のNラインには、整流ダイオードD105のd点が接続されている。
平滑コンデンサC106は、そのプラス端子が整流ダイオードD105のカソードに接続され、そのマイナス端子が整流ダイオードD105のアノードに接続されて、配置されている。
トランスT107の一次巻線108は、平滑コンデンサC106に並列に接続されている。平滑コンデンサC106のマイナス端子と一次巻線108との間には、スイッチ回路116が挿入されている。トランスT107の二次巻線109は、平滑コンデンサC111に並列に接続されている。二次巻線109と平滑コンデンサC111のプラス端子との間には、整流ダイオードD110が挿入されている。整流ダイオードD110のアノードは二次巻線109に、カソードは整流ダイオードD110に、それぞれ接続されている。
過電圧検出部131は、平滑コンデンサC111に並列に接続されている。過電圧検出部131には、ツェナーダイオードZ132のアノードが接続されている。ツェナーダイオードZ132のカソードは、整流ダイオードD110のカソードに接続されている。過電圧検出部131は、電源制御部115に過電圧信号133を送信可能である。過電圧信号133は、サブコンバータ103における二次側から一次側への過電圧検出信号である。
出力電圧監視部114は、過電圧検出部131に並列に接続されている。出力電圧監視部114には、互いに直列に接続された分圧抵抗R112,R113が並列に接続されている。出力電圧監視部114には、例えば5Vの直流の電圧出力を分圧抵抗R112,R113により分圧した基準電圧が入力される。出力電圧監視部114は、フィードバック信号118を出力可能に、一次側の電源制御部115に接続されている。すなわち、フィードバック信号118は、サブコンバータ103における二次側から一次側へのフィードバック信号である。
電源制御部115には、トランスT107の補助巻線117が接続されている。電源制御部115は、補助巻線117からの電力を駆動電源として動作する。電源制御部115には、出力電圧監視部114から出力されたフィードバック信号118と、過電圧検出部131又はメインコンバータ3の過電圧検出部131から出力された過電圧信号133とが入力される。電源制御部115は、フィードバック信号118及び過電圧信号133に応じて電源制御信号119をスイッチ回路116に出力する。
メインコンバータ3及びサブコンバータ103は、過電圧検出部31,131、電源制御部15,115、及びスイッチ回路16,116などを有していることにより、それぞれ、過電圧から保護するための回路を有している。これにより、出力電圧が高すぎる状態となる、過電圧状態になることが防止されている。
メインコンバータ3の出力ラインは、コネクタ26に接続されている。また、サブコンバータ103の出力ラインは、コネクタ29に接続されている。
制御基板21は、DC/DCコンバータ部(第3のDC/DCコンバータの一例;以下コンバータ部ということがある。)22と、3.3V回路部(負荷の一例;以下、第1回路部ということがある。)23と、ダイオードD24と、5V回路部(負荷の一例;第2回路部ということがある。)25とを有している。また、制御基板21には、2つのコネクタ27,30が設けられている。コネクタ27,30は、それぞれ、2つのラインを有している。
電源装置2のコネクタ26と制御基板21のコネクタ27とは、ハーネス28を介して接続されている。また、電源装置2のコネクタ29と制御基板21のコネクタ30とは、ハーネス31を介して接続されている。すなわち、コネクタ27には、メインコンバータ3の出力電圧が入力される。コネクタ29には、サブコンバータ103の出力電圧が入力される。
制御基板21において、コネクタ27の2つのラインには、コンバータ部22が接続されている。コンバータ部22は、第1回路部23に接続されている。すなわち、コンバータ部22は、メインコンバータ3に接続されており、コンバータ部22にはメインコンバータ3の出力電圧が入力される。コンバータ部22の出力電圧は、例えば3.3Vである。3.3Vの電圧は、第1回路部23に供給される。すなわち、過電圧保護回路1において、電源装置2から制御基板21までの間は高圧(24V)にて電力を伝送することで電圧降下の影響を小さくし、制御基板21内においてコンバータ部22により、実際に第1回路部23で必要とされる電圧(3.3V)の電力を生成するように構成されている。換言すると、コンバータ部22は、電源装置2と制御基板21との間の電圧降下の影響を小さくするために制御基板21内に設けられている。
また、制御基板21において、コネクタ30の2つのラインは、第2回路部25に接続されている。すなわち、サブコンバータ103から入力された5Vの電圧が、第2回路部25に入力される。
ここで、図2に示すように、本実施の形態において、コンバータ部22の出力端と第1回路部23の入力端との間には、ダイオードD24のアノードが接続されている。また、コネクタ30と第2回路部25の入力端との間には、ダイオードD24のカソードが接続されている。換言すると、ダイオードD24のアノードは、第1回路部23への電力供給ラインの高圧側(3.3Vのライン;コンバータ部22の出力側ライン)に接続され、ダイオードD24のカソードは、第2回路部25への電力供給ラインの高圧側(5Vのライン)に接続されている。ここで、第2回路部25への電力供給ラインは、サブコンバータ103の出力側ラインである。すなわち、ダイオードD24は、コンバータ部22の出力側ラインから、サブコンバータ103の出力側ラインを介してサブコンバータ103の過電圧から保護するための回路を構成する過電圧検出部131につながるように、接続されている。
[過電圧保護回路1の動作の説明]
まず、過電圧保護回路1の通常時(過電圧状態が発生していないとき)の動作について説明する。
制御基板21の負荷である第1回路部23及び第2回路部25は、電源装置2から電力の供給を受けて、動作する。電源装置2は、交流電源100から電力が供給されて動作する。
電源装置2に交流電源100から供給された電力は、メインコンバータ3及びサブコンバータ103に供給される。メインコンバータ3は、交流電源100から電力が供給されると、整流ダイオードD5により交流を整流し、平滑コンデンサC6により平滑する。トランスT7は電力を変圧し、電圧V20の電力を二次側から出力する。
トランスT7から出力された電圧V20の電力は、整流ダイオードD10により整流され、平滑コンデンサC11により平滑され、コネクタ26,27及びハーネス28を介して制御基板21に供給される。供給される電力の電圧は24Vである。
また、メインコンバータ3において、24Vの出力は分圧抵抗R12,R13により分圧され、その分圧された電圧は、出力電圧監視部14に入力される。出力電圧監視部14は、入力された分圧後の電圧のレベルを監視することにより、24Vの出力の電圧レベルを監視する。出力電圧監視部14は、分圧後の電圧のレベルを監視し、フィードバック信号18を電源制御部15に送信する。
電源制御部15は、フィードバック信号18を受信し、スイッチ回路16を制御する。電源制御部15は、メインコンバータ3の出力の電圧レベルが24Vになるように、スイッチ回路16を制御する。すなわち、電源制御部15からスイッチ回路16には、電源制御信号19が送信される。スイッチ回路16は、電源制御信号19に応じてオン/オフ動作を行う。このようにPMW(パルス幅変調)制御すなわちトランスT7のスイッチング制御が行われることで、メインコンバータ3から出力される電力の電圧が24Vに維持される。
他方、サブコンバータ103は、交流電源100から電力が供給されると、整流ダイオードD105により交流を整流し、平滑コンデンサC106により平滑する。トランスT107は電力を変圧し、電圧V120の電力を二次側から出力する。
トランスT107から出力された電圧V120の電力は、整流ダイオードD110により整流され、平滑コンデンサC111により平滑され、コネクタ29,30及びハーネス31を介して制御基板21に供給される。供給される電力の電圧は5Vである。
また、サブコンバータ103において、5Vの出力は分圧抵抗R112,R113により分圧され、その分圧された電圧は、出力電圧監視部114に入力される。出力電圧監視部114は、入力された分圧後の電圧のレベルを監視することにより、5Vの出力の電圧レベルを監視する。出力電圧監視部114は、分圧後の電圧のレベルを監視し、フィードバック信号118を電源制御部115に送信する。
電源制御部115は、フィードバック信号118を受信し、サブコンバータ103の出力の電圧レベルが5Vになるように、スイッチ回路116を制御する。すなわち、電源制御部115からスイッチ回路116には、電源制御信号119が送信される。スイッチ回路116は、電源制御信号119に応じてオン/オフ動作を行う。このようにPMW制御すなわちトランスT107のスイッチング制御が行われることで、サブコンバータ103から出力される電力の電圧が5Vに維持される。
制御基板21は、メインコンバータ3から24Vの電力が供給され、また、サブコンバータ103から5Vの電力が供給されて動作する。すなわち、メインコンバータ3から供給された電力は、コンバータ部22において変圧される。コンバータ部22からは、電圧が3.3Vの電力が出力される。第1回路部23には、コンバータ部22の出力電圧である3.3Vの電力が供給され、動作する。
また、サブコンバータ103から供給された電力は、そのまま、第2回路部25に供給される。すなわち、第2回路部25は、サブコンバータ103からの5Vの電圧の電力が供給されて動作する。
なお、第1回路部23には、CPU20aや、種々の不揮発性メモリやその他のメモリ、回路素子など、比較的駆動電圧が低い素子で構成される制御回路23aが含まれている。制御回路23aは、3.3Vの駆動電圧で動作するものである。他方、第2回路部25には、センサ25aなど、第1回路部23を構成する素子と比較して駆動電圧が高い素子が含まれている。センサ25aは、例えば、定着装置540の温度センサや、操作部511などに用いられるセンサなどである。これらのセンサ25aなどの素子は、5Vの駆動電圧で動作するものである。
次に、過電圧保護回路1の過電圧保護動作について説明する。過電圧保護動作は、過電圧保護回路1において過電圧状態が発生したときに行われる動作である。
メインコンバータ3の出力側ライン(24V出力)で過電圧状態が発生したときには、過電圧保護回路1は、次のように動作する。すなわち、出力側ラインに接続されているツェナーダイオードZ32は、過電圧状態が発生したときに、その過電圧のレベルに応じた電圧を、過電圧検出部31に入力する役割を果たす。これにより、過電圧検出部31により、メインコンバータ3の出力側ラインの過電圧に関する状態が監視される。
メインコンバータ3の出力側ラインの電圧がツェナーダイオードZ32で設定された電圧を超えると、過電圧検出部31から過電圧信号33,133が出力される。過電圧信号33は、メインコンバータ3の電源制御部15に送られ、過電圧信号133は、サブコンバータ103の電源制御部115に送られる。
電源制御部15は、過電圧信号33を受信すると、出力側ラインの24Vの出力が停止するように、電源制御信号19をスイッチ回路16へ送信する。これにより、PWM制御が停止される。この動作により、トランスT7のスイッチング制御が停止し、24Vの電圧の出力が停止状態となる。また、これにより、制御基板21のコンバータ部22に入力される電力がなくなるため、コンバータ部22からの3.3Vの出力も停止され、第1回路部23への電力供給が停止される。
また、サブコンバータ103の電源制御部115は、過電圧信号133を受信すると、サブコンバータ103の出力側ラインの5Vの出力が停止するように、電源制御信号119をスイッチ回路116に送信する。これにより、PWM制御が停止される。この動作により、トランスT107のスイッチング制御が停止し、5Vの電圧の出力が停止状態となる。また、これにより、制御基板21の第2回路部25への電力供給が停止される。
他方、サブコンバータ103の出力側ライン(5V出力)で過電圧状態が発生したときには、過電圧保護回路1は、次のように動作する。すなわち、出力側ラインに接続されているツェナーダイオードZ132は、過電圧状態が発生したときに、その過電圧のレベルに応じた電圧を、過電圧検出部131に入力する役割を果たす。これにより、過電圧検出部131により、サブコンバータ103の出力側ラインの過電圧に関する状態が監視される。
サブコンバータ103の出力側ラインの電圧がツェナーダイオードZ132で設定された電圧を超えると、過電圧検出部131から過電圧信号33,133が出力される。過電圧信号133は、電源制御部115に送られ、過電圧信号33は、メインコンバータ3の電源制御部15に送られる。
電源制御部115は、過電圧信号133を受信すると、出力側ラインの5Vの出力が停止するように、電源制御信号119をスイッチ回路116に送信する。これにより、PWM制御が停止される。この動作により、トランスT107のスイッチング制御が停止し、5Vの電圧の出力が停止状態となる。また、これにより、制御基板21の第2回路部25への電力供給が停止される。
また、メインコンバータ3の電源制御部15は、過電圧信号33を受信すると、メインコンバータ3の出力側ラインの24Vの出力が停止するように、電源制御信号19をスイッチ回路16へ送信する。これにより、PWM制御が停止される。この動作により、トランスT7のスイッチング制御が停止し、24Vの電圧の出力が停止状態となる。また、これにより、制御基板21のコンバータ部22に入力される電力がなくなるため、コンバータ部22からの3.3Vの出力も停止され、第1回路部23への電力供給が停止される。
ここで、本実施の形態では、制御基板21において、コンバータ部22の3.3Vの出力端と、第2回路部25の入力端とに、ダイオードD24が接続されている。これにより、ツェナーダイオードZ132と、過電圧検出部131とにより、コンバータ部22の3.3Vの出力側ラインの過電圧に関する状態が監視される。
すなわち、コンバータ部22の出力側ラインにおいて過電圧状態が発生すると、ダイオードD24を介してコンバータ部22の出力側ラインが過電圧検出部131などに接続されていることにより、コンバータ部22の出力側ラインの電圧がツェナーダイオードZ132で設定された電圧を超える。このとき、過電圧検出部131から、過電圧信号33,133が出力される。過電圧信号33,133は、メインコンバータ3の電源制御部15と、サブコンバータ103の電源制御部115とにそれぞれ送られる。
このように、コンバータ部22の出力側ラインで過電圧状態が発生したとき、過電圧検出部131から過電圧信号33,133が送られることにより、サブコンバータ103におけるPWM制御及びメインコンバータ3におけるPMW制御がそれぞれ停止される。したがって、このとき、上述と同様に、メインコンバータ3の出力とサブコンバータ103の出力とが共に停止状態となる。また、これに伴い、コンバータ部22の出力も停止される。
図3は、過電圧保護回路1の過電圧保護動作について説明するフローチャートである。
上記のような過電圧保護回路1の過電圧保護動作について、図3を参照しながら説明する。
過電圧保護動作が開始されると、ステップS101において、メインコンバータ3が動作する。メインコンバータ3は、交流電源100から電力が供給されることで駆動される。
ステップS103において、メインコンバータ3では、ツェナーダイオードZ32により設定される電圧よりも出力側ラインの電圧が低いか否かが検出される。
ステップS103において電圧が低いときには、ステップS105において、メインコンバータ3から出力された電力に基づいて、コンバータ部22が動作する。他方、ステップS103において電圧が高いときには、ステップS131の動作及びステップS141の動作が行われる。
他方、過電圧保護動作が開始されると、ステップS107において、サブコンバータ103が動作する。サブコンバータ103は、交流電源100から電力が供給されることで駆動される。
サブコンバータ103が動作している場合であって、メインコンバータ3の出力側ラインにおいて過電圧が発生していないとき(S103でYES、S105)、ステップS109において、サブコンバータ103で、ツェナーダイオードZ132により設定される電圧よりも、出力側ラインの電圧が低いか否かが検出される。すなわち、このとき、サブコンバータ103で過電圧状態が発生していないか否かと、コンバータ部22で過電圧状態が発生していないか否かが併せて検出される。
ステップS109で電圧が低いときすなわちメインコンバータ3、サブコンバータ103、及びコンバータ部22のそれぞれの出力側ラインで過電圧状態が発生していないとき、過電圧保護回路1の通常の動作が行われる。
すなわち、ステップS111において、第2回路部25に、サブコンバータ103からの5Vの電力が供給される。これにより、ステップS113において、第2回路部25が、通常の動作状態となる。また、ステップS115において、第1回路部23に、メインコンバータ3が出力する電力に基づいた、コンバータ部22で変圧された3.3Vの電力が供給される。これにより、ステップS117において、第1回路部23が、通常の動作状態となる。
他方、ステップS109で電圧が高いとき、すなわち、メインコンバータ3の出力側ラインで過電圧状態が発生していなくてもサブコンバータ103の出力側ライン又はコンバータ部22の出力側ラインで過電圧状態が発生しているときには、ステップS131の動作及びステップS141の動作が行われる。
すなわち、ステップS131の動作及びステップS141の動作は、メインコンバータ3の出力側ライン、サブコンバータ103の出力側ライン、及びコンバータ部22の出力側ラインのいずれかで過電圧状態が発生しているときに行われる。
ステップS131において、メインコンバータ3の動作が停止する。この動作は、過電圧検出部31又は過電圧検出部131から過電圧信号33が送られることにより行われる。これにより、ステップS133において、コンバータ部22の動作が停止し、ステップS135において、第1回路部23への電力の供給が停止される。したがって、ステップS137において、第1回路部23が停止状態になる。
また、ステップS141において、サブコンバータ103の動作が停止する。この動作は、過電圧検出部31又は過電圧検出部131から過電圧信号133が送られることにより行われる。これにより、ステップS143において、第2回路部25への電力の供給が停止される。したがって、ステップS145において、第2回路部25が停止状態になる。
[実施の形態における効果]
以上のように構成された画像形成装置500の過電圧保護回路1では、制御基板21のコンバータ部22の出力側ラインからサブコンバータ103の過電圧検出部131及びツェナーダイオードZ132にダイオード24が接続されている。すなわち、コンバータ部22の出力側ラインは、メインコンバータ3の出力側ラインよりも電圧が低く、メインコンバータ部22の出力側ラインよりも電圧が高いサブコンバータ103の出力側ラインに、ダイオード24を介して接続されている。これにより、電源装置2のサブコンバータ103側の過電圧を保護するための回路、すなわち過電圧検出部131及びツェナーダイオードZ132、電源制御部115、及びスイッチ回路116は、サブコンバータ103の出力ラインの過電圧から保護する用途と、コンバータ部22の出力側ラインの過電圧から保護する用途との2つの用途に共通して用いることができる。したがって、コンバータ部22の出力側ラインの過電圧からの保護を行うために、専用の複雑な回路を設ける必要がなくなる。制御基板21内の過電圧保護のための素子は少なくて済むので、制御基板21の小型化を達成することができる。また、簡素な回路構成により、過電圧保護回路1の動作が単純なものになる。
[その他]
メインコンバータ、サブコンバータ、及び制御基板のコンバータ部のそれぞれの出力電圧は、上記に限られるものではない。
画像形成装置としては、モノクロ/カラーの複写機、プリンタ、ファクシミリ装置やこれらの複合機(MFP)などいずれであってもよい。電子写真方式により画像を形成するものに限られず、例えばいわゆるインクジェット方式により画像を形成するものであってもよい。
また、本発明に係る過電圧保護回路は、画像形成装置に用いられるものに限られない。例えば、本発明は、画像データを読み取るスキャナ装置や、撮像装置や、画像データ送受信装置や、その他の情報処理装置など、種々の装置に用いられる過電圧保護回路においても適用可能である。
上記実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。