JP5706309B2 - 無線リソース割当方法、及び基地局装置 - Google Patents
無線リソース割当方法、及び基地局装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP5706309B2 JP5706309B2 JP2011286351A JP2011286351A JP5706309B2 JP 5706309 B2 JP5706309 B2 JP 5706309B2 JP 2011286351 A JP2011286351 A JP 2011286351A JP 2011286351 A JP2011286351 A JP 2011286351A JP 5706309 B2 JP5706309 B2 JP 5706309B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- terminal
- base station
- terminal stations
- combination
- station apparatus
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Images
Description
このMIMO技術とは、送信局側において複数の送信アンテナから同一チャネル上で異なる独立な信号を送信し、受信局側において同じく複数のアンテナを用いて信号を受信し、その際に各送信アンテナと受信アンテナ間のチャネル情報で構成されるチャネル情報行列を求め、この行列を用いて送信局側で各アンテナから送信した独立な信号を推定し、データを再生するものである。
ここで、N本の送信アンテナを用いてN系統の信号を送信し、M本のアンテナを用いて信号を受信する場合を考える。まず、送受信局の各アンテナ間にはM×N個の伝送のパスが存在し、第i(i=1,2,・・・,N)送信アンテナから送信され第j(j=1,2,・・・,M)受信アンテナで受信される場合のチャネル情報をhj,iとし、これを第(j,i)成分とするM行N列の行列をHと表記する。更に、第i送信アンテナからの送信信号をtiとし(t1,t2,t3,・・・,tN)を成分とする列ベクトルをTx、第j受信アンテナでの受信信号をrjとし(r1,r2,r3,・・・,rM)を成分とする列ベクトルをRx、第j受信アンテナの熱雑音をnjとし(n1,n2,n3,・・・,nM)を成分とする列ベクトルをnと表記する。
この場合、以下の(式1)が成り立つ。
このMIMO通信においては、伝搬路の情報を利用して、その伝搬路に対して最適な状況で信号を送信することにより、最も効率的に通信を行うことができる。例えば、特許文献1に記載された固有モードSDM(Space Division Multiplexing)方式を用いたMIMO伝送においては、信号の伝送方向のMIMOチャネルのチャネル情報行列Hを送信局側で取得できた場合に、このチャネル情報行列に対応した送信信号の最適化を行う。具体的には、チャネル情報行列Hとそのエルミート共役な行列HH(右肩の「H」の記号はエルミート共役を表す)の積を対角化可能なユニタリ行列Uを取得し、このユニタリ行列で送信信号を変換して信号を送信する。このユニタリ変換行列Uとチャネル情報行列Hの間には以下の(式2)が成り立つ。
ちなみに、(式4)の中の送信電力Piは、全てのMIMOチャネルに共通の値である必要はなく、また信号系列ごとに伝送モードを変更しても構わない。一般に、注水定理と呼ばれる手法を用いることでこのPiの値を最適化することが可能である。この中で、Pi=0となる信号系列が存在した場合、その信号系列は実際の伝搬には用いずに、他の信号系列に電力を配分した方が効率的であることを意味している。つまり、MIMOの多重数を元々の上限値よりも少なく設定することになる。このようにして、多重化する信号系列数の最適値を判断することも可能である。
このようなケースにおいて、1つの端末局に対して割り当てる信号系列数を少なくする一方で、複数の異なる端末局に対して同時に同一周波数チャネルで通信するマルチユーザMIMO通信が有効である。
(マルチユーザMIMOの概要)
以上のシングルユーザMIMO技術の説明は、基本的に送信局と受信局が1対1の関係で通信を行うものであった。この際、送受信アンテナの間隔が狭いとチャネルの相関が強くなり、空間多重を効率的に行えなくなる。そこで、例えば非特許文献1等にて検討されているマルチユーザMIMO技術では、そのアンテナ相関を低減するために、空間的に分散した複数台の端末局と1台の基地局装置との間で空間多重を行う。
図15は、従来技術におけるマルチユーザMIMO技術を適用した無線通信システムの構成例を示す図である。同図に示す無線通信システムは、1つの基地局装置301と、3つの端末局#1〜#3(302〜304)とを具備している。実際に1つの基地局装置が収容する端末局は3つ以上の多数であってもよいが、ここでは端末局が3つの場合を示している。無線通信システムでは、多数の端末局から端末局#1〜#3(302〜304)を選び出し、選び出された端末局302〜304と基地局装置301とが同時に空間多重した通信を行う。各端末局302〜304に備えられているアンテナ数は、基地局装置301に備えられているアンテナ数に比較して一般的に少ない。
このように指向性制御を行う理由は、例えば端末局#1(302)において端末局#2(303)及び端末局#3(304)で受信した信号の情報を知る術がないため、端末局間での協調的な受信処理ができない。つまり、各端末局#1〜#3(302〜304)において、備えられている3本のアンテナを用いて受信した3つの信号から基地局装置301が送信した9系統の全ての信号系列を信号分離することは非常に厳しい。そこで、基地局装置301は、端末局#1〜#3(302〜304)それぞれに対して、他の端末局宛の信号が受信されないように、干渉分離を事前に行う。
このように表記した場合、無線通信システム全体として以下の(式5)が成り立つ。
まず第1ステップとして、端末局#2、#3に対応する6つの行ベクトルh4〜h9が張る6次元部分空間を張る6つの基底ベクトルe4〜e9を求める。求める方法は、グラムシュミットの直交化法の他、様々な方法があるが、ここでは例としてグラムシュミットの直交化法を例に説明する。
まず、1つの行ベクトルh4に着目し、以下の(式12)で与えられ、この方向で絶対値が1のベクトルを基底ベクトルe4とする。
以上の端末局#1に関する送信ウエイトの算出の後、最後に第3ステップとして、これと同様の処理を端末局#2、端末局#3に対しても行えば、最終的に全体の送信ウエイトベクトルw1 H〜w9 Hを求めることができる。
ここで、全ての宛先の端末局の送信ウエイトベクトルを決定済みか否かを判断し(ステップS151)、残りの端末局があれば(ステップS151:No)、ステップS144からステップS150を繰り返す。一方、全ての宛先の端末局の送信ウエイトベクトルを検定済みであれば(ステップS151:Yes)、送信ウエイトベクトル{wj H}を各列ベクトルとする行列として送信ウエイト行列Wを決定し(ステップS152)、処理を完了する(ステップS153)。
なお、チャネル情報は一般には周波数ごとに異なるため、広帯域の信号、例えばOFDM変調方式を用いた信号であれば、周波数成分ごと、すなわちサブキャリアごとに同様の送信ウエイトを算出することになる。
マルチユーザMIMO伝送を行うためには、基地局装置で送受信局間のチャネルの状態を把握する必要がある。特にダウンリンクにおいては、複数の端末局間の信号が端末局側で相互干渉とならないように、基地局装置と各端末局と間のチャネルの状態を把握し、チャネルの状態に応じた送信ウエイトを用いて信号を送信する必要があるためである。
図17は、従来技術におけるチャネルフィードバックの処理を示すフローチャートである。従来技術におけるチャネルフィードバックの方法は大別して2種類の方法がある。ここでは、フォワードリンクのチャネル推定結果を直接取得する「(A)直接的な方法」と、バックワードリンクの情報を用いて換算推定する「(B)間接的な方法」とについて説明する。
端末局は、基地局装置の各アンテナから送信された無線パケットを受信し、受信した無線パケットに含まれているプリアンブル信号などを用いてチャネル推定を実施する(ステップS103)。端末局では、このチャネル推定結果を「制御情報収容用の無線パケット」に収容し、基地局装置に送信する(ステップS104)。
基地局装置は、端末局が送信した「制御情報収容用の無線パケット」を受信し、チャネル情報を取得する(ステップS105)。更に、基地局装置は、受信したチャネル情報をメモリに保存し、チャネル情報に関するデータベースを構築し(ステップS106)、処理を終了する(ステップS107)。
基地局装置は、端末局から送信された無線パケットを受信し、無線パケットに含まれているプリアンブル信号などを用いてチャネル推定を実施する(ステップS110)。
基地局装置は、このバックワードリンクにおけるチャネル情報の推定結果に、換算処理を施し、フォワードリンク側のチャネル情報を取得する(ステップS111)。
バックワードリンクにおけるチャネル情報からフォワードリンクにおけるチャネル情報を算出する換算処理は、フォワードリンクにおけるハイパワーアンプと、バックワードリンクにおけるローノイズアンプとの相違を補正する係数を用いることにより実施することが可能である。具体的には、バックワードリンクにおけるチャネル情報に、ハイパワーアンプとローノイズアンプとの相違を補正する係数を乗算することによって、ステップS111における変換処理を実施することができる。
更に、基地局装置は、端末局から受信したバックワードリンクにおけるチャネル情報と、変換処理により得られたフォワードリンクにおけるチャネル情報とをメモリに保存し、チャネル情報を記憶するデータベースを構築し(ステップS112)、処理を終了する(ステップS113)。
このようにしてチャネル情報を事前に取得しておき、一般的には実際に通信を行う際にこのチャネル情報を基に送信ウエイトを算出する。なお、チャネル情報は時間と共に変動するため、状況に応じて例えば周期的に更新することが一般的である。
図18は、従来技術のマルチユーザMIMOにおける送信処理を示すフローチャートである。以下、基地局装置は、K本のアンテナを備え、信号系列数がL個の信号処理を行う場合について説明する。
マルチユーザMIMOでは、データの送信とは別に行うダウンリンクのチャネル情報のフィードバック処理が定期的になされており、ここで、端末局ごとにダウンリンクの各周波数成分のチャネル情報を取得すると(ステップS159)、そのチャネル情報をメモリに記憶しておく(ステップS160)。この処理は、逐次行われる。
一方、基地局装置は、信号を送信する送信処理を開始すると(ステップS151)、宛先である端末局に該当するチャネル情報を先ほどのメモリから周波数成分ごとに読み出す(ステップS152)。読み出されたチャネル情報を基に、先に示した処理によりマルチユーザMIMO用の送信ウエイトを周波数成分ごとに算出する(ステップS153)。
ステップS152、ステップS153における処理とは別に、基地局装置は、宛先の端末局ごとに、端末局に送信すべきデータに対して各種変調処理等を含む送信信号処理を行い各周波数成分の送信信号を生成する(ステップS154)。
基地局装置は、処理を施した信号に対し、更にD/A変換、ハイパワーアンプを用いた増幅を行い、各アンテナから送信し(ステップS157−1〜S157−K)、処理を終了する(ステップS158−1〜S158−K)。
なお、ステップS156−1〜S156−Kでは、ベースバンド信号から無線周波数へのアップコンバート処理、フィルタによる帯域外周波数成分の除去、ハイパワーアンプによる信号の増幅なども含むようにしてもよい。
図19は、従来技術のマルチユーザMIMOにおける受信処理のフローチャートである。まず、基地局装置は、第1から第Kアンテナにて信号を受信する(ステップS161−1〜S161−K)。ここでの受信とは、受信した信号ないしはそれをダウンコンバートした信号に対しA/D変換を施す処理までを含み、以降の信号処理はこれらのデジタル化された受信信号に対する処理を意味する。
続けて、各アンテナに対応する受信信号に対し、FFTによる各周波数成分への分離等の信号処理を行う(ステップS162−1〜S162−K)。更に、基地局装置は、無線パケットに付与されていた既知のパターンのプリアンブル信号を用いて、各周波数成分のチャネル推定を実施する(ステップS163−1〜S163−K)。ここで、伝搬路上での信号の減衰、及び複素位相の回転状態を把握する。
基地局装置は、推定されたチャネル情報を用いて、空間多重された信号系列ごと及び周波数成分ごとに個別の適切な受信ウエイトを算出する(ステップS164)。更に空間多重された信号系列ごとに算出された各周波数成分の受信ウエイトを、周波数成分ごとに分離された受信信号に乗算する(ステップS165−1〜S165−L)。
ここで、受信ウエイトは空間多重された信号系列ごとに用意されているため、ステップS165−1〜S165−Lにおける出力は、空間多重された信号系列ごとに別々の出力となる。基地局装置は、各アンテナの信号が周波数成分ごとに、それぞれの信号系列の信号を加算合成し(ステップS166−1〜S166−L)、合成した信号系列それぞれに対して第1信号系列の信号処理(ステップS167−1)から第L信号系列の信号処理(S167−L)を実施し、処理を終了する(ステップS168−1〜S168−L)。
以上、マルチユーザMIMOの説明を行ったが、従来技術のマルチユーザMIMOの典型的な特徴は、基地局装置における受信処理(アップリンク)において、送信側と受信側との間のチャネル情報を基に、受信の都度、受信ウエイトの算出を行う点(図19のステップS164)、及び、基地局装置における送信処理(ダウンリンク)において、信号送信時に最新のチャネル情報を読み出し(図18のステップS152)、そのチャネル情報を基に送信ウエイトを算出する点(図18のステップS153)にある。
シングルユーザMIMOとマルチユーザMIMOとの違いは、マルチユーザMIMOでは空間的な広がりをもって存在する複数の端末局が構成するアンテナを利用し、そのアンテナ間距離が離れていることで結果的にシングルユーザMIMOに比べてアンテナ相関が小さくなる効果を利用する点にある。しかし、厳密には、同時に空間多重する端末局のアンテナに係るチャネル情報は時として非常に相関が大きくなることがあり、その場合には特性が大幅に劣化することになる。具体的には、(式17)で与えられる送信ウエイトベクトルwj Hと、元々のチャネル情報ベクトルhjとを乗算して得られる値(hj・wj H)が特性を表すひとつの指標となる。例えばベクトルhjとベクトルwjとの方向が完全に等しい場合には、ベクトルwjが規格化されていることを考慮すれば、(hj・wj H)はベクトルhjの絶対値に等しくなる。一方で、ベクトルhjと、ベクトルwjとの方向が完全に直交していれば、(hj・wj H)の値はゼロとなる。このように、この(hj・wj H)の値がベクトルhjの絶対値よりも小さくなるのは、他の端末局に対して干渉を与えないように行われた直交化にともない、回線利得にロスが発生することを示している。シングルユーザMIMOの場合のチャネル容量Cが(式4)で与えられるのは、受信側で全てのアンテナの受信情報を活用できるからであるが、マルチユーザMIMOでは送信側で送信ウエイトを乗算し回線利得にロスが発生した後の情報しか取得することができない。この結果、(式4)に相当するチャネル容量は以下の(式18)に書き換えられる。
例えば、候補となる端末局が6局存在し、4多重のマルチユーザMIMOを実施するのであれば、端末局の組み合わせは15(=6C4)通り存在する。一般には全ての組み合わせを考慮する必要はなく、その他の要因を考慮してある程度候補を絞り込んでいても構わない。
ここでの評価指標とは必ずしもチャネル容量である必要はなく、直交化に伴うロスを最小化することで効率を最大化するなど、他の指標を用いても構わない。
特にこの方法は、端末局のSNR特性が良好であれば近似精度が高く、ほぼ正確にチャネル容量を評価できる。しかし、ここで行うべき処理は、様々な端末局の中からどの組み合わせで同時に空間多重をすればよいのかを判断することであり、多数の組み合わせに対して同様の演算を行い、その結果の中で最もチャネル容量を高める組み合わせ、ないしは直交化に伴うロスを最も抑えられる組み合わせを検索しようとすると、演算量が増加してしまう。
このような演算の負荷を大幅に低減するためには、送受信ウエイトを正確に算出した後でチャネル容量を直接的に評価する(式18)に相当する演算を行うのではなく、(式18)における|hj・wj H|を算出する代わりに、直交化ロスの程度を近似的に評価することが考えられる。そのひとつの方法としては、例えば以下の(式19)で与えられる各チャネル情報ベクトルを規格化したベクトルを定義し、異なる端末局に関するこの規格化チャネルベクトル〜hj同士の内積がなるべく小さな組み合わせを探索してもよい。
具体的には、図22に示すように、マルチユーザMIMOの基地局装置は、スケジューリング処理を開始すると(ステップS221)、送信データの存在する宛先端末局(ないしはアップリンクであれば、送信データの存在する送信元端末局)の候補をリストアップし(ステップS222)、リストアップされた端末局から1局を選択する(ステップS223)。ステップS223における端末局の選択方法として、例えば、FIFO(First-In-First-Out)型のバッファなどを利用して、送信待ちの端末局の待ち行列を生成し、待ち時間の長い端末局順に管理して、最も待ち時間の長い端末局を選択する方法等がある。
更に、リストアップされた端末局から、まだ選択されていない端末局を1局選択し(ステップS224)、この選択で既に全ての端末局の調査が完了し選択が不可の状態にあるか否かを判断する(ステップS225)。
全ての内積値が所定の基準値以下である場合(ステップS227:Yes)、その端末局の選択を確定し組み合わせに追加する(ステップS228)。その後、空間多重の目標数である所定の数mに対し、既にm局の端末局の組み合わせ選択が完了したか否かの判断を行う(ステップS229)。組み合わせに含まれる端末局の数がmに達している場合(ステップS229:Yes)、端末局の組み合わせを確定して処理を終了する(ステップS230)。
この図22に示す処理は、先の図20又は図21で示したような最適解である保証はなく、簡易な方法で準最適解を求める処理に対応する。
図23は、マルチユーザMIMOを用いて通信する基地局装置900において送信に係る構成例を示す概略ブロック図である。同図に示すように、基地局装置900は、送信信号処理回路161−1〜161−L(Lは2以上の整数)と、加算合成回路162−1〜162−K(Kは2以上の整数)と、IFFT・GI付与回路178−1〜178−Kと、D/A変換器163−1〜163−Kと、ミキサ164−1〜164−Kと、フィルタ165−1〜165−Kと、ハイパワーアンプ(HPA:High Power Amplifier)166−1〜166−Kと、アンテナ167−1〜167−Kと、ローカル発振器168と、チャネル情報取得回路169と、送信ウエイト処理部173と、MAC層処理回路174と、インタフェース回路175とを備えている。
送信ウエイト処理部173は、チャネル情報記憶回路170と、マルチユーザMIMO送信ウエイト算出回路171と、通信制御回路172とを有している。
MAC層処理回路174は、スケジューリング処理回路176を有している。
ここで、同図における送信信号処理回路161−1〜161−Lの添え字のLは、同時に空間多重を行う多重数を表す。また、加算合成回路162−1〜162−Kからアンテナ167−1〜167−Kまでの回路の添え字のKは、基地局装置900が備えるアンテナ系統数を表す。
MAC層処理回路174は、全体の動作の管理制御を行う通信制御回路172の指示に従い、MAC層に関する処理(すなわちインタフェース回路175で入出力されるデータと無線回線上で送受信されるデータの変換、MAC層のヘッダ情報の付与・終端等)を実施する。この処理の中で、スケジューリング処理回路176は、マルチユーザMIMO伝送において同時に空間多重を行う端末局の組み合わせを含む各種スケジューリング処理を行う。スケジューリング処理結果は通信制御回路172に通知される。
また、送信信号処理回路161−1〜161−Lで乗算される送信ウエイトは、信号送信処理時に、マルチユーザMIMO送信ウエイト算出回路171より取得する。送信ウエイト処理部173では、チャネル情報取得回路169で別途チャネル情報を取得しておき、これを逐次更新しながらチャネル情報記憶回路170に記録しておく。信号の送信時にマルチユーザMIMO送信ウエイト算出回路171は、宛先局に対応したチャネル情報をチャネル情報記憶回路170から読み出し、その情報を基に送信ウエイトを算出し、これを送信信号処理回路161−1〜161−Lに入力する。
また、宛先局の管理や全体のタイミング制御など、全体の通信に係わる制御を通信制御回路172が管理し、上述の送信ウエイトの算出に係わる信号処理を行う送信ウエイト処理部173に対し、通信制御回路172から宛先局等の情報が指示される。
受信ウエイト処理部190は、チャネル情報推定回路188と、マルチユーザMIMO受信ウエイト算出回路189とを有している。
デジタル・ベースバンド信号は、全てFFT回路179−1〜179−Kに入力され、所定のシンボルタイミングで時間軸上の信号を周波数軸上の信号に変換(各周波数成分の信号に分離)する。この各周波数成分に分離された信号は、受信信号処理回路181−1〜181−Lに入力されると共に、チャネル情報推定回路188にも入力される。
マルチユーザMIMO受信ウエイト算出回路189は、当該チャネル情報を基に受信ウエイトを周波数成分ごとに算出する。この際、各アンテナ167−1〜167−Kからの信号を合成する受信ウエイトは信号系列ごとに異なり、抽出すべき信号系列に対応する受信信号処理回路181−1〜181−Lにそれぞれ入力される。
ここで、異なる受信信号処理回路181−1〜181−Lでは異なる信号系列の信号処理がなされる。MAC層処理回路174では、MAC層に関する処理(すなわちインタフェース回路175で入出力されるデータと無線回線上で送受信されるデータの変換、MAC層のヘッダ情報の終端等)を実施する。この処理の中でスケジューリング処理回路176は、マルチユーザMIMO伝送において同時に空間多重を行う端末局の組み合わせを含む各種スケジューリング処理を行い、スケジューリング処理結果は通信制御回路172に通知される。MAC層処理回路174にて処理された受信データはインタフェース回路175に出力され、インタフェース回路175を介して外部機器ないしはネットワークとのデータの入出力を行う。
また、信号受信に関しても送信の場合と同様に、OFDM変調方式ないしはSC−FDE方式を用いた広帯域のシステムでは、上述の受信ウエイトの乗算は周波数成分ごとに行われる。つまりA/D変換器182−1〜182−Kからの出力信号に対し、FFT回路179−1〜179−KでFFTを行い各周波数成分に分離し、その周波数成分ごとにチャネル情報推定回路188での信号処理、受信信号処理回路181−1〜181−Lでの受信信号処理が実施されることになる。
一方で、空間多重する局数を10局(m=10)とすると、(式15)のi、jの組み合わせはm×(m−1)/2通りあり、NBS×m×(m−1)/2で与えられる乗算回数は4500回である。つまり、空間多重数に対して実際に必要な乗算回数よりも大幅に大きい数の乗算を従来方式では必要とする。
[発明の動作原理]
マルチユーザMIMO伝送技術では、基地局装置はある周期でチャネル情報のフィードバックを端末局から受け、そのフィードバックされたチャネル情報を一旦記憶する。基地局装置は、実際にデータを送信する際にその送信を行うときより過去に得られたチャネル情報を基に送信ウエイトの算出を行う。一般にはチャネル情報には時間変動があるため、過去の情報を用いた場合にはその時点の真のチャネル情報とは異なった値となっている可能性がある。この時間変動は不適切な送信ウエイトの算出につながり、端末局間で相互の干渉信号が残ることによる特性劣化が問題となることがある。しかし一方で、チャネル情報の頻繁なフィードバックは、回線上のオーバーヘッドを増大させ効率を低下させることにつながり好ましくない。
結果として、マルチユーザMIMO伝送は比較的チャネルの時間変動が少ない環境で有効に動作することになる。このような環境は、例えば端末局が比較的高所に固定的に配置され、基地局装置と端末局とが見通し関係にある場合に現実となる。この場合でも、周りの環境(例えば自動車や歩行者、樹木の風による揺れ等)の変化によりチャネル情報に若干の変動が生じるが、特に端末局が指向性アンテナを用いるなどして、様々な方向からの反射波を除去するなどの処置を施すことにより、基地局装置と端末局との設置場所に変動がなければ、安定的な見通し波のみが支配的となりチャネル情報を安定化させることができる。
また、図に示すように、基地局装置1及び端末局2−1〜2−Nは、ビルの屋上や鉄塔の上、電信柱の上、家屋の屋根や軒先など、比較的高所に固定的に設置されているものとする。この結果、基地局装置1の備えるアンテナと、端末局2−1〜2−Nの備えるアンテナとは見通し環境にある。場合によっては端末局2−1〜2−Nの備えるアンテナを指向性アンテナとすれば、基地局装置1と端末局2−1〜2−Nとのそれぞれが備えるアンテナ間のチャネル情報は、見通し波が支配的な状況となる。
このような環境で、一例として基地局装置1にNBS本のアンテナを水平面上で円形に配置し、その基地局装置1から距離L1及び距離L2離れた場所に2つの端末局2−A、2−B(A及びBは1からNの中の異なるふたつの数を表す)が配置されているものとする。基地局装置1の第iアンテナ(1≦i≦NBS)の座標を(Xi,Yi)、j番目の端末局2(1≦j≦N)の座標を(xj,yj)とすると、チャネル情報ベクトルhjは以下の(式21)で与えられる。
なお、端末局2−A及び端末局2−Bがなす角度θとは、基地局装置1の位置(ないしは基地局装置1が備える複数のアンテナの中心位置)から端末局2−Aに向かうベクトルと、基地局装置1から端末局2−Bに向かうベクトルとがなす角度のことである。
なお、図2を用いた説明では角度θ2の算出方法を視覚的に説明したが、一般的には評価関数値をθ=0から徐々に増加させながら、所定の角度の区間内で連続的に評価関数の目標値(上述の例では0.8)を上回る条件を検索すれば良い。評価関数は、角度θ1以下の領域では大きく波打ちながら変動しているが、図2の角度4度から26度の区間では、連続的に目標値を上回っている。この区間の幅の設定条件は、角度θ2の近傍で評価関数が増減する周期よりも十分大きな値であればよく、例えば角度5度以上の幅で目標値以上となる条件などを設定すれば、図2の例では容易にθ2=4度と設定することが可能である。
また、方位情報は角度θそのものである必要はなく、角度方向を幾つかの区間に分け、そのどの領域に属するかという加工した方位情報として管理しても構わない。更には、この方位情報を加工した別の情報として、任意の2つの端末局における方位の差分が所定の閾値以上となるようなスケジューリング結果、すなわち端末局の組み合わせパターンを事前に生成して記録することで、結果的に任意の2つの端末局における方位の差分が所定の閾値以上となることを保証してもよい。
以下に、個々の実施形態に基づき、図を用いて詳細な説明を行う。
図3は、第1の実施形態におけるスケジューリング処理回路10の構成を示す概略ブロック図である。本実施形態における基地局装置は、図23及び図24に示した基地局装置900の構成において、スケジューリング処理回路176に替えて、図3に示すスケジューリング処理回路10を備えた基地局装置である。
スケジューリング処理回路10は、図3に示すように、端末局方位記憶部11と、通信相手候補リスト生成部12と、通信相手選択部14と、無線リソース割当部15とを有している。
端末局方位記憶部11は、各端末局2−jの方位θを示す方位情報を記憶している。
通信相手候補リスト生成部12は、MAC層処理回路174から通知される情報であって帯域の割り当て待ちの端末局2を示す情報に基づいて、同時に空間多重して通信をする端末局2の候補リストを生成する。例えば、生成される候補リストには、ダウンリンクにおけるスケジューリングであれば、基地局装置において送信すべきデータが存在する端末局2から選択された端末局2が含まれ、アップリンクにおけるスケジューリングであれば、無線リソースの割り当て要求を送信した端末局2から選択された端末局2が含まれる。なお、通信相手候補リスト生成部12は、MAC層処理回路174から通知される情報に加えて通信品質に関する要求条件などを更に加味した優先順位などに基づいて、候補リストを生成するようにしてもよい。
通信相手選択部14は、端末局方位記憶部11に記憶されている方位情報に基づいて、通信相手候補リスト生成部12が生成した候補リストに含まれる端末局2から、基地局装置の通信相手となる端末局2の組み合わせを選択し、選択した端末局2の組み合わせを示す選択情報を無線リソース割当部15に出力する。すなわち、選択情報は、基地局装置との間において同一周波数で同一時刻に空間多重を行う端末局2の組み合わせを示すことになる。
無線リソース割当部15は、通信相手選択部14から入力される選択情報が示す端末局2それぞれに対して、送受信すべきデータ量などに基づいて無線リソースを割り当てる。無線リソース割当部15は、各端末局2に割り当てた無線リソースと、選択情報が示す端末局2の組み合わせとを示すスケジューリング情報を生成し、生成したスケジューリング情報(スケジューリング処理結果)を通信制御回路172に出力する。
スケジューリング処理回路10において、スケジューリング処理が開始されると(ステップS1)、MAC層処理回路174からの情報などに基づいて、通信相手候補リスト生成部12が候補リストを生成する(ステップS2)。
通信相手選択部14は、候補リストに含まれる端末局2から1局を選択して、通信相手として確定する(ステップS3)。ステップS3における端末局2の選択は、例えば待ち行列(送信ないしは受信すべきデータがある状態で、順番の待ち時間が長い順に生成されたリスト)において先頭の端末局2であったり、QoS(Quality of Service)クラスが高位の高品質が要求される端末局2であったり、所定のルールのもとで選択される。
1局が確定した状態で、通信相手選択部14は、更に続けて2局目の端末局2として、更に候補リストから1局を追加で選択する(ステップS4)。この際、既に全ての候補を選択し終わっているか否か、すなわち更なる選択は不可の状態であるか否かを通信相手選択部14は判断する(ステップS5)。
一方、選択が可能であった場合(ステップS5:No)、通信相手選択部14は、既に確定した端末局2の方位情報と、最後に選択した端末局2の方位情報とを端末局方位記憶部11から取得する(ステップS6)。
通信相手選択部14は、取得した方位情報に基づいて、既に確定した端末局2と、選択した端末局2との方位差が所定の閾値α以上であるか否かを判定し(ステップS7)、方位差が閾値α以上である場合(ステップS7:Yes)、選択した端末局2を通信相手として確定する(ステップS8)。通信相手選択部14は、既に確定した端末局2の数が空間多重の上限に達したか否かを判定し(ステップS9)、上限に達している場合(ステップS9:Yes)、スケジューリング処理を終了し、これまでに確定した端末局2を通信相手とし、当該端末局2の組み合わせを示す選択情報を無線リソース割当部15に出力する(ステップS10)。
一方、ステップS7において、方位差が閾値α未満である場合(ステップS7:No)、通信相手選択部14は、処理をステップS4に戻し、ステップS4からステップS9を繰り返す。また、ステップS9において、上限に達していない場合(ステップS9:No)、通信相手選択部14は、処理をステップS4に戻し、ステップS4からステップS9を繰り返す。
なお、ここでの方位情報は方位角を適当な刻み幅で階級化し、その階級の代表値を用いて管理しても構わない。この場合、方位差が閾値α以上であるか否かの判断は、例えば階級の代表値の差分が閾値以上か否かの判断であっても構わないし、階級の刻み幅を考慮して所定の階級数以上、階級値が離れているか否かなどの判断であっても構わない。
以上の第1の実施形態に関する説明では、通信相手の候補に含まれる2つの端末局2間における角度差を算出する処理を含むスケジューリング処理を示した。しかし、選択した端末局2間における方位差が所定の閾値α度以上であることを担保するには、必ずしも2つの端末局2の方位差を選択するたびに算出する処理を必要としない。
割り当て禁止領域は、所定の閾値α度(ないしはそれ以上)の角度幅を有する領域に設定される。同時に空間多重することができる端末局の上限値、ないしは空間多重数の目標値をMとすれば、全方位360度をM分割し、((360/M)−α)度(ないしはそれ以下)の角度幅を有する領域が割り当て可能領域に設定される。このような領域を定義し、各割り当て可能領域から1台以内で端末局2の割り当てを行えば、選択した端末局2において相互の方位差はα度以上になることを保証することができる。この際、必ずしも全ての割り当て可能領域に端末局2を割り当てる必要はない。送受信すべきデータの存在する無線リソースの割り当てを待つ端末局2が存在しなければ、当然ながらその割り当て可能領域に対する端末局2の割り当てはなしとなる。
スケジューリング処理回路20は、図6に示すように、領域設定パターン記憶部21と、端末局位置記憶部22と、通信相手候補リスト生成部12と、通信相手選択部24と、端末局存在領域記憶部25と、無線リソース割当部15とを有している。なお、スケジューリング処理回路20において第1の実施形態と同じ機能部には同じ符号を付して、その説明を省略する。
領域設定パターン記憶部21には、上述した全体割り当て領域設定パターン(例えば、図5)が予め複数記憶されている。端末局位置記憶部22には、自装置(基地局装置)の配下の端末局2ごとに、端末局2が何処に位置しているか示す端末局位置情報(例えば座標情報や方位情報など)が予め記憶されている。
端末局存在領域記憶部25には、領域設定パターン記憶部21に記憶された各全体割り当て領域設定パターンにおいて、各端末局2が位置している領域(割り当て可能領域又は割り当て禁止領域)を示す領域情報が予め記憶されている。端末局存在領域記憶部25に記憶されている領域情報は、端末局2と全体割り当て領域設定パターンとそれぞれを識別する情報をインデックスとして、当該端末局2が割り当て可能領域又は割り当て禁止領域のいずれの領域に位置するかを検索できる2次元テーブルとして構成してもよいし、各全体割り当て領域設定パターンごとに各端末局2をインデックスとして、当該端末局2が割り当て可能領域又は割り当て禁止領域のいずれの領域に位置するかを検索できる複数の1次元テーブルとして構成してもよいし、如何なるものであっても構わない。また、端末局存在領域記憶部25に記憶されている領域情報は、各端末局と、割り当て可能領域又は割り当て禁止領域との対応関係が記憶されているテーブルとして構成し、割り当て可能領域及び割り当て禁止領域と、端末局との両方をインデクッスとして検索できるようにしてもよい。
通信相手選択部24は、スケジューリング処理において、通信相手候補リスト生成部12が生成する候補リストと、領域設定パターン記憶部21に記憶されている全体割り当て領域設定パターンと、端末局存在領域記憶部25に記憶されている領域情報とに基づいて、同時に空間多重して通信をする端末局2の組み合わせを選択する。通信相手選択部24は、選択した端末局2の組み合わせを示す選択情報を無線リソース割当部15に出力する。
なお、通信相手選択部24は、スケジューリング処理を行う前に、領域設定パターン記憶部21に記憶されている全体割り当て領域設定パターンごとに、端末局位置記憶部22に記憶されている端末局位置情報に基づいて、割り当て可能領域又は割り当て禁止領域のいずれの領域に位置しているかを端末局2ごとに検出し、検出した結果を領域情報として端末局存在領域記憶部25に記憶させるようにしてもよい。
スケジューリング処理回路20において、スケジューリング処理が開始されると(ステップS11)、MAC層処理回路174からの情報などに基づいて、通信相手候補リスト生成部12が候補リストを生成する(ステップS12)。
通信相手選択部24は、領域設定パターン記憶部21に記憶されている複数の全体割り当て領域設定パターンからいずれか1つの全体割り当て領域設定パターンを選択する(ステップS13)。
その後、通信相手選択部24は、端末局存在領域記憶部25に記憶されている領域情報に基づいて、選択した全体割り当て領域設定パターンにおける割り当て可能領域ごとに、候補リストに含まれる端末局2であって割り当て可能領域に位置する端末局2から1台以内の端末局2を選択し(ステップS14)、合計で空間多重の目標値以内の台数で全体の端末局2の組み合わせを確定しスケジューリング処理を終了する(ステップS15)。
以上の第2の実施形態に関する説明では、割り当ての都度、端末局2の組み合わせ決定のために全体割り当て領域設定パターンを選択し、全体割り当て領域設定パターンの割り当て可能領域ごとに端末局2を選択して全体の組み合わせを決定していた。しかし、図1に示すような基地局装置と端末局2との間が見通し環境となるシステムを想定する場合、端末局2は固定的に設置されている場合が多く、その場合にはこの手の作業をある程度まで事前に行っておくことも可能である。これは、チャネル情報自体には時変動が存在するが、図4及び図7にて説明を行った処理には時変動を伴うチャネルの情報利用が含まれていないためであり、チャネル情報を意識せずにある程度の処理までを事前に行うことが可能となる。
スケジューリング処理回路30は、図8に示すように、組合せパターン記憶部31と、通信相手候補リスト生成部12と、通信相手選択部34と、無線リソース割当部15とを有している。なお、スケジューリング処理回路30において第1の実施形態と同じ機能部には同じ符号を付して、その説明を省略する。
組合せパターン記憶部31には、端末局2の組み合わせが予め複数記憶されている。
通信相手選択部34は、組合せパターン記憶部31に記憶されている端末局2の組み合わせと、通信相手候補リスト生成部12が生成する候補リストとに基づいて、同時に空間多重して通信する端末局2の組み合わせを選択する。通信相手選択部34は、選択した端末局2の組み合わせを示す選択情報を無線リソース割当部15に出力する。
全ての組み合わせ設定が完了していない場合(ステップS25:No)、処理をステップS22に戻し、ステップS22からステップS25までの処理を繰り返して行う。この際、ステップS22では繰り返し処理の都度全体割り当て領域設定パターンを変更する必要はなく、ひとつの全体割り当て領域設定パターンの各割り当て可能領域に対応する端末局2がいずれかの組み合わせに含まれるように繰り返し連続で同一パターンを選択し続けても構わない。なお、ステップS25における判断は、例えば目標となる組み合わせパターン数の選択が完了した場合であったり、全ての端末局2が必ず所定の数の組み合わせに属していることが確認できた場合であったり、更には所定のルールに従いシステマティックに組み合わせ選択を行う処理の完了をもって判断したり、如何なる条件でも構わない。ただし、必ず全ての端末局2がいずれかの組み合わせに含まれることを確実に行う必要がある。
ステップS25において、組み合わせ設定が完了した場合(ステップS25:Yes)、これまでの端末局2の組み合わせの各パターンをデータベース化し(ステップS26)、一連の処理を完了する(ステップS27)。ここでのデータベース化とは、単純に端末局2の組み合わせ情報を記憶部に保存しておく他、例えば端末局2の任意の組み合わせを部分集合として含む端末局2の組み合わせを検索できるデータベースであっても構わない。このような一連の処理を事前処理として行い、その後のスケジューリング処理の際にこのデータベースを利用する。
スケジューリング処理回路30において、スケジューリング処理が開始されると(ステップS31)、MAC層処理回路174からの情報などに基づいて、通信相手候補リスト生成部12が、送受信データが存在する帯域割り当ての候補となる端末局2をリストアップして候補リストを生成し(ステップS32)、組合せパターン記憶部31に記憶されている端末局2の組み合わせから、優先度の高い端末局2をなるべく多く割り当てることができる組み合わせパターンを選択し(ステップS33)、選択された組み合わせパターンに含まれる端末局2の組み合わせを選択情報として無線リソース割当部15に出力して、スケジューリング処理を終了する(S34)。
このように、本実施形態では既に各端末局2の明示的な方位情報は管理されていないが、組合せパターン記憶部31に記憶されている組み合わせパターンそのものに方位情報が含まれているものと解釈することができ、結果的に任意の2つの端末局における方位差は常に所定の閾値α以上となることが保証される。
次に、第3の実施形態で示したデータベースの具体例を第4の実施形態として説明する。ここでは、基地局装置の通信相手となる端末局2が8局(#1〜#8)ある場合について説明する。
図10は、第4の実施形態における端末局2の組み合わせ例を示す図である。図10に示される複数の組み合わせを示す情報は、組合せパターン記憶部31に予め記憶される情報である。図10において、縦方向には端末局#1から端末局#8までを順に示し、横方向には端末局2の組み合わせを示すパターンAからパターンNまでを順に示している。同図において、それぞれのパターンにおいて各端末局#1〜#8に割り当てられている数字(「0」又は「1」)は、「1」が割り当てることを示し、「0」が割り当てないことを示している。便宜上、端末局2の番号に対する縦方向の引数をi、パターンに対する通し番号の引数をjとして表し、各割り当てを2次元配列のQ(i,j)なる値で管理することにする。例えば、パターンAでは端末局#1、#2、#3、#4を組み合わせるものとし、この状態をQ(1,1)=Q(2,1)=Q(3,1)=Q(4,1)=1、Q(5,1)=Q(6,1)=Q(7,1)=Q(8,1)=0として管理する。また、ここでは一例として組み合わせパターンAから組み合わせパターンNの14通りの候補のみを選択肢としてリストアップし、これ以外の組み合わせはここでは考えないものとする。
図9(B)におけるステップS32の処理が完了すると(ステップS41)、通信相手選択部34は、候補リストに含まれる端末局2から、所定のN局の端末局2を選択する(ステップS42)。ここでのNとは例えば空間多重が可能な多重数の上限であってもよいし、ステップS32でリストアップされた端末局2の数が空間多重数の上限を下回るのであれば、リストアップされた候補の総数をNとしても構わない。
なお、第3及び第4の実施形態等において、組合せパターン記憶部31に記憶させる端末局2の組み合わせ(データベース)としては、例えば図10に示す条件を更に加工したデータベースとして、4台選択する場合には、{1,2,3,4⇒A}、{5,6,7,8⇒B}、{1,2,5,6⇒C}、{3,4,7,8⇒D}、・・・{2,3,5,8⇒N}の合計14通り、3台選択する場合には{1,2,3⇒A}、{1,2,4⇒A}、{1,3,4⇒A}、{2,3,4⇒A}、{5,6,7⇒B}、{5,6,8⇒B}、・・・{2,5,8⇒N}、{3,5,8⇒N}の合計56通り等のように、別の形式で管理していても構わない。また、この例では端末局2を2台選択する場合、1台のみ選択する場合のリストも合わせて用意しておくようにしてもよい。
以上の第1から第4の実施形態では、全てチャネル情報を参照しないで端末局2の組み合わせを選択する構成を説明した。しかし、例えば本発明の動作原理を示す図2においても、評価関数f(θ)の値は目標とする閾値以下となる場合はある確率で発生するため、一旦選んだ組み合わせに対しても、このような相関の強い端末局2の組み合わせを含むことがないように無線リソースの割り当てを行うことが好ましい。
そこで、第5の実施形態では、選択した端末局2の組み合わせに対し、閾値以下となる端末局2が含まれているか否かを判定し、端末局2の絞り込みを行う構成について説明する。
スケジューリング処理回路40は、図12に示すように、端末局方位記憶部11と、通信相手候補リスト生成部12と、通信相手選択部14と、無線リソース割当部15と、通信相手絞込部46とを有している。なお、スケジューリング処理回路40において第1の実施形態と同じ機能部には同じ符号を付して、その説明を省略する。なお、スケジューリング処理回路40は、第1の実施形態におけるスケジューリング処理回路10に、通信相手絞込部46を加えた構成となっている。
通信相手絞込部46は、通信相手選択部14から入力される選択情報が示す端末局2の組み合わせに、評価関数値が閾値以下となる端末局2の組み合わせが含まれているか否かを判定し、閾値以下となる端末局2を組み合わせから除外する絞り込み処理を行う。通信相手絞込部46は、絞り込まれた端末局2の組み合わせを示す絞り込み結果情報を無線リソース割当部15に出力する。なお、本実施形態において無線リソース割当部15は、絞り込み結果情報に基づいて無線リソースの割り当てを行う。
スケジューリング処理回路40において、スケジューリング処理が開始されると(ステップS61)、通信相手選択部14が第1の実施形態において説明した手順で端末局2の組み合わせを決定する(ステップS62)。その後、通信相手絞込部46は、所定のルールに基づいて、選択された端末局2に対して優先順位を設定し(ステップS63)、優先順位が第1位の端末局2の選択を確定させる(ステップS64)。その後、通信相手絞込部46は、優先順位を管理する変数kを2に設定し(ステップS65)、続けて優先順位第k位の端末局2を選択し(ステップS66)、各端末局2の規格化されたチャネル情報ベクトルを取得し(ステップS67)、既に確定済みの優先順位第1位から第(k−1)位までのいずれの端末局2とも規格化されたチャネル情報ベクトルの内積値の絶対値が所定の閾値以下であるか否かの条件判断を行う(ステップS68)。
また、本実施形態において、第1の実施形態におけるスケジューリング処理回路10に通信相手絞込部46を加えたスケジューリング処理回路40の構成を説明したが、第2の実施形態におけるスケジューリング処理回路20、又は第3の実施形態におけるスケジューリング処理回路30に対して、同様に通信相手絞込部46を加えるようにしてもよい。この場合、ステップS62における端末局2の組み合わせの選択は、第2、第3又は第4の実施形態において示した手順で端末局2の組み合わせを決定する。
図14は、本実施形態に対する変形例のスケジューリング処理のフローチャートである。スケジューリング処理を開始すると(ステップS81)、先の第1から第4の実施形態のいずれかにおいて示した手順で端末局2の組み合わせをM種類決定する(ステップS82)。通信相手絞込部46は、このM種類の組み合わせの候補に対し、並列処理として、組み合わせごとに、各端末局2の規格化されたチャネル情報ベクトルを取得し(ステップS83−1〜S83−M)、組み合わせに含まれる各端末局2間の内積の絶対値を全て算出し(ステップS84−1〜S84−M)、組み合わせにおける内積値の絶対値の最大値を検索し(ステップS85−1〜S85−M)、M種類の組み合わせの中で内積値の絶対値の最大値が最小になる組み合わせを選択し(ステップS86)、この選択された端末局2の組み合わせを用いて無線リソースの割り当てを行い一連の処理を終了する(ステップS87)。ここで、ステップS83−1〜S83−Mの処理は、事前に規格化したチャネル情報ベクトルを算出し記憶しておき、その記憶された情報を読み出す処理に置き換えることも可能である。また、ここではM系統の処理を並列処理するとして説明したが、当然ながら直列的にないしは並列処理と直列処理を組み合わせた形で、内容的に等価な処理を実現することも可能である。
また図13に示した処理は、逐次行う無線リソースの割り当て処理として実施する以外にも、第3の実施形態で示したように事前処理として端末局2の組み合わせの候補を生成する際に、例えば図13で示す処理を併せて事前に実施し、チャネル相関が大きい端末局2を一部除外した組み合わせを生成し、これをデータベース化して利用することも可能である。同様に、図14に示した処理は、第3の実施形態で示した組み合わせパターンの事前取得を行う際に、実運用時に必要となるパターン数よりも少し多めのM’(ここでM<M’)パターンを生成しておき、図14に示した処理で実際に使用する有効な組み合わせパターンをM’通りからM通りに限定し、これをデータベース化して利用するようにしても構わない。
この組み合わせ選択は端末局の方位の相対的な角度差のみで求まるため、移動の伴わない端末局を前提にすれば、事前に方位に関するデータベースを作成しておき、通信中のスケジューリング処理においてはこのデータベースを基に単純な角度差の取得処理のみで組み合わせの可否判断が可能である。
更に、チャネル情報ベクトルはサブキャリアごとに異なるため、従来であればサブキャリア単位で個別に組み合わせの可否判断を行わなければならないが、端末局の存在する方位による判断はサブキャリアに依存しない共通の判断条件であるため、特に全サブキャリアを同一の端末の組み合わせで利用するOFDM変調方式適用時には特に有効である。
2,2−1,2−2,2−3,2−4,2−5,2−6,2−N 端末局
10,20,30,40 スケジューリング処理回路
11 端末局方位記憶部
12 通信相手候補リスト生成部
14,24,34 通信相手選択部
15 無線リソース割当部
21 領域設定パターン記憶部
22 端末局位置記憶部
25 端末局存在領域記憶部
31 組合せパターン記憶部
46 通信相手絞込部
161−1,161−2、161−L 送信信号処理回路
162−1,162−2,162−K 加算合成回路
163−1,163−2,163−K D/A変換器
164−1,164−2,164−K ミキサ
165−1,165−2,165−K フィルタ
166−1,166−2,166−K ハイパワーアンプ
167−1,167−2,167−K アンテナ
168 ローカル発振器
169 チャネル情報取得回路
170 チャネル情報記憶回路
171 マルチユーザMIMO送信ウエイト算出回路
172 通信制御回路
173 送信ウエイト処理部
174 MAC層処理回路
175 インタフェース回路
176 スケジューリング処理回路
178−1,178−2,178−K IFFT・GI付与回路
179−1,179−2,179−K FFT回路
181−1,181−2,181−L 受信信号処理回路
182−1,182−2,182−K A/D変換器
183−1,183−2,183−K フィルタ
184−1,184−2,184−K ミキサ
185−1,185−2,185−K ローノイズアンプ
186−1,186−2,186−K アンテナ
187 ローカル発振器
188 チャネル情報推定回路
189 マルチユーザMIMO受信ウエイト算出回路
190 受信ウエイト処理部
301 基地局装置
302 端末局#1
303 端末局#2
304 端末局#3
900 基地局装置
Claims (8)
- 複数のアンテナを備えた基地局装置と、1つ又は複数のアンテナを備えた複数の端末局とを具備し、前記基地局装置と複数の前記端末局との間において同一周波数で同一時刻に空間多重を行うマルチユーザMIMO伝送を実施可能な無線通信システムにおける無線リソース割当方法であって、
前記基地局装置から前記端末局へのダウンリンク、又は前記端末局から前記基地局装置へのアップリンクの通信において、空間多重を用いて前記基地局装置と同時に通信を行う複数の前記端末局を選択する際に、前記端末局の組み合わせであって該組み合わせに含まれる前記端末局間において前記基地局装置を基準とした際の各端末局の方位の差分が予め定められた閾値α(0°<α<180°)以上となる前記端末局の組み合わせを選択する通信相手選択ステップと、
前記通信相手選択ステップにおいて選択された前記端末局の組み合わせに含まれる端末局の全てあるいは一部に対して無線リソースを割り当てる無線リソース割当ステップと
を有し、
前記閾値αは、
前記基地局装置が備える前記複数のアンテナ素子と前記端末局が備えるアンテナ素子の間の見通し波のみを考慮したチャネルモデルで与えられるチャネル情報を用いた前記基地局装置と前記端末局との間のチャネル情報ベクトルを仮定したときに、前記方位の差分がθとなるある2つの前記端末局に対し、前記チャネル情報ベクトルの内積値を各チャネル情報ベクトルの絶対値で除算した値に対する絶対値を1から減算して与えられる評価関数を用い、所定の角度β(0°<β<180°)に対し、前記θをゼロから増加させながら前記評価関数の値が区間α≦θ≦α+βにおいて予め定められた目標値以上の値となる最小の値として設定される
ことを特徴とする無線リソース割当方法。 - 請求項1に記載の無線リソース割当方法であって、
前記通信相手選択ステップは、
前記基地局装置を基準とした際の前記端末局の方位に関する情報を取得するステップと、
2つの前記端末局の方位に関する情報から前記方位の差分を算出し、算出した方位の差分が前記閾値α以上であるか否かを判定するステップと、
前記算出した方位の差分が前記閾値α以上である前記端末局を前記端末局の組み合わせに選択するステップと
を有することを特徴とする無線リソース割当方法。 - 請求項1に記載の無線リソース割当方法であって、
前記通信相手選択ステップは、
前記基地局装置との間において同一周波数で同一時刻に空間多重を行う前記端末局の候補を示す候補リストに基づいて、前記基地局装置を基準とした際の各前記端末局の方位の差分が前記閾値α以上となる前記端末局の組み合わせパターンを予め複数記憶している組合せパターン記憶部から、いずれか1つの前記端末局の組み合わせパターンを取得し、取得した前記端末局の組み合わせパターンに含まれる端末局を前記端末局の組み合わせに選択する
ことを特徴とする無線リソース割当方法。 - 請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の無線リソース割当方法であって、
前記通信相手選択ステップにおいて選択された前記端末局の組み合わせに含まれる端末局ごとに、該端末局と前記基地局装置との間のチャネル情報ベクトルと、前記端末局の組み合わせに含まれる他の端末局と前記基地局装置との間のチャネル情報ベクトルとの内積の絶対値を2つの該チャネル情報ベクトルの絶対値で除算した値が予め定められた基準値以下であるか否かを判定し、前記値が前記基準値より大きい場合、該端末局を前記端末局の組み合わせから除外する通信相手絞込ステップ
を更に有することを特徴とする無線リソース割当方法。 - 請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の無線リソース割当方法であって、
前記端末局は、固定設置されており、
前記通信相手選択ステップは、
前記基地局装置が設置されている位置を原点とした空間において定まる前記端末局それぞれの位置を示す座標から方位を取得する
ことを特徴とする無線リソース割当方法。 - 複数のアンテナを備えた基地局装置と、1つ又は複数のアンテナを備えた複数の端末局とを具備し、前記基地局装置と複数の前記端末局との間において同一周波数で同一時刻に空間多重を行うマルチユーザMIMO伝送を実施可能な無線通信システムにおける無線リソース割当方法であって、
前記基地局装置から前記端末局へのダウンリンク、又は前記端末局から前記基地局装置へのアップリンクの通信において、空間多重を用いて前記基地局装置と同時に通信を行う複数の前記端末局を選択する際に、前記端末局の組み合わせであって該組み合わせに含まれる前記端末局間において前記基地局装置を基準とした際の各端末局の方位の差分が予め定められた閾値α(0°<α<180°)以上となる前記端末局の組み合わせを選択する通信相手選択ステップと、
前記通信相手選択ステップにおいて選択された前記端末局の組み合わせに含まれる端末局の全てあるいは一部に対して無線リソースを割り当てる無線リソース割当ステップと
を有し、
前記通信相手選択ステップは、
空間多重数をM(M≧2)とした際において、前記基地局装置を中心として円周方向に区切られた割り当て禁止領域及び割り当て可能領域からなる領域設定パターンであって、前記閾値α以上の角度幅を有する複数の前記割り当て禁止領域と、((360°/M)−α)以下の角度幅を有する複数の前記割り当て可能領域とが円周方向に交互に配置された領域設定パターンを用いて、該領域ごとに前記基地局装置を基準とした際の前記端末局それぞれの方位に関する端末局存在領域情報であって該領域と前記端末局との関係を示す端末局存在領域情報に基づいて、前記割り当て可能領域ごとに1局以下の前記端末局を選ぶことにより、前記端末局の組み合わせを選択する
ことを特徴とする無線リソース割当方法。 - 複数のアンテナを備えた基地局装置と、1つ又は複数のアンテナを備えた複数の端末局とを具備し、前記基地局装置と複数の前記端末局との間において同一周波数で同一時刻に空間多重を行うマルチユーザMIMO伝送を実施可能な無線通信システムにおける基地局装置であって、
自装置から前記端末局へのダウンリンク、又は前記端末局から自装置へのアップリンクの通信において、空間多重を用いて同時に通信を行う複数の前記端末局を選択する際に、前記端末局の組み合わせであって該組み合わせに含まれる前記端末局間において自装置を基準とした際の各端末局の方位の差分が予め定められた閾値α(0°<α<180°)以上となる前記端末局の組み合わせを選択する通信相手選択部と、
前記通信相手選択部が選択した前記端末局の組み合わせに含まれる端末局の全てあるいは一部に対して無線リソースを割り当てる無線リソース割当部と
を備え、
前記閾値αは、
前記基地局装置が備える前記複数のアンテナ素子と前記端末局が備えるアンテナ素子の間の見通し波のみを考慮したチャネルモデルで与えられるチャネル情報を用いた前記基地局装置と前記端末局との間のチャネル情報ベクトルを仮定したときに、前記方位の差分がθとなるある2つの前記端末局に対し、前記チャネル情報ベクトルの内積値を各チャネル情報ベクトルの絶対値で除算した値に対する絶対値を1から減算して与えられる評価関数を用い、所定の角度β(0°<β<180°)に対し、前記θをゼロから増加させながら前記評価関数の値が区間α≦θ≦α+βにおいて予め定められた目標値以上の値となる最小の値として設定される
ことを特徴とする基地局装置。 - 複数のアンテナを備えた基地局装置と、1つ又は複数のアンテナを備えた複数の端末局とを具備し、前記基地局装置と複数の前記端末局との間において同一周波数で同一時刻に空間多重を行うマルチユーザMIMO伝送を実施可能な無線通信システムにおける基地局装置であって、
自装置から前記端末局へのダウンリンク、又は前記端末局から自装置へのアップリンクの通信において、空間多重を用いて同時に通信を行う複数の前記端末局を選択する際に、前記端末局の組み合わせであって該組み合わせに含まれる前記端末局間において自装置を基準とした際の各端末局の方位の差分が予め定められた閾値α(0°<α<180°)以上となる前記端末局の組み合わせを選択する通信相手選択部と、
前記通信相手選択部が選択した前記端末局の組み合わせに含まれる端末局の全てあるいは一部に対して無線リソースを割り当てる無線リソース割当部と
を備え、
前記通信相手選択部は、
空間多重数をM(M≧2)とした際において、自装置を中心として円周方向に区切られた割り当て禁止領域及び割り当て可能領域からなる領域設定パターンであって、前記閾値α以上の角度幅を有する複数の前記割り当て禁止領域と、((360°/M)−α)以下の角度幅を有する複数の前記割り当て可能領域とが円周方向に交互に配置された領域設定パターンを用いて、該領域ごとに自装置を基準とした際の前記端末局それぞれの方位に関する端末局存在領域情報であって該領域と前記端末局との関係を示す端末局存在領域情報に基づいて、前記割り当て可能領域ごとに1局以下の前記端末局を選ぶことにより、前記端末局の組み合わせを選択する
ことを特徴とする基地局装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011286351A JP5706309B2 (ja) | 2011-12-27 | 2011-12-27 | 無線リソース割当方法、及び基地局装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011286351A JP5706309B2 (ja) | 2011-12-27 | 2011-12-27 | 無線リソース割当方法、及び基地局装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2013135426A JP2013135426A (ja) | 2013-07-08 |
JP5706309B2 true JP5706309B2 (ja) | 2015-04-22 |
Family
ID=48911815
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2011286351A Active JP5706309B2 (ja) | 2011-12-27 | 2011-12-27 | 無線リソース割当方法、及び基地局装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5706309B2 (ja) |
Families Citing this family (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US9923822B2 (en) | 2013-08-28 | 2018-03-20 | Qualcomm Incorporated | Methods and apparatus for multiple user uplink |
JP6251118B2 (ja) * | 2014-05-15 | 2017-12-20 | 日本電信電話株式会社 | 空間多重スケジューリング方法、基地局装置及びプログラム |
JP6259354B2 (ja) * | 2014-05-15 | 2018-01-10 | 日本電信電話株式会社 | 空間多重スケジューリング方法、基地局装置及びプログラム |
CN105704822B (zh) * | 2014-11-28 | 2021-06-29 | 索尼公司 | 频谱资源管理装置和方法、无线通信设备和方法 |
JP2016151824A (ja) * | 2015-02-16 | 2016-08-22 | 富士通コンポーネント株式会社 | Kvmスイッチ |
JP6397365B2 (ja) * | 2015-04-16 | 2018-09-26 | 日本電信電話株式会社 | 置局設計支援方法、置局設計支援装置、及び置局設計支援プログラム |
CN112449021B (zh) * | 2016-01-27 | 2023-10-27 | 创新先进技术有限公司 | 一种互联网资源的筛选方法及装置 |
US10886980B2 (en) | 2017-03-08 | 2021-01-05 | Mitsubishi Electric Corporation | Wireless communication apparatus and wireless communication method |
US11128353B2 (en) | 2017-04-28 | 2021-09-21 | Ntt Docomo, Inc. | Radio base station |
WO2020066143A1 (ja) | 2018-09-26 | 2020-04-02 | 日本電気株式会社 | 基地局、システム、方法及び非一時的なコンピュータ可読媒体 |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE19506439A1 (de) * | 1995-02-24 | 1996-08-29 | Sel Alcatel Ag | Zuweisung einer Trägerfrequenz in einem SDMA-Funksystem |
JP4382071B2 (ja) * | 2006-10-11 | 2009-12-09 | 日本電信電話株式会社 | 空間多重伝送用送信方法、通信相手選択方法および無線送信装置 |
JP5082408B2 (ja) * | 2006-11-29 | 2012-11-28 | 株式会社明電舎 | 移動体位置監視システムの移動体端末 |
-
2011
- 2011-12-27 JP JP2011286351A patent/JP5706309B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2013135426A (ja) | 2013-07-08 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5706309B2 (ja) | 無線リソース割当方法、及び基地局装置 | |
JP5107365B2 (ja) | ビーム制御方法、ビーム制御装置、記憶媒体及びビーム制御システム | |
US10966220B2 (en) | Method and apparatus for scheduling, load balancing, and pilot-assignments in reciprocity-based MIMO cellular deployments | |
US11303331B2 (en) | Communication device and method used for multiuser spatial modulation | |
US9876539B2 (en) | Method and apparatus for scalable load balancing across wireless heterogeneous MIMO networks | |
JP5775610B2 (ja) | 無線装置、及びトレーニング信号送信方法 | |
CN102868477B (zh) | 一种基于分组波束的多用户预编码方法和装置 | |
CN103379652A (zh) | 一种实现用户调度的用户配对方法、装置和系统 | |
US9426683B2 (en) | Method and base station for providing an estimate of interference and noise power of an uplink resource block | |
Hajri et al. | Scheduling in massive MIMO: User clustering and pilot assignment | |
US20140010080A1 (en) | Method for operating a wireless network, a wireless network and a device | |
CN104321977B (zh) | 用于计算和报告信道特性的方法和设备 | |
CN114337976A (zh) | 一种联合ap选择与导频分配的传输方法 | |
Matalatala et al. | Optimal low-power design of a multicell multiuser massive MIMO system at 3.7 GHz for 5G wireless networks | |
JP4455512B2 (ja) | 無線通信方法及び無線基地局 | |
JP4503539B2 (ja) | 無線通信システムおよび空間多重用無線通信方法 | |
JP6541915B2 (ja) | 無線通信装置 | |
Wu et al. | On energy efficiency optimization in downlink MIMO-NOMA | |
JP4455511B2 (ja) | 無線通信方法、無線通信システム及び無線端末局 | |
Ying et al. | Heterogeneous massive MIMO with small cells | |
CN110535579A (zh) | 下行数据的传输方法、网络设备及终端 | |
US8824398B2 (en) | Radio communication system, radio communication device, and radio communication method | |
CN110858773B (zh) | 无线通信设备及由其执行的方法、计算机可读介质 | |
JP4624277B2 (ja) | 無線通信システムおよび送信指向性制御方法 | |
JP6336229B2 (ja) | 無線通信装置および送信ストリーム数決定方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
RD02 | Notification of acceptance of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422 Effective date: 20130606 |
|
RD04 | Notification of resignation of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424 Effective date: 20130802 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20140210 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20141118 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20141202 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20150130 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20150224 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20150226 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5706309 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |