JP5706572B1 - 津波避難シェルター - Google Patents

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Abstract

【課題】東日本震災で二万人以上の市民が避難を完了することなくして亡くなった、それは避難施設までの移動距離は、特に車いす利用者を始めとして、老人や子供や視覚障害者などにとって非常に長いので、避難時間を大幅に短縮する工法を考案した。【解決手段】寝たきりの被介護者等が少数の介護者の補助で避難が可能であり、車いす利用者が自力でシェルター本体1の内部へ避難出来る構造とした。脱出に際しても入場の時と同様に、自力でシェルター本体1及びシェルタードック2の外部へ脱出できる構造とした。【選択図】図1

Description

本発明は、津波避難シェルターに関する。
先ほど発生した東日本大震災において、午後2時過ぎの明るい時間帯にも関わらず2万人に近い死亡者が発生した。その中には、車いす利用者や老人介護施設の入居者が少なからず存在した。それは、健常者と同程度の避難行動が取れずに亡くなった人や老人介護施設等で屋上等への避難が完了出来ずに亡くなった人が少なからずいたということに他ならない。
主な原因を考察すると、二つの重要な原因が考えられる。その壱は、どうせ津波なんて来ないであろうという安堵に基づいた避難行動の開始の遅れ。その弐としては、地震により交流電源が失われエレベーターが使用できなくなり、その結果として短時間に避難を完了することが出来ないまま津波に呑み込まれてしまったことが原因と考えられる。特に車いす利用者やベツトに寝たきりの被介護者にとつては、避難に必要とする時間が健常者の2〜3倍以上の労力が必要とされる。
平成26年9月中旬にNHKのテレビ番組で津波被害の詳細なレポートが放送された。宮城県南三陸町の志津川病院の鉄筋5階建ての病棟での避難報告の詳細であった。停電により外部電源の喪失によりエレベーターが使用不能となった。そこで、3,4階の病棟の患者を5階に移動する際に、車いす及び担架が使用された。1人の患者を移動させるのに、職員が2〜3人必要とされた。その結果、40分後には入院患者の約30パーセントを避難させることができた。しかし、避難出来なかった70パーセントに相当する患者は、4階まで津波による海水が浸入し結果により、63人の患者と4人の病院の職員が死亡した。しかし、内科部長の証言によれば、約3時間後の夕方には、津波は完全に引いたとの報告がされていた。また、一方で医療防災マニアルには、特に医者や看護師等の医療従事者は優先的に生き残らなければならないことを明記している。このような矛盾した現場の実例を根拠として開発の必要性を認識した。
要するに、避難時間が短すぎるということである。通常の社会生活においても、緊急避難行動を開始するに当たって最も不利な状況を仮定してみる。冬季、雨天、真夜中、就寝時、入浴時、老人、病人、子供、離島、海岸線、小規模集落などが要件として考えられる。
このような要件が2つ、3つ重なった条件の上に更に車いす利用者やベツトでの被介護者が、最低限の準備を整えて5分以内に避難行動を完了することが出来るであろうか。ほとんどの対象者にとっては、不可能と言わざるを得ない。避難時間の短縮のためにこの工法を考案した。
仮にもし、既設建物の内部から水平に移動して入場できるシェルターがあったならば、ほとんどの車いす利用者や寝たきりの被介護者等を津波に巻き込まれることから救うことが出来たであろう。また、このような専用シェルターが多数存在することにより、健常者も同じシェルター内に避難することが出来る。
特開2013 ―234556号公報 先行例1は、ただ単なる櫓にしかすぎず、最上ステージまで上るためのスロープにしか過ぎず、想定以上の津波が到来した場合には、だれも助かることはない。また、中心支柱の基礎構造も一切記載されておらず、津波の横方向のモーメントに対抗できる能力があるかが期待できない。 特開2013 ―249620号公報 先行例2は、上側シェルターから下側シェルターに向かって避難行動をしなければならない。両方のシェルターとも鉄筋コンクリート製の1層構造である。また、複数ある密閉扉の内どれか1つが破壊等により水密扉の水密性が失われた場合は、下側シェルターの内部が全て水没してしまう。 特開2014 ―009548号公報 先行例3は、エレベーターポストにラックアンドピニオン式の搬器が装備されている。しかし、すべての装置が屋外に露出されており、日常的には耐久性が低い。また、地震発生時において、交流電源が喪失する可能性が高いことを前提とすれば、ラック式のエレベーター機能は、震災時には機能しない可能性が高い。つまりは、鉄骨製の屋外階段にしか過ぎない。
従来の常識的な考えでは、シェルター本体がコンクリート製又は、金属製のものを地下に埋設する方法が一般的であり、しかもシェルターに侵入するには、階段又は梯子を使用しなければならなかった。それは、車いす使用者にとって全く不可能といわざるを得ない。更にこれまでには、車いす利用者が自力で、又は被介護者がベツトのままで入場が可能な津波避難シェルターが開発されていなかった。
現在発売されているシェルターには、2種類ある。1つは、海面浮上式である。確かに
津波に呑まれて溺死する危険性は軽減されているが、いったん引き潮に乗ってしまい外洋
に出てしまったらならば、容易に発見されることはない。津波の発生が深夜ならば、早朝まで捜索は行われないことを前提に考えれば、救助されるまでに相当な距離外洋に流され
てしまっている。もう1つは地下埋設型で完全密閉式のものである。これも確かに、溺死
する危険性がかなり軽減されているものの、酸素ボンベと二酸化炭素吸着式清浄機を併用
すれば、12時間から24時間の酸素の確保は最低でも可能となる。もしも、それまでにシェルターから脱出もしくは、外気取り入れが出来ない場合は、シェルター内で酸素欠乏にて死にいたる。このような問題点をすべて解決した発明を考案した。
防水扉9を装備したシェルタードック2の内部は、複合床パネル3により複数階に区切られており、かつ、各階の内部には水密扉8を装備したシェルター本体1が内蔵したことを特徴とする津波避難シェルターであり、かつ、シェルター本体1には、水密扉8と相対する位置に水密ハッチ6が装備され、かつシェルタードック2には、防水扉9と相対する位置に脱出扉10が装備されていることを特徴とする請求項1に記載の津波避難シェルターであり、かつ、シェルタードック2には、シェルタードック2を中心として既設建物38と反対の位置にリフト室35が装備されており、その内部にはリフト支柱16に従って上下動が可能な可動式プラットホーム36が装備されていることを特徴とする請求項1乃至2のいずれか1項に記載の津波避難シェルターであり、かつ、シェルタードック2の外部には、複合床パネル3と可動式プラットホーム36を連結するための外部プラットホーム5が装備されたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の津波避難シェルター
シェルター本体1のサイズも比較的小さいものを前提とした。収容人数が1人から30人程度のものを想定して、容積量も1 .0〜100m程度までのものとした。既設建物の敷地等の関係があるので、比較的コンパクトなものを開発した。
車いす利用者は、階段や梯子を使用することにより、シェルター本体1に入場する形式のものを使用することは不可能である。また、寝たきりの被介護者や外科的手術を受けて回復期間内の患者などは、自力歩行が困難であるために第三者による救助を借りないとシェルターに入場が出来ないという心配がなくなった。1人の介護士の力でも寝たきりの被介護者の津波避難を完了することが可能となった。もし、避難先が同一階であるならば、車いすやベツトを手動で移動することは容易である。東日本大震災に於いては、老人介護施設や一般病院で身体的に不自由な施設利用者の避難行動に手間取った。平行移動であれば、非力な女性介護士でも避難作業が行える。またさらに、シェルター本体1及びシェルタードック2を階層式に構成した場合において、脱出経路を更に進化させた。
一方、既設建物に接続するシェルターを開発した意味は、現在運用されている病院や介護施設を高台へ移築するための時間と費用がない場合には、非常に有効な工法となる。
我が国の現在や近い将来の財政事情を基準に考えると、国内の津波危険地域の全てを高台に新設する時間と費用は、期待できないことは明白である。
そこで、既設建物を極力使用して、かつ、津波対策を十分に行う為にこの工法を考案した。全国内において、現在の町並みは歴史が証明しているように、経済的に有益であり、そこに住む市民は、各町並みに基づいて経済活動を営んでいる。この経済活動を維持することも発明家としての課題とした。
この街並みを維持したままでの津波対策方法に於いては、地元住民は現地の状況を誰よりも把握しているので、救出活動へのアプローチ活動が迅速となる。なぜならば、隣りや近所に備えられている津波避難シェルターの存在の特定は、現地住民が最も把握していると考えるからである。附則的に近い将来には、警察、消防、地方自治体には、地下シェルターを把握する為の台帳となるものを装備する必要性は存在する。
東日本震災の実例から考えて、自衛隊、消防隊、警察などの到着は少なくても24時間
近くはかかることを前提としておいた方がよい。後は、酸素欠乏との戦いである。幸いにも、病院や老人介護施設等には、医療用の液体酸素ボンベが常備されている。一般の建物と比べれば、液体酸素の備蓄量は十分に備わっていることは、最大の利点である。また、二酸化炭素の吸着剤等についても、十分な備蓄量が期待できる。病院関係者であれば、酸素ボンベや二酸化炭素吸着装置の取り扱いには、慣れていることも有利な点である。
この工法は、現場での施工時間も短い。特に、国内の離島、海岸線の小規模集落に設置するにも、大型の建設機械等の用意は必要ないので、普及の速度も期待できる。近い将来には、全世界の海抜ゼロメートル地帯への普及ができる。
工事は、全面建て替えと比べて相当安価な金額により着手できることが、最大の利点である。新築住宅の建設時においての避難シェルターの開発は他にもあるが、既設の建物については他にない。今後の普及速度の高速化も可能となる。
本発明の縦断面図を示す。 本発明の中高層階の縦断面図を示す。 本発明の階段室の縦断面図を示す。 本発明のリフト室の縦断面図を示す。 本発明の中高層階の平面図を示す。 本発明の脱出扉の詳細図 (1)正面図 (2)断面図 を示す。 本発明の嵌め殺し鋼製鉄板の詳細図 (1)断面図 (2)平面図 を示す。
図1の説明をする。防水扉9を装備した鉄筋コンクリート製又は、鉄骨鉄筋コンクリート製のシェルタードック2は、内部が1又は複数の複合床パネル3により複数階に仕切られており、内部には水密扉8を装備したシェルター本体1が各階に配置されている。本発明は、既設建物に接続して建設することも可能なシェルターとしても考案した。シェルター本体1は、ガラス繊維、カーボン繊維、ケプラー繊維、強化プラッチック、コンクリート又は、金属の軽量資材により工場内製造にて完成品または、準完成品のものを使用することとした。形状については、立方体、円筒体、多面体とし軽量材料の物性上可能な範囲とする。
実施例は、一般住宅に多い2階建て建物に適用した事例を示した。津波発生時の瓦礫による衝撃を少しでも回避する為に、シェルタードック2の高さを低めにした。それにより、1,2階の建物の床フロアーの高さと段差が生じるが、シェルター本体1のシェルター階段40により問題を解決した。シェルタードック2の高さを高くすると、PC杭17の設置本数やコンクリート基礎部分に於けるコストが高くなるので、高コストを回避することも考慮した。
既設建物38の建築扉15を開放すると、シェルタードック2に装備された防水扉9を開放することが出来る。乗り込みプラットホーム13に移動したのち、シェルター本体1に装備した水密扉8を開放してシェルター本体1の内部に避難することができる。津波が去った後に、既設建物38が残っていれば容易に脱出できる。また、建物が全て亡くなったとしても1,2階からは容易に脱出することが出来る。
シェルタードック2について、外周の6面は基本的に鉄筋コンクリート製又は鉄骨鉄筋コンクリート製である。壁の厚みは、20〜40cm程度とした。その訳は、現在使用されている普通ポルトランドセメント系のコンクリートは、乾燥収縮するのでコンクリートの表面には、乾燥収縮クラックが発生して、そのクラックから水や二酸化炭素などが浸入して、劣化を促進するからである。しかし、鋼繊維、樹脂繊維を混入したコンクリートなどで乾燥収縮クラック等を防止出来れば、壁厚を薄くしたり、厚くしたり出来るものとした。また、経済的余裕があれば内側を連続した鉄板で強化した形状のものも可能とした。今後、新製品の開発により利用可能なものが、出現すれば積極的に使用することとした。
複合床パネル3は、シェルター本体1が2〜3人用の小さなものの場合は、鉄筋コンクリートで製作可能である。しかし、後段で示す実施例のように比較的大きなシェルター本体1を装備する場合は、鉄筋コンクリートで製作することは困難となる。各階間における水密性能は確保された方が望ましいが、その為に各階の床重量が重くなることは、構造上に於いては逆に不利となる。そこで、鋼製パネル及びコンクリートで構成された複合床パネル3を考案した。カーボンファイバー、アラミド繊維などの新開発材料の開発により、複合床パネル3の構成が可能な場合には、積極的に使用することとした。このことにより、重量のあるシェルター本体1をシェルタードック2に内蔵することを可能とした。
各階の水密性を確保するためには、床の鉄筋コンクリートの厚みを20〜30cm程度としなければならない。大き目のシェルター本体1を収納する場合は床の水平投影面積が広くなり、鉄筋コンクリートの床が大きく撓む、またそれが原因となりひび割れが発生することとなる。床の厚さを厚くすれば、それを支えるシェルタードック2の構造も大きくなる。シェルタードック2の壁厚を厚くすると、乾燥収縮によるクラックや熱膨張による表面クラック等が発生しやすくなり、長期間の強度の保全にとって不利なものとなる。それゆえ、シェルタードック2の壁厚は、必要最小限の壁厚に止めたい。
PC杭について、一般の土木建築において利用されるボーリング調査等の結果より、N値が不足する軟弱地盤の場合には設置が必要となる。また、シェルタードック2を半地下の工法で地中内に設置する場合にも必要としない場合もあるので、敢えてクレームの構成要件には含めないこととした。
図2の説明をする。病院、老人施設において、ベツトに寝たきり被介護者や車いすでの移動のみしか出来ない高齢者でも、短時間で避難できるよう考案した。既設の中高層階の鉄筋コンクリート建物等に隣接して重量鉄骨造りの建物に相当したものを増築することだけで、津波対策シェルターを装備することが出来る。なぜならば、震災発生時は電力供給が停止することとなる。そうなると、エレベーターを使用して上下階への移動は不可能となる。そこで、各階において平行移動することだけで避難行動を完了できることを考案した。
シェルター本体1のみの性能により水密性を確保できれば、各階の床及び天井に相当する複合床パネル3は高度の水密性能を敢えて装備する必要性はなくなる。1次的には、各階に設置されたシェルター本体1のみが耐水圧に対応する。そして、各階を取り囲んだ屋上階の床、東西南北の外壁、1階部分の床による6方向の構成部材により、2次的に耐水圧に対抗するものとした。この形態を実施すれば、新たに高額な津波避難ビルを新築する必要性がなくなる。既設の建物に増築工事をするだけで、津波対策が完了する。非常に経済性に優れたものにした。
また、シェルタードック2は、連結アンカー7によって既設建物と連結することにより、より津波による横モーメント力に対抗することが出来るようになる。連結アンカー7の材料は、金属製で出来ている。すでに一般建築材料として販売されているものがあれば、コスト削減のために積極的に使用する。ただし、既設建物が耐震性能などの基準を満たしていない場合など、逆に連結することによりシェルタードック2が倒壊する危険がある場合には敢えて連結しない。そういった場合は、PC杭17の本数を増す方法や、シェルタードック2の壁厚などの構造強度を見直すことで回避することした。
シェルタードック2の建設時において、一般建築工事で使用される2液式のエポキシ樹脂製のケミカルアンカーを使用して連結アンカー7を既設建物に固定できる場合は、経済的に安価な方法なので積極的に使用することとした。異形鉄筋の外径も構造計算を行ったうえで、津波による横モーメントに十分対応できる外径のものと、十分な本数を使用することとした。
今回の実施例では、階層状に構築した場合に於いて、シェルタードック2の床部分と直下の天井部分の部材が共有することとなる。ベツト利用している被介護者が入場できるシェルター本体1は比較的大きなものになるので、その外周に位置するシェルタードック2も比例して大きくなる。しかし、開発の初期段階にはシェルタードック2を鉄筋コンクリート製として開発したが、物性論的に鉄筋コンクリート製のみでは構築出来ない。梁方向及び桁行方向は、5〜6m以上の長さとなる可能性が大きいので、床は鉄板造り又は、鉄骨鉄筋コンクリート造りとなる複合床パネル3を考案した。
図3の説明をする。震災瓦礫により全ての出入り口が閉塞するとは限らないので、脱出扉10を開放したならば階段室18に到達できるように考案した。一般建築において階段室18の踊り場11部分は、屋外プラットホーム19の役割を兼用している。また、この階段室18は、震災瓦礫の衝突から脱出扉10を守る役割も担っている。階段室18は、外周は密閉構造としたが、強度計算で安全確認が取れれば、各階の踊り場11の付近に水抜き用のスリットを装備することも考案した。
脱出経路も水密ハッチ6、水密扉10を経由して階段室18に至る。今回の実施例では、通常の一般建築で造られる程度の屋外階段を示したが、建築面積等の余裕があれば、階段室18の踊り場11の床面積を広く確保することを考案した。車いす利用者や寝たきり被介護者の避難には、広いスペースが必要である。また、既設建物の方向に脱出経路を確保できれば、後者の経路を使用することも可能となる。 階段室18の最頂点にはペントハウス37が装備されており、水密扉10を開放して、屋外への脱出が完了する。
水密扉8、水密ハッチ6は、ともに水深5〜35mの耐水圧の性能を持った構造とした。また、基本的には、防水扉9、脱出扉10も水深5〜35mの耐水圧の性能を持ったものとした。しかし、製造コストを削減する方法において、防水扉9、脱出扉10の性能は、水深5〜10m程度の耐水圧の性能をもった構造としてもよいこととした。その根拠は、震災瓦礫などによる激突による衝撃は、シェルタードック2によって回避させ、水圧による水没回避は、シェルター本体1の性能によって回避することをも考案した。
防水扉9について、本来はシェルタードック2の側面に装備するが、実施例に示すように、既設建物の壁の厚みや力学的強度が十分に担保されれば、既設建物の壁に装着することも可能とした。ただし、防水扉9の框部分と既設建物の壁部分との隙間が十分に水密性能をもたせることを条件とした。
また、シェルタードック2を地上設置することにより、車いす利用者だけでなく、寝たきり介護でベツトから起きて避難することが不可能な高齢者、病人なども容易に避難することが出来るように考案した。確かに、必要な収容容積が巨大になり、建設コストは高額になることは否定できない。しかし、どのような状態の一般市民でも津波から避難出来ることが、該発明の最大の特徴とした。
図4の説明をする。屋外プラットホーム19は、外部プラットホーム5から最終的に脱出を補助するために装備した。屋外に装備されるので、津波による衝撃や震災瓦礫の衝突に耐え得る構造のものとした。または、脱着式や可動式として衝撃を回避できる構造のものとした。材質は、金属製や樹脂繊維製のものを始めとして、十分な強度を持ったものとした。
リフト室35の内部には、リフト支柱16が地上階から屋上階までの間に装備されている。可動式プラットホーム36は、リフト支柱16に従って、各階の屋外プラットホーム5の位置から最上階の脱出可能な位置まで可動することができる。震災時には、外部電源が喪失されるので、基本的には手動で動くものとした。また、外部電源の復旧で動力源が確保できれば、電動式で上下に可動するものとした。
リフト室35は、本来であればシェルタードック2と同等の構造である鉄筋コンクリート製又は、鉄骨鉄筋コンクリート製で造られたシェルタードック2の内部に収納されている。しかし、建設コストの削減を配慮して水密性能を2〜10m程度のものでも可能になるように考案した。ただし、最低限度において震災瓦礫の衝撃に耐え得る構造のものとした。東日本大震災の事例から、水密性能は25〜35mの物が必要とされる。しかし、シェルター本体1を除く部材にシェルター本体1と同等の水密性能を持たせるためには、製造コストが高額になりすぎる問題点を回避した。
つまり、人間が入場するシェルター本体1のみを水密性能を35m程度までのものとした。それ以外の部材は、震災瓦礫からの衝突による衝撃耐力を分担させることも考慮した。こうすることにより、水密扉8等に代表される高額部品の製造コストを削減することも考案した。
図5の説明をする。病棟などに施工された実施例である。病室から廊下に脱出したならば、あとは動線のままにシェルター本体1の内部に侵入するだけである。床の高さも同一であるし、進路方向も極めて直線的なものとした。避難完了後は、防水扉9、水密扉8の順序で締めれば避難完了となる。NHKのテレビ報道された、病院の職員が2〜3名で被介護者を避難させることはなくなり、1人で避難させられる構造とした。
図6―(1)(2)より水密ハッチ6、水密扉8、防水扉9、脱出扉10についての詳細を説明する。前記の4つは、基本的には高水密性能を有した構造である。工場内で製作されたドア框22にヒンジ23によって接合されて水密ハッチ6、水密扉8、防水扉9、脱出扉10の扉は一体化されている。水密リーフ26の中央部にある内部ハンドル27、又は外部ハンドル32を左右に回すことにより扉のツメ24の開閉が行われる。ハンドルと一体化された楕円プレート28は、回転することにより斜行プレート30を上下させて、その力が平行プレート29を左右に動かす。平行プレート29に固定されたツメ24は、回転金具25を中心として上下又は左右に動く。ツメ24は、V字型の形状をしており、回転金具25を中心として回転動作をする。この動作によってハッチの開閉動作が確保される。
水密ハッチ6、水密扉8、防水扉9、脱出扉10の水密リーフ26は、鋼製鉄板で厚さは、5〜15mmのものとした。ドア框22は、水深35m程度の水圧に適合できる耐力構造とした。また、外部ハンドル32は簡易に脱着できるものとした。津波到来の時に瓦礫等で破壊されないように考案した。回転軸34の端部を6角形に加工して、外部ハンドルの受け側も六角形状のものとした。ギアボックス31は、内部ハンドル27、外部ハンドル32を回転する力を補う為に装備した。水密パッキン33は、耐水圧試験に耐え得る能力をもったもので、NKの規格試験に合格できるものとした。
図7の説明をする。水密ハッチ6、水密扉8、防水扉9、脱出扉10をシェルター本体1やシェルタードック2に多く装備することは、避難路の確保と言う点に於いては有利である。しかし、部品の高価なことと部品の重量が重いことを否定できない。各断面図には表記しなかったが、随時避難口を増設する場合には、軽量と安さを確保した嵌め殺し鋼製鉄板21と框20との組み合わせのものを考案した。
海外に生産を拡大した場合には、今後は地震に基づく津波発生に対しての避難方法の選択枝が増える。また、海面上昇が進んでいる状況下において、アジア、アフリカ、太平洋の島国など開発途上国の普及にも非常に有効な発明である。今回の発明は、21世紀以降の世界に於いて大多数の人命を救う工法と考える。
1 シェルター本体
2 シェルタードック
3 複合床パネル
4 中間踊り場
5 外部プラットホーム
6 水密ハッチ
7 連結アンカー
8 水密扉
9 防水扉
10 脱出扉
11 踊り場
12 外部手摺
13 乗り込みプラットホーム
14 台座
15 建築扉
16 リフト支柱
17 PC杭
18 階段室
19 屋外プラットホーム
20 框
21 嵌め殺し鋼製鉄板
22 ドア框
23 ヒンジ
24 ツメ
25 回転金具
26 水密リーフ
27 内部ハンドル
28 楕円プレート
29 平行プレート
30 斜行プレート
31 ギアボックス
32 外部ハンドル
33 水密パッキン
34 回転軸
35 リフト室
36 可動式プラットホーム
37 ペントハウス
38 既設建物
39 水密ボルト
40 シェルター階段

Claims (4)

  1. 防水扉(9)を装備したシェルタードック(2)の内部は、複合床パネル(3)により複数階に区切られており、かつ各階の内部には水密扉(8)を装備したシェルター本体(1)を内蔵したことを特徴とした津波避難シェルター
  2. シェルター本体(1)には、水密扉(8)と相対する位置に水密ハッチ(6)が装備され、かつ、シェルタードック(2)には、防水扉(9)と相対する位置に脱出扉(10)が装備されていることを特徴とする請求項1に記載の津波避難シェルター
  3. 既設建物に隣接して造られたシェルタードック(2)には、シェルタードック(2)を中心として既設建物(38)と反対の位置にリフト室(35)が装備されており、その内部には、リフト支柱(16)に従って上下動が可能な可動式プラットホーム(36)が装備されていることを特徴とする請求項1乃至2のいずれか1項に記載の津波避難シェルター
  4. シェルタードック(2)の外部には、複合床パネル(3)と可動式プラットホーム(36)を連結するための外部プラットホーム(5)が装備されたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の津波避難シェルター
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